情報送受信装置、情報送信装置、および情報受信装置
【課題】 無線通信と有線通信との双方に利用可能であり、且つ高速通信可能な情報送受信装置、情報送信装置、および情報受信装置を提供する。
【解決手段】 光コム信号を発生する光周波数コム201と、光コム信号から複数の光キャリアを抜き出す光フィルタ202と、光キャリアに送信対象のデジタル送信信号を重畳する光変調器203と、デジタル送信信号が重畳された光キャリアと、光フィルタ202で抜き出された光キャリアとを合波して無線通信または光通信で送信させるための光送信信号を生成する第1光カプラ204と、無線インタフェースにおいて受信されたRF受信信号、または有線インタフェースにおいて受信された光受信信号が変換されたRF受信信号を、ベースバンド信号にビートダウンするベースバンド変換回路206と、RF受信信号をデジタル信号に復調するデジタル信号処理器207とを備える。
【解決手段】 光コム信号を発生する光周波数コム201と、光コム信号から複数の光キャリアを抜き出す光フィルタ202と、光キャリアに送信対象のデジタル送信信号を重畳する光変調器203と、デジタル送信信号が重畳された光キャリアと、光フィルタ202で抜き出された光キャリアとを合波して無線通信または光通信で送信させるための光送信信号を生成する第1光カプラ204と、無線インタフェースにおいて受信されたRF受信信号、または有線インタフェースにおいて受信された光受信信号が変換されたRF受信信号を、ベースバンド信号にビートダウンするベースバンド変換回路206と、RF受信信号をデジタル信号に復調するデジタル信号処理器207とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロードバンドアクセスシステムで利用する情報送受信装置、情報送信装置、および情報受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光アクセスシステムの高速化は著しく、この5年程度の間に100倍の高速・広帯域化が進み、GE-PON(Gigabit Ethernet(登録商標)-Passive Optical Network)システムの商用導入によりギガクラスのブロードバンドサービスが提供されている。
【0003】
2009年には10GE-PONの標準化が完了し、現在、10Gを超える高速化・広帯域化に向けた次世代PONがIEEEやFSAN等の標準化団体で議論されている。
【0004】
一方、無線の高速化に関しても、IEEE802.11n規格で、100Mbpsを超える無線LANが実現されている。また、第三世代の携帯電話では、下り7.2MbpsのHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)サービスが提供され、2010年末には10Mbpsを超えるLTE(Long Term Evolution)データ通信サービスが提供されている。
【0005】
さらに、4Gに向けた標準化や技術開発も進められており、ギガクラスを超える次世代の高速サービス実現への期待が高まってきている。
【0006】
上記のように、これまで、無線と有線(光)に関する送受信技術は、それぞれ独立してブロードバンド化が進展してきたが、近年、無線の高速化に伴い、無線と有線(光)を融合したアクセスネットワークの研究開発が活発化している。
【0007】
例えば非特許文献1には、Optical MMW signal generator(光周波数コム)から光周波数の異なる2つのCW光を光フィルタで抜き出し、そのビート信号として発生させた125GHz帯の無線信号を用いて、10Gbpsでデータ伝送を行う技術が記載されている。
【0008】
また非特許文献2には、OADM(Optical Add Drop Multiplexer)にRoF(Radio on Fiber)技術を適用した技術が記載されている。この技術では、WDM(Wavelength Division Multiplexing)光源をそれぞれ異なるミリ波帯のRF周波数で直接変調してCW(continuous wave)光にFM変調を施し、外部変調により各CW光に送信信号を重畳する。その後、これらをWDMフィルタで合波し、マッハツエンダフィルタでFM-IM変換し、OADMリングネットワークを用いて波長毎に設定されたノードに伝送する。そして受光器で受光後、IM変換されたRF周波数成分の各ビート信号から、所望のビート周波数を電気フィルタで抜き出し、無線信号として送信している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】A. Hirata, et.al, “120-GHz-Band Millimeter-Wave Photonic Wireless Link for 10-Gb/s Data Transmission”, IEEE Trans. Microwave Theory Tech., Vol.54, No.5, pp.1937-1944 (2006)
【非特許文献2】A.M.J. Koonen, et al., “Perspectives of Radio over Fiber Technologies”, OFC/NFOEC 2008, OThP3 (2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したようなブロードバンドアクセスシステムにおいて、タブレットPCやスマートフォン等の新たなモバイル端末とクラウドコンピューティング技術とを用いて、時と場所によらず、3D高精細映像、リッチコンテンツ等の大容量情報にストレスなくアクセスするには、無線と有線(光ファイバ)とを活用したギガクラスを超えるブロードバンド・ユビキタスネットワークが重要な役割を担うこととなる。
【0011】
このようなネットワークを構築するには、有線あるいは無線、または有線と無線を融合した多数の送受信装置が必要となる。
【0012】
無線と有線(光ファイバ)とに関する通信技術については、従来、それぞれ独自にブロードバンド化が進められてそれぞれ専用の送受信装置が開発されているため、製造コスト低減に限界がある。従って、従来技術で製造された送受信装置により、ブロードバンド・ユビキタスネットワークを経済的に構築することには、大きな課題がある。
【0013】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、無線通信と有線通信との双方に利用可能であり、且つ高速通信可能な情報送受信装置、情報送信装置、および情報受信装置を経済的に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、本発明では、光トランシーバモジュール(光送受信装置)あるいは無線トランシーバモジュール(無線送受信装置)において、無線通信を実行するための無線インタフェースあるいは有線通信を実行するための有線インタフェースを除いた情報送受信装置を共通化する。情報送受信装置は、無線インタフェースあるいは有線インタフェースのいずれにも接続可能であり、少なくともいずれか一方のインタフェースに接続された情報送受信装置において、一定の周波数間隔で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コムと、前記光周波数コムで発生した光コム信号から複数の光キャリアを抜き出す光フィルタと、前記光フィルタで抜き出された光キャリアに送信対象のデジタル送信信号を重畳する光変調器と、前記光変調器でデジタル送信信号が重畳された光キャリアと、前記光フィルタで抜き出された光キャリアを合波して、前記無線インタフェースにおいてRF送信信号に変換して送信させるための光送信信号、または前記有線インタフェースにおいて送信させるための光送信信号を生成する第1光カプラと、前記光フィルタで抜き出された中の2つの光キャリアを合波して光ビート信号を生成する第2光カプラと、前記第2光カプラで生成された光ビート信号を用いて、前記無線インタフェースにおいて受信されたRF受信信号、または前記有線インタフェースにおいて受信された光受信信号が変換されたRF受信信号を、ベースバンド信号にビートダウンするベースバンド変換回路と、前記ベースバンド変換回路でビートダウンされたRF受信信号をデジタル信号に復調するデジタル信号処理器とを備えることを特徴とする。
【0015】
