説明

情報通信システム、中継装置、中継プログラム、および情報通信方法

【課題】通信端末を用いて通信を行う利用者が、互いを特定することを可能とし、従来と比較して利便性の高い情報通信を行う情報通信システムを提供する。
【解決手段】通信端末同士の通信を中継する中継装置を備えた情報通信システムであって、通信元の通信端末は、発呼者の認証情報を含む通話要求情報を中継装置に送信し、通信先の通信端末は、通話要求情報を受信すると、着呼者の認証情報を取得して中継装置に送信し、中継装置は、利用者識別情報に対応付けて認証基準情報を記憶し、入力される認証情報に対応する認証基準情報に対応付けられた利用者識別情報を読み出し、複数の利用者識別情報を対応付けて予め記憶し、発呼者の認証情報と、着呼者の認証情報とのそれぞれに対応する利用者識別情報が、対応付けて記憶されているか否かを判定して対応可否情報を生成し、対応可否情報が可を示す場合に、通話を中継する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信システム、中継装置、中継プログラム、および情報通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信端末を用いた情報通信において、迷惑電話や無言電話、いたずら電話、または携帯電話の利用における迷惑メールやいわゆる盗聴や改ざん、なりすましなどへの対策として、通信端末の利用者の認証を行う認証方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、携帯電話からモバイルバンキングなどの通信を行う際に、認証センタに予め登録した生体情報によって発信者が生体認証を行うことで、第三者になりすまして接続することを防ぐ技術が提案されている。
また、電話番号は、例えば家族などの複数人では同一の電話番号が利用される場合がある。
【特許文献1】特開2001−117878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の特許文献に示される認証処理においては、情報の発信者の認証を行って発信者を特定しているが、着信者の認証と特定を行うものではない。このため、従来技術では、発信者は、特定の電話番号に対して通話要求を行う際に、その電話番号が例えば複数人の家族に利用されている場合に、希望する通話相手を指定して通話要求を行うことはできない。また、着信者にとっても、自分宛ての電話のときのみに通話したい場合や、予め定めた利用者からの通話要求のみを受けたい場合には、発信者の電話番号のみならず、その電話番号を利用して通話要求を行っている発呼者を特定できることが望ましい。
【0004】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、通信端末を用いて通信を行う利用者が、互いを特定することを可能とし、従来と比較して利便性の高い情報通信を行う情報通信システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するために、本発明は、互いに通信して通話する機能を有する複数の通信端末と、通信端末同士の通信を中継する中継装置とを備えた情報通信システムであって、通信元の通信端末は、通信先の通信端末を指定する宛先情報が入力されると、自端末の利用者である発呼者の認証情報を取得し、発呼者の認証情報を含む通話要求情報を中継装置に送信する発呼処理手段を備え、通信先の通信端末は、中継装置によって中継および送信される通話要求情報を受信し、利用者によって受信指示情報が入力されると、自端末の利用者である着呼者の認証情報を取得し、中継装置に送信する着呼処理手段を備え、中継装置は、利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、利用者の認証情報と比較して認証するための認証基準情報を記憶する利用者情報記憶手段と、入力される認証情報に対応する認証基準情報に対応付けられた利用者識別情報を、利用者情報記憶手段から読み出して出力する利用者認証手段と、第1の利用者を識別する第1の利用者識別情報と、第2の利用者を識別する第2の利用者識別情報とを対応付けて記憶する利用者関係記憶手段と、通話要求情報に含まれる発呼者の認証情報と、通信先の通信端末から受信する着呼者の認証情報とを、それぞれ利用者認証手段に入力し、利用者認証手段からそれぞれに対応して出力される発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とを受け付け、受け付けた発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とが、利用者関係記憶手段に、対応付けて記憶されているか否かを判定して対応可否情報を生成する対応関係判定手段と、対応関係判定手段が生成する対応可否情報が可を示す場合に、通信元の通信端末から通信先の通信端末への通話を中継する通話制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明は、上述の中継装置の、発呼処理手段が送信する発呼者の認証情報は、宛先情報が入力された際の自端末の利用者の認証情報と、通話要求情報を送信する際の自端末の利用者の認証情報とを含むことを特徴とする。
【0007】
本発明は、上述の中継装置の、利用者情報記憶手段は、利用者識別情報に対応付けて、利用者を特定可能な文字列情報または画像情報である利用者特定情報を記憶し、利用者認証手段は、利用者識別情報に対応付けられた利用者特定情報を読み出して出力し、通話制御手段は、発呼者の利用者特定情報を通信先の通信端末に送信し、一方、着呼者の利用者特定情報を通信元の通信端末に送信し、通信端末は、通話制御手段から送信される利用者特定情報を表示する画面表示部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明は、上述の中継装置は、利用者識別情報に対応付けて、着呼を拒否する他の利用者の利用者識別情報を記憶する拒否情報記憶手段と、発呼者の利用者識別情報に対応付けて、着呼者の利用者識別情報が、拒否情報記憶手段に記憶されていることを検出すると、通信元の通信端末に、着呼拒否情報を送信する着呼拒否処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明は、上述の情報通信システムは、各利用者の利用者識別情報に対応付けて、状態情報を記憶するプレゼンスサーバ装置を備え、中継装置は、着呼者の利用者識別情報に対応する状態情報を、プレゼンスサーバ装置から取得する状態情報取得手段と、を備え、通話制御手段は、状態情報取得手段が取得した状態情報に基づいて、通話の中継を制御することを特徴とする。
