説明

抗アレルギーの乳酸菌

【課題】抗アレルギーの乳酸菌を提供する。
【解決手段】本発明は、乳酸菌菌株、及び、抗アレルギー能力を増進するのに有効であるとして知られていない菌株の新規組成物に関する。組成物は、食品或いは、調合薬の形式で存在する。本発明は、乳酸菌株組成物を選別し、Th1型免疫反応を増進して、アレルギーによる反応が過度なTh2型の免疫反応を調節する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、或いは、医薬に応用する抗アレルギー乳酸菌菌株の組成物、及び、抗アレルギー能力への用途に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アレルギー疾患は年々増加する傾向にあり、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支性喘息の発生率が増加している。現在、アレルギー性疾患の発生は文明の進歩と関係があるとされている。例えば、空気の汚染と感染の減少は、どれも、アレルギー疾患増加の原因とされている。現在、喘息治療は薬物に依存しており、ステロイドと肥大細胞が釈放する炎症物質を抑制する薬物、気管拡張剤、免疫療法等である。しかし、抗炎症薬物と気管拡張剤が含まれる薬物治療は、アレルギー免疫反応を根本から改善することができず、よって、緩和させる方法であるとしか言えない。唯一言えるのは、アレルギー免疫体質の治療方式は、いわゆる免疫療法であるが、免疫治療は治療に一定の時間を必要とし、時には副作用も現れるので、全ての患者に適用できるわけではない。
【0003】
アレルギー疾患の増加に関し、現在、環境の変化と密接な関係があるとされ、特に、環境方面と明らかな関係がある。人体の腸内中の体によい働きをする細菌は、免疫システム作用を刺激するが、日常生活中の食品の抗生物質やステロイド含量が高いと、腸内の体によい働きをする細菌が減少し、免疫細胞中の第一型ヘルパー細胞(Th1)の生成を効果的に刺激できず、これらの第一型ヘルパー細胞(Th1)の生成と第二型ヘルパー細胞(Th2)の相関するアレルギー疾患発生は密接な関係がある。よって、機能食品により我々の免疫システムを刺激し、アレルギー免疫反応のTh1型免疫反応平衡アレルギーが引き起こすTh2型免疫反応を調節することができるなら、アレルギー体質を改善する効果が達成される。
【0004】
人類の微生物応用の歴史上、乳酸菌の応用起源は非常に早い。早期の乳製品の加工で発見され、食用乳酸菌発酵食品は、人類の胃腸疾患の発生率を低下させ、平均寿命を延長する効果がある。よって、多くの学者が乳酸菌を研究し、人の健康中で様々な役割を果たしていることが発見された。機能性乳酸菌は、西暦1954年に提出された後、数年間で熱心に研究され、1965年のLilly DM等により正式にProbiotic(腸内の体によい働きをする細菌)の概念が開示され、機能性乳酸菌の通称となっている。
【0005】
一般の食用乳酸菌(LAB)の製品は、腸内の健康を調整するもので、多くの乳酸菌菌株が自然界に存在しているが、少数の乳酸菌株だけが抗アレルギーの特質を有する。少数のこれらの菌株が有する耐酸と耐胆汁塩能力、粘膜表皮細胞を吸付する能力、胃腸通過後も存在する能力等の特性は、健康を促進する菌株を選別する重要な証拠である。今日、少数の株が、抗アレルギーの健康効果を有する乳酸菌菌株があることが証明され、乳酸菌の健康に対する功能は、菌株(strain)の特異性で、菌種(species)ではない。この人体に有益な特殊功能を有する菌株は機能性プロバイオティクスと称される(非特許文献1 Guidelines for the evaluation of probiotics in food;Report of joint FAO/WHO working group on drafting guidelines for the evaluation of probiotics in food;London Ontario, Canada April 30 and May 1, 2002:1-7)。
【0006】
アレルギー疾患、例えば、アトピー性湿疹、じんましん、反覆発作するアレルギー性鼻炎、及び、アレルギー性喘息は、台湾、及び、その他の開発国家では既に重大な社会問題となっている。アレルギー性疾患がますます流行するのには原因があり、衛生仮説は、乳幼児が免疫刺激病原体に接触する機会が少ないほど、アレルギー相関疾病の生成が生じやすい(非特許文献2 Strachan, 1989)。アレルギー疾患の発生時、人体内の免疫反応は、Th1細胞の数量を減少させ、多種細胞ホルモンを連続生成し、免疫反応がTh2に向けて、体液免疫反応、例えば、IgEの生成と好酸球{こうさんきゅう}増加{ぞうか}症(非特許文献3 Romagnani, 1994、非特許文献4 Holt, 1995)を形成する。
【0007】
エストニア、及び、スウェーデンの両国家の児童から、アレルギー疾患の児童の腸内の乳酸桿菌は、アレルギー疾患がない児童よりも少ないことが発見されている(非特許文献5 Bjo¨rksten et al., 1999)。乳酸桿菌は、Th1の免疫反応を促進して、アレルギー症状を改善する(非特許文献6 Cross et al., 2001)。更に、卵白蛋白によるラットアレルギーを誘発する動物実験摸式中で、ラットを経口方式で熱処理したラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(Lactobacillus casei strain Shirota)を食用させ、ラット血清中のIgEの含量を抑制できることが証明されている(非特許文献7 Matsuzaki et al., 1998)。この他、カゼインによりラットのアレルギーを誘発する動物実験摸式で、熱処理後のDL乳酸(Lactobacillus plantarum)L−137を腹腔注射しても、IgEの生成を抑制することが出来ることが証明されている(非特許文献8 Murosaki et al., 1998)。ブタクサ花粉によるアレルギー症状は、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)FK−23を経口し、腹膜内に収集された好酸球細胞量を減少させることができる(非特許文献9 Shimada et al., 2003)。人体の臨床試験中、妊娠期に、LGG乳酸菌(Lactobacillus rhamnosus strain GG)を服用すると、出生後二年(非特許文献10 Kallioma¨ki et al., 2001)、及び、新生児後(非特許文献11 Kallioma¨ki et al., 2003)、乳幼児の過敏性湿疹のリスクと発生率を低下させることが発見されている。乳酸菌菌体(Lactobacillus rhamnosus)19070−2、及び、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)DSM122460も、適度にアトピー性皮膚炎の児童の重度の湿疹の過敏症状を改善することができる(非特許文献12 Rosenfeldt et al., 2003)。
