説明

感光体カートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置

【課題】感光体の組み付け作業の円滑化を図ることができながら、第1フレームおよび第2フレームに対する、感光体の相対的な位置決め精度の向上を図ることができる感光体カートリッジ、および、その感光体カートリッジを備えるプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供すること提供すること。
【解決手段】
ドラムカートリッジ22が、下フレーム33と上フレーム34とからなるドラムフレーム24と、ドラムフレーム24に回転可能に支持される感光ドラム3と、保持部材101とを備え、保持部材101が、感光ドラム3の各軸受嵌合部20を保持するとともに、下フレーム33および上フレーム34と係合するように、円筒部102と嵌合突起103とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置、および、その画像形成装置に装着される感光体カートリッジおよびプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、感光体カートリッジが着脱自在に装着される、電子写真方式のプリンタが知られている。感光体カートリッジは、カートリッジフレームと、そのカートリッジフレームに形成される軸受部に、左右両端部が支持される感光体ドラムとを備えている。
【0003】
そのような感光体カートリッジとしては、例えば、カートリッジフレームが、各軸受部の上下方向中央部分を境界として分割される、上フレームと下フレームとからなる感光体カートリッジが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
そして、そのような感光体カートリッジでは、下フレームに感光ドラムを取り付けた後、その下フレームに上フレームを係合させることで、感光体カートリッジが組み立てられる。そのため、カートリッジフレームが一体的に形成されている場合と比較して、感光体ドラムがカートリッジフレームに円滑に組み付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−153964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の感光体カートリッジでは、カートリッジフレームが上フレームと下フレームとから構成されるので、カートリッジフレームの強度が不十分である。そのため、カートリッジフレームに支持される感光体ドラムの相対的な位置決め精度が十分に図れない場合がある。その結果、感光体カートリッジがプリンタ本体に装着された状態において、感光体ドラムのプリンタ本体に対する位置決め精度が十分に図れない場合があり、それに起因する画像形成不良が生じる場合がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、感光体の組み付け作業の円滑化を図ることができながら、第1フレームおよび第2フレームに対する、感光体の相対的な位置決め精度の向上を図ることができる感光体カートリッジ、および、その感光体カートリッジを備えるプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明の感光体カートリッジは、第1回転軸線について回転可能に構成される感光体と、前記感光体を収容し、前記感光体の前記第1回転軸線方向の両端を受ける感光体受部が形成される感光体収容部を備え、前記感光体受部を境界として、前記第1回転軸線方向から見て前記第1回転軸線方向と直交する方向に第1フレームと第2フレームとに分割可能である筐体と、前記第1回転軸線方向における前記感光体の両端を保持するとともに、前記第1フレームおよび前記第2フレームに跨って係合する保持部材とを備えている。
【0009】
このような構成によれば、筐体が、感光体受部を境界として第1フレームと第2フレームとに分割可能であるので、第1フレームには感光体受部の一方側が設けられ、第2フレームには感光体受部の他方側が設けられている。
【0010】
そのため、感光体カートリッジを組み立てるときに、感光体の第1回転軸線方向の両端を、第1フレームの感光体受部の一方側に受け入れさせることにより、感光体を第1フレームに組み付けた後、感光体の第1回転軸線方向の両端を、第2フレームの感光体受部の他方側が受け入れるように、第1フレームに第2フレームを組み合わせることができる。
【0011】
その結果、第1フレームおよび第2フレームに対する感光体の組み付け作業の円滑化を図ることができる。
【0012】
また、筐体が第1フレームと第2フレームとから形成されていても、保持部材が、感光体の第1回転軸線方向の両端を保持するとともに、第1フレームおよび第2フレームと係合するので、第1フレームおよび第2フレームの剛性を高めることができ、それらに対する、感光体の相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
【0013】
従って、本発明の感光体カートリッジは、筐体(第1フレームおよび第2フレーム)に対する、感光体の組み付け作業の円滑化を図ることができながら、感光体の相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
(2)また、感光体カートリッジは、前記感光体の前記第1回転軸線方向の端部を回転可能に保持する軸受部材を備えていてもよい。
【0014】
この場合、前記保持部材は、前記軸受部材を介して、前記感光体の前記第1回転軸線方向の両端部を保持する。
【0015】
このような構成によれば、簡易な構成でありながら、感光体の円滑な回転駆動を確保することができる。
【0016】
また、感光体を回転可能に保持する部分は、他の部分よりも摩耗しやすい。そのため、軸受部材を備える構成では、摩耗しやすい軸受部材のみを交換することができ、感光体カートリッジのメンテナンス性の向上を図ることができる。また、軸受部材のみを摺動性に優れる材料から形成することができるので、材料コストの低減を図ることができる。
(3)また、前記保持部材は、前記第1フレームに係止するための係止部を備えていてもよい。この場合、前記係止部は、前記保持部材が前記第1回転軸線について回転されることで、前記第1フレームに対して係止される。
【0017】
そのため、保持部材と第1フレームとの相対的な位置関係を安定させることができる。その結果、保持部材を第1フレームおよび第2フレームに確実に係合させることができる。
【0018】
また、保持部材を回転させるだけで、保持部材を第1フレームに対して係止することができるので、保持部材の第1フレームおよび第2フレームに対する組み付け作業の円滑化を図ることができる。
(4)また、前記保持部材は、前記第1フレームおよび前記第2フレームと嵌合する嵌合部を備えていてもよい。
【0019】
このような構成によれば、保持部材を第1フレームおよび第2フレームに、確実に係合させることができる。
【0020】
そのため、第1フレームおよび第2フレームを強固に組み合わせることができ、第1フレームおよび第2フレームに対する、感光体の相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
(5)また、前記第1フレームおよび前記第2フレームには、前記保持部材が回転可能に構成されるように、前記嵌合部と嵌合する溝部が形成されていてもよい。
【0021】
このような構成によれば、嵌合部が溝部と嵌合するので、保持部材を第1フレームおよび第2フレームに、より確実に係合させることができる。
【0022】
また、保持部材が回転可能に構成されるので、保持部材を第1フレームに容易に係止することができる。
(6)また、前記保持部材は、前記感光体の前記第1回転軸線方向の両端を内嵌する円筒部を備えていてもよい。この場合、前記円筒部には、前記感光体の前記第1回転軸線方向の両端を、前記感光体受部に向けて押圧する押圧部が設けられている。
【0023】
このような構成によれば、簡易な構成でありながら、感光体の第1回転軸線方向の両端を確実に回転可能に保持することができる。
【0024】
また、押圧部が設けられているので、感光体の第1回転軸線方向の両端が、感光体受部に対して位置決めされる。
【0025】
そのため、筐体(第1フレームおよび第2フレーム)に対する、感光体の相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
(7)また、前記押圧部は、前記円筒部と一体形成され、前記円筒部の内周面から前記円筒部の径方向内方に突出していてもよい。
【0026】
このような構成によれば、簡易な構成でありながら、感光体の第1回転軸線方向の両端を確実に押圧することができる。
(8)また、前記第2フレームは、前記第1回転軸線方向に沿って配置される帯電ワイヤと、前記帯電ワイヤと前記感光体との間に配置されるグリッドとを備えるスコロトロン型帯電器と、前記帯電ワイヤをクリーニングするためのクリーニング部材と、前記クリーニング部材を前記帯電ワイヤに沿って移動させる操作部とを備えるクリーニング部とを備えていてもよい。
【0027】
この場合、前記操作部は、前記第1回転軸線方向の一端側に位置するときに、前記軸受部材と係合する係合部を備えている。
【0028】
このような構成によれば、感光体を帯電させることができ、また、帯電ワイヤをクリーニングすることができる。
【0029】
そして、操作部が一端側に位置するときに、操作部の係合部が軸受部材と係合するので、操作部が第2フレームから脱落することを防止できる。
(9)本発明のプロセスカートリッジは、上記に記載の感光体カートリッジと、前記感光体カートリッジに着脱するように構成され、現像フレームと、前記現像フレームに設けられ、第2回転軸線について回転可能に構成される現像剤担持体とを備える現像カートリッジとを備えている。
