説明

情報閲覧システム及び画像形成装置並びに情報閲覧装置

【課題】所定の媒体への出力が停止した場合であっても迅速にデータを出力する。
【解決手段】
表示部を備える1以上の情報閲覧装置を挿抜可能に保持する保持装置を取り付け可能な画像形成装置において、データの出力に際して、前記画像形成装置内の印刷媒体への書き込みと前記情報閲覧装置への書き込みとが選択可能であり、前記データの前記印刷媒体への書き込み開始時若しくは書き込み中に、前記印刷媒体への書き込みが不可能になった場合、前記情報閲覧装置への書き込みが可能な場合は、前記印刷媒体から前記情報閲覧装置に切り替えて書き込みを実施し、前記データの前記情報閲覧装置への書き込み開始時若しくは書き込み中に、前記情報閲覧装置への書き込みが不可能となった場合、前記印刷媒体への書き込みが可能な場合は、前記情報閲覧装置から前記印刷媒体に切り替えて書き込みを実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の媒体で情報の閲覧が可能な情報閲覧システム及び画像形成装置並びに情報閲覧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタやデジタル複合機などの印刷装置(以下、画像形成装置と呼ぶ。)が普及しており、会社などで広く利用されている。画像形成装置では、クライアントのコンピュータ装置からジョブが送信されると、通常は直ちに用紙に印刷して出力するが、紙詰まりや用紙切れ、トナーインク切れ、ジョブ待ち、キャリブレーション待ち等の問題が発生した場合には、その問題が解消するまでジョブを実行することができないため、ユーザは装置で待たされることになる。
【0003】
この問題に対して、下記特許文献1には、トナーなし(中断要因発生)と判断された場合には実行中のジョブを他のプリンタにリカバリさせるかどうかを判断し、操作者がリカバリするプリンタを選択すると、今まで実行されていたジョブのデータを指定されたプリンタに転送して指定されたプリンタで実行させ、その間にトナーを補充する等の復旧処理を行う方法が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、画像形成装置がキャリブレーション中であることを示す情報を記憶し、キャリブレーション中である画像形成装置に割り当てられたジョブを、他の画像形成装置に割り当てる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−64662号公報
【特許文献2】特開2002−187331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、画像処理停止時に他の装置で処理を代用する技術であり、特許文献2は、キャリブレーション中に他の装置で処理を代用する技術であるが、これらの技術では、少なくとも2台の画像形成装置が必要となり、新たに画像形成装置を導入すると大幅なコストアップを招いてしまう。
【0007】
また、これらの技術では、ユーザは出力先の画像形成装置がどれかを認識し、その画像形成装置まで印刷物を取りに行かなければならないため、離れた場所に設置された画像形成装置(例えば、他の部署やフロアに設置された画像形成装置)から出力される場合には、時間のロスが生じてしまう。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、所定の媒体への出力が停止した場合であっても、迅速にデータを出力することができる情報閲覧システム及び画像形成装置並びに情報閲覧装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、表示部を備える1以上の情報閲覧装置と、前記1以上の情報閲覧装置を挿抜可能に保持する保持装置と、前記保持装置を取り付け可能な画像形成装置と、前記画像形成装置に出力を指示するコンピュータ装置と、が通信可能に接続され、データの出力に際して、前記画像形成装置内の印刷媒体への書き込みと前記情報閲覧装置への書き込みとが選択可能な情報閲覧システムにおいて、前記画像形成装置は、前記データの前記印刷媒体への書き込み開始時若しくは書き込み中に、前記印刷媒体への書き込みが不可能になった場合、前記情報閲覧装置への書き込みが可能な場合は、書き込み先の媒体を前記印刷媒体から前記情報閲覧装置に切り替えて書き込みを実施し、前記データの前記情報閲覧装置への書き込み開始時若しくは書き込み中に、前記情報閲覧装置への書き込みが不可能となった場合、前記印刷媒体への書き込みが可能な場合は、書き込み先の媒体を前記情報閲覧装置から前記印刷媒体に切り替えて書き込みを実施するものである。
【0010】
また、本発明は、表示部を備える1以上の情報閲覧装置を挿抜可能に保持する保持装置を取り付け可能な画像形成装置において、データの出力に際して、前記画像形成装置内の印刷媒体への書き込みと前記情報閲覧装置への書き込みとが選択可能であり、前記データの前記印刷媒体への書き込み開始時若しくは書き込み中に、前記印刷媒体への書き込みが不可能になった場合、前記情報閲覧装置への書き込みが可能な場合は、書き込み先の媒体を前記印刷媒体から前記情報閲覧装置に切り替えて書き込みを実施し、前記データの前記情報閲覧装置への書き込み開始時若しくは書き込み中に、前記情報閲覧装置への書き込みが不可能となった場合、前記印刷媒体への書き込みが可能な場合は、書き込み先の媒体を前記情報閲覧装置から前記印刷媒体に切り替えて書き込みを実施するものである。
【0011】
また、本発明は、表示部を備え、画像形成装置に取り付けられた保持装置に挿抜可能に保持される情報閲覧装置であって、前記画像形成装置により、データの書き込み先の媒体が前記画像形成装置内の印刷媒体から自装置に切り替えられた場合、前記データの出力条件を自装置に応じて変更して前記表示部に表示するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の情報閲覧システム及び画像形成装置並びに情報閲覧装置によれば、所定の媒体への出力が停止した場合であっても、迅速にデータを出力することができる。
