情報処理装置、画像表示方法、及びプログラム
【課題】外部の画像表示装置に画像を表示させる際の負荷の増大を抑制可能な情報処理装置、画像表示方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】外部の画像表示装置の解像度が液晶ディスプレイ(一体的に備わる画像表示装置)の解像度よりも低い場合には、CPUは、液晶ディスプレイの画面16aに表示される画像(表示画像)の中から、ポインタPが重畳されている位置を中心として外部の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域(以降、「部分画像WP」と呼ぶ。)を抽出してキャプチャし、この部分画像WPを表す画像情報を生成する。その後、CPUは、生成した画像情報、即ちキャプチャした画像の画像情報を無線LANデバイスから外部の画像表示装置に送信する。
【解決手段】外部の画像表示装置の解像度が液晶ディスプレイ(一体的に備わる画像表示装置)の解像度よりも低い場合には、CPUは、液晶ディスプレイの画面16aに表示される画像(表示画像)の中から、ポインタPが重畳されている位置を中心として外部の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域(以降、「部分画像WP」と呼ぶ。)を抽出してキャプチャし、この部分画像WPを表す画像情報を生成する。その後、CPUは、生成した画像情報、即ちキャプチャした画像の画像情報を無線LANデバイスから外部の画像表示装置に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に画像を表示させる情報処理装置、画像表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置(第1の画像表示装置)が接続された(或いは、これを一体的に備えた)情報処理装置に、プロジェクタのように大画面表示が可能な外部の画像表示装置(第2の画像表示装置)を接続すれば、情報処理装置が出力する画像情報に基づく画像を多くの聴衆に示すことが可能となる。
【0003】
特許文献1には、入力される画像情報(映像信号)の解像度を変更する拡大縮小処理手段(スケーリング手段)を備えた表示デバイスが提案されている。この表示デバイスを第2の画像表示装置に採用すれば、第1の画像表示装置と第2の画像表示装置の解像度が異なる場合であっても、第1の画像表示装置に表示される画像の全体を第2の画像表示装置で大きなサイズで表示することが可能となる。
【0004】
また、近年、プロジェクタ等の画像表示装置と情報処理装置との一時的な接続を簡便にするために、ネットワーク(無線ネットワークを含む)やUSB(Universal Serial Bus)を経由して画像情報を伝送可能な技術が採用されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−84738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ネットワークやUSBによる画像情報の伝送は、映像ケーブル(RGBケーブル)による伝送と比べて通信速度が遅いため、第1の画像表示装置の解像度が比較的高い場合、即ち伝送すべき情報量が多い場合に、動画像等を表示する際の画像の動きを滑らかに再現することが困難であった。第2の画像表示装置に比べて第1の画像表示装置の解像度が高い場合に伝送すべき情報量を削減するためには、情報処理装置で予め画像を縮小させてから画像情報を出力するようにすればよい。しかしながら、この場合には、画像の縮小処理に伴って負荷が増えるため、情報処理装置に高い処理能力が必要になってしまうという問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係る情報処理装置は、第1の画像表示装置、及び外部に備わる第2の画像表示装置に画像を表示させる情報処理装置であって、前記第1の画像表示装置に、第1の画像情報を出力して前記第1の画像情報に基づく画像を表示させる第1の画像情報出力部と、前記第2の画像表示装置の解像度が前記第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、前記第1の画像情報に基づく画像の中から前記第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して、前記領域内に含まれる画像を表す第2の画像情報を生成する画像抽出部と、前記第2の画像表示装置に、前記第2の画像情報を出力して前記第2の画像情報に基づく画像を表示させる第2の画像情報出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この情報処理装置によれば、第2の画像表示装置の解像度が第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、画像抽出部が、第1の画像情報に基づく画像の中から第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して第2の画像情報を生成し、第2の画像情報出力部が、この第2の画像情報を第2の画像表示装置に出力するようにしている。このため、領域を抽出することにより第2の画像表示装置に伝送すべき情報量が削減されるとともに、画像を縮小させる処理を行っていないため、情報処理装置に掛かる負荷の増大を抑制することが可能となる。なお、第1の画像表示装置は、情報処理装置に一体的に備わっている構成であってもよいし、外部に備わる構成であってもよい。
【0010】
[適用例2]上記適用例に係る情報処理装置において、前記画像抽出部によって抽出される領域の位置を変更する領域移動部をさらに備えることが望ましい。
【0011】
この情報処理装置によれば、画像抽出部によって抽出される領域の位置を変更する領域移動部をさらに備えているため、第2の画像表示装置に表示される領域が固定されることがなく、第1の画像表示装置に表示される画像内の所望の領域を第2の画像表示装置に表示させることが可能となる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に係る情報処理装置において、前記領域移動部は、ポインティングデバイスになされた移動操作に基づいて前記領域の位置を変更することが望ましい。
【0013】
この情報処理装置によれば、ポインティングデバイスになされた移動操作に基づいて領域の位置を変更するため、領域の位置を容易に変更することが可能となる。
【0014】
[適用例4]上記適用例に係る情報処理装置において、前記画像抽出部は、前記第1の画像表示装置に前記領域を囲む枠を表示させることが望ましい。
【0015】
この情報処理装置によれば、画像抽出部によって抽出される領域を囲む枠が第1の画像表示装置に表示されるため、抽出される領域、即ち第2の画像表示装置に表示される画像を容易に認識することが可能となる。
【0016】
[適用例5]上記適用例に係る情報処理装置において、前記第2の画像情報出力部は、無線ネットワークを介して前記第2の画像表示装置に前記第2の画像情報を出力することが望ましい。
【0017】
この情報処理装置によれば、第2の画像情報出力部が無線ネットワークを介して第2の画像情報を出力する構成であるため、情報処理装置と第2の画像表示装置とのケーブル接続が不要となり、レイアウトの自由度が高まる。
【0018】
[適用例6]本適用例に係る画像表示方法は、第1の画像表示装置、及び外部に備わる第2の画像表示装置に画像を表示させる情報処理装置の画像表示方法であって、前記第1の画像表示装置に、第1の画像情報を出力して前記第1の画像情報に基づく画像を表示させる第1の画像情報出力ステップと、前記第2の画像表示装置の解像度が前記第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、前記第1の画像情報に基づく画像の中から、前記第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して、前記領域内に含まれる画像を表す第2の画像情報を生成する画像抽出ステップと、前記第2の画像表示装置に、前記第2の画像情報を出力して前記第2の画像情報に基づく画像を表示させる第2の画像情報出力ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0019】
この画像表示方法によれば、第2の画像表示装置の解像度が第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、第1の画像情報に基づく画像の中から第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して第2の画像情報を生成し、この第2の画像情報を第2の画像表示装置に出力するようにしている。このため、領域を抽出することにより第2の画像表示装置に伝送すべき情報量が削減されるとともに、画像を縮小させる処理を行っていないため、情報処理装置に掛かる負荷の増大を抑制することが可能となる。
【0020】
[適用例7]本適用例に係るプログラムは、第1の画像表示装置、及び外部に備わる第2の画像表示装置に画像を表示させるコンピュータに、前記第1の画像表示装置に、第1の画像情報を出力して前記第1の画像情報に基づく画像を表示させる第1の画像情報出力ステップと、前記第2の画像表示装置の解像度が前記第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、前記第1の画像情報に基づく画像の中から、前記第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して、前記領域内に含まれる画像を表す第2の画像情報を生成する画像抽出ステップと、前記第2の画像表示装置に、前記第2の画像情報を出力して前記第2の画像情報に基づく画像を表示させる第2の画像情報出力ステップと、を実行させる。
【0021】
このプログラムによれば、第2の画像表示装置の解像度が第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、第1の画像情報に基づく画像の中から第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して第2の画像情報を生成し、この第2の画像情報を第2の画像表示装置に出力するようにしている。このため、領域を抽出することにより第2の画像表示装置に伝送すべき情報量が削減されるとともに、画像を縮小させる処理を行っていないため、情報処理装置に掛かる負荷の増大を抑制することが可能となる。なお、第1の画像表示装置は、情報処理装置に一体的に備わっている構成であってもよいし、外部に備わる構成であってもよい。
【0022】
また、上記形態及び上記適用例は、前記プログラムを前記コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体等の態様で構成することも可能である。記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコード等の符号が印刷された印刷物、情報処理装置の内部記憶装置(RAMやROM等のメモリ)、及び外部記憶装置等、前記コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本実施形態の情報処理装置であるパーソナルコンピュータ(以降、単に「コンピュータ」ともいう。)について説明する。
図1は、本実施形態のコンピュータを示す斜視図である。
図1に示すように、コンピュータ1は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、画像表示装置である液晶ディスプレイ16、入力装置であるキーボード20、及びポインティングデバイスであるタッチパッド21を一体的に備えて構成されている。また、コンピュータ1は、各種インターフェイスを備えており、外付け(外部)の画像表示装置2や外付けのマウス30を接続可能になっている。また、コンピュータ1は、外部の装置との間で無線LAN(Local Area Network)によるネットワーク通信が可能になっており、同じく無線LANによるネットワーク通信が可能な画像表示装置2に対して画像情報を無線で供給することができる。画像表示装置2は、例えば、プロジェクタであり、コンピュータ1から画像情報の供給を受けて、この画像情報に応じた画像をその画面(プロジェクタの場合には投写面)2a上に表示する。
