説明

情報処理装置、およびプログラム

【課題】検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させ、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示することによりユーザによる輝度調整操作を補助することが可能な情報処理装置、およびプログラムを提供する。
【解決手段】明るさを検知し検知した明るさに応じた照度値を出力する照度検出部と、照度値に基づいて光源の輝度を規定する発光信号を制御するための輝度設定値を導出する輝度制御部と、輝度設定値に基づいて光源で消費される消費電力に関する消費電力情報を導出し、消費電力情報を表示画面に表示させる表示制御部とを備える情報処理装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube display)に替わる表示装置として、有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display;または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)ともよばれる。)、FED(Field Emission Display;電界放出ディスプレイ)、液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel;プラズマディスプレイ)など様々な表示装置が開発されている。上記のような様々な表示装置のうち、液晶ディスプレイは、例えば、低消費電力での駆動が可能であり、また、生産技術が成熟して低価格化が進んでいることから、CRTディスプレイに替わる次世代の表示装置として加速度的に普及している。例えば、液晶ディスプレイは、携帯電話などの携帯型通信装置や、ノート型PC(Personal Computer)などのコンピュータなど、様々な情報処理装置が備える表示デバイスとして用いられている。ここで、液晶ディスプレイは、例えば、液晶シャッターを備える液晶パネルや、光源(例えば、バックライト)、当該光源が発する光を当該液晶パネルに入力する偏光板などを備える非自発光型の表示装置である。
【0003】
このような中、別途の光源を有する非発光型の表示装置において自動的に輝度を調整する技術が開発されている。光センサの検出結果に基づいて液晶ディスプレイの光源の光量を調整する技術としては、例えば、特許文献1、特許文献2が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】特開平9−146073号公報
【特許文献2】特開平4−174819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、別途の光源を有する非発光型の表示装置の一種である液晶ディスプレイ(以下、「LCD」とよぶ場合がある。)は、携帯電話やノート型PCなど様々な情報処理装置が備える表示デバイスとして用いられている。ここで、上記情報処理装置は、外部電源により駆動することに限られず、例えば、バッテリーなどの有限な内部電源を用いて駆動する。そのため、上記のような情報処理装置の中には、例えば、輝度の切替スイッチなどを備え、情報処理装置のユーザによる輝度の手動調整によって、輝度と光源が消費する消費電力との調整をユーザが行うことを可能としているものがある。
【0006】
しかしながら、人間の目は外光に対して対数的な感度特性を有しているため、ユーザが、例えば、切替スイッチを用いて輝度を調整した場合において、ユーザが実際に感じる明るさとそのときの光源(例えば、バックライト)の消費電力は線形とはならない。よって、ユーザが、表示デバイスの明るさから光源の消費電力を推測することは、困難である。そのため、輝度の切替スイッチを備える従来の情報処理装置では、例えば、以下の(a)、(b)ような事象が起こりうる。
(a)ユーザが輝度を調整したが、光源の消費電力を抑える量が足らずに、使用している途中にバッテリが尽きてしまう
(b)ユーザが輝度を調整したが、光源の消費電力を意識しすぎるあまり必要以上に輝度が低く設定される。その結果、ユーザは、表示画面が見難いまま使用し続ける
【0007】
ここで、光センサの検出結果に基づいてLCDの光源の光量を調整する従来の技術(以下、単に「従来の技術」という。)が適用された情報処理装置は、光センサの検出結果に基づいて輝度を調整する。また、従来の技術が適用された情報処理装置は、ユーザが手動操作することによる輝度調整も可能としている。しかしながら、従来の技術が適用された情報処理装置では、光源で消費される消費電力について何らの考慮もなされていない。よって、従来の技術が適用された情報処理装置は、光源の光量を自動的に調整しているに過ぎないので、ユーザは光源の消費電力がどの程度なのかを知ることはできない。したがって、従来の技術が適用された情報処理装置では、上記(a)、(b)に示す事象の発生を抑制することについては、望むべくもない。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させ、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示することによりユーザによる輝度調整操作を補助することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、明るさを検知し、検知した明るさに応じた照度値を出力する照度検出部と、上記照度値に基づいて、光源の輝度を規定する発光信号を制御するための輝度設定値を導出する輝度制御部と、上記輝度設定値に基づいて、上記光源で消費される消費電力に関する消費電力情報を導出し、上記消費電力情報を表示画面に表示させる表示制御部とを備える情報処理装置が提供される。
【0010】
かかる構成により、検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させ、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示することによりユーザによる輝度調整操作を補助することができる。
【0011】
また、輝度設定値の下限と上限とをそれぞれ規定する複数の輝度レベルの中から、1の輝度レベルを設定するレベル設定部をさらに備え、上記輝度制御部は、設定された上記輝度レベルと上記照度値とに基づいて、上記輝度設定値を導出してもよい。
【0012】
また、上記輝度制御部は、設定された輝度レベルが変更された場合には、変更後の輝度レベルに応じた輝度設定値を、変更前の輝度レベルに応じた輝度設定値から段階的に導出してもよい。
【0013】
また、上記表示制御部は、消費電力、および/または消費電力率を上記消費電力情報として導出してもよい。
【0014】
また、光源と、導出された上記輝度設定値に基づいて、上記輝度設定値に応じた上記発光信号を上記光源に伝達する光源制御部とをさらに備えてもよい。
【0015】
また、上記照度検出部は、検知した明るさの変化量と所定の閾値とに基づいて上記変化量が上記閾値を超えた場合に上記輝度制御部に通知し、上記輝度制御部は、上記通知に基づいて上記照度検出部に上記照度値を出力させてもよい。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、明るさを検知して検知した明るさに応じた照度値を出力する照度検出部から上記照度値を取得するステップ、上記照度値に基づいて、光源の輝度を規定する発光信号を制御するための輝度設定値を導出するステップ、上記輝度設定値に基づいて、上記光源で消費される消費電力に関する消費電力情報を導出するステップ、上記消費電力情報を上記表示画面に表示させるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0017】
かかるプログラムを用いることにより、検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させ、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示することによりユーザによる輝度調整操作を補助することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させ、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示することによりユーザによる輝度調整操作を補助することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
なお、以下では、本発明の実施形態に係る情報処理装置が輝度を調整させる光源として、LCD(液晶ディスプレイ)を構成する光源(例えば、バックライト)を例に挙げて説明するが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD;Digital Micromirror Device)など、別途の光源を有する非発光型の表示デバイスを構成する光源の輝度を調整させることもできる。
【0021】
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本発明の実施形態に係るアプローチ
2.本発明の実施形態に係る情報処理装置
3.本発明の実施形態に係るプログラム
【0022】
(本発明の実施形態に係るアプローチ)
本発明の実施形態に係る情報処理装置(以下、「情報処理装置100」という。)は、検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させる。また、情報処理装置100は、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示することによって、ユーザによる輝度調整操作の補助を図る。情報処理装置100の構成について説明する前に、まず、情報処理装置100における、輝度の調整と光源で消費される消費電力に関する情報の提示アプローチについて説明する。
