説明

抗ウイルス性治療用薬剤

本発明は、式I:本明細書に記載の[式I]の化合物、ならびに該化合物を含む医薬組成物、ならびに該化合物の調製に有用な合成方法および中間体を提供する。式(I)の化合物は抗ウイルス剤および/または抗癌剤として有用である。本発明はまた、ウイルスRNAまたはDNAポリメラーゼを阻害するための方法であって、該ポリメラーゼ(インビトロまたはインビボ)を阻害有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと接触させることを含む方法を提供する。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
ウイルス疾患は、世界中で死亡および経済的損失の主な原因である。フラビウイルス科は、3つの属:フラビウイルス属(例えば、デング、西ナイル、および黄熱ウイルス)、肝炎ウイルス(HCV)属、ならびにペスチウイルス属(例えば、ウシウイルス性下痢ウイルス、BVDV)からなる。この科の構成員によって引き起こされる疾患状態および病状としては、黄熱、デング、日本脳炎、セントルイス脳炎、B型およびC型肝炎、西ナイル疾患、ならびにAIDSが挙げられる。現在、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)感染は、世界的に、最多数のウイルス関連死亡例の原因である。HIVの処置に有用な薬物はいくつかあるが、HBVの処置に有用な薬物は数種類しかなく、HCVの処置に広く有用な薬物はない。
【0002】
リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)は、合成の非インターフェロン誘導性広域抗ウイルスヌクレオシドである。リバビリンは、構造的にグアノシンと類似しており、いくつかのDNAおよびRNAウイルス(例えば、フラビウイルス)に対してインビトロ活性を有する(非特許文献1)。リバビリンにより、患者の40%において血清アミノトランスフェラーゼレベルが正常まで低下するが、HCV−RNAの血清レベルは低下しない(非特許文献1)。したがって、リバビリン単独では、ウイルスRNAレベルの低下に有効でない。また、リバビリンは有意な毒性を有し、貧血を誘発することがわかっている。
【0003】
インターフェロン(IFN)は、慢性肝炎の処置のための化合物であり、市販されてからほぼ10年になる。IFNは、ウイルス感染に応答して免疫細胞によって産生される糖タンパク質である。IFNは、多くのウイルス(例えば、HCV)のウイルス複製を阻害する。C型肝炎感染の単独処置剤として使用した場合、IFNにより、血清HCV−RNAが検出不可能なレベルまで抑制される。また、IFNにより血清アミノトランスフェラーゼレベルは正常になる。残念ながら、IFNの効果は一時的なものであり、持続性の応答は、HCVに慢性的に感染した患者では8%〜9%にしか起こらない(非特許文献1)。
【0004】
HCVは、充分に特性評価されたRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)を有し、疾患進行が充分に特性評価されているプラス鎖ss RNAウイルスである。世界中で、推定1億7000万人がHCVに感染しており、該疾患の結果として大きな健康上の危機がもたらされる。実際、ここ数年の間に、HCV関連肝臓疾患および肝細胞癌による死亡例の数は、AIDSによって引き起こされる数を上回るかもしれない。エジプトは、世界中で最も打撃を受けている国であり、人口の23%が該ウイルスを保有していると推定されており;一方、米国では、最近の調べによると、慢性感染の有病率はほぼ1.87%(270万人)であった。HCV感染は、症例の約50%が慢性となる。このうち約20%は肝硬変を発症し、肝不全(肝細胞癌を含む)に至ることがあり得る。
【0005】
HCVのNS5B領域は、ウイルスゲノムの複製を担うと考えられている65KDaのRdRpをコードしている。RdRpは、あらゆるプラス鎖ウイルスの複製に必要とされるウイルスレプリカーゼの触媒性サブユニットとしての機能を果たしている。NS5Bタンパク質は充分に特性評価されており、RdRpの保存GDDモチーフを有することが示されており、インビトロアッセイ系が報告されている。細胞内局在試験により、NS5Bは、NS5Aと同様、小胞体内で膜会合型であることが明らかになり、これは、該2つのタンパク質が、タンパク質分解性プロセッシング後、互いに会合したままであるかもしれないことを示す。さらなる証拠により、NS3、NS4AおよびNS5Bが互いに相互作用し、HCVの複製機構の一部として機能を果たす複合体を形成することが示されている。
【0006】
NS5Bアポ酵素のX線結晶構造が測定され、ごく最近の3件の刊行物において、該分子が変わった形状をしていることが報告されている。この平坦な球体に似たポリメラーゼのユニークな形状は、活性部位が完全に包囲されて幅15Åおよび深さ20Åの空洞が形成されるような、指(fingers)サブドメインと親指(thumb)サブドメイン間の広範囲にわたる相互作用によるものである。モデル設計試験では、NS5Bアポ酵素が、サブドメインの大きな移動なく鋳型プライマーに適応し得ることが示され、これは、重合反応中、該構造が保持されていることを示す。フラビウイルス科および他のウイルス科の種々の構成員に由来するRdRpポリペプチドは、保存されていることが示された(非特許文献2)。
【0007】
現在、HCVポリメラーゼを標的化する安全で有効な治療用薬剤は市販されていない。現在、HCV、HIVおよびHBVなどのウイルス感染の処置に有用な治療用薬剤および治療法の必要性が存在している。
【0008】
また、現在、癌の処置に有用な治療用薬剤および治療法の必要性も存在している。癌の処置は大きく進歩しているにもかかわらず、依然として、大きな健康上の課題は残されたままである。4人に1人もの米国人の死亡原因が癌であると報告されている。癌および他の疾患の処置は進歩しているにもかかわらず、依然として、癌を処置するのに有効な新規な薬物の必要性が存在している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Davis.Gastroenterology,2000,118:S104−S114
【非特許文献2】J.A.Bruenn,Nucleic Acids Research,1991,Vol.19,No.2 p.217
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
本発明は、ウイルスRNAおよびDNAポリメラーゼ(例えば、B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、ポリオ、コクサッキーAおよびB、ライノ、エコー、痘瘡、エボラ、および西ナイルウイルス由来のポリメラーゼ)のインヒビターであり、HCV感染、ならびに他のウイルス感染(例えば、フラビウイルス感染)および癌の処置に有用な化合物を提供する。
【0011】
したがって、本発明は、本明細書において以下に記載する新規な式Iの化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0012】
また、本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ、および薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物を提供する。該組成物に、任意選択で、1種以上のさらなる抗ウイルス剤または抗癌剤を含めてもよい。
【0013】
また、本発明は、動物に有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを投与することを含む、動物のウイルス感染の処置方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、ウイルスRNAまたはDNAポリメラーゼを阻害するための方法であって、該ポリメラーゼ(インビトロまたはインビボ)を阻害有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグと接触させることを含む方法を提供する。
【0015】
また、本発明は、動物に有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを投与することを含む、動物の癌の処置方法を提供する。
【0016】
また、本発明は、医学療法における使用のための(例えば、ウイルス感染の処置における使用のための、または癌の処置における使用のための)式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0017】
また、本発明は、動物(例えば、ヒト)においてウイルス感染を処置するのに有用な医薬を調製するための式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの使用を提供する。
【0018】
また、本発明は、動物(例えば、ヒト)において癌を処置するのに有用な医薬を調製するための式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグの使用を提供する。
【0019】
また、本発明は、ウイルス感染の予防的または治療的処置のための式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0020】
また、本発明は、癌の予防的または治療的処置のための式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0021】
また、本発明は、式Iの化合物またはその塩もしくはプロドラッグを調製するのに有用であると本明細書で開示した新規な合成中間体および合成方法を提供する。一部の式Iの化合物は、他の一部の式Iの化合物を調製するための合成中間体として有用であり得る。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の詳細説明
定義
用語「薬学的に許容され得る塩」は、本明細書で用いる場合、薬学的に許容され得る塩基、無機酸または有機酸から誘導される本発明の開示による化合物をいう。好適な酸の例としては、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、トリフルオロ酢酸およびベンゼンスルホン酸が挙げられる。好適な塩基から誘導される塩としては、限定されないが、ナトリウムおよびアンモニアなどのアルカリが挙げられる。
【0023】
用語「処置する」、「処置すること」および「処置」は、本明細書で用いる場合、任意の症状が予防されるように、疾患状態/病状の臨床症状の発現前に化合物を投与すること、ならびに疾患状態/病状の任意の症状、様相または特徴が低減または解消されるように、疾患状態/病状の臨床症状の発現後に化合物を投与することを含む。かかる処置は、有用であるために完全無欠である必要はない。
【0024】
用語「動物」は、本明細書で用いる場合、任意の動物、例えば、哺乳動物、限定されないが、マウス、ラット、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、および霊長類をいう。本発明の特定の一実施形態において、動物はヒトである。
【0025】
用語「治療有効量」は、疾患状態/病状の処置に関連して、化合物が、単独または医薬組成物に含有された状態のいずれかで単回用量または反復用量にて投与されたとき、疾患状態/病状の任意の症状、様相または特徴に対して任意の検出可能なプラスの効果を有し得る該化合物の量をいう。かかる効果は、有益であるために完全無欠である必要はない。
【0026】
用語「アルキル」は、本明細書で用いる場合、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基をいう。この用語は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルなどの基によって例示される。特定の実施形態において、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有し、低級アルキルと称する。
【0027】
用語「置換アルキル」は、本明細書で用いる場合、1〜3個の置換基を有するアルキル基をいい、前記置換基は、アルコキシ、アルコキシアルキル、トリ(C〜Cアルキル)シリル、置換アルコキシ、アシル、置換アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、オキシアシル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、N、カルボキシル、カルボキシルエステル、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル(allcyl)、チオ複素環式、置換チオ複素環式、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、および置換複素環式からなる群より選択される。本発明の一特定の実施形態において、用語「置換アルキル」は、1〜3個の置換基で置換されたアルキル基であって、前記置換基が、アルコキシ、アルコキシアルキル、トリ(C〜Cアルキル)シリル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、オキシアシル、アミノ、アミノアシル、アリール、アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、N、カルボキシル、カルボキシルエステル、チオール、チオアルキル、チオアリール、チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、チオ複素環式、シクロアルキル、ヘテロアリール、および複素環式からなる群より選択されるものをいう。
【0028】
用語「アルケニル」または「アルケン」は、本明細書で用いる場合、2〜10個の炭素原子を有し、少なくとも1つのアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基をいう。かかる基は、ビニル(エテン−1−イル)、アリル、ブト−3−エン−1−イルなどによって例示される。
【0029】
用語「置換アルケニル」は、本明細書で用いる場合、1〜3個の置換基を有するアルケニル基をいい、前記置換基は、置換アルキルについて上記のものから選択される。
【0030】
用語「アルキニル」または「アルキン」は、本明細書で用いる場合、2〜10個の炭素原子を有し、少なくとも1つのアルキニル不飽和部位を有するアルキニル基をいう。かかる基は、限定されないが、エチン−1−イル、プロピン−1−イル、プロピン−2−イル、1−メチルプロプ−2−イン−1−イル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、ブチン−3−イルなどによって例示される。
【0031】
用語「置換アルキニル」は、本明細書で用いる場合、1〜3個の置換基を有するアルキニル基をいい、前記置換基は、置換アルキルについて上記のものから選択される。
【0032】
用語「アルコキシ」は、アルキル−O−基をいう
用語「置換アルコキシ」は、本明細書で用いる場合、置換アルキル−O−基をいう。
【0033】
用語「アシル」は、本明細書で用いる場合、アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−、および複素環式−C(O)基をいう。
【0034】
用語「置換アシル」は、本明細書で用いる場合、置換アルキル−C(O)−、置換アルケニル−C(O)−、置換アルキニル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、置換アリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)、および置換複素環式−C(O)−基をいう。
【0035】
用語「アシルアミノ」は、本明細書で用いる場合、−C(O)NZ基をいい、式中、ZおよびZは各々、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、ならびに置換アルキルの定義において上記の置換基からなる群より選択される。
【0036】
用語「アシルオキシ」は、本明細書で用いる場合、アルキル−C(O)O−、置換アルキル−C(O)O−、アルケニル−C(O)O−、置換アルケニル−C(O)O−、アルキニル−C(O)O−、置換アルキニル−C(O)O−、アリール−C(O)O−、置換アリール−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、置換シクロアルキル−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−、置換ヘテロアリール−C(O)O−、複素環式−C(O)O−、および置換複素環式−C(O)O−基をいう。
【0037】
用語「オキシアシル」は、本明細書で用いる場合、アルキル−OC(O)−、置換アルキル−OC(O)−、アルケニル−OC(O)−、置換アルケニル−OC(O)−、アルキニル−OC(O)−、置換アルキニル−OC(O)−、アリール−OC(O)−、置換アリール−OC(O)−、シクロアルキル−OC(O)−、置換シクロアルキル−OC(O)−、ヘテロアリール−OC(O)−、置換ヘテロアリール−OC(O)−、複素環式−OC(O)−、および置換複素環式−OC(O)−基をいう。
【0038】
用語「アミノ」は、本明細書で用いる場合、−NH基をいう。
【0039】
用語「置換アミノ」は、本明細書で用いる場合、−NZ基をいい、式中、ZおよびZは、アシルアミノの定義において上記とおりであるが、ZとZがともに水素であることはないものとする。
【0040】
用語「アミノアシル」は、本明細書で用いる場合、−NZC(O)アルキル、−NZC(O)置換アルキル、−NZC(O)シクロアルキル、−NZC(O)置換シクロアルキル、−NZC(O)アルケニル、−NZC(O)置換アルケニル、−NZC(O)アルキニル、−NZC(O)置換アルキニル、−NZC(O)アリール、−NZC(O)置換アリール、−NZC(O)ヘテロアリール、−NZC(O)置換ヘテロアリール、−NZC(O)複素環式、および−NZC(O)置換複素環式基(式中、Zは、水素またはアルキルである)をいう。
【0041】
用語「アリール」は、本明細書で用いる場合、単環(例えば、フェニル)または多数の縮合環(例えば、ナフチルもしくはアントリル)(該縮合環は芳香族であっても、そうでなくてもよい)を有する炭素原子が6〜14個の一価の芳香族環式基をいう。例示的なアリールとしては、限定されないが、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0042】
用語「置換アリール」は、本明細書で用いる場合、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニル、ならびに置換アルキルの定義において上記の置換基から選択される1〜3個の置換基で置換されたアリール基をいう。
【0043】
用語「アリールオキシ」は、本明細書で用いる場合、アリール−O−基をいい、一例として限定されないが、フェノキシ、ナフトキシなどが挙げられる。
【0044】
用語「置換アリールオキシ」は、本明細書で用いる場合、置換アリール−O−基をいう。
【0045】
用語「カルボキシル」は、本明細書で用いる場合、−COOHまたはその塩をいう。
【0046】
用語「カルボキシルエステル」は、本明細書で用いる場合、−C(O)O−アルキル、−C(O)O−置換アルキル、−C(O)O−アリール、および−C(O)O−置換アリール基をいう。
【0047】
用語「シクロアルキル」は、本明細書で用いる場合、飽和または不飽和の環式炭化水素環系(環1つあたり1〜3個の環および3〜7個の炭素を含むものなど)をいう。例示的な基としては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびアダマンチルが挙げられる。
【0048】
用語「置換シクロアルキル」は、本明細書で用いる場合、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、アルキル、置換アルキル、ならびに置換アルキルの定義において記載の置換基からなる群より選択される1〜5個の置換基を有するシクロアルキルをいう。
【0049】
用語「シクロアルコキシ」は、本明細書で用いる場合、−O−シクロアルキル基をいう。
【0050】
用語「置換シクロアルコキシ」は、本明細書で用いる場合、−O−置換シクロアルキル基をいう。
【0051】
用語「ホルミル」は、本明細書で用いる場合、HC(O)−をいう。
【0052】
用語「ハロゲン」は、本明細書で用いる場合、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードをいう。
【0053】
用語「ヘテロアリール」は、本明細書で用いる場合、環内の炭素原子が1〜10個および酸素、窒素、イオウからなる群より選択されるヘテロ原子が1〜4個の芳香族基をいう。また、ヘテロ原子であるイオウおよび窒素原子は、酸化された形態で存在していてもよい。かかるヘテロアリール基は、単環を有するもの(例えば、ピリジルもしくはフリル)、または多数の縮合環を有するもの(例えば、インドリジニルもしくはベンゾチエニル)であり得、該縮合環は、芳香族であってよく、そうでなくてもよい、および/またはヘテロ原子を含むものであってもよく、そうでなくてもよい。例示的なヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリジル、ピロリル、チエニル、インドリル、チオフェニル、およびフリルなどのヘテロアリールが挙げられる。
【0054】
用語「置換ヘテロアリール」は、本明細書で用いる場合、置換アリールについて規定したものと同じ群の置換基から選択される1〜3個の置換基で置換されたヘテロアリール基をいう。
【0055】
用語「ヘテロアリールオキシ」は、本明細書で用いる場合、−O−ヘテロアリール基をいう。
【0056】
用語「置換ヘテロアリールオキシ」は、本明細書で用いる場合、−O−置換ヘテロアリール基をいう。
【0057】
用語「複素環」または「複素環式」または「ヘテロシクロアルキル」は、単環または多数の縮合環、1〜10個の炭素原子および環内に窒素、酸素、イオウからなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子を有する飽和または不飽和基をいう(が、ヘテロアリールではない)。ここで、縮合環系において1つ以上の環はシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり得るが、結合点は、該複素環式環を介するものとする。また、ヘテロ原子であるイオウおよび窒素原子は、酸化された形態で存在していてもよい。
【0058】
用語「置換複素環」または「置換複素環式」または「置換ヘテロシクロアルキル」は、置換アリールについて規定したものと同じ1〜3個の置換基で置換された複素環基をいう。
【0059】
複素環およびヘテロアリールの例としては、限定されないが、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも称される)、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニルなどが挙げられる。
【0060】
用語「ヘテロシクリルオキシ」は、本明細書で用いる場合、−O−複素環式基をいう。
【0061】
用語「置換ヘテロシクリルオキシ」は、本明細書で用いる場合、−O−置換複素環式基をいう。
【0062】
用語「ホスフェート(phosphate)」は、本明細書で用いる場合、−OP(O)(OH)(一リン酸塩もしくはホスホ)、−OP(O)(OH)OP(O)(OH)(二リン酸塩もしくはジホスホ)および−OP(O)(OH)OP(O)(OH)OP(O)(OH)(三リン酸塩もしくはトリホスホ)基またはその塩(部分塩を含む)をいう。該一、二および三リン酸塩基の最初の酸素には、糖の酸素原子が包含され得ることは理解されよう。
【0063】
用語「リン酸エステル」は、本明細書で用いる場合、上記の一、二および三リン酸塩基において、ヒドロキシル基の1つ以上がアルコキシ基で置き換えられたものをいう。
【0064】
用語「ホスホネート(phosphonate)」は、−OP(O)(Z)(OH)もしくは−OP(O)(Z)(OZ)基またはその塩(部分塩を含む)をいい、式中、各Zは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、カルボン酸、およびカルボキシルエステルから選択される。該ホスホネートの最初の酸素には、糖の酸素原子が包含され得ることは理解されよう。
【0065】
用語「チオール」は、本明細書で用いる場合、−SH基をいう。
【0066】
用語「チオアルキル」または「アルキルチオエーテル」または「チオアルコキシ」は、−S−アルキル基をいう。
【0067】
用語「置換チオアルキル」または「置換アルキルチオエーテル」または「置換チオアルコキシ」は、−S−置換アルキル基をいう。
【0068】
用語「チオシクロアルキル」は、本明細書で用いる場合、−S−シクロアルキル基をいう。
【0069】
用語「置換チオシクロアルキル」は、本明細書で用いる場合、−S−置換シクロアルキル基をいう。
【0070】
用語「チオアリール」は、本明細書で用いる場合、−S−アリール基をいう。
【0071】
用語「置換チオアリール」は、本明細書で用いる場合、−S−置換アリール基をいう。
【0072】
用語「チオヘテロアリール」は、本明細書で用いる場合、−S−ヘテロアリール基をいう。
【0073】
用語「置換チオヘテロアリール」は、本明細書で用いる場合、−S−置換ヘテロアリール基をいう。
【0074】
用語「チオ複素環式」は、本明細書で用いる場合、−S−複素環式基をいう。
【0075】
用語「置換チオ複素環式」は、本明細書で用いる場合、−S−置換複素環式基をいう。
【0076】
用語「アミノ酸側鎖」は、式ZNHCH(Z)COOHのα−アミノ酸のZ置換基をいい、式中、Zは、水素、アルキル、置換アルキルおよびアリールからなる群より選択され、Zは、水素であるか、またはZと、これらがそれぞれ結合している窒素および炭素原子と一緒になって複素環式環を形成している。一実施形態において、α−アミノ酸側鎖は、天然に存在する20種類のLアミノ酸のうちの1つの側鎖である。
【0077】
本明細書で記載の糖類は、D配置またはL配置のいずれであってもよい。
【0078】
式Iの化合物
本発明の化合物は、式I:
【0079】
【化1】

