説明

情報処理装置、タイムアウト処理方法、及びタイムアウト処理プログラム

【課題】タイムアウト原因を特定するための適切な情報を得ることができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】装置10aと、装置10aと情報を受け渡す装置10bと、装置10aと装置10bとの間の情報の受け渡しにおいて、タイムアウトが発生したときログを取得する診断装置20とを具備する。装置10aは、リクエストを装置10bに送信する毎にレイテンシを測定し、所定の期間内の最大レイテンシを算出する負荷測定部12aと、最大レイテンシを第1タイムアウト時間として設定し、第1リクエストの送信に対する応答が第1タイムアウト時間内にない場合、軽障害が発生したことを示す軽障害通知を出力する軽障害検出部13aとを備える。診断装置20は、軽障害通知を受け取ると、装置10aから軽障害に対応した第1軽障害ログを取得し、装置10bから軽障害に対応した第2軽障害ログを取得する制御部21を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイムアウト監視機能に関し、情報処理装置、タイムアウト処理方法、及びタイムアウト処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、リクエストのタイムアウト監視機能を備えた情報処理装置は、ユーザシステムでの負荷を予測できないため、システムが高負荷になった時にかかる最大レイテンシよりもはるかに大きい値を固定のタイムアウトの敷居値として設定している。情報処理装置にタイムアウト障害(システム継続運用不可な重障害)が発生した場合、診断装置は障害解析用にログを採取してタイムアウトの原因を調査する。
【0003】
タイムアウトに関する技術として、特許文献1から3が開示されている。特許文献1には、コンピュータシステムの異常を検出するウォッチドッグタイマが開示されている。このウォッチドックタイマは、タイムアウト最大値保存手段と、通常時タイムアウト値保持手段と、通常時タイムアウト値変更手段とを具備する。タイムアウト最大値保存手段は、タイムアウト時間をモニタリングし、タイムアウトの最大値を検出する。通常時タイムアウト値保持手段は、検出されたタイムアウト値を、通常のウォッチドッグ動作時のタイムアウト時間として用いるため保持する。通常時タイムアウト値変更手段は、保持されたタイムアウト値より大きいタイムアウト値がモニタリングされた場合、通常時タイムアウト値保持手段のタイムアウト値を書き換える。ウォッチドッグタイマは、モニタリングされたタイムアウト値の最大値を、タイムアウト値としてウォッチドック動作することを特徴としている。
【0004】
特許文献2には、ネットワークを介して接続された、プリンタシステムなどを動作させる通信装置が開示されている。この通信装置は、通信時間計測部と、要求判断部と、処理時間計算部と、タイムアウト時間記憶部とを備える。通信時間計測部は、通信時間を計測する。要求判断部は、1回の通信処理に含まれる複数の要求の種類を判断する。処理時間計算部は、通信時間計測部の計測時間と、予め格納されている基準のタイムアウト時間とから、現在の通信処理での最適なタイムアウト時間を要求の種類毎に算出する。タイムアウト時間記憶部は、要求の種類毎に算出されたタイムアウト時間を記憶する。このような通信装置は、要求内容に対応した最適なタイムアウト時間にて通信することができるというものである。
【0005】
特許文献3には、プロセスからシステムに対してタイムアウト通知依頼を行う際のタイマ依頼の管理方法が開示されている。このタイマ依頼の管理方法は、第1から第6のステップからなる。第1ステップは、システムがタイムアウト通知依頼の順序(キューイング)を定める管理用テーブルを用意する。第2ステップは、プロセスがシステムに対してタイムアウト通知依頼を送出する。第3ステップは、プロセスが所定の処理終了と同時に、システムに対してタイマキャンセル依頼を送出する。第4ステップは、システムがタイマキャンセル依頼に基づいて、タイマキャンセルを行うと共に、タイマ値、実処理時間などのログ情報を採取する。第5ステップは、システムがログ情報に基づいて、キャンセル依頼が発生すると思われる時刻を統計的に求める。第6ステップは、システムがキャンセル発生予想時刻に基づいて、管理用テーブルのキューをタイマキャンセル依頼発生順に生成したキューで管理する。このようなタイマ依頼の管理方法は、タイマ依頼をタイマキャンセル発生順に生成したキューで管理するため、キャンセル発生時刻を正確・高速に予測できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−140209号公報