【0024】
図2は、コンピュータ1の回路構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コンピュータ1は、CPU(Central Processing Unit)11、2つのブリッジ回路(ノースブリッジ12、及びサウスブリッジ13)、RAM(Random Access Memory)14、ビデオコントローラ15、液晶ディスプレイ16、ハードディスクドライブ17、光ディスクドライブ18、BIOS(Basic Input/Output System)が書き込まれたBIOS−ROM(Read Only Memory)19、キーボード20、タッチパッド21等を備えている。
【0025】
CPU11は、BIOS−ROM19に書き込まれたBIOS、或いはRAM14に読み出された各種プログラムに従って動作することにより、コンピュータ1の動作を統括制御する。
【0026】
ノースブリッジ12は、CPU11とサウスブリッジ13との間のブリッジ処理、RAM14の制御、及びビデオコントローラ15の制御等を行う。RAM14は、DRAM(Dynamic RAM)で構成され、ハードディスクドライブ17から読み出されたOS(Operating System)やアプリケーションプログラム等を記憶する。また、RAM14は、プログラム実行中における各種データの一時記憶等に用いられる。
【0027】
ビデオコントローラ15は、液晶ディスプレイ16に対する画像表示を制御する。ビデオコントローラ15は、VRAM(Video RAM)15aを備えており、OSやアプリケーションプログラムを実行するCPU11の指示に基づいて、VRAM15a上にフレーム(画面)単位で順次画像情報を生成し、生成した画像情報を液晶ディスプレイ16に出力して、液晶ディスプレイ16に画像情報に基づく画像を表示させる。
【0028】
液晶ディスプレイ16は、一対の透明基板間に液晶が封入された透過型の液晶パネルと、液晶パネルの背面側から白色光を照射するバックライトユニットと、液晶パネルを駆動する駆動回路(いずれも図示せず)等を備えている。液晶パネルの内面には、マトリクス状に配列された多数の画素が形成されている。各画素は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光をそれぞれ透過可能な3つのサブ画素を含んでおり、液晶に対してサブ画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。駆動回路が、ビデオコントローラ15から入力される画像情報に応じた駆動電圧を各サブ画素に印加すると、各サブ画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、バックライトユニットから照射された光は、この液晶パネルを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像が液晶パネルの前面側、即ち、液晶ディスプレイ16の画面16a(図1参照)上に表示される。液晶ディスプレイ16の解像度(画素数)としては、UXGA(1600×1200画素)、SXGA(1280×1024画素)、XGA(1024×768画素)等があり、ビデオコントローラ15は、液晶ディスプレイ16の解像度に応じた画像情報を生成して出力する。
【0029】
サウスブリッジ13には、各種インターフェイス回路が内蔵されており、ハードディスクドライブ17、光ディスクドライブ18、BIOS−ROM19、キーボード20、タッチパッド21、無線LANデバイス22等が接続されている。ハードディスクドライブ17は、インストールされたOSやアプリケーションプログラム、各種データ等を記憶する。光ディスクドライブ18は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクからのデータの読み出しや、光ディスクへのデータの書き込みを行う。
【0030】
BIOS−ROM19には、BIOSが格納されている。BIOSは、コンピュータ1の起動時にCPU11によって読み出されて各種初期化処理やOSの起動を行うプログラムとともに、ビデオコントローラ15、ハードディスクドライブ17、キーボード20等の入出力デバイスを制御するプログラムを含んでおり、これら入出力デバイスに対する基本的な入出力制御をOSやアプリケーションプログラムに提供する。OSやアプリケーションプログラムを実行するCPU11は、直接、或いはBIOSを介してこれらの入出力デバイスとの入出力を行うことができる。
【0031】
キーボード20は、キー操作によって文字や制御コード等を入力するための入力装置であり、タッチパッド21は、液晶ディスプレイ16等に表示されるポインタP(図1参照)の移動操作やクリック操作等を行うためのポインティングデバイスである。キーボード20及びタッチパッド21は、ユーザによってなされた操作に基づく操作信号をサウスブリッジ13に出力し、サウスブリッジ13は、この操作信号をノースブリッジ12を介してCPU11に伝達する。
【0032】
無線LANデバイス22は、外部の装置と無線LANによるネットワーク通信を行うものであり、同じく無線LANによるネットワーク通信が可能な画像表示装置2との間でデータ通信を行ったり、画像表示装置2に対して画像情報を送信(出力)したりすることができる。
【0033】
また、サウスブリッジ13は、図示しないUSB(Universal Serial Bus)インターフェイスを備えており、USB端子13aを介して外部の入出力装置と接続可能になっている。このUSB端子13aに、外付けのポインティングデバイスであるマウス30を接続すれば、ユーザは、内蔵するタッチパッド21の代わりにマウス30を用いて各種操作を行うことが可能となる。
【0034】
次に、画像表示装置2の概略構成について、プロジェクタを例にして説明する。
図3は、画像表示装置2の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、画像表示装置2は、画像投写部40、制御部50、入力操作部51、無線LAN通信部52、画像処理部53等で構成されている。
【0035】
画像投写部40は、光源41、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ42R,42G,42B、投写光学系としての投写レンズ43、ライトバルブ駆動部44等で構成されている。画像投写部40は、光源41から射出された光を、液晶ライトバルブ42R,42G,42Bで変調して画像(画像光)を形成し、この画像を投写レンズ43から投写してスクリーン等の投写面2aに表示する。
【0036】
光源41は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ41aと、光源ランプ41aが放射した光を液晶ライトバルブ42R,42G,42B側に反射するリフレクタ41bとを含んで構成されている。光源41から射出された光は、図示しないインテグレータ光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ42R,42G,42Bに入射する。
【0037】
液晶ライトバルブ42R,42G,42Bは、それぞれ一対の透明基板間に液晶が封入された透過型の液晶パネル(図示せず)等によって構成される。各液晶パネルには、マトリクス状に配列された複数の画素が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶ライトバルブ42R,42G,42Bには、例えば、1024×768画素の解像度(画素数)を有する液晶パネルが用いられる。
【0038】
ライトバルブ駆動部44が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源41から射出された光は、この液晶ライトバルブ42R,42G,42Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラー画像を表す画像光となった後、投写レンズ43によって投写面2aに拡大投写される。
【0039】
制御部50は、CPUや、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM、不揮発性のメモリからなるROM等を備え、ROMに記憶されている制御プログラムに従って動作することにより画像表示装置2の動作を統括制御する。
【0040】
入力操作部51は、ユーザが画像表示装置2に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。入力操作部51が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを切り替えるための「電源キー」、各種設定を行うための設定メニューを表示させる「メニューキー」等がある。ユーザが入力操作部51の各種操作キーを操作すると、入力操作部51は、ユーザの操作内容に応じた操作信号を制御部50に出力する。なお、入力操作部51として、遠隔操作が可能なリモコン(図示せず)を用いた構成としてもよい。この場合、リモコンは、ユーザの操作内容に応じた赤外線の操作信号を発信し、図示しないリモコン信号受信部がこれを受信して制御部50に伝達する。
【0041】
無線LAN通信部52は、無線LANによるネットワーク通信を行うためのものであり、制御部50は、外部の装置と無線LAN通信部52を介して制御情報等の送受信を行うことができる。また、無線LAN通信部52が画像情報を受信した場合には、無線LAN通信部52は、受信した画像情報を画像処理部53に出力する。
【0042】
画像処理部53は、無線LAN通信部52から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ42R,42G,42Bの各画素の階調を表す画像情報、即ち各画素に印加する駆動電圧を規定するための画像情報に変換する。さらに、制御部50の指示に基づいて、変換した画像情報に対して、明るさ、コントラスト、シャープネス、色合い等の画質を調整するための処理等を行う。画像処理部53で画質調整等がなされた画像情報は、ライトバルブ駆動部44に出力される。
【0043】
ライトバルブ駆動部44が、入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ42R,42G,42Bを駆動すると、液晶ライトバルブ42R,42G,42Bは、画像情報に応じた画像(画像光)を形成し、この画像が投写レンズ43から投写面2aに投写される。
【0044】
次に、コンピュータ1の動作について、図2を参照して説明する。
コンピュータ1に電源が投入されると、CPU11は、BIOS−ROM19に記憶されているBIOSに従ってブート処理を行い、ハードディスクドライブ17に記憶されているOSを起動し(RAM14に読み込み)、OSに従った動作を開始する。そして、CPU11は、液晶ディスプレイ16からその解像度を表す情報(解像度情報)を取得するとともに、液晶ディスプレイ16の画面16aに所定の画像(初期画面)を表示させるべく、ビデオコントローラ15に指示をして液晶ディスプレイ16の解像度に応じた画像情報を生成させる。
【0045】
本実施形態のコンピュータ1に採用されているOSは、GUI(Graphical User Interface)を備えたものであり、ユーザは、キーボード20の他に、タッチパッド21やマウス30等のポインティングデバイスを操作することによってコンピュータ1に各種指示を与えることが可能になっている。
【0046】
OSが起動すると、CPU11は、ビデオコントローラ15に指示をして、液晶ディスプレイ16に表示されている画像上にポインタPを重畳表示させる。OSには、タッチパッド21やマウス30と通信を行うためのデバイスドライバが含まれており、CPU11は、このデバイスドライバによってタッチパッド21やマウス30になされた移動操作やクリック操作を検出することができる。そして、タッチパッド21やマウス30に対して移動操作がなされると、CPU11は、ポインタPを重畳させる位置を、ユーザの移動操作に応じて変更することにより、ポインタPを移動させる。
