情報装置
【課題】露出パネルが落下することを防止できる情報装置を提供する。
【解決手段】引掛手段は、本体モジュールMに設けられた引掛孔37と、露出パネルPに設けられ引掛孔37に挿入されることで引掛孔37に引っ掛かる引掛突起38とを有する。係合手段は、本体モジュールMに設けられた係止孔24と、露出パネルPに設けられ係止孔24に挿入されることで係止孔24に係合する係止爪26とを有する。仮保持手段は、本体モジュールMに設けられた補助係止孔30と、露出パネルPに設けられ補助係止孔30に挿入されることで補助係止孔30に係合する補助係止爪31とを有する。補助係止爪31はゴム弾性を有する材料から形成されており、係止爪26に比べて露出パネルPの背面からの突出高さが大きく設定されている。
【解決手段】引掛手段は、本体モジュールMに設けられた引掛孔37と、露出パネルPに設けられ引掛孔37に挿入されることで引掛孔37に引っ掛かる引掛突起38とを有する。係合手段は、本体モジュールMに設けられた係止孔24と、露出パネルPに設けられ係止孔24に挿入されることで係止孔24に係合する係止爪26とを有する。仮保持手段は、本体モジュールMに設けられた補助係止孔30と、露出パネルPに設けられ補助係止孔30に挿入されることで補助係止孔30に係合する補助係止爪31とを有する。補助係止爪31はゴム弾性を有する材料から形成されており、係止爪26に比べて露出パネルPの背面からの突出高さが大きく設定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁に取り付けて使用される情報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の情報装置には、たとえば宅外に設置された相手側装置としてのドアホン子器に対して信号線を用いて接続されることによりインターホンシステムを構築し、相手側装置との間で通信可能となるもの(インターホン親機)などがある(たとえば特許文献1参照)。特許文献1に例示された情報装置は、壁内に器体の後部が埋め込まれた形で取り付けられる。なお、インターホン親機として用いる情報装置には、映像表示部を備え、カメラが設けられた相手側装置に接続されることにより、相手側装置のカメラで撮像された映像を表示することができるものもある。
【0003】
ところで、上述の情報装置では、電源回路等の内部回路や映像表示部等の情報出力手段が全て1つの器体に配設されており、そのため、情報装置の機能(たとえば映像表示部の画面サイズなど)を一部でも変更する場合には、情報装置全体を交換する必要がある。
【0004】
これに対して、電源回路および情報の授受を行う情報口を具備し壁に固定される本体モジュールと、本体モジュールの前面側に着脱可能に覆着され、本体モジュールの電源回路から電力供給を受ける情報出力手段を具備する露出パネルとに情報装置を分割し、露出パネルを本体モジュールとは別に交換可能とすることが考えられている。この構成では、本体モジュールを共通としておけば、露出パネルを交換することで情報装置の機能(たとえば映像表示部の画面サイズなど)を容易に変更することができる。
【0005】
このように本体モジュールと露出パネルとに分割された情報装置においては、露出パネルと本体モジュールとの一方に設けた係止爪を他方に設けた係止孔に挿入し、係止爪の先端部を係止孔の開口周縁に係止させることで、露出パネルを本体モジュールに係着することが考えられる。
【特許文献1】特開平6−291818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記構成の情報装置において、露出パネルを本体モジュールに対して容易に着脱できる程度に係止爪と係止孔との係合の強度を低く設計すると、情報装置の普段の使用中に、露出パネルに対して係止爪と係止孔との係合を解除する向きの力が作用することにより、露出パネルが不用意に本体モジュールから外れて落下する可能性がある。
【0007】
一方、係止爪と係止孔との係合の強度を高く設計すると、本体モジュールから露出パネルを取り外す際に比較的大きな力を露出パネルに加える必要があるため、露出パネルが本体モジュールから外れたときに勢いあまって露出パネルが落下してしまう可能性がある。特に、比較的大きな力を露出パネルに加えるために治具(たとえばマイナスドライバの先端など)を用いて露出パネルの取り外し作業を行う場合、治具を操作するために作業者の片手がふさがることとなるので、作業者は片手で露出パネルを支えながら作業をすることとなり、露出パネルが落下してしまう可能性が高くなる。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、露出パネルが落下することを防止できる情報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明では、電源回路および情報の授受を行う情報口を具備し壁に固定される前面矩形状の本体モジュールと、本体モジュールの前面側に着脱可能に覆着され、前記電源回路から電力供給を受ける情報入力手段および情報出力手段の少なくとも一方を具備する露出パネルとを備え、本体モジュールおよび露出パネルには、互いに掛合することで本体モジュールの前面の一辺周りの露出パネルの回転の支点となる引掛手段と、本体モジュールと露出パネルとのいずれか一方に設けられた主係止孔、および他方に突設され主係止孔に挿入されることで主係止孔に係合する主係止爪を引掛手段とは異なる位置に有する係合手段と、係合手段の係合が解除された状態で引掛手段と共に本体モジュールに露出パネルを保持する仮保持手段とが設けられていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、本体モジュールおよび露出パネルには、引掛手段と係合手段と仮保持手段とが設けられているので、係合手段の係合が解除されても、引掛手段と仮保持手段とによって本体モジュールに露出パネルが保持されることとなる。したがって、係合手段の係合の強度を低く設計した場合、情報装置の普段の使用中に、露出パネルに対して係合手段の係合を解除する向きの力が作用したとしても、露出パネルが不用意に本体モジュールから外れて落下することを仮保持手段によって防止できる。また、係合手段の係合の強度を高く設計した場合、本体モジュールから露出パネルを取り外す際に比較的大きな力を露出パネルに加える必要があるものの、係合手段の係合が解除されたときに勢いあまって露出パネルが落下することを仮保持手段によって防止できる。ここで、係合手段の係合の解除に治具を用いる場合でも、係合手段の係合が解除された後で露出パネルを両手で支えながら本体モジュールから取り外すようにすれば、露出パネルの落下を防止することができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記仮保持手段が、本体モジュールと露出パネルとのいずれか一方に設けられた補助係止孔と、他方に突設され補助係止孔に挿入されることで補助係止孔に係合する補助係止爪とを有し、補助係止爪が、ゴム弾性を有する材料から形成されており、本体モジュールあるいは露出パネルからの突出高さが前記主係止爪よりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、主係止爪が主係止孔から抜けた時点では補助係止爪が補助係止孔に挿入された状態で補助係止爪に係合し、露出パネルが本体モジュールに保持されるので露出パネルの落下が防止される。また、補助係止爪がゴム弾性を有する材料から形成されているので、露出パネルを本体モジュールから引き剥がすように取り外すことで補助係止爪と補助係止孔との係合を容易に解除することができ、したがって、仮保持手段を設けたことで露出パネルの取り外しの手間が増えることはない。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記補助係止爪は前記主係止爪の先端部から延設されており、前記主係止孔は前記補助係止孔として兼用されることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、主係止孔が補助係止孔として兼用されているから、主係止孔とは別に補助係止孔を設ける場合に比べて、本体モジュールあるいは露出パネルに設ける孔の数を少なく抑えることができ、本体モジュールあるいは露出パネルの強度が向上する。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記仮保持手段が、前記係合手段を係合させた状態で前記本体モジュールと前記露出パネルとの一方に収納され、係合手段の係合が解除された状態で前記一方に設けた紐引出口から一端部が引き出される紐体と、他方に紐体の前記一端部を取着する取着手段とを有し、紐体は、紐引出口からの引出長さの上限が規定されている。
【0016】
この構成によれば、係合手段の係合が解除された状態では、本体モジュールと露出パネルとの一方に収納された紐体により露出パネルが本体モジュールに保持されるので、紐体の引出長さの上限に応じて露出パネルと本体モジュールとの間に生じる隙間の広さを任意に設定することができる。また、紐体は本体モジュールと露出パネルとの一方に収納されるので、本体モジュールと露出パネルとの間に紐体を収納するためのスペースを設ける必要はない。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記仮保持手段が、前記本体モジュールの前面に沿って配置されるとともに本体モジュールと前記露出パネルとの一方に一端部が固着され他端部を前後方向に移動可能とした板ばねと、他方に板ばねの前記他端部を取着する取着手段とを有することを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、係合手段の係合が解除された状態では、本体モジュールと露出パネルとの一方に一端部が固着された板ばねにより露出パネルが本体モジュールに保持されるので、板ばねの前記他端部の変位量に応じて露出パネルと本体モジュールとの間に生じる隙間の広さを任意に設定することができる。また、板ばねは本体モジュールの前面に沿って配置されるので、板ばねを収納するためのスペースを小さく抑えることができる。
【0019】
請求項6の発明は、請求項4または請求項5の発明において、前記取着手段が、前記係合手段を係合させた状態で互いに突き合わされる位置に配設された面ファスナからなることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、係合手段を係合させるように本体モジュールに対して露出パネルを覆着するだけで、面ファスナ同士を結合させることができる。また、露出パネルを本体モジュールから取り外す際には、露出パネルを本体モジュールから引き剥がすように取り外すことで面ファスナの結合を容易に解除することができ、したがって、仮保持手段を設けたことで露出パネルの取り外しの手間が増えることはない。
