説明

情報表示装置及び情報表示システム

【課題】表示部の短手方向の基板空き領域への出っ張りを最小限に抑制できるようにすると共に、表示部を含む装置全体の形態を縦方向に比べて横方向が長くなる横長化できるようにする。
【解決手段】画素電極の各々に対応して接続された複数のSEG配線13,14と、対向電極の各々に対応して接続された複数のCOM配線15,16とが格子状を成して情報を表示する表示部12と、表示部12のCOM配線及びSEG配線に接続され、画素電極及び対向電極間に所定の電圧を印加して画素の表示駆動をする表示ドライバ11とを備え、表示部12は、長手方向に所定の幅を有し、かつ、短手方向に所定の高さを有して所定の大きさの情報表示基板101に配置され、表示ドライバ11は、表示部12の長手方向の一方側に隣接する基板空き領域に配置されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽薄小型の表示パネルを使用して商品名や価格等の画像を表示する電子棚札(値札)及びそれを応用した電子棚札システムに適用可能な情報表示装置及び情報表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶や無機、有機EL(Organic Electro-Luminescence)タイプの小型表示パネルが安価で大量生産できるようになってきた。会社などに訪れる際に、外部者に使用させる名札や、行楽施設のチケット等には、その場で使い捨てされるように、主に紙製のカードが用いられる場合が多かった。この紙製のカードに代わって、小型表示パネルが使用されつつある。
【0003】
この種の小型表示パネルを用いた電子名札等は、何回も使用できるというリサイクル面だけでなく、通信ネットワークによって、電子名札の内容等を容易に情報管理できるという利点がある。外部者に使用させる電子名札であれば、着用者の行動をプロットしたり、入退出の時刻を記録して統計を取ることにより、ビルのセキュリティ管理に役立つ。行楽施設の電子チケットであれば、案内図やプログラムを時間によって表示したり、次回の催し物を表示したりすることが可能となる。
【0004】
また、スーパーマーケットや小売店の商品棚に備えられる値札も、以前までは、紙に印字したり、手書きしたものが用いられていた。近頃では、小型表示パネルを電子棚札として使用しているところが大変多くなってきている。そのような店舗では、電子棚札を端末として、それらをコントロールする無線ネットワークが構築されている。
【0005】
電子棚札システムを使用すると、値下げやタイムサービス価格の変更を瞬時に行うことができ、「新商品」、「お買い得」等の顧客へのメッセージも容易に表示、非表示が可能となる。電子棚札システムと販売時点管理システム(Point Of Sales system:以下でPOSシステムともいう)とを連動させることによって、商品管理を効率化することもできる。
【0006】
POSシステムでは、店舗で商品を販売する毎に商品の販売情報を記録し、その集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いられる。また、電子棚札としての小型表示パネルよりも少し大きい、中型の情報表示装置は、受付のデスクに設置されて案内板に使用されたり、商品説明ボード等に使用される場合ある。この種の小型表示パネルを電子棚札として使用した場合、当該電子棚札には情報表示基板が使用される。
【0007】
図13は、従来例に係る情報表示基板10における配線例を示す概要図である。図13に示す情報表示基板10は電子棚札等に用いられ、情報表示基板10によれば、表示ドライバ1及び表示部2、SEG配線3及びCOM配線4を有して構成される。
【0008】
情報表示基板10は、X方向の幅がwで、Y方向の高さがhであり、略正方形を有している。表示ドライバ1及び表示部2は長方形を有している。
【0009】
表示部2は、情報表示基板10の左上部に配置され、表示ドライバ1が表示部2の下方の基板空き領域に配置されている。表示部2の右側の基板空き領域がCOM配線4等の配線領域に割り当てられ、その表示部2と表示ドライバ1との間の基板空き領域がSEG配線3の配線領域に割り当てられている。SEG配線3は、表示部2の下部長辺側から引き出され、表示ドライバ1の上部長辺側に設けられたSEG配線用の端子部に接続されている。
【0010】
また、COM配線4は、表示部2の右側短辺から引き出され、表示ドライバ1の右側短辺に設けられたCOM配線用の端子部に接続されている。図示せずも、表示部12の対向電極はX方向(行方向)に沿って配置され、画素電極は、列方向(Y軸)に沿って配置される。表示部12において、対向電極と画素電極とは交差するように配置される。
【0011】
ここで、表示ドライバ1から表示部2への信号の流れについて説明する。図13に示す表示ドライバ1は、例えば、画像「ABC」を表示するような画像データに基づく画素電圧をSEG配線3を介してY方向の画素電極に印加し、かつ、走査信号をCOM配線4を介してX方向の対向電極に印加して表示部2を表示駆動するようになされる。
【0012】
このとき、表示ドライバ1は、COM配線4を介してX方向の対向電極に、走査信号を成すバイアス電圧を印加すると共に、SEG配線3を介してY方向の画素電極に、画素電圧を成すバイアス電圧を印加する。そして、この対向電極及び画素電極に対して同時にバイアス電圧が印加されると、その交差点のドットが点灯するようになる。これにより、表示部2に画像「ABC」を表示できるようになる。
【0013】
この種の電子棚札に関連して特許文献1には、電子名札が開示されている。この電子名札によれば、名前の表示手段を備え、この名前の表示手段には外部から書き換え可能な液晶表示手段が使用される。これを前提にして、パーソナルコンピュータ等の外部機器(サーバ)から液晶表示手段に電気信号を送信し、当該電気信号に基づいて液晶表示手段に表示する文字データを外部から書き替えるようにした。このように電子名札を構成すると、名札を電子化した電子名札を実現できるため、名札情報を簡単に書き替えできるというものである。
【0014】
また、小型表示パネルに関して、特許文献2にはドットマトリクス型のEL表示装置が開示されている。EL表示装置によれば、EL素子、複数の走査電極及びデータ電極を備える。走査電極は、EL発光層の一面側に複数設けられる。データ電極は、他面側に複数設けられる。EL素子は、これら走査電極とデータ電極とが重なり合う位置に形成されている。
【0015】
EL表示装置では、走査電極、データ電極にそれぞれ走査電圧、データ電圧が印加されると、EL素子が選択的に発光するようになる。これらを前提にして、各走査電極が、連続した複数行のEL素子を同時に駆動可能に形成され、同じ走査電極により駆動されるEL素子が、それぞれ異なるデータ電極に接続されるものである。このようにEL表示装置を構成すると、輝度を高めることができ、コストを低減できるというものである。
【0016】
なお、小型表示パネルに関して、特許文献3には有機エレクトロルミネッセンス(以下ELという)素子及びその製造方法が開示されている。有機EL素子は電子棚札や、携帯電話、PDA等に適用可能なものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平 08−258469号公報(第3頁 図1)
【特許文献2】特開2005−275263号公報(第5頁 図4)
【特許文献3】特開2007−109602号公報(第4頁 図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、従来例に係る情報表示基板10によれば、次のような問題がある。
i.図13に示した表示部2が、横長(例えば、横縦比2:1)の長方形状を有しているにも係わらず、表示部2が情報表示基板10の左上部に配置され、表示部2の下方の基板空き領域に表示ドライバ1が配置され、表示部2の右側の基板空き領域がCOM配線4の配線領域に割り当てられ、その表示部2と表示ドライバ1との間の基板空き領域がSEG配線3及の配線領域に割り当てられている。
【0019】
このため、表示部2を含む装置全体の形態が縦方向と横方向とがほぼ等しくなってしまう傾向にある。情報表示基板10を正方形状あるいは正方形状に近くなるような形態(図13の例で横縦比19:17)にせざるを得ない。
【0020】
ii.表示ドライバ1の部分が表示部2の下方から出っ張った位置に配置されると、表示部2の短手方向の基板空き領域への出っ張りが多くなることから、情報表示基板10を電子棚札として使用した場合、例えば、商品棚の桟部分等の幅の狭い領域に設置する場合が多くなるので、表示部2から下方へ出っ張った部分が多いに邪魔になるという問題がある。
【0021】
iii.因みに特許文献1に見られるような電子名札や、案内板等に適用可能な特許文献2、3に見られるような有機EL表示装置において、用途にもよるが、表示部の下方の出っ張り部分が多くなると、何かと配置し難く見栄えが悪くなるという問題がある。
