説明

情報処理装置及び方法

【課題】エンドユーザの手間を省き看板に係る場所へナビ端末で容易に誘導することで広告効果を改善及び評価する技術を提供する。
【解決手段】看板に接近したナビ端末にその看板に対応するアイコンを表示し、そのアイコンへの操作を受けて、看板の店など目的地へ経路設定する。これにより、エンドユーザの手間を省き看板に係る場所へナビ端末で容易に誘導し集客などの広告効果を改善できる。さらに、経路設定を受けて看板の課金情報を更新することで広告効果を評価し、看板やナビ画面のアイコン表示に係る業務運営努力を促進できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、看板とナビゲーション技術の連携に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報技術の発達に伴い、エンドユーザの指定した目的地への経路を探索、設定し進行方向などを案内誘導する電子機器の技術が普及している。この種の電子機器は、車載用か歩行者用かなどの利用態様や、組込みプログラムによるものか、ダウンロードされたアプリ(携帯電話端末などのアプリケーションソフトウェア)によるものかなどの実現態様などに応じて、カーナビや携帯ナビなどと呼ばれるが、本出願では「ナビ端末」と総称することとする。
【0003】
この種のナビ端末について、周辺地図や進行方向などを表示する経路案内画面(「地図画面」や「ナビ画面」などと呼ばれる)に広告を表示し、広告した店舗などの施設にナビ端末が到達すると広告主に広告料を課金する提案が知られている(例えば、特許文献1及び2、参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−183591号
【特許文献2】特開2008−197930号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、運転者や歩行者は安全上からも、道路地図や経路などの必要な確認以外、地図画面を注視するわけではないので、広告を地図画面に表示しても十分な効果が見込めないという問題があった。運転者の目に入るのはむしろ、道路近くの看板など現実世界の各種の広告表示物(本出願で単に「看板」と呼ぶ)であるが、従来の看板では、通り掛かったエンドユーザを目的の施設へ誘導し集客する広告効果に限界があった。
【0006】
すなわち、通り掛かったエンドユーザが看板の施設に興味を持っても、看板によくある「この先スグ!」のような案内が判り易いとは限らない。かといって、改めて止まって場所をナビ端末で検索する時間や手間は負担である。また、そのような看板とユーザの手元にあるナビ端末を容易に連携させる技術は従来知られていなかった。このため、施設へエンドユーザを誘導し集客することは困難で、広告効果に限界があった。加えて、個々の来店者などが看板によるものかは容易に判らないので、看板については広告効果の評価も困難であった。
【0007】
上記の課題に対し、本発明の目的は、エンドユーザの手間を省き看板に係る場所へナビ端末で容易に誘導することで広告効果を改善及び評価する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的をふまえ、本発明の一態様(1)は、情報処理装置と、地図画面を表示するナビ端末と、を有する広告処理装置において、前記情報処理装置から前記ナビ端末へ、対象とする所定の看板に対応して表示すべきアイコンのデータを送信する情報送信手段と、前記看板から所定距離内に前記ナビ端末が接近したことを検出する接近検出手段と、前記接近が検出された場合に、前記アイコンのデータに基づいて、前記看板に対応するアイコンを前記ナビ端末の前記地図画面に表示するアイコン表示手段と、表示された前記アイコンに対しナビ端末において所定の操作が行われた場合に、前記看板に予め対応付けられた目的地への経路設定を行う経路設定手段と、を有し、前記情報処理装置は、前記目的地への経路設定が行われた場合に、目的地に係る前記看板について所定の課金情報を更新する情報更新手段を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の他の態様(4)は、上記態様を方法のカテゴリで捉えたもので、コンピュータを備えた情報処理装置と、コンピュータにより地図画面を表示するナビ端末と、を有する広告処理装置における広告処理方法において、前記情報処理装置のコンピュータが前記ナビ端末へ、対象とする所定の看板に対応して表示