【非特許文献1】Guidelines for the evaluation of probiotics in food;Report of joint FAO/WHO working group on drafting guidelines for the evaluation of probiotics in food;London Ontario, Canada April 30 and May 1, 2002:1-7。
【非特許文献2】Strachan, 1989
【非特許文献3】Romagnani, 1994
【非特許文献4】Holt, 1995
【非特許文献5】Bjo¨rksten et al., 1999
【非特許文献6】Cross et al., 2001
【非特許文献7】Matsuzaki et al., 1998
【非特許文献8】Murosaki et al., 1998
【非特許文献9】Shimada et al., 2003
【非特許文献10】Kallioma¨ki et al., 2001
【非特許文献11】Kallioma¨ki et al., 2003
【非特許文献12】Rosenfeldt et al., 2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、乳酸菌の株を選別し、Th1型とTh2型間の免疫バランスを調節する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、広義で下記の生物性純培養物を含む。ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0002菌株(2007年4月6日、中▲国▼武漢大▲学▼China Center for Type Culture Collection(CCTCC)番号第M207038)、ラクトバチルスガセリ(Lactobacillus gasseri)PM−A0005菌株(2007年4月6日、中▲国▼武漢大▲学▼China Center for Type Culture Collection(CCTCC)番号第M207039)、ラクトバチルスサリバリウス(Lactobacillus salivarius subsp. salicinius)PM−A0006菌株(2007年4月6日、中▲国▼武漢大▲学▼China Center for Type Culture Collection(CCTCC)番号第M207040)、ラクトバシルスジョンソニイ菌(Lactobacillus johnsonii)PM−A0009菌株(2007年4月6日、中▲国▼武漢大▲学▼China Center for Type Culture Collection(CCTCC)番号第M207041)、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0013菌株(2007年4月6日、中▲国▼武漢大▲学▼China Center for Type Culture Collection(CCTCC)番号第M207042)である。生理的に容認できる賦形剤、或いは、希釈剤と組成される組成物である。
【0010】
具体例中、組成物は、一種、或いは、一種以上のこれらの菌株を有し、賦形剤、或いは、希釈剤は、一種の食品を好ましい形式とし、この食品は、発酵乳、ヨーグルト、チーズ、乳飲料、全乳粉、茶飲料、或いは、コーヒー中のどれかであり、また、或いは、組成物は、医薬組成物で、且つ、賦形剤、或いは、希釈剤は、医薬上容認できる賦形剤、或いは、希釈剤である。
【0011】
もう一つの具体例中、抗アレルギー能力を増強できる生理的に容認できる下記の任意の菌株の同種、或いは、突変種の生物性純培養物は、ラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0002菌株、ラクトバチルスガセリPM−A0005菌株、ラクトバチルスサリバリウスPM−A0006菌株、ラクトバシルスジョンソニイ菌PM−A0009菌株、ラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0013菌株である。
【0012】
また、もう一つの具体例中、本発明は、広義のインターロイキン(IL−12)、或いは、インターフェロンγ調整Th1型免疫反応により免疫球蛋白IgEを促進することにより、Th2型免疫反応可能のアレルギー現象を改善し、哺乳動物に対し投与すれば、Th1型免疫効果剤量の前述の生物性純培養物を刺激することができる。
【0013】
更に、もう一つの具体例中、菌株中の一つ以上を含む生物性純培養物を定義し、培養物と生理的に容認できる賦形剤、或いは、希釈剤は組み合わせの形式が投与であるのが好ましく、及び、生理的に容認できる賦形剤、或いは、希釈剤は食品が好ましく、食品は、発酵乳、ヨーグルト、チーズ、乳飲料、全乳粉、茶飲料、或いは、コーヒー中のどれかであり、或いは、組成物は、医薬組成物で、且つ、賦形剤、或いは、希釈剤は、医薬上容認できる賦形剤、或いは、希釈剤である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の方法により、乳酸菌株組成物を選別し、Th1型免疫反応を増進して、アレルギーによる反応が過度なTh2型の免疫反応を調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、広義で下記の生物性純培養物を含む。ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0002菌株(2007年4月6日、中▲国▼武漢大▲学▼China Center for Type Culture Collection(CCTCC)番号第M207038)、ラクトバチルスガセリ(Lactobacillus gasseri)PM−A0005菌株(2007年4月6日、中▲国▼武漢大▲学▼China Center for Type Culture Collection(CCTCC)番号第M207039)、ラクトバチルスサリバリウス(Lactobacillus salivarius subsp. salicinius)PM−A0006菌株(2007年4月6日、中▲国▼武漢大▲学▼China Center for Type Culture Collection(CCTCC)番号第M207040)、ラクトバシルスジョンソニイ菌(Lactobacillus johnsonii)PM−A0009菌株(2007年4月6日、中▲国▼武漢大▲学▼China Center for Type Culture Collection(CCTCC)番号第M207041)、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0013菌株(2007年4月6日、中▲国▼武漢大▲学▼China Center for Type Culture Collection(CCTCC)番号第M207042)である。
【0016】
多くの文献で、第一型T細胞サイトカイン、インターロイキンIL−12)、インターフェロンγの分泌増加により、アレルギー現象を改善することが示されている。他の研究でも、特定の乳酸菌株とトール様受容体(Toll-like receptor)を結合し、活性細胞内の変換蛋白を核内に移して大量のサイトカインを釈放し、先天免疫の一環に属するので、ある特定の乳酸菌菌種は、その細胞壁多糖類物質、ペプチドグリカン(peptidoglycan)、リポ多糖体(lipopolysaccharide)、多糖(polysaccharide)等、先天免疫システムにより、T細胞の発育を確実に活性させることができる。
【0017】
五株の細菌菌株の冷凍乾燥培養物は、中▲国▼武漢大▲学▼China Center for Type Culture Collection(CCTCC)に存在する。詳細は、表1のようである。
【0018】
【表1】

【0019】
上述の五株の乳酸菌は、既に、抗アレルギー性であることが確認されており、アトピー性皮膚炎、じんましん、アレルギー性鼻炎、植物アレルギー、及び、喘息の症状に対し、緩和、及び、治療の功能を有する。
【実施例】
【0020】
実施例1:五株の抗アレルギー乳酸菌の形態学、及び、一般性質。
16S rDNA序列分析、及び、API細菌鑑定システム分析結果に基づいて、菌株の分類学上の特徴を確認する。東宇菌株番号PM−A0002はラクトバチルスアシドフィラス菌;東宇菌株番号PM−A0005はラクトバチルスガセリ;東宇菌株番号PM−A0006はラクトバチルスサリバリウス;東宇菌株番号PM−A0009はラクトバシルスジョンソニイ菌、及び、東宇菌株番号PM−A0013ラクトバチルスアシドフィラス菌である。この五株の抗アレルギー乳酸菌の形態学、及び、一般性質は表2で示される。
【0021】
【表2】

【0022】
実施例2:抗アレルギー乳酸菌のインターフェロンγの分泌を促進するTh1型免疫能力作用(周辺血液の単核球細胞を体外効果検証プラットとする)
五株の抗アレルギー乳酸菌株、ラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0002菌株、ラクトバチルスガセリPM−A0005菌株、ラクトバチルスサリバリウスPM−A0006菌株、ラクトバシルスジョンソニイ菌(Lactobacillus johnsonii)PM−A0009菌株、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0013菌株のTh1型免疫能力に対する増進効果は、末梢血単核球と抗アレルギー乳酸菌を共に培養後、インターフェロンγの分泌量を測定し、抗アレルギー能力を有する菌株を選定する。以下の実験工程を使用する。
1.適当な人類の血液量各200mlを採血する。
2.等比例の血球分離液(フィコール−パック、Ficoll-Paque)と血液を18〜20℃で400gを30〜40分間遠心する。
3.人類の末梢血単核球(Peripheral blood mononuclear cell, PBMC)層を取り、緩衝溶液で細胞を2〜3回洗浄した後、適当な培養基(例えば、RPMI−1640)により細胞を懸濁させる。
4.細胞と3日間活性化した乳酸菌株を、1:10の比例で48時間培養する。
5.細胞培養の上澄み液を採取する。酵素免疫測定法(ELISA)によりインターフェロンγ(IFN-gamma)の上澄み液中の含量を測定する。
【0023】
データの統計分析は、表3と図1で示され、Mean±SDで表示される。図1で示されるように、それぞれ、10〜10個cfuのラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0002菌株、ラクトバチルスガセリPM−A0005菌株、ラクトバチルスサリバリウスPM−A0006菌株、ラクトバシルスジョンソニイ菌(Lactobacillus johnsonii)PM−A0009菌株、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0013菌株と10〜10個の人類の末梢血単核球(PBMC)を48時間共培養し、細胞の上澄み液を採取して、酵素免疫測定法により、インターフェロンγ(IFN-gamma)の上澄み液中の含量を検出する。無抗アレルギー功能乳酸菌(Lactobacillus casei BCRC12249台湾食品工▲業▼▲発▼展研究所)を負制御組(NC)、PHAを正制御組(PC)とし、インターフェロンγが刺激を受ける濃度を検出する。結果は、末梢血単核球(PBMC)は、これらの異なる乳酸菌株の刺激により、インターフェロンγ分泌を増加することができる。表3は、それぞれ、五株の抗アレルギー菌株と末梢血単核球の培養における、インターフェロンγの分泌量(means±SD)である。
【0024】
【表3】

【0025】
実施例3:抗アレルギー乳酸菌のインターロイキン(IL−12)の分泌を促進するTh1型免疫能力作用(樹枝状細胞を体外効果検証プラットとする)
五株の抗アレルギー乳酸菌株、ラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0002菌株、ラクトバチルスガセリPM−A0005菌株、ラクトバチルスサリバリウスPM−A0006菌株、ラクトバシルスジョンソニイ菌(Lactobacillus johnsonii)PM−A0009菌株、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0013菌株のTh1型免疫能力に対する増進効果は、末梢血単核球と抗アレルギー乳酸菌を共に培養後、インターフェロンγの分泌量を測定し、抗アレルギー能力を有する菌株を選定する。以下の実験工程を使用する。
