説明

情報処理方法、情報処理システム、携帯機器、及びネットワーク機器

【課題】構成の追加を極力少なくしつつ、簡単な操作で、2つの機器の関連付け情報を認証サーバに保有させることができる情報処理方法及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理方法では、携帯機器1からネットワーク機器2に、携帯機器IDとメールアドレスとを送信し(S101)、ネットワーク機器2からサーバ6に、携帯機器IDとメールアドレスとネットワーク機器IDとを送信し(S102)、携帯機器1が、サーバ6から携帯機器1とネットワーク機器2との関連付け確認のためのメールを受信し(S103)、携帯機器1がサーバ自身のサイト又はサーバと共に関連付け確認処理を行うサイトにアクセスし、関連付け確認を示す情報を送信し(S105〜S108)、携帯機器1及び/又はネットワーク機器2が、サーバ6から送信された、関連付け情報を保有する処理が完了したことを通知する情報を受信する(S109〜S111)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続可能な複数の機器の関連付け情報を認証サーバに保有させるための情報処理方法、情報処理システム、携帯機器、及びネットワーク機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの携帯機器によって音楽や動画番組などのコンテンツを購入するサービスや、ネットワーク接続機能を持つネットワーク機器(例えば、デジタルTVやブルーレイディスクレコーダーなどの家庭用のデジタルAV機器)によって映像配信サービスを受けることが一般的となっている。携帯機器は、利用者が屋外を移動しているときであってもサービスを受けることができるという利点がある。一方、デジタルAV機器のようなネットワーク機器は、利用者が家庭内で高品質の動画サービスを受けることに適しているという利点がある。したがって、ネットワーク上のサービス提供者の認証サーバが、携帯機器の利用者とデジタルAV機器の利用者とが同一であることを認識できれば、携帯機器用のサービスとデジタルAV機器用のサービスとを連携させて、同一利用者に付加価値が高く、利便性に優れたサービスを提供することが可能になる。このためには、特定の携帯機器と特定のネットワーク機器との間に関連があることを示す関連付け情報を、サービス提供者に保有させる必要がある。
【0003】
このような要求に対する1つの解決策が、例えば、特許文献1に提案されている。この文献には、未認証端末(通信端末)が、サーバ(情報処理サーバ)が生成した認証用の画像データを受信して表示し、認証端末(携帯電話)が、表示された画像を撮影し、撮影画像と自身の認証情報とをサーバに送信することによって、サーバが、未認証端末と認証端末との間の関連付けを検出する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−78371号公報(第7−8頁、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された方法では、未認証端末においてサーバからの画像の取得及び画像の表示のための操作が必要になり、認証端末において画像の撮影及び送信が必要になり、未認証端末及び認証端末の両方により多くの操作する必要がある。特に、未認証端末がデジタルAV機器である場合には、リモコンなどのような簡素化されたユーザーインタフェースを用いて、複雑な操作を行うことが必要になる。このような操作は、利用者にとって手間がかかり、操作が複雑で難しいという問題がある。
【0006】
また、特許文献1に記載された方法では、未認証端末には、認証用の画像を表示するためのディスプレイが必要であり、また、認証端末には、画像を撮影するためのカメラ機能が必要であるので、装置のコストアップにつながるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、構成の追加を極力少なくしつつ、簡単な操作で、複数の機器の関連付け情報を認証サーバに保有させることができる情報処理方法及び情報処理システム、並びに、該システムを構成する携帯機器及びネットワーク機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報処理方法は、固有の第1の識別情報とメールアドレスとを記憶し、前記第1の識別情報と前記メールアドレスとを送信し、サーバとネットワークを経由して通信可能な第1の機器と、固有の第2の識別情報を記憶し、前記第1の機器から送信された情報を受信し、前記サーバとネットワークを経由して通信可能な第2の機器とを備えるシステムにおける、情報処理方法であって、前記第1の機器から前記第2の機器に、前記第1の識別情報と前記メールアドレスとを送信するステップと、前記第2の機器からネットワークを経由して前記サーバに、前記第1の識別情報と前記メールアドレスと前記第2の識別情報とを送信するステップと、前記第1の機器が、前記サーバからネットワークを経由して前記メールアドレスを宛先として送信された、前記第1の機器と前記第2の機器との関連付け確認のためのメールを受信するステップと、前記第1の機器が、ネットワークを経由して前記サーバ自身のサイト又は前記サーバと共に関連付け確認処理を行うサイトにアクセスし、前記サーバに対し、前記関連付け確認を示す情報を送信するステップと、前記第1の機器及び/又は前記第2の機器が、前記サーバから送信された、前記関連付け情報を保有する処理が完了したことを通知する情報を受信するステップとを有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る他の情報処理方法は、固有の第1の識別情報とメールアドレスとを記憶し、前記第1の識別情報と前記メールアドレスとを送信し、サーバとネットワークを経由して通信可能な第1の機器と、固有の第2の識別情報を記憶し、前記第1の機器から送信された情報を受信し、前記サーバとネットワークを経由して通信可能な第2の機器とを備えるシステムにおける、情報処理方法であって、前記第1の機器から前記第2の機器に、前記第1の識別情報を送信するステップと、前記第2の機器が、前記第1の機器と前記第2の機器との関連付けを行うための処理を特定する関連付けIDを生成するステップと、前記第2の機器が、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報と前記関連付けIDとをネットワークを経由して前記サーバに送信するステップと、前記第2の機器が、前記関連付けIDを前記第2の機器の表示器に表示するステップと、前記第1の機器から前記サーバに、前記第1の機器の入力部から入力された前記関連付けIDを送信するステップと、前記第1の機器及び/又は前記第2の機器が、前記第2の機器から受信した前記関連付けIDと前記第1の機器から受信した前記関連付けIDとが一致すると判断した前記サーバから送信された、前記関連付け情報を保有する処理が完了したことを通知する情報を受信するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1及び第2の機器に関連があることを示す関連付け情報を、ネットワーク上のサーバに登録させるための、第1及び第2の機器による操作を簡単にすることができるという効果がある。