【0047】
OSの起動が完了すると、コンピュータ1は、アプリケーションプログラムの起動が可能な状態となり、ユーザは、キーボード20、タッチパッド21、或いはマウス30等を操作して所望のアプリケーションプログラムの起動を指示することができる。アプリケーションプログラムの起動が指示されると、CPU11は、指示されたアプリケーションプログラムをハードディスクドライブ17からRAM14に読み込んで、このアプリケーションプログラムに従った動作を開始する。本実施形態のハードディスクドライブ17には、アプリケーションプログラムとして、文書を作成するためのワードプロセッサや、数値データの集計等に用いられる表計算ソフトウェア、プレゼンテーション用のスライドの作成や表示を行うためのプレゼンテーションソフトウェア等の他に、画像表示装置2と無線LAN接続を行って画像情報等の送信を行うためのアプリケーションプログラム(無線LAN接続ツールCT)が記憶されている。
【0048】
OSが起動した状態のコンピュータ1に対して、ユーザが無線LAN接続ツールCTの起動を指示すると、CPU11は、ハードディスクドライブ17に記憶されている無線LAN接続ツールCTをRAM14に読み出して、このプログラムに従った動作を開始する。
【0049】
図4及び図5は、無線LAN接続ツールCTに基づくコンピュータ1の動作を説明するためのフローチャートであり、図6〜図10は、無線LAN接続ツールCTに基づくコンピュータ1の動作を説明するための説明図である。ここで、図9(a)〜(d)及び図10(a)、(b)は、液晶ディスプレイ16の画面16a及び外部の画像表示装置2の画面(投射面)2aを示す図である。無線LAN接続ツールCTが起動すると、CPU11は、図4に示すフローに従って動作する。
【0050】
図4に示すように、まず、CPU11は、液晶ディスプレイ16にモード選択ウィンドウW1(図6参照)を表示させて無線LANのアクセスモードをユーザに選択させる(ステップS101)。図6に示すように、モード選択ウィンドウW1では、アクセスポイントを介さずに1対1で通信を行う「アドホックモード」と、アクセスポイントを介して複数の画像表示装置2と接続が可能な「インフラストラクチャモード」とが選択可能になっており、ユーザは、モード選択ウィンドウW1に備わるラジオボタンRBをクリック操作することによっていずれか1つのアクセスモードを選択することができる。
【0051】
ユーザによりアクセスモードが選択され、モード選択ウィンドウW1に備わるOKボタンB1がクリック操作されると、CPU11は、無線LAN接続が可能な画像表示装置2を検索する(ステップS102)。具体的には、CPU11は、無線LANデバイス22によりブロードキャストを行って、無線LAN接続が可能な画像表示装置2からそれぞれの識別名及びIPアドレスを返信させてこれらを取得する。その後、CPU11は、この検索結果を含んだ接続ウィンドウW2(図7、図9(a)参照)を、液晶ディスプレイ16の画面16a上に表示させる(ステップS103)。
【0052】
図7に示すように、接続ウィンドウW2には、検索された画像表示装置2のリストDLが表示されており、このリストDLには、各画像表示装置2の接続状況(ステータス)に加えて、取得した識別名及びIPアドレスが含まれている。また、リストDLには、検索された画像表示装置2毎にチェックボックスCBが付されており、ユーザは、このチェックボックスCBをクリック操作することによって接続対象とすべき画像表示装置2を指定することができる。なお、アクセスモードにアドホックモードが選択されている場合には、ユーザは、1台の画像表示装置2のみを指定可能であり、アクセスモードにインフラストラクチャモードが選択されている場合には、ユーザは、複数台の画像表示装置2を指定することができる。接続ウィンドウW2の右下には、接続ボタンB2が備えられており、ユーザは、接続すべき画像表示装置2を指定した後で接続ボタンB2をクリック操作することにより、指定した画像表示装置2との無線LAN接続を行うことができる。
【0053】
ユーザにより接続ボタンB2がクリック操作されて、CPU11がこの操作を検出すると、CPU11は、図5に示すフローに従って動作する。
【0054】
図5に示すように、ステップS111では、CPU11は、指定された画像表示装置2との無線LAN接続を実行する。具体的には、CPU11は、指定された画像表示装置2に対して、無線LANデバイス22から接続要求コマンドを送信する。画像表示装置2がこの接続要求コマンドに応答して、接続を許可する接続応答コマンドをコンピュータ1に送信し、コンピュータ1の無線LANデバイス22がこれを受信すると、コンピュータ1と画像表示装置2との無線LAN接続が確立する。
【0055】
ステップS112では、CPU11は、ビデオコントローラ15に指示をして、接続ウィンドウW2を画面16a上から消去させるとともに、画面16a上にツールバーW3(図8、図9(b)参照)を表示させる。ツールバーW3には、図8に示すように、画像表示装置2の表示状態を制御するための各種ボタンとともに、無線LAN接続を切断するための切断ボタンB3が含まれている。
【0056】
次いで、ステップS113では、CPU11は、無線LAN接続されている画像表示装置2に対して、解像度を表す情報(解像度情報)の出力を無線LANデバイス22を介して要求し、画像表示装置2から返信される解像度情報を無線LANデバイス22を介して取得する。なお、解像度情報は、ステップS102において画像表示装置2を検索する際に、識別名やIPアドレスと一緒に取得するようにしてもよい。
【0057】
ステップS114では、CPU11は、画像表示装置2の解像度と液晶ディスプレイ16の解像度とを比較して、画像表示装置2の解像度が液晶ディスプレイ16の解像度よりも低いか否かを判断する。そして、画像表示装置2の解像度が液晶ディスプレイ16の解像度よりも低い場合にはステップS118に移行し、画像表示装置2の解像度が液晶ディスプレイ16の解像度と同一、或いはそれよりも高い場合にはステップS115に移行する。なお、コンピュータ1が複数の画像表示装置2と無線LAN接続されている場合には、その中で最も解像度の低い画像表示装置2と解像度の比較を行う。
【0058】
画像表示装置2の解像度が液晶ディスプレイ16の解像度と同一、或いはそれよりも高く、ステップS115に移行した場合には、CPU11は、液晶ディスプレイ16に表示される画像(以降、「表示画像」と呼ぶ。)の全体をキャプチャし、続くステップS116では、キャプチャした画像の画像情報を無線LANデバイス22から画像表示装置2に送信する。この結果、図9(c)に示すように、画像表示装置2の画面2a上には、コンピュータ1から送信される画像情報に応じた画像、即ち液晶ディスプレイ16の画面16aに表示されている画像と略同一の画像が表示される。なお、無線LAN接続ツールCTは、ポインタP及びツールバーW3を含まない画像をキャプチャさせるようになっており、画像表示装置2の画面2aには、ポインタP及びツールバーW3は表示されない。
【0059】
その後、ユーザは、所望のアプリケーションプログラムを起動させてファイルを開く操作等を行うことにより、図9(d)に示すように、液晶ディスプレイ16の画面16a上に所望の画像W4を表示させることが可能であり、液晶ディスプレイ16に画像W4が表示されると、画像表示装置2の画面2a上にも、画像W4のすべての範囲が表示される。なお、画像W4を表示させるための操作は、無線LAN接続ツールCTを起動する前に行うようにしてもよい。また、ツールバーW3は、常に最前面に表示される設定がなされており、ツールバーW3を表示させた後に画像W4を全画面で表示させた場合でも、液晶ディスプレイ16の画面16a上でツールバーW3が画像W4に隠れることはない。
【0060】
ステップS117では、CPU11は、ユーザによってツールバーW3の切断ボタンB3がクリック操作されたか否かを判断する。そして、切断ボタンB3がクリック操作された場合にはステップS121に移行し、切断ボタンB3がクリック操作されていない場合には、ステップS115に戻って、表示画像全体のキャプチャと画像情報の送信とを継続する。
【0061】
一方、ステップS114において画像表示装置2の解像度が液晶ディスプレイ16の解像度よりも低く、ステップS118に移行した場合には、CPU11は、液晶ディスプレイ16に表示される表示画像の中から、ポインタPが重畳されている位置を中心として画像表示装置2の解像度に応じた大きさの領域(以降、「部分画像」と呼ぶ。)を抽出してキャプチャし、この部分画像を表す画像情報を生成する。なお、コンピュータ1が複数の画像表示装置2と無線LAN接続されている場合には、その中で最も解像度の低い画像表示装置2の解像度に応じた大きさの部分画像を抽出する。続くステップS119では、CPU11は、生成した画像情報、即ちキャプチャした画像の画像情報を無線LANデバイス22から画像表示装置2に送信する。
【0062】
例えば、図10(a)に示すように、液晶ディスプレイ16の解像度が1600×1200画素であり、画像表示装置2の解像度が1024×768画素の場合において、液晶ディスプレイ16の画面16a上に画像W4が表示されると、この画像W4の中から、ポインタPが重畳されている位置を中心とする1024×768画素の部分画像WPが抽出され、この部分画像WPが画像表示装置2の画面2a上に表示される。
【0063】
ステップS120では、CPU11は、ユーザによってツールバーW3の切断ボタンB3がクリック操作されたか否かを判断する。そして、切断ボタンB3がクリック操作された場合にはステップS121に移行し、切断ボタンB3がクリック操作されていない場合には、ステップS118に戻って、部分画像WPのキャプチャと画像情報の送信とを継続する。
【0064】
このように、本実施形態では、ポインタPが重畳されている位置を中心にして部分画像WPを抽出するため、ユーザは、タッチパッド21やマウス30に対する移動操作を行うことによって、画像表示装置2に表示させる領域の位置を変更することができる(図10(b)参照)。即ち、抽出される部分画像WPは、液晶ディスプレイ16に表示されるポインタPに追従するように表示画像内を移動する。なお、ポインタPが表示画像の周縁部近傍にある場合で、部分画像WPが表示画像の外側にはみ出してしまう場合には、はみ出した領域を黒色等で塗りつぶすようにしてもよいし、部分画像WPが表示画像からはみ出すことがないよう、表示画像の周縁部では部分画像WPをポインタPに追従させないようにしてもよい。また、ユーザによる所定の操作、例えば、キーボード20に対する所定のキー操作(ホットキーの操作)等がなされた場合に、表示画像に対する部分画像WPの位置を固定するようにしてもよい。さらに、図10(a)、(b)において破線で示すように、液晶ディスプレイ16の画面16a上に、部分画像WPを囲む枠を表示するようにすれば、画面16aのみを見ている状態でも、画面2aに表示される領域(部分画像WP)を容易に認識することが可能となる。
【0065】
ステップS117或いはステップS120において切断ボタンB3がクリック操作されてステップS121に移行した場合には、CPU11は、画像表示装置2に対する画像情報の送信を停止するとともに、画像表示装置2との無線LAN接続を切断すべく、無線LAN接続されている画像表示装置2に対して、無線LANデバイス22から切断要求コマンドを送信する。画像表示装置2がこの切断要求コマンドに応じて所定の切断処理を施した後で、処理が完了したことを示す切断完了コマンドをコンピュータ1に送信し、コンピュータ1の無線LANデバイス22がこれを受信すると、コンピュータ1と画像表示装置2との無線LAN接続が切断される。
【0066】
