説明

情報処理装置

【課題】携帯端末や電子図鑑等において、コード入力を利用者(ユーザ)に意識させることなく楽しみながら行わせる。
【解決手段】タッチパネル画面を備えた携帯端末上で、色を選ぶための2色以上の色選択アイコンからタッチペンや指先で色を選択し、この色をタッチパネル画面上にマトリクス状に配置表示された着色用アイコンに当てはめていき、この色の配置が正しいときに、携帯端末上に表示された鳥等の鳴き声を再生出力させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末等の情報処理装置におけるコード解除技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、PDA(Personal Data Assistant)等の携帯情報端末や、パーソナルコン
ピュータや屋内に設置される情報提供端末を始めとする情報処理装置では、ユーザが使用する度に、ユーザネーム(ID)とともに、パスワード等のコードを入力し、当該コードが正しい場合に当該情報機器の使用が許可されたり、特定のアプリケーションが起動することが一般的に行われている。
【0003】
このようなコード解除技術としては、キーボードやタッチパネルに表示されたキーから直接コード(キャラクタ)を入力させて、登録されたコードと一致する場合にロック状態を解除する技術、あるいは携帯端末のタッチパネルに表示されたマトリクス状に配置されたアイコンをあらかじめ定められた順番になぞったり押していく方法等が知られている。
【0004】
しかし、これらの技術は携帯端末やパーソナルコンピュータの操作に熟知しているユーザには適しているが、このようなコード解除操作に慣れていない子供、老人等のユーザにとっては難解なものだった。
【0005】
一方、タッチパネル上に四角形状のエリアを表示させて、タッチペンや指先で前記エリアを順番にタッチしたり、なぞったりすることでその筆跡順に登録されたデータを比較して一致した場合にキーロック状態を解除する技術(特許文献1:特開2007−257140号公報)も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−257140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載された技術の場合、セキュリティの視点からのデバイスのキーロック解除方法しか提案されておらず、エンタテイメント性に欠けるものであった。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、コード入力を利用者(ユーザ)に意識させることなく楽しみながら行わせるとともに、当該入力が正しかった場合に確実にコード解除が行われ、情報処理機器の特定の機能を起動させることができる操作性・娯楽性に富んだコード解除技術を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明では、以下の手段を採用した。
【0010】
本発明の請求項1は、タッチパネル画面を備えた情報処理装置であって、少なくとも前記タッチパネル画面の一部に色情報の選択指示入力のための2色以上の色選択アイコンを表示する色情報選択指示入力手段と、選択された色情報を前記タッチパネル画面上にマトリクス状に配置表示された着色用アイコンのいずれを着色するかを指示入力する色情報配置指示入力手段と、前記で入力された着色用アイコンに着色された色情報を、あらかじめ記憶手段に記憶され、着色済みの規定パターンと比較する比較手段と、比較結果が一致し
たときに、所定の機能を実行する機能実行手段とからなる情報処理装置である。
【0011】
これによれば、パズルのような感覚で色とアイコンを選択することによって、ユーザにコード解除を意識させることなく、PDA等のデバイスのロック状態を解除したり、所定の機能(たとえば音声情報の再生やプログラムの実行)を行うことができるようになる。
【0012】
本発明の請求項2は、タッチパネル画面を備えた情報処理装置であって、少なくとも前記タッチパネル画面の一部に色情報の選択指示入力のための2色以上の色選択アイコンを表示する色情報選択指示入力手段と、選択された色情報を前記タッチパネル画面上に表示された着色用図形のいずれの部分を着色するかを指示入力する色情報配置指示入力手段と、
前記で色情報がそれぞれの部分に関連付けられた着色用図形を、あらかじめ記憶手段に記憶された着色済みの規定パターンと比較する比較手段と、比較結果が一致したときに、所定の機能を実行する機能実行手段とからなる情報処理装置である。
【0013】
これによれば、塗り絵を行うように、色と図形の着色場所を指示することによって、ユーザにコード解除を意識させることなく、デバイスのロック解除や、所定の機能(たとえば表示された図形情報(たとえば鳥)の鳴き声等の音声情報の再生やプログラムの実行)を行うことができるようになる。
【0014】