また、本発明によれば、第2の機器が、第1の識別情報及び第2の識別情報をサーバに送信し、且つ、第1の機器が、サーバからのメールの受信又はサーバへの関連付けIDの送信を含む関連付け確認処理を行うことによって、関連付け情報をサーバに登録させているので、第1及び第2の機器のハードウェア構成を簡素にすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1及び2に係る情報処理システムを概略的に示すネットワーク構成図である。
【図2】実施の形態1における携帯機器及びネットワーク機器を概略的に示すブロック構成図である。
【図3】実施の形態1における携帯機器が保有するプログラムの通信に関する部分を示すソフトウェア構成図である。
【図4】実施の形態1におけるネットワーク機器が保有するプログラムの通信に関する部分を示すソフトウェア構成図である。
【図5】実施の形態1に係る情報処理方法(機器関連付け成功時)を概略的に示すシーケンス図である。
【図6】実施の形態1及び2における携帯機器に表示される機器関連付け開始操作用の画面例を示す図である。
【図7】実施の形態1における携帯機器に表示される機器関連付け確認用の受信メールの画面例を示す図である。
【図8】実施の形態1における携帯機器に表示される機器関連付け確認操作用の画面例を示す図である。
【図9】実施の形態1における携帯機器に表示される機器関連付け完了通知用の画面例を示す図である。
【図10】実施の形態1に係る情報処理方法(機器関連付け失敗時)を概略的に示すシーケンス図である。
【図11】実施の形態1及び2における携帯機器に表示される機器関連付け失敗通知用の画面例を示す図である。
【図12】実施の形態1に係る情報処理方法(機器関連付け中止時)を概略的に示すシーケンス図である。
【図13】実施の形態1及び2における携帯機器に表示される機器関連付け中止通知用の画面例を示す図である。
【図14】実施の形態1に係る情報処理方法(携帯機器による機器関連付けURLアクセスが所定時間内に行われなかった場合の動作を含む)を概略的に示すシーケンス図である。
【図15】実施の形態2における携帯機器及びネットワーク機器を概略的に示すブロック構成図である。
【図16】実施の形態2における携帯機器が保有するプログラムの通信に関する部分を示すソフトウェア構成図である。
【図17】実施の形態2に係る情報処理方法(機器関連付け成功時)を概略的に示すシーケンス図である。
【図18】実施の形態2におけるネットワーク機器の表示器に表示されるメッセージの例を示す図である。
【図19】実施の形態2における携帯機器に表示される機器関連付けID入力用の面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る情報処理システム(すなわち、実施の形態1に係る情報処理方法を実施可能なシステム)を概略的に示すネットワーク構成図である。図1に示されるように、実施の形態1に係る情報処理システムは、ネットワークに接続可能な第1の機器の一例としての携帯機器1と、ネットワークに接続可能な第2の機器の一例としてのネットワーク機器2とを有するシステムである。
【0013】
携帯機器1は、例えば、携帯電話である。携帯機器1は、サービス提供者(例えば、携帯電話会社)との間で課金についての取り決め(例えば、契約)がなされており、利用者(契約者)が特定可能な機器である。携帯機器1は、携帯電話以外の通信機器であってもよい。携帯機器1が携帯電話である場合には、携帯機器1は携帯電話網(図示せず)を経由してネットワーク(図1においては、第1のネットワーク4)に接続される。
【0014】
ネットワーク機器2は、例えば、デジタルTVやブルーレイディスクレコーダーなどの家庭用のデジタルAV機器である。ネットワーク機器2は、一般には、サービス提供者(例えば、映画などのコンテンツの提供者)との間で課金についての取り決めがなされていない機器である。ネットワーク機器2は、ルーター(図示せず)などを経由して第2のネットワーク5(例えば、インターネット)に接続されている。
【0015】
認証サーバ6は、ネットワークを経由してコンテンツを提供するプロバイダのサーバである。認証サーバ6は、携帯機器1とネットワーク(例えば、第2のネットワーク5及び第1のネットワーク4)を経由して通信可能であり、また、ネットワーク機器2とネットワーク(例えば、第2のネットワーク5)を経由して通信可能である。
【0016】
図2は、実施の形態1における携帯機器1及びネットワーク機器2を概略的に示すブロック構成図である。図2に示されるように、携帯機器1は、主要な構成要素として、CPU10と、プログラム格納装置11と、第1の記憶部の一例としてのデータ記憶装置12と、第1のネットワーク通信部の一例としてのネットワーク通信部13と、送信部の一例としての赤外線送信部14と、キー入力制御部15と、入力キー16と、表示制御部17と、表示装置18とを有している。プログラム格納装置11は、携帯機器1を制御するためのプログラムを格納する不揮発メモリなどから構成される記憶装置である。プログラム格納装置11に格納されているプログラムには、不図示のオペレーティングシステム(OS)、ハードウェアを制御するためのデバイスドライバ、ミドルウェア、及びアプリケーションソフトウェアが含まれる。CPU10は、プログラム格納装置11からプログラムを読み出して実行することで携帯機器1を制御するプロセッサである。また、携帯機器1には、ランダムに読み書き可能なメモリから構成され、CPU10が処理を実行する際のワーク領域や、コンテンツデータを処理するために一時的に格納するためのバッファ領域に使用される格納領域(図示せず)が備えられている。データ記憶装置12は、自身に固有の第1の識別情報(携帯機器ID)や自身のインターネットメールアドレスなどのデータを蓄積しておくための不揮発な記憶装置である。データ記憶装置12は、例えば、HDDのような携帯機器1に内蔵のメディアであってもよく、また、不揮発メモリデバイス(半導体メモリ)であってもよい。ネットワーク通信部13は、携帯機器1を第1のネットワーク4に接続するためのネットワークインターフェースである。赤外線送信部14は、赤外線コードを送信するインターフェースである。赤外線送信部14から送信される赤外線コードとしては、例えば、通常のリモコンコード、IrDA規格やIrSimple規格などの通信規格に準拠したコードを用いることができる。キー入力制御部15は、利用者による入力キー16の操作に応じて、携帯機器1のCPU10にコマンドを入力する部分である。入力キー16は、実際に利用者が操作する入力デバイスであり、例えば、キーボード、リモコンや携帯電話などの操作キー、マウスなどのポインティングデバイスなどが含まれる。また、入力キー16は、表示装置18に利用者が直接触れることで入力を行うタッチパネルであってもよい。表示制御部17は、利用者に対してGUIを提示するための表示を制御する部分であり、表示装置18に対して文字、グラフィックス、画像データなどを表示させるための制御部である。表示装置18は、例えば、液晶ディスプレイなどである。
