説明

情報処理装置および情報処理方法、プログラム格納媒体、並びにプログラム

【課題】データ記録時に予備クラスタを配置する。
【解決手段】、記録メディアには、1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含む下地データ(符号化ストリーム)が記録されている。下書きデータにおいては、1GOPごとに、そのGOPの最後に、GOPに含まれるフレームの数と等しい予備クラスタが配置されている。IN点を含むGOPの先頭が差し替え区間の先頭αとなり、OUT点を含むGOPの最後が差し替え区間の終了点εとされた場合、記録メディアに上書きされる差し替え区間の符号化ストリームに対して、各フレーム間、各GOP間に予備クラスタは配置されず、差し替え区間の符号化ストリームが、その先頭から連続して記録メディアに書き込まれ、上書きされた符号化ストリームの最後の点ε´から、差し替え区間の終了点εまでの間にまとまって予備クラスタが配置される。本発明は、編集装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置および情報処理方法、プログラム格納媒体、並びにプログラムに関し、特に、記録メディアに記録された圧縮映像データに対するインサート編集を行う場合において好適な情報処理装置および情報処理方法、プログラム格納媒体、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MPEG(Moving Picture Coding Experts Group/Moving Picture Experts Group)などに代表される画像圧縮方式では、フレーム間予測を用いて映像信号を圧縮符号化することで、高い圧縮効率を実現している。
【0003】
例えばMPEGにおいて、Iピクチャ、Pピクチャ、およびBピクチャから構成される双方向のフレーム間予測を用いた圧縮符号化方式は、Long GOP(Group of Picture)方式の圧縮と呼ばれている。
【0004】
ここで、Iピクチャとは、フレーム内(Intra)符号化画像のことであり、他の画面とは独立に符号化されるピクチャであり、この情報のみで画像を復号することができるものである。Pピクチャとは、フレーム間(inter)順方向予測符号化画像のことであり、時間的に前(順方向)のフレームからの差分によって表現される前方向予測符号化ピクチャである。また、Bピクチャとは、双方向予測符号化画像のことであり、時間的に前(順方向)、または後(逆方向)、または前後(双方向)のピクチャを利用して動き補償フレーム間予測により符号化されるピクチャである。
【0005】
従来、Long GOP方式で圧縮(エンコード)されたストリームをカット編集(アセンブル編集とも称する)する方法が提案されており、そのようなカット編集においては、図1に示すように、ストリームA1とストリームB1とが編集点において接続される(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
なお、図中、Pa1およびPb1はそれぞれ、ストリームA1およびストリームB1における編集点を示しており、図中、縦方向の線は、それぞれのストリームにおけるGOPの切れ目を示している。
【0007】
図1の例においては、ストリームA1の編集点Pa1を含むGOPの開始位置α1から編集点Pa1までの部分と、ストリームB1の編集点Pb1から、その編集点Pb1を含むGOPの終了位置β1までの部分がデコードされて接続され、ストリームC1とされる。そして、接続されて得られたストリームC1は再エンコード区間とされて、再エンコード区間の開始位置のVBV(Video Buffering Verifier)バッファのオキュパンシが、ストリームA1の位置α1におけるオキュパンシの位置から推移が開始され、再エンコード区間の終了位置におけるオキュパンシが、ストリームB1の位置β1におけるオキュパンシの位置で終了するように、再エンコード区間が再エンコードされる。
【0008】
そして、再エンコードされたストリームC1は、その開始位置および終了位置が、それぞれストリームA1の位置α1以前の部分およびストリームB1の位置β1以降の部分と接続され、ストリームD1とされる。すなわち、ストリームA1の区間a1および区間b1までの符号、ストリームC1の区間d1の符号、並びにストリームB1の区間c1以降の符号からなるストリームD1が、編集の結果として得られたストリームとされる。
【0009】
ところで、上述したカット編集の技術が用いられて、記録メディアに記録されているストリーム(以下、下地データとも称する)における所定の区間を、他のストリーム(以下、上書きデータ)に置き換えることによって、下地データの所定の区間に上書きデータを挿入するインサート編集が知られている。
【0010】
インサート編集においては、図2に示すように、下地データであるストリームA2に対して、上書きデータであるストリームB2の所定の区間が挿入され、ストリームB2が挿入されるIN点の近傍およびOUT点の近傍が、カット編集における場合と同様に再エンコードされる。なお、図中、縦方向の線は、それぞれのストリームにおけるGOPの切れ目を示している。
【0011】
図2の例においては、ストリームA2における位置IN2から位置OUT2までの区間に、ストリームB2の位置IN3から位置OUT3までの区間が挿入される。このとき、位置IN2を含むGOPの開始位置α2から位置IN2までの部分と、ストリームB2の位置IN3から、その位置IN3を含むGOPの終了位置β2までの部分とがデコードされて接続され、ストリームC2とされる。
【0012】
同様に、ストリームB2の位置OUT3を含むGOPの開始位置γ2から位置OUT3までの部分と、ストリームA2の位置OUT2から、その位置OUT2を含むGOPの終了位置δ2までの部分とがデコードされて接続され、ストリームD2とされる。
【0013】
さらに、ストリームC2およびストリームD2が再エンコードされ、ストリームA2およびストリームB2と、再エンコードされたストリームC2およびストリームD2とが接続されてストリームE2とされる。
【0014】
すなわち、ストリームA2の位置α2までの区間a2の符号、ストリームC2の区間j2の符号、ストリームB2の位置β2から位置γ2までの区間、すなわち区間g2、区間h2、および区間i2の符号、ストリームD2の区間k2の符号、並びにストリームA2の位置δ2以降の区間f2の符号からなるストリームE2が、インサート編集の結果として得られるストリームとされる。
【0015】
なお、以下の説明において、位置IN2または位置IN3をIN点とも称し、位置OUT2または位置OUT3をOUT点とも称する。
【0016】
このような記録メディアに記録されているストリームの所定の区間を、他のストリームに置き換えるインサート編集は、VTR(Video Tape Recorder)に記録されている動画像信号に対してインサート編集を行う場合と同様の効果が得られる。すなわち、下地データが記録されている記録メディアに、他のデータを記録する記録容量がない場合においても、下地データの編集の対象となる区間に他のデータを上書きすることで、記録メディアに記録されている下地データを編集することができる。
【0017】
多くの記録メディアにおいては、その記録メディアへのデータの記録時にクラスタ管理が行われている。すなわち、多くの記録メディアでは、その記録メディアごと、または記録メディアにデータを記録する装置の動作を制御するOS(Operating System)ごとに、記録メディアの記録単位である固有の大きさのクラスタが用意され、記録されるデータは、そのクラスタの大きさに分割されて記録メディアに記録される。ここで、クラスタの大きさは、例えば1Byte以上の所定の大きさとされる。
【0018】
例えば、可変長符号化された動画像ファイルが記録メディアに記録される場合、その動画像ファイルは、各フレームがクラスタの大きさに分割され、フレームごとに記録される。したがって、1つのクラスタには、1つのフレームのデータだけが格納されて記録される。
【0019】
【特許文献1】特開2006−67095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところが、動画像の1フレーム分の符号長、すなわち各フレームの大きさは、必ずしもクラスタの大きさの整数倍ではないため、記録メディア上の動画像ファイルが記録されているクラスタのなかには、クラスタギャップを有するクラスタが存在する。
【0021】
したがって、互いにストリーム全体のデータ量が等しいストリームであっても、フレームの絵柄が異なる場合、各フレームの大きさは異なるので、それらのストリームを記録するときのクラスタギャップを有するクラスタの数も異なり、それぞれのストリームを記録メディアに記録するために必要とされるクラスタ数、つまり記録容量も異なる。
【0022】
例えば、図3に示すように、ストリームPおよびストリームQを記録メディアに記録する場合、それらのストリームの符号量は同じであっても、ストリームを記録するために必要となるクラスタ数は異なる。
【0023】
図3には、ストリームPおよびストリームQを構成する各フレーム、すなわち各ピクチャの符号量および各ピクチャの記録に必要とされるクラスタ数と、ストリームPおよびストリームQの符号量およびそれらのストリームの記録に必要とされるクラスタ数とが示されている。なお、ストリームPおよびストリームQは、ピクチャレートが30Hz、ビットレートが50Mbps、GOP内のピクチャ数が15、IピクチャまたはPピクチャの間隔を示すM値が3である、CBR(Constant Bit Rate)によりエンコードされたストリームであり、図3における1つのクラスタの大きさは2000Byteとされている。
【0024】
図3の例では、ストリームPの先頭のピクチャI2の符号量は10000000Byteであり、クラスタ数は5000個とされている。これに対して、ストリームQの先頭のピクチャI2の符号量は9999986Byteであり、クラスタ数は5000個であるので、ストリームQのピクチャI2の符号量は、ストリームPのピクチャI2の符号量よりも少ないが、記録に必要なクラスタ数はストリームPのピクチャI2と同じ数となっている。
【0025】
また、ピクチャB0以降のピクチャ、すなわちピクチャB0乃至ピクチャB13のそれぞれについては、ストリームQよりもストリームPの方が各ピクチャの符号量は1Byteだけ少なく、クラスタ数も1個だけ少なくなっている。
【0026】
さらに、ストリームPおよびストリームQのそれぞれは、符号量が25000000Byteであり同じであるが、ストリームPを記録するために必要なクラスタ数が12500個であるのに対して、ストリームQを記録するために必要なクラスタ数は12514個であり、ストリームPにおける場合よりも14個だけ多くなっている。
【0027】
このように、可変長符号化により得られたストリームは、同じデータ量のストリームであっても、記録メディアにおける記録に必要な記録容量は異なる。そのため、図2を参照して説明したインサート編集を行い、下地データの所定の区間に上書きデータを上書きしようとした場合に、その下地データの区間と、上書きデータとは、データ量が同じであっても、記録メディア上の大きさ、すなわち記録に必要なクラスタ数は一般には異なるので、上書きデータの記録に必要なクラスタ数が、下地データにおける上書きデータが挿入される区間のクラスタ数よりも多いときには、下地データに上書きデータを挿入することができなくなってしまう。
【0028】
つまり、図2において、ストリームA2乃至ストリームD2のそれぞれがCBRによりエンコードされて得られたストリームである場合、VBVバッファのオキュパンシが連続で、またビットレートが0となる期間はないため、ストリームA2における位置α2から位置δ2までの区間、すなわち区間b2から区間e2までの総符号量と、ストリームE2における区間j2から区間k2までの総符号量とは同じとなる。しかしながら、記録に必要なクラスタ数は必ずしも同じではないため、記録メディアにおけるストリームA2の位置α2から位置δ2までの部分に、ストリームE2の区間j2乃至区間k2までの部分を上書きすることができないおそれがある。
【0029】