【0022】
そこで、本発明は、駆動部の配置方法を工夫して、表示部の短手方向の基板空き領域への出っ張りを最小限に抑制できるようにすると共に、表示部を含む装置全体の形態を縦方向に比べて横方向が長くなる横長化できるようにした情報表示装置及び情報表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上述の課題を解決するために、請求項1に係る情報表示装置は、一画素を画定する画素電極を有し、かつ、当該画素電極に対向する位置に対向電極を有して、前記画素電極の各々に対応して接続された複数の画素配線と前記対向電極の各々に対応して接続された複数の対向配線とが格子状を成して情報を表示する表示部と、前記表示部の対向配線及び画素配線に接続され、前記画素電極及び対向電極間に所定の電圧を印加して前記画素の表示駆動をする駆動部とを備え、前記表示部は、長手方向に所定の幅を有し、かつ、短手方向に所定の高さを有して所定の大きさの基板に配置され、前記駆動部は、前記表示部の長手方向の一方側に隣接する基板空き領域に配置されていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項1に係る情報表示装置によれば、表示部は、長手方向に所定の幅を有し、かつ、短手方向に所定の高さを有して所定の大きさの基板に配置される。表示部は、一画素を画定する画素電極を有し、かつ、当該画素電極に対向する位置に対向電極を有している。表示部は、画素電極の各々に対応して接続された複数の画素配線と対向電極の各々に対応して接続された複数の対向配線とが格子状を成して情報を表示する。駆動部は、表示部の長手方向の一方側に隣接する基板空き領域に配置される。これを前提にして、駆動部が表示部の対向配線及び画素配線に接続され、画素電極及び対向電極間に所定の電圧を印加して画素の表示駆動をするようになる。
【0025】
この駆動部の配置によって、表示部の短手方向の基板空き領域への出っ張りを最小限に抑制することができ、表示部を含む装置全体の形態を縦方向に比べて横方向が長くなる横長化した軽薄小型の情報表示パネルを実現できるようになる。
【0026】
請求項2に係る情報表示装置は、請求項1において、前記表示部は、前記駆動部に対向する側に角部を有し、前記駆動部は、前記表示部に対向する側に角部を有し、前記駆動部は、前記表示部の短手方向と並行する側に前記画素配線を接続するための複数の画素電極用の端子部が設けられ、かつ、前記長手方向と並行する側に前記対向配線を接続するための複数の対向電極用の端子部が設けられ、前記画素配線は、前記表示部の短手方向から引き出され、当該短手方向と略直交する前記表示部の長手方向に沿って当該表示部の角部に至り、当該角部を迂回する形態で前記画素電極用の端子部に接続され、前記対向配線は、前記短手方向と略直交する前記表示部の長手方向から引き出され、前記駆動部の近くまで延在され、当該駆動部の角部を迂回する形態で、前記対向電極用の端子部に接続されることを特徴とするものである。
【0027】
請求項3に記載の情報表示装置は、請求項2において、前記表示部の角部を迂回する前記画素配線の部分と、前記駆動部の角部を迂回する前記対向配線の部分とが卍状に交差することを特徴とするものである。
【0028】
請求項4に記載の情報表示装置は、請求項2において、前記表示部は、前記駆動部に対向する側に第1及び第2の角部を有し、前記駆動部は、前記表示部に対向する側に第1及び第2の角部を有し、前記駆動部は、前記表示部の短手方向と並行する側に前記画素配線の所定数を接続するための複数の画素電極用の第1の端子部と、前記表示部の短手方向と並行する側に前記画素配線の残り数を接続するための複数の画素電極用の第2の端子部が設けられ、かつ、前記表示部の長手方向と並行する一方の側に前記対向配線の所定数を接続するための複数の対向電極用の第1の端子部と、前記表示部の長手方向と並行する他方の側に前記対向配線の残り数を接続するための複数の対向電極用の第2の端子部とが設けられ、前記画素配線の所定数は、前記表示部の短手方向の一端から引き出され、当該短手方向と略直交する前記表示部の長手方向に沿って当該表示部の第1の角部に至り、当該第1の角部を迂回する形態で前記画素電極用の第1の端子部に接続され、前記画素配線の残り数は、前記表示部の短手方向の他端から引き出され、当該短手方向と略直交する前記表示部の長手方向に沿って当該表示部の第2の角部に至り、当該第2の角部を迂回する形態で前記画素電極用の第2の端子部に接続され、前記対向配線の所定数は、前記表示部の短手方向と略直交する前記表示部の長手方向から引き出され、前記駆動部の近くまで延在され、当該駆動部の第1の角部を迂回する形態で、前記対向電極用の第1の端子部に接続され、前記対向配線の残り数は、前記表示部の短手方向と略直交する前記表示部の長手方向から引き出され、前記駆動部の近くまで延在され、当該駆動部の第2の角部を迂回する形態で、前記対向電極用の第2の端子部に接続されることを特徴とするものである。
【0029】
請求項5に記載の情報表示装置は、請求項4において、前記表示部の第1の角部を迂回する前記画素配線の所定数の部分と、前記駆動部の第1の角部を迂回する前記対向配線の所定数の部分とが卍状に交差され、前記表示部の第2の角部を迂回する前記画素配線の残り数の部分と、前記駆動部の第2の角部を迂回する前記対向配線の残り数の部分とが逆向きの卍状に交差されることを特徴とするものである。
【0030】
請求項6に記載の情報表示装置は、請求項4において、前記表示部が所定の長辺及び短辺を成す大きさの表示領域を有し、前記画素配線の所定数が、前記表示部の短手方向の一端であって、前記駆動部から最も離れた前記表示領域の端部から順次、当該表示領域の中央部に至り引き出されて前記画素電極用の第1の端子部に接続され、前記画素配線の残り数が、前記表示部の短手方向の他端であって、当該表示部の表示領域の中央部から順次、前記駆動部に最も接近する位置に至り引き出されて前記画素電極用の第2の端子部に接続され、前記対向配線の所定数が、前記表示部の短手方向と略直交する前記表示部の表示領域の上端部の長手方向からその中央部に至り引き出されて前記対向電極用の第1の端子部に接続され、前記対向配線の残り数が、前記表示部の短手方向と略直交する前記表示部の表示領域の中央部から下端部に至りの長手方向から引き出されて前記対向電極用の第2の端子部に接続され、前記表示部の表示領域の長辺及び短辺の各々の略中央部を基準に4分割して当該表示部を表示駆動する場合に、分割された前記表示領域の上下及び左右に画像を表示するための各々のデータを、前記表示領域の上下及び左右を各々反転させ、前記表示部の長手方向で隣り合う左右の画像を入れ替えた画像データを分割画像データとしたとき、前記駆動部は、前記表示部の長手方向において、前記表示領域の一端から中央部に至る部分と当該中央部から他端に至る部分の前記分割画像データを区分して前記画像電極側基板に伝送し、前記表示部の短手方向において、前記表示領域の中央部からそれぞれの端部に至り走査される走査信号を区分して前記対向電極側基板に伝送し、前記分割画像データ及び前記走査信号に基づいて前記表示部を表示駆動することを特徴とするものである。
【0031】
請求項7に記載の情報表示装置は、請求項1乃至6において、前記表示部は、液晶を配光膜で挟んだ液晶層と、一画素毎に画素電極を有し、かつ、偏光板、ガラス板及び画素電極用の透明導電膜を有して前記画素配線が引き出された画素電極側基板と、前記画素電極に対向する位置に対向電極を有し、かつ、偏光板、ガラス板及び対向電極用の透明導電膜を有して前記対向配線が引き出された対向電極側基板とを備え、前記画素電極側基板と対向電極側基板とで前記液晶層を挟み込んだ液晶表示基板を有することを特徴とするものである。
【0032】
請求項8に記載の情報表示装置は、請求項1乃至6において、前記表示部は、少なくとも、走査線用の透明導電膜を有した陽極、正孔を輸送する正孔輸送層、光を発する発光層、電子を輸送する電子輸送層及びデータ線用の透明導電膜を有した陰極を有する有機EL薄膜と、カバー用のガラス基板と、封止用のガラス基板とを備え、前記カバー用のガラス板と封止用のガラスとで前記有機EL層を挟み込んだ有機EL表示基板を有することを特徴とするものである。
【0033】
請求項9に記載の情報表示システムは、画像データを無線又は有線方式によって送信する情報処理装置と、前記情報処理装置から無線又は有線方式で前記画像データを受信し、当該画像データに基づく画像を表示する表示装置とを備え、前記表示装置には前記請求項1乃至8に記載のいずれかの情報表示装置が含まれることを特徴とするものである。
【0034】
本発明に係る情報表示システムによれば、画像データが提供される情報処理装置から無線又は有線方式で画像データを受信し、当該画像データに基づく画像を表示する表示装置には、請求項1乃至8に記載のいずれかの情報表示装置が含まれるものである。この構成によって、軽薄小型の情報表示パネルを使用した商品名や価格等の画像を表示する電子棚札(値札)を応用した電子棚札システムを提供できるようになる。
