説明

情報処理装置、その制御方法、およびプログラム、並びに記録媒体

【課題】省電力状態で電源スイッチがオフされた場合に、電源スイッチがオフされた状態からスタンバイ状態に復帰するまでに要する時間を短縮する。
【解決手段】電力制御部410は、情報処理を実行することが可能なスタンバイモードで情報処理部および情報処理部が用いる情報を記憶する記憶部に電力を供給し、電源スイッチがオフされることにより移行する第1の省電力モードで情報処理部に電力を供給せず且つ記憶部に電力を供給し、所定の省電力移行要件を満たしたときに電源スイッチがオフされることなく移行する第2の省電力モードで情報処理部に電力を供給せず且つ記憶部に電力を供給する。電力制御部は記憶部に記憶される第1のステータス情報を用いて、情報処理部を第1の省電力モードからスタンバイモードに移行させる。第2の省電力モードの状態で記憶部が第1のステータス情報を保持するように、記憶部に第1のステータス情報が書き込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電力モードを有する情報処理装置に関し、特に、複数の電力モード間の状態遷移に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置の一つである画像形成装置の機能が多機能化するのに伴って、その構成が複雑となり、画像形成装置の起動に要する時間が増大している。
【0003】
そこで、画像形成装置の起動に要する時間を短縮するための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1の情報処理装置は、電力モードとして、スタンバイモード、省エネモード(第1の省エネモード)、および、省エネモード(第2の省エネモード)、を有している。第1の省エネモードの情報処理装置では、RAMおよび復帰に必要な最低限のデバイスのみに通電されている。そして、第1の省エネモードの情報処理装置は、RAMに第1の省エネモードからの復帰に必要な復帰データ(第1の復帰データ)を格納しておき、当該第1の省エネモードからの復帰イベントが発生すると、RAMに格納される復帰データをもとに第1の省エネモードからスタンバイモードに復帰する。また、第2の省エネモードの情報処理装置では、復帰に必要な最低限のデバイスのみに通電されている。そして、第2の省エネモードの情報処理装置は、ハードディスクに第2の省エネモードからの復帰に必要な復帰データ(第2の復帰データ)を格納しておき、当該第2の省エネモードからの復帰イベントが発生すると、ハードディスクに格納される復帰データをもとに第2の省エネモードからスタンバイモードに復帰する。
【0005】
この特許文献1に係る情報処理装置は、スタンバイ状態から第1の省エネモードに移行する際に、第1の復帰データをRAMに格納すると共に、第2の復帰データをハードディスクに格納する。この情報処理装置は、第1の省エネモードの状態で電源スイッチがオフされると、第2の省エネモードに移行する。そして、情報処理装置は、第2の省エネモードで復帰イベントが発生すると、装置全体へ電力が供給され、ハードディスクに格納される第2の復帰データをもとにスタンバイ状態に復帰する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−92474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の情報処理装置が第2の省エネモードからスタンバイ状態に復帰するには、ハードディスクから読み出した第2の復帰データをRAMにリストアした後、その第2の復帰データをもとに情報処理装置をスタンバイ状態に復帰させる。ところが、この情報処理装置では、ハードディスクに格納される第2の復帰データをRAMにリストアするのに、時間がかかってしまう。したがって、特許文献1の情報処理装置は、第1の省エネモードで電源スイッチがオフされて第2の省エネモードに移行すると、スタンバイ状態に復帰するまでに時間がかかってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、省電力状態で電源スイッチがオフされた場合に、電源スイッチがオフされた状態からスタンバイ状態に復帰するまでに要する時間を短縮することが可能な情報処理装置、その制御方法、およびその制御方法を実行するためのプログラム、並びに記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明による情報処理装置は、複数の電力モードを有する情報処理装置であって、情報処理手段が情報処理を実行することが可能なスタンバイモードで前記情報処理手段および前記情報処理手段が用いる情報を記憶する記憶手段に電力を供給し、電源スイッチがオフされることにより移行する第1の省電力モードで前記情報処理手段に電力を供給せず且つ前記記憶手段に電力を供給し、予め規定された省電力移行要件を満たしたときに前記電源スイッチがオフされることなく移行する第2の省電力モードで前記情報処理手段に電力を供給せず且つ前記記憶手段に電力を供給する、電源供給手段と、前記記憶手段に記憶される第1のステータス情報を用いて、前記情報処理装置を前記第1の省電力モードから前記スタンバイモードに移行させる第1の制御手段と、前記第2の省電力モードの状態で前記記憶手段が前記第1のステータス情報を保持しているように、前記記憶手段に前記第1のステータス情報を書き込む書き込み手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明による情報処理装置は、複数の電力モードを有する情報処理装置であって、情報処理手段が情報処理を実行することが可能なスタンバイモードで前記情報処理手段および前記情報処理手段が用いる情報を記憶する記憶手段に電力を供給し、電源スイッチがオフされることにより移行する第1の省電力モードで前記情報処理手段に電力を供給せず且つ前記記憶手段に電力を供給し、予め規定された省電力移行要件を満たしたときに前記電源スイッチがオフされることなく移行する第2の省電力モードで前記情報処理手段に電力を供給せず且つ前記記憶手段に電力を供給する、電源供給手段と、前記記憶手段に記憶される第1のステータス情報を用いて、前記情報処理装置を前記第1の省電力モードから前記スタンバイモードに移行させる第1の制御手段と、前記第2の省電力モードの状態で前記電源スイッチがオフされたときに、前記記憶手段に前記第1のステータス情報を書き込む書き込み手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電源スイッチがオフされた状態からの復帰動作が速やかに行われて、電源スイッチがオフされた状態からの復帰に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態による情報処理装置の一つである画像形成装置の一例についてその構成を示す図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