【0021】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記仮保持手段が、前記本体モジュールと前記露出パネルとの一方に設けられた輪状の吊紐と、他方に設けられ吊紐が引っ掛かるフックとを有することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、係合手段の係合が解除された状態では、吊紐がフックに引っ掛かることにより露出パネルが本体モジュールに保持されるので、簡単な構成で露出パネルの落下を防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、本体モジュールおよび露出パネルに、引掛手段と係合手段と仮保持手段とが設けられているので、係合手段の係合が解除されても、引掛手段と仮保持手段とによって本体モジュールに露出パネルが保持されることとなる。したがって、係合手段の係合が解除された状態で露出パネルが落下することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下の各構成例では、宅内の壁に取り付けられ、宅外に設置された相手側装置としてのドアホン子器に対して信号線を用いて接続されることによりインターホンシステムを構築し、相手側装置との間で通信(通話)可能となるインターホン親機を情報装置の一例として、本発明の情報装置の構成を説明する。
【0025】
この情報装置は映像表示部を備えており、来訪者を撮像するカメラ部が設けられた相手側装置に接続されることにより、相手側装置のカメラ部で撮像された映像を表示することができる。なお、相手側装置は、カメラ部の他、操作入力が可能な操作部と、スピーカおよびマイクロフォンを具備し情報装置との通話時に音声の入出力を行う音声入出力部と、音声信号や映像信号の入出力を行う信号処理部と、信号線が接続される端子部とを有している。
【0026】
(基本構成)
本構成例の情報装置Aは、図2(a)に示すように、壁に固定される本体モジュールMと、本体モジュールMの前面側に着脱可能に覆着される露出パネルPとを備えている。露出パネルPは本体モジュールMに装着された状態で、コネクタ4,5によって本体モジュールMと電気的に接続される。以下では、情報装置Aを壁に取り付けた状態で正面から見た上下左右を上下左右として説明する。
【0027】
本体モジュールMは、図2(b)に示すように、前面に矩形状の開口部を有する箱状に形成されたボディ1と、ボディ1の前面に覆着されるカバー2とで構成される器体3を備え、種々の電気部品が実装されている回路基板(図示せず)が器体3内に収納された構成を有する。さらに、本体モジュールMは、商用電源供給用の電源線が接続される電源端子部6と、信号線が接続される信号端子部7とを器体3の背面側に備えている。ボディ1とカバー2とは、カバー2の上下方向の各端部から後方に突出した結合片8に設けた孔に、ボディ1の上下方向の両端面における前端部に設けた結合爪9をそれぞれ係合させることにより結合される。
【0028】
この本体モジュールMは、壁面からの器体3の突出量を小さく抑え、且つ、一般に普及している埋込型の配線器具との外観上の統一感を出すとともに、取り付けに用いる部材の低コスト化を図るために、壁内に設置された埋込型の配線器具用の埋込ボックスSBを用いて、器体3の後部が壁内に収められる形で壁に固定される。埋込ボックスSBは、前面開口の箱状に形成されており、壁面を構成する壁材Wにおいて埋込ボックスSBに対応する部分には、埋込ボックスSBの開口より小さい矩形状であって、埋込ボックスSBに設けた取付ねじ用のねじ孔20を全て露出させる大きさの施工孔H1が開設される。本体モジュールMは、この施工孔H1を通して前方から埋込ボックスSBに取り付けられるのであって、器体3が後部を埋込ボックスSB内に収納可能な形状および寸法に形成されている。
【0029】
すなわち、本体モジュールMのカバー2は、上下方向の各端面のそれぞれから互いに離れる向きに延設された一対の取付片10を連続一体に有する。一対の取付片10は、カバー2の左右方向の略全長に亘って形成される。各取付片10には、埋込ボックスSBに固定するための取付ねじ(図示せず)を挿通するボックス用孔11がそれぞれ複数個(ここでは2個)ずつ形成される。詳しくは後述するが、この取付片10は露出パネルPを装着するためにも用いられる。なお、本構成例では、本体モジュールMの器体3は1連用の取付枠(埋込型の配線器具用に規格化されている単位寸法の配線器具を幅方向に3個並べて取付可能な取付枠)を2個まで取付可能な埋込ボックスSBに対応する大きさに形成されている。
【0030】
露出パネルPは、本体モジュールMの前面側を覆うパネル本体12と、パネル本体12の周囲に一体に形成された矩形枠状のプレート枠13とを有する。パネル本体12は、パネルベース12aの前面側にパネルカバー12bが結合されることで薄箱状に形成されており、パネルベース12aとパネルカバー12bとの間に、種々の電気部品が実装されている回路基板(図示せず)等が収納された構成を有する。プレート枠13は、後述の各係着孔21付近にそれぞれ形成された支持片29を介してパネルベース12aの外周縁に連続一体に形成される。この露出パネルPを本体モジュールMに装着した状態では、本体モジュールMの周囲の壁面にプレート枠13の背面が弾接する。なお、ここでは、露出パネルPは、上下方向の寸法と左右方向の寸法とのいずれもが本体モジュールMより大きく設定されている。
【0031】
パネル本体12の前壁(パネルカバー12b)の一部には透明な表示窓14が配設されており、露出パネルPは、液晶パネルからなる映像表示部15(図3参照)をパネル本体12内における表示窓14の後方に備えている。さらに、パネル本体12の前壁には、後方にスピーカ18aが配設されるスピーカ取付部16と、操作部17(図3参照)としてのスイッチ(図示せず)操作用の操作ハンドル17aと、後方にマイクロフォン18b(図3参照)が配設されるマイク用孔(図示せず)とが配設されている。なお、スピーカ18aおよびマイクロフォン18bは、図3に示すように相手側装置との通話時に音声の入出力を行う音声入出力部18を構成する。
【0032】
さらに、露出パネルPは、プレート枠13の前面の全域を覆う形でプレート枠13の前面側に覆着される矩形枠状のプレートカバー19(図1参照)を有し、プレートカバー19を係着する係着手段をプレート枠13に具備している。すなわち、プレート枠13は、プレートカバー19の背面の複数箇所に突設された係着爪(図示せず)が挿入されることで当該係着爪が係止する係着孔21を係着手段として具備している。係着孔21は、各係着爪に対応する各位置にそれぞれ配置されており、ここでは、プレート枠13の左右両端部においては上下方向に3箇所ずつ、上端部においては左右方向に2箇所配置されている。プレート枠13の下端部においては、係着孔21に代えて係着爪に係止する係着片22が形成される。なお、本構成例では、壁面からのパネル本体12の前面の突出高さを壁面からのプレートカバー19の突出高さに揃えるように、露出パネルPの壁面からの突出量を設定している。
【0033】
ここにおいて、情報装置Aの内部回路は、本体モジュールMと露出パネルPとに分割して設けられている。
【0034】
すなわち、本体モジュールMは、図3に示すように、電源スイッチ部SWを介して電源端子部6に接続され内部回路に直流電源を供給する電源回路39(AC/DC電源部39aおよびDC/DC電源部39b)と、情報の授受を行う情報授受口としての信号端子部7に接続された外部インタフェース部40とを有している。電源スイッチSWは、露出パネルPの装着時にオンするように本体モジュールMの前面側に露出して配置される。
【0035】
一方、露出パネルPは、図3に示すように、音声入出力部18や映像表示部15や操作部17等、電源回路39から電力供給を受け情報の入出力を行う手段(情報入力手段および情報出力手段)の他、音声入出力部18および映像表示部15と外部インタフェース部40とに接続され、音声信号や映像信号の入出力を行う信号処理部42と、操作部17からの操作入力を受け付けて内部回路の各部の動作を制御する全体制御部43とを備えている。信号処理部42は、音声信号を増幅するアンプを含む音声処理部44と、映像信号を復調する復調回路を含み映像表示部15に映像を表示する映像伝送処理部45とを有している。なお、本構成例では、信号線に音声信号と映像信号とが多重化されて伝送されている。そのため、信号処理部42には、音声処理部44および映像伝送処理部45と外部インタフェース部40との間に挿入され、多重化された音声信号と映像信号とを分離する多重分離部42aが設けられている。
【0036】
ところで、本体モジュールMと露出パネルPとのそれぞれには、互いに係合することで本体モジュールMに露出パネルPを装着するための引掛手段および係合手段が設けられている。
【0037】
本体モジュールMにおいては、図2(a)のように下側の取付片10の前面から突出し後述の引掛片25と共に引掛手段を構成する鉤片23と、上側の取付片10に設けられ後述の係止爪(主係止爪)26と共に係合手段を構成する係止孔(主係止孔)24とが設けられている。鉤片23は、取付片10の前面から前方に突出し、先端部が上方に延長されることによりL字状に形成されており、左右方向に複数個(ここでは2個)並設されている。係止孔24は、取付片10における一方のボックス用孔11の両側方に、それぞれ矩形状に開口する形で貫設されている。
【0038】
露出パネルPにおいては、プレート枠13の下端縁であって各鉤片23に対応する位置にそれぞれ形成され、鉤片23の先端部と取付片10との間に上方から挿入されることで鉤片23に引っ掛かる引掛片25と、図2(b)のようにパネル本体12の背面側であって各係止孔24に対応する位置からそれぞれ後方に突出する係止爪(主係止爪)26とが設けられている。係止爪26の先端部には、上方に凸となる係止部27(図1参照)が設けられており、係止部27は係止爪26の基端部側ほど係止爪26からの突出量が大きくなるように上面が傾斜している。
【0039】
しかして、露出パネルPの引掛片25を本体モジュールMの鉤片23に引っ掛けた状態で、鉤片23を支点部として本体モジュールMの前面の下辺周りで露出パネルPを回転させるように露出パネルPの上端部を本体モジュールM側に押し付けることにより、露出パネルPの係止爪26を本体モジュールMの係止孔24に挿入し、取付片10の背面側において係止部27を係止孔24の開口周縁に係止させれば、露出パネルPが本体モジュールMに装着されることとなる。
【0040】
ここで、係止爪26は、本体モジュールMの取付片10の背面から後方に突出することになるものの、本構成例では、係止爪26が挿通される係止孔24は、取付片10における取付ねじ用のボックス用孔11の両側方に貫設されているため、係止爪26が壁材Wに干渉することはない。つまり、壁材Wにおいて埋込ボックスSBに対応する部分には、埋込ボックスSBに設けた取付ねじ用のねじ孔20を全て露出させる大きさの施工孔H1が開設されているので、係止爪26において取付片10の背面から後方に突出した部分は施工孔H1内に収まることとなり、壁材Wに干渉することはない。
【0041】
また、露出パネルPには、係止爪26に連結されており、係止爪26を係止孔24に係合させる係合位置と当該係合を解除させる解除位置との間で本体モジュールMの前面に沿って上下方向に移動可能な操作子28が設けられている。すなわち、操作子28が係合位置にある状態では、係止爪26は係止部27が係止孔24の開口周縁に係止され、この状態から、操作子28の操作部28aを操作して操作部28を係合位置より下方の解除位置に移動させると、係止爪26は下方に移動することで係止孔24の開口周縁との係合が解除される。操作子28は、パネル本体12内部に設けた収容空間に、操作部28aをパネル本体12の上端縁から突出させる形で収容されている。ここで、操作子28の操作部28aは、プレート枠13の前面側から操作可能となるように配設される。