すべきアイコンのデータを送信する情報送信処理と、前記情報処理装置又は前記ナビ端末のコンピュータが、前記看板から所定距離内に前記ナビ端末が接近したことを検出する接近検出処理と、前記接近が検出された場合に、前記ナビ端末のコンピュータが、前記アイコンのデータに基づいて、前記看板に対応するアイコンを前記ナビ端末の前記地図画面に表示するアイコン表示処理と、表示された前記アイコンに対しナビ端末において所定の操作が行われた場合に、前記ナビ端末又は前記情報処理装置のコンピュータが、前記看板に予め対応付けられた目的地への経路設定を行う経路設定処理と、前記目的地への経路設定が行われた場合に、前記情報処理装置のコンピュータが、目的地に係る前記看板について所定の課金情報を更新する情報更新処理と、を含むことを特徴とする。
【0010】
このように上記態様では、看板に接近したナビ端末にその看板に対応するアイコンを表示し、そのアイコンへの操作を受けて、看板の店など目的地へ経路設定する。これにより、エンドユーザの手間を省き看板に係る場所へナビ端末で容易に誘導し集客などの広告効果を改善できる。さらに、経路設定を受けて看板の課金情報を更新することで広告効果を評価し、看板やナビ画面のアイコン表示に係る業務運営努力を促進できる。
【0011】
本発明の他の態様(2)は、上記いずれかの態様において、前記情報処理装置は、前記看板に設置された送信機と、前記ナビ端末からの通知を集計する集計装置と、を有し、前記送信機は、前記データをナビ端末に無線送信する前記情報送信手段を有し、前記集計装置は前記情報更新手段を有することを特徴とする。
【0012】
このように上記態様では、看板に設置した送信機に設けた情報送信手段からアイコンや目的地のデータを赤外線や電波などでナビ端末に無線送信し、経路設定の通知を受けて課金情報を更新する情報更新手段は集計装置に設ける。これにより、ナビ端末の位置情報をサーバ等へ送信し続けなくても看板への接近が看板からのデータが届いたことをもって検出できるうえ、アイコン等のデータも看板から直接送信するのでサーバ等での集中管理は不要となり、構成が簡易化できる。一方、課金情報の処理については、ナビ端末から通信ネットワーク経由で経路設定を通知させ集計装置で集中処理するので業務効率が維持できる。
【0013】
本発明の他の態様(3)は、上記いずれかの態様において、前記アイコンは、前記看板を表す第一のアイコンと、その看板に係る目的地を表す第二のアイコンと、であり、前記アイコン表示手段は前記地図画面において、少なくとも前記第一のアイコンを前記看板の位置に表示するとともに、その第一のアイコンに対し所定の操作が行われると、対応する前記第二のアイコンを強調表示し、前記経路設定手段は、前記第二のアイコンに対し所定の操作が行われた場合に、その第二のアイコンが表す前記目的地への経路設定を行うことを特徴とする。
【0014】
このように上記態様では、地図画面で看板を表す第一のアイコンを操作すると、看板に係る店舗などの目的地を第二のアイコンで強調表示し、その第二のアイコンを操作すると目的地への経路設定を行う。これにより、看板に係る目的地が現在地や予定の経路からどの方向へどの程度離れているか容易に確認できるので、ユーザに納得と安心を与え経路設定への誘導が効果的となる。
【0015】
なお、上記の各態様とは異なるカテゴリ(装置に対し方法、方法に対しプログラムなど)や、以下に説明するさらに具体的な各態様も本発明に含まれる。異なるカテゴリについては、「手段」を「処理」又は「ステップ」のように適宜読み替えるものとする。また、処理やステップの実行順序は上記のものに限定されず、適宜変更したりまとめて処理するなど、変更可能である。さらに、各処理(ステップ)を実行する「コンピュータ」は共通でもよいし処理ごとに異なってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、エンドユーザの手間を省き看板に係る場所へナビ端末で容易に誘導することで広告効果を改善及び評価する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態における情報(データ)を例示する図。
【図3】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図5】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図6】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図7】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図8】本発明の実施形態における画面表示例を示す図。