また本発明の情報送受信装置は、無線通信を実行するための無線インタフェースと有線通信を実行するための有線インタフェースとのいずれにも接続可能であり、少なくともいずれか一方のインタフェースに接続された情報送信装置において、一定の周波数間隔で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コムと、前記光周波数コムで発生した光コム信号から複数の光キャリアを抜き出す光フィルタと、前記光フィルタで抜き出された光キャリアに送信対象のデジタル送信信号を重畳する光変調器と、前記光変調器でデジタル送信信号が重畳された光キャリアと、前記光フィルタで抜き出された光キャリアとを合波して、前記無線インタフェースにおいてRF送信信号に変換して送信させるための光送信信号、または前記有線インタフェースにおいて送信させるための光送信信号を生成する第1光カプラとを備えることを特徴とする。
【0016】
また本発明の情報送受信装置は、無線通信を実行するための無線インタフェースと有線通信を実行するための有線インタフェースとのいずれにも接続可能であり、少なくともいずれか一方のインタフェースに接続された情報受信装置において、一定の周波数間隔で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コムと、前記光周波数コムで発生した光コム信号から2つの光キャリアを抜き出す光フィルタと、前記光フィルタで抜き出された中の2つの光キャリアを合波して光ビート信号を生成する第2光カプラと、前記第2光カプラで生成された光ビート信号を用いて、前記無線インタフェースにおいて受信されたRF受信信号、または前記有線インタフェースにおいて受信された光受信信号が変換されたRF受信信号を、ベースバンド信号にビートダウンするベースバンド変換回路と、前記ベースバンド変換回路でビートダウンされたRF受信信号をデジタル信号に復調するデジタル信号処理器とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の情報送受信装置、情報送信装置、および情報受信装置よれば、無線通信と有線通信との双方に利用可能であり、且つ高速通信を経済的に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(A)、(B)は、本発明の実施形態による情報送受信装置を利用したブロードバンド・ユビキタスネットワークの構成を示す全体図である。
【図2】(A)は従来の無線送受信器を利用して無線通信を行う場合の構成を示す全体図であり、(B)は従来の光送受信器を利用して光通信を行う場合の構成を示す全体図であり、(C)は本発明の情報送受信装置を利用して無線通信を行う場合の構成を示す全体図であり、(D)は本発明の情報送受信装置を利用して光通信を行う場合の構成を示す全体図である。
【図3】本発明の第1実施形態による情報送受信装置を利用した光トランシーバモジュールの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態による情報送受信装置を利用した無線トランシーバモジュールの構成を示すブロック図である。
【図5】(A)〜(E)は、本発明の第1実施形態による情報送受信装置において、処理中に発生する信号の波長配置を示す説明図である。
【図6】(A)、(B)は、本発明の第1実施形態による情報送受信装置において、受信信号と光ビート信号とが合波されたときの波長配置を示す説明図である。
【図7】(A)、(B)は、本発明の第1実施形態による情報送受信装置のベースバンド変換回路の詳細な構成の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態による情報送受信装置のベースバンド変換回路の詳細な構成の一例を示す説明図である。
【図9】本発明の第1実施形態による情報送受信装置のベースバンド変換回路の詳細な構成の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の第2実施形態による情報送受信装置を利用した高速無線インタフェースのフロンエンドの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3実施形態による情報送受信装置を利用した光トランシーバモジュールの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3実施形態による情報送受信装置を利用した無線トランシーバモジュールの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第4実施形態による情報送受信装置を利用した高速無線インタフェースのフロンエンドの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の情報送受信装置を利用した実施形態として、図1(A)、(B)に示すようなブロードバンド・ユビキタスネットワーク1A、1Bがある。図1(A)は、ブロードバンド・ユビキタスネットワーク1Aにおいてデジタル光の情報を伝送する場合を示したものであり、図1(B)は、ブロードバンド・ユビキタスネットワーク1Bにおいて高速無線インタフェースを用いてRoF(Radio on Fiber)技術により情報を伝送する場合を示したものである。
【0020】
これらのブロードバンド・ユビキタスネットワーク1A、1Bでは、センタ局10から無線基地局20A、20Bまでは光ファイバで高速に信号を送受信し、無線基地局20A、10Bから他の無線トランシーバモジュール30まではRF(Radio Frequency)信号としてとして送受信する。
【0021】
このようにブロードバンド・ユビキタスネットワーク1A、1Bを構築するにあたり、センタ局10には光トランシーバモジュール110が設置され、無線基地局20Aには光トランシーバモジュール210および無線トランシーバモジュール220が設置され、無線基地局20Bには光トランシーバモジュール210およびフロントエンド230が設置される。
【0022】
このようにブロードバンド・ユビキタスネットワーク1A、1Bに設置される複数の光トランシーバモジュールと複数の無線トランシーバモジュールとは、従来は図2(A)および(B)に示すようにそれぞれ専用の装置で構築されており、これらは別個に開発され製造されていた。
【0023】
これに対し本実施形態においては、図2(C)および(D)に示すように、無線通信および光ファイバ通信の双方で共通して利用可能な送受信装置(図2(C)および(D)の斜線部分)を構築し、これに無線インタフェースを付加することにより無線送受信器として機能させ、また光ファイバインタフェースを付加することにより光送受信器として機能させる技術を提供する。
【0024】
《第1実施形態》
〈第1実施形態による情報送受信装置を利用したトランシーバモジュールの構成〉
本発明の第1実施形態による情報送受信装置を利用した送受信装置としての光トランシーバモジュール210Aの構成を、図3を参照して説明する。
【0025】
図3に示すように、光トランシーバモジュール210Aは、情報送受信装置200Aと、光ファイバインタフェースとしてのWDM(波長分割多重:Wavelength Division Multiplex)フィルタ211および光電気変換器212とを有する。
【0026】
情報送受信装置200は、一定の周波数間隔(f)で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コム201と、この光周波数コム201で発生した光コム信号から複数の光キャリアを抜き出す光フィルタ202と、光フィルタ202で抜き出された光キャリアに送信対象のデジタル送信信号を重畳する複数の光変調器203−1、203−2と、光変調器203でデジタル送信信号が重畳された光キャリアと光フィルタ202で抜き出された光キャリアとを合波して光OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号の光送信信号を生成する第1光カプラ204と、光フィルタ202で抜き出された中の2つの光キャリアを合波して光ビート信号を生成する第2光カプラ205と、第2光カプラ205で生成された光ビート信号を用いてRF受信信号をベースバンド信号にビートダウンするベースバンド変換回路206と、ベースバンド変換回路206でビートダウンされたRF受信信号をデジタル信号に復調するデジタル信号処理器207とを有する。本実施形態において光変調器203は送信信号数に対応した数が設置されている。
【0027】
WDMフィルタ211は、光送信信号と光受信信号とを周波数により区別し、第1光カプラ204から取得した光送信信号を光ファイバにより送信し、光ファイバから受信した光受信信号を光電気変換器212に送出する。
【0028】
光電気変換器212は、WDMフィルタ211を介して受信した光受信信号を、RF信号に変換する。
【0029】
また本実施形態による情報送受信装置を利用した送受信装置としての無線トランシーバモジュール220Aは、図4に示すように、情報送受信装置200Aと、無線インタフェースとしての光電気変換器221および無線アンテナ222とを有する。