【0042】
さらに、操作子28を係合位置側にばね付勢するコイルばね(図示せず)を露出パネルPに具備しており、操作子28は、非操作時にはコイルばねのばね力によって係合位置にばね付勢され、コイルばねのばね力に抗して操作部28aが下方に押操作されることで解除位置に移動する。
【0043】
なお、本構成例では本体モジュールMに係止孔24を形成し、露出パネルPには係止爪26を設ける例を示したが、この構成に限るものではなく、係止孔24に代えて係止爪を本体モジュールMに設け、係止爪26に代えて係止孔24を露出パネルPに設けることにより、係合手段を構成してもよい。
【0044】
(実施形態1)
本実施形態の情報装置Aは、係合手段としての係止孔(主係止孔)24と係止爪(主係止爪)26との係合が解除された状態で引掛手段と共に本体モジュールMに露出パネルを保持する仮保持手段を有する点が上記基本構成の情報装置Aと相違する。なお、図1の例では、本体モジュールMの下側の取付片10に対し、鉤片23に代えて引掛孔37(図5(a)参照)を形成するとともに、露出パネルPのプレート枠13の下端部には、引掛片25に代えて引掛孔37に挿入される引掛突起38を突設し、引掛孔37および引掛突起38で引掛手段を構成している。
【0045】
本実施形態では、仮保持手段は、図1に示すように本体モジュールMの上側の取付片10に設けられた補助係止孔30と、露出パネルPの背面側であって補助係止孔30に対応する位置からそれぞれ後方に突出する補助係止爪31とを有する。補助係止孔30は係止孔24の上方に配置されている。補助係止爪31はゴム弾性を有する材料(たとえば合成ゴム材料)から形成されており、補助係止爪31の先端部には、上下方向の両側に凸となる補助係止部31aが設けられている。これにより、引掛手段としての引掛孔37および引掛突起38を互いに掛合させた状態で、露出パネルPの補助係止爪31を本体モジュールMの補助係止孔30に挿入し、取付片10の背面側において補助係止部31aを補助係止孔30の開口周縁に係止させれば、露出パネルPが本体モジュールMに保持されることとなる。
【0046】
ここにおいて、補助係止爪31は、係止孔24と係止爪26との係合が解除された後(つまり、係止孔24から係止爪26が抜けた後)で補助係止孔30から抜けるように、係止爪26に比べて露出パネルPの背面からの突出高さが大きく設定されている。すなわち、引掛手段としての引掛孔37および引掛突起38を互いに掛合させた状態で、係止孔24と係止爪26との係合が解除された状態でも、補助係止爪31が補助係止孔30に係合することとなり、これにより、露出パネルPが本体モジュールPに保持されることとなる。
【0047】
上述した本実施形態の構成によれば、露出パネルPを本体モジュールMから取り外す際、図1のように係止孔24と係止爪26との係合を解除した状態で、補助係止爪31が補助係止孔30に係合して露出パネルPが本体モジュールMに保持される。要するに、係合手段(係止爪26および係止孔24)の係合を解除しただけでは、露出パネルPが本体モジュールMから外れてしまうことはなく、露出パネルPの落下を防止することができる。また、補助係止爪31はゴム弾性を有する材料からなるので、図1のように係止孔24と係止爪26との係合を解除した状態で、露出パネルPを本体モジュールMから引き剥がすように取り外すことで補助係止爪31と補助係止孔30との係合を容易に解除することができ、したがって、仮保持手段を設けたことで露出パネルPの取り外しの手間が増えることはない。
【0048】
なお、本実施形態では、本体モジュールMに補助係止孔30を形成し、露出パネルPには補助係止爪31を設ける例を示したが、この構成に限るものではなく、補助係止爪31を本体モジュールMに設け、補助係止孔30を露出パネルPに設けることにより、仮保持手段を構成してもよい。
【0049】
また、図1の例では、引掛孔37および引掛突起38で引掛手段を構成しているが、上記基本構成と同様に本体モジュールMに鉤片23、露出パネルPに引掛片25を配設することで引掛手段を構成してもよい。
【0050】
その他の構成および機能は基本構成と同様である。
【0051】
(実施形態2)
本実施形態の情報装置Aは、補助係止爪31を係止爪(主係止爪)26の先端部から延設された形状とし、係止孔(主係止孔)24を補助係止孔として兼用するようにした点が実施形態1の情報装置Aと相違する。
【0052】
すなわち、ここでは補助係止爪31は図4に示すように係止爪26の先端部から係止爪26の突出方向に沿って後方に突出する形に形成されている。したがって、補助係止爪31は、係止爪26と同一の係止孔24に挿入されることとなる。ここで、補助係止爪31は係止爪26の先端部から延設されているから、係止孔24と係止爪26との係合が解除された状態でも、補助係止爪31が係止孔24に係合することとなり、これにより、露出パネルPが本体モジュールPに保持されることとなる。なお、補助係止部31aは補助係止爪31の先端部から上方に突出している。
【0053】
この構成によれば、係止孔24とは別に補助係止孔30を形成する場合に比べて、本体モジュールMに形成する孔の数を少なく抑えることができ、本体モジュールMの強度が向上するという利点がある。
【0054】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0055】
(実施形態3)
本実施形態の情報装置Aは、仮保持手段が、補助係止孔30および補助係止爪31に代えて、図5に示すように本体モジュールMの前面に設けた紐引出口2aから一端部が引出自在となるように本体モジュールMに収納された紐体32と、露出パネルPに紐体の前記一端部を取着する取着手段33とを有する点が実施形態1の情報装置Aと相違する。
【0056】
本実施形態では、紐引出口2aは図5(a)に示すように本体モジュールMのカバー2のうち右上方の角部付近に貫設されている。紐体32は、図5(b)のように本体モジュールMの器体3内に収容されたリール32aに巻き付けられる形で本体モジュールM内に収納されており、紐引出口2aからの引出長さの上限が規定されている。ここで、リール32aはばね部材(図示せず)によって、紐引出口2aから引き出された紐体32を巻き取る向きにばね付勢されている。取着手段33は、図5(c)のように紐体32の前記一端部に結合された引掛フック33aと、露出パネルPの背面側において紐引出口2aと対応する部位に形成され引掛フック33aを引っ掛け可能なフック用孔33bとで構成される。なお、リール32aに紐体32が巻き取られても、紐体32の前記一端部まで本体モジュールM内に巻き取られることがないように、引掛フック33aは紐引出口2aを通過しない大きさに形成されている。
【0057】
以上説明した構成によれば、係合手段(係止爪26および係止孔24)の係合が解除された状態で、紐体32によって露出パネルPが本体モジュールMに保持されることになる。このとき、露出パネルPと本体モジュールMとの間に生じる隙間の広さは、本体モジュールMからの紐体32の引出長さに応じて任意に設定可能であって、たとえば引出可能な紐体32を長めに規定しておけば、露出パネルPと本体モジュールMとの間に比較的大きな隙間を確保することができる。ここで、紐体32は本体モジュールM内のリール32aに巻き取られるので、紐体32の長さに関係なく本体モジュールM内に紐体32を自動で収納することができ、本体モジュールMと露出パネルPとの間に紐体32を収納するためのスペースを確保する必要はない。
【0058】
また、本実施形態の他の構成例として、図6(b)に示すように紐体32の前記一端部と、露出パネルPの背面側において紐引出口2aに対応する部位とに、鉤状の突起を一面に有する布とパイル状の面とで対を成し着脱可能に結合する面ファスナ33c,33dを取り付け、当該面ファスナ33c,33dで取着手段33を構成するようにしてもよい。この場合、紐体32の前記一端部に取り付けられた面ファスナ33cは紐引出口2aを通過しない大きさに形成される。この構成によれば、本体モジュールMに対して露出パネルPを覆着するだけで、面ファスナ33c,33d同士が結合され、仮保持手段によって本体モジュールMに露出パネルPを保持させることができる。しかも、露出パネルPを本体モジュールMから取り外す際には、紐体32を限界まで引き出した図6(a)の状態(露出パネルを本体モジュールに対してθmax傾斜させた状態)から、さらに露出パネルPを傾けて本体モジュールMから引き剥がすことで面ファスナ33c,33dの結合を容易に解除することができ、したがって、仮保持手段を設けたことで露出パネルPの取り外しの手間が増えることはない。なお、面ファスナ33c,33dの結合が解除されると、紐体32の一端部に結合された面ファスナ33cは、紐体32がリール32aに巻き取られることで紐引出口2aを塞ぐ位置に移動する。
【0059】
さらにまた、本体モジュールM内において、リール32aではなく図7に示すような構造により紐体32を引出自在に収納するようにしてもよい。図7の例では、紐体32の他端部(本体モジュールM内の端部)に錘32bを取り付けてある。これにより、紐体32を限界まで引き出した図7の状態(露出パネルPを本体モジュールMに対してθmax傾斜させた状態)から、さらに露出パネルPを傾けて露出パネルPを本体モジュールMから引き剥がすことで面ファスナ33c,33dの結合を容易に解除することができ、このとき、錘32bの自重で紐体32が本体モジュールM内に引き込まれることで、紐体32の一端部に結合された面ファスナ33cは紐引出口2aを塞ぐ位置に移動する。
【0060】
なお、本実施形態では、本体モジュールMに紐体32を収納し、露出パネルPに紐体32の一端部を取着する例を示したが、この構成に限るものではなく、紐体32を露出パネルPに収納し、本体モジュールMに紐体32の一端部を取着することにより、仮保持手段を構成してもよい。
【0061】
また、本実施形態では、露出パネルPとして図2の露出パネルPに比べて映像表示部15のサイズが小さく、且つ操作ハンドル17a等の配置も異なるものを例示しているが、図2と同様の露出パネルPを適用してもよい。
【0062】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0063】
(実施形態4)
本実施形態の情報装置Aは、仮保持手段が、図8に示すように本体モジュールMの前面に沿って配置されるとともに本体モジュールMに一端部が固着され他端部を前後方向に移動可能とした板ばね34と、露出パネルPに板ばね34の前記他端部を取着する取着手段33とを有する点が実施形態2の情報装置Aと相違する。
【0064】
本実施形態では、板ばね34は可撓性を有する程度の厚みの短冊状に形成された金属板から成り、一端部が本体モジュールMの前面に固着されている。また、板ばね34の前記他端部と、露出パネルPの背面側において板ばね34の前記他端部に対応する部位とには、着脱可能に結合する面ファスナ33cが取り付けられ、当該面ファスナ33cが取着手段33を構成する。
【0065】
この構成によれば、露出パネルPを本体モジュールMから取り外す際には、板ばね34を撓ませながら露出パネルPを本体モジュールMに対して傾斜させ、板ばね34を限界まで撓ませた図8の状態(露出パネルPを本体モジュールMに対してθmax傾斜させた状態)から、さらに露出パネルPを傾けて本体モジュールMから引き剥がすことで面ファスナ33cの結合を容易に解除することができる。このとき、面ファスナ33cの結合が解除されると、板ばね34は、自己の弾性によって、本体モジュールMの前面に前記他端部を接触させる状態(図8に2点鎖線で示す状態)に復帰する。