【図9】本発明の第2実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の一例として、本発明を実施するための形態(「実施形態」と呼ぶ)について図に沿って説明する。なお、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項については適宜省略する。
【0019】
〔1.構成〕
本実施形態は、図1(構成図)に示すように、情報処理装置1(「サーバ」又は「サーバ1」とも呼ぶ)と、地図画面を表示するナビ端末T(以下「端末T」や「端末」とも呼ぶ)と、を組み合わせた全体システムとしての広告処理装置に関するものである。そして、サーバ1と端末Tはそれぞれ、コンピュータの構成として少なくとも、CPUなどの演算制御部6と、主メモリや補助記憶装置等の記憶装置7と、通信ネットワークN(例えば、インターネット、携帯電話網、PHS網など)との通信手段8(無線LANアダプタ、携帯電話網やPHS網との通信回路、通信ゲートウェイ装置など)と、を有する。
【0020】
特に、端末Tは、上記のようなコンピュータの構成に加え、GPS機能に代表される航法機構G(車載ナビゲーション装置にあってはさらにVICS受信部、車速パルスセンサ又はジャイロセンサ等も含む)と、液晶表示パネルやタッチパネル、押ボタンなどを用いた入出力部13と、を有する電子情報機器である。端末Tは、例えば、カーナビゲーション装置、スマートフォン、携帯電話端末、タブレットPC、モバイルPCなどであり、実際にはユーザ数に応じ多数存在する。
【0021】
サーバ1及び端末Tではそれぞれ、記憶装置7に記憶(インストール)した所定のコンピュータ・プログラムが演算制御部6を制御することで、図1に示す各手段などの要素(10,12,15,18など)を実現する。それら各要素のうち、情報の記憶手段は、記憶装置7において各種のデータベース(「DB」とも表す)やファイル、配列等の変数、各種スタックやレジスタ、システム設定値など任意の形式で実現できる。
【0022】
このような記憶手段のうち、サーバ1の配信データ記憶手段12は、看板に対応して端末で表示すべきアイコン等データ(後述)を記憶している手段であり(例えば図2(1))、端末Tの受信データ記憶手段18は、受信したアイコン等データを記憶する手段である。
【0023】
また、記憶手段以外の各手段は、以下のような情報処理の機能・作用を実現・実行する処理手段であるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。
【0024】
〔2.作用〕
上記のように構成した本実施形態において、サーバ1が実行する処理手順を図3のフローチャートに示す。この処理手順は、本実施形態における特徴的な処理の代表例を示すもので、端末Tの地図画面において目的地への経路案内が既に開始されている状態を前提とする。すなわち、図4は、端末Tで経路案内を行う地図画面Mを例示するもので、道路Lに沿って目的地D1(図中、チェッカーフラッグの図形で示す)に至る誘導経路R1(図中、破線矢印で示す)と、自車位置などの現在位置A(図中、矢尻型で示す)などを表示している例である。この例では、目的地D1が地図画面に収まっているが、地図の表示縮尺や目的地への距離によっては目的地D1は画面内には収まらず、表示されない。
【0025】
〔2−1.データの送信〕
図3の手順では、まず、サーバ1の情報送信手段10が、情報処理装置1から端末Tへ、対象とする所定の看板に対応して表示すべきアイコンのデータを送信し(ステップS1)、これを端末Tのデータ受信手段15が受信する(ステップS2)。ここで、対象とする看板の種類は、板看板、ネオンサイン、デジタルサイネージなど自由であり、限定されない。また、送信のタイミングも自由であるが、典型的には、現在位置がある程度進むごとに前方所定範囲(例えば、現在の移動方向を中心に左右数十度ずつ開いた半径数百メートル程度の扇型の範囲など)内のデータをまとめて送信することが考えられる。これにより通信の回数やデータ量が最少化できる。
【0026】