【0035】
請求項10に記載の情報表示システムは、請求項9において、前記表示装置には、所定の長辺及び短辺を成す大きさの表示領域を有する表示部が設けられ、前記情報処理装置は、前記表示装置の表示領域の長辺及び短辺の各々の略中央部を基準に4分割し、当該表示部を表示駆動する場合に、分割された前記表示領域の上下及び左右に画像を表示するための各々の画像データを、前記表示領域の上下及び左右を各々反転させ、前記表示部の長手方向で隣り合う左右の画像を入れ替えた分割画像データに変換する表示変換部を備えることを特徴とするものである。
【0036】
請求項11に記載の情報表示システムは、請求項10において、前記表示装置は、前記画像データ又は分割画像データを一時的に格納する画像メモリと、前記画像データ又は分割画像データに基づく画像を前記表示部に表示するタイミングを制御するタイミング制御部と、前記タイミング制御部によって表示タイミング制御される画像の表示制御を実行する表示制御部とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る情報表示装置によれば、長手方向に所定の幅を有し、かつ、短手方向に所定の高さを有した所定の大きさの基板に配置された表示部の長手方向の一方側に隣接する基板空き領域に駆動部が配置され、当該駆動部が表示部の対向配線及び画素配線に接続され、画素電極及び対向電極間に所定の電圧を印加して画素の表示駆動をするものである。
【0038】
この構成によって、表示部の短手方向の基板空き領域への出っ張りを最小限に抑制することができ、表示部を含む装置全体の形態を縦方向に比べて横方向が長くなる横長化した軽薄小型の情報表示パネルを実現できるようになる。これにより、軽薄小型の情報表示パネルを使用した商品名や価格等の画像を表示する電子棚札(値札)及びそれを応用した電子棚札システムの構築に寄与するところが大きい。
【0039】
本発明に係る情報表示システムによれば、画像データが提供される情報処理装置から無線又は有線方式で画像データを受信し、当該画像データに基づく画像を表示する表示装置には、本発明に係るいずれかの情報表示装置が含まれるものである。この構成によって、軽薄小型の情報表示パネルを使用した商品名や価格等の画像を表示する電子棚札(値札)を応用した電子棚札システムを提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る実施形態としての情報表示装置100の構成例を示すブロック図である。
【図2】情報表示基板101の配線例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施例に係る表示部12の構成例を示す断面図である。
【図4】(A)及び(B)は、情報表示基板101の組立例(その1)を示す上面の概要図である。
【図5】情報表示基板101の組立例(その2)を示す断面の概要図である。
【図6】第2の実施例に係る表示部20の構成例を示す斜視図である。
【図7】第3の実施例に係る表示部30の構成例を示す斜視図である。
【図8】第4の実施例に係る情報表示システム104の構成例を示す概要図である。
【図9】画像データ変換例(その1)を示す概要図である。
【図10】画像データ変換例(その2)を示す概要図である。
【図11】第5の実施例に係る情報表示基板105の配線例を示すブロック図である。
【図12】第6の実施例に係る情報表示基板106の配線例を示すブロック図である。
【図13】従来例に係る情報表示基板10の配線例を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る情報表示装置及び情報表示システムについて説明する。図1に示す情報表示装置100は電子棚札等の小型表示パネルに適用可能なものであり、プログラム格納用の読み出し専用メモリ(Read Only Memory:以下ROM21という)、ワーク用の随時情報の書き込み読出し可能なメモリ(Random Access Memory:以下RAM22という)、電気的に情報の消去及びプログラム可能な読出し専用メモリ(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory:以下EEPROM23という)、中央処理ユニット(Central Processing Unit;以下CPU24という)、画像メモリ25、表示コントローラ26、タイミングコントローラ27、電源28、外部接続部材29及び情報表示基板101を有して構成される。
【0042】
ROM21、RAM22、EEPROM23、表示コントローラ26及び、外部接続部材29はCPU24に接続される。ROM21には表示装置本体を制御するための表示制御プログラムの他に、画像データの書き込み制御や、表示コントローラ26の出力制御を実行する際の制御情報が格納されている。RAM22には、上述の表示制御プログラムや、制御情報、画像データD29等が一時格納される。EEPROM23には、例えば、電子棚札等の商品固有のコードデータ等が格納される。
【0043】
CPU24は、例えば、電源28がオンされると、電源オン情報を検出し、ROM21から表示制御プログラムを読み出してRAM22に展開し、表示制御プログラムを起動して、当該表示装置全体を制御するようになされる。この例では、CPU24には外部接続部材29が接続される。外部接続部材29には、情報表示装置100の使用態様によって、パーソナルコンピュータ(以下パソコンという)等の外部機器と通信ケーブルを接続するための単なる外部接続端子や、当該外部機器と無線通信をするための無線通信モデムが含まれる。無線通信モデムを使用した無線通信方式を採ると、情報表示装置100の表示内容を経過時間毎に簡単に書き変えることができる。
【0044】
なお、電源28は、CPU24及び情報表示基板101等に接続され、CPU24及び情報表示基板101の他、ROM21、RAM22、EEPROM23、画像メモリ25、表示コントローラ26、外部接続部材29に電源を供給するようになされる。電源28は、太陽電池や2次電池等から構成される。
【0045】
外部接続部材29は外部のデバイスとデータ通信を行う。例えば、外部接続部材29はパソコン等から受信したカラー用又は白黒用のデジタルの画像データD29を受信する。画像データD29はCPU24や、CPU24を介してRAM22に記憶され、又は、CPU24、表示コントローラ26を介して画像メモリ25に記憶される。画像データD29は、電子棚札が対応付けられる商品の名称、価格、値引き情報等である。
【0046】
CPU24には表示制御部の一例を構成する表示コントローラ26が接続される。表示コントローラ26は、一方が画像メモリ25に接続され、他方が、タイミング制御部の一例を構成するタイミングコントローラ27に接続される。表示コントローラ26は、CPU24から出力される制御情報(所定の動作周波数のクロック信号を含む)に基づいて画像メモリ25への画像データD29の書き込みや、その画像データD29の読み出し制御を実行したり、タイミングコントローラ27へタイミング制御信号を含む画像データD29を出力して表示制御を実行する。
【0047】
表示コントローラ26は、画像メモリ25から画像データD29を読み出し、画像データD29に基づいてタイミングコントローラ27を制御する。タイミングコントローラ27は、表示コントローラ26の他に情報表示基板101に接続される。情報表示基板101は表示ドライバ11及び表示部12を含み構成される。タイミングコントローラ27は、表示部12に画像データD29に基づく画像を表示するための同期信号等を発生し、同期信号等に基づいて表示ドライバ11の表示タイミングを制御するようになされる。
【0048】
タイミングコントローラ27は情報表示基板101に接続される。情報表示基板101の大きさは、長手方向(X方向;以下(X)という)の幅がW[mm]であり、短手方向(Y方向;以下(Y)という)の高さがH[mm]である。表示部12は、例えば、情報表示基板101の右側領域に配置され、表示ドライバ11は、表示部12の長手方向(X)の一方側(この例では左側)に隣接する空き領域(以下で基板空き領域という)に配置されている。図中の破線矢印は画素電圧や、走査信号の印加順を示す方向(以下走査方向ともいう)を示している。
【0049】
この表示ドライバ11を情報表示基板101の基板空き領域に配置したのは、この配置によって、表示部12の短手方向(Y)の基板空き領域への出っ張りを最小限に抑制することができる。しかも、表示部12を含む装置全体の形態を縦方向に比べて横方向が長くなり、横長化した軽薄小型の情報表示装置100を実現できるためである。
【0050】