【0013】
その理由は、情報閲覧装置を挿抜可能に保持する保持装置が接続された画像形成装置において、データを出力する際に、印刷媒体に書き込むか情報閲覧装置に書き込むかが選択可能にし、印刷媒体への書き込み開始時若しくは書き込み中に、画像形成装置の状態が印刷媒体への書き込みが不可能となった場合、情報閲覧装置への書き込みが可能な場合は、書き込み先の媒体を印刷媒体から情報閲覧装置に切り替えて書き込みを実施するからである。
【0014】
また、情報閲覧装置への書き込み開始時若しくは書き込み中に、画像形成装置の状態が情報閲覧装置への書き込みが不可能となった場合、印刷媒体への書き込みが可能な場合は、書き込み先の媒体を情報閲覧装置から印刷媒体に切り替えて書き込みを実施するからである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例に係る情報閲覧システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置及び保持装置を画像形成装置に設置した例を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置及び保持装置を画像形成装置に設置した他の例を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に係る情報閲覧装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施例に係る保持装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施例に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施例に係るコンピュータ装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施例に係る情報閲覧システムの動作(書き込み媒体の切替動作を常に実施する場合)を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の一実施例に係る情報閲覧システムの動作(書き込み媒体の切替動作を設定に従って実施する場合)を示すフローチャート図である。
【図10】保持装置に複数の情報閲覧装置を装着した状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の一実施例に係るコンピュータ装置に表示される画面(プリントプロパティ画面)の一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施例に係る画像形成装置に表示される画面(通知画面及び書き込み媒体切替設定画面)の一例を示す図である。
【図13】書き込み媒体の切替判断に際して参照するテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
背景技術で示したように、画像形成装置では、紙詰まりや用紙切れ、トナーインク切れ、ジョブ待ち、キャリブレーション待ち等の問題によって印刷媒体への書き込みが停止してしまう場合があり、この場合、ユーザは問題が解決するまで出力を待たなければならない。そこで、画像形成装置を複数台設け、ある画像形成装置での出力に問題が生じた場合に、他の画像形成装置に出力させる方法が提案されているが、この方法ではシステムのコストアップを招いてしまうと共に、ユーザは出力先の画像形成装置を認識し、その画像形成装置まで取りに行かなければならず、時間のロスが生じる。
【0017】
一方、近年、電子ペーパー等の携帯可能な情報閲覧装置が普及しており、この情報閲覧装置を印刷媒体の代わりに利用することが可能である。
【0018】
そこで、本発明の一実施の形態では、情報閲覧装置を挿抜可能に保持する保持装置が接続された画像形成装置を含むシステムにおいて、データを出力する際に、印刷媒体に書き込むか、情報閲覧装置に書き込むかを選択可能にし、印刷媒体(情報閲覧装置)への書き込み開始時若しくは書き込み中に、画像形成装置の状態が印刷媒体(情報閲覧装置)への書き込みが不可能となった場合、情報閲覧装置(印刷媒体)への書き込みが可能な場合は、書き込み先の媒体を印刷媒体(情報閲覧装置)から情報閲覧装置(印刷媒体)に切り替えて書き込みを実施する。
【0019】
このように、実行しようとして停止しているジョブの書き込み媒体を、書き込み可能な他の種類の媒体に切り替えることで、ユーザはデータが出力されるまで待たされることがなくなり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【実施例】
【0020】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る情報閲覧システム及び画像形成装置並びに情報閲覧装置について、図1乃至図13を参照して説明する。図1は、本実施例の情報閲覧システムの構成を模式的に示す図であり、図2及び図3は、情報閲覧装置及び保持装置を画像形成装置に設置した例を示す斜視図、図4乃至図7は、各々、情報閲覧装置、保持装置、画像形成装置、コンピュータ装置の構成を示すブロック図である。また、図8及び図9は、本実施例の情報閲覧システムの動作を示すフローチャート図であり、図10は、保持装置に複数の情報閲覧装置が装着された状態を示す斜視図である。また、図11は、コンピュータ装置に表示されるプリントプロパティ画面の一例を示す図、図12は、画像形成装置に表示される通知画面(出力媒体切替設定画面)の一例を示す図であり、図13は、書き込み媒体の切替判断の際に参照するテーブルの一例を示す図である。
【0021】
図1に示すように、本実施例の情報閲覧システム10は、ジョブを送信するクライアントのコンピュータ装置50と、コンピュータ装置50から受信したジョブを処理(印刷又は転送)する画像形成装置40(MFP:Multi Function Peripheral)と、その画像形成装置40に装着される保持装置30(DOCK)と、その保持装置30に挿抜可能に保持される情報閲覧装置20と、により構成される。