1.適当な人類の血液量各200mlを採血する。
2.等比例の血球分離液(フィコール−パック(Ficoll-Paque))と血液を18〜20℃で400gを30〜40分間遠心する。
3.人類の末梢血単核球(PBMC)層を取り、緩衝溶液で細胞を2〜3回洗浄した後、適当な培養基(例えば、RPMI−1640)により細胞を懸濁させる。
4.人類の末梢血単核球(PBMC)細胞を、CD14微粒子(MiniMACS system)により、細胞のCD14単核球細胞を純化する。
5.インターロイキン(IL−4)、及び、成長ホルモンGM−CSFにより細胞を刺激して樹枝状細胞に分化し、6〜7日間培養して、分化した樹枝状細胞を収集する。
6.抗アレルギー乳酸菌株を共培養する前の三日間は活性化し、その後、100℃の熱で、乳酸菌株を30分致死させる。
7.樹枝状細胞と既に熱致死した乳酸菌株を1:10の比率で48時間培養する。
8.細胞培養の上澄み液を採取する。酵素免疫測定法(ELISA)によりインターロイキン(IL−12)の上澄み液中の含量を測定する。
【0026】
データの統計分析は、表4と図2で示され、Mean±SDで表示される。図2で示されるように、それぞれ、熱致死させた10〜10個cfuのラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0002菌株、ラクトバチルスガセリPM−A0005菌株、ラクトバチルスサリバリウスPM−A0006菌株、ラクトバシルスジョンソニイ菌(Lactobacillus johnsonii)PM−A0009菌株、或いは、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0013菌株と10〜10個の樹枝状細胞を48時間共培養し、細胞の上澄み液を採取して、酵素免疫測定法により、インターロイキン(IL−12)の上澄み液中の含量を検出する。無抗アレルギー功能乳酸菌(Lactobacillus casei BCRC12249台湾食品工▲業▼▲発▼展研究所)を負制御組(NC)、PHAを正制御組(PC)とし、インターロイキン(IL−12)が刺激を受ける濃度を検出する。結果は、樹枝状細胞は、五個の乳酸菌の刺激により、インターロイキン(IL−12)の分泌を増加させる。表4は、五株の熱致死させた抗アレルギー菌株と樹枝状細胞の培養におけるインターロイキン(IL−12)の分泌量(means±SD)である。
【0027】
【表4】

【0028】
実施例4:抗アレルギー乳酸菌株耐胃酸胆汁塩試験
五株の抗アレルギー乳酸菌株、ラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0002菌株、ラクトバチルスガセリPM−A0005菌株、ラクトバチルスサリバリウスPM−A0006菌株、ラクトバシルスジョンソニイ菌PM−A0009菌株、ラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0013菌株が、胃酸胆汁塩試験をパスする能力を有して、腸内で円滑にその抗アレルギー性功能を発揮できるかを検証し、その試験工程は、以下のようである。
1.五株の抗アレルギー乳酸菌を3日活性化する。
2.1mlの菌液を採取して原始菌数を計算し、残りの乳酸菌は、500gで10分間遠心し、脱イオン水を加えて、乳酸菌を2〜3回洗浄する。
3.塩酸でpH2.5にした培養液基中に、乳酸菌とpH2.5の培養液基を十分に混合し、37℃の培養箱に放置する。
4.毎時間1mlの菌液を取り出し、脱イオン水で2〜3回洗浄した後、3時間の培養時間まで、存在細胞数を計算する。
5.残りの菌液を遠心後、沈殿物を1.5%(w/V)オックスゴール(ox gall、Sigma)を含む培養基中で再度溶かし、充分に混合後、37℃で培養する。
6.毎時間1mlの菌液を取り出して、脱イオン水で2〜3回洗浄後、4時間の培養時間まで、存在細胞数を計算する。
7.乳酸菌の生長速度を記録し、乳酸菌の胃酸胆汁塩に対する耐受力を計算して、サンプル中の乳酸菌が胃酸、及び、胆汁塩の存在下で、菌株が抑制を受けるかどうか観察する。
【0029】
耐胃酸能力の結果と分析が表5と図3で整理され、図3で示される結果は、市販の抗アレルギー乳酸菌が培養基で活性化後、総菌数は酸性の緩衝溶液、及び、胆汁塩処理され、菌数が明らかに減少する。アレルギーを調整する乳酸菌株の培養基での活性後、菌株を酸性の緩衝溶液と胆汁塩で処理し、PM−A0006、PM−A0009、PM−A0013菌数は、胃酸コリン変化の影響に対して急激に下降せず、PM−A0002、及び、PM−A0005は胃酸の影響を受けないが、菌数に影響し、胃酸に対する耐受性を証明する。但し、菌株が胆汁塩で処理される時、菌株は少し減少するが、胆汁塩に対する耐受性はあり、抗アレルギーのこの五株の乳酸菌株は、人体の消化器系の厳しい環境をパスできることを証明する。表5は、pH値2.5の塩酸と抗アレルギー乳酸菌を混合した耐胃酸能力のテストである。
【0030】
【表5】

【0031】
耐胆汁塩能力の結果と分析は表6と図3で整理され、表6は1.5%の胆汁(bile)と抗アレルギー乳酸菌を混合した耐胆汁塩能力のテストである。
【0032】
【表6】

【0033】
実施例5:抗アレルギー乳酸菌の人体の腸内表皮細胞(CaCo−2)に対する吸付能力試験である。
生体外で既に分化された細胞株を採用し、五株の抗アレルギー乳酸菌株の人体の腸内表皮細胞(CaCo−2)を吸付する能力を分析する。人類の腸内表皮細胞(CaCo−2)単層細胞株を被覆片上で単層細胞になるまで生長させ、多孔細胞培養盤中に置入する。その後、細胞:乳酸菌の比例1:20で、1〜3時間共培養し、1×PBSで洗浄し、メチルアルコールにより細胞、及び、残りの付着菌数を固定し、1×PBSで洗浄し、メチルアルコールにより細胞と残りの付着菌数を固定し、グラム染色を実行し、付着した菌数を確定する。Jacobsen等の学者(1999)の分析方法を参照すると、1000倍の顕微鏡下で20個の視野を計数し、各視野の平均菌数が40以下の時、不付着(nonadhesive);各視野の平均菌数が41〜100の時、付着(adhesive);各視野の平均菌数が100以上の時、強烈な付着(strongly adhesive)であると判定する。
【0034】