【0017】
また、ネットワーク機器2は、主要な構成要素として、CPU20と、プログラム格納装置21、第2の記憶部の一例としてのデータ記憶装置22と、第2のネットワーク通信部の一例としてのネットワーク通信部23と、受信部の一例としての赤外線受信部24とを有している。プログラム格納装置21は、ネットワーク機器2を制御するためのプログラムを格納する不揮発メモリなどから構成される記憶装置である。プログラム格納装置21に格納されているプログラムには、不図示のオペレーティングシステム(OS)、デバイスドライバ、ミドルウェア、及びアプリケーションソフトウェアが含まれる。CPU20は、プログラム格納装置21からプログラムを読み出して実行することでネットワーク機器2を制御するプロセッサである。また、ネットワーク機器2には、ランダムに読み書き可能なメモリから構成され、CPU20が処理を実行する際のワーク領域や、コンテンツデータを処理するために一時的に格納するためのバッファ領域に使用される格納領域(図示せず)が備えられている。データ記憶装置22は、自身に固有の第2の識別情報(ネットワーク機器ID)などのデータを蓄積しておくための不揮発な記憶装置である。データ記憶装置22は、例えば、HDDのような装置に内蔵のメディアであってもよく、また、不揮発メモリデバイス(半導体メモリ)であってもよい。ネットワーク通信部23は、ネットワーク機器2を第2のネットワーク5に接続するためのネットワークインターフェースである。赤外線受信部24は、携帯機器1の赤外線送信部14から送信される赤外線コードを受信できるインターフェースである。赤外線受信部24で受信される赤外線コードは、例えば、通常のリモコンコード、IrDA規格やIrSimple規格などの通信規格に準拠したコードなどである。
【0018】
図3は、実施の形態1における携帯機器1のプログラム格納装置11に格納されているプログラムの通信に関する部分を示すソフトウェア構成図である。携帯機器1においては、第1のネットワーク4と通信する際のプロトコルに従ってデータパケットを送受信するためのTCP/IPスタック30の上位に、HTML(Hyper Text Markup Lauguage)で記述されたWebページのデータを転送するためのHTTP(Hypertext Transfer Protocol)スタック31が置かれており、そのHTTPスタック31を利用してWebブラウザ33が動作する。また、携帯機器1においては、TCP/IPスタック30の上位にインターネットメールを受信するためのIMAP4(Internet Message Access Protocol 4)スタック32が置かれており、そのIMAP4スタックを利用して、メールクライアント34が動作する。IMAP4スタック32に代えて、メールを受信するためのサーバに応じて、同様な機能を持つ異なるプロトコル(例えば、POP3(Post Office Protocol 3)を用いてもよい。
【0019】
図4は、実施の形態1におけるネットワーク機器2のプログラム格納装置21に格納されているプログラムの通信に関する部分を示すソフトウェア構成図である。ネットワーク機器2においては、第2のネットワーク5と通信する際のプロトコルに従ってデータパケットを送受信するためのTCP/IPスタック40の上位にHTTPスタック41が置かれており、そのHTTPスタック41を利用してHTTPクライアント42が動作する。
【0020】
図5は、実施の形態1に係る情報処理システムの動作、すなわち、実施の形態1に係る情報処理方法(機器関連付け成功時)を概略的に示すシーケンス図である。図5に示されるように、利用者は、携帯機器1の赤外線送信部14の赤外線ポートをネットワーク機器2の赤外線受信部24に向けて、携帯機器1の入力キー16を操作して、機器関連付け開始操作を行う(ステップS100)。この場合の操作は、例えば、表示装置18に表示されたGUIに従って、携帯機器1の入力キー16を押下するなどの操作である。図6に、携帯機器1の表示装置18に表示される機器関連付け開始操作用のGUI画面の例を示す。利用者が入力キー16を用いて、図6のGUI画面の「実行」ボタンを選択して確定する操作を行うことで、機器関連付け開始操作が完了する。
【0021】
機器関連付け開始操作の結果、携帯機器1は、データ記憶装置12から読み出した自身のインターネットメールアドレスと携帯機器IDを含む関連付け情報を、赤外線送信部14を介して、ネットワーク機器2に向けて赤外線通信により送信する(ステップS101)。この場合の携帯機器IDは、認証サーバ6が機器の関連付けを行う際に、複数の携帯端末の中から特定の携帯端末を判別するために使用するIDである。携帯機器IDは、例えば、認証サーバ6が携帯機器1に対して個別に割り当てたユニークなIDであってもよい。携帯機器1が携帯電話の場合には、携帯機器IDとして、端末IDや、SIM(Subscriber Identity Module)カードのIMSI(International Mobile Subscriber Identity)などを利用することができる。
【0022】
ネットワーク機器2は、赤外線受信部24を介して携帯機器1からの関連付け情報を受信した後、受信した関連付け情報(携帯機器ID+携帯機器1のメールアドレス)と、自身のネットワーク機器IDを含んだ機器関連付け要求を、ネットワーク通信部23を介して認証サーバ6に送信する(ステップS102)。機器関連付け要求をHTTPによって送信する場合を例として説明すると、機器関連付け要求は、ネットワーク機器2のCPU20がプログラム格納装置21から読み出したHTTPクライアント42のプログラムを実行することで、HTTPスタック41からTCP/IPスタック40を経由してHTTP−POSTのメッセージとして送信される。この場合のネットワーク機器IDは、認証サーバ6が機器の関連付けを行う際に、複数のネットワーク機器の中から特定のネットワーク機器を判別するために使用するIDであり、例えば、認証サーバ6がネットワーク機器2に対して個別に割り当てたユニークなIDであってもよい。ネットワーク機器IDとしては、ネットワーク機器に一般的に割り当てられているユニークな番号、例えば、MAC(Media Access Control)アドレスなどを利用してもよい。