その後、ステップS122では、CPU11は、ビデオコントローラ15に指示をして、液晶ディスプレイ16の画面16a上からツールバーW3を消去させるとともに、画面16a上に接続ウィンドウW2を再び表示させ(図9(a)参照)、フローを終了する。接続ウィンドウW2が表示された状態では、ユーザは、画像表示装置2を指定して接続ボタンB2をクリック操作することにより、新たな無線LAN接続を行うことができる。また、接続ウィンドウW2の右上に備わる終了ボタンBE(図7参照)がユーザによりクリック操作された場合には、CPU11は、無線LAN接続ツールCTを終了させる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のコンピュータ1によれば、以下の効果を得ることができる。
【0068】
(1)本実施形態のコンピュータ1によれば、画像表示装置2の解像度が液晶ディスプレイ16の解像度よりも低い場合に、液晶ディスプレイ16に表示される表示画像の中から、画像表示装置2の解像度に応じた大きさの部分画像WPを抽出し、この部分画像WPの画像情報を画像表示装置2に送信している。このため、表示画像全体の画像情報を送信する場合に比べて、画像表示装置2に送信すべき情報量が削減されるとともに、画像を縮小させる処理を行っていないため、コンピュータ1に掛かる負荷の増大を抑制することが可能となる。また、画像表示装置2に高解像度(画像表示装置2の解像度を超える解像度)の画像情報が入力されることがないため、画像表示装置2に画像を縮小させるための機能を備える必要がなくなり、画像表示装置2の構成を簡略化することが可能となる。さらに、コンピュータ1及び画像表示装置2とも画像を縮小させていないため、縮小処理に伴う画像の劣化がない。
【0069】
(2)本実施形態のコンピュータ1によれば、画像表示装置2に表示させる部分画像WPの位置を変更することができるため、表示される領域が固定されることがなく、表示画像内の所望の領域を画像表示装置2に表示させることが可能となる。
【0070】
(3)本実施形態のコンピュータ1によれば、タッチパッド21やマウス30等のポインティングデバイスになされた移動操作に基づいて部分画像WPを移動させるため、部分画像WPの移動を容易に行うことが可能となる。
【0071】
(4)本実施形態のコンピュータ1によれば、無線ネットワーク(無線LAN)を介して画像情報を出力する構成であるため、コンピュータ1と画像表示装置2とのケーブル接続が不要となり、レイアウトの自由度が高まる。
【0072】
なお、本実施形態では、液晶ディスプレイ16が第1の画像表示装置に相当し、外部の画像表示装置2が第2の画像表示装置に相当する。また、ビデオコントローラ15から液晶ディスプレイ16に出力される画像情報が第1の画像情報に相当し、無線LANデバイス22から無線LANによって画像表示装置2に送信される画像情報が第2の画像情報に相当する。また、液晶ディスプレイ16に画像情報を出力するビデオコントローラ15が第1の画像情報出力部に相当し、画像表示装置2に画像情報を送信する無線LANデバイス22が第2の画像情報出力部に相当する。また、表示画像の中から画像表示装置2の解像度に応じた大きさの部分画像WPを抽出し、部分画像WPを表す画像情報を生成する際のCPU11、即ちステップS118を実行する際のCPU11が画像抽出部に相当する。また、タッチパッド21やマウス30等のポインティングデバイスの移動操作に応じて部分画像WPの位置を変更する際のCPU11、即ちステップS118においてポインタPが重畳されている位置を中心にして部分画像WPの位置を設定する際のCPU11が領域移動部に相当する。
(変形例)
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0073】
前記実施形態では、ポインティングデバイス(タッチパッド21或いはマウス30)の移動操作によって、ポインタPに追従するように部分画像WPの位置を変更するようにしているが、部分画像WPの位置を変更するための手段はこの態様に限定されない。例えば、図11に示すように、ツールバーW3に部分画像WPを上下左右に移動させるための4つのボタンBDを備えるようにして、このボタンBDがクリック操作される度に、対応する方向に所定の量(画素)だけ部分画像WPを移動させるようにしてもよい。また、キーボード20に対する所定のキー操作(上下左右に対応する4つのホットキーの操作)等がなされた場合に、その操作に応じて部分画像WPを移動させるようにしてもよい。
また、図12に示すように、画像表示装置2の解像度に応じた大きさ(画素数)の領域(部分画像WP)を透過して表示可能な枠状ウィンドウW5を液晶ディスプレイ16の画面16a上に表示するようにして、この枠状ウィンドウW5をドラッグ操作(クリック操作しながらの移動操作)等によって移動させることにより、部分画像WPの位置を変更するようにしてもよい。
【0074】
前記実施形態では、コンピュータ1から画像表示装置2に無線ネットワークを介して画像情報を出力する構成を示しているが、有線ネットワークやUSBを介して出力する構成であっても同様の効果を得ることが可能である。
【0075】
前記実施形態では、画像表示装置2にポインタPを表示しない態様を示しているが、画像表示装置2にポインタPを表示すべく、ポインタPを含んだ画像(画像情報)を画像表示装置2に送信するようにしてもよい。また、ホットキーの操作、或いはツールバーW3に備わる図示しない所定のボタンのクリック操作によって、ポインタPを表示する状態と表示しない状態とを切り替え可能な構成にすることも可能である。
【0076】
前記実施形態では、情報処理装置の例として、画像表示装置(液晶ディスプレイ16)、入力装置(キーボード20)、ポインティングデバイス(タッチパッド21)を一体的に備えたノート型のパーソナルコンピュータについて説明したが、情報処理装置は、ノート型のパーソナルコンピュータに限定されない。例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータのように、画像表示装置、入力装置、ポインティングデバイスの全部又は一部を外付けで備える構成の情報処理装置(コンピュータ)であってもよい。
【0077】
前記実施形態では、外部の画像表示装置2としてプロジェクタを用いた例を示したが、透過型のスクリーンを一体的に備えたリアプロジェクタ、或いは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を用いることも可能である。
【0078】
前記実施形態では、ポインティングデバイスとしてタッチパッド21及びマウス30を用いた例を示したが、トラックボールやジョイスティック、ペンタブレット等、他のポインティングデバイスを用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施形態に係るコンピュータを示す斜視図。
【図2】コンピュータの回路構成を示すブロック図。
【図3】画像表示装置の概略構成を示すブロック図。
【図4】無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するためのフローチャート。
【図5】無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するためのフローチャート。
【図6】無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図。
【図7】無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図。
【図8】無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図。
【図9】(a)〜(d)は、無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図であり、液晶ディスプレイの画面及び外部の画像表示装置の画面(投射面)を示す図。
【図10】(a)、(b)は、無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図であり、液晶ディスプレイの画面及び外部の画像表示装置の画面(投射面)を示す図。
【図11】変形例に係る無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図。
【図12】変形例に係る無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図であり、液晶ディスプレイの画面及び外部の画像表示装置の画面(投射面)を示す図。
【符号の説明】
【0080】
1…コンピュータ、2…画像表示装置、2a…画面(投射面)、11…CPU、12…ノースブリッジ、13…サウスブリッジ、13a…USB端子、14…RAM、15…ビデオコントローラ、15a…VRAM、16…液晶ディスプレイ、16a…画面、17…ハードディスクドライブ、18…光ディスクドライブ、19…BIOS−ROM、20…キーボード、21…タッチパッド、22…無線LANデバイス、30…マウス、40…画像投写部、41…光源、42R,42G,42B…液晶ライトバルブ、43…投写レンズ、44…ライトバルブ駆動部、50…制御部、51…入力操作部、52…無線LAN通信部、53…画像処理部、CT…無線LAN接続ツール、P…ポインタ、W1…モード選択ウィンドウ、W2…接続ウィンドウ、W3…ツールバー、WP…部分画像。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に画像を表示させる情報処理装置、画像表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置(第1の画像表示装置)が接続された(或いは、これを一体的に備えた)情報処理装置に、プロジェクタのように大画面表示が可能な外部の画像表示装置(第2の画像表示装置)を接続すれば、情報処理装置が出力する画像情報に基づく画像を多くの聴衆に示すことが可能となる。
【0003】
特許文献1には、入力される画像情報(映像信号)の解像度を変更する拡大縮小処理手段(スケーリング手段)を備えた表示デバイスが提案されている。この表示デバイスを第2の画像表示装置に採用すれば、第1の画像表示装置と第2の画像表示装置の解像度が異なる場合であっても、第1の画像表示装置に表示される画像の全体を第2の画像表示装置で大きなサイズで表示することが可能となる。
【0004】
また、近年、プロジェクタ等の画像表示装置と情報処理装置との一時的な接続を簡便にするために、ネットワーク(無線ネットワークを含む)やUSB(Universal Serial Bus)を経由して画像情報を伝送可能な技術が採用されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−84738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ネットワークやUSBによる画像情報の伝送は、映像ケーブル(RGBケーブル)による伝送と比べて通信速度が遅いため、第1の画像表示装置の解像度が比較的高い場合、即ち伝送すべき情報量が多い場合に、動画像等を表示する際の画像の動きを滑らかに再現することが困難であった。第2の画像表示装置に比べて第1の画像表示装置の解像度が高い場合に伝送すべき情報量を削減するためには、情報処理装置で予め画像を縮小させてから画像情報を出力するようにすればよい。しかしながら、この場合には、画像の縮小処理に伴って負荷が増えるため、情報処理装置に高い処理能力が必要になってしまうという問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係る情報処理装置は、第1の画像表示装置、及び外部に備わる第2の画像表示装置に画像を表示させる情報処理装置であって、前記第1の画像表示装置に、第1の画像情報を出力して前記第1の画像情報に基づく画像を表示させる第1の画像情報出力部と、前記第2の画像表示装置の解像度が前記第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、前記第1の画像情報に基づく画像の中から前記第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して、前記領域内に含まれる画像を表す第2の画像情報を生成する画像抽出部と、前記第2の画像表示装置に、前記第2の画像情報を出力して前記第2の画像情報に基づく画像を表示させる第2の画像情報出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この情報処理装置によれば、第2の画像表示装置の解像度が第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、画像抽出部が、第1の画像情報に基づく画像の中から第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して第2の画像情報を生成し、第2の画像情報出力部が、この第2の画像情報を第2の画像表示装置に出力するようにしている。このため、領域を抽出することにより第2の画像表示装置に伝送すべき情報量が削減されるとともに、画像を縮小させる処理を行っていないため、情報処理装置に掛かる負荷の増大を抑制することが可能となる。なお、第1の画像表示装置は、情報処理装置に一体的に備わっている構成であってもよいし、外部に備わる構成であってもよい。