【0023】
情報処理装置100は、例えば、「輝度の調整処理」と「消費電力に関する情報の提示処理」とによって、検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させ、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示する。以下、情報処理装置100における「輝度の調整処理」および「消費電力に関する情報の提示処理」の概要について説明する。
【0024】
[1]輝度の調整処理
情報処理装置100は、例えば、検出した明るさに基づく第1輝度調整方法と、ユーザの操作(ユーザによる輝度調整操作)に基づく第2輝度レベル調整手段との2つの輝度調整方法によって、光源の輝度を調整させる。
【0025】
ここで、本発明の実施形態に係る第1輝度調整方法とは、例えば、検知された明るさに応じた照度値に基づいて、光源の輝度を規定する発光信号を制御するための輝度設定値を導出することによって、光源の輝度を調整する方法である。つまり、第1輝度調整方法は、例えば、ユーザの操作を必要としない自動輝度調整方法であるといえる。本発明の実施形態に係る輝度設定値の導出方法については、後述する。
【0026】
また、本発明の実施形態に係る第2輝度調整方法とは、上記第1輝度調整方法における輝度調整に条件付けを行うことにより、光源の輝度を調整する方法である。より具体的には、情報処理装置100は、例えば、第1輝度調整方法において設定される輝度設定値の下限と上限とをそれぞれ規定する複数の輝度レベルの中から、1の輝度レベルを設定することによって、第1輝度調整方法における輝度調整に条件付けを行う。ここで、情報処理装置100は、例えば、輝度レベルを切り替える切替スイッチを備えたり、切替設定が可能な切替画面を表示画面に表示させることによって、輝度レベルの設定を行うことができるが、上記に限られない。つまり、第2輝度調整方法は、例えば、ユーザの操作に基づく手動輝度調整方法であるといえる。以下では、情報処理装置100が0レベル〜8レベルまでの9段階の輝度レベル(例えば、レベルが高い程、より輝度が高い。)を設定することができるものとして説明する。なお、本発明の実施形態に係る輝度レベルが、9段階に限られないことは、言うまでもない。
【0027】
なお、情報処理装置100は、上記第1輝度調整方法における輝度調整の機能を選択的にオフ(無効化)することもできる。上記の場合、情報処理装置100は、例えば、第2輝度調整方法によって設定された輝度レベルごとに予め規定された輝度となるように、光源の輝度を調整する。
【0028】
〔輝度設定値の導出方法〕
情報処理装置100は、例えば、数式1に示すような照度値(以下、「lx」と表す場合がある。)と輝度レベル(以下、「LV(x)」と表す場合がある。ここで、xは、自然数。)との関数により輝度設定値を導出する。ここで、数式1の“PWM(LV(x),lx)”は、ある輝度レベルが設定されある照度値が検出された場合における輝度設定値を示している。また、数式1の“a(LV(x))”は、傾きを示し、“PWM(LV(x),Lmin)”は、ある輝度レベルにおける輝度設定値の下限値を示している。なお、数式1では、輝度設定値が一次関数で表された例を示しているが、本発明の実施形態に係る輝度設定値の導出方法が上記に限られないことは、言うまでもない。また、情報処理装置100は、数式1による各輝度レベルにおける輝度設定値の導出に際し、輝度設定値に下限値と上限値とを設ける。これは、例えば、光源が消灯してしまうことや、光源における消費電力が過度に増大することなどを防止するためである。
【0029】
PWM(LV(x),lx)=a(LV(x))×lx+PWM(LV(x),Lmin)
ただし、PWM(LV(x),Lmin)≦PWM(LV(x),lx)≦PWM(LV(x),Lmax)
・・・(数式1)
【0030】
以下、図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る輝度設定値の導出方法についてより具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における輝度設定値の導出方法の一例を説明するための説明図である。ここで、図1は、9段階の輝度レベルのうち、レベル0、2、4、6、8の5つの輝度レベルを表している。また、その他のレベル(レベル1、3、5、7)については、同様に導出できるため、図1では示していない。
【0031】
図1に示す“PWM LV(x)”は、各輝度レベルにおけるPWMの代表値であり、例えば、[1]の処理(輝度の調整処理)を行わない場合におけるPWMの値(例えば、予め設定される。)に相当する。また、図1に示す“Lmin”は、PWM(LV(x),Lmin)に対応する照度値を示しており、“Lt”は、PWM LV(x)に対応する照度値を示している。図1に示す“Lmax”は、各輝度レベルにおける輝度設定値の上限値に対応する照度値を示している。なお、図1は、任意の輝度レベルにおける輝度設定値の上限として“PWMmax”を設定した例を示している。PWMmaxが設定されることによって、情報処理装置100は、たとえ、検出された照度値がLmax以下であったとしても、当該照度値に対応する輝度設定値がPWMmaxを超える場合には、PWMaxを輝度設定値として出力する。ここで、PWMmaxは、例えば、最大階調値(例えば、255階調)に設定することができるが、上記に限られない。例えば、PWMmaxは、光源で消費される消費電力を抑制するために最大階調より小さな任意の値に設定されてもよい。
【0032】
情報処理装置100は、図1に示すように、例えば、数式1に示す直線と、各輝度レベルにおける下限値と、各輝度レベルにおける上限値とに基づいて、各輝度レベルにおける輝度設定値を照度値に応じて導出する。
【0033】
〔i〕下限値(数式1に示すPWM(LV(x),Lmin))の導出
情報処理装置100は、例えば、以下の数式2により各輝度レベルにおける下限値を導出する。ここで、数式2に示す“Min PWM Rate”は、Lminにおける輝度値をLtにおける輝度値の割合で示したものである。
【0034】
PWM(LV(x),Lmin)=(PWM LV(x)−PWM LV0)×(Min PWM Rate)+PWM LV0
・・・(数式2)
【0035】
〔ii〕数式1に示す傾き(a(LV(x)))の導出
情報処理装置100は、各輝度レベルにおける下限値と、Ltにおける輝度設定値、すなわち、PWM LV(x)とに基づいて、例えば、以下の数式3により各輝度レベルにおける傾きを導出する。
【0036】
a(LV(x))=(PWM LV(x)−PWM(LV(x),Lmin))/(Lt−Lmin)
・・・(数式3)
【0037】
情報処理装置100は、例えば、上記数式1〜数式3、各輝度レベルに応じた下限値、および各輝度レベルに応じた上限値によって、任意の輝度レベルかつ任意の照度値における輝度設定値を導出することができる。
【0038】
なお、情報処理装置100は、例えば、検知された明るさに応じた照度値が照度センサから伝達されるごとに、上記数式1〜数式3に示す演算と、演算結果と下限値および上限値との比較処理などによって、輝度設定値を導出することができるが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、図1に示すような各輝度レベルごとの折れ線グラフ上の値を示し、照度値と輝度設定値とが一対一に対応付けて記録されたルックアップテーブルを記憶することもできる。上記ルックアップテーブルを用いることによって、情報処理装置100は、照度値に基づいて、輝度設定値を一意に導出することができる。
【0039】
また、情報処理装置100は、ユーザ操作などによって輝度レベルが変更された場合には、例えば、直近の照度値と変更後の輝度レベルとに基づいて、上記と同様に輝度設定値を導出することができる。なお、輝度レベルが変更された場合における輝度設定値の導出方法は、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、輝度レベルの変更用のパラメータを記憶し、変更後の輝度レベルと当該パラメータとに基づいて、輝度レベルの変更に応じた輝度設定値を導出することもできる。
【0040】
[2]消費電力に関する情報(消費電力情報)の提示処理
また、情報処理装置100は、輝度が調整された光源において消費される消費電力に関する情報をユーザに提示する。ここで、消費電力に関する情報とは、光源で消費されている消費電力をユーザに伝達するための情報である。消費電力に関する情報としては、例えば、光源で消費される消費電力の値や、光源で消費される最大消費電力に対する割合(消費電力率)などが挙げられるが、上記に限られない。また、情報処理装置100における消費電力に関する情報の提示方法としては、例えば、表示画面への消費電力に関する情報の表示(視覚的な提示)が挙げられるが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、音声によって消費電力に関する情報をユーザに伝達することもできる(聴覚的な提示)。以下では、情報処理装置100が、表示画面に消費電力に関する情報を表示させる場合を例に挙げて説明する。
【0041】
〔消費電力に関する情報をユーザに提示する意義〕
