説明

情報交換システム、情報交換方法および情報交換プログラム

【課題】通信を行う二者のうちの少なくとも一方が移動するような場合であっても、必要な情報を簡易に交換することのできる情報交換システム、情報交換方法および情報交換プログラムを得ること。
【解決手段】情報交換システム10は、移動可能に配置された移動手段11と、この移動手段11に搭載され、外部に対して近距離無線で情報の送受信を行う第1の通信手段12と、移動手段11の移動とは無関係の外部に位置し移動手段11との距離が前記した近距離無線の届く範囲内で第1の通信手段12の送信した特定情報を近距離無線で受信したときこの第1の通信手段12に近距離無線で応答を行う第2の通信手段13とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線等の近距離無線通信方式を使用して所望の情報を取得するための情報交換システム、情報交換方法および情報交換プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現代では至る所に各種の情報が溢れているが、そのような情報の中から必要な情報を取得するのは必ずしも容易なことではない。たとえば雑誌等の印刷物にはQRコード(Quick Response code)が印刷されていることが多い。QRコードは二次元コードであり、これを読み取ると、印刷面に記された商品や会社のホームページに簡単にアクセスできるように設定されている場合が多い。しかしながら、QRコードはかなり小さく印刷されている場合が多い。このため、これをカメラ付きの携帯電話機等の携帯端末で読み取ろうとすると、10cm以内というような至近距離で静止して撮影する必要がある。このため、車両の側面に宣伝広告のためにQRコードを印刷したとしても、車両が移動している状態では撮影が困難であり、QRコードの読み取りは事実上困難とされる場合が多い。
【0003】
また、フェリカ(登録商標)やスイカ(登録商標)と呼ばれるICカードが普及しており、これらは非接触で必要な情報を読み取ることができる。しかしながら、このような非接触型ICカードの場合でも、QRコードの読み取りと同様にカードを読取装置に至近距離まで近付ける必要のある場合が多い。したがって、車両のように移動する可能性のある対象物に非接触型ICカードを取り付けても、その情報の読み取りが困難とされる可能性が高い。
【0004】
もちろん、車両自体が外部から情報を取得しようとする場合には、その車両に無線情報処理端末を搭載しておくことが、本発明の第1の関連技術として提案されている(たとえば特許文献1参照)。この第1の関連技術では、車両に搭載した無線情報処理端末が外部の基地局と通信することで、車両の移動中に外部から必要な情報を取得することができる。しかしながら、この第1の関連技術では車両側が必要な情報を外部から取得する場合であり、車両の外から車両側の情報を取得することについて何らの解決策も提示していない。
【0005】
そこで、車両にブルートゥース規格の通信モジュールを配置して、これを用いて近距離通信で各種の情報を外部に送信するようにすることが、本発明の第2の関連技術として提案されている(たとえば特許文献2参照)。この第2の関連技術では、運転手が端末機器を持って車両に近付くと、車両内部から各種の情報が外部に送信される。したがって、運転手は車両に立ち入ることなく端末機器に必要な情報を記憶することができる。
【特許文献1】特開2004−297147号公報(第0023段落、図3)
【特許文献2】特開2005−275574号公報(第0008段落、第0011段落、第0014段落、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この第2の提案によれば、車両という移動体に極端に近付くことなく、必要な情報を取得することができる。しかしながら、情報の中には受信という方向の通信だけで完結できるものと、双方向の通信が必要とされるものとがある。たとえば商品を売りたいという情報が通信されてきても、これだけで売買が成立するものではない。また、売買に関する情報でなくても、受信側の情報を送信側にフィードバックする必要性のある場合は多い。
【0007】
そこで本発明の目的は、通信を行う二者のうちの少なくとも一方が移動するような場合であっても、必要な情報を簡易に交換することのできる情報交換システム、情報交換方法および情報交換プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、(イ)移動可能に配置された移動手段と、(ロ)この移動手段に搭載され、外部に対して近距離無線で情報の送受信を行う第1の通信手段と、(ハ)前記した移動手段の移動とは無関係の外部に位置し前記した移動手段との距離が前記した近距離無線の届く範囲内で前記した第1の通信手段の送信した特定情報を近距離無線で受信したときこの第1の通信手段に近距離無線で応答を行う第2の通信手段とを情報交換システムが具備する。
【0009】
また、本発明では、(イ)移動可能に配置された移動手段に搭載された第1の通信手段が近距離無線によって送出する特定情報が、前記した移動手段の移動による近距離無線の受信可能な範囲に入ったことで、前記した移動手段の移動とは無関係の外部に位置する第2の通信手段がこの特定情報を受信する特定情報受信ステップと、(ロ)この特定情報受信ステップで前記した第2の通信手段が前記した特定情報を受信したとき、第2の通信手段が近距離無線でこの特定情報に応答する信号を送信する応答ステップとを情報交換方法が具備する。
【0010】
更に本発明では、(イ)近距離無線で特定情報を送信する第1の通信手段を備えた移動可能な移動手段を検出する移動手段検出ステップと、(ロ)この移動手段検出ステップで前記した移動手段を検出したときその近距離無線の受信可能な範囲に第2の通信手段を近づかせる接近ステップと、(ハ)この接近ステップで第2の通信手段が前記した移動手段に近づこうとするとき、第2の通信手段から送出される近距離無線の信号の受信レベルが低下する方向に前記した移動手段を移動させる移動手段移動制御ステップと、(ニ)この移動手段移動制御ステップによる前記した移動手段の移動に係わらず前記した第2の通信手段が前記した第1の通信手段の送信する前記した特定情報を少なくとも所定時間受信したことが判別されたとき前記した第1の通信手段から前記した第2の通信手段に特典を与える特典供与ステップとを情報交換方法が具備する。
