説明

情報記憶媒体

【課題】 製造する際の時間的及び場所的な制約を小さくでき、かつ被読取媒体の収容状態を安定させて情報の誤認識の発生を抑えることができる情報記憶媒体を提供する。
【解決手段】 このフィギア(情報記憶媒体)40では、ICチップ44を凹部43内に向けて押し込む際の押圧力により、凹部43の開口縁部に設けられた抜け止め薄片47がICチップ44の台座部41への挿入を許容する。そのため、フィギア40の製造にあたっては、台座部41とICチップ44とを別個に製造して最終的に組み付けを行えばよく、時間的及び場所的な制約を小さくできる。また、収容後は抜け止め薄片47がICチップ44に引っ掛かることで、ICチップ44の収容状態を安定化することが可能となり、情報の誤認識の発生を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報が記憶された被読取媒体を有する情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、例えば特許文献1には、いわゆるメダルゲーム機への認証に用いられるフィギア型の情報記憶媒体が開示されている。この特許文献1に開示された情報記憶媒体では、フィギアが固定された台座に覆われるようにして、認証用の識別情報が記憶されたICチップ(被読取媒体)が収容されている。そして、この情報記憶媒体をメダルゲーム機に設けられた読取装置に載置して、ICチップ内の識別情報を読取装置に読み取らせることで、情報記憶媒体がメダルゲーム機に認証される。
【特許文献1】特開2003−340139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した特許文献1に開示された情報記憶媒体では、被読取媒体が台座に覆われた構造となっている。このため、台座部分を製造するにあたり、台座を製造する際には既に被読取媒体が出来上がっていなければならない。したがって、被読取媒体が出来上がるまで台座の製造が待たされたり、台座の製造場所に被読取媒体を搬送したりしなければならないという時間的、場所的制約があるものであった。
【0004】
また、被読取媒体及び台座を別個に作製して両者を組み付けるとすると、両者の品質のばらつきなどにより、台座に対する被読取媒体の収容状態にもばらつきが生じやすくなる。このように、台座に対する被読取媒体の収容状態にばらつきが生じると、読取装置との間で識別情報のやり取りをする際に、情報の誤認識が生じやすくなるという問題があった。
【0005】
本発明は上記課題の解決のためになされたものであり、製造する際の時間的及び場所的な制約を小さくでき、かつ被読取媒体の収容状態を安定させて情報の誤認識の発生を抑えることができる情報記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決のため、本発明に係る情報記憶媒体は、凹部を備えるケースを有し、ケースにおける凹部内に、所定の読取面を有する被読取媒体が収容されており、凹部における開口縁部に、押圧力を付与することによる被読取媒体の凹部内への挿入を許容する一方、凹部内に収容された被読取媒体の抜け出しを防止する抜け止め薄片が形成されていることを特徴としている。
【0007】
この情報記憶媒体では、被読取媒体を凹部内に向けて押し込むと、凹部の開口縁部に設けられた抜け止め薄片が押圧力を受けて撓むので、簡易にICチップを台座部内に収容することができる。したがって、情報記憶媒体の製造にあたっては、ケースと被読取媒体とを別個に製造して最終的に組み付けを行えばよく、製造の際の時間的及び場所的な制約を小さくすることができる。また、収容後は抜け止め薄片が被読取媒体に引っ掛かることで、被読取媒体の収容状態を安定化することが可能となり、認証時における情報の誤認識の発生を抑えることができる。
【0008】
また、凹部の内面には、被読取媒体の凹部への押し込み深さを規制する押し込み深さ規制部が設けられていることが好ましい。こうすると、凹部内における被読取媒体の位置合わせを精度良く行うことができる。この結果、被読取媒体とこの被読取媒体との間で情報をやり取りする読取装置との位置関係を安定させることができるので、情報の誤認識の発生をより効果的に抑えることができる。
【0009】
また、抜け止め薄片は、開口縁部の複数箇所に形成されていることが好ましい。このように抜け止め薄片を複数設けることで、被読取媒体と読取装置との位置関係をより安定させることができる。したがって、情報の誤認識の発生をより効果的に抑えることができる。
【0010】
また、被読取媒体には、被読取媒体毎に固有の識別情報が記憶されており、ケースには、識別情報を表示する表示手段が設けられていることが好ましい。このような表示手段を設けることで、この情報記憶媒体のユーザが被読取媒体に記憶されている識別情報を容易に認識することができる。
【0011】
