説明

情報処理装置、情報処理システム及びプログラム

【課題】処理の実行を指示された装置が、さらに他の装置へ処理の実行を指示する場合でも、処理の履歴を確認する場合に他の装置と通信することなく各装置で行われた処理の履歴に関する情報を処理の実行を指示された装置で確認できるようにする。
【解決手段】画像形成装置10が、画像データの文字認識および文字認識結果の記憶を行うようにサーバ装置20Aへ指示すると、サーバ装置20Aは画像データの文字認識を行うようにサーバ装置20Bへ指示する。サーバ装置20Bで文字認識が行われると、この文字認識結果と文字認識の処理の成否を示すデータがサーバ装置20Aへ送られる。サーバ装置20Aは文字認識結果を記憶し、文字認識の処理の成否および文字認識結果の記憶の成否を示すデータを画像形成装置10へ送信する。画像形成装置10は、これらのデータに基づいてサーバ装置20A,20Bで行われた処理の結果を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ装置において実行された複数のアプリケーション間の連携の履歴を管理する装置として特許文献1に開示されたポータルサーバ装置がある。
特許文献1に開示されているポータルサーバ装置は、端末装置からアプリケーションの実行を指示されると、アプリケーションサーバ装置にあるアプリケーションを実行し、また、実行したアプリケーションに連携するアプリケーションの実行を端末装置から指示されると、指示されたアプリケーションをさらに実行する。
ここで、ポータルサーバ装置は、連携元及び連携先のアプリケーションに関するデータを収集し、収集したデータは端末装置においてアプリケーション間の連携の履歴として表示される。
【0003】
【特許文献1】特開2004−157676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、処理の実行を指示された装置が、さらに他の装置へ処理の実行を指示する場合でも、処理の履歴を確認する場合に他の装置と通信することなく各装置で行われた処理の履歴に関する情報を処理の実行を指示された装置で確認できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため請求項1に記載の情報処理装置は、外部装置に行わせる処理および自装置で行う処理を表す処理指示データに基づいて、該処理指示データの表す処理のうち自装置で行う処理を実行する実行手段と、前記処理指示データのうち外部装置に行わせる処理の実行を前記外部装置へ指示する指示手段と、前記外部装置で行われた処理の履歴に関するデータを前記外部装置から受信する受信手段と、前記実行手段で実行された処理の履歴に関するデータと、前記受信手段で受信されたデータとを記憶する記憶手段とを有する。
【0006】
また、請求項2に記載の情報処理装置は、前記記憶手段に記憶されたデータであって前記外部装置で行われた処理の履歴に関するデータが、前記記憶手段に記憶されたデータであって自装置で行われた処理の履歴に関するデータより下位となる階層構造で表示される表示手段を有する。
【0007】
また、請求項3に記載の情報処理システムは、外部装置に行わせる処理および自装置で行う処理を表す処理指示データに基づいて、該処理指示データの表す処理のうち自装置で行う処理を実行する第1実行手段と、前記処理指示データのうち外部装置に行わせる処理の実行を前記外部装置へ指示する指示手段と、前記外部装置で行われた処理の履歴に関するデータを前記外部装置から受信する受信手段と、前記第1実行手段で実行された処理の履歴に関するデータと、前記受信手段で受信されたデータとを記憶する記憶手段とを有する情報処理装置と、前記指示手段で指示された処理を受け付ける受付手段と、前記受付手段で受付られた処理を実行する第2実行手段と、前記第2実行手段で実行された処理の履歴に関するデータを前記情報処理装置へ送信する送信手段とを有する1または複数のサーバ装置とを有する。
【0008】
また、請求項4に記載のプログラムは、コンピュータを、外部装置に行わせる処理および自装置で行う処理を表す処理指示データに基づいて、該処理指示データの表す処理のうち自装置で行う処理を実行する実行手段と、前記処理指示データのうち外部装置に行わせる処理の実行を前記外部装置へ指示する指示手段と、前記外部装置で行われた処理の履歴に関するデータを前記外部装置から受信する受信手段と、前記実行手段で実行された処理の履歴に関するデータと、前記受信手段で受信されたデータとを記憶部に記憶させるする記憶部制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1,3,4の発明によれば、処理の実行を指示された装置が、さらに他の装置へ処理の実行を指示する場合でも、処理の履歴を確認する場合に他の装置と通信することなく各装置で行われた処理の履歴に関する情報を処理の実行を指示された装置で確認できる。