本発明の請求項3は、前記記憶手段は、前記着色用アイコンまたは着色用図形の着色順情報と、色情報の着色入力をタッチパネル画面上に表示する指示シンボル図形情報とを有しており、前記色情報配置指示入力手段は、前記指示シンボル図形情報を読み出して、前記タッチパネル画面上にユーザに入力させる着色用アイコンまたは着色用図形への着色を前記着色順情報にしたがって順次指示する請求項1または2記載の情報処理装置である。
【0015】
これによれば、着色するアイコンや図形が順次矢印等の指示シンボル図形情報等で表示されるため、コード解除に不慣れな非パソコンユーザに対しても楽しみながらプログラムの実行や音声情報の再生が可能になる。
【0016】
本発明の請求項4は、前記規定パターンには、あらかじめ色情報とその選択順を意味する選択情報とが関連付けられており、ユーザの色情報配置指示入力手段により選択された色を規定された順番通りに配置することによって前記所定の機能を実行する請求項1または2記載の情報処理装置である。
【0017】
これによれば、アイコンや図形情報の着色順も正しくなければコード解除ができないため、セキュリティをより高めることができる。
【0018】
本発明の請求項5は、前記記憶手段は、色情報の着色入力をタッチパネル画面上に表示する指示シンボル図形情報を有しており、前記色情報配置指示入力手段は、前記指示シンボル図形情報を読み出して、前記タッチパネル画面上にユーザに入力させる着色用アイコンまたは着色用図形への着色をランダムに指示する請求項1または2記載の情報処理装置である。
【0019】
これによれば、着色順がランダムにガイドされるため、同じ規定パターンであっても、ユーザが感覚的に手の動きでコード解除手順を覚えてしまうことを防止でき、セキュリティ精度を高めることができる。また、タッチパネルにおいてはランダムに毎回ガイド位置が変化することによって、所定の部分だけタッチ傷等が可視的に発生してコード解除情報が漏洩することを防止できる。
【0020】
本発明の請求項6は、前記規定パターンは、前記記憶手段に代えて、ネットワークを介して接続されたサーバ装置に記憶されており、前記色情報配置指示入力手段から入力された着色用アイコンまたは着色用図形の情報はネットワークを介して当該サーバ装置に送信され、サーバ装置に記憶された規定パターンと一致するときに、前記サーバ装置から機能実行命令がネットワークを介して返信される請求項1または2記載の情報処理装置である。
【0021】
これによれば、ネットワークを介してサーバの規定パターンと照合するため、規定パターンをサーバで一括管理することにより、情報端末装置自体に規定パターンを保持する場合に較べて、セキュリティを高めることができる。
【0022】
本発明の請求項7は、タッチパネル画面を備えた情報処理装置の情報処理方法であって、色情報選択指示入力手段によって、少なくとも前記タッチパネル画面の一部に色情報の選択指示入力のための2色以上の色選択アイコンを表示するステップと、色情報配置指示入力手段によって、選択された色情報を前記タッチパネル画面上にマトリクス状に配置表示された着色用アイコンのいずれを着色するかを指示入力させるステップと、比較手段によって、前記で入力された着色用アイコンに着色された色情報を、あらかじめ記憶手段に記憶され、着色済みの規定パターンと比較するステップと、機能実行手段によって、前記比較結果が一致したときに、所定の機能を実行するステップとからなる情報処理装置における情報処理方法。である。
【0023】
これによれば、パズルのような感覚で色とアイコンを選択することによって、ユーザにコード解除を意識させることなく、PDA等のデバイスのロック状態を解除したり、所定の機能(たとえば音声情報の再生やプログラムの実行)を行うことができるようになる。コード解除を意識させることなく、PDA等のデバイスのロック状態を解除したり、所定の機能(たとえば音声情報の再生やプログラムの実行)を行うことができるようになる。
【0024】
本発明の請求項8は、タッチパネル画面を備えた情報処理装置の情報処理方法であって、
色情報選択指示入力手段によって、少なくとも前記タッチパネル画面の一部に色情報の選択指示入力のための2色以上の色選択アイコンを表示するステップと、色情報配置指示入力手段によって、前記で選択された色情報を前記タッチパネル画面上に表示された着色用図形のいずれの部分を着色するかを指示入力させるステップと、比較手段によって、前記で色情報がそれぞれの部分に関連付けられた着色用図形を、あらかじめ記憶手段に記憶された着色済みの規定パターンと比較するステップと、機能実行手段によって、前記で比較結果が一致したときに、所定の機能を実行するステップとからなる情報処理装置の情報処理方法である。
【0025】
これによれば、塗り絵を行うように、色と図形の着色場所を指示することによって、ユーザにコード解除を意識させることなく、デバイスのロック解除や、所定の機能(たとえば表示された図形情報(たとえた鳥)の鳴き声等の音声情報の再生やプログラムの実行)を行うことができるようになる。
