説明

情報提供装置

【課題】車両の待ち時間を有効に活用できる情報を提供する情報提供装置を提供することを課題とする。
【解決手段】車両を待っている人の携帯端末に情報を提供する情報提供装置であって、車両を待っている人の位置まで車両が到着するまでの待ち時間を取得する待ち時間取得手段と、車両を待っている人に提供する情報を設定する情報設定手段とを備え、情報設定手段は待ち時間取得手段で取得した待ち時間に応じて提供する情報を変更することを特徴とし、更に、車両を待っている人の位置の情報を取得する位置情報取得手段を備え、情報設定手段は位置情報取得手段で取得した位置情報に応じて提供する情報を変更すると好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を待っている人の携帯端末に情報を提供する情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末を利用して、車両を待っている人に対して各種情報を提供する技術が開発されている。特許文献1に記載の配車システムでは、配車センタが管理下のタクシの車両位置や運行状況を管理し、配車センタにおいて携帯端末から現在位置を含む配車要求を受信した場合、管理下のタクシの中から予約車を選択し、交通情報等に基づいて待ち時間を算出し、定期的に配車される予約車の待ち時間や車両位置を携帯端末に提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−192366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の配車システムの場合、車両を待っている人に対して待ち時間と車両位置の情報が提供されるだけである。そのため、車両を待っている人は、その情報だけでは待っている場所周辺にどのような施設等があるか判らず、待ち時間を有効に活用できない。
【0005】
そこで、本発明は、車両の待ち時間を有効に活用できる情報を提供する情報提供装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報提供装置は、車両を待っている人の携帯端末に情報を提供する情報提供装置であって、車両を待っている人の位置まで車両が到着するまでの待ち時間を取得する待ち時間取得手段と、車両を待っている人に提供する情報を設定する情報設定手段とを備え、情報設定手段は、待ち時間取得手段で取得した待ち時間に応じて提供する情報を変更することを特徴とする。
【0007】
この情報提供装置では、人が車両を待っている場合、待ち時間取得手段によってその車両を待っている人の位置まで車両が到着するまでの待ち時間を取得する。そして、情報提供装置では、情報設定手段によってその待ち時間に応じて提供する情報を変更し、その情報を車両を待っている人の携帯端末に提供する。提供する情報としては、待ち時間の間に車両を待っている人が行くことができ、行った先で時間を過ごせるような情報であり、例えば、車両を待っている人の位置周辺に存在する施設情報、観光情報、休憩場所情報がある。待ち時間が長いほど行ける範囲が広がり、行った先での滞在時間も長くでき、待ち時間が短いほど行ける範囲が狭くなり、行った先での滞在時間も短くなる。そこで、待ち時間に応じて車両を待っている人に提供する情報を変更している。このように、情報提供装置では、車両の待ち時間に応じて提供する情報を変更して車両を待っている人の携帯端末に提供することにより、車両の待ち時間を有効に活用できる情報を提供でき、車両を待っている人はその提供された情報によって待ち時間を有効に活用できる。
【0008】
本発明の上記情報提供装置では、車両を待っている人の位置の情報を取得する位置情報取得手段を備え、情報設定手段は、位置情報取得手段で取得した位置情報に応じて提供する情報を変更すると好適である。
【0009】
この情報提供装置では、位置情報取得手段によって車両を待っている人の位置情報を取得する。そして、情報提供装置では、情報設定手段によって車両を待っている人の位置情報に応じて提供する情報を変更する。車両を待っている人の位置に応じて待ち時間の間に車両を待っている人が行くことができる範囲が変わるので、車両を待っている人の位置に応じて提供する情報を変更している。このように、情報提供装置では、車両を待っている人の位置に応じて提供する情報を変更して車両を待っている人の携帯端末に提供することにより、車両の待ち時間をより有効に活用できる情報を提供でき、車両を待っている人はその提供された情報によって待ち時間をより有効に活用できる。