また、請求項2の発明によれば、処理の実行を指示した装置で行われた処理と、他の装置から処理の実行を指示された装置で行われた処理との関係を確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[実施形態]
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態の全体構成を例示した図である。
画像形成装置10は、文書の複写機能、文書を読み取り読み取った文書の画像データを生成する機能、画像データが示す画像を用紙に形成する機能などを備えた装置である。また、サーバ装置20A,20Bは、クライアントとなる装置からの要求を受けてサービスを提供する装置である。また、コンピュータ装置30は、記憶しているプログラムを実行することにより種々の機能が実現する装置である。
各装置は装置間を通信可能に接続する通信回線40に接続されており、通信回線40を介して互いに通信を行うことが可能となっている。
なお、図1においては、一つの画像形成装置、一つのコンピュータ装置および二つのサーバ装置が図示されているが、通信回線40には二つ以上の画像形成装置やコンピュータ装置が接続されていてもよく、三つ以上のサーバ装置が接続されていてもよい。
【0011】
(画像形成装置10の構成)
図2は、本実施形態に係る画像形成装置10のハードウェア構成を例示したブロック図である。同図に示したように、画像形成装置10の各部は、バス101に接続されており、このバス101を介して各種データの授受を行う。
【0012】
操作部106は、画像形成装置10を操作するための複数の操作子を備えている。画像形成装置10の利用者が操作子を操作すると、いずれの操作子が操作されたかがCPU(Central Processing Unit)102により検出され、操作された操作子に応じてCPU102が各部を制御する。
表示部107は、表示装置として例えば液晶ディスプレイを有しており、CPU102の制御の下、画像形成装置10を操作するためのメニュー画面や画像形成装置10に関するデータなどを表示する。
通信部110は、通信回線40に接続されており、通信回線40に接続されている他の装置と通信を行う通信インターフェースとして機能する。
【0013】
画像読取部108は、文書を読み取り、読み取った文書の画像を表す画像データを生成する画像読取装置(図示略)を備えており、生成した画像データを画像処理部111へ出力する。
画像処理部111は、入力される画像データが表す画像に色補正や階調補正等の画像処理を施すものであり、画像処理が施された画像からYellow(Y),Magenta(M),Cyan(C),Black(K)の各色の画像の画像データを生成して画像形成部109へ出力する。
【0014】
画像形成部109は、電子写真方式によって紙などの記録媒体にトナー像を形成する画像形成機構(図示略)を具備している。具体的には、この画像形成機構は、Yellow(Y)の色のトナー像を形成する画像形成機構,Magenta(M)の色のトナー像を形成する画像形成機構,Cyan(C)の色のトナー像を形成する画像形成機構,Black(K)の色のトナー像を形成する画像形成機構を備えている。
各画像形成機構は、画像処理部111から出力された画像データに従って感光体上に静電潜像を形成した後、感光体表面にトナーを付着させてY・M・C・Kの各色のトナー像を形成し、このトナー像を記録媒体に転写する。そして、記録媒体に転写されたトナー像に熱と圧力を加えて定着させた後、トナー像が形成された記録媒体を画像形成装置10の外へ排出する。
【0015】
記憶部105は記憶装置を具備しており、通信部110で受信したデータや画像形成装置10で生成されたデータなどを記憶する。
ROM(Read Only Memory)103は、CPU102により実行される制御プログラムを記憶している。CPU102は、ROM103に記憶されている制御プログラムを読み出し、RAM(Random Access Memory)104を作業エリアにして制御プログラムを実行する。CPU102により制御プログラムが実行されると、CPU102により画像形成装置10の各部が制御され、画像形成装置10は用紙に画像を形成して出力することや文書を読み取って文書の画像データを生成すること、通信回線を介して他の装置と通信を行うことなどが可能となる。
【0016】
また、CPU102により制御プログラムが実行されると、図3の機能ブロック図に例示した機能が実現され、入力されるデータに基づいて処理を行う実行機能150、入力されるデータに基づいて他の装置へデータの処理を指示する指示機能151、他の装置へ指示した処理に関するデータを取得するデータ受信機能152、他の装置から取得したデータを記憶する記憶機能153などが実現する。このように画像形成装置10は、データを処理する機能を有しているため情報処理装置としての機能を有していると言える。
【0017】
(サーバ装置20A,20Bの構成)