送信するデータは、「アイコン等データ」と総称するものとするが、アイコンのデータに限らず、そのアイコンに対応する目的地の情報などを含めることができる。図2(1)の例は、アイコンのデータとして、看板を特定する「案件ID」のほか、対応するアイコンを地図上で表示すべき「看板の位置」(緯度経度)、「アイコンに表示する文字列」を例示するが、他に、アイコンとして表示する文字や図形、その種類などでもよい。また、図2(1)の例におけるアイコン等データは、目的地について、位置座標(「目的地」の欄)やその他の「付属情報」(例えば施設の名称、住所のほか、種類、電話番号、説明文など)を含むが、アイコン等データは、目的地の紹介画像など他の任意のデータを含んでいてよい。
【0027】
〔2−2.接近の検出〕
そして、接近検出手段20が、看板から所定距離(数十メートル又は数百メートルなど)内に端末Tが接近したことを検出すると(ステップS3:「YES」)、アイコン表示手段30が、アイコンのデータに基づいて、看板に対応するアイコン31を入出力部13の地図画面Mに表示する(ステップS4)。その表示例を図5に示す。すなわち、移動中のユーザは、路肩などの看板が目に入るのとおおむね同時に又は相前後して、看板に対応する地図画面M上の位置に、看板に対応するアイコン31が表示されるのを目にすることとなる。
【0028】
上記のように看板から所定距離に端末Tが接近したことは、端末T上の接近検出手段20が、GPSなどで逐次得る現在位置と、アイコン等データに含まれる看板の位置と、を逐次比較して検出できるが、これに限らず、端末Tが逐次、サーバに設けた接近検出手段(図示省略)に現在位置を送信し、その接近検出手段がサーバにおいて保持されている看板の位置と比較して接近の有無を判定した結果を、サーバから端末Tに送り返すようにしてもよい。
【0029】
上記のように看板に接近したときに表示するアイコン31は、操作すると看板に予め対応付けられた目的地への経路設定が行われるもので、「ルートアイコン」と呼ぶこととする。なお、ルートアイコンその他のアイコンは、絵柄による狭義のアイコンに限られず、文字など何らかの表示物であればよい。
【0030】
〔2−3.経路設定〕
そして、最も単純な例としては、経路設定手段40は、表示されたアイコンに対し端末Tにおいて入出力部13により所定の操作(画面タッチによる選択操作など)が行われた場合に、看板に予め対応付けられた目的地への経路設定を行う。図6は、この場合の経路設定後の地図画面Mを例示するもので、図4や図5と比べ、目的地がD1からD2に変更され、誘導経路もR1からR2に変更されている。
【0031】
上記のような図5から図6へ遷移する処理は最も単純なもので、看板のアイコン31を操作するだけで対応する目的地D2への誘導経路R2が設定される例であるが、アイコンを複数用いて多段階的な処理とすることができる。ここでは具体的に、アイコンとして、看板を表す第一のアイコン(「看板アイコン」と呼ぶ)と、その看板に係る目的地を表す第二のアイコン(「目的地アイコン」と呼ぶ)と、を用いる画面遷移の例を図7と図8に示す。
【0032】
この例では、現在位置が看板に接近すると(ステップS3:「YES」)、アイコン表示手段30は地図画面M2において、まず、図7に示すように、看板アイコン33を看板の位置(図では現在位置Aからみて左前方)に表示する(ステップS4)。そして、看板アイコン33に対し選択操作など所定の操作が行われると(ステップS5:「YES」)、対応する目的地アイコン34を目立つ背景色35や点滅などで強調表示するとともに(ステップS6)、矢印36で看板アイコン33との関連を表示する。なお、目的地アイコン34は、看板アイコン33と同時に表示して看板アイコン33が操作されると点滅などで強調表示に切り替えてもよいし、看板アイコン33の操作を待って、最初から点滅などの強調表示の状態で表示を開始してもよい。
【0033】
そして、経路設定手段40は、目的地アイコン34に対し所定の操作が行われた場合に(ステップS7:「YES」)、その目的地アイコン34が表す目的地D2への経路設定を行い(ステップS8)、図6の状態となる。なお、看板に対応する目的地への経路設定としては、それまでの目的地を取り消して新たな目的地で置き換えるのでもよいし(図6の例)、それまでの目的地は維持したまま経由地や立寄り先などとして新たな目的地を経路途中に挿入するのでもよい。
【0034】
〔2−4.情報更新〕