【0010】
本発明の上記情報提供装置では、提供する情報は、車両を待っている人の位置周辺の施設情報とする。このように、情報提供装置では、提供する情報を車両を待っている人の位置周辺の施設情報とすることにより、車両を待っている人に周辺の施設情報を提供でき、車両を待っている人はその提供された施設情報によって待ち時間を有効に活用できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、車両の待ち時間に応じて提供する情報を変更して車両を待っている人の携帯端末に提供することにより、車両の待ち時間を有効に活用できる情報を提供でき、車両を待っている人はその提供された情報によって待ち時間を有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施の形態に係る情報提供システムの構成図である。
【図2】図1の情報提供システムにおける情報提供の概要図である。
【図3】図1の携帯端末に表示される情報提供画面の一例であり、(a)がお迎え車とお迎え要請者の位置関係であり、(b)がお薦め暇つぶし地点であり、(c)がお迎え車がお迎え要請者の200m手前まで接近した場合であり、(d)がお迎え車がお迎え要請者に到着した場合である。
【図4】図1の情報提供システムにおける動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係る情報提供装置の実施の形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
本実施の形態では、本発明を、車両(ナビゲーション装置)、人が携帯する携帯端末、センタから構成される情報提供システムに適用する。本実施の形態に係る情報提供システムは、センタに登録されている人(お迎え要請者)が車両でのお迎えを要請した場合に、快適にお迎え要請者をお迎え車でピックアップできるようにお迎え要請者とお迎え車に情報を提供するシステムである。本実施の形態に係る情報提供システムでは、車両とセンタ間及びセンタと携帯端末間が無線で通信可能であり、お迎え要請者が車両でのお迎えを緯度経度情報を通知してセンタに要請すると、その緯度経度情報がセンタを介してお迎え車のナビゲーション装置の目的地として自動的に設定され、お迎え車が到着するまでお迎え要請者の携帯端末にセンタから各種情報を提供する。無線通信は、例えば、携帯電話の通信回線網を利用した無線通信である。
【0015】
図1〜図3を参照して、本実施の形態に係る情報提供システム1について説明する。図1は、本実施の形態に係る情報提供システムの構成図である。図2は、図1の情報提供システムにおける情報提供の概要図である。図3は、図1の携帯端末に表示される情報提供画面の一例である。
【0016】
情報提供システム1では、センタ4からお迎え要請者Mの携帯端末3にお迎え車2の現在地や到着するまでの所要時間(待ち時間)の情報を提供する。さらに、情報提供システム1では、センタ4からお迎え要請者Mの携帯端末3に待ち時間の間にお迎え要請者Mが時間を過ごせる暇つぶし場所の情報を提供し、その待ち時間やお迎え要請者Mの位置に応じて暇つぶし場所の情報を変更する。
【0017】
情報提供システム1の構成について具体的に説明する前に、図2及び図3を参照して、情報提供システム1における情報提供の概要について説明しておく。お迎え要請者Mが、お迎え車2を要請するめに、携帯端末3から緯度経度情報をセンタ4に通知する。センタ4では、登録されているお迎え車2が走行中か否かを判定し、走行中の場合にはお迎え車2にお迎え要請者Mの緯度経度情報を送信し、走行中でない場合にはお迎え車2を運転してお迎えをする者Uの携帯端末5にお迎え要請依頼を通知する。お迎え車2では、緯度経度情報を受信すると、ナビゲーション装置2aにその緯度経度情報が目的地として設定され、ナビゲーション装置2aで目的地に到着するまでの所要時間を算出し、現在地情報と到着時間をセンタ4に通知する。なお、お迎え車2のお迎え者Uがお迎え要請依頼を受信し、お迎え車2が走行を開始した場合、同様に、ナビゲーション装置2aに緯度経度情報が目的地として設定され、現在地情報と到着時間をセンタ4に通知する。
