説明

情報読取装置

【課題】光学的情報の読取手段と無線情報記録担体の読取手段を一体化した読取装置において、光学的情報と無線情報記録担体の読み取りを時系列に順番に行うことによる読取時間の長期化と、操作性の低下を解消する。
【解決手段】光学的情報20を照射する照明部21と、画像を撮像する撮像部22と、撮像した画像から光学的情報20を解析する光学的情報解析部25と、無線情報記録担体30と通信を行う無線通信部33を備えた情報読取装置において、制御部40が無線情報記録担体30から取得した情報の解読処理中に、予め設定されたタイミングで照明部21による照明光の照射と撮像部22による光学的情報20の画像取込とを行って画像保存メモリ23に格納しておき、制御部40の解読が終了したほぼ直後に、制御部40は画像保存メモリ23に格納された光学的情報の解読処理を行うようにすることで、読取速度の短縮を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコード等の光学的情報及びICタグ等の無線情報記録担体に格納された情報を読み取る情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品の在庫管理及び販売管理等において、商品にバーコード等の光学的情報を貼付して、その光学的情報を読み取ることで管理を行うだけでなく、ICタグ等の電波による通信が可能な無線情報記録担体を商品に付して、それを読み取ることで管理を行う試みがなされている。この無線情報記録担体を用いることにより、離れた距離から読み取りができ、またより多くの情報を扱うことが可能となる。しかしながら、この無線情報記録担体は、光学的情報に比べ製造コストがかかるという点から、管理する商品に応じて光学的情報または無線情報記録担体の何れか適した一方を或いは両方を併用するシステムの検討がなされている。このような光学的情報及び無線情報記録担体が混在したシステムにおいて、光学的情報に対する読取手段と無線情報記録担体に対する読取手段とを一体化することにより、それぞれ別々の専用の装置を用意する必要がない情報読取装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、従来の情報読取装置を示すブロック図であり、光学的情報20に対する読取手段と無線情報記録担体30に対する読取手段とを一体化して交互に読取を行うものであり、これにより作業者が光学的情報20と無線情報記録担体30とのそれぞれの読取装置を持ち替えたりする必要がなく、また、作業者にどちらの情報を読み取るかに応じて、押下キーによって読取モードを変えるなどの作業なしに読取作業を行わせることができ、作業者の利便性を図ったものである。
【0004】
具体的に説明すると、図5において、20は、例えばバーコード(二次元バーコード)のような光学的情報、21は光学的情報20に照明を照射する照明部、22は照明部21を照射された画像を撮像し、電気信号に変換する撮像部、23は撮像した画像情報を保存する画像保存メモリ、24は撮像部22にて撮像した画像を画像情報として画像保存メモリ23にDMA転送する画像取込部、25は画像保存メモリ23に保存された画像情報をデコード(解析)し、データとして抽出する光学的情報解析部である。
【0005】
30は、例えばICタグのような無線情報記録担体、31は無線情報記録担体30からの電磁波を電気信号に変換し、また逆に、電気信号を電磁波に変換して無線情報記録担体30に送出するアンテナ部、32はアンテナ部31からの電気信号を復調し、また逆に無線情報記録担体30に送信するデータを変調する変復調部、33は無線情報記録担体30に送るコマンドをエンコードし変復調部32に伝え、また変復調部32からのデータをデコードする無線通信部、36は作業者が光学的情報20の読み取りと無線情報記録担体30の読み取りを指示するキー入力部である。
【0006】
50はキー入力部36からの指令で駆動され、照明部21と画像取込部24と光学的情報解析部25と無線通信部33の各部を制御する制御部である。
【0007】
制御部50,画像取込部24,光学的情報解析部25,無線通信部33は、マイクロプロセッサ4により構成されている。
【0008】
この情報読取装置では、まず照明部21と撮像部22を作動させて光学的情報20からの反射光を撮像し、光学的情報20を画像取込部24に取り込み、光学的情報解析部25により光学的情報20に記録された商品情報を解析する。
【0009】
光学的情報20の解析が終了した後、無線情報記録担体30に対して所定の電波を送信し、無線情報記録担体30からの応答電波を読み取り、解析を行う。
【0010】
これにより、光学的情報の読み取りと無線情報記録担体に記録された情報の読み取りが可能となる。