【図3】図2に示すコントローラ制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図2に示す操作部の構成の一例を示す図である。
【図5】図1に示す画像形成装置の電源状態の遷移を説明するための図である。
【図6】図3に示すコントローラ制御部における電源系統の一例を説明するためのブロック図である。
【図7】図1に示す画像形成装置において省電力状態から他の状態への遷移の第1の例を説明するためのフローチャートである。
【図8】図1に示す画像形成装置においてメインスイッチがオンとされた際の起動を説明するためのフローチャートである。
【図9】図1に示す画像形成装置において省電力状態から他の状態への遷移の第2の例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態による情報処理装置について図面を参照して説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成要素は例示であり、この発明の範囲をこれら構成要素のみに限定する趣旨のものではない。また、ここでは、情報処理装置の一例として画像形成装置について説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態による情報処理装置の一つである画像形成装置の一例についてその構成を示す図である。
【0015】
図示の画像形成装置は、イメージリーダ200およびプリンタ部300を備えるとともに、折り装置500およびフィニッシャ600を有している。そして、イメージリーダ200の上側には原稿搬送装置100が搭載されている。
【0016】
原稿搬送装置100は、原稿トレイ105にセットされた原稿をその先頭頁から順に1枚ずつ給紙する。原稿は湾曲したパスを通って原稿台ガラス205に送られる。
【0017】
片面に画像を有する原稿(片面原稿)を読み取る際には、原稿台ガラス205上の読取位置R1に片面原稿の後端を位置づける。そして、スキャナユニット206を図中左から右へ移動させて、原稿の読取りを行う。この原稿読み取りを原稿固定読み取りモードという。
【0018】
一方、スキャナユニット206を読取位置R1に固定した状態で、片面原稿を所定の読取り速度で読取位置R1に移動しつつ原稿の読取りを行うこともある。この原稿読み取りを原稿流し読み取りモードという。いずれの読み取りモードにおいても、読み取りの後原稿は排紙トレイ106に排出される。
【0019】
両面に画像を有する原稿(両面原稿)を読み取る際には、一般に、スキャナユニット206によって原稿の表面側の画像を読み取る。そして、原稿搬送装置100に配置された光学ユニット110を用いて原稿の裏面側の画像を読取る。なお、光学ユニット110にはイメージセンサおよび光源など(ともに図示せず)が備えられている。
【0020】
スキャナユニット206による読み取りの結果得られた光学像はレンズ207を介してイメージセンサ208に結像する。イメージセンサ208は光学像に応じた電気信号(アナログ信号)を出力する。このアナログ信号はプリンタ制御部(図1には示さず)でデジタル信号である画像データに変換されて、露光制御部305に送られる。
【0021】
露光制御部305は画像データに応じたレーザ光を感光ドラム306に照射する。これによって、感光ドラム306には画像データに応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器307により現像されてトナー像となる。
【0022】
カセット308および309と手差し給紙部310のいずれかからシート(用紙)が転写位置に搬送されて、転写部312によって感光ドラム306上のトナー像がシートに転写される。なお、両面印刷の場合には、両面搬送パス311からシートが転写位置に給送されることになる。
【0023】
トナー像が転写された後シートは定着部313に搬送される。そして、定着部313はシート上のトナー像を定着処理する。定着処理の後、シートはフラッパ(図示せず)によって、一旦パス315からパス314に導かれる。そして、シートの後端がパス315を抜けると、シートをスイッチバックさせてパス316から排出ローラ317に導く。
【0024】
これによって、トナー像が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)として、排出ローラ317によりシートが排出される。この排紙を反転排紙という。フェイスダウンでシートを排紙すると、原稿搬送装置100を用いて複数枚の原稿を読み取ってプリントする場合などにおいて、先頭頁からの頁順で画像形成を行うことができる。
【0025】
なお、手差し給紙部310からOHPシートなどの硬いシートを給送して画像形成を行う際には、当該シートをパス315に導くことなく、トナー像が転写された面を上向きの状態(フェイスアップ)のままで排出ローラ317から排紙する。
【0026】
シートの両面に画像形成を行う場合には、定着部313からシートをパス315およびパス314に導く。そして、シートの後端がパス315を抜けた直後にシートをスイッチバックさせて、シートをフラッパ(図示せず)によって両面搬送パス311に導く。シートは両面搬送パス311を通って再度転写位置に送られて、転写部312によってトナー像がシートの裏面に転写される。その後、シートは定着部313において定着処理が施されて、前述のようにして排紙される。
【0027】
転写部312から両面搬送パス311を経由して再び転写部312に戻る一巡のパスに、A4又はB5などのハーフサイズ用紙が5枚入った状態でも搬送可能なように、パス長およびローラ配置が規定されるとともに、駆動系が分割されている。
【0028】
なお、両面コピーにおける排紙頁順は、奇数頁が下向きになるように排出される。この結果、両面コピーにおいても頁順を合わせることができる。
【0029】
