説明

抗体の生成におけるB細胞増殖剤の使用

抗体の効率的生成方法は、動物を標的抗原および抗CD40アゴニストのようなB細胞増殖剤で免疫感作する。この方法から生成される抗体は、多様な疾患および状態で治療的剤、診断的剤若しくは研究試薬として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗体の生成に関する。より具体的には、本発明は、生成方法および高められた抗体応答、ならびに最低1種のタンパク質若しくはそのフラグメントに特異的な指定される部分若しくはバリアントを包含するこうした方法から生成される抗体、ならびに、抗イディオタイプ抗体、および該抗体をコードする核酸、相補核酸、ベクター、宿主細胞、ならびに治療的製剤、投与および装置を包含するそれらの作成および使用方法に向けられる。
【背景技術】
【0002】
治療試薬としてのモノクローナル抗体(mAb)の使用は多様な疾患の処置のための有効なアプローチとなった。加えて、mAbは多様な疾患の免疫病因論のより良好な理解を得るための強力なツールを表し得る。
【0003】
mAbの標準的一生成方法は、免疫したBALB/cマウスから収集したリンパ節細胞若しくは脾細胞と骨髄腫細胞を融合することよりなる(非特許文献1;非特許文献2)。BALB/cマウスは、それらが容易に入手可能であり、かつ、外来のT依存性抗原で感作される場合にこれらのマウスでの免疫応答がTh2様表現型へのT細胞由来サイトカイン産生の極性化(polarization)を特徴とするため、mAbを生じさせるために選択すべき宿主を表す(非特許文献3に総説されている)。このTh2様応答は、高レベルの抗原特異的IgG1抗体の生成により付随され(非特許文献4)、これは抗原特異的B細胞クローンの頻度の増大およびB細胞融合後のハイブリッドの数の増大と相関する。
【0004】
KohlerとMilsteinの方法によるmAbの生成は、目的の抗原特異的B細胞を収集かつ不死化するためのin vitro技術の成功と結合した複雑な生物学的過程の成功に依存する。にもかかわらず、若干の抗原は、B細胞融合後にハイブリッドを生成することを困難若しくは不可能にする、BALB/cマウスで低い若しくは検出不可能な抗体力価のみを生じる。従って、Th2に偏った(biased)マウスから収集したB細胞を使用する抗原特異的mAb生成を改良するために、抗原特異的B細胞クローンの頻度を増大させる必要性が存在する。
【0005】
さらに、ストレスのような環境因子が適正な体液性応答の生成に影響を及ぼし得る。抗原との接触の時点でストレスにさらされる動物は、リンパ球表面を結合するコルチコステロイドによる直接の下方制御若しくは抑制因子の活性化のいずれかにより低下された抗体応答を生成する(非特許文献5;非特許文献6)。
【0006】
CD40は、全部の成熟B細胞、大部分の成熟B細胞悪性病変、および若干の早期B細胞急性リンパ球性白血病の表面で発現される細胞表面受容体であるが、しかし形質細胞上で発現されない(非特許文献7)。それは単球、樹状細胞、内皮細胞および上皮細胞上でもまた発現される(非特許文献8)。
【0007】
CD40は多様な免疫および炎症応答を媒介することが見出されている(非特許文献9)。CD154としてもまた知られるCD40リガンドは主としてT細胞上で見出される(非特許文献10)。CD40リガンドによるB細胞上のCD40の活性化は、B細胞の増殖、分化、免疫グロブリンアイソタイプスイッチ、胚中心形成、および体液性メモリー応答の刺激を引き起こす(非特許文献11;非特許文献12)。
【0008】
抗CD40モノクローナル抗体によるCD40の架橋はB細胞の増殖、接着および分化を媒介する(非特許文献13;非特許文献14)。抗CD40アゴニスト抗体は、ヒト休止期Bリンパ球を活性化かつ増幅するのにもまた使用されている。これは、ヒトハイブリドーマ若しくはB細胞クローンの生成に利用可能な増大された細胞数をもたらした(非特許文献15;非特許文献16)。加えて、IL−4とともに、抗CD40抗体は扁桃Bリンパ球のホモタイプの接着、増殖およびIg産生細胞への分化を誘導する(非特許文献17)。
【0009】
従って、BALB/cマウスのようなげっ歯類での抗原特異的B細胞クローンの頻度を増大させ得る抗体の改良された生成方法に対する必要性が存在する。
【非特許文献1】KoehlerとMilstein、Nature 256、495−497(1975)
【非特許文献2】KoehlerとMilstein、Eur.J.Immunol.6、511−519(1976)
【非特許文献3】ReinerとLocksley、Ann.Rev.Immunol.13、151−177(1995)
【非特許文献4】Finkelmanら、Ann.Rev.Immunol.8、303−333(1990)
【非特許文献5】BorysenkoとBorysenko、Gen Hosp Psychiatry 4:59−67、1982
【非特許文献6】GrossとSiegel、J Anim Sci、66:2091−2094、1988
【非特許文献7】Clark、Tissue Antigens 35:33−36(1990)
【非特許文献8】van KootenとBanchereau、J.Leuko.Biol.67:2−17(2000)
【非特許文献9】SchonbeckとLibby、Cell Molec.Life Sci.58:4−43(2001)
【非特許文献10】Gauchatら、FEBS Lett.315:259−266(1993)
【非特許文献11】Kawabeら、Immunity 1:167−178(1994)
【非特許文献12】Castigliら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 91:12135−12139(1994)
【非特許文献13】DiSantoら、Nature 361:541−543(1993)
