説明

情報取得装置および情報取得方法

【課題】コンテンツデータの欠陥データを補完する補完データの送信を要求するときに、当該補完データの送信要求の実行/非実行を、特定の条件に応じて自動的に制御すること。
【解決手段】放送波処理部20などから入力されるコンテンツのデータに基づいて、関連情報抽出部201がコンテンツ関連情報を抽出し、データ処理部202が映像音声情報を抽出する。エラー検出部203はコンテンツのデータに含まれる欠陥データを検出する。コンテンツ関連情報や映像音声情報、さらに欠陥データを特定するための情報はデータ管理部207に管理されて記憶部60に記憶される。再生部206が記憶されたコンテンツのデータを再生するとき、補完処理部204が、対象コンテンツのコンテンツ関連情報や補完データの送信要求に利用するネットワークIF部22の通信方式に応じて、補完データの送信(要求)を実行/非実行とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツデータのデータ欠陥箇所を補完するための補完データを取得する情報取得装置および情報取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来からの放送形態であって、予定されている時間に放送波やネットワークなどによりコンテンツデータやメタデータが配信されるリアルタイム型の放送サービスだけでなく、情報蓄積型の放送サービスの提供が予定されている。
【0003】
情報蓄積型の放送サービスは、配信されるコンテンツデータやメタデータをテレビやレコーダなどの放送受信装置が管理する記憶媒体に記録させ、記録させたコンテンツデータを後で再生することを許可する放送サービスである。
【0004】
例えば日本では、携帯端末向けマルチメディア放送(以下、マルチメディア放送)と称される放送形態において、主として情報蓄積型の放送サービスの提供が予定されている。
【0005】
このような情報蓄積型の放送サービスにおいて、受信または記録したコンテンツに欠陥箇所が存在する場合には、このコンテンツの再生において支障が生じる。例えば記録したコンテンツの欠陥箇所が映像情報を含む場合には、動画像の停止やブロックノイズの発生を伴って映像が再生されることになる。そこで記録した情報の欠陥を補完する補完データを取得するための様々な手法が提案されている。
【0006】
例えば特許文献1によれば、移動体通信端末が、受信したストリームデータを構成するパケットの誤りを検出して、検出した誤りパケットの連続性に基づいて再送要求するパケットグループを指定(特定)し、この指定(特定)したパケットグループを示す情報を、移動体通信網を介して配信装置に送信して再送を要求する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−259050号公報 (図1 段落0075−0082)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし特許文献1は、受信したテレビジョン放送番組のストリームデータの誤りパケットを検出し、検出した誤りパケットの連続性などに基づいて、通信ネットワークを介して再送要求するパケットグループを指定(特定)する手法を開示したものである。従って、誤りパケットを補完する情報の送信を要求する処理において、テレビジョン放送番組のストリームデータ(コンテンツデータ)に付随する情報(例えばコンテンツのジャンル)や通信ネットワークの通信方式などの特定の条件に応じて情報の送信要求を自動的に制御することはできなかった。
【0009】
そこで本発明は、上述した課題を解決するために、コンテンツデータの欠陥データを補完するための補完データの送信を要求するときに、当該補完データの送信要求の実行/非実行を、特定の条件に応じて自動的に制御することができる情報取得装置および情報取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上述した課題を解決するため、コンテンツデータおよび当該コンテンツデータに係るジャンルを含む関連情報を、放送波から取得するコンテンツ取得手段と、前記コンテンツ取得手段が取得した前記コンテンツデータから欠陥データを検出する検出手段と、前記関連情報に応じて、前記関連情報が特定の情報である場合、前記検出手段が検出した前記欠陥データを補完するための補完データの送信をサーバに対して要求せず、前記関連情報が前記特定の情報でない場合、前記補完データの送信を前記サーバに対して要求する要求手段とを具備することを特徴とするものである。