図示の画像形成装置では、排出ローラ317から排出されたシートは折り装置500に送られる。ここでは、折り装置500はシートをZ折りに折りたたむ処理を行う。A3サイズ又はB4サイズのシートにおいて折り処理指定が行われていると、折り装置500は折り処理を行った後シートをフィニッシャ600に送くる。
【0030】
なお、折り処理が指定されていない場合、A3サイズ又はB4サイズ以外のサイズのシートについては、折り装置500は折り処理を行うことなくシートをフィニッシャ600に送る。
【0031】
フィニッシャ600は、例えば、製本処理、綴じ処理、および穴あけなどの処理を行う。フィニッシャ600の上側には、インサータ700が搭載されており、インサータ700は表紙および合紙等をフィニッシャ600に給送する。
【0032】
コントローラ制御部400はイメージリーダ200、プリンタ部300、折り装置500、およびフィニッシャ600と通信を行って、画像形成装置の制御を行う。
【0033】
図2は、図1に示す画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
【0034】
図2において、コントローラ制御部400には、原稿給送装置制御部101、イメージリーダ制御部201、プリンタ制御部301、折り装置制御部501、フィニッシャ制御部601、および操作部800が接続されている。さらに、コントローラ制御部400は外部インターフェース(I/F)を介して外部バス452に接続されており、図示の例では、外部バス452にはコンピュータ453が接続されている。なお、外部バス452として、例えばネットワークおよびUSBが用いられる。
【0035】
原稿給送装置制御部101はコントローラ制御部400の制御下で原稿給送装置100を制御する。イメージリーダ制御部201はコントローラ制御部400の制御下でイメージリーダ200を制御する。プリンタ制御部301はコントローラ制御部400の制御下でプリンタ部300を制御する。折り装置制御部501はコントローラ制御部400の制御下で折り装置500を制御する。フィニッシャ制御部601はコントローラ制御部400の制御下でフィニッシャ600を制御する。
【0036】
コントローラ制御部400は、操作部800による設定又はコンピュータ453からの指示に応じて原稿搬送装置制御部101およびイメージリーダ制御部201を制御して、原稿読み取りの結果得られた画像データを取得する。さらに、コントローラ制御部400はプリンタ制御部301を制御して画像データに応じてシートに印刷を行う。また、コントローラ制御部400は折り装置制御部501およびフィニッシャ制御部601を制御して、シートにステイプル処理又はパンチ穴処理などの処理を実行する。
【0037】
加えて、コントローラ制御部400は外部I/F451を介してコンピュータ453からプリントデータ(画像データ)を受けて、当該画像データに応じて印刷処理を行う。そして、コントローラ制御部400は後述するハードディスク(HD)に格納された画像データをコンピュータ453に送信する。
【0038】
図3は、図2に示すコントローラ制御部400の構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
図3において、コントローラ制御部400はCPU401を有しており、CPU401でオペレーティングシステム(OS)が実行される。CPU401はバスブリッジ404が接続され、このバスブリッジ404にはROM402およびRAM403が接続されている。ROM402にはCPU401の初期起動プログラムが格納され、RAM(揮発性メモリ)403にはCPU401の制御データが一時的に保存される。また、RAM403はCPU401の作業領域として用いられる。
【0040】
なお、ROM402には、後述する第2の待機状態P103を有効にするか否かを示す設定が保存され、この設定は後述する電源制御部410に送られる。
【0041】
半導体ディスク(補助記憶装置)408には、OSを含むメインプログラムが格納されている。また、半導体ディスク408には画像形成装置が動作状態である際に画像データが一時的に記憶される。HDD(補助記憶装置)407は、ユーザが取得した画像データおよび後述する操作部800において画像を編集した際に得られた画像データが保存される。
【0042】
図示のように、バスブリッジ404には操作部制御部406および外部I/F制御部405が接続され、これら操作部制御部406および外部I/F制御部405は省電力モード復帰要因検出部411を介してそれぞれ操作部800および外部I/F451に接続される。
【0043】
CPU401は、バスブリッジ404を介してデバイス制御部409と通信を行う。このデバイス制御部409は原稿搬送装置制御部101、イメージリーダ制御部201、プリンタ制御部301、折り装置制御部501、およびフィニッシャ制御部601の制御を司る。
【0044】
電源制御部410は、画像形成装置に電力を供給するためのメインスイッチ(電源スイッチ)302の状態を検出して電源制御を行う。つまり、電源制御部410は、原稿搬送装置制御部101、イメージリーダ制御部201、プリンタ制御部301、および折り装置制御部501、フィニッシャ制御部601に対して電源供給制御を行う。
【0045】
後述する省電力モードおよび第2の待機モードの際の電源制御は、電源制御部410によって行われる。また、HDD407および半導体ディスク408ついては、独立して電源が行われ、電源制御部413はHDD407および半導体ディスク408に対して電源の投入および切断を行う。
【0046】
省電力モード復帰要因検出部411は省電力モードからの復帰要因を検出する。画像形成装置が省電力モードである際に、例えば、操作部800のメインSWキーが押下されるか又は外部I/F451を介してプリントジョブが投入されると、省電力モード復帰要因検出部411はその旨を電源制御部410に通知する。これによって、電源制御部410は後述するように電力供給(電源供給ともいう)を行って画像形成装置を省電力モードから復帰させる。
【0047】
図4は、図2に示す操作部800の構成の一例を示す図である。
【0048】
操作部800はLCD表示部900を有している。このLCD表示部900はLCD(液晶ディスプレイ)にタッチパネルシートが貼付されている。LCD表示部900には画像形成装置に関する操作画面が表示され、操作画面上のキー操作に応じて当該キー操作の位置情報がコントローラ制御部400に与えられる。
【0049】