【0030】
情報送受信装置200Aは、光トランシーバモジュール210Aの情報送受信装置200Aと同様の構成を有する。
【0031】
光電気変換器221は、第1光カプラ204から取得した光送信信号を、RF送信信号に変換する。
【0032】
無線アンテナ222は、光電気変換器221で変換されたRF送信信号を無線で送信し、また無線で受信したRF受信信号を、ベースバンド変換回路206に送出する。
【0033】
〈第1実施形態による情報送受信装置を利用したトランシーバモジュールの動作〉
本実施形態による情報送受信装置200Aを利用した光トランシーバモジュール210Aの動作について、図3〜9を参照して説明する。
【0034】
まず、情報送受信装置200Aの光周波数コム201からは周波数間隔(f)の複数の光スペクトルを有する光コム信号[a](図5(A)参照)が発生しており、光フィルタ202により、光周波数コム201で発生した光コム信号[a]から、周波数間隔nf(nは任意の整数)を有する光キャリア(以下、「nf光キャリア」と称する。)が送信信号数+1つの数分抜き出され、また、周波数間隔mf(mは任意の整数)を有する光キャリア(以下、「mf光キャリア」と称する。)が2つ抜き出される。
【0035】
光トランシーバモジュール210Aにおいてデジタル送信信号が送信される際には、まず、情報送受信装置200Aの光変調器203−1、203−2により光フィルタ202で抜き出されたデジタル送信信号の数(ここでは2つ)のnf光キャリアが、送信対象の複数のデジタル送信信号によりそれぞれ変調される。この光変調には、例えば位相変調が用いられる。
【0036】
次に第1光カプラ204により、光変調器203−1、203−2で変調された複数(ここでは2つ)のnf光キャリアと、光フィルタ202で抜き出された1つのnfキャリアとが合波されて光OFDM信号の光送信信号[b](図5(B)参照)が生成される。
【0037】
そしてWDMフィルタ211により、第1光カプラ204で生成された光送信信号[b]が伝送用光ファイバで送信先に送信される。
【0038】
次に、光トランシーバモジュール210Aにおいて光受信信号が受信される際の動作について説明する。
【0039】
第2光カプラ205では、光フィルタ202で抜き出された2つのmf光キャリアが合波されて周波数mfの光ビート信号[c]が生成され、ベースバンド変換回路206に送出される。
【0040】
そしてWDMフィルタ211により、伝送用光ファイバから光OFDM信号の光受信信号[b’]が受信されると、光電気変換器212に送出される。
【0041】
光電気変換器212では、WDMフィルタ211を介して受信された光OFDM信号の光受信信号[b’]が、RFのOFDM信号であるRF受信信号[d]に変換される。
【0042】
光電気変換器212で変換されたRF受信信号[d]は情報送受信装置200のベースバンド変換回路206に送出される。
【0043】
ベースバンド変換回路206では、第2光カプラ205から周波数mfの光ビート信号[c](図5(C)参照)が取得されるとともに、光ファイバインタフェースで受信されRFのOFDM信号に変換されたRF受信信号[d]が取得される。光周波数コム201から発生した各光キャリアにおいて、OFDM信号用光キャリア[d]とベースバンド変換回路206へ供給される光キャリア[c]の波長配置を図6(A)あるいは(B)に示す。
【0044】
そして、ベースバンド変換回路206において、光ビート信号[c]がインタフェース信号として用いられてRF受信信号[d]がビートダウン処理され、ベースバンドOFDM信号[e]が生成される。
【0045】
ベースバンド変換回路206で実行される〔処理例1〕〜〔処理例4〕を、図7〜9を参照して説明する。
【0046】
〔処理例1〕
図7(A)に示すベースバンド変換回路206では、第2光カプラ205から取得した光ビート信号[c]が光電気変換器(PD)2061で変換された後、ミキサ2062によりRF受信信号[d]がベースバンドOFDM信号[e]にビートダウンされる。
【0047】
〔処理例2〕
また図7(B)に示すベースバンド変換回路206では、UTC-PD(Uni-Traveling-Carrier Photodiode)2063が用いられ、図7(A)の光電気変換器(PD)2061の機能とミキサ2062の機能とが同時に実現されることで、ベースバンドOFDM信号[e]へのビートダウンが実現されている。
【0048】
〔処理例3〕
また図8に示すベースバンド変換回路206では、第2光カプラ205から取得した周波数mfの光ビート信号[c]が、サーキュレータ2064と光ファイバブラッググレーティング(FBG)2065で構成される光フィルタで2つの光キャリアに分離され、LN変調器2066において一方の光キャリアがRF受信信号[d]により変調される。ここでは、LN変調器2066における変調に、位相変調が用いられている。
【0049】
そして、変調された光キャリアと、光フィルタで分離されたもう一方の光キャリアとが光カプラ2067で合波され、光フィルタ2068により片側波帯と光キャリアとが取り出され、光電気変換器2069でベースバンドOFDM信号[e]にビートダウンされる。
【0050】
〔処理例4〕
また図9に示すベースバンド変換回路206では、第2光カプラ205から取得した周波数mfの2つの光ビート信号[c]が、LN変調器2066においてRF受信信号[d]により変調される。ここでは、LN変調器2066における変調に、位相変調が用いられている。
【0051】
そして、変調された2つの光キャリアの一方の片側波帯と他方の光キャリアとが光フィルタ2068で取り出され、光電気変換器2069でベースバンドOFDM信号[e]にビートダウンされる。
【0052】
このようにして〔処理例1〕〜〔処理例4〕のいずれかによりベースバンド変換回路206において生成されたベースバンドOFDM信号[e]は、デジタル信号処理器207においてDFF(離散高速フーリエ変換:Discrete Fast Fourier Transform)処理等によりデジタル信号処理されて復調され、入力対象となるデジタル受信信号が生成される。
【0053】
また、本実施形態による情報送受信装置200Aを利用した無線トランシーバモジュール220Aの動作について、図4を参照して説明する。
【0054】
無線トランシーバモジュール220Aにおいて情報が送受信される際に情報送受信装置200Aで実行される処理は、上述した光トランシーバモジュール210Aの情報送受信装置200Aで実行される処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0055】
無線トランシーバモジュール220Aにおいて送信信号が送信される際には、情報送受信装置200Aの第1光カプラ204で生成された光OFDM信号の光送信信号[b]が光電気変換器221でRF送信信号[d](図5(D)参照)に変換され、無線アンテナ222から送信先の無線トランシーバモジュールに送信される。
【0056】
また、無線トランシーバモジュール220Aにおいて受信信号が受信される際には、無線アンテナ222から受信されたRF受信信号[d]が情報送受信装置200Aのベースバンド変換回路206に送出され、光トランシーバモジュール210Aの情報送受信装置200Aと同様の処理によりベースバンド変換回路206においてベースバンドOFDM信号[e](図5(E)参照)が生成され、さらにデジタル信号処理器207において復調されて、入力対象となるデジタル受信信号が生成される。
【0057】
以上の本実施形態によれば、ブロードバンド・ユビキタスネットワークで多数設置される無線送受信装置および光ファイバ送受信装置に、無線通信と光ファイバ通信との双方に利用可能な情報送受信装置200Aを利用することができ、これにより多数の送受信装置を効率的に製造することが可能になる。
【0058】
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態として、情報送受信装置200Aを利用した高速無線インタフェースのフロントエンド230Aの構成を、図10を参照して説明する。
【0059】
図10に示すように、高速無線インタフェースのフロントエンド230Aは、第1実施形態で説明した情報送受信装置200Aと同様の構成を有する情報送受信装置200Aと、第1実施形態による光トランシーバモジュール210Aで利用されるWDMフィルタおよび光電気変換器と同様の機能を有する送受信処理を行うWDMフィルタ211および光電気変換器212と、無線で送受信処理を行うアンテナ222とを有する。
【0060】