従来、下地データにおける上書きデータが挿入される部分のクラスタ数よりも、上書きデータの記録に必要なクラスタ数が多く、下地データを上書きデータに書き換えることができない場合、上書きデータは、記録メディア上における下地データが記録されている領域とは異なる領域に記録されていた。
【0030】
したがって、下地データのクラスタ数よりも、上書きデータの記録に必要なクラスタ数が多いために下地データを上書きデータに書き換えることができず、さらに下地データが記録されている記録メディアに、上書きデータを記録するために必要な記録容量が残っていない場合には、下地データを編集することができなくなってしまう。
【0031】
また、記録メディアに予め上書きデータを記録するための記録領域をある程度確保しておくこともできるが、その記録領域の大きさは、編集の回数や上書きデータの大きさによって異なる。従来においては、予め適切な大きさの記録領域を算出する方法がなく、予め適切な大きさの記録領域を確保しておくことは困難であった。
【0032】
さらに、インサート編集の結果、記録メディア上における下地データの所定の区間を上書きデータに書き換えることができず、上書きデータが下地データの記録されている領域とは異なる領域に記録された場合、インサート編集において下地データの所定の区間に接続された上書きデータは、上書きデータの直前に再生される下地データが記録されている位置とは物理的に不連続な位置に記録されているので、上書きデータの部分の再生を行うときには、その上書きデータの直前に再生される下地データが記録されている位置から、上書きデータが記録されている位置までジャンプして再生しなければならなかった。
【0033】
そのような場合、記録メディアや、データを再生する装置特有の条件によっては、記録位置の物理的なジャンプに長い時間が必要とされたり、データを一時的に記憶するバッファが必要とされたりするので、ジャンプやバッファリングにより生じるある程度の遅延が容認されなければ、下地データに挿入される上書きデータの再生区間には時間的な制限が必要であった。
【0034】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、記録メディアに記録できる記録容量が残り少ない場合であっても、インサート編集されたストリームを確実に記録メディアに記録することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明の第1の側面の情報処理装置は、物理的な記録単位ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位ごとにデータを記録する情報処理装置であって、前記記録媒体に記録される前記データを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記基準単位の前記データの前記記録媒体への記録を制御する記録制御手段と、前記取得手段により取得された前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数を検出し、検出された前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数と同じ数の前記物理的な記録単位を、予備の記録領域として、前記記録媒体に配置する予備記録領域配置手段とを備える。
【0036】
前記予備記録領域配置手段には、前記基準単位に対応する前記予備の記録領域を、前記記録制御手段により記録が制御された前記基準単位の前記データに続いて、まとめて前記記録媒体に配置させるようにすることができる。
【0037】
前記記録制御手段には、前記記録媒体の前記データが記録された領域のいずれかに、前記所定のデータ単位ごとに上書きデータを更に記録する場合、前記記録媒体上の前記上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域を検出させるようにすることができ、前記第1の領域の先頭から、前記上書きデータが連続して記録され、前記第1の領域の前記上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域が配置されるように、前記記録媒体への前記上書きデータの記録を制御させるようにすることができる。
【0038】
前記記録制御手段により、前記記録媒体の前記データが記録された領域のいずれかに、前記所定のデータ単位ごとに前記上書きデータが更に記録された場合、前記上書きデータが記録されている前記第1の領域を示す第1の設定情報を前記記録媒体に記録する第1の設定情報記録手段を更に備えさせるようにすることができる。
【0039】
前記記録制御手段により、前記記録媒体の前記データが記録された領域のいずれかに、前記所定のデータ単位ごとに前記上書きデータが更に記録された場合、前記上書きデータが記録された前記第1の領域の最後尾を示す第2の設定情報を前記記録媒体に記録する第2の設定情報記録手段を更に備えさせるようにすることができる。
【0040】
前記記録制御手段により前記記録媒体の前記データが記録された領域のいずれかに、前記所定のデータ単位ごとに上書きデータを更に記録する場合、前記記録媒体に記録されている前記第1の設定情報および前記第2の設定情報を検出する設定情報検出手段と、前記設定情報検出手段により検出された前記第1の設定情報および前記第2の設定情報に基づいて、前記上書きデータが記録される前記第1の領域の最後尾が、過去にいずれかの上書きデータが記録された第2の領域の途中であると判断された場合、前記記録媒体に記録されているデータの書き換え範囲を延長する書き換え範囲決定手段とを更に備えさせるようにすることができる。
【0041】
前記設定情報検出手段により検出された前記第1の設定情報および前記第2の設定情報に基づいて、前記上書きデータが記録される前記第1の領域の最後尾が、過去にいずれかの上書きデータが記録された前記第2の領域の途中であると判断された場合、前記取得手段には、前記記録媒体の前記第2の領域のうち、前記第1の領域と異なる部分に記録されている記録済みデータを読み出して取得させるようにすることができ、前記記録制御手段には、前記第1の領域の先頭位置から、前記所定のデータ単位ごとに前記上書きデータを更に記録するとともに、前記上書きデータの記録終了位置から、前記取得手段により取得された前記記録済みデータを再記録し、前記第2の領域の前記記録済みデータが記録されていない領域に、予備の記録領域が配置されるように、前記記録媒体への前記上書きデータおよび前記記録済みデータの記録を制御させるようにすることができる。
【0042】
本発明の第1の側面の情報処理方法は、物理的な記録単位ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位ごとにデータを記録する情報処理装置の情報処理方法であって、前記記録媒体に記録される前記データを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得し、前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数を検出し、取得された前記基準単位の前記データの前記記録媒体への記録を制御し、検出された前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数と同じ数の前記物理的な記録単位を、予備の記録領域として、前記記録媒体に配置するステップを含む。
【0043】
本発明の第1の側面のプログラムは、物理的な記録単位ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位ごとにデータを記録する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記記録媒体に記録される前記データを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得し、前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数を検出し、取得された前記基準単位の前記データの前記記録媒体への記録を制御し、検出された前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数と同じ数の前記物理的な記録単位を、予備の記録領域として、前記記録媒体に配置するステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0044】
本発明の第1の側面においては、記録媒体に記録されるデータが、データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得され、基準単位のデータに含まれる所定のデータ単位数が検出され、取得された基準単位のデータの記録媒体への記録が制御され、検出された基準単位のデータに含まれる所定のデータ単位数と同じ数の物理的な記録単位が、予備の記録領域として、記録媒体に配置される。
【0045】
本発明の第2の側面の情報処理装置は、物理的な記録単位ごとに下書きデータが記録されている記録媒体に、所定のデータ単位ごとに上書きデータを記録する情報処理装置であって、前記記録媒体に記録される前記上書きデータを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得する取得手段と、前記記録媒体上に前記下書きデータが記録されている領域のうち、前記上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域を検出し、前記第1の領域の先頭から、前記取得手段により取得された前記上書きデータが連続して記録されるように、前記記録媒体への前記上書きデータの記録を制御する記録制御手段と、前記第1の領域の前記上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域を配置する予備記録領域配置手段とを備える。
【0046】
本発明の第2の側面の情報処理方法は、物理的な記録単位ごとに下書きデータが記録されている記録媒体に、所定のデータ単位ごとに上書きデータを記録する情報処理装置の情報処理方法であって、前記記録媒体に記録される前記上書きデータを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得し、前記記録媒体上に前記下書きデータが記録されている領域のうち、前記上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域を検出し、前記第1の領域の先頭から、前記上書きデータが連続して記録されるように、前記記録媒体への前記上書きデータの記録を制御し、前記第1の領域の前記上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域を配置するステップを含む。
【0047】
本発明の第2の側面のプログラムは、物理的な記録単位ごとに下書きデータが記録されている記録媒体に、所定のデータ単位ごとに上書きデータを記録する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記記録媒体に記録される前記上書きデータを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得し、前記記録媒体上に前記下書きデータが記録されている領域のうち、前記上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域を検出し、前記第1の領域の先頭から、前記上書きデータが連続して記録されるように、前記記録媒体への前記上書きデータの記録を制御し、前記第1の領域の前記上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域を配置するステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0048】
本発明の第2の側面においては、記録媒体に記録される上書きデータが、データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得され、記録媒体上に下書きデータが記録されている領域のうち、上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域が検出され、第1の領域の先頭から、上書きデータが連続して記録されるように、記録媒体への上書きデータの記録が制御され、第1の領域の上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域を配置する。