図4はサーバ装置20Aのハードウェア構成を例示したブロック図である。同図に示したように、サーバ装置20Aの各部はバス201に接続されており、このバス201を介して各種データの授受を行う。
【0018】
操作部206は、キーボードやマウス等、サーバ装置20Aを操作するための装置を備えている。サーバ装置20Aの操作者によりこれらの装置が操作されると、行われた操作に応じてCPU202が各種処理を行う。
表示部207は、表示装置として液晶ディスプレイを有しており、CPU202の制御の下、サーバ装置20Aを操作するためのメニュー画面やサーバ装置20Aが有するデータなどを表示する。
通信部210は、通信回線40に接続されており、通信回線40に接続されている他の装置と通信を行う通信インターフェースとして機能する。
【0019】
記憶部205は、記憶装置を具備しており、サーバ装置20Aにおいてオペレーティングシステムの機能を実現するOSプログラム205Aを記憶している。
また、記憶部205は、サーバ装置20Aに行わせる処理の内容を表す処理指示データを解釈し、処理指示データが表す処理を行う実行機能250、処理指示データに記述された内容に従って他の装置へデータの加工を指示する指示機能251、他の装置で実行された処理に関するデータを取得するデータ受信機能252、実行した処理に関するデータを出力する出力機能253、データを記憶部205に記憶させる記憶機能254など、図5の機能ブロック図に例示した機能を実現するアプリケーションプログラム205Bを記憶している。
【0020】
ROM203は、IPL(Initial Program Loader)を記憶している。サーバ装置20Aの電源が入れられると、CPU202はROM203からIPLを読み出して起動する。CPU202によりIPLが起動されると、記憶部205に記憶されているOSプログラム205Aが実行され、記憶部205の制御、通信回線40を介した通信を行う通信機能等、コンピュータ装置としての基本的な機能が実現する。また、CPU202によりアプリケーションプログラム205Bが実行されると、上述した各種機能が実現する。
【0021】
なお、サーバ装置20Bのハードウェア構成はサーバ装置20Aと同じであり、図4に示したハードウェア構成となっている。サーバ装置20Bがサーバ装置20Aと異なる点は、記憶部205に記憶されているプログラムが異なる点である。
具体的には、サーバ装置20Bの記憶部205は、アプリケーションプログラム205Bに替えて、アプリケーションプログラム205Cを記憶している。
このアプリケーションプログラム205Cが実行されると、図6の機能ブロック図に示したように実行機能250、指示機能251、データ受信機能252、出力機能253が実現し、記憶機能254に替わって画像中の文字を認識する文字認識機能255が実現する。
【0022】
(コンピュータ装置30の構成)
図7はコンピュータ装置30のハードウェア構成を例示したブロック図である。同図に示したように、コンピュータ装置30の各部はバス301に接続されており、このバス301を介して各種データの授受を行う。
【0023】
操作部306は、キーボードやマウス等、コンピュータ装置30を操作するための装置を備えている。コンピュータ装置30の操作者によりこれらの装置が操作されると、行われた操作に応じてCPU302が各種処理を行う。
表示部307は、表示装置として液晶ディスプレイを有しており、CPU302の制御の下、コンピュータ装置30を操作するためのメニュー画面やコンピュータ装置30が有するデータなどを表示する。
通信部310は、通信回線40に接続されており、通信回線40に接続されている他の装置と通信を行う通信インターフェースとして機能する。
【0024】
記憶部305は、記憶装置を具備しており、コンピュータ装置30においてオペレーティングシステムの機能を実現するOSプログラムやテキストデータを作成する機能を実現するデータ生成プログラムを記憶している。
【0025】
ROM303はIPLを記憶しており、コンピュータ装置30の電源が入れられると、CPU302はROM303からIPLを読み出して起動する。CPU302によりIPLが起動されると、記憶部305に記憶されているOSプログラムが読み出されて実行され、記憶部305の制御、通信回線40を介した通信を行う通信機能等、コンピュータ装置としての基本的な機能が実現する。
また、CPU302によりデータ生成プログラムが実行されると、コンピュータ装置30においては、テキストデータを作成する機能が実現し、図8に例示した画像形成装置10およびサーバ装置20A,20Bに行わせる処理を表す処理指示データDを作成することが可能となる。
なお、図8に示した処理指示データDは、画像形成装置10やサーバ装置20A,20Bに行わせる処理(行わせる動作や動作の手順)、動作に関する情報が記述されたデータである。本実施形態においては、一例としてXML(eXtensible Markup Language)に従って記述されているが、他のマークアップ言語に従って記述されていてもよく、また、予め定められた仕様に従って記述されていれば、マークアップ言語で記述されていなくてもよい。
