説明

情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び撮像装置

【課題】パノラマ画像等の合成画像を操作性よく生成することが可能となる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び撮像装置を提供すること。
【解決手段】本技術に係る情報処理装置は、入力された画像50の表示範囲51を算出する算出部と、前記算出された表示範囲51の少なくとも一部を含む包含範囲61を設定する設定部と、前記入力画像50と関連する合成用画像70を検索する検索部と、前記検索された合成用画像70を前記包含範囲61に配置する配置部と、前記包含範囲61内において、前記合成用画像70が配置されない領域を画像不足領域として判定する判定部と、前記判定された画像不足領域に関する情報をユーザに通知する通知部とを具備する。これにより、高精度のパノラマ画像60を操作性よく生成することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、複数の画像を合成することが可能な情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等により撮像された画像を合成してパノラマ画像を生成する技術が知られている。このようなパノラマ画像生成技術については、例えば特許文献1及び2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−135230号公報
【特許文献2】特開2005−217785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1及び2に開示された技術により、パノラマ画像の生成のために合成される複数の画像が選別される際の、ユーザの負担が軽減されている。このようなユーザの負担を軽減させ、操作性よくパノラマ画像を生成可能な技術が求められている。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、パノラマ画像等の合成画像を操作性よく生成することが可能となる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る情報処理装置は、算出部と、設定部と、検索部と、配置部と、判定部と、通知部とを具備する。
前記算出部は、入力された画像の表示範囲を算出する。
前記設定部は、前記算出された表示範囲の少なくとも一部を含む包含範囲を設定する。
前記検索部は、前記入力画像と関連する合成用画像を検索する。
前記配置部は、前記検索された合成用画像を前記包含範囲に配置する。
前記判定部は、前記包含範囲内において、前記合成用画像が配置されない領域を画像不足領域として判定する。
前記通知部は、前記判定された画像不足領域に関する情報をユーザに通知する。
【0007】
この情報処理装置では、入力された画像の表示範囲が算出され、当該表示範囲の少なくとも一部を含む包含範囲が設定される。そして入力画像と関連する画像が合成用画像として検索され、包含範囲に配置される。この際、合成用画像が配置されない領域が画像不足領域として判定され、それに関する情報がユーザに通知される。従って上記通知をもとに画像不足領域に割り当てられる画像を容易に準備することが可能となり、これらの画像を合成することで、パノラマ画像等の合成画像を操作性よく生成することが可能となる。
【0008】
前記配置部は、前記入力画像との関連性をもとに、前記合成用画像を前記包含範囲に配置してもよい。
これにより、合成画像を高精度に生成することが可能となる。
【0009】
前記通知部は、前記判定された画像不足領域を可視化して前記ユーザに通知してもよい。
これにより、画像不足領域を視覚的に認識することができる。
【0010】
前記通知部は、前記判定された画像不足領域に割り当てられる画像を撮像するための、少なくとも撮影位置及び撮影方向の情報を含む支援情報をユーザに通知してもよい。
これにより上記支援情報をもとに、画像不足領域に割り当てられる画像を容易に撮像することが可能となる。
【0011】
前記情報処理装置は、前記画像不足領域を補間する補間画像を生成する生成部をさらに具備してもよい。
このように、画像不足領域を補間する補間画像が用いられて、合成画像が生成されてもよい。
【0012】
前記情報処理装置は、1以上の画像を有する他の情報処理装置とネットワークを介して接続可能な接続部をさらに具備してもよい。この場合、前記検索部は、前記ネットワークを介して、前記他の情報処理装置が有する1以上の画像から前記合成用画像を検索してもよい。
このように、ネットワークを介して他の情報処理装置から合成用画像が検索されてもよい。これにより、多数の画像の中から、合成用画像としてより適切な画像を検索することが可能となる。
【0013】
本技術の一形態に係る情報処理方法は、算出部が、入力された画像の表示範囲を算出することを含む。
設定部により、前記算出された表示範囲の少なくとも一部を含む包含範囲が設定される。
検索部により、前記入力画像と関連する合成用画像が検索される。
配置部により、前記検索された合成用画像が前記包含範囲に配置される。
判定部により、前記包含範囲内において、前記合成用画像が配置されない領域が画像不足領域として判定される。
通知部により、前記判定された画像不足領域に関する情報がユーザに通知される。
【0014】
本技術の一形態に係るプログラムは、算出部と、設定部と、検索部と、配置部と、判定部と、通知部ととしてコンピュータを機能させる。
前記算出部は、入力された画像の表示範囲を算出する。
前記設定部は、前記算出された表示範囲の少なくとも一部を含む包含範囲を設定する。
前記検索部は、前記入力画像と関連する合成用画像を検索する。
前記配置部は、前記検索された合成用画像を前記包含範囲に配置する。
前記判定部は、前記包含範囲内において、前記合成用画像が配置されない領域を画像不足領域として判定する。
前記通知部は、前記判定された画像不足領域に関する情報をユーザに通知する。
【0015】
本技術の一形態に係る撮像装置は、撮像部と、算出部と、設定部と、検索部と、配置部と、判定部と、通知部とを具備する。
前記撮像部は、画像を撮像する。
前記算出部は、前記撮像された画像の撮影範囲を算出する。
前記設定部は、前記算出された撮影範囲の少なくとも一部を含む包含範囲を設定する。
前記検索部は、前記撮像画像と関連する合成用画像を検索する。
前記配置部は、前記検索された合成用画像を前記包含範囲に配置する。
前記判定部は、前記包含範囲内において、前記合成用画像が配置されない領域を画像不足領域として判定する。
前記通知部は、前記判定された画像不足領域に関する情報をユーザに通知する。
【発明の効果】
【0016】
以上、本技術によれば、パノラマ画像等の合成画像を操作性よく生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本技術の一実施形態に係る情報処理装置としてのサーバを含む、ネットワークシステムの構成例を示す模式的な図である。
【図2】図1に示す撮像装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図1に示す撮像装置の機能的な構成例を示すブロック図である。
【図5】図4に示す画像情報送信部により送信される画像ファイルの構造例を模式的に示す図である。
【図6】本実施形態に係るサーバの機能的な構成例を示すブロック図である。
【図7】図6に示す画像合成部の構成例を示すブロック図である。
【図8】本実施形態に係るサーバの動作を示すフローチャートである。
【図9】図8に示すステップを説明するための図である。
【図10】本実施形態に係る撮影範囲の算出処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】図10に示す撮影範囲の算出処理を説明するための図である。
【図12】図10に示す撮影範囲の算出処理を説明するための図である。
【図13】図6に示す画像検索部による画像検索処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】図13に示す画像検索処理を説明するための図である。
【図15】図6に示す画像収集部による画像収集処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】図6に示す画像合成部により行われるパノラマ画像生成処理及び補間画像等を生成する処理を示すフローチャートである。
【図17】図16に示す倍率補正処理を説明するための図である。
【図18】本実施形態に係る割り当てマップを示す模式的な図である。
【図19】本実施形態に係る合成候補画像の割り当て処理を説明するための図である。
【図20】本実施形態に係る技術により生成されたパノラマ画像を模式的に示す図である。
【図21】本実施形態に係る不足領域画像を模式的に示す図である。
【図22】図7に示す支援情報生成部により生成された支援情報の一例を模式的に示すテーブルである。