テンキー801はコピー枚数などの数字の入力の際に用いられる。スタートキー802は、ユーザ所望の条件を設定した後、複写動作又は原稿の読取り動作を開始する場合などに押圧される。ストップキー803は処理中の動作を停止する際に用いられる。省エネキー804は、ユーザが画像形成装置を省電力モードに移行する際および省電力モードから復帰する際に用いられる。
【0050】
ガイドキー805は操作部800における各キーの機能が分からない場合に用いられ、当該ガイドキー805を押すとキーの説明がLCD表示部900に表示される。コピーモードキー806は複写を行う際に用いられる。ファクスキー807はファクスに関する設定を行う際に用いられる。ファイルキー808はファイルデータを出力する場合に用いられる。プリンタキー809はコンピュータ等の外部装置からのプリント出力に関する設定などを行う場合に用いられる。
【0051】
図5は、図1に示す画像形成装置の電源状態の遷移を説明するための図である。また、図6は、図3に示すコントローラ制御部400における電源系統の一例を説明するためのブロック図である。
【0052】
図5および図6を参照して、第1の待機状態P100は、商用電源(ACコンセント)303がオフの状態であって、画像形成装置に電力が供給されていない状態である(この状態を完全オフ状態ともいう)。第1の待機状態P100においては、画像形成装置に電力が全く供給されていないので、電気的な操作の全てが受け付けられない。
【0053】
商用電源303が接続された際に、後述する第2の待機状態P103(第1の省電力モード)が無効であると、電源制御部410によって第1の電源303を切断することが可能である。
【0054】
スタンバイ状態(スタンバイモード)P101では、画像形成装置がいつでも動作可能であって、全ての操作が受け付けられる状態にある。このスタンバイ状態P101ではメインスイッチ302がオンされて、電源制御部410が第1の電源304、第1のスイッチ305、および第2のスイッチ306をオンしている。
【0055】
省電力状態(第2の省電力モード)P102では、省電力モード復帰要因検出部(復帰要因検出手段)411による復帰要因の検出が可能とされ、画像形成装置において、スタンバイ状態P101よりも消費電力が少ない状態である。図示の例では、電源制御部410、RAM403、および省電力モード復帰要因検出部411に電力(電源)が供給される。ここでは、電源制御部410は、第1の電源304および第1のスイッチ305をオンして、第2のスイッチ306をオフとする。
【0056】
省電力状態P102では、RAM403に、画像形成装置がスタンバイ状態から省電力状態P102に移行する直前における画像形成装置で動作するプログラムおよびデータの状態(ステータス)がメモリイメージとして保持される。ここでは、このメモリイメージを省電力用メモリイメージ(第2のステータス情報)と呼ぶ。この省電力メモリイメージは、省電力モードに突入する直前の各ステータス状態を示すものであって、CPUのステータス(各設定レジスタ情報)、接続されている電子デバイスのステータス、ならびにOSやアプリケーションの作業状態をメモリイメージとして作成し、省電力モードからの復帰にはこのメモリイメージから復帰の復元処理を行うための必要なデータである。
【0057】
第2の待機状態P103は、スタンバイ状態P101への移行を高速に行うための待機状態であり、省電力状態P102よりも消費電力が少ない状態である。第2の待機状態P103では、電源制御部410およびRAM403に電力が供給される。電源制御部410は、第2のスイッチ306および第1のスイッチ305をオフして、第1の電源304をオンする。これにより、第1の電源304からRAM403および電源制御部410に電力が供給される。
【0058】
第2の待機状態P103では、RAM403に、第1の待機状態P100からスタンバイ状態P101に移行した直後における画像形成装置で動作するプログラムおよびデータの状態(ステータス)がメモリイメージとして保持される。ここでは、このメモリイメージを第2の待機用メモリイメージ(第1のステータス情報)と呼ぶ。この第2の待機用メモリイメージは、画像形成装置の起動直後の各ステータス状態を示すものであって、CPUのステータス(各設定レジスタ情報)、接続されている電子デバイスのステータス、ならびにOSやアプリケーションの作業状態をメモリイメージとして作成し、省電力モードからの復帰にはこのメモリイメージから復帰の復元処理を行うための必要なデータである。
【0059】
RAM403に保持される省電力用メモリイメージと第2の待機用メモリイメージとには次の相違がある。
【0060】
前述のように、省電力用メモリイメージは、スタンバイ状態P101から省電力状態P102に移行する直前の画像形成装置の状態(ステータス)を示すメモリイメージであり、例えば、LCD表示部900に表示されている画像が省電力モードに移行する直前の画像であり、この画像は毎回異なることがある。
【0061】
一方、第2の待機用メモリイメージは、第1の待機状態P100からスタンバイ状態P101に移行した直後の画像形成装置の状態(ステータス)を示すメモリイメージである。例えば、LCD表示部900に表示されている画像は、毎回同一の画像であるので、メモリイメージを再利用することができる。
【0062】
本実施形態では、第2の待機用メモリイメージは、後述するように、予めHDD407又は半導体ディスク408に格納される。ここでは、第2の待機用メモリイメージはHDD407に格納するものとして説明する。但し、ハードウェアの構成およびLCD表示部900にスタンバイ直後に表示する画像を変更することも可能であるため、定期的に第2の待機用メモリイメージを再生成することは有効である。
【0063】
例えば、CPU401が所定の間隔で第1の待機状態P100に遷移させて、第1の待機状態P100からスタンバイ状態P101に遷移した直後に、CPU401が第2の待機用メモリイメージを生成するようにしてもよい。
【0064】
次に、電源制御部410における電源遷移の制御について説明する。
【0065】
第1の待機状態P100の際には、電源制御部410に電力が供給されない。メインスイッチ302がユーザによってオンされると、電源制御部410は画像形成装置に電力を供給する。これによって、画像形成装置は初期化状態から起動してスタンバイ状態P101に移行する。
【0066】
スタンバイ状態P101において、所定の第1の移行要件があると、画像形成装置はスタンバイ状態P101から省電力状態P102に移行する。この第1の移行要件として、例えば、画像形成装置に設定された省電力移行時間が経過したこと又はユーザによる省電力状態P102への移行指示などがある。