【0049】
編集装置は、独立した装置であっても良いし、記録装置、記録再生装置、または、情報処理装置の、編集やデータの記録処理を行うブロックであっても良い。
【発明の効果】
【0050】
以上のように、本発明の第1の側面によれば記録媒体にデータを記録することができ、とくに、データの上書き時にクラスタ数が不足してしまうことがないように、予備の記録領域を配置して、データを記録媒体に記録することができる。
【0051】
また、本発明の第2の側面によれば、記録媒体に記録されているデータに対して、上書きデータを書き込むことができ、特に、データの上書き時に予備の記録領域を配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書または図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書または図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書または図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0053】
本発明の第1の側面の情報処理装置は、物理的な記録単位(例えば、クラスタ)ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位(例えば、フレーム)ごとにデータを記録する情報処理装置であって、前記記録媒体に記録される前記データを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位(例えば、1GOP)ごとに取得する取得手段(例えば、図15乃至図17の符号化データ取得制御部81)と、前記取得手段により取得された前記基準単位の前記データの前記記録媒体への記録を制御する記録制御手段(例えば、15乃至図17の符号化データ記録処理部82)と、前記取得手段により取得された前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数を検出し、検出された前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数と同じ数の前記物理的な記録単位を、予備の記録領域(例えば、予備クラスタ)として、前記記録媒体に配置する予備記録領域配置手段(例えば、図15乃至図17の予備クラスタ配置部83)とを備える。
【0054】
前記記録制御手段は、前記記録媒体の前記データが記録された領域のいずれかに、前記所定のデータ単位ごとに上書きデータを更に記録する場合、前記記録媒体上の前記上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域(例えば、差し替え区間)を検出し、前記第1の領域の先頭から、前記上書きデータが連続して記録され、前記第1の領域の前記上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域が配置されるように、前記記録媒体への前記上書きデータの記録を制御することができる。
【0055】
前記記録制御手段により、前記記録媒体の前記データが記録された領域のいずれかに、前記所定のデータ単位ごとに前記上書きデータが更に記録された場合、前記上書きデータが記録されている前記第1の領域を示す第1の設定情報(たとえば、書き換えフラグ)を前記記録媒体に記録する第1の設定情報記録手段(例えば、図16または図17の書き換えフラグ設定部111)を更に備えることができる。
【0056】
前記記録制御手段により、前記記録媒体の前記データが記録された領域のいずれかに、前記所定のデータ単位ごとに前記上書きデータが更に記録された場合、前記上書きデータが記録された前記第1の領域の最後尾を示す第2の設定情報(たとえば、書き換え終了フラグ)を前記記録媒体に記録する第2の設定情報記録手段(例えば、図16または図17の書き換え終了フラグ設定部112)を更に備えることができる。
【0057】
前記記録制御手段により前記記録媒体の前記データが記録された領域のいずれかに、前記所定のデータ単位ごとに上書きデータを更に記録する場合、前記記録媒体に記録されている前記第1の設定情報および前記第2の設定情報を検出する設定情報検出手段(例えば、図17の書き換え終了フラグ検出部131および書き換えフラグ検出部132)と、前記設定情報検出手段により検出された前記第1の設定情報および前記第2の設定情報に基づいて、前記上書きデータが記録される前記第1の領域の最後尾が、過去にいずれかの上書きデータが記録された第2の領域(たとえば、書き換えフラグが1である領域)の途中であると判断された場合、前記記録媒体に記録されているデータの書き換え範囲を延長する書き換え範囲決定手段(例えば、図17の上書き範囲決定処理部133)とを更に備えることができる。
【0058】
前記設定情報検出手段により検出された前記第1の設定情報および前記第2の設定情報に基づいて、前記上書きデータが記録される前記第1の領域の最後尾が、過去にいずれかの上書きデータが記録された前記第2の領域(たとえば、書き換えフラグが1である領域)の途中であると判断された場合、前記取得手段は、前記記録媒体の前記第2の領域のうち、前記第1の領域と異なる部分に記録されている記録済みデータを読み出して取得することができ、前記記録制御手段は、前記第1の領域の先頭位置から、前記所定のデータ単位ごとに前記上書きデータを更に記録するとともに、前記上書きデータの記録終了位置から、前記取得手段により取得された前記記録済みデータを再記録し、前記第2の領域の前記記録済みデータが記録されていない領域に、予備の記録領域が配置されるように、前記記録媒体への前記上書きデータおよび前記記録済みデータの記録を制御することができる。
【0059】
本発明の第1の側面の情報処理方法は、物理的な記録単位(例えば、クラスタ)ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位(例えば、フレーム)ごとにデータを記録する情報処理装置の情報処理方法であって、前記記録媒体に記録される前記データを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位(例えば、1GOP)ごとに取得し(例えば、図18のステップS11の処理)、前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数を検出し(例えば、図18のステップS12の処理)、取得された前記基準単位の前記データの前記記録媒体への記録を制御し(例えば、図18のステップS13の処理)、検出された前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数と同じ数の前記物理的な記録単位を、予備の記録領域(例えば、予備クラスタ)として、前記記録媒体に配置する(例えば、図18のステップS14の処理)ステップを含む。
【0060】
本発明の第1の側面のプログラムは、物理的な記録単位(例えば、クラスタ)ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位(例えば、フレーム)ごとにデータを記録する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記記録媒体に記録される前記データを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位(例えば、1GOP)ごとに取得し(例えば、図18のステップS11の処理)、前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数を検出し(例えば、図18のステップS12の処理)、取得された前記基準単位の前記データの前記記録媒体への記録を制御し(例えば、図18のステップS13の処理)、検出された前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数と同じ数の前記物理的な記録単位を、予備の記録領域(例えば、予備クラスタ)として、前記記録媒体に配置する(例えば、図18のステップS14の処理)ステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0061】
本発明の第2の側面の情報処理装置は、物理的な記録単位(例えば、クラスタ)ごとに下書きデータが記録されている記録媒体に、所定のデータ単位(例えば、フレーム)ごとに上書きデータを記録する情報処理装置であって、前記記録媒体に記録される前記上書きデータを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位(例えば、1GOP)ごとに取得する取得手段(例えば、図16または図17の符号化データ取得制御部81)と、前記記録媒体上に前記下書きデータが記録されている領域のうち、前記上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域(例えば、差し替え区間)を検出し、前記第1の領域の先頭から、前記取得手段により取得された前記上書きデータが連続して記録されるように、前記記録媒体への前記上書きデータの記録を制御する記録制御手段(例えば、16または図17の符号化データ記録処理部82)と、前記第1の領域の前記上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域(例えば、予備クラスタ)を配置する予備記録領域配置手段(例えば、図16または図17の予備クラスタ配置部83)とを備える。
【0062】
本発明の第2の側面の情報処理方法は、物理的な記録単位(例えば、クラスタ)ごとに下書きデータが記録されている記録媒体に、所定のデータ単位(例えば、フレーム)ごとに上書きデータを記録する情報処理装置の情報処理方法であって、前記記録媒体に記録される前記上書きデータを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位(例えば、1GOP)ごとに取得し(例えば、図19のステップS42の処理)、前記記録媒体上に前記下書きデータが記録されている領域のうち、前記上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域(例えば、差し替え区間)を検出し(例えば、図19のステップS43の処理)、前記第1の領域の先頭から、前記上書きデータが連続して記録されるように、前記記録媒体への前記上書きデータの記録を制御し(例えば、図19のステップS45の処理)、前記第1の領域の前記上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域(例えば、予備クラスタ)を配置する(例えば、図19のステップS47の処理)ステップを含む。
【0063】
本発明の第2の側面のプログラムは、物理的な記録単位(例えば、クラスタ)ごとに下書きデータが記録されている記録媒体に、所定のデータ単位(例えば、フレーム)ごとに上書きデータを記録する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記記録媒体に記録される前記上書きデータを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位(例えば、1GOP)ごとに取得し(例えば、図19のステップS42の処理)、前記記録媒体上に前記下書きデータが記録されている領域のうち、前記上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域(例えば、差し替え区間)を検出し(例えば、図19のステップS43の処理)、前記第1の領域の先頭から、前記上書きデータが連続して記録されるように、前記記録媒体への前記上書きデータの記録を制御し(例えば、図19のステップS45の処理)、前記第1の領域の前記上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域(例えば、予備クラスタ)を配置する(例えば、図19のステップS47の処理)ステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0064】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0065】