【図23】図21に示す画像不足領域が補間画像により補間された補間パノラマ画像を模式的に示す図である。
【図24】図21に示す画像不足領域をカバーする画像が撮像される際の、支援情報を用いた支援方法の一例を示す図である。
【図25】図1に示すネットワークシステムの変形例を示す模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
【0019】
[ネットワークシステムの構成]
図1は、本技術の一実施形態に係る情報処理装置としてのサーバを含む、ネットワークシステムの構成例を示す模式的な図である。ネットワークシステム100は、ネットワーク10、当該ネットワーク10に接続可能である撮像装置200、本技術に係る情報処置装置としてのサーバ300、及び他の情報処理装置としてのサーバ400を有する。なお他の情報処理装置としてのサーバの数は限定されない。
【0020】
ネットワーク10は、例えばインターネット、WAN(Wide Area Network)、WWAN(Wireless WAN:無線WAN)、LAN(Local Area Network)、WLAN(Wireless LAN:無線LAN)、ホームネットワーク等、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等を標準プロトコルとするネットワークである。
【0021】
[撮像装置のハードウェア構成]
図2は、撮像装置200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
撮像装置200は、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、フラッシュメモリ203、ディスプレイ204、タッチパネル205、通信部206、外部I/F(インタフェース)207、及びキー/スイッチ部208を有する。また撮像装置200は、撮像部209、GPS(Global Positioning System)モジュール210、及び方位センサ211を有する。
【0023】
CPU201は、撮像装置200の各ブロックと信号をやり取りして各種演算を行い、画像の撮像処理やメタデータを含む撮像ファイルの生成処理等、撮像装置200で実行される処理を統括的に制御する。
【0024】
RAM202は、CPU201の作業領域として用いられ、例えば撮像画像やメタデータ等のCPU201が処理する各種のデータや、アプリケーション等のプログラムを一時的に格納する。
【0025】
フラッシュメモリ203は、例えばNAND型のものであり、各種の処理に必要なデータ、撮像画像等のコンテンツデータ、及びCPU201が実行する制御プログラム及びアプリケーション等の各種プログラムを記憶する。またフラッシュメモリ203は、アプリケーションが実行される際には、その実行に必要な各種データをRAM202へ読み出す。
【0026】
上記した各種のプログラムは、例えばメモリカード等の図示しない他の記録媒体に記憶されていてもよい。また撮像装置200は、当該フラッシュメモリ203に代わる、又は追加の記憶装置として、HDD(Hard Disk Drive)等を有していてもよい。
【0027】
ディスプレイ204は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やOELD(Organic Electro-Luminescence Display)等である。ディスプレイ204には、例えば撮像画像や、そのサムネイル画像、又は撮影対象となるスルー画像等が表示される。またディスプレイ204には、撮影条件等を設定するためのGUI(Graphical User Interface)や、アプリケーション等を利用するためのGUI等が表示される。
【0028】
図2に示すように、本実施形態のディスプレイ204はタッチパネル205と一体的に設けられる。タッチパネル205は、ユーザのタッチ操作を検出し入力信号をCPU201へ伝える。タッチパネル205の動作方式としては、例えば抵抗被膜方式や静電容量方式が用いられるが、電磁誘導方式、マトリクススイッチ方式、表面弾性波方式、赤外線方式等のその他の方式が用いられてもよい。
【0029】
通信部206は、撮像装置200を例えばWAN(WWAN)、イーサネット(登録商標)、LAN(WLAN)等の上記ネットワーク10へ各規格に準じて接続するためのインタフェースである。WWANへの接続に関して、通信部206は、例えば内蔵モジュールを有しているが、例えばPCカード等の他の通信機器が装着されて機能するものであってもよい。通信部206は、例えば、WWAN及びWLANの各接続機能をユーザの操作に応じて切替えてアクティブ/非アクティブにすることが可能となっている。
【0030】
外部I/F207は、例えばUSB(Universal Serial Bus)やHDMI(High-Definition Multimedia Interface)等の規格に基づいて、外部機器と接続するためのインタフェースである。この外部I/F207により、外部機器との間で、画像ファイル等の各種のデータを送信/受信することが可能となる。また外部I/F207は、例えばメモリースティック等の各種メモリカードと接続するためのインタフェースであってもよい。
【0031】
キー/スイッチ部208は、例えば電源スイッチ、ショートカットキー等、特にタッチパネル205では入力できないユーザの操作等を受け付け、入力信号をCPU201へ伝える。
【0032】
撮像部209は、図示しない撮像制御部、撮像素子及び撮像光学系を有する。撮像素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Devices)センサ等が用いられる。撮像光学系は、撮像素子の撮像面上に被写体像を結像させる。撮像制御部は、CPU201からの指示に基づき、撮像素子を駆動し、撮像素子から出力される画像信号に対して信号処理を行う。また撮像制御部は、撮像光学系を制御することで、撮像される画像のズーム倍率を設定する。
【0033】
撮像された画像データは、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の圧縮方式により圧縮され、RAM202やフラッシュメモリ203へ保存されたり、外部I/F207を介して他の機器へ転送されたりする。また本実施形態では、画像データにExif(Exchangeable Image File Format)で規定されたメタデータ(付加情報)が付加されている。すなわち画像データにメタデータが付加された画像ファイルが、ネットワーク10を介してサーバ300に送信される。
【0034】
GPSモジュール210は、図示しないGPSアンテナにより受信されたGPS信号に基づいて撮影位置情報を算出するものであり、算出された撮影位置情報をCPU201に出力する。この算出された撮影位置情報には、緯度、経度、高度等の撮影位置に関する各種のデータが含まれる。なお、撮影位置の情報を取得する方法として他の方法が用いられてもよい。例えば、周囲に存在する無線LANによるアクセスポイントの情報をもとに、撮影位置情報が導き出されてもよい。また撮影位置情報に含まれる高度の情報は、例えば撮像装置200に図示しない気圧計が設けられ、当該気圧計により高度が測定されることで生成されてもよい。
【0035】
また例えば撮像装置200に、図示しないジャイロセンサ等の角速度センサや加速度センサ等が設けられ、これらのセンサにより撮影位置情報が取得されてもよい。例えば高層ビルの谷間等ではGPS信号が受信できず、位置情報が算出できない場合がある。そのような場合に、GPSモジュール210により位置情報が算出可能な位置からの変位が角速度センサ等により算出される。このようにして、GPS信号を受信できない位置の情報が取得されてもよい。
【0036】
方位センサ211は、地磁気を利用して地球上における方位を計測するセンサであり、計測された方位をCPU201に出力する。例えば方位センサ211は、互いに直交する2軸のコイルと、その中心部に配置されたMR素子(磁気抵抗素子)とを有する磁界センサである。MR素子は、地磁気を感知し、その磁気の強さによって抵抗値が変化する素子であり、MR素子の抵抗変化が、2軸のコイルによって2方向の成分に分けられ、その2方向の成分の地磁気の比に基づいて方位が算出される。
【0037】
本実施形態では、方位センサ211により、撮像装置200の撮影方向の方位が計測される。この撮影方向は、撮影位置(例えば、撮像装置200が存在する位置)から、撮像部209により生成された撮像画像内の被写体が存在する位置までの方向である。具体的には、撮影位置から撮像画像の中心にある被写体までの方向が、撮影方向として算出される。すなわち計測された撮像方向は、撮像部209の光軸方向に対応する。なお、撮影方向の情報を取得する方法として他の方法が用いられてもよい。例えば、上記したGPS信号に基づいて撮影方向の情報が取得されてもよい。また他の構成を有する方位磁針等が方位センサとして用いられてもよい。
【0038】