データの統計分析は、Mean±SDで表示される。平均では、45個の視野の計算値を得て、その結果を表7と図4で整理する。図4は、Jacobsen等の学者(1999)の分析方法で、各視野の平均菌数が、40以下の時、不付着(nonadhesive);各視野の平均菌数が41〜100の時、付着(adhesive);各視野の平均菌数が100以上の時、強烈な付着(strongly adhesive)であると判定する。ラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0002菌株、ラクトバチルスガセリPM−A0005菌株、ラクトバチルスサリバリウスPM−A0006菌株、ラクトバシルスジョンソニイ菌PM−A0009菌株等の四株の抗アレルギー乳酸菌株が強烈な付着であると判定され、ラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0013菌株が付着であると判定されることが示される。表7は、五株の抗アレルギー乳酸菌の人類の腸内表示細胞(CaCo−2)細胞株の吸付能力試験である。
【0035】
【表7】

【0036】
実施例6:抗アレルギー乳酸菌を補充飼料とする治療、或いは、アレルギー喘息を緩和する効果は、唾液でラクトバチルスサリバリウスPM−A0006をオボアルブミン(ovalbumin; OVA)を喘息のラットに与える例により、アレルギー改善を評価する。
【0037】
A.実験設計
1.実験動物
BALB/cラット、生後6〜8週、メス、対照組と実験組各14匹を使用する。常用のBALB/cメスラット、生後8週、餌6週、各組14匹を選択する。台湾大学動物センターからSPF6週大のBALB/cメスラットを購買し、各ラットはそれぞれステンレス籠中で飼育し、室内温度は22±2℃に制御し、明暗循環時間は、それぞれ、12時間(朝6時に点灯、午後6時に消灯)、自由に餌、水を摂食する。ラットの生後8週時の体重により分類し、餌の提供方法の管理を開始し、乳酸菌(2.6×10至2.6×10cfu/day)で反応させる。
【0038】
2.気道炎症動物摸式の構築
ラットのアレルギーの工程は以下のようである。実験開始から二日以内に50μgのオボアルブミンとアルミアジュバント4mgをラット体内に腹腔注射し、実験16、30、44日目に、25μgのオボアルブミンとアルミアジュバント4mgをラット体内に再度注射する。アレルギー後、実験54、55日目に、ラットに麻酔し、鼻腔内(intra-nasal, i.n.)に100μmのオボアルブミンを滴入させて、気道の炎症反応を誘発する。
【0039】
3.実験工程は図5で示されるように、抗アレルギー乳酸菌がアレルギーを改善する実験の設計工程は、抗アレルギー乳酸菌を与えるのを管理する段階を四期に分ける。第一期は0〜22日、第二期は23〜36日、第三期は37〜50日、第四期は51〜53日である。その間はラットにオボアルブミンを腹腔注射し、四回(1st ip, 2nd ip, 3rd ip, 4th ip)に分けてアレルギー反応させ、第一回は飼料管理の二日目、第二回は16日目、第三回は30日目、第四回は44日目である。オボアルブミンを腹腔注射する隔週は、血液検査し、ラットのIgEの体内含量の変化を調べる。ラットが犠牲になる四日前(第54日目)に、鼻の粘膜から吸入する方式で、ラットに連続2日間アレルギーを生じさせ、ラットの肺呼吸抵抗の反応を検出し、次の日、犠牲になったラットに対し、その他の生化学値の検出を行う。
【0040】
B.実験方法
1.動物犠牲と実験材料収集と分析
a.血清サンプルの収集
実験開始後第0、23、37、51日目、及び、犠牲時、ラットに対し、眼球後部採血(retro-orbital)で採血する。ラットの麻酔後、迅速に微量の毛細血管で眼球後部の静脈洞で、200〜250μLの血液を取り、2〜4時間静置し、12000rpmの回転速度で20分間遠心し、血清を収集して保存する。
【0041】
b.オボアルブミンの専一性抗体を測定する酵素免疫測定法
0.5mgの抗原を100μL炭酸塩コーティングバッファ(carbonate coating buffer)(0.1M NaHCO)に溶かし、微量の培養盤を加え、4℃で一晩静置する。二日目に、0.05%のTween20の1XPBS緩衝液で微量の培養盤を洗浄する。その後、ブロッキング溶液(blocking solution)(1%BSAを含有する1XPBS緩衝液)により二時間以上ブロッキングし、三回洗浄した後、100μLの測定サンプルを加えて、4℃で反応させ一晩静置し、4回洗浄した後、100μLの抗ラットIgE抗体を室温で1〜2時間反応させ、5回洗浄する。100μLを加えて、適当に希釈されたアビジン(avidin-HRP、avidin-horseradish peroxidase conjugated)により一時間反応させ、6回洗浄し、最後に、100μLのABTS(2.2'-Azino-bis-3-Ethylbenzthiazoline-6-Sulfonic Acid)を加え、溶液が室温で色が呈する30分後、100μLの5%SDSで反応を終了させ、マイクロプレートリーダー(microplate reader)でマイクロプレートを読み取る。測定結果は、酵素免疫測定unit方式で以下のように表示する。
ELISAユニット=(Asample−Ablank)/(Apositive control−Ablank
【0042】
c.気道過敏性(airway hyperresponsiveness, AHR)測定
経口抗アレルギー乳酸菌がラットのアレルギー反応を緩和することができるかを研究するため、二回の気管内アレルギー原刺激後、次の日、気道抵抗のテストを受ける。テストシステムは、バクスコシステム(Buxco system、Biosystem XA, Buxco Electronics Inc. Sharon, CT, USA)である。システム中のトランデューサー(transducer、differential pressure transducer, Buxco)、及び、プリアンプ(preamplifier、MAX II, Buxco)を利用して、ラット気道変化の情報を収集し、Penh値を計算する。Penh値の計算方式は、pause×PIF/PEF;Pause = (Te − Tr) / Tr, (PIF:peak inspiratory flow;PEF:peak expiratory flow;Te:expiratory time;Tr:relaxation time)である。ラットの意識がはっきりした状態で、全身をプレチスモグラフチャンバ中に放置し、超音波生理食塩水(normal saline)をチャンバに3分間導入し、その後、ラットの三分内の毎分の平均肺呼吸抵抗値Penhを記録し、次第に増加する濃度のメタコリン(Methacholine、6.25、12.5、25、50mg/mL)をラットに噴霧して刺激し、各濃度は、3分間刺激した後、更に、3分間の気道生理変化を記録する。三分内の各分の平均Penh値を記録する。