【0030】
この場合、前記現像カートリッジが前記感光体カートリッジに装着された状態において、前記現像剤担持体が前記感光体に対向接触される。
【0031】
このような構成によれば、筐体(第1フレームおよび第2フレーム)に対する、感光体の相対的な位置決め精度の向上を図ることができるので、感光体カートリッジに着脱される現像カートリッジの現像剤担持体と、感光体との相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
(10)また、前記プロセスカートリッジは、前記感光体カートリッジに設けられ、前記現像カートリッジが前記感光体カートリッジに装着された状態において、前記第1回転軸線方向に投影したときに、前記第1回転軸線と前記第2回転軸線との間に配置され、前記現像フレームの前記第1回転軸線方向の両端部を押圧することで、前記現像剤担持体を前記感光体から離間させる離間部材を備えていてもよい。
【0032】
このような構成によれば、簡易な構成でありながら、現像剤担持体と感光体とを適宜接触・離間させることができる。
(11)また、前記保持部材は、前記離間部材を前記第1回転軸線方向の外側から被覆して、前記離間部材を前記第1フレームに保持させる被覆部を備えていてもよい。
【0033】
このような構成によれば、簡易な構成でありながら、離間部材を第1フレームに保持させることができる。また、被覆部が離間部材を第1回転軸線方向の外側から被覆しているので、離間部材に対する第1回転軸線方向の外方からの所望しない接触を防止できる。
(12)本発明の画像形成装置は、上記に記載のプロセスカートリッジと、前記プロセスカートリッジが着脱するように構成される装置本体とを備えている。
【0034】
このような構成によれば、筐体(第1フレームおよび第2フレーム)に対する、感光体の相対的な位置決め精度の向上を図ることができるので、装置本体にプロセスカートリッジが装着された状態において、装置本体と感光体との相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
(13)また、前記装置本体は、位置決め部を備え、前記保持部材は、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された状態において、前記位置決め部と当接して、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に対して位置決めする被位置決め部を備えていてもよい。
【0035】
このような構成によれば、プロセスカートリッジが装置本体に装着された状態において、位置決め部と被位置決め部とが当接するので、プロセスカートリッジの装置本体に対する位置決め精度の向上を図ることができる。すなわち、装置本体と感光体との相対的な位置決め精度のさらなる向上を図ることができる。
(14)また、前記装置本体は、ガイド部を備えていてもよい。この場合、前記保持部材は、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されるときに、前記ガイド部に案内される。
【0036】
そのため、装置本体に対するプロセスカートリッジの装着作業の円滑化を図ることができる。
(15)また、前記保持部材は、前記第1フレームおよび前記第2フレームよりも摺動性のよい材料から形成されていてもよい。
【0037】
かかる場合、装置本体に対するプロセスカートリッジの装着作業のさらなる円滑化を図ることができる。
(16)本発明の画像形成装置は、上記(7)に記載の感光体カートリッジと、前記感光体カートリッジに着脱するように構成され、現像フレーム、および、前記現像フレームに設けられ、第2回転軸線について回転可能に構成される現像剤担持体を備える現像カートリッジとを備え、前記現像カートリッジが前記感光体カートリッジに装着された状態において、前記現像剤担持体が前記感光体に対向接触されるプロセスカートリッジと、前記プロセスカートリッジが着脱するように構成され、位置決め部を備える装置本体とを備えている。
【0038】
この場合、前記保持部材は、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された状態において、前記位置決め部と当接して、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に対して位置決めする被位置決め部を備え、前記押圧部は、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された状態において、前記位置決め部に向かって突出している。
【0039】
このような構成によれば、プロセスカートリッジが装置本体に装着された状態において、位置決め部と被位置決め部とが当接するので、プロセスカートリッジの装置本体に対する位置決め精度の向上を図ることができる。また、押圧部の突出方向下流側に位置決め部が配置されているので、感光体の第1回転軸線方向の両端部が位置決め部に向けて押圧される。
【0040】
そのため、感光体が、第1フレームおよび第2フレームを介して、位置決め部に位置決めされる。すなわち、装置本体と感光体との相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明の感光体カートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置では、筐体(第1フレームおよび第2フレーム)に対する、感光体の組み付け作業の円滑化を図ることができながら、感光体の相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態のプリンタを示す側断面図である。
【図2】本発明のプロセスカートリッジの一実施形態の左上側から見た斜視図である。
【図3】図2に示す上フレームおよび下フレームを左上側から見た斜視図である。
【図4】図2に示す保持部材の斜視図であって、(a)は保持部材を左上側から見た斜視図、(b)は保持部材を右下側から見た斜視図である。
【図5】図2に示す感光ドラムに対する軸受部材の組み付けを説明するための説明図である。
【図6】図5に続き、図5に示す感光ドラムを支持する下フレームに対する上フレームの組み付けを説明するための説明図である。
【図7】図6に続き、図6に示す上フレームおよび下フレームに対する保持部材の組み付けを説明するための説明図である。
【図8】本発明のドラムカートリッジの一実施形態の左上側から見た斜視図である。
【図9】図7に示す上フレームおよび下フレームに対する保持部材の組み付けを説明するための左側面図あって、(a)は、保持部材が組み付けられる前の上フレームおよび下フレームの左側面図、(b)は、保持部材が組み付けられる途中の上フレームおよび下フレームの左側面図、(c)は、組み付けられた後のドラムカートリッジの左側面図である。
【図10】図1に示すプリンタに装着された状態のプロセスカートリッジ(接触状態)を示す左側面図である。
【図11】図1に示すプリンタに装着された状態のプロセスカートリッジ(離間状態)を示す左側面図である。
【図12】図2に示すプロセスカートリッジの本体ケーシングに対する装着を説明するための説明図であって、(a)は、プロセスカートリッジの本体ケーシングに対する装着途中の状態における背面図、(b)は、プロセスカートリッジの本体ケーシングに対する装着が完了した状態における背面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
1.プリンタ
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、ダイレクトタンデムタイプのカラープリンタである。
【0044】
なお、プリンタ1、および、プリンタ1から離脱された状態(図2〜図9)のドラムカートリッジ22(後述)に関し、方向について言及する場合には、それぞれ水平方向に載置したときの方向を基準とし、具体的には、各図に示した矢印方向を基準とする。また、左右方向と左右方向とは、同一方向である。
【0045】
すなわち、プリンタ1に関する上下前後方向と、プリンタ1から離脱された状態(図2〜図9)のドラムカートリッジ22(後述)に関する上下前後方向とは相異なり、ドラムカートリッジ22は、その前側がプリンタ1の前上側、その後側がプリンタ1の後下側となるように、プリンタ1に装着されている。
【0046】
プリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2を備え、その本体ケーシング2内には、感光体の一例としての4つの感光ドラム3が、前後方向に沿って並列配置されている。4つの感光ドラム3は、トナー像(後述)の各色(ブラック、イエロー、マゼンタまたはシアン)に対応して設けられている。
【0047】
各感光ドラム3には、スコロトロン型帯電器4、LEDユニット5および現像剤担持体の一例としての現像ローラ6が対向配置されている。
【0048】
感光ドラム3は、その表面がスコロトロン型帯電器4によって一様に帯電された後、LEDユニット5によって露光される。これにより、各感光ドラム3の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。各静電潜像は、現像ローラ6に担持されるトナーによって可視像化され、感光ドラム3の表面上にトナー像が形成される。
【0049】
用紙Pは、本体ケーシング2内の給紙カセット7に収容されている。給紙カセット7に収容されている用紙Pは、各種ローラにより、搬送ベルト8に給紙される。
【0050】
搬送ベルト8は、各感光ドラム3と、それらに対向する転写ローラ9との間に配置されている。各感光ドラム3の表面上のトナー像は、転写ローラ9に印加された転写バイアスによって、搬送ベルト8に搬送された用紙P上に転写され、順次重ね合わされる。
【0051】