撮像装置200としては、例えばコンパクトデジタルカメラやデジタル一眼レフカメラ等の種々のカメラ、携帯電話機、スマートフォン、又は撮像機能を有する各種のPDA(Personal Digital Assistant)等が用いられる。
【0039】
[サーバのハードウェア構成]
図3は、本実施形態に係る情報処理装置としてのサーバ300のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。本実施形態に係るサーバ300は、PC(Personal Computer)等の典型的なコンピュータのハードウェア構成を有する。
【0040】
図3に示すように、サーバ300は、CPU301、RAM302、ROM(Read Only Memory)303、入出力インタフェース304、及び、これらを互いに接続するバス305を備える。
【0041】
CPU301は、必要に応じてRAM302等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらサーバ300の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM303は、CPU301に実行させるOS(Operating System)、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM302は、CPU301の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0042】
入出力インタフェース304には、通信部306、表示部307、入力部308、記憶部309、ドライブ部310等が接続される。表示部307は、例えばLCD、OELD、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。当該表示部307は、サーバ300に内蔵されていてもよいし、サーバ300に外部接続されていてもよい。
【0043】
入力部308は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の操作装置である。入力部308がタッチパネルを含む場合、そのタッチパネルは表示部307と一体となり得る。
【0044】
記憶部309は、例えばHDDや、フラッシュメモリ、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部309には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。本実施形態では、記憶部309に、後述するパノラマ画像の生成処理を制御するためのアプリケーション等のプログラムも記憶される。また記憶部309に、パノラマ画像の生成処理の際に検索される1以上の画像データがデータベースとして記憶されている。
【0045】
ドライブ部310は、例えば光学記録媒体、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気記録テープ、フラッシュメモリ等、リムーバブルの記録媒体311を駆動することが可能なデバイスである。これに対し上記記憶部309は、主にリムーバブルでない記録媒体を駆動する、サーバ300に予め搭載されたデバイスとして使用される場合が多い。ドライブ部310により、リムーバブルの記録媒体311から、アプリケーションプログラム等が読み出されてもよい。
【0046】
通信部306は、ネットワーク10に接続可能な、他のデバイスと通信するためのモデム、ルータ、その他の通信機器である。通信部306は、有線及び無線のどちらを利用して通信するものであってもよい。通信部306は、サーバ300とは別体で使用されてもよい。
【0047】
この通信部306により、サーバ300は、撮像装置200及び他のサーバ400とネットワーク10を介して接続可能となる。すなわち通信部306は、本実施形態に係る接続部として機能する。
【0048】
他のサーバ400も、図3に示すようなハードウェア構成と略同様の構成を有している。本実施形態では、サーバ300及び400の各記憶部に、1以上の画像データがデータベースとして格納されている。これらの画像データは、例えば撮像装置200を操作するユーザからネットワーク10を介して送信されて各記憶部に格納される。あるいは、他の不特定多数のユーザから、ネットワーク10を介してサーバ300又は400に画像データが送信され、各記憶部に蓄積されてもよい。
【0049】
図4は、本実施形態に係る撮像装置200の機能的な構成例を示すブロック図である。図4に示す各機能ブロックは、図2に示すフラッシュメモリ203等に記憶されたプログラム等のソフトウェア資源と、CPU201等の各ハードウェア資源とが協働することにより実現される。
【0050】
図4に示す位置情報取得部212、ズーム倍率取得部213及び撮影方向取得部214により、撮像装置200により画像が撮像される際の、撮影位置、ズーム倍率、撮影方向の各情報が撮像画像のメタデータとして、それぞれ取得される。また画像解析部215により、撮像された画像の解像度情報、色情報又は倍率情報等の画像情報や、焦点距離、絞り値、シャッター速度等のカメラの特性情報が取得される。その他、メタデータとして、日時、天候の情報等が取得される。なお天候情報等は、例えばネットワーク10を介して天候の情報を提供するサーバ等から、日時情報をもとにして取得される。
【0051】
上記したズーム倍率は、例えば、一般的な標準レンズの焦点距離50mm(35mm判)に対する撮影時の焦点距離の比率から算出される。例えば焦点距離100mmで撮影した場合、ズーム倍率は2倍となる。しかしながらズーム倍率の算出方法はこれに限られない。例えば画像解析部215により取得された焦点距離の情報をもとに、ズーム倍率が後ほど計算されてもよい。デジタルスチルカメラ等を用いた撮影時には焦点距離が記録されることが多く、この焦点距離を利用してズーム倍率情報が取得されてもよい。
【0052】
撮像部209により撮像された画像データは、フラッシュメモリ203に記憶され、画像情報送信部216に出力される。この画像情報送信部216には、撮影位置、ズーム倍率、撮影方向の各情報、及びその他のメタデータも出力される。そして画像データに各メタデータが付加された画像ファイルが生成され、ネットワーク10を介してサーバ300に送信される。
【0053】
図5は、画像情報送信部216により送信される画像ファイルの構造例を模式的に示す図である。画像ファイルは、メタデータ部220及びボディ部230を有する。メタデータ部220は、例えばヘッダといわれる領域に対応する。本実施形態では、このメタデータ部220に、位置情報や方向情報等のメタデータが格納される。ボディ部230には、レリーズ実行指示の発生タイミングに応じて画像信号から生成された画像データが格納される。
【0054】
図4に示す不足領域画像(支援情報)受信部217は、後述する不足領域画像又は支援情報を、ネットワーク10を介してサーバ300から受信する。撮影アドバイス部218は、受信した不足領域画像や支援情報をもとに、パノラマ画像の生成に必要な画像を撮像するためのGUI等をディスプレイ204に表示させる。この処理については、後述する。
【0055】
図6は、本実施形態に係る情報処理装置であるサーバ300の機能的な構成例を示すブロック図である。図6に示す各機能ブロックは、図3に示す記憶部309等に記憶されたプログラム等のソフトウェア資源と、CPU301等の各ハードウェア資源とが協働することにより実現される。
【0056】
サーバ300は、情報取得部312と、撮影範囲算出部313と、包含範囲設定部314と、画像検索部315と、画像収集部316と、画像合成部317とを有する。
【0057】
情報取得部312は、撮像装置200から送信された画像ファイルから画像情報、撮影位置情報、撮影方向情報、ズーム倍率情報等のメタデータを取得する。撮影範囲算出部313は、撮影位置情報等をもとに、入力された画像の表示範囲である撮影範囲を算出する。包含範囲設定部314は、算出された撮影範囲の少なくとも一部を含む包含範囲を設定する。
【0058】
画像検索部315は、撮像画像をもとにした合成画像であるパノラマ画像を生成するための合成用画像を、サーバ300の記憶部309等に格納された1以上の画像データから検索する。ここで合成用画像は、パノラマ画像を生成するために合成される画像と、当該合成される画像の候補となる合成候補画像とを含む。
【0059】
画像収集部316は、ネットワーク10を介して、他のサーバ400が有する1以上の画像データから合成用画像を検索する。本実施形態では、画像検索部315及び画像収集部316が、入力された撮像画像と関連する合成用画像を検索する検索部として機能する。
【0060】
図7は、図6に示す画像合成部317の構成例を示すブロック図である。画像合成部317は、割り当てマップ生成部318と、合成用画像割り当て部319と、不足領域判定部320と、合成画像生成部321と、補間画像生成部322と、不足領域画像生成部323と、支援情報生成部324とを有する。
