説明

情報処理装置、及び、画像形成装置

【課題】小出力の通信アンテナで、2つの交換ユニットに搭載された2つのデータキャリアと確実に通信する情報処理装置を提供する。
【解決手段】第1記憶部D1を有する第1ユニット嵌合部56を具備する着脱自在な第1ユニット20と、第2記憶部D2を有する第2ユニット嵌合部66を具備する着脱自在な第2ユニット61と、第1ユニット嵌合部と第2ユニット嵌合部とに対向するように配置され、第1記憶部と第2記憶部とに記憶された情報を読み取る読取部83とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、交換ユニットに搭載されたデータキャリアと無線通信する情報処理装置、及び、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置の中には、各種の交換ユニットが装着自在な構成になっている装置がある。その中でも、交換ユニットにデータキャリアを搭載し、その交換ユニットに搭載されたデータキャリアからから交換ユニットに関する管理情報(以下、「交換ユニットの管理情報」と称する)を取得して、交換ユニットの管理情報に基づいて予め定められた演算(例えば、当該交換ユニットを使用することが可能か否かの判定等)を実行する情報処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−199457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の情報処理装置は、各交換ユニットに搭載された複数のデータキャリア毎に、複数の通信アンテナを装置本体に設けると、通信系の部品点数が増加するため、製造コストや、製造時間、製造労力が増大する。そこで、従来の情報処理装置に対し、通信アンテナの数を減らすために、1つの通信アンテナで複数(例えば、2つ)のデータキャリアと通信する構成にすることが、検討されている。
【0005】
しかしながら、通信アンテナの数を減らすために、1つの通信アンテナで複数のデータキャリアと通信する構成にした場合に、情報処理装置は、1つの通信アンテナで複数のデータキャリアの通信エリアをカバーするために、通信アンテナの出力を上げたり、通信アンテナのサイズ(面積)を大きくしたりする必要がある。
【0006】
この課題について、本発明の発明者は、通信アンテナが特定のデータキャリアから出力される電磁波だけを受信するように、通信アンテナの出力を小さくし、その代わりに、弱い電磁波でも確実な通信を行える構成にすれば、小出力の通信アンテナで、複数(例えば、2つ)のデータキャリアと確実に通信する構成を実現することができるため、この課題を改善することができる、と考えた。
【0007】
本発明は、前記した課題を改善するためになされたものであり、小出力の通信アンテナで、2つの交換ユニットに搭載された2つのデータキャリアと確実に通信する情報処理装置及び画像形成装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、第1発明は、情報処理装置であって、第1記憶部を有する第1ユニット嵌合部を具備する着脱自在な第1ユニットと、第2記憶部を有する第2ユニット嵌合部を具備する着脱自在な第2ユニットと、前記第1ユニット嵌合部と前記第2ユニット嵌合部とに対向するように配置され、前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶された情報を読み取る読取部とを有する構成とする。
【0009】
この情報処理装置は、読取部が第1ユニット嵌合部と第2ユニット嵌合部とに対向するように配置されている。そのため、読取部は、第1記憶部と第2記憶部とに対向するように配置されており、その第1記憶部と第2記憶部とから情報を読み取る。これにより、この情報処理装置は、小出力の通信アンテナで、2つの交換ユニットに搭載された2つのデータキャリアと確実に通信することができる。また、この情報処理装置は、通信系の部品点数を減らすことができるとともに、通信系の構成を簡素にすることができるため、製造コストの上昇を抑制することができ、その結果、安価で提供することができる。
【0010】
この情報処理装置は、好ましくは、2つのデータキャリアのアンテナと通信アンテナとが互いに略平行でかつ近接するように、2つのデータキャリアを配置する構成にするとよい。
【0011】
この構成の情報処理装置は、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、一般に、通信アンテナの出力を上げたり、通信アンテナのサイズを大きくしたりすると、情報処理装置は、各通信アンテナが、本来、通信エリアをカバーしないはずのデータキャリア(以下、「通信グループ外のデータキャリア」と称する)から出力される電磁波を受信するようになる。そのため、この場合に、情報処理装置は、通信グループ外のデータキャリアから情報を読み取る等の、情報ノイズが増大する。
【0012】
したがって、情報処理装置は、通信アンテナの数を減らすために、1つの通信アンテナで複数のデータキャリアと通信する構成にした場合に、情報ノイズ対策を講じる必要が生じる。これによって、情報処理装置は、製造コストが増大したり、消費電力が増大したり、構造が複雑化したりする。
【0013】
しかしながら、情報処理装置は、前記した構成にすることにより、2つのデータキャリアのアンテナと通信アンテナとが互いに略平行でかつ近接するように、2つのデータキャリアを配置する。これにより、この情報処理装置は、小出力の通信アンテナで、2つの交換ユニットに搭載された2つのデータキャリアと確実に通信することができる。また、この情報処理装置は、通信系の部品点数を減らすことができるとともに、通信系の構成を簡素にすることができるため、製造コストの上昇を抑制することができ、その結果、安価で提供することができる。
【0014】
また、第2発明は、画像形成装置であって、第1記憶部を有する第1ユニット嵌合部を具備する着脱自在な第1ユニットと、第2記憶部を有する第2ユニット嵌合部を具備する着脱自在な第2ユニットと、前記第1ユニット嵌合部と前記第2ユニット嵌合部とに対向するように配置され、前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶された情報を読み取る読取部とを有し、前記第1ユニットは、内部に像担持体を備える現像ユニットとして構成されており、前記第2ユニットは、内部に現像剤を収容し、当該現像剤を前記現像ユニットに供給する現像剤収容器として構成されている構成とする。
【0015】
また、第3発明は、画像形成装置であって、第1記憶部を有する第1ユニット嵌合部を具備する着脱自在な第1ユニットと、前記現像ユニットとして構成され、第2記憶部を有する第2ユニット嵌合部を具備する着脱自在な第2ユニットと、前記第1ユニット嵌合部と前記第2ユニット嵌合部とに対向するように配置され、前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶された情報を読み取る読取部とを有し、前記第1ユニット及び前記第2ユニットは、ともに、内部に像担持体を備える現像ユニットとして構成されている構成とする。
【0016】
第2発明に係る画像形成装置及び第3発明に係る画像形成装置は、ともに、読取部が第1ユニット嵌合部と第2ユニット嵌合部とに対向するように配置されている。そのため、読取部は、第1記憶部と第2記憶部とに対向するように配置されており、その第1記憶部と第2記憶部とから情報を読み取る。これにより、この画像形成装置は、小出力の通信アンテナで、2つの交換ユニットに搭載された2つのデータキャリアと確実に通信することができる。また、この画像形成装置は、通信系の部品点数を減らすことができるとともに、通信系の構成を簡素にすることができるため、製造コストの上昇を抑制することができ、その結果、安価で提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
第1発明によれば、小出力の通信アンテナで、2つの交換ユニットに搭載された2つのデータキャリアと確実に通信する情報処理装置を提供することができる。
また、第2発明又は第3発明によれば、小出力の通信アンテナで、2つの交換ユニットに搭載された2つのデータキャリアと確実に通信する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る情報処理装置の一形態としての画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係る交換ユニットの構成を示す断面図である。
【図3】実施形態1に係る交換ユニットの構成を示す斜視図(1)である。
【図4】実施形態1に係る交換ユニットの構成を示す斜視図(2)である。
【図5】実施形態1に係る交換ユニットの構成を示す斜視図(3)である。
【図6】実施形態1に係る交換ユニットの要部の構成を示す断面図である。
【図7】実施形態1に用いる露光ユニットの要部の構成を示す図である。
【図8】実施形態1に用いるデータキャリアの構成を示す図である。
【図9】実施形態1に用いるデータキャリアに記憶される情報の一例を示す図である。
【図10】実施形態1に係る画像形成装置の通信系の構成を示すブロック図である
【図11】実施形態1に係る画像形成装置の通信アンテナの構成を示す図である。
【図12】実施形態1に係る画像形成装置の通信アンテナと交換ユニットに搭載されたデータキャリアとの配置関係を示す断面図である。
【図13】実施形態1に係る画像形成装置の通信アンテナと交換ユニットに搭載されたデータキャリアとのサイズの関係を示す図である。
【図14】実施形態2に係る交換ユニットの構成を示す斜視図である。
【図15】実施形態2に係る交換ユニットの要部の構成を示す斜視図である。
【図16】実施形態2に係る画像形成装置の通信アンテナと交換ユニットに搭載されたデータキャリアとのサイズの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0020】
[実施形態1]
<情報処理装置の一形態としての画像形成装置の構成>
以下、図1を参照して、本発明に係る情報処理装置の一形態としての画像形成装置の構成につき説明する。図1は、本発明に係る情報処理装置の一形態としての画像形成装置の構成を示す図である。
【0021】
情報処理装置の中には、各種の交換ユニットが装着自在な構成になっている装置がある。その中でも、交換ユニットから交換ユニットに関する管理情報(以下、「交換ユニットの管理情報」と称する)を取得して、交換ユニットの管理情報に基づいて予め定められた演算を実行する情報処理装置がある。
【0022】