【非特許文献14】Hollenbaughら、EMBO J.11:4313−4321(1992)
【非特許文献15】NiedbalaとStott、Hybridoma、17:299−304(1998)
【非特許文献16】Lagerkvistら、Biotechniques、18:862−869(1995)
【非特許文献17】Bjorckら、1998
【発明の開示】
【0010】
[発明の要約]
本発明は、抗体を産生することが可能な動物を、標的抗原と一緒にB細胞増殖剤で免疫感作することを含んでなる、抗体の生成方法を提供する。標的抗原はT細胞依存性抗原若しくはT細胞非依存性抗原であることができる。
【0011】
本発明の一局面において、B細胞増殖剤はCD40アゴニストであり、そして抗CD40抗体アゴニスト若しくは抗CD40抗体の一部分のようなCD40アゴニストの使用は、例えば免疫されているげっ歯類での抗原特異的B細胞の数を増大させる。本発明で使用されるB細胞増殖剤は、BAFF(BLyS)、IL−6、APRIL、CD40L(CD154)および抗IgM/IL4共刺激でもまたありうる。
【0012】
本発明のB細胞増殖剤は、ターゲッティングおよび/若しくはB細胞分化に使用される第二の剤と一緒に使用し得る。例示的一ターゲッティング剤はCD21である。例示的B細胞分化剤は小胞体ストレス応答(UPR)経路成分および多様なB細胞特異的転写因子である。
【0013】
本発明の方法において、B細胞増殖剤は、タンパク質の形態、B細胞増殖剤をコードするDNAの形態、若しくはそれらの組合せで投与し得る。加えて、B細胞増殖剤(タンパク質若しくはDNAの形態の)は、小分子と結合若しくはそれと一緒に投与し得る。例えば、B細胞増殖剤はB細胞表面を標的とし得、そして小分子は抗体応答を高め得る。
【0014】
本発明の別の局面において、げっ歯類を抗原およびB細胞増殖剤で免疫した後、抗原特異的抗体を単離する。抗体産生細胞を、目的の抗原およびB細胞増殖剤で免疫されたヒト若しくは他の適する動物例えばげっ歯類の末梢血または好ましくは脾若しくはリンパ節から得ることができる。いずれの他の適する宿主細胞も、本発明の抗体、その指定されるフラグメント若しくはバリアントをコードする異種若しくは内因性核酸を発現するのにもまた使用し得る。融合細胞(ハイブリドーマ)若しくは組換え細胞は、選択的培養条件若しくは他の適する既知の方法を使用して単離し得、そして限界希釈若しくは細胞分取、または他の適する方法によりクローン化し得る。所望の特異性をもつ抗体を産生する細胞を適するアッセイ(例えばELISA)により選択し得る。
【0015】
本発明は、B細胞増殖剤を使用して生成された、単離された、ヒトを制限なしに包含する哺乳動物の抗体、免疫グロブリン、フラグメント、切断生成物、ならびにそれらの他の指定される部分およびバリアント、ならびに、抗体組成物、抗イディオタイプ抗体、コードする若しくは相補核酸、ベクター、宿主細胞、組成物、組合せ、製剤、装置、トランスジェニック動物、トランスジェニック植物、ならびにそれらの作成および使用方法をさらに含んでなる。
【0016】
本発明は、(a)本明細書に記述されるところのB細胞増殖剤および/若しくは抗体を使用して生成される単離された抗体をコードする核酸;ならびに(b)適するかつ/若しくは製薬学的に許容できる担体若しくは希釈剤を含んでなる最低1種の組成物もまた提供する。
【0017】
本発明は、当該技術分野で既知かつ/若しくは本明細書に記述されるところの、細胞、組織、器官、動物若しくは患者において、および/または関係する状態の前、後若しくは間に最低1種の疾患若しくは状態を調節若しくは処置するための治療的有効量を投与するための、B細胞増殖剤組成物若しくは方法を使用して生成される最低1種の抗体をさらに提供する。
【0018】
本発明は、本発明のB細胞増殖剤を使用して生成される最低1種の抗体の治療的若しくは予防的有効量の最低1種の組成物、装置および/若しくは送達方法もまた提供する。
【0019】
本発明は、当該技術分野で既知かつ/若しくは本明細書に記述されるところの、細胞、組織、器官、動物若しくは患者において、および/または関係する状態の前、後若しくは間に最低1種の疾患若しくは状態を診断するための、B細胞増殖剤組成物若しくは方法を使用して生成される最低1種の抗体をさらに提供する。
【0020】
本発明は、本発明による、最低1種の疾患若しくは状態を診断するための最低1種の組成物、装置および/若しくは送達方法もまた提供する。
【0021】
B細胞増殖剤を使用して生成される最低1種の単離された抗体を含んでなる医療機器もまた提供され、該装置は、B細胞増殖剤、抗イディオタイプ抗体、核酸分子、化合物、タンパク質および/若しくは組成物を使用して生成される最低1種の抗体を接触若しくは投与するのに適する。
【0022】
包装資材、および溶液若しくは凍結乾燥された形態のB細胞増殖剤を使用して生成される最低1種の抗体を含んでなる容器を含んでなる、ヒトの製薬学的若しくは診断的使用のための製品もまた提供される。該製品は、場合によっては送達装置若しくは系の一成分として該容器を有し得る。
【0023】
本発明は本明細書に記述されるいかなる発明もさらに提供する。
【0024】
[発明の詳細な記述]
本明細で引用されるところの、限定されるものでないが特許および特許出願を挙げることができる全刊行物は、完全に示されるかのように引用することにより本明細書に組み込まれる。
【0025】