【0023】
認証サーバ6は、ネットワーク機器2からの機器関連付け要求を受信すると、機器関連付け要求に含まれている機器関連付け情報から携帯機器1のインターネットメールアドレスを取得して、携帯機器1に対して機器関連付け確認メールを送信する(ステップS103)。この確認メール中には、関連付けの確認を行うためのURL(Uniform Resource Locator)が含まれる。携帯機器1は、CPU10がプログラム格納装置11から読み出したメールクライアント34のプログラムを実行することで、IMAP4スタック32を起動し、TCP/IPスタック30を介して、ネットワーク通信部13を経由して、不図示のメールサーバに対して、メール着信の有無を確認するメッセージを送信する。認証サーバ6から送信された機器関連付け確認メールが存在する場合は、携帯機器1は、メールを受信する。図7に、携帯機器1に表示される機器関連付け確認用の受信メール(すなわち、受信された確認メール)の画面例を示す。図7に示されるURLの例は、認証サーバ6の特定のリソースを示すものであるが、必ずしも認証サーバ6上のリソースである必要はない。
【0024】
利用者は、携帯機器1が受信した機器関連付け確認メールを開き、Webブラウザ33を起動して、メール中に含まれている関連付けの確認を行うためのURLにアクセスするための操作をする(ステップS104)。具体的に言えば、利用者は、図7に示されるような受信メール画面を用いてメールを閲覧した上で、入力キー16を用いて表示画面の本文中にリンクされているURL(例えば、図7における「http://abc.com/xyz.html」)をフォーカスした上で「決定」キー又は「Enter」キー又はこれらに相当するキー(図示せず)を操作する。
【0025】
携帯機器1は、CPU10がプログラム格納装置11から読み出したWebブラウザ33のプログラムを実行することで、HTTPスタック31を起動し、TCP/IPスタック30を介して、ネットワーク通信部13を経由して、認証サーバ6に対して、関連付けの確認を行うためのURLに対して、HTTP−GETのメッセージを送信する(ステップS105)。
【0026】
HTTP−GETのメッセージを受信した認証サーバ6は、HTML形式の機器関連付け確認画面をHTTP−GETのレスポンスとして携帯機器1に対して送信する(ステップS106)。携帯機器1は、ネットワーク通信部13から機器関連付け確認画面を受信する。CPU10は、Webブラウザ33のプログラムを実行し、HTTPスタック31とTCP/IPスタック30を介して機器関連付け確認画面を取得した上で、表示制御部17を介して、表示装置18に、機器関連付け確認画面を表示する。図8に、携帯機器1の表示装置18に表示される機器関連付け確認操作用の画面例を示す。
【0027】
利用者は、機器関連付け確認操作を行う(ステップS107)。具体的には、利用者は、表示装置18に表示された、図8に示すような機器関連付け確認画面を見ながら、入力キー16を用いて「はい」のボタンを選択して、確定する操作を行うことで機器関連付け確認操作が完了する。携帯機器1は、ステップS108でCPU10がWebブラウザ33のプログラムを実行し、HTTPスタック31とTCP/IPスタック30を介してネットワーク通信部13から認証サーバ6に対して、機器関連付け確認イベントを送信する(ステップS108)。この場合の機器関連付け確認イベントの送信には、HTTP−POSTメッセージなどを用いる。
【0028】
認証サーバ6は、機器関連付け確認イベントを受信したときに、ステップS102において受信した機器間連付け要求に含まれている携帯機器1の携帯機器IDとネットワーク機器2のネットワーク機器IDに関連付けを行い、データベース化する(ステップS109)。以降は、このデータベースを参照することで、携帯機器1とネットワーク機器2の間に関連があることを確認することができる。
【0029】
認証サーバ6は、データベースを作成した後に、ネットワーク機器2に対して、機器関連付け完了応答をステップS102で受信したHTTP−POSTのレスポンスとして送信する(ステップS110)。ネットワーク機器2は、ネットワーク通信部23から機器関連付け完了応答を受信する。CPU20がHTTPクライアント42のプログラムを実行し、HTTPスタック41とTCP/IPスタック40を介して機器関連付け完了応答を取得した上で、その応答の内容が機器関連付けを正常に行われたことを示す場合、データ記憶装置22に、自身(ネットワーク機器2)と携帯機器1が関連付けられていることを記憶する。
【0030】
その後、認証サーバ6は、携帯機器1に対して、機器関連付け完了画面をステップS108で受信したHTTP−POSTのレスポンスとして送信する(ステップS111)。携帯機器1は、ネットワーク通信部13で機器関連付け完了画面を受信する。携帯機器1のCPU10がWebブラウザ33のプログラムを実行し、HTTPスタック31とTCP/IPスタック30を介して機器関連付け完了画面を取得した上で、表示制御部17を介して、表示装置18に、機器関連付け完了画面を表示する。図9に、携帯機器1の表示装置18に表示される機器関連付け完了通知用の画面例を示す。携帯機器1は、機器関連付け完了画面の表示と並行して、データ記憶装置12に、自身(携帯機器1)とネットワーク機器2が関連付けられていることを記憶する。この時点で利用者は、携帯機器1とネットワーク機器2の関連付けが完了したことを知ることができる。なお、ステップS110及びS111の処理は、必ずしも両方の処理が必要ではなく、いずれか一方の処理を行ってもよい。
【0031】
図10は、実施の形態1に係る情報処理方法(機器関連付け失敗時)を概略的に示すシーケンス図である。図10の動作シーケンスは、ステップS109における関連付けに失敗した場合を示している。何らかの要因で、関連付けに失敗した場合は、認証サーバ6は、データベースを更新せずに、ネットワーク機器2に対して、機器関連付け失敗応答をステップS102で受信したHTTP−POSTのレスポンスとして送信する(ステップS110b)。ネットワーク機器2は、ネットワーク通信部23で機器関連付け失敗応答を受信する。ネットワーク機器2のCPU20が、HTTPクライアント42のプログラムを実行し、HTTPスタック41とTCP/IPスタック40を介して機器関連付け失敗応答を取得した上で、その応答の内容が機器関連付けを正常に行われなかったことを示すことを認識した場合には、CPU20は、データ記憶装置22に、自身(ネットワーク機器2)と携帯機器1が関連付けられていること(すなわち、認証サーバ6によってネットワーク機器2と携帯機器1が関連付けられていること)を記憶させない。また、CPU20は、履歴として関連付けに失敗したことを示す情報をデータ記憶装置22に記憶させてもよい。