【0043】
d.肺洗浄液、及び、肺部細胞分析
肺呼吸抵抗テスト終了後、ラットを犠牲にし、頚部頭皮肉を切り取って気管を露出し、静脈から管を気管に挿入し、まず、1mLの無菌HBSSバッファで肺部を洗浄し、取得した肺洗浄液は1500rpmで5分間遠心させ、上澄み液を分離して、−80℃で後続分析する。部分的な細胞を後の二回の肺洗浄液中に併入し、1500rpmで5分間遠心し、上澄み液を捨てて、細胞を1mLの2%BSAを含有するHBSSバッファにより懸濁させ、トリパンブルー(trypan blue)染色により計数し、約1×10の細胞をサイトスピン(cytospin)により、500rpmで3分間遠心して、細胞標本を製作し、自然乾燥を待って、Liu A、及び、Liu Bの順に染色し、少量のアラビアゴムによりシールし、油浸対物{ゆしん たいぶつ}レンズ(1000x)により少なくとも五個の視野の細胞、或いは、総数300以上の細胞を判読し、リンパ球、及び、多核球の比例を計算する。
【0044】
e.脾臓細胞培養
無菌条件下で、ラットの腹腔から脾臓を取り出して、3mLのHBSSバッファの20mmを加えたペトリ皿内に放置し、無菌針末端により脾臓を砕き、リンパ細胞を採取し、細胞懸濁液に15mLの遠心管を吸入し、5分静置した後、上澄み液を1500rpmで5分間遠心し、上澄み液を吸い取り、1mLのRBC溶解バッファにより、二回洗浄し、更に、5mLの5%のFBSを含有するRPMI−1640完全培地を加え、細胞を懸濁させる。トリパンブルー染色法により細胞総数を計算し、細胞数を1×10cells/mL mediumまで調整する。細胞液0.5mLを48−ウェルプレート中に加え、更に、等体積の培養液を加え、含マイトジェン、或いは、オボアルブミン(OVA)を含む培養液は、細胞の最終濃度を、5×10cells/mL mediumにする。恒温の培養箱37℃に置き、5%COで48時間培養し、上澄み液を−80℃で保存し、その中の細胞サイトカイン分泌量を分析する。
【0045】
f.細胞サイトカインの測定
脾臓細胞分泌細胞サイトカインの含量は、サンドイッチ型酵素免疫測定法により測定する。簡単には、まず、抗細胞サイトカイン抗体をNaHCO緩衝液(pH9.6)により希釈後、96孔の微量培養盤を加入して4℃で一晩静置する。二日目、培養盤を3回洗浄後、1%のBSAを含むPBSを室温下で、少なくとも一時間反応させて、ブロッキング(blocking)する。測定サンプルを加え、37℃で2時間反応させるか、或いは、4℃で一晩反応させる。四回の洗浄後、1%のBSA−PBS緩衝液により希釈したバイオ接合(biotin-conjugated)抗細胞サイトカイン抗体を室温で1時間反応させ、5回洗浄し、続いて、ストレプトアビジン接合ペルオキシダーゼ(streptavidin-conjugated peroxidase)を加えて、更に1時間反応させる。最後に、洗浄後、各孔に100μLのテトラメチルベンジジンTMB substrate(Tetramethylbenzidine substrate)を加え、室温で約20分遮光して反応させる。マイクロプレート読取り機(microplate autoreader)により波長450mmの吸光度を読み取る。
【0046】
2.統計方法
実験結果は平均値±基準誤差表示(Means±SEMs)により表示される。各組間の差異はスチューデントのt検定(Student t-test)で分析され、p<0.05は顕著な差異(*,p<0.05;**,p<0.001)がある。また、p<0.1は差異があるとみなされる。
【0047】
実験結果分析:
A.オボアルブミン(OVA)専一性抗体を測定する酵素免疫測定法結果
血清中のオボアルブミン(OVA)の特異性抗体効価部分は、PM−A0006乳酸菌の対照組を与え、オボアルブミン(OVA)がラットをアレルギーにする血清中のオボアルブミン(OVA)特異性IgE抗体の減少趨勢結果を表8と図6で示す。表8は、オボアルブミンの専一性抗体IgE測定結果(Means±SEMs,N=14,P value=P)である。
【0048】
【表8】

【0049】
B.気道過敏性(airway hyperresponsiveness, AHR)測定結果
肺呼吸抵抗部分は、対照組に相対し、PM−A0006乳酸菌を与え、高濃度のメタコリン(Methacholine)刺激下で、ラットのPenh値が顕著に低下する。結果は表9と図7で示される。表9は、気道過敏性測定結果である(Means±SEMs,N=14,P value=P)。
【0050】
【表9】

【0051】
C.肺洗浄液、及び、肺部細胞分析結果
肺洗浄液中の細胞組成成分は、対照組に相対し、PM−A0006乳酸菌を与えた実験組において、顕著に低い好酸球(eosinophil)の数を有する。結果は表10と図8で示される。表10は、肺洗浄液分析結果(Means±SEMs,N=14,P value=P)である。
【0052】
【表10】

【0053】
D.肺洗浄液細胞サイトカイン分析結果
対照組に相対し、PM−A0006乳酸菌を与えた実験組は、肺洗浄液中のエオタキシン(eotaxin)分泌量が顕著に減少し、且つ、PGEも減少する趨勢にある。結果は表11と図9、及び、図10で示される。表11は、肺洗浄液細胞サイトカイン分析結果(Means±SEMs,N=14,P value=P)である。
【0054】
【表11】

【0055】
E.脾臓細胞培養の上澄み液細胞サイトカイン分析結果
脾臓細胞はConA、或いは、オボアルブミン(OVA)により48時間刺激培養した後、ConAの刺激下で、PM−A0006乳酸菌を与えた実験組の脾臓細胞分泌のIFN−γは対照組より顕著に高い。結果は表12と図11で示される。表12は、脾臓細胞培養の上澄み液で、異なる刺激物質の脾臓細胞に対する細胞サイトカイン分泌の影響を分析する(Means±SEMs,N=14,P value=P)
【0056】
【表12】

【0057】
上述を総合すると、本発明の電気化学免疫紙片試験は、免疫反応を利用し、効果的に、電気化学検査の干渉性問題を克服し、検査敏感度を向上させる。この他、本発明は、一工程で快速に紙片試験と定量の検査を提供し、また、生物技術と電子製造技術を結合して、生産コストを減少させ、生物化学紙片試験を簡単にする。