【0010】
本発明は、上述の通話制御手段は、対応関係判定手段が生成する対応可否情報が、否を示す場合に、通信元の通信端末への保留処理、または切断処理、または予め定められたメッセージの送信処理のいずれかの処理を行い、一方、通信先の通信端末には、予め定められたメッセージの送信処理を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明は、互いに通信して通話する機能を有する複数の通信端末同士の通信を中継する中継装置であって、通信端末の利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、利用者を認証するための認証基準情報を記憶する利用者情報記憶手段と、入力される認証情報に対応する認証基準情報に対応付けられた利用者識別情報を、利用者情報記憶手段から読み出して出力する利用者認証手段と、第1の利用者を識別する第1の利用者識別情報と、第2の利用者を識別する第2の利用者識別情報とを対応付けて記憶する利用者関係記憶手段と、通信元の通信端末から受信する通話要求情報に含まれる発呼者の認証情報と、通信先の通信端末から受信する着呼者の認証情報とを、それぞれ利用者認証手段に入力し、利用者認証手段からそれぞれに対応して出力される発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とを受け付け、受け付けた発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とが、利用者関係記憶手段に、対応付けて記憶されているか否かを判定して対応可否情報を生成する対応関係判定手段と、対応関係判定手段が生成する対応可否情報が可を示す場合に、通信元の通信端末から通信先の通信端末への通話を中継する通話制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明は、互いに通信して通話する機能を有する複数の通信端末同士の通信を中継し、利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、利用者を認証するための認証情報を予め記憶する利用者情報記憶手段、および第1の利用者を識別する第1の利用者識別情報と第2の利用者を識別する第2の利用者識別情報とを対応付けて予め記憶する利用者関係記憶手段を備えた中継装置としてのコンピュータに、利用者認証手段が、通信元の通信端末から受信する通話要求情報に含まれる発呼者の認証情報に対応する発呼者の利用者識別情報を、利用者情報記憶手段から読み出して出力するステップと、利用者認証手段が、送信先の通信端末から受信する着呼者の認証情報に対応する着呼者の利用者識別情報を、利用者情報記憶手段から読み出して出力するステップと、対応関係判定手段が、出力された発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とが、利用者関係記憶手段に、対応付けて記憶されているか否かを判定して対応可否情報を生成するステップと、通話制御手段が、対応関係判定手段が生成する対応可否情報が可を示す場合に、通信元の通信端末から通信先の通信端末への通話を中継するステップと、を実行させるための中継プログラムである。
【0013】
本発明は、互いに通信して通話する機能を有する複数の通信端末と、通信端末同士の通信を中継し、利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、利用者を認証するための認証情報を予め記憶する利用者情報記憶手段、および第1の利用者を識別する第1の利用者識別情報と第2の利用者を識別する第2の利用者識別情報とを対応付けて予め記憶する利用者関係記憶手段を備えた中継装置と、を利用する情報通信方法であって、通信元の電話端末通信端末の、発呼処理手段が、通信先の通信端末を指定する宛先情報が入力されると、前記宛先情報が入力された際の自端末の利用者の認証情報と、通話要求情報を送信する際の自端末の利用者である利用者の認証情報とを含む発呼者の認証情報を取得し、前記発呼者の認証情報を含む通話要求情報を前記中継装置に送信するステップと、通信先の通信端末の、着呼処理手段が、中継装置によって中継および送信される通話要求情報を受信し、受信指示情報が入力されると、自端末の利用者である着呼者の認証情報を取得し、中継装置に送信するステップと、中継装置の、利用者認証手段が、通話要求情報に含まれる発呼者の認証情報に対応する発呼者の利用者識別情報を、利用者情報記憶手段から読み出して出力するステップと、利用者認証手段が、送信先の通信端末から受信する着呼者の認証情報に対応する着呼者の利用者識別情報を、利用者情報記憶手段から読み出して出力するステップと、対応関係判定手段が、出力された発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とが、利用者関係記憶手段に、対応付けて記憶されているか否かを判定して対応可否情報を生成するステップと、通話制御手段が、対応関係判定手段が生成する対応可否情報が可を示す場合に、通信元の通信端末から通信先の通信端末への通話を中継するステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、通信元の通信端末は、通話要求を行う際に自端末を利用する利用者の認証情報を中継装置に送信し、かつ、通信先の通信端末は、通話要求の受信時に自端末を利用する利用者の認証情報を中継装置に送信し、中継装置は、予め定められた利用者と利用者との対応関係に基づいて通話を中継するか否かを判定して中継を行うようにしたので、利用者は、予め定められた利用者との通話のみを行うことができ、迷惑電話や無言電話、いたずら電話などの電話着呼を避けることができるとともに、同一電話番号が複数人に利用されている場合にも、その複数人の利用者のうち、希望する利用者との通話を効率良く行うことができるものである。
【0015】
また、本発明によれば、中継装置は、利用者を特定可能な文字列情報または画像情報である利用者特定情報を予め記憶し、通信端末同士が通信を行う際には、それぞれの利用者の利用者特定情報を互いに送信するようにし、それぞれの通信端末は、通信相手の利用者識別情報を画面に表示するようにしたので、通信端末の利用者は、通信時の相手方が誰であるかを特定することができ、従来と比較してより安全性のある通信を行うことができるものである。
【0016】