この種の情報処理装置は、様々な形態の装置として構成されている。例えば、この種の情報処理装置は、プリンタや、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の、例えば図1に示す画像形成装置1として構成されている場合がある。ここでは、画像形成装置1がタンデム型の直接転写方式のカラー電子写真プリンタとして構成されている場合を想定して説明する。以下、画像形成装置1を「プリンタ1」と称する。また、以下、「画像形成」動作を「印刷」動作と称する場合もある。
【0023】
図1に示すように、プリンタ1は、内部の下部に、給紙カセット2を備え、その給紙カセット2の前端に、給紙機構3を備えている。給紙カセット2は、記録媒体としての用紙を収容する媒体収容部である。給紙機構3は、用紙を1枚ずつ分離させて後続の機構に給紙する媒体供給部である。
【0024】
給紙機構3は、用紙を、給紙機構3の上方に設けられた搬送ローラ部4a,4bに搬送する。搬送ローラ部4a,4bは、用紙を搬送ベルト5に搬送する搬送部材である。搬送ベルト5は、用紙を後記する定着器40に搬送する搬送部材である。搬送ベルト5は、現像ユニット20の感光体ドラム21との間で用紙を挟み込みながら、用紙を搬送する。
【0025】
現像ユニット20は、内部に設けられた感光体ドラム21の表面に、現像剤像(トナー像)を形成する現像装置である。現像ユニット20は、プリンタ1に対して装着及び取り外しが自在な構成となっている交換ユニットとして構成されている。現像ユニット20の詳細については、「交換ユニットの構成」の章で説明する。
【0026】
なお、図1に示す例では、プリンタ1は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の各色に対応して、4つの現像ユニット20が設けられている。4つの現像ユニット20は、使用される現像剤(トナー)の色が異なる以外は、同じ構成となっている。以下、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及び、シアン(C)の各色に対応する構成要素を区別する場合に、各構成要素に与えられた符号の末尾に、英文字「K」、「Y」、「M」、「C」を付して説明する。
【0027】
プリンタ1は、現像ユニット20の感光体ドラム21の周囲に、露光ユニット10及び転写ユニット30の転写ローラ31を備えている。図1に示す例では、露光ユニット10は、感光体ドラム21の上方に設けられている。一方、転写ローラ31は、感光体ドラム21の下方に設けられている。
【0028】
露光ユニット10は、図示せぬ上位装置から送信される印刷命令に基づいて、感光体ドラム21を部分的に露光して、感光体ドラム21に静電潜像を形成するユニットである。ここでは、露光ユニット10がLED(Light Emitting Device)ヘッドとして構成されている場合を想定して説明する。以下、露光ユニット10を「LEDヘッド10」と称する。本実施形態1では、LEDヘッド10は、ホルダー部11を介して上部カバー7に取り付けられ、そのホルダー部11は、記憶部としての後記するデータキャリアD1,D2と無線通信するための読取部としての通信アンテナ83を有する。
【0029】
現像ユニット20は、感光体ドラム21に静電潜像が形成されると、現像剤を感光体ドラム21に供給することによって、静電潜像を現像剤像として現像(可視像化)する。その結果、現像剤像が、感光体ドラム21の表面に形成される。以下、現像剤を「トナー」と称し、現像剤像を「トナー像」と称する。
【0030】
転写ユニット30は、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像を用紙に転写するユニットである。転写ユニット30は、転写ローラ31及び搬送ベルト5を備えている。転写ローラ31は、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像を引き寄せて、トナー像を感光体ドラム21から用紙に転写する転写部材である。転写ローラ31は、感光体ドラム21と対向するように、搬送ベルト5の内周に、設けられている。搬送ベルト5は、4つの現像ユニット20K,20Y,20M,20Cの各感光体ドラム21K,21Y,21M,21Cに沿って、用紙を搬送する搬送部材である。
【0031】
転写ローラ31は、トナー像と逆極性の電圧が印加される。これにより、転写ローラ31は、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像を引き寄せる。その際に、搬送ベルト5が、用紙を搬送する。これにより、転写ユニット30は、トナー像を感光体ドラム21から用紙に転写する。
【0032】
プリンタ1は、カラー画像を形成する場合に、4つの現像ユニット20K,20Y,20M,20Cで、各4つの現像ユニット20K,20Y,20M,20Cに対応する色のトナー像を形成し、各色のトナー像を用紙に重ねて転写する。これにより、プリンタ1は、カラーのトナー像を用紙の表面に形成する。
【0033】
プリンタ1は、トナー像を用紙に転写すると、用紙を定着器40に搬送する。定着器40は、用紙を加熱及び加圧することによって、トナーを溶融させて、トナー像を記録媒体に定着するユニットである。プリンタ1は、トナー像を用紙に定着させると、搬送ローラ4c及び排出搬送ローラ6によって用紙を搬送して、用紙を外部に排出する。その結果、用紙は、上部カバー7に設けられたスタッカ8に集積される。
【0034】
<交換ユニットの構成>
係る構成において、現像ユニット20は、前記した通り、プリンタ1に対して取り外し及び装着が自在な交換ユニットとして構成されている。また、現像ユニット20は、取り外し及び装着が自在な交換ユニットとして、後記するトナーカートリッジ61(図2参照)を備えている。つまり、現像ユニット20及びトナーカートリッジ61は、本体装置としてのプリンタ1に対して、ともに、着脱自在な構造となっている。現像ユニット20は、第1交換ユニットであり、特許請求の範囲に記載された「第1ユニット」に相当する。また、トナーカートリッジ61は、第2交換ユニットであり、特許請求の範囲に記載された「第2ユニット」に相当する。なお、プリンタ1は、現像ユニット20及びトナーカートリッジ61の交換を行うために、上部カバー7が開閉自在な構成となっている。
【0035】
以下、図2〜図5を参照して、本実施形態1に係る交換ユニットの構成につき説明する。図2は、実施形態1に係る交換ユニットの構成を示す断面図である。図2は、第1交換ユニットとしての現像ユニット20及び第2交換ユニットとしてのトナーカートリッジ61の断面構成を示している。図3〜図5は、それぞれ、実施形態1に係る交換ユニットの構成を示す斜視図である。図3は、トナーカートリッジ61が装着された状態の現像ユニット20の構成を示している。図4は、トナーカートリッジ61が取り外された状態の現像ユニット20の構成を示している。図5は、トナーカートリッジ61の構成を示している。
【0036】
なお、プリンタ1は、前記した通り、4つの現像剤ユニット20K,20Y,20M,20Cが設けられているが、4つの現像剤ユニット20K,20Y,20M,20Cは、使用されるトナーの色が異なる以外は、同じ構成となっている。また、4つの現像剤ユニット20K,20Y,20M,20Cに用いられる4つのトナーカートリッジ61K,61Y,61M,61Cは、内部に収容されるトナーの色が異なる以外は、同じ構成となっている。
【0037】
図2に示すように、現像ユニット20は、感光体ドラム21、帯電ローラ22、現像ローラ23、トナー供給ローラ24、現像ブレード25、クリーニングブレード26、トナー貯蔵室27、及び、撹拌バー28を有している。
【0038】
感光体ドラム21は、静電潜像及びトナー像を担持する像担持体である。
帯電ローラ22は、感光体ドラム21の表面を一様かつ均一に帯電させる帯電部材である。帯電ローラ22は、感光体ドラム21と接触するように設けられている。
【0039】
現像ローラ23は、感光体ドラム21に供給するトナーを担持する現像剤担持体である。現像ローラ23は、感光体ドラム21と接触するように、設けられている。現像ローラ23は、トナーを担持し、その回転に伴って、トナーを感光体ドラム21に供給する。これにより、現像ローラ23は、トナーを感光体ドラム21の表面に付着させて、感光体ドラム21に形成された静電潜像をトナー像として現像(可視像化)する。
【0040】
トナー供給ローラ24は、トナーを現像ローラ23に供給する現像剤供給部材である。トナー供給ローラ24は、現像ローラ23と接触するように、設けられている。
現像ブレード25は、現像ローラ23に供給されたトナーの層の厚さを規制する現像剤層厚規制部材である。現像ブレード25は、先端が現像ローラ23と接触するように、設けられている。
【0041】
クリーニングブレード26は、転写処理後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーを感光体ドラム21から除去する現像剤除去部材である。
トナー貯蔵室27は、現像ローラ23に供給するトナーを一時的に貯蔵する現像剤貯蔵室である。
撹拌バー28は、トナー貯蔵室27の内部のトナーを撹拌する撹拌部材である。
【0042】
さらに、現像ユニット20は、取り外し及び装着が自在な交換ユニットとして、トナーカートリッジ61を備えている。トナーカートリッジ61は、現像に使用するトナーを収容する現像剤収容器である。
【0043】
トナーカートリッジ61は、トナー供給口62が底部に設けられている。トナー供給口62は、トナーカートリッジ61に収容されたトナーをトナー貯蔵室27に供給するために設けられた現像剤供給口である。トナー供給口62は、開閉部材としてのシャッタ63によって開閉される。
【0044】
トナーカートリッジ61は、図示せぬロック機構によって、現像ユニット20に固定される。そのロック機構は、シャッタ63と係合しており、シャッタ63の位置に応じて、開錠状態及び施錠状態のいずれか一方の状態になる。
【0045】
例えば、ユーザは、トナーカートリッジ61の内部のトナーが消費されて空になると、古いトナーカートリッジ61a(図示せず)を新しいトナーカートリッジ61b(図示せず)に交換する。このとき、ユーザは、シャッタ63を、図3に示す矢印A方向に回動させる。これにより、ロック機構が開錠される。なお、図3は、トナーカートリッジ61及び現像ユニット20の構成が容易に理解できるように、後方から見たトナーカートリッジ61及び現像ユニット20の構成を示している。
【0046】
ユーザは、ロック機構が開錠されると、現像ユニット20から古いトナーカートリッジ61aを取り外し、代わりに、新しいトナーカートリッジ61bを現像ユニット20に装着する。このとき、ユーザは、図3に示す矢印C方向に沿って、新しいトナーカートリッジ61bを現像ユニット20に装着する。