【0061】
割り当てマップ生成部318は、包含範囲に合成用画像を割り当てるための割り当てマップを生成する。合成用画像割り当て部319は、生成された割り当てマップをもとに、検索された合成用画像を包含範囲に配置する。合成用画像割り当て部319は、本実施形態に係る配置部として機能する。
【0062】
不足領域判定部320は、包含範囲内において、合成用画像が配置されない領域を画像不足領域として判定する。補間画像生成部322は、画像不足領域を補間する補間画像を生成する。
【0063】
合成画像生成部321は、配置された合成用画像又は補間画像を合成して、合成画像としてのパノラマ画像を生成する。
【0064】
不足領域画像生成部323及び支援情報生成部324は、判定された画像不足領域に関する情報を生成する。不足領域画像生成部323は、画像不足領域が可視化された不足領域画像を生成する。支援情報生成部324は、判定された画像不足領域に割り当てられる画像を撮像するための、少なくとも撮影位置及び撮影方向の情報を含む支援情報を生成する。不足領域画像データ及び支援情報は、サーバ300の通信部306からネットワーク10を介して撮像装置200に出力される。不足領域画像生成部323、支援情報生成部324及び通信部306により、本実施形態に係る通知部が実現される。
【0065】
[サーバの動作]
本実施形態に係る情報処理装置としてのサーバ300の動作について説明する。図8は、サーバ300の動作を示すフローチャートである。図9は、図8に示すステップを説明するための図である。
【0066】
撮像装置200の通信部206によりネットワーク10を介して送信された画像ファイルが、サーバ300の通信部306により受信される。これにより撮像装置200により撮像された画像50が、サーバ300に入力される。
【0067】
図6に示す情報取得部312により、画像情報、位置情報、方向情報、及び倍率情報等のメタデータが取得される(ステップ101)。撮影範囲算出部313により、メタデータに基づいて、撮像画像50の撮影範囲51が算出される(ステップ102)。
【0068】
図10は、本実施形態に係る撮影範囲51の算出処理の一例を示すフローチャートである。図11及び図12は、その撮影範囲51の算出処理を説明するための図である。
【0069】
本実施形態では、撮影範囲51の算出処理のために、撮影位置情報としての緯度及び経度の情報と、撮影方向情報と、カメラの特性情報に含まれる焦点距離の情報とが用いられる(ステップ201〜ステップ203)。
【0070】
緯度及び経度の情報により、図11及び図12に示す撮影位置Pが判定される。撮影位置Pは撮像装置200が存在する位置であるが、当該位置情報を補正することにより撮像光学系のレンズの位置が詳細に算出されてもよい。また撮像装置200の位置(又はレンズの位置)から所定の範囲内の位置が、撮影位置Pとして定められてもよい。
【0071】
撮影方向情報により、撮像装置200の撮影方向、すなわち撮影位置Pからどの方向に向かって撮影が行われたかが判定される。本実施形態では、サーバ300の記憶部309等に地図情報が記憶されており、撮影方向情報は東西南北により表現される。
【0072】
当該撮影位置情報、撮影方向情報及び地図情報により、撮影対象である被写体が判定される。例えば地図情報が参照されることで、撮影位置Pから撮影方向に向けて存在する建物や自然物等が判定される。そして判定された被写体の中心点が特徴点Qとして設定される。なお、被写体の中心点ではなく、被写体となる建物等の特徴的な部分(例えば門等)の位置が特徴点Qとして設定されてもよい。
【0073】
本実施形態では、撮像画像50として、富士山が撮影された画像が用いられている。従って富士山の中心となる点が特徴点Qとして判定される。
【0074】
例えば上記した富士山や東京スカイツリー等の有名な建物や観光スポット等が、特徴点Qの候補として予め設定されてもよい。すなわち被写体となる可能性が高い建物等が予め候補として設定されており、その中から被写体が選択されてもよい。あるいは撮影位置Pから撮影方向に向けて存在する建物や自然物等の情報が、ネットワーク10を介して撮像装置200に送信される。そしてユーザにより被写体の設定が行われてもよい。これにより、地図情報から、例えば被写体の候補として複数の建物等が判定された場合に、適切な被写体が設定される。
【0075】
図11及び図12に示すように、特徴点Qを基準とした基準面Rが設定される。基準面Rは、撮影方向と垂直となるように設定される。基準面Rは、例えば特徴点Qの位置情報(緯度及び経度)を基準として設定される。
【0076】
図12に示すように、設定された基準面Rにおいて、撮像画像50の撮影範囲51が算出される。図12には、撮像画像50の左右方向(図9示すx方向)における撮影範囲51のサイズnが図示されている。
【0077】
撮影範囲のサイズnは、x方向における撮像面Sのサイズm、焦点距離f、撮影位置P、特徴点Qの位置、及び撮影位置Pと特徴点Qの位置との距離xの各情報を用いて算出される。撮像面Sのサイズmの情報は、焦点距離fの情報とともにカメラの特性情報から取得される。距離xは、撮影位置P及び特徴点Qのそれぞれの緯度及び経度から算出される。なお本実施形態では、焦点距離fは、35mmフィルムを用いた場合における焦点距離に換算されている。
【0078】
これらのパラメータを用いると、図12に示す角度θについて以下の式が成り立つ。
【0079】
【数1】

【0080】
この結果をもとに、撮影範囲51のサイズnは、以下の式で表される。
【0081】
【数2】

【0082】
撮像画像50の上下方向(図9に示すy方向)における撮影範囲51のサイズも同様にして算出される。例えば撮像面Sの上下方向におけるサイズの情報が得られない場合等がある。このような場合には、撮影範囲51の上下方向におけるサイズとして、左右方向の撮影範囲のサイズnと略等しいサイズ、あるいはそれよりも若干大きいサイズが設定されてもよい。
【0083】
このように本実施形態では、地図情報が参照されることで、撮像された画像の撮影範囲が算出される(ステップ204)。
【0084】
図8のステップ103に示すように、包含範囲設定部314により、パノラマ画像60の包含範囲61が設定される。図9に示すように、包含範囲61は、生成されるパノラマ画像60の表示範囲に相当する。なお、図9はパノラマ画像60の生成前の図であるが、説明を分かりやすくする為に、パノラマ画像60の符号を図示している。
【0085】
図9に示すように、本実施形態では、撮像画像50が中心に位置するように包含範囲61が設定される。まず、図8のステップ102で算出された撮像画像50の撮影範囲51のサイズをもとに、撮像画像50の左上の点52及び右下の点53の緯度及び経度の情報が算出される。
【0086】
撮像画像50の解像度(ピクセル数)と、想定しているパノラマ画像60の解像度(ピクセル数)の比率が算出される。例えば本実施形態では、撮像画像50のサイズは、1600×1200(pixel)のUXGA(UltraXGA)サイズとする。そして生成されるパノラマ画像60のサイズは、6700×2500(pixel)とする。しかしながら本技術において両画像50及び60の各サイズは適宜設定可能である。
【0087】
撮像画像50及びパノラマ画像60の各サイズの比率をもとに、包含範囲61の左上の点62及び右下の点63の緯度及び経度の情報が算出される。点62及び63の緯度及び経度の情報は、撮像画像50の点52及び53の緯度及び経度の情報から算出される。これにより、パノラマ画像60の表示範囲である包含範囲61が設定される。
【0088】
撮像画像50が中心に位置しないように包含範囲61が設定されてもよい。すなわち撮像画像50と、設定される包含範囲61との相対的な位置関係は適宜設定可能である。また本実施形態では、撮影範囲51の全体を含むように包含範囲61が設定されたが、撮影範囲51の全体ではなくて、少なくとも一部を含むように包含範囲61が設定されてもよい。あるいは、例えば撮影範囲51及び包含範囲61に関する情報がネットワーク10を介して撮像装置200に送信される。そして撮影範囲51及び包含範囲61を示すGUIが表示され、ユーザにより包含範囲61の位置等が設定されてもよい。
【0089】
本実施形態では、撮像画像50及び包含範囲61のそれぞれの左上の点(点52、点62)及び右下の点(点53、点63)について、緯度及び経度の情報が算出された。しかしながらこれらの点に限られず、例えば撮像画像50及び包含範囲61の四辺の各中点の緯度及び経度の情報がそれぞれ算出されてもよい。
【0090】
図8のステップ104において、画像検索部315により、パノラマ画像60を生成するための合成用画像が検索される。図13は、画像検索部315による画像検索処理の一例を示すフローチャートである。図14は、画像検索処理を説明するための図である。
【0091】