【特許文献2】特開2009−171193号公報
【特許文献3】特公平8−33826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
情報処理装置の診断装置は、タイムアウト検出時のログを解析して、タイムアウトの原因を調査する。しかし、情報処理装置は実際のユーザ負荷よりも大きいタイムアウト値を設定しているため、診断装置がタイムアウト検出時に採取したログにはタイムアウト原因を特定する情報が残っていないことが多い。つまり、診断装置はタイムアウト検出時のログに基づいてタイムアウトの原因を特定することが困難であった。
【0008】
本発明の目的は、タイムアウト原因を特定するための適切な情報を得ることができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理装置は、第1装置と、第1装置と情報を受け渡す第2装置と、第1装置と第2装置との間の情報の受け渡しにおいて、タイムアウトが発生したときログを取得する診断装置とを具備する。第1装置は、リクエストを第2装置に送信する毎にレイテンシを測定し、所定の期間内の最大レイテンシを算出する負荷測定部と、最大レイテンシを第1タイムアウト時間として設定し、第1リクエストの送信に対する応答が第1タイムアウト時間内にない場合、軽障害が発生したことを示す軽障害通知を出力する軽障害検出部とを備える。診断装置は、軽障害通知を受け取ると、第1装置から軽障害に対応した第1軽障害ログを取得し、第2装置から軽障害に対応した第2軽障害ログを取得する制御部を備える。
【0010】
本発明の情報処理方法は、第1装置が、所定の期間内に第1装置から第2装置に出力される、複数のリクエストの各々に対する複数のレイテンシを測定するステップと、第1装置が複数のレイテンシの中で最大レイテンシを算出するステップと、第1装置が最大レイテンシを第1タイムアウト時間として設定するステップと、第1装置から第2装置に送信される第1リクエストに対する応答が、第1タイムアウト時間内にない場合、第1装置が軽障害の発生を示す軽障害通知を出力するステップと、第1装置と第2装置と接続する診断装置が、軽障害通知を受け取り、第1装置と第2装置とから軽障害に対応した軽障害ログを取得するステップとを具備する。軽障害ログを取得するステップは、第1装置から軽障害に対応した第1軽障害ログを取得するステップと、第2装置から軽障害に対応した第2軽障害ログを取得するステップとを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の情報処理装置は、タイムアウト原因を特定するための適切な情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施の形態による情報処理装置1を示したブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態における、ハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の情報処理装置1の実施の形態による、ユーザ負荷に応じたタイムアウト時間を設定する処理動作を示したフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の情報処理装置1の実施の形態による、軽障害に対するタイムアウト処理動作を示したシーケンス図である。
【図5】図5は、本発明の情報処理装置1の実施の形態による、重障害に対するタイムアウト処理動作を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態による情報処理装置、タイムアウト処理方法、及びタイムアウト処理プログラムを説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態による情報処理装置1を示したブロック図である。図1を参照すると、情報処理装置1は、複数の装置10と、診断装置20とを具備する。複数の装置10の各々は、相互に情報を受け渡し、また、診断装置20と情報を受け渡す。図1では、複数の装置10は、装置10aと装置10bとの2つを含むが、装置の数をこれに限定するものではない。診断装置20は、複数の装置10と接続し、複数の装置10の間における情報の受け渡しにおいてタイムアウトが発生したとき、複数の装置10のうちでタイムアウトに関係する装置10aや装置10bからログを取得する。