【0011】
更にまた、本発明では、移動可能に配置された移動手段の移動とは無関係の外部に位置する第2の通信手段を備えたコンピュータに、情報交換プログラムとして、(イ)前記した移動手段に搭載された第1の通信手段が近距離無線によって送出する特定情報が、前記した移動手段の移動による近距離無線の受信可能な範囲に入ったことで、前記した第2の通信手段がこの特定情報を受信する特定情報受信処理と、(ロ)この特定情報受信処理で前記した第2の通信手段が前記した特定情報を受信したとき、第2の通信手段が近距離無線でこの特定情報に応答する信号を送信する応答処理とを実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、移動手段に備えられた第1の通信手段が近距離無線で特定情報を送信したとき、この移動手段の移動とは無関係の外部で前記した特定情報を受信した第2の通信手段が同様に近距離無線で応答することにしたので、第1の通信手段による一方的な特定情報の伝達だけでなく、質問や交渉といった処理が第1の通信手段と第2の通信手段の間で簡易に実現するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の情報交換システムのクレーム対応図を示したものである。本発明の情報交換システム10は、移動可能に配置された移動手段11と、この移動手段11に搭載され、外部に対して近距離無線で情報の送受信を行う第1の通信手段12と、移動手段11の移動とは無関係の外部に位置し移動手段11との距離が前記した近距離無線の届く範囲内で第1の通信手段12の送信した特定情報を近距離無線で受信したときこの第1の通信手段12に近距離無線で応答を行う第2の通信手段13とを備えている。
【0014】
図2は、本発明の情報交換方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の情報交換方法20は、移動可能に配置された移動手段に搭載された第1の通信手段が近距離無線によって送出する特定情報が、前記した移動手段の移動による近距離無線の受信可能な範囲に入ったことで、前記した移動手段の移動とは無関係の外部に位置する第2の通信手段がこの特定情報を受信する特定情報受信ステップ21と、この特定情報受信ステップ21で前記した第2の通信手段が前記した特定情報を受信したとき、第2の通信手段が近距離無線でこの特定情報に応答する信号を送信する応答ステップ22とを備えている。
【0015】
図3は、本発明の情報交換方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の情報交換方法30は、近距離無線で特定情報を送信する第1の通信手段を備えた移動可能な移動手段を検出する移動手段検出ステップ31と、この移動手段検出ステップ31で前記した移動手段を検出したときその近距離無線の受信可能な範囲に第2の通信手段を近づかせる接近ステップ32と、この接近ステップ32で第2の通信手段が前記した移動手段に近づこうとするとき、第2の通信手段から送出される近距離無線の信号の受信レベルが低下する方向に前記した移動手段を移動させる移動手段移動制御ステップ33と、この移動手段移動制御ステップ33による前記した移動手段の移動に係わらず前記した第2の通信手段が前記した第1の通信手段の送信する前記した特定情報を少なくとも所定時間受信したことが判別されたとき前記した第1の通信手段から前記した第2の通信手段に予め定めた特典を与える特典供与ステップ34とを備えている。
【0016】
図4は、本発明の情報交換プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の情報交換プログラム40は、移動可能に配置された移動手段の移動とは無関係の外部に位置する第2の通信手段を備えたコンピュータに、前記した移動手段に搭載された第1の通信手段が近距離無線によって送出する特定情報が、前記した移動手段の移動による近距離無線の受信可能な範囲に入ったことで、前記した第2の通信手段がこの特定情報を受信する特定情報受信処理41と、この特定情報受信処理41で前記した第2の通信手段が前記した特定情報を受信したとき、第2の通信手段が近距離無線でこの特定情報に応答する信号を送信する応答処理42とを実行させる。
【0017】
<発明の第1の実施の形態>
【0018】
次に本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0019】
図5は、本発明の第1の実施の形態による情報交換システムの概要を表わしたものである。この情報交換システム100では、アミューズメントパーク等の比較的広い場所に簡易な鉄道レール101が敷設されている。ここでは、アミューズメントパークを一例として説明する。鉄道レール101の上には、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023が自動運転で走行するようになっている。
【0020】
このうち、第1の移動宣伝・販売装置1021は、某メーカのアイスクリームを宣伝し販売する車両である。第1の移動宣伝・販売装置1021は、鉄道レール101を走行する車両本体1031と、その上に配置されたアイスクリームの広告用ディスプレイの付いた自動販売機1041から構成されている。第2の移動宣伝・販売装置1022は、某メーカのペットボトル入り飲料を宣伝し販売する車両である。第2の移動宣伝・販売装置1022は、鉄道レール101を走行する車両本体1032と、その上に配置された各種飲料の広告用ディスプレイの付いた自動販売機1042から構成されている。第3の移動宣伝・販売装置1023は、某メーカの観光地用のTシャツを宣伝し販売する車両である。第3の移動宣伝・販売装置1023は、鉄道レール101を走行する車両本体1033と、その上に配置されたそのメーカの衣料の広告用ディスプレイの付いた自動販売機1043から構成されている。本実施の形態では、鉄道レール101上を第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023が走行し、宣伝と販売を行うようになっているが、移動宣伝・販売装置102の種類や同時に走行する車両の数は適宜変更可能である。