【0010】
[適用例2]上記適用例に係る情報処理装置において、前記画像抽出部によって抽出される領域の位置を変更する領域移動部をさらに備えることが望ましい。
【0011】
この情報処理装置によれば、画像抽出部によって抽出される領域の位置を変更する領域移動部をさらに備えているため、第2の画像表示装置に表示される領域が固定されることがなく、第1の画像表示装置に表示される画像内の所望の領域を第2の画像表示装置に表示させることが可能となる。
【0012】
[適用例3]上記適用例に係る情報処理装置において、前記領域移動部は、ポインティングデバイスになされた移動操作に基づいて前記領域の位置を変更することが望ましい。
【0013】
この情報処理装置によれば、ポインティングデバイスになされた移動操作に基づいて領域の位置を変更するため、領域の位置を容易に変更することが可能となる。
【0014】
[適用例4]上記適用例に係る情報処理装置において、前記画像抽出部は、前記第1の画像表示装置に前記領域を囲む枠を表示させることが望ましい。
【0015】
この情報処理装置によれば、画像抽出部によって抽出される領域を囲む枠が第1の画像表示装置に表示されるため、抽出される領域、即ち第2の画像表示装置に表示される画像を容易に認識することが可能となる。
【0016】
[適用例5]上記適用例に係る情報処理装置において、前記第2の画像情報出力部は、無線ネットワークを介して前記第2の画像表示装置に前記第2の画像情報を出力することが望ましい。
【0017】
この情報処理装置によれば、第2の画像情報出力部が無線ネットワークを介して第2の画像情報を出力する構成であるため、情報処理装置と第2の画像表示装置とのケーブル接続が不要となり、レイアウトの自由度が高まる。
【0018】
[適用例6]本適用例に係る画像表示方法は、第1の画像表示装置、及び外部に備わる第2の画像表示装置に画像を表示させる情報処理装置の画像表示方法であって、前記第1の画像表示装置に、第1の画像情報を出力して前記第1の画像情報に基づく画像を表示させる第1の画像情報出力ステップと、前記第2の画像表示装置の解像度が前記第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、前記第1の画像情報に基づく画像の中から、前記第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して、前記領域内に含まれる画像を表す第2の画像情報を生成する画像抽出ステップと、前記第2の画像表示装置に、前記第2の画像情報を出力して前記第2の画像情報に基づく画像を表示させる第2の画像情報出力ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0019】
この画像表示方法によれば、第2の画像表示装置の解像度が第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、第1の画像情報に基づく画像の中から第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して第2の画像情報を生成し、この第2の画像情報を第2の画像表示装置に出力するようにしている。このため、領域を抽出することにより第2の画像表示装置に伝送すべき情報量が削減されるとともに、画像を縮小させる処理を行っていないため、情報処理装置に掛かる負荷の増大を抑制することが可能となる。
【0020】
[適用例7]本適用例に係るプログラムは、第1の画像表示装置、及び外部に備わる第2の画像表示装置に画像を表示させるコンピュータに、前記第1の画像表示装置に、第1の画像情報を出力して前記第1の画像情報に基づく画像を表示させる第1の画像情報出力ステップと、前記第2の画像表示装置の解像度が前記第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、前記第1の画像情報に基づく画像の中から、前記第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して、前記領域内に含まれる画像を表す第2の画像情報を生成する画像抽出ステップと、前記第2の画像表示装置に、前記第2の画像情報を出力して前記第2の画像情報に基づく画像を表示させる第2の画像情報出力ステップと、を実行させる。
【0021】
このプログラムによれば、第2の画像表示装置の解像度が第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、第1の画像情報に基づく画像の中から第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して第2の画像情報を生成し、この第2の画像情報を第2の画像表示装置に出力するようにしている。このため、領域を抽出することにより第2の画像表示装置に伝送すべき情報量が削減されるとともに、画像を縮小させる処理を行っていないため、情報処理装置に掛かる負荷の増大を抑制することが可能となる。なお、第1の画像表示装置は、情報処理装置に一体的に備わっている構成であってもよいし、外部に備わる構成であってもよい。
【0022】
また、上記形態及び上記適用例は、前記プログラムを前記コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体等の態様で構成することも可能である。記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコード等の符号が印刷された印刷物、情報処理装置の内部記憶装置(RAMやROM等のメモリ)、及び外部記憶装置等、前記コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本実施形態の情報処理装置であるパーソナルコンピュータ(以降、単に「コンピュータ」ともいう。)について説明する。
図1は、本実施形態のコンピュータを示す斜視図である。
図1に示すように、コンピュータ1は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、画像表示装置である液晶ディスプレイ16、入力装置であるキーボード20、及びポインティングデバイスであるタッチパッド21を一体的に備えて構成されている。また、コンピュータ1は、各種インターフェイスを備えており、外付け(外部)の画像表示装置2や外付けのマウス30を接続可能になっている。また、コンピュータ1は、外部の装置との間で無線LAN(Local Area Network)によるネットワーク通信が可能になっており、同じく無線LANによるネットワーク通信が可能な画像表示装置2に対して画像情報を無線で供給することができる。画像表示装置2は、例えば、プロジェクタであり、コンピュータ1から画像情報の供給を受けて、この画像情報に応じた画像をその画面(プロジェクタの場合には投写面)2a上に表示する。
【0024】
図2は、コンピュータ1の回路構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コンピュータ1は、CPU(Central Processing Unit)11、2つのブリッジ回路(ノースブリッジ12、及びサウスブリッジ13)、RAM(Random Access Memory)14、ビデオコントローラ15、液晶ディスプレイ16、ハードディスクドライブ17、光ディスクドライブ18、BIOS(Basic Input/Output System)が書き込まれたBIOS−ROM(Read Only Memory)19、キーボード20、タッチパッド21等を備えている。
【0025】
CPU11は、BIOS−ROM19に書き込まれたBIOS、或いはRAM14に読み出された各種プログラムに従って動作することにより、コンピュータ1の動作を統括制御する。
【0026】
ノースブリッジ12は、CPU11とサウスブリッジ13との間のブリッジ処理、RAM14の制御、及びビデオコントローラ15の制御等を行う。RAM14は、DRAM(Dynamic RAM)で構成され、ハードディスクドライブ17から読み出されたOS(Operating System)やアプリケーションプログラム等を記憶する。また、RAM14は、プログラム実行中における各種データの一時記憶等に用いられる。
【0027】
ビデオコントローラ15は、液晶ディスプレイ16に対する画像表示を制御する。ビデオコントローラ15は、VRAM(Video RAM)15aを備えており、OSやアプリケーションプログラムを実行するCPU11の指示に基づいて、VRAM15a上にフレーム(画面)単位で順次画像情報を生成し、生成した画像情報を液晶ディスプレイ16に出力して、液晶ディスプレイ16に画像情報に基づく画像を表示させる。
【0028】
液晶ディスプレイ16は、一対の透明基板間に液晶が封入された透過型の液晶パネルと、液晶パネルの背面側から白色光を照射するバックライトユニットと、液晶パネルを駆動する駆動回路(いずれも図示せず)等を備えている。液晶パネルの内面には、マトリクス状に配列された多数の画素が形成されている。各画素は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光をそれぞれ透過可能な3つのサブ画素を含んでおり、液晶に対してサブ画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。駆動回路が、ビデオコントローラ15から入力される画像情報に応じた駆動電圧を各サブ画素に印加すると、各サブ画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、バックライトユニットから照射された光は、この液晶パネルを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像が液晶パネルの前面側、即ち、液晶ディスプレイ16の画面16a(図1参照)上に表示される。液晶ディスプレイ16の解像度(画素数)としては、UXGA(1600×1200画素)、SXGA(1280×1024画素)、XGA(1024×768画素)等があり、ビデオコントローラ15は、液晶ディスプレイ16の解像度に応じた画像情報を生成して出力する。
【0029】
サウスブリッジ13には、各種インターフェイス回路が内蔵されており、ハードディスクドライブ17、光ディスクドライブ18、BIOS−ROM19、キーボード20、タッチパッド21、無線LANデバイス22等が接続されている。ハードディスクドライブ17は、インストールされたOSやアプリケーションプログラム、各種データ等を記憶する。光ディスクドライブ18は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクからのデータの読み出しや、光ディスクへのデータの書き込みを行う。
【0030】
BIOS−ROM19には、BIOSが格納されている。BIOSは、コンピュータ1の起動時にCPU11によって読み出されて各種初期化処理やOSの起動を行うプログラムとともに、ビデオコントローラ15、ハードディスクドライブ17、キーボード20等の入出力デバイスを制御するプログラムを含んでおり、これら入出力デバイスに対する基本的な入出力制御をOSやアプリケーションプログラムに提供する。OSやアプリケーションプログラムを実行するCPU11は、直接、或いはBIOSを介してこれらの入出力デバイスとの入出力を行うことができる。