4色のトナー像が転写された用紙Pは、定着部10に搬送される。用紙P上に転写されたトナー像は、定着部10で熱定着される。その後、用紙Pは、各種ローラにより、排紙トレイ11に排紙される。
2.プロセスカートリッジ
プリンタ1は、各色(ブラック、イエロー、マゼンタまたはシアン)に対応して、4つのプロセスカートリッジ21を備えている。
【0052】
各プロセスカートリッジ21は、本体ケーシング2内に着脱自在に装着されており、前後方向に沿って、並列配置されている。
【0053】
すなわち、本体ケーシング2の上壁には、トップカバー50が開閉自在に設けられており、トップカバー50の開放により、各プロセスカートリッジ21を、本体ケーシング2内に着脱させることができる。
【0054】
プロセスカートリッジ21は、本体ケーシング2に着脱自在に装着される、感光体カートリッジの一例としてのドラムカートリッジ22と、ドラムカートリッジ22に着脱自在に装着される現像カートリッジ23とを備えている。
(1)現像カートリッジ
現像カートリッジ23は、現像フレーム30を備えている。現像フレーム30は、後下側が開放される略ボックス形状に形成され、その下端部に上記した現像ローラ6を備えている。
【0055】
現像ローラ6は、現像ローラ軸16と、現像ローラ軸16を被覆するように設けられるゴムローラ17とを備えている。
【0056】
そして、現像ローラ6は、ゴムローラ17の後下側が現像フレーム30から露出するように配置され、現像ローラ軸16が、左右方向に沿って、現像フレーム30の左右両側壁31(図2参照)に回転自在に支持されることにより、第2回転軸線X2(図10参照)について回転可能に、現像フレーム30に設けられている。なお、現像フレーム30には、現像ローラ6とともに、供給ローラ13、層厚規制ブレード14およびアジテータ12が設けられている。
【0057】
また、現像フレーム30の左右両端部には、図10に示すように、ギヤカバー160が設けられている。
【0058】
ギヤカバー160は、左右方向内方に向かって開放される略ボックス形状に形成され、現像フレーム30の両側壁31に設けられる各種ギヤを一括して被覆可能なサイズ(前後方向長さおよび上下方向長さ)に形成されている。
【0059】
また、ギヤカバー160には、被当接部159が形成されている。
【0060】
被当接部159は、側面視略矩形状に形成され、現像カートリッジ23がドラムカートリッジ22に装着された状態において、各離間部材146(後述)の当接面149(後述)と対応するように、ギヤカバー160の左右方向外側面における後側部分に設けられている。
(2)ドラムカートリッジ
ドラムカートリッジ22は、図2に示すように、筐体の一例としてのドラムフレーム24を備えている。ドラムフレーム24は、例えば、ポリスチレン材から形成され、第1フレームの一例としての下フレーム33と、第2フレームの一例としての上フレーム34とに分割可能に形成されている。
(2−1)下フレーム
下フレーム33は、図3に示すように、左右方向に間隔を隔てて対向配置される1対の下フレーム側壁35と、それら下フレーム側壁35の前端部間に架設される前壁55と、それら下フレーム側壁35の後端部間に架設される後壁61と、それら下フレーム側壁35の前側部分の下端部間に架設される底壁67とを備えている。
【0061】
各下フレーム側壁35は、その前側部分である前側側壁36と、その後側部分である後側側壁37とから一体的に形成されている。
【0062】
前側側壁36は、図9に示すように、その後側部分が、前後方向に延びるように形成され、その前側部分が、後側部分の前端部から前方へ向かうに従って斜め上方へ延びるように形成されている。
【0063】
また、各前側側壁36には、その後側部分に被係止部47が設けられている。
【0064】
被係止部47は、前側側壁36の左右方向外側面における上端部から、左右方向外方へ突出する略平板形状に形成されている。被係止部47には、図3に示すように、その左右方向内側部分に、係止穴51が形成されている。係止穴51は、被係止部47を上下方向に貫通するように、平面視略矩形状に形成されている。
【0065】
後側側壁37は、図9に示すように、その前側部分が、前側側壁36の後端部から連続して後方へ延びるように形成され、その後側部分が、前側部分の後端部から後方へ向かうに従って斜め上方へ延びるように形成されている。
【0066】
また、各後側側壁37には、図3に示すように、第1フレーム係合部38、離間軸39および下側受部40が一体的に設けられている。
【0067】
第1フレーム係合部38は、後側側壁37の前側部分における上端部から連続して上方へ延びる略平板形状に形成されている。
【0068】
また、第1フレーム係合部38の上端部には、鉤状部48が形成されている。鉤状部48は、第1フレーム係合部38の左右方向外側面から左右方向外方へ向けて突出する断面鉤状に形成されている。
【0069】
離間軸39は、後側側壁37と第1フレーム係合部38との連続部分に設けられ、後側側壁37の左右方向外側面から左右方向外方へ向けて突出する略円柱形状に形成されている。
【0070】
下側受部40は、離間軸39の後側に設けられ、下側受溝43と、下側カラー42とから形成されている。
【0071】
下側受溝43は、後側側壁37の上端縁における前後方向中央部分において、下方へ向かって窪む半円弧形状に形成されている。
【0072】
下側カラー42は、下側受溝43の周端部から左右方向外方へ突出する半円筒形状に形成されている。
【0073】
また、後側側壁37には、図9(a)に示すように、下側カラー42の下側において、溝部の一例としての下側溝部44が形成されている。
【0074】
下側溝部44は、下側カラー42の円弧形状に沿うように形成され、後側側壁37を左右方向に貫通するように形成されている。また、下側溝部44の前側部分は、幅狭溝46として区画され、下側溝部44の後側部分は幅広溝45として区画されている。幅広溝45の溝幅は、幅狭溝46の溝幅の略2倍の長さに形成されている。
【0075】
前壁55は、図3に示すように、各前側側壁36の前側部分の下端部に沿って、前方へ向かうに従って斜め上方へ傾斜するように形成されている。
【0076】
前壁55には、図9(a)に示すように、その前面において押圧部材56が埋設されている。
【0077】
押圧部材56は、ドラムカートリッジ22に現像カートリッジ23が装着されたとき(後述)に、現像フレーム30の前壁における左右両側と対応するように設けられ(図10参照)、筒部57と、ばね部材58とを備えている。
【0078】
筒部57は、前方に開放される側面視略コ字状に形成されている。
【0079】
ばね部材58は、前後方向に延びる空心コイルばね状に形成され、筒部57の内部空間に収容されている。
【0080】
そして、押圧部材56は、筒部57の後面と前壁55の前面との間に、ばね部材58を挟むように設けられている。そのため、筒部57は、前後方向に移動可能に設けられており、ばね部材58の付勢力により後方へ向かって付勢されている。
【0081】
後壁61は、図3に示すように、各後側側壁37の後側部分の両端部に架設されており、後方へ向かうに従って斜め上方へ傾斜するように形成されている。後壁61には、その上端部において、左右方向に互いに間隔を隔てて設けられる切欠部63が形成されている。切欠部63は、上方に向かって開放される正面視略コ字状に形成されている。
【0082】
また、後壁61には、第2フレーム係合部62と、下固定部65とが設けられている。
【0083】
第2フレーム係合部62は、各切欠部63の上面における後側部分から連続して、上方へ突出する略平板形状に形成されている。また、第2フレーム係合部62の上端部には、その後面から後方へ向けて突出する断面鉤状の鉤部64が形成されている。
【0084】
下固定部65は、後壁61の前後方向内側面における左右方向両端部から、上方に突出する略円柱形状に形成されている。また、下固定部65の上端面には、その中央部分にねじ穴66が形成されている。
【0085】
底壁67は、各前側側壁36の下端部間に架設され、その前端部が前壁55の後端部と連続している。
【0086】
そして、底壁67の後端部、各後側側壁37の下端部、および、後壁61の下端部により、平面視略矩形状の第1開口部69が区画されている。
(2−2)上フレーム
上フレーム34は、左右方向に間隔を隔てて対向配置される1対の上フレーム側壁71と、それら上フレーム側壁71の上端部を連結する上壁88とを備えている。
【0087】
1対の上フレーム側壁71は、図9に示すように、その前側部分が側面視略矩形状に形成され、その後側部分が、前側部分の後端部における上側半分から連続して後方へ延びる側面視略矩形状に形成されている。
【0088】
各上フレーム側壁71には、図3に示すように、下フレーム33と上フレーム34とが組み合わされたとき(後述)に、第1フレーム係合部38と対応するフレーム被係合部72と、下側受部40と対応する上側受部78とが設けられている。
【0089】
フレーム被係合部72は、各上フレーム側壁71の前端部における下側部分から連続して、前方へ突出する略矩形枠形状に形成されている。フレーム被係合部72は、上下方向に連通されており、その左右方向外側壁にはスリット73が形成され、そのスリット73と対向する左右方向内側壁には突条部75が設けられている。
【0090】
スリット73は、フレーム被係合部72の左右方向外側壁における上端部から、下方へ向かって窪む側面視略U字状に形成されている。そして、スリット73に挟まれる部分が、被係合部分74として形成されている。
【0091】
突条部75は、被係合部分74と対向するフレーム被係合部72の左右方向内側壁の前後方向中央部分に設けられ、左右方向外方へ向かって突出し、上下方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
【0092】
上側受部78は、各上フレーム側壁71の前側部分に設けられ、上側受溝80と、上側カラー79とから形成されている。