【0026】
(第1実施形態の動作例)
以下、第1実施形態の動作例について説明する。
なお、以下の説明においては、文書を画像形成装置10に読み取らせ、画像形成装置10で読み取られた文書中の文字の認識をサーバ装置20Bに行わせ、文字認識結果をサーバ装置20Aに記憶させる場合の動作について図9を用いて説明する。
【0027】
まず、本実施形態の利用者は、文書を画像形成装置10に読み取らせ、画像形成装置10で読み取られた文書中の文字の認識をサーバ装置20Bに行わせ、文字認識結果をサーバ装置20Aに記憶させるために、図8に例示した、画像形成装置10に行わせる処理、サーバ装置20Aに行わせる処理およびサーバ装置20Bに行わせる処理を表す処理指示データDを、コンピュータ装置30において作成する。
【0028】
次に処理指示データDを画像形成装置10へ送信するように指示する操作がコンピュータ装置30の操作部106にて行われると、CPU302により通信部310が制御され、処理指示データDが通信回線40を介して画像形成装置10へ送られる(ステップS1)。一方、画像形成装置10においては、通信部110においてこの処理指示データDが受け取られ、処理指示データDが記憶部105に記憶される。
【0029】
次に、本実施形態の利用者により文書が画像形成装置10の画像読取部108にセットされ、記憶部105に記憶されているデータの中から処理指示データDを選択する操作が操作部106で行われる。そして、処理指示データDの表す処理の実行を指示する操作が行われると、CPU102は、処理指示データDに基づいて行われる処理を一意に識別するための処理識別子として「A0001」を生成した後、処理指示データDの内容を処理指示データDの1行目から解析する。なお処理識別子は、ローマ字と数字を組み合わせたものに限定されず、数字のみであってもよく、またローマ字のみであってもよい。
【0030】
CPU102は処理指示データDの解析を行い、3行目の要素の<Name>タグと</Name>タグの間にある「Sample」を、これから実行する処理の名前として抽出し、生成した処理識別子「A0001」と対応付ける(図10(a))。
また、CPU102は、処理指示データDの4行目の要素を解析すると、処理指示データDの4行目の<Process>タグと36行目の</Process>タグの間にある要素が実行する処理の内容であると判断する。
【0031】
次にCPU102は、処理指示データDの5行目が<DocumentInput>タグであるため、文書を読み取る処理を行うものと判断し、文書を読み取る処理を一意に識別するために、処理識別子として「A0002」を生成する。
また、CPU102は、文書の読み取りの具体的な動作として、次の6行目にある要素を解析する。ここで、6行目にあるタグが<Scan>タグであるため、CPU102は、処理識別子「A0002」で特定される処理の名前を「Scan」とし、処理識別子「A0002」と処理名「Scan」とを対応付ける。また、処理識別子「A0002」は、処理識別子「A0001」の処理に関するものであるため、画像形成装置10においては処理識別子「A0001」に処理識別子「A0002」が関連付けられる(図10(b))。
【0032】
そして、CPU102は、6行目にあるタグが<Scan>タグであるため、画像読取部108を制御し、画像読取部108にセットされた文書を読み取り、読み取った文書の画像データを生成する。なお、文書の読み取りと画像データの生成は、処理指示データDにおいて<Scan>タグと</Scan>タグとの間にある要素に基づいて行われる。具体的には、<InputSize>タグの後が「A4」、<InputDirection>タグの後が「LEF」、<ColorMode>タグの後が「Auto」、<Magnification>タグの後が「100%」であるため、A4サイズの文書を長辺送りして文書が読み取られ、生成する画像データに関しては、読み取った画像の倍率が100%とされ、画像の色については自動的に白黒か色付きかを判断して白黒または色付きの画像データが生成される。
ここで画像データの生成が行われると、CPU102は、文書を読み取る処理が行われたことを示す処理結果データ「成功」と、処理識別子「A0002」および処理名「Scan」の組を記憶部105に記憶させる(図10(c))。
【0033】
CPU102は、画像データの生成を終了すると、</Scan>タグの次、つまり、指示データDの13行目の要素に<DocumentProcess>タグがあるため、次に行う処理が画像データを加工する処理であると判断し、<DocumentProcess>タグと35行目の</DocumentProcess>タグの間にある要素に基づいて動作する。