(式中、
Bは、1つ以上の二重結合を含む5、6、7または8員の炭素環式または複素環式の環を表し、該Bは、1つ以上のオキソ、チオキソ、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’で任意選択的に置換されており、
ここで、
Rは、H、アルキルまたはアリールであり;
R’は、OH、NHまたはアルキルであり;
は、H、NR、Cl、F、OR、SR、NHCOR、NHSO、NHCONHR、CN、アルキル、アリール、ONR、またはNRC(O)OR
は、ヌクレオシド糖基であり;
は、非存在、アルキルまたはHであり;
およびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、複素環式、アリール、置換アリール、アシル、置換アシル、SO−アルキル、アミノ、置換アミノ、およびNOからなる群より選択されるか;あるいはRとRが、これらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノ環を形成しており;
およびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、アシル、置換アシルおよびSO−アルキルからなる群より選択されるか;あるいはRとRが、これらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノ環を形成しており;
各Rは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、アシルおよび置換アシルからなる群より選択される)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを包含する。
【0080】
本発明の一実施形態において、式Iの化合物は、式II:
【0081】
【化2】

(式中、
Bは、1個以上のヘテロ原子および1つ以上の二重結合を含む5、6、7または8員の環を表し、該Bは、1つ以上のオキソ、チオキソ、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’で任意選択的に置換されており、
ここで、
Rは、H、アルキルまたはアリールであり;
R’は、OH、NHまたはアルキルであり;
は、H、NR、Cl、F、OR、SR、NHCOR、NHSO、NHCONHR、CN、アルキル、アリール、ONR、またはNRC(O)ORであり;
は、ヌクレオシド糖基であり;
は、非存在、アルキルまたはHであり;
およびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、複素環式、アリール、置換アリール、アシル、置換アシル、SO−アルキル、アミノ、置換アミノ、およびNOからなる群より選択されるか;あるいはRとRが、これらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノ環を形成しており;
およびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、アシル、置換アシルおよびSO−アルキルからなる群より選択されるか;あるいはRとRが、これらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノ環を形成しており;
各Rは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、アシルおよび置換アシルからなる群より選択される)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである。
【0082】
本発明の一実施形態において、式Iの化合物は、Wが非存在またはHである式IIの化合物である。
【0083】
本発明の一実施形態において、式Iの化合物は、式III:
【0084】
【化3】

(式中、
各b、cおよびdは、独立して、単結合および二重結合から選択される、ただし、bが二重結合であるとき、cは単結合であり、cが二重結合であるとき、bとdは単結合であり、dが二重結合であるとき、cは単結合であるか;あるいはWが非存在であるとき、dは非存在であり;bNWが非存在であるとき、Wとdは非存在ではなく;
Wは、C=R、CH、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CHまたはOであるとき、bとcは単結合であるか、またはcが単結合であり、bNWが非存在であり;WがCRであるとき、bまたはcの一方は二重結合であるか、またはbNWが非存在であり、cが二重結合であり;
は、OまたはSであり;
は、H、NR、ORまたはSRであり;
は、C=R、CRi’、N、NR、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CR、NRまたはOであるとき、cとdは単結合であるか、またはcが単結合であり、Wdが非存在であり;WがCRまたはNであるとき、cまたはdの一方が二重結合であるか、またはW2dが非存在であり、cが二重結合であり;
は、OまたはSであり;
およびRi’は、H、CH、NHまたはBrであり;
は、CH、NH、またはHであり;
は、C=R、(CRl’p’、CR、O、NR、非存在またはNである、ただし、WがC=R、CRl’、O、またはNRであるとき、dは単結合であり;WがNまたはCRであるとき、dは二重結合であり;Wが非存在であるとき、dは非存在であり;
は、OまたはSであり;
およびRl’は、H、CH、OCH、NHまたはSCHであり;
p’は、1または2であり;
は、H、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’であり;
は、H、アルキル、またはNR(式中、各RおよびRは、Hもしくはアルキルである)であり;
は、H、CH、またはNHであり;
は、非存在、Hまたはアルキルである;ただし、Wが非存在であるとき、bは二重結合である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである。
【0085】
本発明の一実施形態において、式Iの化合物は、式IV:
【0086】
【化4】

(式中、
各b、cおよびdは、独立して、単結合または二重結合から選択される、ただし、bが二重結合であるとき、cは単結合であり、cが二重結合であるとき、bとdは単結合であり、dが二重結合であるとき、cは単結合であるか;またはWが非存在であるとき、dが非存在であり;
Wは、C=R、CR、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CRまたはOであるとき、bとcは単結合であり、WがCRであるとき、bまたはcの一方は二重結合であり;
は、OまたはSであり;
は、Hであり;
は、H、NR、ORまたはSRであり;
は、C=R、CRi’、NH、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CRまたはOであるとき、cとdは単結合であり;WがCRであるとき、cまたはdの一方は二重結合であり;WがNHであるとき、WはOではなく、WはO、NHまたはNではなく;
は、OまたはSであり;
およびRi’は、H、CHまたはBrであり;
は、CHまたはHであり;
は、C=R、(CRl’p’、CR、O、NH、非存在またはNである、ただし、WがC=R、CRl’、CR、O、またはNHであるとき、dは単結合であり;WがNまたはCRであるとき、dは二重結合であるか;あるいはWが非存在であるとき、dは非存在であり;
は、OまたはSであり;
およびRl’は、H、CH、OCHまたはSCHであり;
p’は、1または2であり;
は、H、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’であり;
は、非存在、Hまたはアルキルである;ただし、Wが非存在であるとき、bは二重結合である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである。
【0087】
本発明の一実施形態において、式Iの化合物は、式IV:
(式中、
各b、cおよびdは、独立して、単結合および二重結合から選択される、ただし、bが二重結合であるとき、cは単結合であり、cが二重結合であるとき、bとdは単結合であり、dが二重結合であるとき、cは単結合であり;
Wは、C=R、CR、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CRまたはOであるとき、bとcは単結合であり、WがCRであるとき、bまたはcの一方は二重結合であり;
は、OまたはSであり;
は、Hであり;
は、H、NR、ORまたはSRであり;
は、C=R、CRi’、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CRまたはOであるとき、cとdは単結合であり、WがCRであるとき、cまたはdの一方は二重結合であり;
は、OまたはSであり;
およびRi’は、H、CHまたはBrであり;
は、CHまたはHであり;
は、C=R、(CRl’p’、CR、O、NHまたはNである、ただし、WがC=R、CRl’、CR、OまたはNHであるとき、dは単結合であり、WがNまたはCRであるとき、dは二重結合であり;
は、OまたはSであり;
およびRl’は、H、CH、OCHまたはSCHであり;
p’は、1または2であり;
は、H、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’であり;
は、非存在またはHである、ただし、Wが非存在であるとき、bは二重結合である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである。
【0088】
本発明の一実施形態において、式Iの化合物は、式V:
【0089】
【化5】

(式中、
各bおよびcは、独立して、単結合または二重結合から選択される、ただし、bが二重結合であるとき、cは単結合であり、cが二重結合であるとき、bは単結合であり;
Wは、C=R、CR、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CRまたはOであるとき、bとcは単結合であり、WがCRであるとき、bまたはcの一方は二重結合であり;
は、OまたはSであり;
は、Hであり;
は、H、NR、ORまたはSRであり;
は、C=R、CRi’、NH、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CRまたはOであるとき、cは単結合であり;WがCRであるとき、cは二重結合であり;WがNHであるとき、WはOではなく;
は、OまたはSであり;
およびRi’は各々、独立して、H、CHまたはBrであり;
は、CHまたはHであり;
は、非存在、Hまたはアルキルである、ただし、Wが非存在であるとき、bは二重結合である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである。
【0090】
本発明の一実施形態において、式Iの化合物は、Wが非存在、Hまたはメチルである式Vの化合物である。
【0091】
本発明の一実施形態において、式Iの化合物は、Wがメチルである式Vの化合物である。
【0092】
別の実施形態において、本発明は、式1〜9:
【0093】
【化6】

(式中、
は、O、Sまたは2つの水素であり;
は、O、Sまたは2つの水素であり;
は、OまたはSであり;
は、O、Sまたは2つの水素であり;
は、O、Sまたは2つの水素であり;
は、NH、OCHまたはSCHであり;
は、H、OH、NH、NHCH、N(CH、F、Cl、Br、I、OCH、Oアルキル、アルキルSCH、CH、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’であり;
は、H、CH、OCHまたはSCHであり;
は、OまたはSであり;
は、O、Sまたは2つの水素であり;
は、HまたはCHであり;
は、H、CHまたはBrであり;
tは、1または2である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである式Iの化合物を提供する。
【0094】
別の実施形態において、本発明は、RがHまたはNRである上記の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0095】
別の実施形態において、本発明は、Rが、本明細書において後述するA、B、C、D、EまたはF群のヌクレオシド糖基である上記の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0096】
別の実施形態において、本発明は、Rが、リボース、2−メチルリボース、2−デオキシリボース;2−デオキシ−2−フルオロリボース;アラビノース;2−デオキシ−2−フルオロアラビノース;2,3−ジデオキシリボース;2,3−ジデオキシ−2−フルオロアラビノース;2,3−ジデオキシ−3−フルオロリボース;2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロリボース;2,3−ジデオキシ−3−アジドリボース;2,3−ジデオキシ−3−チアリボース;もしくは2,3−ジデオキシ−3−オキサリボースである上記の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0097】
別の実施形態において、本発明は、Rが、チオリボース、2−デオキシチオリボース;2−デオキシ−2−フルオロチオリボース;チオアラビノース;2−デオキシ−2−フルオロチオアラビノース;2,3−ジデオキシチオリボース;2,3−ジデオキシ−2−フルオロチオアラビノース;2,3−ジデオキシ−3−フルオロチオリボース;2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロチオリボース;もしくは2,3−ジデオキシ−3−アジドチオリボースである上記の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0098】
別の実施形態において、本発明は、Rが、4−ヒドロキシメチルシクロペンタ−2−エン;2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタ−4−エン;3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン;2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンテン;2−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン;2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−5−メチレンシクロペンタン;4−ヒドロキシメチルシクロペンタン、2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン;もしくは2,3−ジヒドロキシメチルシクロブタンである上記の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0099】
別の実施形態において、本発明は、Rが、4−ヒドロキシメチルピロリジン;2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルピロリジン;2/3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルピロリジン;2−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルピロリジン;もしくは3−フルオロ−2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ピロリジンである上記の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0100】
別の実施形態において、本発明は、R、R、RおよびRが、独立して、H、アルキルおよび置換アルキルからなる群より選択されるか;あるいはRとRが、これらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノ環を形成しているか;あるいはRとRが、これらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、またはチオモルホリノ環を形成している上記の式Iの化合物を提供する。
【0101】
別の実施形態において、本発明は、
【0102】
【化7】

【0103】
【化8】

【0104】
【化9】

【0105】
【化10】

から選択される化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0106】
一実施形態において、本発明は、
【0107】
【化11】

【0108】
【化12】

【0109】
【化13】

【0110】
【化14】

【0111】
【化15】

から選択される式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを提供する。
【0112】
本発明の別の実施形態において、式(I)の化合物は、下記式(X):
【0113】
【化16】

(式中、XはHまたはアルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグではない。
【0114】
本発明の別の実施形態において、式(I)の化合物は、下記式:
【0115】
【化17】