本明細書および請求の範囲で使用されるところの「抗体」という用語は、限定されるものでないがH若しくはL鎖の最低1個の相補性決定領域(CDR)若しくはそのリガンド結合部分、H鎖若しくはL鎖可変領域、H鎖若しくはL鎖定常領域、枠組み領域、またはそれらのいずれかの部分(例えば、制限なしに、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、ミメティボディ(mimetibody)、ミニボディ(minibody)など)あるいは、本発明の抗体に組み込み得る受容体若しくは結合タンパク質の少なくとも一部分を挙げることができる、免疫グロブリン分子の少なくとも一部分を含んでなるいずれかのタンパク質若しくはペプチド含有分子を制限なしに包含する、ポリクローナル、モノクローナル若しくは抗イディオタイプ抗体またはそれらのフラグメントを意味している。こうした抗体は、場合によっては、限定されるものでないが、こうした抗体がin vitro、in situおよび/若しくはin vivoで最低1種の活性若しくは結合、または受容体の活性若しくは結合を調節、低下、増大、中和(antagonize)、促進(agonize)、緩和、軽減、遮断、阻害、排除かつ/若しくは妨害するところを挙げることができる特異的リガンドにさらに影響を及ぼす。制限しない一例として、本発明のB細胞増殖剤を使用して生成される抗体、指定される部分若しくはバリアントは、最低1種の標的抗原、またはその指定される部分、バリアント若しくはドメインを結合し得る。B細胞増殖剤を使用して生成される適する抗体、指定される部分若しくはバリアントはまた、場合によっては、限定されるものでないがRNA、DNA若しくはタンパク質の合成、遊離、受容体シグナル伝達、膜切断、活性、産生および/若しくは合成を挙げることができる活性若しくは機能の最低1種にも影響を及ぼし得る。
【0026】
「抗体」という用語は、抗体、抗体模倣物を包含するかあるいは抗体または一本鎖抗体およびそれらのフラグメントを包含するそれらの指定されるフラグメント若しくは部分の構造および/若しくは機能を模倣する抗体の部分を含んでなるそれらの消化フラグメント、指定される部分およびバリアントを包含することをさらに意図している。機能的フラグメントは哺乳動物タンパク質に結合する抗原結合フラグメントを包含する。例えば、限定されるものでないがFab(例えばパパイン消化による)、Fab’(例えばペプシン消化および部分還元による)、ならびにF(ab’)(例えばペプシン消化による)、facb(例えばプラスミン消化による)、pFc’(例えばペプシン若しくはプラスミン消化による)、Fd(例えばペプシン消化、部分還元および再凝集による)、FvまたはscFv(例えば分子生物学技術による)フラグメントを挙げることができる、タンパク質若しくはその部分に結合することが可能な抗体フラグメントが、本発明により包含される(例えば、Colligan、Immunology、上記を参照されたい)。
【0027】
こうしたフラグメントは、当該技術分野で既知かつ/若しくは本明細書に記述されるところの酵素的切断、合成若しくは組換え技術により製造し得る。抗体は、1個若しくはそれ以上の終止コドンが天然の終止部位の上流に導入された抗体遺伝子を使用して多様な切断型でもまた製造し得る。例えば、F(ab’)H鎖部分をコードする組合せ遺伝子を、H鎖のCHドメインおよび/若しくはヒンジ領域をコードするDNA配列を包含するように設計し得る。抗体の多様な部分を慣習的技術により化学的に一緒に結合し得るか、若しくは遺伝子工学技術を使用して連続したタンパク質として製造し得る。
【0028】
本明細書で使用されるところの「ヒト抗体」という用語は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列由来若しくはそれに緊密に一致する可変および定常領域を有する抗体を包含することを意図している。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基を包含しうる(例えばin vitroで無作為若しくは部位特異的突然変異誘発またはin vivoで体細胞突然変異により導入される突然変異)。従って、本明細書で使用されるところの「ヒト抗体」という用語は、該タンパク質の実質的にすべての部分(例えば、CDR、枠組み、C、Cドメイン(例えばC1、C2、C3)、ヒンジ、(V、V))がヒト生殖系列抗体に実質的に類似である抗体を指す。ヒト抗体は、それらのアミノ酸配列類似性に基づくグループ分けに分類されている。例えばhttp://people.cryst.bbk.ac.uk/〜ubcg07s/を参照されたい。従って、配列類似性検索を使用して、類似の直線的配列をもつ抗体を、「ヒト化抗体」を創製するための鋳型として選ぶことができる。
【0029】
「ヒト化」(再形成(reshaping)若しくはCDR移植ともまた呼ばれる)は、今や、異種供給源(一般的にはげっ歯類)からのモノクローナル抗体(mAb)の免疫原性を低下させるため、およびエフェクター機能(ADCC、補体活性化、C1q結合)を改良するための十分に確立された技術である。工作されたmAbは分子生物学の技術を使用して工作されるが、しかしながら、げっ歯類の相補性決定領域(CDR)のヒト枠組みへの単純なCDR移植は、しばしば元のmAbの結合親和性および/若しくは特異性の喪失をもたらす。抗体をヒト化するために、ヒト化抗体の設計は、CDRの残基中の保存的アミノ酸置換のような変異、およびげっ歯類mAbからの残基のヒト枠組み領域への逆置換(逆突然変異)を包含する。該位置は、構造解析のための配列比較、若しくは可変領域の3D構造の相同性モデルの解析により識別若しくは同定し得る。アフィニティー成熟の過程は、選ばれた位置のアミノ酸を変動させるための最近使用されているファージライブラリーを有する。同様に、多くのアプローチが、げっ歯類CDRを移植するための最も適切なヒト枠組みを選ぶのに使用されている。抗体構造の既知のパラメータのデータ組が増加する際に、これらの技術の洗練および改良もそうなる。数種の異なるヒトmAbからの各L若しくはH鎖可変領域内の枠組み配列の単一抗体若しくはフラグメントからのコンセンサス若しくは生殖系列配列を使用し得る。