【0093】
上側受溝80は、各上フレーム側壁71の下端縁において、上方へ向かって窪む半円弧形状に形成されている。
【0094】
上側カラー79は、上側受溝80の周端部から左右方向外方へ突出する半円筒形状に形成されている。
【0095】
また、上フレーム側壁71には、窪部77と、溝部の一例としての上側溝部81とが形成されている。
【0096】
窪部77は、図9(a)に示すように、各上フレーム側壁71の上端部から下方へ向かって窪む側面視略コ字状に形成されている。
【0097】
上側溝部81は、上側カラー79の上側において、上側カラー79の円弧形状に沿うように形成され、上フレーム側壁71を左右方向に貫通するように形成されている。また、上側溝部81の前側部分は幅広溝82として区画され、上側溝部81の後側部分は幅狭溝83として区画されている。幅広溝82の溝幅は、幅狭溝83の溝幅の略2倍の長さに形成されている。
【0098】
上壁88は、図3に示すように、左右方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
【0099】
上壁88には、挿通穴76と、上固定部89と、被係合穴91(図12参照)と、ワイヤ露出溝93とが形成されている。
【0100】
挿通穴76は、上壁88の左右両端部における窪部77と連続する部分に設けられ、上壁88を上下方向に貫通する平面視略矩形状に形成されている。
【0101】
上固定部89は、上壁88の左右両端部における後側部分において、下固定部65に対応するように設けられている。また、上固定部89は、上壁88の上面から背面視略コ字状に窪むように形成されている。上固定部89には、その平面視略中央部分において、上壁88を上下方向に貫通するねじ挿通穴90が形成されている。
【0102】
被係合穴91は、図12に示すように、上壁88の後端部において、第2フレーム係合部62と対応するように設けられ、上壁88を上下方向に貫通する平面視略矩形状に形成されている。
【0103】
ワイヤ露出溝93は、図3に示すように、上壁88の前後方向中央部分において、左右方向に長手の平面視略矩形状に形成され、上壁88を上下方向に貫通するように形成されている。
【0104】
また、上壁88には、上記したスコロトロン型帯電器4と、クリーニング部95とが設けられている。
【0105】
スコロトロン型帯電器4は、帯電ワイヤ86と、グリッド87とを備えている(図1参照)。
【0106】
帯電ワイヤ86は、例えば、タングステンワイヤから形成されている。帯電ワイヤ86は、その左右両端部が上壁88の左右両端部に支持されており、ワイヤ露出溝93から露出されるように、左右方向に沿って張り渡されている。
【0107】
グリッド87は、上方に開放される側面視略コ字状に形成され(図1参照)、左右方向に延びるように形成されている。グリッド87は、帯電ワイヤ86がグリッド87の内部空間を通過するように(図1参照)、上壁88に埋設されている。なお、グリッド87の底板は、上壁88の下面から露出しており、ドラムカートリッジ22が組み立てられたときに(後述)、帯電ワイヤ86と感光ドラム3の素管18(後述)との間に配置される。
【0108】
クリーニング部95は、1対のレール部92と、操作部84と、クリーニング部材の一例としてのワイヤ挟持部96と、規制部94とを備えている。
【0109】
1対のレール部92は、左右方向に長手の略平板形状に形成され、ワイヤ露出溝93の前後方向両端縁に沿って設けられている。
【0110】
操作部84は、平面視略矩形状の略平板形状に形成され、1対のレール部92の上側に配置され、両レール部92に左右方向に移動可能に支持されている。操作部84には、係合部の一例としての突起85が形成されている。
【0111】
突起85は、操作部84の左端部から左方へ向かって突出する平面視略矩形状に形成されている。
【0112】
ワイヤ挟持部96は、矩形状のスポンジ部材から形成され、帯電ワイヤ86を挟むように屈曲された状態で、操作部84の下面に支持されている。
【0113】
規制部94は、平面視略矩形状の略平板形状に形成され、1対のレール部92の右端部と左右方向に対向する位置に設けられている。
【0114】
そして、クリーニング部95は、操作部84を1対のレール部92の左端部上(ホームポジション)から1対のレール部92に沿って、右側に移動させることにより、ワイヤ挟持部96が帯電ワイヤ86に付着した付着物を掻き取って、帯電ワイヤ86をクリーニングする。
【0115】
なお、操作部84が1対のレール部92の右端部上に位置すると、操作部84の右端部が規制部94の左端部と当接して、操作部84の右方へのそれ以上の移動が規制される。
【0116】
クリーニングが終了すると、操作部84は再びレール部92の左端部上に配置される。
(2−3)ドラムフレーム
そして、後述するように、下フレーム33と上フレーム34とが組み合わされると、図2に示すように、ドラムフレーム24は、その前側部分が、現像カートリッジ収容部26として区画され、その後側部分が、感光体収容部の一例としてのドラム収容部25として区画される。
【0117】
ドラム収容部25と現像カートリッジ収容部26とは、上壁88の前端部と、底壁67の後端部と、それらに対応する下フレーム側壁35および上フレーム側壁71の左右方向内側面とに区画される第2開口部98を介して連通されている。
(2−4)現像カートリッジ収容部
現像カートリッジ収容部26は、図8に示すように、詳しくは、前側側壁36、前壁55および底壁67により区画され、現像カートリッジ23の着脱を許容するように、上側が開放されて形成されている。
(2−5)ドラム収容部
ドラム収容部25は、詳しくは、下フレーム33と上フレーム34とにより区画されており、その内部空間には、感光ドラム3およびドラムクリーニングローラ15が収容されている(図6参照)。
【0118】
感光ドラム3は、図5に示すように、素管18と、素管18の左右両端部に設けられるフランジ部材19とを備えている。
【0119】
素管18は、金属からなり、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。素管18の外周面には、感光層が被覆されている。
【0120】
両フランジ部材19は、樹脂からなり、素管18内に相対回転不能に挿入される素管嵌合部29と、軸受部材120(後述)を介して、下側受部40および上側受部78に相対回転可能に支持される軸受嵌合部20とを一体的に備えている。
【0121】
軸受嵌合部20は、素管嵌合部29の中央部分から左右方向外方へ突出する略円柱形状に形成されている。
【0122】
左側の軸受嵌合部20には、感光ドラムギヤ166が、相対回転不能に設けられている。
【0123】
感光ドラムギヤ166は、軸受嵌合部20の右端部の外周面から径方向外方へ広がる円環板状に形成され、その周端面には、係合歯168が形成されている。
【0124】
また、左側の軸受嵌合部20の左右方向外側の端面(左端面)は、本体ケーシング2に設けられたドラム駆動伝達部175と係合するドラム駆動入力部155として形成されている。
【0125】
ドラム駆動入力部155には、4つのカップリング穴174が形成されている。
【0126】
カップリング穴174は、径方向外方に開放される側面視略コ字状に形成され、周方向に等間隔を隔てて、互いに約90°変位するように配置されている。
【0127】
ドラムクリーニングローラ15は、クリーニングローラ軸27と、クリーニングローラ軸27を被覆するように設けられるスポンジローラ28とを備えている。
【0128】
クリーニングローラ軸27の左端部には、クリーニングギヤ167が相対回転不能に設けられている。
【0129】
クリーニングギヤ167は、クリーニングローラ軸27の外周面に設けられ、その周端面には、係合歯169が形成されている。
【0130】
そして、感光ドラム3とドラムクリーニングローラ15とは、後で詳述するが、連結部材114および軸受部材120により、相対移動が規制されるように連結されている。
【0131】
連結部材114は、後方に向かうに従って幅狭となる側面視雫形状の平板形状に形成され、クリーニング軸挿入部115と、フランジ挿通穴116とを有している。
【0132】
クリーニング軸挿入部115は、連結部材114の後端部において、連結部材114の左面から左方へ突出する略円筒形状に形成され、その内部空間は、左右方向に連通されている。クリーニング軸挿入部115の内径は、クリーニングローラ軸27の軸径と略同径に形成されている。
【0133】
フランジ挿通穴116は、連結部材114の前側において、連結部材114を左右方向に貫通する側面視略円形状に形成され、その穴径は、軸受嵌合部20の外径よりも大径に形成されている。
【0134】
軸受部材120は、例えば、ポリアセタ―ル材から形成され、右軸受部材121と、左軸受部材131とを備えている。
【0135】
右軸受部材121は、筒状部122と、鍔部124と、軸受ガイド部125と、クリーニング軸支持部127とを一体的に備えている。
【0136】
筒状部122は、右端部が右壁(図示せず)により閉鎖される略有底円筒形状に形成されている。筒状部122は、その内径が、軸受嵌合部20の外径と略同径(僅かに大径)に形成されている。
【0137】
また、筒状部122には、シャフト保持部123と、押圧部分129とが形成されている。
【0138】
シャフト保持部123は、筒状部122の右壁における中央部分を、左右方向に貫通する略円筒形状に形成されている。また、シャフト保持部123の内部空間には、シャフト130が保持されている。
【0139】
押圧部分129は、筒状部122の左端部から右方へ向かって切り欠かれる1対のスリットに挟まれる部分として形成されている。押圧部分129は、その外側面に設けられるばね部材128により、筒状部122の径方向内方へ向けて付勢されている。
【0140】
鍔部124は、筒状部122の外周面における左右方向途中部から、筒状部122の径方向外方へ延びる略円環板状に形成されている。