また、本発明によれば、中継装置は、通信端末の各利用者に対応付けて、着呼を拒否する他の利用者の利用者識別情報を記憶した着呼拒否情報に基づいて通話の中継処理を行うようにしたので、利用者は、従来のような電話番号単位のみならず、利用者個人単位での着呼拒否設定を行うことができるものである。
【0017】
また、本発明によれば、中継装置は、プレゼンスサーバ装置に記憶された各利用者のプレゼンス情報に基づいて通話の中継処理を行うようにしたので、各利用者は、相手方の状況に応じた電話通信を行うことができる。
【0018】
また、本発明によれば、通信元の通信端末の利用者と、通信先の通信端末の利用者とが、予め定められた対応関係にないと判定した場合に、前記通信元の通信端末へは保留処理などを行い、前記通信先の通信端末には予め定められたメッセージを送信するようにしたので、発呼者が予め希望する着呼者以外の利用者が着呼した場合でも、発呼者は希望者以外の利用者と通話せずに希望者を着呼側に伝えることができ、また、発呼者が希望する着呼者でない着呼者も、対応関係のない利用者である発呼者と通話せずに、発呼者が希望する着呼者を知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
<概要>
まず、図1を参照して、本実施形態による情報通信システムの概要を説明する。
本実施形態による情報通信システムにおいて、発呼者10が利用する通信端末100−1と、着呼者30が利用する通信端末100−2との通信端末100が、ネットワーク50に接続されている。各通信端末は、それぞれ認証情報取得部(認証情報取得部140−1、認証情報取得部140−2)を備えている。ネットワーク50には、利用者の認証を制御する認証用サーバ装置200と、複数の通信端末の間の通信、通話を中継する交換機300と、利用者の状況を記憶するプレゼンスサーバ装置400と、不在時などのメッセージを送信するIVR(Interactive Voice Response)サーバ装置500とが、中継装置を構成し、接続されている。本実施形態において、通信端末は2台(通信端末100−1と通信端末100−2)を例として説明するが、それぞれ複数台でも良い。
【0020】
認証用サーバ装置200の記憶部には、利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、利用者を認証するための認証情報が予め記憶されており、また、第1の利用者を識別する第1の利用者識別情報と、第2の利用者を識別する第2の利用者識別情報とが対応付けて予め記憶されている。このように、利用者は、通信を行う他の利用者との関係性を設定することができる。
【0021】
まず、発呼者10によって、通信端末100−1に、通信端末100−2を通信先とする宛先情報である電話番号がダイヤルされ入力されると、通信端末100−1が備える認証情報取得部140−1が、自端末の利用者である発呼者10の認証情報(以下、発呼者認証情報)を取得する。通信端末100−1は、宛先情報と発呼者認証情報とを含む通話要求情報を前記認証用サ−バ装置200に送信する。
【0022】
そして、通信端末100−2は、交換機300によって中継および送信される通話要求情報を受信し、着呼者30によって受話器が上げられることにより受信指示情報が入力されると、通信端末100−2が備える認証情報取得部140−2が、自端末の利用者である着呼者30の認証情報(以下、着呼者認証情報)を取得する。通信端末100−2は、着呼者認証情報を前記認証用サ−バ装置200に送信する。
【0023】
そして、認証用サ−バ装置200が、通話要求情報に含まれる発呼者認証情報に対応する発呼者の利用者識別情報と、通信端末100−2から受信する着呼者認証情報に対応する着呼者の利用者識別情報とを、記憶部から読み出す。さらに、読み出した発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とが、予め対応付けて記憶部に記憶されているか否かを判定して対応可否情報を生成する。交換機300は、認証用サーバ装置200によって生成された対応可否情報が可を示す場合に、通信端末100−1から通信端末100−2への通話を中継する。
【0024】
<構成例>
次に、本発明の一実施形態による情報通信システムの構成について詳細に説明する。図2は、本実施形態による通信端末100−1の構成を示すブロック図である。通信端末100−1は、発呼者10によって利用される情報機器であり、例えば、いわゆる固定電話端末や、携帯電話、またはSIP(Session Initiation Protocol)による電話通信機能を備えるPC(Personal Computer)などである。本実施形態の説明では、通信端末100−1は、SIP通信可能なIP(Internet Protocol)電話機である。通信端末100−1は、画面表示部110−1と、入力部120−1と、通信部130−1と、認証情報取得部140−1と、発呼処理部161とを備えている。
【0025】
画面表示部110−1は、例えば、液晶によるディスプレイである。入力部120−1は、利用者から入力される、宛先情報としての電話番号などの情報の入力を受け付ける。入力部120−1は、例えば、電話機である通信端末100−1に備えられる電話番号入力のための番号ボタンや、発呼を開始するための発呼ボタンである。ここで、例えば、番号ボタンにより電話番号が入力されると、通話開始指示情報が入力される。通信部130−1は、認証用サーバ装置200と、交換機300との通信を行う。
【0026】
認証情報取得部140−1は、通信端末100−1を利用する利用者の認証情報を取得する。認証情報取得部140−1は、例えば、声紋認証機器(マイク)や、指紋認証機器や、顔を撮像するためにPCの近傍に設置されるWEBカメラなどにより生体情報を取得する。また、認証情報取得部140−1は、パスワードが入力されるボタンやキーボードなどでも良い。本実施形態においては、認証情報取得部140−1は、WEBカメラであるとして説明する。
【0027】
認証情報取得部140−1は、入力部120−1に宛先情報としての電話番号の入力が開始されると、一定間隔ごとに利用者(発呼者10)の認証情報を取得する。なお、認証情報取得部140−1は、一定間隔ごとに認証情報を取得するのが望ましいが、例えば、認証情報取得部140−1が声紋認証機器や指紋認証機器である場合には、電話番号の一桁目が入力された際に認証情報を取得することとしても良い。発呼処理部161は、利用者からの入力に従って、ネットワーク50に通話要求情報を送信する。
【0028】