図4は本発明を適用した編集装置31のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0066】
CPU(Central Processing Unit)41は、ノースブリッジ42に接続され、例えば、HDD(Hard disk Drive)46または記録メディア48に記録されているデータの読み出しなどの処理を制御したり、CPU52が実行する編集処理を制御するための制御信号やコマンドを生成して出力する。ノースブリッジ42は、PCIバス(Peripheral Component Interconnect/Interface)44に接続され、例えば、CPU41の制御に基づいて、サウスブリッジ45を介して、HDD46または記録メディア48に記録されているデータの供給を受けて、PCIバス44、PCIブリッジ49を介して、メモリ50、デコーダ54、またはデコーダ55に供給する。また、ノースブリッジ42は、メモリ43とも接続されており、CPU41の処理に必要なデータを授受する。
【0067】
メモリ43は、CPU41が実行する処理に必要なデータを保存する。サウスブリッジ45は、HDD46のデータの書き込みおよび読み出しを制御する。HDD46には、記録メディア48に記録するための圧縮映像データ(以下、適宜、下地データも称する)や、下地データが記録された記録メディア48の所定の位置に挿入される圧縮映像データ(以下、適宜、上書きデータとも称する)が記録される。
【0068】
また、サウスブリッジ45には、ドライブ47が接続されており、ドライブ47は、記録メディア48から下地データを読み出したり、サウスブリッジ45から供給された下地データや上書きデータを記録メディア48に記録する。記録メディア48は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどからなり、インサート編集の対象となる下地データを記録している。
【0069】
PCIブリッジ49は、メモリ50のデータの書き込みおよび読み出しを制御したり、デコーダ54、デコーダ55、またはストリームスプライサ57への圧縮映像データの供給を制御するとともに、PCIバス44およびコントロールバス51のデータの授受を制御する。メモリ50は、PCIブリッジ49の制御に基づいて、HDD46または記録メディア48より読み出された、インサート編集される圧縮映像データや、ストリームスプライサ57から供給される編集後の圧縮映像データを記憶する。
【0070】
CPU52は、ノースブリッジ42、PCIバス44、PCIブリッジ49、およびコントロールバス51を介して、CPU41から供給された制御信号やコマンドにしたがって、PCIブリッジ49、デコーダ54乃至デコーダ56、ストリームスプライサ57、エフェクト/スイッチ58、エンコーダ59、およびスイッチ60が実行する処理を制御する。メモリ53は、CPU52の処理に必要なデータを記憶する。
【0071】
デコーダ54乃至デコーダ56は、CPU52の制御に基づいて、供給された圧縮映像データをデコードし、非圧縮の映像信号(ベースバンドの画像データ)を出力する。また、デコーダ54乃至デコーダ56は、編集装置31に含まれない独立した装置として設けられていても良い。例えば、デコーダ56が、独立した装置として設けられている場合、デコーダ56は、後述する処理により編集されて生成された圧縮映像データの供給を受け、復号し、出力することができるようになされる。
【0072】
ストリームスプライサ57は、CPU52の制御に基づいて、供給された圧縮映像データをデコーダ56に供給したり、PCIブリッジ49を介してメモリ50に供給して保存させたりする。また、ストリームスプライサ57は、エンコーダ59から、エンコード処理において取得されたデータの供給を受け、PCIブリッジ49を介して、メモリ50に供給して保存させることも可能である。
【0073】
エフェクト/スイッチ58は、CPU52の制御に基づいて、デコーダ54またはデコーダ55、もしくは、入力端子61から非圧縮の映像信号の供給を受け、CPU52の制御に基づいて、供給される非圧縮の映像信号の出力を切り替える。すなわち、エフェクト/スイッチ58は、供給された非圧縮の映像信号を所定のフレームで結合するとともに、必要に応じて所定の範囲にエフェクトを施して、エンコーダ59に供給する。エンコーダ59は、CPU52の制御に基づいて、供給された非圧縮の映像信号をエンコードする。すなわちエンコーダ59は、非圧縮の映像信号をエンコードすることにより、再エンコードされたストリームである再符号化ストリームを生成する。
【0074】
スイッチ60は、CPU52の制御に基づいて、エフェクト/スイッチ58から出力されるベースバンド画像信号、または、ストリームスプライサ57から供給され、デコーダ56によってデコードされたベースバンド画像信号のいずれかを、外部の、例えば、表示装置などに出力する。
【0075】
また、入力端子61からは、ベースバンドの画像データが入力され、エフェクト/スイッチ58に供給される。
【0076】
次に、図5は、図4の編集装置31の機能の構成例を示すブロック図である。なお、図5において、図4における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0077】
編集装置31は、制御部71、取得部72、ドライブ47、デコーダ54、デコーダ55、およびエンコーダ59から構成される。
【0078】
制御部71は、CPU41およびCPU52から構成され、編集装置31の各部を制御する。取得部72は、制御部71の制御に基づいて、HDD46から、またはドライブ47を介して記録メディア48から圧縮映像データを取得して、デコーダ54またはデコーダ55に供給する。なお、圧縮映像データが記録されるHDD46が取得部72に含まれるようにしてもよいし、取得部72が編集装置31に接続されている他の装置から上書きデータとしての圧縮映像データを取得するようにしてもよい。
【0079】
デコーダ54およびデコーダ55は、取得部72から供給された圧縮映像データをデコードし、その結果として得られた非圧縮の映像信号をエンコーダ59に供給する。なお、図5に示す編集装置31には、圧縮映像データをデコードするデコーダとして、2つのデコーダ54およびデコーダ55が設けられているが、編集装置31に設けられるデコーダは1つであってもよいし、3以上であってもよい。
【0080】
エンコーダ59は、デコーダ54およびデコーダ55においてデコードされたか、または、入力端子61から入力され、接続された映像信号をエンコードし、エンコードにより得られた圧縮映像データを、取得部72を介してドライブ47に供給する。
【0081】
次に、編集装置31の動作について説明する。
【0082】
編集装置31は、記録メディア48に下地データ(符号化ストリーム)を記録することができる。
【0083】
編集装置31は、HDD46に記録された符号化ストリーム、または、入力端子61から供給されて、エンコーダ59によって符号化された符号化ストリームを、記録メディア48に記録することができる。
【0084】
CPU41は、エンコーダ59によって符号化され、メモリ50に供給されて記憶されている符号化ストリーム、または、HDD46に記録されている符号化ストリームが、サウスブリッジ45を介して、ドライブ47に供給され、記録メディア48に記録されるように、各部を制御する。
【0085】
上述したように、可変長符号化により得られたストリームは、同じデータ量のストリームであっても、記録メディアにおける記録に必要な記録容量は異なる。そのため、図2を参照して説明したインサート編集を行い、下地データの所定の区間に上書きデータを上書きしようとした場合に上書きデータが上書きされる範囲における下地データの区間とは、データ量が同じであっても、記録メディア上の大きさ、すなわち記録に必要なクラスタ数は一般には異なるので、上書きデータの記録に必要なクラスタ数が、下地データにおける上書きデータが挿入される区間のクラスタ数よりも多いときには、下地データに上書きデータを挿入することができなくなってしまう。
【0086】
図6を用いて、下書きデータであるストリームAの所定のIN点からOUT点までの間を、上書きデータBに置き換える上書き編集が行われる場合について説明する。
【0087】
ユーザからIN点とOUT点が指定されたとき、それぞれの編集素材において、IN点を含むGOPを基準とした所定範囲と、OUT点を含むGOPを基準とした所定範囲のベースバンドデータが得られて、例えば、上述した特開2006−67095号公報に記載されている技術を用いて、スプライシング処理が実行され、IN点を含む所定範囲α乃至β´およびOUT点を含む所定範囲γ乃至δ´と、β´乃至γの部分とが接続されて、記録メディア48に上書きされる。
【0088】
例えば、上書き用の編集素材が、入力端子61から入力されるベースバンド信号である場合について、図7を用いて説明する。
【0089】
まず、記録メディア48から、符号化ストリームAのうちのIN点を含む1GOPが読み出され、デコーダ54に供給されてデコードされ、エフェクト/スイッチ58に供給される。そして、IN点までの間は、エフェクト/スイッチ58からは、記録メディア48から読み出された符号化ストリームAに対応するベースバンドデータが出力されて、エンコーダ59に供給されて、エンコードされる。そして、IN点においてエフェクト/スイッチ58が切換えられて、入力端子61から入力されるベースバンド信号がエンコーダ59に供給され、上書き部分のベースバンド信号がエンコードされる。
【0090】
すなわち、記録メディア48への上書きは、IN点から開始されるのではなく、IN点手前のαから、新規に符号化が実行されて、記録メディア48への符号化ストリームの上書きが開始される。
【0091】
そして、記録メディア48から、符号化ストリームAのうちのOUT点を含む1GOPが読み出され、デコーダ54に供給されて、デコードされ、エフェクト/スイッチ58に供給される。OUT点までは入力端子61から入力されるベースバンド信号がエンコーダ59に供給されているが、OUT点においてエフェクト/スイッチ58が切換えられて、エンコーダ59にOUT点以降の記録メディア48から読み出された符号化ストリームAに対応するベースバンドデータが供給される。
【0092】
OUT点を含むGOPの符号化は、その後ろのGOP、すなわち、再符号化されないストリームAとVBVバッファの占有量が連続するように、制限付きで符号化される。なお、再符号化された部分と再符号化されていない部分、すなわち、図7中のδ´の部分においてVBVバッファの占有量が連続するようになされていれば、符号化の制限の方法は、いずれの方法であっても良く、また、OUT点を含む再符号化の範囲(すなわち、制限付符号化が実行される部分)も、1GOP以上の範囲であっても良い。IN点とOUT点によって定められる上書き部分にスプライシングのための再エンコード範囲を含むαからδ´の範囲を、差し替え区間と称する。
【0093】
このとき、差し替え区間αからδ´の範囲において、下地であるストリームAと、上書きデータであるベースバンドデータを符号化した符号化ストリームの符号量が等しくても、記録メディア48への記録時に、それぞれのフレームの絵柄によって、フレーム毎のクラスタ数が変化し、下地よりも上書きデータの方が大きなクラスタ数を必要としてしまう可能性がある。
【0094】
ここで、差し替え区間α乃至δ'におけるフレーム数をmとする。
【0095】
フレーム数、総データ量Sを固定して、任意の絵柄データを考えた場合、最もクラスタ数が大きくなるのは、図8に示されるように、(m-1)フレームに関して各々のデータ量がクラスタサイズの整数倍+1byteとなる場合である。なお、図8においては、枠が1クラスタを表し、ハッチがかかっている部分が実データを表すものとする。
【0096】
これに対して、フレーム数、総データ量を固定して、任意の絵柄データを考えた場合、最もクラスタ数が小さくなるのは、図9に示されるように、(m-1)フレームに関して各々のデータ量がクラスタサイズの整数倍となる場合である。
【0097】
図8を用いて説明した、クラスタ数が最も多く必要となる状態と、図9を用いて説明した、クラスタ数が最も少なくて済む状態とのクラスタ数差は、(m-1)または(m-2)である。
【0098】
