説明

微細金属バンプの形成方法

【課題】基板の一面側に形成された金属部材のバンプ形成箇所のみに、金属微粒子とキャリアガスとを噴射して金属微粒子を堆積するガスデポジション法によって微細バンプを安定して形成し得る微細バンプの形成方法を提供する。
【解決手段】基板10の一面側に形成されたパターン12を覆うマスク層としての樹脂層30に、パターン12のバンプ形成箇所が底面に露出する底面径が樹脂層30の表面に開口する開口径よりも大きい逆テーパ状の凹部34を形成した後、凹部34の底面に露出するパターン12のバンプ形成箇所に、金属を蒸発させて得られる金属微粒子をキャリアガスと共に搬送してノズル25から噴射して堆積するガスデポジション法によって円錐状のバンプ14を形成し、次いで、樹脂層30を剥離することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微細金属バンプの形成方法に関し、更に詳細には基板の一面側に形成された金属部材の所定箇所に微細な金属バンプを形成する微細金属バンプの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置等の電子部品では、樹脂やセラミック等から成る基板の一面側に形成された主として銅から成るパターンの各端部に、他の電子部品との接続等のために、金等の金属から成る微細金属バンプが形成されることが多い。かかる微細金属バンプは、例えば下記特許文献1に記載されているガスデポジション法によって形成できる。
このガスデポジション法では、図7に示すガスデポジション装置を用い、フィルタ16が設けられた吸引管17を経由して吸引されて真空状態の室18内に載置されたルツボ20内の金属22を加熱蒸発して金属微粒子とする。この金属微粒子は、室18内にキャリアガスとして供給されるヘリウムガスと共に、吸引管27を経由して吸引されて真空状態の室26内に搬送される。室26内には、パターン12が一面側に形成された基板10が挿入されており、移送管24の先端に形成されたノズル25からヘリウムガスと共に金属微粒子がパターン12のバンプ形成箇所に向けて噴射される。室26内に噴射された金属微粒子はパターン12のバンプ形成箇所に堆積して円錐状の金属バンプ14を形成し、ヘリウムガスは吸引管27から吸引されて排出される。
【特許文献1】特開平10−140325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図7に示すガスデポジション装置を用いたガスデポジション法によれば、パターン12のバンプ形成箇所に円錐状の金属バンプ14を形成できる。
しかし、ノズル25からヘリウムガスと共に金属微粒子をパターン12のバンプ形成箇所に向けて噴射するものの、金属微粒子はバンプ形成箇所以外にも付着する。このため、従来のガスデポジション法では、金属バンプ14の裾野が広がり易くなり、金属バンプ14の小径化が困難であること、パターン12,12・・のファインピッチ化に伴って、金属バンプ14,14・・の間に短絡のおそれがあること、形成された金属バンプ14の形状や高さ等が不揃になり易いことが判明した。
そこで、本発明の課題は、基板の一面側に形成された金属部材のバンプ形成箇所のみに、金属微粒子とキャリアガスとを噴射して金属微粒子を堆積するガスデポジション法によって微細な金属バンプを安定して形成し得る微細金属バンプの形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者等は、前記課題を解決するには、ガスデポジション法で金属バンプ14,14・・を形成する際に、パターン12のバンプ形成箇所のみに金属微粒子を堆積することが有効ではないかと考え、パターン12のバンプ形成箇所のみが露出するマスク層を用いることを試みた。
先ず、図8(a)(b)に示す様に、基板10のパターン12,12・・を覆うマスク層としての樹脂層30を形成し、この樹脂層30にレーザ加工を施し、パターン12のバンプ形成箇所が底面に露出する凹部100を形成した[図8(c)]。