【0011】
また本発明は上述した課題を解決するため、コンテンツデータおよび当該コンテンツデータに係るジャンルを含む関連情報を、放送波から取得し、取得した前記コンテンツデータから欠陥データを検出し、前記関連情報に応じて、前記関連情報が特定の情報である場合、検出した前記欠陥データを補完するための補完データの送信をサーバに対して要求せず、前記関連情報が前記特定の情報でない場合、前記補完データの送信を前記サーバに対して要求することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンテンツデータの欠陥データを補完するための補完データの送信を要求するときに、当該補完データの送信要求の実行/非実行を、特定の条件に応じて自動的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る情報取得装置であるテレビジョン受像機の構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態における、コンテンツ関連情報に応じて補完データの送信を要求するデータ要求処理などの複数の処理を実行する各ブロックによるシステム構成図。
【図3】図2で説明した各ブロックによって実行される、コンテンツのデータの再生処理に伴うデータ要求処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図4】補完データの送信要求を非実行とする対象となるコンテンツ関連情報や通信方式を設定するための設定画面の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明における実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る情報取得装置であるテレビジョン受像機10の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るテレビジョン受像機10は、放送波処理部20、外部機器IF部21、ネットワークIF部22、操作部30、受光部31、信号処理制御部40、表示器51、スピーカ52、記憶部60などで構成されている。また、放送波処理部20にはアンテナANTが接続されていて、受光部31はリモートコントローラ(以下、リモコンと称する)RCと情報のやりとりを行う。
【0015】
このテレビジョン受像機10は、従来からの放送形態であるリアルタイム型放送サービスだけでなく、マルチメディア放送で予定されている蓄積型放送サービスで放送されるコンテンツの取得や再生に対応する。すなわちテレビジョン受像機10は、テレビジョン受像機10の外部から入力されたコンテンツのデータを記憶して、この記憶したデータを再生することができる。コンテンツのデータには映像音声情報とコンテンツに関連する情報であるコンテンツ関連情報とが含まれる。コンテンツ関連情報はコンテンツに関連し、コンテンツデータに付随する情報であり、例えば、ジャンルや、番組名、チャンネル番号、放送波の種別(例えば地上波デジタル放送波やBSデジタル放送波など)、放送局名などが該当し、メタデータを適用することが可能である。なおマルチメディア放送は、地上波デジタル放送波による提供が予定されているが、将来的に他の放送波への展開も想定されるため、放送波の種別に関する情報も付随される可能性がある。
【0016】
またテレビジョン受像機10は、入力されたコンテンツのデータに含まれる欠陥データや欠落データ(以下、まとめて欠陥データという)を検出する。さらにテレビジョン受像機10は、検出した欠陥データを補完するための補完データの送信を、所定のタイミングでネットワークIF部22を介して接続したネットワーク先の特定のサーバに対して要求する。このときテレビジョン受像機10は、コンテンツ関連情報などの特定の条件に応じて、補完データの取得通知である、特定のサーバに対する補完データの送信要求の実行/非実行を切り替えるように制御することができる。
【0017】
放送波処理部20は、アンテナANTによって受信された地上または衛星によるデジタル放送波やアナログ放送波に対応するチューナおよびデコーダを有する。また放送波処理部20は、アンテナANTが受信した信号を取得して、この取得した信号に対して特定チャンネルの選局処理および復調復号処理を施し、コンテンツの映像音声情報やコンテンツ関連情報などが含まれる信号を信号処理制御部40に出力する。この放送波処理部20は、欠陥データが含まれるデータ(信号)を出力することがある。