【0022】
図2及び図3は、情報閲覧装置20を保持する保持装置30を画像形成装置40に装着した例であり、画像形成装置40の所定の位置に保持装置30が装着され、その保持装置30に情報閲覧装置20が挿入される。以下、各装置について詳細に説明する。
【0023】
[情報閲覧装置]
情報閲覧装置20は、電子ペーパーや電子ブック、薄型のコンピュータ装置などの表示デバイスを備えた装置であり、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、メモリ22、表示部(電子ペーパー)23、表示コントローラ24、操作部(タッチパネル)25、通信部26、電池27、装着検出部28、データ処理部29などを備える。
【0024】
CPU21は、メモリ22から読み出した各種プログラムを実行し、各部の動作を制御する。メモリ22は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などで構成され、CPU21で動作する各種プログラムや情報閲覧装置20の動作を制御するための設定情報、保持装置30から転送されたデータ(若しくは、データ処理部29で処理したデータ)、ユーザの識別情報などを記憶する。そして、CPU21とメモリ22とで制御部が構成される。
【0025】
表示部23は、透明な液体の中で浮動する微粒子を電界負荷によって移動させて表示を行う電子ペーパー(EPD:Electrophoretic Display)や液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(electroluminescence)表示装置等からなり、表示コントローラ24の指示に従って、保持装置30から転送されたデータ(若しくは、データ処理部29で処理したデータ)などを表示する。
【0026】
操作部25は、ボタンやスイッチ、表示部23上に透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネルなどである。タッチパネルでは、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号としてCPU21に出力する。
【0027】
通信部26は、保持装置30と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、保持装置30との通信を確立する。
【0028】
電池27は、保持装置30の情報閲覧装置充電部34から供給される電力によって充電され、情報閲覧装置20の各部を駆動するための電力を供給する。
【0029】
装着検出部28は、保持装置30からの情報閲覧装置20の挿抜を検出する。検出の方法は特に限定されず、例えば、電池27と保持装置30の情報閲覧装置充電部34とが接続されたか否かで装着を検出したり、情報閲覧装置20に設けた電極と保持装置30に設けた電極とが電気的に接続されたか否かで装着を検出したり、情報閲覧装置20の底部に自重によってON/OFFする電気接点を設け、この電気接点のON/OFFによって装着を検出したりすることができる。
【0030】
データ処理部29は、必要に応じて、保持装置30を介して画像形成装置40から取得したデータを表示に適したデータに変換する処理を行う。例えば、印刷媒体に書き込む際の用紙サイズや解像度、カラーモードと、表示部23の画面サイズや解像度、カラーモードとが一致しない場合は、表示部23に合わせてデータのサイズを拡大/縮小したり、解像度を高く/低くしたり、カラーモードをカラー/モノクロに変更したりする。また、資源節約のために、ページを割り付けて印刷したり(例えば、4in1や2in1)、両面に印刷したりする場合、情報閲覧装置20ではページ毎に表示しても問題はないため、ページ毎のデータに変換する。上記データ処理は画像形成装置40やコンピュータ装置50、保持装置30で行ってもよく、処理後のデータが転送される場合は、情報閲覧装置20のデータ処理部29は省略することができる。
【0031】
なお、図4では、表示コントローラ24や装着検出部28、データ処理部29をハードウェアとして構成しているが、これらは、制御部(CPU21)により実行されるプログラムとして構成してもよい。
【0032】
[保持装置]
保持装置30は、情報閲覧装置20を保持する機構と、情報閲覧装置20及び画像形成装置40とデータ通信を行う機能と、必要に応じて、情報閲覧装置20の電池27を充電する機能とを備えた装置であり、画像形成装置40の本体や付属品(例えば、本体と分離した給紙部や後処理部など)に固定される。
【0033】
この保持装置30は、情報閲覧装置20を挿抜可能な構造を有している。例えば、1枚の情報閲覧装置20を保持する保持装置30は、図2に示すような枠部材で形成されており、この枠部材には、情報閲覧装置20を装着した状態で情報閲覧装置20の表示部23の一部又は全部を当該表示部23に正対する方向(当該表示部23の表示面に直交する方向)から視認可能にするための開口部が設けられている。上記保持装置30の形状は図2に限定されず、例えば、情報閲覧装置20の下部のみを保持する構造としてもよいし、直方体の構造体にスロットを備えた構造としてもよい。また、開口部は、情報閲覧装置20の表示部23の形状に応じて変更可能であり、開口部に情報閲覧装置20の表示部23を保護するための透明保護材(ガラスやプラスティックなど)を嵌め込んでもよい。
【0034】
また、複数の情報閲覧装置20を保持する保持装置30は、図3に示すように、直方体の構造体に複数のスロットを備えており、各々のスロットは、情報閲覧装置20を装着した状態で情報閲覧装置20の表示部23の一部又は全部が当該表示部23に正対する方向から視認可能な深さに設定されている。上記保持装置30の形状は図3に限定されず、図2と同様の枠部材を複数重ね合わせた構造としてもよいし、複数の情報閲覧装置20を段違いや斜めに保持する構造としてもよい。また、図3では、複数の情報閲覧装置20を同じ形状としたが、情報閲覧装置20の形状は異なっていてもよく、異なる形状の情報閲覧装置20を保持できるようにスロットの形状を変更できるようにしてもよい。