このように構成された高速無線インタフェースのフロントエンド230Aでは、伝送用光ファイバで送信信号が送信される際には、情報送受信装置200Aの第1光カプラ204で生成された光送信信号[b]が、WDMフィルタ211により伝送用光ファイバに送出される。
【0061】
また、伝送用光ファイバから受信信号が受信された際には、受信された光受信信号[b’]が、WDMフィルタ211を介して光電気変換器212で受信されてRF受信信号[d]に変換されて情報送受信装置200Aのベースバンド変換回路206に送出され、光トランシーバモジュール210Aの情報送受信装置200Aと同様の処理により入力対象となるデジタル受信信号が生成される。
【0062】
また、無線により受信信号が受信された際には、無線アンテナ222から受信されたRF受信信号[d]が情報送受信装置200Aのベースバンド変換回路206に送出され、光トランシーバモジュール210Aの情報送受信装置200Aと同様の処理により入力対象となるデジタル受信信号が生成される。
【0063】
以上の第2実施形態によれば、情報送受信装置200Aを無線インタフェースのフロントエンドに用いることにより、光ファイバと無線との間で送受信される信号を処理することができ、さらに効率的に製造可能な送受信装置を構築することができる。
【0064】
《第3実施形態》
本発明の第3実施形態による情報送受信装置200Bを利用した光トランシーバモジュール210Bの構成は、図11に示すように、第1実施形態による光トランシーバモジュール210Aの情報送受信装置200A内の第1光カプラ204に替えてWDMフィルタ(AWG:Arrayed Waveguide Grating)208を用いることを除いては第1実施形態における光トランシーバモジュール210Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分については詳細な説明を省略する。
【0065】
また本実施形態による情報送受信装置200Bを利用した無線トランシーバモジュール220Bの構成は、図12に示すように、第1実施形態による無線トランシーバモジュール220Aの情報送受信装置200A内の第1光カプラ204に替えてWDMフィルタ(AWG:Arrayed Waveguide Grating)208を用いることを除いては、無線トランシーバモジュール220Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分については詳細な説明を省略する。
【0066】
これらのWDMフィルタ208は、光変調器203で変調された複数のnf光キャリアと、光フィルタ202で抜き出された1つのnfキャリアとを合波して、WDM信号の光送信信号[b](図5(B)参照)を生成する。WDM信号の光送信信号では、光キャリアの周波数間隔に比べ、変調信号のシンボルレートを小さく設定し、各々の変調信号のスペクトルが重ならないようにする。
【0067】
また、デジタル信号処理器207では、デジタルフィルタを構成することで、各光キャリアの変調信号を分離し、復調する。
【0068】
以上の第3実施形態によれば、情報送受信装置200Bにおいて光送信信号としてWDM信号を用いることが可能であり、さらに多様な技術に利用することができる。
【0069】
《第4実施形態》
本発明の第4実施形態として、情報送受信装置200Bを利用した高速無線インタフェースのフロントエンド230Bの構成を、図13を参照して説明する。
【0070】
図13に示すように、本実施形態による高速無線インタフェースのフロントエンド230Bの構成は、第2実施形態による高速無線インタフェースのフロントエンド230Aの情報送受信装置200A内の第1光カプラ204に替えてWDMフィルタ(AWG:Arrayed Waveguide Grating)208を用いることを除いては、高速無線インタフェースのフロントエンド230Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分については詳細な説明を省略する。
【0071】
以上の第4実施形態によれば、情報送受信装置200Bを無線インタフェースのフロントエンドに用いることにより、光送信信号としてWDM信号を用いることができるとともに、光ファイバと無線との間で送受信される信号を多様な技術を利用して処理することができ、さらに効率的に製造可能な送受信装置を構築することができる。
【0072】
OFDM信号の復調に局発光を用いた光へテロダイン法を適用することあるいはWDM信号の復調にWDMフィルタであるAWGを適用することは、これらを利用すると無線通信と有線(光ファイバ)通信との双方で共通して利用可能な送受信装置構成とならないため、上記実施形態で示したベースバンド変換回路とデジタル信号処理(DFF処理あるいはデジタルフィルタ)を用いることにより、双方に利用可能な情報送受信装置を構築することが可能になる。
【符号の説明】
【0073】
1A、1B…ブロードバンド・ユビキタスネットワーク
10…センタ局
20A、20B…無線基地局
30…無線トランシーバモジュール
110…光トランシーバモジュール
200A、B…情報送受信装置
201…光周波数コム
202…光フィルタ
203…光変調器
204…第1光カプラ
205…第2光カプラ
206…ベースバンド変換回路
207…デジタル信号処理器
208…WDMフィルタ
210A、210B…光トランシーバモジュール
211…WDMフィルタ
212…光電気変換器
220A、220B…無線トランシーバモジュール
221…光電気変換器
222…無線アンテナ
230A、230B…フロントエンド
2061…光電気変換器(PD)
2062…ミキサ
2063…UTC-PD
2064…サーキュレータ
2065…光ファイバブラッググレーティング(FBG)
2066…LN変調器
2067…光カプラ
2068…光フィルタ
2069…光電気変換器
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロードバンドアクセスシステムで利用する情報送受信装置、情報送信装置、および情報受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光アクセスシステムの高速化は著しく、この5年程度の間に100倍の高速・広帯域化が進み、GE-PON(Gigabit Ethernet(登録商標)-Passive Optical Network)システムの商用導入によりギガクラスのブロードバンドサービスが提供されている。
【0003】
2009年には10GE-PONの標準化が完了し、現在、10Gを超える高速化・広帯域化に向けた次世代PONがIEEEやFSAN等の標準化団体で議論されている。
【0004】
一方、無線の高速化に関しても、IEEE802.11n規格で、100Mbpsを超える無線LANが実現されている。また、第三世代の携帯電話では、下り7.2MbpsのHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)サービスが提供され、2010年末には10Mbpsを超えるLTE(Long Term Evolution)データ通信サービスが提供されている。
【0005】
さらに、4Gに向けた標準化や技術開発も進められており、ギガクラスを超える次世代の高速サービス実現への期待が高まってきている。
【0006】
上記のように、これまで、無線と有線(光)に関する送受信技術は、それぞれ独立してブロードバンド化が進展してきたが、近年、無線の高速化に伴い、無線と有線(光)を融合したアクセスネットワークの研究開発が活発化している。
【0007】
例えば非特許文献1には、Optical MMW signal generator(光周波数コム)から光周波数の異なる2つのCW光を光フィルタで抜き出し、そのビート信号として発生させた125GHz帯の無線信号を用いて、10Gbpsでデータ伝送を行う技術が記載されている。
【0008】
また非特許文献2には、OADM(Optical Add Drop Multiplexer)にRoF(Radio on Fiber)技術を適用した技術が記載されている。この技術では、WDM(Wavelength Division Multiplexing)光源をそれぞれ異なるミリ波帯のRF周波数で直接変調してCW(continuous wave)光にFM変調を施し、外部変調により各CW光に送信信号を重畳する。その後、これらをWDMフィルタで合波し、マッハツエンダフィルタでFM-IM変換し、OADMリングネットワークを用いて波長毎に設定されたノードに伝送する。そして受光器で受光後、IM変換されたRF周波数成分の各ビート信号から、所望のビート周波数を電気フィルタで抜き出し、無線信号として送信している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】A. Hirata, et.al, “120-GHz-Band Millimeter-Wave Photonic Wireless Link for 10-Gb/s Data Transmission”, IEEE Trans. Microwave Theory Tech., Vol.54, No.5, pp.1937-1944 (2006)