【0018】
外部機器IF部21は、HDMI(登録商標)規格やUSB規格、IEEE1394規格などの様々な規格に準じた接続端子および、これらの規格に基づいて必要な情報を抽出する情報抽出部を有する。また外部機器IF部21は、接続端子に接続された外部機器や、外部HDD、メモリカードなどの記憶媒体から、コンテンツのデータを取得して信号処理制御部40へ出力する。
【0019】
ネットワークIF部22は、インターネットや、LAN、WANなどのネットワークに接続するための接続端子および、この接続端子を介して接続したネットワークを利用して通信を行う通信部を有する。またネットワークIF部22は、接続したネットワークを利用した通信により、コンテンツの映像音声情報やコンテンツ関連情報などが含まれる信号を取得して信号処理制御部40へ出力する。さらにネットワークIF部22は、信号処理制御部40からの制御に基づいて、接続したネットワーク先の特定のサーバに対して、欠陥データを補完する補完データの送信を要求する。またネットワークIF部22は、ネットワーク先の記憶媒体からコンテンツの信号を読み出して取得し信号処理制御部40へ出力することも可能である。
【0020】
本実施形態では、ネットワークIF部22は、欠陥データが含まれるデータ(信号)を取得するだけでなく、この欠陥データを補完するための補完データの送信を要求し、この要求に応じて送信された補完データも取得して出力する。なお、物理規格や論理規格などが異なる複数の通信方式に対応すべく、複数のネットワークIF部22が備えられる実施形態であってもよい。このとき、複数のネットワークIF部22の中から何れが利用されるかは、信号処理制御40からの制御に基づいて、または、複数のネットワークIF部22の間で交わされるネゴシエーションに基づいて決定される。ここで通信方式には、例えば、携帯電話網などの無線網を利用した通信方式や、ADSLなどの固定通信網を利用した通信方式などが適用できる。
【0021】
操作部30は、テレビジョン受像機10を操作するための操作入力の情報を受信して信号処理制御部40へ出力する。同様に受光部31は、リモコンRCからの操作入力の情報を受光(受信)して信号処理制御部40へ出力する。この操作部30またはリモコンRCは、放送波処理部20、外部機器IF部21またはネットワークIF部22の何れからの信号を取得するかを選択する選択キー、補完データの送信の要求を非実行とする項目を設定するための画面操作キーなどを備えている。
【0022】
信号処理制御部40は、入力されたコンテンツのデータの再生処理を実行する。具体的には、信号処理制御部40は、操作部30や受光部31からの操作入力などの情報に応じて、放送波処理部20や外部機器IF部21、ネットワークIF部22などから入力された信号に対して、圧縮されたコンテンツデータの伸張処理や、コンテンツ関連情報に対する情報抽出処理などの様々な処理を施す。また信号処理制御部40は、入力された信号に対して、映像信号と音声信号の分離処理や、MPEG符号化/復号化演算処理、映像の画質調整処理などの様々な処理を施して表示器51へ映像信号を出力し、スピーカ52へ音声信号を出力する。
【0023】
さらに信号処理制御部40は、制御部としてCPUまたはマイコン(不図示)を備えていて、信号処理制御部40自身に備えられた各モジュールや信号処理制御部40に接続された各モジュールを利用して、再生処理を含む複数の処理の実行を制御する。
【0024】
本実施形態では、信号処理制御部40は、入力された蓄積型放送サービスのコンテンツのデータを記憶するために記憶部60にデータを出力し、再生処理のために記憶部60からデータを読み出すデータ管理処理を実行する。また信号処理制御部40は、入力されたコンテンツのデータに含まれる欠陥データを検出するエラー検出処理や、検出した欠陥データを補完するための補完データの送信を、所定のタイミングでネットワークIF部22を介して要求するデータ要求処理を実行する。信号処理制御部40は、このデータ要求処理において、例えば、対象のコンテンツのジャンルといったコンテンツ関連情報などの特定の条件に応じて、補完データの送信要求の実行/非実行を制御することができる。
【0025】
表示器51は、信号処理制御部40から入力された映像信号を表示する表示モジュールである。例えば、表示器51は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;以下、LCDとも称する)やPDP(Plasma Display Panel)などの薄型ディスプレイである。