【0021】
鉄道レール101の周囲には、商品の注文を行うための商品注文装置105が適宜の数だけ設置されている。また、アミューズメントパークの入場者106は、自己の所持する携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)等の携帯端末が赤外線通信機能と電子決済機能を備えている場合、この携帯端末に所定の制御プログラムをロードしておくことで、特定携帯端末107としてアミューズメントパーク内で利用することができる。もちろん、このような携帯端末を所持していない者は、所定の保証金(deposit)を預託してアミューズメントパーク内での使用に特化した特定携帯端末107を使用することができる。
【0022】
アミューズメントパーク内には、商品の宣伝と販売を管理する宣伝・販売管理装置108が配置されている。宣伝・販売管理装置108は、インターネット109に接続されている。インターネット109には、図示しない他の宣伝・販売管理装置も接続されており、他のアミューズメントパーク等の施設の管理が行われている。また、これら宣伝・販売管理装置108を総括する本部装置(図示せず)も必要に応じてインターネット109に接続されている。
【0023】
図6は、本実施の形態における第1の移動宣伝・販売装置の構成を表わしたものである。第2または第3の移動宣伝・販売装置1022、1023は、第1の移動宣伝・販売装置1021とその基本的な構成が同一なので、これらの図示および説明は省略する。図5と共に説明する。
【0024】
第1の移動宣伝・販売装置1021は、CPU(Central Processing Unit)121と、このCPU121が実行する制御プログラムを格納するRAM(Random Access Memory)等のメモリ122を備えた主制御部123を有している。主制御部123は、次の各部の全体的な制御を行うようになっている。
【0025】
通信制御部124は、宣伝・販売管理装置108との間で行う通信を制御する。赤外線通信部125は、特定携帯端末107と赤外線通信を行うようになっている。広告情報格納部126は、自動販売機1041の正面に配置されたディスプレイ装置127や、特定携帯端末107の後に説明する表示部に表示する広告に関する広告情報を格納するようになっている。このような広告情報は、たとえば前記したインターネット109に接続された本部装置から、宣伝・販売管理装置108を介して適宜配信されるようになっている。
【0026】
音声出力部128は、宣伝・販売管理装置108の通信する宣伝のための音楽やメッセージあるいは移動の際の必要な警報音を出力する。移動制御部129は車両本体1031の移動を行う車両駆動機構130の制御を行うようになっている。障害検知部131は、鉄道レール101上に存在する障害物の検知や、第2の移動宣伝・販売装置1022や第3の移動宣伝・販売装置1023のような他の車両との車間距離の調整ためのデータの検出を行うようになっている。自動販売機部132は、自動販売機としての機能を備えている。
【0027】
図7は、本実施の形態における商品注文装置の構成を表わしたものである。図5と共に説明する。
【0028】
商品注文装置105は、CPU141と、このCPU141が実行する制御プログラムを格納するRAM等のメモリ142を備えた主制御部143を有している。主制御部143は、次の各部の全体的な制御を行うようになっている。
【0029】
通信制御部144は、宣伝・販売管理装置108との間で行う通信を制御する。赤外線通信部145は、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023が赤外線通信可能な所定の距離の範囲内にあるときに、これらと通信を行う。赤外線通信は、たとえばIrDA(Infrared Data Association)あるいはアイアールシンプル(IrSimple)を代表とする方式が存在している。操作盤146は、入場者106が第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023に対して商品の購入を行う際の入力操作に使用される。表示部147は、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023のいずれかが商品注文装置105に近づいてきたとき、これに関する商品の宣伝を表示したり、入場者106が操作盤146を用いて所定の操作を行ったときの受け答えを表示するようになっている。また、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023のいずれもが赤外線通信可能な範囲にいない間は、前記したインターネット109に接続された本部装置から送られてくる宣伝情報や、商品注文装置105の一般的な取り扱いに関する情報を表示するようになっている。
【0030】
音声入出力部148は、表示部147の表示に合わせて音楽や音声によるメッセージを出力したり、入場者106の音声を必要に応じて入力するようになっている。たとえば入場者106が特定の商品の製造日を問い合わせるときの音声の入力に使用される。現金・カード処理部149は、入場者106が特定携帯端末107を使用することなく、この商品注文装置105を使用して商品を購入する際の現金の入金処理や、クレジットカードあるいはプリペイドカードを使用する際のカードの読み取りや引き落としの処理を行うようになっている。
【0031】
図8は、本実施の形態における特定携帯端末が携帯電話機である場合の構成を表わしたものである。図5と共に説明する。
【0032】
特定携帯端末107は、CPU161と、このCPU161が実行する制御プログラムを格納するRAM等のメモリ162を備えた主制御部163を有している。主制御部163は、次の各部の全体的な制御を行うようになっている。
【0033】