【0035】
また、上記保持装置30は、図5に示すように、CPU31、メモリ32、情報閲覧装置用通信部33、情報閲覧装置充電部34、情報閲覧装置検出部35、視認可能表示エリア設定部36、画像形成装置用通信部37、電源38などを備える。
【0036】
CPU31は、メモリ32から読み出した各種プログラムを実行し、各部の動作を制御する。メモリ32は、ROMやRAMなどで構成され、CPU31で動作する各種プログラムや保持装置30の動作を制御するための設定情報、情報閲覧装置20に表示させるデータなどを記憶する。そして、CPU31とメモリ32とで制御部が構成される。
【0037】
情報閲覧装置用通信部33は、1又は複数の情報閲覧装置20と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、各々の情報閲覧装置20との通信を確立する。
【0038】
情報閲覧装置充電部34は、電源38の電力を1又は複数の情報閲覧装置20の電池27に供給し、電池27を充電する。
【0039】
情報閲覧装置検出部35は、情報閲覧装置20の装着を検出すると共に、複数の情報閲覧装置20が装着された場合に、ユーザが正対する方向から視認可能な情報閲覧装置20(例えば、最前面に装着された情報閲覧装置20)や、転送するデータを閲覧するユーザに関連付けられた情報閲覧装置20を特定する。情報閲覧装置20の装着や位置を検出する方法は特に限定されず、例えば、情報閲覧装置充電部34と情報閲覧装置20の電池27とが接続されたか否かで装着や位置を検出したり、保持装置30の各スロットに設けた電極と情報閲覧装置20に設けた電極とが電気的に接続されたか否かで装着や位置を検出したり、保持装置30の各スロットの底部に情報閲覧装置20の自重によってON/OFFする電気接点を設け、この電気接点のON/OFFによって装着や位置を検出したりすることができる。
【0040】
視認可能表示エリア設定部36は、保持装置30及び情報閲覧装置20の構造に基づいて、保持装置30から露出している情報閲覧装置20の表示部23の領域を設定する。例えば、図2の構造の場合は、保持装置30の枠部材で遮られない領域を設定し、図3の構造の場合は、保持装置30のスロットに隠れない領域を設定する。また、図10(b)のように、複数の情報閲覧装置20を段違いに保持する場合は、手前の情報閲覧装置越しに視認可能な領域を設定する。
【0041】
画像形成装置用通信部37は、画像形成装置40と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、画像形成装置40との通信を確立する。
【0042】
電源38は、保持装置30の各部を駆動するための電力を供給する。
【0043】
なお、図5では、情報閲覧装置検出部35、視認可能表示エリア設定部36をハードウェアとして構成しているが、これらは、制御部(CPU31)により実行されるプログラムとして構成してもよい。
【0044】
[画像形成装置]
画像形成装置40は、図6に示すように、CPU41、メモリ42、保持装置用通信部43、データ処理部44、表示コントローラ45、表示・操作部46、外部機器用通信部47、画像読取部48、画像形成部49などを備える。
【0045】
CPU41は、メモリ42から読み出した各種プログラムを実行し、各部の動作を制御する。メモリ42は、ROMやRAMなどで構成され、CPU41で動作する各種プログラムや画像形成装置40の動作を制御するための設定情報、ユーザの識別情報、書き込み媒体の切り替えを実施するか否かを判断する際に参照するリスト(後述する書き込み媒体切替判断リスト)などを記憶する。そして、CPU41とメモリ42とで制御部が構成される。
【0046】
上記制御部は、画像形成装置40の状態を監視し、紙詰まりや用紙切れ、トナーインク切れなどを検出する。また、コンピュータ装置50から受信したジョブの処理状態を監視し、ジョブ待ちが発生しているかを判断する。また、印刷品質を保つために定期的にキャリブレーションを実施する。また、保持装置30又は保持装置30に装着されている情報閲覧装置20と交信し、情報閲覧装置20の使用状況(各情報閲覧装置20の空き容量やどの情報閲覧装置20がどのユーザに関連付けられているかなど)を監視する。そして、後述するジャム発生時の通知画面から切り替わる媒体切替設定画面において、データを書き込む媒体の切り替えを実施するか否かを設定できるようにし、印刷媒体への書き込みが指示されている場合に、上記紙詰まりや用紙切れ、トナーインク切れ、ジョブ待ち、キャリブレーション待ち等が発生している場合は、設定に従って書き込み先を印刷媒体から情報閲覧装置20に切り替える。また、情報閲覧装置20への書き込みが指示されている場合に、保持装置30に装着されている情報閲覧装置20と通信できない場合や記憶容量に空きがない場合、他のユーザに関連付けられている場合は、設定に従って書き込み先を情報閲覧装置20から印刷媒体に切り替える。
【0047】
保持装置用通信部43は、保持装置30と接続するためのインターフェースであり、有線通信や無線通信、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用して、保持装置30との通信を確立する。
【0048】
データ処理部44は、コンピュータ装置50から受信したジョブを解析し、出力条件等の設定情報を抽出すると共に、各ページのデータをラスタライズして印刷可能なビットマップデータを作成し、このビットマップデータに色変換、濃度調整等の画像処理を施す。また、必要に応じて、コンピュータ装置50から受信したデータを、情報閲覧装置20での表示に適したデータに変換する処理を行う。例えば、印刷媒体に書き込む際の用紙サイズや解像度、カラーモードと、情報閲覧装置20の表示部23の画面サイズや解像度、カラーモードとが一致しない場合は、情報閲覧装置20の表示部23に合わせてデータのサイズを拡大/縮小したり、解像度を高く/低くしたり、カラーモードをカラー/モノクロに変更したりする。また、ページを割り付けて印刷したり(例えば、4in1や2in1)、両面に印刷したりする場合、情報閲覧装置20ではページ毎に表示しても問題はないため、ページ毎のデータに変換する。