図8(c)に示す凹部100は、図9に示す通常のレーザ加工によって形成したものである。この図9に示す通常のレーザ加工では、レーザ装置から照射されたレーザ光をレンズ102で集光して樹脂層30に照射して形成する。形成された凹部100は、パターン12の形成箇所が露出する底面面積が樹脂層30の表面に開口する開口面積よりも小さいテーパ状の凹部であった。
次いで、図8(c)に示す基板10を図7のガスデポジション装置の室26に挿入し、図10に示す様に、室18に挿入されているルツボ20内の金属を加熱蒸発して得た金属微粒子をキャリアガスとしてのヘリウムガスと共にノズル25から噴射した。
【0005】
ノズル25から噴出した金属微粒子は、凹部100の底面に露出するパターン12のバンプ形成箇所、凹部100の内壁面及び樹脂層30の表面にも堆積する。このため、所定時間経過後に金属微粒子とヘリウムガスとのノズル25からの噴射を停止したとき、金属微粒子がバンプ形成箇所に堆積して形成された突起部102と樹脂層30の表面に堆積した堆積層32とは、図11に示す如く、凹部100の内壁面に金属微粒子が堆積した堆積層103によって接続されている。かかる状態では、樹脂層30を基板10から剥離したとき、突起部102は樹脂層30と共にパターン12のバンプ形成箇所から剥離される。
一方、樹脂層30に形成する凹部を、図12に示す様に、その内壁面が垂直の凹部104としても、ガスデポジション法によって凹部104内に金属バンプ14を形成しようとしても、図12に示す如く、凹部104内には略平坦な堆積層106が形成されるに過ぎず、先細りの金属バンプ14を形成できない。
【0006】
本発明者等は、樹脂層30に形成した凹部の形状によって、ガスデポジション法により凹部内に堆積される金属微粒子から成る堆積物形状が異なることに着目し、樹脂層30に形成した凹部形状とガスデポジション法によって凹部内に形成する金属微粒子から成る堆積物形状との関係について検討した。
この検討によれば、パターン12,12・・のバンプ形成箇所が底面に露出する底面面積が樹脂層30の表面に開口する開口面積よりも大きい逆テーパ状の凹部によれば、凹部のテーパ面及び堆積層32から独立した円錐状の金属バンプ14を安定して形成できることを知り、本発明に到達した。
【0007】
すなわち、本発明は、基板の一面側に形成された金属部材の所定箇所に微細な金属バンプを形成する際に、該基板の一面側を覆うマスク層として、前記金属部材のバンプ形成箇所が底面に露出する底面面積が前記マスク層の表面に開口する開口面積よりも大きい逆テーパ状の凹部を形成した樹脂層を、前記基板の一面側に形成した後、前記凹部の底面に露出する金属部材のバンプ形成箇所に、金属を蒸発させて得られる金属微粒子をキャリアガスと共に搬送してノズルから噴射して堆積するガスデポジション法によって、底面部から先端部方向に次第に横断面積が小さくなる先細り状の金属バンプを形成し、次いで、前記樹脂層を剥離することを特徴とする微細金属バンプの形成方法にある。
かかる本発明において、逆テーパ状の凹部として、マスク層に開口する開口形状が円形状の逆テーパ状の凹部を形成し、前記逆テーパ状の凹部内に円錐状又は円錐台状の金属バンプを形成すること、或いは逆テーパ状の凹部として、マスク層に開口する開口形状が幅狭で且つ長形状の逆テーパ状の凹部を形成し、前記逆テーパ状の凹部内に凹部内壁面に沿って幅狭で且つ長形状の先細り状の金属バンプを形成することができる。
尚、ここで言う「円錐状の金属バンプ」とは、先端部が尖っている円錐状の金属バンプのことであり、「円錐台状の金属バンプ」とは、先端部が平坦な円錐台状の金属バンプのことである。
【0008】
かかる本発明において、マスク層としての樹脂層を基板の一面側に形成した後、前記樹脂層に逆テーパ状の凹部を形成することによって、ファイン化された金属部材でも、所定箇所に正確に微細金属バンプを形成できる。