【0067】
いずれにしても、画像形成装置が予め設定された時間(省電力移行時間)の間使用されないと、CPU401はRAM403に省電力用メモリイメージを生成して、画像形成装置をスタンバイ状態P101から省電力状態P102に移行させる。
【0068】
省電力状態P102において、所定の第2の移行要件があると、画像形成装置は省電力状態P102からスタンバイ状態P101に移行する(第2の制御手段)。この第2の移行要件として、例えば、図4に示す省エネキー804が押下されたこと又は外部I/F451を介してプリントジョブが投入されたことなどがある。
【0069】
つまり、省電力モード復帰要因検出部411はスタンバイ移行要件(復帰要因)を検出すると、その旨を電源制御部410に知らせる。これによって、電源制御部410は電源制御を行って、画像形成装置を省電力状態P102からスタンバイ状態P101に移行させる。
【0070】
スタンバイ状態P101において、所定の第3の移行要件があると、画像形成装置はスタンバイ状態P101から第1の待機状態P100に移行する。この第3の移行要件は、例えば、第2の待機状態P103が非有効に設定されていることかつメインスイッチ302がオフとされたことである。
【0071】
第3の移行要件があると、CPU401はシャットダウンを実行して、電源制御部410に第1の待機状態P100への移行を指示する。これによって、画像形成装置はスタンバイ状態P101から第1の待機状態P100に遷移する。なお、前述の第2の待機用メモリイメージを再生成する場合には、画像形成装置は一度第1の待機状態P100に移行する。
【0072】
スタンバイ状態P101において、所定の第4の移行要件があると、画像形成装置はスタンバイ状態P101から第2の待機状態P103に移行する。この第4の移行要件は第2の待機状態P103が有効に設定されていることかつメインスイッチ302がオフとされたことである。
【0073】
第4の移行要件があると、CPU401はRAM403に第2の待機用メモリイメージを保持して、電源制御部410に第2の待機状態P103への移行を指示する。これによって、画像形成装置はスタンバイ状態P102から第2の待機状態P103に移行する。
【0074】
第2の待機状態P103において、所定の第5の移行要件があると、画像形成装置は第2の待機状態P103からスタンバイ状態P101に移行する(第1の制御手段)。この第5の移行要件は、例えば、メインスイッチ302がユーザによってオンされことである。第5の移行要件があると、電源制御部410は画像形成装置に電力を供給して第2の待機状態P103からスタンバイ状態P101に移行する。
【0075】
省電力状態P102において、所定の第6の移行要件があると、画像形成装置は省電力状態P102から第1の待機状態P100に移行する。この第6の移行要件は省電力状態P102である場合に第2の待機状態P103が非有効に設定されていることかつメインスイッチ302がオフとされたことである。
【0076】
第6の移行要件があると、電源制御部410は電源制御を行って画像形成装置を省電力状態P102から第1の待機状態P100に移行させる。
【0077】
省電力状態P102において、所定の第7の移行要件があると、画像形成装置は省電力状態P102から第2の待機状態P103に移行する。この第7の移行要件は、例えば、省電力状態P102である場合に第2の待機状態P103が有効に設定されていることかつメインスイッチ302がオフされたことである。
【0078】
第7の移行要件があると、電源制御部410は電源制御を行って画像形成装置を省電力状態P102から第2の待機状態P103に移行させる。
【0079】
[第1実施形態]
図7は、図1に示す画像形成装置において省電力状態から他の状態への遷移の第1の例を説明するためのフローチャートである。
【0080】
図5〜図7を参照して、いま画像形成装置はスタンバイ状態P101にあるものとする。CPU401(制御処理部)は省電力状態P102に移行する要件が満たされたか否かを判定する(ステップS101)。省電力状態P102に移行する要件が満たされないと(ステップS101において、NO)、CPU401は待機する。ここでは、前述のように、ユーザが操作部800における省エネキー804を押下げられるか又は所定の省電力移行時間が経過すると、省電力状態P102に移行する要件が満たされたとする。
【0081】
省電力状態P102に移行する要件(省電力移行要件)が満たされると(ステップS101において、YES)、CPU401は前述の省電力用メモリイメージを作成して、この省電力用メモリイメージをRAM403(主記憶装置:メインメモリ)に格納する(ステップS102)。
【0082】
続いて、CPU401は、電源制御部410に対して省電力状態P102に移行する指示を通知して、電源制御部410は、第2のスイッチ306をオフにする。これによって、画像形成装置が、スタンバイ状態P101から省電力状態P102に移行する。
【0083】
省電力用メモリイメージは、画像形成装置が省電力状態P102に移行直前のステータスを示すものである。例えば、省電力用メモリイメージには、CPU401のステータス、CPU401に接続されている電子デバイスのステータス、およびOSとアプリケーションの動作状態が含まれる。省電力状態P102から復帰する際には省電力用メモリイメージを用いて復帰の復元処理が行われる。省電力用メモリイメージのデータ構造はOSによって管理されるメモリ領域であってシステムメモリおよびビデオメモリの退避領域が含まれている。
【0084】
画像形成装置が省電力状態P102となると、電源制御部410は省電力モード復帰要因検出部411によって省電力状態P102からスタンバイ状態P101に復帰させる省電力状態復帰要因が検出されたか否かを監視する(ステップS103)。省電力状態復帰要因がなければ(ステップS103において、NO)、電源制御部410はメインスイッチ302がオフとされたか否かを監視する(ステップS104)。そして、メインスイッチ302がオフとされないと(ステップS104において、NO)、電源制御部410はステップS103の処理に戻る。
【0085】
ステップS103において、省電力状態復帰要因があると(ステップS103において、YES)、省電力モード復帰要因検出部411は電源制御部410にスタンバイ状態P101への復帰を指示する。これによって、電源制御部410は、第2のスイッチ306をオンにする。一方、CPU401はRAM403に保持した省電力用メモリイメージを用いて復帰動作を行って(ステップS105)、画像形成装置を省電力状態P102からスタンバイ状態P101に移行させる。
