説明

情報呈示装置

【課題】多数のユーザが同時且つ良好に確認できるように関連情報を呈示すること。
【解決手段】情報呈示装置は、所定の撮影範囲を有し、当該撮影範囲内の対象物に固定された光学的な特徴を有する特徴点の一つであるマーカ26を撮影するカメラを含む画像入力部10と、上記マーカ26と上記カメラの位置姿勢を検出する位置姿勢検出部14と、上記位置姿勢検出部14で検出した位置姿勢に基づいて、上記マーカ26に関連した関連情報を生成する関連情報生成部18と、上記カメラに対して所定の位置姿勢で配置され、上記関連情報生成部18で生成した情報を投影するプロジェクタを含む投影部24と、上記位置姿勢検出部14で検出した位置姿勢に基づいて、上記プロジェクタを制御する投影制御部22と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を呈示する情報呈示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、撮影した対象画像(マーカ像)を認識し、それによってその対象画像に関連する情報を呈示する情報呈示装置が各種提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、画像入力手段の情報から撮影時の焦点距離と画像切出しサイズとから画角を得る光学情報手段、画角に基づいて撮影者位置及び撮影方向を算出する算出手段、を備えた画像情報付加装置と、一対の図柄を有した標識手段と、標識手段を撮像する方向と同一方向における背景画像とこれに付随する付随情報とを格納した情報格納手段と、を備えた画像情報付加システムであって、一対の図柄の撮影画像から撮影者位置と撮影方向を算出し、これに基づいて情報格納手段から入手した背景画像情報を加工処理して同一視野の背景画像情報を取得するとともに付随情報を取得し、同一視野の背景画像と付随情報を表示する画像情報付加システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、プロジェクタなどの画像投影手段を用いてマーカを投影するシステムが開示されている。
【特許文献1】特開2003−244488号公報
【特許文献2】特開2002−324239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の情報呈示装置では、ノートPCやPDA等を用いて、作業者に保守・点検等に必要な支援情報を、実際に撮影した対象物の画像に重畳呈示することが行われてきた。しかしながら、実際の作業現場で使用するには、PDA等では画面が小さくて、作業者が支援情報を確認するのに不便である。
【0006】
また、作業者が数名程度である場合には問題とはならないが、大勢の作業者がノートPCなどの画面上に呈示された支援情報を用いて同時に作業することは困難であった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、多数の作業者等の多数のユーザが同時且つ良好に確認できるように関連情報を呈示可能な情報呈示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報呈示装置の一態様は、
所定の撮影範囲を有し、当該撮影範囲内の対象物に固定された光学的な特徴を有する特徴点を撮影する撮影手段と、
上記特徴点と上記撮影手段の位置姿勢を検出する位置姿勢検出手段と、
上記位置姿勢検出手段で検出した位置姿勢に基づいて、上記特徴点に関連した関連情報を生成する関連情報生成手段と、
上記撮影手段に対して所定の位置姿勢で配置され、上記関連情報生成手段で生成した情報を投影する投影手段と、
上記位置姿勢検出手段で検出した位置姿勢に基づいて、上記投影手段を制御する投影制御手段と、
を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、投影手段を用いて特徴点を持つ対象物に関連情報を直接呈示するようにし、その際に、対象物を撮影手段で撮影して特徴点に対する撮影手段の位置姿勢を検出することで、その撮影手段に対し所定の位置姿勢で配置されている投影手段の上記特徴点に対する位置姿勢を検出して、その検出した特徴点に対する投影手段の位置姿勢に応じて投影手段を制御するようにしているので、多数のユーザが同時且つ良好に確認できるように関連情報を呈示可能な情報呈示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報呈示装置の構成を示す図で、該情報呈示装置は、画像入力部10、マーカ検出部12、位置姿勢検出部14、マーカ情報格納部16、関連情報生成部18、関連情報格納部20、投影制御部22、及び投影部24から構成されている。