【0066】
なお、本実施形態では、本体モジュールMに板ばね34の一端部を固着し、露出パネルPに板ばね34の他端部を取着する例を示したが、この構成に限るものではなく、板ばね34の一端部を露出パネルPの背面に固着し、本体モジュールMに板ばね34の他端部を取着することにより、仮保持手段を構成してもよい。
【0067】
その他の構成および機能は実施形態2と同様である。
【0068】
(実施形態5)
本実施形態の情報装置Aは、仮保持手段が、図9に示すように露出パネルPに設けられた輪状の吊紐35と、本体モジュールMに設けられ吊紐35が引っ掛かるフック36とを有する点が実施形態1の情報装置Aと相違する。本実施形態では、吊紐35は露出パネルPのうちプレート枠13の背面側に取り付けられ、フック36は本体モジュールMのうち下側の取付片10の前面側に配設されている。
【0069】
この構成によれば、係合手段(係止爪26および係止孔24)の係合が解除された状態で、吊紐35がフック36に引っ掛かることにより露出パネルPが本体モジュールMに保持されることになる。
【0070】
また、吊紐35を人体の手首を挿通可能な大きさの輪状としておけば、露出パネルPの着脱作業時に吊紐35を作業者の手首に掛けることで、露出パネルPの落下を防止するという使い方もできる。この場合、吊紐35はプレート枠13のうちプレートカバー19で隠れる部位に配設することが望ましい。
【0071】
なお、本実施形態では、露出パネルPに吊紐35を設け、本体モジュールMにフック36を配設する例を示したが、この構成に限るものではなく、吊紐35を本体モジュールMの前面側に設け、露出パネルPの背面側にフック36を配設することにより、仮保持手段を構成してもよい。
【0072】
また、図9では、露出パネルPとして図2の露出パネルPに比べて映像表示部15のサイズが小さく、且つ操作ハンドル17a等の配置も異なるものを例示しているが、図2と同様の露出パネルPを適用してもよい。
【0073】
(実施形態6)
本実施形態の情報装置Aは、露出パネルPの下端部が回転軸によって本体モジュールMに枢支される構成とした点が上記各実施形態の情報装置Aと相違する。
【0074】
本実施形態では、図10(a)に示すように本体モジュールMの下端部に、左右方向に沿って配置される回転軸46を設けるとともに、露出パネルPの下端部に、回転軸46が挿通される軸受部47を設けてある。軸受部47は、図10(b)のようにプレート枠13の背面から後方に突出し先端部が二股に分割されているものであって、分割された先端部の間隔を広げた状態で先端部同士の間を通して回転軸46が導入される。
【0075】
しかして、本体モジュールMの回転軸46を露出パネルPの軸受部47に軸支させた状態で、回転軸46を支点部として本体モジュールMの前面の下辺周りで露出パネルPを回転させるように露出パネルPの上端部を本体モジュールM側に押し付けることにより、露出パネルPが本体モジュールMに装着されることとなる。
【0076】
この構成によれば、軸受部47に回転軸46を導入した状態で、露出パネルPは本体モジュールMに保持されることになるので、露出パネルPを取り外す際に露出パネルPの落下を防止できるという利点がある。
【0077】
また、本実施形態の他の構成例として、図11(a)に示すように、本体モジュールMの回転軸46を一端が取付片10に保持された形に形成し、露出パネルの軸受部47を前記回転軸46が他端側から挿入される円筒状に形成したものが考えられる。図11(a)の例では、回転軸46と軸受部47とを左右方向に2つずつ並設してある。この構成では、各軸受部47の開口からそれぞれ回転軸46が挿入されるように露出パネルPを左右方向にスライドさせることにより、図11(b)に示すように回転軸46を軸受部47に導入して、露出パネルPを本体モジュールMに枢支させることができる。
【0078】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0079】
(参考例)
本構成例の情報装置Aは、図12(b)に示すように本体モジュールMの下側の取付片10に鉤片23に代えて係止孔(主係止孔)24を形成するとともに、露出パネルPには引掛片25に代えて係止爪(主係止爪)26を突設してある点が上記基本構成の情報装置Aと相違する。
【0080】
すなわち、本構成例では、本体モジュールMの上下両端部において、係止爪26と係止孔24との組み合わせによる結合方式を採用している。そのため、図12(a)に示すように、露出パネルPには、操作部28aをプレート枠13の上端部から前面側に露出させる操作子28に加えて、操作部28aをプレート枠13の下端部から前面側に露出させる操作子28が設けられている。ここで、下側の操作子28は下方の係止爪26に連結されており、この係止爪26の先端部には下方に凸となる係止部27が設けられている。そのため、下側の操作子28においては、上方に移動するように操作されることで係止爪26と本体モジュールMとの係合を解除する。
【0081】
本構成例の構成によれば、露出パネルPを本体モジュールMに装着する際には、露出パネルPを本体モジュールM側に押し付けることにより、露出パネルPの全ての係止爪26を本体モジュールMの各係止孔24に挿入し、取付片10の背面側において全ての係止爪26の係止部27を係止孔24の開口周縁に係止させれば、露出パネルPが本体モジュールMに装着されることとなる。
【0082】
また、露出パネルPを本体モジュールMから取り外す際には、プレートカバー19をプレート枠13から取り外してから上側の操作子28の操作部28aを下方に押操作するとともに下側の操作子28の操作部28aを上方に押操作し、両操作子28を解除位置に移動させることにより全ての係止爪26と本体モジュールMとの係合を解除した状態で露出パネルPを前方に移動させれば、露出パネルPが本体モジュールMから外れることとなる。つまり、露出パネルPを外す際には、両操作子28の操作部28bに手を掛けた状態から露出パネルPを持ち替える必要がないので、露出パネルPを持ち替える際に露出パネルPを落とすなどの施工ミスを回避でき、露出パネルPの脱着作業が簡単になる。
【0083】
その他の構成および機能は基本構成と同様である。
【0084】
ところで、上記各構成例では、本体モジュールMを埋込型とした情報装置Aについて説明したが、本体モジュールMは埋込型に限るものではなく、図13に示すように壁面に背面を対向させる形で壁に固定される本体モジュールMを備えた情報装置Aに本発明を適用してもよい。
【0085】
また、上記各構成例では、相手側装置との間で通信可能となるインターホン親機としての情報装置Aに本発明を適用する例を示したが、この例に限るものではなく、たとえば太陽光発電の発電量等の情報を監視して表示する装置など、種々の情報装置に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施形態1の構成を示す概略側面図である。
【図2】本発明の基本構成を示し、(a)は前面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
【図3】同上の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態2の構成を示す概略側面図である。
【図5】本発明の実施形態3の構成を示し、(a)は斜視図、(b)は一部破断した斜視図、(c)は露出パネルを背面側から見た概略斜視図である。
【図6】同上の他の構成を示し、(a)は概略断面図、(b)は露出パネルを背面側から見た概略斜視図である。
【図7】同上のさらに他の構成を示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施形態4の構成を示す概略断面図である。
【図9】本発明の実施形態5の構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態6の構成を示し、(a)は要部の斜視図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【図11】同上の他の構成を示し、(a)は露出パネルを装着前の要部の斜視図、(b)は露出パネルを装着後の要部の斜視図である。
【図12】本発明の参考例の構成を示し、(a)は前面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
【図13】本発明の他の構成例を示し、(a)は前面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0087】
2a 紐引出口
24 (主)係止孔
26 (主)係止爪
30 補助係止孔
31 補助係止爪
32 紐体
33 取着手段
33c,33d 面ファスナ
34 板ばね
35 吊紐
36 フック
37 引掛孔
38 引掛突起
39 電源回路
A 情報装置
M 本体モジュール
P 露出パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁に取り付けて使用される情報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の情報装置には、たとえば宅外に設置された相手側装置としてのドアホン子器に対して信号線を用いて接続されることによりインターホンシステムを構築し、相手側装置との間で通信可能となるもの(インターホン親機)などがある(たとえば特許文献1参照)。特許文献1に例示された情報装置は、壁内に器体の後部が埋め込まれた形で取り付けられる。なお、インターホン親機として用いる情報装置には、映像表示部を備え、カメラが設けられた相手側装置に接続されることにより、相手側装置のカメラで撮像された映像を表示することができるものもある。
【0003】
ところで、上述の情報装置では、電源回路等の内部回路や映像表示部等の情報出力手段が全て1つの器体に配設されており、そのため、情報装置の機能(たとえば映像表示部の画面サイズなど)を一部でも変更する場合には、情報装置全体を交換する必要がある。
【0004】
これに対して、電源回路および情報の授受を行う情報口を具備し壁に固定される本体モジュールと、本体モジュールの前面側に着脱可能に覆着され、本体モジュールの電源回路から電力供給を受ける情報出力手段を具備する露出パネルとに情報装置を分割し、露出パネルを本体モジュールとは別に交換可能とすることが考えられている。この構成では、本体モジュールを共通としておけば、露出パネルを交換することで情報装置の機能(たとえば映像表示部の画面サイズなど)を容易に変更することができる。
【0005】
このように本体モジュールと露出パネルとに分割された情報装置においては、露出パネルと本体モジュールとの一方に設けた係止爪を他方に設けた係止孔に挿入し、係止爪の先端部を係止孔の開口周縁に係止させることで、露出パネルを本体モジュールに係着することが考えられる。
【特許文献1】特開平6−291818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記構成の情報装置において、露出パネルを本体モジュールに対して容易に着脱できる程度に係止爪と係止孔との係合の強度を低く設計すると、情報装置の普段の使用中に、露出パネルに対して係止爪と係止孔との係合を解除する向きの力が作用することにより、露出パネルが不用意に本体モジュールから外れて落下する可能性がある。