【0086】
ステップS104において、メインスイッチ302がオフとされると(ステップS104において、YES)、電源制御部410は画像形成装置に第2の待機状態P103が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS107)。第2の待機状態P103が無効であると(ステップS107において、NO)、電源制御部410は省電力状態から第1の待機状態P100に移行すると判定する。そして、電源制御部410は、第1の電源304をオフにして、省電力状態において電力が供給されているブロックに対する電力供給を断とする(ステップS108)。これによって、画像形成装置の電源がオフされて、画像形成装置は省電力状態P102から第1の待機状態P100に移行する。
【0087】
第2の待機状態P103が有効に設定されている場合には(ステップS107において、YES)、電源制御部410は、第2の待機状態P103に移行するための準備を開始する。電源制御部410は、第2のスイッチ306をオンにして、CPU401およびHDD407などを一時的に起動させる。そして、CPU401は、HDD407に予め格納された第2の待機用メモリイメージをRAM403に転送する(ステップS110)。
【0088】
第2の待機用メモリイメージのRAM403への転送が完了すると、電源制御部410は、第1のスイッチ305および第2のスイッチ306をオフにして、省電力モード復帰要因検出部411などへの電力供給を停止して(ステップS111)、画像形成装置を第2の待機状態P103にする。
【0089】
図8は、図1に示す画像形成装置においてメインスイッチ302がオンとされた際の起動を説明するためのフローチャートである。
【0090】
図5、図6、および図8を参照して、ユーザによってメインスイッチ302がオンされないと(ステップS201において、NO)、起動処理は開始されない。ユーザがメインスイッチ302をオンすると(ステップS201において、YES)、電源制御部410は、スタンバイ状態P101に移行するため、第1の電源303、第1のスイッチ305および第2のスイッチ306をオンにして、ROM402から起動を開始する(ステップS202)。
【0091】
続いて、CPU401は、メインスイッチ302のオンによる起動が第2の待機状態P103からの起動か又は第1の待機状態P100からの起動かについて確認する(ステップS203)。具体的には、ROM402に保存されている第2の待機情報を有効にするか否かを示す設定を参照して、第2の待機状態P103からの起動か又は第1の待機状態P100からの起動かについて確認する。
【0092】
第2の待機状態P103からの起動である場合には(ステップS203において、YES)、CPU401はRAM403に保持された第2の待機用メモリイメージから起動して(ステップS204)、画像形成装置を第2の待機状態P103からスタンバイ状態P101に移行する。
【0093】
第1の待機状態P100からの起動である場合には(ステップS203において、NO)、初期化状態からの起動であるため、CPU401は半導体ディスク408に格納されたメインプログラムから順次起動して(ステップS205)、画像形成装置を第1の待機状態P100からスタンバイ状態P101に移行する。
【0094】
このように、第1の実施形態では、省電力状態P102の際に、スタンバイ状態P101への復帰要因がなくメインスイッチ302がオフされると、第2の待機状態P103が有効であれば、HDD407に格納されている第2の待機用メモリイメージ(第1のステータス情報)をRAM(主記憶装置)403に保存した後、第2の待機状態P103に移行する。従って、メインスイッチ302が再度オンされた際には、CPU401はRAM403に保存された第2の待機用メモリイメージを用いて素早く画像形成装置をスタンバイ状態とすることができる。
【0095】
[第2実施形態]
図9は、図1に示す画像形成装置において省電力状態から他の状態への遷移の第2の例を説明するためのフローチャートである。
【0096】
図5、図6、および図9を参照して、いま画像形成装置はスタンバイ状態P101にあるものとする。CPU401は省電力状態P102に移行する要件が満たされたか否かを判定する(ステップS301)。省電力状態P102に移行する要件が満たされないと(ステップS301において、NO)、CPU401は待機する。
【0097】
省電力状態P102に移行する要件が満たされると(ステップS301において、YES)、CPU401は状態に移行する場合には、画像形成装置に第2の待機状態P103が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS302)。
【0098】
第2の待機状態P103の設定が無効であると(ステップS302において、NO)、CPU401は省電力用メモリイメージを作成して、この省電力用メモリイメージをRAM403に格納する(ステップS303)。続いて、CPU401は、電源制御部410に対して省電力状態P102への移行を通知する。これによって、電源制御部410は電源制御を行って、画像形成装置をスタンバイ状態P101から省電力状態P102に移行させる。そして、処理は後述するステップS305に進む。
【0099】
第2の待機状態P103の設定が有効であると(ステップS302において、YES)、CPU401は省電力用メモリイメージを作成してこの省電力用メモリイメージをRAM403に格納する。さらに、CPU401は予めHDD407に格納された第2の待機用メモリイメージをRAM403に転送する(ステップS304)。そして、CPU401は、電源制御部410に対して省電力状態P102への移行を通知する。これによって、電源制御部410は、第2のスイッチ306をオフにして、画像形成装置をスタンバイ状態P101から省電力状態P102に移行させる。
【0100】
このように、画像形成装置がスタンバイ状態P101から省電力状態P102に移行する前に、第2の待機用メモリイメージをRAM403に格納しておくことによって、省電力状態P102でメインスイッチ302がオフされた場合でも、第2の待機用メモリイメージをRAM403に格納するために第2のスイッチ306をオンにする必要がない。これにより、画像形成装置は、省電力状態P102から第2の待機状態P103に速やかに移行することができる。
【0101】