【特許文献1】特許第3514171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来の情報読取装置では、光学的情報の読み取りと無線情報記録担体の読み取りを時系列に順に行うため、それぞれ専用の読取装置に比べて読取時間がかかり、また、熟練した作業者ほど操作性に不便を感じるという課題があった。
【0012】
本発明は、光学的情報及び無線情報記録担体からの両方の情報を時系列に順番に行うことによる読取時間の長期化と、操作性の低下を解消し、読取時間の短縮と操作性の向上を図ることのできる情報読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、光学的情報の読取手段と無線情報記録担体の読取手段を一体化した読取装置において、制御部が無線情報記録担体から取得した情報の解読処理中に、予め設定されたタイミングで照明部による照明光の照射と撮像部による光学的情報の画像取込とを行って画像保存手段に格納しておき、制御部の解読が終了したほぼ直後に、制御部は画像保存手段に格納された光学的情報の解読処理を行うことを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の情報読取装置は、制御部が無線情報記録担体から取得した情報の解読処理中に、予め設定されたタイミングで照明部による照明光の照射と撮像部による光学的情報の画像取込とを行って画像保存手段に格納しておき、制御部の解読が終了したほぼ直後に、制御部は画像保存手段に格納された光学的情報の解読処理を行うことにより、光学的情報及び無線情報記録担体からの両方の情報を時系列に順番に行うことによる読取時間の長期化と、操作性の低下を解消し、読取時間の短縮と操作性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、光学的情報及び無線情報記録担体からの両方の情報を時系列に順番に行うことによる読取時間の長期化と、操作性の低下を解消し、読取時間の短縮と操作性の向上を図ることのできる情報読取装置を提供するという目的を、光学的情報の読取手段と無線情報記録担体の読取手段を一体化した読取装置において、制御部が無線情報記録担体から取得した情報の解読処理中に、予め設定されたタイミングで照明部による照明光の照射と撮像部による光学的情報の画像取込とを行って画像保存手段に格納しておき、制御部の解読が終了したほぼ直後に、制御部は画像保存手段に格納された光学的情報の解読処理を行うことにより実現した。
【0016】
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、バーコード等の光学的情報に照射光を照射する照明部と、照明部によって光学的情報を撮像する撮像部と、撮像した画像を取り込む画像取込部と、取り込んだ画像から光学的情報を解析する光学的情報解析部と、ICタグ等の無線情報記録担体と通信を行う無線通信部と、無線通信部から取得した無線情報記録担体の情報を解析する制御部と、を備え、光学的情報及び無線情報記録担体からの情報を読み取る情報読取装置において、制御部は、無線通信部が無線情報記録担体から取得した情報の解読処理中に、予め設定されたタイミングで照明部による照明光の照射と撮像部による光学的情報の撮像と画像取込部による画像取込とを行って画像保存手段に格納しておき、かつ制御部の解読が終了したほぼ直後に、制御部は画像保存手段に格納された光学的情報の解読処理を行うように構成した。この構成により、2つの異なる媒体からの情報を迅速に取得することができる。
【0017】
また、第2の発明は、更に上記照明部による照明光の露光時間を設定する露光時間タイマ部と、露光時間タイマ部により設定された露光時間に基づいて露光開始時間を決定する照明駆動タイマ部とを有する。この構成により露光開始時間の設定が容易となる。
【0018】
更に、第3の発明は、制御部が上記取得した情報を解析できない場合、露光時間タイマ部が上記露光時間を自動的に所定時間だけ延長して設定するように構成した。この構成により、ユーザは、正確な情報を迅速に取得することができる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図1から図4に沿って説明する。
【0020】
図1は、本発明の情報読取装置の実施の形態を示す回路ブロック図、図2は本発明の情報読取装置の実施の形態を示す機能ブロック図、図3は本発明の情報読取装置の実施の形態を示すフローチャート、図4は本発明の情報読取装置の読取部動作とマイクロプロセッサの動作関係を示す図である。
【0021】
図1において、1は光学的情報に照明光を照射する照明LED、2は光学的情報を撮像するCMOSカメラ、3は撮像した光学的情報を画像情報として保存するSRAMである。4はROMとRAMを内蔵したマイクロプロセッサであり、本情報読取装置を構成する各部の制御と、SRAM3に保存した画像情報をデコード(解析)することによりデータとして抽出することと、無線情報記録担体へ送信する送信データのエンコード(変調)と無線情報記録担体からの受信データをデコード(解析)してデータとして抽出するものである。