例えば、最大クラスタ数となる絵柄を有するストリームを最小クラスタ数となる絵柄を有するストリームに変更した場合、最大クラスタ数時の1byteしかデータを含まないクラスタ(m-1)個が最小クラスタ数時には無くなるので、(m-1)個のクラスタが減少する。そして、総データ量が同一であるので、最後のフレームに(m-1)byteのデータが加えられることになるが、mの数がクラスタの容量と比較して少ない場合、このフレームに関するクラスタは増えない。すなわち、フレーム数、総データ量を固定したときの最大クラスタ数と最小クラスタ数のクラスタ数差は、最大で(m-1)個である。
【0099】
このことにより、mフレームに関するデータ差し替えを行う場合、その範囲内に予め(m-1)個以上の予備クラスタがあれば、フレーム数、総データ量が同一である、任意の絵柄のデータを差し替えることが可能になる。
【0100】
そこで、CPU41は、記録メディア48に下地データが記録されるとき、1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように符号化ストリームが記録されるように、各部を制御する。これにより、下地データの任意位置に、フレーム数、総データ量が同一である、任意の絵柄のデータを差し替えても、クラスタ数が足りなくなることはない。
【0101】
したがって、CPU41は、編集処理により得られてPCIブリッジ49、PCIバス44、および、ノースブリッジ42を介して供給される、差し替え区間の符号化ストリームを、メモリ43に一時保存し、その1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを配置したのち、サウスブリッジ45を介してドライブ47に供給し、記録メディア48への記録を制御する。
【0102】
1フレームにつき1クラスタの予備クラスタは、1フレームごとに配置されていても良いが、1GOPごとに、GOPの最後にまとめられて配置されるようにしても良い。ここで、インサート編集に伴うデータ差し替えは、符号化ストリームにおけるGOPの単位を基準として実行されるので、予備クラスタは、1フレームを基準にして配置されるのではなく、1GOPを基準として配置されるものとする。すなわち、下書きデータにおいては、1GOPごとに、そのGOPの最後に、GOPに含まれるフレームの数と等しい予備クラスタが配置されている。
【0103】
次に、上書き処理が実行される場合について説明する。
【0104】
ドライブ47には、編集装置31において、または、異なる他の装置において、1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含む下地データ(符号化ストリーム)が記録された記録メディア48が装着されている。その下地データに挿入される上書きデータ(符号化ストリーム)としては、HDD46に記録されているデータを用いても良いし、入力端子61から入力されるベースバンド画像データを用いても良い。
【0105】
CPU41は、図示しない操作入力部からユーザの操作入力を受け、編集される2つのストリームと、その編集点の情報を受け、記録メディア48から編集点付近の所定範囲の符号化ストリームを読み出して、上書きデータと編集する処理を実行し、差し替え区間の符号化ストリームの生成を制御する。
【0106】
上述したように、記録メディア48には、1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含む下地データ(符号化ストリーム)が記録されている。
【0107】
そこで、図10に示されるように、IN点を含むGOPの先頭が差し替え区間の先頭αとなり、OUT点を含むGOPの最後が差し替え区間の終了点εとされた場合、CPU41は、編集処理により得られてPCIブリッジ49、PCIバス44、および、ノースブリッジ42を介して供給され、メモリ43に一時保存されている、記録メディア48に上書きされる差し替え区間の符号化ストリームに対して、各フレーム間、各GOP間に予備クラスタを配置せずに、差し替え区間の符号化ストリームを、その先頭から連続して記録メディア48に書き込ませ、上書きされた符号化ストリームの最後の点ε´から、差し替え区間の終了点εまでの間にまとまって予備クラスタが配置されるように、記録メディア48への差し替え区間における記録処理を制御する。
【0108】
このように、上書き編集された差し替え区間の予備クラスタ配置は、差し替え区間の最後にまとめて配置されているので、更に上書き編集が行われる場合、2回目の上書き編集のための差し替え区間の終了点が、1回目の上書き編集時の差し替え区間内であるときに、クラスタ数が不足してしまう恐れがある。この場合、1回目の上書き編集における差し替え区間の終了フレームまで、2回目の上書き編集のための差し替え区間を延長する必要がある。
【0109】
そこで、記録メディア48において2回目以上の上書きを実行可能にする場合、既にデータ変更を行った区間を、記録メディア48の管理情報として、記録メディア48に記憶しておく必要がある。
【0110】
記録メディア48の管理情報としては、新規の上書き処理のためのデータ差し替え時に、差し替え区間の終了フレームが、既に書き換えされた差し替え区間の途中であるか否かが検出可能な情報と、終了フレームが既に書き換えされた差し替え区間の途中であった場合、その先にある、既に書き換えされた差し替え区間の終了点の位置を検出可能な情報とが必要となる。
【0111】
そこで、記録メディア48において2回目以上の上書きを実行可能にする場合、編集装置31においては、記録メディア48に記録される符号化ストリームの1フレームごとに、書き換えにより記録されているフレームであることを示すフラグである書き換えフラグと、既に書き換えされた差し替え区間の終了点であることを示すフラグである書き換え終了フラグとの2bitの情報を付加する。
【0112】
例えば、図11に示されるように、記録メディア48に最初に下地データが記録される場合、1フレームに1クラスタの予備クラスタが配置され、書き換えフラグおよび書き換え終了フラグは、全て0に設定される。
【0113】
そして、まだ上書きが行われたことのない範囲、すなわち、書き換えフラグおよび書き換え終了フラグが全て0に設定されている範囲において上書き編集が実行されて、α乃至βの範囲が差し替え区間となった場合、差し替え区間の先頭のαの位置から、上書きされる符号化ストリームが予備クラスタ無しで記録される。その記録範囲がα乃至β´であった場合、α乃至β´の範囲の書き換えフラグが1に設定される。
【0114】
そして、β´乃至βの範囲に予備クラスタが配置され、β´乃至βの範囲の書き換えフラグが1に設定されるとともに、差し替え区間の最後、すなわち、βの部分の書き換え終了フラグが1に設定される。
【0115】
そして、図12に示されるように、既に上書きが行われている範囲、すなわち、書き換えフラグが1である範囲の途中から、まだ、上書きが行われていない範囲、すなわち、書き換えフラグおよび書き換え終了フラグが0である範囲のいずれか、または、既に上書きが行われている範囲の終了点、すなわち、書き換えフラグが1でありかつ書き換え終了フラグが1である点の区間が、2度目以降の上書き処理による差し替え区間となった場合、それ以前の上書き処理によりまとまって設定された予備クラスタの全てが、その上書き処理による差し替え区間に含まれるため、その差し替え区間のみでデータの差し替えを行っても、クラスタ数が不足することはない。そのため、差し替え区間の先頭のγの位置から、上書きされる符号化ストリームが予備クラスタ無しで記録される。その記録範囲がγ乃至δ´であった場合、γ乃至δ´の範囲の書き換えフラグが1に設定される。
【0116】
そして、δ´乃至δの範囲に予備クラスタが配置され、δ´乃至δの範囲の書き換えフラグが1に設定されるとともに、差し替え区間の最後、すなわち、δの部分の書き換え終了フラグが1に設定される。
【0117】
そして、図13に示されるように、まだ、上書きが行われていない範囲、すなわち、書き換えフラグが0である範囲のいずれかから、既に上書きが行われている範囲、すなわち、書き換えフラグが1であって、書き換え終了フラグが0である箇所までの区間が、2度目以降の上書き処理による差し替え区間となった場合、それ以前の上書き処理によりまとまって設定された予備クラスタが、その上書き処理による差し替え区間に含まれないため、その差し替え区間のみでデータの差し替えを行ったときに、クラスタ数が不足してしまう可能性がある。
【0118】
そのため、差し替え区間の先頭のεの位置から、上書きされる符号化ストリームが予備クラスタ無しで記録されたときの記録範囲の終了点は、予備クラスタ分を考慮しない場合の終了点であるζに対して、ε寄りである書き換え終了点#1となるかもしれないし、その逆側である書き換え終了点#2となるかもしれない。ここで、差し替え区間の先頭のεの位置から、上書きされる符号化ストリームが予備クラスタ無しで記録されたときの記録範囲のうち、書き換えフラグが0に設定されていたε乃至αの範囲の書き換えフラグが1に設定される。
【0119】
このため、記録メディア48の予備クラスタ分を考慮しない場合の終了点であるζからδ´までに記録されていた符号化ストリームが読み出されて、上書きされる符号化ストリームが予備クラスタ無しで記録されたときの記録範囲の終了点(書き換え終了点#1または書き換え終了点#2)に続いて記録される。
【0120】
予備クラスタは、δ´乃至δの領域にまとまって配置されているので、記録メディア48のζからδ´までに記録されていた符号化ストリーム再記録時の終了点は、δとなるかまたはδよりも前になる。そして、その終了点からδまでに領域が存在するならば、その間に予備クラスタが配置され、ε乃至δの範囲の書き換えフラグの設定は1のままとなり、差し替え区間の最後、すなわち、δの部分の書き換え終了フラグも1のままとなる。
【0121】
そして、図14に示されるように、上書きが行われていない範囲、すなわち、書き換えフラグが0である範囲のいずれかから、既に上書きが行われている範囲、すなわち、書き換えフラグが1である範囲を含んで、まだ上書きが行われていない範囲、すなわち、書き換えフラグおよび書き換え終了フラグが0である範囲のいずれか、または、既に上書きが行われている範囲の終了点、すなわち、書き換えフラグが1でありかつ書き換え終了フラグが1である点の区間が、2度目以降の上書き処理による差し替え区間となった場合、それ以前の上書き処理によりまとまって設定された予備クラスタの全てが、その上書き処理による差し替え区間に含まれるため、その差し替え区間のみでデータの差し替えを行っても、クラスタ数が不足することはない。そのため、差し替え区間の先頭のηの位置から、上書きされる符号化ストリームが予備クラスタ無しで記録される。その記録範囲がη乃至θ´であった場合、η乃至θ´の範囲の書き換えフラグが0であった部分の書き換えフラグが1に設定される。
【0122】
そして、θ´乃至θの範囲に予備クラスタが配置され、θ´乃至θの範囲の書き換えフラグが1に設定されるとともに、差し替え区間の最後、すなわち、θの部分の書き換え終了フラグが1に設定される。
【0123】
なお、編集装置31は、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データを記録可能な装置であっても良い。また、編集装置31は、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データを記録可能であり、かつ、記録メディア48の上書きが行われていない領域に1回だけ上書き編集を行うことが可能な装置であっても良い。また、編集装置31は、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データを記録可能であるとともに、記録メディア48に複数回上書き編集を行うことが可能な装置であっても良い。更に、編集装置31は、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データが記録された記録メディア48の上書きが行われていない領域に1回だけ上書き編集を行うことが可能な装置であっても良い。また、編集装置31は、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データが記録された記録メディア48に複数回上書き編集を行うことが可能な装置であっても良い。
【0124】