【0141】
軸受ガイド部125は、鍔部124の前側部分から前方へ延びる略平板形状に形成されている。また、軸受ガイド部125には、ガイド溝126が形成されている。
【0142】
ガイド溝126は、軸受ガイド部125の前端部から後方へ向かって窪む側面視略U字状に形成されている。
【0143】
クリーニング軸支持部127は、延長部143と、筒部144とを備えている。
【0144】
延長部143は、鍔部124の後上側部分から連続して、後上方へ延びる略平板形状に形成されている。
【0145】
筒部144は、延長部143を左右方向に貫通する略円筒形状に形成されている。
【0146】
左軸受部材131は、筒状部132と、鍔部134と、軸受ガイド部135と、クリーニング軸受部137と、係合部140とを一体的に備えている。
【0147】
筒状部132は、略円筒形状に形成されており、その内径が、軸受嵌合部20の外径と略同径(僅かに大径)に形成され、その外径が、右軸受部材121の筒状部122の外径と略同径に形成されている。
【0148】
また、筒状部132には、押圧部分133が形成されている。
【0149】
押圧部分133は、筒状部132の左端部から右方へ向かって切り欠かれる1対のスリットに挟まれる部分として形成されている。
【0150】
鍔部134は、筒状部132の外周面における左右方向途中部から、筒状部132の径方向外方へ延びる略円環板状に形成されている。
【0151】
軸受ガイド部135は、鍔部134の前側部分から前方へ延びる略平板形状に形成されている。また、軸受ガイド部135には、ガイド溝136が形成されている。
【0152】
ガイド溝136は、軸受ガイド部135の前端部から後方へ向かって窪む側面視略U字状に形成されている。
【0153】
クリーニング軸受部137は、鍔部134の後上側部分から後上方へ延びる略平板形状に形成されている。クリーニング軸受部137には、クリーニング軸受穴138が形成されている。クリーニング軸受穴138は、クリーニング軸受部137の中央部分を左右方向に貫通する側面視略円形状に形成され、その内径がクリーニング軸挿入部115の外径と略同径に形成されている。
【0154】
係合部140は、鍔部134の上側部分から上方へ延びる略平板形状に形成され、その上端部には、係合穴141が形成されている。
【0155】
また、ドラム収容部25は、図7に示すように、その左右両側壁(下フレーム側壁35および上フレーム側壁71)に設けられる、1対の保持部材101と、1対の離間部材146とを備えている。
【0156】
なお、以下の保持部材101および離間部材146の説明において、左側の保持部材101および離間部材146を参照して説明する。
【0157】
1対の保持部材101は、本体ガイド部153(後述)よりも摺動性のよい材料(ポリアセタ―ル材など)から形成され、図4に示すように、円筒部102と、被覆部104と、係止部106とを備えている。
【0158】
円筒部102は、略円筒形状に形成され、その右側部分が大径部分110として形成され、その左側部分が小径部分109として形成されている。
【0159】
大径部分110は、その内径が、小径部分109の内径よりも大径であって、下側カラー42および上側カラー79から形成される円筒形状のカラー部100(後述)の外径と略同径に形成されている。
【0160】
小径部分109は、その内径が、左軸受部材131の筒状部132(筒状部122)の外径と略同径に形成されている。
【0161】
小径部分109の内周面には、図4(b)に示すように、押圧部の一例としての突起部108が一体形成されている。
【0162】
突起部108は、小径部分109の内周面における前側部分から、径方向内方に向かって突出する側面視三角形状に形成され、左右方向に延びるように形成されている。
【0163】
また、円筒部102には、嵌合部の一例としての1対の嵌合突起103が設けられている。
【0164】
1対の嵌合突起103は、大径部分110の右端部から右方へ突出するように形成され、円筒部102の径方向外方へ屈曲する側面視略L字状に形成されている。各嵌合突起103は、円筒部102の径方向に対向するように設けられている。
【0165】
また、円筒部102の外周面は、下側部分が、本体ガイド部153(後述)に案内される被ガイド面112として区画され、後上側部分および後下側部分が、位置決め部154(後述)と当接する、被位置決め部の一例としての被位置決め面111として区画されている(図10参照)。
【0166】
また、円筒部102は、後側部分173の左方への突出量が前側部分172の左方への突出量よりも少なくなるように形成されている。つまり、後側部分173は、その左右方向長さが、前側部分172の左右方向長さよりも短く形成されている。
【0167】
そして、前側部分172の左端面と後側部分173の左端面とは、後方に向かうに従って大径部分110に近づくように(右方に)傾斜する傾斜面176で接続されている。
【0168】
被覆部104は、小径部分109の左端部における前側部分から連続して、前方へ延びる側面視略三角形状の略平板形状に形成されている。被覆部104の中央部分には、左右方向に貫通する側面視略円形状の離間軸穴105が形成されている。
【0169】
係止部106は、平面視略矩形状の略平板形状に形成され、被覆部104の前端部から前方および右方へ延びるように形成されている。
【0170】
係止部106の上面には、その右端部において、上方に突出する側面視略矩形状の突部107が設けられている。
【0171】
離間部材146は、図9(a)に示すように、軸挿通部147と、下側羽部148と、上側羽部151とを一体的に備えている。
【0172】
軸挿通部147は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されており、その内径が離間軸39の軸径と略同径に形成されている。
【0173】
下側羽部148は、軸挿通部147の下側部分から下方へ延びる略平板形状に形成され、その下側部分が前方へ向かって屈曲するように形成されている。下側羽部148の下側部分における前面は、現像カートリッジ23が離間位置にある状態(後述)において、本体側レバー162(後述)に押圧される被押圧面150として形成されている。
【0174】
上側羽部151は、軸挿通部147の上側部分から上方へ延びる略平板形状に形成され、その上側側部分が前方へ向かって屈曲するように形成されている。上側羽部151の上側部分における前面は、現像カートリッジ23が離間位置にある状態(後述)において、被当接部159と当接する当接面149として形成されている。
(2−6)ドラムカートリッジの組み立て
次に、ドラムカートリッジ22の組み立てについて説明する。
【0175】
ドラムカートリッジ22を組み立てるには、まず、図5に示すように、感光ドラム3およびドラムクリーニングローラ15に、連結部材114および軸受部材120を組み付ける。
【0176】
感光ドラム3およびドラムクリーニングローラ15に、連結部材114を組み付けるには、左側の軸受嵌合部20を、フランジ挿通穴116に右側から挿通するとともに、クリーニングローラ軸27の左端部を、クリーニング軸挿入部115に右側から挿入する。
【0177】
これにより、連結部材114が、感光ドラム3およびドラムクリーニングローラ15に組み付けられる。
【0178】
次いで、感光ドラム3およびドラムクリーニングローラ15に、軸受部材120を組み付ける。
【0179】
詳しくは、右側の軸受嵌合部20が、右軸受部材121の筒状部122に挿入されるとともに、クリーニングローラ軸27の右端部が、クリーニング軸支持部127に挿入されるように、右軸受部材121を感光ドラム3およびドラムクリーニングローラ15の右側から組み付ける。
【0180】
また、左側の軸受嵌合部20が、左軸受部材131の筒状部132に挿入されるとともに、クリーニング軸挿入部115が、クリーニング軸受穴138に挿入されるように、左軸受部材131を感光ドラム3およびドラムクリーニングローラ15の左側から組み付ける。
【0181】
以上によって、軸受部材120が感光ドラム3およびドラムクリーニングローラ15に組み付けられ、感光ドラム3とドラムクリーニングローラ15とが連結される。
【0182】
このとき、感光ドラムギヤ166の係合歯168と、クリーニングギヤ167の係合歯169とは、感光ドラム3に入力された駆動力がドラムクリーニングローラ15に伝達されるように係合する。
【0183】
また、右軸受部材121の筒状部122および左軸受部材131の筒状部132の内径が、各軸受嵌合部20の外径よりも僅かに大径に形成されているので、感光ドラム3は、軸受部材120に回転可能に保持される。
【0184】
次に、感光ドラム3およびドラムクリーニングローラ15を、図6に示すように、下フレーム33に組み付ける。
【0185】
感光ドラム3およびドラムクリーニングローラ15を下フレーム33に組み付けるには、感光ドラム3の各軸受嵌合部20の下側部分が、各下側受部40に対応するように、感光ドラム3およびドラムクリーニングローラ15を下フレーム33に対して上側から組み付ける。
【0186】
そうすると、鍔部124および134が、各後側側壁37の内側面と対向するように配置され、筒状部122および132の下側部分が、各下側受部40に受け入れられる。つまり、各軸受嵌合部20の下側部分が、各下側受部40に受け入れられる。
【0187】
以上によって、感光ドラム3およびドラムクリーニングローラ15が、下フレーム33に組み付けられる。
【0188】
このとき、感光ドラム3の素管18の下側部分は、第1開口部69から露出される。
【0189】
次に、下フレーム33に上フレーム34を組み付ける。
【0190】
下フレーム33に上フレーム34を組み付けるには、第1フレーム係合部38とフレーム被係合部72とが、第2フレーム係合部62と被係合穴91(図12参照)とが、それぞれ対応するように、上フレーム34を、下フレーム33の後側部分に対して上方から組み付ける。