【0047】
この後、ユーザは、シャッタ63を、図3に示す矢印B方向に回動させる。これにより、ロック機構が施錠される。このとき、トナーカートリッジ61bの内部のトナーは、トナー供給口62を介して、トナーカートリッジ61bからトナー貯蔵室27に落下して、トナー貯蔵室27に収容される。このようにして、ユーザは、古いトナーカートリッジ61aを新しいトナーカートリッジ61bに交換する。
【0048】
なお、図1に示すLEDヘッド10は、帯電ローラ22と現像ローラ23との間で、感光体ドラム21と対向するように設けられる。また、図1に示す転写ユニット30の転写ローラ31は、現像ローラ23とクリーニングブレード26との間で、搬送ベルト5を介して、感光体ドラム21と対向するように設けられる。
【0049】
現像ユニット20の筐体は、図4に示すように、サイドプレート51R,51L、アッパフレーム52、及び、ベースフレーム53によって構成されている。サイドプレート51R,51Lは、現像ユニット20の側面をカバーするとともに、現像ユニット20の主要な構成要素(具体的には、感光体ドラム21、帯電ローラ22、現像ローラ23、トナー供給ローラ24、及び、現像ブレード25)の両端部を支持している。また、アッパフレーム52及びベースフレーム53は、現像ユニット20の前後及び上下の面をカバーしている。トナーカートリッジ61は、アッパフレーム52の上に装着される。
【0050】
サイドプレート51Lの内面には、第1嵌合部56(図3及び図4参照)が設けられている。第1嵌合部56は、トナーカートリッジ61に設けられた第2嵌合部66(図3及び図5参照)と嵌合する部位である。第1嵌合部56は、特許請求の範囲に記載された「第1ユニット嵌合部」に相当する。また、第2嵌合部66は、特許請求の範囲に記載された「第2ユニット嵌合部」に相当する。
【0051】
第1嵌合部56は、トナーカートリッジ61の内部に挿入されるように、サイドプレート51Lの内面から突出して設けられている。第1嵌合部56は、サイドプレート51Lから突出する凸部201と、凸部201に形成されたタグ収容部57と、タグ収容部57に配設された第1RFIDタグD1と、タグ収容部57を覆う第1蓋58とからなる。ここで、「RFIDタグ」とは、アンテナコイルを備え、外部の情報処理装置(ここでは、画像形成装置としてのプリンタ)と無線通信して、情報の書き込み及び読み取りを行う記憶装置である。ここでは、「RFIDタグ」は、交換ユニットに搭載されるデータキャリアとして用いている。なお、以下、タグ収容部57を後記するタグ収容部67(図5及び図6参照)と区別する場合に、タグ収容部57を「第1タグ収容部57」と称し、後記するタグ収容部67を「第2タグ収容部67」と称する。
【0052】
第1嵌合部56は、タグ収容部57が内部に設けられている。タグ収容部57は、無線によって記憶された情報の識別が可能な記憶部である第1RFIDタグD1を収容するために設けられた空間である。第1RFIDタグD1は、現像ユニット20に関する管理情報を記憶する第1データキャリアであり、特許請求の範囲に記載された「第1記憶部」に相当する。
【0053】
第1RFIDタグD1は、4つの現像剤ユニット20K,20Y,20M,20Cのそれぞれに設けられた4つの第1嵌合部56K,56Y,56M,56Cに、1つずつ収容される。各第1嵌合部56に収容された4つの第1RFIDタグD1K,D1Y,D1M,D1Cは、記憶される情報が異なる以外は、同じ構成となっている。
【0054】
第1嵌合部56は、第1RFIDタグD1がタグ収容部57に収容されると、第1RFIDタグD1が脱落しないようにするための、タグ収容部57を封止する第1蓋58を有する。
【0055】
トナーカートリッジ61の筐体は、図5に示すように、第1筐体部としてのアウターフレーム64、及び、第2筐体部としてのサイドフレーム65によって構成されている。アウターフレーム64は、トナーカートリッジ61の前後及び上下の面をカバーしている。アウターフレーム64は、トナー供給口62(図2参照)が底面に設けられており、底面でアッパフレーム52(図4参照)と当接する。また、アウターフレーム64は、シャッタ63のユーザによって握られる部分のみが外部に露出するように、シャッタ63を内部に収容している。サイドフレーム65は、トナーカートリッジ61の側面をカバーしている。
【0056】
サイドフレーム65の外面には、第2嵌合部66(図3及び図5参照)が設けられている。第2嵌合部66は、現像ユニット20に設けられた第1嵌合部56(図3及び図4参照)と嵌合する部位である。第1嵌合部56は、サイドフレーム65に形成された凹部202と、凹部202を形成する壁部203に形成された第2タグ収容部67と、第2タグ収容部67に配設された第2RFIDタグD2と、第2タグ収容部67を覆う第2蓋68とからなる。第2嵌合部66には、第1嵌合部56を嵌入するための空間である凹部202(図5参照)が、現像ユニット20の長手方向に設けられている。
【0057】
第2嵌合部66は、タグ収容部67が内部に設けられている。タグ収容部67は、無線によって記憶された情報の識別が可能な記憶部である第2RFIDタグD2を収容するために設けられた空間である。第2RFIDタグD2は、トナーカートリッジ61に関する管理情報を記憶する第2データキャリアである。特許請求の範囲に記載された「第2記憶部」に相当する。
【0058】
第2RFIDタグD2は、4つのトナーカートリッジ61K,61Y,61M,61Cのそれぞれに設けられた4つの第2嵌合部66K,66Y,66M,66Cに、1つずつ収容される。各第2嵌合部66に収容された4つの第2RFIDタグD2K,D2Y,D2M,D2Cは、記憶される情報が異なる以外は、同じ構成となっている。
【0059】
第2嵌合部66は、第2RFIDタグD2がタグ収容部67に収容されると、第2RFIDタグD2が脱落しないようにするための、タグ収容部67を封止する第2蓋68を有する。
【0060】
(嵌合部の位置関係)
本実施形態1では、プリンタ1は、4つの第1RFIDタグD1と4つの第2RFIDタグD2とを搭載し、4つの通信アンテナ83でこれらから情報を読み取る。その際に、4つの通信アンテナ83は、互いに位相の近い電磁波を用いるため、他の通信アンテナ83の通信に干渉する可能性がある。そのため、4つの第1RFIDタグD1、4つの第2RFIDタグD2、及び、4つの通信アンテナ83は、正確に位置合わせされる必要がある。本実施形態1では、プリンタ1は、第1嵌合部56と第2嵌合部66とによって、通信アンテナ83に対する第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2の位置合わせを行う構成となっている。
【0061】
以下、図6を参照して、トナーカートリッジ61を現像ユニット20に装着する場合の、第1嵌合部56と第2嵌合部66との位置関係につき説明する。図6は、実施形態1に係る交換ユニットの要部の構成を示す断面図である。図6は、図1及び図3に示す面Eにおいて矢印F方向から見た、第1交換ユニットとしての現像ユニット20の第1嵌合部56と第2交換ユニットとしてのトナーカートリッジ61の第2嵌合部66とが嵌合する直前の状態を示している。
【0062】
図6に示すように、現像ユニット20の第1嵌合部56に装着された第1蓋58の先端には、斜面58aが設けられている。また、トナーカートリッジ61の第2嵌合部66に装着された第2蓋68の先端には、斜面68aが設けられている。斜面58a及び斜面68aは、第1嵌合部56及び第2嵌合部66を互いに所定の位置に誘い込むように機能する。これにより、第1嵌合部56及び第2嵌合部66は、トナーカートリッジ61と現像ユニット20との装着性を向上させている。斜面58a及び斜面68aは、それぞれ、特許請求の範囲に記載された「傾斜部」に相当する。
【0063】
係る構成において、第1嵌合部56及び第2嵌合部66は、トナーカートリッジ61が図6に示す矢印D方向に沿って現像ユニット20に装着されると、第1蓋58に形成された第1位置決め部58bと凹部202に形成された第2位置決め部202bとが突き当たることによって、所定の位置に位置決めされる。なお、「所定の位置」とは、第1RFIDタグD1の後記する第1アンテナ部としてのアンテナコイル73a及び第2RFIDタグD2の後記する第2アンテナ部としてのアンテナコイル73bが、一部だけ重なる(図13(b)参照)とともに、通信アンテナ83の通信可能範囲内で、通信アンテナ83(厳密には、通信アンテナ83の第3アンテナ部としてのアンテナコイル93(図11及び図13(b)参照))に対して略平行に配置される(図12参照)位置である。
【0064】
ここで、カバー7は、図1に示すように、本体装置としてのプリンタ1に配置され、支点部Oに支持されており、矢印P方向に開閉する。カバー7に取り付けられたホルダー部11及び露光ユニットとしてのLEDヘッド10は、カバー7の回動に伴って、現像ユニット20に対して離接する動作をする構造となっている。
【0065】
図7は、実施形態1に用いる露光ユニットの要部の構成を示す図である。図7は、露光ユニットとしてのLEDヘッド10を図1に示す転写ユニット30側から見たときの斜視図である。図7に示すように、LEDヘッド10は、レンズユニット10aと、レンズユニット10aに対向配列された図示せぬLED素子と、レンズユニット10a及びLED素子を保持するホルダ部10bとからなる。また、ホルダ部10bには、第4位置決め部M1,M2が形成されている。
【0066】
カバー7が、図1に示すように、閉状態にある場合に、現像ユニット20に形成された図3に示す第3位置決め部20A,20BとLEDヘッド10に形成された図7に示す第4位置決め部M1,M2とが係合することにより、LEDヘッド10を介してホルダー部11に配置された通信アンテナ83が第1嵌合部56及び第2嵌合部66の嵌合位置に対向するように、位置決めされる。これにより、通信アンテナ83と第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2との重なり方向Xへの位置決めがなされる。
【0067】
なお、通信アンテナ83は、プリンタ1が第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2と無線通信するために設けられた平面形状のアンテナである。本実施形態1では、プリンタ1は、通信アンテナ83の数を減らすために、1つの通信アンテナ83で2つの第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2と通信する構成となっている。
【0068】