【0018】
センタ4では、到着までの所要時間とお迎え要請者Mからの距離に応じて暇つぶし地点を算出し、メールでお迎え車2の位置情報、到着時間及び暇つぶし地点をお迎え要請者Mの携帯端末3に通知する。それらの情報をお迎え要請者Mの携帯端末3で受信すると、お迎え要請者Mは、それらの情報を携帯端末3で確認する。例えば、図3(a)に示すように、携帯端末3の画面に、お迎え要請者Mの現在地を中心として地図が表示され、地図上にお迎え要請者Mの現在地にマークMMと到着までの所要時間(10分)が表示されるとともにお迎え車2の現在地にマークVMが表示される。また、図3(b)に示すように、携帯端末3の画面に、地図上にお迎え要請者Mを示すマークMM’及び暇つぶし地点としてカフェを示すマークPM1、本屋を示すマークPM2、コンビニエンスストアを示すマークPM3が表示される。
【0019】
お迎え要請者Mが、提供された暇つぶし地点情報に基づいて暇をつぶしたい施設がある場合、その暇つぶし地点Pまで移動する。この際、携帯端末3から暇つぶしのために移動した地点Pの緯度経度情報をセンタ4に自動でアップロードされ、その緯度経度情報がセンタ4を介して車両2に通知され、ナビゲーション装置2aの目的地が変更される。
【0020】
センタ4では、お迎え車2がお迎え要請者Mの現在地から設定距離以内に到着した場合、お迎え車2の位置情報をお迎え要請者Mの携帯端末3に通知する。例えば、図3(c)に示すように、携帯端末3の画面に、地図上にお迎え要請者Mを示すマークMM’(マークPM3で示されたコンビニエンスストアに移動した後の位置)とお迎え車2を示すマークVMが表示される。そして、設定距離以内になった後、センタ4を介してお迎え車2(ナビゲーション装置2a)とお迎え要請者M(携帯端末3)間でお互いの位置情報を通知しあい、接近していることを確認しあう。
【0021】
センタ4では、お迎え車2とお迎え要請者Mとのお互いの位置情報が一致したか否かを判定し、一致する場所をピックアップポイントとして登録しておく。このように、お迎え車2がお迎え要請者Mに到着すると、例えば、図3(d)に示すように、携帯端末3の画面に、地図上にお迎え要請者Mを示すマークMM’とそのマークMM’に重なるようにお迎え車2を示すマークVMが表示される。
【0022】
それでは、情報提供システム1の構成について具体的に説明する。まず、お迎え車2について説明する。お迎え車2は、センタ4に各種情報(識別番号、無線通信用のアドレス等)が登録されている。この登録には、車両に対応付けて、お迎え要請者Mの携帯端末3の情報(識別番号、無線通信用のメールアドレス等)及びお迎え車2を運転してお迎えする者Uの携帯端末5の情報等も付加されている。お迎え車2は、センタ4との無線通信機能を有しており、無線通信機(図示せず)を備えている。この無線通信機は、携帯電話等の無線通信方式によってセンタ4と無線通信を行うための通信機であり、例えば、DCM[Date Communication Module]である。また、お迎え車2は、ナビゲーション装置2aを備えている。
【0023】
ナビゲーション装置2aは、車両の現在地や進行方向を検出する機能、目的地が設定された場合に目的地までの経路を探索する機能、目的地までの経路に沿って案内する機能等を有している。さらに、ナビゲーション装置2aは、お迎え要請に対する情報提供に関する機能を有している。以下に、情報提供に関する機能について説明する。なお、お迎え車2では、一定時間毎に、ナビゲーション装置2aで検出した現在地、進行方向、車速等の情報をセンタ4にアップロードしている。
【0024】
ナビゲーション装置2aでは、センタ4からのお迎え要請者Mの緯度経度情報を受信すると、その緯度経度情報を目的地として設定し、その目的地までの経路を探索するとともに目的地への到着時間を算出する。この際、センタ4から受信した交通情報等を加味して、到着時間を算出する。そして、ナビゲーション装置2aでは、お迎え車2の現在地情報(緯度経度情報)と到着時間を無線通信機を用いてセンタ4にアップロードする。また、ナビゲーション装置2aでは、お迎え車2でセンタ4からお迎え要請者Mの緯度経度情報を受信する毎(例えば、お迎え要請者Mが暇つぶし地点に移動した場合)に、その緯度経度情報が前回から変更されている場合には目的地を変更し、その目的地までの経路を探索するとともに目的地への到着時間を算出し、お迎え車2の現在地情報と到着時間を用いてセンタ4にアップロードする。