画像形成装置が省電力状態P102となると、電源制御部410は省電力モード復帰要因検出部411によって省電力状態P102からスタンバイ状態P101に復帰させる省電力状態復帰要因が検出されたか否かを監視する(ステップS305)。省電力状態復帰要因がなければ(ステップS305において、NO)、電源制御部410はメインスイッチ302がオフとされたか否かを監視する(ステップS306)。そして、メインスイッチ302がオフとされないと(ステップS306において、NO)、電源制御部410はステップS305の処理に戻る。
【0102】
ステップS305において、省電力状態復帰要因があると(ステップS303において、YES)、省電力モード復帰要因検出部411は電源制御部410にスタンバイ状態P101への復帰を指示する。これによって、電源制御部410は、第2のスイッチ306をオンにする。一方、CPU401はRAM403に保持した省電力用メモリイメージを用いて復帰動作を行って(ステップS307)、画像形成装置を省電力状態P102からスタンバイ状態P101に移行させる。
【0103】
ステップS306において、メインスイッチ302がオフとされると(ステップS306において、YES)、電源制御部410は画像形成装置に第2の待機状態P103が有効に設定されているか否かを判定する(ステップS309)。第2の待機状態P103が無効であると(ステップS309において、NO)、電源制御部410は省電力状態P102から第1の待機状態P100に移行すると判定する。そして、電源制御部410は、第1の電源304をオフにして、省電力状態P102において電力が供給されているブロックに対する電力供給を断とする(ステップS310)。これによって、画像形成装置は、省電力状態P102から第1の待機状態P100に移行する。
【0104】
第2の待機状態P103が有効に設定されている場合には(ステップS309において、YES)、電源制御部410は、第1のスイッチ305をオフにして、省電力モード復帰要因検出部411などへの電力供給を停止して(ステップS312)、画像形成装置を省電力状態P102から第2の待機状態P103に移行する。
【0105】
上述のように、第2の実施形態では、スタンバイ状態P101から省電力状態P102への移行する際に、第2の待機状態P103が有効であれば、省電力用メモリイメージおよび第2の待機用メモリイメージをRAM403に保存する。省電力状態P102の際に、スタンバイ状態P101への復帰要因がなくメインスイッチ302がオフされると、第2の待機状態P103が有効であれば、第2の待機状態P103に移行する。
【0106】
そして、省電力状態P102の際にスタンバイ状態P101への復帰要因があると、CPU401はRAM403に保存された省電力用メモリイメージを用いて画像形成装置をスタンバイ状態とする。また、メインスイッチ302が再度オンされた際には、CPU401はRAM403に保存された第2の待機用メモリイメージを用いて画像形成装置をスタンバイ状態P101とする。
【0107】
従って、省電力状態P101又は第2の待機状態P103にある際、画像形成装置を素早くスタンバイ状態P101に復帰させることができる。
【0108】
なお、上述の説明では、情報処理装置として画像形成装置を例に挙げて説明したが、画像形成装置以外の他の情報処理装置、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)および携帯電話機などにも同様にして適用することができる。
【0109】
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0110】
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を情報処理装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、この制御プログラムを情報処理装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体(記憶媒体)に記録される。
【0111】
この際、制御方法および制御プログラムの各々は、少なくとも電源制御ステップおよびモード移行ステップを有することになる。
【0112】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0113】
302 メインスイッチ
400 コントローラ制御部
401 CPU
403 RAM
407 磁気ディスク(HDD)
409 デバイス制御部
410 電源制御部
411 省電力モード復帰要因検出部
800 操作部
900 LCD表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電力モードを有する情報処理装置であって、
情報処理手段が情報処理を実行することが可能なスタンバイモードで前記情報処理手段および前記情報処理手段が用いる情報を記憶する記憶手段に電力を供給し、電源スイッチがオフされることにより移行する第1の省電力モードで前記情報処理手段に電力を供給せず且つ前記記憶手段に電力を供給し、予め規定された省電力移行要件を満たしたときに前記電源スイッチがオフされることなく移行する第2の省電力モードで前記情報処理手段に電力を供給せず且つ前記記憶手段に電力を供給する、電源供給手段と、
前記記憶手段に記憶される第1のステータス情報を用いて、前記情報処理装置を前記第1の省電力モードから前記スタンバイモードに移行させる第1の制御手段と、
前記第2の省電力モードの状態で前記記憶手段が前記第1のステータス情報を保持しているように、前記記憶手段に前記第1のステータス情報を書き込む書き込み手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1のステータス情報は、前記電源スイッチがオンされた直後の前記情報処理装置のステータスを示す第1のステータス情報であることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶される第2のステータス情報を用いて、前記情報処理装置を前記第2の省電力モードから前記スタンバイモードに移行させる第2の制御手段をさらに備え、
前記書き込み手段は、
前記第2の省電力モードの状態で前記記憶手段が前記1のステータス情報および前記第2のステータス情報を保持しているように、前記記憶手段に前記第1のステータス情報および前記第2のステータス情報を書き込むことを特徴とする、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記書き込み手段は、