図3は、本実施形態による通信端末100−2の構成を示すブロック図である。通信端末100−2は、画面表示部110−2と、入力部120−2と、通信部130−2と、認証情報取得部140−2と、着呼処理部162とを備えている。通信端末100−2の機能部でのうち、通信端末100−1と同様の構成については、説明を省略する。
【0029】
着呼処理部162は、通話要求情報を受信し、利用者によって受信指示情報が入力されると、認証情報取得部140−2が取得する利用者(着呼者30)の認証情報を、ネットワーク50に送信する。ここで、受信指示情報は、利用者が、電話機である通信端末100−1に備えられる受話器を電話機から外す(オフフック)ことにより入力される。
【0030】
認証用サーバ装置200は、交換機300が行う通話処理の認証処理と、認証処理に基づく制御処理を行う。認証用サーバ装置200は、認証処理部210と、認証処理情報記憶部220と、通話制御部230とを備えている。認証処理部210は、通信端末100から受信する認証情報と、予め認証処理情報記憶部220に記憶された認証テンプレート(認証基準情報)に基づいて、認証情報が、予め定められた利用者に対応するものであるか否かを判定する認証処理を行う。
【0031】
認証処理情報記憶部220は、認証処理を行うために必要な情報を記憶する。図5は、認証処理情報記憶部220が記憶する情報のテーブル構成図である。認証処理情報記憶部220は、ユーザ(利用者)情報テーブルと、関係設定情報テーブルと、着呼側情報テーブルと、発呼側情報テーブルと、拒否情報テーブルとを備えている。
【0032】
ユーザ情報テーブルは、ユーザIDに対応付けて、電話番号、サブアドレス、認証テンプレート、利用者特定情報の項目を記憶する。ユーザIDは、認証用サーバ装置200へアクセスするためのユーザアカウントであり、ユーザIDによって利用者は一意に識別される。電話番号は、ユーザIDに対応する電話番号である。サブアドレスは、同一の電話番号を複数のユーザで共有している場合にユーザを識別するための識別情報である。認証処理部210が、通話先の利用者に対応するユーザ情報をユーザ情報テーブルから検出する際、通話の宛先として、電話番号とサブアドレスとが指定されている場合には、電話番号とサブアドレスとの組み合わせによってユーザIDを特定して検出する。
【0033】
また、ユーザIDは、電話番号とサブアドレスとの組み合わせに対して一意に定められる。このようにして、例えば、家族内で同一の電話番号を利用しつつ、家族の構成員のそれぞれが異なるユーザIDをもつことが可能である。本実施形態においては、発呼者10と着呼者30とは、電話番号の異なるユーザIDが対応付けられた利用者である。
【0034】
認証テンプレートは、予め取得された認証情報である。認証テンプレートは、例えば、顔などの画像、指紋、声紋などの生体情報である。本実施形態では、認証テンプレートは顔の画像情報であり、認証処理部210によって、通信端末100から送信される認証情報としての顔画像と比較され、同一人物であるか否かが判定される。
【0035】
利用者特定情報は、利用者が、通信時に互いに相手を特定するための情報である。利用者特定情報は、例えば、ニックネームや、本人の写真などの画像情報であり、通話時に相手側の通信端末100−2に表示されることで、相手側は、それを見て通信相手を特定できる。利用者特定情報は、利用者を識別可能なアイコン(アバター)としての機能をもつ情報であれば、本人の画像でなくとも良く、例えば風景写真やペットの写真などでも良い。
【0036】
関係設定情報テーブルは、ユーザIDに対応付けて、相手ユーザID、プレゼンス情報提供可否、利用者特定情報添付可否、他者着呼時アクションを示す情報を記憶する。ユーザIDは、上述のユーザIDである。相手ユーザIDは、他の利用者のユーザIDである。プレゼンス情報提供可否は、相手ユーザIDを発呼元とする通話要求情報を受信したときに、発呼側に自分のプレゼンス情報を提供するか否かを示す設定値である。プレゼンス情報提供可否の項目には、提供するか、提供しないかのいずれかを示す情報が記憶される。
【0037】
利用者特定情報添付可否は、相手ユーザIDを通信先とする通話時に、通信先に自分の利用者特定情報を送付するか否かを示す設定値である。利用者特定情報添付可否の項目には、添付するか、添付しないかのいずれかを示す情報が記憶される。他者着呼時アクションは、着呼時に、発呼者が取得する着呼者認証情報に対応するユーザIDが、相手ユーザIDと異なるときに、着呼側に対して行うアクションを示す情報である。他者着呼時アクションには、「保留音」、「切断」、「通話」などを示す情報が記憶される。「保留音」は、着呼側に保留音を流すことを示す。「切断」は、通信を切断することを示す。「通話」は、通話状態とすることを示す。
【0038】
着呼側情報テーブルは、ユーザIDに対応付けて、不在時動作設定、転送先電話番号を示す情報を記憶する。不在時動作設定は、発呼者に対応するユーザIDに対応するプレゼンス情報が「不在」を示す情報であるときで、他の通信端末100から着呼があったときに、発呼側の通信端末100へのアクションを示す設定値である。不在時動作設定は、「ガイダンス接続」、「BT」(Busy Tone)、「メッセージ登録サービス」、「転送」などを示す情報を記憶する。
【0039】
「ガイダンス接続」は、接続先をネットワーク500に転送し、予め定められたガイダンスメッセージを、IVRサーバ装置500から送信するアクションを示す。「BT」は、話中音を着呼側に送信することを示す。「メッセージ登録サービス」は、いわゆる留守番電話機能のような、着呼側からのメッセージを録音するサービスへ接続を転送するアクションを示す。「転送」は、予め定められた電話番号へ、接続を転送することを示す。
【0040】
発呼側情報テーブルは、ユーザIDに対応付けて、「発呼者番号通知」の項目を記憶する。「発呼者番号通知」には、発呼者の電話番号を、着呼側に通知するか否かを示す情報が記憶される。「発呼者番号通知」には、例えば、「あり」、「なし」を示す情報が記憶される。
【0041】
拒否情報テーブルは、ユーザIDに対応付けて、拒否電話番号、拒否ユーザID、拒否動作時設定の項目を記憶する。拒否電話番号には、その電話番号から着呼した場合に、その着呼を拒否することを示す電話番号を記憶する。拒否ユーザIDは、そのユーザIDから着呼した場合に、その着呼を拒否することを示す電話番号を記憶する。拒否時動作設定は、拒否することを設定した電話番号またはユーザIDから着呼した場合の発呼側へのアクションを示す情報を記憶する。拒否時動作設定は、「拒否メッセージ」、「BT」などの情報を記憶が記憶される。「拒否メッセージ」は、予め定められたメッセージを発呼側へ送信することを示す。「BT」は、話中音を発呼側に送信することを示す。