したがって、通信アンテナ83は、近接して配置された2つのデータキャリア(ここでは、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2)とで一単位の通信グループを構成している。なお、プリンタ1は、その通信グループを複数単位有する構成となっている。各通信アンテナ83は、他の通信グループのデータキャリアとは通信不可能な程度の弱い電磁波を出力する構成となっている。
【0069】
そのために、通信アンテナ83は、図12に示すように、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2に対して略平行でかつ近接する位置に配置される。本実施形態1では、通信アンテナ83は、LEDヘッド10を上部カバー7に取り付けるために設けられたホルダー部11(図1参照)に収容されており、これによって、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2に対して略平行でかつ近接対向する位置に配置されるものとして説明する。
【0070】
ただし、それだけでは、プリンタ1は、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2と確実に通信するために、通信アンテナ83の出力を上げたり、通信アンテナ83のサイズ(面積)を大きくしたりする必要がある。そこで、プリンタ1は、第1嵌合部56及び第2嵌合部66を前記した「所定の位置」に位置決めして、通信アンテナ83と第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2とを好適な位置に配置する。これによって、プリンタ1は、弱い電磁波でも確実な通信を行うようにし、このような事象(通信アンテナ83の出力を上げたり、通信アンテナ83のサイズを大きくしたりする事象)を回避する。つまりは、読取部であって通信部としての通信アンテナ83の受信部としてのアンテナコイル93の面積を小さくすることができる。以下、通信アンテナ83と第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2との詳細につき説明する。
【0071】
(データキャリアの構成)
まず、図8を参照して、第1データキャリアとしての第1RFIDタグD1及び第2データキャリアとしての第2RFIDタグD2の構成につき説明する。図8は、実施形態1に用いるデータキャリアの構成を示す図である。図8に示すように、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2は、いずれも、矩形の形状に形成された基板71の上に、ICチップ72及びアンテナコイル73を備えた構成となっている。
【0072】
ICチップ72は、アンテナコイル73によって受信した高周波電力を電源電力とし、各種の演算を実行するとともに、通信を行う機能手段である。ICチップ72は、基板71のほぼ中央に配置されている。ICチップ72は、図示せぬ記憶素子を含んでおり、メモリ部材としても機能する。ICチップ72は、図示せぬ記憶素子に、現像ユニット20に関する情報又はトナーカートリッジ61に関する情報を記憶している。ICチップ72は、プリンタ1から出力される命令に応じて、記憶素子に記憶された情報を読み出してプリンタ1に出力したり、情報を記憶素子に書き込んだりする。
【0073】
アンテナコイル73は、通信アンテナ83から高周波電力を受信し、通信を行うための平面形状のアンテナである。アンテナコイル73は、ICチップ72を中心に外側に広がるように、渦巻状の導通パタンのアンテナとして同一平面内に形成されている。アンテナコイル73は、特許請求の範囲に記載された「データキャリアのアンテナ」に相当する。
【0074】
(データキャリアに記憶される情報の一例)
次に、図9を参照して、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2に記憶される情報の一例につき説明する。図9は、実施形態1に用いるデータキャリアに記憶される情報の一例を示す図である。図9(a)は、第1RFIDタグD1に記憶される情報の例を示しており、図9(b)は、第2RFIDタグD2に記憶される情報の例を示している。
【0075】
図9(a)に示す例では、第1RFIDタグD1は、現像ユニット20の管理情報として、対応機種情報d1a、印刷可能枚数情報d1b、及び、現像ユニット使用量情報d1cを記憶している。プリンタ1は、RF読み書き制御部81が、第1RFIDタグD1からこれらの情報を読み出して、カラープリンタ制御部82に出力する。カラープリンタ制御部82は、これらの情報が入力されると、予め定められた演算を実行する。
【0076】
対応機種情報d1aは、現像ユニット20を使用することができるプリンタ1の機種を表している。プリンタ1のカラープリンタ制御部82は、第1RFIDタグD1に記憶された対応機種情報d1aとプリンタ1の図示せぬ記憶部に予め記憶されたプリンタ1自身の機種情報(図示せず)とを比較し、双方が一致しない場合に、間違った現像ユニット20がプリンタ1に装着されている、と判定する。この場合に、カラープリンタ制御部82は、図示せぬ音声出力部から警報音を発生したり、図示せぬ表示部に警告情報を表示したりして、間違った現像ユニット20がプリンタ1に装着されたことをユーザに通知する。
【0077】
印刷可能枚数情報d1bは、現像ユニット20が印刷可能な用紙枚数を表している。プリンタ1のカラープリンタ制御部82は、第1RFIDタグD1に記憶された印刷可能枚数情報d1bに基づいて、印刷可能な用紙枚数を特定し、印刷が実行される都度、印刷可能な用紙枚数を減算する。そして、カラープリンタ制御部82は、RF読み書き制御部81を介して、減算した後の印刷可能な用紙枚数を、更新後の新たな印刷可能枚数情報d1bとして、第1RFIDタグD1に記憶させる。このようにして、カラープリンタ制御部82は、現像ユニット20が印刷可能な残りの用紙枚数を管理する。なお、印刷可能枚数情報d1bは、プリンタ1が5%の印刷密度でA4サイズの用紙に印刷した場合の印刷可能な用紙枚数を表している。そのため、カラープリンタ制御部82は、A4サイズ以外の用紙に印刷した場合に、A4サイズの大きさに換算して、印刷可能な残りの用紙枚数を管理する。
【0078】
現像ユニット使用量情報d1cは、A4サイズの大きさで換算された、現像ユニット20が既に印刷した用紙枚数を表している。プリンタ1のカラープリンタ制御部82は、現像ユニット使用量情報d1cに基づいて、現像ユニット20が既に印刷した用紙枚数を特定し、印刷が実行される都度、印刷した用紙枚数を加算する。そして、カラープリンタ制御部82は、RF読み書き制御部81を介して、加算した後の印刷した用紙枚数を、更新後の新たな現像ユニット使用量情報d1cとして、第1RFIDタグD1に記憶させる。このようにして、カラープリンタ制御部82は、現像ユニット20の使用量を管理する。
【0079】
一方、図9(b)に示す例では、第2RFIDタグD2は、トナーカートリッジ61の管理情報として、対応現像ユニット情報d2a、印刷可能枚数情報d2b、トナー使用量情報d2c、及び、トナー空情報d2dを記憶している。プリンタ1は、第1RFIDタグD1から情報を読み出す場合と同様に、RF読み書き制御部81が、第2RFIDタグD2からこれらの情報を読み出して、カラープリンタ制御部82に出力する。カラープリンタ制御部82は、これらの情報が入力されると、予め定められた演算を実行する。
【0080】
対応現像ユニット情報d2aは、トナーカートリッジ61を使用することができる現像ユニット20の機種を表している。プリンタ1のカラープリンタ制御部82は、第2RFIDタグD2に記憶された対応ユニット情報d2aとプリンタ1の図示せぬ記憶部に予め記憶された現像ユニット20のユニット情報(図示せず)とを比較し、双方が一致しない場合に、間違ったトナーカートリッジ61が現像ユニット20に装着されている、と判定する。この場合に、カラープリンタ制御部82は、図示せぬ音声出力部から警報音を発生したり、図示せぬ表示部に警告情報を表示したりして、間違ったトナーカートリッジ61が現像ユニット20に装着されたことをユーザに通知する。
【0081】
印刷可能枚数情報d2bは、トナーカートリッジ61に収容されたトナーの量で印刷可能な用紙枚数を表している。プリンタ1のカラープリンタ制御部82は、印刷可能枚数情報d2bに基づいて、印刷可能な用紙枚数を特定し、印刷が実行される都度、印刷可能な用紙枚数を減算する。そして、カラープリンタ制御部82は、RF読み書き制御部81を介して、減算した後の印刷可能な用紙枚数を、更新後の新たな印刷可能枚数情報d2bとして、第2RFIDタグD2に記憶させる。このようにして、カラープリンタ制御部82は、トナーカートリッジ61に収容されたトナーの量で印刷可能な残りの用紙枚数を管理する。なお、印刷可能枚数情報d2bは、プリンタ1が5%の印刷密度でA4サイズの用紙に印刷した場合の印刷可能な用紙枚数を表している。そのため、カラープリンタ制御部82は、A4サイズ以外の用紙に印刷した場合に、A4サイズの大きさに換算して、印刷可能な残りの用紙枚数を管理する。
【0082】
トナー使用量情報d2cは、トナーカートリッジ61の既に使用されたトナーの量(以下、「使用トナー量」と称する)を表している。プリンタ1のカラープリンタ制御部82は、トナー使用量情報d2cに基づいて、使用トナー量を特定し、印刷が実行される都度、使用されたトナーの量を加算する。そして、カラープリンタ制御部82は、RF読み書き制御部81を介して、加算した後の使用トナー量を、更新後の新たなトナー使用量情報d2cとして、第2RFIDタグD2に記憶させる。また、カラープリンタ制御部82は、トナーカートリッジ61に設定されたトナーの収容量から使用トナー量を減算して、トナーカートリッジ61の内部のトナーの残量を特定する。このようにして、カラープリンタ制御部82は、トナーカートリッジ61の内部のトナーの残量を管理し、トナーの残量が所定量よりも少なくなると、図示せぬ音声出力部から警報音を発生したり、図示せぬ表示部に警告情報を表示したりして、トナー補給が必要であることをユーザに通知する。
【0083】
トナー空情報d2dは、トナーカートリッジ61の内部のトナーが消費されて空の状態になったこと及び空の状態になった累計回数を表している。プリンタ1のカラープリンタ制御部82は、例えば、トナーカートリッジ61が空の状態になった場合に、トナー空情報d2dに基づいて、トナーカートリッジ61が何度リサイクルして使用されたかを確認し、トナーカートリッジ61をさらにリサイクルして使用することが可能か否かを判定する。また、カラープリンタ制御部82は、カラープリンタ制御部82は、RF読み書き制御部81を介して、トナーカートリッジ61の空の状態になった累計回数を1つ加算して、RF読み書き制御部81を介して、加算した後の新たな累計回数を、トナー空情報d2dとして、第2RFIDタグD2に記憶させる。このようにして、カラープリンタ制御部82は、トナー空情報d2dに基づいて、トナーカートリッジ61の使用履歴を管理する。