前記情報処理装置が前記スタンバイモードから前記第2の省電力モードに移行する前に、前記第1のステータス情報および前記第2のステータス情報を前記記憶手段に書き込むことを特徴とする、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2のステータス情報は、前記第2の省電力モードに移行する直前の前記スタンバイモードにおける前記情報処理装置のステータスを示す第2のステータス情報であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1のステータス情報が予め格納された補助記憶手段をさらに備え、
前記書き込み手段は、前記補助記憶手段に格納される前記第1のステータス情報を前記記憶手段に転送することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数の電力モードを有する情報処理装置であって、
情報処理手段が情報処理を実行することが可能なスタンバイモードで前記情報処理手段および前記情報処理手段が用いる情報を記憶する記憶手段に電力を供給し、電源スイッチがオフされることにより移行する第1の省電力モードで前記情報処理手段に電力を供給せず且つ前記記憶手段に電力を供給し、予め規定された省電力移行要件を満たしたときに前記電源スイッチがオフされることなく移行する第2の省電力モードで前記情報処理手段に電力を供給せず且つ前記記憶手段に電力を供給する、電源供給手段と、
前記記憶手段に記憶される第1のステータス情報を用いて、前記情報処理装置を前記第1の省電力モードから前記スタンバイモードに移行させる第1の制御手段と、
前記第2の省電力モードの状態で前記電源スイッチがオフされたときに、前記記憶手段に前記第1のステータス情報を書き込む書き込み手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記第1のステータス情報は、前記電源スイッチがオンされた直後の前記情報処理装置のステータスを示す第1のステータス情報であることを特徴とする、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶手段に記憶される第2のステータス情報を用いて、前記情報処理装置を前記第2の省電力モードから前記スタンバイモードに移行させる第2の制御手段をさらに備え、
前記書き込み手段は、
前記第2の省電力モードの状態で前記記憶手段が前記第2のステータス情報を保持しているように、前記記憶手段に前記第2のステータス情報を書き込むことを特徴とする、請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記書き込み手段は、
前記情報処理装置が前記スタンバイモードから前記第2の省電力モードに移行する前に、前記第2のステータス情報を前記記憶手段に書き込むことを特徴とする、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第2のステータス情報は、前記第2の省電力モードに移行する直前の前記スタンバイモードにおける前記情報処理装置のステータスを示す第2のステータス情報であることを特徴とする、請求項9又は10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第1のステータス情報が予め格納された補助記憶手段をさらに備え、
前記書き込み手段は、前記補助記憶手段に格納される前記第1のステータス情報を前記記憶手段に転送することを特徴とする、請求項7〜11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
複数の電力モードで有する情報処理装置の制御方法であって、
情報処理手段が情報処理を実行することが可能なスタンバイモードで前記情報処理手段および前記情報処理手段が用いる情報を記憶する記憶手段に電力を供給するステップと、 電源スイッチがオフされることにより移行する第1の省電力モードで前記情報処理手段に電力を供給せず且つ前記記憶手段に電力を供給するステップと、
予め規定された省電力移行要件を満たしたときに前記電源スイッチがオフされることなく移行する第2の省電力モードで前記情報処理手段に電力を供給せず且つ前記記憶手段に電力を供給するステップと、
前記記憶手段に記憶される第1のステータス情報を用いて、前記情報処理装置を前記第1の省電力モードから前記スタンバイモードに移行させるステップと、
前記第2の省電力モードの状態で前記記憶手段が前記第1のステータス情報を保持するように、前記記憶手段に前記第1のステータス情報を書き込むステップと、を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項14】
複数の電力モードを有する情報処理装置の制御方法であって、
情報処理手段が情報処理を実行することが可能なスタンバイモードで前記情報処理手段および前記情報処理手段が用いる情報を記憶する記憶手段に電力を供給するステップと、
電源スイッチがオフされることにより移行する第1の省電力モードで前記情報処理手段に電力を供給せず且つ前記記憶手段に電力を供給するステップと、
予め規定された省電力移行要件を満たしたときに前記電源スイッチがオフされることなく移行する第2の省電力モードで前記情報処理手段に電力を供給せず且つ前記記憶手段に電力を供給するステップと、
前記記憶手段に記憶される第1のステータス情報を用いて、前記情報処理装置を前記第1の省電力モードから前記スタンバイモードに移行させるステップと、
前記第2の省電力モードの状態で前記電源スイッチがオフされたときに、前記記憶手段に前記第1のステータス情報を書き込むステップと、を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項15】
請求項13または14に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムが記録されたコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−58019(P2013−58019A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195042(P2011−195042)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】