【0015】
複数の装置10を説明する。複数の装置10は、情報の受け渡しを行う装置間インターフェイス40でそれぞれ接続される。複数の装置10の各々は、本発明に係わる同じ構成を含むため、装置10aを例に以下構成を説明する。装置10aは、重障害検出部11aと、負荷検出部12aと、軽障害検出部13aと、診断制御部14aとを備える。
【0016】
重障害検出部11aは、システム継続運用不可な重障害の閾値となる、予め設定された重障害タイムアウト時間を有する。重障害検出部11aが有するタイムアウト時間は、軽障害検出部13aが有するタイムアウト時間よりも長く、システム最大負荷時に要するリクエストのレイテンシより大きな値である。例えば、装置10aから装置10bへ出力したリクエストに対する応答が、重障害検出部11aが有するタイムアウト時間を越えた場合は、システム継続運用不可な重障害が発生したことを表す。以降、重障害検出部11aが有するタイムアウト時間を重障害タイムアウト時間と称し、後述する軽障害検出部13aが有するタイムアウト時間を軽障害タイムアウト時間と称する。重障害検出部11aは、装置10aから装置10bへリクエストが出力されたとき、タイムアウトの監視を開始する。詳細には、重障害検出部11aは、装置10aから装置10bへリクエストが出力されたとき、時間の計測を開始し、装置10bから応答を受け取ると計測を終了する。その間、重障害検出部11aは、装置10bから応答を受け取るまでに計測した時間が、重障害タイムアウト時間内であるか否かを判定する。重障害検出部11aは、計測した時間が重障害タイムアウト時間内でない場合、即ち、重障害タイムアウト時間を越えたことを検出すると、装置10aと装置10bとの情報の受け渡しにおいて重障害が発生したことを示す重障害通知を、診断制御部14aに出力する。
【0017】
負荷検出部12aは、ユーザ負荷に基づいたレイテンシを算出する。詳細には、負荷検出部12aは、ユーザ負荷に基づくリクエストを装置10aから装置10bに出力する毎にレイテンシを測定して、所定の期間内の最大レイテンシを算出する。つまり、最大レイテンシは、所定の期間内のユーザ負荷に基づいた値となる。負荷検出部12aは、最大レイテンシを軽障害検知部13aに出力する。
【0018】
軽障害検出部13aは、負荷検出部12aから最大レイテンシを受け取ると、軽障害タイムアウト時間として設定する。軽障害検出部13aが有する軽障害タイムアウト時間を越えた場合は、システム継続運用可能な軽障害が発生したことを表す。軽障害検出部13aは、重障害検出部11aと同様に、装置10aから装置10bへリクエストが出力されたとき、タイムアウトの監視を開始する。詳細には、軽障害検出部13aは、装置10aから装置10bへリクエストが出力されたとき、時間の計測を開始し、装置10bから応答を受け取ると計測を終了する。その間、軽障害検出部13aは、装置10bから応答を受け取るまでに計測した時間が、軽障害タイムアウト時間内であるか否かを判定する。軽障害検出部13aは、計測した時間が軽障害タイムアウト時間内でない場合、即ち、軽障害タイムアウト時間を越えたことを検出すると、装置10aと装置10bとの情報の受け渡しにおいて軽障害が発生したことを示す軽障害通知を、診断制御部14aに出力する。
【0019】
診断制御部14aは、重障害検出部11aから重障害通知を受け取る。また、診断制御部14aは、軽障害検出部13aから軽障害通知を受け取る。診断制御部14aは、重障害通知又は軽障害通知を受け取ると、診断装置20に出力する。また、診断制御部14aは、診断装置20からログ要求を受け取ると、装置10aに格納されたログを抽出して、診断装置20に出力する。ログは、日時、行われた操作の内容、出力した情報の内容などが含まれる。尚、ログは、診断制御部14が格納していてもよいし、図示していない装置10aの構成部が格納していてもよい。
【0020】
診断装置20は、制御部21とログ格納部22とを備える。制御部21は、複数の装置10の何れかから軽障害通知を受け取ると、軽障害通知を出力した装置10から軽障害に対応したログを取得し、更に、軽障害通知を出力した装置10と情報を受け渡していた別の装置10からも同じ軽障害に対応したログを取得する。詳細には、制御部21は、装置10aから軽障害通知を受け取ると、装置10aと装置10bとにログ要求を出力する。そして、制御部21は、装置10aから軽障害に対応したログを受け取り、装置10bから軽障害に対応したログを受け取り、それぞれログ格納部22へ格納する。また、制御部21は、複数の装置10の何れかから重障害通知を受け取ると、重障害通知を出力した装置10から重障害に対応したログを取得し、更に、重障害通知を出力した装置10と情報を受け渡していた別の装置10からも同じ重障害に対応したログを取得する。詳細には、制御部21は、装置10aから重障害通知を受け取ると、装置10aと装置10bとにログ要求を出力する。そして、制御部21は、装置10aから重障害に対応したログを受け取り、装置10bから重障害に対応したログを受け取り、それぞれログ格納部22へ格納する。制御部21は、重障害通知に関連するログを受け取った後、ログ格納部22に格納された複数のログを解析して、タイムアウトの原因を調査する。