【0026】
本発明の請求項9は、 前記記憶手段は、前記着色用アイコンまたは着色用図形の着色
順情報と、色情報の着色入力をタッチパネル画面上に表示する指示シンボル図形情報とを有しており、前記色情報配置指示入力手段は、前記指示シンボル図形情報を読み出すステップと、前記タッチパネル画面上にユーザに入力させる着色用アイコンまたは着色用図形への着色を前記着色順情報にしたがって順次指示するステップとを実行する請求項7または8記載の情報処理装置の情報処理方法である。
【0027】
これによれば、着色するアイコンや図形が順次矢印等の指示シンボル図形情報等で表示されるため、コード解除に不慣れな非パソコンユーザに対しても楽しみながらプログラムの実行や音声情報の再生が可能になる。
【0028】
本発明の請求項10は、前記規定パターンには、あらかじめ色情報とその選択順を意味する選択情報とが関連付けられており、ユーザの色情報配置指示入力手段により選択された色を規定された順番通りに配置することによって前記所定の機能を実行するステップを有する請求項7または8記載の情報処理装置の情報処理方法である。
【0029】
これによれば、アイコンや図形情報の着色順も正しくなければコード解除ができないため、セキュリティをより高めることができる。
【0030】
本発明の請求項11は、前記記憶手段は、色情報の着色入力をタッチパネル画面上に表示する指示シンボル図形情報を有しており、前記色情報配置指示入力手段は、前記指示シンボル図形情報を読み出すステップと、前記タッチパネル画面上にユーザに入力させる着色用アイコンまたは着色用図形への着色をランダムに指示するステップとを実行する請求項7または8記載の情報処理装置の情報処理方法である。
【0031】
これによれば、着色順がランダムにガイドされるため、同じ規定パターンであっても、ユーザが感覚的に手の動きでコード解除手順を覚えてしまうことを防止でき、セキュリティ精度を高めることができる。また、タッチパネルにおいてはランダムに毎回ガイド位置が変化することによって、所定の部分だけタッチ傷等が可視的に発生してコード解除情報が漏洩することを防止できる。
【0032】
本発明の請求項12は、前記規定パターンは、前記記憶手段に代えて、ネットワークを介して接続されたサーバ装置に記憶されており、前記色情報配置指示入力手段から入力された着色用アイコンまたは着色用図形の情報をネットワークを介して当該サーバ装置に送信するステップと、サーバ装置は、当該サーバ装置に記憶された規定パターンと一致するか否かを判定するステップと、前記で一致したときに、前記サーバ装置から機能実行命令をネットワークを介して返信する請求項7または8記載の情報処理装置の情報処理方法である。
【0033】
これによれば、ネットワークを介してサーバの規定パターンと照合するため、規定パターンをサーバで一括管理することにより、情報端末装置自体に規定パターンを保持する場合に較べて、セキュリティを高めることができる。
【0034】
本発明の請求項13は、タッチパネル画面を備えた情報処理装置の情報処理プログラムであって、色情報選択指示入力手段によって、少なくとも前記タッチパネル画面の一部に色情報の選択指示入力のための2色以上の色選択アイコンを表示するステップと、色情報配置指示入力手段によって、選択された色情報を前記タッチパネル画面上にマトリクス状に配置表示された着色用アイコンのいずれを着色するかを指示入力させるステップと、比較手段によって、前記で入力された着色用アイコンに着色された色情報を、あらかじめ記憶手段に記憶され、着色済みの規定パターンと比較するステップと、機能実行手段によって、前記比較結果が一致したときに、所定の機能を実行するステップと、を情報処理装置に実行させるプログラムである。
【0035】
これによれば、パズルのような感覚で色とアイコンを選択することによって、ユーザにコード解除を意識させることなく、PDA等のデバイスのロック状態を解除したり、所定の機能(たとえば音声情報の再生やプログラムの実行)を行うプログラムを提供することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、コード入力を利用者(ユーザ)に意識させることなく楽しみながら行わせるとともに、当該入力が正しかった場合に確実にコード解除が行われ、情報処理機器の特定の機能を起動させることができる操作性・娯楽性に富んだコード解除技術を実現する
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明のシステム構成を示すハードウエアブロック図である。
【図2】実施形態を説明するためのタッチパネル画面の表示例を示す説明図
【図3】実施形態の処理手順を示す図
【図4】別の実施形態を説明するためのタッチパネル画面の表示例を示す説明図
【図5】さらに別の実施形態を説明するためのタッチパネル画面の表示例を示す説明図