合成用画像70としては、その撮影範囲71の少なくとも一部が包含範囲61に含まれるような画像が検索される。そのような画像を検索するために、まず図13に示すステップ301において、合成用画像70として選択されるための条件となる領域情報が算出される。本実施形態では、領域情報として撮影位置情報及び撮影方向情報が用いられる。
【0092】
領域情報は、包含範囲設定部314により設定された包含範囲61をもとに算出される。例えば撮影位置情報としては、撮像画像50の撮影位置Pと略等しい位置を示す位置情報が算出される。又は撮像画像50の撮影位置Pから所定の範囲内の位置の位置情報が算出されてもよい。あるいは、図11に示す特徴点Q(富士山)の位置と撮影位置Pとをつなぐ線Tの近傍の位置を示す位置情報が算出されてもよい。
【0093】
領域情報として算出される撮影方向情報は、例えば撮像画像50の撮影位置Pと、包含範囲61の左上の点62及び右下の点63について算出された緯度及び経度の情報に基づいて算出される。その他、包含範囲61内の領域が撮像されている可能性がある合成用画像を取得するための、領域情報(位置情報及び方向情報)の設定方法は適宜設定可能である。
【0094】
サーバ300の記憶部309等に格納されている画像データベースから、上記した領域情報に合致もしくは近い位置情報及び方向情報を有する画像が取得される(ステップ302)。そして取得された1以上の画像から、ステップ303から以下の処理において、合成候補画像75が選択される。
【0095】
ステップ303において、全ての画像について、合成候補画像75として採用可能か否かの確認作業が行われたかが判定される。確認作業が終了した場合(ステップ303のYes)、画像検索処理は終了する。
【0096】
確認作業が終了していない場合(ステップ303のNo)、当該確認が済んでいない画像の撮影範囲71が算出される(ステップ304)。撮影範囲71は、例えば撮像画像50の撮影範囲51の算出処理と同様に算出されればよい。
【0097】
算出された撮影範囲71が、パノラマ画像60となる包含範囲61に含まれるか否かが判定される(ステップ305)。撮影範囲51が包含範囲61に含まれる場合(ステップ305のYes)、当該画像は合成候補画像75として採用される(ステップ306)。撮影範囲71が包含範囲61に含まれない場合(ステップ305のNo)、当該画像は合成候補画像75として採用されない(ステップ307)。
【0098】
ステップ305において、検索された画像の撮影範囲71が包含範囲61にどの程度含まれるかについての閾値が設定され、当該閾値をもとに合成候補画像75が選択されてもよい。閾値は、例えば包含範囲61に含まれる領域のピクセル数について設定されてもよい。例えばパノラマ画像60の全体のピクセル数の10%以下のピクセル数等が閾値として設定されてもよい。
【0099】
図8のステップ105において、画像検索部315により検索された合成候補画像75をもって、パノラマ画像60の生成に必要な合成用画像70が全て取得されたかが判定される。例えば検索された合成候補画像75のそれぞれの撮影範囲71により、包含範囲61全体がカバーされた場合に、パノラマ画像60の生成に必要な合成用画像70が全て取得されたと判定される。
【0100】
この判定は、図13のステップ301にて生成された領域情報と、検索された合成候補画像75の位置情報及び方向情報とが参照されることで行われる。あるいは各合成候補画像75の左上及び右下の点について、緯度及び経度の情報が算出される。そして当該緯度及び経度の情報に基づいて判定が行われてもよい。
【0101】
合成用画像70が全て取得されていないと判定された場合(ステップ105のNo)、画像収集部316により合成用画像70が収集される(ステップ106)。図15は、画像収集部316による画像収集処理の一例を示すフローチャートである。
【0102】
画像検索部315で取得することができなかった画像の領域情報が取得される(ステップ401)。すなわち包含範囲61のカバーされていない領域のために必要な画像の領域情報が取得される。例えば領域情報は、包含範囲61に対して必要な合成用画像70の領域情報の算出処理(図13のステップ301)と略同様に算出されればよい。
【0103】
算出された領域情報が、ネットワーク10を介して他のサーバ400に送信される。そしてサーバ400において、記憶部等に格納されている画像データベースから、領域情報に合致もしくは近い位置情報及び方向情報を有する画像が取得される。取得された画像は、ネットワーク10を介してサーバ300に送信される。これによりサーバ300は、他のサーバ400からネットワーク10を介して、撮像画像50に関連する画像を取得する(ステップ402)。
【0104】
ステップ403〜ステップ407において、図13に示すステップ303〜ステップ307と同様の処理が行われ、合成候補画像75が選択される。
【0105】
図8に示すステップ107において、画像合成部317によりパノラマ画像60が生成される。パノラマ画像60は、画像検索部315により検索された、または画像収集部316により収集された合成用画像70が合成されることで合成される。また画像合成部317により、補間画像、不足領域画像、及び支援情報が生成される。
【0106】
図16は、画像合成部317により行われる上記パノラマ画像生成処理及び補間画像等を生成する処理を示すフローチャートである。図17〜図23は、図16に示す各ステップを説明するための図である。
【0107】
撮像装置200から送信された撮像画像50と、合成候補画像75の各倍率をそれぞれ補正する(ステップ501)。この処理は、撮像画像50及び合成候補画像75をつなぎ合わせてパノラマ画像60を生成するために行われるものである。典型的には、合成候補画像75の倍率が、撮像画像50の倍率に合わせられる。
【0108】
図17は、倍率補正処理を説明するための図である。図17に示すように、例えば望遠により撮影された高倍率の画像が、合成候補画像75として検索されたとする。そうすると撮像画像50と合成候補画像75とで、単位面積当たりに占める領域の割合が異なる。この単位面積当たりに占める領域の割合が同じになるように両画像50及び75の倍率をそれぞれ補正する。
【0109】
図17に示すような場合では、合成候補画像75に対して縮小処理が行われる(合成用画像75’参照)。これにより単位面積当たりに占める領域が、撮像画像50と略等しくなる。合成候補画像75の倍率が撮像画像50よりも低倍率である場合は、合成候補画像75に対して拡大処理が行われる。この場合、拡大された合成候補画像75の解像度(ピクセル数)が高くなるように変換されてもよい。
【0110】
図7に示す割り当てマップ生成部318により、包含範囲61に合成候補画像75を割り当てるための割り当てマップが生成される(ステップ502)。割り当てマップは、合成候補画像75が配置される仮想的なキャンバスになるものである。
【0111】
図18は、本実施形態に係る割り当てマップ80を示す模式的な図である。割り当てマップ80は、予め定められたサイズのブロック(配置領域)81により、包含範囲61を分割する。本実施形態では、縦に並ぶ5ブロック及び横に並ぶ7ブロックの35個のブロック81により包含範囲61が分割される。図18に示すように、中央のブロック81aには、撮像画像50が配置される。
【0112】
合成用画像割り当て部319により、各ブロック81に対して合成候補画像75が割り当てられる(ステップ503)。図19は、合成候補画像75の割り当て処理を説明するための図である。
【0113】
本実施形態では、まず、割り当てマップ80の中央のブロック81aに隣接するブロック81に対して合成候補画像75が割り当てられる。例えば図19に示すように、中央ブロック81aの右隣に位置するブロック81bに割り当てられる合成候補画像75が選択される。例えば撮像画像50の位置情報及び方向情報と、ブロック81のサイズに基づいて、当該ブロック81bに配置される条件としての領域情報(位置情報及び方向情報)が算出される。算出された領域情報に一致するか、それに近い位置情報及び方向情報を有する合成候補画像75が選択される。
【0114】
次に、撮像画像50と、選択された合成候補画像75とでマッチング処理が行われる。図19に示すように、撮像画像50の右端領域54と、選択された合成候補画像75の左端領域74とが、マッチング処理の対象となる。
【0115】
本実施形態では、右端領域54及び左端領域74において、各領域の輝度の勾配情報が算出され、その勾配情報に基づいてSIFT(Scale Invariant Feature Transform)と呼ばれる局所特徴量が算出される。この局所特徴量が用いられることでマッチング処理が行われ、両領域54及び74がどの位置関係で、どの程度一致するかが判定される。例えば所定の閾値が設定され、両領域54及び74のマッチング結果が当該閾値以上の場合に、選択された合成候補画像75が、実際に合成される合成用画像70として改めて選択される。そして両領域54及び74が最もマッチする位置に、当該合成用画像70が配置される。
【0116】