【0022】
また、マイクロプロセッサ4は、無線情報記録担体からの受信データをデコード(解析)することによるデータ抽出処理中に、光学的情報に対する照明光の照射と光学的情報の撮像と撮像した画像情報のSRAM3への保存を終了させ、かつ無線情報記録担体からのデータ抽出が終了したほぼ直後に、光学的情報のデコード(解析)を開始するように制御するものである。
【0023】
5は無線情報記録担体と通信を行うために電磁波と電気信号の変換を行う無線アンテナ、6は無線アンテナ5からの電気信号を復調し、また逆に変調するFPGA、7は光学的情報または無線情報記録担体の読取状態を示すLED、8は作業者が光学的情報または無線情報記録担体の読み取りを指示するトリガキー、9は各回路を接続するシステムバスである。
【0024】
また、図2において、20は、例えばバーコードのような光学的情報であり、21は光学的情報20に照明を照射する照明部であり、照明LED1にて構成する。22は照明を照射された画像を撮像し、反射により受信した光信号を電気信号に変換する撮像部であり、本例ではCMOSカメラ2にて構成する。23は撮像した画像情報を保存する画像保存メモリであり、本例ではSRAM3にて構成する。24は撮像部22にて撮像した画像を画像情報として画像保存メモリ23にDMA転送する画像取込部であり、マイクロプロセッサ4内蔵の機能を用いて実現する。25は画像保存メモリ23に保存された画像情報をデコード(解析)し、データとして抽出する光学的情報解析部であり、撮像した画像情報から必要な部分を切り出す切り出し部26と、切り出した画像情報の二値化を行う二値化部27と、二値化情報をデコード(解析)するデコード部28から構成され、マイクロプロセッサ4にて実現する。
【0025】
30は、例えばICタグのような無線情報記録担体であり、31は無線情報記録担体30からの電磁波を電気信号に変換し、また逆に、電気信号を電磁波に変換して無線情報記録担体30に送出するアンテナ部であり、無線アンテナ5により構成する。32はアンテナ部31からの電気信号を復調(デコード)し、また逆に無線情報記録担体30に送信するデータを変調(エンコード)する変復調部であり、本実施の形態ではFPGA(Field Programmable Gate Array)6を用いて実現する。33は無線情報記録担体30に送るコマンドをエンコードするために変復調部32に伝え、また変復調部32でデコードされたデータを受信する無線通信部であり、マイクロプロセッサ4にて実現する。36は、作業者が光学的情報20の読み取りと無線情報記録担体30の読み取りを指示するキー入力部であり、トリガキー8にて構成する。37は作業者に読取状態を報知する報知部であり、LED7にて構成する。
【0026】
40はキー入力部36からの指令で駆動され、照明部21と画像取込部24と光学的情報解析部25と無線通信部33と報知部37の各部を制御する制御部であり、マイクロプロセッサ4にて実現する。41は照明部21を駆動するタイミングを設定する照明駆動タイマ部であり、制御部40によりタイミングが設定されるとともに、その設定されたタイミングを制御部40に知らせる機能を有する。42は露光時間をカウントする露光時間タイマ部である。照明駆動タイマ部41と露光時間タイマ部42は、いずれもマイクロプロセッサ4の機能を用いて実現する。
【0027】
以上のように構成された情報読取装置の動作を、店舗の倉庫における商品管理を例に説明する。作業者が、商品の情報(品番・製造年月日・入荷日など)が、バーコード等の光学的情報とICタグ等の無線情報記録担体との2種の情報格納手段として混在して貼り付けられている商品の情報を本情報読取装置で読み取ることで商品管理を行うものである。なお、上記無線情報記録担体と光学的情報とのいずれの情報を用いても上位コンピュータにて商品管理ができるものであるとする。
【0028】
図3は本情報読取装置の実施の一形態におけるフローチャートである。
【0029】
図3において、作業者がキー入力部36であるトリガキー8を押下し、光学的情報及び無線情報記録担体の各情報の読み取りを指示すると、制御部40が起動し、光学的情報と無線情報記録担体の「読取ルーチン」を開始する(S101)。制御部40は、無線情報記録担体30との通信からデコード(解析)までに必要な時間から、必要な露光時間のデフォルト値と撮像した画像情報の取込みに必要な時間を差し引いた時間を照明駆動タイマ部41に設定する(S102)。また、このとき露光時間を露光時間タイマ部42に設定する。
【0030】