ヒト化への別のアプローチは、げっ歯類配列の表面残基のみをヒトmAb中で見出される最も一般的な残基で改変することであり、そして「表面再形成(resurfacing)」若しくは「上張り(veneering)」と命名されている。既知のヒトIg配列は開示されている。例えば、www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi;www.ncbi.nih.gov/igblast;www.atcc.org/phage/hdb.html;www.kabatdatabase.com/top.html;www.antibodyresource.com/onlinecomp.html;www.appliedbiosystems.com;www.biodesign.com;antibody.bath.ac.uk;www.unizh.ch;www.cryst.bbk.ac.uk/〜ubcg07s;Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、米国保健省(U.S.Dept.Health)(1983)(それぞれそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)。しばしば、ヒト若しくはヒト化抗体はヒトにおいて実質的に非免疫原性である。
【0030】
同様に、霊長類(サル、ヒヒ、チンパンジーなど)、げっ歯類(マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスターなど)、および他の哺乳動物と称される抗体は、こうした種、亜属、属、亜科、および科特異的抗体を示す。さらに、キメラ抗体は上のいかなる組合せも包含し得る。こうした変化若しくは変異は、場合によっては、かつ、好ましくは、改変されない抗体に関して、ヒト若しくは他の種における免疫原性を保持若しくは低下する。従ってヒト抗体はキメラ若しくはヒト化抗体と異なる。
【0031】
ヒト抗体は、機能的に再配列されたヒト免疫グロブリン(例えばH鎖および/若しくはL鎖)遺伝子を発現することが可能であるヒト以外の動物または原核生物若しくは真核生物細胞により産生され得ることが指摘される。さらに、ヒト抗体が一本鎖若しくは単一ドメイン抗体である場合、それは天然のヒト抗体で見出されないリンカーペプチドを含み得る。例えば、Fvは、H鎖の可変領域およびL鎖の可変領域を結合する、2ないし約8個のグリシン若しくは他のアミノ酸残基のようなリンカーペプチドを含み得る。こうしたリンカーペプチドはヒト起源のものであると考えられる。
【0032】
本明細書および請求の範囲で使用されるところの「抗原」という用語は、直接若しくは間接的いずれかで抗体を生成する能力を有するいかなる分子も意味している。タンパク質をコードする核酸が「抗原」の定義内に包含される。
【0033】
本発明は、げっ歯類での抗体の生成方法を提供する。とりわけ、該方法は、BALB/c背景を有するマウスのようなげっ歯類で抗体を生成するのに有用である。
【0034】
本発明の抗体−製造および生成
B細胞増殖剤を使用して生成される最低1種の抗体は、場合によっては、当該技術分野で公知のところの、細胞株、混合細胞株、不死化細胞若しくは不死化細胞のクローン集団により産生し得る。例えば、Ausubelら編、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons,Inc.、ニューヨーク州ニューヨーク(1987−2001);Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1989);HarlowとLane、Antibodies,a Laboratory Manual、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1989);Colliganら編、Current Protocols in Immunology、John Wiley & Sons,Inc.、ニューヨーク(1994−2001);Colliganら、Current Protocols in Protein Science、John Wiley & Sons、ニューヨーク州ニューヨーク(1997−2001)を参照されたい。
【0035】
B細胞増殖剤を使用して生成される抗体若しくはそれらのフラグメントは、適切な免疫原性抗原および/若しくはその一部分(合成ペプチドのような合成分子を包含する)に対し生じさせ得る。限定されるものでないが哺乳動物抗体を挙げることができる他の特異的若しくは一般的抗体を同様に生じさせ得る。免疫原性抗原の調製およびモノクローナル抗体製造は、いずれかの適する技術を使用して実施し得る。
【0036】
1アプローチにおいて、ハイブリドーマは、限定されるものでないが、単離された若しくはクローン化した脾、末梢血、リンパ、扁桃、または他の免疫若しくはB細胞含有細胞、あるいは、組換え若しくは内因性、ウイルス、細菌、藻類、原核生物、両生類、昆虫、は虫類、魚類、哺乳動物、げっ歯類、ウマ、ヒツジ(ovine)、ヤギ、ヒツジ(sheep)、霊長類、真核生物、ゲノムのDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDNA若しくはRNA、葉緑体DNA若しくはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、一本鎖、二本鎖若しくは三本鎖、ハイブリダイズなど、またはそれらのいずれかの組合せのような内因性若しくは異種いずれかの核酸としてH若しくはL鎖定常若しくは可変若しくは枠組み若しくはCDR配列を発現するいずれかの他の細胞を挙げることができる抗体産生細胞と、適する不死細胞株(例えば、限定されるものでないがSp2/0、Sp2/0−AG14、NSO、NS1、NS2、AE−1、L.5、L243、P3X63Ag8.653、Sp2 SA3、Sp2 MAI、Sp2 SS1、Sp2 SA5を挙げることができる骨髄腫細胞株、U937、MLA 144、ACT IV、MOLT4、DA−1、JURKAT、WEHI、K−562、COS、RAJI、NIH 3T3、HL−60、MLA 144、NAMALWA、NEURO 2Aなど、若しくはヘテロミエローマ、それらの融合生成物、またはそれら由来のいずれかの細胞若しくは融合細胞、あるいは当該技術分野で既知のところのいずれかの他の適する細胞株)(例えば、www.atcc.org、www.lifetech.com.などを参照されたい)を融合することにより製造する。例えば、Ausubel、上記、およびColligan、Immunology、上記、第2章(そっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0037】