【0012】
ここで、上記画像入力部10は、所定の撮影範囲を有するカメラを含み、そのカメラによって対象物及びその対象物に固定された光学的な特徴を有する特徴点を撮影する。なお、本実施形態では、特徴点を、対象物に貼られているマーカ26とする。このマーカ26は、予め定められた形状の枠部と、その内部に記された文字を含む記号や意匠とから構成される。勿論、本発明は、そのようなマーカ26に限定されるものではなく、例えば、バーコード等の情報を符号化したシンボル、対象物を構成する直線、線分の交点、四角枠の少なくとも3頂点、等、光学的に識別可能な特徴を有するものであれば、どのような特徴点であっても構わない。
【0013】
上記画像入力部10のカメラにより取得した画像は、マーカ検出部12に入力される。このマーカ検出部12は、マーカ情報格納部16に格納されている情報に基づいて、入力された画像内から上記マーカ26の画像を検出し、対応するマーカ26を同定する。そして、その同定結果を位置姿勢検出部14に供給する。
【0014】
位置姿勢検出部14は、上記マーカ検出部12からの同定結果を用いて、マーカ情報格納部16に格納されている情報に基づいて、上記同定したマーカ26に対する画像入力部10のカメラの位置姿勢を検出し、関連情報生成部18に供給する。
【0015】
なお、マーカ情報格納部16には、マーカ26のテンプレート画像やマーカ26の属するエリア情報、マーカ26の配置されている位置姿勢情報等のマーカ26に関する情報が格納されている。
【0016】
関連情報生成部18は、上記位置姿勢検出部14で検出した上記画像入力部10のカメラの位置姿勢に応じて、関連情報格納部20から各マーカ26に直接又は間接に関連付けられた情報を抽出し関連情報を生成し、投影部24に供給する。なお、関連情報格納部20には、モデル空間上に配置されたモデルの位置姿勢情報や形状情報、属性情報、色情報等の関連情報が格納されている。
【0017】
投影制御部22は、上記位置姿勢検出部14からの検出結果に基づいて投影する条件を制御し、投影部24に指示する。例えば、それぞれの条件についてテーブルなどを保持し、検出した位置姿勢に最適な条件選択して投影することが可能である。
【0018】
投影部24は、上記画像入力部10のカメラに対して所定の位置姿勢で配置されたプロジェクタを含み、上記関連情報生成部18から得られた情報を、投影制御部22の指示による条件で投影する。これにより、対象物の表面等に、関連情報の画像28が投影呈示される。なお、「カメラに対して所定の位置姿勢で配置されたプロジェクタ」とは、カメラとプロジェクタとの配置関係が固定された一体型の構成であっても良いし、別体であっても所定の位置姿勢で設置されたものであっても良い。また、位置姿勢関係が予め決められた位置姿勢に配置されていなくても、何らかの手法によってカメラに対するプロジェクタの位置姿勢が検出できるのであれば、その検出した位置姿勢をもって「所定の位置姿勢で配置された」と見なすことができる。
【0019】
図2は、本実施形態に係る情報呈示装置の動作フローチャートを示す図である。
【0020】
まず、画像入力部10のカメラでマーカ26を撮影した画像をマーカ検出部12に入力する(ステップS10)。マーカ検出部12では、画像内からマーカ26の予め定められた形状、本実施形態では四角枠である枠部を検出する(四角枠の検出は、公知の画像処理手法であるので、説明は省略する)。ここで、そのような枠部が検出できなければ、即ち、特徴点であるマーカ26が検出できなければ(ステップS12)、上記ステップS10に戻る。
【0021】
これに対して、特徴点が検出できたならば、次に、検出した四角枠の四隅の画像内での座標を検出し、四角枠の内部を抽出してアフィン変換を行い、アフィン変換後の画像とマーカ情報格納部16に予め登録してあるマーカ26のテンプレート画像とのパターンマッチングを行うことで、マーカ26の同定(この場合、マーカ26の枠部内部に記された記号や意匠が「50」のマーカであることの同定)を行う(ステップS14)。ここで、マーカ26のテンプレート画像と一致しない画像であれば、即ち、対象物の特徴点でなければ(ステップS16)、マーカ26として検出せずに、上記ステップS10に戻る。
【0022】
こうしてマーカ26が同定されると、マーカ情報格納部16から対応するマーカの空間定位情報(マーカ26の属するエリア情報、マーカ26の配置されている位置姿勢情報)を入手できるので、位置姿勢検出部14では、画像内でのマーカ26の四隅の位置から画像入力部10のカメラの位置姿勢を検出することが可能になる(ステップS18)。