【非特許文献2】A.M.J. Koonen, et al., “Perspectives of Radio over Fiber Technologies”, OFC/NFOEC 2008, OThP3 (2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したようなブロードバンドアクセスシステムにおいて、タブレットPCやスマートフォン等の新たなモバイル端末とクラウドコンピューティング技術とを用いて、時と場所によらず、3D高精細映像、リッチコンテンツ等の大容量情報にストレスなくアクセスするには、無線と有線(光ファイバ)とを活用したギガクラスを超えるブロードバンド・ユビキタスネットワークが重要な役割を担うこととなる。
【0011】
このようなネットワークを構築するには、有線あるいは無線、または有線と無線を融合した多数の送受信装置が必要となる。
【0012】
無線と有線(光ファイバ)とに関する通信技術については、従来、それぞれ独自にブロードバンド化が進められてそれぞれ専用の送受信装置が開発されているため、製造コスト低減に限界がある。従って、従来技術で製造された送受信装置により、ブロードバンド・ユビキタスネットワークを経済的に構築することには、大きな課題がある。
【0013】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、無線通信と有線通信との双方に利用可能であり、且つ高速通信可能な情報送受信装置、情報送信装置、および情報受信装置を経済的に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、本発明では、光トランシーバモジュール(光送受信装置)あるいは無線トランシーバモジュール(無線送受信装置)において、無線通信を実行するための無線インタフェースあるいは有線通信を実行するための有線インタフェースを除いた情報送受信装置を共通化する。情報送受信装置は、無線インタフェースあるいは有線インタフェースのいずれにも接続可能であり、少なくともいずれか一方のインタフェースに接続された情報送受信装置において、一定の周波数間隔で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コムと、前記光周波数コムで発生した光コム信号から複数の光キャリアを抜き出す光フィルタと、前記光フィルタで抜き出された光キャリアに送信対象のデジタル送信信号を重畳する光変調器と、前記光変調器でデジタル送信信号が重畳された光キャリアと、前記光フィルタで抜き出された光キャリアを合波して、前記無線インタフェースにおいてRF送信信号に変換して送信させるための光送信信号、または前記有線インタフェースにおいて送信させるための光送信信号を生成する第1光カプラと、前記光フィルタで抜き出された中の2つの光キャリアを合波して光ビート信号を生成する第2光カプラと、前記第2光カプラで生成された光ビート信号を用いて、前記無線インタフェースにおいて受信されたRF受信信号、または前記有線インタフェースにおいて受信された光受信信号が変換されたRF受信信号を、ベースバンド信号にビートダウンするベースバンド変換回路と、前記ベースバンド変換回路でビートダウンされたRF受信信号をデジタル信号に復調するデジタル信号処理器とを備えることを特徴とする。
【0015】
また本発明の情報送受信装置は、無線通信を実行するための無線インタフェースと有線通信を実行するための有線インタフェースとのいずれにも接続可能であり、少なくともいずれか一方のインタフェースに接続された情報送信装置において、一定の周波数間隔で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コムと、前記光周波数コムで発生した光コム信号から複数の光キャリアを抜き出す光フィルタと、前記光フィルタで抜き出された光キャリアに送信対象のデジタル送信信号を重畳する光変調器と、前記光変調器でデジタル送信信号が重畳された光キャリアと、前記光フィルタで抜き出された光キャリアとを合波して、前記無線インタフェースにおいてRF送信信号に変換して送信させるための光送信信号、または前記有線インタフェースにおいて送信させるための光送信信号を生成する第1光カプラとを備えることを特徴とする。
【0016】
また本発明の情報送受信装置は、無線通信を実行するための無線インタフェースと有線通信を実行するための有線インタフェースとのいずれにも接続可能であり、少なくともいずれか一方のインタフェースに接続された情報受信装置において、一定の周波数間隔で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コムと、前記光周波数コムで発生した光コム信号から2つの光キャリアを抜き出す光フィルタと、前記光フィルタで抜き出された中の2つの光キャリアを合波して光ビート信号を生成する第2光カプラと、前記第2光カプラで生成された光ビート信号を用いて、前記無線インタフェースにおいて受信されたRF受信信号、または前記有線インタフェースにおいて受信された光受信信号が変換されたRF受信信号を、ベースバンド信号にビートダウンするベースバンド変換回路と、前記ベースバンド変換回路でビートダウンされたRF受信信号をデジタル信号に復調するデジタル信号処理器とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の情報送受信装置、情報送信装置、および情報受信装置よれば、無線通信と有線通信との双方に利用可能であり、且つ高速通信を経済的に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(A)、(B)は、本発明の実施形態による情報送受信装置を利用したブロードバンド・ユビキタスネットワークの構成を示す全体図である。
【図2】(A)は従来の無線送受信器を利用して無線通信を行う場合の構成を示す全体図であり、(B)は従来の光送受信器を利用して光通信を行う場合の構成を示す全体図であり、(C)は本発明の情報送受信装置を利用して無線通信を行う場合の構成を示す全体図であり、(D)は本発明の情報送受信装置を利用して光通信を行う場合の構成を示す全体図である。
【図3】本発明の第1実施形態による情報送受信装置を利用した光トランシーバモジュールの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態による情報送受信装置を利用した無線トランシーバモジュールの構成を示すブロック図である。
【図5】(A)〜(E)は、本発明の第1実施形態による情報送受信装置において、処理中に発生する信号の波長配置を示す説明図である。
【図6】(A)、(B)は、本発明の第1実施形態による情報送受信装置において、受信信号と光ビート信号とが合波されたときの波長配置を示す説明図である。
【図7】(A)、(B)は、本発明の第1実施形態による情報送受信装置のベースバンド変換回路の詳細な構成の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態による情報送受信装置のベースバンド変換回路の詳細な構成の一例を示す説明図である。
【図9】本発明の第1実施形態による情報送受信装置のベースバンド変換回路の詳細な構成の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の第2実施形態による情報送受信装置を利用した高速無線インタフェースのフロンエンドの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3実施形態による情報送受信装置を利用した光トランシーバモジュールの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3実施形態による情報送受信装置を利用した無線トランシーバモジュールの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第4実施形態による情報送受信装置を利用した高速無線インタフェースのフロンエンドの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の情報送受信装置を利用した実施形態として、図1(A)、(B)に示すようなブロードバンド・ユビキタスネットワーク1A、1Bがある。図1(A)は、ブロードバンド・ユビキタスネットワーク1Aにおいてデジタル光の情報を伝送する場合を示したものであり、図1(B)は、ブロードバンド・ユビキタスネットワーク1Bにおいて高速無線インタフェースを用いてRoF(Radio on Fiber)技術により情報を伝送する場合を示したものである。