次に、制御部40は、照明駆動タイマ部41と露光時間タイマ部42に上記時間を設定した後、無線通信部33を駆動し、同時に照明駆動タイマ部41と露光時間タイマ部42の計時をスタートさせる。無線通信部33は、無線情報記録担体30の読み取りに必要なコマンドをエンコード(作成)し、変復調部32に送る。変復調部32は、コマンドを公知の方法で変調し、アンテナ部31を介して電気信号から電磁波に変換し無線情報記録担体30に送信する。無線情報記録担体30から応答があれば、アンテナ部31は上記応答である電磁波を電気信号に変換して変復調部32に送る。
【0031】
次に、変復調部32は、上記応答を公知の方法で復調して無線通信部33に送り、無線通信部33でデコードを行うことで、無線情報記録担体30の持つデータを抽出する(S103)。無線通信部33でデコード結果がOKであれば(S104)、報知部37を通じて作業者に読取完了を報知し(S105)、読取処理を完了する。無線通信部33でのデコード(解読)結果がNGであった場合(S104)、光学的情報の読み取りを開始する。
【0032】
ここで、図3の(b)を参照して、無線情報記録担体30との通信中に照明駆動タイマ部41からのタイマ割り込みが発生し(S201)、制御部40は照明部21を点灯させて露光を開始する(S202)。次に、図3の(c)を参照して、露光完了時刻に、露光時間タイマ部42より露光完了割り込みが発生し(S301)、制御部40は、照明部21を消灯させて露光を完了する(S302)。この露光完了後、本実施の形態で用いたCMOSカメラ2である撮像部22は、水平・垂直周波数と非同期に画像の取込が可能であるため、直ちに撮像して取り込みを開始させる(S303)。撮像部22で撮像した画像情報は、マイクロプロセッサ4である制御部40の持つDMA(Direct Memory Access)転送機能を用い、画像保存メモリ23に転送する(S304)。
【0033】
よって、無線通信部33でのデコード結果がNGであった場合(S104)、この時点で画像情報が画像保存メモリ23に保存されており、制御部40は、直ちに光学的情報解析部25に画像情報のデコードを行わせることができる(S106)。光学的情報解析部25は、画像から必要な部分を切り出し部26にて切り出し、二値化部27にて二値化し、デコード部28にてデコードを行う。デコード(解析)結果がOKであれば(S107)、報知部37を通じて作業者に読取完了を報知し(S105)、読取処理を完了する。この読取結果がNGである場合は、二値化部27の二値化レベルに応じて露光時間の調整、即ち、次回の露光時間を所定時間だけ長くまたは短くして当該時間を算出したうえで(S108)、以後、図3に示す手順で、光学的情報読取と無線情報記録担体読取を交互に繰り返しながら読み取り対象としている商品の情報が取得できるまで読取処理を継続する。そして、商品から情報を取得したのち、商品情報を上位コンピュータに送ることで商品管理を行う。
【0034】
図4は、本実施の形態において、光学的情報読取と無線情報記録担体読取を交互に繰り返しているときのマイクロプロセッサ4の処理配分を示すものである。
【0035】
図4において、作業者によりキー入力部36であるトリガキー8が押下されると(T0)、マイクロプロセッサ4は、上記無線情報記録担体30からのデータ抽出が終了したほぼ直後に、上記光学的情報のデコードを開始できるように、無線情報記録担体30との通信とデコード(解析)に必要な時間から、光学的情報20を読み取るために必要な露光時間と撮像した画像情報の取込みに必要な時間を差し引いた時間Δ(T2−T1)を照明駆動タイマ部41に設定する。また上記露光時間Δ(T3−T2)を露光時間タイマ部42に設定する。
【0036】
マイクロプロセッサ4は、照明・露光タイマ設定処理後、無線通信部33を駆動させると同時に、照明駆動タイマ部41と露光時間タイマ部42をスタートさせる(T1)。以後、マイクロプロセッサ4は、T4までの区間、無線情報記録担体30の読取処理(通信・デコード)を行う。
【0037】
無線情報記録担体30から所望のデータが抽出できなかった場合、本情報読取装置は、光学的情報の読取動作を行うことになるが、この時点(T4)で光学的情報の画像情報が画像保存メモリ23に保存されており、直ちに上記画像情報のデコードを行うことができる。即ち、マイクロプロセッサ4は、光学的情報読取処理(デコード)動作を開始し、T4〜T5までの区間にて光学的情報の読取処理動作を行う。
【0038】
上記画像情報から所望のデータが抽出できなかった場合、二値化部27の二値化レベルに応じて露光時間の調整、即ち、次回の露光時間を所定時間だけ長くまたは短くし、無線情報記録担体30からのデータ抽出が終了したほぼ直後に、光学的情報のデコードを開始できるように、無線情報記録担体30との通信とデコードに必要な時間から、光学的情報20を読み取るために必要な露光時間と撮像した画像情報の取込みに必要な時間を差し引いた時間Δ(T7−T6)を照明駆動タイマ部41に設定する。また露光時間Δ(T8−T7)を露光時間タイマ部42に設定し、以後光学的情報読取と無線情報記録担体読取を交互に繰り返しながら、読取対象としている商品の情報が取得できるまで読取処理を継続する。