【0021】
ログ格納部22は、複数のログエリア(ログエリア0〜ログエリアn)を有する。ログ格納部22は、制御部21からログを受け取ると、受け取った順番に各ログをログエリアに格納する。
【0022】
本発明の実施の形態による情報処理装置1は、コンピュータを用いて実現可能である。図2は、本発明の実施の形態における、ハードウエア構成例を示すブロック図である。図2を参照すると、本発明の情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)50と、記憶装置51、入力装置52と、出力装置53と、各装置を接続するバス54とを備えるコンピュータシステムで構成される。
【0023】
CPU50は、記憶装置51に格納されている本発明の情報処理装置1に係る演算処理及び制御処理を行う。記憶装置51は、ハードディスクやメモリなど、情報の記録を行う装置である。記憶装置51は、CD−ROMやDVD等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み取られたプログラム、入力装置52から入力された信号やプログラム、及びCPU50の処理結果を格納する。入力装置52は、マウス、キーボード、マイクロフォンなど、ユーザがコマンド及び信号を入力することが出来る装置である。出力装置53は、ディスプレイ、スピーカなど、ユーザに出力結果を認識させる装置である。尚、本発明はハードウエア構成例と示したものに限定されず、複数の装置10、診断装置20、及びそれら装置に含まれる各部はハードウエアとソフトウエアとを単独又は組み合わせて実現することが出来る。
【0024】
図3は、本発明の情報処理装置1の実施の形態による、ユーザ負荷に応じたタイムアウト時間を設定する処理動作を示したフローチャートである。図3を参照して、本発明の実施の形態による処理動作を説明する。
【0025】
ステップS01:
負荷測定部12aは、所定の期間内に装置10aから装置10bに出力される、複数のリクエストの各々に対する複数のレイテンシを測定する。
【0026】
ステップS02:
負荷測定部12aは、測定した複数のレイテンシの中にある最大レイテンシを算出する。負荷測定部12aは、算出した最大レイテンシを軽障害検出部13aに出力する。
【0027】
ステップS03:
軽障害検出部13aは、最大レイテンシを受け取り、現在の軽障害タイムアウト時間を受け取った最大レイテンシに更新する。このようにして、軽障害検出部13aは、軽障害タイムアウト時間を設定する。
【0028】
図4は、本発明の情報処理装置1の実施の形態による、軽障害に対するタイムアウト処理動作を示したシーケンス図である。図4を参照して、本発明の実施の形態によるタイムアウト処理方法を説明する。
【0029】
ステップA01:
装置10aは、装置間インターフェイス40を介して装置10bにリクエストを出力する。
【0030】
ステップA02:
重障害検出部11aは、システム継続運用不可な重障害の閾値となる、予め設定された重障害タイムアウト時間を有する。重障害検出部11aは、装置10aから装置10bへリクエストが出力されたとき、タイムアウトの監視を開始する。一方、軽障害検出部13aは、負荷検出部12aから受け取った最大レイテンシを、軽障害タイムアウト時間として設定している。軽障害検出部13aは、装置10aから装置10bへリクエストが出力されたとき、タイムアウトの監視を開始する。
【0031】
ステップA03:
重障害検出部11aは、装置10bから応答を受け取るまでに計測した時間が、重障害タイムアウト時間内であるか否かを判定する。同様に、軽障害検出部13aは、装置10bから応答を受け取るまでに計測した時間が、軽障害タイムアウト時間内であるか否かを判定する。ここで、軽障害検出部13aは、装置10bから応答を受け取るまでに計測した時間が、軽障害タイムアウト時間を超過したことを検出する。
【0032】
ステップA04:
軽障害検出部13aは、装置10aと装置10bとの情報の受け渡しにおいて軽障害が発生したことを示す軽障害通知を、診断制御部14aに出力する。診断制御部14aは、軽障害通知を受け取ると、診断装置20に軽障害通知を出力する。
【0033】
ステップA05、ステップA06:
診断装置20の制御部21は、装置10aから軽障害通知を受け取ると、装置10aにログ要求を出力する。同様に、制御部21は、装置10aと情報を受け渡していた装置10bにログ要求を出力する。
【0034】
ステップA07、ステップA08:
装置10aの診断制御部14aは、診断装置20からログ要求を受け取ると、装置10aに格納された軽障害に対応したログを抽出して、診断装置20に出力する。同様に、装置10bの診断制御部14bは、診断装置20からログ要求を受け取ると、装置10bに格納された軽障害に対応したログを抽出して、診断装置20に出力する。ログは、日時、行われた操作の内容、出力した情報の内容などが含まれる。
【0035】
ステップA09:
診断装置20の制御部21は、装置10aからログを受け取り、装置10bからログを受け取り、それぞれログ格納部22へ格納する。ログ格納部22は、制御部21からログを受け取ると、受け取った順番に各ログをログエリアに格納する。その後、装置10aがリクエストに対する応答を装置10bから受け取ると、再びステップA01へ戻る。また、装置10aがリクエストに対する応答を装置10bから受け取らない場合、情報処理装置1は次に説明する重障害に対するタイムアウト処理動作を行う。
【0036】
図5は、本発明の情報処理装置1の実施の形態による、重障害に対するタイムアウト処理動作を示したシーケンス図である。図5を参照して、本発明の実施の形態によるタイムアウト処理方法を説明する。
【0037】
ステップA10:
重障害検出部11aは、装置10bから応答を受け取るまでに計測した時間が、重障害タイムアウト時間を超過したことを検出する。
【0038】
ステップA11:
重障害検出部11aは、装置10aと装置10bとの情報の受け渡しにおいて重障害が発生したことを示す重障害通知を、診断制御部14aに出力する。診断制御部14aは、重障害通知を受け取ると、診断装置20に出力する。
【0039】
ステップA12、ステップA13:
診断装置20の制御部21は、装置10aから重障害通知を受け取ると、装置10aにログ要求を出力する。同様に、制御部21は、装置10bにログ要求を出力する。
【0040】
ステップA14、ステップA15:
装置10aの診断制御部14aは、診断装置20からログ要求を受け取ると、装置10aに格納された重障害に対応したログを抽出して、診断装置20に出力する。同様に、装置10bの診断制御部14bは、診断装置20からログ要求を受け取ると、装置10bに格納された重障害に対応したログを抽出して、診断装置20に出力する。
【0041】
ステップA16:
診断装置20の制御部21は、装置10aからログを受け取り、装置10bからログを受け取り、それぞれログ格納部22へ格納する。ログ格納部22は、制御部21からログを受け取ると、受け取った順番に各ログをログエリアに格納する。
【0042】
ステップA17:
制御部21は、重障害通知に関連するログを受け取った後、ログ格納部22に格納された複数のログを解析して、タイムアウトの原因を調査する。
【0043】
以上のように、本発明の情報処理装置1では、各装置10が重障害に対応したタイムアウトだけでなく、ユーザのシステム負荷に応じた軽障害のタイムアウトを検出することができるため、診断装置20はシステム継続運用不可な重障害が発生する前に起こる、システム継続運用可能な軽障害のログを事前に取得しておくことができる。その結果、本発明の情報処理装置1は、重障害が発生したとき、重障害が発生したときのログと軽障害が発生したときのログとを用いて、タイムアウト原因を解析することができる。即ち、本発明の情報処理装置1は、タイムアウト原因を特定するための適切な情報を得ることができ、容易にタイムアウトの原因を調査できる効果を奏する。
【符号の説明】
【0044】
1・・・情報処理装置
10、10a、10b・・・装置
11a、11b・・・重障害検出部
12a、12b・・・負荷測定部
13a、13b・・・軽障害検出部
14a、14b・・・診断制御部
20・・・診断装置
21・・・制御部
22・・・ログ格納部
40・・・装置間インターフェイス
50・・・CPU
51・・・記憶装置
52・・・入力装置
53・・・出力装置
54・・・バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置と、