【0026】
スピーカ52は、信号処理制御部40から入力された音声信号を出力する。
記憶部60は、信号処理制御部40から出力されたコンテンツの映像音声情報やコンテンツ関連情報といったデータを記憶し、特定のデータを信号処理制御部40によって読み出される。この記憶部60は、コンテンツの映像音声情報やコンテンツ関連情報だけでなく、コンテンツのデータに含まれる欠陥データを特定するための欠陥データ情報、補完データの送信要求を非実行とする対象となるコンテンツ関連情報および通信方式を特定する情報である要求非実行情報なども記憶する。例えば記憶部60には、HDDや半導体メモリなどを適用することができる。
【0027】
なお、信号処理制御部40は、放送波処理部20や外部機器IF部21、ネットワークIF部22などから入力された映像音声信号に対して上述した複数の処理を施すのではなく、記憶部60やテレビジョン受像機10に接続された記憶媒体(不図示)から入力された映像音声信号に対して、上述した複数の処理を施す実施形態であってもよい。また信号処理制御部40は、コンテンツのデータとして映像音声信号だけでなく、テキスト情報に対しても上述した複数の処理を施すことも可能である。さらに信号処理制御部40がエラー検出処理を実行するのではなく、コンテンツのデータを取得するブロックである、放送波処理部20や外部機器IF部21、ネットワークIF部22などがエラー検出処理を実行して、この処理結果を信号処理制御部40に通知してもよい。
【0028】
本実施形態は、本発明に係る構成を適用した情報取得装置としてテレビジョン受像機を例とした形態である。しかし、本実施形態に係る情報取得装置の主たる構成と同様の構成の、HDDレコーダ、DVDレコーダ、パーソナルコンピュータ、移動携帯端末、セットトップボックスなどを例とした形態であっても構わない。すなわち、表示器51やスピーカ52は、本発明に係る構成を適用した情報取得装置の外部に接続される実施形態であってもよい。そして本発明の実施形態では、例えば放送波種別、コンテンツのデータ形式、または信号取得経路などといった項目に関して様々な態様を適用することができる。
【0029】
このような構成により、本発明の実施形態に係るテレビジョン受像機10は、コンテンツデータに含まれる欠陥データを検出すると共に、検出した欠陥データを補完するための補完データの送信を、コンテンツ関連情報に応じて所定のタイミングで、ネットワークIF部22を介して接続したネットワーク先の特定のサーバに対して要求する。すなわちテレビジョン受像機10は、コンテンツデータの欠陥データを補完するための補完データの送信を接続したネットワーク先の特定のサーバに対して要求しようとするときに、当該補完データの送信要求の実行/非実行を、特定の条件に応じて自動的に制御することができる。そして、これらの複数の処理は主に信号処理制御部40が実行するものである。
【0030】
次に、図2を用いて、図1で説明した信号処理制御部40に備えられ、コンテンツ関連情報に応じて補完データの送信を要求するデータ要求処理などの複数の処理を実行する各ブロックを説明する。
【0031】
図2は、本実施形態における、コンテンツ関連情報に応じて補完データの送信を要求するデータ要求処理などの複数の処理を実行する各ブロックによるシステム構成図である。
【0032】
本実施形態に係る信号処理制御部40は、関連情報抽出部201、データ処理部202、エラー検出部203、補完処理部204、OSD生成部205、再生部206、データ管理部207などを備えている。
【0033】
関連情報抽出部201は、放送波処理部20や外部機器IF部21、ネットワークIF部22などから入力された信号からコンテンツ関連情報を抽出して、抽出したコンテンツ関連情報をOSD生成部205やデータ管理部207などへ出力する。例えば、MPEGフォーマットのコンテンツデータである場合には、映像音声パケットから分離されるセクションからコンテンツ関連情報を抽出する。
【0034】
データ処理部202は、放送波処理部20や外部機器IF部21、ネットワークIF部22などから入力されたデータに含まれる映像音声情報に対する復調・復号処理などを実行して、例えば再生部206といった後段で処理できる形式に変換された映像音声情報を再生部206やデータ管理部207などへ出力する。
【0035】