【図6】実施形態の別の処理手順を示す図
【図7】さらに別の実施形態を説明するためのタッチパネル画面の表示例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の最良の実施形態を図面を用いて説明する。
【0039】
この実施形態では、情報処理装置として携帯端末(携帯電話端末)を用いて説明するが、情報処理装置はこれらに限定されるものでなく、パーソナルコンピュータや屋内に設置される情報提供端末等であってもよいことは勿論である。
【0040】
図1は、本発明の実施形態である携帯端末のシステム構成を示すブロック図である。
【0041】
この携帯端末は、iPhone(アイホン社から許諾を受けたアップル社の商標)、Android
(米国グーグル社の商標)等のスマートホン、i-mode(NTTドコモ社の商標)等のネット接続可能な携帯電話端末等である。
【0042】
この実施形態での携帯端末は、同図に示すように、中央処理装置(CPU)を中心に、バス(BUS)で接続されたメインメモリ(MM)、タッチパネルディスプレイ(TDSP)、アプリケーションメモリ(APM)等、キーボード(KBD)、通信インターフェース(I/O)、スピーカー(SPK)等を有している。キーボードは携帯電話としてのテンキーにアルファベットが割り付けられたものであってもよいし、スマートホンのようなQWERTYキーを備えたものであってもよいが、以下の説明ではタッチパネルディスプレイ上での入力を主に使用するものとして説明する。さらに、入力手段としては、上記の他に、図示しないマウス等の補助入力手段を備えていてもよい。
【0043】
アプリケーションメモリには、オペレーティングシステム(OS)とともに、アプリケーションプログラム(APL)が格納されている。このアプリケーションプログラム(APL)は、たとえば画像、動画、音声等が出力可能な図鑑アプリケーションプログラムであり、このアプリケーションプログラム(APL)がバス(BUS)およびメインメモリ(MM)に読み込まれて中央処理装置(CPU)で順次実行処理されることによって、本実施形態の機能が実現される。
【0044】
また、アプリケーションプログラム(APL)には、規定パターン情報が登録されている。この規定パターン情報とは、コードを解除するための着色用アイコンの所定のアイコンに所定の着色がされたもの(色情報が関連付けられた)ものであり、ユーザによって入
力されたアイコンの着色パターンをこの規定パターン情報と比較して、一致した場合に後述の図鑑として表示された鳥の鳴き声等の音声情報等が出力再生されるようになっている。なお、この規定パターン情報は、当該携帯端末のアプリケーションメモリ(APM)に格納される場合の他、当該携帯端末からインターネット等の汎用ネットワークを介してアクセス可能な認証サーバ(図示せず)に格納されていてもよい。この場合、規定パターンが携帯端末ではなく認証サーバに格納されていることで、携帯端末が紛失してしまってもセキュリティが維持できる。また、規定パターンを認証サーバで一括管理しているため、適宜変更することによって高いセキュリティを維持できる。
【0045】
また、ユーザメモリには、前記アプリケーションプログラム(APL)とともに、図鑑情報、たとえば鳥の写真データや、鳴き声の音声データが格納されており、アプリケーションプログラム(APL)にしたがってこれらがタッチパネルディスプレイ(TDSP)に表示されたり、スピーカー(SPK)から再生出力されるようになっている。このような音声データも前記サーバに格納され、必要に応じてネットワークを介して携帯端末にダウンロードしてもよい。
【0046】
図1は、上記アプリケーションプログラム(APL)によって実現される音声情報再生出力の一例である。
【0047】
タッチパネルディスプレイ(TDSP)上には、円形の着色用アイコンが4×4個のマトリクス状に表示されている。この実施形態では、このマトリクス状に配置された着色用アイコンのうち指定されたアイコンのみが選択されたとき(特定の色情報と関連付けられたとき)にコードが解除され、図鑑情報として表示されている鳥の鳴き声が音声情報として再生出力されるようになっている。
【0048】
次に、本実施形態によるコード入力手順を図2および図3を使って説明する。
【0049】
図2は、本実施形態のタッチパネルディスプレイ(TDSP)の表示例を示している。同図(a)において、左半部には色選択アイコンが5個横方向に表示されている。また右半部には縦横方向に4×4個の円形の着色用アイコンがマトリクス状に配置されている。
【0050】
この図2(a)は、同図(b)の鳥の写真の右下に表示された着色用アイコンに色を配置することでコード入力を行うものである。
【0051】
同図(a)において、左半部で選んだ色を右半部に表示された着色用アイコンに適宜配置することによって、その配置パターンがあらかじめ設定された規定パターンの配置と一致する場合に、当該写真で表示した鳥の鳴き声が再生出力されるようになっている。