赤外線通信部165は、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023が赤外線通信可能な所定の距離の範囲内にあるときに、これらと通信を行う。操作盤166は、入場者106が第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023に対して商品の購入や所定の質問を行う際の入力操作に使用される。表示部167は、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023のいずれかが特定携帯端末107に近づいてきたとき、その近づいた装置に関する商品の宣伝を表示したり、入場者106が操作盤166を用いて所定の操作を行ったときの受け答えを表示するようになっている。また、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023のいずれもが赤外線通信可能な範囲にいない間は、前記したインターネット109に接続された本部装置から送られてくる宣伝情報や、特定携帯端末107の一般的な取り扱いに関する情報を表示するようになっている。音声出力部168は、商品の宣伝の表示等に伴う音声情報を出力する。
【0034】
課金処理部169は、赤外線通信部165が図6に示した自動販売機部132と通信を行って入場者106が所望の商品を購入するときの金額を携帯電話機の使用料に含めて課金する課金処理を行う。携帯端末機能部170は、携帯端末として一般に備えられているそれ以外の機能としての、通話機能、カメラ機能、テレビジョン受信機能等の機能を包括的に表わしたものである。したがって、特定携帯端末107が入場者106の所持する通常の携帯電話機ではなく、アミューズメントパーク内で貸与されるものである場合には、課金処理部169が預託した保証金の清算処理を行うデバイスとしての機能を持ち、携帯端末機能部170が必要に応じて省略されることになる。
【0035】
図9は、本実施の形態における宣伝・販売管理装置の構成を表わしたものである。図5と共に説明する。
【0036】
宣伝・販売管理装置108は、CPU201と、このCPU201が実行する制御プログラムを格納するRAM等のメモリ202を備えた主制御部203を有している。主制御部203は、次の各部の全体的な制御を行うようになっている。
【0037】
通信制御部204は、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023、商品注文装置105の他に、インターネット109に接続された本部装置と通信を行う。車両別商品管理部205は、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023のそれぞれにおける商品の在庫管理を行う。商品発注管理部206は、商品の補充時期に応じて補充のための発注管理を行う。売上管理部207は、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023による商品の売上を管理する。広告格納・配信部208は、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023に配信する広告の格納と配信制御を行う。
【0038】
図10は、第1の移動宣伝・販売装置の処理の様子を表わしたものである。また、図11は、特定携帯端末の処理の様子を表わしたものである。図5、図6および図8と共に、入場者106が特定携帯端末107を使用する場合を例にとってこの情報交換システム100の動作を説明する。
説明する。
【0039】
第1の移動宣伝・販売装置1021は、商品であるアイスクリームの広告を自動販売機1041のディスプレイ装置127に表示すると共に、広告情報としての映像および音声を赤外線通信部125から周囲に送出しながら、鉄道レール101上を低速で、予め定めた方向(たとえば時計方向)に移動する(図10ステップS301)。ここで、自動販売機1041のディスプレイ装置127に表示する広告および赤外線通信部125から送出する広告情報は、宣伝・販売管理装置108から送信されて広告情報格納部126に格納されたものである。ディスプレイ装置127は、予め定められたタイミングでアイスクリームの広告のうちの映像情報を表示し、音声出力部128はこれに合わせて宣伝のための音楽やメッセージを出力する。
【0040】
このステップS301の処理状態は、商品注文装置105あるいは特定携帯端末107から赤外線を使用した購買情報あるいは購買質問情報が赤外線通信部125で受信されるまで継続する(ステップS302:N、ステップS303:N)。もちろん、第1の移動宣伝・販売装置1021が鉄道レール101上を走行した結果、前の第3の移動宣伝・販売装置1023に追いついてしまったり、障害検知部131が何らかの障害物を前方に検知したような場合、車両駆動機構130はその移動を一時的に停止する制御を行う。
【0041】
第1の移動宣伝・販売装置1021がこのようにアイスクリームの広告を行いながら移動しているものとする。入場者106の特定携帯端末107は、第1の移動宣伝・販売装置1021との間の距離が約5メートル以内の距離になった時点で、その赤外線通信部165が第1の移動宣伝・販売装置1021から送られている赤外線データを受信する(図11ステップS321:Y)。すると、受信した赤外線データを基にして、特定携帯端末107の表示部167が第1の移動宣伝・販売装置1021の移動販売中あるいは宣伝中の商品情報の表示を行い、音声出力部168が商品の宣伝の表示等に伴う音声情報を出力する(ステップS322)。
【0042】
この状態で、入場者106は表示部167の表示内容を見たり、あるいは第1の移動宣伝・販売装置1021のディスプレイ装置127の表示内容を見て、アイスクリームの購入を行う場合には操作盤166を使用してその旨の入力を行う(ステップS323:Y)。また、アイスクリームについての詳しい商品情報を知りたい等の質問事項がある場合、入場者106は操作盤166を操作して質問を入力することになる(ステップS323:N、ステップS324:Y)。
【0043】