ここで、情報処理装置100が、消費電力に関する情報をユーザに提示する意義について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100が光源で消費される消費電力に関する情報を提示する意義について説明するための説明図である。ここで、図2は、人間の目で均等な変化として感じることができる9段階の輝度レベルと、それぞれのレベルにおけるバックライト(光源)の消費電力の一例を示している。以下では、光源をバックライトとよぶ場合がある。なお、本発明の実施形態に係る光源が、バックライトに限られないことは、言うまでもない。また、図1では、輝度レベルを9段階で表した例を示しているが、輝度レベルは9段階に限られない。
【0042】
図2に示すように、ユーザが実際に感じる明るさ(輝度レベルに対応)とそのときのバックライトの消費電力とは線形の関係を有さない。上記は、人間の目が外光に対して対数的な感度特性を有しているためである。よって、例えば、ユーザが表示画面の明るさに基づいて(例えば、切替スイッチなどを用いて)輝度レベルを変更した場合には、ユーザはバックライトで消費される消費電力を目で感じる明るさから認識することは困難である。そこで、情報処理装置100は、例えば上述した(a)、(b)に示す事象の発生の防止、抑制を図るために、ユーザに対して光源が消費している消費電力に関する情報を提示する。光源の消費電力に関する情報が提示されることによって、ユーザは、光源においてどのくらい電力が消費されているかを認識することができるので、目的に合わせた輝度レベルの設定をより容易に行うことができる。
【0043】
情報処理装置100は、上記のように、光源で消費される消費電力に関する情報を提示することによって、ユーザによる輝度レベルの設定(第2輝度調整方法。ユーザによる輝度調整操作)を補助することができる。
【0044】
〔消費電力に関する情報の導出方法〕
次に、情報処理装置100における消費電力に関する情報の導出方法について説明する。
【0045】
図3は、光源における消費電力に関する情報の導出手段の一例を示す説明図である。ここで、図3は、電流調整回路10とバックライト14との間に、消費電力に関する情報を導出するための専用の回路(以下、「導出回路12」とよぶ。)を備え、導出回路12を用いて消費電力に関する情報を導出する例を示している。
【0046】
電流調整回路10は、電源電圧Vccに基づいて駆動電圧を出力することによって、バックライト14に流れる駆動電流を制御する。バックライト14(光源)は、電流調整回路10から伝達される駆動電圧に基づく駆動電流に応じた輝度で発光する。導出回路12は、電流調整回路10から出力される駆動電圧に基づいて、バックライト14で消費される消費電力に関する情報を出力する。
【0047】
導出回路12は、例えば、電流検出抵抗R10と、ローパス・フィルタで構成された平滑フィルタ16と、差動増幅器OPと、A/D変換器18(Analog to Digital converter)とから構成される。図3に示す導出回路12の動作原理は、電流検出抵抗R10を流れる電流を測定し、測定された値に基づいて消費電力に関する情報を導出するものである。より具体的には、図3に示す導出回路12は、以下の数式4により消費電力を導出し、デジタル信号としての消費電力(消費電力データ)を出力する。ここで、数式4に示す“E”は、A/D変換器18に入力される電圧を示しており、“R”は電流検出抵抗R10の抵抗値を示している。また、数式4に示す“A”は差動増幅器OPのゲインを示しており、“Vcc”は電源電圧を表している。
【0048】
消費電力=E/(R×A)×Vcc
・・・(数式4)
【0049】
図3に示すような消費電力に関する情報を導出するための専用の回路を備える場合には、情報処理装置100は、光源で消費される消費電力に関する情報を取得することができる。しかしながら、図3に示すような専用の回路を備える場合には、情報処理装置100のコスト増へと繋がる恐れがある。そこで、本発明の実施形態に係る情報処理装置100は、消費電力に関する情報の導出に係るコスト増を防止するために、図3に示すような消費電力に関する情報を導出するための専用の回路を備えない他の方法によって、消費電力に関する情報を導出する。
【0050】
より具体的には、情報処理装置100は、上記[1]の処理において導出される輝度設定値に基づいて、例えば、以下の(I)〜(III)の導出方法によって、消費電力に関する情報を導出する。以下では、情報処理装置100が、消費電力に関する情報として、消費電力の値と、消費電力率とを導出する場合を例に挙げて説明する。なお、本発明の実施形態に係る消費電力に関する情報の導出方法が、以下の(I)〜(III)の導出方法に限られないことは、言うまでもない。
【0051】
(I)消費電力に関する情報の第1の導出方法
情報処理装置100は、例えば、以下の数式5、数式6によって、消費電力の値と、消費電力率とをそれぞれ導出する。
【0052】
消費電力率[%]=(輝度設定値/最大輝度値)×100
・・・(数式5)
消費電力の値[W]=最大輝度時の電力×消費電力率
・・・(数式6)
【0053】
(II)消費電力に関する情報の第2の導出方法
情報処理装置100は、例えば、輝度設定値と消費電力の値(消費電力に関する情報の一例)とが一対一に対応付けられたルックアップテーブルを記憶する。情報処理装置100は、輝度設定値と上記ルックアップテーブルとに基づいて、消費電力の値を一意に導出する。そして、情報処理装置100は、導出された消費電力の値と、以下の数式7によって消費電力率を導出する。
【0054】
消費電力率[%]=(消費電力/最大輝度時の電力)×100
・・・(数式7)
【0055】
(III)消費電力に関する情報の第3の導出方法
情報処理装置100は、例えば、輝度設定値と消費電力の値との関係が表された関係式(例えば、以下の数式8)に基づいて、消費電力を一意に導出する。そして、情報処理装置100は、導出された消費電力の値と、上記数式7によって消費電力率を導出する。なお、輝度設定値と消費電力の値との関係が表された関係式は、以下の数式8に限られず、光源の種類や数などによって変化しうる。つまり、情報処理装置100は、輝度設定値と消費電力の値との関係が表された任意の関係式によって、消費電力を一意に導出することができる。
【0056】
消費電力[W]=a×(輝度設定値)+b
・・・(数式8)
【0057】
情報処理装置100は、例えば、上記(I)〜(III)に示す導出方法を用いることによって、上記[1]の処理において導出される輝度設定値に基づいて消費電力に関する情報を導出することができる。したがって、情報処理装置100は、図3に示すような消費電力に関する情報を導出するための専用の回路を備えなくてよいので、情報処理装置100のコスト増を防止することができる。なお、情報処理装置100が、図3に示すような消費電力に関する情報を導出するための専用の回路を備えることもできることは、言うまでもない。
【0058】
情報処理装置100は、例えば、輝度設定値に基づいて消費電力に関する情報を導出することによって、光源で消費される消費電力に関する情報を提示することができる。よって、情報処理装置100は、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示することによりユーザによる輝度調整操作(例えば、第2輝度調整方法に係る操作)を補助することができる。
【0059】
情報処理装置100は、例えば、上記[1]の処理(輝度の調整処理)と、上記[2]の処理(消費電力に関する情報の提示処理)を行う。したがって、情報処理装置100は、検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させ、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示することによりユーザによる輝度調整操作を補助することができる。
【0060】
(本発明の実施形態に係る情報処理装置100)
次に、上述した本発明の実施形態に係るアプローチを実現可能な、本発明の実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図4は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。なお、図4は、情報処理装置100が、光源116や、消費電力に関する情報などの各種情報が表示される表示画面を構成する表示パネル118などを備える構成を示しているが、上記に限られない。例えば、情報処理装置100は、光源116や表示パネル118などを備えず、外部装置としての非発光型の表示デバイスが備える光源の輝度を制御し、当該表示デバイスの表示画面に消費電力に関する情報を表示させてもよい。
【0061】
図4を参照すると、情報処理装置100は、照度検出部102と、制御部104と、表示部106と、操作部108とを備える。また、情報処理装置100は、各構成要素を駆動させるための電源電圧を供給する内部電源(図示せず)などを備えることができる。
【0062】
また、情報処理装置100は、ROM(Read Only Memory;図示せず)や、RAM(Random Access Memory;図示せず)、通信部(図示せず)、記憶部(図示せず)などを備えてもよい。情報処理装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により各構成要素間を接続することができる。
【0063】