【0042】
このように、利用者は、拒否情報テーブルによって、電話番号単位にも、利用者単位にも、着呼拒否の設定を行うことができる。すなわち、利用者は、利用者単位に設定した拒否情報によれば、着呼を拒否したい発呼者が、いずれの通信端末(電話番号)から発呼しているかに関わらず、着呼を拒否する設定を記憶させることができる。
通話制御部230は、認証処理情報記憶部220に記憶された着呼側情報、発呼側情報、拒否情報などの情報に基づいて、着呼側と発呼側の通信を制御する。
【0043】
交換機300は、複数の通信端末100の間の通信、通話を中継する。本実施形態において、交換機300は、SIPによる通信を中継するいわゆるクラス5スイッチである。プレゼンスサーバ装置400は、ユーザIDに対応付けて、利用者の状況をリアルタイムに記憶する。利用者の状況には、「不在」、「打ち合わせ」、「在宅」などがある。IVRサーバ装置500は、不在時などに通話の転送を受付け、予め定められたメッセージを送信する音声自動応答装置である。
【0044】
<動作例>
次に、本発明による情報通信システムが、通信端末100−1から通信端末100−2への通話要求を認証して通話を中継する動作例を説明する。
認証用サーバ装置200の認証処理情報記憶部220の各テーブルには、本システムを利用する各利用者(発呼者10、着呼者30)の情報が予め記憶されている。本実施形態においては、着呼者30のユーザ情報には、発呼者10とは電話番号もニックネームも異なるユーザIDが対応付けられた利用者であることを示すユーザ情報がユーザ情報テーブルに記憶される。また、関係設定情報テーブルには、発呼者10のユーザIDに対応する関係設定情報として、着呼者30に対応するユーザIDが相手ユーザIDとして記憶されており、着呼者30のユーザIDに対応する関係設定情報として、発呼者10に対応するユーザIDが相手ユーザIDとして記憶されている。
【0045】
ここで、認証用サーバ装置200は、ネットワーク50を介して、認証処理情報記憶部220に情報を記憶させるためのWEBアプリケーションを公開し、各利用者はPCや携帯電話等を用いて、そのWEBアプリケーションにアクセスし、情報登録できるようにしても良い。
【0046】
図6は、通信端末100−1から送信される通話要求に対応して、交換機300が通信端末100−2に対してRBT(リングバックトーン)を送信するまでの処理を示すシーケンス図である。
発呼者10によって通信端末100−1の入力部120−1である番号ボタンが押下され、ダイヤル入力が開始される(ステップS1)と、認証情報取得部140であるWEBカメラは、この時点での利用者である発呼者10の撮像を開始する(ステップS2)。認証情報取得部140−1は、予め定められた時間間隔(例えば、1分)で、利用者の撮像情報を記憶しておく。なお、認証情報取得部140−1であるWEBカメラは、撮像している人物(通信端末100−1の利用者)が替わったことを認識した時にも、利用者の撮像情報を記憶することとしても良い。また、ここで、発呼者10は、着呼者30の電話番号とともにサブアドレスを入力しても良い。
【0047】
そして、発呼者10からのダイヤル入力に従って、電話番号の入力が完了し、発呼ボタンが押下されて発呼指示情報が入力される(ステップS3)と、認証情報取得部140−1は、利用者の撮像情報を取得する。そして、発呼処理部161は、入力部120−1に入力された電話番号を宛先として、認証情報取得部140−1が取得した撮像情報である認証情報を含む通話要求情報を送信する。ここで、通話要求情報に含まれる認証情報は、ステップS1でダイヤル入力が開始されてから、ステップS3でのダイヤル入力終了時までに認証情報取得部140−1が取得した全ての認証情報である。このように、複数の認証情報を送信することで、ダイヤル中に利用者が替わっている場合でも、ダイヤル入力を行った複数の利用者の認証を行うことが可能である。
【0048】
交換機300が、通信端末100−1から送信される通話要求情報を受信すると、交換機300は、認証用サーバ装置200に認証要求情報を送信する(ステップS6)。認証用サーバ装置200の認証処理部210は、認証要求情報を受け付けると、認証処理情報記憶部220から、受信した認証要求情報に含まれる発呼者10の電話番号に対応するユーザID、認証テンプレート、利用者特定情報を読み出す(ステップS7、ステップS8)。
【0049】
そして、認証処理部210は、認証要求情報に含まれる認証情報と、ステップS8で読み出した認証テンプレートとを比較して、一致すれば認証成功と、一致しなければ認証失敗と判定する認証処理を行う(ステップS9)。認証処理部210が、認証失敗と判定する(ステップS9;失敗)と、認証用サーバ装置200は、従来と同様の呼び出しを行う命令情報を交換機300に送信する(ステップS28)。交換機300は、従来と同様に、利用者特定情報の付加しない呼び出し情報を通信端末100−2に送信する(ステップS29)。
【0050】
一方、ステップS9で、認証処理部210が認証成功と判定すれば、認証処理部210は、認証処理情報記憶部220から、通話の宛先である電話番号に対応するユーザIDをユーザ情報テーブルから読み出し、読み出したユーザIDに対応する拒否情報を、拒否情報テーブルから読み出す。ここで、通話の宛先としてサブアドレスが指定されている場合には、そのサブアドレスに対応付けられたユーザIDに対応する拒否情報を読み出すこととする。(ステップS10)。そして、ここで読み出した拒否情報の拒否電話番号または拒否ユーザIDに、発呼者10の電話番号またはユーザIDが含まれていれば、認証処理部210は、着呼拒否と判定して(ステップS10:一致)、通信端末100−1に拒否通知を行う(ステップS11)。ここで、拒否通知として、拒否メッセージを送信するか、BTを送信するかは、予め認証処理情報記憶部220に記憶された拒否時動作設定の設定値に従う。
【0051】
一方、ステップS10で、認証処理部210が、拒否情報の拒否電話番号または拒否ユーザIDに、発呼者10のユーザIDが含まれてないと判定すれば(ステップS10:不一致)、認証用サーバ装置200は、認証処理情報記憶部220から、着呼者30の関係設定情報を取得し、発呼者10に対するプレゼンス情報提供可否が可になっていれば、プレゼンスサーバ装置400から、着呼者30のユーザIDに対応するプレゼンス情報を読み出す(ステップS12)。認証処理部210は、ステップS12で読み出したプレゼンス情報が、不在を示すと判定すると、交換機300に、IVRサーバ装置500に通信を転送する命令を送信する(ステップS14)。そして、交換機300は、通信端末100−1からの通話要求をIVRサーバ装置500に転送する(ステップS15)。IVRサーバ装置500は、通信端末100−1に不在時ガイダンスメッセージを送信する。