【0084】
(画像形成装置の通信系の構成)
次に、図10を参照して、プリンタ1の通信系の構成につき説明する。図10は、実施形態1に係る画像形成装置の通信系の構成を示すブロック図である。図10に示すように、プリンタ1は、RF読み書き制御部81及びカラープリンタ制御部82を有している。
【0085】
RF読み書き制御部81は、通信アンテナ83を介して、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2の双方に高周波電力を供給し、双方と無線通信する機能手段である。RF読み書き制御部81は、信号線を介して、通信アンテナ83K,83Y,83M,83C及びカラープリンタ制御部82に接続されている。通信アンテナ83K,83Y,83M,83Cは、それぞれ、4つの現像ユニット20K,20Y,20M,20Cのそれぞれに対応する各LEDヘッド10K,10Y,10M,10Cを固定するホルダー部11K,11Y,11M,11C(図1参照)に収容されている。RF読み書き制御部81は、信号線を介して、カラープリンタ制御部82から制御信号を受信し、電源電力が供給される。これにより、RF読み書き制御部81は、通信アンテナ83を介して、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2との間で情報の読み出し又は書き込み等の通信制御を実行したり、カラープリンタ制御部82との間で情報の送受信を実行したりする。
【0086】
カラープリンタ制御部82は、プリンタ1の動作を制御する機能手段である。カラープリンタ制御部82は、RF読み書き制御部81を介して、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2の双方と通信することにより、予め定められた演算を実行する処理部として機能する。カラープリンタ制御部82は、特許請求の範囲に記載された「情報処理部」に相当する。
【0087】
(画像形成装置の通信アンテナの構成)
次に、図11を参照して、プリンタ1の通信アンテナ83の構成につき説明する。図11は、実施形態1に係る画像形成装置の通信アンテナの構成を示す図である。図11に示すように、通信アンテナ83は、矩形の形状に形成された基板91の上に、I/Fコネクタ92及びアンテナコイル93を備えた構成となっている。
【0088】
I/Fコネクタ92は、RF読み書き制御部81からの同軸ケーブルが接続されるコネクタである。I/Fコネクタ92は、基板91のほぼ中央に配置されており、アンテナコイル93に接続されている。
【0089】
アンテナコイル93は、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2の双方に高周波電力を供給し、双方と無線通信するためのアンテナである。アンテナコイル73は、I/Fコネクタ92を中心に外側に広がるように、渦巻状の導通パタンのアンテナとして形成されている。
【0090】
(画像形成装置の通信アンテナとデータキャリアの配置関係)
次に、図12を参照して、通信アンテナ83と第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2との配置関係につき説明する。図12は、実施形態1に係る画像形成装置の通信アンテナと交換ユニットに搭載されたデータキャリアとの配置関係を示す断面図である。図12は、図1に示す面Eの断面をF方向から見たときの断面の形状を示している。また、図12は、矢印F方向から見た、現像ユニット20の第1嵌合部56とトナーカートリッジ61の第2嵌合部66とが嵌合している状態を示している。
【0091】
図12に示すように、現像ユニット20の第1嵌合部56とトナーカートリッジ61の第2嵌合部66とは、通信アンテナ83の近傍の位置で、通信アンテナ83に対向するように嵌合する。このとき、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2の双方のアンテナコイル73(図8参照)は、それぞれ、通信アンテナ83の通信可能範囲内で、通信アンテナ83のアンテナコイル93(図11参照)に対して略平行になるように、配置される。なお、「略平行」とは、予め定められた許容角度以内で、平行であることを意味している。なお、許容角度は、具体的には、±10度以内とすることが好ましい。
【0092】
(データキャリアに対する画像形成装置の通信アンテナのサイズ)
次に、図13を参照して、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2に対する通信アンテナ83のサイズ(面積)につき説明する。図13は、実施形態1に係る画像形成装置の通信アンテナと交換ユニットに搭載されたデータキャリアとのサイズの関係を示す図である。図13は、図12に示すG方向から、第1RFIDタグD1、第2RFIDタグD2、及び、通信アンテナ83を見たときの状態を示している。
【0093】
通信アンテナ83のアンテナコイル93は、1つで、第1RFIDタグD1のアンテナコイル73a及び第2RFIDタグD2のアンテナコイル73bをカバーするサイズ(面積)に形成される必要がある。しかしながら、通信アンテナ83のアンテナコイル93は、図13(a)に示すように、アンテナコイル73a及びアンテナコイル73bが通信アンテナ83側から見て重ならないように配置されると、非常に大きなサイズになってしまう。通信アンテナ83のアンテナコイル93は、通信アンテナ83の実装密度を低減するために、できるだけ小さなサイズに形成されることが好ましい。
【0094】
そこで、本実施形態1では、通信アンテナ83のアンテナコイル93は、図13(b)に示すように、第1アンテナ部としてのアンテナコイル73a及び第2アンテナ部としてのアンテナコイル73bが通信アンテナ83側から見て重なるように配置される。つまり、第1記憶部としての第1RFIDタグD1と第2記憶部としての第2RFIDタグD2とが、通信部としての通信アンテナ83から見て重なるように配置される。
【0095】
ただし、通信アンテナ83は、アンテナコイル73a及びアンテナコイル73bが完全に重なってしまうと、通信不良が発生する。そのため、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2は、アンテナコイル73a及びアンテナコイル73bが完全に重ならないように、上下左右のいずれかの方向(斜め方向を含む)に位置をずらして配置される。すなわち、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2は、アンテナコイル73a及びアンテナコイル73bが、一部だけ重なるとともに、通信アンテナ83の通信可能範囲内で、通信アンテナ83のアンテナコイル93に対して略平行に配置される。
【0096】
第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2との重なり量Wは、第1RFIDタグD1に形成されたアンテナコイル73aが配置された領域面積の85%以下とすることが好ましい。これは、それ以上重ねてしまうと、第1RFIDタグD1と通信アンテナ83との間の通信不良や、第2RFIDタグD2と通信アンテナ83との間の通信不良が発生する場合があるためである。
【0097】
本実施形態1では、第1RFIDタグD1を形成する第1アンテナ部としてのアンテナコイル73aは、ICチップ72の上下左右方向において隣り合うコイルが略同一ピッチになるように配置されている。そして、アンテナコイル73aは、ICチップ72が配置される中心部を除いて、第1RFIDタグD1に対する面積密度が略均一になっている。
【0098】
ICチップ72を中心に配置して前記のように第1RFIDタグD1を構成したのは、第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2とを前記の条件で重ねた場合に、ICチップ72の周辺のアンテナコイル73a,73bの面積密度の不均一な領域が第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2との重複する領域に位置するように構成することにより、重なり量Wを増やして、実装領域を減らしつつ、通信不良の発生を回避するためである。さらに、本構成により、第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2との部品を共通化するためである。
【0099】
また、本実施形態1では、第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2との重なり方向Xの幅Lを15mmとし、第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2との重なり方向Xへの重なり量Wを10mmとし、非重なり量dを5mmとした。
【0100】
このように、本実施形態1では、装置の通信系は、第1ユニット嵌合部としての第1嵌合部56と第2ユニット嵌合部としての第2嵌合部66とが嵌合する位置に対向するように、読取部としての通信アンテナ83を配置することで、1つの通信アンテナ83で、複数の記憶部としてのRFIDタグ(D1,D2)の情報を読み取ることができる。
【0101】
また、このような通信アンテナ83は、図13(b)に示すように、一部だけ重なるように配置されたアンテナコイル73a及びアンテナコイル73bの投影部分を囲むように形成すればよいため、サイズ(面積)の大幅な小型化が可能となる。しかも、通信アンテナ83は、小型化されても、1つで第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2の双方と確実に通信することができる。また、プリンタ1は、通信アンテナ83の数が減るため、通信系の部品点数を減らすことができる。
【0102】
本実施形態1では、第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2との重なり方向Xへの位置決めをするために、第1位置決め部58b、第2位置決め部202b、第3位置決め部20A,20B、第4位置決め部M1,M2とによって、第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2と通信アンテナ83とをX方向に位置決めする構造とした。
【0103】