ここで、ROMは、制御部104が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAMは、制御部104により実行されるプログラムなどを一次記憶する。通信部(図示せず)は、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)外部装置と有線/無線で通信を行う役目を果たす。ここで、ネットワークとしては、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの有線ネットワーク、基地局を介した無線WAN(WWAN;Wireless Wide Area Network)や無線MAN(WMAN;Wireless Metropolitan Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネットなどが挙げられるが、上記に限られない。また、通信部(図示せず)としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11bポートおよび送受信回路(無線通信)、あるいはLAN端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられるが、上記に限られない。
【0064】
記憶部(図示せず)は、情報処理装置100が備える情報の記憶手段である。情報処理装置100は、記憶部を備えることによって、OS(Operating System。基本ソフトウェア)やアプリケーション(応用ソフトウェア)など様々なデータ(情報)を記憶することができる。ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。
【0065】
〔情報処理装置100のハードウェア構成例〕
図5は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。図5を参照すると、情報処理装置100は、例えば、MPU/チップセット150と、ROM152と、RAM154と、記録媒体156と、入出力インタフェース158と、操作入力デバイス160と、表示デバイス162と、通信インタフェース164と、照度センサ166とを備える。また、情報処理装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス168で各構成要素間を接続する。
【0066】
MPU/チップセット150は、MPU(Micro Processing Unit)や、制御機能を実現するための複数の回路が集積されたチップセットなどで構成され、情報処理装置100全体を制御する制御部104として機能する。また、MPU/チップセット150は、情報処理装置100において、後述する輝度制御部110、および表示制御部112としての役目を果たすこともできる。
【0067】
ROM152は、MPUが使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶し、また、RAM154は、MPUにより実行されるプログラムなどを一次記憶する。
【0068】
記録媒体156は、上記記憶部(図示せず)として機能し、例えば、アプリケーションやルックアップテーブルなどを記憶する。ここで、記録媒体156としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。
【0069】
入出力インタフェース158は、例えば、操作入力デバイス160や、表示デバイス162を接続する。操作入力デバイス160は、操作部108として機能し、また、表示デバイス162は、表示部106として機能する。ここで、入出力インタフェース158としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子や、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子などが挙げられるが、上記に限られない。また、操作入力デバイス160は、例えば、情報処理装置100上に備えられ、情報処理装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。操作入力デバイス160としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。また、表示デバイス162は、例えば、情報処理装置100上に備えられ、情報処理装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。表示デバイス162としては、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)などの非発光型の表示デバイスが挙げられるが、上記に限られない。なお、入出力インタフェース158は、情報処理装置100の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)や、表示デバイス(例えば、外部ディスプレイなど)と接続することもできることは、言うまでもない。
【0070】
通信インタフェース164は、情報処理装置100が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)外部装置と無線/有線で通信を行うための通信部(図示せず)として機能する。ここで、通信インタフェース164としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11bポートおよび送受信回路(無線通信)、あるいはLAN端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられるが、上記に限られない。例えば、通信インタフェース164は、ネットワークに対応する構成とすることができる。
【0071】
照度センサ166は、情報処理装置100の周辺の明るさを検知し、検知した明るさに応じた照度値を選択的に出力する。また、照度センサ166には所定の閾値が設定され、照度センサ166は、例えば、検知した明るさの変化量が閾値を超えた場合に、MPU(または、MPUが実行するアプリケーション。以下同様とする。)に通知する。そして、MPUは、上記通知を受け取ると、照度センサ166から照度値を取得する。上記により、照度センサ166は、選択的に照度値を出力することができる。なお、照度センサ166は、検知された明るさに応じた照度値を、定期的/非定期的に出力することもできる。
【0072】
ここで、照度センサ166とMPUとの間の通信は、例えば、MPUにより実行されるBIOS(Basic Input/Output System。基本ソフトウェア)が仲介することができるが、上記に限られない。
【0073】
情報処理装置100は、例えば、図5に示すようなハードウェア構成によって、上述した[1]の処理(輝度の調整処理)および[2]の処理(消費電力に関する情報の提示処理)を実現する。なお、情報処理装置100のハードウェア構成は、上記に限られず、例えば、各構成要素に駆動電源を供給するバッテリー(内部電源)などをさらに備えることができる。また、情報処理装置100は、例えば、表示デバイス162を備えない構成とすることもできる。
【0074】
再度図4を参照して、情報処理装置100の構成について説明する。照度検出部102は、例えば、照度センサ166で構成され、情報処理装置100周辺の明るさを検知する。また、照度検出部102は、例えば、制御部104(より厳密には、後述する輝度制御部110)から伝達される取得要求に応じて、選択的に検知した明るさに応じた照度値(または、照度値を表すパラメータ)を制御部104に選択的に出力する。
【0075】
〔照度検出部102の処理の一例〕
図6は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100が備える照度検出部102の処理の一例を示す流れ図である。
【0076】
照度検出部102は、明るさを検知し照度サンプリングを行う(S100)。そして、照度検出部102は、ステップS100における照度サンプリングの結果、照度値の変化量が設定された閾値以上(または、閾値より大きく)となったか否かを判定する(S102)。ここで、照度検出部102に設定される閾値は、例えば、制御部104(より厳密には、後述する輝度制御部110)によって設定される。照度検出部102に設定される閾値の例については、図8を参照して後述する。
【0077】
ステップS102において照度値の変化量が設定された閾値以上となったと判定されない場合には、照度検出部102は、ステップS100からの処理を繰り返す。
【0078】
また、ステップS102において照度値の変化量が設定された閾値以上となったと判定された場合には、照度検出部102は、割り込み信号を制御部104(より厳密には、後述する輝度制御部110)に送信する(S104)。ここで、照度検出部102と制御部104との間の通信は、例えば、BIOSを介して行われるが、上記に限られない。また、照度検出部102が送信する割り込み信号は、照度検出部102から制御部104への通知に相当する。
【0079】
ステップS104において割り込み信号を送信すると、照度検出部102は、照度値の取得要求が受信されたか否かを判定する(S106)。ここで、上記照度値の取得要求は、例えば、割り込み信号の受信に応じて制御部104(より厳密には、後述する輝度制御部110)から送信される。また、照度検出部102は、例えば、受信された上記照度値の取得要求に基づいてステップS106の判定を行うことができるが、上記に限られない。例えば、照度検出部102は、特定の信号線に伝達される信号の信号レベルの変化に応じて上記照度値の取得要求の受信の有無を判定することもできる。
【0080】
ステップS106において照度値の取得要求が受信されたと判定されない場合には、照度検出部102は、照度値の取得要求が受信されると判定されるまで処理を進めない。なお、ステップS104において割り込み信号を送信してから所定の時間経過しても照度値の取得要求が受信されない場合、照度検出部102は、例えば、再度ステップS104の処理を行うこともできる。
【0081】
ステップS106において照度値の取得要求が受信されたと判定された場合には、照度検出部102は、照度値を出力する(S108)。ここで、ステップS108において出力された照度値は、例えば、BIOSを介して制御部104(より厳密には、後述する輝度制御部110)に伝達される。