【0052】
また、ステップS13で、認証処理部210が、プレゼンス情報が在宅を示すと判定すると、ステップS8で取得した、着呼者30に対応する利用者特定情報を含む呼び出し命令情報を、交換機300に送信する(ステップS16)。そして、交換機300は、利用者特定情報を含む呼び出し情報(RBT)を、通信端末100−2に送信する(ステップS17)。そして、通信端末100−2は、受信した利用者特定情報を、画面表示部110−2に表示させる。ここで、着呼者30は、画面表示部110−2に表示される利用者特定情報である発呼者10の画像情報をみることで、発呼者10が誰であるかを特定することができる。
【0053】
図7は、交換機300から、利用者特定情報を含む呼び出し命令が通信端末100−2に送信され、通信端末100−1と通信端末100−2との通話が確立するまでの処理を示すシーケンス図である。
上述のステップS17で、利用者特定情報を含む呼び出し命令が通信端末100−2に送信され、着呼者30が通信端末100−2の受話器をとって、入力部120−2に受信指示情報が入力されると、認証情報取得部140−2は、通信端末100−2の利用者である着呼者30の認証情報を取得する(ステップS18)。そして、通信端末100−2の着呼処理部162は、認証用サーバ装置200に対して、通信端末100−2に予め記憶された自端末の電話番号情報と、ステップS18で取得した認証情報とを含む認証要求情報を送信する(ステップS20)。
【0054】
認証用サーバ装置200の認証処理部210は、認証要求情報を受け付けると、認証処理情報記憶部220から、受信した認証要求情報に含まれる電話番号に対応するユーザIDと、認証テンプレートを読み出す(ステップS21、ステップS22)。そして、認証処理部210は、ステップS20で通信端末100−2から送信された認証要求情報に含まれる認証情報と、ステップS22で読み出した認証テンプレートとを比較して、一致すれば認証成功と、一致しなければ認証失敗と判定する認証処理を行う。さらに、認証処理情報記憶部220の関係設定情報に、発呼者10のユーザIDと、着呼者30のユーザIDとが対応付けられている情報が存在するか否かを判定する(ステップS23)。
【0055】
ステップS23で、認証処理部210が、関係設定情報が存在しないと判定すると、認証処理部210は、通信端末100−1に、保留処理か、切断処理かのいずれかの処理を行い(ステップS24)、かつ、通信端末100−2に対して、例えば、「発呼者は、異なる着呼者を希望しています。」などのメッセージを送信し(ステップS25)、通信端末100−2の画面表示部110−2は、受信したメッセージを画面に表示する。
【0056】
また、ステップS23で、認証処理部210が、関係設定情報が存在しないと判定すると、認証処理部210は、交換機300に、通話接続命令情報を送信する(ステップS26)。そして、交換機300は、通信端末100−1と通信端末100−2との通話を接続する(ステップS27)。ここで、交換機300は、着呼者30の利用者特定情報を、通信端末100−1に送信する。そして、通信端末100−1は、受信する着呼者30の利用者特定情報を、画面表示部110−1に表示させる。発呼者10は、画面表示部110−1に表示される利用者特定情報である着呼者30の画像情報をみることで、着呼者30が誰であるかを特定することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、通信端末100−1と通信端末100−2とを区別して説明したが、各通信端末は、通信端末100−1と通信端末100−2とのそれぞれの機能を備える通信端末であって良い。
なお、通信端末100を利用する利用者は、それぞれ複数人で良く、また、本実施形態では、通信端末100−1を利用するのは発呼者10を例に挙げて説明したが、例えばダイヤルを行う利用者と発呼する利用者とは異なる人物でも良い。この場合、発呼処理部161は、ダイヤル者と発呼者との双方の認証情報を送信する。
【0058】
なお、例えば、関係設定情報に、ユーザAに対応付けて、電話番号が同一でありサブアドレスが異なるユーザBとユーザCとの双方が記憶されている場合、ステップS5にて、ユーザAがユーザCに電話をかけようとし、ステップS19でユーザCが受話器をとった場合にも、対応関係設定が存在しており認証は成功する。このため、ステップS23では、一致の方向にすすみ、通話接続が確立する。このような場合、ユーザAは、ユーザCとのみ通話したい場合は、認証用サーバ装置200に記憶されている関係設定情報を予め更新して記憶させておくことで、ユーザCが受話器をとったときのみ通話ができるようにすることができる。または、ユーザAは、サブアドレスを指定して電話端末100−1が発呼することによって、ユーザCとのみの通話を要求することができる。
【0059】
例えば、図8は、このような場合のユーザ情報テーブルのデータ例を示す図である。ユーザIDを「AAAA」とするユーザAと、ユーザIDを「BBBB」とするユーザBと、ユーザIDを「CCCC」とするユーザCとが記憶されている。図8に示すように、ユーザBとユーザCとの電話番号は同一である。図9は、関係設定情報のデータ例を示す図である。ユーザBとユーザCとは、ともに、ユーザAからの通話接続を許可するように設定されている。
【0060】
図10は、このような場合に、ユーザAがユーザCに通話要求するフローチャートを示す。ユーザAは、ユーザCのサブアドレス(02)を含む「00X−222−9999−02」を電話端末100−1にダイヤルし(ステップS1−1)、発呼させる(ステップS5−1)。そして、着呼側の利用者が電話端末100−2をオフフックする(ステップS19−1)と、認証用サーバ装置200は、着呼者の認証を行い(ステップS23−1)、着呼者がユーザCであれば、通話接続する(ステップS26−1)。一方、認証用サーバ装置200は、着呼者がユーザBであれば、通話接続しない(ステップS24−1)。
【0061】
