説明

情報伝達媒体再生装置からサーバコンテンツへのユーザアクセス制御

【課題】 本発明は、保護者による制御レベル(PCLi)のセット間から選択された現在の保護者による制御レベル(CurrentPCLi)に基づいて保護者による制御アクセス段階(104)を有する、情報伝達媒体再生装置からサーバコンテンツへのユーザアクセスを制御する方法を提供する。
【解決手段】 当該方法は、a)サーバアドレスのリスト(Listi)を前記保護者による制御レベル(PCLi)に関連付けるための関連付け段落(106)と、前記現在の保護者による制御レベル(CurrentPCLi)に関連付けられるサーバのリスト(Listi)へのユーザアクセスを制限するための制御段階(109)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護者による制限を有する情報伝達媒体再生装置からサーバコンテンツへのユーザアクセスを制御する方法に関する。
【0002】
本発明は、DVD再生装置のように保護者による制御レベル機能を実装する情報伝達媒体再生装置に適用する。
【背景技術】
【0003】
DVDフォーラムは、WebDVDとして知られるWeb接続型DVDを標準化するワーキンググループAH1−12を確立した。これら新しい仕様書は、現在のDVDビデオ仕様書の拡張である。これら新しい仕様書に準拠したDVDビデオディスクが、再生されているDVDディスクのコンテンツに直接的に関連する付加コンテンツを含む特定のWebサイトへのリンクによって公開されることが述べられている。これら特定のWebサイトは、再生装置がダウンロードすることができ、DVDディスクによって提供される元々のメニューの代わりに使用することができる新しいナビゲーションメニューとコンテンツとを含んでもよい。
【0004】
WebDVDをサポートする再生装置は、上記付加コンテンツを含むWebサーバへ接続するための通信手段を有する。有利に、そのような通信手段は、また通常のWebブラウザ用のその他の通常のWebサイトへアクセスするために使用可能である。
【0005】
同時に、DVD再生装置は、今日では、保護者による制限機能を含んでいる。この機能の目的は、子供達に対して不適当であると判断されるDVDディスクの再生を無効にすることである。この目的を達成するために、いくつかのDVDは、特定の保護者による制限レベルで符号化されている。ディスクの保護者による制限レベルが(PINコードを用いて保護者によって設定される)DVD再生装置の保護者による制限レベルより高い場合、再生装置はそのディスクを再生しない。この機能は、保護者に再生装置にて再生可能なDVDコンテンツのタイプを制限させることができる。
【0006】
そのような保護者による制限レベル機能を実装するDVD再生装置において、子供達にとって不適切であると判断される通常のWebサイトへのアクセスを限定或いは制限することができないため、この機能は制限され、もはや適切ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、保護者による制限アクセスを有する情報伝達媒体再生装置からサーバコンテンツへのユーザアクセスを制御する第一及び第二の方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る制御方法は、情報伝達媒体再生装置において使用される既存の保護者による制限アクセスを活用する。そのような制御アクセスは、保護者による制御レベルのセット間から選択された保護者による制御レベルに基づく。
【0009】
サーバコンテンツへのユーザアクセスを制御する、本発明に係る第一の方法は、
− サーバアドレスを前記保護者による制御レベルに関連付けるための関連付け段階と、
− 前記現在の保護者による制御レベルに関連付けられるサーバアドレスのリストへのユーザアクセスを制限するための制御段階と
を有する。
【0010】
サーバアドレスと各保護者による制御レベルとの関連付けは、再生装置に現在セットされている保護者による制御アクセスに適応する内容のWebサイトへのアクセスを許す。
【0011】
この方法は、保護者による制御レベル機能をもつ既存のDVD再生装置にて簡単に実装可能である。
【0012】
付加特徴によれば、制御する方法は、前記制御段階を停止するための第一の制御サブ段階を有する。
【0013】
この制御サブ段階は、ユーザにいかなるサーバアドレスへもアクセスを可能とする。
【0014】
付加特徴によれば、制御する方法は、いかなるサーバアドレスへのユーザアクセスを禁止するための第二の制御サブ段階を有する。
【0015】
サーバコンテンツへのユーザアクセスを制御する、本発明に係る第二の方法は、前記現在の保護者による制御レベルと最も高い保護者による制御レベルとの間の比較に基づいているおり、サーバコンテンツへのユーザアクセスをブロックするための制御段階を有する。
【0016】