【0025】
ナビゲーション装置2aでは、お迎え車2がお迎え要請者Mの現在地から設定距離以内に到着した後、一分毎にお迎え要請者Mの緯度経度情報をセンタ4から受信する。なお、ナビゲーション装置2aでは、上記したように、常時、一定時間毎に現在地情報等をセンタ4にアップロードしている。
【0026】
お迎え要請者Mが携帯する携帯端末3について説明する。携帯端末3は、上記したようにお迎え車2に対応付けてセンタ4に登録されている。携帯端末3は、無線通信機能を有する端末であり、例えば、携帯電話、スマートフォンである。携帯端末3は、GPS[Global Positioning System]機能を有しており、緯度経度情報を取得できる。また、携帯端末3は、お迎え要請に対する情報提供に関する機能を有している。以下に、情報提供に関する機能について説明する。
【0027】
携帯端末3には、お迎え車2を要請するためのお迎えボタンがある。このボタンは、機械式のボタンでもよいし、あるいは、画面に表示されるタッチパネル式のボタンでもよい。例えば、携帯電話のアプリケーション機能(お迎え機能)を用いてお迎え車2を要請する。携帯端末3では、お迎え要請者Mによってお迎えボタンが押下されると、お迎え車2を要請するために緯度経度情報をセンタ4にアップロードする。
【0028】
携帯端末3では、センタ4からお迎え車2の位置情報、到着時間、暇つぶし地点の各情報を受信すると、それらの情報をお迎え要請者Mの操作に応じて画面上に表示する。この表示形式としては、受信した情報のデータ形式に応じて、テキスト形式の場合もあれば、図3に示すような地図等の画像形式の場合もある。
【0029】
携帯端末3では、緯度経度情報に基づいてお迎え要請者Mが同じ場所に一定時間(例えば、5分)以上いると判断した場合、その場所の緯度経度情報を暇つぶし地点としてセンタ4にアップロードする。
【0030】
携帯端末3では、お迎え車2が周辺まできている情報を受信した後、一分毎に緯度経度情報をセンタ4にアップロードするとともに、一分毎にお迎え車2の緯度経度情報をセンタ4から受信する。
【0031】
センタ4について説明する。センタ4は、サーバを備えており、車両や車両のユーザに対して各種サービスを提供するセンタであり、例えば、自動車会社が運営するセンタである。センタ4のデータベースには、車両に関する各種情報(車両の識別情報、無線通信用のアドレス等)と車両のユーザに関する情報(ユーザの識別情報、携帯端末のメールアドレス等)が登録されている。センタ4は、各車両との無線通信機能を有しているとともに、ユーザの携帯端末等との無線通信機能を有している。ここでは、センタ4における各種サービスのうちお迎え要請に対する情報提供に関する機能について説明する。なお、このセンタ4における情報提供に関する機能が特許請求の範囲に記載の情報設定手段に相当し、センタ4による無線通信機能が特許請求の範囲に記載の待ち時間取得手段及び位置情報取得手段に相当する。
【0032】
センタ4では、お迎え要請者Mの携帯端末3から緯度経度情報を受信する毎に、データベースに登録されている情報に基づいてそのお迎え要請者Mに対応するお迎え車2を検索し、そのお迎え車2の稼動状況に基づいてお迎え車2が走行中(稼動中)か否かを判断する。稼動状況としては、例えば、お迎え車2から一定時間毎に現在地情報等がアップされているか否かで判断する。お迎え車2が走行中の場合、センタ4では、そのお迎え車2にお迎え要請者Mの緯度経度情報を通知する。お迎え車2が走行していない場合、センタ4では、そのお迎え車2を運転してお迎えをする者Uの携帯端末5にお迎え要請依頼を通知する。お迎え要請依頼を通知後、センタ4では、所定時間内にお迎え車2が稼動(走行)したか否かを判断する。お迎え車2が稼動した場合、センタ4では、そのお迎え車2にお迎え要請者Mの緯度経度情報を通知する。お迎え車2が稼動しない場合、センタ4では、お迎え要請者Mの携帯端末3に反応無し(お迎え不可)を通知する。
【0033】