【0032】
また、認証サーバ6は、携帯機器1に対して、機器関連付け失敗画面をステップS108で受信したHTTP−POSTのレスポンスとして送信する(ステップS111b)。携帯機器1は、ネットワーク通信部13で機器関連付け失敗画面を受信する。携帯機器1のCPU10がWebブラウザ33のプログラムを実行し、HTTPスタック31とTCP/IPスタック30を介して機器関連付け失敗画面を取得した上で、表示制御部17を介して、表示装置18に、機器関連付け失敗画面を表示する。図11に、携帯機器1の表示装置18に表示される機器関連付け失敗通知用の画面例を示す。また、携帯機器1のCPU10は、データ記憶装置12に、自身(携帯機器1)とネットワーク機器2が関連付けられていること(すなわち、認証サーバ6によって携帯機器1とネットワーク機器2が関連付けられていること)を記憶させない。また、携帯機器1のCPU10は、履歴として関連付けに失敗したことを示す情報をデータ記憶装置12に記憶させてもよい。利用者は、図11の表示画面を見た時点で、携帯機器1とネットワーク機器2の関連付けが失敗したことを知ることができる。
【0033】
図12は、実施の形態1に係る情報処理方法(機器関連付け中止時)を概略的に示すシーケンス図である。図12は、実施の形態1の動作のシーケンスにおいて、図5のステップS107の操作ではなく、ステップS107cに示される関連付け中止操作をした場合を示している。図12に示されるように、利用者が、機器関連付け中止操作を行うときには(ステップS107c)、利用者は、表示装置18に表示された、図8に示される機器関連付け確認画面を見ながら、入力キー16を用いて「いいえ」のボタンを選択して、確定する操作を行うことで機器関連付け中止操作を行う。携帯機器1は、CPU10がWebブラウザ33のプログラムを実行し、HTTPスタック31とTCP/IPスタック30を介してネットワーク通信部13から認証サーバ6に対して、機器関連付け中止イベントを送信する(ステップS108c)。この場合の機器関連付け中止イベントは、HTTP−POSTメッセージなどを用いる。
【0034】
認証サーバ6は、機器関連付け中止イベントを受信したときに、機器関連付けを中止して(ステップS109c)、ネットワーク機器2に対して、機器関連付け中止応答をステップS102で受信したHTTP−POSTのレスポンスとして送信する(ステップS110c)。ネットワーク機器2は、ネットワーク通信部23で機器関連付け中止応答を受信する。ネットワーク機器2のCPU20がHTTPクライアント42のプログラムを実行し、HTTPスタック41とTCP/IPスタック40を介して機器関連付け中止応答を取得した上で、その応答の内容が、機器関連付けが中止されたことを示す場合、関連付け処理を中止する。この場合、CPU20履歴として関連付けに失敗したことを示す情報をデータ記憶装置22に記憶させてもよい。
【0035】
また、認証サーバ6は、携帯機器1に対して、機器関連付け中止画面をステップS108cで受信したHTTP−POSTのレスポンスとして送信する(ステップS111c)。携帯機器1は、ネットワーク通信部13で機器関連付け中止画面を受信する。携帯機器1のCPU10がWebブラウザ33のプログラムを実行し、HTTPスタック31とTCP/IPスタック30を介して機器関連付け中止画面を取得した上で、表示制御部17を介して、表示装置18に、機器関連付け中止画面を表示させ、また、関連付け処理を中止する。図13に、携帯機器1の表示装置18に表示される機器関連付け中止通知用の画面例を示す。また、携帯機器1のCPU10は、履歴として関連付けに失敗したことを示す情報をデータ記憶装置22に記憶させてもよい。利用者は、図13の表示画面を見た時点で、携帯機器1とネットワーク機器2の関連付けが中止されたことを知ることができる。
【0036】
図14は、実施の形態1に係る情報処理方法(携帯機器による機器関連付けURLアクセスが所定時間内に行われなかった場合の動作を含む)を概略的に示すシーケンス図である。ステップS103で、認証サーバ6が携帯機器1に対して機器関連付け確認メールを送信したにもかかわらず、利用者がメールに気が付かずに、ステップS104のブラウザ起動を所定時間内に行わないことが考えられる。図14は、このような場合の動作のシーケンスを示している。認証サーバ6が、携帯機器1に対して機器関連付け確認メールを送信して(ステップS103)から、所定の時間待っても携帯機器1がステップS105の機器関連付け確認URLへのアクセスを行わない場合、認証サーバ6は、ネットワーク機器2に対して、ステップS102で受信したHTTP−POSTのレスポンスとして機器関連付け受付応答を送信する(ステップS103−2)。具体的な例では、認証サーバ6は、レスポンスコード202 Acceptedを返す方法がある。ネットワーク機器2は、ネットワーク通信部23で機器関連付け受付応答を受信する。ネットワーク機器2のCPU20がHTTPクライアント42のプログラムを実行し、HTTPスタック41とTCP/IPスタック40を介して機器関連付け受付応答を取得した上で、認証サーバ6に対して、機器関連付け完了通知要求をHTTP−POSTとして送信する(ステップS103−3)。この後、所定の時間待っても、携帯機器1がステップS105の機器関連付け確認URLへのアクセスを行わない場合、認証サーバ6はステップS103−2及びS103−3の処理を繰り返す。利用者がステップS104のブラウザ起動を行った後のシーケンスは、図5で示した場合と同様であるが、ステップS110で認証サーバ6からネットワーク機器2に対して送信される機器関連付け完了応答は、ステップS103−3でネットワーク機器2から認証サーバ6に送信されたHTTP−POSTへの応答となる。
【0037】
なお、上記説明においては、携帯機器1とネットワーク機器2の間の通信において赤外線による近距離通信を使用する例について説明してきたが、携帯機器1とネットワーク機器2の間の通信方式として赤外線以外の方式、例えば、無線LAN、Bluetooth、WirelessUSBなどの無線による方式や、FeliCa(登録商標)などの非接触ICカード方式を用いてもよい。
【0038】
実施の形態1に係る情報処理方法及び情報処理システムによれば、利用者が携帯機器1の画面のみを見ながら携帯機器1の入力キー16を操作して、機器の関連付け操作を行うように構成したため、利用者にとって手間が少ない簡単な操作で機器の関連付けを行うことができるという効果がある。
【0039】
また、実施の形態1に係る情報処理方法及び情報処理システムにおいては、ネットワーク機器2に表示器が不要なため、表示器を追加することによるコストアップを防ぐことができるという効果がある。
【0040】
実施の形態2.