このように、本発明によれば、単一電話番号を複数人で共有する場合などに、通信端末100−1の利用者の本人認証を行うことから、着呼者30は通信端末100−1を利用する利用者の状況判断が可能となり、認証用サーバ装置200からの認証結果を利用者に通知することにより、通信の品質や安全性を向上させることができる。また、着呼者30は、発呼者10の認証状況に応じて、その発呼を受信するか否かを設定することができる。また、ネットワークとして、認証の失敗した通話要求を一律に拒否または許可するような運用ポリシーを設定するような運用方法も可能である。
【0062】
また、着呼者30は発呼者10である利用者を特定できることから、従来のような電話番号による特定だけでなく、同一電話番号に紐付いた複数の利用者の中の実際の発呼者10を特定することができる。
また、着呼拒否情報やプレゼンス情報などにより認証用サーバ装置200が通話を制御することから、着呼拒否の場合や相手側が不在の場合に、呼を実際に着呼側へ流通させないことが可能であり、ネットワークリソースの有効活用の促進を行えるものである。
【0063】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより認証処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0064】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態による情報通信システムの概要を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による通信端末の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による通信端末の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による認証用サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態により認証処理情報記憶部に記憶される情報の構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による情報通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の一実施形態による情報通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の一実施形態によるユーザ情報テーブルのデータ例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による関係設定情報のデータ例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による通話要求の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
10 発呼者
30 着呼者
50 ネットワーク
100−1 通信端末
100−2 通信端末
110−1 画面表示部
110−2 画面表示部
120−1 入力部
120−2 入力部
130−1 通信部
130−2 通信部
140−1 認証情報取得部
140−2 認証情報取得部
161 発呼処理部
162 着呼処理部
200 認証用サーバ装置
210 認証処理部
220 認証処理情報記憶部
230 通話制御部
300 交換機
400 プレゼンスサーバ装置
500 IVRサーバ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに通信して通話する機能を有する複数の通信端末と、前記通信端末同士の通信を中継する中継装置とを備えた情報通信システムであって、
通信元の通信端末は、
通信先の通信端末を指定する宛先情報が入力されると、自端末の利用者である発呼者の認証情報を取得し、前記発呼者の認証情報を含む通話要求情報を前記中継装置に送信する発呼処理手段を備え、
前記通信先の通信端末は、
前記中継装置によって中継および送信される前記通話要求情報を受信し、利用者によって受信指示情報が入力されると、自端末の利用者である着呼者の認証情報を取得し、前記中継装置に送信する着呼処理手段を備え、
前記中継装置は、
前記利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、当該利用者の認証情報と比較して認証するための認証基準情報を記憶する利用者情報記憶手段と、
入力される認証情報に対応する認証基準情報に対応付けられた利用者識別情報を、前記利用者情報記憶手段から読み出して出力する利用者認証手段と、
第1の利用者を識別する第1の利用者識別情報と、第2の利用者を識別する第2の利用者識別情報とを対応付けて記憶する利用者関係記憶手段と、
前記通話要求情報に含まれる発呼者の認証情報と、前記通信先の通信端末から受信する着呼者の認証情報とを、それぞれ前記利用者認証手段に入力し、前記利用者認証手段からそれぞれに対応して出力される発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とを受け付け、受け付けた発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とが、前記利用者関係記憶手段に、対応付けて記憶されているか否かを判定して対応可否情報を生成する対応関係判定手段と、
前記対応関係判定手段が生成する対応可否情報が可を示す場合に、前記通信元の通信端末から前記通信先の通信端末への通話を中継する通話制御手段と、を備える
ことを特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
前記発呼処理手段が送信する前記発呼者の認証情報は、前記宛先情報が入力された際の自端末の利用者の認証情報と、前記通話要求情報を送信する際の自端末の利用者の認証情報とを含むこと
を特徴とする請求項1に記載の情報通信システム。
【請求項3】
前記中継装置の、
前記利用者情報記憶手段は、利用者識別情報に対応付けて、利用者を特定可能な文字列情報または画像情報である利用者特定情報をさらに記憶し、
前記利用者認証手段は、前記利用者識別情報に対応付けられた利用者特定情報を読み出して出力し、
前記通話制御手段は、発呼者の利用者特定情報を通信先の通信端末に送信し、一方、着呼者の利用者特定情報を通信元の通信端末に送信し、
前記通信端末は、
前記通話制御手段から送信される利用者特定情報を表示する画面表示部を備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の情報通信システム。
【請求項4】
前記中継装置は、
前記着呼者の利用者識別情報に対応付けて、着呼を拒否する発呼者の利用者識別情報を記憶する拒否情報記憶手段と、