【0049】
表示・操作部46は、液晶表示装置や有機EL表示装置等の画面上に透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネルであり、表示コントローラ45の指示に従ってジャム発生時の通知画面や媒体切替設定画面などを表示すると共に、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号としてCPU41に出力する。
【0050】
外部機器用通信部47は、コンピュータ装置50と接続するためのインターフェースであり、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成され、有線通信や無線通信などを利用して、コンピュータ装置50との通信を確立する。
【0051】
画像読取部48は、原稿台上の原稿用紙から画像データを光学的に読み取る部分であり、原稿を走査する光源と、原稿で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサと、電気信号をA/D変換するA/D変換器等により構成される。
【0052】
画像形成部49は、電子写真方式や静電記録方式等の作像プロセスを利用した画像形成のために必要な要素、すなわち、帯電装置、感光体ドラム、露光装置、転写ローラ、転写ベルト、定着装置などで構成される。具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置からビットマップデータに応じた光を照射して静電潜像を形成し、現像装置で帯電したトナーを付着させて現像し、そのトナー像を一次転写ローラ、二次転写ベルトを介して印刷媒体に転写して定着装置で定着させる処理を行う。
【0053】
なお、図6では、データ処理部44をハードウェアとして構成しているが、データ処理部44は、制御部(CPU31)により実行されるプログラムとして構成してもよい。また、画像形成装置40は、少なくとも、保持装置30及びコンピュータ装置50とデータ通信を行う機能と、保持装置30を設置可能なスペースとを備えていればよく、画像読取部48等は省略可能であり、後処理部やFAX通信部などを含んでいてもよい。
【0054】
[コンピュータ装置]
コンピュータ装置50は、図7に示すように、CPU51、メモリ52、通信部53、表示コントローラ54、表示部55、操作部56などを備える。
【0055】
CPU51は、メモリ52から読み出した各種プログラムを実行し、各部の動作を制御する。メモリ52は、ROMやRAMなどで構成され、CPU51で動作する各種プログラムやコンピュータ装置50の動作を制御するための設定情報などを記憶する。そして、CPU51とメモリ52とで制御部が構成され、制御部は、PS(Post Script)やPCL(Printer Control Language)等のページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたデータ、PDF(Portable Document Format)データなどを作成して画像形成装置30にジョブを送信するプリンタドライバとしても機能する。
【0056】
上記プリンタドライバは、データの出力条件を設定する画面(後述するプリントプロパティ画面)で、データを書き込む媒体の切り替えを実施するか否かを設定できるように構成されており、上記出力条件や媒体切替設定をジョブのヘッダ等に記述する。また、必要に応じて、送信するデータを情報閲覧装置20での表示に適したデータに変換する処理を行うこともできる。例えば、印刷媒体に書き込む際の用紙サイズや解像度、カラーモードと、情報閲覧装置20の表示部23の画面サイズや解像度、カラーモードとが一致しない場合は、情報閲覧装置20の表示部23に合わせてデータのサイズを拡大/縮小したり、解像度を高く/低くしたり、カラーモードをカラー/モノクロに変更したりする。また、ページを割り付けて印刷したり(例えば、4in1や2in1)、両面に印刷したりする場合、情報閲覧装置20ではページ毎に表示しても問題はないため、ページ毎のデータに変換する。そして、上記データ処理を行った場合は、画像形成装置40向けのデータと情報閲覧装置20向けのデータとを画像形成装置30に送信する。
【0057】
通信部53は、画像形成装置40と接続するためのインターフェースであり、NICやモデムなどで構成され、有線通信や無線通信などを利用して、画像形成装置40との通信を確立する。
【0058】
表示部55は、液晶表示装置や有機EL表示装置等からなり、表示コントローラ54の指示に従って、閲覧するデータを作成するためのアプリケーション画面、出力条件を設定するプリントプロパティ画面などを表示する。
【0059】
操作部56は、キーボードやマウスなどで構成され、データの作成、出力条件の設定などの各種操作を可能とする。
【0060】
なお、図1乃至図7は本実施例の情報閲覧システム10の一例であり、閲覧するデータを印刷媒体に書き込むか、情報閲覧装置20(表示可能な媒体)に書き込むかが選択可能な構成であればよい。例えば、画像形成装置40の画像読取部48で読み取ったデータを出力する場合はコンピュータ装置50を省略することができる。
【0061】
以下、上記構成の情報閲覧システム10の動作について説明する。
【0062】
まず、書き込み媒体の切り替えを常に実施する場合の動作について、図8のフローチャート図を参照して説明する。
【0063】