具体的には、処理指示データDの14行目が<WebService>タグであるため、CPU102は画像データの加工を他の装置へ指示する処理を行うものと判断し、画像データの加工を他の装置へ指示する処理を一意に識別するために、処理識別子「A0003」を生成するとともに、処理識別子「A0003」で特定される処理の名前を「WebService」とし、処理識別子「A0003」と処理名「WebService」とを対応付ける。また、処理識別子「A0003」は、処理識別子「A0001」の処理に関するものであるため、画像形成装置10においては処理識別子「A0001」に処理識別子「A0003」が関連付けられる(図10(c))。
【0034】
次に、CPU102は、<WebService>タグのある行の次の行に<Name>タグがあるため、<Name>タグと</Name>タグの間にある「OcrAndStore」を他の装置が行う処理名として抽出する。
また、要素として、<Target>http://192.168.4.5/OcrAndStoreService.amsx</Target>と、<FileTransfer>attachment</FileTransfer>があり、<Message>タグと</Message>タグで挟まれた要素があるため、CPU102により通信部110が制御され、画像データと、「OcrAndStoreService.amsx」で特定されるプログラムの実行を指示するメッセージが、IP(Internet Protocol)アドレス「192.168.4.5」で特定されるサーバ装置20Aへ送信される(ステップS2)。
また、<Message>タグと</Message>タグの間にある要素が処理指示データDから抽出され、抽出された要素(図13)を表す処理指示データDAがサーバ装置20Aへ送信される(ステップS3)。
【0035】
画像形成装置10から送信された画像データ、メッセージおよび処理指示データDAがサーバ装置20Aの通信部210で受信されると、CPU202はメッセージに従って「OcrAndStoreService.amsx」で特定されるアプリケーションプログラム205Bを実行し、処理指示データDAに基づいて仕事を行う。
【0036】
具体的には、まずCPU202は、処理指示データDAに基づいて行われる処理を一意に識別するための処理識別子として「B0001」を生成した後(図12(a))、処理指示データDAの内容を処理指示データDAの1行目から解析する。なお、この処理識別子「B0001」は画像形成装置10へ送信され(ステップS4)、画像形成装置10において処理名「OcrAndStore」と対応付けられて記憶部205に記憶される。また、処理識別子「B0001」は、処理識別子「A0003」の処理に関するものであるため、画像形成装置10においては処理識別子「A0003」に処理識別子「B0001」が関連付けられる(図10(d))。
【0037】
一方、サーバ装置20AのCPU202は、処理指示データDAの解析を行い、処理指示データDAの1行目の要素に<DocumentProcess>タグがあるため、行う処理が画像データを加工する処理であると判断し、CPU202は、<DocumentProcess>タグと</DocumentProcess>タグの間にある要素に基づいて動作する。
ここで、処理指示データDAの2行目のタグが<WebService>タグであるため、CPU202は文書の加工を他の装置へ指示する処理を行うものと判断し、画像データの加工を他の装置へ指示する処理を一意に識別するために、処理識別子「B0002」を生成するとともに、処理識別子「B0002」で特定される処理の名前を「WebService」とし、処理識別子「B0002」と処理名「WebService」とを対応付ける。また、CPU202は、処理識別子「B0002」の処理はサーバ装置20Aで行われる処理の一つであるため、処理識別子「B0001」に処理識別子「B0002」を関連付ける(図12(b))。
【0038】
次に、CPU202は、<WebService>タグのある行の次の行に<Name>タグがあるため、<Name>タグと</Name>タグの間にある「Ocr」を他の装置が行う処理名として抽出する。
また、要素として、<Target>http://192.168.4.10/OcrService.amsx</Target>と、<FileTransfer>attachment</FileTransfer>があり、<Message>タグと</Message>タグで挟まれた要素があるため、CPU202により通信部210が制御され、画像データと、「OcrService.amsx」で特定されるプログラムの実行を指示するメッセージが、IPアドレス「192.168.4.10」で特定されるサーバ装置20Bへ送信される(ステップS5)。
また、<Message>タグと</Message>タグの間にある要素が処理指示データDAから抽出され、抽出された要素(図14)を表す処理指示データDBがサーバ装置20Bへ送信される(ステップS6)。