【0039】
以上のように、本実施の形態において、無線情報記録担体との読み取り中に、光学的情報の露光と取り込みを完了させることで、時系列的に無線情報記録担体の読取完了後に光学的情報読取を開始する場合に比べ、マイクロプロセッサの資源を効率的に活用でき、光学的情報読取と無線情報記録担体読取を交互に繰り返す場合に処理時間を短縮することができる。これにより作業者の操作性、利便性が向上する。
【0040】
また、作業者の読取動作として、本情報読取装置を商品に近づけていく場合に、光学的情報読取と無線情報記録担体読取を交互に繰り返す時間を短縮することで、より現在の位置に近い画像状態で光学的情報のデコードを行うことができ、さらに商品に近づけるべきか少し離すべきかの判断がしやすくなり、結果として作業者の操作性が向上する。
【0041】
なお、本実施の形態ではCMOSカメラ2(撮像部22)が水平・垂直周波数と非同期に取り込みが開始できるものを用いたが、水平・垂直周波数と同期させる場合は、その同期に必要な時間分だけ差し引いた時間を照明駆動タイマ部41に設定することで同様の効果が得られる。また、本実施の形態ではキー入力部36としてトリガキー8を用いたが、マトリクスキーやタッチパネルなど作業者が光学的情報の読み取りと無線情報担体への通信を指示できるものであれば構わない。更に、本実施の形態では報知部37としてLED7を用いたが、ブザーやバイブレータなど作業者に報知するものであれば構わない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の情報読取装置は、光学的情報読取と無線情報記録担体読取を交互に繰り返しながら情報を取得する場合に、読取時間を短縮することができ、手持ち式のマルチ式リーダやハンディターミナルなどに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の情報読取装置の実施の形態における回路ブロック図
【図2】本発明の情報読取装置の実施の形態における機能ブロック図
【図3】本発明の情報読取装置の実施の形態を示すフローチャート
【図4】本発明の情報読取装置の読取部動作とマイクロプロセッサの動作関係を示す図
【図5】従来の情報読取装置の機能ブロック図
【符号の説明】
【0044】
1 照明LED
2 CMOSカメラ
3 SRAM
4 マイクロプロセッサ
5 無線アンテナ
6 FPGA
7 LED
8 トリガキー
9 システムバス
20 光学的情報
21 照明部
22 撮像部
23 画像保存メモリ
24 画像取込部
25 光学的情報解析部
26 切り出し部
27 二値化部
28 デコード部
30 無線情報記録担体
31 アンテナ部
32 変復調部
33 無線通信部
36 キー入力部
37 報知部
40 制御部
41 照明駆動タイマ部
42 露光時間タイマ部
50 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコード等の光学的情報に照射光を照射する照明部と、当該照明部によって前記光学的情報を撮像する撮像部と、当該撮像した画像を取り込む画像取込部と、当該取り込んだ画像から光学的情報を解析する光学的情報解析部と、ICタグ等の無線情報記録担体と通信を行う無線通信部と、当該無線通信部から取得した前記無線情報記録担体の情報を解析する制御部と、を備え、前記光学的情報及び無線情報記録担体からの情報を読み取る情報読取装置において、
前記制御部は、前記無線通信部が前記無線情報記録担体から取得した情報の解読処理中に、予め設定されたタイミングで前記照明部による照明光の照射と前記撮像部による前記光学的情報の撮像と前記画像取込部による画像取込とを行って画像保存手段に格納しておき、かつ前記制御部の解読が終了したほぼ直後に、前記制御部は前記画像保存手段に格納された前記光学的情報の解読処理を行うことを特徴とする情報読取装置。
【請求項2】
更に前記照明部による照明光の露光時間を設定する露光時間タイマ部と、当該露光時間タイマ部により設定された露光時間に基づいて露光開始時間を決定する照明駆動タイマ部とを有することを特徴とする請求項1記載の情報読取装置。
【請求項3】
前記制御部が前記取得した情報を解析できない場合、前記露光時間タイマ部が前記露光時間を自動的に所定時間だけ延長して設定することを特徴とする請求項2記載の情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−27268(P2008−27268A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200321(P2006−200321)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】