また、テーパ状の凹部を、レーザ加工によって形成する際に、前記レーザ加工に用いるレーザ加工装置として、複数のレーザビームに分割する分割手段と、前記分割手段から離れた位置を起点として分散された各レーザビームの分散ビームを再収束して再収束ビームとするように設けられた第1収束手段と、前記第1収束手段の収束位置に開口された開口部を通過する前記再収束ビームの各々によって、前記開口部の形状が前記樹脂層の表面に所定の大きさで投影されるように設けられたマスク板と、前記マスク板の開口部を通過し、前記凹部の開口部よりも外側に分散された分散ビームを所定の入射角度で前記凹部の開口部に照射する第2収束手段とを具備するレーザ加工装置を用いることが好適である。このレーザ加工には、エキシマレーザを好適に用いることができる。
更に、ガスデポジション法において、蒸発する金属として金を用い、キャリアガスとしてヘリウムガスを用いることによって、金から成るバンプを形成できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板の一面側を覆うマスク層として、基板の金属部材のバンプ形成箇所が底面に露出する底面面積がマスク層の表面に開口する開口面積よりも大きい逆テーパ状の凹部を形成した樹脂層を、基板の一面側に形成した後、ガスデポジション法によって凹部内に金属バンプを形成する。この際に、逆テーパ状の凹部内には、金属バンプの形成と同時に樹脂層上に堆積された金属から成る堆積層及び凹部のテーパ面から独立した、底面部から先端部方向に次第に横断面積が狭くなる先細り状の金属バンプを安定して形成できる。
その結果、樹脂層を基板の一面側から剥離する際に、凹部内に形成した先細り状の金属バンプが樹脂層と共に剥離されることを防止でき、ガスデポジション法によって金属部材のバンプ形成箇所のみに先細り状の金属バンプを安定して形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係る微細金属バンプの形成方法の一例を図1に示す。図1(a)に示す基板10は、樹脂によって形成されており、その一面側にめっきによって形成された金属部材としてのパターン12が形成されている。このパターン12が形成された基板10の一面側を覆うマスク層としてのポリイミド樹脂から成る樹脂層30に、パターン12のバンプ形成箇所が底面に露出する底面面積が樹脂層30の表面に開口する開口面積よりも大きな逆テーパ状の凹部34を形成する。
かかる逆テーパ状の凹部34の開口形状は、図2(a)に示す円形状であってもよく、図2(b)に示す幅狭で且つ長形状であってもよい。
【0011】
逆テーパ状の凹部34は、図3に示すレーザ加工装置40を用いて形成できる。このレーザ加工装置40には、複数のレーザビームに分割する分割手段として複数個の円柱レンズ42,42・・から成る複合レンズが設けられている。
この複合レンズの下方に、円柱レンズ42の各々の焦点位置44を起点として分散された分散ビーム45,45・・を再収束する第1収束手段としての第1収束レンズ46が設けられており、第1収束レンズ46の焦点位置に開口部47が形成されたマスク板48が設けられている。この開口部47は、形成する凹部34の開口形状に倣っており、第1収束レンズ46によって再収束され開口部47を通過する収束ビームによって樹脂層30の表面に所定の大きさで投影される。
更に、マスク板48の下方には、マスク板48の開口部47を通過した収束ビームを樹脂層30の所定位置に案内すると共に、形成する凹部34の開口部よりも外側に分散された分散ビーム49,49・・を所定の入射角度で凹部34の開口部に照射する第2収束手段としての第2収束レンズ50が設けられている。
【0012】
この様に、図3に示すレーザ加工装置40によれば、マスク板48の開口部47を通過し第2収束レンズ50によって樹脂層30に案内される収束ビームに加えて、マスク板48の開口部を過ぎて形成する凹部34の開口部よりも外側に分散された分散ビーム49,49・・が、第2収束レンズ50によって所定の角度で凹部34の開口部に照射される。このため、図1(a)に示す逆テーパ状の凹部34を、基板10の一面側に形成した樹脂層30に形成できる。