再生装置の現在の保護者による制御レベルが最も高い保護者による制御レベルより低い場合、恐らく子供達は再生装置を使用していると断定される。その場合、いかなるサーバアドレスへのユーザアクセスをもブロックすることが決定される。
【0017】
本発明は、また、保護者による制御レベルのセット間から選択された現在の保護者による制御レベルに基づく保護者による制御アクセスシステムを有する情報伝達媒体、サーバコンテンツへのユーザアクセスを制御するための処理手段を有する情報伝達媒体再生装置に関し、その情報伝達媒体再生装置は、
− サーバアドレスのリストを前記保護者による制御レベルに関連付けるための関連付け手段と、
− 前記現在の保護者による制御レベルに関連付けられるサーバアドレスのリストへのユーザアクセスを制限するための制御手段と
を有する。
【0018】
本発明は、また、サーバコンテンツへのユーザアクセスを制御するための処理手段を有する情報伝達媒体再生装置に関し、その情報伝達媒体再生装置は、保護者による制御レベルのセット間から選択される現在の保護者による制御レベルに基づく保護者による制御アクセスシステムを有し、この情報伝達媒体再生装置は、また、前記現在の保護者による制御レベルと最も高い保護者による制御レベルとの間の比較を実行することを意図されて、サーバコンテンツへのユーザアクセスをブロックするための制御手段を有する。
【0019】
そのような情報伝達媒体再生装置は、一般のWebブラウジングのためのアクセス制御が実行されるので、既存の情報伝達媒体再生装置のユーザアクセス制御機能を向上する。そのような情報伝達媒体再生装置はDVD再生装置へ対応してもよい。
【0020】
本発明は、また、本発明に係る第一の方法の段階を実行するためのコード命令を有する第一のコンピュータプログラムに関する。
【0021】
本発明は、また、本発明に係る第二の方法の段階を実行するためのコード命令を有する第二のコンピュータプログラムに関する。
【0022】
本発明の詳細な説明と他の態様は以下に与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、サーバコンテンツへのユーザアクセスを制御する本発明に係る第一の方法を示す図である。
【図2】図2は、サーバコンテンツへのユーザアクセスを制御する本発明に係る第二の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の特定の形態は、以下に記載される実施例を参照することによって説明され、また、同一の部分又はサブ段階は、同一の方法にて指定される添付の図面と共に考察される。
【0025】
図1は、サーバコンテンツへのユーザアクセスを制御する本発明に係る第一の方法を示す図である。この図は、サーバ103とネットワーク102を介して通信する情報伝達媒体再生装置101を示す。例えば、遠隔のWebサイト103とインターネット・ネットワーク102を介して通信するDVD再生装置101が記述されている。
【0026】
再生装置101は、米国映画協会(MPAA)評価システムに基づいて、保護者による制限アクセス段階104を有する。
【0027】
次の表1は、再生装置にセット可能な異なる保護者による制限レベル(PCL)を示している。最高レベルのPCL=8は、アダルトコンテンツに関係し、一方で、最低レベルのPCL=1は子供向け安全コンテンツに関係する。
【0028】
【表1】

この保護者による制限アクセス段階は、情報伝達媒体105(そして、結果として、このDVDへとリンクされる特定のWebサイトへの制御アクセス)のコンテンツへのアクセスを制御するために使用される。段階104は、(DVD_PCLによって指定される)ディスクの保護者による制御レベルと、再生装置101に設定される(Current_PCL_iによって指定される)現在の保護者による制御レベルとの間の比較から得た制御信号によって制御されるスイッチと同様である。Current_PCL_iDVD_PCLより高いか又は等しい場合のみ、ユーザはディスクコンテンツ(及び、またこのDVDへとリンクされる特定のWebサイト)へアクセスすることができる。インデックスiは、表1に定義されるようなMPAA評価値の一つに対応する。
【0029】
本発明に係る方法は、PCLをサーバアドレスのリストに関連付けるための関連付け段階106を有する:
− サーバアドレスList_8は、値8をもつPCLに関連付けられる(PCL_8によって指定される)、
− サーバアドレスList_1は、値をもつPCLに関連付けられる(PCL_1によって指定される)、
− など・・・
一般的に言えば、サーバアドレスList_iは、値iをもつPCLに関連づけられる(PCL_iによって指定される)。
【0030】