【0023】
投影制御部22は、この位置姿勢検出部14から得られた位置姿勢情報に基づいて、投影するのに最適な歪補正、絞り、ズーム、フォーカスなどのパラメータを選択して、投影部24へパラメータ変更を指示する(ステップS20)。
【0024】
また、関連情報生成部18は、上記位置姿勢検出部14で検出した上記画像入力部10のカメラの位置姿勢に応じて、関連情報格納部20から予め設定された情報を抽出し関連情報を生成し、投影部24に供給する(ステップS22)。例えば、関連情報格納部20には、マーカ26の枠部内部に記された記号や意匠が「50」のマーカに関しては、対応する対象物の3次元モデルのモデル空間でマーカ26の下に配されたアノテーション情報(「エリア1」、「マーカ50」等)が関連情報として格納されている。関連情報生成部18は、その関連情報を読み出して、上記画像入力部10のカメラの位置姿勢に応じてそれを変形して(傾きを変更したり、情報の大きさを変更したりする)投影部24に供給する。
【0025】
これにより、良好な情報を提供することができ、且つ、作業者が投影するのに最適な歪み補正、絞り、ズーム、フォーカスなどのパラメータを選択するといった煩雑な操作を行う必要がなくなる。
【0026】
図3(A)は、本実施形態に係る情報呈示装置での、対象物が近距離にある場合についての情報呈示の例を示す図であり、図3(B)は、対象物が遠距離にある場合についての情報呈示の例を示す図である。
【0027】
通常、投影部24のプロジェクタで投影する画像は、プロジェクタから対象物30への距離が遠くなると比例して大きくなるが、距離が遠すぎると対象物30より投影している関連情報の画像28の方が大きくなってしまう。こうした場合、対象物30全体に関連情報の画像28が投影されて対象物30が認知しにくく作業性が悪いという問題が生じる。そこで、本実施形態では、投影制御部22では、位置姿勢検出部14で得られた対象物30までの距離に応じて、投影する関連情報の画像28が対象物30に対して適切な大きさとなるように、ズームのパラメータを設定し、投影部24へ指示する。
【0028】
また、ズームだけでは、関連情報の画像28が確認しにくくなることもあるので、必要に応じて、関連情報生成部18から投影部24に供給する関連情報の大きさを変更する。
【0029】
以上のように、本第1実施形態に係る情報呈示装置では、投影部24のプロジェクタを用いて特徴点であるマーカ26を持つ対象物30に関連情報の画像28を直接投影呈示するようにし、その際に、マーカ26を画像入力部10のカメラで撮影してマーカ26に対するプロジェクタの位置姿勢を検出することで、そのカメラに対し所定の位置姿勢で配置されているプロジェクタの上記マーカ26に対する位置姿勢を検出して、その検出したマーカ26に対するプロジェクタの位置姿勢に応じて、プロジェクタの歪補正、絞り、ズーム、フォーカスの内の少なくとも一つや、プロジェクタで投影する情報の大きさを制御するようにしているので、多数のユーザが同時且つ良好に確認できるように関連情報を呈示可能となる。
【0030】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
【0031】
本第2実施形態に係る情報呈示装置の構成は、上記第1実施形態に係る情報呈示装置の構成と同様であるので、その説明は省略する。
【0032】
図4は、本第2実施形態に係る情報呈示装置の動作フローチャートを示す図である。
【0033】
即ち、本実施形態においては、まず、投影制御部22は、投影部24のプロジェクタの投影を行わないように、投影部24を制御する(ステップS30)。但しこの場合、プロジェクタは、実際の投影は行わないが、待機状態に設定しておくことが好ましい。
【0034】
その後、上記第1実施形態と同様に、画像入力部10のカメラでマーカ26を撮影した画像をマーカ検出部12に入力する(ステップS10)。マーカ検出部12では、画像内からマーカ26の予め定められた形状、本実施形態では四角枠である枠部を検出する(四角枠の検出は、公知の画像処理手法であるので、説明は省略する)。ここで、そのような枠部が検出できなければ、即ち、特徴点であるマーカ26が検出できなければ(ステップS12)、上記ステップS10に戻る。
【0035】
これに対して、特徴点が検出できたならば、次に、検出した四角枠の四隅の画像内での座標を検出し、四角枠の内部を抽出してアフィン変換を行い、アフィン変換後の画像とマーカ情報格納部16に予め登録してあるマーカ26のテンプレート画像とのパターンマッチングを行うことで、マーカ26の同定を行う(ステップS14)。ここで、マーカ26のテンプレート画像と一致しない画像であれば、即ち、対象物30の特徴点でなければ(ステップS16)、マーカ26として検出せずに、上記ステップS10に戻る。