そして、情報処理装置1の情報更新手段50は、上記のように目的地への経路設定が行われた場合に、目的地に係る看板について所定の課金情報(例えば図2(2))を更新する。具体的には、端末Tの経路設定手段40は、経路設定を行うと共に(ステップS8)経路設定を行ったことをサーバ1へ通知し(ステップS9)、この通知を受けて(ステップS10:「YES」)、サーバ1の情報更新手段50が、目的地に係る看板について、精算データ記憶手段55などに記憶されている所定の課金情報を更新する(ステップS11)。課金情報の更新の具体的内容は自由であるが、典型的には、図2(2)のように、経路設定に係る看板について、広告主への請求額として予め約定した顧客誘導報酬などの広告単価(○○円/1回ごとなど)について、経路設定数などの回数をインクリメントしたり、その分の広告単価を累計額に加算して更新するなどが考えられる。
【0035】
〔3.効果〕
以上のように、本実施形態では、看板に接近したナビ端末にその看板に対応するアイコン31を表示し(例えば図5)、そのアイコン31への操作を受けて、看板の店など目的地D2へ経路設定する(例えば図6)。これにより、エンドユーザの手間を省き看板に係る場所へナビ端末で容易に誘導し集客などの広告効果を改善できる。さらに、経路設定を受けて看板の課金情報(例えば図2(2))を更新することで(例えば図3のステップS11)広告効果を評価し、看板やナビ画面のアイコン表示に係る業務運営努力を促進できる。
【0036】
特に、本実施形態では(図3のステップS5〜S8)、地図画面M2で(例えば図7)看板を表す第一のアイコンである看板アイコン33を操作すると、看板に係る店舗などの目的地を第二のアイコンである目的地アイコン34で強調表示し(例えば図8)、その第二のアイコン34を操作すると目的地への経路設定を行う(例えば図6)。これにより、看板に係る目的地が現在地や予定の経路からどの方向へどの程度離れているか容易に確認できるので、ユーザに納得と安心を与え経路設定への誘導が効果的となる。
【0037】
〔4.第2実施形態〕
上記の実施形態では、アイコン等データの送信と課金情報の更新を同じサーバ1で行ったが、第2実施形態として(図9)、看板Kに設置された送信機2と、ナビ端末(端末T)T2からの通知を集計して課金情報を更新する集計装置3と、で情報処理装置11を構成することもできる。この場合、送信機2は、データを端末T2に無線送信する情報送信手段200を有し、集計装置3は情報更新手段500を有する。
【0038】
このような第2実施形態では、看板Kに設置した送信機2の情報送信手段100からアイコンや目的地のデータを赤外線や電波などでナビ端末T2に無線送信する。この無線送信の電源は商用電源やバッテリーなどを用いる。そして、ナビ端末T2の接近検出手段200は、看板Kに設けた送信機2からのデータが届いたことをもって、看板Kへの接近が検出でき、アイコン表示手段30によるアイコンの表示、経路設定手段400による経路設定、と処理が進む。そして、集計装置3に設けた情報更新手段500が、経路設定の通知を受けて課金情報を更新する。
【0039】
このような第2実施形態では、ナビ端末T2のリアルタイムな位置情報をサーバ等へ送信し続けなくても、接近検出手段200の機能として、看板Kに設けた送信機2からのデータが届いたことをもって、看板Kへの接近が検出できる。そのうえ、アイコン等のデータも看板K(に設けた送信機2)から直接送信するのでサーバ等での集中管理は不要となり、構成が簡易化できる。一方、課金情報の処理については、ナビ端末T2から通信ネットワークN経由で経路設定を通知させ集計装置3で集中処理するので業務効率が維持できる。
【0040】
〔5.他の実施形態〕
なお、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、各構成図、データの図、フローチャートなどは例示に過ぎず、各要素の有無、その配置や処理実行などの順序、具体的内容などは適宜変更可能である。一例として、経路を設定する経路設定手段は図1のサーバ1の側に設けてもよい。なお、図5、図7、図8の例では、現在位置がまだアイコンを通過していない画面例を示したが、現在位置をより画面中央寄りに表示すれば、アイコンの傍を通過した後でも現在からみて斜め後方に表示されているアイコンを操作することが可能である。
【0041】
また、特にサーバや集計装置において、個々の手段を別個独立の装置やシステムで実現する構成も一般的であるし、端末側でも機能によっては、外部のプラットフォーム等をAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)やネットワークコンピューティング(いわゆるクラウドなど)で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。さらに、本発明に関する手段などの各要素は、コンピュータの演算制御部に限らず物理的な電子回路など他の情報処理機構で実現してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 情報処理装置(サーバ)