センタ4では、お迎え車2から現在地情報と到着時間を受信する毎に、到着するまでに要する所要時間とお迎え要請者Mの現在地(緯度経度情報)に応じて、お迎え車2を待っているお迎え要請者Mが暇をつぶすことが可能な施設の地点を算出する。具体的には、施設の属性に応じて滞在時間を設定しておく。例えば、コンビニエンスストアの場合には0〜5分、本屋の場合には5〜10分、カフェの場合には15分以上を設定する。ここに示す施設は一例であり、他の様々な施設が対象となる。滞在時間については、各ユーザに応じた学習によって設定してもよい。また、お迎え要請者Mの現在地からの距離に応じて移動時間を設定しておく。例えば、お迎え要請者Mの現在地から100m離れる毎に2分加算した時間を設定する。そして、到着するまでに要する所要時間とお迎え要請者Mの現在地情報及びその現在地周辺の各施設の位置情報を用いて、現在地周辺の施設毎に、現在地から施設までの距離を算出し、その距離に応じて移動時間を設定し、その移動時間と施設の滞在時間との加算時間が到着するまでに要する所要時間以内の場合にはその施設を暇つぶし可能な施設として選定する。例えば、到着までの所要時間が5分の場合には100m以内のコンビニエンスストア等であれば選定され、到着までの所要時間が10分の場合には300m以内のコンビニエンスストアや100m以内の本屋等であれば選定され、到着までの所要時間が20分の場合には300m以内の本屋等であれば選定され、到着までの所要時間が30分の場合には300m以内のカフェ等も選定される。なお、各ユーザが希望の施設の属性を指定している場合、その指定に応じて施設を設定するようにしてもよい。
【0034】
そして、センタ4では、お迎え車2の位置情報と到着時間及び選定した暇つぶし地点情報をお迎え要請者Mの携帯端末3にメールで通知する。この通知する情報としては、テキスト形式の情報でもよいし、地図等を用いた画像形式の情報でもよい。また、センタ4では、お迎え車2の到着時間(到着までの所要時間)が更新された場合、その更新された時間に応じて暇つぶす地点を再選定し、お迎え車2の位置情報と到着時間及び選定した暇つぶし地点情報をお迎え要請者Mの携帯端末3に通知する。また、センタ4では、お迎え要請者Mの緯度経度情報が更新された場合、その更新されたお迎え要請者Mの現在地に応じて暇をつぶす地点を再選定し、お迎え車2の位置情報と到着時間及び選定した暇つぶし地点情報をお迎え要請者Mの携帯端末3に通知する。
【0035】
センタ4では、お迎え要請者Mの携帯端末3から暇つぶし地点がアップロードされた場合、その暇つぶし地点としてアップロードされた回数をカウントアップし、その回数が所定回数以上の場合にはよく行く暇つぶし地点情報としてお迎え要請者Mの情報の中に登録しておく。暇つぶし地点情報だけでなく、その暇つぶし地点の施設の属性も登録するようにしてもよい。このような情報を登録しておくことにより、暇つぶし地点を選定する際に、お迎え要請者Mの施設の嗜好情報も考慮して暇つぶし地点を選定できる。
【0036】
センタ4では、お迎え車2から一定時間毎にアップロードされる現在地情報に基づいて、お迎え車2がお迎え要請者Mの現在地を中心として設定距離(例えば、200m)以内に到着したか否かを判定する。お迎え車2が設定距離以内に到着した場合、センタ4では、お迎え車2が周辺まできている情報及びお迎え車2の位置情報をお迎え要請者Mの携帯端末3に通知する。
【0037】
センタ4では、お迎え車2が設定距離以内に到着したと判定後、お迎え要請者Mの携帯端末3から緯度経度情報がアップロードされる毎に、その緯度経度情報をお迎え車2に通知する。また、センタ4では、お迎え車2が設定距離以内に到着したと判定後、お迎え車2から緯度経度情報がアップロードされる毎に、その緯度経度情報をお迎え要請者Mの携帯端末3に通知する。
【0038】
センタ4では、一分毎にアップロードされるお迎え車2の緯度経度情報とお迎え要請者Mの緯度経度情報に基づいて、お互いの緯度経度が同じになったか否かを判定する(誤差範囲を設けて判定する)。お互いの緯度経度が同じになった場合、センタ4では、その緯度経度の地点を最終ピックアップポイントとしてお迎え要請者Mの情報の中に登録しておく。このような情報を登録しておくことにより、この登録されたピックアップポイント(あるいは、ピックアップポイントの施設の属性)を暇つぶし地点を選定するときに活用する。
【0039】
図1〜図3を参照して、情報提供システム1における動作の流れについて図4のフローチャートに沿って説明する。図4は、図1の情報提供システムにおける動作の流れを示すフローチャートである。
【0040】