(式中、Xは、Hまたはメチルであり;R’7は、Hまたはメチルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグではない。
【0116】
本発明の別の実施形態において、Bは、2個の窒素および1つの二重結合を含む6員の環ではなく、該BはNRで置換されている。
【0117】
本発明の別の実施形態において、Bが、1個以上のヘテロ原子および1つ以上の二重結合を含む5、7または8員の環であり、該Bは、1つ以上のオキソ、チオキソ、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’で任意選択的に置換されている。
【0118】
本発明の別の実施形態において、式(I)の化合物は
【0119】
【化18】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである。
【0120】
本発明の別の実施形態において、式(I)の化合物は
【0121】
【化19】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである。
【0122】
本発明の別の実施形態において、式(I)の化合物は
【0123】
【化20】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである。
【0124】
本発明の別の実施形態において、式(I)の化合物は
【0125】
【化21】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである。
【0126】
本発明の別の実施形態において、Bは、1個以上のヘテロ原子(例えば、1、2または3個)および1つ以上の二重結合(例えば、1、2または3つ)を含む5員の環を表し、該Bは、1つ以上(例えば、1、2または3つ)のオキソ、チオキソ、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’で任意選択的に置換されている。
【0127】
本発明の別の実施形態において、Bは、1個以上のヘテロ原子(例えば、1、2または3個)および1つ以上の二重結合(例えば、1、2または3つ)を含む6員の環を表し、該Bは、1つ以上(例えば、1、2または3つ)のオキソ、チオキソ、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’で任意選択的に置換されている。
【0128】
本発明の別の実施形態において、Bは、1個以上のヘテロ原子(例えば、1、2または3個)および1つ以上の二重結合(例えば、1、2または3つ)を含む7員の環を表し、該Bは、1つ以上(例えば、1、2または3つ)のオキソ、チオキソ、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’で任意選択的に置換されている。
【0129】
本発明の別の実施形態において、Bは、1個以上のヘテロ原子(例えば、1、2または3個)および1つ以上の二重結合(例えば、1、2または3つ)を含む8員の環を表し、該Bは、1つ以上(例えば、1、2または3つ)のオキソ、チオキソ、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’で任意選択的に置換されている。
【0130】
プロドラッグ
用語「プロドラッグ」は、本明細書で用いる場合、インビボで代謝されて式Iの化合物がもたらされ得る化合物をいう。したがって、プロドラッグは、インビボで代謝されると式Iの化合物がもたらされ得る対応化合物が得られるように、式Iの化合物内の1つ以上の官能基を修飾することにより調製され得る化合物を包含する。かかる修飾は当該技術分野で知られている。例えば、式Iの化合物内の1つ以上のヒドロキシ基またはアミン基を、アルキル−C(=O)−基またはアミノ酸由来の残基でアシル化すると、プロドラッグが得られ得る。あるいはまた、式Iの化合物内の一、二または三リン酸塩官能基の1つ以上の側鎖(pendent)ヒドロキシル基を、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、または置換アリールオキシ基に変換してもよい。
【0131】
一実施形態において、プロドラッグという用語は、ヌクレオシド糖基上の1つ以上のヒドロキシ基(例えば、2’、3’または5’ヒドロキシ基)が、インビボで代謝されて式Iの化合物がもたらされ得る基に変換されている化合物を包含する。例えば、本発明は、ヌクレオシド糖基上の1つ以上のヒドロキシ基(例えば、2’、3’または5’ヒドロキシ基)が、アシルオキシ、アシルアミノまたはR−O基(式中、Rは、カルボキシ結合(−linled)アミノ酸に変換されている化合物を提供する。
【0132】
一実施形態において、プロドラッグという用語は、式Iの化合物内の一、二または三リン酸塩官能基の1つ以上の側鎖ヒドロキシル基がR−O−基に変換されており;各Rは、独立して、炭素原子が1〜20個の飽和または不飽和の分枝または非分枝鎖であり、該炭素原子の1個以上(例えば、1、2、3または4個)は任意選択で−O−または−S−と置き換えられており、該炭素原子の1個以上はオキソ(=O)またはチオキソ(=S)で任意選択的に置換されている化合物を包含する(Lefebvreら,J.Med.Chem.1995,38,3941−50参照)。
【0133】
別の実施形態において、プロドラッグという用語は、式Iの化合物内の一、二または三リン酸塩官能基の1つ以上の側鎖ヒドロキシル基が基R−N−に変換されており、各Rはアミノ酸の残基である化合物を包含する。したがって、本発明の処置方法において、用語「投与すること」は、式Iの化合物の投与、ならびにインビボで式Iの化合物またはその塩に変換されるプロドラッグの投与を包含する。プロドラッグ誘導体の選択および調製のための慣用的な手順は、例えば、“Design of Prodrugs”,編集H.Bundgaard,Elsevier,1985;および国際特許出願公開公報番号WO2005/084192に記載されている。また、さまざまなプロドラッグが国際特許出願番号PCT US2004/013063(これは、国際特許出願公開公報番号WO2004/096286として公開された)にも記載されている。
【0134】
別の実施形態において、プロドラッグは、式:
【0135】
【化22】

(式中、
15は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、およびアミノ酸であり;
16は、H、任意選択的に置換された単環式アリール、または任意選択的に置換された単環式ヘテロアリールであり;R17は、H、ハロゲン、CN、−CO−R20、−CON(R21、−CO20、−SO20、−SON(R21、−OR21、−SR21、−R21、−N(R21、−O−COR20、−O−CO20、−SCOR20、−S−CO20、−NHCOR21、−NHCO21、−(CH−OR22、または−(CH−SR22であるか;あるいはR16とR17が3〜5個のさらなる原子によって連結されて、任意選択で1個のヘテロ原子を含有する環式基を形成しており、該環式基は、リンに結合しているOに対してβおよびγ位でアリール基に縮合しているか;あるいはR17とR18が下記のように連結されており;
18およびR19は各々、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、任意選択的に置換された単環式アリールまたは任意選択的に置換された単環式ヘテロアリールであるか;あるいはR18とR19が2〜5個のさらなる原子によって連結されて、任意選択で0〜2個のヘテロ原子を含有する環式基を形成しているか;あるいはR17とR18が3〜5個のさらなる原子によって連結されて、任意選択で1個のヘテロ原子を含有する環式基を形成しており、R19は、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、任意選択的に置換された単環式アリールまたは任意選択的に置換された単環式ヘテロアリールであり;
20は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはアリールアルキルであり;
21は、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはアリールアルキルであり;
22は、Hまたは低級アシルであり;
nは、2〜5の整数であり;
mは、10〜20の整数であり;
pは2〜3の整数である)
の1つ以上の基を含む。
【0136】
種々の窒素官能基(アミノ、ヒドロキシアミノ、アミドなど)を有する化合物のプロドラッグ形態としては、以下の型の誘導体が挙げられ得、式中、各R基は、独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、複素環、アルキルアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキルまたはシクロアルケニル基(先に定義したもの)であり得る。
【0137】
(a)−NHC(O)Rで表されるカルボキサミド
(b)−NHC(O)ORで表されるカルバメート
(c)NHC(O)OROC(O)Rで表される(アシルオキシ)アルキルカルバメート
(d)−NHCR(=CHCO)または−NHCR(=CHCONR)で表されるエナミン
(e)−N=CRで表されるシッフ塩基
(f)RCONHCHNRで表されるマンニッヒ塩基(カルボキサミド化合物由来)
プロドラッグ誘導体の調製は、種々の文献の情報源に論考されている(例は、Alexanderら,J.Med.Chem.1988,31,318;Aligas−Martinら,PCT WO0041531,p.30)。
【0138】
カルボキシルを有する化合物のプロドラッグ誘導体としては、エステル(−CO)(式中、R基は、その酵素的または加水分解的プロセスによる体内での放出が、薬学的に許容され得るレベルとなり得る任意のアルコールに相当する)が挙げられる。本開示のカルボン酸形態から誘導される別のプロドラッグは、Bodorら,J.Med.Chem.1980,23,469に記載された第4級塩の型の構造であり得る。
【0139】
【化23】

ヌクレオシド糖基
用語「ヌクレオシド糖基」は、本明細書で用いる場合、式Iのヌクレオシド類似体の糖部分として含めることができる環式および非環式の基が挙げられる。かかる基は、多くの例がヌクレオシド化学の分野で知られている(例えば、Ashgate Publishing Ltd.から出版されているAntiviral Drugs by John S.Driscoll(2002)を参照のこと)。
【0140】
ヌクレオシド糖基という用語は、以下の(A)群に示したものなどの置換および非置換テトラヒドロフラニルおよびジヒドロフラニル化合物、以下の(B)群に示したものなどの置換および非置換テトラヒドロチオフェニルおよびジヒドロチオフェニル化合物、以下の(C)群に示したものなどの置換および非置換アルキル化合物、以下の(D)群に示したもの置換および非置換シクロアルキルおよびシクロアルケニル化合物、以下の(E)群に示したものなどの置換および非置換ジヒドロピロリジニルおよびテトラヒドロピロリジニル化合物、ならびに以下の(F)群に示したものなどの置換および非置換ジオキソラン、置換および非置換チオキソラン、置換および非置換ジチオラン化合物を包含する。
【0141】
A群
置換テトラヒドロおよびジヒドロフラニル化合物の例としては、一般構造:
【0142】
【化24】

で表わされる化合物が挙げられる。具体例としては、限定されないが、以下の化合物:
【0143】
【化25】

が挙げられる。
【0144】
B群
置換テトラヒドロチオフェニルおよびジヒドロチオフェニル化合物の例としては、一般構造:
【0145】
【化26】

で表わされる化合物が挙げられる。具体例としては、限定されないが、以下の化合物:
【0146】
【化27】

が挙げられる。
【0147】
C群
置換アルキル化合物の例としては
【0148】
【化28】

で表わされる化合物が挙げられる。具体例としては、限定されないが、以下の化合物:
【0149】
【化29】

が挙げられる。
【0150】
D群
置換シクロアルキルおよびシクロアルケニル化合物の例としては、一般構造:
【0151】
【化30】

で表わされる化合物が挙げられる。具体例としては、限定されないが、以下の化合物:
【0152】
【化31】

が挙げられる。
【0153】
E群
置換ジヒドロピロリジニルおよびテトラヒドロピロリジニル化合物の例としては、一般構造:
【0154】
【化32】

で表わされる化合物が挙げられる。具体例としては、限定されないが、以下の化合物:
【0155】
【化33】

が挙げられる。
【0156】
F群
置換ジオキソラン、置換チオキソランおよび置換ジチオラン化合物の例としては、一般構造:
【0157】
【化34】

で表わされる化合物が挙げられる。具体例としては、限定されないが、以下の化合物:
【0158】
【化35】

が挙げられる。
【0159】
A〜F群の構造に対して、以下の定義を適用する。
【0160】
は、H、OR14、N、NHまたはFであり;R’は、H、F、OH、O−アルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRとR’が一緒になって=CH、=CHFであり得る;ここで、RとR’がともにOHであることはなく;RとR’の一方がNHであるとき、他方はOHではなく;RとR’の一方がNであるとき、他方はOHではなく;
は、H、OR14、N、NHまたはFであり;R’は、H、F、OH、Oアルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRとR’が一緒になって=CH、=CHFであり得る;ここで、RとR’がともにOHであることはなく;RとR’の一方がNHであるとき、他方はOHではなく;RとR’の一方がNであるとき、他方はOHではないか;
あるいはRとRが一緒になって
【0161】
【化36】

(式中、R100は、C1〜12アルキル C3〜8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R100の該C1〜12アルキルおよびC3〜8シクロアルキルはいずれも非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシおよびC1〜4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;R100の該アリールまたはヘテロアリールはいずれも非置換であるか、または独立してR101から選択される1〜5個の置換基で置換されており;
各R101は、独立して、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルスルホニル(sulfoyl)、シアノ、ニトロ、アミノ、フェニル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C1〜4アルカノイル、C1〜4アルカノイルオキシ、またはC1〜4アルキルオキシカルボニルである)
を形成していてもよく;
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、CH−ジホスフェート、CH−トリホスフェート、
【0162】
【化37】

であり;
10およびR11は各々、独立して、H、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N結合アミノ酸残基(例えば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
14は、Hであり;
nは2〜5であり;
mは10〜20である。
【0163】
A〜F群の構造に関する本発明の特定の一実施形態において、
は、H、OR14、N、NHまたはFであり;R’は、H、F、OH、O−アルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRおよびR’が一緒になって=CH、=CHFであり得る;ここで、RとR’がともにOHであることはなく;RとR’の一方がNHであるとき、他方はOHではなく;RとR’の一方がNであるとき、他方はOHではなく;R”は、アルキルまたは置換アルキルである。
【0164】
は、H、OR14、N、NHまたはFであり;R’は、H、F、OH、Oアルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRとR’が一緒になって=CH、=CHFであり得る;ここで、RとR’がともにOHであることはなく;RとR’の一方がNHであるとき、他方はOHではなく;RとR’の一方がNであるとき、他方はOHではなく;
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、
【0165】
【化38】

であり;
10およびR11は各々、独立して、H、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N結合アミノ酸残基(例えば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
13は、H、CH、C、CHF、CHOH、CHCHF、CHCHOH、CH、CHCH、CHNH、またはCHCHNHであり;
14は、Hであり;
nは2〜5であり;
mは10〜20である。
【0166】
式Iの化合物の一実施形態において、R14は、薬学的に許容され得るプロドラッグが形成されるように、例えば、アシル、オキシアシル、ホスホネート、ホスフェート、リン酸エステル、ホスホンアミデート、ホスホロジアミデート、ホスホルアミデートモノエステル、環状ホスホルアミデート、環状ホスホロジアミデート、ホスホルアミデートジエステル、C(O)CHR15NH
【0167】
【化39】