なお撮像画像50と、合成候補画像75とのマッチング処理においては、どのような方法が用いられてもよい。局所特徴量が用いられる場合に、上記したSIFTではないものが用いられてもよい。また局所特徴量が用いられないマッチング処理でもよい。例えば両領域54及び74を相対的に動かしながら各輝度値の相関係数が算出されることでマッチング処理が行われてもよい。
【0117】
図19では、中央ブロック81aの下側に位置するブロック81cに配置される合成用画像70も図示されている。この場合は、撮像画像50の下端領域と、合成候補画像75の上端領域においてマッチング処理が行われる。以下、右隣のブロック81b及び下側のブロック81cにそれぞれ隣接するブロック81について、合成用画像70の割り当て処理が行われる。
【0118】
図16のステップ504では、所定のブロック81において割り当てられる合成候補画像75が複数あるか否かが判定される。例えば中央ブロック81aの右隣のブロック81bにおいて、撮像画像50とのマッチング結果が所定の閾値以上となる画像が複数存在したとする。この場合、ステップ505に進み、複数存在する合成候補画像75の中から、最適な画像が合成用画像70として配置される。
【0119】
例えば、輝度値の情報に基づき、撮像画像50の色合いと最も近い合成用画像70が配置される。撮像画像50が撮像された時間帯、季節あるいは天候等により、同じ位置から同じ被写体を撮影したとしても、撮像画像50の色合いはそれぞれ異なるものとなる。従って、色合いが近い合成用画像70が配置されることで、高品質なパノラマ画像60が生成される。各画像に付加された撮影日時、季節あるいは天候等のメタデータをもとに、最適な合成用画像70が選択されてもよい。また例えばブレやボケのない画像、ノイズのない画像等の高品質な画像が合成用画像70として選択されてもよい。これにより、高品質なパノラマ画像60が生成される。
【0120】
ステップ503では、不足領域判定部320により、包含範囲61内において、合成用画像70が配置されない領域が画像不足領域として判定される。例えば割り当てマップ80のブロック81に関する領域情報に一致するか、それに近い合成候補画像75が存在しない場合、当該ブロック81が画像不足領域として判定されてもよい。又は上記マッチング処理の結果、合成用画像70が配置されないブロック81が画像不足領域として判定されてもよい。あるいは、例えば各ブロック81に合成用画像70がそれぞれ配置される場合でも、各合成用画像70の位置によっては、合成用画像70が配置されない領域が発生する場合がある。このような領域が画像不足領域として判定されてもよい。
【0121】
各ブロック81において、合成候補画像75の割り当て処理が行われると、配置された合成用画像70に対して、色補正処理が行われる(ステップ506)。これにより例えば撮像画像50の色合いをもとに、パノラマ画像60全体の色合いが調整されて、高品質のパノラマ画像60が生成される。
【0122】
ステップ507において、撮像画像50と、各ブロック81に配置された合成用画像70とが、スティッチング処理により接続される。例えば、撮像画像50及び合成用画像70の境界が目立たないように、適宜位置合わせ処理や幾何学的な変処理が行われる。このようなスティッチング処理としては、上記した特徴量を用いるものや、相関係数を用いるもの等、いかなるものが用いられてよい。
【0123】
各ブロック81に割り当てられた合成用画像70により、包含範囲61全体がカバーされた場合、すなわち画像不足領域が無いと判定された場合、図20に示すような高品質なパノラマ画像60が生成される。
【0124】
不足領域判定部320により、画像不足領域が有ると判定された場合、図7に示す不足領域画像生成部323、支援情報生成部324、及び補間画像生成部322により、不足領域画像、支援情報、及び補間画像がそれぞれ生成される(ステップ500)。
【0125】
図21は、不足領域画像を模式的に示す図である。本実施形態に係る不足領域画像90では、画像不足領域91を強調させるために、当該領域91に色が付せられている。また画像不足領域91を強調する強調画像92として、当該領域91を囲む楕円が表示される。画像不足領域91を強調させるための色や強調画像92としては、どのようなものが用いられてもよい。例えば、画像不足領域91が発光するような不足領域画像90が生成されてもよい。あるいは画像不足領域91付近に、強調画像92としてテキスト状の画像やマーク等が表示されてもよい。
【0126】
不足領域画像90としては、例えば画像不足領域91以外に配置された合成用画像70がスティッチング処理により高精度に接続された画像が生成されてもよい。すなわち図20に示すパノラマ画像60と略等しいサイズ及び解像度を有する高品質な不足領域画像90が生成されてもよい。
【0127】
あるいは不足領域画像90として、パノラマ画像60よりも解像度が小さい画像やサムネイル画像が生成されてもよい。またスティッチング処理は行われず、合成用画像70が他の合成用画像70と互いに重なるように配置されている画像が生成されてもよい。すなわち、画像不足領域91の位置がユーザに認識できる範囲であれば、パノラマ画像60よりも精度が低い画像が不足領域画像90として生成されてもよい。これにより、CPU301やRAM302等の処理リソースに対する負荷が軽減され、一定の処理速度の向上が図られる。
【0128】
図22は、支援情報生成部324により生成された支援情報の一例を模式的に示すテーブルである。支援情報は、不足領域判定部320により判定された画像不足領域91に割り当てられる画像を撮像するための情報である。
【0129】
図22に示すように、支援情報は、画像不足領域91をカバーするために必要な撮影位置及び撮影方向の情報を少なくとも含む。その他、例えば、焦点距離、倍率、高度、日時、天候等の情報が、支援情報として生成されてもよい。
【0130】
図23は、画像不足領域91が補間画像93により補間された補間パノラマ画像95を模式的に示す図である。画像不足領域91を補間する補間画像93は、例えば画像不足領域91の周囲に配置される画像の輝度情報や、当該画像に表された被写体の形状情報等をもとに生成される。または補間画像93は、撮像画像50の特徴点(富士山)の情報、日時又は天候等の情報をもとに生成される。または撮像装置200のタッチパネル205を介したユーザの指示により補間画像93が生成されてもよい。
【0131】
ここで図21及び図23の画像不足領域91aに注目する。この画像不足領域91aは、木を表示する補間画像93aにより補間されている。このような場合に、例えば画像不足領域91aの周囲に配置される画像等をもとにして補間画像93を生成すると、木が表示されない補間画像93が生成されてしまう可能性がある。従って、例えばユーザの指示により木の画像が付加された補間画像93aが生成されてもよい。一方、ユーザの指示により補間画像93から不要なものが削除される処理が行われてもよい。
【0132】
本実施形態では、合成用画像70及び補間画像93は、ステップ506及び507において合成され、図23に示す補間パノラマ画像95が生成される。
【0133】
パノラマ画像60、不足領域画像90、支援情報、及び補間パノラマ画像95は、ネットワーク10を介してそれぞれ撮像装置200に送信される。例えば不足領域画像90が撮像装置200のディスプレイ204に表示される。これによりユーザは、画像不足領域91を視覚的に確認することが可能となり、パノラマ画像60を完成させるのに必要な画像を容易に把握することができる。そして例えば富士山の付近に行って、撮像装置200により画像不足領域91をカバーする画像を撮像することができる。またはネットワーク10を介して適当な画像を自ら検索してダウンロードすることができる。
【0134】
図24は、画像不足領域91をカバーする画像が撮像される際の、支援情報を用いた支援方法の一例を示す図である。図24には、撮像装置200のディスプレイ204と、ディスプレイ204に表示されたスルー画像250とが図示されている。ここで説明する支援処理は、図4に示す撮影アドバイス部218により実行される。
【0135】
本実施形態では、ディスプレイ204に表示されているスルー画像250の領域情報(位置情報及び方向情報)が取得される。そして取得されたスルー画像250の領域情報と、画像不足領域91をカバーするための支援情報(位置情報及び方向情報)とが比較される。
【0136】
この結果、スルー画像250が画像不足領域91をカバーする画像として撮像可能な場合に、ディスプレイ204にOKマークが撮像指示マーク251として表示される。ユーザは、この撮像指示マーク251が表示されたときに、撮像ボタンを押し撮像処理を実行させる。これにより、画像不足領域91をカバーする画像が操作性よく簡単に撮像することが可能となる。撮像指示マーク251としては、OKマークに限られず、種々のGUIが表示されてよい。あるいは撮像を指示する旨の音声等が発せされてもよい。
【0137】