また、表示手段はケース上に立設された立体像であることが好ましい。こうすると、情報記憶媒体のユーザが被読取媒体に記憶されている識別情報を視覚によって容易に判別することができる。さらに、異なる種類の立体像を集めようとして、ユーザの情報記憶媒体に対する収集欲を高めることも可能となる。なお、ここで言う立体像としては、例えばフィギアを用いることができる。
【0012】
また、前述した情報記憶媒体は、読取装置を有する遊技機における読取装置に載置して用いられることが好ましい。前述した情報記憶媒体を遊技機に用いることで、遊技機における情報の読み取りが適切になされる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明に係る情報記憶媒体によれば、製造する際の時間的及び場所的な制約を小さくでき、かつ被読取媒体の収容状態を安定させて情報の誤認識の発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0015】
(ゲームシステムの全体構成)
図1は本発明に係る情報記憶媒体の一実施形態であるフィギアが用いられるゲームマシン(遊技機)を複数備えたゲームシステムのシステム構成図、図2は複数のゲームマシンとカード販売機を示す斜視図である。
【0016】
ゲームシステム100は、図1に示すように、2つの遊技店舗A,Bにそれぞれ1台および2台設置された合計3台の店舗サーバ2と、専用回線3を介して通信可能に接続された複数(図2に示すように、本実施の形態では8台)のゲームマシン1およびカード販売機6と、遊技店舗A,Bに設置された店舗内ルータ7と、店舗内ルータ7、通信回線4aおよびインターネット4を介して接続されたセンターサーバ群5とを有している。
【0017】
各遊技店舗A,Bでは、店舗サーバ2と、ゲームマシン1およびカード販売機6が専用回線3により接続されて店舗内LAN(Local Area Network)を形成し、この店舗内LANが店舗内ルータ7を介してインターネット4に接続されている。
【0018】
(ゲームマシンの構成)
ゲームマシン1は、遊技に用いられる遊技画像として、遊技者の操作に応じて行動するキャラクタを示すキャラクタ画像を表示する画像表示手段を有し、遊技者の操作に応じた動作をキャラクタに行わせる画像遊技を行えるように構成されている。本実施の形態におけるゲームマシン1では、遊技者の選択したルートに沿ってキャラクタが迷宮内を移動しながら、自分以外の別キャラクタ(他の遊技者の選択にしたがい動作を行うプレイヤーキャラクタや、ゲームマシンが動作を行わせるノンプレイヤーキャラクタ)と対戦して、キャラクタが持つアイテム(例えば、宝珠)を奪い合い、そのアイテムを全て集めた上で最終目標のキャラクタを倒すゲーム(以下、「迷宮対戦ゲーム」という)を行えるようになっている。この迷宮対戦ゲームでは、対戦結果やゲームの進行状況に合わせて各キャラクタの持点(本実施の形態では「ライフ」という)が昇降し、その持点が無くなったキャラクタが敗者となるようになっている。
【0019】
ゲームマシン1は、図3に示すように、筐体10の正面に、液晶表示装置を備えたメインディスプレイ11を有している。また、メインディスプレイ11の上側部分に同じく液晶表示装置を備えたサブディスプレイ12を有し、その左右両側に遊技の演出に用いられる音声を出力するスピーカ13L,13Rが配置されている。
【0020】
メインディスプレイ11は、遊技の各段階に応じた遊技画像(例えば、迷宮画像160など)が表示されるようになっている。サブディスプレイ12は、遊技の特定の段階における画像(例えば、対戦画像)が表示されるようになっている。
【0021】
また、ゲームマシン1はメインディスプレイ11の下側に操作パネル14を有し、この操作パネル14の左側に認証ユニット(読取装置)15が配置され、右側にゲームを実行するときに必要なコイン(硬貨、遊技用メダルなどの遊技媒体)を投入するコイン投入口16と、IDカード17を挿入するためのカードスロット18とを有し、操作ボタンなどを備えた操作ユニット19を有している。
【0022】
認証ユニット15は、操作パネル14の表面に固定された台座パネル15aの内側に台座装着部15bが形成されている。この台座装着部15bには、フィギア40(図8参照)における台座部41の形状に対応した高さの低い円柱状の窪みが設けられており、台座部41を嵌め込み装着することができる。また、台座装着部15bは、内部に図示しないICチップリーダを有し、そのICチップリーダにより、装着されたフィギア40に内蔵されているICチップ44から、記録されている識別情報を読み取るようになっている。なお、認証ユニット15はLEDを有し、フィギア40の認証中に、そのフィギア部42に光を照射するようになっている。
【0023】
ゲームシステム100を構成している各ゲームマシン1には、自機固有のマシンIDが付与されている。このマシンIDは、各店舗サーバ2に固有のサーバIDと、各ゲームマシン1に固有のIDとを有し、例えば、店舗Aに設置されている各ゲームマシン1の場合、A01,A02,A03・・・のようになっている。