【0052】
まず、ユーザが携帯端末の電源スイッチを入れると、中央処理装置(CPU)がアプリケーションプログラム(APL)をバス(BUS)およびメインメモリ(MM)を介して読み込んで処理を開始する(ステップ301)。これにより、当該携帯端末はユーザからのタッチパネルディスプレイ(TDSP)からの入力の待ち状態となる(ステップ302)。
【0053】
この状態でユーザの指先またはタッチペン等でタッチパネルディスプレイ(TDSP)への入力があると、ステップ302に割り込み処理がかかり、アプリケーションプログラム(APL)の一部である色情報選択指示入力プログラムモジュールが起動し、所定の入力(ここでは、着色用アイコンに色情報を当てはめる処理)が繰り返して行われる(ステップ304、305)。最終的にタッチパネルディスプレイ(TDSP)に表示された「決定!」ボタンが押されたときには、中央処理装置(CPU)は、アプリケーションメモ
リ(APM)から規定パターンを読み出して、入力された着色用アイコンを当該規定パターンと比較する判定処理を行い(ステップ306)、処理を終了する(ステップ307)。
【0054】
ステップ311〜314は、着色用アイコンに着色する処理を示している。この処理は、色情報配置指示入力プログラムモジュールが中央処理装置(CPU)に読み込まれて実行処理している。すなわち、図2(a)に示す色塗り処理が開始されると、ユーザによるタッチペンまたは指先による色選択アイコンの選択入力と、着色用アイコンの選択入力とが行われる。具体的には、図2(a)の左半部で色を選択し(色選択アイコンを指定入力し)、続いて、選択された色を、右半部のマトリクス状に配置された着色用アイコンのいずれに着色するかを決定する(ステップ312)。具体的には、マトリクス状に配置された画像メモリ(図示せず)上に着色用アイコンの着色パターンが画像情報としてセットされる(ステップ313〜314)。
【0055】
ここで、前記ステップ312では、選択した色情報をどのアイコンに関連付けるか(着色するか)を任意に指定できるようにしているが、このときに、着色用アイコンの着色を指定するアイコンに順次カーソル(指示シンボル図形)を移動させて着色するアイコンをガイドしてもよい。このガイド順はあらかじめ決められた順番(たとえば上から1行目の左から右→第2行目の左から右→第3行目の左から右→第4行目の左から右という順番)であってもよいし、ランダムに着色するアイコンをカーソルで指示してもよい。
【0056】
ステップ321〜325は、入力された着色用アイコンの着色パターンが正解か否かを判定する処理である。
【0057】
パターン判定処理が開始されると(ステップ321)、前記で入力された着色パターンがあらかじめアプリケーションメモリ(APM)に格納されていた規定パターンと一致するか否かを判断する(ステップ322)。
このとき、パターンが一致すると特定の処理を実行する(ステップ324)。ここでの、特定の処理とは、たとえばアプリケーションメモリ(APM)に格納された写真の音声データをスピーカー(SPK)から再生出力させる。一方、パターンが一致しないときには、エラー処理(ステップ323)として「入力したパターンが間違っています」等の表示をタッチパネルディスプレイ(TDSP)上に出力する。
【0058】
本実施形態において、正解パターンは、上から1行目2列目・4列目、2行目1列目・3列目、3行目2列目・4列目、4行目1列目・3列目となっている。
【0059】
なお、音声データを再生出力させる際には、図2(d)に示すような写真情報を表示してもよい。
【0060】
なお、規定パターンには、着色アイコンのパターンだけでなく、それぞれの着色順も関連付けて記憶させておいてもよい。この場合には、着色パターンが規定パターンと一致していたとしても、着色順も正しくなければ正解判定を行わないようにしてもよい。このように着色パターンだけでなく着色順も正しくなければコード解除しないようにすることで、より高度なセキュリティを維持することができる。
【0061】
図4は、本発明の別の実施形態である。図1で説明した実施形態は、円形の着色用アイコンがマトリクス状に配置されたパターンに着色するものだったが、図4はタッチパネルディスプレイ(TDSP)画面上に表示された図形情報(この図では鳥)のいずれの部分に着色するかを指示入力するものである。
【0062】
タッチパネルディスプレイ(TDSP)上には、図4(a)に示す画面が表示される。同図の左半部には図2で説明したのと同様の色選択アイコンが配置されているが、右半部には円形の着色用アイコンの代わりに図形情報(ここでは鳥)が表示されている。この図形情報は線画で構成されており、線で囲まれた領域、たとえばくちばし、羽、腹部に対して塗り絵のように着色ができるようになっている。
【0063】