抗体産生細胞は、目的の抗原で免疫したヒト若しくは他の適する動物、例えばマウス、ラットおよび他の哺乳動物の末梢血、または好ましくは脾若しくはリンパ節からもまた得ることができる。いずれかの他の適する宿主細胞もまた、本発明の抗体、その指定されるフラグメント若しくはバリアントをコードする異種若しくは内因性核酸を発現させるのに使用し得る。融合細胞(ハイブリドーマ)若しくは組換え細胞は、選択的培養条件若しくは他の適する既知の方法を使用して単離し得、かつ、限界希釈若しくは細胞分取、または他の既知の方法によりクローン化し得る。所望の特異性をもつ抗体を産生する細胞を、適するアッセイ(例えばELISA)により選択し得る。
【0038】
ヒト以外若しくはヒト抗体の工作若しくはヒト化方法もまた使用し得、そして当該技術分野で公知である。ヒト化若しくは工作された抗体は、当初、限定されるものでないがマウス、ラット、ウサギ、ヒト以外の霊長類若しくは他の哺乳動物を挙げることができるヒト以外である供給源からの1個若しくはそれ以上のアミノ酸残基を有しうる。これらのヒト以外のアミノ酸残基は、既知のヒト配列の「輸入」可変、定常若しくは他のドメインから典型的に採用される、「輸入」残基としばしば称される残基により置換される。
【0039】
既知のヒトIg配列は開示されている。例えば、www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi;www.ncbi.nih.gov/igblast;www.atcc.org/phage/hdb.html;www.mrc−cpe.cam.ac.uk/ALIGNMENTS.php;www.kabatdatabase.com/top.html;ftp.ncbi.nih.gov/repository/kabat;www.sciquest.com;www.abcam.com;www.antibodyresource.com/onlinecomp.html;www.public.iastate.edu/〜pedro/research_tools.html;www.whfreeman.com/immunology/CH05/kuby05.htm;www.hhmi.org/grants/lectures/1996/vlab;www.path.cam.ac.uk/〜mrc7/mikeimages.html;mcb.harvard.edu/BioLinks/Immunology.html;www.immunologylink.com;pathbox.wustl.edu/〜hcenter/index.html;www.appliedbiosystems.com;www.nal.usda.gov/awic/pubs/antibody;www.m.ehime−u.ac.jp/〜yasuhito/Elisa.html;www.biodesign.com;www.cancerresearchuk.org;www.biotech.ufl.edu;www.isac−net.org;baserv.uci.kun.nl/〜jraats/links1.html;www.recab.uni−hd.de/immuno.bme.nwu.edu;www.mrc−cpe.cam.ac.uk;www.ibt.unam.mx/vir/V_mice.html;http://www.bioinf.org.uk/abs;antibody.bath.ac.uk;www.unizh.ch;www.cryst.bbk.ac.uk/〜ubcg07s;www.nimr.mrc.ac.uk/CC/ccaewg/ccaewg.html;www.path.cam.ac.uk/〜mrc7/humanisation/TAHHP.html;www.ibt.unam.mx/vir/structure/stat_aim.html;www.biosci.missouri.edu/smithgp/index.html;www.jerini.de;Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、米国保健省(U.S.Dept.Health)(1983)(それぞれそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)。
【0040】
こうした輸入された配列は、当該技術分野で既知のとおり、免疫原性を低下させるか、または、結合、アフィニティー、オン速度(on−rate)、オフ速度(off−rate)、アビディティー、特異性、半減期、若しくはいずれかの他の適する特徴を低減、増強若しくは改変するのに使用し得る。一般に、CDR残基は抗原結合への影響に直接および最も実質的に関与する。従って、ヒト以外若しくはヒトのCDR配列の一部若しくは全部が維持される一方、可変および定常領域のヒト以外の配列をヒト若しくは他のアミノ酸で置換しうる。
【0041】