この例で、表示部12は、一画素を画定する画素電極を有し、かつ、当該画素電極に対向する位置に対向電極を有している。表示部12は、画素電極の各々に対応して接続された複数の画素配線(以下でSEG配線13,14という)と対向電極の各々に対応して接続された複数の対向配線(以下でCOM配線15,16という)とが格子状を成して画像データD29に基づく画像を表示する。図中では画像「ABC」を表示している。
【0051】
表示ドライバ11は、表示部12のSEG配線13,14及びCOM配線15,16に接続され、画素電極及び対向電極間に所定の電圧を印加して画素の表示駆動をする。表示ドライバ11は、例えば、X方向の対向電極に電圧波形を印加するためのXドライバ11x、及び、Y方向の画素電極に電圧波形を印加するためのYドライバ11yから構成される(図5参照)。表示ドライバ11には、Xドライバ11x及びYドライバ11yを半導体集積回路化したIC装置が使用される。
【0052】
ここで図2を参照して、情報表示基板101の配線例について説明する。図2は、情報表示基板101の裏面側から見た図である。図2に示す情報表示基板101によれば、全表示画素が134Line×70Line=9380dotsの表示部12を有している。情報表示装置100は、表示部12が所定長さの長辺W1及び、所定長さの短辺H1を成す大きさの表示領域(以下有効表示領域という)を有している。有効表示領域において、表示画面の横縦比は、2:1である。この例で、有効表示領域は128Line×64Line=8192dotsである。左右・上下3Lineはダミー画素である。
【0053】
表示部12は、表示ドライバ11に対向する側(左側)に第1の角部a及び第2の角部bを有している。もちろん、その右側にも角部c,dを有している。表示ドライバ11は、表示部12に対向する側(右側)に第1角部c及び第2の角部dを有している。もちろん、その左側にも角部a,bを有している。
【0054】
表示ドライバ11には、表示部12の短手方向(Y)と並行する側に、SEG配線13の所定数(この例では64本)を接続するための画素電極用の64個の第1の端子部が設けられる。図中、画素電極用の第1の端子部は、端子SEG0〜端子SEG63で示している。表示部12の短手方向(Y)と並行する側には、残り数である64本のSEG配線14を接続するための画素電極用の64個の第2の端子部が設けられる。図中、画素電極用の第2の端子部は、端子SEG64〜端子SEG127で示している。
【0055】
表示部12の長手方向(X)と並行する上方の側に、所定数(この例では32ライン)のCOM配線15を接続するための対向電極用の32個の第1の端子部が設けられる。図中、対向電極用の第1の端子部は、端子COM0〜端子COM31で示している。表示部12の長手方向(X)と並行する下方の側には、残り数である32ラインのCOM配線16の残り数を接続するための複数の対向電極用の第2の端子部とが設けられる。図中、対向電極用の第2の端子部は、端子COM32〜端子COM63で示している。
【0056】
64本のSEG配線13は、表示部12の短手方向(Y)の右上端側から引き出され、当該短手方向(Y)と略直交する表示部12の長手方向(X)に沿って当該表示部12の角部aに至り、当該角部aを迂回する形態で画素電極用の端子SEG0〜端子SEG63に接続される。残りの64本のSEG配線14は、表示部12の短手方向(Y)の左下端側から引き出され、当該短手方向(Y)と略直交する表示部12の長手方向(X)に沿って当該表示部12の角部bに至り、当該角部bを迂回する形態で画素電極用の端子SEG64〜端子SEG127に接続される。
【0057】
32ラインのCOM配線15は、表示部12の短手方向(Y)と略直交する表示部12の長手方向(X)から引き出され、表示ドライバ11の近くまで延在され、当該表示ドライバ11の角部cを迂回する形態で、対向電極用の端子COM0〜端子COM31に接続される。残りの32ラインのCOM配線16は、表示部12の短手方向(Y)と略直交する表示部12の長手方向(X)から引き出され、表示ドライバ11の近くまで延在され、当該表示ドライバ11の角部dを迂回する形態で、対向電極用の端子COM32〜端子COM65に接続される。
【0058】
図2に示した情報表示基板101によれば、表示部12の角部aを迂回する32本のSEG配線13の部分と、表示ドライバ11の角部cを迂回する64ラインのCOM配線15の部分とが卍状に交差され、更に、表示部12の角部bを迂回する32本のSEG配線14の部分と、表示ドライバ11の角部dを迂回する64ラインのCOM配線16の部分とが逆向きの卍状に交差される。卍状に交差する部分は、空間又は絶縁物が介在され、絶縁が保持される。
【0059】
なお、表示ドライバ11の左辺側には、電源用及び制御用等の28個の端子が設けられる。端子1.には、電源V0が印加され、端子2.には、電圧V4が印加され、端子3.には、電圧V3が印加され、端子4.には、電圧V2が印加され、端子5.には、電圧V1が印加され、端子7.には、電源VDDが印加され、端子8.には、電圧D/Cが印加され、端子9.には、制御信号CS1が入力され、端子10.には、リセット信号RESTが入力され、端子11.には、システムクロックSCLKが入力され、端子12.には、制御信号SDが入力され、端子13.には、動作中信号BUSYが入力される。
【0060】
また、端子14.には、電源VSSが印加され、端子15.には、制御信号VCP1が入力され、端子16.には、制御信号CIPが入力され、端子17.には、制御信号CINが入力され、端子18.には、制御信号VCP2が入力され、端子19.には、制御信号C2Pが入力され、端子20.には、制御信号C2Nが入力され、端子21.には、制御信号VCP3が印加され、端子22.には、制御信号C3Pが入力され、端子23.には、制御信号C3Nが入力され、端子24.には、制御信号VCP4が印加され、端子25.には、制御信号C4Pが入力され、端子26.には、制御信号C4Nが入力され、端子27.には、電圧VC1が印加され、端子28.は電源VSSが各々入力される。これらにより、情報表示基板101におけるSEG配線13,14及びCOM配線15,16が配線される。
【実施例1】
【0061】
続いて、図3を参照して、第1の実施例に係る表示部12の構成例について説明する。図3に示す表示部12は、画素電極側基板111と対向電極側基板112とで液晶層125を挟み込んだ液晶表示基板を有し、液晶シャッター機構を構成している。
【0062】
画素電極側基板111は、偏光板121、ガラス基板122、透明導電膜123及び配光膜124を有し、これらが順次積層されて構成される。透明導電膜123は画素電極や、駆動トランジスタ等を構成する。画素電極(Y方向の電極)や、駆動トランジスタ等は一画素毎に設けられる。透明導電膜123はSEG配線13,14として表示部12から引き出される。
【0063】
対向電極側基板112は、配光膜126、透明導電膜127、カラーフィルタ128、ガラス基板129及び偏光板131を有し、これらが順次積層されて構成される。透明導電膜127は、上述の画素電極に対向する位置で対向電極(X方向の電極)を構成する。透明導電膜127は、1ライン毎に設けられ、当該透明導電膜127がCOM配線15,16として引き出されている。
【0064】
液晶層125は液晶を画素電極側基板111の配光膜124と、対向電極側基板112の配光膜126で挟み込む形態で構成されている。上述の画素電極を構成する透明導電膜123及び対向電極を構成する透明導電膜127との間には、画像データD29に基づく信号源132(書き込み電圧)が印加され、画素毎に表示駆動が行われる。これらにより、液晶シャッター機構を有した情報表示基板101が構成される。この例では、カラー表示を行うため、透明導電膜127とガラス基板129との間にカラーフィルタ128を挿しているが、白黒表示を行う場合は、当該カラーフィルタ128を省略してもよい。
【0065】
続いて、図4及び図5を参照して、情報表示基板101の組立例(その1、2)について説明する。この例では、図4A及び図4Bに示すように、Xドライバ及びYドライバを有する表示ドライバ11が使用される。図4Aに示す画素電極側基板111によれば、表示部12を構成する130本の透明導電膜123を当該短手方向(Y)に沿って配置する。この例では、130本の透明導電膜123から左右3本の透明導電膜123を除く、128本(行)の透明導電膜123を、表示ドライバ11を構成するYドライバ11yに接続するようになされる。表示ドライバ11は、表示部12に隣接した画素電極側基板111の基板空き領域に配置するようになされる。
【0066】
この例では、SEG配線13,14を画素電極側基板111の両方の長辺に半分ずつ振り分けて接続する。片方は表示ドライバ11から離れた方から近い方へ、長辺の略中央部分(半分程度の本数)の位置に配線する。もう一方は、長辺の中央部から表示ドライバ11の付近まで配線される。128本の透明導電膜123からSEG配線13,14を各々引き出す場合に、例えば、Yドライバ11yの端子SEG0〜SEG63にSEG配線13を接続し、Yドライバ11yの端子SEG64〜SEG127にSEG配線14を接続する。これでY方向の128本の配線が全て網羅される。画像データD29に基づく画素信号は、右側半分が表示部12の右端部側から中央部へ、その左側半分が表示部12の中央部から左端部側へと伝送される。