【0039】
サーバ装置20Aから送信された画像データ、メッセージおよび処理指示データDBがサーバ装置20Bの通信部210で受信されると、サーバ装置20BのCPU202はメッセージに従って「OcrService.amsx」で特定されるアプリケーションプログラム205Cを実行し、処理指示データDBに基づいて処理を行う。
【0040】
具体的には、まずCPU202は、処理指示データDBに基づいて行われる処理を一意に識別するために、「C0001」という処理識別子を生成した後、処理指示データDBの内容を処理指示データDBの1行目から解析する。なお、この処理識別子「C0001」はサーバ装置20Aへ送信され(ステップS7)、サーバ装置20Aにおいて処理「Ocr」と対応付けられて記憶部205に記憶される。また、処理識別子「C0001」は、処理識別子「B0002」の処理に関するものであるため、サーバ装置20Aにおいては処理識別子「B0002」に処理識別子「C0001」が関連付けられる(図12(c))。
【0041】
一方、サーバ装置20Bにおいては、CPU202が処理指示データDBの解析を行い、処理指示データDBにおいては<OcrLang>タグの後が「ja」、<OutputFileFormat>タグの後が「PDF」であるため、受信した画像データが表す画像について日本語の文字認識が行われ、認識結果を表す認識結果データがPDF(Portable Document Format)の形式で生成される。
【0042】
そして、サーバ装置20Bにおいて文字認識の処理が終了すると、サーバ装置20BのCPU202は、まず、処理識別子「C0001」および文字認識の処理が行われたことを示す処理結果データ「成功」をサーバ装置20Bの記憶部205に記憶させる。また、CPU202により通信部210が制御され、認識結果データ、処理識別子「C0001」および処理結果データ「成功」がサーバ装置20Aへ送信される(ステップS8)。
【0043】
これらがサーバ装置20Aの通信部210で受信されると、サーバ装置20AのCPU202は、処理結果データの内容が「成功」であるため、処理識別子「C0001」で特定される処理が行われたと判断する。そして、受信した処理結果データ「成功」が記憶部205の処理識別子「C0001」および処理名「Ocr」に対応付けて記憶される(図12(e))。
また、CPU202は、受信した処理結果データが「成功」であるため、他の装置に行わせた処理が行われたと判断し、他の装置で行わせた仕事が行われたことを示す処理結果データ「成功」を、処理識別子「B0002」および処理名「WebService」に対応付けて記憶部205に記憶させる(図12(e))。
【0044】
そして、サーバ装置20AのCPU202は、他の装置に行わせた処理が終了すると、処理指示データDAの11行目が<FileStore>タグであるため、認識結果データを記憶部205に記憶させる処理を行うものと判断し、この処理を一意に識別する処理識別子「B0003」を生成するとともに、処理識別子「B0003」で特定される処理の名前を「FileStore」とし、処理識別子「B0003」と処理名「FileStore」とを対応付ける。また、CPU202は、処理識別子「B0003」の処理はサーバ装置20Aで行われる処理の一つであるため、処理識別子「B0001」に処理識別子「B0003」を関連付ける(図12(f))。
【0045】
次にCPU202は、<FileStore>タグのある行の次の行に<StoreLocation>タグがあるため、<StoreLocation>タグと</StoreLocation>タグの間にある文字列で指定される記憶部205の保管場所へ認識結果データを記憶させる。
そして、サーバ装置20Aにおいて認識結果データの記憶が行われると、サーバ装置20AのCPU202は、まず、処理識別子「B0003」、処理名「FileStore」および認識結果データを記憶する処理が行われたことを示す処理結果データ「成功」を対応付けてサーバ装置20Aの記憶部205に記憶させる(図12(g))。
またCPU202は、処理指示データDAにおいて</FileStore>タグの次にあるタグが</DocumentProcess>タグであって処理指示データDAにおいては要素が終わっており、処理指示データDAに基づいて行う処理が終了しているため、処理識別子「B0001」に処理結果データ「成功」を対応付けて記憶部205に記憶させる(図12(g))。
【0046】
サーバ装置20Aにおいて、処理指示データDAに基づいて行う処理が終了すると、CPU202により通信部210が制御され、記憶部205に記憶されたデータ(図12(g))が画像形成装置10へ送信される(ステップS9)。
【0047】