このうち、入場者106が購買情報を入力した場合には(ステップS323:Y)、赤外線通信部165を使用して商品を買いたい旨の購買情報を送出することになる(ステップS325)。また、入場者106が予め用意された質問項目の中の1つを選択して質問を行った場合には(ステップS324:Y)、赤外線通信部165を使用してその質問が送信される(ステップS326)。
【0044】
図10に戻って説明を続ける。第1の移動宣伝・販売装置1021は、購買情報を受信すると(ステップS302:Y)、移動制御部129が車両本体1031の移動を一時的に停止させる(ステップS304)。この状態で自動販売機部132は通常の自動販売機のようにアイスクリームの販売処理を行う(ステップS305)。たとえば、入場者106は自動販売機部132に近寄って商品を選択し、課金処理部169を使用して電子決済を行って該当する商品を受け取る(図11ステップS327)。
【0045】
第1の移動宣伝・販売装置1021は、商品の販売処理が終了すると、追加の販売が行われる場合もあるので、その場所に1〜2分程度更に停車した後、車両駆動機構130が車両の運行を再開する(ステップS306)。第1の移動宣伝・販売装置1021の停車中に商品の更なる注文がある場合には、図10には示していないが継続的にアイスクリームの販売を行い、車両の運行が再開した時点で、処理をステップS301に戻す(リターン)。
【0046】
一方、図11のステップS326で特定携帯端末107から質問が赤外線で送出された場合(ステップS326)、第1の移動宣伝・販売装置1021は同様に車両本体1031の移動を一時的に停止させる(図10ステップS307)。そして、予め用意された質問に対する回答を作成して(ステップS308)、これを赤外線通信部125を使用して送信する(ステップS309)。この場合にも第1の移動宣伝・販売装置1021は、所定時間その場所に停止した後に車両の運行を再開する(ステップS306)。
【0047】
特定携帯端末107側では、図11に示すように第1の移動宣伝・販売装置1021から赤外線を使用して回答が送られてくると(ステップS328:Y)、表示部167にその回答を表示する(ステップS329)。そして、操作盤166を操作して「了解」を示すことで(ステップS330:Y)、一連の処理を終了する(リターン)。この後、入場者106は商品を購入する場合、ステップS323でその旨の操作を行えばよい。
【0048】
図12は、入場者が商品注文装置を使用して特定携帯端末と同様の処理を行う場合を示したものである。図5〜図8を用いて説明を行う。ただし、図10に示す第1の移動宣伝・販売装置1021についての説明は、適宜省略する。
【0049】
商品注文装置105は鉄道レール101に沿って固定的に設置されている。このため、特定携帯端末107のサイズの小さな表示部167と異なり表示部147のサイズは大きく、かつ見やすくすることができる。また、商品注文装置105を使用する入場者106は必ずしも目前に近づいてきた移動宣伝・販売装置102に刺激されて商品の購入を行うとは限らず、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023の全体が提供する商品を見比べて購入を決定する場合も多いと考えられる。
【0050】
そこで本実施の形態の商品注文装置105は、初期状態で第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023の全商品やこれに関連する処理を対象としたメニュー画面をその表示部147に表示している(ステップS351)。入場者106が操作盤146を用いて特定の商品の購入を選択すると(ステップS352:Y)、現金・カード処理部149が現金やクレジットカードあるいはプリペイドカードを使用した入金処理を行う(ステップS353)。
【0051】
入金処理が完了すると、赤外線通信部165は第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023のうちで該当する商品に係わる車両に対応する購買情報を送信する(ステップS354)。たとえばある入場者106がアイスクリームの購入を指示したとき、第1の移動宣伝・販売装置1021に対して購買情報が送信されることになる。したがって、入場者106は図示しない腰掛けに座ったりして、第1の移動宣伝・販売装置1021が商品注文装置105の近くに来るまで待機することになる。
【0052】
第1の移動宣伝・販売装置1021が商品注文装置105の近くに来ると、赤外線通信部125がこの購買情報を受信する(図10ステップS302:Y、図12ステップS354:Y)。第1の移動宣伝・販売装置1021がその移動を停止し(ステップS304)、商品注文装置105が第1の移動宣伝・販売装置1021から応答情報を受信すると(ステップS355:Y)、入場者106は希望する商品を自動販売機部132から購入することができる(図10ステップS305、図12ステップS356)。これ以後、商品注文装置105の処理はステップS351に戻る(リターン)。
【0053】
なお、商品注文装置105を使用して第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023から商品の購入を行おうとしたとき、これらの装置の故障で商品が出てこないような場合がある。このような場合には、図12に示していないが、ステップS351に示したメニュー画面からクレーム処理の項目を選択して、通信制御部144を宣伝・販売管理装置108に接続して、そのオペレータに音声入出力部148で故障の内容を通知すればよい。これに関しては、特定携帯端末107もその携帯端末機能部170を使用して商品の購入時のトラブルを報告し、対処させることができる。
【0054】
また、本実施の形態で商品注文装置105は商品に関する質問を受け付けないことにしたが、特定携帯端末107と同様にこれを受け付けてもよい。ただし、特定携帯端末107が入場者106単位で所持する端末であるのに対して、商品注文装置105は複数の者が共同で使用する装置なので、本実施の形態では他人の待ち時間を考慮してこの機能を設けていない。また、入場者106が特定携帯端末107を使用して質問を行う場合には、図10のステップS308で作成する回答にURL(Uniform Resource Locator)を含めるといった処理が可能である。これにより入場者106は、新商品のように知識の不足している商品について、そのホームページへのアクセスで詳細な情報を得ることができる。