これによって、通信アンテナ83の第3アンテナ部の面積を小さくしつつ、通信不良が発生しない構造を実現した。さらに、第1RFIDタグD1と第2RFIDタグD2と通信アンテナ83とを、X方向に対して略垂直なY方向の位置決めを行うことにより、通信アンテナ83の第3アンテナ部としてのアンテナコイル93のY方向への面積をより精度良く規定して、第3アンテナ部のY方向への面積を小さくすることができる。
【0104】
また、現像ユニット20及びトナーカートリッジ61は、トナーカートリッジ61を現像ユニット20に装着する場合に、第1蓋58の斜面58a及び第2蓋68の斜面68aが、現像ユニット20の第1嵌合部56とトナーカートリッジ61の第2嵌合部66とを誘導する。これによって、現像ユニット20及びトナーカートリッジ61は、互いに近接した所定の位置に位置決めされる。そのため、第1嵌合部56に収容された第1RFIDタグD1及び第2嵌合部66に収容された第2RFIDタグD2は、互いの位置精度及び通信アンテナ83に対する位置精度が向上し、これによって、弱い電磁波でも確実な通信を行うことができる。その結果、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2は、通信アンテナ83との通信エラーの発生を抑制することができる。
【0105】
このようなプリンタ1は、現像ユニット20の第1嵌合部56が第1RFIDタグD1を収容し、トナーカートリッジ61の第2嵌合部66が第2RFIDタグD2を収容し、第1嵌合部56及び第2嵌合部66が通信アンテナ83の近傍で嵌合する。これにより、プリンタ1は、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2の双方を高密度に実装することができ、かつ、通信アンテナ83を小型化しても、1つの通信アンテナ83で第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2の双方と通信することができる。
【0106】
また、プリンタ1は、第1嵌合部56及び第2嵌合部66によって第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2を所定の位置に位置決めする。そのため、プリンタ1は、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2の位置精度、通信アンテナ83に対する第1RFIDタグD1の位置精度、並びに、通信アンテナ83に対する第2RFIDタグD2の位置精度が向上し、これによって、弱い電磁波でも確実な通信を行うことができる。その結果、プリンタ1は、通信アンテナ83の出力を抑制しても、通信エラーの発生を抑制することができる。
【0107】
また、プリンタ1は、通信系の部品点数を減らすことができるとともに、通信系の構成を簡素にすることができるため、製造コストの上昇を抑制することができ、その結果、安価で提供することができる。
【0108】
以上の通り、本実施形態1に係るプリンタ1によれば、小出力の通信アンテナ83で、2つの交換ユニット(ここでは、現像ユニット20及びトナーカートリッジ61)に搭載された2つのデータキャリア(ここでは、第1RFIDタグD1及び第2RFIDタグD2)と確実に通信することができる。
【0109】
[実施形態2]
以下、図14及び図15を参照して、本実施形態2に係る交換ユニットとしてのトナーカートリッジ61Aa,61Abの構成、並びに、本実施形態2に係る情報処理装置の一形態としてのプリンタ1Aの構成につき説明する。図14は、実施形態2に係る交換ユニットの構成を示す斜視図である。図15は、実施形態2に係る交換ユニットの要部の構成を示す斜視図である。図15は、斜め上方から見た、トナーカートリッジ61Aaに設けられた第3嵌合部66Aa及びトナーカートリッジ61Abに設けられた第4嵌合部66Abが、それぞれ、プリンタ1Aに設けられた第1挿入口103a及び第2挿入口103bに挿入される直前の状態を示している。トナーカートリッジ61Aaは、第3交換ユニットであり、特許請求の範囲に記載された「第1ユニット」に相当する。また、トナーカートリッジ61Abは、第4交換ユニットであり、特許請求の範囲に記載された「第2ユニット」に相当する。また、第3嵌合部66Aa及び第4嵌合部66Abは、それぞれ、特許請求の範囲に記載された「第1ユニット嵌合部」及び「第2ユニット嵌合部」に相当する。
【0110】
図14及び図15に示すように、トナーカートリッジ61Aa,61Abは、2つで一組になって利用される。すなわち、本実施形態2では、プリンタ1Aに用いられる4つのトナーカートリッジの中の隣接する2つのトナーカートリッジは、一方がトナーカートリッジ61Aaとして構成され、他方がトナーカートリッジ61Abとして構成される。ここでは、ブラック(K)及びマゼンタ(M)に対応するトナーカートリッジがトナーカートリッジ61Aaとして構成されており、イエロー(Y)及びシアン(C)に対応するトナーカートリッジがトナーカートリッジ61Abとして構成されている場合を想定して説明する。なお、4つのトナーカートリッジの配置位置は、実施形態1に係るプリンタ1(図1参照)と同様である。以下、4つのトナーカートリッジを区別する場合に、それぞれを、「トナーカートリッジ61AaK,61AbY,61AaM,61AbC」と称する。
【0111】
トナーカートリッジ61Aaは、サイドフレーム65Aaによって、側面がカバーされている。そのサイドフレーム65Aaの外面には、突起状の第3嵌合部66Aaが設けられている。第3嵌合部66Aaは、プリンタ1Aの筐体101に設けられた第1挿入口103a(図15参照)に挿入する部位である。第3嵌合部66Aaは、サイドフレーム65Aaの外面から、トナーカートリッジ61Aaの横方向(延伸方向)に真っ直ぐに突出している。
【0112】
第3嵌合部66Aaは、タグ収容部67Aaが内部に設けられている。タグ収容部67Aaは、無線によって記憶された情報の識別が可能な記憶部である第3RFIDタグD3を収容するために設けられた空間である。第3RFIDタグD3は、トナーカートリッジ61Aaに関する管理情報を記憶する第3データキャリアである。第3RFIDタグD3は、実施形態1に係る第2RFIDタグD2と同様の構成になっている。第3RFIDタグD3は、特許請求の範囲に記載された「第1記憶部」に相当する。
【0113】
第3嵌合部66Aaは、第3RFIDタグD3がタグ収容部67Aaに収容されると、第3RFIDタグD3が脱落しないようにするための、タグ収容部67Aaを封止する第3蓋68Aaを有する。
【0114】
一方、トナーカートリッジ61Abは、サイドフレーム65Abによって、側面がカバーされている。そのサイドフレーム65Abの外面には、突起状の第4嵌合部66Abが設けられている。第4嵌合部66Abは、プリンタ1Aの筐体101に設けられた第2挿入口103b(図15参照)に挿入する部位である。第4嵌合部66Abは、サイドフレーム65Abの外面から、トナーカートリッジ61Abの横方向(延伸方向)に真っ直ぐに突出している。
【0115】
第4嵌合部66Abは、タグ収容部67Abが内部に設けられている。タグ収容部67Abは、無線によって記憶された情報の識別が可能な記憶部である第4RFIDタグD4を収容するために設けられた空間である。第4RFIDタグD4は、トナーカートリッジ61Abに関する管理情報を記憶する第4データキャリアである。第4RFIDタグD4は、第3RFIDタグD3とともに、実施形態1に係る第2RFIDタグD2と同様の構成になっている。第4RFIDタグD4は、特許請求の範囲に記載された「第2記憶部」に相当する。
【0116】
第4嵌合部66Abは、第4RFIDタグD4がタグ収容部67Abに収容されると、第4RFIDタグD4が脱落しないようにするための、タグ収容部67Abを封止する第4蓋68Abを有する。
【0117】
なお、トナーカートリッジ61Aa,61Abが装着される現像ユニットは、実施形態1に係る現像ユニット20(図4参照)に対して、サイドプレート51Lがサイドプレート51Rと面対称な形状となる。
【0118】
また、本実施形態2では、図15に示すように、プリンタ1Aは、筐体101の、4つのトナーカートリッジ61AaK,61AbY,61AaM,61AbCの端部と当接する位置に、2つの本体嵌合部102が設けられている。ただし、図15は、2つの本体嵌合部102のうちの一方のみを示している。本体嵌合部102は、トナーカートリッジ61Aaに設けられた第3嵌合部66Aa及びトナーカートリッジ61Abに設けられた第4嵌合部66Abと嵌合する部位である。なお、プリンタ1Aは、本体嵌合部102を有する以外は、実施形態1のプリンタ1(図1参照)と同様である。
【0119】
2つの本体嵌合部102は、それぞれ、第1挿入口103a、第2挿入口103b、及び、通信アンテナ104が設けられている。第1挿入口103aは、トナーカートリッジ61Aaに設けられた第3嵌合部66Aaが挿入される開口部である。第2挿入口103bは、トナーカートリッジ61Abに設けられた第4嵌合部66Abが挿入される開口部である。通信アンテナ104は、プリンタ1Aが第3RFIDタグD3及び第4RFIDタグD4と無線通信するために設けられた平面形状のアンテナである。
【0120】
本実施形態2では、プリンタ1Aは、実施形態1に係るプリンタ1と同様に、通信アンテナ104の数を減らすために、1つの通信アンテナ104で2つの第3RFIDタグD3及び第4RFIDタグD4と通信する構成となっている。
【0121】
したがって、通信アンテナ104は、実施形態1に係る通信アンテナ83と同様に、近接して配置された2つのデータキャリア(ここでは、第3RFIDタグD3及び第4RFIDタグD4)とで一単位の通信グループを構成している。なお、プリンタ1Aは、その通信グループを複数単位有する構成となっている。各通信アンテナ104は、実施形態1に係る通信アンテナ83と同様に、他の通信グループのデータキャリアとは通信不可能な程度の弱い電磁波を出力する構成となっている。
【0122】
そのために、通信アンテナ104(図14参照)は、第3RFIDタグD3(図14参照)及び第4RFIDタグD4(図14参照)に対して略平行でかつ近接する位置に配置される必要がある。本実施形態2では、プリンタ1Aは、図15に示すように、通信アンテナ104が第1挿入口103a及び第2挿入口103bと略平行に設けられており、第3RFIDタグD3を収容する第3嵌合部66Aaが第1挿入口103aに挿入され、第4RFIDタグD4を収容する第4嵌合部66Abが第2挿入口103bに挿入される構成となっている。これによって、通信アンテナ104は、第3RFIDタグD3及び第4RFIDタグD4に対して略平行でかつ近接する位置に配置される。
【0123】