【0036】
こうしてマーカ26が同定されると、マーカ情報格納部16から対応するマーカの空間定位情報(マーカ26の属するエリア情報、マーカ26の配置されている位置姿勢情報)を入手できるので、位置姿勢検出部14では、画像内でのマーカ26の四隅の位置から画像入力部10のカメラの位置姿勢を検出することが可能になる(ステップS18)。
【0037】
ここで、投影制御部22は、この位置姿勢検出部14から得られた位置姿勢情報に基づいて、検出した位置や姿勢が、距離、傾きなどの条件で投影するのに適切であるか否かを判別する(ステップS32)。そして、投影するのに適切ではないと判断した場合には、上記ステップS10に戻ることで、情報の投影は実施しない。
【0038】
これに対して、位置姿勢が投影するのに適切であると判別した場合には、関連情報生成部18は、上記位置姿勢検出部14で検出した上記画像入力部10のカメラの位置姿勢に応じて、関連情報格納部20から予め設定された情報を抽出し関連情報を生成し、投影部24に供給する(ステップS22)。
【0039】
そして、投影制御部22は、この時点で初めて投影部24のプロジェクタからの投影を開始するよう、投影部24のプロジェクタを制御する(ステップS34)。この場合、上述したように、投影開始前にプロジェクタを予め待機状態にしておけば、直ちに情報が投影されるため、作業に支障がでることはない。
【0040】
以上のように、本第2実施形態による情報呈示装置においては、投影制御部22は、上記マーカに対して画像入力部10のカメラが所定の位置姿勢になった時に、プロジェクタに情報を投影させるよう制御する、つまり、不要な投影をしないように制御するので、消費電力を低減することが可能となる。
【0041】
なお、図4のフローチャートでは、所定の位置姿勢になっていると判別したときに関連情報を生成するようにしたが、関連情報を生成した後に、判別するようにしても構わない。
【0042】
また、上記投影制御部22は、上記第1実施形態に係る情報呈示装置と同様に、位置姿勢検出部14から得られた位置姿勢情報に基づいて、投影するのに最適な歪補正、絞り、ズーム、フォーカスなどのパラメータを選択して、投影部24を制御することが好ましい。
【0043】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
【0044】
本第3実施形態に係る情報呈示装置の構成は、上記第1実施形態に係る情報呈示装置の構成と同様であるので、その説明は省略する。
【0045】
図5は、本第3実施形態に係る情報呈示装置の動作フローチャートを示す図である。
【0046】
即ち、本実施形態においては、上記第1実施形態と同様に、画像入力部10のカメラでマーカ26を撮影した画像をマーカ検出部12に入力し(ステップS10)、マーカ26が検出できなければ(ステップS12)、上記ステップS10に戻る。これに対して、マーカ26が検出できたならば、次に、マーカ26の同定を行う(ステップS14)。ここで、対象物30のマーカ26でなければ(ステップS16)、マーカ26として検出せずに、上記ステップS10に戻る。こうして対象物30のマーカ26が同定されると、位置姿勢検出部14では、画像内でのマーカ26の四隅の位置から画像入力部10のカメラの位置姿勢を検出する(ステップS18)。
【0047】
その後、上記第2実施形態と同様に、投影制御部22は、上記位置姿勢検出部14から得られた位置姿勢情報に基づいて、検出した位置や姿勢が、距離、傾きなどの条件で投影するのに適切であるか否かを判別する(ステップS32)。そして、投影するのに適切ではないと判断した場合には、本実施形態においては、関連情報生成部18は、作業性のよい位置姿勢となるような誘導情報を作成し、その誘導情報のみを投影するように、上記投影部24に供給した後、上記ステップS10へ戻る。
【0048】
この場合の誘導情報としては、例えば、視覚的に判り易い矢印などでも良いし、「右方向へ移動」などのテキスト情報でも良い。図6に投影された誘導情報の画像32の一例を示す。なお、移動した距離により誘導情報を随時変更することも可能である。
【0049】
これに対して、位置姿勢が投影するのに適切であると判別した場合には、関連情報生成部18は、上記位置姿勢検出部14で検出した上記画像入力部10のカメラの位置姿勢に応じて、関連情報格納部20から予め設定された情報を抽出し関連情報を生成し、投影部24に供給する(ステップS22)。