【0082】
照度検出部102は、例えば、図6に示すような処理によって、照度値を選択的に出力することができる。また、照度検出部102が図6に示す処理を行う場合、情報処理装置100では、ステップS102における閾値判定処理を照度検出部102が行うので、例えばMPUなどを備える制御部104において閾値判定処理を行う必要がなくなる。ここで、一般的に照度センサが処理に要する消費電力は、MPUが処理に要する消費電力よりも小さい。よって、図6に示すような処理を行う照度検出部102を備えることによって、情報処理装置100は、[1]の処理(輝度の調整処理)に要する消費電力をより低減することができる。
【0083】
なお、本発明の実施形態に係る照度検出部102における処理は、図6に示すものに限られない。例えば、照度検出部102は、ステップS100の照度サンプリングの結果を、サンプリングするごとに、あるいは、非定期的に制御部104に伝達することもできる。また、図6では示していないが、照度検出部102は、ステップS104において割り込み信号を出力した後は、ステップS100の照度サンプリング処理を一時停止する割り込み状態に遷移してもよい。照度検出部102における上記割り込み状態は、例えば、輝度制御部110から伝達される割り込み解除命令によって解除される。上記のように照度検出部102が割り込み状態に遷移することによって、例えば、輝度制御部110における輝度設定値の導出処理中に割り込み信号が通知されることが防止される。よって、情報処理装置100は、例えば、より安定して光源の輝度を調整することができる。
【0084】
再度図4を参照して、情報処理装置100の構成について説明する。制御部104は、例えば、MPUやチップセットなどで構成され、情報処理装置100全体を制御する役目を果たす。また、制御部104は、輝度制御部110と、表示制御部112とを備え、上記[1]の処理(輝度の調整処理)、および[2]の処理(消費電力に関する情報の提示処理)を行う役目を果たす。
【0085】
輝度制御部110は、例えば、照度検出部102から出力される照度値や、後述する操作部108における操作入力などに基づく切替信号に基づいて、輝度設定値を導出する。ここで、切替信号とは、例えば、輝度レベルの変更処理のトリガとなり、変更後の輝度レベルを示す信号である。
【0086】
〔輝度制御部110の処理1:照度値に基づく輝度設定値の導出処理〕
図7は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100の輝度制御部110の処理の第1の例を示す流れ図である。ここで、図7は、情報処理装置100における照度値に基づく輝度設定値の導出処理の一例を示している。
【0087】
輝度制御部110は、照度検出部102を構成する照度センサの初期設定を行う(S200)。そして、輝度制御部110は、割り込み信号の送信のための閾値を照度センサに設定する(S202)。
【0088】
<割り込み閾値の設定方法>
図8は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100における割り込み閾値の設定方法の一例を説明するための説明図である。ここで、図8は、輝度レベルが8の場合を示している。また、図8に示すP1は現在の照度および輝度を示し、P2は、輝度が変更された後の変更後の照度および輝度を示している。以下、輝度が更新される前後を例に挙げて、割り込み閾値の設定方法を説明する。
【0089】
輝度制御部110は、現在の照度x1に対する低照度側の閾値Xl1と、高照度側の閾値Xu1とを割り込み閾値として設定させる。ここで、輝度制御部110が低照度側の閾値と高照度側の閾値との2つの閾値を設定する理由は、情報処理装置100の周辺の環境変化によって、検知される明るさが暗い方にも明るい方にも変化しうるからである。つまり、輝度制御部110が設定させる割り込み閾値は、照度値の変化量を判定する閾値であるといえる。
【0090】
ここで、輝度制御部110は、例えば、予め低照度側の変化量[%]と高照度側の変化量[%]を閾値として設定しておき、以下の数式9、数式10によって低照度側の閾値と高照度側の閾値とをそれぞれ算出して、照度検出部102に低照度側の閾値と高照度側の閾値とを設定させる。なお、情報処理装置100における低照度側の閾値と高照度側の閾値との設定方法が、上記に限られないことは、言うまでもない。さらに、照度検出部102は内部に波長感度の異なるセンサーを複数持っており、照度値はそれらの測定値から演算によって算出するものが一般的に存在するが、閾値判定として1つのセンサー素子の値のみしか使えない場合がある。その場合、人間の感度特性に一番近い波長感度をもったセンサーの値に対して割り込み閾値を設定することで代用することもできる。
【0091】
変更後の低照度側の閾値=変更後の照度値×(低照度側の変化量[%]/100)
・・・(数式9)
変更後の高照度側の閾値=変更後の照度値×(高照度側の変化量[%]/100)

【0092】
照度検出部102において検出された照度値が低照度側の閾値Xl1または高照度側の閾値Xu1のいずれか一方を超える(等しい場合を含んでもよい)と、照度検出部102は、割り込み信号を輝度制御部110に通知する。輝度制御部110は、割り込み信号の受信に応じて照度検出部102から照度値を取得し、上述した輝度設定値の導出方法により輝度設定値を導出する。輝度制御部110が輝度設定値を導出することによって、現在の照度および輝度はP1からP2へと遷移することとなる。そして、輝度制御部110は、新たな低照度側の閾値Xl2を照度検出部102に伝達することにより、高照度側の閾値Xu2が割り込み閾値として設定される。
【0093】
情報処理装置100は、例えば、上記のような方法によって、導出された輝度設定値に対応する割り込み閾値を設定することができる。なお、本発明の実施形態に係る割り込み閾値の設定方法が、上記に限られないことは、言うまでもない。
【0094】
再度図7を参照して、情報処理装置100における照度値に基づく輝度設定値の導出処理の一例について説明する。ステップS202において割り込み閾値が設定されると、輝度制御部110は、照度検出部102の照度センサの割り込み状態を解除する(S204)。なお、照度検出部102が割り込み状態に遷移しない構成である場合、輝度制御部110が、ステップS204の処理を行わなくてもよいことは、言うまでもない。
【0095】
輝度制御部110は、照度検出部102から伝達される割り込み信号が検出されたか否かを判定する(S206)。ステップS206において割り込み信号が検出されたと判定されない場合には、輝度制御部110は、割り込み信号が検出されたと判定されるまで処理を進めない。
【0096】
ステップS206において割り込み信号が検出されたと判定された場合には、輝度制御部110は、照度検出部102から照度値を取得する(S208)。ここで、輝度制御部110は、例えば、照度値の取得要求を照度検出部102に送信することによって、照度値を取得する。
【0097】
ステップS208において照度値が取得されると、輝度制御部110は、輝度設定値を導出する(S210)。ここで、輝度制御部110は、例えば、上述した輝度設定値の導出方法を用いることによって、設定された輝度レベルおよび照度値に基づく輝度設定値を導出することができる。また、輝度設定値を導出するための現在設定されている輝度レベルの情報は、例えば、記録媒体156などに記憶され、輝度制御部110は、記録媒体156から輝度レベルの情報を適宜読み出すことによって輝度設定値を導出する。
【0098】
ステップS210において輝度設定値が導出されると、輝度制御部110は、導出した輝度設定値を後述する表示制御部112や光源制御部114に出力する(S212)。輝度制御部110が表示制御部112に輝度設定値を伝達することによって、表示制御部112は、輝度設定に応じた消費電力の情報を導出し、当該消費電力の情報をユーザに提示することができる。また、輝度制御部110が光源制御部114に輝度設定値を伝達することによって、光源制御部114は、輝度設定値に応じた輝度で光源を発光させることができる。
【0099】
ステップS212において輝度設定値を出力すると、輝度制御部110は、ステップS202からの処理を繰り返す。
【0100】
輝度制御部110が、例えば図7に示す処理を行うことによって、照度検出部102において照度値の変化量が所定の閾値を超えるごとに輝度設定値を導出することができる。また、輝度制御部110が導出した輝度設定値は、光源の輝度の制御に用いられる(後述する)。したがって、情報処理装置100は、検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させることができる。
【0101】
〔輝度制御部110の処理2:輝度レベルの変化に基づく輝度設定値の導出処理〕
図9は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100の輝度制御部110の処理の第2の例を示す流れ図である。ここで、図9は、情報処理装置100における輝度レベルの変化に基づく輝度設定値の導出処理の一例を示している。
【0102】
輝度制御部110は、輝度レベルが変更されたか否かを判定する(S300)。ここで、輝度制御部110は、例えば、操作部108を用いたユーザによる操作入力や、操作部108を用いたユーザによる切替画面の操作などに応じた切替信号に基づいて、輝度レベルの変化と変更後の輝度レベルを認識することができるが、上記に限られない。ここで、ユーザによる操作入力としては、例えば、切替ボタンの押下や、ジョグダイヤルなどの回転セレクタを用いた選択などが挙げられるが、上記に限られない。また、上記切替画面としては、例えば、表示制御部112により表示が制御される画面や、OSに組み込まれた画面などが挙げられるが、上記に限られない。