ユーザは、トナーカートリッジ61Aaを交換する場合に、トナーカートリッジ61Aaの第3嵌合部66Aaを第1挿入口103aに挿入する。また、ユーザは、トナーカートリッジ61Abを交換する場合に、トナーカートリッジ61Abの第4嵌合部66Abを第2挿入口103bに挿入する。
【0124】
このとき、通信アンテナ104、第3RFIDタグD3、及び、第4RFIDタグD4は、通信アンテナ104の通信可能範囲内で、互いに略平行になるように配置される。
【0125】
ここで、図16を参照して、第3RFIDタグD3及び第4RFIDタグD4に対する通信アンテナ104のサイズにつき説明する。図16は、実施形態2に係る画像形成装置の通信アンテナと交換ユニットに搭載されたデータキャリアとのサイズの関係を示す図である。
【0126】
本実施形態2では、通信アンテナ104のアンテナコイル93は、図16に示すように、第3RFIDタグD3のアンテナコイル73c及び第4RFIDタグD4のアンテナコイル73dが通信アンテナ104側から見て重なるように配置される。
【0127】
ただし、通信アンテナ104は、アンテナコイル73c及びアンテナコイル73dが完全に重なってしまうと、通信不良が発生する。そのため、第3RFIDタグD3の及び第4RFIDタグD4は、アンテナコイル73c及びアンテナコイル73dが完全に重ならないように、上下左右のいずれかの方向(斜め方向を含む)に位置をずらして配置される。すなわち、第3RFIDタグD3の及び第4RFIDタグD4は、アンテナコイル73c及びアンテナコイル73dが、一部だけ重なるとともに、通信アンテナ104の通信可能範囲内で、通信アンテナ104のアンテナコイル93に対して略平行に配置される。
【0128】
このように、本実施形態1では、装置の通信系は、第1ユニット嵌合部としての第3嵌合部66Aaと第2ユニット嵌合部としての第4嵌合部66Abとの間の位置に、読取部としての通信アンテナ104を配置することで、1つの通信アンテナ104で、複数の記憶部としてのRFIDタグ(D3,D4)の情報を読み取ることができる。
【0129】
また、このような通信アンテナ104は、図16に示すように、実施形態1に係る通信アンテナ83と同様に、一部だけ重なるように配置されたアンテナコイル73c及びアンテナコイル73dの投影部分を囲むように形成すればよいため、サイズ(面積)の大幅な小型化が可能となる。しかも、通信アンテナ104は、小型化されても、1つで第3RFIDタグD3の及び第4RFIDタグD4の双方と確実に通信することができる。また、プリンタ1Aは、通信アンテナ104の数が減るため、通信系の部品点数を減らすことができる。
【0130】
また、トナーカートリッジ61Aa,61Abは、第3嵌合部66Aaがプリンタ1Aの第1挿入口103aに挿入され、第4嵌合部66Abがプリンタ1Aの第2挿入口103bに挿入される。これによって、トナーカートリッジ61Aa,61Abは、互いに近接した所定の位置に位置決めされる。そのため、第3嵌合部66Aaに収容された第3RFIDタグD3及び第4嵌合部66Abに収容された第4RFIDタグD4は、互いの位置精度及び通信アンテナ104に対する位置精度が向上し、これによって、弱い電磁波でも確実な通信を行うことができる。その結果、第3RFIDタグD3及び第4RFIDタグD4は、通信アンテナ104との通信エラーの発生を抑制することができる。
【0131】
このようなプリンタ1Aは、実施形態1に係るプリンタ1と同様に、第3RFIDタグD3及び第4RFIDタグD4の双方を高密度に実装することができ、かつ、通信アンテナ104を小型化しても、1つの通信アンテナ104で第3RFIDタグD3及び第4RFIDタグD4の双方と通信することができる。
【0132】
また、プリンタ1Aは、実施形態1に係るプリンタ1と同様に、第3RFIDタグD3及び第4RFIDタグD4の位置精度、通信アンテナ104に対する第3RFIDタグD3の位置精度、並びに、通信アンテナ104に対する第4RFIDタグD4の位置精度が向上し、これによって、弱い電磁波でも確実な通信を行うことができる。その結果、プリンタ1Aは、通信アンテナ104の出力を抑制しても、通信エラーの発生を抑制することができる。
【0133】
また、プリンタ1Aは、通信系の部品点数を減らすことができるとともに、通信系の構成を簡素にすることができるため、製造コストの上昇を抑制することができ、その結果、安価で提供することができる。
【0134】
以上の通り、実施形態2に係るプリンタ1Aによれば、実施形態1に係るプリンタ1と同様に、小出力の通信アンテナ104で、2つの交換ユニット(ここでは、トナーカートリッジ61Aa,61Ab)に搭載された2つのデータキャリア(ここでは、第3RFIDタグD3及び第4RFIDタグD4)と確実に通信することができる。
【0135】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0136】
例えば、実施形態1は、本発明を現像ユニット20とトナーカートリッジ61とに適用する場合を想定して説明している。また、実施形態2は、本発明をトナーカートリッジ61Aa,61Abにする場合を想定して説明している。しかしながら、本発明は、これら以外の組み合わせにも適用することができる。例えば、本発明は、現像ユニット20と転写ユニット30との組み合わせや、転写ユニット30と定着器40との組み合わせ、第1給紙トレイと第2給紙トレイとの組み合わせ等のように、互いに近い位置に実装される構成要素同士の組み合わせに適用することができる。したがって、本発明は、トナーカートリッジ61,61Aa,61Abの管理だけでなく、他の交換ユニット(例えば、現像ユニット20や転写ユニット30、図示せぬ電源ユニット等)のリサイクルに備えて、他の交換ユニットにもデータキャリアを装着して、他の交換ユニットの履歴情報や寿命情報等を管理する場合にも適用することができる。
【0137】
また、例えば、本発明は、プリンタに限らず、ファクシミリ装置、複写機、MFP等の画像形成装置に用いることができる。なお、「MFP」とは、Multi Function Printerの略称で、プリンタにファクシミリ機能やスキャナ機能、コピー機能等を付加した装置である。
【0138】
また、本発明は、画像形成装置に限らず、通信アンテナを介して、2つのデータキャリアと無線通信する機構を含む情報処理装置に用いることができる。
さらに、データキャリアに記憶される情報の内容は、運用形態に応じて、適宜変更することができる。
【0139】
<付記>
(1)本発明に係る情報処理装置は、交換ユニットに搭載されたデータキャリアと無線通信する情報処理装置であって、2つの前記交換ユニットに搭載された2つの前記データキャリアと無線通信する通信アンテナと、前記通信アンテナを介して、2つの前記データキャリアと通信することにより、予め定められた演算を実行する情報処理部とを有し、2つの前記データキャリアは、2つの前記データキャリアのアンテナと前記通信アンテナとが互いに略平行でかつ近接するように、配置される構成にするとよい。
【0140】
(2)付記第1項に係る情報処理装置は、請求項1に記載の情報処理装置において、近接して配置された2つの前記データキャリアと前記通信アンテナとで一単位の通信グループを構成し、その通信グループを複数単位有しており、前記通信アンテナは、他の通信グループのデータキャリアとは通信不可能な程度の弱い電磁波を出力する構成にするとよい。
【0141】
(3)付記第1項又は付記第2項に係る情報処理装置は、2つの前記データキャリアのアンテナ及び前記通信アンテナは、平面形状であり、2つの前記データキャリアは、互いの前記アンテナの一部だけが重なるように、配置されるとともに、前記通信アンテナは、配置状態の2つの前記データキャリアのアンテナの投影部分を囲むように、形成されている構成にするとよい。
【0142】
(4)付記第1項乃至付記第3項のいずれか一項に係る情報処理装置は、2つの前記データキャリアの一方を第1データキャリアとし、他方を第2データキャリアとする場合に、前記第1データキャリアを支持する第1嵌合部と、前記第2データキャリアを支持する第2嵌合部とを有しており、前記第1嵌合部は、当該情報処理装置から取り外し自在に構成された第1交換ユニットに設けられており、前記第2嵌合部は、前記第1交換ユニットから取り外し自在に構成された第2交換ユニットに設けられており、前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部は、互いの先端が、互いを所定の位置に誘導するように、傾斜して形成されている構成にするとよい。
【0143】
(5)付記第1項乃至付記第3項のいずれか一項に係る情報処理装置は、さらに、前記通信アンテナの通信可能範囲内で、前記通信アンテナに対して互いに略平行に配置された第1挿入口と第2挿入口とが設けられた筐体と、2つの前記データキャリアの一方を第3データキャリアとし、他方を第4データキャリアとする場合に、前記第3データキャリアを支持する第3嵌合部と、前記第4データキャリアを支持する第4嵌合部とを有しており、前記第3嵌合部は、当該情報処理装置から取り外し自在に構成された第1ユニットに設けられており、かつ、前記筐体の前記第1挿入口に挿入され、前記第4嵌合部は、当該情報処理装置から取り外し自在に構成された第2ユニットに設けられており、かつ、前記筐体の前記第2挿入口に挿入される構成にするとよい。
【0144】
(6)本発明に係る画像形成装置は、交換ユニットに搭載されたデータキャリアと無線通信する機能を有し、媒体に画像を形成する画像形成装置であって、2つの前記交換ユニットに搭載された2つの前記データキャリアと無線通信する通信アンテナと、前記通信アンテナを介して、2つの前記データキャリアと通信することにより、予め定められた演算を実行する情報処理部とを有し、2つの前記データキャリアは、2つの前記データキャリアのアンテナと前記通信アンテナとが互いに略平行でかつ近接するように、配置される構成にするとよい。
【0145】
(7)付記第6項に係る画像形成装置は、近接して配置された2つの前記データキャリアと前記通信アンテナとで一単位の通信グループを構成し、その通信グループを複数単位有しており、前記通信アンテナは、他の通信グループのデータキャリアとは通信不可能な程度の弱い電磁波を出力する構成にするとよい。
【0146】
(8)付記第6項又は付記第7項に係る画像形成装置は、2つの前記データキャリアのアンテナ及び前記通信アンテナは、平面形状であり、2つの前記データキャリアは、互いの前記アンテナの一部だけが重なるように、配置されるとともに、前記通信アンテナは、配置状態の2つの前記データキャリアのアンテナの投影部分を囲むように、形成されている構成にするとよい。
【0147】