【0067】
図4Bに示す対向電極側基板112によれば、表示部12を構成する70本の透明導電膜127を当該長手方向(X)に沿って配置する。この例では、70本の透明導電膜127から上下3本の透明導電膜127を除く、64本(行)の透明導電膜127を、表示ドライバ11を構成するXドライバ11xに接続するようになされる。表示ドライバ11は、表示部12に隣接した対向電極側基板112の基板空き領域に配置するようになされる。
【0068】
この例では、COM配線15,16を対向電極側基板112の短辺に沿って半分ずつ振り分けて接続する。COM配線15は、対向電極側基板112の上部の短辺に沿って接続され、COM配線16は、その下部の短辺に沿って接続される。64本の透明導電膜123からCOM配線15,16を各々引き出す場合に、例えば、Xドライバ11xの端子COM0〜COM31に32本のCOM配線15を接続し、Xドライバ11xの端子COM32〜COM63に32本のCOM配線16を接続する。これでX方向の64本の配線が全て網羅される。画像データD29に係る走査信号は、上半分が表示部12の中央部から上端部側へ、その下半分が表示部12の中央部から下端部側へと伝送される。
【0069】
図5に示す情報表示基板101は、その長手方向(X)の断面図において、画素電極側基板111と対向電極側基板112との間に液晶層125を挟み込む形態で組み立てられる。例えば、画素電極側基板111の配光膜124と、対向電極側基板112の配光膜126とが対峙するように位置合わせを行い、画素電極側基板111と対向電極側基板112とがZ軸方向で重なり合うようにして、画素電極側基板111の配光膜124と、対向電極側基板112の配光膜126との間に液晶を封止する。
【0070】
なお、図中、画素電極側基板111において、ガラス基板122、透明導電膜123及び配光膜124を省略している。対向電極側基板112においても、配光膜126、透明導電膜127、カラーフィルタ128及びガラス基板129を省略している。これらにより、画素電極側基板111の配光膜124と、対向電極側基板112の配光膜126とで液晶が挟み込まれ、当該液晶が封止する形態で組み立てられた液晶シャッター機構を有した情報表示基板101が完成する。
【0071】
情報表示基板101では、画素電極側基板111から延在するSEG配線13,14及び、対向電極側基板112から延在するCOM配線15,16は、表示ドライバ11に接続され、画素電極を構成する透明導電膜123及び対向電極を構成する透明導電膜127との間に信号源132から所定の電圧を印加して画素毎に表示駆動が行われる。
【0072】
表示ドライバ11のXドライバ11xは、64本の対向電極に対して、COM配線15,16を介して走査信号を成すバイアス電圧を印加する。表示ドライバ11のYドライバ11yは、128本の画素電極に対して、SEG配線13,14を介して画素電圧を成すバイアス電圧を印加する。
【0073】
表示部12に対して使用される表示ドライバ11のXドライバ11x、Yドライバ11yの個数は、表示部12の行方向のサイズおよび列方向のサイズに従って設定される。なお、表示部12を構成する各ドット毎に点灯状況が更新される場合は、対応する画素電極および対向電極のバイアス電圧の印加状況のみが更新される形態であってもよい。
【0074】
このように第1の実施例に係る情報表示装置100によれば、情報表示基板101を備え、表示ドライバ11は、表示部12の長手方向(X)の一方側に隣接する基板空き領域に配置される。これを前提にして、表示ドライバ11が表示部12のCOM配線15,16及びSEG配線13,14に接続され、画素電極及び対向電極間に所定の電圧を印加して画素の表示駆動をするようになる。
【0075】
この表示ドライバ11の配置によって、表示部12の短手方向(Y)の基板空き領域への出っ張りを最小限に抑制することができ、表示部12を含む装置全体の形態を縦方向に比べて横方向が長くなる横長化した軽薄小型の情報表示装置100を実現できるようになる。これにより、情報表示基板101における省スペース化が図られ、軽薄小型の情報表示装置100を使用した、商品名や価格等の画像を表示する電子棚札(値札)及びそれを応用した電子棚札システム等の構築に寄与するところが大きい。
【0076】
この例では、パソコン等の外部機器から外部接続部材29を介して画像データD29を受信し、画像を表示部12で表示する場合について説明したが、これに限られることはない。例えば、予め、ROM21又はEEPROM23に固定又は半固定的に画像データD29を記憶して置き、電源オンと共に、ROM21又はEEPROM23から画像データD29を読み出し、画像データD29に基づく画像を表示部12で表示してもよい。
【実施例2】
【0077】
続いて、図6を参照して、第2の実施例に係る表示部20の構成例について説明する。 図6に示す表示部20は、情報表示装置100に使用可能な有機EL表示基板を構成する。表示部20は、封止用のガラス板201、カバー用のガラス板207及び有機EL薄膜層210を有し、ガラス板201とガラス板207とで、有機EL薄膜層210を挟み込むことにより有機EL表示基板を構成する。
【0078】
有機EL薄膜層210は、データ線用の導電膜を有した陰極202、電子を輸送する電子輸送層203、光を発する発光層204、正孔を輸送する正孔輸送層205及び、走査線用の透明導電膜を有した陽極206を順次積層して構成される。
【0079】
このように第2の実施例に係る表示部20によれば、陰極202を構成する透明導電膜及び走査線用の透明導電膜を有した陽極206との間に、画像データD29に基づく交流のパルス電圧を印加することで、発光層204が光を発生する。これらにより、情報表示装置100に使用可能な有機EL表示基板を構成できるようになる。情報表示装置100には、有機EL表示基板の他に無機EL表示基板も使用できる。
【実施例3】
【0080】
続いて、図7を参照して、第3の実施例に係る表示部30の構成例について説明する。 図7に示す表示部30は、情報表示装置100に使用可能なパッシプマトリックス式の有機EL表示基板を構成する。表示部30は、陰極側ガラス板31、陽極側ガラス板32及び有機EL薄膜層33を有し、陰極側ガラス板31と陽極側ガラス板32とで、有機EL薄膜層33を挟み込むことによりパッシプマトリックス式の有機EL表示基板を構成する。
【0081】
陰極側ガラス板31上には、陰極(データ線)を構成するY電極、この例では、6本の電極Y0〜Y5が配置される。電極Y0〜Y5は導電膜から構成される。陽極側ガラス板32上には、陽極(走査線)を構成するX電極、この例では、6本の電極X0〜X5が配置される。電極X0〜X5は透明導電膜から構成される。陰極側ガラス板31と陽極側ガラス板32とは、電極X0〜X5と電極Y0〜Y5が直交する形態で、有機EL薄膜層33を挟み込むように組み立てられる。
【0082】
このように第3の実施例に係る表示部30によれば、陰極を構成する導電膜(電極Y0〜Y5)及び陽極を構成する透明導電膜(電極X0〜X5)との間に、画像データD29に基づく交流のパルス電圧を印加することで、有機EL薄膜層33が光を発生する。これらにより、情報表示装置100に使用可能なパッシプマトリックス式の有機EL表示基板を構成できるようになる。
【実施例4】
【0083】
続いて、図8を参照して、第4の実施例に係る情報表示システム104について説明する。この例では、電子棚札#1〜#3の表示領域の長辺W1及び短辺H1の各々の略中央部を基準に4分割し、当該表示部12を4分割表示駆動する場合を例に挙げる。図8に示す情報表示システム104は、情報処理装置40、無線通信モデム45及び複数の電子棚札#1〜#3を有して構成される。
【0084】
電子棚札#1〜#3は表示装置の一例を構成し、情報処理装置40から無線方式又は有線方式で分割画像データD29’を受信し、当該分割画像データD29’に基づく分割画像を表示する。電子棚札#1〜#3には、第1〜第3の実施例で説明した情報表示装置100のいずれかが含まれる(使用される)。
【0085】
電子棚札#1〜#3には、図2や、図8に示すように所定の長辺W1及び短辺H1を成す大きさの表示領域を有する表示部12が設けられる。電子棚札#1〜#3においては、図1に示した画像メモリ25に分割画像データD29’が一時的に格納される。同図に示したタイミングコントローラ27は、分割画像データD29’に基づく分割画像を表示部12に表示するタイミングを制御する。更に、同図に示した表示コントローラ26は、タイミングコントローラ27によって表示タイミング制御される分割画像の表示制御を実行する。