抗体はまた、場合によっては、抗原に対する高アフィニティーおよび他の好都合な生物学的特性の保持を伴いヒト化若しくは工作され得るか、または工作された若しくはヒト抗体でもあり得る。この目標を達成するため、ヒト化(若しくはヒト)抗体は、場合によっては、親、工作およびヒト化配列の三次元モデルを使用する親配列ならびに多様な概念的ヒト化および工作された生成物の分析方法により製造し得る。三次元免疫グロブリンモデルは一般に入手可能でありかつ当業者になじみがある。選択された候補免疫グロブリン配列の可能な三次元コンホメーション構造を具体的に説明しかつ表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの表示の検査は、候補免疫グロブリン配列の機能における残基のありそうな役割の解析、すなわち、その抗原を結合する該候補免疫グロブリンの能力に影響する残基の解析を可能にする。こうして、枠組み(FR)残基を、標的抗原(1種若しくは複数)に対する増大されたアフィニティーのような所望の抗体の特徴が達成されるように、コンセンサスおよび輸入配列から選択かつ組合せ得る。
【0042】
加えて、B細胞増殖剤を使用して生成される抗体はヒト生殖系列L鎖枠組みを含みうる。特定の態様において、L鎖生殖系列配列は、限定されるものでないが、A1、A10、A11、A14、A17、A18、A19、A2、A20、A23、A26、A27、A3、A30、A5、A7、B2、B3、L1、L10、L11、L12、L14、L15、L16、L18、L19、L2、L20、L22、L23、L24、L25、L4/18a、L5、L6、L8、L9、O1、O11、O12、O14、O18、O2、O4およびO8を挙げることができるヒトVK配列から選択される。ある態様において、このL鎖ヒト生殖系列枠組みは、V1−11、V1−13、V1−16、V1−17、V1−18、V1−19、V1−2、V1−20、V1−22、V1−3、V1−4、V1−5、V1−7、V1−9、V2−1、V2−11、V2−13、V2−14、V2−15、V2−17、V2−19、V2−6、V2−7、V2−8、V3−2、V3−3、V3−4、V4−1、V4−2、V4−3、V4−4、V4−6、V5−1、V5−2、V5−4およびV5−6から選択される。多様な生殖系列配列の記述については、第PCT WO 2005/005604号明細書を参照されたい。
【0043】
他の態様において、B細胞増殖剤を使用して生成される抗体はヒト生殖系列H鎖枠組みを含みうる。特定の態様において、このH鎖ヒト生殖系列枠組みは、VH1−18、VH1−2、VH1−24、VH1−3、VH1−45、VH1−46、VH1−58、VH1−69、VH1−8、VH2−26、VH2−5、VH2−70、VH3−11、VH3−13、VH3−15、VH3−16、VH3−20、VH3−21、VH3−23、VH3−30、VH3−33、VH3−35、VH3−38、VH3−43、VH3−48、VH3−49、VH3−53、VH3−64、VH3−66、VH3−7、VH3−72、VH3−73、VH3−74、VH3−9、VH4−28、VH4−31、VH4−34、VH4−39、VH4−4、VH4−59、VH4−61、VH5−51、VH6−1およびVH7−81から選択される。多様な生殖系列配列の記述については、第PCT WO 2005/005604号明細書を参照されたい。
【0044】
特定の態様において、L鎖可変領域および/若しくはH鎖可変領域は、枠組み領域若しくは枠組み領域の少なくとも一部分を含んでなる(例えばFR2およびFR3のような2若しくは3個の下位領域を含有する)。ある態様において、少なくともFRL1、FRL2、FRL3若しくはFRL4は完全にヒトである。他の態様において、少なくともFRH1、FRH2、FRH3若しくはFRH4は完全にヒトである。いくつかの態様において、少なくともFRL1、FRL2、FRL3若しくはFRL4は、生殖系列配列(例えばヒト生殖系列)であるか、または、特定の枠組みのヒトコンセンサス配列(上述された既知のヒトIg配列の供給源で容易に入手可能)を含んでなる。他の態様において、少なくともFRH1、FRH2、FRH3若しくはFRH4は、生殖系列配列(例えばヒト生殖系列)であるか、または、特定の枠組みのヒトコンセンサス配列を含んでなる。好ましい態様において、枠組み領域はヒト枠組み領域である。
【0045】
本発明の抗体のヒト化若しくは工作は、限定されるものでないが、その中で引用される参考文献を包含する、Winter(Jonesら、Nature 321:522(1986);Riechmannら、Nature 332:323(1988);Verhoeyenら、Science 239:1534(1988))、Simsら、J.Immunol.151:2296(1993);ChothiaとLesk、J.Mol.Biol.196:901(1987)、Carterら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992);Prestaら、J.Immunol.151:2623(1993)、米国特許第5723323号、同第5976862号、同第5824514号、同第5817483号、同第5814476号、同第5763192号、同第5723323号、同第5,766886号、同第5714352号、同第6204023号、同第6180370号、同第5693762号、同第5530101号、同第5585089号、同第5225539号;同第4816567号、PCT/:第US98/16280号、同第US96/18978号、同第US91/09630号、同第US91/05939号、同第US94/01234号、同第GB89/01334号、同第GB91/01134号、同第GB92/01755号;第WO90/14443号、第WO90/14424号、第WO90/14430号、欧州特許第EP 229246号明細書(それぞれそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述されるものを挙げることができる、いずれの既知の方法を使用しても実施し得る。