(9)付記第6項乃至付記第8項のいずれか一項に係る画像形成装置は、2つの前記データキャリアの一方を第1データキャリアとし、他方を第2データキャリアとする場合に、前記第1データキャリアを支持する第1嵌合部と、前記第2データキャリアを支持する第2嵌合部とを有しており、前記第1嵌合部は、当該情報処理装置から取り外し自在に構成された第1交換ユニットに設けられており、前記第2嵌合部は、前記第1交換ユニットから取り外し自在に構成された第2交換ユニットに設けられており、前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部は、互いの先端が、互いを所定の位置に誘導するように、傾斜して形成されている構成にするとよい。
【0148】
(10)付記第9に係る画像形成装置は、前記第1交換ユニットは、内部に像担持体を備える現像ユニットとして構成されており、かつ、前記第2交換ユニットは、内部に現像剤を収容し、当該現像剤を前記現像ユニットに供給する現像剤収容器として構成されている構成にするとよい。
【0149】
(11)付記第6項乃至付記第8項のいずれか一項に係る画像形成装置は、さらに、前記通信アンテナの通信可能範囲内で、前記通信アンテナに対して互いに略平行に配置された第1挿入口と第2挿入口とが設けられた筐体と、2つの前記データキャリアの一方を第3データキャリアとし、他方を第4データキャリアとする場合に、前記第3データキャリアを支持する第3嵌合部と、前記第4データキャリアを支持する第4嵌合部とを有しており、前記第3嵌合部は、当該情報処理装置から取り外し自在に構成された第1ユニットに設けられており、かつ、前記筐体の前記第1挿入口に挿入され、前記第4嵌合部は、当該情報処理装置から取り外し自在に構成された第2ユニットに設けられており、かつ、前記筐体の前記第2挿入口に挿入される構成にするとよい。
【0150】
(12)付記第11項に係る画像形成装置は、前記第1ユニット及び前記第2ユニットは、ともに、内部に現像剤を収容し、当該現像剤を現像ユニットに供給する現像剤収容器として構成されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【0151】
(13)付記第12項に係る画像形成装置は、前記第1ユニット及び前記第2ユニットは、それぞれ、2つずつ設けられており、2つの前記第1ユニット及び2つの前記第2ユニットは、それぞれ、内部に異なる色の前記現像剤を収容しており、かつ、前記第1ユニットと前記第2ユニットとで交互に配置される構成にするとよい。
【符号の説明】
【0152】
1,1A 画像形成装置(プリンタ)
2 給紙カセット(媒体収容部)
3 給紙機構(媒体供給部)
4(4a,4b,4c) 搬送ローラ
5 搬送ベルト(搬送部材)
6 排出搬送ローラ
7 上部カバー
8 スタッカ
10 露光ユニット(LEDヘッド)
11 ホルダー部
20,20A 現像ユニット(第1交換ユニット,第1ユニット)
21 感光体ドラム(像担持体)
22 帯電ローラ(帯電部材)
23 現像ローラ(現像剤担持体)
24 トナー供給ローラ(現像剤供給部材)
25 現像ブレード(現像剤層厚規制部材)
26 クリーニングブレード(現像剤除去部材)
27 トナー貯蔵室(現像剤貯蔵室)
28 撹拌バー(撹拌部材)
30 転写ユニット
31 転写ローラ(転写部材)
40 定着器(定着装置)
51R,51L サイドプレート
52 アッパフレーム
53 ベースフレーム
56 第1嵌合部(第1ユニット嵌合部)
57,67,67Aa,67Ab タグ収容部(キャリア収容部)
58 第1蓋
58a,68a 斜面
61 トナーカートリッジ(第2交換ユニット,第2ユニット)
61Aa トナーカートリッジ(第3交換ユニット,第1ユニット)
61Ab トナーカートリッジ(第4交換ユニット,第2ユニット)
62 トナー供給口(現像剤供給口)
63 シャッタ(開閉部材)
64 アウターフレーム
65 サイドフレーム
65Aa 第1サイドフレーム
65Ab 第2サイドフレーム
66 第2嵌合部(第2ユニット嵌合部)
66Aa 第3嵌合部(第1ユニット嵌合部)
66Ab 第4嵌合部(第2ユニット嵌合部)
68 第2蓋
68Aa 第3蓋
68Ab 第4蓋
71,91 基板
72 ICチップ(メモリ部材)
73,93 アンテナコイル
81 RF読み書き制御部
82 カラープリンタ制御部(情報処理部)
83,104 通信アンテナ
92 I/Fコネクタ
101 筐体
102 本体嵌合部
103a,103b 第1挿入口、第2挿入口
201 凸部
202 凹部
203 壁部
D1 第1RFIDタグ(第1データキャリア,第1記憶部)
D2 第2RFIDタグ(第2データキャリア,第2記憶部)
D3 第3RFIDタグ(第3データキャリア,第1記憶部)
D4 第4RFIDタグ(第4データキャリア,第2記憶部)
d1a 対応機種情報
d1b,d2b 印刷可能枚数情報
d1c 現像ユニット使用量情報
d2a 対応現像ユニット情報
d2c トナー使用量情報
d2d トナー空情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1記憶部を有する第1ユニット嵌合部を具備する着脱自在な第1ユニットと、
第2記憶部を有する第2ユニット嵌合部を具備する着脱自在な第2ユニットと、
前記第1ユニット嵌合部と前記第2ユニット嵌合部とに対向するように配置され、前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶された情報を読み取る読取部とを有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットは、前記第1ユニット嵌合部と前記第2ユニット嵌合部とで嵌合する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記読取部は、前記第1ユニット嵌合部と前記第2ユニット嵌合部との間に配置されている
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、
前記第1ユニット嵌合部は、第1位置決め部を有し、
前記第2ユニット嵌合部は、第2位置決め部を有し、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットは、前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とが当接することによって、位置決めされる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記第1ユニット嵌合部又は前記第2ユニット嵌合部に傾斜部が設けられている
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記第1記憶部及び前記第2記憶部は、互いにずらして配置されている
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記第1記憶部及び前記第2記憶部は、
中央部に配置されたメモリ部材と、
前記メモリ部材から端部にかけて設けられたアンテナ部とを有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記読取部は、2つの交換ユニットに搭載された2つのデータキャリアと無線通信する通信アンテナとして構成されており、
さらに、前記通信アンテナを介して、2つの前記データキャリアと通信することにより、予め定められた演算を実行する情報処理部を有し、
2つの前記データキャリアは、2つの前記データキャリアのアンテナと前記通信アンテナとが互いに略平行でかつ近接するように、配置される
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理装置において、
前記通信アンテナの出力は、近接して配置される2つの前記データキャリア以外のデータキャリアとは通信不可能な程度の弱い電磁波出力である
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の情報処理装置において、
2つの前記データキャリアのアンテナ及び前記通信アンテナは、平面形状であり、
2つの前記データキャリアは、2つの前記データキャリアのアンテナの一部だけが重なるように、配置されるとともに、
前記通信アンテナは、その外周が配置状態の2つの前記データキャリアのアンテナの外周を予め定められた径内で囲むように、形成されている
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記第1ユニットは、内部に像担持体を備える現像ユニットとして構成されており、かつ、
前記第2ユニットは、内部に現像剤を収容し、当該現像剤を前記現像ユニットに供給する現像剤収容器として構成されている
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットは、ともに、現像ユニットである
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
第1記憶部を有する第1ユニット嵌合部を具備する着脱自在な第1ユニットと、
第2記憶部を有する第2ユニット嵌合部を具備する着脱自在な第2ユニットと、
前記第1ユニット嵌合部と前記第2ユニット嵌合部とに対向するように配置され、前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶された情報を読み取る読取部とを有し、
前記第1ユニットは、内部に像担持体を備える現像ユニットとして構成されており、
前記第2ユニットは、内部に現像剤を収容し、当該現像剤を前記現像ユニットに供給する現像剤収容器として構成されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
第1記憶部を有する第1ユニット嵌合部を具備する着脱自在な第1ユニットと、
前記現像ユニットとして構成され、第2記憶部を有する第2ユニット嵌合部を具備する着脱自在な第2ユニットと、
前記第1ユニット嵌合部と前記第2ユニット嵌合部とに対向するように配置され、前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶された情報を読み取る読取部とを有し、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットは、ともに、内部に像担持体を備える現像ユニットとして構成されている
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−230237(P2012−230237A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98210(P2011−98210)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】