図15は、本発明の実施の形態2における携帯機器1a及びネットワーク機器2aを概略的に示すブロック構成図である。図15において、図2の構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。実施の形態2における携帯機器1aは、プログラム格納装置11aに格納されているプログラムの内容が、実施の形態1における携帯機器1のプログラム格納装置11に格納されているプログラムの内容と異なる。また、実施の形態2におけるネットワーク機器2aは、表示制御部25及び表示器26を備えた点、及び、プログラム格納装置21aに格納されているプログラムの内容が、実施の形態1におけるネットワーク機器2と異なる。表示制御部25は、利用者に対して情報の提示するための表示を制御する部分であり、表示器26に対して文字などの表示を行う。表示器26は、例えば、簡易的な液晶ディスプレイや7セグメントのLEDなどである。なお、表示制御部25及び表示器26は、携帯機器1aにおける表示制御部17と表示装置18と同様に、文字、グラフィックス、画像データなどを表示可能な構成であってもよい。
【0041】
図16は、実施の形態2における携帯機器1aのプログラム格納装置11aに格納されているプログラムの内、通信に関連する部分の構成を示すソフトウェア構成図である。図16には、実施の形態1の図3に示すソフトウェア構成から、IMAP4スタック32及びメールクライアント34を削除したソフトウェア構成が示されている。携帯機器1aにおいては、第1のネットワーク4と通信する際のプロトコルに従ってデータパケットを送受信するためのTCP/IPスタック30の上位に、HTML(Hyper Text Markup Lauguage)で記述されたWebページのデータを転送するためのHTTP(Hypertext Transfer Protocol)スタック31が置かれており、そのHTTPスタック31を利用してWebブラウザ33が動作する。
【0042】
図17は、実施の形態2に係る情報処理システムの動作、すなわち、実施の形態2に係る情報処理方法(機器関連付け成功時)を概略的に示すシーケンス図である。図17に示されるように、利用者は、携帯機器1aの赤外線送信部14の赤外線ポートをネットワーク機器2aの赤外線受信部24に向けて、携帯機器1aの入力キー16を操作して、機器関連付け開始操作を行う(ステップS200)。この場合の操作は、例えば、表示装置18に表示されたGUIに従って、携帯機器1aの入力キー16を押下するなどである。この場合のGUI画面の一例が、図6に示されている。利用者が入力キー16を用いて、図6のGUI画面の「実行」ボタンを選択して確定する操作を行うことで、機器関連付け開始操作が完了する。
【0043】
機器関連付け開始操作の結果、携帯機器1aは、データ記憶装置12から読み出した自身の携帯機器IDを含んだ関連付け情報を、赤外線送信部14を介して、ネットワーク機器2aに向けて赤外線通信により送信する(ステップS201)。この場合の携帯機器IDは、認証サーバ6が機器の関連付けを行う際に、複数の携帯端末の中から特定の携帯端末を判別するために使用するIDである。携帯機器IDは、例えば、認証サーバ6が携帯機器1aに対して個別に割り当てたユニークなIDであってもよい。携帯機器1aが携帯電話の場合には、携帯機器IDとして、端末IDや、SIMカードのIMSIなどを利用することができる。
【0044】
ネットワーク機器2aは、赤外線受信部24を介して携帯機器1aからの携帯機器IDを受信した後、受信した携帯機器IDと、自身のネットワーク機器IDを含んだ機器関連付け要求を、ネットワーク通信部23を介して認証サーバ6に送信する(ステップS202)。機器関連付け要求をHTTPによって送信する場合には、機器関連付け要求は、ネットワーク機器2aのCPU20がプログラム格納装置21aから読み出したHTTPクライアント42のプログラムを実行することで、HTTPスタック41からTCP/IPスタック40を経由してHTTP−POSTのメッセージとして送信される。この場合のネットワーク機器IDは、認証サーバ6が機器の関連付けを行う際に、複数のネットワーク機器の中から特定のネットワーク機器を判別するために使用するIDであり、例えば、認証サーバ6がネットワーク機器2aに対して個別に割り当てたユニークなIDであってもよい。ネットワーク機器IDとしては、ネットワーク機器に一般的に割り当てられているユニークな番号、例えば、MACアドレスなどを利用してもよい。また、この場合の関連付けIDは、ネットワーク機器2aが生成した一時的なIDであり、乱数を用いたり、自身のネットワーク機器IDをもとにしたハッシュ演算などを行って生成したりするものであってもよい。
【0045】
認証サーバ6は、ネットワーク機器2aからの機器関連付け要求を受信すると、ネットワーク機器2aに対して機器関連付け受諾応答を送信する(ステップS203)。この機器関連付け受諾応答は、認証サーバ6がステップS202で受信したHTTP−POSTの応答として送信される。ネットワーク機器2aは、ネットワーク通信部23で機器関連付け受諾応答を受信する。ネットワーク機器2aのCPU20がHTTPクライアント42のプログラムを実行し、HTTPスタック41とTCP/IPスタック40を介して機器関連付け受諾応答を取得し、HTTPクライアント42のプログラムを実行し、HTTPスタック41とTCP/IPスタック40を介して認証サーバ6に対して機器関連付け完了通知要求をHTTP−POSTとして送信する(ステップS204)。その後、ネットワーク機器2aは、表示制御部25を介して、表示器26に、機器関連付け操作を利用者に対して促すメッセージと、ステップS202で生成した関連付けIDを表示する(ステップS205)。図18に、ネットワーク機器2aの表示器26に表示されるメッセージの例を示す。図18の例では、関連付けIDが「123ABC567」であることが表示されている。なお、表示器26の表示文字数に制約がある場合は、スクロールなどの方法で利用者がメッセージ全文を判読できるように表示する。
【0046】
利用者は、携帯機器1aのWebブラウザ33を起動して、関連付けの確認を行うためのURLにアクセスするための操作をする(ステップS206)。この場合、利用者は、関連付けの確認を行うためのURLを予め知っているものとする。利用者は、直接URLを入力するか、既に登録されているブックマークを選ぶなどの操作を行う。
【0047】
携帯機器1aは、CPU10がプログラム格納装置11aから読み出したWebブラウザ33のプログラムを実行することで、HTTPスタック31を起動し、TCP/IPスタック30を介して、ネットワーク通信部13を経由して、認証サーバ6に対して、関連付けの確認を行うためのURLに対して、HTTP−GETのメッセージを送信する(ステップS207)。
【0048】
HTTP−GETのメッセージを受信した認証サーバ6は、HTML形式の機器関連付け確認画面をHTTP−GETのレスポンスとして携帯機器1aに対して送信する(ステップS208)。携帯機器1aは、ネットワーク通信部13から機器関連付け確認画面を受信する。CPU10は、Webブラウザ33のプログラムを実行し、HTTPスタック31とTCP/IPスタック30を介して機器関連付け確認画面を取得した上で、表示制御部17を介して、表示装置18に、機器関連付け確認画面を表示する。図19に、携帯機器1aの表示装置18に表示される機器関連付けID入力用の画面例を示す。
【0049】