【0086】
情報処理装置40は、分割画像データD29’を無線方式によって複数の電子棚札#1〜#3に送信する。情報処理装置40には、パーソナルコンピュータ及び無線通信モデム45が使用される。情報処理装置40は、マウス41、キーボード42、モニタ43、制御ユニット44を有している。マウス41やキーボード42等は、例えば、電子棚札#1が対応付けられた商品の値下げや、タイムサービス価格を変更する際に操作される。
【0087】
モニタ43には、電子棚札#1の表示部12に表示すべき画像が表示される。制御ユニット44はマウス41やキーボード42等の入力操作に基づいて、例えば、商品の値下げや、タイムサービス価格に係る画像をモニタ43に表示したり、電子棚札#1〜#3等に分割画像データD29’を一斉送信するような送信制御を実行する。
【0088】
この例で、制御ユニット44内には表示変換部46が設けられる。表示変換部46は、表示部12を4分割して表示駆動する場合に、表示部12を4分割する前の1画面の画像データD29を、分割された表示領域の上下及び左右に画像を表示するための各々の分割画像データD29’に変換する。分割画像データD29’は、表示部12の表示領域の上下及び左右を各々反転させ、当該表示部12の長手方向(X)で隣り合う左右の画像を入れ替えたデータである。
【0089】
また、制御ユニット44には無線通信モデム45が接続され、表示変換部46から得られた分割画像データD29’を変調して、無線変調信号S29を電子棚札#1〜#3に送信するようになされる。電子棚札#1等の外部接続部材29には無線通信機能が実装され、無線変調信号S29を受信して分割画像データD29’を復調するようになされる。
【0090】
ここで、図9及び図10を参照して、情報処理装置40における画像データ変換例(その1、2)及び電子棚札#1等における表示例について説明する。この例では、図8に示した情報表示システム104において、表示部12を4分割して表示駆動する場合であって、電子棚札#1〜#3において、図9Aに示すような「ABC」という文字画像を4分割表示駆動する場合を例に挙げる。
【0091】
分割画像データD29’は情報処理装置40から無線通信モデム45を介して、電子棚札#1〜#3の各々に無線送信され、その外部接続部材29を構成する無線通信機能を介して受信される。図9Aに示した電子棚札#1〜#3等に表示される分割画像は「A」の文字が上下に分割され、「B」の文字が上下・左右に分割され、「C」の文字が上下に分割される。
【0092】
画像P1(1/4画面)は、「A」の文字の上部と、「B」の文字の左側上部から構成されている。画像P2(1/4画面)は、「B」の文字の右側上部と、「C」の文字の上部から構成されている。画像P3(1/4画面)は、「A」の文字の下部と、「B」の文字の左側下部から構成されている。画像P4(1/4画面)は、「B」の文字の右側下部と、「C」の文字の下部から構成されている。
【0093】
ここで、説明を分かり易くするために、図9Aに示した画像P1〜P4を図9Bに示すような三角形P1〜P4に置き換える。三角形P1〜P4の配設位置は電子棚札#1等の表示部12における画像P1〜P4の表示位置に対応している。
【0094】
図10Aに示す画像P1’〜P4’は、情報処理装置40から無線通信モデム45を介して、電子棚札#1〜#3の各々に無線送信される分割画像データD29’に基づく分割画像である。この分割画像は、制御ユニット44内に実装した表示変換部46の画像データ変換機能例を示す、例えば、制御ユニット44内のメモリ領域上の表示部12の表示画面の展開イメージである。
【0095】
図9Aに示した画像P1〜画像P4に基づく画像「ABC」を電子棚札#1〜#3等に表示するためには、SEG配線13,14及びCOM配線15,16の走査方向を考慮して、情報処理装置40から電子棚札#1〜#3等へ無線送信する分割画像データD29’の構成を工夫する必要がある。
【0096】
この例では、制御ユニット44内に実装した表示変換部46が、図9Aに示した画像P1〜画像P4を電子棚札#1〜#3等に表示するために、当該画像P1〜P4について、画像データ変換処理を実行する。まず、画像P1,P2について上下を反転し、この上下反転後の画像P1’及び画像P2’の各々をそれぞれ左右を反転する。この左右反転後の画像P1’と、画像P2’との表示位置を左右入れ替える。また、画像P3の左右を反転する。画像P4は反転せずに、左右反転後の画像P3’と、画像P4の表示位置を入れ替える。
【0097】
画像P2’は、画像P2を上下反転したもので、「B」の文字の右側上部と、「C」の文字の上部から構成されている。画像P1’は、画像P1を上下・左右反転したもので、「A」の文字の上部と、「B」の文字の左側上部から構成されている。画像P4’は、画像P4をそのままにしたもので、「B」の文字の右側下部と、「C」の文字の下部から構成されている。画像P3’は、画像P3を左右反転したもので、「A」の文字の下部と、「B」の文字の左側下部から構成されている。
【0098】
ここでも、説明を分かり易くするために、図10Aに示した画像P1’〜P4’を図10Bに示すような三角形P1’〜P4’に置き換える。三角形P2’は、三角形P2を上下反転したもので、当該三角形P2’と三角形P1’との位置を左右に入れ替えたものである。三角形P1’は、三角形P1を上下・左右反転したもので、当該三角形P1’と三角形P2’との位置を左右入れ替えたものである。
【0099】
三角形P4’は、三角形P4をそのまま、当該三角形P4’と三角形P3’との位置を左右に入れ替えたものである。三角形P3’は、三角形P3を左右反転したもので、当該三角形P3’と三角形P4’との位置を左右に入れ替えたものである。なお、三角形P1’〜P4’の配設位置は、電子棚札#1等の表示部12に画像P1〜P4に基づく画像「ABC」を表示するために、制御ユニット44内のメモリ領域上に展開された表示部12の表示画面のイメージ図である。
【0100】
このように構成された情報表示システム104によれば、画像データ変換された分割画像データD29’が無線通信モデム45で変調され、無線変調信号S29となって電子棚札#1等で受信される。電子棚札#1等では、外部接続部材29の無線復調機能を動作させて、無線変調信号S29を復調し、復調信号から分割画像データD29’を検出する。分割画像データD29’は画像メモリ25に記憶される。表示コントローラ26及びタイミングコントローラ27は表示ドライバ11を制御する。
【0101】
この例で表示コントローラ26及びタイミングコントローラ27は、SEG配線13に接続された端子SEG0〜SEG63に印加される分割画像データD29’(画像P1’)に基づく画素電圧及び、COM配線15に接続された端子COM0〜COM31に印加される走査信号に基づいて図9Aに示した画像P1を表示部12の左上部に表示するように表示ドライバ11を制御する。
【0102】
更に、SEG配線14に接続された端子SEG64〜SEG127に印加される分割画像データD29’(画像P2’)に基づく画素電圧及び、COM配線15に接続された端子COM0〜COM31に印加される走査信号に基づいて図9Aに示した画像P2を表示部12の右上部に表示するように表示ドライバ11を制御する。
【0103】
また、SEG配線13に接続された端子SEG0〜SEG63に印加される分割画像データD29’(画像P3’)に基づく画素電圧及び、COM配線16に接続された端子COM32〜COM63に印加される走査信号に基づいて図9Aに示した画像P3を表示部12の右上部に表示するように表示ドライバ11を制御する。
【0104】
更に、SEG配線14に接続された端子SEG64〜SEG127に印加される分割画像データD29’(画像P4’)に基づく画素電圧及び、COM配線15に接続された端子COM0〜COM31に印加される走査信号に基づいて図9Aに示した画像P4を表示部12の右上部に表示するように表示ドライバ11を制御する。これらにより、電子棚札#1〜#3において、図9Aに示すような「ABC」という文字画像を4分割表示できるようになる。
【0105】
このように第4の実施例に係る情報表示システム104によれば、表示部12を4分割して表示駆動する場合であって、分割画像データD29’が提供される情報処理装置40から無線通信方式で分割画像データD29’を受信し、当該分割画像データD29’に基づく分割画像を表示する電子棚札#1〜#3には、第1〜第3の実施例のいずれかの表示部12,20又は、表示部30を有する電子棚札#1〜#3が含まれるものである。この構成によって、軽薄小型の情報表示装置100を使用した商品名や価格等の画像を表示する電子棚札(値札)を応用した電子棚札システムを提供できるようになる。
【0106】