【0055】
以上説明した本発明の第1の実施の形態によれば、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023が所定の場所を巡回することで、商品やサービスの効果的な宣伝を行うことができる。また、商品の販売を特段の人件費をかけずに実施することができる。
【0056】
なお、第1の実施の形態では商品の販売を行ったが、試供品の提供も同様に行うことができる。また、本実施の形態では鉄道レール101を使用して第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023を走行させたが、他の交通移動手段あるいは車両を使用して同様の商品やサービスの宣伝や販売を行うことが可能である。一例としては、乗用車、バス、トラック、タクシー、ゴルフカートあるいは馬車を同様に車両として使用することができる。また、このような車両が伝達する情報も広告・宣伝に限らず、連絡事項、それらの車両の走行履歴、走行する道路の渋滞情報のようなものであってもよい。たとえば走行する道路の渋滞情報は、車両の移動する道路等の移動路の傍に配置されたバス停やガソリンスタンドあるいは郵便ポストのような施設や設備を、図5における商品注文装置105に対応するものとして利用し、情報の伝達手段として活用することが可能である。
【0057】
更に第1の実施の形態では入場者106が特定携帯端末107を使用して、第1〜第3の移動宣伝・販売装置1021〜1023に商品等の質問を行えるようにしたが、これに限るものではない。たとえば、商品を多量に購入することを条件として価格交渉を赤外線通信で行ったり、客待ちをしている一連のタクシーに対して、客側が歩行しながら相乗りの可否や、行き先の希望を次々と聞いて、運賃やサービスに関する乗車の交渉を赤外線通信で行って、交渉の成立時にはその旨の応答メッセージを送出することも可能である。これにより、タクシーの運転手がドアを開けたり車外に出る手間を省いて各種の取引を迅速に成立させることができる。
【0058】
更にまた第1の条件では、図9に示す通信制御部204がインターネット109に接続するものとして説明したが、無線・固定LAN(Local Area Network)、電話網に接続するものであってもよいし、通信制御部204自体が接続端子を備えており、これを介して他の装置と接続するようになっていてもよい。図6あるいは図7に示す通信制御部124、144も通信制御部204との間の通信手段を実施の形態の内容に限定するものでないことは当然である。
【0059】
<発明の第2の実施の形態>
【0060】
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0061】
図13は、本発明の第2の実施の形態による情報交換システムの構成の概要を表わしたものである。この第2の実施の形態による情報交換システム400は、家電製品の販売会場のような特設場で使用すると好適なもので、フロア401の上を自在に移動可能なロボット402を宣伝に使用している。フロア401には、圧力センサのように人体の存在を検知するセンサを埋め込んだマット403が配置されている。クーポンの取得を希望する参加者404が特定携帯端末405を所持してこのマット403に乗るまで、ロボット402はスポンサの製品の宣伝を行っている。
【0062】
ロボット402は頭部にタッチセンサ407を配置しており、胸部にはスピーカ等の音声出力部408を配置している。スピーカ408のすぐ上の箇所にはクーポンの排出口409が配置されており、内蔵したプリンタ(図示せず)がクーポンの印字を行うようになっている。また、音声出力部408のすぐ下の位置には赤外線送受信口410が設けられており、ここから赤外線が送出されると共に特定携帯端末405から送られてきた赤外線を受信するようになっている。
【0063】
ロボット402はその底部の足が配置されるべき位置に一対の車輪411が一対配置されている。ロボット402には、底部後方側に図示しない他の車輪が配置されており、これらの三輪の駆動によって任意の方向に移動できる。宣伝・ロボット管理装置412は、携帯通信網を用いて、ロボット402に宣伝のための情報を送信したり、ロボット402が発行するクーポン券の管理を行う。
【0064】
図14は、第2の実施の形態におけるロボットの回路構成の概要を表わしたものである。この図で図13と同一部分には同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。図13と共に説明する。
【0065】
ロボット402は、CPU421と、このCPU421が実行する制御プログラムを格納するRAM等のメモリ422を備えた主制御部423を有している。主制御部423は、次の各部の全体的な制御を行うようになっている。
【0066】
通信制御部424は、このロボット402の管理を行う宣伝・ロボット管理装置412との通信を制御する。赤外線通信部425は、特定携帯端末405と赤外線通信を行うようになっている。音声情報格納部426は、スポンサによる音声の広告情報や、ロボット402が参加者404に対して発する音声情報を格納する。赤外線強度判定部427は、特定携帯端末405から出力される赤外線の強度を判定するようになっている。走行方向判別部428は、ロボット402の走行方向の履歴情報と特定携帯端末405から出力される赤外線の強度の変化から赤外線の強度が弱まる方向を予測してその方向を走行方向として判別するようになっている。移動制御部429は車輪411を含む前記した三輪を備えた本体駆動機構430の制御を行う。時計回路431は、CPU421を動作させるクロックを分周して時間情報を作成し、ロボット402が参加者404と競技を行う場合の制限時間の測定を行う。クーポン券編集部432は、競技の結果に応じたクーポン券を編集する。プリンタ433は編集結果としてのクーポン券を発行する。ロボット基本機能部435は、以上説明した以外でロボット402が所持する基本的な機能を納めた回路部分である。