【0007】
一方、係止爪と係止孔との係合の強度を高く設計すると、本体モジュールから露出パネルを取り外す際に比較的大きな力を露出パネルに加える必要があるため、露出パネルが本体モジュールから外れたときに勢いあまって露出パネルが落下してしまう可能性がある。特に、比較的大きな力を露出パネルに加えるために治具(たとえばマイナスドライバの先端など)を用いて露出パネルの取り外し作業を行う場合、治具を操作するために作業者の片手がふさがることとなるので、作業者は片手で露出パネルを支えながら作業をすることとなり、露出パネルが落下してしまう可能性が高くなる。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、露出パネルが落下することを防止できる情報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明では、電源回路および情報の授受を行う情報口を具備し壁に固定される前面矩形状の本体モジュールと、本体モジュールの前面側に着脱可能に覆着され、前記電源回路から電力供給を受ける情報入力手段および情報出力手段の少なくとも一方を具備する露出パネルとを備え、本体モジュールおよび露出パネルには、互いに掛合することで本体モジュールの前面の一辺周りの露出パネルの回転の支点となる引掛手段と、本体モジュールと露出パネルとのいずれか一方に設けられた主係止孔、および他方に突設され主係止孔に挿入されることで主係止孔に係合する主係止爪を引掛手段とは異なる位置に有する係合手段と、係合手段の係合が解除された状態で引掛手段と共に本体モジュールに露出パネルを保持する仮保持手段とが設けられていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、本体モジュールおよび露出パネルには、引掛手段と係合手段と仮保持手段とが設けられているので、係合手段の係合が解除されても、引掛手段と仮保持手段とによって本体モジュールに露出パネルが保持されることとなる。したがって、係合手段の係合の強度を低く設計した場合、情報装置の普段の使用中に、露出パネルに対して係合手段の係合を解除する向きの力が作用したとしても、露出パネルが不用意に本体モジュールから外れて落下することを仮保持手段によって防止できる。また、係合手段の係合の強度を高く設計した場合、本体モジュールから露出パネルを取り外す際に比較的大きな力を露出パネルに加える必要があるものの、係合手段の係合が解除されたときに勢いあまって露出パネルが落下することを仮保持手段によって防止できる。ここで、係合手段の係合の解除に治具を用いる場合でも、係合手段の係合が解除された後で露出パネルを両手で支えながら本体モジュールから取り外すようにすれば、露出パネルの落下を防止することができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記仮保持手段が、本体モジュールと露出パネルとのいずれか一方に設けられた補助係止孔と、他方に突設され補助係止孔に挿入されることで補助係止孔に係合する補助係止爪とを有し、補助係止爪が、ゴム弾性を有する材料から形成されており、本体モジュールあるいは露出パネルからの突出高さが前記主係止爪よりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、主係止爪が主係止孔から抜けた時点では補助係止爪が補助係止孔に挿入された状態で補助係止爪に係合し、露出パネルが本体モジュールに保持されるので露出パネルの落下が防止される。また、補助係止爪がゴム弾性を有する材料から形成されているので、露出パネルを本体モジュールから引き剥がすように取り外すことで補助係止爪と補助係止孔との係合を容易に解除することができ、したがって、仮保持手段を設けたことで露出パネルの取り外しの手間が増えることはない。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記補助係止爪は前記主係止爪の先端部から延設されており、前記主係止孔は前記補助係止孔として兼用されることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、主係止孔が補助係止孔として兼用されているから、主係止孔とは別に補助係止孔を設ける場合に比べて、本体モジュールあるいは露出パネルに設ける孔の数を少なく抑えることができ、本体モジュールあるいは露出パネルの強度が向上する。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記仮保持手段が、前記係合手段を係合させた状態で前記本体モジュールと前記露出パネルとの一方に収納され、係合手段の係合が解除された状態で前記一方に設けた紐引出口から一端部が引き出される紐体と、他方に紐体の前記一端部を取着する取着手段とを有し、紐体は、紐引出口からの引出長さの上限が規定されている。
【0016】
この構成によれば、係合手段の係合が解除された状態では、本体モジュールと露出パネルとの一方に収納された紐体により露出パネルが本体モジュールに保持されるので、紐体の引出長さの上限に応じて露出パネルと本体モジュールとの間に生じる隙間の広さを任意に設定することができる。また、紐体は本体モジュールと露出パネルとの一方に収納されるので、本体モジュールと露出パネルとの間に紐体を収納するためのスペースを設ける必要はない。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記仮保持手段が、前記本体モジュールの前面に沿って配置されるとともに本体モジュールと前記露出パネルとの一方に一端部が固着され他端部を前後方向に移動可能とした板ばねと、他方に板ばねの前記他端部を取着する取着手段とを有することを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、係合手段の係合が解除された状態では、本体モジュールと露出パネルとの一方に一端部が固着された板ばねにより露出パネルが本体モジュールに保持されるので、板ばねの前記他端部の変位量に応じて露出パネルと本体モジュールとの間に生じる隙間の広さを任意に設定することができる。また、板ばねは本体モジュールの前面に沿って配置されるので、板ばねを収納するためのスペースを小さく抑えることができる。
【0019】
請求項6の発明は、請求項4または請求項5の発明において、前記取着手段が、前記係合手段を係合させた状態で互いに突き合わされる位置に配設された面ファスナからなることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、係合手段を係合させるように本体モジュールに対して露出パネルを覆着するだけで、面ファスナ同士を結合させることができる。また、露出パネルを本体モジュールから取り外す際には、露出パネルを本体モジュールから引き剥がすように取り外すことで面ファスナの結合を容易に解除することができ、したがって、仮保持手段を設けたことで露出パネルの取り外しの手間が増えることはない。
【0021】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記仮保持手段が、前記本体モジュールと前記露出パネルとの一方に設けられた輪状の吊紐と、他方に設けられ吊紐が引っ掛かるフックとを有することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、係合手段の係合が解除された状態では、吊紐がフックに引っ掛かることにより露出パネルが本体モジュールに保持されるので、簡単な構成で露出パネルの落下を防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、本体モジュールおよび露出パネルに、引掛手段と係合手段と仮保持手段とが設けられているので、係合手段の係合が解除されても、引掛手段と仮保持手段とによって本体モジュールに露出パネルが保持されることとなる。したがって、係合手段の係合が解除された状態で露出パネルが落下することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下の各構成例では、宅内の壁に取り付けられ、宅外に設置された相手側装置としてのドアホン子器に対して信号線を用いて接続されることによりインターホンシステムを構築し、相手側装置との間で通信(通話)可能となるインターホン親機を情報装置の一例として、本発明の情報装置の構成を説明する。
【0025】
この情報装置は映像表示部を備えており、来訪者を撮像するカメラ部が設けられた相手側装置に接続されることにより、相手側装置のカメラ部で撮像された映像を表示することができる。なお、相手側装置は、カメラ部の他、操作入力が可能な操作部と、スピーカおよびマイクロフォンを具備し情報装置との通話時に音声の入出力を行う音声入出力部と、音声信号や映像信号の入出力を行う信号処理部と、信号線が接続される端子部とを有している。
【0026】
(基本構成)
本構成例の情報装置Aは、図2(a)に示すように、壁に固定される本体モジュールMと、本体モジュールMの前面側に着脱可能に覆着される露出パネルPとを備えている。露出パネルPは本体モジュールMに装着された状態で、コネクタ4,5によって本体モジュールMと電気的に接続される。以下では、情報装置Aを壁に取り付けた状態で正面から見た上下左右を上下左右として説明する。
【0027】
本体モジュールMは、図2(b)に示すように、前面に矩形状の開口部を有する箱状に形成されたボディ1と、ボディ1の前面に覆着されるカバー2とで構成される器体3を備え、種々の電気部品が実装されている回路基板(図示せず)が器体3内に収納された構成を有する。さらに、本体モジュールMは、商用電源供給用の電源線が接続される電源端子部6と、信号線が接続される信号端子部7とを器体3の背面側に備えている。ボディ1とカバー2とは、カバー2の上下方向の各端部から後方に突出した結合片8に設けた孔に、ボディ1の上下方向の両端面における前端部に設けた結合爪9をそれぞれ係合させることにより結合される。
【0028】
この本体モジュールMは、壁面からの器体3の突出量を小さく抑え、且つ、一般に普及している埋込型の配線器具との外観上の統一感を出すとともに、取り付けに用いる部材の低コスト化を図るために、壁内に設置された埋込型の配線器具用の埋込ボックスSBを用いて、器体3の後部が壁内に収められる形で壁に固定される。埋込ボックスSBは、前面開口の箱状に形成されており、壁面を構成する壁材Wにおいて埋込ボックスSBに対応する部分には、埋込ボックスSBの開口より小さい矩形状であって、埋込ボックスSBに設けた取付ねじ用のねじ孔20を全て露出させる大きさの施工孔H1が開設される。本体モジュールMは、この施工孔H1を通して前方から埋込ボックスSBに取り付けられるのであって、器体3が後部を埋込ボックスSB内に収納可能な形状および寸法に形成されている。
【0029】