(式中、
15は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、またはアミノ酸であり;
16は、H、任意選択的に置換された単環式アリール、または任意選択的に置換された単環式ヘテロアリールであり;R17は、H、ハロゲン、CN、−CO−R20、−CON(R21、−CO20、−SO20、−SON(R21、−OR21、−SR21、−R21、−N(R21、−O−COR20、−O−CO20、−SCOR20、−S−CO20、−NHCOR21、−NHCO21、−(CH−OR22、または−(CH−SR22であるか;あるいはR16とR17が3〜5個のさらなる原子によって連結されて、任意選択で1個のヘテロ原子を含有する環式基を形成しており、該環式基は、リンに結合しているOに対してβおよびγ位でアリール基に縮合しているか;あるいはR17とR18が下記のように連結されており;
18およびR19は各々、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、任意選択的に置換された単環式アリールまたは任意選択的に置換された単環式ヘテロアリールであるか;あるいはR18とR19が2〜5個のさらなる原子によって連結されて、任意選択で0〜2個のヘテロ原子を含有する環式基を形成しているか;あるいはR17とR18が3〜5個のさらなる原子によって連結されて、任意選択で1個のヘテロ原子を含有する環式基を形成し、R19が、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、任意選択的に置換された単環式アリールまたは任意選択的に置換された単環式ヘテロアリールであり;
20は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはアリールアルキルであり;
21はH、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはアリールアルキルであり;
22は、Hまたは低級アシルであり;
pは2〜3の整数である)
からなる群より選択されるプロドラッグが形成されるように置き換えられる。
【0168】
合成方法
式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを調製するための方法、ならびに式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを調製するために使用され得る中間体化合物を調製するための方法を、本発明のさらなる実施形態として示す。例えば、一実施形態において、本発明は、対応する式Iの化合物をその塩に変換することを含む、式Iの化合物の薬学的に許容され得る塩の調製方法を提供する。
【0169】
別の実施形態において、本発明は、対応する式Iの化合物をそのプロドラッグに変換することを含む、式Iの化合物のプロドラッグの調製方法を提供する。
【0170】
別の実施形態において、本発明は、1つ以上の保護基を含む対応する式Iの化合物を脱保護して式Iの化合物を得ることを含む、式Iの化合物の調製方法を提供する。
【0171】
合成中間体
また、本発明は、式Iの化合物またはその塩もしくはプロドラッグを調製するのに有用な合成中間体を提供する。例えば、本発明は、新規な合成中間体(本明細書の実施例に記載のものなど)を提供する。
【0172】
異性体および物理的形態
キラル中心を有する本発明の化合物は、光学活性形態およびラセミ形態で存在していてもよいこと、ならびに該形態で単離されたものであり得ることが当業者には認識されよう。一部の化合物は多形性を示すものであり得る。本発明には、本発明の化合物(例えば、本明細書に記載の有用な性質を有する式Iの化合物)の任意のラセミ、光学活性、多形、互変異性、もしくは立体異性の形態、またはその混合物が包含されることは理解されよう。光学活性形態をどのようにして調製するか(例えば、再結晶手法によるラセミ形態の分割、光学活性な出発材料からの合成、キラル合成、またはキラル固定相を用いたクロマトグラフィーによる分離)、および本明細書に記載の標準的な試験を用いて、あるいは当該技術分野でよく知られた他の同様の試験を用いて抗ウイルス活性または抗癌活性をどのようにして調べるかは、当該技術分野でよく知られている。本発明は、本明細書に記載の化合物のあらゆる異性体形態を包含するが、本発明の一実施形態では、以下の本明細書の実施例に示す絶対立体化学構造を有する化合物を提供する。
【0173】
医薬組成物、投与様式および処置方法
本発明の開示により、ウイルスDNAおよび/またはRNAポリメラーゼのインヒビターならびに抗癌剤である、先に詳述した一般式Iの化合物を提供する。種々の形態のDNAおよびRNAウイルスポリメラーゼ(限定されないが、ウイルスRdRpなど)が、開示した化合物によって阻害される。したがって、本発明の開示による化合物は、宿主のウイルス感染の処置および/または予防ならびにかかるウイルス感染によって引き起こされる、または該感染に関連するさまざまな疾患状態および/または病状の処置および/または予防に有用性を有する。一実施形態において、該化合物は、ウイルスRNAおよびDNAポリメラーゼを阻害することにより、上記の処置および/または予防に有用である。かかるウイルス薬剤としては、限定されないが、B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、ポリオ、コクサッキーAおよびB、ライノ、エコー、痘瘡、エボラ、および西ナイルウイルスが挙げられる。具体的な実施形態において、ウイルス感染の原因因子はフラビウイルスである。
【0174】
本発明の開示により、一般式Iの化合物、および医薬有効量の本明細書に記載の少なくとも1種の一般式Iの化合物を含む医薬組成物を提供する。かかる化合物および/または医薬組成物は、ウイルスRNAおよびDNAポリメラーゼを阻害することが望ましい疾患または病状の処置および/または予防のための医薬の製造に使用され得る。また、かかる医薬組成物は、薬学的に許容され得る担体および当該技術分野で知られた他の成分を含むものであってもよく、一般式Iの化合物のみを含むものであってもよい。
【0175】
本明細書に記載の薬学的に許容され得る担体、例えば限定されないが、ビヒクル、アジュバント、賦形剤または希釈剤は、当業者にとって周知である。典型的には、薬学的に許容され得る担体は、使用条件下で活性化合物に対して化学的に不活性であり、かつ有害な副作用または毒性を有しないものである。薬学的に許容され得る担体としては、ポリマーおよびポリマーマトリックスが挙げられ得る。
【0176】
本開示において記載の化合物は、個々の治療用薬剤として、またはさらなる治療用薬剤との組合せのいずれかで、医薬品に関する使用のために利用可能な任意の慣用的な方法によって投与され得る。
【0177】
本記載の化合物は、医薬有効量で投与される。投与される化合物の医薬有効量および医薬組成物の投薬量は、もちろん、既知の要素、例えば、具体的な薬剤の薬力学的特性ならびにその投与の様式および経路;レシピエントの年齢、健康および体重;疾患状態または病状の重症度および病期;併用処置の種類;処置の頻度;ならびに所望される効果などに応じて異なる。
【0178】
活性成分の1日投薬量は、約0.001〜1000ミリグラム(mg)/キログラム(kg)体重/日であると予測され得る。一実施形態において、その総量は、約0.1mg/kg〜約100mg/kg体重/日であり;代替的な一実施形態では、約1.1mg/kg〜約50mg/kg体重/日;また別の代替的な一実施形態では、0.1mg/kg〜約30mg/kg体重/日である。上記の量は、所望により、ある期間にわたって一連の小用量で投与され得る。医薬有効量は、送達されるべき親化合物の重量に基づいて計算され得る。塩またはプロドラッグがそれ自体で活性を示す場合、医薬有効量は、上記のように該塩またはプロドラッグの重量を用いて、または当業者に既知の他の手段によって概算され得る。活性成分の投薬量は、所望により、1日量以外で示してもよい。
【0179】
また、投与される化合物の総量は、投与の経路、タイミングおよび頻度や、該化合物の投与に伴うことがあり得る任意の有害な副作用の存在、性質および程度ならびに所望される生理学的効果によって決定される。当業者には、種々の病状または疾患状態、特に、慢性の病状または疾患状態には反復投与を伴う長期間の処置が必要とされ得ることが認識されよう。
【0180】
本明細書に記載の医薬組成物の投薬形態(投与に適した医薬組成物の形態)には、単位あたり約0.1mg〜約3000mgの活性成分(すなわち、開示した化合物)が含まれる。このような医薬組成物において、活性成分は、通常、該組成物の総重量に対して約0.5〜95重量%の量で存在させる。反復投薬形態は、単独処置の一部として投与してもよい。活性成分は、活性成分のピーク血漿濃度が約0.2〜70μM、または約1.0〜10μMとなるように投与され得る。
【0181】
活性成分は、固形投薬形態(カプセル剤、錠剤および散剤)、または液状投薬形態(エリキシル剤、シロップ剤および懸濁剤など)で経口投与され得る。また、滅菌した液状投薬形態で非経口投与してもよい。また、活性成分は、鼻腔内(点鼻薬)、または肺系による吸入(噴射剤による定量吸入器もしくは乾燥粉末剤吸入デバイスなど))によって投与され得る。貼付剤機構または軟膏による経皮投与などの他の投薬形態も潜在的に可能である。
【0182】
経口投与に適した製剤としては、(a)液状の液剤(例えば、医薬有効量の該化合物を希釈剤(水、生理食塩水またはオレンジジュースなど)に溶解させたもの);(b)カプセル剤、サシェ剤、錠剤、ロゼンジ剤、およびトローチ剤(各々、所定の医薬有効量の活性成分を含有し、固形物または顆粒である);(c)散剤;(d)適切な液体中の懸濁剤;ならびに(e)適当な乳剤が挙げられ得る。液状製剤には、希釈剤、例えば、水ならびにアルコール、例えば、エタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、およびポリエチレンアルコール(薬学的に許容され得る界面活性剤が添加されたもの、添加されていないものどちらも)、懸濁化剤、または乳化剤が含まれ得る。カプセル剤形態は、通常の硬質または軟質殻ゼラチン型のものであり得、例えば、界面活性剤、滑沢剤、ならびに不活性な充填剤(ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム、およびコーンスターチなど)を含有する。錠剤形態には、以下のもの:ラクトース、スクロース、マンニトール、コーンスターチ、イモデンプン、アルギン酸、微晶質セルロース、アカシア、ゼラチン、グアーガム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、および他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、保湿剤、保存料、フレーバー剤、および薬理学的に適合性のある担体の1種以上が含まれ得る。ロゼンジ剤形態には、活性成分をフレーバー(通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント)に含めたもの、ならびに不活性な基剤(例えば、ゼラチンとグリセリン、またはスクロースとアカシア(acadia))中に活性成分を含めたトローチ剤、ならびに活性成分に加えて当該技術分野で知られているような担体を含む乳剤およびゲル剤が含まれ得る。
【0183】
非経口投与に適した製剤としては、水性および非水性の等張性で滅菌された注射用液剤が挙げられ、これには、抗酸化剤、バッファー、静菌剤、および製剤を患者の血液と等張性にする溶質、ならびに水性および非水性の滅菌された懸濁剤(これには、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤および保存料が含まれ得る)が含有され得る。
【0184】
該化合物は、生理学的に許容され得る希釈剤、薬学的に許容され得る担体(例えば、滅菌された液体または液体混合物、例えば、水、生理食塩水、デキストロース水溶液および関連する糖溶液)、アルコール(エタノール、イソプロパノール、またはヘキサデシルアルコールなど)、グリコール(例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール(ポリ(エチレングリコール)400など)、グリセロールケタール(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールなど)、エーテル、油類、脂肪酸、脂肪酸エステルもしくはグリセリド、またはアセチル化脂肪酸グリセリド(薬学的に許容され得る界面活性剤が添加されたもの、もしくは添加されていないもの、例えば、石鹸もしくはデタージェント)、懸濁化剤(ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、もしくはカルボキシメチルセルロースなど)、または乳化剤および他の医薬用アジュバント中にて投与され得る。
【0185】
非経口製剤に使用され得る油類としては、石油、動物性、植物性、または合成油が挙げられる。油の具体例としては、ピーナッツ油、ダイズ油、ゴマ油、綿実油、コーン油、オリーブ油、ワセリン、および鉱油が挙げられる。非経口製剤における使用に好適な脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、およびイソステアリン酸が挙げられる。オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルは、適当な脂肪酸エステルの一例である。非経口製剤における使用に好適な石鹸としては、脂肪酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩およびトリエタノールアミン塩が挙げられ、適当なデタージェントとしては、(a)カチオン系デタージェント(例えば、ハロゲン化ジメチルジアルキルアンモニウム、およびハロゲン化アルキルピリジニウムなど)、(b)アニオン系デタージェント(例えば、アルキル、アリール、およびオレフィンスルホン酸、アルキル、オレフィン、エーテル、および硫酸モノグリセリド、およびスルホスクシネートなど)、(c)非イオン系デタージェント(例えば、脂肪族アミンの酸化物、脂肪酸アルカノールアミド、およびポリオキシエチレンポリプロピレンコポリマーなど)、(d)両性デタージェント(例えば、β−アミノプロピオン酸アルキル、および2−アルキルイミダゾリン第4級アンモニウム塩など)、ならびに(e)その混合物が挙げられる。
【0186】
非経口製剤は、典型的には、約0.5%〜約25%(重量基準)の活性成分を溶液状態で含む。かかる製剤には、適当な保存料およびバッファーが使用され得る。注射部位での刺激を最小限にするため、または排除するため、かかる組成物に、約12〜約17の親水性・親油性バランス(HLB)を有する1種以上の非イオン系界面活性剤を含めてもよい。かかる製剤中の界面活性剤の量は約5%〜約15%(重量基準)の範囲である。好適な界面活性剤としては、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエートなど)およびエチレンオキシドと疎水性基剤(プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成されるもの)との高分子量付加物が挙げられる。
【0187】
また、薬学的に許容され得る賦形剤は、当業者にとって周知である。賦形剤の選択は、一部において、具体的な化合物、ならびに該組成物を投与するために使用される具体的な方法によって決定される。したがって、本発明の医薬組成物に適した製剤は多種多様である。以下の方法および賦形剤は単なる例示であって、なんら限定されない。薬学的に許容され得る賦形剤は、好ましくは、活性成分の作用を妨げず、有害な副作用を引き起こさないものである。好適な担体および賦形剤としては、溶媒(水、アルコール、およびプロピレングリコールなど)、固形吸収剤および希釈剤、表面活性剤、懸濁化剤、錠剤用結合剤、滑沢剤、フレーバー、ならびに着色剤が挙げられる。
【0188】
本発明の化合物は、単独または他の適当な成分と組み合わせて、吸入によって投与されるエーロゾル製剤とすることができる。このようなエーロゾル製剤は、許容され得る加圧噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、および窒素)中に配置され得る。かかるエーロゾル製剤は定量吸入器によって投与され得る。また、ネブライザーまたはアトマイザーなどにおける非加圧型調製物用の医薬品として製剤化してもよい。
【0189】
製剤は、単位用量または反復用量の密封容器(アンプルおよびバイアルなど)にて提示され得、使用直前に滅菌液状賦形剤(例えば、注射用水)を添加するだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存され得る。即時注射用の液剤および懸濁剤は、滅菌された粉末剤、顆粒剤および錠剤から調製され得る。注射用組成物のための有効な薬学的に許容され得る担体の要件は、当業者にとって周知である。Pharmaceutics and Pharmacy Practice,J.B.Lippincott Co.,Philadelphia,Pa.,Banker and Chalmers,Eds.,238−250(1982)and ASHP Handbook on Injectable Drugs,Toissel,第4版,622−630(1986)参照。
【0190】
局所投与に適した製剤としては、活性成分を不活性基剤(例えば、ゼラチンとグリセリン、またはスクロースとアカシア)中に含めたトローチ剤、ならびに活性成分に加えて当該技術分野で知られているような担体を含むクリーム剤、乳剤およびゲル剤が挙げられる。さらに、経皮パッチは、当該技術分野で知られた方法を用いて調製され得る。
【0191】
また、直腸投与に適した製剤は、さまざまな基剤(乳化基剤または水溶性基剤など)と混合することにより坐剤として提示され得る。膣投与に適した製剤は、活性成分に加えて、当該技術分野で適切と知られているような担体を含む膣坐薬、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤、またはスプレー剤の処方として提示され得る。
【0192】
当業者には、本発明の化合物を患者に投与するのに利用可能な適当な方法が認識され、ある特定の化合物を投与するのに1つより多くの経路を使用してもよいが、ある特定の経路により、別の経路よりも即時的で有効な反応をもたらすのがよい。
【0193】
本発明による化合物の投与のための医薬投薬形態の有用な実施形態は、以下に例示したものであり得る。
【0194】
標準的なツーピース型硬質ゼラチンカプセルの各々に、100mgの粉末状活性成分、150mgのラクトース、50mgのセルロースおよび6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することにより、大量の硬質殻カプセル剤が調製される。
【0195】
活性成分と消化のよい油(ダイズ油、綿実油またはオリーブ油など)との混合物を調製し、容積移送式真空ポンプによって溶融ゼラチン内に注入し、100mgの活性成分を含む軟質ゼラチンカプセル剤を形成する。カプセル剤は洗浄し、乾燥させる。活性成分をポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトール混合物に溶解させると、水混和性の医薬ミックスを調製することができる。
【0196】
慣用的な手順によって、投薬単位が100mgの活性成分、0.2mgのコロイド状二酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275mgの微晶質セルロース、11mgのデンプン、および98.8mgのラクトースであるような錠剤が大量に調製される。口当たりのよさを増大させるため、上質性および安定性を改善するため、または吸収を遅延させるために、適切な水性および非水性のコーティングを施してもよい。
【0197】
即放性錠剤/カプセル剤は、慣用的なプロセスおよび新規なプロセスによって作製される固形の経口投薬形態である。このような単位は、即時溶解および医薬の送達のための水なしで経口摂取される。活性成分は、糖類、ゼラチン、ペクチンおよび甘味料などの成分を含有する液体中に混合される。このような液体を、フリーズドライおよび固相抽出手法によって固化させ、固形の錠剤またはキャプレットにする。薬物化合物は、水を必要としない即時放出を意図した多孔質マトリックスが得られる粘弾性および熱弾性の糖類およびポリマーまたは発泡性成分とともに圧縮され得る。
【0198】
さらに、本発明の化合物は、点鼻薬、または経鼻もしくは口腔内定量吸入器の形態で投与され得る。薬物は、微細なミストとしての経鼻用液剤により、またはエーロゾルとしての粉末剤により送達される。
【0199】
一実施形態において、本発明の開示の教示により、ウイルス感染を処置する方法における、あるいはかかるウイルス感染によって引き起こされる、または該感染に関連する疾患状態および/または病状を処置する方法における、かかる医薬組成物および医薬の使用を提供する。一実施形態において、該処置は、ウイルスRNAまたはDNAポリメラーゼ(限定されないが、RdRpなど)の阻害によるものである。かかる処置または阻害は、有用であるために完全である必要はない。該処置方法は、(i)かかる処置を必要とする患者を特定する工程;(ii)少なくとも1種類の本発明の化合物を含むかかる医薬組成物を準備する工程;および(iii)かかる医薬組成物を、かかる処置を必要とする患者のウイルス感染を処置するため、またはかかる処置を必要とする患者においてウイルスRNAもしくはDNAポリメラーゼの活性を阻害するための治療有効量で投与する工程を含む。
【0200】
一実施形態において、本発明の開示の教示により、ウイルス感染を予防もしくは抑制する方法における、あるいはかかるウイルス感染によって引き起こされる、または該感染に関連する疾患状態および/または病状を予防もしくは抑制する方法における、かかる医薬組成物および医薬の使用を提供する。一実施形態において、該予防または抑制は、ウイルスRNAまたはDNAポリメラーゼ(限定されないが、RdRpなど)の阻害によるものである。かかる予防、抑制または阻害は、は、有用であるために完全である必要はない。該予防もしくは抑制方法は、(i)かかる予防を必要とする患者を特定する工程;(ii)少なくとも1種類の一般式Iの化合物を含むかかる医薬組成物を準備する工程;および(iii)かかる医薬組成物を、かかる処置を必要とする患者においてウイルス感染を予防もしくは抑制するため、またはかかる処置を必要とする患者においてウイルスRNAおよびDNAポリメラーゼの活性を阻害するための治療有効量で投与する工程を任意選択的に含むものであり得る。
【0201】
該ウイルス感染あるいは前記ウイルス感染によって引き起こされる、または該感染に関連する疾患状態および/または病状を処置および予防する方法に、さらに、治療有効量の本発明の化合物を、治療有効量の別の抗ウイルス剤と、特に、HCVに対して活性であり得るものと組み合わせて投与することを含めてもよい。HCVに対して活性な薬剤としては、限定されないが、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、サイモシンα−1、HCV NS3セリンプロテアーゼインヒビター、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(dehydrognease)インヒビター、インターフェロン−α、ペグ化インターフェロン−α(ペグインターフェロン−α)、インターフェロン−αとリバビリンの組合せ、ペグインターフェロン−αとリバビリンの組合せ、インターフェロン−αとレボビリンの組合せ、およびペグインターフェロン−αとレボビリンの組合せが挙げられる。インターフェロン−αとしては、限定されないが、組換えインターフェロン−α2a、インターフェロン−α2b、コンセンサスインターフェロン、および精製インターフェロン−α製剤が挙げられる。
【0202】
本発明の開示による化合物および医薬組成物は、患者に、いくつかの癌を予防および/または処置するために投与され得る。癌としては、限定されないが、白血病およびリンパ腫、例えば、急性リンパ性白血病、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、ならびに多発性骨髄腫、小児期の充実性腫瘍、例えば、脳腫瘍、神経芽腫、網膜芽腫、ウィルムス腫瘍、骨腫瘍、ならびに軟組織肉腫、成人の一般的な充実性腫瘍、例えば、肺癌、結腸および直腸の癌、乳癌、前立腺癌、泌尿器の癌、子宮癌、口腔癌、膵臓癌、黒色腫および他の皮膚癌、胃癌、卵巣癌、脳腫瘍、肝臓癌、喉頭癌、甲状腺癌、食道癌、および精巣癌が挙げられる。癌は、ウイルス感染またはウイルスDNAもしくはRNAポリメラーゼの活性に関連するものであってよい。
【0203】
また、癌の処置方法および予防方法に、さらに、本発明の開示による任意の化合物または医薬組成物と組み合わせて化学療法剤を投与することを含めてもよい。この目的には、任意の適当な化学療法剤が使用され得る。化学療法剤は、典型的には、アルキル化剤、代謝拮抗剤、天然産生物、ホルモン剤、および種々雑多な薬剤からなる群より選択される。
【0204】
アルキル化剤である化学療法剤の例としては、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、ロムスチン、シクロホスファミド、メルファラン、メクロレタミン、プロカルバジン、チオテパ、ウラシルマスタード、トリエチレンメラミン、ブスルファン、ピポブロマン、ストレプトゾシン、イホスファミド、ダカルバジン、カルボプラチン、およびヘキサメチルメラミンが挙げられる。
【0205】
代謝拮抗剤である化学療法剤の例としては、シトシンアラビノシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、アザセリン、チオグアニン、フロクスウリジン、フルダラビン、クラドリビンおよびL−アスパラギナーゼが挙げられる。
【0206】
天然産生物である化学療法剤の例としては、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、カンプトテシン、ダウノマイシン、ドキソルビシン、エトポシド、マイトマイシンC、TAXOLTM(パクリタキセル)、タキソテール、テニポシド、ビンクリスチン、ビノレルビン、ミトラマイシン、イダルビシン、MITHRACINTM.(プリカマイシン)、およびデオキシコホルマイシンが挙げられる。
【0207】
ホルモン剤である化学療法剤の一例としては、タモキシフェンが挙げられる。前述の種々雑多な化学療法剤の例としては、ミトーテン、ミトザントロン、ビンブラスチン、およびレバミゾールが挙げられる。
【0208】
化合物がウイルスポリメラーゼを阻害する能力は、既知のアッセイを用いて評価され得る。化合物がHCV NS5Bポリメラーゼを阻害する能力は、以下のアッセイを用いて評価され得る。
【0209】
HCV NS5Bポリメラーゼアッセイ
試験化合物の抗ウイルス活性を、安定的にHCV RNAを複製する細胞株AVA5(ヒト胚芽細胞腫細胞株Huh7(Blightら,Sci.2000,290,1972)のトランスフェクションによって誘導)において評価した(Okuseら,Antiviral Res.2005,65,23−34)。化合物は、分裂中の培養物に1日1回3日間添加した。化合物の添加ごとに培地を交換した。培養物が概ね30〜50%コンフルエンスのときにアッセイを開始し、処置の最後の日のうちにコンフルエンスに達した。細胞内HCV RNAレベルおよび細胞傷害性は、化合物の最後の投与の24時間後に評価した。
【0210】
HCV RNAレベル(48ウェルおよび96ウェルプレート上)および細胞傷害性(96ウェルプレート上)に対して3連の培養物を使用した。合計6つの未処理対照培養物、ならびにα−インターフェロンおよびリバビリンで処理した3連の培養物を抗ウイルス性および毒性陽性対照として供した。
【0211】
細胞内HCV RNAレベルは、HCV RNAレベルを個々の各培養物中のB−アクチンRNAのレベルに対して標準化する慣用的なブロットハイブリダイゼーション法を用いて測定した(Okuseら,Antivir.Res.2005,65,23−34)。細胞傷害性は、ニュートラルレッド色素取込みアッセイを用いて測定した(KorbaおよびGerin,Antivir.Res.1992,19,55)。処理培養物中のHCV RNAレベルを、未処理培養物中で検出されたRNAの平均レベルに対する割合で表示する。
【0212】
代表的な式Iの化合物は、このアッセイにおいて有意な活性を示した。
【0213】
化合物の合成
式Iの化合物は、既知の合成中間体および合成手順を用いて調製され得るか、または例えば、以下のスキームに記載のような本明細書に記載の合成中間体および合成手順を用いて調製され得る。
【0214】
本明細書において、以下の略号を使用する。
【0215】
Tr:トリチル
Bn:ベンジル
TBDPS:tert−ブチルジフェニルシリル
m−CPBA:3−クロロペルオキシ安息香酸
TFA:トリフルオロ酢酸
TBDMSCl:塩化tert−ブチルジメチルシリル
DMF:ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
LDA:リチウムジイソプロピルアミン
TEAB:重炭酸トリエチルアンモニウム
MmTrCl:塩化モノメトキシトリチル
MMTrCl:塩化モノメトキシトリチル
DMAP:ジメチルアミノピリジン
DEAE:ジエチルアミノエチル−セファロース
CMA−80:クロロホルム80:MeOH 18:NHOH:2
CMA−50:クロロホルム50:MeOH 40:NHOH:10
Bz:ベンゾイル
BnBr:臭化ベンジル
LiHMDS:ヘキサメチルジシラザン(hexamethyldisalazane)リチウム
TBDPSCl:塩化tert−ブチルジフェニルシリル
DMSO:ジメチルスルホキシド
RMgBr:臭化アルキルマグネシウム
DIBAL:ジイソブチルアルミニウムヒドリド
DBN:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン
MeMgBr:臭化メチルマグネシウム
P:は適当な保護基を表す
R:スキーム41〜86において、Rは、本明細書でRについて規定した任意の値を有し得る
スキーム1
式中、X=O、Y=NH、Z=H、R=Hの式1の化合物(1f)の合成
【0216】
【化40】