【0020】
これらのブロードバンド・ユビキタスネットワーク1A、1Bでは、センタ局10から無線基地局20A、20Bまでは光ファイバで高速に信号を送受信し、無線基地局20A、10Bから他の無線トランシーバモジュール30まではRF(Radio Frequency)信号としてとして送受信する。
【0021】
このようにブロードバンド・ユビキタスネットワーク1A、1Bを構築するにあたり、センタ局10には光トランシーバモジュール110が設置され、無線基地局20Aには光トランシーバモジュール210および無線トランシーバモジュール220が設置され、無線基地局20Bには光トランシーバモジュール210およびフロントエンド230が設置される。
【0022】
このようにブロードバンド・ユビキタスネットワーク1A、1Bに設置される複数の光トランシーバモジュールと複数の無線トランシーバモジュールとは、従来は図2(A)および(B)に示すようにそれぞれ専用の装置で構築されており、これらは別個に開発され製造されていた。
【0023】
これに対し本実施形態においては、図2(C)および(D)に示すように、無線通信および光ファイバ通信の双方で共通して利用可能な送受信装置(図2(C)および(D)の斜線部分)を構築し、これに無線インタフェースを付加することにより無線送受信器として機能させ、また光ファイバインタフェースを付加することにより光送受信器として機能させる技術を提供する。
【0024】
《第1実施形態》
〈第1実施形態による情報送受信装置を利用したトランシーバモジュールの構成〉
本発明の第1実施形態による情報送受信装置を利用した送受信装置としての光トランシーバモジュール210Aの構成を、図3を参照して説明する。
【0025】
図3に示すように、光トランシーバモジュール210Aは、情報送受信装置200Aと、光ファイバインタフェースとしてのWDM(波長分割多重:Wavelength Division Multiplex)フィルタ211および光電気変換器212とを有する。
【0026】
情報送受信装置200は、一定の周波数間隔(f)で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コム201と、この光周波数コム201で発生した光コム信号から複数の光キャリアを抜き出す光フィルタ202と、光フィルタ202で抜き出された光キャリアに送信対象のデジタル送信信号を重畳する複数の光変調器203−1、203−2と、光変調器203でデジタル送信信号が重畳された光キャリアと光フィルタ202で抜き出された光キャリアとを合波して光OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号の光送信信号を生成する第1光カプラ204と、光フィルタ202で抜き出された中の2つの光キャリアを合波して光ビート信号を生成する第2光カプラ205と、第2光カプラ205で生成された光ビート信号を用いてRF受信信号をベースバンド信号にビートダウンするベースバンド変換回路206と、ベースバンド変換回路206でビートダウンされたRF受信信号をデジタル信号に復調するデジタル信号処理器207とを有する。本実施形態において光変調器203は送信信号数に対応した数が設置されている。
【0027】
WDMフィルタ211は、光送信信号と光受信信号とを周波数により区別し、第1光カプラ204から取得した光送信信号を光ファイバにより送信し、光ファイバから受信した光受信信号を光電気変換器212に送出する。
【0028】
光電気変換器212は、WDMフィルタ211を介して受信した光受信信号を、RF信号に変換する。
【0029】
また本実施形態による情報送受信装置を利用した送受信装置としての無線トランシーバモジュール220Aは、図4に示すように、情報送受信装置200Aと、無線インタフェースとしての光電気変換器221および無線アンテナ222とを有する。
【0030】
情報送受信装置200Aは、光トランシーバモジュール210Aの情報送受信装置200Aと同様の構成を有する。
【0031】
光電気変換器221は、第1光カプラ204から取得した光送信信号を、RF送信信号に変換する。
【0032】
無線アンテナ222は、光電気変換器221で変換されたRF送信信号を無線で送信し、また無線で受信したRF受信信号を、ベースバンド変換回路206に送出する。
【0033】
〈第1実施形態による情報送受信装置を利用したトランシーバモジュールの動作〉
本実施形態による情報送受信装置200Aを利用した光トランシーバモジュール210Aの動作について、図3〜9を参照して説明する。
【0034】
まず、情報送受信装置200Aの光周波数コム201からは周波数間隔(f)の複数の光スペクトルを有する光コム信号[a](図5(A)参照)が発生しており、光フィルタ202により、光周波数コム201で発生した光コム信号[a]から、周波数間隔nf(nは任意の整数)を有する光キャリア(以下、「nf光キャリア」と称する。)が送信信号数+1つの数分抜き出され、また、周波数間隔mf(mは任意の整数)を有する光キャリア(以下、「mf光キャリア」と称する。)が2つ抜き出される。
【0035】
光トランシーバモジュール210Aにおいてデジタル送信信号が送信される際には、まず、情報送受信装置200Aの光変調器203−1、203−2により光フィルタ202で抜き出されたデジタル送信信号の数(ここでは2つ)のnf光キャリアが、送信対象の複数のデジタル送信信号によりそれぞれ変調される。この光変調には、例えば位相変調が用いられる。
【0036】
次に第1光カプラ204により、光変調器203−1、203−2で変調された複数(ここでは2つ)のnf光キャリアと、光フィルタ202で抜き出された1つのnfキャリアとが合波されて光OFDM信号の光送信信号[b](図5(B)参照)が生成される。
【0037】
そしてWDMフィルタ211により、第1光カプラ204で生成された光送信信号[b]が伝送用光ファイバで送信先に送信される。
【0038】
次に、光トランシーバモジュール210Aにおいて光受信信号が受信される際の動作について説明する。
【0039】
第2光カプラ205では、光フィルタ202で抜き出された2つのmf光キャリアが合波されて周波数mfの光ビート信号[c]が生成され、ベースバンド変換回路206に送出される。
【0040】
そしてWDMフィルタ211により、伝送用光ファイバから光OFDM信号の光受信信号[b’]が受信されると、光電気変換器212に送出される。
【0041】
光電気変換器212では、WDMフィルタ211を介して受信された光OFDM信号の光受信信号[b’]が、RFのOFDM信号であるRF受信信号[d]に変換される。
【0042】
光電気変換器212で変換されたRF受信信号[d]は情報送受信装置200のベースバンド変換回路206に送出される。
【0043】
ベースバンド変換回路206では、第2光カプラ205から周波数mfの光ビート信号[c](図5(C)参照)が取得されるとともに、光ファイバインタフェースで受信されRFのOFDM信号に変換されたRF受信信号[d]が取得される。光周波数コム201から発生した各光キャリアにおいて、OFDM信号用光キャリア[d]とベースバンド変換回路206へ供給される光キャリア[c]の波長配置を図6(A)あるいは(B)に示す。
【0044】
そして、ベースバンド変換回路206において、光ビート信号[c]がインタフェース信号として用いられてRF受信信号[d]がビートダウン処理され、ベースバンドOFDM信号[e]が生成される。
【0045】
ベースバンド変換回路206で実行される〔処理例1〕〜〔処理例4〕を、図7〜9を参照して説明する。
【0046】
〔処理例1〕
図7(A)に示すベースバンド変換回路206では、第2光カプラ205から取得した光ビート信号[c]が光電気変換器(PD)2061で変換された後、ミキサ2062によりRF受信信号[d]がベースバンドOFDM信号[e]にビートダウンされる。
【0047】
〔処理例2〕
また図7(B)に示すベースバンド変換回路206では、UTC-PD(Uni-Traveling-Carrier Photodiode)2063が用いられ、図7(A)の光電気変換器(PD)2061の機能とミキサ2062の機能とが同時に実現されることで、ベースバンドOFDM信号[e]へのビートダウンが実現されている。