【0024】
図4は内部の構成を中心に示すゲームマシン1のブロック図である。ゲームマシン1は、マイクロコンピュータ31を中心に複数の構成要素を有している。
【0025】
マイクロコンピュータ31は、メインCPU(Central Processing Unit)32と、RAM(Random Access Memory)33と、ROM(Read Only Memory)34とを有している。メインCPU32は、ROM34に記憶されているプログラムにしたがって作動し、I/Oポート39を介して、操作パネル14に設けられた各構成要素から信号を入力する一方、他の構成要素との信号の入出力を行い、ゲームマシン1全体の動作制御を行う。RAM33はメインCPU32が作動する際に用いるデータやプログラムが記憶される。ROM34には、メインCPU32が実行する制御プログラムと、恒久的なデータが記憶されている。
【0026】
また、ゲームマシン1は、乱数発生器35と、サンプリング回路36と、クロックパルス発生回路37と、分周器38とを有している。乱数発生器35は、メインCPU32の指示にしたがい作動して、一定範囲の乱数を発生させる。サンプリング回路36は、メインCPU32の指示にしたがい、乱数発生器35が発生させた乱数の中から任意の乱数を抽出し、その抽出した乱数をメインCPU32に入力する。クロックパルス発生回路37は、メインCPU32を作動させるための基準クロックを発生させ、分周器38はその基準クロックを一定周期で分周した信号をメインCPU32に入力する。
【0027】
さらに、ゲームマシン1は、タッチパネル11aと、コインセンサ16aと、カードリーダ18aと、通信制御部21および通信処理部22とを有し、さらに、画像制御回路71と、音制御回路72を有している。
【0028】
タッチパネル11aは、メインディスプレイ11の表示画面を覆うように設けられていて、遊技者の指が触れた箇所の位置を検出し、その検出した位置に対応した位置信号をメインCPU32に入力する。遊技者はこのタッチパネル11aを用いてキャラクタの動作を決めるための操作入力を行う。例えば、タッチパネル11aは、長方形の透明板表面に導電物質を塗布しており、その透明板の四角に配置された電極から電圧をかけ、遊技者の指が触れることによる微弱な電流変化を電極で検知して、遊技者の指が触れた箇所の位置を検出する。
【0029】
コインセンサ16aは、コイン投入口16から投入されたコインを検出し、その検出に対応する検出信号をメインCPU32に出力する。カードリーダ18aは、カードスロット18に挿入されたIDカード17に記録されている遊技者ID等のカード情報を読み取り、その読み取ったカード情報をメインCPU32に入力する。
【0030】
通信制御部21は、メインCPU32の指示にしたがい作動して、店舗サーバ2と通信を行うための回線の接続および切断を制御する。通信処理部22は通信制御部21の指示にしたがい作動して、専用回線3を介して行われるデータの送受信を実行する。
【0031】
画像制御回路71は、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12のそれぞれにおける画像表示を制御して、キャラクタを示す画像等の各種の画像をメインディスプレイ11、サブディスプレイ12に表示させる。
【0032】
この画像制御回路71は、図5に示すように、画像制御CPU71a、ワークRAM71b、プログラムROM71c、画像ROM71d、ビデオRAM71eおよびVDP(Video Display Processor)71fを有している。画像制御CPU71aは、マイクロコンピュータ31で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM71cに予め記憶されている(メインディスプレイ11、サブディスプレイ12での表示に関する)画像制御プログラムに従い、メインディスプレイ11、サブディスプレイ12に表示される画像を決定する。ワークRAM71bは、画像制御CPU71aが画像制御プログラムを実行するときの一時記憶手段として構成されている。
【0033】
プログラムROM71cは、画像制御プログラムや各種選択テーブルなどを記憶している。画像ROM71dは、画像を形成するためのドットデータを記憶している。ビデオRAM71eは、VDP71fにより画像を形成するときの一時記憶手段として構成されている。VDP71fは制御RAM71gを有し、画像制御CPU71aで決定されたメインディスプレイ11、サブディスプレイ12の表示内容に応じた画像を形成し、その形成された各画像をメインディスプレイ11、サブディスプレイ12に出力する。
【0034】
音制御回路72はスピーカ13L、13Rから音声を出力するための音声信号をスピーカ13L、13Rに入力する。スピーカ13L、13Rからは、例えば、ゲーム開始後、適当な時期にゲームを盛り上げるための音声が出力される。
【0035】
(店舗サーバ、カード販売機、店舗内ルータの構成)