この例では、パソコン等の外部機器から無線通信モデム45、電子棚札#1等の外部接続部材29を介して画像データD29を無線で受信し、画像を表示部12で表示する場合について説明したが、これに限られることはない。例えば、パソコン等の外部機器と、予め、電子棚札#1〜#3とを通信ケーブルで接続し、電子棚札#1等の外部接続部材29を介して画像データD29を有線で受信し、画像データD29に基づく画像を表示部12で表示してもよい。
【0107】
なお、画面1枚の画像を表示するための画像データD29を4分割し、分割画像データD29’を電子棚札#1等へ送信し、表示部12で分割表示をするようにしたので、情報処理装置40から電子棚札#1等に至る情報の伝達速度を高速化できるようになる。
【実施例5】
【0108】
続いて、図11を参照して、第5の実施例に係る情報表示基板105の配線例について説明する。図11に示す情報表示基板105は表面側から見た図である。この実施例では、表示ドライバ51の長辺側にSEG配線用の端子部(端子SEG0〜SEG127)が設けられ、その短辺側にCOM配線用の端子部(端子COM0〜COM63)が設けられ、この端子SEG0〜SEG127と表示部52とがSEG配線53を介して配線され、端子COM0〜COM63と表示部52とがCOM配線55を介して配線される場合を挙げている。
【0109】
図11に示す情報表示基板105は、表示ドライバ51、表示部52、SEG配線53及びCOM配線55を有して構成される。表示部52は、その全表示画素が134Line×70Line=9380dotsであり、有効表示領域は128Line×64Line=8192dotsである。左右・上下3Lineはダミー画素である。表示ドライバ51に対向する側に角部aを有している。
【0110】
表示ドライバ51は、表示部52に対向する側に角部cを有している。表示ドライバ51は、表示部52の短手方向(Y)と並行する側にSEG配線53を接続するための複数の画素電極用の端子部が設けられ、かつ、長手方向(X)と並行する側にCOM配線55を接続するための複数の対向電極用の端子部が設けられている。図中、画素電極用の端子部は、端子SEG0〜SEG127で示している。対向電極用の端子部は、端子COM0〜COM63で示している。
【0111】
SEG配線53は、表示部52の短手方向(Y)の上部側から引き出され、当該短手方向(Y)と略直交する表示部52の長手方向(X)に沿って当該表示部52の角部aに至り、当該角部aを迂回する形態で画素電極用の端子SEG0〜SEG127に接続される。COM配線55は、短手方向(Y)と略直交する表示部52の長手方向(X)から引き出され、表示ドライバ51の近くまで延在され、当該表示ドライバ51の角部cを迂回する形態で、対向電極用の端子COM0〜COM63に接続される。
【0112】
この例では、表示部52の角部aを迂回するSEG配線53の部分と、表示ドライバ51の角部cを迂回するCOM配線55の部分とが卍状に交差するようになる。卍状に交差する部分は、空間又は絶縁物が介在され、絶縁が保持される。
【0113】
このように第5の実施例に係る情報表示基板105によれば、表示部52の長手方向(X)において、有効表示領域の左端側から右端側に順次、画像データD29に基づく画素電圧を画像電極側基板(図示せず)に印加し、かつ、有効表示領域の上端側から下端側に順次、走査信号を対向電極側基板(図示せず)に伝送するようになされる。情報表示基板105では、画像電極側基板に印加された画素電圧及び対向電極側基板に伝送される走査信号により、画像データD29に基づく画像を表示部52に表示できるようになる。
【実施例6】
【0114】
続いて、図12を参照して、第6の実施例に係る情報表示基板106の構成例について説明する。図12に示す情報表示基板106は表面側から見た図である。この実施例では、表示ドライバ61の長辺側にCOM配線用の端子部(端子COM0〜SEG63)が設けられ、その短辺側上部にSEG配線用の端子部(端子SEG0〜SEG63)が設けられ、その短辺側下部に残りのSEG配線用の端子部(端子SEG64〜SEG127)が設けられる。この端子COM0〜COM63と表示部52とがCOM配線65を介して配線され、端子SEG0〜SEG63及び端子SEG64〜SEG127と表示部52とがSEG配線63,64を介して配線される場合を挙げている。
【0115】
図12に示す情報表示基板106は、表示ドライバ61、表示部62、SEG配線63、64及びCOM配線65を有して構成される。表示部62は、その全表示画素が134Line×70Line=9380dotsであり、有効表示領域は128Line×64Line=8192dotsである。左右・上下3Lineはダミー画素である。表示部62は、表示ドライバ61に対向する側に角部a,bを有している。
【0116】
表示ドライバ61は、表示部62に対向する側に角部c,dを有している。表示ドライバ61は、表示部62の短手方向(Y)と並行する側にCOM配線65を接続するための複数の対向電極用の端子部が設けられ、かつ、長手方向(X)と並行する上部側に所定の本数のSEG配線63を接続するための複数の画素電極用の端子部が設けられ、その下部側に残り数のSEG配線64を接続するための複数の画素電極用の端子部が設けられる。
る。
【0117】
図中、対向電極用の端子部は、端子COM0〜COM63で示し、画素電極用の端子部は、その上端側を端子SEG0〜SEG63で示し、下端側を端子SEG64〜SEG127で示している。
【0118】
SEG配線63の略半数は、表示部62の短手方向(Y)の左上部側から引き出され、当該短手方向(Y)と略直交する表示部62の長手方向(X)に沿って当該表示部62の角部aに至り、当該角部aから離間する形態、かつ、表示ドライバ61の角部cを迂回する形態で画素電極用の端子SEG0〜SEG63に接続される。
【0119】
その残り半数は、表示部62の短手方向(Y)の右下部側から引き出され、当該短手方向(Y)と略直交する表示部62の長手方向(X)に沿って当該表示部62の角部bに至り、当該角部bから離間する形態、かつ、表示ドライバ61の角部dを迂回する形態で画素電極用の端子SEG64〜SEG127に接続される。
【0120】
COM配線65は、短手方向(Y)と略直交する表示部62の長手方向(X)から引き出され、表示ドライバ61の近くまで延在され、そのまま対向電極用の端子COM0〜COM63に接続される。
【0121】
この例では、表示部62の角部aから離間するSEG配線63(端子SEG0〜SEG63)部分と、表示ドライバ61から延在されるCOM配線65(COM0〜COM63)部分との間、及び、表示部62の角部bから離間するSEG配線64(端子SEG64〜SEG127)部分と、表示ドライバ61から延在されるCOM配線65(COM0〜COM63)部分との間が交差していない(重なっていない)。
【0122】
このように第6の実施例に係る情報表示基板106によれば、表示部62の長手方向(X)において、有効表示領域の左端側から中央部に順次、画像データD29に基づく左半分の画像を表示するための画素電圧を画像電極側基板(図示せず)に印加し、かつ、その中央部から右端側に順次、画像データD29に基づく残り半分の画像を表示するための画素電圧を画像電極側基板(図示せず)に印加する。また、有効表示領域の上端側から下端側に順次、走査信号を対向電極側基板(図示せず)に伝送するようになされる。
【0123】
これにより、情報表示基板106では、画像電極側基板に印加された画素電圧及び対向電極側基板に伝送される走査信号により、画像データD29に基づく画像を表示部62に表示できるようになる。しかも、第1の実施例に比べて、SEG配線53,54とCOM配線65との間に空間領域や、絶縁物を介在させる必要がない。これにより、SEG配線63(端子SEG0〜SEG127)の部分と、表示ドライバ61から延在されるCOM配線65(COM0〜COM63)部分とを同一平面上に配置できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、軽薄小型の表示パネルを使用して商品名や価格等の画像を表示する電子棚札(値札)及びそれを応用した電子棚札システムに適用して極めて好適である。
【符号の説明】
【0125】
#1〜#3・・・電子棚札(情報表示装置)、11,51,61・・・表示ドライバ(駆動部)、12,20,30,52,62・・・表示部、13,14,53,63,64・・・SEG配線、15,16,55,65・・・COM配線、21・・・ROM、22・・・RAM、23・・・EEPROM、24・・・CPU、25・・・画像メモリ、26・・・表示コントローラ(表示制御部)、27・・・タイミングコントローラ(タイミング制御部)、28・・・電源、29・・・外部接続部材、40・・・情報処理装置、41・・・マウス、42・・・キーボード、43・・・モニタ、44・・・制御ユニット、45・・・無線通信ユニット、100・・・情報表示装置、101,105,106・・・情報表示基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一画素を画定する画素電極を有し、かつ、当該画素電極に対向する位置に対向電極を有して、前記画素電極の各々に対応して接続された複数の画素配線と前記対向電極の各々に対応して接続された複数の対向配線とが格子状を成して情報を表示する表示部と、