図15に、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データを記録可能な編集装置31の制御部71、すなわち、CPU41およびCPU52が有する機能を説明するための機能ブロック図を示す。
【0125】
CPU41は、符号化データ取得制御部81、符号化データ記録処理部82、予備クラスタ配置部83、および、編集処理制御部84の機能を有しており、CPU52は、スイッチング処理部91、デコード処理部92、エンコード処理部93、および、スプライシング制御部94の機能を有している。
【0126】
符号化データ取得制御部81は、下地データの基となる符号化データ、例えば、HDD46に記録されている符号化データや、デコーダ54およびデコーダ55においてデコードされたか、または、入力端子61から入力された非圧縮ベースバンド信号が、所定のIN点またはOUT点で接続された後、エンコーダ59においてエンコードされることにより得られた符号化データの取得を制御し、メモリ43への記録を制御する。
【0127】
符号化データ記録処理部82は、符号化データ取得制御部81により取得が制御され、メモリ43への記録が制御された符号化データを、サウスブリッジ45を介して、ドライブ47へ供給し、記録メディア48に記録する処理を制御する。
【0128】
予備クラスタ配置部83は、符号化データ記録処理部82により記録メディア48への記録が制御される符号化データとともに記録メディア48へ記録される予備クラスタの配置を制御する。
【0129】
編集処理制御部84は、ユーザの操作入力を基に、デコーダ54乃至デコーダ56、ストリームスプライサ57、エフェクト/スイッチ58、エンコーダ59、および、スイッチ60の動作を制御して、記録メディア48へ記録されるデータを上述したような編集処理により生成させるためのコマンドなどを生成し、ノースブリッジ42、PCIバス44、PCIブリッジ49、および、コントロールバス51を介して、生成したコマンドをCPU52に供給する。
【0130】
スイッチング処理部91は、編集処理制御部84から供給されたコマンドに基づいて、記録メディア48へ記録されるデータを上述したような編集処理により生成させるために、エフェクト/スイッチ58の動作を制御する。
【0131】
デコード処理部92は、編集処理制御部84から供給されたコマンドに基づいて、記録メディア48へ記録されるデータを上述したような編集処理により生成させるために、デコーダ54乃至デコーダ56の動作を制御する。
【0132】
エンコード処理部93は、編集処理制御部84から供給されたコマンドに基づいて、記録メディア48へ記録されるデータを上述したような編集処理により生成させるために、エンコーダ59の動作を制御する。
【0133】
スプライシング制御部94は、編集処理制御部84から供給されたコマンドに基づいて、記録メディア48へ記録されるデータを上述したような編集処理により生成させるために、ストリームスプライサ57の動作を制御する。
【0134】
次に、図16に、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データを記録可能であり、かつ、フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データが記録された記録メディア48に、各位置において1回だけ上書き編集を行うことができる、編集装置31の制御部71、すなわち、CPU41およびCPU52が有する機能を説明するための機能ブロック図を示す。
【0135】
なお、図15における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0136】
すなわち、図16における場合のCPU41が有する機能は、図15における場合に対して、書き換えフラグ設定部111および書き換え終了フラグ設定部112が新たに備えられているものである。
【0137】
書き換えフラグ設定部111は、上書きデータを記録した場合、または、上書きデータに対して与えられる予備クラスタを配置した場合、図11乃至図14を用いて説明した書き換えフラグを設定するものである。
【0138】
書き換え終了フラグ設定部112は、上書きデータに対して与えられる予備クラスタを配置したのちに、その最後の部分に、図11乃至図14を用いて説明した書き換え終了フラグを設定するものである。
【0139】
次に、図17に、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データを記録可能であり、かつ、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データが記録された記録メディア48に複数回上書き編集を行うことが可能な編集装置31の制御部71、すなわち、CPU41およびCPU52が有する機能を説明するための機能ブロック図を示す。
【0140】
なお、図15または図16における場合と対応する部分には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0141】
すなわち、図17における場合のCPU41が有する機能は、図16における場合に対して、書き換え終了フラグ検出部131、書き換えフラグ検出部132、および、上書き範囲決定処理部133が新たに備えられているものである。
【0142】
書き換え終了フラグ検出部131は、下地データが記録された記録メディア48に上書きデータを記録するとき、差し替え区間内のいずれかの位置に、図11乃至図14を用いて説明した書き換え終了フラグが設定されているか否かを検出する。
【0143】
書き換えフラグ検出部132は、下地データが記録された記録メディア48に上書きデータを記録するとき、差し替え区間内のいずれかの位置に、図11乃至図14を用いて説明した書き換えフラグが設定されているか否かを検出する。
【0144】
上書き範囲決定処理部133は、上書き範囲、すなわち、差し替え区間を決定し、書き換え終了フラグ検出部131による書き換え終了フラグの検出結果および書き換えフラグ検出部132による書き換えフラグの検出結果とともに、符号化データ取得制御部81、符号化データ記録処理部82、および、予備クラスタ配置部83に、差し替え区間の情報を供給する。
【0145】
なお、図16においては、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データを記録可能であり、かつ、フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データが記録された記録メディア48に、各位置において1回だけ、上書き編集を行うことができる、編集装置31の制御部71について説明し、図17においては、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データを記録可能であり、かつ、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データが記録された記録メディア48に複数回上書き編集を行うことが可能な編集装置31の制御部71について説明したが、編集装置は、下地データを記録することはできないが、フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データが記録された記録メディア48に、各位置において1回だけ、上書き編集を行うことができるものであってもよいし、下地データを記録することはできないが、記録メディア48に1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データが記録された記録メディア48に複数回上書き編集を行うことが可能なものであってもよいことは言うまでもない。
【0146】
なお、フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データが記録された記録メディア48に対して、各位置において1回だけ、上書き編集を行うことができるようになされている場合、書き換えフラグのみを用いるようにすれば良い。
【0147】
編集された符号化ストリームを、サーバ等に記録しているのではなく、記録メディア48に記録しているということは、編集装置31において編集され、サーバ等に記録する前の状態であるか、または、サーバ等から読み出されて、編集装置31など他の装置の内部の記録媒体(例えば、HDD46など)に記録させるためのデータ移動を目的としている状態であることが多い。
【0148】
すなわち、この状態では、複数回の編集を繰り返すことは考えにくく、もし、複数回の編集を繰り返す必要があれば、編集装置31などの内部の記録媒体(例えば、HDD46など)に記録した後に編集処理を行えばよいのである。
【0149】
なお、フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データが記録された記録メディア48に対して、各位置において1回だけ上書き編集を行うことができるようになされている場合、編集装置31においては、差し替え区間に上書きされる編集結果の上書きデータを、HDD46、または、メモリ43に完成された状態で一時保存した後、サウスブリッジ45を介してドライブ47に供給し、記録メディア48に一度にまとめて記録してしまうようにしなければならない。
【0150】
次に、図18のフローチャートを参照して、編集装置31において実行される、下書き処理について説明する。
【0151】
なお、下書きデータ自体が編集データである場合には、この処理が実行される前に、編集処理制御部84の制御に基づいて、編集処理が実行されている。
【0152】
ステップS11において、符号化データ取得制御部81は、記録メディア48に記録される1GOP分の下書きデータの取得を制御し、メモリ43に保存する。
【0153】
ステップS12において、符号化データ取得制御部81は、このGOPに含まれるフレーム数を取得する。
【0154】
ステップS13において、符号化データ記録処理部82は、取得した1GOPの下書きデータを、サウスブリッジ45を介して、ドライブ47へ供給し、記録メディア48に記録する処理を制御する。
【0155】
ステップS14において、予備クラスタ配置部83は、このGOPに含まれるフレーム数と同数のクラスタが、ステップS13において記録メディア48に記録された1GOP分の下書きデータに続く予備クラスタとして配置されるように、ドライブ47による記録メディア48への予備クラスタの記録設定を制御する。
【0156】
ステップS15において、符号化データ取得制御部81は、下書きデータの供給は終了であるか否かを判断する。
【0157】
ステップS15において、下書きデータの供給は終了ではないと判断された場合、処理は、ステップS11に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS15において、下書きデータの供給は終了であると判断された場合、処理は終了される。
【0158】
このような処理により、フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含む下地データを、記録メディア48に記録することができる。このとき、書き換えフラグおよび書き換え終了フラグは、いずれも設定されない、すなわち、全て0となっている。
【0159】
次に、図19のフローチャートを参照して、編集装置31において、フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含む下地データが記録された記録メディア48に対して、1回目の上書き処理を実行する上書き処理1について説明する。
【0160】
ステップS41において、編集処理制御部84は、CPU52に各種コマンドを送信し、編集処理を制御する。そして、CPU52のスイッチング処理部91、デコード処理部92、エンコード処理部93、および、スプライシング制御部94により、編集のために必要な処理が実行されて、差し替え区間の符号化データ(上書きデータ)が生成される。
【0161】
ステップS42において、符号化データ取得制御部81は、記録メディア48に記録される1GOP分の上書きデータを取得する。
【0162】
ステップS43において、符号化データ記録制御部82は、下書きデータが記録されている領域のうち、上書きデータが上書きされる領域である差し替え区間を認識する。差し替え区間は、上述したように、インサート編集のIN点およびOUT点の区間よりも長い所定の区間である。