利用者は、機器関連付け確認操作を行う(ステップS209)。具体的には、利用者は表示装置18に表示された、図19に示すような機器関連付け確認画面を見ながら、入力キー16を用いて関連付けIDをフォームに入力した後、「確定」のボタンを選択して、確定する操作を行うことで機器関連付け確認操作が完了する。携帯機器1aは、ステップS210でCPU10がWebブラウザ33のプログラムを実行し、HTTPスタック31とTCP/IPスタック30を介してネットワーク通信部13から認証サーバ6に対して、利用者が入力した関連付けIDを含んだ機器関連付け確認イベントを送信する(ステップS210)。この場合の機器関連付け確認イベントは、HTTP−POSTメッセージなどを用いる。
【0050】
認証サーバ6は、機器関連付け確認イベントを受信したときに、利用者が入力した関連付けIDと、ステップS202の段階で受信した関連付けIDとを照合し、両者が一致した場合は、機器間連付け要求に含まれている携帯機器1aの携帯機器IDとネットワーク機器2aのネットワーク機器IDに関連付けを行い、データベース化する(ステップS211)。以降は、このデータベースを参照することで、携帯機器1aとネットワーク機器2aの間に関連があることを確認することができる。
【0051】
認証サーバ6は、データベースを作成した後に、ネットワーク機器2aに対して、機器関連付け完了応答をステップS204で受信したHTTP−POSTのレスポンスとして送信する(ステップS212)。ネットワーク機器2aは、ネットワーク通信部23から機器関連付け完了応答を受信する。CPU20がHTTPクライアント42のプログラムを実行し、HTTPスタック41とTCP/IPスタック40を介して機器関連付け完了応答を取得した上で、その応答の内容が機器関連付けを正常に行われたことを示す場合、データ記憶装置22に、自身(ネットワーク機器2a)と携帯機器1aが関連付けられていることを記憶する。
【0052】
その後、認証サーバ6は、携帯機器1aに対して、機器関連付け完了画面を受信したHTTP−POSTのレスポンスとして送信する(ステップS213)。携帯機器1aは、ネットワーク通信部13で機器関連付け完了画面を受信する。携帯機器1aのCPU10がWebブラウザ33のプログラムを実行し、HTTPスタック31とTCP/IPスタック30を介して機器関連付け完了画面を取得した上で、表示制御部17を介して、表示装置18に、機器関連付け完了画面を表示する。このときの、機器関連付け完了画面の例は、図9に示される。携帯機器1aは、機器関連付け完了画面の表示と並行して、データ記憶装置12に、自身(携帯機器1a)とネットワーク機器2aが関連付けられていることを記憶する。この時点で利用者は、携帯機器1aとネットワーク機器2aの関連付けが完了したことを知ることができる。なお、ステップS212及びS213の処理は、必ずしも両方の処理が必要ではなく、いずれか一方の処理を行ってもよい。
【0053】
ステップS211で関連付けに失敗した場合の動作、及びステップS209で利用者が関連付けを中止した場合についての動作は、実施の形態1の場合(図10及び図12の場合)と同様である。また、ステップS205で、ネットワーク機器2aが、機器関連付け操作を利用者に対して促すメッセージを表示したにもかかわらず、利用者がブラウザ起動(ステップS206)を行わない場合は、ステップS203及びS204の処理が繰り返される。この繰り返しを所定回数行っても、又は、所定時間経過しても、利用者がブラウザ起動(ステップS206)を行わない場合には、機器関連付けを中止するようにしてもよい。
【0054】
なお、実施の形態2では、携帯機器1aとネットワーク機器2aの間の通信において赤外線による通信を使用する例について説明してきたが、この通信方式として赤外線以外の方式、例えば、無線LAN、Bluetooth、WirelessUSBなどの無線による方式や、FeliCa(登録商標)などの非接触ICカード方式を用いてもよい。
【0055】
実施の形態2に係る情報処理方法及び情報処理システムによれば、利用者が携帯機器1aの画面のみを見ながら携帯機器1aの入力キーを操作して、機器の関連付け操作を行うように構成したことに加えて、ネットワーク機器2aが生成した関連付けIDをネットワーク機器2aの表示器26に表示するように構成したため、実施の形態1の構成における効果に加えて、携帯機器1aがメール受信機能を有していなくても機器関連付けを実現することができるという効果がある。
【0056】
また、実施の形態2に係る情報処理方法及び情報処理システムにおいては、ネットワーク機器2aの表示器26は、数字や文字の組み合わせからなる関連付けIDを表示できる簡素な構成の表示器(例えば、デジタルAV機器に装備されている放送チャンネルなどの表示器)であればよいので、ハードウェア構成の増加に伴うコストアップを防ぐことができるという効果がある。
【符号の説明】
【0057】
1,1a 携帯機器、 2,2a ネットワーク機器、 4 第1のネットワーク、 5 第2のネットワーク、 6 認証サーバ、 10 携帯機器のCPU、 11,11a 携帯機器のプログラム格納装置、 12 携帯機器のデータ記憶装置、 13 携帯機器のネットワーク通信部、 14 携帯機器の赤外線送信部、 15 携帯機器のキー入力制御部、 16 携帯機器の入力キー、 17 携帯機器の表示制御部、 18 携帯機器の表示装置、 20 ネットワーク機器のCPU、 21,21a ネットワーク機器のプログラム格納装置、 22 ネットワーク機器のデータ記憶装置、 23 ネットワーク機器のネットワーク通信部、 24 ネットワーク機器の赤外線受信部、 25 ネットワーク機器の表示制御部、 26 ネットワーク機器の表示器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有の第1の識別情報とメールアドレスとを記憶し、前記第1の識別情報と前記メールアドレスとを送信し、サーバとネットワークを経由して通信可能な第1の機器と、固有の第2の識別情報を記憶し、前記第1の機器から送信された情報を受信し、前記サーバとネットワークを経由して通信可能な第2の機器とを備えるシステムにおける、情報処理方法であって、
前記第1の機器から前記第2の機器に、前記第1の識別情報と前記メールアドレスとを送信するステップと、
前記第2の機器からネットワークを経由して前記サーバに、前記第1の識別情報と前記メールアドレスと前記第2の識別情報とを送信するステップと、
前記第1の機器が、前記サーバからネットワークを経由して前記メールアドレスを宛先として送信された、前記第1の機器と前記第2の機器との関連付け確認のためのメールを受信するステップと、
前記第1の機器が、ネットワークを経由して前記サーバ自身のサイト又は前記サーバと共に関連付け確認処理を行うサイトにアクセスし、前記サーバに対し、前記関連付け確認を示す情報を送信するステップと、
前記第1の機器及び/又は前記第2の機器が、前記サーバから送信された、前記関連付け情報を保有する処理が完了したことを通知する情報を受信するステップと
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
前記第1の機器から前記第2の機器に対する情報の送信は、赤外線により行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記関連付け確認のためのメールは、前記サーバ自身のサイトのURL又は前記サーバと共に関連付け確認処理を行うサイトのURLを含み、
前記第1の機器による前記サイトへのアクセスは、前記URLを用いて行われる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