スキーム2
式中、X=O、Y=NHCH、Z=H、R=Hの式1の化合物(2c)の合成
【0217】
【化41】

スキーム3
式中、X=O、Y=CH、Z=H、R=Hの式1の化合物(3c)の合成
【0218】
【化42】

スキーム4
式中、X=O、Y=Z=H、R=Fの式1の化合物(4l)の合成
【0219】
【化43】

スキーム5
式中、X=O、Y=Z=H、R=Clの式1の化合物(5a)の合成
【0220】
【化44】

スキーム6
式中、X=SまたはO、Y=Z=H、R=Hの式1の化合物(6cおよび6d)の合成
【0221】
【化45】

スキーム7
式中、X=O、Y=Z=H、R=NHMeの式1の化合物(7b)の合成
【0222】
【化46】

スキーム8
式中、X=O、Y=Z=H、R=OCHの式1の化合物(8a)の合成
【0223】
【化47】

スキーム9
式中、X=2つの水素、Y=Z=H、R=Hの式1の化合物(9c)の合成
【0224】
【化48】

スキーム10
式中、X=O、Z=H、Y=hal=ハロゲン、R=Hの式1の化合物(10b)の合成
【0225】
【化49】

スキーム11
式中、X=O、Y=N、Z=H、R=Hの式1の化合物(11b)の合成
【0226】
【化50】

スキーム12
式中、X=O、Y=O−アルキル、Z=H、R=Hの式1の化合物(12b)の合成
【0227】
【化51】

スキーム13
式中、X=O、Y=アルキル、Z=H、R=Hの式1の化合物(13b)の合成
【0228】
【化52】

スキーム14
式中、X=O、Y=SOH、Z=H、R=Hの式1の化合物(14b)の合成
【0229】
【化53】

スキーム15
式中、X=O、Y=CN、Z=H、R=Hの式1の化合物(15a)の合成
【0230】
【化54】

スキーム16
式中、X=O、Y=C≡CR、Z=H、R=アルキルまたはアリール、R=Hの式1の化合物(16a)の合成
【0231】
【化55】

スキーム17
式中、X=O、Y=C≡CH、Z=H、R=Hの式1の化合物(17a)の合成
【0232】
【化56】

スキーム18
式中、X=O、Y=H、Z=CH、R=Hの式1の化合物(18c)の合成
【0233】
【化57】

スキーム19
式中、X=O、Y=OH、Z=H、R=Hの式1の化合物(19b)の合成
【0234】
【化58】

スキーム20
式中、X=2つの水素、Y=Z=H、t=2、R=Hの式2の化合物(20h)の合成
【0235】
【化59】

スキーム21
式中、X=2つの水素、Y=Z=H、t=1、R=Hの式2の化合物(21e)の合成
【0236】
【化60】

スキーム22
式中、X=O、Y=CH、Z=H、t=1、R=Hの式2の化合物(22b)の合成
【0237】
【化61】

スキーム23
式中、X=O、Y=H、Z=CH、t=1、R=Hの式2の化合物(23b)の合成
【0238】
【化62】

スキーム24
式中、X=O、Y=Z=H、t=1、R=Hの式2の化合物(24a)の合成
【0239】
【化63】

スキーム25
式中、X=S、Y=Z=H、t=1、R=Hの式2の化合物(25a)の合成
【0240】
【化64】

スキーム26
式中、X=O、Y=OCH、Z=Br、t=1、R=Hの式2の化合物(26a)の合成
【0241】
【化65】

スキーム27
式中、X=O、Y=Z=H、t=1、R=Fの式2の化合物(27c)の合成
【0242】
【化66】

スキーム28
式中、X=O、Y=Z=H、t=1、R=Clの式2の化合物(28a)の合成
【0243】
【化67】

スキーム29
式中、X=2つの水素、Y=OCH、Z=H、t=1、R=Hの式2の化合物(29c)の合成
【0244】
【化68】

スキーム30
式中、X=2つの水素、Y=Z=H、t=1、R=Hの式2の化合物(30a)の合成
【0245】
【化69】

スキーム31
式中、X=O、Y=2つの水素、R=Hの式4の化合物(31d)の合成
【0246】
【化70】

スキーム32
式中、X=Y=O、R=Hの式4の化合物(32c)の合成
【0247】
【化71】

スキーム33
式中、X=2つの水素、Y=O、R=Hの式4の化合物(33d)の合成
【0248】
【化72】

スキーム34
式中、X=O、R=Hの式5の化合物(34b)の合成
【0249】
【化73】

スキーム35
式中、R=Hの式6の化合物(35a)の合成
【0250】
【化74】

スキーム36
式中、R=Hの式7の化合物(36e)の合成
【0251】
【化75】

スキーム37
式中、X=NH、R=Hの式8の化合物(37b)の合成
【0252】
【化76】

スキーム38
式中、X=OCH、R=Hの式8の化合物(38a)の合成
【0253】
【化77】

スキーム39
式中、R=Hの式9の化合物(39d)の合成
【0254】
【化78】

実施例1の合成のためのスキーム40
【0255】
【化79】

【0256】
【化80】

スキーム41
【0257】
【化81】

スキーム42
【0258】
【化82】

スキーム43
【0259】
【化83】

スキーム44
【0260】
【化84】

スキーム45
【0261】
【化85】

スキーム46
【0262】
【化86】

スキーム47
【0263】
【化87】

スキーム48
【0264】
【化88】

スキーム49
【0265】
【化89】

スキーム50
【0266】
【化90−1】

スキーム51
【0267】
【化90−2】

スキーム52
【0268】
【化91】

スキーム53
【0269】
【化92】

スキーム54
【0270】
【化93】

スキーム55
【0271】
【化94】

スキーム56
【0272】
【化95】

スキーム57
【0273】
【化96】

スキーム58
【0274】
【化97】

スキーム59
【0275】
【化98】

スキーム60
【0276】
【化99】

スキーム61
【0277】
【化100】

スキーム62
【0278】
【化101】

スキーム63
【0279】
【化102】

スキーム64
【0280】
【化103】

スキーム65
【0281】
【化104】

スキーム66
【0282】
【化105】

スキーム67
【0283】
【化106】

スキーム68
【0284】
【化107】

スキーム69
【0285】
【化108】

スキーム70
【0286】
【化109】

スキーム71
【0287】
【化110】

スキーム72
【0288】
【化111】

スキーム73
【0289】
【化112】

スキーム74
【0290】
【化113】

スキーム75
【0291】
【化114】

スキーム76
【0292】
【化115】

スキーム77
【0293】
【化116】

スキーム78
【0294】
【化117】

スキーム79
【0295】
【化118】

スキーム80
【0296】
【化119】

スキーム81
【0297】
【化120】

スキーム82
【0298】
【化121】

スキーム83
【0299】
【化122】

スキーム84
【0300】
【化123】

スキーム85
【0301】
【化124】

スキーム86
【0302】
【化125】

次に、本発明を、以下の非限定的な実施例によって例示する。
【0303】
実施例1の合成のためのスキーム40
【0304】
【化126】

【0305】
【化127】

【実施例】
【0306】
実施例1
40pの合成
三環式生成物(40o,0.1g,0.27mmol)のメタノール(2mL)溶液に、1N HCl水溶液(2mL)を添加し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をメタノール/エーテルとともに摩砕し、得られた固形物を濾過によって収集し、エーテルで洗浄し、アセトン還流温度で真空乾燥させ、40p(0.08g,90%)を黄色固形物として得た;MP 240〜242℃。
【0307】
【化128】

MS(ES)330.9。
【0308】
中間体40oは、以下のようにして調製した。
【0309】
a.新たに蒸留したピロール(6.79g,100.89mmol)のジエチルエーテル(100mL)攪拌溶液に、臭化エチルマグネシウム(33.6mL,100.89mmol,3Mのエーテル溶液)を、20℃でゆっくりと添加した。反応混合物を20℃で1時間さらに攪拌し、溶媒を減圧除去し、40bを得た。40b含有ジクロロメタン(500mL)に0℃で、40c(WO2006/050161,10.96g,25.22mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液を添加し、さらに4℃で72時間攪拌した。反応混合物を、塩化アンモニウム飽和溶液(200mL)の添加によってクエンチし、有機層を分離した。さらに、水層をジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×50mL)とブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させた。濾過後、40dを含む濾液をトリフルオロ酢酸(4.14g,36.34mmol)で20℃にて処理し、14時間攪拌した。反応混合物を水(2×100mL)とブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、12.5gの粗製40eを得た。
【0310】
注:また、ジエチルエーテルの代わりにTHFを用いてグリニャール試薬を調製した。THFは蒸留によって除去し、微量分はトルエンとともに共沸することにより除去した。
【0311】
b.オキシ塩化リン(19.33g,126.1mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)に0℃で添加し、30分間攪拌した。この溶液に、40e(12.1g,25.22mmol)含有ジクロロメタン(50mL)を、ゆっくりと15分の時間をかけて0℃で添加し、攪拌を1時間継続した。反応混合物を、酢酸ナトリウムの飽和溶液(100mL)の添加によってクエンチし、30分間攪拌した。反応混合物を濃縮してジクロロメタンを除去し、残渣を酢酸エチル(200mL)で希釈した。有機層を分離し、水(2×100mL)とブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(酢酸エチルを含むヘキサン(0から12%)を使用)、2.92g(40c由来分22.6%)の40fを暗褐色シロップ状物として得た。MS(ES):510.2。
【0312】
注:また、DMFのみを溶媒として使用した;ジクロロメタンの必要はなかった。作業には、酢酸ナトリウムの代わりに2N NaOHを使用した。
【0313】
c.上記で得られた40f(2.5g,4.88mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)攪拌溶液に、水素化ナトリウム(0.39g,9.77mmol,鉱油中60%の分散液)を0℃で添加した。0℃で30分間攪拌後、O−(メシチルスルホニル)ヒドロキシルアミン(40g,1.15g,5.37mmol,Krause,J.G.Synthesis,1972,140の方法によって調製)を0℃で添加し、さらに2時間攪拌した。反応混合物を、水(20mL)の添加によってクエンチし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×25mL)とブライン(1×25mL)で洗浄し、乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、2.75gの1hを暗色シロップ状物として得た。MS(ES):527.43。
【0314】
化合物40hはまた、以下のようにして調製することもできる。
【0315】
d.アルデヒド40f(5.2Kg,10.16モル)をメチルtert−ブチルエーテル(72.8L)に溶解させ、きれいなSS反応器(600L)内に負荷した。アリコート336(0.25Kg,0.61モル)および塩化アンモニウム(6.53Kg,122.07モル)を反応器に添加し、反応混合物を0〜5℃まで冷却した。水酸化アンモニウム(19.08L,137モル、28%水溶液)を0〜5℃で添加した後、冷(0〜5℃)水酸化ナトリウム溶液(66Lの水に16.59Kg、414.75モル)を同温度で3時間の時間をかけて添加した。次亜塩素酸ナトリウム(251L,222.58モル、6%溶液)の添加を0℃で開始し、添加中、温度を15℃まで上昇させた。さらに、反応混合物を室温で2時間攪拌した。TLCにより反応の終了が示された。酢酸エチル(104L)を反応混合物に添加し、層分離させた。水層を酢酸エチル(2×104L)で再抽出した。合わせた有機層を水(52L)、チオ硫酸ナトリウム(2×156L,10%溶液)、水(52L)およびブライン(70L)で洗浄し、硫酸ナトリウム(10.4Kg)上で乾燥させた。濾過後、40℃未満で濾液を真空下で濃縮し、粗製化合物40h(4.4kg)を暗色シロップ状物として得た。
【0316】
e.40h(2.56g,4.88mmol)のジオキサン(50mL)攪拌溶液に、水(15mL)を添加し、0℃まで冷却した。この冷却溶液に、0℃で、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸(1.93g,17.10mmol)を添加した。1時間攪拌後、水酸化カリウム(2.19g,39.0mmol)の水とジオキサン(20mL+20mL)の冷溶液を添加し、さらに0℃で1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、有機層を分離し、水(2×50mL)とブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、2.6gの40iを得、これを、そのまま次の工程で使用した。
【0317】
f.40i(2.55g,4.88mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(70mL)攪拌溶液に、酢酸ホルムアミジン(5.08g,48.88mmol)を添加し、反応混合物を140℃で3時間攪拌した。大部分のN,N−ジメチルアセトアミドを減圧除去し、残渣を水(100mL)に懸濁させ、これを酢酸エチル(2×250mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(50mL)とブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(酢酸エチルとメタノール(9:1)の混合物を含むヘキサン(0から30%)を使用)、不純物を含む化合物(1.25g)を得た。シリカゲル上でのクロマトグラフィーによるさらなる精製により、0.48g(40f由来分17.8%)の40jを淡褐色固形物として得た。
【0318】
【化129】