【0163】
ステップS44において、符号化データ記録制御部82は、上書きされる領域の書き換えフラグは0であるか否かを判断する。ステップS44において、上書きされる領域の書き換えフラグは0ではないと判断された場合、ここでは、1回目の上書きが実行される場合の処理であるので、エラー処理として、処理は、後述するステップS50に進む。
【0164】
ステップS44において、上書きされる領域の書き換えフラグは0であると判断された場合、ステップS45において、符号化データ記録制御部82は、上書きデータをデータの書き換え領域である差し替え区間の先頭から連続して記録メディア48に記録するように、各部を制御する。
【0165】
ステップS46において、書き換えフラグ設定部111は、上書きデータの記録部分に対応する書き換えフラグを1とする。
【0166】
ステップS47において、予備クラスタ配置部83は、上書きデータの記録部分から上書きされる領域である差し替え区間の終了部分までに予備クラスタをまとめて配置する。
【0167】
ステップS48において、書き換えフラグ設定部111は、予備クラスタが配置された部分の書き換えフラグを1とする。
【0168】
ステップS49において、書き換え終了フラグ設定部112は、予備クラスタの終了位置の書き換え終了フラグを1とし、処理が終了される。
【0169】
ステップS44において、上書きされる領域の書き換えフラグは0ではないと判断された場合、ここでは、1回目の上書きが実行される場合の処理であるので、ステップS50において、CPU41は、図示しない表示部や、図示しない音声出力部から、エラーメッセージを出力し、処理が終了される。
【0170】
このような処理により、1フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含むように下地データが記録された記録メディア48の上書きが行われていない領域に、1回目の上書き編集を行うことができる。
【0171】
次に、図20のフローチャートを参照して、編集装置31において、フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含む下地データが記録された記録メディア48に対して、複数回の上書き処理が実行可能な場合の上書き処理2について説明する。
【0172】
ステップS71において、編集処理制御部84は、CPU52に各種コマンドを送信し、編集処理を制御する。そして、CPU52のスイッチング処理部91、デコード処理部92、エンコード処理部93、および、スプライシング制御部94により、編集のために必要な処理が実行されて、差し替え区間の符号化データ(上書きデータ)が生成される。
【0173】
ステップS72において、符号化データ取得制御部81は、記録メディア48に記録される1GOP分の上書きデータを取得する。
【0174】
ステップS73において、符号化データ記録制御部82は、下書きデータが記録されている領域のうち、上書きデータが上書きされる領域である差し替え区間を認識する。差し替え区間は、上述したように、インサート編集のIN点およびOUT点の区間よりも長い所定の区間である。
【0175】
ステップS74において、書き換え終了フラグ検出部131は、上書きされる領域の終了部分の書き換え終了フラグの値を検出し、上書き範囲決定処理部133に供給し、書き換えフラグ検出部132は、上書きされる領域の終了部分の書き換えフラグの値を検出し、上書き範囲決定処理部133に供給する。上書き範囲決定処理部133は、上書きされる領域の終了部分において、書き換えフラグが1、かつ、書き換え終了フラグは0であるか否かを判断する。ステップS74において、書き換えフラグが1、かつ、書き換え終了フラグは0であると判断された場合、処理は、後述するステップS80に進む。
【0176】
ステップS74において、書き換えフラグが1ではないか、または、書き換え終了フラグは0ではないと判断された場合、ステップS75乃至ステップS79において、図19のステップS45乃至ステップS49と基本的に同様の処理が実行されて、処理が終了される。
【0177】
すなわち、上書きデータが書き換え領域の先頭から連続して記録され、上書きデータの記録部分に対応する書き換えフラグが1に設定される。そして、上書きデータの記録部分から上書きされる領域である差し替え区間の終了部分までに予備クラスタがまとめて配置され、予備クラスタが配置された部分の書き換えフラグが1に設定され、予備クラスタの終了位置の書き換え終了フラグが1に設定されて、処理が終了される。
【0178】
ステップS74において、書き換えフラグが1、かつ、書き換え終了フラグは0であると判断された場合、ステップS80において、符号化データ取得制御部81は、ドライブ47を制御して、記録メディア48において、上書きされる領域に続く領域で、書き換えフラグが1の部分(書き換え終了フラグが1の箇所までの部分)に記録されているデータのうち、予備クラスタを除く部分のデータを、記録メディア48から読み出させて、サウスブリッジ45およびノースブリッジ42を介して取得し、メモリ43に保存する。
【0179】
ステップS81において、符号化データ記録制御部82は、上書きデータを、書き換え領域の先頭から連続して記録する。
【0180】
ステップS82において、書き換えフラグ設定部111は、上書きデータの記録部分に対応する書き換えフラグを1とする。
【0181】
ステップS83において、符号化データ記録制御部82は、記録メディア48の上書きデータが記録された領域に続いて、ステップS80において、記録メディア48から読み出され、メモリ43に記録されたデータ、すなわち、記録メディア48において、上書きされる領域に続く領域で、書き換えフラグが1の部分(書き換え終了フラグが1の箇所までの部分)に記録されているデータのうち、予備クラスタを除く部分のデータが記録されるように、各部を制御する。
【0182】
ステップS84において、予備クラスタ配置部83は、新たにデータが記録された部分から、書き換えフラグが1の部分(書き換え終了フラグが1の箇所までの部分)に、予備クラスタをまとめて配置して、処理が終了される。
【0183】
このようにして、編集装置31において、フレームにつき1クラスタの予備クラスタを含む下地データが記録された記録メディア48に対して、複数回の上書き処理を実行することができる。
【0184】
以上説明した処理を、Professional Disc(商標)にデータを記録するにあたって適用する場合について説明する。
【0185】
Professional Disc(商標)においては、MXF(Material eXchange Format)のフォーマットでデータが記録されるようになされており、MXFは、図21に示されるように、SMPTE336Mで規定されているKLV方式でフレーム毎のES(エレメンタリストリーム)データがパッキングされて記録されるようになされている。
【0186】
Professional Disc(商標)に、データ量がS[byte]であるmフレームのデータを記録するのに必要となる最大クラスタ数は、図22に示されるように、(m-1)フレームにおいて、各々のデータ量がクラスタサイズの整数倍+1byteとなる場合である。なお、図22と次の図23においても、枠が1クラスタを表し、ハッチがかかっている部分が実データを表すものとする。
【0187】
これに対して、フレーム数、総データ量を固定して、任意の絵柄データを考えた場合、最もクラスタ数が小さくなるのは、図23に示されるように、mフレームに関して各々のデータ量がクラスタサイズの整数倍となる場合である。
【0188】
したがって、Professional Disc(商標)に、データ量がS[byte]であるmフレームのデータを記録する場合には、図22を用いて説明した、クラスタ数が最も多く必要となる状態と、図23を用いて説明した、クラスタ数が最も少なくて済む状態とのクラスタ数差は、 (m-1)個ではなく、m個となる。
【0189】
上述した処理においては、下書き時に、m個のフレームに対し、(m-1)個ではなく、m個の予備クラスタを割り当てているので、Professional Disc(商標)に、データ量がS[byte]であるmフレームのデータを記録する場合にも、上述した処理をそのまま適用することが可能である。
【0190】
また、記録メディア48として、Professional Disc(商標)が用いられている場合、所定のフレームデータ記録位置にジャンプするための、ファイル中のデータ開始位置を記録したテーブルであるPicture Pointerを内部に記録することができるようになされている。
【0191】
Picture Pointerには、例えば、図24のBに示されるように、ピクチャサイズ、先頭データから所定のフレームデータの開始位置までのデータオフセット値、該当するフレームのピクチャタイプ、当該ピクチャがGOPの先頭であるかどうかのフラグなどのフレームに関する情報が、フレーム表示順に全てのフレーム分用意されている。
【0192】
そして、本発明が適用された編集装置31において、記録メディア48として、Professional Disc(商標)が用いられている場合、図24のBに示される情報に加えて、図24のAで示されるように、書き換えフラグと書き換え終了フラグの2bitの情報を、フレーム表示順に全てのフレーム分用意するものとする。
【0193】
そして、記録メディア48に記録されるデータに対して、破壊編集が行われた場合、データ差し替えを実行したフレームに関しては、書き換えフラグまたは書き換え終了フラグが書き換えられることになる。
【0194】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、上述した処理は、図25に示されるようなパーソナルコンピュータ500により実行される。
【0195】
図25において、CPU(Central Processing Unit)501は、ROM(Read Only Memory)502に記憶されているプログラム、または、記憶部508からRAM(Random Access Memory)503にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM503にはまた、CPU501が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
【0196】
CPU501、ROM502、およびRAM503は、内部バス504を介して相互に接続されている。この内部バス504にはまた、入出力インターフェース505も接続されている。
【0197】
入出力インターフェース505には、キーボード、マウスなどよりなる入力部506、CRT,LCDなどよりなるディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部507、ハードディスクなどより構成される記憶部508、並びに、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部509が接続されている。通信部509は、電話回線やCATVを含む各種のネットワークを介しての通信処理を行う。
【0198】
入出力インターフェース505にはまた、必要に応じてドライブ510が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリなどによりなるリムーバブルメディア521が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部508にインストールされる。
【0199】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0200】
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0201】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0202】
【図1】カット編集を説明するための図である。
【図2】インサート編集を説明するための図である。
【図3】ストリームの記録時のクラスタ管理について説明する図である。
【図4】本発明を適用した編集装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図5】編集装置の機能の構成例を示すブロック図である。