店舗サーバ2は図6に示すように、CPU201、ROM202、RAM203、通信処理部204、通信制御部205およびアプリケーションデータを記憶しているデータ記憶部206を有している。そして、CPU201がROM202に記憶されているプログラムにしたがいRAM203にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部205がCPU201の指示にしたがい通信処理部204を作動させる。そして、店舗サーバ2は、各遊技店舗A,Bに設置されている各ゲームマシン1と専用回線3を介してデータの送受信を行い、各ゲームマシン1へのアプリケーションデータの送信(ダウンロード)や、各ゲームマシン1同士およびセンターサーバ群5とにおけるデータ送受信の中継を行う。アプリケーションデータは、ゲームマシン1で行われる迷宮対戦ゲームの実行に用いられる各種データ(ゲーム用の画像データ)と、ボード用データ(操作ユニット19に備えられている操作ボタンを迷宮対戦ゲームに対応させる設定用のプログラム)が含まれている。
【0036】
カード販売機6は、遊技者が個人情報の入力操作を行う操作部と、カード発行手段とを有し、その操作部を用いた所定の入力操作によって、カード発行手段が各遊技者固有の遊技者IDを含むカード情報を記憶させてIDカード17を発行する。
【0037】
店舗内ルータ7は各遊技店舗A,Bに形成されている店舗内LANと、通信回線4aおよびインターネット4を介してセンターサーバ群5に形成されているLANとを接続している。
【0038】
(センターサーバ群の構成)
センターサーバ群5は、ゲームごとに対応して設置された複数のゲームサーバ(図1では、2台のゲームサーバ101、102)と、データベースサーバ103とを有し、各ゲームサーバが専用回線104を介して接続されてLANを形成し、そのLANが図示しないルータを介してインターネット4に接続されている。
【0039】
ゲームサーバ101は、迷宮対戦ゲームを実行するために設置されていて、図7に示すように、CPU301、ROM302、RAM303、通信処理部304、通信制御部305およびデータ記憶部306を有している。そして、ゲームサーバ101では、CPU301がROM302に記憶されているプログラムにしたがいRAM303にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部305がCPU301の指示にしたがい通信処理部304を作動させる。
【0040】
ゲームサーバ101は、各店舗サーバ2とインターネット4を介してデータの送受信を行う。そして、各ゲームマシン1から送信されるエントリーデータを受信して遊技者の迷宮対戦ゲームへの参加(エントリー)受付および遊技者の参加情報の更新を行い、対戦相手となる遊技者を決定し、その結果をデータベースサーバ103に送信する。
【0041】
ゲームサーバ102は別のゲームを実行するために設置されたもので、ゲームサーバ101と比較して記憶しているデータやプログラムが異なるが、同じ構成を有している。
【0042】
データベースサーバ103は、CPU401、ROM402、RAM403、通信処理部404、通信制御部405およびデータ記憶部406を有している。そして、データベースサーバ103では、CPU401がROM402に記憶されているプログラムにしたがいRAM403にデータを読み書きしながら作動し、一方、通信制御部405がCPU401の指示にしたがい通信処理部404を作動させ、各店舗サーバ2とインターネット4を介してデータの送受信を行う。データ記憶部406には遊技者ID、遊技者の認証に用いられるパスワード、ゲームの種別およびゲームデータが記憶されている。遊技者IDは、ゲームマシン1により、IDカード17から読み取って送信されたものである。
【0043】
また、データベースサーバ103には、各遊技者がゲームマシン1において、自己の使用するフィギア40を認証ユニット15にセットし、フィギアIDを読み取らせたことによって、その読み取らせたフィギア40に対応するフィギアIDがゲームマシン1から送信されるようになっている。データベースサーバ103は、ゲームマシン1から送信される1つの遊技者IDに対して、対応する複数のフィギアIDを関連付けて記憶可能なID管理ファイルがデータ記憶部406に形成されている。このID管理ファイルによって、遊技者およびその遊技者が使用するフィギア40を管理するようにしている。このID管理ファイルは、遊技者の認証およびフィギア40の認証で用いられる。
【0044】
ゲームデータには、フィギア40のフィギア部42が示すキャラクタを特徴づけるキャラクタ固有のデータ(各キャラクタのコスチューム、コスチュームカラーや、防御パラメータ、攻撃パラメータおよび攻撃範囲を含むキャラクタ能力値、特殊能力などを示す情報、以下「フィギア情報」という)を含む各遊技者による迷宮対戦ゲームの履歴を示すデータが含まれている。
【0045】
次に、上述したフィギア40について、さらに詳細に説明する。