固有の第1の識別情報とメールアドレスとを記憶し、前記第1の識別情報と前記メールアドレスとを送信し、サーバとネットワークを経由して通信可能な第1の機器と、固有の第2の識別情報を記憶し、前記第1の機器から送信された情報を受信し、前記サーバとネットワークを経由して通信可能な第2の機器とを備えるシステムにおける、情報処理方法であって、
前記第1の機器から前記第2の機器に、前記第1の識別情報を送信するステップと、
前記第2の機器が、前記第1の機器と前記第2の機器との関連付けを行うための処理を特定する関連付けIDを生成するステップと、
前記第2の機器が、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報と前記関連付けIDとをネットワークを経由して前記サーバに送信するステップと、
前記第2の機器が、前記関連付けIDを前記第2の機器の表示器に表示するステップと、
前記第1の機器から前記サーバに、前記第1の機器の入力部から入力された前記関連付けIDを送信するステップと、
前記第1の機器及び/又は前記第2の機器が、前記第2の機器から受信した前記関連付けIDと前記第1の機器から受信した前記関連付けIDとが一致すると判断した前記サーバから送信された、前記関連付け情報を保有する処理が完了したことを通知する情報を受信するステップと
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
前記第1の機器から前記第2の機器に対する情報の送信は、赤外線により行うことを特徴とする請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記第1の機器から前記サーバへの前記関連付けIDの送信は、前記第1の機器による前記サーバ自身のサイト又は前記サーバと共に関連付け確認処理を行うサイトへのアクセス画面を用いて行われる
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
サーバとネットワークを経由して通信可能な第1の機器と、
前記サーバとネットワークを経由して通信可能な第2の機器と
を備える情報処理システムであって、
前記第1の機器は、
固有の第1の識別情報とメールアドレスとを記憶する第1の記憶部と、
前記第1の識別情報と前記メールアドレスとを送信する送信部と、
前記サーバとネットワークを経由して通信可能な第1のネットワーク通信部と、
第1の制御部とを有し、
前記第2の機器は、
固有の第2の識別情報を記憶する第2の記憶部と、
前記第1の機器から送信された情報を受信する受信部と、
前記サーバとネットワークを経由して通信可能な第2のネットワーク通信部と、
第2の制御部とを有し、
前記第1の制御部は、前記第1の機器の前記送信部から前記第2の機器の前記受信部に、前記第1の識別情報と前記メールアドレスとを送信させる処理を行い、
前記第2の制御部は、前記第2の機器の前記第2のネットワーク通信部からネットワークを経由して前記サーバに、前記第1の識別情報と前記メールアドレスと前記第2の識別情報とを送信させる処理を行い、
前記第1のネットワーク通信部は、前記サーバからの前記メールアドレスを宛先とする、前記第1の機器と前記第2の機器との関連付け確認のためのメールを受信し、
前記第1の制御部は、前記第1のネットワーク通信部に、ネットワークを経由して前記サーバ自身のサイト又は前記サーバと共に関連付け確認処理を行うサイトにアクセスさせ、前記サーバに対し、前記関連付け確認を示す情報を送信させる処理を行い、
前記第1の機器の前記第1のネットワーク通信部及び/又は前記第2の機器の前記第2のネットワーク通信部が、関連付け情報を保有する処理が完了したことを通知する前記サーバからの情報を受信する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
前記第1の機器の前記送信部から前記第2の機器の前記受信部に対する情報の送信は、赤外線により行うことを特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記関連付け確認のためのメールは、前記サーバ自身のサイトのURL又は前記サーバと共に関連付け確認処理を行うサイトのURLを含み、
前記第1の機器の前記第1のネットワーク通信部による前記サイトへのアクセスは、前記URLを用いて行われる
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
サーバとネットワークを経由して通信可能な第1の機器と、
前記サーバとネットワークを経由して通信可能な第2の機器と
を備える情報処理システムであって、
前記第1の機器は、
固有の第1の識別情報を記憶する第1の記憶部と、
前記第1の識別情報を送信する送信部と、
前記サーバとネットワークを経由して通信可能な第1のネットワーク通信部と、
入力部と、
第1の制御部とを有し、
前記第2の機器は、
固有の第2の識別情報を記憶する第2の記憶部と、
前記第1の機器から送信された情報を受信する受信部と、
前記サーバとネットワークを経由して通信可能な第2のネットワーク通信部と、
表示器と、
第2の制御部とを有し、
前記第1の制御部は、前記第1の機器の前記送信部から前記第2の機器の前記受信部に、前記第1の識別情報を送信させる処理を行い、
前記第2の制御部は、前記第1の機器と前記第2の機器との関連付けを行うための処理を特定する関連付けIDを生成する処理を行い、
前記第2の制御部は、前記第2のネットワーク通信部に、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報と前記関連付けIDとをネットワークを経由して前記サーバに送信させる処理を行い、
前記第2の制御部は、前記表示器に、前記関連付けIDを表示させるための処理を行い、
前記第1の制御部は、前記第1の機器の前記第1のネットワーク通信部から前記サーバに、前記第1の機器の前記入力部から入力された前記関連付けIDを送信させる処理を行い、
前記第1の機器の前記第1のネットワーク通信部及び/又は前記第2の機器の前記第2のネットワーク通信部が、前記第2の機器から受信した前記関連付けIDと前記第1の機器から受信した前記関連付けIDとが一致すると判断した前記サーバから送信された、前記関連付け情報を保有する処理が完了したことを通知する情報を受信する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
前記第1の機器の前記送信部から前記第2の機器の前記受信部に対する情報の送信は、赤外線により行うことを特徴とする請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記第1の機器の前記第1のネットワーク通信部から前記サーバへの前記関連付けIDの送信は、前記第1の機器の前記第1のネットワーク通信部による前記サーバ自身のサイト又は前記サーバと共に関連付け確認処理を行うサイトへのアクセス画面を用いて行われる
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
請求項7乃至12のいずれか1項に記載の情報処理システムを構成する前記第1の機器と同じ構成を有する携帯機器。
【請求項14】
請求項7乃至12のいずれか1項に記載の情報処理システムを構成する前記第2の機器と同じ構成を有するネットワーク機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−282357(P2010−282357A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134234(P2009−134234)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】