【0103】
ステップS300において輝度レベルが変更されたと判定されない場合には、輝度制御部110は、輝度レベルが変更されたと判定されるまで処理を進めない。
【0104】
また、ステップS300において輝度レベルが変更されたと判定された場合には、輝度制御部110は、変更後の輝度レベルに基づいて輝度設定値を導出する(S302)。ここで、輝度制御部110は、例えば、上述した輝度設定値の導出方法を用いることによって、切替信号に基づく輝度レベル(変更後の輝度レベル)および直近の照度値に基づく輝度設定値を導出することができるが、上記に限られない。例えば、輝度制御部110は、輝度レベルの変更用のパラメータを記憶し、切替信号に基づく輝度レベル(変更後の輝度レベル)と当該パラメータとに基づいて、輝度レベルの変更に応じた輝度設定値を導出することもできる。また、輝度制御部110は、例えば、記録媒体156に記憶された輝度レベルの情報を切替信号に基づく輝度レベルに更新し、更新後の輝度レベルの情報を読み出すことによって、輝度設定値を導出することもできる
【0105】
ステップS302において輝度設定値が導出されると、輝度制御部110は、図7のステップS212と同様に、輝度設定値を出力する(S304)。
【0106】
輝度制御部110が、例えば図8に示す処理を行うことによって、輝度レベルが変化するごとに、変化後の輝度レベルに対応する輝度設定値を導出することができる。したがって、情報処理装置100は、輝度レベルの変化に基づいて光源の輝度を調整させることができる。
【0107】
<輝度設定値の導出の応用処理>
輝度制御部110は、例えば、図8に示す処理を行うことによって、変化後の輝度レベルに対応する輝度設定値を導出することができる。ここで、輝度値が大きく変化したとき、輝度制御部110が変更前の輝度値から変更後の輝度値へと切り替えた場合には、導出された輝度設定値に基づく輝度制御の結果、表示画面における輝度の変化がユーザの目に極端に大きく映る恐れがある。そこで、情報処理装置100は、輝度値が大きく変化した場合における輝度の変化をより自然な変化(例えば、ユーザに対してより違和感を感じさせない変化)とさせるために、例えば、目標の輝度値まで他段階に変化させる。
【0108】
図10は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100の輝度制御部110における輝度値の変化に基づく輝度設定値の導出方法の応用例を説明する説明図である。ここで、図10は、輝度値が高く変更された場合における、輝度制御部110の輝度設定値の導出例を示している。
【0109】
輝度制御部110は、輝度レベルが高く変更されると、もしくは、照度が高い方向へ大きく変化すると、目標とする輝度レベルに対応する輝度設定値(以下、「目標値」とよぶ。)へ向けて、輝度設定値を段階的に変化させる。より具体的には、輝度制御部110は、例えば、以下の数式11を用いることによって、所定の期間t経過するごとに少しずつ輝度レベルを高くしていく。ここで、数式11に示す“PWM Changing Rate”は、輝度の変化量の上限を輝度値に対する割合として示している。ここで、輝度の変化量の上限を輝度値に対する割合としているのは、目標値まで輝度を変化させるときの輝度変化を均等に感じさせるためである。補足すると、PWMを1ずつ増やした場合、輝度が暗い領域のは変化が早く、明るい領域の方は変化が遅く感じるために、輝度制御部110は、例えば、上記のような処理を行う。
【0110】
PWM(n+1)=PWM(n)×(100+PWM Changing Rate)
(ただし、PWM(n+1)>目標値の場合には、PWM(n+1)=目標値)
・・・(数式11)
【0111】
輝度制御部110が、例えば、数式11に基づいて導出される輝度設定値を目標値まで段階的に高くしていくことによって、情報処理装置100は、光源の輝度をより滑らかに変化させることができる。よって、情報処理装置100は、急激な輝度の変化を防止することができる。
【0112】
また、上記では、輝度値が高く変更された場合、もしくは、照度が高い方向へ大きく変化した場合を例に挙げて説明したが、輝度制御部110は、輝度値が低く変更された場合、もしくは、照度が低い方向へ大きく変化した場合にも、輝度設定値を目標値まで段階的に低くすることができる。より具体的には、輝度制御部110は、例えば、以下の数式12によって、導出される輝度設定値を目標値まで段階的に低くする。
【0113】
PWM(n+1)=PWM(n)×(100−PWM Changing Rate)
(ただし、PWM(n+1)<目標値の場合には、PWM(n+1)=目標値)
・・・(数式12)
【0114】
輝度制御部110は、例えば、数式11、数式12を用いることによって、光源の輝度をより滑らかに変化させることができる。したがって、情報処理装置100は、上記輝度設定値の導出の応用処理によって、急激な輝度の変化を防止することができる。
【0115】
輝度制御部110は、例えば、上述した処理によって、照度検出部102から出力される照度値や、操作部108における操作入力などに基づく切替信号に基づいて、輝度設定値を導出することができる。したがって、情報処理装置100は、輝度制御部110を備えることによって、検出された明るさ(照度値)に基づいて光源の輝度を調整させることができる。
【0116】
表示制御部112は、例えば、MPUやチップセット、表示画面に表示させる画像信号を出力するグラフィックチップなどで構成され、上記[2]の処理(消費電力に関する情報の提示処理)を行う役目を果たす。より具体的には、表示制御部112は、輝度制御部110が導出した輝度設定値に基づいて消費電力に関する情報を導出し、光源116で消費される消費電力に関する情報を提示させる。
【0117】
〔表示制御部112の処理の一例〕
図11は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100が備える表示制御部112の処理の一例を示す流れ図である。
【0118】
表示制御部112は、輝度設定値が伝達されたか否かを判定する(S400)。ステップS400において輝度設定値が伝達されたと判定されない場合には、表示制御部112は、輝度設定値が伝達されたと判定されるまで処理を進めない。
【0119】
また、ステップS400において輝度設定値が伝達されたと判定された場合には、表示制御部112は、輝度設定値に基づいて、光源116で消費される消費電力に関する情報を導出する。ここで、表示制御部112が導出する消費電力に関する情報としては、例えば、光源116で消費される消費電力の値や、光源116で消費される最大消費電力に対する割合などが挙げられるが、上記に限られない。
【0120】
表示制御部112は、例えば上述した(I)〜(III)に示す導出方法を用いることによって、輝度設定値に基づいて消費電力に関する情報を一意に導出することができる。
【0121】
ステップS402において消費電力に関する情報が導出されると、表示制御部112は、消費電力に関する情報を表示画面に表示させる(S404)。以下、図12、図13を適宜参照して、表示制御部112が表示画面に表示させる消費電力に関する情報の表示例を示す。
【0122】
<消費電力に関する情報の表示例>
(1)第1の表示例
図12は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100が備える表示制御部112が表示画面に表示させる消費電力に関する情報の第1の表示例を示す説明図である。ここで、図12は、情報処理装置100がLCDを備えるノート型PCに適用された場合における表示画面の例を示している。
【0123】
図12のV1を参照すると、図12では、バックライト(光源)における消費電力率(消費電力に関する情報)が、左右に変化するメータと数値で表されていることが分かる。図12のV1に示すように、視覚的に消費電力に関する情報が提示されることによって、ユーザは、光源116においてどのくらい電力が消費されているかを認識することができる。よって、情報処理装置100は、ユーザによる目的に合わせた輝度レベルの設定を補助することができる。
【0124】
(2)第2の表示例
図13は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100が備える表示制御部112が表示画面に表示させる消費電力に関する情報の第2の表示例を示す説明図である。
【0125】
図13のV2に示すように、表示制御部112は、図12のV1に示す左右に変化するメータと数値で消費電力率を表すことに限られず、円形のメータと数値で消費電力率を表すこともできる。図12のV1に示すように、視覚的に消費電力に関する情報が提示されることによって、ユーザは、光源116においてどのくらい電力が消費されているかを認識することができる。
【0126】
表示制御部112は、例えば、図12、図13に示すような画面を表示画面に表示させることによって、視覚的に消費電力に関する情報を提示することできる。したがって、情報処理装置100は、表示制御部112を備えることによって、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示し、ユーザによる目的に合わせた輝度レベルの設定を補助することができる。
【0127】
なお、本発明の実施形態に係る消費電力に関する情報の表示例は、図12、図13に示す例に限られない。例えば、表示制御部112は、図12、図13と同様のレイアウトで消費電力の値をユーザに提示することができる。また、表示制御部112は、例えば、上下に変化するメータで費電力に関する情報をユーザに提示することもでき、また、消費電力の値および消費電力率の双方を表示させることもできる。
【0128】