MS(ES+):551.40。
【0319】
注:また、酢酸およびn−BuOHを、ジメチルアセトアミドの代わりに溶媒として使用することができる。
【0320】
g.40j(0.27g,0.484mmol)のジクロロメタン(25mL)攪拌溶液に、三塩化ホウ素(4.84mL,4.84mmol,1Mのジクロロメタン溶液)を−40℃で添加し、さらに、混合物を−40℃で30分間攪拌し、約30分間でゆっくりと0℃にし、0℃で20分間攪拌した。反応液を、エチルアルコール(50mL)の添加によってクエンチし、減圧下で濃縮した。再度、エチルアルコール(50mL)を添加し、濃縮した。この操作を4回繰り返した。濃縮後、残渣をイソプロピルアルコールとメタノール(20および2mL)の混合物に溶解させ、真空下での濃縮によってメタノールを除去した。固形物を分取し、これを濾過によって収集し、真空下60℃で乾燥させ、39mg(25%)の40kを無色固形物として得た。
【0321】
【化130】

MS(ES+):281.6。
【0322】
化合物40kはまた、以下のようにして調製することもできる。
【0323】
h.化合物40j(128g)のメタノール(1.4L)溶液に、濃HCl(130mL)を添加した後、10%Pd/C(12g)を添加し、混合物を70psiで10時間水素化した。化合物が溶液から析出した後、水(500mL)を混合物に添加し、60℃で約1時間加熱し、セライトパッドに通して濾過した。パラジウムを有するセライトパッドを、水(400mL)とメタノール(400mL)の混合物に再懸濁させ、60℃で約1時間加熱し、再度、セライトに通して濾過した。この操作を、未溶解の化合物が残留しなくなるまで繰り返した。合わせた濾液を真空下で濃縮し、水とエタノール(1:20)から再結晶させ、32.5gの所望の生成物40kを薄黄色結晶として得た。母液を濃縮し、再度再結晶させ、さらに5.6gの生成物を得た。
【0324】
i.40k(0.962g,3.4mmol)のDMF(30mL)とアセトン(30mL)の懸濁液に、2,2−ジメトキシプロパン(4.2mL,98%,34mmol)とp−TsOH(650mg,98.5%,3.4mmol)を添加し、室温で3日間攪拌した。反応混合物を2N NaOH(水溶液)で中和し、真空にて濃縮乾固した。残渣を水(90mL)中に入れ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ、濾過し、真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル,40g,0から100%のCMA 80を含むクロロホルムで溶出)、40l(360mg,33%)を黄色固形物として得た。
【0325】
【化131】

j.40l(375mg,1.2mmol)のDMF(10mL)溶液に、ヨードスクシンイミド(290mg,1.3mmol)を添加し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル12g,0から100%のCMA 80を含むクロロホルムで溶出)、40m(0.44g,83%)をオフホワイト色固形物として得た;MP 88〜91℃。
【0326】
【化132】

MS(ES)444.83。
【0327】
k.40m(2.6g,5.8mmol)のDMF(70mL)溶液に、ヨウ化銅(440mg,2.3mmol)、アクリル酸メチル(22.7ml,252mmol)、トリエチルアミン(3.5mL,25.2mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.85g,1.16mmol)を添加し、攪拌しながら70℃で3日間加熱した。反応液を水(90mL)で希釈し、酢酸エチル(3×70mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(70mL);ブライン(70mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル110g,0から100%の9:1のEtOAc:MeOHを含むヘキサンで溶出)、40n(0.43g,18%)を黄色固形物として得た。
【0328】
【化133】

MS(ES)402.8。
【0329】
l.新たに調製したナトリウムメトキシド(30mlのメタノールに69mgのナトリウム、0.1M)のメタノール溶液に、40n(0.29g,0.72mmol)を添加し、攪拌しながら還流下で4時間、次いで室温で一晩加熱した。反応混合物を氷酢酸(0.18mL)で中和し、得られた固形物を濾過によって収集し、メタノールで洗浄し、真空乾燥させ、三環式生成物(40o、0.126g,47%)を黄色固形物として得た:
【0330】
【化134】

MS(ES)370.9(100%,M−1)。
【0331】
実施例2の合成のためのスキーム87
【0332】
【化135】

実施例2
87jの合成
87i(90mg,0.2mmol)のメタノール(1mL)溶液を、新たに調製したNaOMe溶液のメタノール(0.17M,5mL,0.84mmol)溶液に添加し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を酢酸(0.5mL)によって中和し、真空濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル,5g,0から100%のCMA80を含むクロロホルムで溶出)、87j(27mg,48%)を明黄色固形物として得た;mp 212℃。
【0333】
【化136】

MS(ES)335.1。
【0334】
中間体87iは以下のようにして調製した。
【0335】
a.40i(11.1g,21.3mmol)のEtOH(500mL)溶液に、濃NHOH(28〜30%,200mL)を添加した後、H(HO中30%,7.2mL)を滴下した。添加後、反応混合物を室温で一晩攪拌し、真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をクロロホルム(500mL)に溶解させ、水、ブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過し、濾液を真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル300g,0から100%の酢酸エチルを含むヘキサンで溶出)、87a(3.45g,30%)を褐色油として得た。
【0336】
【化137】

MS(ES):542.2。
【0337】
b.87a(3g、5.5mmol)のトリエチルオルトホルメート(60mL)溶液に、TFA(0.43mL,5.5mmol)を添加し、80℃で45分間加熱した。反応混合物を真空にて濃縮乾固し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル,ヘキサン/EtOAcで溶出,1:0から1:1)、87b(1.783g,58.4%)を淡褐色シロップ状物として得た。
【0338】
【化138】

MS(ES):550.0。
【0339】
c.87b(3.8g,6.9mmol)のメタノール(100mL)溶液に、Pd担持炭素(10%,580mg)および濃HCl(3mL)を添加した。反応混合物を50psiで4時間水素化した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を真空にて濃縮乾固し、87c(2.18g,100%)を褐色シロップ状物として得、これは、次の工程でそのまま使用するのに充分に純粋であった。MS(ES+):282.1;(ES−):280.4。
【0340】
d.87c(2.18g,7.75mmol)のピリジン(30mL)溶液に、無水酢酸(6.5mL,69mmol)、DMAP(10mg)を添加し、70℃で一晩攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水(50mL)と酢酸エチル(50mL)で希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ、真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル80g、メタノールを含むクロロホルムで溶出0から20%)、87d(1.88g,70%)をオフホワイト色固形物として得た。MP 147〜154℃。
【0341】
【化139】

MS(ES):430.0(M+Na)。
【0342】
e.87d(1.08g,2.66mmol)のジクロロメタン(75mL)溶液に、0℃で、N−ヨードスクシンイミド(719.2mg,3.2mmol)を添加した。反応液を室温まで一晩昇温させ、真空濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル40g,0から100%の酢酸エチルを含むヘキサンで溶出)、87e(1.09g,77%)を橙色固形物として得た;mp 212℃。
【0343】
【化140】

f.高温還流ピリジン(14mL)に、87e(1.09g,2.04mmol)のピリジン(2mL)とシアン化銅(2.15g,24mmol)の溶液を添加した。反応混合物を還流下で一晩加熱し、室温まで冷却させ、水(50mL)と酢酸エチル(50mL)で希釈した。不溶性無機不純物を濾過によって除去し;水層を分離し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル,20g,10から90%[9:1]の酢酸エチル:メタノールを含むヘキサンで溶出)、87f(270mg,31%)を無色油状物として得た。
【0344】
【化141】

g.87f(460mg,1.06mmol)のオキシ塩化リン(10mL)溶液を還流温度で2時間加熱した。反応液を氷水で冷却し、氷水でクエンチし、すべてのオキシ塩化リンが分解されるまで激しく攪拌した。この水層を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、87g(653mg)を得た。
【0345】
h.粗製87gのクロロホルム(15mL)とエタノール(30mL)の溶液に、メチルヒドラジン(0.1mL,1.74mmol)を添加し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル,12g,0から100%[9:1]の酢酸エチル:メタノールを含むヘキサンで溶出)、87h(140mg,28%)を黄色固形物として得た。
【0346】
【化142】

i.87h(140mg,0.29mmol)のエタノール(20mL)溶液に、濃塩酸(2滴)を添加し、還流温度で2時間加熱した。反応混合物を真空濃縮し、87i(90mg,64.3%)を得た。
【0347】
実施例3の合成のためのスキーム88
【0348】
【化143】

実施例3
88eの合成
88d(1.31g,2.21mmol)のMeOH(110mL)とEtOAc(60mL)の溶液に、1N HCl(9.5mL)、Pd/C(10%,200mg)を添加し、60psiで24時間水素化した。反応混合物をセライトに通して濾過し、濾液を真空濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル,CMA80/CMA50で溶出1:0から1:1)、88e(489mg)を黄色固形物として得た。得られた生成物を水とともに摩砕し、濾過によって収集し、真空乾燥させ、88e(251mg,35%)をオフホワイト色固形物として得た;mp 210℃。
【0349】
【化144】

MS(ES):322.1。
【0350】
中間体88dは以下のようにして調製した。
【0351】
a.40j(100mg,0.18mmol)の冷CHCl(9mL)(氷水浴)溶液に、NBS(32mg,0.18mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。反応混合物を真空濃縮し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル,クロロホルム/メタノールで溶出,1:0から20:1)、88a(102mg,90%)を黄色固形物として得た。
【0352】
【化145】

MS(ES):631.3。
【0353】
b.2L容ステンレス鋼ボム内の88a(35g,55.6mmol)のメタノール(350mL)溶液を、トリエチルアミン(7.7mL,55.6mmol)、Pd(OAc)(3.5g)および1,1−ビス(ジホスフィノ)−フェロセン(3.5g)に添加した。ボムを真空フラッシュ洗浄し、150psiまでCOを満たした。
反応器を、攪拌しながら150℃で一晩加熱し、室温まで冷却した。触媒をセライトパッドに通して濾過し、真空濃縮し、粗製生成物を得た。この粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル1.2kg、酢酸エチルを含むヘキサンで溶出(0から50%,各々2L))、10.7gの88bを黄色半固形物として得た。
【0354】
【化146】

MS(ES):609.1。
【0355】
c.88b(8.5g,14mmol)のメタノール(140mL)溶液に、THF(140mL)と1N NaOH(140mL)を添加した。反応液を、攪拌しながら40℃で1.5時間加熱した。反応混合物を真空濃縮してメタノールとTHFを除去した。2.5N HClを用いてpHを6に調整し、水層を酢酸エチル(500mLおよび200mL)で2回抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ、真空濃縮し、粗製生成物を得た。この粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル200g,0から50%のCMA 80を含むクロロホルムで溶出)、88c(9.5g,100%)を淡黄色固形物として得た;MP 164℃。
【0356】
【化147】

MS(ES):595.0。
【0357】
d.88c(2g,3.36mmol)のベンゼン(30mL)溶液に、トリエチルアミン(0.54mL,3.87mmol)とジフェニルホスホリルアジド(0.82mL,97%,3.68mmol)を添加し、還流下で14時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却させ、1M NaHCO(100mL)でクエンチした。反応混合物をEtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(150mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル,クロロホルム/メタノール、1:0から20:1)、88d(1.42g,71%)を褐色固形物として得た。
【0358】
【化148】

MS(ES):592.1。
【0359】
実施例4の合成のためのスキーム89
【0360】
【化149】

実施例4
89cの合成
三環式生成物89b(0.165g,0.43mmol)のメタノール(5mL)溶液に、1N HCl水溶液(5mL)を添加し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル12g,0から100%のCMA 80を含むクロロホルムで溶出)、89c(0.014g,9%)を黄色固形物として得た;mp 169℃。
【0361】
【化150】

MS(ES)344.8。
【0362】
中間体89bは以下のようにして調製した。
【0363】
a.40m(2g,4.5mmol)のDMF(20mL)溶液に、ヨウ化銅(17mg,0.9mmol)、メタクリル酸メチル(9.5ml,90mmol)、トリエチルアミン(1.25mL,9mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.5g,0.45mmol)を添加し、攪拌しながら70℃で68時間加熱した。反応液を水(60mL)で希釈し、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル40g,0から100%の[9:1]のEtOAc:MeOHを含むヘキサンで溶出)、89a(0.615g,33%)を褐色固形物として得た。
【0364】
【化151】

b.新たに調製したナトリウムメトキシド(1.57mL,0.1M)のメタノール(14mL)溶液に、89a(0.657g,1.57mmol)を添加し、攪拌しながら還流温度で一晩加熱した。反応混合物を氷酢酸(0.3mL)で中和し、真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル12g,0から100%の[9:1]のEtOAc:MeOHを含むヘキサンで溶出)、89b(0.165g,27%)を黄色固形物として得た。
【0365】
実施例5の合成のためのスキーム90
【0366】
【化152】

実施例5
90cの合成
90b(0.050g,0.13mmol)のメタノール(0.5mL)溶液に、1N HCl水溶液(0.5mL)を添加し、室温で48時間攪拌した。反応混合物を真空にて濃縮乾固した。得られた固形物をエーテルとともに摩砕し、濾過によって収集し、エーテルで洗浄し、アセトン還流温度で真空乾燥させ、90c(0.008g,18%)をオフホワイト色固形物として得た;mp 234℃。
【0367】
【化153】

MS(ES)344.9。
【0368】
中間体90bは以下のようにして調製した。
【0369】
a.40m(1.3g,3mmol)のDMF(25mL)溶液に、ヨウ化銅(110mg,0.6mmol)、クロトン酸メチル(6.36ml,60mmol)、トリエチルアミン(0.84mL,6mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.350g,0.3mmol)を添加し、70℃で48時間加熱した。反応液を水(75mL)で希釈し、酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(2×25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル40g,0から100%の[9:1]のEtOAc:MeOHを含むヘキサンで溶出)、90a(0.565g,46%)を得た。
【0370】
【化154】

b.新たに調製したナトリウムメトキシド(0.67mL,0.1M)のメタノール(6mL)溶液に、90a(0.280g,0.67mmol)を添加し、攪拌しながら還流下で一晩加熱した。反応混合物を真空濃縮し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル4g,0から100%のCMA 80を含むクロロホルムで溶出)、90b(0.100g,39%)を黄色固形物として得た;mp 152℃。
【0371】
【化155】

MS(ES)384.9。
【0372】
実施例6の合成のためのスキーム91
【0373】
【化156】

実施例6
91bの合成
三環式生成物91a(20mg,0.05mmol)のメタノール(0.5mL)溶液に、1N HCl水溶液(0.5mL)を添加し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空にて濃縮乾固し、91b(19mg,100%)を白色固形物として得た;mp 59〜64℃。
【0374】
【化157】