お迎え要請者Mが、お迎え車2を要請するために、携帯端末3のお迎えボタンを押下する(S1)。すると、携帯端末3では、緯度経度情報をセンタ4にアップロードする(S2)。
【0041】
センタ4では、その緯度経度情報を受信すると、そのお迎え要請者Mに対応付けられて登録されているお迎え車2が稼動中か否かを判定する(S3)。S3にて稼動中でないと判定した場合、センタ4では、そのお迎え車2に対応付けられて登録されているお迎え者の携帯端末5にお迎え要請依頼を通知する(S4)。その通知後の所定時間内に、センタ4では、お迎え車2が稼動したか否かを判定する(S5)。S5にて稼動しなかったと判定した場合、センタ4では、お迎え要請者Mの携帯端末3に反応無しを通知する(S6)。この情報を携帯端末3で受信すると、お迎え要請者Mは、この情報を携帯端末3で確認し、お迎え車2が迎えに来ないことを認識する。迎えに来られない場合、別のお迎え車2にお迎えを要請してもよい。
【0042】
S3にて稼動中と判定した場合又はS5にて稼動したと判定した場合、センタ4では、お迎え要請者Mに対応付けられて登録されているお迎え車2(ナビゲーション装置2a)にお迎え要請者Mの緯度経度情報を通知する(S7)。お迎え車2でその緯度経度情報を受信すると、ナビゲーション装置2aでは、その緯度経度情報を目的地として設定し、目的地までの経路を探索するとともに目的地に到着する時間を算出する(S8)。そして、ナビゲーション装置2aでは、お迎え車2の現在地情報と目的地への到着時間をセンタ4にアップロードする(S9)。
【0043】
センタ4では、その現在地情報と到着時間を受信すると、到着までの所要時間とお迎え要請者Mの現在地に応じて暇つぶし地点を算出する(S10)。そして、センタ4では、お迎え車2の位置情報と到着時間及び暇つぶし地点をお迎え要請者Mの携帯端末3に通知する(S11)。それらの情報を携帯端末3で受信すると、お迎え要請者Mは、携帯端末3の画面で暇つぶし地点の情報を見て、お迎え車2を待っている間に暇をつぶしたい施設があればその地点まで移動する。
【0044】
センタ4では、お迎え車Mから一定時間毎にアップロードされる現在地情報に基づいて、お迎え要請者Mの現在地から設定距離以内にお迎え車2が到着したか否かを判定する(S12)。S12にて設定距離以内に到着していないと判定した場合、一定時間後に、センタ4では、再度判定する(S12)。S12にて設定距離以内に到着したと判定した場合、センタ4では、お迎え車2が周辺まで到着した情報とお迎え車2の位置情報をお迎え要請者Mの携帯端末3に通知する(S13)。この情報を携帯端末3で受信すると、お迎え要請者Mは、携帯端末3の画面でその情報を見て、お迎え車2が近くまできていることを認識する。
【0045】
携帯端末3では、お迎え要請者Mが一定時間以上同じ場所(暇つぶし地点)に滞在したか否かを判定する(S14)。S14にて一定時間以上同じ場所に滞在したと判定した場合、携帯端末3では、その暇つぶし地点の情報をセンタ4にアップロードする(S15)。センタ4では、その情報を受信すると、同じ暇つぶし地点がアップロードされた回数が所定回数以上の場合にはよく行く暇つぶし地点情報として登録しておく。
【0046】
お迎え車2が設定距離以内になると、携帯端末3では、一分毎に、緯度経度情報をセンタ4にアップロードする(S16)。この緯度経度情報を受信すると、センタ4では、その緯度経度情報をお迎え車2(ナビゲーション装置2a)に通知する(S16)。また、ナビゲーション装置2aでも、一分毎に、緯度経度情報をセンタ4にアップロードする(S16)。この緯度経度情報を受信すると、センタ4では、その緯度経度情報をお迎え要請者Mの携帯端末3に通知する(S16)。その情報を携帯端末3で受信すると、お迎え要請者Mは、携帯端末3の画面でお迎え車2の位置を逐次確認し、直ぐ近くにきた場合には暇つぶしの施設等から出て、外で待つ。お迎え車2が到着すると、お迎え要請者Mがお迎え車2にピックアップされる。
【0047】
センタ4では、一分毎にアップロードされるお迎え車2の緯度経度情報とお迎え要請者Mの緯度経度情報に基づいて、お互いの緯度経度が同じになったか否かを判定する(S17)。S17にてお互いの緯度経度が同じになったと判定した場合、センタ4では、その緯度経度の場所を最終ピックアップポイントとして登録しておく(S18)。
【0048】