【0067】
図15は、ロボットの制御の様子を表わしたものである。図13および図14と共に説明する。ロボット402は、マット403が参加者404を体重によって検知するまで(ステップS501:N)、音声出力部408からスポンサの広告を音声で流している(ステップS502)。ロボット402は、参加者404がマット403に乗ったことを検知すると(ステップS501:Y)、競技のルールを音声出力部408から出力する(ステップS503)。ここでは、たとえば「競技を行うときは、競技が終了するまで特定携帯端末の赤外線ボタンを押し続けてください。競技開始の合図があったら、私を追いかけ、赤外線通信が継続した状態で10秒以内に私の頭のセンサにタッチしたらクーポンを差し上げます。」という音声メッセージが音声出力部408から出力される。
【0068】
マット403に乗った参加者404が、自分の所持する携帯電話機等の特定携帯端末405から赤外線データが連続して出力されるように操作すると、この赤外線データが赤外線通信部425で受信される(ステップS504:Y)。この結果、ロボット402は競技の準備が整ったことを判別して音声出力部408から「スタート」と発声する(ステップS505)。この後、走行方向判別部428は初期的にはマット403から遠ざかる方向に走行方向を決定し、続いて赤外線強度判定部427が判別する特定携帯端末405から送出される赤外線の強度が弱くなる方向を移動制御部429に伝えて、参加者404の追跡から逃げる方向に本体駆動機構430の移動を行わせる。そして、時計回路431が「スタート」から残り時間を計時して、その結果を1秒置きに音声出力部408がアナウンスする(ステップS506)。
【0069】
ロボット402のステップS506によるこのような制御は、タッチセンサ407が参加者404によってタッチされるか制限時間が終了するまで継続する(ステップS507、ステップS508)。ロボット402が参加者404の追跡を振り切った場合や、追跡が継続しても制限時間がタイムアップした場合には(ステップS508:Y)、ロボット402の移動が停止して、参加者404がクーポン券獲得を失敗したことをアナウンスする(ステップS509)。そして、ロボット402は、移動した経路を逆に走行するか、ロボット402の定位置に設けた図示しないマークを検知することでその定位置に戻って(ステップS510)、ステップS502の処理に戻る(リターン)。
【0070】
一方、参加者404がこの例で10秒という制限時間以内にタッチセンサ407にタッチすることができた場合には(ステップS507:Y)、ロボット402の移動が停止して、経過時間と、これに応じて発行されるクーポン券の内容が音声出力部408からアナウンスされる(ステップS511)。これと共に、プリンタ433はクーポン券編集部432から編集データを受け取ってクーポン券を発券する(ステップS512)。このとき、発券したクーポン券の内容が通信制御部424を使用して宣伝・ロボット管理装置412に報告される(ステップS513)。この後、ロボット402は定位置に戻って(ステップS510)、再びスポンサの広告を行いながら、競技を待機する状態となる(リターン)。
【0071】
以上説明した第2の実施の形態では、赤外線通信という多くの携帯電話機等の通信端末が備えている通信機能を用いて、しかも近距離でしか通信できないという機能を活用したので、特定携帯端末405の所持者である参加者404とロボット402の触れ合いが可能になり、これを通じて企業等の団体の宣伝や伝えたいメッセージの伝達が効率的に行われるという効果がある。
【0072】
なお、第2の実施の形態ではロボット402が機械による移動制御を行ったが、たとえば、遊園地でアニメーション等のキャラクタのぬいぐるみを着用した者が移動端末を所持するようにしてもよい。この場合には、携帯電話機等の特定携帯端末405の所持者がこのキャラクタを見つけて追いかけ、所定の距離まで近づいて移動端末側と特定携帯端末405との赤外線通信が成功し、この通信が所定時間継続した時点でこの通信による所定の特典が入場者側に与えられるようにしてもよい。
【0073】
このような場合の特典は、第2の実施の形態で説明した金券あるいは割引券としての特典を有するクーポン券を与えることに限定するものではない。たとえば、赤外線通信が成功した時点で、赤外線通信によってキャラクタの画像を特定携帯端末405の所持者に通信によって与えたり、使用期限が限定されたパスワードと特典用のURL(Uniform Resource Locator)を特定携帯端末405を赤外線通信で与えて、このサイトで音楽、画像データ、ソフトウェアあるいはネット販売の宝くじを無料で、あるいは割り引き価格で取得できるようにしてもよい。
【0074】
また、本発明の第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に図14に示す通信制御部424は無線あるいは有線のLAN、PHS、赤外線通信、あるいは接続端子を介しての通信のようにあらゆる通信を対象とするものでよいことは当然である。また、実施の形態では赤外線通信を例に挙げて説明したが、ブルートゥースのように無線で近距離による通信を行うあらゆる通信手段を本発明に適用できることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の情報交換システムのクレーム対応図である。
【図2】本発明の情報交換方法のクレーム対応図である。
【図3】本発明の他の情報交換方法のクレーム対応図である。
【図4】本発明の情報交換プログラムのクレーム対応図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態による情報交換システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図6】第1の実施の形態における第1の移動宣伝・販売装置の構成を表わしたブロック図である。
【図7】第1の実施の形態における商品注文装置の構成を表わしたブロック図である。