2 送信機
3 集計装置
6 演算制御部
7 記憶装置
8 通信手段
10,100 情報送信手段
11 情報処理装置
12 配信データ記憶手段
13 入出力部
15 データ受信手段
18 受信データ記憶手段
20,200 接近検出手段
30 アイコン表示手段
31 ルートアイコン
33 看板アイコン
34 目的地アイコン
35 背景色
36 矢印
40,400 経路設定手段
50,500 情報更新手段
A 現在位置
G 航法機構
D1,D2 目的地
K 看板
L 道路
M,M2 地図画面
N 通信ネットワーク
R1,R2 誘導経路
T,T2 ナビ端末(端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、地図画面を表示するナビ端末と、を有する広告処理装置において、
前記情報処理装置から前記ナビ端末へ、対象とする所定の看板に対応して表示すべきアイコンのデータを送信する情報送信手段と、
前記看板から所定距離内に前記ナビ端末が接近したことを検出する接近検出手段と、
前記接近が検出された場合に、前記アイコンのデータに基づいて、前記看板に対応するアイコンを前記ナビ端末の前記地図画面に表示するアイコン表示手段と、
表示された前記アイコンに対しナビ端末において所定の操作が行われた場合に、前記看板に予め対応付けられた目的地への経路設定を行う経路設定手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、前記目的地への経路設定が行われた場合に、目的地に係る前記看板について所定の課金情報を更新する情報更新手段を有する
ことを特徴とする広告処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記看板に設置された送信機と、前記ナビ端末からの通知を集計する集計装置と、を有し、
前記送信機は、前記データをナビ端末に無線送信する前記情報送信手段を有し、
前記集計装置は前記情報更新手段を有する
ことを特徴とする請求項1記載の広告処理装置。
【請求項3】
前記アイコンは、前記看板を表す第一のアイコンと、その看板に係る目的地を表す第二のアイコンと、であり、
前記アイコン表示手段は前記地図画面において、少なくとも前記第一のアイコンを前記看板の位置に表示するとともに、その第一のアイコンに対し所定の操作が行われると、対応する前記第二のアイコンを強調表示し、
前記経路設定手段は、前記第二のアイコンに対し所定の操作が行われた場合に、その第二のアイコンが表す前記目的地への経路設定を行う
ことを特徴とする請求項1又は2記載の広告処理装置。
【請求項4】
コンピュータを備えた情報処理装置と、コンピュータにより地図画面を表示するナビ端末と、を有する広告処理装置における広告処理方法において、
前記情報処理装置のコンピュータが前記ナビ端末へ、対象とする所定の看板に対応して表示すべきアイコンのデータを送信する情報送信処理と、
前記情報処理装置又は前記ナビ端末のコンピュータが、前記看板から所定距離内に前記ナビ端末が接近したことを検出する接近検出処理と、
前記接近が検出された場合に、前記ナビ端末のコンピュータが、前記アイコンのデータに基づいて、前記看板に対応するアイコンを前記ナビ端末の前記地図画面に表示するアイコン表示処理と、
表示された前記アイコンに対しナビ端末において所定の操作が行われた場合に、前記ナビ端末又は前記情報処理装置のコンピュータが、前記看板に予め対応付けられた目的地への経路設定を行う経路設定処理と、
前記目的地への経路設定が行われた場合に、前記情報処理装置のコンピュータが、目的地に係る前記看板について所定の課金情報を更新する情報更新処理と、
を含むことを特徴とする広告処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−168021(P2012−168021A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29314(P2011−29314)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】