【0058】
本発明の食品組成物は、上述の任意の一種、或いは、それ以上の菌株を組み合わせてなる各種組成物で、例えば、発酵乳、ヨーグルト、チーズ、乳飲料、全乳粉、茶飲料、或いは、コーヒー中のどれかであり、菌株は、活性菌、或いは、死菌の様態で、組成物に存在する。
【0059】
乳酸菌は光アレルギーの効果を発揮するので、特定功能の菌株を探す以外に、菌株が人体の胃酸胆汁塩の環境を通過できるのを確認する以外に、小腸粘膜表皮細胞に対し、良好な吸付能力を有する乳酸菌株が必要で、この種の特性により、本発明の抗アレルギー乳酸菌は、治療、或いは、アレルギー症状を緩和する医療用途を提供することができる。本発明の抗アレルギー乳酸菌は、同時に、Th1を増強し、Th2のアレルギー反応を調整する。本発明の一目標は、大衆にアレルギー治療上、ステロイド、或いは、アンタゾリンの新選択を提供し、本発明は、人体に副作用がなく、且つ、健康に有益な抗アレルギー乳酸菌によりアレルギー治療する新選択を提供する。
【0060】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】10〜10個cfuのラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0002菌株、ラクトバチルスガセリPM−A0005菌株、ラクトバチルスサリバリウスPM−A0006菌株、ラクトバシルスジョンソニイ菌(Lactobacillus johnsonii)PM−A0009菌株、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0013菌株と10〜10個の人類の末梢血単核球(PBMC)を48時間共培養し、細胞の上澄み液を採取して、酵素免疫測定法により、インターフェロンγ(IFN−gamma)の上澄み液中の含量を検出する。無抗アレルギー功能乳酸菌(Lactobacillus casei BCRC12249台湾食品工▲業▼▲発▼展研究所)を負制御組、PHAを正制御組とし、インターフェロンγが刺激を受ける濃度を検出する。結果は、末梢血単核球(PBMC)は、これらの異なる乳酸菌株の刺激により、インターフェロンγ分泌を増加することができる。
【図2】熱致死させた10〜10個cfuのラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0002菌株、ラクトバチルスガセリPM−A0005菌株、ラクトバチルスサリバリウスPM−A0006菌株、ラクトバシルスジョンソニイ菌(Lactobacillus johnsonii)PM−A0009菌株、或いは、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0013菌株と10〜10個の樹枝状細胞を48時間共培養し、細胞の上澄み液を採取して、酵素免疫測定法により、インターロイキン(IL−12)の上澄み液中の含量を検出する。無抗アレルギー功能乳酸菌(Lactobacillus casei BCRC12249台湾食品工▲業▼▲発▼展研究所)を負制御組、PHAを正制御組とし、インターロイキン(IL−12)が刺激を受ける濃度を検出する。結果は、樹枝状細胞は、五個の乳酸菌の刺激により、インターロイキン(IL−12)の分泌を増加させる。
【図3】市販の抗アレルギー乳酸菌が培養基で活性化後、総菌数は酸性の緩衝溶液、及び、胆汁塩処理され、菌数が明らかに減少する。アレルギーを調整する乳酸菌株の培養基での活性後、菌株を酸性の緩衝溶液と胆汁塩で処理し、PM−A0006、PM−A0009、PM−A0013菌数は、胃酸コリン変化の影響に対して急激に下降せず、PM−A0002、及び、PM−A0005は胃酸の影響を受けないが、菌数に影響し、胃酸に対する耐受性を証明する。但し、菌株が胆汁塩で処理される時、菌株は少し減少するが、胆汁塩に対する耐受性はあり、抗アレルギーのこの五株の乳酸菌株は、人体の消化器系の厳しい環境をパスできることを証明する。
【図4】Jacobsen等の学者(1999)の分析方法で、各視野の平均菌数が、40以下の時、不付着(nonadhesive);各視野の平均菌数が41〜100の時、付着(adhesive);各視野の平均菌数が100以上の時、強烈な付着(strongly adhesive)であると判定する。ラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0002菌株、ラクトバチルスガセリPM−A0005菌株、ラクトバチルスサリバリウスPM−A0006菌株、ラクトバシルスジョンソニイ菌PM−A0009菌株等の四株の抗アレルギー乳酸菌株が強烈な付着であると判定され、ラクトバチルスアシドフィラス菌PM−A0013菌株が付着であると判定されることが示される。
【図5】抗アレルギー乳酸菌がアレルギーを改善する実験の設計工程は、抗アレルギー乳酸菌を与えるのを管理する段階を四期に分ける。第一期は0〜22日、第二期は23〜36日、第三期は37〜50日、第四期は51〜53日である。その間はラットにオボアルブミンを腹腔注射し、四回(1st ip, 2nd ip, 3rd ip, 4th ip)に分けてアレルギー反応させ、第一回は飼料管理の二日目、第二回は16日目、第三回は30日目、第四回は44日目である。オボアルブミンを腹腔注射する隔週は、血液検査し、ラットのIgEの体内含量の変化を調べる。ラットが犠牲になる四日前(第54日目)に、鼻の粘膜から吸入する方式で、ラットに連続2日間アレルギーを生じさせ、ラットの肺呼吸抵抗の反応を検出し、次の日、犠牲になったラットに対し、その他の生化学値の検出を行う。
【図6】図6は、ラットの血清における、ラクトバチルスサリバリウス(Lactobacillus salivarius)PM−A0006を摂取した場合と偽薬を摂取した場合のオボアルブミン特異性IgEの発生の検出を示す。ラクトバチルスサリバリウス(Lactobacillus salivarius)PM−A0006の摂取によって、ラットの血清におけるオボアルブミン特異性IgEを低減することができる。
【図7】肺呼吸抵抗部分は、対照組に相対し、PM−A0006乳酸菌を与え、高濃度のメタコリン(Methacholine)刺激下で、ラットのPenh値が顕著に低下する。
【図8】肺洗浄液中の細胞組成成分は、対照組に相対し、PM−A0006乳酸菌を与えた実験組において、顕著に低い好酸球(eosinophil)の数を有する。