表示制御部112は、例えば、図11に示す処理を行うことによって、光源116で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示することができる。なお、上記では、表示制御部112が、消費電力に関する情報を視覚的に提示することを示したが、上記に限られず、例えば、消費電力に関する情報を聴覚的に提示させることもできる。聴覚的に消費電力に関する情報を提示させる方法としては、例えば、表示制御部112が、消費電力に関する情報を、DSP(Digital Signal Processor)や増幅器(アンプ)、スピーカなどから構成される音声出力デバイスから出力させることが挙げられる。
【0129】
<その他の表示例>
上記では、表示制御部112が、消費電力に関する情報を表示画面に表示させることを示した。しかしながら、表示制御部112が表示画面に表示させる情報は、消費電力に関する情報に限られない。そこで、次に、表示制御部112が表示させる他の表示例として、輝度制御部110から伝達された輝度設定値と、設定されている輝度レベルとをユーザに提示する表示例を示す。
【0130】
図14は、本発明の実施形態に係る情報処理装置100が備える表示制御部112が表示画面に表示させるその他の表示例を示す説明図である。ここで、図14は、表示制御部112が、輝度設定値と設定されている輝度レベルとを表示する例を示している。
【0131】
図14に示すように、現在設定されている輝度レベルと現在の光源の輝度とが表示画面に表示されることによって、ユーザは、現在設定されている輝度レベルおよび現在の光源の輝度とを認識することができる。ここで、表示制御部112は、例えば、光源の輝度を輝度設定値の値そのもので表すことができるが、上記に限られない。例えば、表示制御部112は、対数などを用いて輝度設定値の値を変換することもできる。
【0132】
ここで、図14に示すように現在設定されている輝度レベルと現在の光源の輝度とが表示画面に表示される場合、ユーザが輝度レベルを上げたとしても光源116の輝度が変化しないことが起こりうる。図15は、輝度レベルの変化した場合に光源116の輝度が変化しないことが起こる事象を説明するための説明図である。
【0133】
図15の領域Aに示すように、異なる輝度レベルにおいて互いに輝度設定値の上限値(最大値)PWMmaxに達している場合には、ユーザが輝度レベルを上げたとしても、光源116の輝度は、上限値PWMmaxのまま変化しない。上記の場合には、ユーザが行った操作は無駄となってしまう。そこで、表示制御部112は、輝度レベルを変更しても輝度が変化しないことをユーザに提示することによって、上記のようなユーザによる無駄な操作の発生の防止を図る。
【0134】
図16、図17それぞれは、本発明の実施形態に係る情報処理装置100が備える表示制御部112が表示画面に表示させるその他の表示例を示す説明図である。ここで、図16、図17は、図14に示す表示画面と同様のレイアウトの画面を示している。
【0135】
表示制御部112は、例えば図16に示すように、現在の光源116の輝度が最大値であることを明示する。例えば図16のように現在の光源116の輝度が最大値であることを明示することによって、光源116の輝度が既に最大であることをユーザに認識させることができる。したがって、情報処理装置100は、上記のようなユーザによる無駄な操作の発生の防止を図ることができる。なお、上記のようなユーザによる無駄な操作の発生の防止を図るための表示例が、図16に限られないことは、言うまでもない。例えば、表示制御部112は、輝度レベルを上げても輝度がこれ以上上がらない旨を示すメッセージを表示させてもよい。なお、ユーザが図16に示す状態において輝度レベルを上げる操作を行った場合には、輝度が変化しないので、図17に示すように輝度を表す表示も変化しないこととなる。
【0136】
図14、図16、図17に示すように、表示制御部112が現在設定されている輝度レベルと現在の光源の輝度とが表示画面に表示させることによって、現在設定されている輝度レベルおよび現在の光源の輝度とをユーザに認識させることができる。
【0137】
また、表示制御部112は、例えば、図14や図16、図17に示す表示画面と、図12や図13に示す消費電力に関する情報が提示された表示画面との双方をユーザに提示することもできる。上記の場合、ユーザは現在の輝度レベルの情報と光源116における消費電力に関する情報とを参照して輝度レベルを調整することができるので、表示制御部112は、ユーザによる目的に合わせた輝度レベルの設定における補助効果をより奏することができる。
【0138】
制御部104は、輝度制御部110と、表示制御部112とを備えることによって、上述した[1]の処理(輝度の調整処理)、および[2]の処理(消費電力に関する情報の提示処理)を行うことができる。ここで、制御部104は、上述した[1]の処理、および[2]の処理をソフトウェアで実現する(例えば、[1]、[2]の処理に係るアプリケーション(プログラム)を汎用のMPUなどが実行する)ことができるが、上記に限られない。例えば、制御部104は、上述した[1]の処理、および[2]の処理を行う専用の処理回路(ハードウェア)を備え、当該処理回路によって上述した[1]の処理、および[2]の処理を実現することもできる。
【0139】
表示部106は、情報処理装置100が備える表示手段である。表示部106は、光源制御部114と、光源116と、表示パネル118とを備える。なお、図4では示していないが、表示部106は、例えば、表示制御部112から伝達される表示画面を表す画像信号が表す画像を表示パネル118に表示させるための、各種ドライバ(走査ドライバ/データドライバ)を備える。
【0140】
光源制御部114は、輝度制御部110から伝達される輝度設定値に基づいて、光源116を発光させ光源116の輝度を規定する発光信号を光源116に供給する。ここで、光源制御部114は、例えば、輝度設定値に基づく駆動電流を発光信号として光源116に供給することによって、輝度設定値に対応する輝度で光源116を発光させることができる。
【0141】
光源116は、光源制御部114から供給される発光信号に応じて発光する。ここで、光源116は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)と蛍光体とで構成することができるが、上記に限られない。
【0142】
表示パネル118は、例えば、マトリクス状(行列状)に配置された複数の画素を備え、画像(静止画像/動画像)が表示される表示画面としての役目を果たす。例えば、SD(Standard Definition)解像度の画像を表示するパネルは、少なくとも640×480=307200(データ線×走査線)の画素を有し、カラー表示のために当該画素がR、G、Bのサブピクセル(sub pixel)からなる場合には、640×480×3=921600(データ線×走査線×サブピクセルの数)のサブピクセルを有する。同様に、例えば、HD(High Definition)解像度の映像を表示するパネルは、1920×1080の画素を有し、カラー表示の場合には、1920×1080×3のサブピクセルを有する。
【0143】
また、表示パネル118は、例えば、画素電極(図示せず)と当該画素電極を駆動させるための画素回路(図示せず)を画素ごとに備える。また、表示パネル118は、例えば、各画素電極と所定の距離をおいて対向する面に対向電極(いわゆるコモン電極。図示せず)を備え、画素が形成される面と、対向電極が備えられる面との間には、液晶層が形成される。ここで、画素回路は、例えば、走査線から伝達される走査信号に応じてオン/オフするスイッチ素子を備え、データ線から伝達される画像信号に応じたデータ信号を画素電極に印加する。上記のように、各画素回路が画素電極に選択的にデータ信号を印加することによって、データ信号が印加された画素電極と対向電極との間に形成されるデータ信号に応じた電界によって、当該画素電極と対向電極との間の液晶の配列を変化することとなる。上記の動作によって、表示パネル118では、いわゆる液晶シャッターが実現される。ここで、上記スイッチ素子としては、例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)が挙げられるが上記に限られない。
【0144】
表示部106は、上記の構成によって、例えば、図12や図13に示すように消費電力に関する情報を表示画面に表示し、また、図14に示すようにその他の情報を表示画面に表示させることができる。
【0145】
なお、上記では、情報処理装置100が、表示部106として、LCD(液晶ディスプレイ)を備える構成を示したが、表示部106の構成が上記に限られないことは、言うまでもない。また、情報処理装置100は、表示部106を備えず、外部装置としての表示デバイスが備える光源の輝度を制御し、消費電力に関する情報などの各種情報を当該表示デバイスの表示画面に表示させることもできる。
【0146】
操作部108は、ユーザによる操作を可能とする情報処理装置100が備える操作手段である。情報処理装置100は、操作部108を備えることによって、例えば、輝度レベルの変更や、本発明の実施形態に係る輝度制御のオン/オフなど情報処理装置100のユーザが所望する処理を情報処理装置100に行わせることができる。つまり、操作部108は、輝度レベルを設定するためのレベル設定部としての役目を果たすことができる。ここで、操作部108としては、例えば、キーボードやマウスなどの操作入力デバイスや、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクタ、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
【0147】