同図(a)において、まず画面の左半部の色選択アイコンをタッチペンまたは指先で選択し、この選択した色を右半部に表示された線画のいずれかの領域にタッチすることによって、当該領域が選択色に着色されることになる。
【0064】
図形情報に着色を完了した場合には、画面の左半部に表示された「決定!」ボタンを押すことでパターン判定(図3のステップ306)が開始される。以後の処理は図2および図3で説明したものと同様であるので説明を省略するが、このようにして入力された塗り絵の着色パターンがアプリケーションメモリ(APM)にあらかじめ格納された規定パターン(鳥の図形情報の各領域にあらかじめ着色された正解パターン)と一致する場合には、アプリケーションメモリ(APM)に格納された写真の音声データ(表示されている鳥の鳴き声)をスピーカー(SPK)から再生出力させる。
【0065】
この実施形態においても、右半部に表示された線画のいずれかの領域(着色用図形)にタッチする際に、カーソルで着色する領域を順次指示してもよい。また、ユーザに任意に領域を選択させて着色させてもよいが、この場合も予め決められた順番に着色しなければ、たとえ最終的に規定パターンと一致しても正解判定を行わないようにしてもよい。
【0066】
なお、この規定パターンも、当該携帯端末のアプリケーションメモリ(APM)に格納される場合の他、当該携帯端末からインターネット等の汎用ネットワークを介してアクセス可能な認証サーバ(図示せず)に格納されていてもよい。この場合、規定パターンが携帯端末ではなく認証サーバに格納されていることで、携帯端末が紛失してしまってもセキュリティが維持できる。また、規定パターンを認証サーバで一括管理しているため、適宜変更することによって高いセキュリティを維持できる。
【0067】
図5は、本発明の別の実施形態を示すタチパネルディスプレイ(TDSP)の表示画面である。
【0068】
同図(a)に示すように、画面上の表示は図1(a)と同様であるが、コードの入力方法が図1とは異なる。
【0069】
図1(a)に示すように左半部には色選択アイコンが配置されており、右半部には円形のアイコンが縦横方向に4×4個マトリクス状に配置されている。
【0070】
同図(a)において、まず画面の左半部の色選択アイコンをタッチペンまたは指先で選択し、この選択した色を右半部に表示されたマトリクス状に配置された着色用アイコン上をタッチペンまたは指先で所定の順番で一筆書き状に順次指定する。
【0071】
上記のように所定の着色用アイコン上を順次指定した後に、画面の左半部に表示された「決定!」ボタンを押す。このときに、前記軌跡に該当する着色用アイコンの情報(アイコンパターン)と、アプリケーションメモリ(APM)にあらかじめ格納された規定パターンと一致する場合には、アプリケーションメモリ(APM)に格納された写真の音声データ(表示されている鳥の鳴き声)をスピーカー(SPK)から再生出力される。
【0072】
以上、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記の説明に限定されるもので
はない。
【0073】
たとえば、実施形態では、規定パターンに着色アイコンと着色用図形の着色順に関する情報も関連付けて、パターンだけでなく着色順も正しくないと正解判定しない場合を説明したが、このような着色順情報は、携帯端末を設定モード(アプリケーションプログラム(APL)に含まれる設定モジュールを中央処理装置(CPU)で読み込んで実行する)で起動して、設定者が着色用アイコンと着色用図形に対して、タッチペンや指先で択一的に順番に着色指定し、この着色順番情報を規定パターンに関連付けてアプリケーションメモリ(APL)にあらかじめ記憶させておいてもよい。
【0074】
また、着色用図形に対して着色用アイコンの数を動的に変化させてもよい。この状態を示したものが図7である。同図に示すように、水鳥(着色用図形)に対して、初期段階では4色分の着色用アイコンが表示されているが(図7(a))、まず頭部の着色操作を行うことで、その着色用アイコンは表示画面上から消去され、羽部の色を選択可能な2個の着色用アイコンだけが表示される(図7(b))。そして羽部の着色操作を行うことで、その着色用アイコンは表示画面上から消去され、腹部の色を選択可能な1個の着色用アイコンのみが表示される(図7(c))。このように着色する度に順次その後に選択可能な着色用アイコンのみが表示されるようにしてもよい。
【0075】
また、中央処理装置(CPU)による処理手順は図3で説明したが、図6に示すような別の処理手順を実行してもよい。
【0076】
図6は、イベント処理に即した処理手順をフロー図で示したものである。同図を図2に示したパターン入力によって以下に説明する。
【0077】