【図8】第1の実施の形態における特定携帯端末が携帯電話機である場合の構成を表わしたブロック図である。
【図9】第1の実施の形態における宣伝・販売管理装置の構成を表わしたブロック図である。
【図10】第1の実施の形態における第1の移動宣伝・販売装置の処理の様子を表わした流れ図である。
【図11】第1の実施の形態における特定携帯端末の処理の様子を表わした流れ図である。
【図12】第1の実施の形態における商品注文装置を使用してた処理を行う場合を示した流れ図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態による情報交換システムの構成の概要を表わしたシステム構成図である。
【図14】第2の実施の形態におけるロボットの回路構成の概要を表わしたブロック図である。
【図15】第2の実施の形態におけるロボットの制御の様子を表わした流れ図である。
【符号の説明】
【0076】
10、100、400 情報交換システム
11 移動手段
12 第1の通信手段
13 第2の通信手段
20、30 情報交換方法
21 特定情報受信ステップ
22 応答ステップ
31 移動手段検出ステップ
32 接近ステップ
33 移動手段移動制御ステップ
34 特典供与ステップ
40 情報交換プログラム
41 特定情報受信処理
42 応答処理
102 移動宣伝・販売装置
104 自動販売機
105 商品注文装置
106 入場者
107、405 特定携帯端末
108 宣伝・販売管理装置
121、141、161、201、421 CPU
122、142、162、202、422 メモリ
124、204、424 通信制御部
125、145、165、425 赤外線通信部
126 広告情報格納部
127 ディスプレイ装置
128、168、408 音声出力部
129、429 移動制御部
130 車両駆動機構
132 自動販売機部
146 操作盤
147、167 表示部
149 現金・カード処理部
169 課金処理部
205 車両別商品管理部
207 売上管理部
208 広告格納・配信部
402 ロボット
404 参加者
407 タッチセンサ
426 音声情報格納部
427 赤外線強度判定部
428 走行方向判別部
430 本体駆動機構
432 クーポン券編集部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能に配置された移動手段と、
この移動手段に搭載され、外部に対して近距離無線で情報の送受信を行う第1の通信手段と、
前記移動手段の移動とは無関係の外部に位置し前記移動手段との距離が前記近距離無線の届く範囲内で前記第1の通信手段の送信した特定情報を近距離無線で受信したときこの第1の通信手段に近距離無線で応答を行う第2の通信手段
とを具備することを特徴とする情報交換システム。
【請求項2】
前記移動手段は、所定の経路に沿って移動する車両であることを特徴とする請求項1記載の情報交換システム。
【請求項3】
前記第2の通信手段は、前記車両の移動する経路に沿って配置され、前記車両との間の距離が前記近距離無線の届く範囲内となったときだけ前記第1の通信手段と通信を行う位置的に固定された固定端末であることを特徴とする請求項2記載の情報交換システム。
【請求項4】
前記第2の通信手段は、前記第1の通信手段の送信する前記特定情報を受信したことに応答することで、前記第1の通信手段から所定の特典を取得する特典取得手段を具備することを特徴とする請求項1記載の情報交換システム。
【請求項5】
前記第2の通信手段は、前記第1の通信手段の送信する前記特定情報を受信したときこれに対する問い合わせを送信する問い合わせ送信手段を備えることを特徴とする請求項1記載の情報交換システム。
【請求項6】
移動可能に配置された移動手段に搭載された第1の通信手段が近距離無線によって送出する特定情報が、前記移動手段の移動による近距離無線の受信可能な範囲に入ったことで、前記移動手段の移動とは無関係の外部に位置する第2の通信手段がこの特定情報を受信する特定情報受信ステップと、
この特定情報受信ステップで前記第2の通信手段が前記特定情報を受信したとき、第2の通信手段が近距離無線でこの特定情報に応答する信号を送信する応答ステップ
とを具備することを特徴とする情報交換方法。
【請求項7】
近距離無線で特定情報を送信する第1の通信手段を備えた移動可能な移動手段を検出する移動手段検出ステップと、
この移動手段検出ステップで前記移動手段を検出したときその近距離無線の受信可能な範囲に第2の通信手段を近づかせる接近ステップと、
この接近ステップで第2の通信手段が前記移動手段に近づこうとするとき、第2の通信手段から送出される近距離無線の信号の受信レベルが低下する方向に前記移動手段を移動させる移動手段移動制御ステップと、
この移動手段移動制御ステップによる前記移動手段の移動に係わらず前記第2の通信手段が前記第1の通信手段の送信する前記特定情報を少なくとも所定時間受信したことが判別されたとき前記第1の通信手段から前記第2の通信手段に予め定めた特典を与える特典供与ステップ
とを具備することを特徴とする情報交換方法。
【請求項8】
移動可能に配置された移動手段の移動とは無関係の外部に位置する第2の通信手段を備えたコンピュータに、
前記移動手段に搭載された第1の通信手段が近距離無線によって送出する特定情報が、前記移動手段の移動による近距離無線の受信可能な範囲に入ったことで、前記第2の通信手段がこの特定情報を受信する特定情報受信処理と、
この特定情報受信処理で前記第2の通信手段が前記特定情報を受信したとき、第2の通信手段が近距離無線でこの特定情報に応答する信号を送信する応答処理
とを実行させることを特徴とする情報交換プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−114812(P2010−114812A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287630(P2008−287630)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(390000974)NECモバイリング株式会社 (138)
【Fターム(参考)】