図1において、レーザ加工装置40によって樹脂層30に照射されるレーザとしては、樹脂層30を溶断するものの、金属製のパターン12を溶断することのないエネルギーのレーザを用いる。かかるレーザとしては、エキシマレーザを好適に用いることができる。
尚、図3に示すレーザ加工装置40を樹脂層30の所定位置に停止してレーザを照射することによって、図2(a)に示す開口面形状が円形状の逆テーパ状の凹部34を形成でき、レーザ加工装置40を樹脂層30に沿って所定距離移動することによって、図2(a)に示す開口面形状が幅狭で且つ長形状の逆テーパ状の凹部34を形成できる。
【0013】
ところで、図7に示す様に、通常のレーザ加工によって、樹脂フィルムに開口面積の一方が他方の開口面積よりも大きいテーパ状の貫通孔を形成しておき、開口面積の大きい開口部が開口された樹脂フィルム面を基板10の一面側に貼着する方法によっても、逆テーパ状の凹部34を形成可能である。
但し、この方法によれば、樹脂フィルムに形成した貫通孔の各々と基板10の一面側に形成したパターン12,12・・の各バンプ形成箇所との位置合わせを行うことを必要とするため、両者の位置合わせを厳格に行わなくてもよい場合に採用できる。
【0014】
ここで、基板10の一面側の樹脂層30に、開口形状が図2(a)に示す円形状の逆テーパ状の凹部34を形成し、この逆テーパ状の凹部34内にガスデポジション法によって金属バンプ14を形成すべく、基板10を図7に示すガスデポジション装置の室26に挿入した。
ガスデポジション装置では、図1(b)に示す様に、室18に挿入されているルツボ20内の金属22としての金を1500℃に加熱し加熱蒸発して得た金微粒子をキャリアガスとしてのヘリウムガスと共に、300℃に加熱されているノズル25から噴射した。
ノズル25から噴出した金微粒子は、凹部34の底面に露出するパターン12のバンプ形成箇所に堆積して円錐状の金属バンプ14を形成しつつ、樹脂層30の表面にも堆積して堆積層32を形成する。
その後、所定高さの円錐状の金属バンプ14が形成されたとき、金粒子とヘリウムガスとのノズル25からの噴射を停止し、図1(c)に示す様に、基板10を取り出して樹脂層30を基板10の一面側から剥離したところ、図4に示す様に、パターン12,12・・の各バンプ形成箇所に円錐状の金属バンプ14が形成された基板10を得ることができた。
この樹脂層30の剥離は機械的剥離によって行うことができる。
樹脂層30を剥離したパターン12には、バンプ形成箇所を除いて金属微細粒子は付着されていなかった。
尚、基板10に形成した複数のパターン12,12・・の各々に金属バンプ14を形成する場合には、図1(b)に示す様に、基板10を左右方向(矢印A方向)に移動することによって、各パターン12に形状及び高さの揃った金属バンプ14を形成できる。
【0015】
この様に、逆テーパ状の凹部34内にガスデポジション法によって金属バンプ14を形成すると、図1(b)に示す様に、凹部34のテーパ面及び樹脂層30上に形成された堆積層32から独立して、樹脂層30の厚さよりも高い円錐状の金属バンプ14を安定して形成できる。
このため、樹脂層30の厚さを薄くできるため、図2に示すレーザ加工装置40によって、凹部間のピッチが狭い凹部34を形成でき、パターン12のファイン化にも充分に対応できる。
一方、図10に示す如く、テーパ状の凹部100では、凹部100内にガスデポジション法によって金属バンプ14を形成しようとすると、凹部100内に形成された突起部102と樹脂層30の表面に堆積した堆積層32とが、図11に示す如く、凹部100の内壁面に金属微粒子が堆積した堆積層103によって接続されていたり、その形状が円錐状形状とは異なる形状であったりして極めて不安定である。このため、図11に示すテーパ状の凹部100では、ガスデポジション法によって円錐状の金属バンプ14を安定して形成できない。