【0046】
ある態様において、該抗体は変えられた(例えば突然変異された)Fc領域を含んでなる。例えば、いくつかの態様において、Fc領域は抗体のエフェクター機能を低下するか若しくは高めるように変えられている。いくつかの態様において、Fc領域はIgM、IgA、IgG、IgE若しくは他のアイソタイプから選択されるアイソタイプである。
【0047】
あるいは、若しくは加えて、アミノ酸改変を、B細胞増殖剤を使用して生成された抗体若しくは類似の結合ポリペプチドのFc領域のC1q結合および/若しくは補体依存性細胞傷害(CDC)機能を変える1個若しくはそれ以上のさらなるアミノ酸改変と組合せることが有用でありうる。特定の目的の結合ポリペプチドは、C1qに結合しかつ補体依存性細胞傷害を表すものでありうる。場合によってはCDCを媒介する能力をさらに有する、これらの活性の一方若しくは双方が高められるような、既存のC1q結合活性をもつポリペプチドを改変しうる。C1qを変えかつ/若しくはその補体依存性細胞傷害機能を改変するアミノ酸改変は、例えば第WO/0042072号明細書(ここに引用することにより組み込まれる)に記述されている。
【0048】
上で開示されるとおり、例えばC1q結合および/若しくはFcγR結合を改変しかつそれによりCDC活性および/若しくはADCC活性を変化させることにより変えられたエフェクター機能をもつ本発明の抗体のFc領域を提供し得る。「エフェクター機能」は、(例えば被験体における)生物学的活性を活性化若しくは低下する原因である。エフェクター機能の例は、限定されるものでないが:C1q結合;補体依存性細胞傷害(CDC);Fc受容体結合;抗体依存性細胞傷害(ADCC);食作用;細胞表面受容体(例えばB細胞受容体;BCR)の下方制御などを挙げることができる。こうしたエフェクター機能は、Fc領域が結合ドメイン(例えば抗体可変ドメイン)と結合されることを必要とすることがあり、そして多様なアッセイ(例えばFc結合アッセイ、ADCCアッセイ、CDCアッセイなど)を使用して評価し得る。
【0049】
例えば、改良されたC1q結合および改良されたFcγRIII結合を伴う(例えば、改良されたADCC活性および改良されたCDC活性双方を有する)抗体のバリアントFc領域を生成し得る。あるいは、エフェクター機能が低下若しくは排除されることが望ましい場合は、低下されたCDC活性および/若しくは低下されたADCC活性を伴うバリアントFc領域を工作し得る。他の態様において、これらの活性の1種のみを増大させることができ、そして、場合によってはまた他の活性も低下させうる(例えば、改良されたADCC活性しかし低下されたCDC活性、およびその逆を伴うFc領域バリアントを生成させるため)。
【0050】
Fc突然変異は、新生児Fc受容体(FcRn)とのそれらの相互作用を変えかつそれらの薬物動態特性を改良するためにもまた導入若しくは工作し得る。FcRnへの改良された結合を伴うヒトFcバリアントの集合物が記述されている(Shieldsら、(2001).High resolution mapping of the binding site on human IgG1 for FcγRI,FcγRII,FcγRIII,and FcRn and design of IgG1 variants with improved binding to the FcγR、J.Biol.Chem.276:6591−6604)。
【0051】
別の型のアミノ酸置換は該抗体のFc領域のグリコシル化パターンを変えるようにはたらく。Fc領域のグリコシル化は、典型的にはN結合若しくはO結合のいずれかである。N結合はアスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を指す。O結合グリコシル化は、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリン若しくはトレオニンへの糖、N−アセチルガラクトサミン、ガラクトース若しくはキシロースの1種の結合を指すとは言え、5−ヒドロキシプロリン若しくは5−ヒドロキシリシンもまた使用しうる。アスパラギン側鎖ペプチド配列への炭水化物部分の酵素的結合のための認識配列は、アスパラギン−X−セリンおよびアスパラギン−X−トレオニンであり、式中Xはプロリンを除くいずれかのアミノ酸である。従って、ポリペプチド中のこれらのペプチド配列のいずれの存在も、潜在的グリコシル化部位を創製する。
【0052】
グリコシル化パターンは、例えば、該ポリペプチド中で見出される1個若しくはそれ以上のグリコシル化部位を欠失すること、および/または該ポリペプチド中に存在しない1個若しくはそれ以上のグリコシル化部位を付加することにより変えることができる。該抗体のFc領域へのグリコシル化部位の付加は、それが上述されたトリペプチド配列(N結合グリコシル化部位について)の1個若しくはそれ以上を含有するようなアミノ酸配列を変えることにより便宜的に達成される。例示的一グリコシル化バリアントはH鎖の残基Asn 297のアミノ酸置換を有する。該変化は、元のポリペプチドの配列への1個若しくはそれ以上のセリン若しくはトレオニン残基の付加若しくはそれらによる置換によってもまた作成しうる(O結合グリコシル化部位について)。加えて、Asn 297のAlaへの変化はグリコシル化部位の1個を除去し得る。
【0053】
ある態様において、本発明の抗体は、β(1,4)−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnT III)が該抗体にGlcNAcを付加するようなGnT IIIを発現する細胞で発現される。こうした様式での抗体の製造方法は、第WO/9954342号、第WO/03011878号、特許公開第20030003097A1号明細書、およびUmanaら、Nature Biotechnology、17:176−180、Feb.1999に提供される。抗体は、場合によっては、本明細書に記述されかつ/若しくは当該技術分野で既知のところの、ヒト抗体のレパートリーを産生することが可能なトランスジェニック動物(例えばマウス、ラット、ハムスター、ヒト以外の霊長類など)の免疫化により生成し得る。抗体を産生する細胞は、本明細書に記述される方法のような適する方法を使用して、こうした動物から単離しかつ不死化し得る。