エラー検出部203は、放送波処理部20や外部機器IF部21、ネットワークIF部22などから入力された情報に含まれる欠陥データを検出して、この欠陥データを特定するための欠陥データ情報をデータ管理部207へ出力する。またエラー検出部203は、データ管理部207を介して記憶部60から読み出した映像音声情報に含まれる欠陥データを検出して、この欠陥データを特定するための欠陥データ情報を再度データ管理部207や保管処理部204へ出力してもよい。エラー検出部203は、例えば、放送波処理部20や外部機器IF部21、ネットワークIF部22などから入力された情報(コンテンツデータ)がMPEGフォーマットに準拠した情報である場合、映像や音声などに分離されるパケットに付加されている巡回カウンタの連続性に基づいて、パケット単位で欠陥データを検出することができる。
【0036】
補完処理部204は、データ管理部207から入力されたコンテンツを特定する情報に基づいて、このコンテンツに関連し記憶部60に記憶された、例えばジャンルといったコンテンツ関連情報および、このコンテンツに対応する欠陥データ情報の送出をデータ管理部207へ要求する。また補完処理部204は、データ管理部207から送出されたこれらの情報に基づいて、欠陥データを補完するための補完データの送信を、ネットワークIF部22を介して特定のサーバ等に対して要求する。このとき補完処理部204は、コンテンツ関連情報に応じた特定のコンテンツに対する補完データの送信要求や、利用するネットワークIF部22の通信方式に応じた特定の通信方式を利用する補完データの送信要求を実行または非実行とする。さらに補完処理部204は、ネットワークIF部22を介して取得した補完データを、再生部206やデータ管理部207に出力する。
【0037】
OSD生成部205は、関連情報抽出部201やデータ管理部207などから入力されたコンテンツ関連情報に基づいてOSDを生成し、生成したOSDに係る映像信号を映像信号合成部(不図示)を介して表示器51へ出力する。この映像信号合成部(不図示)は、入力された複数の映像信号を合成して出力するブロックである。またOSD生成部205は、欠陥データの送信要求を非実行とする対象となるコンテンツ関連情報や通信方式を設定するためのOSDを生成する。
【0038】
再生部206は、データ処理部202やデータ管理部207などから入力された映像情報に基づいて、この映像情報を再生するためのデコード処理などを施した映像信号を映像信号合成部(不図示)を介して表示器51へ出力する。また再生部206は、データ処理部202やデータ管理部207などから入力された音声情報に基づいて、この音声情報を再生するためのデコード処理などを施した音声信号をスピーカ52へ出力する。さらに再生部206は、映像情報や音声情報だけでなく補完処理部204から入力される補完データを欠陥データに置き換えて、映像情報や音声情報の再生に利用する。
【0039】
データ管理部207は、関連情報抽出部201から入力されたコンテンツ関連情報や、データ処理部202から入力された映像音声情報、エラー検出部203から入力された欠陥データ情報などを、それぞれ関連付けて記憶部60へ記憶する。またデータ管理部207は、補完処理部204から送出を要求されたコンテンツ関連情報および欠陥データ情報や、OSD生成部205から送出を要求されたコンテンツ関連情報、再生部206から送出を要求された映像音声情報などを記憶部60から読み出して、読み出したそれぞれの情報を要求されたそれぞれのブロックへ出力する。すなわちデータ管理部207は、記憶部60への情報の記憶処理および記憶部60からの情報の読み出し処理の動作を管理する。さらにデータ管理部207は、再生部206が再生するコンテンツを特定する情報を補完処理部204へ出力する。
【0040】
このようなシステムの構成により、本発明の実施形態に係る信号処理制御部40の一部は、コンテンツのデータの再生処理や、記憶部60に対するデータ管理処理、コンテンツのデータに含まれる欠陥データを検出するエラー検出処理だけでなく、例えばジャンルといったコンテンツ関連情報に応じて補完データの送信要求を実行または非実行とするデータ要求処理を実行することができる。
【0041】
次に、図3を用いて、図2で説明した各ブロックによって実行される、欠陥データを含むコンテンツのデータの再生処理に伴うデータ要求処理の動作を説明する。