ユーザがコンピュータ装置50の操作部56を操作して書き込みを行いたいデータを選択すると(S101)、コンピュータ装置50の制御部(プリンタドライバ)は、出力条件の設定画面を表示部55に表示させる。そして、ユーザが操作部56を操作して、書き込み先の媒体(印刷媒体か情報閲覧装置20か)を設定し(S102)、カラーモードや給紙トレイ、拡大/縮小、片面/両面などの各パラメータを設定すると(S103)、プリンタドライバは、PDLのジョブを作成し、画像形成装置40に書き込み要求を出す(S104)。
【0064】
ジョブを受信した画像形成装置40の制御部は、ジョブの指示が印刷媒体への書き込みか情報閲覧装置20への書き込みかを判断する(S105)。印刷媒体へのデータ書き込みの場合(S105のYes)、制御部は、書き込み媒体切替判断リストを参照して、印刷媒体へのデータ書き込みが即時可能であるかを判断し(S106)、書き込みが可能な場合は、印刷媒体へ書き込みを実施し(S108)、書き込みが不可能な場合は、情報閲覧装置20への書き込みに切り替えて書き込みを実施する(S107)。
【0065】
図13は、上記書き込み媒体切替判断リストの一例であり、画像形成装置40の様々な状態における書き込み可能な媒体を示している。例えば、印刷媒体へのプリント中に、環境変化やユニットの耐久によって画像の色味が変化するのを防ぐための画像調整が実施される場合がある。この画像調整が実施されると、その間は印刷媒体への書き込みは不可能となるが情報閲覧装置20への書き込みは可能であるため、書き込み先を印刷媒体から情報閲覧装置20に切り替える。また、画像形成装置40の消費電力を抑えるために実行されるスリープ状態からの復帰直後、用紙エンプティや紙詰まり、モータ系のトラブルが発生した時、ユニット寿命到達時などの場合も印刷媒体への書き込みは不可能となるため、書き込み先を印刷媒体から情報閲覧装置20に切り替える。
【0066】
なお、情報閲覧装置20への書き込みに切り替える時は、画像形成装置40や情報閲覧装置20のデータ処理部は、印刷媒体への書き込みデータを情報閲覧装置20に適したデータに変換してもよい。
【0067】
具体的に説明すると、図10(a)のように情報閲覧装置20がセットされている場合、印刷媒体から情報閲覧装置20への切り替え時に、印刷媒体の設定を自動的に情報閲覧装置20に合わせて変更する。例えば、印刷媒体がA3サイズで情報閲覧装置20の表示画面がA4サイズの場合、自動で縮小して情報閲覧装置20に書き込みを行う。また、図10(a)のように複数枚の情報閲覧装置20がセットされており、異なるユーザに関連付けられたジョブを受信した場合は、複数の印刷媒体へのジョブを、複数の情報閲覧装置20にユーザ毎に振り分けて書き込みを行うこともできる。
【0068】
また、図10(b)のような構造の場合、保持装置30にはモノクロ用やカラー用といった異なる仕様の情報閲覧装置20をセットすることが可能である。そこで、ジョブを情報閲覧装置20への書き込みに切り替える時に、ジョブに設定されているカラーモードやサイズ等のパラメータと一致する情報閲覧装置20を選択し、その情報閲覧装置20に書き込みを行うこともできる。これにより、印刷媒体へのプリントと近い状態で書き込みを行うことができる。
【0069】
図8に戻って、情報閲覧装置20への書き込みの場合(S105のNo)、制御部は、書き込み媒体切替判断リストを参照して、情報閲覧装置20へのデータ書き込みが即時可能であるかを判断し(S109)、書き込みが可能な場合は、必要に応じて、情報閲覧装置20に適したデータに変換した後、情報閲覧装置20へ書き込みを実施する(S111)。一方、書き込みが不可能な場合は、印刷媒体への書き込みに切り替えて書き込みを実施する(S110)。
【0070】
図13の書き込み媒体切替判断リストを用いて説明すると、情報閲覧装置20のエンプティ(記憶容量に空きがない場合や他のユーザに関連付けられている場合)、保持装置30との通信系のトラブルが発生した時は、情報閲覧装置20への書き込みは不可能となるが印刷媒体への書き込みは可能であるため、書き込み先を情報閲覧装置20から印刷媒体に切り替える。
【0071】
このように、予め作成したリストに従って書き込み先の媒体を自動的に切り替えることにより、ユーザは出力を待たされることがなくなり、ユーザの利便性を格段に向上させることができる。
【0072】
次に、書き込み媒体の切り替えをユーザが設定した切替可否に従って実施する場合の動作について、図9のフローチャート図を参照して説明する。
【0073】
上記と同様に、ユーザがコンピュータ装置50の操作部56を操作して書き込みを行いたいデータを選択すると(S201)、コンピュータ装置50の制御部(プリンタドライバ)は、出力条件の設定画面を表示部55に表示させる。そして、ユーザが操作部56を操作して、書き込み先の媒体(印刷媒体か情報閲覧装置20か)を設定する(S202)。
【0074】
ここで、ユーザが印刷媒体や情報閲覧装置20に書き込むデータとして、個人の席でじっくり閲覧する資料や、少人数の打ち合せに使用する資料、会議参加者に配布する資料など様々である。そして、ユーザはデータを使用する場面に応じて、書き込み先を印刷媒体若しくは情報閲覧装置に指定する場合もあれば、データが書き込めればどちらでも構わない場合もある。後者の場合は、図8のフローチャート図に従って書き込み媒体の切り替えを自動で実施しても問題はないが、前者の場合は、書き込み媒体の切り替えを自動で実施すると、ユーザの要求と一致しない場合が発生する。例えば、会議参加者の人数に比べて情報閲覧装置20の台数が少ない場合に、書き込み先を印刷媒体から情報閲覧装置20に切り替えると、参加者全員が資料を閲覧できなくなる。
【0075】
そこで、本実施例では、制御部(プリンタドライバ)は、表示部55に図11に示すようなプリントプロパティ画面60を表示させ、ユーザがカラーモードやサイズなどの各パラメータを設定する際に、他の媒体への書き込み切替実施の可否を選択できるようにする。具体的に説明すると、図11(a)は従来のプリントプロパティ画面、図11(b)は本実施例のプリントプロパティ画面であり、本実施例では、切替モードのタブや切替実施可否のボタンが追加されており、このボタンの操作により、切り替えを実施するかしないかは選択できるようにする。