【0031】
キーボード20は、キー操作によって文字や制御コード等を入力するための入力装置であり、タッチパッド21は、液晶ディスプレイ16等に表示されるポインタP(図1参照)の移動操作やクリック操作等を行うためのポインティングデバイスである。キーボード20及びタッチパッド21は、ユーザによってなされた操作に基づく操作信号をサウスブリッジ13に出力し、サウスブリッジ13は、この操作信号をノースブリッジ12を介してCPU11に伝達する。
【0032】
無線LANデバイス22は、外部の装置と無線LANによるネットワーク通信を行うものであり、同じく無線LANによるネットワーク通信が可能な画像表示装置2との間でデータ通信を行ったり、画像表示装置2に対して画像情報を送信(出力)したりすることができる。
【0033】
また、サウスブリッジ13は、図示しないUSB(Universal Serial Bus)インターフェイスを備えており、USB端子13aを介して外部の入出力装置と接続可能になっている。このUSB端子13aに、外付けのポインティングデバイスであるマウス30を接続すれば、ユーザは、内蔵するタッチパッド21の代わりにマウス30を用いて各種操作を行うことが可能となる。
【0034】
次に、画像表示装置2の概略構成について、プロジェクタを例にして説明する。
図3は、画像表示装置2の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、画像表示装置2は、画像投写部40、制御部50、入力操作部51、無線LAN通信部52、画像処理部53等で構成されている。
【0035】
画像投写部40は、光源41、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ42R,42G,42B、投写光学系としての投写レンズ43、ライトバルブ駆動部44等で構成されている。画像投写部40は、光源41から射出された光を、液晶ライトバルブ42R,42G,42Bで変調して画像(画像光)を形成し、この画像を投写レンズ43から投写してスクリーン等の投写面2aに表示する。
【0036】
光源41は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ41aと、光源ランプ41aが放射した光を液晶ライトバルブ42R,42G,42B側に反射するリフレクタ41bとを含んで構成されている。光源41から射出された光は、図示しないインテグレータ光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ42R,42G,42Bに入射する。
【0037】
液晶ライトバルブ42R,42G,42Bは、それぞれ一対の透明基板間に液晶が封入された透過型の液晶パネル(図示せず)等によって構成される。各液晶パネルには、マトリクス状に配列された複数の画素が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶ライトバルブ42R,42G,42Bには、例えば、1024×768画素の解像度(画素数)を有する液晶パネルが用いられる。
【0038】
ライトバルブ駆動部44が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源41から射出された光は、この液晶ライトバルブ42R,42G,42Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラー画像を表す画像光となった後、投写レンズ43によって投写面2aに拡大投写される。
【0039】
制御部50は、CPUや、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM、不揮発性のメモリからなるROM等を備え、ROMに記憶されている制御プログラムに従って動作することにより画像表示装置2の動作を統括制御する。
【0040】
入力操作部51は、ユーザが画像表示装置2に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。入力操作部51が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを切り替えるための「電源キー」、各種設定を行うための設定メニューを表示させる「メニューキー」等がある。ユーザが入力操作部51の各種操作キーを操作すると、入力操作部51は、ユーザの操作内容に応じた操作信号を制御部50に出力する。なお、入力操作部51として、遠隔操作が可能なリモコン(図示せず)を用いた構成としてもよい。この場合、リモコンは、ユーザの操作内容に応じた赤外線の操作信号を発信し、図示しないリモコン信号受信部がこれを受信して制御部50に伝達する。
【0041】
無線LAN通信部52は、無線LANによるネットワーク通信を行うためのものであり、制御部50は、外部の装置と無線LAN通信部52を介して制御情報等の送受信を行うことができる。また、無線LAN通信部52が画像情報を受信した場合には、無線LAN通信部52は、受信した画像情報を画像処理部53に出力する。
【0042】
画像処理部53は、無線LAN通信部52から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ42R,42G,42Bの各画素の階調を表す画像情報、即ち各画素に印加する駆動電圧を規定するための画像情報に変換する。さらに、制御部50の指示に基づいて、変換した画像情報に対して、明るさ、コントラスト、シャープネス、色合い等の画質を調整するための処理等を行う。画像処理部53で画質調整等がなされた画像情報は、ライトバルブ駆動部44に出力される。
【0043】
ライトバルブ駆動部44が、入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ42R,42G,42Bを駆動すると、液晶ライトバルブ42R,42G,42Bは、画像情報に応じた画像(画像光)を形成し、この画像が投写レンズ43から投写面2aに投写される。
【0044】
次に、コンピュータ1の動作について、図2を参照して説明する。
コンピュータ1に電源が投入されると、CPU11は、BIOS−ROM19に記憶されているBIOSに従ってブート処理を行い、ハードディスクドライブ17に記憶されているOSを起動し(RAM14に読み込み)、OSに従った動作を開始する。そして、CPU11は、液晶ディスプレイ16からその解像度を表す情報(解像度情報)を取得するとともに、液晶ディスプレイ16の画面16aに所定の画像(初期画面)を表示させるべく、ビデオコントローラ15に指示をして液晶ディスプレイ16の解像度に応じた画像情報を生成させる。
【0045】
本実施形態のコンピュータ1に採用されているOSは、GUI(Graphical User Interface)を備えたものであり、ユーザは、キーボード20の他に、タッチパッド21やマウス30等のポインティングデバイスを操作することによってコンピュータ1に各種指示を与えることが可能になっている。
【0046】
OSが起動すると、CPU11は、ビデオコントローラ15に指示をして、液晶ディスプレイ16に表示されている画像上にポインタPを重畳表示させる。OSには、タッチパッド21やマウス30と通信を行うためのデバイスドライバが含まれており、CPU11は、このデバイスドライバによってタッチパッド21やマウス30になされた移動操作やクリック操作を検出することができる。そして、タッチパッド21やマウス30に対して移動操作がなされると、CPU11は、ポインタPを重畳させる位置を、ユーザの移動操作に応じて変更することにより、ポインタPを移動させる。
【0047】
OSの起動が完了すると、コンピュータ1は、アプリケーションプログラムの起動が可能な状態となり、ユーザは、キーボード20、タッチパッド21、或いはマウス30等を操作して所望のアプリケーションプログラムの起動を指示することができる。アプリケーションプログラムの起動が指示されると、CPU11は、指示されたアプリケーションプログラムをハードディスクドライブ17からRAM14に読み込んで、このアプリケーションプログラムに従った動作を開始する。本実施形態のハードディスクドライブ17には、アプリケーションプログラムとして、文書を作成するためのワードプロセッサや、数値データの集計等に用いられる表計算ソフトウェア、プレゼンテーション用のスライドの作成や表示を行うためのプレゼンテーションソフトウェア等の他に、画像表示装置2と無線LAN接続を行って画像情報等の送信を行うためのアプリケーションプログラム(無線LAN接続ツールCT)が記憶されている。
【0048】
OSが起動した状態のコンピュータ1に対して、ユーザが無線LAN接続ツールCTの起動を指示すると、CPU11は、ハードディスクドライブ17に記憶されている無線LAN接続ツールCTをRAM14に読み出して、このプログラムに従った動作を開始する。
【0049】
図4及び図5は、無線LAN接続ツールCTに基づくコンピュータ1の動作を説明するためのフローチャートであり、図6〜図10は、無線LAN接続ツールCTに基づくコンピュータ1の動作を説明するための説明図である。ここで、図9(a)〜(d)及び図10(a)、(b)は、液晶ディスプレイ16の画面16a及び外部の画像表示装置2の画面(投射面)2aを示す図である。無線LAN接続ツールCTが起動すると、CPU11は、図4に示すフローに従って動作する。
【0050】
図4に示すように、まず、CPU11は、液晶ディスプレイ16にモード選択ウィンドウW1(図6参照)を表示させて無線LANのアクセスモードをユーザに選択させる(ステップS101)。図6に示すように、モード選択ウィンドウW1では、アクセスポイントを介さずに1対1で通信を行う「アドホックモード」と、アクセスポイントを介して複数の画像表示装置2と接続が可能な「インフラストラクチャモード」とが選択可能になっており、ユーザは、モード選択ウィンドウW1に備わるラジオボタンRBをクリック操作することによっていずれか1つのアクセスモードを選択することができる。
【0051】
ユーザによりアクセスモードが選択され、モード選択ウィンドウW1に備わるOKボタンB1がクリック操作されると、CPU11は、無線LAN接続が可能な画像表示装置2を検索する(ステップS102)。具体的には、CPU11は、無線LANデバイス22によりブロードキャストを行って、無線LAN接続が可能な画像表示装置2からそれぞれの識別名及びIPアドレスを返信させてこれらを取得する。その後、CPU11は、この検索結果を含んだ接続ウィンドウW2(図7、図9(a)参照)を、液晶ディスプレイ16の画面16a上に表示させる(ステップS103)。
【0052】
図7に示すように、接続ウィンドウW2には、検索された画像表示装置2のリストDLが表示されており、このリストDLには、各画像表示装置2の接続状況(ステータス)に加えて、取得した識別名及びIPアドレスが含まれている。また、リストDLには、検索された画像表示装置2毎にチェックボックスCBが付されており、ユーザは、このチェックボックスCBをクリック操作することによって接続対象とすべき画像表示装置2を指定することができる。なお、アクセスモードにアドホックモードが選択されている場合には、ユーザは、1台の画像表示装置2のみを指定可能であり、アクセスモードにインフラストラクチャモードが選択されている場合には、ユーザは、複数台の画像表示装置2を指定することができる。接続ウィンドウW2の右下には、接続ボタンB2が備えられており、ユーザは、接続すべき画像表示装置2を指定した後で接続ボタンB2をクリック操作することにより、指定した画像表示装置2との無線LAN接続を行うことができる。
【0053】
ユーザにより接続ボタンB2がクリック操作されて、CPU11がこの操作を検出すると、CPU11は、図5に示すフローに従って動作する。
【0054】