【0046】
図8は、フィギア40の構成を示す分解斜視図である。図8に示すように、このフィギア40は、台座部(ケース)41と、フィギア部(立体像)42と、を有している。
【0047】
台座部41は、例えばABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等の可撓性を有する材料からなり、台座装着部15bとほぼ同径の厚肉円盤状に形成されている。本実施形態では、台座部41の直径は約42mm、厚さは約10mmとされている。この台座部41における天頂部41aの略中央部分には、円筒形状の突起部41bが形成されている。また、台座部41の下端部には、外側に向かって張り出す鍔部41cが台座部41の全周にわたって形成されている。
【0048】
さらに、台座部41の下面側には略円筒形状にくり貫かれた凹部43が形成されている。凹部43の直径は約40mm、厚さは約4.4mmとされている。この凹部43内には、フィギア部42に対応するキャラクタに固有のフィギアIDが記憶されたICチップ(被読取媒体)44が収容されている。
【0049】
このICチップ44は、例えばプラスチック製のメダル型ケース45内にICチップ本体(読取面)46が収容されて構成されている。ICチップ本体46は、メダル型ケース45の下面に対して平行になるように配置されている。これにより、上述した認証ユニット15にフィギア40を載置した際に、ICチップ本体46が台座装着部15b内部のICチップリーダに対して平行となるため、フィギア40と認証ユニット15との間で確実な情報のやり取りがなされる。
【0050】
なお、フィギアIDは、異なるフィギア40に対してユニーク(固有)となっており、ゲームシステム100において同一のフィギア40の多重登録が禁止されるようになっている。
【0051】
ここで、図9及び図10に示すように、凹部43内へのICチップ44の収容に関して、台座部41には、抜け止め薄片47と、押し込み深さ規制部48とが一体的に設けられている。なお、図9(a)は台座部41のIX−IX線断面図であり、図9(b)はその要部拡大図である。また、図10(a)は台座部41の底面図であり、図10(b)はその要部拡大図である。説明の都合上ICチップ44は省略している。
【0052】
抜け止め薄片47は、凹部43の開口縁部の周方向に90度の位相角をもって計4箇所に設けられており、各抜け止め薄片47は凹部43の開口縁部から凹部43の中心に向けて突出するように形成されている。各抜け止め薄片47の長さは約15mm、厚みは約0.3mmとされている。この各抜け止め薄片47は、ICチップ44を凹部43に向けて押し込むときの押圧力によって撓み、ICチップ44の凹部43内への挿入を許容する。また、各抜け止め薄片47の角部分は断面R状に形成されており、ICチップ44が凹部43内へ容易に挿入可能になっている。その一方で、ICチップ44が凹部43内に完全に挿入されるとICチップ44の下面側が各抜け止め薄片47の上面側に引っ掛かり、ICチップ44の抜け出しが防止されるようになっている。
【0053】
押し込み深さ規制部48は、図9(a)、図9(b)及び図10(a)に示すように、各抜け止め薄片47に対応する位置に90度の位相角をもって計4箇所に設けられており、凹部43の内面から凹部43の中心に向けて突出するように形成されている。各押し込み深さ規制部48の幅wは約1.5mm、厚みhは約4.1mmとされている。この押し込み深さ規制部48により、ICチップ44を凹部43に向けて押し込む際に、ICチップ44の上面側が押し込み深さ規制部48に突き当たる位置でICチップ44が位置決めされるようになっている。そして、収容後のICチップ44は、抜け止め薄片47及び押し込み深さ規制部48によって挟み込まれて保持される。
【0054】
フィギア部42は、脚座部49と、フィギア本体50とを有している。脚座部49は台座部41に対応した大きさの円盤状に形成されており、その下面の略中央部分には台座部41の突起部41bに対応した円筒形状にくり貫かれた凹部48aが形成されている。この凹部48aに突起部41bが嵌め合わされることで、フィギア部42は台座部41に連結されている。また、フィギア本体50には、例えば迷宮対戦ゲームに登場するキャラクタをかたどった人形が脚座部49上で直立するように形成されている。このフィギア本体50により、フィギア40のユーザがICチップ44に記憶されているフィギアIDに対応するフィギア情報を視覚によって容易に判別することが可能となる。さらには、異なる種類のフィギア本体50を有するフィギア40を集めようとして、ユーザのフィギア40に対する収集欲を高めることもできる。
【0055】