【0076】
そして、ユーザが操作部56を操作して書き込み切替実施可否を設定し(S203)、カラーモードや給紙トレイ、拡大/縮小、片面/両面などの各パラメータを設定すると(S204)、プリンタドライバは、PDLのジョブを作成し、画像形成装置40に書き込み要求を出す(S205)。
【0077】
ジョブを受信した画像形成装置40の制御部は、ジョブの指示が印刷媒体への書き込みか情報閲覧装置20への書き込みかを判断する(S206)。印刷媒体へのデータ書き込みの場合(S206のYes)、制御部は、図13に示す書き込み媒体切替判断リストを参照して、印刷媒体へのデータ書き込みが即時可能であるかを判断し(S207)、書き込みが可能な場合は、印刷媒体へ書き込みを行う(S211)。
【0078】
一方、書き込みが不可能な場合は、制御部は、情報閲覧装置への切替書き込みを実施するか(すなわち、プリントプロパティ画面60で切替実施可に設定されたか)を判断する(S208)。切替書き込みを実施する場合は、必要に応じて、情報閲覧装置20に適したデータに変換した後、情報閲覧装置20へ書き込みを実施し(S209)、切替書き込みを実施しない場合は、その印刷媒体へのジョブを保留する(S210)。
【0079】
また、情報閲覧装置20へのデータ書き込みの場合(S206のNo)、制御部は、書き込み媒体切替判断リストを参照して、情報閲覧装置20へのデータ書き込みが即時可能であるかを判断し(S212)、書き込みが可能な場合は、必要に応じて、情報閲覧装置20に適したデータに変換した後、情報閲覧装置20へ書き込みを行う(S216)。一方、書き込みが不可能な場合は、印刷媒体への切替書き込みを実施するか(すなわち、プリントプロパティ画面60で切替実施可に設定されたか)を判断する(S213)。切替書き込みを実施する場合は、印刷媒体に書き込みを行い(S214)、切替書き込みを実施しない場合は、その情報閲覧装置へのジョブを保留する(S215)。
【0080】
このように、本実施例では、コンピュータ装置50から書き込み要求を出す際に、書き込み媒体の切替実施を行うか否かをユーザに設定させてジョブに付加し、画像形成装置40では、その設定に従って書き込み媒体の切替を実施するため、ユーザが意図しない媒体から出力される不具合を未然に防止することができる。
【0081】
なお、上記フローでは、コンピュータ装置50で書き込み媒体の切替実施の可否を設定したが、上記コンピュータ装置50での設定に代えて、若しくは、上記コンピュータ装置50での設定に加えて、画像形成装置40で書き込み媒体の切替実施の可否を設定できるようにしてもよい。
【0082】
例えば、画像形成装置40の表示/操作部46に書き込み媒体の切替実施の可否を設定するための画面を表示し、その画面で設定できるようにしてもよい。また、紙詰まりや用紙切れ、トナーインク切れ、ジョブ待ち、キャリブレーション待ち、保持装置30や情報閲覧装置20との通信障害、情報閲覧装置20の容量不足、割り当て可能な情報閲覧装置20がないなどの問題が発生したとき、画像形成装置40では、図12(a)に示すような通知画面61を表示してユーザに問題が発生したことを通知するが、この通知画面61において印刷中又は印刷待ちのジョブを選択すると、図12(b)の媒体切替設定画面62に切り替わるようにし、この媒体切替設定画面62で、ユーザが“Yes”をクリックすると、情報閲覧装置20への書き込みが実施されるようにしてもよい。
【0083】
このように、画像形成装置40で書き込み媒体の切替実施の可否を設定できるようにすることにより、発生した問題に応じて切替を実施するか否かを判断することができる。例えば、紙詰まりや用紙切れのように速やかに復旧可能な問題の場合は、詰まった紙を取り出したり用紙を補給したりして印刷媒体への書き込みを続行することができる。また、トナーインク切れやジョブ待ち、キャリブレーション待ちのように復旧に時間のかかる問題の場合は、書き込み先を情報閲覧装置20に切り替えて、速やかにデータを出力することができる。
【0084】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、画像形成装置40による印刷媒体への書き込みと表示可能な情報閲覧装置20への書き込みとを選択する構成としたが、異なる種類の媒体への書き込みが選択できる構成であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、電子ペーパー等の情報閲覧装置と画像形成装置とを含むシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0086】
10 情報閲覧システム
20 情報閲覧装置
21 CPU
22 メモリ
23 表示部
24 表示コントローラ
25 操作部
26 通信部
27 電池
28 装着検出部
29 データ処理部
30 保持装置
31 CPU
32 メモリ
33 情報閲覧装置用通信部
34 情報閲覧装置充電部
35 情報閲覧装置検出部
36 視認可能表示エリア設定部
37 画像形成装置用通信部
38 電源
40 画像形成装置
41 CPU
42 メモリ
43 保持装置用通信部
44 データ処理部
45 表示コントローラ
46 表示部
47 外部機器通信部
48 画像読取部
49 画像形成部
50 コンピュータ装置
51 CPU
52 メモリ
53 通信部
54 表示コントローラ
55 表示部
56 操作部
60 プリントプロパティ画面
61 通知画面
62 媒体切替設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備える1以上の情報閲覧装置と、前記1以上の情報閲覧装置を挿抜可能に保持する保持装置と、前記保持装置を取り付け可能な画像形成装置と、前記画像形成装置に出力を指示するコンピュータ装置と、が通信可能に接続され、データの出力に際して、前記画像形成装置内の印刷媒体への書き込みと前記情報閲覧装置への書き込みとが選択可能な情報閲覧システムにおいて、
前記画像形成装置は、