前記着呼者の利用者識別情報に対応付けて、前記発呼者の利用者識別情報が、前記拒否情報記憶手段に記憶されていることを検出すると、前記通信元の通信端末に、着呼拒否情報を送信する着呼拒否処理手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報通信システム。
【請求項5】
前記情報通信システムは、各利用者の利用者識別情報に対応付けて状態情報を記憶するプレゼンスサーバ装置を備え、
前記中継装置は、
前記着呼者の利用者識別情報に対応する状態情報を、前記プレゼンスサーバ装置から取得する状態情報取得手段と、を備え、
前記通話制御手段は、前記状態情報取得手段が取得した前記状態情報に基づいて、通話の中継を制御すること
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報通信システム。
【請求項6】
前記通話制御手段は、前記対応関係判定手段が生成する対応可否情報が、否を示す場合に、前記通信元の通信端末への保留処理、または切断処理、または予め定められたメッセージ等の送信処理のいずれかの処理を行い、一方、前記通信先の通信端末には、予め定められたメッセージ等の送信処理を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報通信システム。
【請求項7】
互いに通信して通話する機能を有する複数の通信端末同士の通信を中継する中継装置であって、
通信端末の利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、当該利用者を認証するための認証基準情報を記憶する利用者情報記憶手段と、
入力される認証情報に対応する認証基準情報に対応付けられた利用者識別情報を、前記利用者情報記憶手段から読み出して出力する利用者認証手段と、
第1の利用者を識別する第1の利用者識別情報と、第2の利用者を識別する第2の利用者識別情報とを対応付けて記憶する利用者関係記憶手段と、
通信元の前記通信端末から受信する通話要求情報に含まれる発呼者の認証情報と、通信先の前記通信端末から受信する着呼者の認証情報とを、それぞれ前記利用者認証手段に入力し、前記利用者認証手段からそれぞれに対応して出力される発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とを受け付け、受け付けた発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とが、利用者関係記憶手段に、対応付けて記憶されているか否かを判定して対応可否情報を生成する対応関係判定手段と、
前記対応関係判定手段が生成する対応可否情報が可を示す場合に、前記通信元の通信端末から前記通信先の通信端末への通話を中継する通話制御手段と、を備える
ことを特徴とする中継装置。
【請求項8】
互いに通信して通話する機能を有する複数の通信端末同士の通信を中継し、利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて当該利用者を認証するための認証情報を予め記憶する利用者情報記憶手段、および第1の利用者を識別する第1の利用者識別情報と第2の利用者を識別する第2の利用者識別情報とを対応付けて予め記憶する利用者関係記憶手段を備えた中継装置としてのコンピュータに、
利用者認証手段が、通信元の前記通信端末から受信する通話要求情報に含まれる発呼者の認証情報に対応する発呼者の利用者識別情報を、前記利用者情報記憶手段から読み出して出力するステップと、
前記利用者認証手段が、前記送信先の通信端末から受信する着呼者の認証情報に対応する着呼者の利用者識別情報を、前記利用者情報記憶手段から読み出して出力するステップと、
対応関係判定手段が、出力された前記発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とが、前記利用者関係記憶手段に、対応付けて記憶されているか否かを判定して対応可否情報を生成するステップと、
通話制御手段が、前記対応関係判定手段が生成する対応可否情報が可を示す場合に、前記通信元の通信端末から前記通信先の通信端末への通話を中継するステップと、
を実行させるための中継プログラム。
【請求項9】
互いに通信して通話する機能を有する複数の通信端末と、前記通信端末同士の通信を中継し、利用者を識別する利用者識別情報に対応付けて、当該利用者を認証するための認証情報を予め記憶する利用者情報記憶手段、および第1の利用者を識別する第1の利用者識別情報と第2の利用者を識別する第2の利用者識別情報とを対応付けて予め記憶する利用者関係記憶手段を備えた中継装置と、を利用する情報通信方法であって、
通信元の通信端末の、
発呼処理手段が、通信先の通信端末を指定する宛先情報が入力されると、前記宛先情報が入力された際の自端末の利用者の認証情報と、通話要求情報を送信する際の自端末の利用者である利用者の認証情報とを含む発呼者の認証情報を取得し、前記発呼者の認証情報を含む通話要求情報を前記中継装置に送信するステップと、
前記通信先の通信端末の、
着呼処理手段が、前記中継装置によって中継および送信される前記通話要求情報を受信し、受信指示情報が入力されると、自端末の利用者である着呼者の認証情報を取得し、前記中継装置に送信するステップと、
前記中継装置の、
利用者認証手段が、前記通話要求情報に含まれる発呼者の認証情報に対応する発呼者の利用者識別情報を、前記利用者情報記憶手段から読み出して出力するステップと、
前記利用者認証手段が、前記送信先の通信端末から受信する着呼者の認証情報に対応する着呼者の利用者識別情報を、前記利用者情報記憶手段から読み出して出力するステップと、
対応関係判定手段が、出力された前記発呼者の利用者識別情報と着呼者の利用者識別情報とが、前記利用者関係記憶手段に、対応付けて記憶されているか否かを判定して対応可否情報を生成するステップと、
通話制御手段が、前記対応関係判定手段が生成する対応可否情報が可を示す場合に、前記通信元の通信端末から前記通信先の通信端末への通話を中継するステップと、
を備えることを特徴とする情報通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−77132(P2009−77132A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243862(P2007−243862)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【Fターム(参考)】