図5に示すように、ステップS111では、CPU11は、指定された画像表示装置2との無線LAN接続を実行する。具体的には、CPU11は、指定された画像表示装置2に対して、無線LANデバイス22から接続要求コマンドを送信する。画像表示装置2がこの接続要求コマンドに応答して、接続を許可する接続応答コマンドをコンピュータ1に送信し、コンピュータ1の無線LANデバイス22がこれを受信すると、コンピュータ1と画像表示装置2との無線LAN接続が確立する。
【0055】
ステップS112では、CPU11は、ビデオコントローラ15に指示をして、接続ウィンドウW2を画面16a上から消去させるとともに、画面16a上にツールバーW3(図8、図9(b)参照)を表示させる。ツールバーW3には、図8に示すように、画像表示装置2の表示状態を制御するための各種ボタンとともに、無線LAN接続を切断するための切断ボタンB3が含まれている。
【0056】
次いで、ステップS113では、CPU11は、無線LAN接続されている画像表示装置2に対して、解像度を表す情報(解像度情報)の出力を無線LANデバイス22を介して要求し、画像表示装置2から返信される解像度情報を無線LANデバイス22を介して取得する。なお、解像度情報は、ステップS102において画像表示装置2を検索する際に、識別名やIPアドレスと一緒に取得するようにしてもよい。
【0057】
ステップS114では、CPU11は、画像表示装置2の解像度と液晶ディスプレイ16の解像度とを比較して、画像表示装置2の解像度が液晶ディスプレイ16の解像度よりも低いか否かを判断する。そして、画像表示装置2の解像度が液晶ディスプレイ16の解像度よりも低い場合にはステップS118に移行し、画像表示装置2の解像度が液晶ディスプレイ16の解像度と同一、或いはそれよりも高い場合にはステップS115に移行する。なお、コンピュータ1が複数の画像表示装置2と無線LAN接続されている場合には、その中で最も解像度の低い画像表示装置2と解像度の比較を行う。
【0058】
画像表示装置2の解像度が液晶ディスプレイ16の解像度と同一、或いはそれよりも高く、ステップS115に移行した場合には、CPU11は、液晶ディスプレイ16に表示される画像(以降、「表示画像」と呼ぶ。)の全体をキャプチャし、続くステップS116では、キャプチャした画像の画像情報を無線LANデバイス22から画像表示装置2に送信する。この結果、図9(c)に示すように、画像表示装置2の画面2a上には、コンピュータ1から送信される画像情報に応じた画像、即ち液晶ディスプレイ16の画面16aに表示されている画像と略同一の画像が表示される。なお、無線LAN接続ツールCTは、ポインタP及びツールバーW3を含まない画像をキャプチャさせるようになっており、画像表示装置2の画面2aには、ポインタP及びツールバーW3は表示されない。
【0059】
その後、ユーザは、所望のアプリケーションプログラムを起動させてファイルを開く操作等を行うことにより、図9(d)に示すように、液晶ディスプレイ16の画面16a上に所望の画像W4を表示させることが可能であり、液晶ディスプレイ16に画像W4が表示されると、画像表示装置2の画面2a上にも、画像W4のすべての範囲が表示される。なお、画像W4を表示させるための操作は、無線LAN接続ツールCTを起動する前に行うようにしてもよい。また、ツールバーW3は、常に最前面に表示される設定がなされており、ツールバーW3を表示させた後に画像W4を全画面で表示させた場合でも、液晶ディスプレイ16の画面16a上でツールバーW3が画像W4に隠れることはない。
【0060】
ステップS117では、CPU11は、ユーザによってツールバーW3の切断ボタンB3がクリック操作されたか否かを判断する。そして、切断ボタンB3がクリック操作された場合にはステップS121に移行し、切断ボタンB3がクリック操作されていない場合には、ステップS115に戻って、表示画像全体のキャプチャと画像情報の送信とを継続する。
【0061】
一方、ステップS114において画像表示装置2の解像度が液晶ディスプレイ16の解像度よりも低く、ステップS118に移行した場合には、CPU11は、液晶ディスプレイ16に表示される表示画像の中から、ポインタPが重畳されている位置を中心として画像表示装置2の解像度に応じた大きさの領域(以降、「部分画像」と呼ぶ。)を抽出してキャプチャし、この部分画像を表す画像情報を生成する。なお、コンピュータ1が複数の画像表示装置2と無線LAN接続されている場合には、その中で最も解像度の低い画像表示装置2の解像度に応じた大きさの部分画像を抽出する。続くステップS119では、CPU11は、生成した画像情報、即ちキャプチャした画像の画像情報を無線LANデバイス22から画像表示装置2に送信する。
【0062】
例えば、図10(a)に示すように、液晶ディスプレイ16の解像度が1600×1200画素であり、画像表示装置2の解像度が1024×768画素の場合において、液晶ディスプレイ16の画面16a上に画像W4が表示されると、この画像W4の中から、ポインタPが重畳されている位置を中心とする1024×768画素の部分画像WPが抽出され、この部分画像WPが画像表示装置2の画面2a上に表示される。
【0063】
ステップS120では、CPU11は、ユーザによってツールバーW3の切断ボタンB3がクリック操作されたか否かを判断する。そして、切断ボタンB3がクリック操作された場合にはステップS121に移行し、切断ボタンB3がクリック操作されていない場合には、ステップS118に戻って、部分画像WPのキャプチャと画像情報の送信とを継続する。
【0064】
このように、本実施形態では、ポインタPが重畳されている位置を中心にして部分画像WPを抽出するため、ユーザは、タッチパッド21やマウス30に対する移動操作を行うことによって、画像表示装置2に表示させる領域の位置を変更することができる(図10(b)参照)。即ち、抽出される部分画像WPは、液晶ディスプレイ16に表示されるポインタPに追従するように表示画像内を移動する。なお、ポインタPが表示画像の周縁部近傍にある場合で、部分画像WPが表示画像の外側にはみ出してしまう場合には、はみ出した領域を黒色等で塗りつぶすようにしてもよいし、部分画像WPが表示画像からはみ出すことがないよう、表示画像の周縁部では部分画像WPをポインタPに追従させないようにしてもよい。また、ユーザによる所定の操作、例えば、キーボード20に対する所定のキー操作(ホットキーの操作)等がなされた場合に、表示画像に対する部分画像WPの位置を固定するようにしてもよい。さらに、図10(a)、(b)において破線で示すように、液晶ディスプレイ16の画面16a上に、部分画像WPを囲む枠を表示するようにすれば、画面16aのみを見ている状態でも、画面2aに表示される領域(部分画像WP)を容易に認識することが可能となる。
【0065】
ステップS117或いはステップS120において切断ボタンB3がクリック操作されてステップS121に移行した場合には、CPU11は、画像表示装置2に対する画像情報の送信を停止するとともに、画像表示装置2との無線LAN接続を切断すべく、無線LAN接続されている画像表示装置2に対して、無線LANデバイス22から切断要求コマンドを送信する。画像表示装置2がこの切断要求コマンドに応じて所定の切断処理を施した後で、処理が完了したことを示す切断完了コマンドをコンピュータ1に送信し、コンピュータ1の無線LANデバイス22がこれを受信すると、コンピュータ1と画像表示装置2との無線LAN接続が切断される。
【0066】
その後、ステップS122では、CPU11は、ビデオコントローラ15に指示をして、液晶ディスプレイ16の画面16a上からツールバーW3を消去させるとともに、画面16a上に接続ウィンドウW2を再び表示させ(図9(a)参照)、フローを終了する。接続ウィンドウW2が表示された状態では、ユーザは、画像表示装置2を指定して接続ボタンB2をクリック操作することにより、新たな無線LAN接続を行うことができる。また、接続ウィンドウW2の右上に備わる終了ボタンBE(図7参照)がユーザによりクリック操作された場合には、CPU11は、無線LAN接続ツールCTを終了させる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のコンピュータ1によれば、以下の効果を得ることができる。
【0068】
(1)本実施形態のコンピュータ1によれば、画像表示装置2の解像度が液晶ディスプレイ16の解像度よりも低い場合に、液晶ディスプレイ16に表示される表示画像の中から、画像表示装置2の解像度に応じた大きさの部分画像WPを抽出し、この部分画像WPの画像情報を画像表示装置2に送信している。このため、表示画像全体の画像情報を送信する場合に比べて、画像表示装置2に送信すべき情報量が削減されるとともに、画像を縮小させる処理を行っていないため、コンピュータ1に掛かる負荷の増大を抑制することが可能となる。また、画像表示装置2に高解像度(画像表示装置2の解像度を超える解像度)の画像情報が入力されることがないため、画像表示装置2に画像を縮小させるための機能を備える必要がなくなり、画像表示装置2の構成を簡略化することが可能となる。さらに、コンピュータ1及び画像表示装置2とも画像を縮小させていないため、縮小処理に伴う画像の劣化がない。
【0069】
(2)本実施形態のコンピュータ1によれば、画像表示装置2に表示させる部分画像WPの位置を変更することができるため、表示される領域が固定されることがなく、表示画像内の所望の領域を画像表示装置2に表示させることが可能となる。
【0070】
(3)本実施形態のコンピュータ1によれば、タッチパッド21やマウス30等のポインティングデバイスになされた移動操作に基づいて部分画像WPを移動させるため、部分画像WPの移動を容易に行うことが可能となる。
【0071】
(4)本実施形態のコンピュータ1によれば、無線ネットワーク(無線LAN)を介して画像情報を出力する構成であるため、コンピュータ1と画像表示装置2とのケーブル接続が不要となり、レイアウトの自由度が高まる。
【0072】
なお、本実施形態では、液晶ディスプレイ16が第1の画像表示装置に相当し、外部の画像表示装置2が第2の画像表示装置に相当する。また、ビデオコントローラ15から液晶ディスプレイ16に出力される画像情報が第1の画像情報に相当し、無線LANデバイス22から無線LANによって画像表示装置2に送信される画像情報が第2の画像情報に相当する。また、液晶ディスプレイ16に画像情報を出力するビデオコントローラ15が第1の画像情報出力部に相当し、画像表示装置2に画像情報を送信する無線LANデバイス22が第2の画像情報出力部に相当する。また、表示画像の中から画像表示装置2の解像度に応じた大きさの部分画像WPを抽出し、部分画像WPを表す画像情報を生成する際のCPU11、即ちステップS118を実行する際のCPU11が画像抽出部に相当する。また、タッチパッド21やマウス30等のポインティングデバイスの移動操作に応じて部分画像WPの位置を変更する際のCPU11、即ちステップS118においてポインタPが重畳されている位置を中心にして部分画像WPの位置を設定する際のCPU11が領域移動部に相当する。
(変形例)
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0073】
前記実施形態では、ポインティングデバイス(タッチパッド21或いはマウス30)の移動操作によって、ポインタPに追従するように部分画像WPの位置を変更するようにしているが、部分画像WPの位置を変更するための手段はこの態様に限定されない。例えば、図11に示すように、ツールバーW3に部分画像WPを上下左右に移動させるための4つのボタンBDを備えるようにして、このボタンBDがクリック操作される度に、対応する方向に所定の量(画素)だけ部分画像WPを移動させるようにしてもよい。また、キーボード20に対する所定のキー操作(上下左右に対応する4つのホットキーの操作)等がなされた場合に、その操作に応じて部分画像WPを移動させるようにしてもよい。
また、図12に示すように、画像表示装置2の解像度に応じた大きさ(画素数)の領域(部分画像WP)を透過して表示可能な枠状ウィンドウW5を液晶ディスプレイ16の画面16a上に表示するようにして、この枠状ウィンドウW5をドラッグ操作(クリック操作しながらの移動操作)等によって移動させることにより、部分画像WPの位置を変更するようにしてもよい。