MS(ES)332.9。
【0375】
中間体91aは、以下のようにして調製した。
【0376】
三環式生成物40o(100mg,0.27mmol)のメタノール(100mL)溶液に、酸化白金(50mg)を添加し、50psiで3日間水素化した。触媒をセライトパッドに通す濾過によって除去し、濾液を真空濃縮し、粗製生成物を得た。粗製物残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル4g,CHC1/CMA−80で溶出,0から100%)、粗製物91a(64mg)を得た。この粗製物質をメタノール(2mL)から再結晶させ、純粋な91a(25mg,25%)を白色固形物として得た。
【0377】
【化158】

MS(ES)375.0,(ES)373.3。
【0378】
実施例7の合成のためのスキーム92
【0379】
【化159】

実施例7
92cの合成
三環式生成物92b(220mg,0.59mmol)のメタノール(4mL)溶液に、1N HCl水溶液(4mL)を添加し、室温で一晩攪拌した。反応混合物を真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をエーテルとともに摩砕し、得られた固形物を濾過によって収集し、エーテルで洗浄し、アセトン還流温度で真空乾燥させ、92c(145mg,74%)をマスタード色の固形物として得た;mp 152〜159℃。
【0380】
【化160】

MS(ES)332.0,(ES)329.9。
【0381】
中間体92bは、以下のようにして調製した。
【0382】
a.40m(2.23g,4.99mmol)のDMF(70mL)溶液に、ヨウ化銅(380mg,1.99mmol)、トリエチルアミン(3mL,21.8mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.15g,1mmol)を添加した。この懸濁液に、アクリロニトリル(14.3ml,217mmol)を4分割で3時間の時間をかけて添加し、攪拌しながら70℃で3日間加熱した。反応液を水(210mL)で希釈し、酢酸エチル(3×70mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(70mL)、ブライン(70mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル,110g,0から100%の[9:1]のEtOAc:MeOHを含むヘキサンで溶出)、92a(619mg,33%)をマスタード色に着色した固形物として得た;mp 238℃。
【0383】
【化161】

IR(KBr) 2209cm-1 ;MS(ES)370.1.8。
【0384】
新たに調製したナトリウムメトキシドの溶液(1.6mlのメタノールに36mgのナトリウム、0.1M)に、92a(0.58g,1.56mmol)を添加し、攪拌しながら還流下で4時間、次いで室温で一晩加熱した。反応混合物を氷酢酸(0.094mL)で中和し、真空にて濃縮乾固した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル12g、CHC1/CMA−80で溶出,0から100%)、92b(265mg,44%)を赤褐色固形物として得た;mp 112〜114℃。
【0385】
【化162】

MS(ES)372.1,(ES)369.9。
【0386】
実施例8の合成のためのスキーム93
【0387】
【化163】

実施例8
93fの合成
93e(310mg,0.54mmol)のMeOH懸濁液に、1NのHCl水溶液(1.8mL) Pd/C(10%,100mg)を添加し、60psiで25時間水素化した。反応混合物を濾過し、濾液を真空濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル,30g,クロロホルム/CMA80で溶出,1:0から1:1)、93f(137mg,83%)を白色固形物として得た;mp:254.2℃。
【0388】
【化164】

MS(ES):307.1。
【0389】
中間体93eは、以下のようにして調製した。
【0390】
a.42a(27.85g,44.23mmol)のピリジン(400mL)溶液に、4−メトキシトリフェニルメチルクロリド(56.74g,178.24mmol)を添加し、攪拌しながら70℃で16時間加熱した。反応混合物をEtOAc(1.5L)で希釈し、水(2×700mL)とブライン(500mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル ヘキサン/EtOAcで溶出,1:0から4:1)、93a(28.38g,71%)を淡黄色固形物として得た;mp 78.6℃。
【0391】
【化165】

b.93a(26.1g,28.94mmol)のDME(500mL)溶液に、カリウムビニルトリフルオロボレート(7.2g,53.75mmol)、NaHCO(7.2g,85.70mmol)、Pd(PPhCl(1.4g,98%,1.99mmol)、HO(65mL)を添加し、6時間還流した。反応混合物を水(500mL)で希釈し、EtOAc(1.8Lおよび0.5L)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(500mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル ヘキサン/EtOAcで溶出,1:0から6:1)、93b(18.3g,74%)を淡黄色固形物として得た;mp 79.7℃。
【0392】
【化166】

MS(ES):847.6。
【0393】
c.93b(20.5g,24.15mmol)のTHF(90mL)冷溶液(氷水浴)に、ボランジメチルスルフィド溶液(THF中2M,9.5mL)を滴下し、室温で4時間攪拌した。反応混合物をエタノール(19mL)、3NのNaOH水溶液(6.0mL)でクエンチし、氷/水で冷却した。この冷反応混合物に、過酸化水素(水中30%,6mL)を添加し、還流下で1時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(1L)で希釈し、水(2×500mL)、ブライン(300ml)で洗浄し、乾燥させ、真空濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル,酢酸エチルを含むヘキサンで溶出 1:0から2:1)、93c(11.17g,53%)を黄色固形物として得た。
【0394】
【化167】

d.93c(1.0g,1.15mmol)とトリフェニルホスフィン(610mg,2.30mmol)の1,4−ジオキサン(15mL)溶液に、DIAD(0.5mL,95%,2.41mmol)の1,4−ジオキサン(2.5mL)溶液を滴下し、室温で16時間攪拌した。反応混合物を真空濃縮し、得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル50g,酢酸エチルを含むヘキサンで溶出 1:0から4:1)、93d(730mg,75%)を白色固形物として得た。
【0395】
【化168】

MS(ES):671.1(M+Na)。
【0396】
e.93d(618mg,0.73mmol)のアセトニトリル(35mL)溶液に、1NのHCl水溶液(3.5mL)を添加し、室温で17時間攪拌した。反応混合物を0.5NのNaOH水溶液で中和し、水(50mL)で希釈し、真空濃縮してアセトニトリルを除去した。水層をCHCl/MeOH(5:1,100mLおよび50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル30g,ヘキサン/酢酸エチル/メタノールで溶出,1:1:0から1:1:0.1)、93e(362mg,86%)を白色固形物として得た。
【0397】
【化169】

MS(ES):577.1。
【0398】
実施例9の合成のためのスキーム94
【0399】
【化170】

実施例9
94の合成
40p(33mg,0.1mmol)のトリメチルホスフェート(1mL)懸濁液に、0℃でオキシ塩化リン(19μL、0.21mmol)を添加し、0℃で1時間攪拌した。反応混合物を、n−トリブチルアミン(70μL、0.29mmol)、アセトニトリル(100μL)、ピロリン酸トリブチルアンモニウム(H・1.6n−BuN,190mg,0.40mmol)で処理し、室温で0.5時間攪拌した。反応混合物を1M TEABバッファー(5mL,氷/水で予め冷却,pH=8.0)でクエンチし、水(20mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×15mL)で洗浄した。この水溶液を真空濃縮して微量のCHClを除去し、DEAEイオン交換カラムクロマトグラフィーによって精製した(TEABバッファーの線形勾配を使用(1M TEABバッファー,pH=8.0/HO、0:1から1:0,総容量:500mL))。所望のトリホスフェートを含む画分を合わせ、濃縮した。残渣をHOに再度溶解させ、HPLCによって精製し(CHCN/0.1M TEABバッファー,pH=8.0,0〜30分;0から35%のCHCN;238nMでモニタリング)、94(t=18.7分)を得た。94を含む画分を濃縮し、2mLのHOに再度溶解させ、UV(240nm,ε=58,000M−1cm−1)によって94の濃度を測定すると0.34mMであった(収率:0.7%)。
【0400】
【化171】

MS(ES):570.9(M−1)。
【0401】
実施例10の合成のためのスキーム95
【0402】
【化172】

実施例10
95の合成
95e(64mg,0.2mmol)のトリメチルホスフェート(2mL)懸濁液に、0℃で、オキシ塩化リン(37μL、0.4mmol)を添加し、0℃で1時間攪拌した。反応混合物をn−トリブチルアミン(150μL、0.62mmol)、アセトニトリル(200μL)、ピロリン酸トリブチルアンモニウム(H・1.6n−BuN,380mg,0.8mmol)で処理し、室温で0.5時間攪拌した。反応混合物を1M TEABバッファー(10mL,予め氷水で冷却,pH=8.0)でクエンチし、水(20mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×15mL)で洗浄した。水相を真空濃縮して微量のCHClを除去し、DEAEイオン交換カラムクロマトグラフィーによって精製した(TEABバッファーの線形勾配を使用(1M TEABバッファー,pH=8.0/HO、0:1から1:0,全:500mL))。所望のトリホスフェートを含む画分を合わせ、濃縮した。残渣をHOに再度溶解させ、HPLCによって精製し(CHCN/0.1M TEABバッファー,pH=8.0,0から40分、0から35%CHCN;244nmでモニタリング)、95を得た(t=17.2分)。95を含む画分を濃縮し、2mLのHOに再度溶解させ、UV(280nm,ε=6,400 M−1cm−1)によって95の濃度を測定すると9.8mMであった(収率:10%)。
【0403】
【化173】

MS(ES):560.1(M−1)。
【0404】
実施例11
以下に、ヒトにおける治療的または予防的使用のための、式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ(「化合物X」)を含む代表的な医薬投薬形態を示す。
【0405】
【数1】

【0406】
【数2】

上記の製剤は、製薬技術分野でよく知られた慣用的な手順によって得られ得る。
【0407】
刊行物、特許および特許文献はすべて、参照によりあたかも個々に組み込まれているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。本発明は、種々の具体的な好ましい実施形態および手法に関して記載したものである。しかしながら、本発明の精神および範囲内である状態を維持したまま、多くの変形および修正が行なわれ得ることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化174】

(式中、
Bは、1つ以上の二重結合を含む5、6、7または8員の炭素環式または複素環式の環を表し、該Bは、1つ以上のオキソ、チオキソ、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’で任意選択的に置換されており;
ここで、
Rは、H、アルキルまたはアリールであり;
R’は、OH、NHまたはアルキルであり;
は、H、NR、Cl、F、OR、SR、NHCOR、NHSO、NHCONHR、CN、アルキル、アリール、ONR、またはNRC(O)ORであり;
は、ヌクレオシド糖基であり;
は、非存在、アルキルまたはHであり;
およびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、複素環式、アリール、置換アリール、アシル、置換アシル、SO−アルキル、アミノ、置換アミノ、およびNOからなる群より選択されるか;あるいはRとRが、これらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノ環を形成しており;
およびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、アシル、置換アシルおよびSO−アルキルからなる群より選択されるか;あるいはRとRが、これらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノ環を形成しており;
各Rは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、アシルおよび置換アシルからなる群より選択される)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
式Iの化合物が、式II:
【化175】

(式中、
Bは、1個以上のヘテロ原子および1つ以上の二重結合を含む5、6、7または8員の環を表し、該Bは、1つ以上のオキソ、チオキソ、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’で任意選択的に置換されており、
ここで、
Rは、H、アルキルまたはアリールであり;
R’は、OH、NHまたはアルキルであり;
は、H、NR、Cl、F、OR、SR、NHCOR、NHSO、NHCONHR、CN、アルキル、アリール、ONR、またはNRC(O)ORであり;
は、ヌクレオシド糖基であり;
は、非存在、アルキルまたはHであり;
およびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、複素環式、アリール、置換アリール、アシル、置換アシル、SO−アルキル、アミノ、置換アミノ、およびNOからなる群より選択されるか;あるいはRとRが、これらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノ環を形成しており;
およびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、アシル、置換アシルおよびSO−アルキルからなる群より選択されるか;あるいはRとRが、これらが結合している窒素と一緒になってピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、アゼチジノ、モルホリノ、もしくはチオモルホリノ環を形成しており;
各Rは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、アシルおよび置換アシルからなる群より選択される)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、非存在またはHである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
下記式(X):
【化176】

(式中、XはHまたはアルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグではない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
下記式:
【化177】

(式中、Xは、Hまたはメチルであり;R’7は、Hまたはメチルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグではない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
前記化合物は、2個の窒素および1つの二重結合を含む6員の環ではなく、BがNRで置換されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Bが、1個以上のヘテロ原子および1つ以上の二重結合を含む5、7または8員の環であり、Bは、1つ以上のオキソ、チオキソ、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’で任意選択的に置換されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
式III:
【化178】

(式中、
各b、cおよびdは、独立して、単結合および二重結合から選択され、ただし、bが二重結合であるとき、cは単結合であり、cが二重結合であるとき、bおよびdは単結合であり、dが二重結合であるとき、cは単結合であるか;あるいはWが非存在であるとき、dは非存在であり;bNWが非存在であるとき、Wおよびdは非存在ではなく;
Wは、C=R、CH、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CHまたはOであるとき、bとcは単結合であるか、またはcが単結合であり、かつbNWが非存在であり;WがCRであるとき、bまたはcの一方は二重結合であるか、またはbNWが非存在であり、かつcが二重結合であり;
は、OまたはSであり;
は、H、NR、ORまたはSRであり;
は、C=R、CRi’、N、NR、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CR、NRまたはOであるとき、cおよびdは単結合であるか、またはcが単結合であり、Wdが非存在であり;ただし、WがCRまたはNであるとき、cまたはdの一方が二重結合であるか、またはW2dが非存在であり、cが二重結合であり;
は、OまたはSであり;
およびRi’は、H、CH、NHまたはBrであり;
は、CH、NH、またはHであり;
は、C=R、(CRl’p’、CR、O、NR、非存在またはNである、ただし、WがC=R、CRl’、O、またはNRであるとき、dは単結合であり;Wが、NまたはCRであるとき、dは二重結合であり;そしてWが非存在であるとき、dは非存在であり;
は、OまたはSであり;
およびRl’は、H、CH、OCH、NHまたはSCHであり;
p’は、1または2であり;
は、H、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’であり;
は、H、アルキル、またはNR(式中、各RおよびRはHもしくはアルキルである)であり;
は、H、CH、またはNHであり;
は、非存在、Hまたはアルキルである;ただし、Wが非存在であるとき、bは二重結合である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
式IV:
【化179】

(式中、
各b、cおよびdは、独立して、単結合または二重結合から選択される、ただし、bが二重結合であるとき、cは単結合であり、cが二重結合であるとき、bとdは単結合であり、dが二重結合であるとき、cは単結合であるか;あるいはWが非存在であるとき、dは非存在であり;
Wは、C=R、CR、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CRまたはOであるとき、bとcは単結合であり、WがCRであるとき、bまたはcの一方は二重結合であり;
は、OまたはSであり;
は、Hであり;
は、H、NR、ORまたはSRであり;
は、C=R、CRi’、NH、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CRまたはOであるとき、cとdは単結合であり;WがCRであるとき、cまたはdの一方は二重結合であり;WがNHであるとき、WはOではなく、WはO、NHまたはNでなはい;
は、OまたはSであり;
およびRi’は、H、CHまたはBrであり;
は、CHまたはHであり;
は、C=R、(CRl’p’、CR、O、NH、非存在またはNである、ただし、WがC=R、CRl’、CR、O、またはNHであるとき、dは単結合であり;WがNまたはCRであるとき、dは二重結合であるか;あるいはWが非存在であるとき、dは非存在であり;
は、OまたはSであり;
およびRl’は、H、CH、OCHまたはSCHであり;
p’は、1または2であり;
は、H、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’であり;
は、非存在、Hまたはアルキルである;ただし、Wが非存在であるとき、bは二重結合である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
各b、cおよびdは、独立して、単結合または二重結合から選択される、ただし、bが二重結合であるとき、cは単結合であり、cが二重結合であるとき、bとdは単結合であり、dが二重結合であるとき、cは単結合であり;
Wは、C=R、CR、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CRまたはOであるとき、bとcは単結合であり、WがCRであるとき、bまたはcの一方は二重結合であり;
は、OまたはSであり;
は、Hであり;
は、H、NR、ORまたはSRであり;
は、C=R、CRi’、CRまたはOである、ただし、Wが、C=R、CRまたはOであるとき、cとdは単結合であり、WがCRであるとき、cまたはdの一方が二重結合であり;
は、OまたはSであり;
およびRi’は、H、CHまたはBrであり;
は、CHまたはHであり;
は、C=R、(CRl’p’、CR、O、NHまたはNである、ただし、WがC=R、CRl’、CR、OまたはNHであるとき、dは単結合であり、WがNまたはCRであるとき、dは二重結合であり;
は、OまたはSであり;
およびRl’は、H、CH、OCHまたはSCHであり;
p’は、1または2であり;
は、H、NR、F、Cl、Br、I、OR、SR、アルキル、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’であり;
は、非存在またはHである、ただし、Wが非存在であるとき、bは二重結合である、
請求項9に記載の式IVの化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグ。
【請求項11】
式Iの化合物が、式V:
【化180】