【0191】
そうすると、図9に示すように、第1フレーム係合部38がフレーム被係合部72に下側から挿通され、第1フレーム係合部38が、突条部75により左右方向外方へ押圧される。これにより、鉤状部48と被係合部分74の後端部とが係合する。
【0192】
また、第2フレーム係合部62が被係合穴91に下側から挿通されて、鉤部64と被係合穴91の上端縁とが係合する(図12参照)。
【0193】
以上によって、上フレーム34が下フレーム33に組み付けられて、ドラム収容部25が区画される。
【0194】
このとき、図7に示すように、下側受部40と上側受部78とが、感光体受部の一例としてのドラム受部171を形成する。
【0195】
詳しくは、下側受溝43と上側受溝80とが、側面視円形状のドラム受穴(図示せず)を形成し、下側カラー42と上側カラー79とが、略円筒形状のカラー部100を形成する。
【0196】
すなわち、ドラムフレーム24は、ドラム受部171の上下方向中央部分(下側受部40と上側受部78と)を境界として、左右方向から見て、上下方向に下フレーム33と上フレーム34とに分割可能である。
【0197】
また、筒状部122および132の上側部分が、各上側受部78に受け入れられる。つまり、各軸受嵌合部20の上側部分が、各上側受部78に受け入れられる。
【0198】
また、下固定部65のねじ穴66が、上固定部89のねじ挿通穴90から露出される。
【0199】
次に、上フレーム34を下フレーム33に固定して、図2に示すように、ドラムフレーム24を形成する。
【0200】
上フレーム34を下フレーム33に固定するには、各ねじ挿通穴90を介して、2つのねじ部材157を各ねじ穴66に螺合させる。以上により、ドラムフレーム24が形成される。
【0201】
このとき、ドラム収容部25に収容される感光ドラム3は、第1回転軸線X1(図10参照)について回転可能となるように、その左右両端部が各下側受部40および各上側受部78に支持されている。
【0202】
また、図9に示すように、左軸受部材131の係合部140の上側部分が、挿通穴76に挿通されて、上方に突出する。これにより、係合部140の係合穴141が、操作部84の突起85と左右方向に対向するように配置され、操作部84が各レール部92の左端部上にあるときに、突起85と係合する。
【0203】
また、下側溝部44の幅広溝45と、上側溝部81の幅広溝82とが、感光ドラム3の径方向に対向配置され、また、下側溝部44の幅狭溝46と、上側溝部81の幅狭溝83とも、感光ドラム3の径方向に対向配置される(図9(a)参照)。
【0204】
また、各カラー部100に受け入れられた各軸受嵌合部20、すなわち、筒状部122または筒状部132に内嵌された各軸受嵌合部20は、各カラー部100の左右方向外側端部から左右方向外方に突出している。
【0205】
次に、離間部材146を下フレーム33に組み付ける。
【0206】
離間部材146を下フレーム33に組み付けるには、図9に示すように、下側羽部148が、離間軸39の下側に配置され、かつ、前方に向けて屈曲するように、軸挿通部147に離間軸39を挿通する。
【0207】
以上によって、離間部材146が下フレーム33に組み付けられる。
【0208】
次に、ドラムフレーム24に各保持部材101を組み付ける。
【0209】
ドラムフレーム24に各保持部材101を組み付けるには、図4および図9(a)に示すように、まず、保持部材101の各係止部106が前側に配置されるとともに、各嵌合突起103が、対応する幅広溝45および82に左右方向外方から挿入されるように、保持部材101をドラム収容部25の左右方向外側から組み付ける。
【0210】
そうすると、筒状部122および132が各小径部分109に内嵌されるとともに、カラー部100が各大径部分110に内嵌される(図4参照)。すなわち、各軸受嵌合部20は、円筒部102に内嵌され、筒状部122および132を介して、保持部材101に保持される。
【0211】
このとき、感光ドラム3の第1回転軸線X1と、保持部材101の円筒部102の軸線とが一致するように配置される。
【0212】
次いで、保持部材101を下フレーム33および上フレーム34に係合させる。
【0213】
保持部材101を下フレーム33および上フレーム34に係合させるには、図9(b)に示すように、係止部106が被係止部47に下側から当接するまで、保持部材101を矢印で示す回転方向Y(左側面視反時計方向)に回転させる。つまり、円筒部102の軸線と感光ドラム3の第1回転軸線X1とが一致しているので、保持部材101は、感光ドラム3の第1回転軸線X1について回転される。
【0214】
そうすると、図4および図9(c)に示すように、各嵌合突起103が、対応する幅狭溝46および83に到達し、幅狭溝46および83の縁部と各嵌合突起103の屈曲部分とが係合する。つまり、下側溝部44および上側溝部81は、保持部材101が回転されることによって、嵌合突起103と嵌合している。
【0215】
これにより、保持部材101が、下側受部40および上側受部78に跨るように、下フレーム33および上フレーム34と係合する。
【0216】
また、係止部106は、被係止部47の下面と当接するとともに、突部107が被係止部47の係止穴51(図3参照)に下側から挿入されことにより、下フレーム33に係止される。
【0217】
以上によって、保持部材101がドラムフレーム24(下フレーム33および上フレーム34)に組み付けられる。
【0218】
このとき、円筒部102の突起部108は、筒状部122および132を介して、各軸受嵌合部20を下側受部40の上端部に向けて押圧している。
【0219】
また、離間軸39の遊端部は、被覆部104に形成される離間軸穴105に挿通され、離間部材146が、被覆部104により左右方向外側から被覆されて、下フレーム33に保持されている。
【0220】
また、ドラム駆動入力部155は、図2に示すように、左右方向において、円筒部102内に収容され、円筒部102により保護されている。
【0221】
以上によって、ドラムカートリッジ22の組み立てが完了する。
【0222】
このとき、感光ドラム3の素管18の前側部分は、図8に示すように、第2開口部98から前方に向かって露出されている。
(3)ドラムカートリッジに対する現像カートリッジの装着
現像カートリッジ23をドラムカートリッジ22に装着するには、現像カートリッジ収容部26に現像カートリッジ23を上側から挿入する。
【0223】
これにより、現像カートリッジ23がドラムカートリッジ22に装着され、プロセスカートリッジ21が形成される。
【0224】
このとき、図10に示すように、現像フレーム30の前壁における左右両端部が、押圧部材56の筒部57により、感光ドラム3に向けて押圧される。そうすると、現像ローラ6のゴムローラ17と、感光ドラム3の素管18とが対向接触する。
【0225】
また、離間部材146は、左右方向に投影したときに、感光ドラム3の回転中心(第1回転軸線X1)と、現像ローラ6の回転中心(第2回転軸線X2)との間に配置される。
(4)本体ケーシングに対するプロセスカートリッジの装着
プロセスカートリッジ21を本体ケーシング2に装着するには、図1が参照されるように、トップカバー50を開放して、対応する位置にプロセスカートリッジ21を上側から挿入する。
【0226】
このとき、プロセスカートリッジ21は、図10に示すように、円筒部102の被ガイド面112が、本体ケーシング2に設けられる、ガイド部の一例としての本体ガイド部153に案内されて、円筒部102の各被位置決め面111が、本体ケーシング2に設けられる位置決め部154と当接するまで、挿入される。
【0227】
本体ガイド部153は、後方に向かうに従って下方に傾斜する略平板形状に形成され、例えば、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)材から形成されている。
【0228】
また、位置決め部154は、側面視略L字状に形成され、上方に延びる後面と前方に延びる下面とから形成されている。
【0229】
また、図12(a)に示すように、ドラム駆動入力部155は、左側の保持部材101の円筒部102内に収容されているので、プロセスカートリッジ21の本体ケーシング2に対する装着時に、本体ケーシング2内の他の部材との衝突による、ドラム駆動入力部155の損傷が低減される。また、左側の円筒部102の後側部分173の左方への突出量は、前側部分172の左方への突出量よりも小さい。そのため、後側部分173の左端面は、前側部分172の左端面よりも右側に位置している。その結果、プロセスカートリッジ21が、本体ケーシング2内に装着されるときに、保持部材101の後側部分173が、本体ケーシング2内の他の部材(例えば、ドラム駆動伝達部175(後述))と引っかからず(接触せず)、本体ケーシング2に対してプロセスカートリッジ21が円滑に装着される。
【0230】
また、図12(b)に示すように、ドラム駆動入力部155の左側には、左右方向において対向する位置に、本体ケーシング2に設けられるドラム駆動伝達部175が配置されている。
【0231】
ドラム駆動伝達部175は、本体ケーシング2に対して相対回転可能に設けられ、その左端部には、係合ギヤ177が設けられ、その右端部には、進退部178が設けられている。
【0232】
係合ギヤ177は、略円板状に形成され、本体ケーシング2に設けられるモータなどの駆動源(図示せず)から伝達される駆動力を受容するように、その周面に係合歯が形成されている。
【0233】
進退部178は、トップカバー50の開閉動作に連動して、左右方向に進退可能に形成され、その右端面には、ドラム駆動入力部155の各カップリング穴174(図5参照)と対応する係合突起179が形成されている。
【0234】