前記データの前記印刷媒体への書き込み開始時若しくは書き込み中に、前記印刷媒体への書き込みが不可能になった場合、前記情報閲覧装置への書き込みが可能な場合は、書き込み先の媒体を前記印刷媒体から前記情報閲覧装置に切り替えて書き込みを実施し、
前記データの前記情報閲覧装置への書き込み開始時若しくは書き込み中に、前記情報閲覧装置への書き込みが不可能となった場合、前記印刷媒体への書き込みが可能な場合は、書き込み先の媒体を前記情報閲覧装置から前記印刷媒体に切り替えて書き込みを実施する、ことを特徴とする情報閲覧システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、書き込み先の媒体を切り替える際に、前記データの出力条件を切り替える媒体に応じて変更する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報閲覧システム。
【請求項3】
前記画像形成装置は、書き込み先の媒体を前記印刷媒体から前記情報閲覧装置に切り替える際に、前記データの出力条件に適した情報閲覧装置を選択する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報閲覧システム。
【請求項4】
前記出力条件は、出力サイズ、解像度、カラーモード、ページ割付、両面/片面のいずれかを含む、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報閲覧システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、異なるユーザに関連付けられた複数のデータを受信した場合は、書き込み先の媒体を前記印刷媒体から前記情報閲覧装置に切り替える際に、前記複数のデータをユーザ毎に割り当てた前記情報閲覧装置に分散して書き込む、ことを特徴とする請求項1に記載の情報閲覧システム。
【請求項6】
前記コンピュータ装置は、出力を指示する際に、書き込み先の媒体の切り替えの許可/禁止が設定可能であり、
前記画像形成装置は、前記設定が許可の場合に、書き込み先の媒体の切り替えを実施する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の情報閲覧システム。
【請求項7】
前記画像形成装置は、前記データを受信する前、若しくは、所定の媒体への書き込みが不可能になった時に、書き込み先の媒体の切り替えの許可/禁止が設定可能であり、前記設定が許可の場合に、書き込み先の媒体の切り替えを実施する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の情報閲覧システム。
【請求項8】
表示部を備える1以上の情報閲覧装置を挿抜可能に保持する保持装置を取り付け可能な画像形成装置において、
データの出力に際して、前記画像形成装置内の印刷媒体への書き込みと前記情報閲覧装置への書き込みとが選択可能であり、
前記データの前記印刷媒体への書き込み開始時若しくは書き込み中に、前記印刷媒体への書き込みが不可能になった場合、前記情報閲覧装置への書き込みが可能な場合は、書き込み先の媒体を前記印刷媒体から前記情報閲覧装置に切り替えて書き込みを実施し、
前記データの前記情報閲覧装置への書き込み開始時若しくは書き込み中に、前記情報閲覧装置への書き込みが不可能となった場合、前記印刷媒体への書き込みが可能な場合は、書き込み先の媒体を前記情報閲覧装置から前記印刷媒体に切り替えて書き込みを実施する、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
書き込み先の媒体を切り替える際に、前記データの出力条件を切り替える媒体に応じて変更する、ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
書き込み先の媒体を前記印刷媒体から前記情報閲覧装置に切り替える際に、前記データの出力条件に適した情報閲覧装置を選択する、ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記出力条件は、出力サイズ、解像度、カラーモード、ページ割付、両面/片面のいずれかを含む、ことを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
異なるユーザに関連付けられた複数のデータを受信した場合は、書き込み先の媒体を前記印刷媒体から前記情報閲覧装置に切り替える際に、前記複数のデータをユーザ毎に割り当てた前記情報閲覧装置に分散して書き込む、ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記データを受信する前、若しくは、所定の媒体への書き込みが不可能になった時に、書き込み先の媒体の切り替えの許可/禁止が設定可能であり、前記設定が許可の場合に、書き込み先の媒体の切り替えを実施する、ことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一に記載の画像形成装置。
【請求項14】
表示部を備え、画像形成装置に取り付けられた保持装置に挿抜可能に保持される情報閲覧装置であって、
前記画像形成装置により、データの書き込み先の媒体が前記画像形成装置内の印刷媒体から自装置に切り替えられた場合、前記データの出力条件を自装置に応じて変更して前記表示部に表示する、ことを特徴とする情報閲覧装置。
【請求項15】
前記出力条件は、出力サイズ、解像度、カラーモード、ページ割付、両面/片面のいずれかを含む、ことを特徴とする請求項14に記載の情報閲覧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−224855(P2011−224855A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96190(P2010−96190)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】