情報処理装置100は、例えば図4に示す構成によって、上述した[1]の処理(輝度の調整処理)、および[2]の処理(消費電力に関する情報の提示処理)を行うことができる。したがって、情報処理装置100は、検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させ、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示することによりユーザによる輝度調整操作を補助することができる。
【0148】
以上のように、本発明の実施形態に係る情報処理装置100は、照度検出部102と制御部104とを備え、上述した[1]の処理(輝度の調整処理)、および[2]の処理(消費電力に関する情報の提示処理)を行う。情報処理装置100は、検知した明るさに応じた照度値と設定された輝度レベルとに基づいて、光源の輝度を規定する発光信号を制御するための輝度設定値を導出する。よって、情報処理装置100は、検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させることができる。また、情報処理装置100は、導出された輝度設定値に基づいて消費電力に関する情報を導出することによって、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示する。光源の消費電力に関する情報が提示されることによって、ユーザは、光源においてどのくらい電力が消費されているかや設定した輝度レベルによる省電力効果などを認識することができるので、例えば、目的に合わせた輝度レベルの設定をより容易に行うことができる。つまり、ユーザは、提示された光源の消費電力に関する情報に基づいて、上述した(a)、(b)に示す事象の発生を回避する操作をより容易に行うことができる。よって、情報処理装置100は、光源で消費される消費電力に関する情報を提示することによって、例えば、ユーザによる輝度レベルの設定(第2輝度調整方法)などのユーザによる輝度調整操作を補助することができる。したがって、情報処理装置100は、検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させ、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示することによりユーザによる輝度調整操作を補助することができる。
【0149】
また、情報処理装置100は、輝度設定値に基づいて消費電力に関する情報を導出するので、例えば図3に示すような専用の検出回路を備えなくても、消費電力に関する情報を導出することができる。したがって、情報処理装置100は、上述した[1]の処理(輝度の調整処理)を実現するためのハードウェア的なコスト増を防止することができる。
【0150】
以上、本発明の実施形態として情報処理装置100を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、PCや表示デバイスを備える一体型PC、ノート型PCなどのコンピュータ、携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)などの携帯型通信装置、WALK MAN(登録商標)などの映像/音楽再生装置、PlayStation Portable(登録商標)などの携帯型ゲーム機、LCDなどの非自発光型の表示装置など様々な機器に適用することができる。
【0151】
(本発明の実施形態の情報処理装置に係るプログラム)
コンピュータを、本発明の実施形態に係る情報処理装置100として機能させるためのプログラムによって、検出された明るさに基づいて光源の輝度を調整させ、光源で消費される消費電力に関する情報をユーザに提示することによりユーザによる輝度調整操作を補助することができる。
【0152】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0153】
例えば、上記では、コンピュータを、本発明の実施形態に係る情報処理装置100として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)が提供されることを示したが、本発明の実施形態は、さらに、上記各プログラムを記憶させた記憶媒体も併せて提供することができる。
【0154】
上述した構成は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、当然に、本発明の技術的範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置における輝度設定値の導出方法の一例を説明するための説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置が光源で消費される消費電力に関する情報を提示する意義について説明するための説明図である。
【図3】光源における消費電力に関する情報の導出手段の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る情報処理装置が備える照度検出部の処理の一例を示す流れ図である。
【図7】本発明の実施形態に係る情報処理装置の輝度制御部の処理の第1の例を示す流れ図である。
【図8】本発明の実施形態に係る情報処理装置における割り込み閾値の設定方法の一例を説明するための説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る情報処理装置の輝度制御部の処理の第2の例を示す流れ図である。
【図10】本発明の実施形態に係る情報処理装置の輝度制御部における輝度レベルの変化に基づく輝度設定値の導出方法の応用例を説明する説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係る情報処理装置が備える表示制御部の処理の一例を示す流れ図である。
【図12】本発明の実施形態に係る情報処理装置が備える表示制御部が表示画面に表示させる消費電力に関する情報の第1の表示例を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態に係る情報処理装置が備える表示制御部が表示画面に表示させる消費電力に関する情報の第2の表示例を示す説明図である。
【図14】本発明の実施形態に係る情報処理装置が備える表示制御部が表示画面に表示させるその他の表示例を示す説明図である。
【図15】輝度レベルの変化した場合に光源の輝度が変化しないことが起こる事象を説明するための説明図である。
【図16】本発明の実施形態に係る情報処理装置が備える表示制御部が表示画面に表示させるその他の表示例を示す説明図である。
【図17】本発明の実施形態に係る情報処理装置が備える表示制御部が表示画面に表示させるその他の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0156】
100 情報処理装置
102 照度検出部
104 制御部
106 表示部
108 操作部
110 輝度制御部
112 表示制御部
114 光源制御部
116 光源
118 表示パネル




【特許請求の範囲】
【請求項1】
明るさを検知し、検知した明るさに応じた照度値を出力する照度検出部と;
前記照度値に基づいて、光源の輝度を規定する発光信号を制御するための輝度設定値を導出する輝度制御部と;
前記輝度設定値に基づいて、前記光源で消費される消費電力に関する消費電力情報を導出し、前記消費電力情報を表示画面に表示させる表示制御部と;
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
輝度設定値の下限と上限とをそれぞれ規定する複数の輝度レベルの中から、1の輝度レベルを設定するレベル設定部をさらに備え、
前記輝度制御部は、設定された前記輝度レベルと前記照度値とに基づいて、前記輝度設定値を導出する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記輝度制御部は、設定された輝度レベルが変更された場合には、変更後の輝度レベルに応じた輝度設定値を、変更前の輝度レベルに応じた輝度設定値から段階的に導出する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、消費電力、および/または消費電力率を前記消費電力情報として導出する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
光源と;
導出された前記輝度設定値に基づいて、前記輝度設定値に応じた前記発光信号を前記光源に伝達する光源制御部と;
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記照度検出部は、検知した明るさの変化量と所定の閾値とに基づいて前記変化量が前記閾値を超えた場合に前記輝度制御部に通知し、
前記輝度制御部は、前記通知に基づいて前記照度検出部に前記照度値を出力させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
明るさを検知して検知した明るさに応じた照度値を出力する照度検出部から前記照度値を取得するステップ;
前記照度値に基づいて、光源の輝度を規定する発光信号を制御するための輝度設定値を導出するステップ;
前記輝度設定値に基づいて、前記光源で消費される消費電力に関する消費電力情報を導出するステップ;
前記消費電力情報を前記表示画面に表示させるステップ;
をコンピュータに実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−66405(P2010−66405A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231273(P2008−231273)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】