例えばディスプレイ204にスルー画像250が表示されている間、常に当該スルー画像250の領域情報が取得され、支援情報と比較されてもよい。あるいは、ユーザにより、スルー画像250が画像不足領域91をカバーする画像として適正かどうかを確認するモードが選択される。そのときに、スルー画像250の領域情報が取得され、支援情報と比較されてもよい。
【0138】
また図24に示すように、ディスプレイ204に表示されたスルー画像250上に、画像不足領域に対応する領域252を示すGUIが表示されてもよい。これによりユーザは、操作性よく簡単に、パノラマ画像60の生成に必要な画像を撮像することができる。
【0139】
以上本実施形態に係る情報処理装置であるサーバ300では、撮像装置200からネットワーク10を介して入力された撮像画像50の表示範囲である撮影範囲51が算出される。また当該撮影範囲51の少なくとも一部を含む包含範囲61が設定される。そして撮像画像50と関連する画像が合成用画像70として検索され、包含範囲61に配置される。この際、合成用画像70が配置されない領域が画像不足領域91として判定され、それに関する情報として、不足領域画像90及び支援情報がネットワーク10を介してユーザに通知される。従って上記通知をもとに画像不足領域91に割り当てられる画像を容易に準備することが可能となり、これらの画像を合成することで、パノラマ画像60等の合成画像を操作性よく生成することが可能となる。
【0140】
本実施形態では、撮像画像50の撮影位置情報及び撮影方向情報に基づいた関連性により、合成用画像70が選択され、当該合成用画像70が包含範囲61に配置された。これにより、パノラマ画像60を高精度に生成することが可能となる。
【0141】
また本実施形態に係るサーバ300では、画像不足領域91を可視化した画像である不足領域画像90が生成される。そして不足領域画像90が、ネットワーク10を介して撮像装置200に送信され、ユーザに通知される。これにより、画像不足領域91を視覚的に認識することができる。
【0142】
また本実施形態に係るサーバ300では、画像不足領域91に割り当てられる画像を撮像するための、少なくとも撮影位置及び撮影方向の情報を含む支援情報が、ユーザに通知される。これにより、画像不足領域91に割り当てられる画像を容易に撮像することが可能となる。
【0143】
また本実施形態に係るサーバ300では、画像不足領域91を補間する補間画像93が生成され、図23に示す補間パノラマ画像95が生成される。これにより、例えばパノラマ画像60を生成するための画像が不足する場合でも、撮像画像50を含む大面積の画像を生成することができる。
【0144】
また本実施形態に係るサーバ300は、1以上の画像を有する他の情報処理装置であるサーバ400と、ネットワーク10を介して接続可能である。そして、ネットワーク10を介して、当該サーバ400が有する1以上の画像から合成用画像70を検索することが可能である。これにより、本実施形態に係るサーバ300が有する画像のみならず、他のサーバ400が有する多数の画像の中から、合成用画像70としてより適切な画像を検索することが可能となる。この結果、高品質のパノラマ画像60を生成することが可能となる。
【0145】
本技術によれば、過去に撮像した撮像画像50についても、サーバ300に送信することにより、高品質のパノラマ画像60を操作性よく生成することができる。
【0146】
<変形例>
本技術に係る実施形態は、上記で説明した実施形態に限定されず種々変形される。
【0147】
図25は、図1に示すネットワークシステム100の変形例を示す模式的な図である。図1に示すネットワークシステム100では、ネットワーク10に接続可能な撮像装置200からサーバ300に撮像画像50が送信された。
【0148】
しかしながら図25に示すネットワークシステム100’のように、ユーザにより撮像装置200’がPC290に接続され、当該PC290を介してサーバ300に撮像画像50が送信されてもよい。これにより、ネットワーク通信機能を有さない撮像装置200’により撮像された撮像画像50を基準としたパノラマ画像が生成可能となる。
【0149】
また図1に示す撮像装置200が、本技術の一実施形態として機能してもよい。すなわち撮像装置200に、図6に示す情報取得部312、撮影範囲算出部313、包含範囲設定部314、画像検索部315、画像収集部316、及び画像合成部317が設けられてもよい。この場合、撮像装置200により、フラッシュメモリ203等に格納された画像から合成用画像70が検索される。また撮像装置200により、サーバ400が有する1以上の画像から合成用画像70が収集されてもよい。
【0150】
同様に、図25に示すPC290が、本技術の一実施形態として機能してもよい。すなわちPC290により合成用画像が検索されてパノラマ画像が生成されてもよい。なお図25に示すネットワークシステム100’では、PC290の表示部等に不足領域画像等が表示されてもよい。
【0151】
上記では、図6に示す画像検索部315により、サーバ300の記憶部309から合成候補画像75が検索された。そして必要な合成候補画像75が全部取得されない場合に、画像収集部316により、ネットワーク10を介して他のサーバ400から合成候補画像75が収集された。しかしながら、画像検索部315による検索結果にかかわらず、画像収集部316によりネットワーク10を介して合成候補画像75が収集されてもよい。これにより、合成候補画像75として多数の画像を取得することが可能となり、その中から最適な画像を合成用画像70として採用することができる。
【0152】
上記では、包含範囲に配置される合成用画像(合成候補画像)が検索される際に、領域情報(位置情報及び方向情報)が参照された。しかしながら撮像画像及び各サーバが有する画像に、被写体についてのタグ情報がメタデータとして付加されてもよい。そして当該タグ情報を参照することで、合成用画像が検索されてもよい。
【0153】
例えば図9等に示す撮像画像50が撮像される際に、メタデータとして「富士山」を示すタグ情報が付加される。そしてサーバ300又は400が有する画像のうち「富士山」のタグ情報が付加された画像が、合成候補画像75として検索される。タグ情報は、撮影位置情報及び撮影方向情報に基づいて被写体が判定されたときに付加されてもよい。あるいは、撮像装置200のタッチパネル205へのユーザによる操作に基づいて付加されてもよい。このようなタグ情報が付加されることで、仮想的なデータベースが生成可能となり、以下のような場合においても操作性よくパノラマ画像が生成可能となる。
【0154】
例えば「山田さん」のような個人の家の中で撮影が行われ、当該撮像画像を基準としたパノラマ画像の生成が求められる場合がある。この場合、GPSモジュールの精度の限界により、あるいは地図情報から山田さんの家の情報が取得できないことにより、山田さんの家の中の画像を検索することが困難となる場合がある。このような場合に、撮像画像やサーバが有する画像に、「山田家」を示すタグ情報が付加されていると、当該タグ情報を参照することで容易に合成用画像を検索することができる。
【0155】
その他、合成用画像が検索される際に参照されるメタデータとして、どのようなデータが用いられてもよい。
【0156】
包含範囲に配置される合成用画像に例えばアフィン変換等の画像処理が施されてもよい。これにより被写体の撮影方向を調整することが可能となり、精度のよいパノラマ画像を生成することが可能となる。
【0157】
上記では合成画像としてパノラマ画像が生成された。しかしながら本技術により、合成画像として3D画像が生成されてもよい。例えば撮像装置により撮像された撮像画像の撮影範囲が算出される。そして当該撮影範囲を少なくとも含む包含範囲が設定される。この包含範囲は、3D画像を生成するために必要な合成用画像が配置される範囲であり、例えば撮像画像の被写体を周囲及び上下から見た場合の視界に相当する範囲である。すなわち包含範囲として、被写体の周囲(上下左右)に仮想的なキャンバスが設定される。そして設定された包含範囲に配置される合成用画像が位置情報等のメタデータを参照することで検索される。検索された合成用画像が合成されることで3D画像が生成されるが、この際に合成用画像が配置されない画像不足領域に関する情報がユーザに通知される。これにより高精度の3D画像を操作性よく生成することが可能となる。
【0158】
上記では、位置情報等のメタデータが付加された撮像画像がサーバに送信された。そしてメタデータをもとに被写体が判定され特徴点が設定された。しかしながら、メタデータが用いられずに、被写体が判定されてもよい。例えば撮像画像の輝度情報等から撮像された被写体の色や形状等が検出される。そして当該色や形状等の情報に基づいて、被写体が判定されてもよい。その他、種々の物体認識技術が採用可能である。これにより、メタデータが付加されていない撮像画像についても本技術を適用して操作性よくパノラマ画像等の合成画像を生成することが可能となる。
【0159】
また入力される画像は、撮像画像に限られない。例えば富士山を写生した絵がデジタル化され、その画像データが入力画像として入力されてもよい。そして当該デジタル画像の表示範囲が算出されてもよい。