図3は、図2で説明した各ブロックによって実行される、コンテンツのデータの再生処理に伴うデータ要求処理の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、再生処理の対象となるコンテンツが選択される(S301)。コンテンツの選択は、テレビジョン受像機10の利用者が、表示器51に提示されたコンテンツを選択するためのGUI画面であるコンテンツ選択画面(不図示)を利用して操作部30やリモコンRCなどによりこのコンテンツ選択画面を操作し、この操作入力の情報を再生部206が受けることで実行される。
【0042】
そして再生部206は、ステップ(S301)で選択されたコンテンツの映像音声情報をデータ管理部207を介して記憶部60から取得する。またデータ管理部207は、再生部206によって再生されるコンテンツを特定する情報を補完処理部204へ出力する。そして補完処理部204は、データ管理部207から通知された再生されるコンテンツを特定する情報に基づいて、このコンテンツに関連し記憶部60に記憶されたコンテンツ関連情報および欠陥データ情報をデータ管理部207へ要求して取得する(S302)。また補完処理部204は、再生されるコンテンツのコンテンツ関連情報および欠陥データ情報だけでなく、補完データの送信要求を非実行とする対象となるコンテンツ関連情報および通信方式を特定する情報である要求非実行情報もデータ管理部207へ要求して取得する。
【0043】
さらに補完処理部204は、取得した要求非実行情報に基づいて、データ管理部207から送出された、再生されるコンテンツのコンテンツ関連情報が、補完データの送信要求を非実行とする対象のコンテンツ関連情報であるかを判断する(S303)。
【0044】
ここで再生されるコンテンツのコンテンツ関連情報が、補完データの送信要求を非実行とする対象のコンテンツ関連情報ではない場合(S303のNo)、補完処理部204は更に、取得した要求非実行情報に基づいて、補完データの送信要求に利用することを非実行とする対象となる通信方式以外のネットワークIF部22が利用可能か否かを判断する(S304)。
【0045】
そして、補完データの送信要求に利用することを非実行とする対象となる通信方式以外のネットワークIF部22が利用可能である場合(S304のYes)、補完処理部204は、データ管理部207から送出された欠陥データ情報に基づいて、欠陥データを補完するための補完データの送信を、ネットワークIF部22を介して特定のサーバ等に対して要求する(S305)。
【0046】
再生部206は、補完処理部204がネットワークIF部22を介して要求して特定のサーバ等から取得した補完データと、データ管理部207を介して記憶部60から取得した映像音声情報とに基づいて、欠陥データを補完データにより補完することができるコンテンツのデータを再生する(S306)。また再生部206は、データ管理部207から送出されたコンテンツ関連情報が、補完データの送信要求を非実行とする対象のコンテンツ関連情報である場合(S303のYes)や、補完データの送信の要求に利用することを非実行とする対象となる通信方式以外のネットワークIF部22が利用可能でない場合(S304のNo)には、補完処理部204が補完データを取得しないので、欠陥データを含んだコンテンツのデータを再生する(S306)ことになる。
【0047】
このようにして、図2で説明した各ブロックによって、欠陥データを含むコンテンツのデータの再生処理に伴うデータ要求処理の動作が実行される。そして、コンテンツのデータの再生処理に伴うデータ要求処理では、再生の対象となるコンテンツの関連情報に応じて、関連情報が特定の情報である場合、このコンテンツの欠陥データを補完するための補完データの送信をサーバに対して要求せず、関連情報が特定の情報でない場合、この補完データの送信を前記サーバに対して要求する動作が、主に補完処理部204によって実行される。
【0048】
従って、コンテンツのデータの再生処理に伴うデータ要求処理が実行されることで、例えば、ジャンルが音楽のコンテンツを再生するときには補完データの送信要求を実行し、ジャンルがスポーツのコンテンツを再生するときには補完データの送信要求を非実行とすることができる。すなわち、テレビジョン受像機10の利用者は、欠陥データを含むコンテンツの再生において、再生に支障があってもいいジャンルと、再生に支障がないことが望まれるジャンルとで、補完データの送信要求の実行/非実行を選択することが可能となる。また、通信方式により通信コストや通信速度などが異なる場合において、テレビジョン受像機10の利用者は、特定の通信方式を利用する補完データの送信を非実行とすることも可能となる。