(式中、
各bおよびcは、独立して、単結合または二重結合から選択される、ただし、bが二重結合であるとき、cは単結合であり、cが二重結合であるとき、bは単結合であり;
Wは、C=R、CR、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CRまたはOであるとき、bとcは単結合であり、WがCRであるとき、bまたはcの一方は二重結合であり;
は、OまたはSであり;
は、Hであり;
は、H、NR、ORまたはSRであり;
は、C=R、CRi’、NH、CRまたはOである、ただし、WがC=R、CRまたはOであるとき、cは単結合であり;WがCRであるとき、cは二重結合であり;WがNHであるとき、WはOではなく;
は、OまたはSであり;
およびRi’は各々、独立して、H、CHまたはBrであり;
は、CHまたはHであり;
は、非存在、Hまたはアルキルである、ただし、Wが非存在であるとき、bは二重結合である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
式1〜9:
【化181】

【化182】

(式中、
は、O、Sまたは2つの水素であり;
は、O、Sまたは2つの水素であり;
は、OまたはSであり;
は、O、Sまたは2つの水素であり;
は、O、Sまたは2つの水素であり;
は、H、NH、OCHまたはSCHであり;
は、H、OH、NH、NHCH、N(CH、F、Cl、Br、I、アルコキシ、アルキルSCH、C≡N、C≡C−R、NまたはSOR’であり;
は、H、CH、OCHまたはSCHであり;
は、OまたはSであり;
は、O、Sまたは2つの水素であり;
は、HまたはCHであり;
は、H、CHまたはBrであり;
tは、1または2である)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
式1の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
式2の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
式3の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項12に記載の化合物。
【請求項16】
式4の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項12に記載の化合物。
【請求項17】
式5の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項12に記載の化合物。
【請求項18】
式6の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項12に記載の化合物。
【請求項19】
式7の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項12に記載の化合物。
【請求項20】
式8の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項12に記載の化合物。
【請求項21】
式9の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項12に記載の化合物。
【請求項22】
がHまたはNRである、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
【化183】

【化184】

【化185】

【化186】

【化187】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
【化188】

【化189】

【化190】

【化191】

【化192】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグから選択される、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】

【化193】

(式中、
は、H、OR14、N、NHまたはFであり;R’は、H、F、OH、O−アルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRとR’が一緒になって=CH、=CHFであり得る;ここで、RとR’がともにOHであることはなく;RとR’の一方がNHであるとき、他方はOHではなく;RとR’の一方がNであるとき、他方はOHではなく;
は、H、OR14、N、NHまたはFであり;R’は、H、F、OH、Oアルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRとR’が一緒になって=CH、=CHFであり得る;ここで、RとR’がともにOHであることはなく;RとR’の一方がNHであるとき、他方はOHではなく;RとR’の一方がNであるとき、他方はOHではないか;
あるいはRとRが一緒になって、
【化194】

(式中、R100は、C1〜12アルキル C3〜8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R100の該C1〜12アルキルおよびC3〜8シクロアルキルはいずれも非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシおよびC1〜4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;R100の該アリールまたはヘテロアリールはいずれも非置換であるか、または独立してR101から選択される1〜5個の置換基で置換されており;
各R101は、独立して、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、アミノ、フェニル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C1〜4アルカノイル、C1〜4アルカノイルオキシ、またはC1〜4アルキルオキシカルボニルである)
を形成していてもよく;
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、CH−ジホスフェート、CH−トリホスフェート、
【化195】

であり;
10およびR11は各々、独立して、H、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N結合アミノ酸残基(例えば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
14は、Hであり;
nは2〜5であり;
mは10〜20である)
である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】

【化196】

【化197】

から選択される、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
が、
【化198】

(式中、
は、H、OR14、N、NHまたはFであり;R’は、H、F、OH、O−アルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRとR’が一緒になって=CH、=CHFであり得る;ここで、RとR’がともにOHであることはなく;RとR’の一方がNHであるとき、他方はOHではなく;RとR’の一方がNであるとき、他方はOHではなく;
は、H、OR14、N、NHまたはFであり;R’は、H、F、OH、Oアルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRとR’が一緒になって=CH、=CHFであり得る;ここで、RとR’がともにOHであることはなく;RとR’の一方がNHであるとき、他方はOHではなく;RとR’の一方がNであるとき、他方はOHではないか;
あるいはRとRが一緒になって
【化199】

(式中、R100は、C1〜12アルキル C3〜8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R100の該C1〜12アルキルおよびC3〜8シクロアルキルはいずれも非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシおよびC1〜4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;R100の該アリールまたはヘテロアリールはいずれも非置換であるか、または独立してR101から選択される1〜5個の置換基で置換されており;
各R101は、独立して、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、アミノ、フェニル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C1〜4アルカノイル、C1〜4アルカノイルオキシ、またはC1〜4アルキルオキシカルボニルである)
を形成していてもよく;
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、CH−ジホスフェート、CH−トリホスフェート、
【化200】

であり;
10およびR11は各々、独立して、H、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N結合アミノ酸残基(例えば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
14は、Hであり;
nは2〜5であり;
mは10〜20である)
である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項28】

【化201】

から選択される、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】

【化202】

(式中、
”が、アルキルまたは置換アルキルであり;
10およびR11は各々、独立して、H、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N結合アミノ酸残基(例えば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
13は、H、CH、C、CHF、CHOH、CHCHF、CHCHOH、CH、CHCH、CHNH、またはCHCHNHであり;
14は、Hであり;
nは2〜5であり;
mは10〜20である)
である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】

【化203】

である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】

【化204】

(式中、
は、H、OR14、N、NHまたはFであり;R’は、H、F、OH、O−アルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRとR’が一緒になって=CH、=CHFであり得る;ここで、RとR’がともにOHであることはなく;RとR’の一方がNHであるとき、他方はOHではなく;RとR’の一方がNであるとき、他方はOHではなく;
は、H、OR14、N、NHまたはFであり;R’は、H、F、OH、Oアルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRとR’が一緒になって=CH、=CHFであり得る;ここで、RとR’がともにOHであることはなく;RとR’の一方がNHであるとき、他方はOHではなく;RとR’の一方がNであるとき、他方はOHではないか;
あるいはRとRが一緒になって
【化205】

(式中、R100は、C1〜12アルキル C3〜8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R100の該C1〜12アルキルおよびC3〜8シクロアルキルはいずれも非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシおよびC1〜4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;R100の該アリールまたはヘテロアリールはいずれも非置換であるか、または独立してR101から選択される1〜5個の置換基で置換されており;
各R101は、独立して、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、アミノ、フェニル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C1〜4アルカノイル、C1〜4アルカノイルオキシ、またはC1〜4アルキルオキシカルボニルである)
を形成していてもよく;
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、CH−ジホスフェート、CH−トリホスフェート、
【化206】

であり;
10およびR11は各々、独立して、H、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N結合アミノ酸残基(例えば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
14は、Hであり;
nは2〜5であり;
mは10〜20である)
である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】

【化207】

から選択される、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】

【化208】

(式中、
は、H、OR14、N、NHまたはFであり;R’は、H、F、OH、O−アルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRとR’が一緒になって=CH、=CHFであり得る;ここで、RとR’がともにOHであることはなく;RとR’の一方がNHであるとき、他方はOHではなく;RとR’の一方がNであるとき、他方はOHではなく;
は、H、OR14、N、NHまたはFであり;R’は、H、F、OH、Oアルキル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであるか;あるいはRとR’が一緒になって=CH、=CHFであり得る;ここで、RとR’がともにOHであることはなく;RとR’の一方がNHであるとき、他方はOHではなく;RとR’の一方がNであるとき、他方はOHではないか;
あるいはRとRが一緒になって
【化209】

(式中、R100は、C1〜12アルキル C3〜8シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;R100の該C1〜12アルキルおよびC3〜8シクロアルキルはいずれも非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシおよびC1〜4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており;R100の該アリールまたはヘテロアリールはいずれも非置換であるか、または独立してR101から選択される1〜5個の置換基で置換されており;
各R101は、独立して、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルスルホニル、シアノ、ニトロ、アミノ、フェニル、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1〜4アルキルアミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C1〜4アルカノイル、C1〜4アルカノイルオキシ、またはC1〜4アルキルオキシカルボニルである)
を形成していてもよく;
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、CH−ジホスフェート、CH−トリホスフェート、
【化210】

であり;
10およびR11は各々、独立して、H、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N結合アミノ酸残基(例えば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
14は、Hであり;
nは2〜5であり;
mは10〜20である)
である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項34】

【化211】

である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項35】

【化212】

(式中、
は、H、CH、C、またはNであり;
R’は、CHOR14、CHF、CHSH、CHFOH、CFOH、CH−ジホスフェート、CH−トリホスフェート、
【化213】

であり;
10およびR11は各々、独立して、H、アルキル、アリール、置換アリール、アシルオキシアルキル、または(CH−O−(CHCHであり;
12は、N結合アミノ酸残基(例えば、−NH−CH(CH)COアルキルまたは−NH−CH(イソプロピル)−COアルキル)であり;
13は、H、CH、C、CHF、CHOH、CHCHF、CHCHOH、CH、CHCH、CHNH、またはCHCHNHであり;
14は、Hであり;
nは2〜5であり;
mは10〜20である)
である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項36】

【化214】

である、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項37】
が、リボース、2−メチルリボース、2−デオキシリボース;2−デオキシ−2−フルオロリボース;アラビノース;2−デオキシ−2−フルオロアラビノース;2,3−ジデオキシリボース;2,3−ジデオキシ−2−フルオロアラビノース;2,3−ジデオキシ−3−フルオロリボース;2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロリボース;2,3−ジデオキシ−3−アジドリボース;2,3−ジデオキシ−3−チアリボース;もしくは2,3−ジデオキシ−3−オキサリボース、またはそれらの薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項38】
が、チオリボース、2−デオキシチオリボース;2−デオキシ−2−フルオロチオリボース;チオアラビノース;2−デオキシ−2−フルオロチオアラビノース;2,3−ジデオキシチオリボース;2,3−ジデオキシ−2−フルオロチオアラビノース;2,3−ジデオキシ−3−フルオロチオリボース;2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロチオリボース;もしくは2,3−ジデオキシ−3−アジドチオリボース、またはそれらの薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項39】
が、4−ヒドロキシメチル−シクロペンタ−2−エン;2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタ−4−エン;3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン;2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンテン;2−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン;2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−5−メチレンシクロペンタン;4−ヒドロキシメチルシクロペンタン、2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロペンタン;もしくは2,3−ジヒドロキシメチルシクロブタン、またはそれらの薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項40】
が、4−ヒドロキシメチル−ピロリジン;2,3−ジヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルピロリジン;2/3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルピロリジン;2−フルオロ−3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルピロリジン;もしくは3−フルオロ−2−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ピロリジン、またはそれらの薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項41】
【化215】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項42】
【化216】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項43】
【化217】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項44】
【化218】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項45】
【化219】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の化合物。
【請求項46】
プロドラッグである、請求項1〜45のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項47】
1つ以上の一リン酸塩基、二リン酸塩基または三リン酸塩基を含む、請求項1〜45のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項48】
1つ以上の一リン酸塩基を含む、請求項1〜45のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項49】
一リン酸塩基、二リン酸塩基または三リン酸塩基の1つ以上の側鎖ヒドロキシル基が、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、または置換アリールオキシ基に変換されている、請求項47に記載の化合物。
【請求項50】
一リン酸塩基、二リン酸塩基または三リン酸塩基の1つ以上の側鎖ヒドロキシル基が、R−O−基に変換されており;各Rは、独立して、炭素原子が1〜20個の飽和または不飽和の分枝または非分枝鎖であり、該炭素原子の1個以上は任意選択で−O−または−S−と置き換えられており、該炭素原子の1個以上はオキソ(=O)またはチオキソ(=S)で任意選択的に置換されている、請求項47に記載の化合物。
【請求項51】
一リン酸塩基、二リン酸塩基または三リン酸塩基の1つ以上の側鎖ヒドロキシル基が、基R−N−に変換されており、各Rはアミノ酸の残基である、請求項47に記載の化合物。
【請求項52】
前記アミノ酸が天然アミノ酸である、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
式:
【化220】

(式中、
15は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環式、置換複素環式、またはアミノ酸であり;
16は、H、任意選択的に置換された単環式アリール、または任意選択的に置換された単環式ヘテロアリールであり;R17は、H、ハロゲン、CN、−CO−R20、−CON(R21、−CO20、−SO20、−SON(R21、−OR21、−SR21、−R21、−N(R21、−O−COR20、−O−CO20、−SCOR20、−S−CO20、−NHCOR21、−NHCO21、−(CH−OR22、または−(CH−SR22であるか;あるいはR16とR17が3〜5個のさらなる原子によって連結されて、任意選択で1個のヘテロ原子を含有する環式基を形成しており、該環式基は、リンに結合しているOに対してβおよびγ位でアリール基に縮合しているか;あるいはR17とR18が下記のように連結されており;
18およびR19は各々、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、任意選択的に置換された単環式アリールまたは任意選択的に置換された単環式ヘテロアリールであるか;あるいはR18とR19が2〜5個のさらなる原子によって連結されて、任意選択で0〜2個のヘテロ原子を含有する環式基を形成しているか;あるいはR17とR18が3〜5個のさらなる原子によって連結されて、任意選択で1個のヘテロ原子を含有する環式基を形成し、R19が、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、アラルキル、任意選択的に置換された単環式アリールまたは任意選択的に置換された単環式ヘテロアリールであり;
20は、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはアリールアルキルであり;
21は、H、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、またはアリールアルキルであり;
22は、Hまたは低級アシルであり;
pは2〜3の整数である)
の1つ以上の基を含むプロドラッグである、請求項1〜45のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項54】
請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項55】
さらに1種以上のさらなる抗ウイルス剤を含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
前記1種以上の抗ウイルス剤がリバビリン、レボビリン、ビラミジン、サイモシンα−1、セリンプロテアーゼインヒビター、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼインヒビター、インターフェロン−α、およびペグ化インターフェロン−α(ペグインターフェロン−α)から選択される、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
さらに、1種以上のさらなるHCVポリメラーゼインヒビターを含む、請求項54〜56のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項58】
さらに、1種以上のプロテアーゼインヒビターを含む、請求項54〜57のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項59】
さらにリバビリンを含む、請求項54〜58のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項60】
さらに、インターフェロン−αまたはペグ化インターフェロン−α(ペグインターフェロン−α)を含む、請求項54〜59のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項61】
さらに1種以上の抗癌剤を含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項62】
前記1種以上の抗癌剤が、アルキル化剤、代謝拮抗剤、天然産生物、およびホルモン剤から選択される、請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
動物におけるウイルス感染の処置方法であって、該動物に有効量の請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物、または請求項54〜62のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含む方法。
【請求項64】
前記ウイルス感染が、B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス、ポリオ、コクサッキーAおよびBウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、痘瘡ウイルス、エボラウイルス、および西ナイルウイルスからなる群より選択される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記ウイルス感染がHCVである、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
さらに、前記動物に1種以上のさらなるHCVポリメラーゼインヒビターを投与することを含む、請求項63〜65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
さらに、前記動物に1種以上のプロテアーゼインヒビターを投与することを含む、請求項63〜66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
さらに、リバビリンを前記動物に投与することを含む、請求項63〜67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
さらに、インターフェロン−αまたはペグ化インターフェロン−α(ペグインターフェロン−α)を前記動物に投与することを含む、請求項63〜68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
動物における癌の処置方法であって、該動物に有効量の請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物、または請求項54および61〜62のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含む方法。
【請求項71】
1種以上のさらなる抗癌化合物が投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記動物がヒトである、請求項63〜71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
ウイルスRNAまたはDNAポリメラーゼを阻害するための方法であって、該ポリメラーゼを、インビトロまたはインビボで阻害有効量の請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物と接触させることを含む、方法。
【請求項74】
前記ウイルスポリメラーゼがRdRpである、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
医学療法における使用のための請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項76】
動物においてウイルス感染を処置するのに有用な医薬を調製するための請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項77】
動物において癌を処置するのに有用な医薬を調製するための請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項78】
ウイルス感染の予防的または治療的処置のための請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項79】
癌の予防的または治療的処置のための請求項1〜53のいずれか1項に記載の化合物。

【公表番号】特表2011−525171(P2011−525171A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−549889(P2010−549889)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/036213
【国際公開番号】WO2009/111653
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(507141273)バイオクライスト ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】