【0050】
以上のように、本第3実施形態による情報呈示装置においては、関連情報生成部18は、上記マーカ26に対して画像入力部10のカメラが所定の位置姿勢になっていない場合には、その所定の位置姿勢へ誘導する情報を生成して、投影部24のプロジェクタで投影するので、作業者は、投影された誘導指示に従い情報呈示装置を移動することにより、相応しい位置に関連情報の画像28を投影できるようになる。従って、その投影された情報呈示による作業がしやすくなる。
【0051】
なお、本第3実施形態においても、上記投影制御部22は、上記第1実施形態に係る情報呈示装置と同様に、位置姿勢検出部14から得られた位置姿勢情報に基づいて、投影するのに最適な歪補正、絞り、ズーム、フォーカスなどのパラメータを選択して、投影部24を制御することが好ましい。
【0052】
また、画像入力部10のカメラと投影部24のプロジェクタとが一体的に一つの筐体に構成された情報呈示装置では、上記マーカ26に対して画像入力部10のカメラが所定の位置姿勢になっていない場合には、投影制御部22により、その所定の位置姿勢となるように、自動的に微調整できる構成としても良い。
【0053】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0054】
(付記)
前記の具体的実施形態から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
【0055】
(1) 所定の撮影範囲を有し、当該撮影範囲内の対象物に固定された光学的な特徴を有する特徴点を撮影する撮影手段と、
上記特徴点と上記撮影手段の位置姿勢を検出する位置姿勢検出手段と、
上記位置姿勢検出手段で検出した位置姿勢に基づいて、上記特徴点に関連した関連情報を生成する関連情報生成手段と、
上記撮影手段に対して所定の位置姿勢で配置され、上記関連情報生成手段で生成した情報を投影する投影手段と、
上記位置姿勢検出手段で検出した位置姿勢に基づいて、上記投影手段を制御する投影制御手段と、
を具備することを特徴とする情報呈示装置。
【0056】
(対応する実施形態)
この(1)に記載の情報呈示装置に関する実施形態は、第1乃至第3実施形態が対応する。
【0057】
(作用効果)
この(1)に記載の情報呈示装置は、投影手段を用いて特徴点を持つ対象物に関連情報を直接呈示するようにし、その際に、対象物を撮影手段で撮影して特徴点に対する撮影手段の位置姿勢を検出することで、その撮影手段に対し所定の位置姿勢で配置されている投影手段の上記特徴点に対する位置姿勢を検出して、その検出した特徴点に対する投影手段の位置姿勢に応じて投影手段を制御する。
【0058】
従って、この(1)に記載の情報呈示装置によれば、多数のユーザが同時且つ良好に確認できるように関連情報を呈示可能となる。
【0059】
(2) 上記投影制御手段が制御する条件は、歪補正、絞り、ズーム、フォーカスの内の少なくとも一つであることを特徴とする(1)に記載の情報呈示装置。
【0060】
(対応する実施形態)
この(2)に記載の情報呈示装置に関する実施形態は、第1実施形態が対応する。
【0061】
(作用効果)
この(2)に記載の情報呈示装置によれば、歪補正、絞り、ズーム、フォーカスの内の少なくとも一つを適切な状態に設定できるので、多数のユーザが同時且つ良好に確認できるように関連情報を呈示可能となる。
【0062】
(3) 上記関連情報生成手段は、上記投影手段で投影する情報の大きさを変更することを特徴とする(1)又は(2)に記載の情報呈示装置。
【0063】
(対応する実施形態)
この(3)に記載の情報呈示装置に関する実施形態は、第1実施形態が対応する。
【0064】
(作用効果)
この(3)に記載の情報呈示装置によれば、投影する情報の大きさを適切な状態に設定できるので、多数のユーザが同時且つ良好に確認できるように関連情報を呈示可能となる。
【0065】
(4) 上記関連情報生成手段は、上記特徴点に対して上記撮影手段が所定の位置姿勢になっていない場合には、その所定の位置姿勢へ誘導する情報を生成することを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載の情報呈示装置。
【0066】
(対応する実施形態)
この(4)に記載の情報呈示装置に関する実施形態は、第3実施形態が対応する。
【0067】
(作用効果)
この(4)に記載の情報呈示装置は、特徴点に対して撮影手段が所定の位置姿勢になっていない場合には、その所定の位置姿勢へ誘導する情報を投影する。