各リストList_iは、再生装置101のパラメータをセットするために、権限をもつ人によって設定されたサーバアドレスのセットを有する。例えば、そのような設定は、PINコード及び/又はパスワードを入力することによってなされてもよい。サーバのリストは、ユーザインターフェース108を介して(例えば、キーボードから)、手動で定義してもよいし、又は、Webサイトに位置する外部の特定のデータベース107からロード又は再生装置101によって読み取られた情報伝達媒体に格納してもよい。
【0031】
現在の保護者による制限レベルCurrent_PCL_iと関連付けられるサーバアドレスのリストList_iは、より低いレベルの保護者による制御レベルに関連付けられるサーバアドレスのリストを有する。
【0032】
サーバアドレスは、例えば、Webサイトアドレス又はFTPアドレスに対応する。
【0033】
本発明に係る方法は、上記現在の保護者による制限レベルCurrent_PCL_iと関連付けられるサーバアドレスList_iのリストへのユーザアクセスを制限するための制御段階109を有する。この制御段階109は、現在の保護者による制御レベルCurrent_PCL_iと同一の評価iをもつ保護者による制御レベルPCL_iに関連付けられるリストのサーバアドレスに対してのみ再生装置101及びネットワーク102に接続するセレクターと同様である。
【0034】
発明に係る方法は、また、上記制御段階を停止するための第一の制御サブ段階110を有する。このサブ段階110は、ユーザインターフェース108によって生成される第一の制御信号111によって制御されるセレクターと同様である。例えば、この制御信号111は、再生装置101のパラメータの設定の変更にて、ユーザによって生成される。このセレクターは、リストList_iに格納されるサーバアドレスを受信するための制御段階109に接続されるか、又は、ユーザインターフェース108に接続される。この後者の場合、ユーザは、例えば、キーボードを介してサーバアドレスをタイプすることによって、望むどのサーバアドレスをもアクセスできる。
【0035】
本発明に係る方法は、また、いかなるサーバアドレスへのユーザアクセスを禁止するための第二の制御サブ段階112を有する。このサブ段階112は、ユーザインターフェース108によって生成された第二の制御信号113によって制御されたスイッチと同様である。例えば、この制御信号113は、再生装置101のパラメータの設定の変更にてユーザによって生成される。閉じたとき、このスイッチは、スイッチ109によって実行される制御アクセスをWebブラウジングに適用することを許し、Webサイトへのアクセスは、このスイッチが開いたとき不可能となる。
【0036】
再生装置101は、アクセスされたサーバのコンテンツの表示の変更にてディスプレイ114のみならず、DVDディスク105のコンテンツ及びこのディスクにリンクされる特定のサーバのデータとも関連付けられている。
【0037】
図2は、サーバコンテンツへのユーザアクセスを制御する本発明に係る第二の方法を示す。
【0038】
この方法は、サーバコンテンツへのユーザアクセスをブロックするための制御段階201を有する。この制御段階201は、比較段階203によって生成される制御信号202によって制御されるスイッチと同様である。比較段階203は、現在の保護者による制御レベルCurrent_PCL_iと最も高い保護者による制御レベルPCL_8との間の比較を実行する。
【0039】
Current_PCL_i<PCL_8ならば、再生装置101が若者によってアクセスされようとしていると想定される。この場合、比較段階203は、スイッチ201を開く第一の状態をもつ制御信号202を生成する。結果として、ユーザは、サーバアドレスへアクセスすることができない。
【0040】
Current_PCL_i=PCL_8ならば、再生装置101が若者によってアクセスされようとしていると想定される。この場合、比較段階203は、スイッチ201が閉じる第二の状態をもつ制御信号202を生成する。よって、ユーザは、例えば、ユーザインターフェース108からサーバアドレスを入力することによってサーバアドレスをアクセスすることができる。
【0041】
本発明に係る制御する方法は、DVD再生装置のような情報伝達媒体、又は、DVD再生装置(PDA、携帯電話、・・・)を有する可搬装置に実装される。
【0042】
そのような方法は、(配線された電子回路、メモリ、信号処理のような)ハードウェア素子を用いて、又は、メモリ装置に格納されたコード命令を有するコンピュータプログラムのようなソフトウェア素子を用いて実装される。
【0043】
用語「有する」は、請求項に列挙される要素以外の要素の存在を排除するものではない。
【符号の説明】
【0044】
101 情報伝達媒体再生装置
102 ネットワーク
103 サーバ
104 保護者による制限アクセス段階
105 情報伝達媒体
106 関連付け段階
107 データベース
108 ユーザインターフェース
109 制御段階
110 第一の制御サブ段階
111 第一の制御信号
112 第二の制御サブ段階
113 第二の制御信号