携帯端末のタッチパネルディスプレイ(TDSP)上で表示されたメニュー画面(図示省略)から、パターン入力画面(ここでは図2(a)に示す図)が起動されると(ステップ601〜602)、イベントの発生を待つ(ステップ603)。具体的には、タッチペンや指先で色選択アイコンが押された場合に押し下げられた色のペン(色選択アイコン)を「選択中」のモードにするイベント(ステップ604)と、押し下げられた位置のリング図形(図2(a)参照)を選択中の色のリング図形に置き換えて表示するイベント(ステップ605)と、「色を全て消す」のボタンが押し下げられたときに、リング図形を全て白色に書き換えるイベント(ステップ606)と、「決定」のボタンが押し下げられたときにステップ607〜163に示す処理を実行するイベント(ステップ607)と、画面右上に表示された「終了」ボタンが押し下げられたときにパターン選択処理を終了するイベント(ステップ164)とで構成されている。
【0078】
図2(a)の「決定!」ボタンが押し下げられたの処理手順は、入力された着色用アイコンの着色パターンとあらかじめアプリケーションメモリ(APM)に格納されていた規定パターンと一致するか否かを判断するか否かを判定し(ステップ607)、あらかじめ用意された所定の画像(ここでは図2(b)に示すような鳥の写真)を表示するとともに(ステップ608)、当該写真に関連つけられた音声(ここでは表示された鳥の鳴き声)をアプリケーションメモリ(APM)から読み出してスピーカー(SPK)から再生出力させる(ステップ609)。この状態で次のイベントを待つ(ステップ610)。そして、「終了」ボタンが押し下げられたときには処理を終了する(ステップ611)。
【0079】
一方、画像と音声の出力状態で画面がタップされたり「戻る」ボタンが押し下げられたときに音声の再生出力を停止させ(ステップ612)、写真画像を非表示の状態にする(ステップ163)。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、ユーザの入力により情報再生や特定の機能がオン状態となる情報端末装置に利用できる。
【符号の説明】
【0081】
CPU 中央処理装置
MM メインメモリ
BUS バス
TDSP タッチパネルディスプレイ
APM アプリケーションメモリ
OS オペレーティングシステム
APL アプリケーションプログラム
I/O インターフェース
KBD キーボード
SPK スピーカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル画面を備えた情報処理装置であって、
少なくとも前記タッチパネル画面の一部に色情報の選択指示入力のための2色以上の色選択アイコンを表示する色情報選択指示入力手段と、
選択された色情報を前記タッチパネル画面上にマトリクス状に配置表示された着色用アイコンのいずれを着色するかを指示入力する色情報配置指示入力手段と、
前記で入力された着色用アイコンに着色された色情報を、あらかじめ記憶手段に記憶され、着色済みの規定パターンと比較する比較手段と、
比較結果が一致したときに、所定の機能を実行する機能実行手段とからなる情報処理装置。
【請求項2】
タッチパネル画面を備えた情報処理装置であって、
少なくとも前記タッチパネル画面の一部に色情報の選択指示入力のための2色以上の色選択アイコンを表示する色情報選択指示入力手段と、
選択された色情報を前記タッチパネル画面上に表示された着色用図形のいずれの部分を着色するかを指示入力する色情報配置指示入力手段と、
前記で色情報がそれぞれの部分に関連付けられた着色用図形を、あらかじめ記憶手段に記憶された着色済みの規定パターンと比較する比較手段と、
比較結果が一致したときに、所定の機能を実行する機能実行手段とからなる情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記着色用アイコンまたは着色用図形の着色順情報と、色情報の着色入力をタッチパネル画面上に表示する指示シンボル図形情報とを有しており、
前記色情報配置指示入力手段は、前記指示シンボル図形情報を読み出して、前記タッチパネル画面上にユーザに入力させる着色用アイコンまたは着色用図形への着色を前記着色順情報にしたがって順次指示する請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記規定パターンには、あらかじめ色情報とその選択順を意味する選択情報とが関連付けられており、ユーザの色情報配置指示入力手段により選択された色を規定された順番通りに配置することによって前記所定の機能を実行する請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、色情報の着色入力をタッチパネル画面上に表示する指示シンボル図形情報を有しており、
前記色情報配置指示入力手段は、前記指示シンボル図形情報を読み出して、前記タッチパネル画面上にユーザに入力させる着色用アイコンまたは着色用図形への着色をランダムに指示する請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記規定パターンは、前記記憶手段に代えて、ネットワークを介して接続されたサーバ装置に記憶されており、前記色情報配置指示入力手段から入力された着色用アイコンまたは着色用図形の情報はネットワークを介して当該サーバ装置に送信され、サーバ装置に記憶された規定パターンと一致するときに、前記サーバ装置から機能実行命令がネットワークを介して返信される請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項7】