前記第1装置と情報を受け渡す第2装置と、
前記第1装置と前記第2装置との間の情報の受け渡しにおいて、タイムアウトが発生したときログを取得する診断装置と
を具備し、
前記第1装置は、
リクエストを前記第2装置に送信する毎にレイテンシを測定し、所定の期間内の最大レイテンシを算出する負荷測定部と、
前記最大レイテンシを第1タイムアウト時間として設定し、第1リクエストの送信に対する応答が前記第1タイムアウト時間内にない場合、軽障害が発生したことを示す軽障害通知を出力する軽障害検出部と
を備え、
前記診断装置は、
前記軽障害通知を受け取ると、前記第1装置から前記軽障害に対応した第1軽障害ログを取得し、前記第2装置から前記軽障害に対応した第2軽障害ログを取得する制御部
を備える
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第1装置は、
システム継続運用不可な重障害の閾値となる、前記第1タイムアウト時間よりも長い予め設定された第2重障害タイムアウト時間を有し、前記第1リクエストの送信に対する応答が前記第2タイムアウト時間内にない場合、重障害が発生したことを示す重障害通知を出力する重障害検出部
を更に備え、
前記制御部は、前記重障害通知を受け取ると、前記第1装置から前記重障害に対応した第1重障害ログを取得し、前記第2装置から前記重障害に対応した第2重障害ログを取得する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記診断装置は、
前記第1軽障害ログ、前記第2軽障害ログ、前記第1重障害ログ、及び前記第2重障害ログを格納するログ格納部
を更に備え、
前記制御部は、前記重障害通知を受け取ると、前記ログ格納部に格納された前記第1軽障害ログ、前記第2軽障害ログ、前記第1重障害ログ、及び前記第2重障害ログを解析する
情報処理装置。
【請求項4】
第1装置が、所定の期間内に前記第1装置から第2装置に出力される、複数のリクエストの各々に対する複数のレイテンシを測定するステップと、
前記第1装置が、前記複数のレイテンシの中で最大レイテンシを算出するステップと、
前記第1装置が、前記最大レイテンシを第1タイムアウト時間として設定するステップと、
前記第1装置から前記第2装置に送信される第1リクエストに対する応答が、前記第1タイムアウト時間内にない場合、前記第1装置が軽障害の発生を示す軽障害通知を出力するステップと、
前記第1装置と前記第2装置と接続する診断装置が、前記軽障害通知を受け取り、前記第1装置と前記第2装置とから前記軽障害に対応した軽障害ログを取得するステップと
を具備し、
前記軽障害ログを取得するステップは、
前記第1装置から前記軽障害に対応した第1軽障害ログを取得するステップと、
前記第2装置から前記軽障害に対応した第2軽障害ログを取得するステップと
を備える
タイムアウト処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載のタイムアウト処理方法であって、
前記第1リクエストに対する応答が、システム継続運用不可な重障害の閾値となる、前記第1タイムアウト時間よりも長い予め設定された第2タイムアウト時間内にない場合、前記第1装置が重障害の発生を示す重障害通知を出力するステップと、
前記診断装置が、前記重障害通知に基づいて、前記重障害に対応した重障害ログを前記第1装置と前記第2装置とから取得するステップと
を具備し、
前記重障害ログを取得するステップは、
前記第1装置から前記重障害に対応した第1重障害ログを取得するステップと、
前記第2装置から前記重障害に対応した第2重障害ログを取得するステップと
を備える
タイムアウト処理方法。
【請求項6】
請求項5に記載のタイムアウト処理方法であって、
前記診断装置が、前記重障害通知に基づいて、前記第1軽障害ログ、前記第2軽障害ログ、前記第1重障害ログ、及び前記第2重障害ログを解析するステップ
を更に具備する
タイムアウト処理方法。
【請求項7】
請求項4乃至6の何れか一項に記載の方法をコンピュータに実行させる
タイムアウト処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−227639(P2011−227639A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95729(P2010−95729)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】