【0048】
〔処理例3〕
また図8に示すベースバンド変換回路206では、第2光カプラ205から取得した周波数mfの光ビート信号[c]が、サーキュレータ2064と光ファイバブラッググレーティング(FBG)2065で構成される光フィルタで2つの光キャリアに分離され、LN変調器2066において一方の光キャリアがRF受信信号[d]により変調される。ここでは、LN変調器2066における変調に、位相変調が用いられている。
【0049】
そして、変調された光キャリアと、光フィルタで分離されたもう一方の光キャリアとが光カプラ2067で合波され、光フィルタ2068により片側波帯と光キャリアとが取り出され、光電気変換器2069でベースバンドOFDM信号[e]にビートダウンされる。
【0050】
〔処理例4〕
また図9に示すベースバンド変換回路206では、第2光カプラ205から取得した周波数mfの2つの光ビート信号[c]が、LN変調器2066においてRF受信信号[d]により変調される。ここでは、LN変調器2066における変調に、位相変調が用いられている。
【0051】
そして、変調された2つの光キャリアの一方の片側波帯と他方の光キャリアとが光フィルタ2068で取り出され、光電気変換器2069でベースバンドOFDM信号[e]にビートダウンされる。
【0052】
このようにして〔処理例1〕〜〔処理例4〕のいずれかによりベースバンド変換回路206において生成されたベースバンドOFDM信号[e]は、デジタル信号処理器207においてDFF(離散高速フーリエ変換:Discrete Fast Fourier Transform)処理等によりデジタル信号処理されて復調され、入力対象となるデジタル受信信号が生成される。
【0053】
また、本実施形態による情報送受信装置200Aを利用した無線トランシーバモジュール220Aの動作について、図4を参照して説明する。
【0054】
無線トランシーバモジュール220Aにおいて情報が送受信される際に情報送受信装置200Aで実行される処理は、上述した光トランシーバモジュール210Aの情報送受信装置200Aで実行される処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0055】
無線トランシーバモジュール220Aにおいて送信信号が送信される際には、情報送受信装置200Aの第1光カプラ204で生成された光OFDM信号の光送信信号[b]が光電気変換器221でRF送信信号[d](図5(D)参照)に変換され、無線アンテナ222から送信先の無線トランシーバモジュールに送信される。
【0056】
また、無線トランシーバモジュール220Aにおいて受信信号が受信される際には、無線アンテナ222から受信されたRF受信信号[d]が情報送受信装置200Aのベースバンド変換回路206に送出され、光トランシーバモジュール210Aの情報送受信装置200Aと同様の処理によりベースバンド変換回路206においてベースバンドOFDM信号[e](図5(E)参照)が生成され、さらにデジタル信号処理器207において復調されて、入力対象となるデジタル受信信号が生成される。
【0057】
以上の本実施形態によれば、ブロードバンド・ユビキタスネットワークで多数設置される無線送受信装置および光ファイバ送受信装置に、無線通信と光ファイバ通信との双方に利用可能な情報送受信装置200Aを利用することができ、これにより多数の送受信装置を効率的に製造することが可能になる。
【0058】
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態として、情報送受信装置200Aを利用した高速無線インタフェースのフロントエンド230Aの構成を、図10を参照して説明する。
【0059】
図10に示すように、高速無線インタフェースのフロントエンド230Aは、第1実施形態で説明した情報送受信装置200Aと同様の構成を有する情報送受信装置200Aと、第1実施形態による光トランシーバモジュール210Aで利用されるWDMフィルタおよび光電気変換器と同様の機能を有する送受信処理を行うWDMフィルタ211および光電気変換器212と、無線で送受信処理を行うアンテナ222とを有する。
【0060】
このように構成された高速無線インタフェースのフロントエンド230Aでは、伝送用光ファイバで送信信号が送信される際には、情報送受信装置200Aの第1光カプラ204で生成された光送信信号[b]が、WDMフィルタ211により伝送用光ファイバに送出される。
【0061】
また、伝送用光ファイバから受信信号が受信された際には、受信された光受信信号[b’]が、WDMフィルタ211を介して光電気変換器212で受信されてRF受信信号[d]に変換されて情報送受信装置200Aのベースバンド変換回路206に送出され、光トランシーバモジュール210Aの情報送受信装置200Aと同様の処理により入力対象となるデジタル受信信号が生成される。
【0062】
また、無線により受信信号が受信された際には、無線アンテナ222から受信されたRF受信信号[d]が情報送受信装置200Aのベースバンド変換回路206に送出され、光トランシーバモジュール210Aの情報送受信装置200Aと同様の処理により入力対象となるデジタル受信信号が生成される。
【0063】
以上の第2実施形態によれば、情報送受信装置200Aを無線インタフェースのフロントエンドに用いることにより、光ファイバと無線との間で送受信される信号を処理することができ、さらに効率的に製造可能な送受信装置を構築することができる。
【0064】
《第3実施形態》
本発明の第3実施形態による情報送受信装置200Bを利用した光トランシーバモジュール210Bの構成は、図11に示すように、第1実施形態による光トランシーバモジュール210Aの情報送受信装置200A内の第1光カプラ204に替えてWDMフィルタ(AWG:Arrayed Waveguide Grating)208を用いることを除いては第1実施形態における光トランシーバモジュール210Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分については詳細な説明を省略する。
【0065】
また本実施形態による情報送受信装置200Bを利用した無線トランシーバモジュール220Bの構成は、図12に示すように、第1実施形態による無線トランシーバモジュール220Aの情報送受信装置200A内の第1光カプラ204に替えてWDMフィルタ(AWG:Arrayed Waveguide Grating)208を用いることを除いては、無線トランシーバモジュール220Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分については詳細な説明を省略する。
【0066】
これらのWDMフィルタ208は、光変調器203で変調された複数のnf光キャリアと、光フィルタ202で抜き出された1つのnfキャリアとを合波して、WDM信号の光送信信号[b](図5(B)参照)を生成する。WDM信号の光送信信号では、光キャリアの周波数間隔に比べ、変調信号のシンボルレートを小さく設定し、各々の変調信号のスペクトルが重ならないようにする。
【0067】
また、デジタル信号処理器207では、デジタルフィルタを構成することで、各光キャリアの変調信号を分離し、復調する。
【0068】
以上の第3実施形態によれば、情報送受信装置200Bにおいて光送信信号としてWDM信号を用いることが可能であり、さらに多様な技術に利用することができる。
【0069】
《第4実施形態》
本発明の第4実施形態として、情報送受信装置200Bを利用した高速無線インタフェースのフロントエンド230Bの構成を、図13を参照して説明する。
【0070】
図13に示すように、本実施形態による高速無線インタフェースのフロントエンド230Bの構成は、第2実施形態による高速無線インタフェースのフロントエンド230Aの情報送受信装置200A内の第1光カプラ204に替えてWDMフィルタ(AWG:Arrayed Waveguide Grating)208を用いることを除いては、高速無線インタフェースのフロントエンド230Aの構成と同様であるため、同一機能を有する部分については詳細な説明を省略する。
【0071】
以上の第4実施形態によれば、情報送受信装置200Bを無線インタフェースのフロントエンドに用いることにより、光送信信号としてWDM信号を用いることができるとともに、光ファイバと無線との間で送受信される信号を多様な技術を利用して処理することができ、さらに効率的に製造可能な送受信装置を構築することができる。
【0072】