タッチパネル画面を備えた情報処理装置の情報処理方法であって、
色情報選択指示入力手段によって、少なくとも前記タッチパネル画面の一部に色情報の選択指示入力のための2色以上の色選択アイコンを表示するステップと、
色情報配置指示入力手段によって、選択された色情報を前記タッチパネル画面上にマトリクス状に配置表示された着色用アイコンのいずれを着色するかを指示入力させるステッ
プと、
比較手段によって、前記で入力された着色用アイコンに着色された色情報を、あらかじめ記憶手段に記憶され、着色済みの規定パターンと比較するステップと、
機能実行手段によって、前記比較結果が一致したときに、所定の機能を実行するステップとからなる情報処理装置における情報処理方法。
【請求項8】
タッチパネル画面を備えた情報処理装置の情報処理方法であって、
色情報選択指示入力手段によって、少なくとも前記タッチパネル画面の一部に色情報の選択指示入力のための2色以上の色選択アイコンを表示するステップと、
色情報配置指示入力手段によって、前記で選択された色情報を前記タッチパネル画面上に表示された着色用図形のいずれの部分を着色するかを指示入力させるステップと、
比較手段によって、前記で色情報がそれぞれの部分に関連付けられた着色用図形を、あらかじめ記憶手段に記憶された着色済みの規定パターンと比較するステップと、
機能実行手段によって、前記で比較結果が一致したときに、所定の機能を実行するステップとからなる情報処理装置の情報処理方法。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記着色用アイコンまたは着色用図形の着色順情報と、色情報の着色入力をタッチパネル画面上に表示する指示シンボル図形情報とを有しており、
前記色情報配置指示入力手段は、前記指示シンボル図形情報を読み出すステップと、
前記タッチパネル画面上にユーザに入力させる着色用アイコンまたは着色用図形への着色を前記着色順情報にしたがって順次指示するステップとを実行する請求項7または8記載の情報処理装置の情報処理方法。
【請求項10】
前記規定パターンには、あらかじめ色情報とその選択順を意味する選択情報とが関連付けられており、ユーザの色情報配置指示入力手段により選択された色を規定された順番通りに配置することによって前記所定の機能を実行するステップを有する請求項7または8記載の情報処理装置の情報処理方法。
【請求項11】
前記記憶手段は、色情報の着色入力をタッチパネル画面上に表示する指示シンボル図形情報を有しており、
前記色情報配置指示入力手段は、前記指示シンボル図形情報を読み出すステップと、
前記タッチパネル画面上にユーザに入力させる着色用アイコンまたは着色用図形への着色をランダムに指示するステップとを実行する請求項7または8記載の情報処理装置の情報処理方法。
【請求項12】
前記規定パターンは、前記記憶手段に代えて、ネットワークを介して接続されたサーバ装置に記憶されており、
前記色情報配置指示入力手段から入力された着色用アイコンまたは着色用図形の情報をネットワークを介して当該サーバ装置に送信するステップと、
サーバ装置は、当該サーバ装置に記憶された規定パターンと一致するか否かを判定するステップと、
前記で一致したときに、前記サーバ装置から機能実行命令をネットワークを介して返信する請求項7または8記載の情報処理装置の情報処理方法。
【請求項13】
タッチパネル画面を備えた情報処理装置の情報処理プログラムであって、
色情報選択指示入力手段によって、少なくとも前記タッチパネル画面の一部に色情報の選択指示入力のための2色以上の色選択アイコンを表示するステップと、
色情報配置指示入力手段によって、選択された色情報を前記タッチパネル画面上にマトリクス状に配置表示された着色用アイコンのいずれを着色するかを指示入力させるステップと、
比較手段によって、前記で入力された着色用アイコンに着色された色情報を、あらかじめ記憶手段に記憶され、着色済みの規定パターンと比較するステップと、
機能実行手段によって、前記比較結果が一致したときに、所定の機能を実行するステップと、
を情報処理装置に実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−191920(P2011−191920A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56330(P2010−56330)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】