そして、トップカバー50が閉鎖されることにより、本体ケーシング2に対するプロセスカートリッジ21の装着が完了する。
【0235】
このとき、突起部108は、図11に示すように、位置決め部154の後面に向かって突出しており、各軸受嵌合部20を位置決め部154の後面に向かって押圧している。
【0236】
また、押圧部分129および133は、弾性力により、位置決め部154の下面に向かって、各軸受嵌合部20を押圧している。つまり、各軸受嵌合部20は、位置決め部154に向けて押圧されている。
【0237】
そして、プロセスカートリッジ21は、各被位置決め面111が位置決め部154と当接することにより、本体ケーシング2に対して位置決めされている。
【0238】
また、ドラム駆動伝達部175の進退部178は、トップカバー50の閉鎖に連動して、右方に進出し、係合突起179と、ドラム駆動入力部155のカップリング穴174(図5参照)とが係合する。これにより、本体ケーシング2に設けられるモータなどの駆動源(図示せず)からの駆動力が、ドラム駆動伝達部175を介して、感光ドラム3に伝達される。
(5)現像カートリッジの感光ドラムに対する接離動作
現像ローラ6のゴムローラ17と、感光ドラム3の素管18とは、上記したように常時接触している。
【0239】
そこで、ゴムローラ17と素管18とを、画像形成しないときなどに、離間させるためには、本体ケーシング2内に設けられる本体側レバー162により、各離間部材146の被押圧面150を押圧する。
【0240】
そうすると、図11に示すように、各離間部材146が左側面視時計方向に回動され、当接面149が被当接部159の後面と当接する。
【0241】
そして、被押圧面150が本体側レバー162により、さらに押圧されることにより、当接面149が被当接部159を前上方に向かって押圧して、現像カートリッジ23が押圧部材56の押圧力に抗して、前上側に移動される。
【0242】
これにより、ゴムローラ17と素管18とは離間される。
3.作用効果
(1)ドラムカートリッジ22は、ドラムフレーム24を備え、ドラムフレーム24は、ドラム受部171の上下方向中央部分を境界として、下フレーム33と上フレーム34とに分割可能である。
【0243】
そして、下フレーム33には、ドラム受部171の下側部分である下側受部49が形成され、上フレーム34には、ドラム受部171の上側部分である上側受部78が形成されている。
【0244】
そのため、ドラムカートリッジ22は、感光ドラム3の各軸受嵌合部20の下側部分を、下フレーム33の下側受部40に受け入れさせ、感光ドラム3を下フレーム33に組み付けた後(図6参照)、各軸受嵌合部20の上側部分を、上フレーム34の上側受部78が受け入れるように、下フレーム33に上フレーム34を組み合わせることで、組み立てられる(図7参照)。
【0245】
そのため、ドラムフレーム24に対する感光ドラム3の組み付け作業の円滑化を図ることができる。
【0246】
また、ドラムカートリッジ22は、保持部材101を備え、下フレーム33には下側溝部44が形成され、上フレーム34には上側溝部81が形成されている。
【0247】
保持部材101は、円筒部102と、嵌合突起103とを備えている。
【0248】
下側溝部44は、幅広溝45と幅狭溝46とから形成され、上側溝部81は、幅広溝82と幅狭溝83とから形成されている。
【0249】
そして、各円筒部102が各軸受嵌合部20を保持するとともに、各嵌合突起103が幅狭溝46および幅狭溝83と係合するので、ドラムフレーム24の剛性を高めること(下フレーム33と上フレーム34とを強固に組み付けること)ができ、ドラムフレーム24に対する、感光ドラム3の相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
【0250】
従って、ドラムカートリッジ22は、ドラムフレーム24に対する、感光ドラム3の組み付け作業の円滑化を図ることができながら、感光ドラム3の相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
(2)また、ドラムカートリッジ22は、摺動性に優れるポリアセタ―ル材から形成される軸受部材120を備えている。軸受部材120は、右軸受部材121および左軸受部材131を備え、それらは筒状部122および132を備えている。
【0251】
そして、感光ドラム3の各軸受嵌合部20は、筒状部122および132に内嵌され、回転可能に保持されている。
【0252】
これによって、簡易な構成でありながら、感光ドラム3の円滑な回転駆動を確保することができる。
【0253】
また、軸受部材120が摩耗すれば、軸受部材120のみを交換することができるので、ドラムカートリッジ22のメンテナンス性の向上を図ることができる。また、軸受部材120のみが、摺動性に優れるポリアセタ―ル材から形成されており、材料コストの低減を図ることができる。
(3)また、保持部材101は、突部107を備える係止部106を備えている。
【0254】
そして、係止部106は、図9(b)に示すように、回転方向Y(左側面視反時計方向)に回転させることで、下フレーム33の被係止部47に対して係止される。
【0255】
詳しくは、係止部106が被係止部47の下面と当接するとともに、突部107が係止穴51に下側から挿入され、係止部106が被係止部47に対して係止される。
【0256】
そのため、保持部材101と下フレーム33との相対的な位置関係を安定させることができる。その結果、保持部材101をドラムフレーム24に確実に係合させることができる。
【0257】
また、保持部材101を回転させるだけで、保持部材101を下フレーム33に対して係止することができるので、保持部材101のドラムフレーム24に対する組み付け作業の円滑化を図ることができる。
(4)また、下側溝部44および上側溝部81は、嵌合突起103がスライド可能に嵌合された状態において、保持部材101が回転可能となるように形成されている。
【0258】
そのため、保持部材101の係止部106を下フレーム33の被係止部47に容易に係止することができる。
(5)また、円筒部102には、突起部108が形成されている。
【0259】
突起部108は、円筒部102と一体形成され、円筒部102の内周面から径方向内方に突出している。
【0260】
そして、突起部108は、図9(c)に示すように、筒状部122および132を介して、各軸受嵌合部20を、下側受部40の上端部に向けて押圧している。
【0261】
そのため、各軸受嵌合部20が、下側受部40に対して位置決めされる。
【0262】
その結果、ドラムフレーム24に対する、感光ドラム3の相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
(6)また、上フレーム34の上壁88には、スコロトロン型帯電器4と、クリーニング部95とが設けられている。スコロトロン型帯電器4は、帯電ワイヤ86と、グリッド87とを備え、クリーニング部95は、1対のレール部92と、操作部84と、ワイヤ挟持部96とを備えている。
【0263】
そのため、感光ドラム3を帯電させることができ、また、帯電ワイヤ86をクリーニングすることができる。
【0264】
また、操作部84には、その左端部に突起85が設けられている。
【0265】
そして、操作部84がホームポジションにおいて、各レール部92の左端部上にあるとき、突起85は左軸受部材131の係合部140の係合穴141に挿入される。
【0266】
そのため、操作部84が各レール部92上から脱落することを防止できる。
(7)プロセスカートリッジ21は、ドラムカートリッジ22と、現像カートリッジ23とを備えている。
【0267】
現像カートリッジ23は、ドラムカートリッジ22に着脱可能に装着され、現像フレーム30と、現像フレーム30の両側壁31に回転可能に支持される現像ローラ6とを備えている。
【0268】
そして、現像カートリッジ23がドラムカートリッジ22に装着された状態において、現像ローラ6のゴムローラ17と感光ドラム3の素管18とが対向接触される。
【0269】
そのため、ドラムフレーム24に対する、感光ドラム3の相対的な位置決め精度の向上を図ることができるので、現像ローラ6と感光ドラム3との相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
(8)また、プロセスカートリッジ21は、離間部材146を備えている。
【0270】
離間部材146は、下フレーム33の離間軸39に支持され、現像カートリッジ23がドラムカートリッジ22に装着された状態において、左右方向に投影したときに、感光ドラムの回転中心と現像ローラ6の回転中心との間に配置されている。
【0271】
そして、離間部材146は、現像カートリッジ23のギヤカバー160の被当接部159を押圧することで、ゴムローラ17と素管18とを離間させる。
【0272】
そのため、簡易な構成でありながら、ゴムローラ17と素管18とを適宜接触・離間させることができる。
(9)また、保持部材101は、被覆部104を備えている。被覆部104は、離間部材146を左右方向外側から被覆して、離間部材146を下フレーム33に保持させる。
【0273】
そのため、簡易な構成でありながら、離間部材146を下フレーム33に保持させることができる。また、離間部材146に対する左右方向外方からの所望しない接触を防止できる。
(10)プリンタ1は、プロセスカートリッジ21と本体ケーシング2とを備えている。
【0274】
そして、プロセスカートリッジ21は、本体ケーシング2に着脱可能に装着されている。
【0275】
プロセスカートリッジ21が、ドラムフレーム24に対する感光ドラム3の相対的な位置決め精度の向上を図ることができるので、本体ケーシング2と感光ドラム3との相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
(11)また、本体ケーシング2は、位置決め部154を備えている。