すなわち、本体モジュールMのカバー2は、上下方向の各端面のそれぞれから互いに離れる向きに延設された一対の取付片10を連続一体に有する。一対の取付片10は、カバー2の左右方向の略全長に亘って形成される。各取付片10には、埋込ボックスSBに固定するための取付ねじ(図示せず)を挿通するボックス用孔11がそれぞれ複数個(ここでは2個)ずつ形成される。詳しくは後述するが、この取付片10は露出パネルPを装着するためにも用いられる。なお、本構成例では、本体モジュールMの器体3は1連用の取付枠(埋込型の配線器具用に規格化されている単位寸法の配線器具を幅方向に3個並べて取付可能な取付枠)を2個まで取付可能な埋込ボックスSBに対応する大きさに形成されている。
【0030】
露出パネルPは、本体モジュールMの前面側を覆うパネル本体12と、パネル本体12の周囲に一体に形成された矩形枠状のプレート枠13とを有する。パネル本体12は、パネルベース12aの前面側にパネルカバー12bが結合されることで薄箱状に形成されており、パネルベース12aとパネルカバー12bとの間に、種々の電気部品が実装されている回路基板(図示せず)等が収納された構成を有する。プレート枠13は、後述の各係着孔21付近にそれぞれ形成された支持片29を介してパネルベース12aの外周縁に連続一体に形成される。この露出パネルPを本体モジュールMに装着した状態では、本体モジュールMの周囲の壁面にプレート枠13の背面が弾接する。なお、ここでは、露出パネルPは、上下方向の寸法と左右方向の寸法とのいずれもが本体モジュールMより大きく設定されている。
【0031】
パネル本体12の前壁(パネルカバー12b)の一部には透明な表示窓14が配設されており、露出パネルPは、液晶パネルからなる映像表示部15(図3参照)をパネル本体12内における表示窓14の後方に備えている。さらに、パネル本体12の前壁には、後方にスピーカ18aが配設されるスピーカ取付部16と、操作部17(図3参照)としてのスイッチ(図示せず)操作用の操作ハンドル17aと、後方にマイクロフォン18b(図3参照)が配設されるマイク用孔(図示せず)とが配設されている。なお、スピーカ18aおよびマイクロフォン18bは、図3に示すように相手側装置との通話時に音声の入出力を行う音声入出力部18を構成する。
【0032】
さらに、露出パネルPは、プレート枠13の前面の全域を覆う形でプレート枠13の前面側に覆着される矩形枠状のプレートカバー19(図1参照)を有し、プレートカバー19を係着する係着手段をプレート枠13に具備している。すなわち、プレート枠13は、プレートカバー19の背面の複数箇所に突設された係着爪(図示せず)が挿入されることで当該係着爪が係止する係着孔21を係着手段として具備している。係着孔21は、各係着爪に対応する各位置にそれぞれ配置されており、ここでは、プレート枠13の左右両端部においては上下方向に3箇所ずつ、上端部においては左右方向に2箇所配置されている。プレート枠13の下端部においては、係着孔21に代えて係着爪に係止する係着片22が形成される。なお、本構成例では、壁面からのパネル本体12の前面の突出高さを壁面からのプレートカバー19の突出高さに揃えるように、露出パネルPの壁面からの突出量を設定している。
【0033】
ここにおいて、情報装置Aの内部回路は、本体モジュールMと露出パネルPとに分割して設けられている。
【0034】
すなわち、本体モジュールMは、図3に示すように、電源スイッチ部SWを介して電源端子部6に接続され内部回路に直流電源を供給する電源回路39(AC/DC電源部39aおよびDC/DC電源部39b)と、情報の授受を行う情報授受口としての信号端子部7に接続された外部インタフェース部40とを有している。電源スイッチSWは、露出パネルPの装着時にオンするように本体モジュールMの前面側に露出して配置される。
【0035】
一方、露出パネルPは、図3に示すように、音声入出力部18や映像表示部15や操作部17等、電源回路39から電力供給を受け情報の入出力を行う手段(情報入力手段および情報出力手段)の他、音声入出力部18および映像表示部15と外部インタフェース部40とに接続され、音声信号や映像信号の入出力を行う信号処理部42と、操作部17からの操作入力を受け付けて内部回路の各部の動作を制御する全体制御部43とを備えている。信号処理部42は、音声信号を増幅するアンプを含む音声処理部44と、映像信号を復調する復調回路を含み映像表示部15に映像を表示する映像伝送処理部45とを有している。なお、本構成例では、信号線に音声信号と映像信号とが多重化されて伝送されている。そのため、信号処理部42には、音声処理部44および映像伝送処理部45と外部インタフェース部40との間に挿入され、多重化された音声信号と映像信号とを分離する多重分離部42aが設けられている。
【0036】
ところで、本体モジュールMと露出パネルPとのそれぞれには、互いに係合することで本体モジュールMに露出パネルPを装着するための引掛手段および係合手段が設けられている。
【0037】
本体モジュールMにおいては、図2(a)のように下側の取付片10の前面から突出し後述の引掛片25と共に引掛手段を構成する鉤片23と、上側の取付片10に設けられ後述の係止爪(主係止爪)26と共に係合手段を構成する係止孔(主係止孔)24とが設けられている。鉤片23は、取付片10の前面から前方に突出し、先端部が上方に延長されることによりL字状に形成されており、左右方向に複数個(ここでは2個)並設されている。係止孔24は、取付片10における一方のボックス用孔11の両側方に、それぞれ矩形状に開口する形で貫設されている。
【0038】
露出パネルPにおいては、プレート枠13の下端縁であって各鉤片23に対応する位置にそれぞれ形成され、鉤片23の先端部と取付片10との間に上方から挿入されることで鉤片23に引っ掛かる引掛片25と、図2(b)のようにパネル本体12の背面側であって各係止孔24に対応する位置からそれぞれ後方に突出する係止爪(主係止爪)26とが設けられている。係止爪26の先端部には、上方に凸となる係止部27(図1参照)が設けられており、係止部27は係止爪26の基端部側ほど係止爪26からの突出量が大きくなるように上面が傾斜している。
【0039】
しかして、露出パネルPの引掛片25を本体モジュールMの鉤片23に引っ掛けた状態で、鉤片23を支点部として本体モジュールMの前面の下辺周りで露出パネルPを回転させるように露出パネルPの上端部を本体モジュールM側に押し付けることにより、露出パネルPの係止爪26を本体モジュールMの係止孔24に挿入し、取付片10の背面側において係止部27を係止孔24の開口周縁に係止させれば、露出パネルPが本体モジュールMに装着されることとなる。
【0040】
ここで、係止爪26は、本体モジュールMの取付片10の背面から後方に突出することになるものの、本構成例では、係止爪26が挿通される係止孔24は、取付片10における取付ねじ用のボックス用孔11の両側方に貫設されているため、係止爪26が壁材Wに干渉することはない。つまり、壁材Wにおいて埋込ボックスSBに対応する部分には、埋込ボックスSBに設けた取付ねじ用のねじ孔20を全て露出させる大きさの施工孔H1が開設されているので、係止爪26において取付片10の背面から後方に突出した部分は施工孔H1内に収まることとなり、壁材Wに干渉することはない。
【0041】
また、露出パネルPには、係止爪26に連結されており、係止爪26を係止孔24に係合させる係合位置と当該係合を解除させる解除位置との間で本体モジュールMの前面に沿って上下方向に移動可能な操作子28が設けられている。すなわち、操作子28が係合位置にある状態では、係止爪26は係止部27が係止孔24の開口周縁に係止され、この状態から、操作子28の操作部28aを操作して操作部28を係合位置より下方の解除位置に移動させると、係止爪26は下方に移動することで係止孔24の開口周縁との係合が解除される。操作子28は、パネル本体12内部に設けた収容空間に、操作部28aをパネル本体12の上端縁から突出させる形で収容されている。ここで、操作子28の操作部28aは、プレート枠13の前面側から操作可能となるように配設される。
【0042】
さらに、操作子28を係合位置側にばね付勢するコイルばね(図示せず)を露出パネルPに具備しており、操作子28は、非操作時にはコイルばねのばね力によって係合位置にばね付勢され、コイルばねのばね力に抗して操作部28aが下方に押操作されることで解除位置に移動する。
【0043】
なお、本構成例では本体モジュールMに係止孔24を形成し、露出パネルPには係止爪26を設ける例を示したが、この構成に限るものではなく、係止孔24に代えて係止爪を本体モジュールMに設け、係止爪26に代えて係止孔24を露出パネルPに設けることにより、係合手段を構成してもよい。
【0044】
(実施形態1)
本実施形態の情報装置Aは、係合手段としての係止孔(主係止孔)24と係止爪(主係止爪)26との係合が解除された状態で引掛手段と共に本体モジュールMに露出パネルを保持する仮保持手段を有する点が上記基本構成の情報装置Aと相違する。なお、図1の例では、本体モジュールMの下側の取付片10に対し、鉤片23に代えて引掛孔37(図5(a)参照)を形成するとともに、露出パネルPのプレート枠13の下端部には、引掛片25に代えて引掛孔37に挿入される引掛突起38を突設し、引掛孔37および引掛突起38で引掛手段を構成している。
【0045】
本実施形態では、仮保持手段は、図1に示すように本体モジュールMの上側の取付片10に設けられた補助係止孔30と、露出パネルPの背面側であって補助係止孔30に対応する位置からそれぞれ後方に突出する補助係止爪31とを有する。補助係止孔30は係止孔24の上方に配置されている。補助係止爪31はゴム弾性を有する材料(たとえば合成ゴム材料)から形成されており、補助係止爪31の先端部には、上下方向の両側に凸となる補助係止部31aが設けられている。これにより、引掛手段としての引掛孔37および引掛突起38を互いに掛合させた状態で、露出パネルPの補助係止爪31を本体モジュールMの補助係止孔30に挿入し、取付片10の背面側において補助係止部31aを補助係止孔30の開口周縁に係止させれば、露出パネルPが本体モジュールMに保持されることとなる。
【0046】
ここにおいて、補助係止爪31は、係止孔24と係止爪26との係合が解除された後(つまり、係止孔24から係止爪26が抜けた後)で補助係止孔30から抜けるように、係止爪26に比べて露出パネルPの背面からの突出高さが大きく設定されている。すなわち、引掛手段としての引掛孔37および引掛突起38を互いに掛合させた状態で、係止孔24と係止爪26との係合が解除された状態でも、補助係止爪31が補助係止孔30に係合することとなり、これにより、露出パネルPが本体モジュールPに保持されることとなる。
【0047】
上述した本実施形態の構成によれば、露出パネルPを本体モジュールMから取り外す際、図1のように係止孔24と係止爪26との係合を解除した状態で、補助係止爪31が補助係止孔30に係合して露出パネルPが本体モジュールMに保持される。要するに、係合手段(係止爪26および係止孔24)の係合を解除しただけでは、露出パネルPが本体モジュールMから外れてしまうことはなく、露出パネルPの落下を防止することができる。また、補助係止爪31はゴム弾性を有する材料からなるので、図1のように係止孔24と係止爪26との係合を解除した状態で、露出パネルPを本体モジュールMから引き剥がすように取り外すことで補助係止爪31と補助係止孔30との係合を容易に解除することができ、したがって、仮保持手段を設けたことで露出パネルPの取り外しの手間が増えることはない。
【0048】