【図9】対照組に相対し、PM−A0006乳酸菌を与えた実験組は、肺洗浄液中のエオタキシン(eotaxin)分泌量を顕著に減少させる。
【図10】対照組に相対し、PM−A0006乳酸菌を与えた実験組は、PGE分泌量を減少させる。
【図11】脾臓細胞はConA、或いは、オボアルブミン(OVA)により48時間刺激培養した後、ConAの刺激下で、PM−A0006乳酸菌を与えた実験組の脾臓細胞分泌のIFN−γは対照組より顕著に高い。
【符号の説明】
【0062】
なし。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品組成物であって、免疫細胞を刺激し、抗アレルギーのサイトカイン濃度を分泌する下記の一つ、或いは、多種の生物性純培養物であって、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0002菌株(M207038)、ラクトバチルスガセリ(Lactobacillus gasseri)PM−A0005菌株(M207039)、ラクトバチルスサリバリウス(Lactobacillus salivarius subsp. salicinius)PM−A0006菌株(M207040)、ラクトバシルスジョンソニイ菌(Lactobacillus johnsonii)PM−A0009菌株(M207041)、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0013菌株(M207042)があり、生理上許容できる賦形剤、或いは、希釈剤の一者であることを特徴とする食品組成物。
【請求項2】
前記の菌株中の任意の一種、或いは、一種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の食品組成物。
【請求項3】
前記菌株は、活性菌か死菌であることを特徴とする請求項2に記載の食品組成物。
【請求項4】
前記賦形剤、或いは、希釈剤は食品であることを特徴とする請求項1に記載の食品組成物。
【請求項5】
前記食品は、発酵乳、ヨーグルト、チーズ、乳飲料、茶、或いは、コーヒーのどれかであることを特徴とする請求項1に記載の食品組成物。
【請求項6】
抗アレルギーに応用する調合薬であって、免疫細胞を刺激し、抗アレルギーのサイトカイン濃度を分泌する下記の一つ、或いは、多種の生物性純培養物であって、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0002菌株(M207038)、ラクトバチルスガセリ(Lactobacillus gasseri)PM−A0005菌株(M207039)、ラクトバチルスサリバリウス(Lactobacillus salivarius subsp. salicinius)PM−A0006菌株(M207040)、ラクトバシルスジョンソニイ菌(Lactobacillus johnsonii)PM−A0009菌株(M207041)、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0013菌株(M207042)があり、医薬上許容できる賦形剤、或いは、希釈剤の一者であることを特徴とする調合薬。
【請求項7】
前記の菌株中の任意の一種、或いは、一種以上を含むことを特徴とする請求項6に記載の調合薬。
【請求項8】
前記菌株は、活性菌か死菌であることを特徴とする請求項7に記載の調合薬。
【請求項9】
前記生物性純培養物は、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0002菌株(M207038)であることを特徴とする請求項6に記載の調合薬。
【請求項10】
前記生物性純培養物は、ラクトバチルスガセリ(Lactobacillus gasseri)PM−A0005菌株(M207039)であることを特徴とする請求項6に記載の調合薬。
【請求項11】
前記生物性純培養物は、ラクトバチルスサリバリウス(Lactobacillus salivarius subsp. salicinius)PM−A0006菌株(M207040)であることを特徴とする請求項6に記載の調合薬。
【請求項12】
前記生物性純培養物は、ラクトバシルスジョンソニイ菌(Lactobacillus johnsonii)PM−A0009菌株(M207041)であることを特徴とする請求項6に記載の調合薬。
【請求項13】
前記生物性純培養物は、ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0013菌株(M207042)であることを特徴とする請求項6に記載の調合薬。
【請求項14】
下記の一つ、或いは、多種の生物性純培養物は、免疫細胞の光アレルギーの相関細胞ホルモン分泌を刺激する薬物中に用い、
ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0002菌株(M207038):
ラクトバチルスガセリ(Lactobacillus gasseri)PM−A0005菌株(M207039):
ラクトバチルスサリバリウス(Lactobacillus salivarius subsp. salicinius)PM−A0006菌株(M207040):
ラクトバシルスジョンソニイ菌(Lactobacillus johnsonii)PM−A0009菌株(M207041):或いは、
ラクトバチルスアシドフィラス菌(Lactobacillus acidophilus)PM−A0013菌株(M207042)があることを特徴とする生物性純培養物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−169198(P2008−169198A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300915(P2007−300915)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(507383529)プロムド バイオテック カンパニー,リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】PROMD BIOTECH CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.1, Dali 2nd., Shanhua Town, Southern Taiwan Science Park, Tainan County 74144, Taiwan R.O.C.
【Fターム(参考)】