図1及び図4では、円錐状の金属バンプ14を形成したが、金粒子とヘリウムガスとのノズル25からの噴射時間を調整することによって、円錐台状の金属バンプを形成できる。
【0016】
図1及び図4では、基板10の一面側に図2(a)に示す開口形状が円形状の逆テーパ状の凹部34を形成して、ガスデポジション法によって円錐状の金属バンプ14を形成したが、基板10の一面側に設けた樹脂層30に、図2(b)に示す様に、開口形状が幅狭で且つ長形状の逆テーパ状の凹部34を形成し、この基板10を図7に示すガスデポジション装置の室26に挿入して、凹部34内に金属バンプを形成することによって、円錐状の金属バンプ14と異なる形状の金属バンプを形成できる。
この際に、ガスデポジション装置では、図1(b)に示す様に、室18に挿入されているルツボ20内の金属22としての金を1500℃に加熱し加熱蒸発して得た金微粒子をキャリアガスとしてのヘリウムガスと共に、300℃に加熱されているノズル25から噴射した。
かかる噴射を所定時間継続した後、金粒子とヘリウムガスとのノズル25からの噴射を停止して、樹脂層30を剥離したところ、基板10に形成した複数のパターン12,12・・の各所定箇所に、図5(a)に示す金属バンプを形成することができた。図5(a)に示す金属バンプは、図2(b)に示す開口形状が幅狭で且つ長形状の逆テーパ状の凹部34を形成する内壁面に沿って形成された幅狭で且つ長形状の金属バンプであって、底面部から平面に形成された先端面方向に次第に横断面積が小さくなる先細り状の金属バンプであった。
ここで、金粒子とヘリウムガスとのノズル25からの噴射時間を、図5(a)に示す形状の金属バンプを形成したときよりも長くすると、図5(b)に示す金属バンプを得ることができる。図5(b)に示す金属バンプは、図2(b)に示す開口形状が幅狭で且つ長形状の逆テーパ状の凹部34を形成する内壁面に沿って形成された幅狭で且つ長形状の金属バンプであって、底面部から尖っている先端部方向に次第に横断面積が小さくなる先細り状の金属バンプを形成できる。
【0017】
図3に示すレーザ加工装置40において、第2収束レンズ50として、図6(a)に示す第2収束レンズ50を用いることができる。図6(a)に示す第2収束レンズ50は、図6(b)に示す様に、湾曲した二枚の反射鏡52,54が、その反射面が向き合うように設けられている。反射鏡54の中央部に形成された開口部を通過したビームは、反射鏡52によって反射鏡54の方向に反射された後、反射鏡54の開口部を除く部分で再度反射されて樹脂層30に集光されて照射される。
以上の説明では、図7に示すガスデポジション装置の室18に挿入されているルツボ20内の金属22として金を用いているが、他の金属、例えはニッケルや銅を用いることができる。
更に、樹脂層30の剥離を機械的剥離によって行っているが、樹脂層30を化学エッチングによって除去してもよい。この化学エッチングでは、凹部34内に形成した金属バンプ14に損傷を与えないことを確認しておくことは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る微細金属バンプの形成方法の一例を説明する説明図である。
【図2】図1に示す凹部34の開口形状を示す正面図である。
【図3】図1に示す凹部34を形成するためのレーザ加工装置を説明するための概略図である。
【図4】基板の一面側に形成されたパターンのバンプ形成箇所に円錐状の金属バンプが形成された状態を示す部分斜視図である。
【図5】基板の一面側に形成された幅狭で且つ長形状の先細り状の金属バンプを示す顕微鏡写真である。
【図6】図3に示すレーザ加工装置のレンズとして用いられる他のレンズを説明する概略図である。
【図7】ガスデポジション装置を説明する概略図である。
【図8】基板の一面側に形成した樹脂層に凹部を形成する工程を説明する工程図である。
【図9】従来のレーザ加工によって樹脂層に形成されたテーパ形状の凹部を説明する部分断面図である。
【図10】基板の一面側に形成した、テーパ状の凹部を具備する樹脂層の表面に、ガスデポジション装置のノズルから金属微粒子を噴射する状態を説明する部分断面図である。