この情報提供システム1によれば、お迎え車2が到着までに要する所定時間(待ち時間)とお迎え要請者Mの現在地に応じて暇つぶし可能な施設を選定し、その暇つぶし地点の情報をお迎え要請者Mの携帯端末3に通知することにより、待ち時間を有効に活用できる情報を提供でき、お迎え要請者Mはその提供された情報によって待ち時間を有効に活用できる。さらに、情報提供システム1によれば、到着までに要する所定時間又はお迎え要請者Mの現在地が変わると、その変わった所定時間又はお迎え要請者Mの現在地に応じて暇つぶし可能な施設を再選定して変更するので、待ち時間をより有効に活用できる情報を提供できる。
【0049】
また、情報提供システム1によれば、お迎え要請者Mの現在地から施設までの移動時間及び施設の属性に応じて滞在時間を設定し、その移動時間や滞在時間に基づいて暇つぶし可能な施設を選定しているので、到着までに要する所定時間やお迎え要請者Mの現在地に応じた好適な暇つぶし地点を選ぶことができる。
【0050】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
【0051】
例えば、本実施の形態ではセンタで情報を受信して、センタで暇つぶし地点の選定等を行うセンタを介した情報処理システムに適用したが、システムの構成としては他の構成でもよく、例えば、車両で携帯端末からの情報を直接受信し、車両のナビゲーション装置等で暇つぶし地点の選定等を行うことにより車両と携帯端末で構成されるシステムでもよいし、あるいは、携帯端末で車両からの情報を直接受信し、携帯端末で暇つぶし地点の選定等を行うことにより車両と携帯端末で構成されるシステムでもよい。
【0052】
また、本実施の形態ではお迎えの車両を待っている場合に適用したが、車両を待つ他のケースにも適用でき、例えば、お客さんがタクシの配車を要請し、タクシを待っている場合に適用できる。
【0053】
また、本実施の形態ではお迎え要請者に提供する情報として待ち時間の間に暇をつぶすことができる各施設の情報としたが、待ち時間の間に車両を待っている人が行くことができ、行った先で時間を過ごせるような情報であればどのような情報でもよく、例えば、観光地の情報、休憩場所の情報でもよい。
【0054】
また、本実施の形態ではお迎え車にナビゲーション装置が搭載され、そのナビゲーション装置で各処理を行う構成としたが、ナビゲーション装置が搭載されていない車両でも適用可能であり、その場合には車両に乗車する人(お迎えする人)が保持するナビゲーション機能を有する携帯端末等を利用する。また、お迎え車に無線通信機能がない場合にも適用可能であり、その場合には車両に乗車する人が保持する携帯端末等を利用する。
【0055】
また、本実施の形態ではお迎え要請者が暇つぶし地点に移動した場合にはお迎え車の目的地を変更しているが、お迎え車の目的地を変更しなくてもよい(最初に決めたピックアップポイントで固定する)。
【符号の説明】
【0056】
1…情報提供システム、2…お迎え車、2a…ナビゲーション装置、3,5…携帯端末、4…センタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を待っている人の携帯端末に情報を提供する情報提供装置であって、
車両を待っている人の位置まで車両が到着するまでの待ち時間を取得する待ち時間取得手段と、
車両を待っている人に提供する情報を設定する情報設定手段と、
を備え、
前記情報設定手段は、前記待ち時間取得手段で取得した待ち時間に応じて提供する情報を変更することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
車両を待っている人の位置の情報を取得する位置情報取得手段を備え、
前記情報設定手段は、前記位置情報取得手段で取得した位置情報に応じて提供する情報を変更することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記提供する情報は、車両を待っている人の位置周辺の施設情報であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−226587(P2012−226587A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94168(P2011−94168)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】