【図6】上書き編集を説明するための図である。
【図7】上書き用の編集素材がベースバンド信号である上書き編集を説明するための図である。
【図8】クラスタ数が最も多くなる状態について説明するための図である。
【図9】クラスタ数が最も少なくて済む状態について説明するための図である。
【図10】予備クラスタの配置について説明するための図である。
【図11】書き換えフラグおよび書き換え終了フラグについて説明するための図である。
【図12】書き換えフラグおよび書き換え終了フラグについて説明するための図である。
【図13】書き換えフラグおよび書き換え終了フラグについて説明するための図である。
【図14】書き換えフラグおよび書き換え終了フラグについて説明するための図である。
【図15】編集装置のCPUが有する機能の第1の例を説明する機能ブロック図である。
【図16】編集装置のCPUが有する機能の第2の例を説明する機能ブロック図である。
【図17】編集装置のCPUが有する機能の第3の例を説明する機能ブロック図である。
【図18】下書き処理について説明するためのフローチャートである。
【図19】上書き処理1について説明するためのフローチャートである。
【図20】上書き処理2について説明するためのフローチャートである。
【図21】Professional Disc(商標)について説明するための図である。
【図22】Professional Disc(商標)における場合のクラスタ数が最も多くなる状態について説明するための図である。
【図23】Professional Disc(商標)における場合のクラスタ数が最も少なくて済む状態について説明するための図である。
【図24】Professional Disc(商標)のPicture Pointerについて説明するための図である。
【図25】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0203】
31 編集装置, 41 CPU, 43 メモリ, 46 HDD, 47 ドライブ, 48 記録メディア, 52 CPU, 54乃至56 デコーダ, 58 エフェクト/スイッチ, 59 エンコーダ, 71 制御部, 81 符号化データ取得制御部, 82 符号化データ記録処理部, 83 予備クラスタ配置部, 84 編集処理制御部, 111 書き換えフラグ設定部, 112 書き換え終了フラグ設定部, 131 書き換え終了フラグ検出部, 132 書き換えフラグ検出部, 133 上書き範囲決定処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的な記録単位ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位ごとにデータを記録する情報処理装置において、
前記記録媒体に記録される前記データを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記基準単位の前記データの前記記録媒体への記録を制御する記録制御手段と、
前記取得手段により取得された前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数を検出し、検出された前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数と同じ数の前記物理的な記録単位を、予備の記録領域として、前記記録媒体に配置する予備記録領域配置手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記予備記録領域配置手段は、前記基準単位に対応する前記予備の記録領域を、前記記録制御手段により記録が制御された前記基準単位の前記データに続いて、まとめて前記記録媒体に配置する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記録制御手段は、前記記録媒体の前記データが記録された領域のいずれかに、前記所定のデータ単位ごとに上書きデータを更に記録する場合、前記記録媒体上の前記上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域を検出し、前記第1の領域の先頭から、前記上書きデータが連続して記録され、前記第1の領域の前記上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域が配置されるように、前記記録媒体への前記上書きデータの記録を制御する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記録制御手段により、前記記録媒体の前記データが記録された領域のいずれかに、前記所定のデータ単位ごとに前記上書きデータが更に記録された場合、前記上書きデータが記録されている前記第1の領域を示す第1の設定情報を前記記録媒体に記録する第1の設定情報記録手段
を更に備える請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記録制御手段により、前記記録媒体の前記データが記録された領域のいずれかに、前記所定のデータ単位ごとに前記上書きデータが更に記録された場合、前記上書きデータが記録された前記第1の領域の最後尾を示す第2の設定情報を前記記録媒体に記録する第2の設定情報記録手段
を更に備える請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記録制御手段により前記記録媒体の前記データが記録された領域のいずれかに、前記所定のデータ単位ごとに上書きデータを更に記録する場合、前記記録媒体に記録されている前記第1の設定情報および前記第2の設定情報を検出する設定情報検出手段と、
前記設定情報検出手段により検出された前記第1の設定情報および前記第2の設定情報に基づいて、前記上書きデータが記録される前記第1の領域の最後尾が、過去にいずれかの上書きデータが記録された第2の領域の途中であると判断された場合、前記記録媒体に記録されているデータの書き換え範囲を延長する書き換え範囲決定手段と
を更に備える請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定情報検出手段により検出された前記第1の設定情報および前記第2の設定情報に基づいて、前記上書きデータが記録される前記第1の領域の最後尾が、過去にいずれかの上書きデータが記録された前記第2の領域の途中であると判断された場合、
前記取得手段は、前記記録媒体の前記第2の領域のうち、前記第1の領域と異なる部分に記録されている記録済みデータを読み出して取得し、
前記記録制御手段は、前記第1の領域の先頭位置から、前記所定のデータ単位ごとに前記上書きデータを更に記録するとともに、前記上書きデータの記録終了位置から、前記取得手段により取得された前記記録済みデータを再記録し、前記第2の領域の前記記録済みデータが記録されていない領域に、予備の記録領域が配置されるように、前記記録媒体への前記上書きデータおよび前記記録済みデータの記録を制御する
を更に備える請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
物理的な記録単位ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位ごとにデータを記録する情報処理装置の情報処理方法において、
前記記録媒体に記録される前記データを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得し、
前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数を検出し、
取得された前記基準単位の前記データの前記記録媒体への記録を制御し、
検出された前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数と同じ数の前記物理的な記録単位を、予備の記録領域として、前記記録媒体に配置する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項9】
物理的な記録単位ごとにデータが記録される記録媒体に、所定のデータ単位ごとにデータを記録する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記記録媒体に記録される前記データを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得し、
前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数を検出し、
取得された前記基準単位の前記データの前記記録媒体への記録を制御し、
検出された前記基準単位の前記データに含まれる前記所定のデータ単位数と同じ数の前記物理的な記録単位を、予備の記録領域として、前記記録媒体に配置する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムが記録されているプログラム格納媒体。
【請求項11】
物理的な記録単位ごとに下書きデータが記録されている記録媒体に、所定のデータ単位ごとに上書きデータを記録する情報処理装置において、
前記記録媒体に記録される前記上書きデータを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得する取得手段と、
前記記録媒体上に前記下書きデータが記録されている領域のうち、前記上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域を検出し、前記第1の領域の先頭から、前記取得手段により取得された前記上書きデータが連続して記録されるように、前記記録媒体への前記上書きデータの記録を制御する記録制御手段と、
前記第1の領域の前記上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域を配置する予備記録領域配置手段と
を備える情報処理装置。
【請求項12】
物理的な記録単位ごとに下書きデータが記録されている記録媒体に、所定のデータ単位ごとに上書きデータを記録する情報処理装置の情報処理方法において、
前記記録媒体に記録される前記上書きデータを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得し、
前記記録媒体上に前記下書きデータが記録されている領域のうち、前記上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域を検出し、
前記第1の領域の先頭から、前記上書きデータが連続して記録されるように、前記記録媒体への前記上書きデータの記録を制御し、
前記第1の領域の前記上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域を配置する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項13】
物理的な記録単位ごとに下書きデータが記録されている記録媒体に、所定のデータ単位ごとに上書きデータを記録する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記記録媒体に記録される前記上書きデータを、前記データを編集する場合の基準となる基準単位ごとに取得し、
前記記録媒体上に前記下書きデータが記録されている領域のうち、前記上書きデータにデータが置き換えられる第1の領域を検出し、
前記第1の領域の先頭から、前記上書きデータが連続して記録されるように、前記記録媒体への前記上書きデータの記録を制御し、
前記第1の領域の前記上書きデータが記録されていない領域に、予備の記録領域を配置する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムが記録されているプログラム格納媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−262610(P2008−262610A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102401(P2007−102401)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】