【図11】図10に示すガスデポジション法によって、樹脂層の表面に金属微粒子が堆積した状態を説明する部分断面図である。
【図12】基板の一面側に形成した、内壁面が垂直の凹部を具備する樹脂層の表面にガスデポジション法によって金属微粒子を堆積状態を説明する部分断面図である。
【符号の説明】
【0019】
10 基板
12 パターン
14 バンプ
16 フィルタ
17,27 吸引管
18,26 室
20 ルツボ
22 金属
24 移送管
25 ノズル
30 樹脂層
32 堆積層
34 凹部
40 レーザ加工装置
42 円柱レンズ
44 焦点位置
46 収束レンズ
47 開口部
48 マスク板
50 収束レンズ
52 反射鏡
54 反射鏡
52,54 反射鏡


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一面側に形成された金属部材の所定箇所に微細な金属バンプを形成する際に、
該基板の一面側を覆うマスク層として、前記金属部材のバンプ形成箇所が底面に露出する底面面積が前記マスク層の表面に開口する開口面積よりも大きい逆テーパ状の凹部を形成した樹脂層を、前記基板の一面側に形成した後、
前記凹部の底面に露出する金属部材のバンプ形成箇所に、金属を蒸発させて得られる金属微粒子をキャリアガスと共に搬送してノズルから噴射して堆積するガスデポジション法によって、底面部から先端部方向に次第に横断面積が小さくなる先細り状の金属バンプを形成し、
次いで、前記樹脂層を剥離することを特徴とする微細金属バンプの形成方法。
【請求項2】
逆テーパ状の凹部として、マスク層に開口する開口形状が円形状の逆テーパ状の凹部を形成し、前記逆テーパ状の凹部内に円錐状又は円錐台状の金属バンプを形成する請求項1記載の微細金属バンプの形成方法。
【請求項3】
逆テーパ状の凹部として、マスク層に開口する開口形状が幅狭で且つ長形状の逆テーパ状の凹部を形成し、前記逆テーパ状の凹部内に凹部内壁面に沿って幅狭で且つ長形状の先細り状の金属バンプを形成する請求項1記載の微細金属バンプの形成方法。
【請求項4】
マスク層としての樹脂層を基板の一面側に形成した後、前記樹脂層に逆テーパ状の凹部を形成する請求項1〜3のいずれか一項記載の微細金属バンプの形成方法。
【請求項5】
逆テーパ状の凹部を、レーザ加工によって形成する際に、前記レーザ加工に用いるレーザ加工装置として、複数のレーザビームに分割する分割手段と、前記分割手段から離れた位置を起点として分散された各レーザビームの分散ビームを再収束して再収束ビームとするように設けられた第1収束手段と、前記第1収束手段の収束位置に開口された開口部を通過する前記再収束ビームの各々によって、前記開口部の形状が前記樹脂層の表面に所定の大きさで投影されるように設けられたマスク板と、前記マスク板の開口部を通過し、前記凹部の開口部よりも外側に分散された分散ビームを所定の入射角度で前記凹部の開口部に照射する第2収束手段とを具備するレーザ加工装置を用いる請求項1〜4のいずれか一項記載の微細金属バンプの形成方法。
【請求項6】
レーザとして、エキシマレーザを用いる請求項5記載の微細金属バンプの形成方法。
【請求項7】
ガスデポジション法において、蒸発する金属として金を用い、キャリアガスとしてヘリウムガスを用いる請求項1〜6のいずれか一項記載の微細金属バンプの形成方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−131991(P2006−131991A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−262422(P2005−262422)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(392036108)株式会社みくに工業 (17)
【出願人】(391001619)長野県 (64)
【Fターム(参考)】