【0068】
従って、この(4)に記載の情報呈示装置によれば、作業者は、投影された誘導指示に従い情報呈示装置を移動することにより、相応しい位置に関連情報の画像を投影できるようになるので、その投影された情報呈示による作業がしやすくなる。
【0069】
(5) 上記投影制御手段は、上記特徴点に対して上記撮影手段が所定の位置姿勢になった時に、上記投影手段に情報を投影させるよう制御することを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載の情報呈示装置。
【0070】
(対応する実施形態)
この(5)に記載の情報呈示装置に関する実施形態は、第2実施形態が対応する。
【0071】
(作用効果)
この(5)に記載の情報呈示装置は、特徴点に対して撮影手段が所定の位置姿勢になった時に、投影手段に情報を投影させる。
【0072】
従って、この(5)に記載の情報呈示装置によれば、特徴点に対して撮影手段が所定の位置姿勢になっていない場合には、不要な投影をしないように制御するので、消費電力を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る情報呈示装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る情報呈示装置の動作フローチャートを示す図である。
【図3】図3(A)は、第1実施形態に係る情報呈示装置での対象物が近距離にある場合についての情報呈示の例を示す図であり、図3(B)は、同じく対象物が遠距離にある場合についての情報呈示の例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第2実施形態に係る情報呈示装置の動作フローチャートを示す図である。
【図5】図5は、本発明の第3実施形態に係る情報呈示装置の動作フローチャートを示す図である。
【図6】図6は、第3実施形態に係る情報呈示装置にて投影された誘導情報の画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
10…画像入力部、 12…マーカ検出部、 14…位置姿勢検出部、 16…マーカ情報格納部、 18…関連情報生成部、 20…関連情報格納部、 22…投影制御部、 24…投影部、 26…マーカ、 28…関連情報の画像、 30…対象物、 32…誘導情報の画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の撮影範囲を有し、当該撮影範囲内の対象物に固定された光学的な特徴を有する特徴点を撮影する撮影手段と、
上記特徴点と上記撮影手段の位置姿勢を検出する位置姿勢検出手段と、
上記位置姿勢検出手段で検出した位置姿勢に基づいて、上記特徴点に関連した関連情報を生成する関連情報生成手段と、
上記撮影手段に対して所定の位置姿勢で配置され、上記関連情報生成手段で生成した情報を投影する投影手段と、
上記位置姿勢検出手段で検出した位置姿勢に基づいて、上記投影手段を制御する投影制御手段と、
を具備することを特徴とする情報呈示装置。
【請求項2】
上記投影制御手段が制御する条件は、歪補正、絞り、ズーム、フォーカスの内の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の情報呈示装置。
【請求項3】
上記関連情報生成手段は、上記投影手段で投影する情報の大きさを変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報呈示装置。
【請求項4】
上記関連情報生成手段は、上記特徴点に対して上記撮影手段が所定の位置姿勢になっていない場合には、その所定の位置姿勢へ誘導する情報を生成することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の情報呈示装置。
【請求項5】
上記投影制御手段は、上記特徴点に対して上記撮影手段が所定の位置姿勢になった時に、上記投影手段に情報を投影させるよう制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の情報呈示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−208905(P2007−208905A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28453(P2006−28453)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】