OFDM信号の復調に局発光を用いた光へテロダイン法を適用することあるいはWDM信号の復調にWDMフィルタであるAWGを適用することは、これらを利用すると無線通信と有線(光ファイバ)通信との双方で共通して利用可能な送受信装置構成とならないため、上記実施形態で示したベースバンド変換回路とデジタル信号処理(DFF処理あるいはデジタルフィルタ)を用いることにより、双方に利用可能な情報送受信装置を構築することが可能になる。
【符号の説明】
【0073】
1A、1B…ブロードバンド・ユビキタスネットワーク
10…センタ局
20A、20B…無線基地局
30…無線トランシーバモジュール
110…光トランシーバモジュール
200A、B…情報送受信装置
201…光周波数コム
202…光フィルタ
203…光変調器
204…第1光カプラ
205…第2光カプラ
206…ベースバンド変換回路
207…デジタル信号処理器
208…WDMフィルタ
210A、210B…光トランシーバモジュール
211…WDMフィルタ
212…光電気変換器
220A、220B…無線トランシーバモジュール
221…光電気変換器
222…無線アンテナ
230A、230B…フロントエンド
2061…光電気変換器(PD)
2062…ミキサ
2063…UTC-PD
2064…サーキュレータ
2065…光ファイバブラッググレーティング(FBG)
2066…LN変調器
2067…光カプラ
2068…光フィルタ
2069…光電気変換器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を実行するための無線インタフェースと有線通信を実行するための有線インタフェースとのいずれにも接続可能であり、少なくともいずれか一方のインタフェースに接続された情報送受信装置において、
一定の周波数間隔で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コムと、
前記光周波数コムで発生した光コム信号から複数の光キャリアを抜き出す光フィルタと、
前記光フィルタで抜き出された光キャリアに送信対象のデジタル送信信号を重畳する光変調器と、
前記光変調器でデジタル送信信号が重畳された光キャリアと、前記光フィルタで抜き出された光キャリアとを合波して、前記無線インタフェースにおいてRF送信信号に変換して送信させるための光送信信号、または前記有線インタフェースにおいて送信させるための光送信信号を生成する第1光カプラと、
前記光フィルタで抜き出された中の2つの光キャリアを合波して光ビート信号を生成する第2光カプラと、
前記第2光カプラで生成された光ビート信号を用いて、前記無線インタフェースにおいて受信されたRF受信信号、または前記有線インタフェースにおいて受信された光受信信号が変換されたRF受信信号を、ベースバンド信号にビートダウンするベースバンド変換回路と、
前記ベースバンド変換回路でビートダウンされたRF受信信号をデジタル信号に復調するデジタル信号処理器と
を備えることを特徴とする情報送受信装置。
【請求項2】
無線通信を実行するための無線インタフェースと有線通信を実行するための有線インタフェースとのいずれにも接続可能であり、少なくともいずれか一方のインタフェースに接続された情報送信装置において、
一定の周波数間隔で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コムと、
前記光周波数コムで発生した光コム信号から複数の光キャリアを抜き出す光フィルタと、
前記光フィルタで抜き出された光キャリアに送信対象のデジタル送信信号を重畳する光変調器と、
前記光変調器でデジタル送信信号が重畳された光キャリアと、前記光フィルタで抜き出された光キャリアとを合波して、前記無線インタフェースにおいてRF送信信号に変換して送信させるための光送信信号、または前記有線インタフェースにおいて送信させるための光送信信号を生成する第1光カプラと、
を備えることを特徴とする情報送信装置。
【請求項3】
無線通信を実行するための無線インタフェースと有線通信を実行するための有線インタフェースとのいずれにも接続可能であり、少なくともいずれか一方のインタフェースに接続された情報受信装置において、
一定の周波数間隔で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コムと、
前記光周波数コムで発生した光コム信号から2つの光キャリアを抜き出す光フィルタと、
前記光フィルタで抜き出された中の2つの光キャリアを合波して光ビート信号を生成する第2光カプラと、
前記第2光カプラで生成された光ビート信号を用いて、前記無線インタフェースにおいて受信されたRF受信信号、または前記有線インタフェースにおいて受信された光受信信号が変換されたRF受信信号を、ベースバンド信号にビートダウンするベースバンド変換回路と、
前記ベースバンド変換回路でビートダウンされたRF受信信号をデジタル信号に復調するデジタル信号処理器と
を備えることを特徴とする情報受信装置。
【請求項1】
無線通信を実行するための無線インタフェースと有線通信を実行するための有線インタフェースとのいずれにも接続可能であり、少なくともいずれか一方のインタフェースに接続された情報送受信装置において、
一定の周波数間隔で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コムと、
前記光周波数コムで発生した光コム信号から複数の光キャリアを抜き出す光フィルタと、
前記光フィルタで抜き出された光キャリアに送信対象のデジタル送信信号を重畳する光変調器と、
前記光変調器でデジタル送信信号が重畳された光キャリアと、前記光フィルタで抜き出された光キャリアとを合波して、前記無線インタフェースにおいてRF送信信号に変換して送信させるための光送信信号、または前記有線インタフェースにおいて送信させるための光送信信号を生成する第1光カプラと、
前記光フィルタで抜き出された中の2つの光キャリアを合波して光ビート信号を生成する第2光カプラと、
前記第2光カプラで生成された光ビート信号を用いて、前記無線インタフェースにおいて受信されたRF受信信号、または前記有線インタフェースにおいて受信された光受信信号が変換されたRF受信信号を、ベースバンド信号にビートダウンするベースバンド変換回路と、
前記ベースバンド変換回路でビートダウンされたRF受信信号をデジタル信号に復調するデジタル信号処理器と
を備えることを特徴とする情報送受信装置。
【請求項2】
無線通信を実行するための無線インタフェースと有線通信を実行するための有線インタフェースとのいずれにも接続可能であり、少なくともいずれか一方のインタフェースに接続された情報送信装置において、
一定の周波数間隔で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コムと、
前記光周波数コムで発生した光コム信号から複数の光キャリアを抜き出す光フィルタと、
前記光フィルタで抜き出された光キャリアに送信対象のデジタル送信信号を重畳する光変調器と、
前記光変調器でデジタル送信信号が重畳された光キャリアと、前記光フィルタで抜き出された光キャリアとを合波して、前記無線インタフェースにおいてRF送信信号に変換して送信させるための光送信信号、または前記有線インタフェースにおいて送信させるための光送信信号を生成する第1光カプラと、
を備えることを特徴とする情報送信装置。
【請求項3】
無線通信を実行するための無線インタフェースと有線通信を実行するための有線インタフェースとのいずれにも接続可能であり、少なくともいずれか一方のインタフェースに接続された情報受信装置において、
一定の周波数間隔で複数の光スペクトルを有する光コム信号を発生する光周波数コムと、
前記光周波数コムで発生した光コム信号から2つの光キャリアを抜き出す光フィルタと、
前記光フィルタで抜き出された中の2つの光キャリアを合波して光ビート信号を生成する第2光カプラと、
前記第2光カプラで生成された光ビート信号を用いて、前記無線インタフェースにおいて受信されたRF受信信号、または前記有線インタフェースにおいて受信された光受信信号が変換されたRF受信信号を、ベースバンド信号にビートダウンするベースバンド変換回路と、
前記ベースバンド変換回路でビートダウンされたRF受信信号をデジタル信号に復調するデジタル信号処理器と
を備えることを特徴とする情報受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−5316(P2013−5316A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136155(P2011−136155)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】
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