【0049】
なおデータ要求処理の動作が、コンテンツのデータの再生処理に伴うのではなく、例えば、コンテンツのデータの移動やコピーなどの動作に伴って実行される実施形態であってもよい。
【0050】
また、データ要求処理の動作が、コンテンツのデータの再生、移動またはコピーなどの動作に伴って実行されるのではなく、エラー検出部203が欠陥データを検出するたびに実行される実施形態であってもよい。しかしコンテンツのデータの再生、移動またはコピーなどが実行されずにコンテンツのデータが削除されることもあるので、データ要求処理の動作が、コンテンツのデータの再生、移動またはコピーなどの動作に伴って実行されることが好ましい。
【0051】
ここで、コンテンツの再生などの処理が開始される時には、補完データの送信要求を非実行とする対象となるコンテンツ関連情報や通信方式が既に決定されていることが必要である。
【0052】
すなわち、コンテンツのデータに対する処理を開始する前に、対象となるコンテンツに関するコンテンツ関連情報を判断し、さらに補完データの送信要求に利用する通信方式を判断するので、本発明の実施形態に係るテレビジョン受像機10は、コンテンツデータの欠陥データを補完するための補完データの送信を要求するときに、当該補完データの送信要求の実行/非実行を、特定の条件に応じて自動的に制御することができる。
【0053】
次に、図4を用いて、補完データの送信要求を非実行とする対象となるコンテンツ関連情報や通信方式を設定するための設定画面の例を説明する。
図4は、補完データの送信要求を非実行とする対象となるコンテンツ関連情報や通信方式を設定するための設定画面の例を示す図である。
図3で説明したように、コンテンツに対する処理が開始される時には、補完データの送信要求を非実行とする対象となるコンテンツ関連情報や通信方式が既に決定されている必要があり、テレビジョン受像機10の利用者は予めこれらを設定する操作を行うことができる。
【0054】
補完データの送信要求を非実行とする項目設定画面は、ジャンル、キーワード1、2、または番組名といったコンテンツ関連情報や、通信方式などのそれぞれの項目を設定するための領域を有する。図4の例では、ジャンルとして“スポーツ”、キーワード1として“サッカー”、さらに通信方式として“無線1”が設定されていて、キーワード2、番組名は設定されていない状態である。
【0055】
この例の設定が行われた場合では、コンテンツに対する処理に伴って、対象コンテンツのコンテンツ関連情報が、ジャンルが“スポーツ”またはキーワードが“サッカー”である場合、または、通信方式が“無線1”のネットワークIF部22を利用する場合において、補完データの送信要求が非実行とされる。また、対象コンテンツの他のキーワードや番組名に対して、補完データの送信要求が非実行とされることはない。
【0056】
すなわち、コンテンツ関連情報に関する複数の項目および通信方式は全てOR条件で判定されるが、例えば、コンテンツ関連情報に関する複数の項目内ではAND条件で判定されても構わない。このとき、例えば図4の例では、対象コンテンツのコンテンツ関連情報が、ジャンルが“スポーツ”且つキーワードが“サッカー”である場合、または、通信方式が“無線1”のネットワークIF部22を利用する場合において、補完データの送信要求が非実行と判定される。
【0057】
このようにして、テレビジョン受像機10の利用者は、図4に示した設定画面などを用いて、補完データの送信要求を非実行とする対象となるコンテンツ関連情報や通信方式を設定することが可能となる。従って、再生対象となるコンテンツが、再生に支障があってもいいジャンルか、再生に支障がないことが望まれるジャンルかという利用者の意思を反映して、補完データの送信要求の実行/非実行を、特定の条件に応じて自動的に制御することができる。
【0058】
なお、補完データの送信要求を非実行とする対象となる項目として、特にコンテンツ関連情報に関しては、テレビジョン受像機10の利用者が設定するのではなく、テレビジョン受像機10の内部で管理されるコンテンツ関連情報(例えばジャンル)ごとの再生頻度に基づいて設定する実施形態でもよい。このコンテンツ関連情報ごとの再生頻度の管理は、例えば再生部206がコンテンツのデータを再生するたびに、補完処理部204やデータ管理部207などへこの再生対象のコンテンツのコンテンツ関連情報を通知して、補完処理部204やデータ管理部207が、コンテンツ関連情報毎の再生履歴を監視することで実現することが可能である。