そして、これらのデータが画像形成装置10の通信部110で受信されると、CPU102は、受信したデータを記憶部105に記憶させ(図10(e))、他の装置で行わせた処理が行われたと判断する。そして、他の装置で行われた処理が行われたことを示す処理結果データ「成功」を、処理識別子「A0003」および処理名「WebService」に対応付けで記憶部105に記憶させる(図11(a))。
また、CPU102は、これらの記憶部105への記憶が行われると、CPU102は、処理指示データDに基づいて行われる処理が行われたと判断して、処理結果データ「成功」と、処理識別子「A0001」および処理名「Sample」を対応付けて記憶部105に記憶させる(図11(b))。
【0048】
この後、CPU102は、記憶部105に記憶された処理識別子、処理名、および処理結果データを読み出し、これらを図15に例示したように表示部107に表示する。
なお、この表示を行う際には、図15に示したように、処理識別子に対応付けて、処理識別子と組になっている処理結果データの内容および処理名とを表示してもよい。
また、図15に示したように、図11(b)の各処理識別子の関連づけに基づいて処理間の関連がわかるように表示してもよい。なお、本動作例においては処理識別子「A0001」に処理識別子「A0002」と処理識別子「A0003」が関連付けられているため、図15においては、処理識別子「A0001」に処理識別子「A0002」と処理識別子「A0003」が関連づけて階層的に表示されており、処理識別子「A0003」に処理識別子「B0001」が関連付けられているため、処理識別子「A0003」に処理識別子「B0001」が関連づけて階層的に表示されている。
また、処理識別子「B0001」に処理識別子「B0002」と処理識別子「B0003」が関連付けられているため、図15においては、処理識別子「B0001」に処理識別子「B0002」と処理識別子「B0003」が関連づけて階層的に表示されている。
さらに、処理識別子「B0002」に処理識別子「C0001」が関連付けられているため、処理識別子「B0002」に処理識別子「C0001」が関連づけて階層的に表示されている。
このような表示態様によって、処理の実行を指示した装置で行われた処理と、他の装置から処理の実行を指示された装置で行われた処理との関係を確認する。
【0049】
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
【0050】
上述した実施形態においては、処理の開始時間と終了時間も処理識別子に対応付けて記憶するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、各装置の通信部がMACアドレスを有する通信インターフェースである場合、MAC(Media Access Control)アドレスを含む処理識別子を生成するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、行った処理が正常に終了しなかった場合、処理結果データの内容を正常に終了しなかったことを示す「エラー」とするようにしてもよい。
【0051】
上述した実施形態においては、処理指示データDの5行目から12行目までを削除した処理指示データをコンピュータ装置30で作成し、コンピュータ装置30において、この処理指示データの表す処理の実行を指示する操作を行い、サーバ装置20Bに文字認識の処理を行わせ、サーバ装置20Aに認識結果データの記憶を行わせるようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、画像データの画像中の文字認識を行うように画像形成装置10がサーバ装置20Bへ指示し、サーバ装置20Bから画像形成装置10へ送信された文字認識の認識結果データを画像形成装置10が受信するようにしてもよい。そして、この認識結果の記憶を行うように画像形成装置10がサーバ装置20Aへ指示してもよい。
また、上述した実施形態においては、サーバ装置20Bが別のサーバ装置へ処理を行うように指示してもよい。
【0052】
各装置に行わせる処理の内容は、上述した実施形態のものに限定されるものではない。例えば、サーバ装置において画像データを電子メールに添付させて送信させる処理を行わせてもよく、画像データについて色変換や画像加工などの処理を行わせるようにしてもよい。また、画像形成装置10にファクシミリ通信の機能を持たせ、画像データをファクシミリ通信させる処理を行わせるようにしてもよい。
【0053】
上述した実施形態においては処理に関するデータを記憶する履歴サーバ装置を通信回線40に接続し、各装置で行われた処理に関するデータを履歴サーバ装置に記憶させるようにしてもよい。
また、この構成の場合、通信回線40に接続された装置が他の装置に処理を依頼するメッセージを送信するときに、処理に関するデータの出力先を含めるようにし、この出力先を履歴サーバ装置にしてもよい。
【0054】