【0160】
包含範囲に配置される合成用画像として、例えば撮像画像の撮影範囲を含むような大きい範囲が撮影された画像(例えば広角画像)が検索されてもよい。この場合、撮像画像の代わりに当該広角画像等が用いられてパノラマ画像が生成されてもよい。すなわち撮像画像が用いられずにパノラマ画像が生成されてもよい。この際、広角画像等の解像度が不十分な場合は、解像度変換処理により解像度が向上されてもよい。
【0161】
上記では、補間画像、不足領域画像、及び支援情報の3つが生成された。しかしながらこれらのうち1つが生成されてもよい。またこれらのうちのいずれか2つが生成されてもよい。
【0162】
上記では、撮像装置200に撮影アドバイス部218が設けられた。しかしながら、不足領域画像90や支援情報を生成するサーバ300に撮影アドバイス部218に相当するブロックが設けられてもよい。すなわち、図24に示すようなスルー画像250に対する処理や、撮像指示マーク251又は画像不足領域に対応する領域252のGUI等の生成処理等がサーバ300により行われてもよい。
【0163】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0164】
(1)入力された画像の表示範囲を算出する算出部と、
前記算出された表示範囲の少なくとも一部を含む包含範囲を設定する設定部と、
前記入力画像と関連する合成用画像を検索する検索部と、
前記検索された合成用画像を前記包含範囲に配置する配置部と、
前記包含範囲内において、前記合成用画像が配置されない領域を画像不足領域として判定する判定部と、
前記判定された画像不足領域に関する情報をユーザに通知する通知部と
を具備する情報処理装置。
(2)前記(1)に記載の情報処理装置であって、
前記配置部は、前記入力画像との関連性をもとに、前記合成用画像を前記包含範囲に配置する情報処理装置。
(3)前記(1)又は(2)に記載の情報処理装置であって、
前記通知部は、前記判定された画像不足領域を可視化して前記ユーザに通知する情報処理装置。
(4)前記(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記通知部は、前記判定された画像不足領域に割り当てられる画像を撮像するための、少なくとも撮影位置及び撮影方向の情報を含む支援情報をユーザに通知する情報処理装置。
(5)前記(1)から(4)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記画像不足領域を補間する補間画像を生成する生成部をさらに具備する情報処理装置。
(6)前記(1)から(5)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
1以上の画像を有する他の情報処理装置とネットワークを介して接続可能な接続部をさらに具備し、
前記検索部は、前記ネットワークを介して、前記他の情報処理装置が有する1以上の画像から前記合成用画像を検索する
情報処理装置。
(7)算出部が、入力された画像の表示範囲を算出し、
設定部が、前記算出された表示範囲の少なくとも一部を含む包含範囲を設定し、
検索部が、前記入力画像と関連する合成用画像を検索し、
配置部が、前記検索された合成用画像を前記包含範囲に配置し、
判定部が、前記包含範囲内において、前記合成用画像が配置されない領域を画像不足領域として判定し、
通知部が、前記判定された画像不足領域に関する情報をユーザに通知する
情報処理方法。
(8)入力された画像の表示範囲を算出する算出部と、
前記算出された表示範囲の少なくとも一部を含む包含範囲を設定する設定部と、
前記入力画像と関連する合成用画像を検索する検索部と、
前記検索された合成用画像を前記包含範囲に配置する配置部と、
前記包含範囲内において、前記合成用画像が配置されない領域を画像不足領域として判定する判定部と、
前記判定された画像不足領域に関する情報をユーザに通知する通知部と
としてコンピュータを機能させるプログラム。
(9)画像を撮像する撮像部と、
前記撮像された画像の撮影範囲を算出する算出部と、
前記算出された撮影範囲の少なくとも一部を含む包含範囲を設定する設定部と、
前記撮像画像と関連する合成用画像を検索する検索部と、
前記検索された合成用画像を前記包含範囲に配置する配置部と、
前記包含範囲内において、前記合成用画像が配置されない領域を画像不足領域として判定する判定部と、
前記判定された画像不足領域に関する情報をユーザに通知する通知部と
を具備する撮像装置。
【符号の説明】
【0165】
P…撮影位置
10…ネットワーク
50…撮像画像
51…撮影範囲
60…パノラマ画像
61…包含範囲
70…合成用画像
75…合成候補画像
90…不足領域画像
91…画像不足領域
93…補間画像
100…ネットワークシステム
200…撮像装置
206…通信部
209…撮像部
290…PC
300…サーバ
306…通信部
312…情報取得部
313…撮影範囲算出部
314…包含範囲設定部
315…画像検索部
316…画像収集部
317…画像合成部
320…不足領域判定部
321…合成画像生成部
322…補間画像生成部
323…不足領域画像生成部
324…支援情報生成部
400…他のサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像の表示範囲を算出する算出部と、
前記算出された表示範囲の少なくとも一部を含む包含範囲を設定する設定部と、
前記入力画像と関連する合成用画像を検索する検索部と、
前記検索された合成用画像を前記包含範囲に配置する配置部と、
前記包含範囲内において、前記合成用画像が配置されない領域を画像不足領域として判定する判定部と、
前記判定された画像不足領域に関する情報をユーザに通知する通知部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記配置部は、前記入力画像との関連性をもとに、前記合成用画像を前記包含範囲に配置する情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記通知部は、前記判定された画像不足領域を可視化して前記ユーザに通知する情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記通知部は、前記判定された画像不足領域に割り当てられる画像を撮像するための、少なくとも撮影位置及び撮影方向の情報を含む支援情報をユーザに通知する情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記画像不足領域を補間する補間画像を生成する生成部をさらに具備する情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
1以上の画像を有する他の情報処理装置とネットワークを介して接続可能な接続部をさらに具備し、
前記検索部は、前記ネットワークを介して、前記他の情報処理装置が有する1以上の画像から前記合成用画像を検索する
情報処理装置。
【請求項7】
算出部が、入力された画像の表示範囲を算出し、
設定部が、前記算出された表示範囲の少なくとも一部を含む包含範囲を設定し、
検索部が、前記入力画像と関連する合成用画像を検索し、
配置部が、前記検索された合成用画像を前記包含範囲に配置し、
判定部が、前記包含範囲内において、前記合成用画像が配置されない領域を画像不足領域として判定し、
通知部が、前記判定された画像不足領域に関する情報をユーザに通知する
情報処理方法。
【請求項8】
入力された画像の表示範囲を算出する算出部と、
前記算出された表示範囲の少なくとも一部を含む包含範囲を設定する設定部と、
前記入力画像と関連する合成用画像を検索する検索部と、
前記検索された合成用画像を前記包含範囲に配置する配置部と、
前記包含範囲内において、前記合成用画像が配置されない領域を画像不足領域として判定する判定部と、
前記判定された画像不足領域に関する情報をユーザに通知する通知部と
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項9】
画像を撮像する撮像部と、
前記撮像された画像の撮影範囲を算出する算出部と、
前記算出された撮影範囲の少なくとも一部を含む包含範囲を設定する設定部と、
前記撮像画像と関連する合成用画像を検索する検索部と、
前記検索された合成用画像を前記包含範囲に配置する配置部と、
前記包含範囲内において、前記合成用画像が配置されない領域を画像不足領域として判定する判定部と、
前記判定された画像不足領域に関する情報をユーザに通知する通知部と
を具備する撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−160904(P2012−160904A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19138(P2011−19138)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】