以上説明したように、本発明に係るフィギア40によれば、ICチップ44を凹部43内に向けて押し込むと、凹部43の開口縁部に設けられた抜け止め薄片47が押圧力を受けて撓むので、簡易にICチップ44を台座部41内に収容することができる。このため、フィギア40の製造にあたって、例えば台座部41とICチップ44とをそれぞれ別の場所で製造して最終的に組み付けることもできるし、台座部41とICチップ44とを同時に製造して組み付けることもできる。したがって、製造の際の時間的及び場所的な制約を小さくすることが可能となる。
【0056】
また、収容後は抜け止め薄片47がICチップ44の下端側に引っ掛かることで、ICチップ44の収容状態を安定化することが可能となる。したがって、ゲームマシン1への認証時における情報の誤認識の発生を抑えることができる。
【0057】
また、凹部43に押し込まれたICチップ44は、凹部43の内面に設けられた押し込み深さ規制部48に突き当たることによって精度良く位置決めされる。この結果、認証時におけるICチップ44と認証ユニット15内のICチップリーダとの位置関係を安定させることができるので、情報の誤認識の発生をより効果的に抑えることができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では抜け止め薄片47及び押し込み深さ規制部48をそれぞれ4箇所ずつ形成しているが、形成数は4箇所に限られない。すなわち、抜け止め薄片47及び押し込み深さ規制部48は1箇所のみ形成していてもよく、複数箇所形成していてもよい。ただし、複数箇所形成することにより、ICチップ44の収容状態を十分に安定化させることができる。
【0059】
また、フィギア40はゲームマシン1以外の用途に用いてもよい。例えば、認証ユニット15を遊技施設の入場ゲートや商業施設のレジスタ等に設け、セキュリティチェックや決済等に用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明によるゲームマシンを複数備えたゲームシステムのシステム構成図である。
【図2】複数のゲームマシンとカード販売機を示す斜視図である。
【図3】ゲームマシンの全体構成を示す斜視図である。
【図4】内部の構成を中心に示すゲームマシンのブロック図である。
【図5】画像制御回路の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図6】店舗サーバを示すブロック図である。
【図7】ゲームサーバおよびデータベースサーバを示すブロック図である。
【図8】情報記憶媒体の構成を示す分解斜視図である。
【図9】(a)は図8に示した台座部のIX−IX線断面図であり、(b)はその要部拡大図である。
【図10】(a)は台座部の底面図であり、(b)はその要部拡大図である。
【符号の説明】
【0061】
1…ゲームマシン(遊技機)、15…認証ユニット(読取装置)、40…フィギア(情報記憶媒体)、41…台座部(ケース)、42…フィギア部(立体像)、43…凹部、44…ICチップ(被読取媒体)、46…ICチップ本体(読取面)、47…抜け止め薄片、48…押し込み深さ規制部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部を備えるケースを有し、前記ケースにおける前記凹部内に、所定の読取面を有する被読取媒体が収容されており、
前記凹部における開口縁部に、押圧力を付与することによる前記被読取媒体の前記凹部内への挿入を許容する一方、前記凹部内に収容された前記被読取媒体の抜け出しを防止する抜け止め薄片が形成されていることを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項2】
前記凹部の内面には、前記被読取媒体の前記凹部への押し込み深さを規制する押し込み深さ規制部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の情報記憶媒体。
【請求項3】
前記抜け止め薄片は、前記開口縁部の複数箇所に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の情報記憶媒体。
【請求項4】
前記被読取媒体には、被読取媒体毎に固有の識別情報が記憶されており、
前記ケースには、前記識別情報を表示する表示手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の情報記憶媒体。
【請求項5】
前記表示手段は、前記ケース上に立設された立体像であることを特徴とする請求項4記載の情報記憶媒体。
【請求項6】
読取装置を有する遊技機における前記読取装置に載置されて用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の情報記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−72549(P2006−72549A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−253206(P2004−253206)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】