なお、本実施形態では、本体モジュールMに補助係止孔30を形成し、露出パネルPには補助係止爪31を設ける例を示したが、この構成に限るものではなく、補助係止爪31を本体モジュールMに設け、補助係止孔30を露出パネルPに設けることにより、仮保持手段を構成してもよい。
【0049】
また、図1の例では、引掛孔37および引掛突起38で引掛手段を構成しているが、上記基本構成と同様に本体モジュールMに鉤片23、露出パネルPに引掛片25を配設することで引掛手段を構成してもよい。
【0050】
その他の構成および機能は基本構成と同様である。
【0051】
(実施形態2)
本実施形態の情報装置Aは、補助係止爪31を係止爪(主係止爪)26の先端部から延設された形状とし、係止孔(主係止孔)24を補助係止孔として兼用するようにした点が実施形態1の情報装置Aと相違する。
【0052】
すなわち、ここでは補助係止爪31は図4に示すように係止爪26の先端部から係止爪26の突出方向に沿って後方に突出する形に形成されている。したがって、補助係止爪31は、係止爪26と同一の係止孔24に挿入されることとなる。ここで、補助係止爪31は係止爪26の先端部から延設されているから、係止孔24と係止爪26との係合が解除された状態でも、補助係止爪31が係止孔24に係合することとなり、これにより、露出パネルPが本体モジュールPに保持されることとなる。なお、補助係止部31aは補助係止爪31の先端部から上方に突出している。
【0053】
この構成によれば、係止孔24とは別に補助係止孔30を形成する場合に比べて、本体モジュールMに形成する孔の数を少なく抑えることができ、本体モジュールMの強度が向上するという利点がある。
【0054】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0055】
(実施形態3)
本実施形態の情報装置Aは、仮保持手段が、補助係止孔30および補助係止爪31に代えて、図5に示すように本体モジュールMの前面に設けた紐引出口2aから一端部が引出自在となるように本体モジュールMに収納された紐体32と、露出パネルPに紐体の前記一端部を取着する取着手段33とを有する点が実施形態1の情報装置Aと相違する。
【0056】
本実施形態では、紐引出口2aは図5(a)に示すように本体モジュールMのカバー2のうち右上方の角部付近に貫設されている。紐体32は、図5(b)のように本体モジュールMの器体3内に収容されたリール32aに巻き付けられる形で本体モジュールM内に収納されており、紐引出口2aからの引出長さの上限が規定されている。ここで、リール32aはばね部材(図示せず)によって、紐引出口2aから引き出された紐体32を巻き取る向きにばね付勢されている。取着手段33は、図5(c)のように紐体32の前記一端部に結合された引掛フック33aと、露出パネルPの背面側において紐引出口2aと対応する部位に形成され引掛フック33aを引っ掛け可能なフック用孔33bとで構成される。なお、リール32aに紐体32が巻き取られても、紐体32の前記一端部まで本体モジュールM内に巻き取られることがないように、引掛フック33aは紐引出口2aを通過しない大きさに形成されている。
【0057】
以上説明した構成によれば、係合手段(係止爪26および係止孔24)の係合が解除された状態で、紐体32によって露出パネルPが本体モジュールMに保持されることになる。このとき、露出パネルPと本体モジュールMとの間に生じる隙間の広さは、本体モジュールMからの紐体32の引出長さに応じて任意に設定可能であって、たとえば引出可能な紐体32を長めに規定しておけば、露出パネルPと本体モジュールMとの間に比較的大きな隙間を確保することができる。ここで、紐体32は本体モジュールM内のリール32aに巻き取られるので、紐体32の長さに関係なく本体モジュールM内に紐体32を自動で収納することができ、本体モジュールMと露出パネルPとの間に紐体32を収納するためのスペースを確保する必要はない。
【0058】
また、本実施形態の他の構成例として、図6(b)に示すように紐体32の前記一端部と、露出パネルPの背面側において紐引出口2aに対応する部位とに、鉤状の突起を一面に有する布とパイル状の面とで対を成し着脱可能に結合する面ファスナ33c,33dを取り付け、当該面ファスナ33c,33dで取着手段33を構成するようにしてもよい。この場合、紐体32の前記一端部に取り付けられた面ファスナ33cは紐引出口2aを通過しない大きさに形成される。この構成によれば、本体モジュールMに対して露出パネルPを覆着するだけで、面ファスナ33c,33d同士が結合され、仮保持手段によって本体モジュールMに露出パネルPを保持させることができる。しかも、露出パネルPを本体モジュールMから取り外す際には、紐体32を限界まで引き出した図6(a)の状態(露出パネルを本体モジュールに対してθmax傾斜させた状態)から、さらに露出パネルPを傾けて本体モジュールMから引き剥がすことで面ファスナ33c,33dの結合を容易に解除することができ、したがって、仮保持手段を設けたことで露出パネルPの取り外しの手間が増えることはない。なお、面ファスナ33c,33dの結合が解除されると、紐体32の一端部に結合された面ファスナ33cは、紐体32がリール32aに巻き取られることで紐引出口2aを塞ぐ位置に移動する。
【0059】
さらにまた、本体モジュールM内において、リール32aではなく図7に示すような構造により紐体32を引出自在に収納するようにしてもよい。図7の例では、紐体32の他端部(本体モジュールM内の端部)に錘32bを取り付けてある。これにより、紐体32を限界まで引き出した図7の状態(露出パネルPを本体モジュールMに対してθmax傾斜させた状態)から、さらに露出パネルPを傾けて露出パネルPを本体モジュールMから引き剥がすことで面ファスナ33c,33dの結合を容易に解除することができ、このとき、錘32bの自重で紐体32が本体モジュールM内に引き込まれることで、紐体32の一端部に結合された面ファスナ33cは紐引出口2aを塞ぐ位置に移動する。
【0060】
なお、本実施形態では、本体モジュールMに紐体32を収納し、露出パネルPに紐体32の一端部を取着する例を示したが、この構成に限るものではなく、紐体32を露出パネルPに収納し、本体モジュールMに紐体32の一端部を取着することにより、仮保持手段を構成してもよい。
【0061】
また、本実施形態では、露出パネルPとして図2の露出パネルPに比べて映像表示部15のサイズが小さく、且つ操作ハンドル17a等の配置も異なるものを例示しているが、図2と同様の露出パネルPを適用してもよい。
【0062】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0063】
(実施形態4)
本実施形態の情報装置Aは、仮保持手段が、図8に示すように本体モジュールMの前面に沿って配置されるとともに本体モジュールMに一端部が固着され他端部を前後方向に移動可能とした板ばね34と、露出パネルPに板ばね34の前記他端部を取着する取着手段33とを有する点が実施形態2の情報装置Aと相違する。
【0064】
本実施形態では、板ばね34は可撓性を有する程度の厚みの短冊状に形成された金属板から成り、一端部が本体モジュールMの前面に固着されている。また、板ばね34の前記他端部と、露出パネルPの背面側において板ばね34の前記他端部に対応する部位とには、着脱可能に結合する面ファスナ33cが取り付けられ、当該面ファスナ33cが取着手段33を構成する。
【0065】
この構成によれば、露出パネルPを本体モジュールMから取り外す際には、板ばね34を撓ませながら露出パネルPを本体モジュールMに対して傾斜させ、板ばね34を限界まで撓ませた図8の状態(露出パネルPを本体モジュールMに対してθmax傾斜させた状態)から、さらに露出パネルPを傾けて本体モジュールMから引き剥がすことで面ファスナ33cの結合を容易に解除することができる。このとき、面ファスナ33cの結合が解除されると、板ばね34は、自己の弾性によって、本体モジュールMの前面に前記他端部を接触させる状態(図8に2点鎖線で示す状態)に復帰する。
【0066】
なお、本実施形態では、本体モジュールMに板ばね34の一端部を固着し、露出パネルPに板ばね34の他端部を取着する例を示したが、この構成に限るものではなく、板ばね34の一端部を露出パネルPの背面に固着し、本体モジュールMに板ばね34の他端部を取着することにより、仮保持手段を構成してもよい。
【0067】
その他の構成および機能は実施形態2と同様である。
【0068】
(実施形態5)
本実施形態の情報装置Aは、仮保持手段が、図9に示すように露出パネルPに設けられた輪状の吊紐35と、本体モジュールMに設けられ吊紐35が引っ掛かるフック36とを有する点が実施形態1の情報装置Aと相違する。本実施形態では、吊紐35は露出パネルPのうちプレート枠13の背面側に取り付けられ、フック36は本体モジュールMのうち下側の取付片10の前面側に配設されている。
【0069】
この構成によれば、係合手段(係止爪26および係止孔24)の係合が解除された状態で、吊紐35がフック36に引っ掛かることにより露出パネルPが本体モジュールMに保持されることになる。
【0070】
また、吊紐35を人体の手首を挿通可能な大きさの輪状としておけば、露出パネルPの着脱作業時に吊紐35を作業者の手首に掛けることで、露出パネルPの落下を防止するという使い方もできる。この場合、吊紐35はプレート枠13のうちプレートカバー19で隠れる部位に配設することが望ましい。
【0071】
なお、本実施形態では、露出パネルPに吊紐35を設け、本体モジュールMにフック36を配設する例を示したが、この構成に限るものではなく、吊紐35を本体モジュールMの前面側に設け、露出パネルPの背面側にフック36を配設することにより、仮保持手段を構成してもよい。
【0072】
また、図9では、露出パネルPとして図2の露出パネルPに比べて映像表示部15のサイズが小さく、且つ操作ハンドル17a等の配置も異なるものを例示しているが、図2と同様の露出パネルPを適用してもよい。
【0073】
(実施形態6)
本実施形態の情報装置Aは、露出パネルPの下端部が回転軸によって本体モジュールMに枢支される構成とした点が上記各実施形態の情報装置Aと相違する。
【0074】
本実施形態では、図10(a)に示すように本体モジュールMの下端部に、左右方向に沿って配置される回転軸46を設けるとともに、露出パネルPの下端部に、回転軸46が挿通される軸受部47を設けてある。軸受部47は、図10(b)のようにプレート枠13の背面から後方に突出し先端部が二股に分割されているものであって、分割された先端部の間隔を広げた状態で先端部同士の間を通して回転軸46が導入される。
【0075】
しかして、本体モジュールMの回転軸46を露出パネルPの軸受部47に軸支させた状態で、回転軸46を支点部として本体モジュールMの前面の下辺周りで露出パネルPを回転させるように露出パネルPの上端部を本体モジュールM側に押し付けることにより、露出パネルPが本体モジュールMに装着されることとなる。
【0076】
この構成によれば、軸受部47に回転軸46を導入した状態で、露出パネルPは本体モジュールMに保持されることになるので、露出パネルPを取り外す際に露出パネルPの落下を防止できるという利点がある。
【0077】