【0074】
前記実施形態では、コンピュータ1から画像表示装置2に無線ネットワークを介して画像情報を出力する構成を示しているが、有線ネットワークやUSBを介して出力する構成であっても同様の効果を得ることが可能である。
【0075】
前記実施形態では、画像表示装置2にポインタPを表示しない態様を示しているが、画像表示装置2にポインタPを表示すべく、ポインタPを含んだ画像(画像情報)を画像表示装置2に送信するようにしてもよい。また、ホットキーの操作、或いはツールバーW3に備わる図示しない所定のボタンのクリック操作によって、ポインタPを表示する状態と表示しない状態とを切り替え可能な構成にすることも可能である。
【0076】
前記実施形態では、情報処理装置の例として、画像表示装置(液晶ディスプレイ16)、入力装置(キーボード20)、ポインティングデバイス(タッチパッド21)を一体的に備えたノート型のパーソナルコンピュータについて説明したが、情報処理装置は、ノート型のパーソナルコンピュータに限定されない。例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータのように、画像表示装置、入力装置、ポインティングデバイスの全部又は一部を外付けで備える構成の情報処理装置(コンピュータ)であってもよい。
【0077】
前記実施形態では、外部の画像表示装置2としてプロジェクタを用いた例を示したが、透過型のスクリーンを一体的に備えたリアプロジェクタ、或いは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を用いることも可能である。
【0078】
前記実施形態では、ポインティングデバイスとしてタッチパッド21及びマウス30を用いた例を示したが、トラックボールやジョイスティック、ペンタブレット等、他のポインティングデバイスを用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施形態に係るコンピュータを示す斜視図。
【図2】コンピュータの回路構成を示すブロック図。
【図3】画像表示装置の概略構成を示すブロック図。
【図4】無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するためのフローチャート。
【図5】無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するためのフローチャート。
【図6】無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図。
【図7】無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図。
【図8】無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図。
【図9】(a)〜(d)は、無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図であり、液晶ディスプレイの画面及び外部の画像表示装置の画面(投射面)を示す図。
【図10】(a)、(b)は、無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図であり、液晶ディスプレイの画面及び外部の画像表示装置の画面(投射面)を示す図。
【図11】変形例に係る無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図。
【図12】変形例に係る無線LAN接続ツールに基づくコンピュータの動作を説明するための説明図であり、液晶ディスプレイの画面及び外部の画像表示装置の画面(投射面)を示す図。
【符号の説明】
【0080】
1…コンピュータ、2…画像表示装置、2a…画面(投射面)、11…CPU、12…ノースブリッジ、13…サウスブリッジ、13a…USB端子、14…RAM、15…ビデオコントローラ、15a…VRAM、16…液晶ディスプレイ、16a…画面、17…ハードディスクドライブ、18…光ディスクドライブ、19…BIOS−ROM、20…キーボード、21…タッチパッド、22…無線LANデバイス、30…マウス、40…画像投写部、41…光源、42R,42G,42B…液晶ライトバルブ、43…投写レンズ、44…ライトバルブ駆動部、50…制御部、51…入力操作部、52…無線LAN通信部、53…画像処理部、CT…無線LAN接続ツール、P…ポインタ、W1…モード選択ウィンドウ、W2…接続ウィンドウ、W3…ツールバー、WP…部分画像。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像表示装置、及び外部に備わる第2の画像表示装置に画像を表示させる情報処理装置であって、
前記第1の画像表示装置に、第1の画像情報を出力して前記第1の画像情報に基づく画像を表示させる第1の画像情報出力部と、
前記第2の画像表示装置の解像度が前記第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、前記第1の画像情報に基づく画像の中から前記第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して、前記領域内に含まれる画像を表す第2の画像情報を生成する画像抽出部と、
前記第2の画像表示装置に、前記第2の画像情報を出力して前記第2の画像情報に基づく画像を表示させる第2の画像情報出力部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記画像抽出部によって抽出される領域の位置を変更する領域移動部をさらに備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記領域移動部は、ポインティングデバイスになされた移動操作に基づいて前記領域の位置を変更することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記画像抽出部は、前記第1の画像表示装置に前記領域を囲む枠を表示させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記第2の画像情報出力部は、無線ネットワークを介して前記第2の画像表示装置に前記第2の画像情報を出力することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
第1の画像表示装置、及び外部に備わる第2の画像表示装置に画像を表示させる情報処理装置の画像表示方法であって、
前記第1の画像表示装置に、第1の画像情報を出力して前記第1の画像情報に基づく画像を表示させる第1の画像情報出力ステップと、
前記第2の画像表示装置の解像度が前記第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、前記第1の画像情報に基づく画像の中から、前記第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して、前記領域内に含まれる画像を表す第2の画像情報を生成する画像抽出ステップと、
前記第2の画像表示装置に、前記第2の画像情報を出力して前記第2の画像情報に基づく画像を表示させる第2の画像情報出力ステップと、
を備えたことを特徴とする画像表示方法。
【請求項7】
第1の画像表示装置、及び外部に備わる第2の画像表示装置に画像を表示させるコンピュータに、
前記第1の画像表示装置に、第1の画像情報を出力して前記第1の画像情報に基づく画像を表示させる第1の画像情報出力ステップと、
前記第2の画像表示装置の解像度が前記第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、前記第1の画像情報に基づく画像の中から、前記第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して、前記領域内に含まれる画像を表す第2の画像情報を生成する画像抽出ステップと、
前記第2の画像表示装置に、前記第2の画像情報を出力して前記第2の画像情報に基づく画像を表示させる第2の画像情報出力ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
第1の画像表示装置、及び外部に備わる第2の画像表示装置に画像を表示させる情報処理装置であって、
前記第1の画像表示装置に、第1の画像情報を出力して前記第1の画像情報に基づく画像を表示させる第1の画像情報出力部と、
前記第2の画像表示装置の解像度が前記第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、前記第1の画像情報に基づく画像の中から前記第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して、前記領域内に含まれる画像を表す第2の画像情報を生成する画像抽出部と、
前記第2の画像表示装置に、前記第2の画像情報を出力して前記第2の画像情報に基づく画像を表示させる第2の画像情報出力部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記画像抽出部によって抽出される領域の位置を変更する領域移動部をさらに備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記領域移動部は、ポインティングデバイスになされた移動操作に基づいて前記領域の位置を変更することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記画像抽出部は、前記第1の画像表示装置に前記領域を囲む枠を表示させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記第2の画像情報出力部は、無線ネットワークを介して前記第2の画像表示装置に前記第2の画像情報を出力することを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
第1の画像表示装置、及び外部に備わる第2の画像表示装置に画像を表示させる情報処理装置の画像表示方法であって、
前記第1の画像表示装置に、第1の画像情報を出力して前記第1の画像情報に基づく画像を表示させる第1の画像情報出力ステップと、
前記第2の画像表示装置の解像度が前記第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、前記第1の画像情報に基づく画像の中から、前記第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して、前記領域内に含まれる画像を表す第2の画像情報を生成する画像抽出ステップと、
前記第2の画像表示装置に、前記第2の画像情報を出力して前記第2の画像情報に基づく画像を表示させる第2の画像情報出力ステップと、
を備えたことを特徴とする画像表示方法。
【請求項7】
第1の画像表示装置、及び外部に備わる第2の画像表示装置に画像を表示させるコンピュータに、
前記第1の画像表示装置に、第1の画像情報を出力して前記第1の画像情報に基づく画像を表示させる第1の画像情報出力ステップと、
前記第2の画像表示装置の解像度が前記第1の画像表示装置の解像度よりも低い場合に、前記第1の画像情報に基づく画像の中から、前記第2の画像表示装置の解像度に応じた大きさの領域を抽出して、前記領域内に含まれる画像を表す第2の画像情報を生成する画像抽出ステップと、
前記第2の画像表示装置に、前記第2の画像情報を出力して前記第2の画像情報に基づく画像を表示させる第2の画像情報出力ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−192670(P2009−192670A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−31427(P2008−31427)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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