上述した各プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、各装置にインストールしてもよい。また、通信回線を介して各装置にダウンロードしてインストールすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態の全体構成の模式図である。
【図2】画像形成装置10のハードウェア構成のブロック図である。
【図3】画像形成装置において実現する機能のブロック図である。
【図4】サーバ装置20Aのハードウェア構成のブロック図である。
【図5】サーバ装置20Aにおいて実現する機能の機能ブロック図である。
【図6】サーバ装置20Bにおいて実現する機能の機能ブロック図である。
【図7】コンピュータ装置30のハードウェア構成のブロック図である。
【図8】処理指示データDの内容を示した図である。
【図9】実施形態の動作を説明するための図である。
【図10】画像形成装置10に記憶されたデータを示した図である。
【図11】画像形成装置10に記憶されたデータを示した図である。
【図12】サーバ装置20Aに記憶されたデータを示した図である。
【図13】処理指示データDAの内容を示した図である。
【図14】処理指示データDBの内容を示した図である。
【図15】表示部107に表示される画面を例示した図である。
【符号の説明】
【0056】
10・・・画像形成装置、20A,20B・・・サーバ装置、30・・・コンピュータ装置、40・・・通信回線、50・・・履歴サーバ装置、101・・・バス、102・・・CPU、103・・・ROM、104・・・RAM、105・・・記憶部、106・・・操作部、107・・・表示部、108・・・画像読取部、109・・・画像形成部、110・・・通信部、111・・・画像処理部、201・・・バス、202・・・CPU、203・・・ROM、204・・・RAM、205・・・記憶部、206・・・操作部、207・・・表示部、210・・・通信部、301・・・バス、302・・・CPU、303・・・ROM、304・・・RAM、305・・・記憶部、306・・・操作部、307・・・表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置に行わせる処理および自装置で行う処理を表す処理指示データに基づいて、該処理指示データの表す処理のうち自装置で行う処理を実行する実行手段と、
前記処理指示データのうち外部装置に行わせる処理の実行を前記外部装置へ指示する指示手段と、
前記外部装置で行われた処理の履歴に関するデータを前記外部装置から受信する受信手段と、
前記実行手段で実行された処理の履歴に関するデータと、前記受信手段で受信されたデータとを記憶する記憶手段と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶されたデータであって前記外部装置で行われた処理の履歴に関するデータが、前記記憶手段に記憶されたデータであって自装置で行われた処理の履歴に関するデータより下位となる階層構造で表示される表示手段を有すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
外部装置に行わせる処理および自装置で行う処理を表す処理指示データに基づいて、該処理指示データの表す処理のうち自装置で行う処理を実行する第1実行手段と、
前記処理指示データのうち外部装置に行わせる処理の実行を前記外部装置へ指示する指示手段と、
前記外部装置で行われた処理の履歴に関するデータを前記外部装置から受信する受信手段と、
前記第1実行手段で実行された処理の履歴に関するデータと、前記受信手段で受信されたデータとを記憶する記憶手段と
を有する情報処理装置と、
前記指示手段で指示された処理を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受付られた処理を実行する第2実行手段と、
前記第2実行手段で実行された処理の履歴に関するデータを前記情報処理装置へ送信する送信手段と
を有する1または複数のサーバ装置と
を有する情報処理システム。
【請求項4】
コンピュータを、
外部装置に行わせる処理および自装置で行う処理を表す処理指示データに基づいて、該処理指示データの表す処理のうち自装置で行う処理を実行する実行手段と、
前記処理指示データのうち外部装置に行わせる処理の実行を前記外部装置へ指示する指示手段と、
前記外部装置で行われた処理の履歴に関するデータを前記外部装置から受信する受信手段と、
前記実行手段で実行された処理の履歴に関するデータと、前記受信手段で受信されたデータとを記憶部に記憶させるする記憶部制御手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−79436(P2010−79436A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244709(P2008−244709)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】