また、本実施形態の他の構成例として、図11(a)に示すように、本体モジュールMの回転軸46を一端が取付片10に保持された形に形成し、露出パネルの軸受部47を前記回転軸46が他端側から挿入される円筒状に形成したものが考えられる。図11(a)の例では、回転軸46と軸受部47とを左右方向に2つずつ並設してある。この構成では、各軸受部47の開口からそれぞれ回転軸46が挿入されるように露出パネルPを左右方向にスライドさせることにより、図11(b)に示すように回転軸46を軸受部47に導入して、露出パネルPを本体モジュールMに枢支させることができる。
【0078】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0079】
(参考例)
本構成例の情報装置Aは、図12(b)に示すように本体モジュールMの下側の取付片10に鉤片23に代えて係止孔(主係止孔)24を形成するとともに、露出パネルPには引掛片25に代えて係止爪(主係止爪)26を突設してある点が上記基本構成の情報装置Aと相違する。
【0080】
すなわち、本構成例では、本体モジュールMの上下両端部において、係止爪26と係止孔24との組み合わせによる結合方式を採用している。そのため、図12(a)に示すように、露出パネルPには、操作部28aをプレート枠13の上端部から前面側に露出させる操作子28に加えて、操作部28aをプレート枠13の下端部から前面側に露出させる操作子28が設けられている。ここで、下側の操作子28は下方の係止爪26に連結されており、この係止爪26の先端部には下方に凸となる係止部27が設けられている。そのため、下側の操作子28においては、上方に移動するように操作されることで係止爪26と本体モジュールMとの係合を解除する。
【0081】
本構成例の構成によれば、露出パネルPを本体モジュールMに装着する際には、露出パネルPを本体モジュールM側に押し付けることにより、露出パネルPの全ての係止爪26を本体モジュールMの各係止孔24に挿入し、取付片10の背面側において全ての係止爪26の係止部27を係止孔24の開口周縁に係止させれば、露出パネルPが本体モジュールMに装着されることとなる。
【0082】
また、露出パネルPを本体モジュールMから取り外す際には、プレートカバー19をプレート枠13から取り外してから上側の操作子28の操作部28aを下方に押操作するとともに下側の操作子28の操作部28aを上方に押操作し、両操作子28を解除位置に移動させることにより全ての係止爪26と本体モジュールMとの係合を解除した状態で露出パネルPを前方に移動させれば、露出パネルPが本体モジュールMから外れることとなる。つまり、露出パネルPを外す際には、両操作子28の操作部28bに手を掛けた状態から露出パネルPを持ち替える必要がないので、露出パネルPを持ち替える際に露出パネルPを落とすなどの施工ミスを回避でき、露出パネルPの脱着作業が簡単になる。
【0083】
その他の構成および機能は基本構成と同様である。
【0084】
ところで、上記各構成例では、本体モジュールMを埋込型とした情報装置Aについて説明したが、本体モジュールMは埋込型に限るものではなく、図13に示すように壁面に背面を対向させる形で壁に固定される本体モジュールMを備えた情報装置Aに本発明を適用してもよい。
【0085】
また、上記各構成例では、相手側装置との間で通信可能となるインターホン親機としての情報装置Aに本発明を適用する例を示したが、この例に限るものではなく、たとえば太陽光発電の発電量等の情報を監視して表示する装置など、種々の情報装置に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施形態1の構成を示す概略側面図である。
【図2】本発明の基本構成を示し、(a)は前面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
【図3】同上の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態2の構成を示す概略側面図である。
【図5】本発明の実施形態3の構成を示し、(a)は斜視図、(b)は一部破断した斜視図、(c)は露出パネルを背面側から見た概略斜視図である。
【図6】同上の他の構成を示し、(a)は概略断面図、(b)は露出パネルを背面側から見た概略斜視図である。
【図7】同上のさらに他の構成を示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施形態4の構成を示す概略断面図である。
【図9】本発明の実施形態5の構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態6の構成を示し、(a)は要部の斜視図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【図11】同上の他の構成を示し、(a)は露出パネルを装着前の要部の斜視図、(b)は露出パネルを装着後の要部の斜視図である。
【図12】本発明の参考例の構成を示し、(a)は前面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
【図13】本発明の他の構成例を示し、(a)は前面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0087】
2a 紐引出口
24 (主)係止孔
26 (主)係止爪
30 補助係止孔
31 補助係止爪
32 紐体
33 取着手段
33c,33d 面ファスナ
34 板ばね
35 吊紐
36 フック
37 引掛孔
38 引掛突起
39 電源回路
A 情報装置
M 本体モジュール
P 露出パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源回路および情報の授受を行う情報口を具備し壁に固定される前面矩形状の本体モジュールと、本体モジュールの前面側に着脱可能に覆着され、前記電源回路から電力供給を受ける情報入力手段および情報出力手段の少なくとも一方を具備する露出パネルとを備え、本体モジュールおよび露出パネルには、互いに掛合することで本体モジュールの前面の一辺周りの露出パネルの回転の支点となる引掛手段と、本体モジュールと露出パネルとのいずれか一方に設けられた主係止孔、および他方に突設され主係止孔に挿入されることで主係止孔に係合する主係止爪を引掛手段とは異なる位置に有する係合手段と、係合手段の係合が解除された状態で引掛手段と共に本体モジュールに露出パネルを保持する仮保持手段とが設けられていることを特徴とする情報装置。
【請求項2】
前記仮保持手段は、本体モジュールと露出パネルとのいずれか一方に設けられた補助係止孔と、他方に突設され補助係止孔に挿入されることで補助係止孔に係合する補助係止爪とを有し、補助係止爪は、ゴム弾性を有する材料から形成されており、本体モジュールあるいは露出パネルからの突出高さが前記主係止爪よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載の情報装置。
【請求項3】
前記補助係止爪は前記主係止爪の先端部から延設されており、前記主係止孔は前記補助係止孔として兼用されることを特徴とする請求項2記載の情報装置。
【請求項4】
前記仮保持手段は、前記係合手段を係合させた状態で前記本体モジュールと前記露出パネルとの一方に収納され、係合手段の係合が解除された状態で前記一方に設けた紐引出口から一端部が引き出される紐体と、他方に紐体の前記一端部を取着する取着手段とを有し、紐体は、紐引出口からの引出長さの上限が規定されていることを特徴とする請求項1記載の情報装置。
【請求項5】
前記仮保持手段は、前記本体モジュールの前面に沿って配置されるとともに本体モジュールと前記露出パネルとの一方に一端部が固着され他端部を前後方向に移動可能とした板ばねと、他方に板ばねの前記他端部を取着する取着手段とを有することを特徴とする請求項1記載の情報装置。
【請求項6】
前記取着手段は、前記係合手段を係合させた状態で互いに突き合わされる位置に配設された面ファスナからなることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の情報装置。
【請求項7】
前記仮保持手段は、前記本体モジュールと前記露出パネルとの一方に設けられた輪状の吊紐と、他方に設けられ吊紐が引っ掛かるフックとを有することを特徴とする請求項1記載の情報装置。
【請求項1】
電源回路および情報の授受を行う情報口を具備し壁に固定される前面矩形状の本体モジュールと、本体モジュールの前面側に着脱可能に覆着され、前記電源回路から電力供給を受ける情報入力手段および情報出力手段の少なくとも一方を具備する露出パネルとを備え、本体モジュールおよび露出パネルには、互いに掛合することで本体モジュールの前面の一辺周りの露出パネルの回転の支点となる引掛手段と、本体モジュールと露出パネルとのいずれか一方に設けられた主係止孔、および他方に突設され主係止孔に挿入されることで主係止孔に係合する主係止爪を引掛手段とは異なる位置に有する係合手段と、係合手段の係合が解除された状態で引掛手段と共に本体モジュールに露出パネルを保持する仮保持手段とが設けられていることを特徴とする情報装置。
【請求項2】
前記仮保持手段は、本体モジュールと露出パネルとのいずれか一方に設けられた補助係止孔と、他方に突設され補助係止孔に挿入されることで補助係止孔に係合する補助係止爪とを有し、補助係止爪は、ゴム弾性を有する材料から形成されており、本体モジュールあるいは露出パネルからの突出高さが前記主係止爪よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1記載の情報装置。
【請求項3】
前記補助係止爪は前記主係止爪の先端部から延設されており、前記主係止孔は前記補助係止孔として兼用されることを特徴とする請求項2記載の情報装置。
【請求項4】
前記仮保持手段は、前記係合手段を係合させた状態で前記本体モジュールと前記露出パネルとの一方に収納され、係合手段の係合が解除された状態で前記一方に設けた紐引出口から一端部が引き出される紐体と、他方に紐体の前記一端部を取着する取着手段とを有し、紐体は、紐引出口からの引出長さの上限が規定されていることを特徴とする請求項1記載の情報装置。
【請求項5】
前記仮保持手段は、前記本体モジュールの前面に沿って配置されるとともに本体モジュールと前記露出パネルとの一方に一端部が固着され他端部を前後方向に移動可能とした板ばねと、他方に板ばねの前記他端部を取着する取着手段とを有することを特徴とする請求項1記載の情報装置。
【請求項6】
前記取着手段は、前記係合手段を係合させた状態で互いに突き合わされる位置に配設された面ファスナからなることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の情報装置。
【請求項7】
前記仮保持手段は、前記本体モジュールと前記露出パネルとの一方に設けられた輪状の吊紐と、他方に設けられ吊紐が引っ掛かるフックとを有することを特徴とする請求項1記載の情報装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−88988(P2009−88988A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255835(P2007−255835)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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