【0059】
この実施形態においては、例えば、ジャンルが音楽のコンテンツの再生頻度が高く、ジャンルがスポーツのコンテンツの再生頻度が低い場合に、音楽のコンテンツを再生するときには補完データの送信要求を実行し、スポーツのコンテンツを再生するときには補完データの送信要求を非実行とすることを、コンテンツのジャンルに応じて、自動的に制御することが可能となる。
【0060】
以上説明したように本実施形態によれば、特定のコンテンツのデータに対する補完データの送信要求を実行する前に、例えば対象となるコンテンツのコンテンツ関連情報や送信要求に利用される通信方式などを判定するので、コンテンツデータの欠陥データを補完するための補完データの送信を要求するときに、当該補完データの送信要求の実行/非実行を、特定の条件に応じて自動的に制御することができる
【0061】
また本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0062】
10…テレビジョン受像機、20…放送波処理部、21…外部機器IF部、22…ネットワークIF部、30…操作部、31…受光部、40…信号処理制御部、51…表示器、52…スピーカ、60…記憶部、201…関連情報抽出部、202…データ処理部、203…エラー検出部、204…補完処理部、205…OSD生成部、206…再生部、207…データ管理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータおよび当該コンテンツデータに係るジャンルを含む関連情報を、放送波から取得するコンテンツ取得手段と、
前記コンテンツ取得手段が取得した前記コンテンツデータから欠陥データを検出する検出手段と、
前記関連情報に応じて、前記関連情報が特定の情報である場合、前記検出手段が検出した前記欠陥データを補完するための補完データの送信をサーバに対して要求せず、前記関連情報が前記特定の情報でない場合、前記補完データの送信を前記サーバに対して要求する要求手段と、
を具備することを特徴とする情報取得装置。
【請求項2】
前記要求手段が要求した前記補完データを取得する補完データ取得手段と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の情報取得装置。
【請求項3】
前記コンテンツ取得手段が取得した前記コンテンツデータと前記補完データ取得手段が取得した前記補完データとに基づいて再生する再生手段と、
をさらに具備し、
前記要求手段は、前記再生手段が再生する前に前記送信を要求することを特徴とする請求項2に記載の情報取得装置。
【請求項4】
前記要求手段は、前記関連情報ごとの再生頻度に基づいて、前記再生手段による前記再生の対象となる前記コンテンツデータに係る前記関連情報の前記再生頻度が所定レベルよりも低い場合、前記送信を要求しないことを特徴とする請求項3に記載の情報取得装置。
【請求項5】
前記コンテンツ取得手段が取得した前記コンテンツデータを保存すると共に、当該保存されたコンテンツデータを移動又はコピーするように制御する制御手段と、
をさらに具備し、
前記制御手段が、前記移動又は前記コピーする前に前記要求手段が前記送信を要求することを特徴とする請求項2に記載の情報取得装置。
【請求項6】
前記要求手段は、前記補完データ取得手段による前記補完データの取得に利用するネットワークの通信方式が特定の通信方式である場合、前記送信を要求しないことを特徴とする請求項2から5の何れか1に記載の情報取得装置。
【請求項7】
コンテンツデータおよび当該コンテンツデータに係るジャンルを含む関連情報を、放送波から取得し、
取得した前記コンテンツデータから欠陥データを検出し、
前記関連情報に応じて、前記関連情報が特定の情報である場合、検出した前記欠陥データを補完するための補完データの送信をサーバに対して要求せず、前記関連情報が前記特定の情報でない場合、前記補完データの送信を前記サーバに対して要求する、
ことを特徴とする情報取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−120016(P2011−120016A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275772(P2009−275772)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】