前記表示部の対向配線及び画素配線に接続され、前記画素電極及び対向電極間に所定の電圧を印加して前記画素の表示駆動をする駆動部とを備え、
前記表示部は、長手方向に所定の幅を有し、かつ、短手方向に所定の高さを有して所定の大きさの基板に配置され、
前記駆動部は、
前記表示部の長手方向の一方側に隣接する基板空き領域に配置されていることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記駆動部に対向する側に角部を有し、
前記駆動部は、前記表示部に対向する側に角部を有し、
前記駆動部は、前記表示部の短手方向と並行する側に前記画素配線を接続するための複数の画素電極用の端子部が設けられ、かつ、前記長手方向と並行する側に前記対向配線を接続するための複数の対向電極用の端子部が設けられ、
前記画素配線は、
前記表示部の短手方向から引き出され、当該短手方向と略直交する前記表示部の長手方向に沿って当該表示部の角部に至り、当該角部を迂回する形態で前記画素電極用の端子部に接続され、
前記対向配線は、
前記短手方向と略直交する前記表示部の長手方向から引き出され、前記駆動部の近くまで延在され、当該駆動部の角部を迂回する形態で、前記対向電極用の端子部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記表示部の角部を迂回する前記画素配線の部分と、前記駆動部の角部を迂回する前記対向配線の部分とが卍状に交差することを特徴とする請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記駆動部に対向する側に第1及び第2の角部を有し、
前記駆動部は、前記表示部に対向する側に第1及び第2の角部を有し、
前記駆動部は、
前記表示部の短手方向と並行する側に前記画素配線の所定数を接続するための複数の画素電極用の第1の端子部と、
前記表示部の短手方向と並行する側に前記画素配線の残り数を接続するための複数の画素電極用の第2の端子部が設けられ、
かつ、前記表示部の長手方向と並行する一方の側に前記対向配線の所定数を接続するための複数の対向電極用の第1の端子部と、
前記表示部の長手方向と並行する他方の側に前記対向配線の残り数を接続するための複数の対向電極用の第2の端子部とが設けられ、
前記画素配線の所定数は、
前記表示部の短手方向の一端から引き出され、当該短手方向と略直交する前記表示部の長手方向に沿って当該表示部の第1の角部に至り、当該第1の角部を迂回する形態で前記画素電極用の第1の端子部に接続され、
前記画素配線の残り数は、
前記表示部の短手方向の他端から引き出され、当該短手方向と略直交する前記表示部の長手方向に沿って当該表示部の第2の角部に至り、当該第2の角部を迂回する形態で前記画素電極用の第2の端子部に接続され、
前記対向配線の所定数は、
前記表示部の短手方向と略直交する前記表示部の長手方向から引き出され、前記駆動部の近くまで延在され、当該駆動部の第1の角部を迂回する形態で、前記対向電極用の第1の端子部に接続され、
前記対向配線の残り数は、
前記表示部の短手方向と略直交する前記表示部の長手方向から引き出され、前記駆動部の近くまで延在され、当該駆動部の第2の角部を迂回する形態で、前記対向電極用の第2の端子部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記表示部の第1の角部を迂回する前記画素配線の所定数の部分と、前記駆動部の第1の角部を迂回する前記対向配線の所定数の部分とが卍状に交差され、
前記表示部の第2の角部を迂回する前記画素配線の残り数の部分と、前記駆動部の第2の角部を迂回する前記対向配線の残り数の部分とが逆向きの卍状に交差されることを特徴とする請求項4に記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記表示部が所定の長辺及び短辺を成す大きさの表示領域を有し、
前記画素配線の所定数が、
前記表示部の短手方向の一端であって、前記駆動部から最も離れた前記表示領域の端部から順次、当該表示領域の中央部に至り引き出されて前記画素電極用の第1の端子部に接続され、
前記画素配線の残り数が、
前記表示部の短手方向の他端であって、当該表示部の表示領域の中央部から順次、前記駆動部に最も接近する位置に至り引き出されて前記画素電極用の第2の端子部に接続され、
前記対向配線の所定数が、
前記表示部の短手方向と略直交する前記表示部の表示領域の上端部の長手方向からその中央部に至り引き出されて前記対向電極用の第1の端子部に接続され、
前記対向配線の残り数が、
前記表示部の短手方向と略直交する前記表示部の表示領域の中央部から下端部に至りの長手方向から引き出されて前記対向電極用の第2の端子部に接続され、
前記表示部の表示領域の長辺及び短辺の各々の略中央部を基準に4分割して当該表示部を表示駆動する場合に、分割された前記表示領域の上下及び左右に画像を表示するための各々のデータを、前記表示領域の上下及び左右を各々反転させ、前記表示部の長手方向で隣り合う左右の画像を入れ替えた画像データを分割画像データとしたとき、
前記駆動部は、
前記表示部の長手方向において、前記表示領域の一端から中央部に至る部分と当該中央部から他端に至る部分の前記分割画像データを区分して前記画像電極側基板に伝送し、
前記表示部の短手方向において、前記表示領域の中央部からそれぞれの端部に至り走査される走査信号を区分して前記対向電極側基板に伝送し、
前記分割画像データ及び前記走査信号に基づいて前記表示部を表示駆動することを特徴とする請求項4に記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記表示部は、
液晶を配光膜で挟んだ液晶層と、
一画素毎に画素電極を有し、かつ、偏光板、ガラス板及び画素電極用の透明導電膜を有して前記画素配線が引き出された画素電極側基板と、
前記画素電極に対向する位置に対向電極を有し、かつ、偏光板、ガラス板及び対向電極用の透明導電膜を有して前記対向配線が引き出された対向電極側基板とを備え、
前記画素電極側基板と対向電極側基板とで前記液晶層を挟み込んだ液晶表示基板を有することを特徴とする請求項1乃至5に記載の情報表示装置。
【請求項8】
前記表示部は、
少なくとも、走査線用の透明導電膜を有した陽極、正孔を輸送する正孔輸送層、光を発する発光層、電子を輸送する電子輸送層及びデータ線用の透明導電膜を有した陰極を有する有機EL薄膜と、
カバー用のガラス基板と、
封止用のガラス基板とを備え、
前記カバー用のガラス板と封止用のガラスとで前記有機EL層を挟み込んだ有機EL表示基板を有することを特徴とする請求項1乃至5に記載の情報表示装置。
前記表示変換器の画面データが表示装置に送信される通信部を備えたことを特徴とする
請求項4に記載の情報表示装置。
【請求項9】
画像データを無線又は有線方式によって送信する情報処理装置と、
前記情報処理装置から無線又は有線方式で前記画像データを受信し、当該画像データに基づく画像を表示する表示装置とを備え、
前記表示装置には前記請求項1乃至8に記載のいずれかの情報表示装置が含まれることを特徴とする情報表示システム。
【請求項10】
前記表示装置には、
所定の長辺及び短辺を成す大きさの表示領域を有する表示部が設けられ、
前記情報処理装置は、
前記表示装置の表示領域の長辺及び短辺の各々の略中央部を基準に4分割し、当該表示部を表示駆動する場合に、
分割された前記表示領域の上下及び左右に画像を表示するための各々の画像データを、前記表示領域の上下及び左右を各々反転させ、前記表示部の長手方向で隣り合う左右の画像を入れ替えた分割画像データに変換する表示変換部を備えることを特徴とする請求項9に記載の情報表示システム。
【請求項11】
前記表示装置は、
前記画像データ又は分割画像データを一時的に格納する画像メモリと、
前記画像データ又は分割画像データに基づく画像を前記表示部に表示するタイミングを制御するタイミング制御部と、
前記タイミング制御部によって表示タイミング制御される画像の表示制御を実行する表示制御部とを備えることを特徴とする請求項10に記載の情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−98418(P2012−98418A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244667(P2010−244667)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(391062872)株式会社オプトエレクトロニクス (70)
【Fターム(参考)】