【0276】
保持部材101の円筒部102には、被位置決め面111が形成されている。
【0277】
そして、プロセスカートリッジ21が本体ケーシング2に装着された状態において、位置決め部154と被位置決め面111とが当接して、プロセスカートリッジ21が本体ケーシング2に対して位置決めされる。
【0278】
そのため、プロセスカートリッジ21の本体ケーシング2に対する位置決め精度の向上を図ることができる。すなわち、本体ケーシング2と感光ドラム3との相対的な位置決め精度のさらなる向上を図ることができる。
(12)また、本体ケーシング2は、本体ガイド部153を備えている。保持部材101の円筒部102には、被ガイド面112が形成されている。
【0279】
そして、プロセスカートリッジ21が本体ケーシング2に装着されるときに、被ガイド面112が本体ガイド部153に案内される。
【0280】
そのため、本体ケーシング2に対するプロセスカートリッジ21の装着作業の円滑化を図ることができる。
(13)また、保持部材101は、例えば、ポリアセタ―ル材から形成され、ドラムフレーム24(下フレーム33および上フレーム34)は、例えば、ポリスチレン材から形成されている。つまり、保持部材101は、下フレーム33および上フレーム34よりも摺動性のよい材料から形成されている。
【0281】
そのため、本体ケーシング2に対するプロセスカートリッジ21の装着作業のさらなる円滑化を図ることができる。
(14)突起部108は、プロセスカートリッジ21が本体ケーシング2に装着された状態において、位置決め部154の後面に向かって突出している。
【0282】
そのため、各軸受嵌合部20が位置決め部154の後面に向けて押圧される。
【0283】
その結果、感光ドラム3が、下フレーム33および上フレーム34を介して、位置決め部154に位置決めされる。すなわち、本体ケーシング2と感光ドラム3との相対的な位置決め精度の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0284】
1 プリンタ
2 本体ケーシング
3 感光ドラム
4 スコロトロン型帯電器
6 現像ローラ
21 プロセスカートリッジ
22 ドラムカートリッジ
23 現像カートリッジ
24 ドラムフレーム
25 ドラム収容部
30 現像フレーム
33 下フレーム
34 上フレーム
40 下側受部
44 下側溝部
78 上側受部
81 上側溝部
84 操作部
85 突起
86 帯電ワイヤ
87 グリッド
95 クリーニング部
96 ワイヤ挟持部
101 保持部材
108 突起部
111 被位置決め面
146 離間部材
153 本体ガイド部
154 位置決め部
171 ドラム受部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回転軸線について回転可能に構成される感光体と、
前記感光体を収容し、前記感光体の前記第1回転軸線方向の両端を受ける感光体受部が形成される感光体収容部を備え、前記感光体受部を境界として、前記第1回転軸線方向から見て前記第1回転軸線方向と直交する方向に第1フレームと第2フレームとに分割可能である筐体と、
前記第1回転軸線方向における前記感光体の両端を保持するとともに、前記第1フレームおよび前記第2フレームに跨って係合する保持部材とを備えることを特徴とする、感光体カートリッジ。
【請求項2】
前記感光体の前記第1回転軸線方向の端部を回転可能に保持する軸受部材を備え、
前記保持部材は、前記軸受部材を介して、前記感光体の前記第1回転軸線方向の端部を保持することを特徴とする、請求項1に記載の感光体カートリッジ。
【請求項3】
前記保持部材は、前記第1フレームに係止するための係止部を備え、
前記係止部は、前記第1回転軸線について回転されることで、前記第1フレームに対して係止されることを特徴とする、請求項1または2に記載の感光体カートリッジ。
【請求項4】
前記保持部材は、前記第1フレームおよび前記第2フレームと嵌合する嵌合部を備えていることを特徴とする、請求項3に記載の感光体カートリッジ。
【請求項5】
前記第1フレームおよび前記第2フレームには、前記保持部材が回転可能に構成されるように、前記嵌合部と嵌合する溝部が形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の感光体カートリッジ。
【請求項6】
前記保持部材は、前記感光体の前記第1回転軸線方向の両端を内嵌する円筒部を備え、
前記円筒部には、前記感光体の前記第1回転軸線方向の両端を、前記感光体受部に向けて押圧する押圧部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光体カートリッジ。
【請求項7】
前記押圧部は、前記円筒部と一体形成され、前記円筒部の内周面から前記円筒部の径方向内方に突出していることを特徴とする、請求項6に記載の感光体カートリッジ。
【請求項8】
前記第2フレームは、
前記第1回転軸線方向に沿って配置される帯電ワイヤと、前記帯電ワイヤと前記感光体との間に配置されるグリッドとを備えるスコロトロン型帯電器と、
前記帯電ワイヤをクリーニングするためのクリーニング部材と、前記クリーニング部材を前記帯電ワイヤに沿って移動させる操作部とを備えるクリーニング部とを備え、
前記操作部は、前記第1回転軸線方向の一端側に位置するときに、前記軸受部材と係合する係合部を備えていることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか一項に記載の感光体カートリッジ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光体カートリッジと、
前記感光体カートリッジに着脱するように構成され、現像フレームと、前記現像フレームに設けられ、第2回転軸線について回転可能に構成される現像剤担持体とを備える現像カートリッジとを備え、
前記現像カートリッジが前記感光体カートリッジに装着された状態において、前記現像剤担持体が前記感光体に対向接触されることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記感光体カートリッジに設けられ、
前記現像カートリッジが前記感光体カートリッジに装着された状態において、前記第1回転軸線方向に投影したときに、前記第1回転軸線と前記第2回転軸線との間に配置され、前記現像フレームの前記第1回転軸線方向の両端部を押圧することで、前記現像剤担持体を前記感光体から離間させる離間部材を備えることを特徴とする、請求項9に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
前記保持部材は、前記離間部材を前記第1回転軸線方向の外側から被覆して、前記離間部材を前記第1フレームに保持させる被覆部を備えることを特徴とする、請求項10に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジと、
前記プロセスカートリッジが着脱するように構成される装置本体とを備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項13】
前記装置本体は、位置決め部を備え、
前記保持部材は、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された状態において、前記位置決め部と当接して、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に対して位置決めする被位置決め部を備えていることを特徴とする、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記装置本体は、ガイド部を備え、
前記保持部材は、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されるときに、前記ガイド部に案内されることを特徴とする、請求項12または13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記保持部材は、前記第1フレームおよび前記第2フレームよりも摺動性のよい材料から形成されることを特徴とする、請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
請求項7に記載の感光体カートリッジと、前記感光体カートリッジに着脱するように構成され、現像フレーム、および、前記現像フレームに設けられ、第2回転軸線について回転可能に構成される現像剤担持体を備える現像カートリッジとを備え、
前記現像カートリッジが前記感光体カートリッジに装着された状態において、前記現像剤担持体が前記感光体に対向接触されるプロセスカートリッジと、
前記プロセスカートリッジが着脱するように構成され、位置決め部を備える装置本体とを備え、
前記保持部材は、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された状態において、前記位置決め部と当接して、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に対して位置決めする被位置決め部を備え、
前記押圧部は、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された状態において、前記位置決め部に向かって突出していることを特徴とする、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−54061(P2013−54061A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190040(P2011−190040)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】