114 ディスプレイ
201 制御段階
202 制御信号
203 比較段階

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報伝達媒体再生装置から情報伝達媒体及びサーバへのユーザアクセスを制御する方法であって、該情報伝達媒体は予め設定された保護者による制御レベルに関連付けられており、情報伝達再生装置は保護者による制御レベルのセット間から選択された現在の保護者による制御レベルに関連付けられており、
前記保護者による制御レベルと前記予め設定された保護者による制御レベルとの間の比較から得られる制御信号によって制御される、前記情報伝達媒体へのアクセスを認める又は認めないための切り替え段階と、
サーバアドレスのリストを前記保護者による制御レベルに関連付けるための関連付け段階と、
前記現在の保護者による制御レベルに関連付けられるサーバアドレスのリストへのユーザアクセスを制限するための制御段階とを有する方法。
【請求項2】
前記制御段階を停止するための第一の制御サブ段階を有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
いかなるサーバアドレスへのユーザアクセスを禁止するための第二の制御サブ段階を有する請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
予め設定された保護者による制御レベルに関連付けされる情報伝達媒体を読み取ろうとし、また、サーバへのユーザアクセスを制御しようとする情報伝達媒体再生装置であって、該情報伝達媒体再生装置は、保護者による制限レベルのセット間から選択された現在の保護者による制御レベルに関連付けられており、
前記現在の保護者による制御レベルと前記予め設定された制御レベルとの間の比較から得られる制御信号によって制御される、前記情報伝達媒体の読み取りを認める又は認めないための切り替え手段と、
サーバアドレスのリストを前記保護者による制限レベルに関連付けるための関連付け手段と、
前記現在の保護者による制御レベルに関連付けられるサーバアドレスのリストへのユーザアクセスを制限するための制御手段とを有する情報伝達媒体再生装置。
【請求項5】
情報伝達媒体再生装置から情報伝達媒体及びサーバへのユーザアクセスを制御する方法であって、該情報伝達媒体は予め設定された保護者による制御レベルに関連付けられており、情報伝達再生装置は保護者による制御レベルのセット間から選択された現在の保護者による制御レベルに関連付けられており、
前記現在の保護者による制御レベルと前記予め設定された保護者による制御レベルとの間の第一の比較から得られる第一の制御信号によって制御される、前記情報伝達媒体へのアクセスを認める又は認めないための第一の切り替え手段と、
前記現在の保護者による制御レベルと前記保護者による制御レベルのセットのうち最も高い保護者による制御レベルとの間の第二の比較から得られる第二の制御信号によって制御される、前記サーバへのアクセスを認める又は認めないための第二の切り替え手段とを有する方法。
【請求項6】
予め設定された保護者による制御レベルに関連付けされる情報伝達媒体を読み取ろうとし、また、サーバへのユーザアクセスを制御しようとする情報伝達媒体再生装置であって、該情報伝達媒体再生装置は、保護者による制限レベルのセット間から選択された現在の保護者による制御レベルに関連付けられており、
前記現在の保護者による制御レベルと前記予め設定された保護者による制御レベルとの間の第一の比較から得られる第一の制御信号によって制御される、前記情報伝達媒体の読み取りを認める又は認めないための第一の切り替え手段と、
前記現在の保護者による制御レベルと前記保護者による制御レベルのセットのうち最も高い保護者による制御レベルとの間の第二の比較から得られる第二の制御信号によって制御される、前記サーバへのアクセスを認める又は認めないための第二の切り替え手段とを有する方法。
【請求項7】
請求項1、2又は3記載の方法の段階を実行するためのコード命令を有するコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項5記載の方法の段階を実行するためのコード命令を有するコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−108259(P2011−108259A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3613(P2011−3613)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【分割の表示】特願2004−563443(P2004−563443)の分割
【原出願日】平成15年12月5日(2003.12.5)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】