【0054】
ヒト抗原に結合するヒト抗体のレパートリーを産生し得るトランスジェニックマウスは、既知の方法(限定されるものでないが、Lonbergらに交付された米国特許第5,770,428号、同第5,569,825号、同第5,545,806号、同第5,625,126号、同第5,625,825号、同第5,633,425号、同第5,661,016号および同第5,789,650号;Jakobovitsら 第WO 98/50433号、Jakobovitsら 第WO 98/24893号、Lonbergら 第WO 98/24884号、Lonbergら 第WO 97/13852号、Lonbergら 第WO 94/25585号、Kucherlapateら 第WO 96/34096号、Kucherlapateら 欧州特許第EP 0463 151 B1号、Kucherlapateら 欧州特許第EP 0710 719 A1号、Suraniら 米国特許第5,545,807号、Bruggemannら 第WO 90/04036号、Bruggemannら 欧州特許第EP 0438 474 B1号、Lonbergら 欧州特許第EP 0814 259 A2号、Lonbergら 英国特許第GB 2 272 440 A号明細書、Lonbergら Nature 368:856−859(1994)、Taylorら、Int.Immunol.6(4)579−591(1994)、Greenら、Nature Genetics 7:13−21(1994)、Mendezら、Nature Genetics 15:146−156(1997)、Taylorら、Nucleic Acids Research 20(23):6287−6295(1992)、Tuaillonら、Proc Natl Acad Sci USA 90(8)3720−3724(1993)、Lonbergら、Int Rev Immunol 13(1):65−93(1995)ならびにFishwaldら、Nat Biotechnol 14(7):845−851(1996)(それぞれそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)を挙げることができる)により製造し得る。一般に、これらのマウスは、機能的に再配列されるか若しくは機能的再配列を受け得る最低1個のヒト免疫グロブリン遺伝子座からのDNAを含んでなる最低1個の導入遺伝子を含んでなる。こうしたマウスの内因性免疫グロブリン遺伝子座は、内因性遺伝子によりコードされる抗体を産生する該動物の能力を排除するように破壊若しくは欠失し得る。
【0055】
類似のタンパク質若しくはフラグメントへの特異的結合について抗体をスクリーニングすることは、ペプチドディスプレイライブラリーを使用して便宜的に達成し得る。本方法は、所望の機能若しくは構造を有する個々のメンバーについてのペプチドの大型の集合物のスクリーニングを必要とする。ペプチドディスプレイライブラリーの抗体スクリーニングは当該技術分野で公知である。表示されるペプチド配列は、長さ3から5000若しくはそれ以上までのアミノ酸、頻繁に5〜100アミノ酸長から、およびしばしば約8から25アミノ酸長までであり得る。ペプチドライブラリーを生成するための直接化学合成法に加え、数種の組換えDNA法が記述されている。1つの型は、バクテリオファージ若しくは細胞の表面上でのペプチド配列の表示を必要とする。各バクテリオファージ若しくは細胞は、特定の表示されるペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含有する。こうした方法は、PCT特許公開第91/17271号、同第91/18980号、同第91/19818号および同第93/08278号明細書に記述されている。
【0056】
ペプチドのライブラリーを生成するための他の系は、in vitro化学合成および組換え法の双方の局面を有する。PCT特許公開第92/05258号、同第92/14843号および同第96/19256号明細書を参照されたい。米国特許第5,658,754号;および同第5,643,768号明細書もまた参照されたい。ペプチドディスプレイライブラリー、ベクター、およびスクリーニングキットは、Invitrogen(カリフォルニア州カールズバッド)およびCambridge Antibody Technologies(英国ケンブリッジシャー)のような供給元から商業的に入手可能である。例えば、Enzonに譲渡された米国特許第4704692号、同第4939666号、同第4946778号、同第5260203号、同第5455030号、同第5518889号、同第5534621号、同第5656730号、同第5763733号、同第5767260号、同第5856456号;Dyaxに譲渡された同第5223409号、同第5403484号、同第5571698号、同第5837500号、Affymaxに譲渡された同第5427908号、同第5580717号;Cambridge Antibody Technologiesに譲渡された同第5885793号;Genentechに譲渡された同第5750373号、Xomaに譲渡された同第5618920号、同第5595898号、同第5576195号、同第5698435号、同第5693493号、同第5698417号明細書、Colligan、上記;Ausubel、上記;若しくはSambrook、上記を参照されたい。
【0057】
本発明の抗体は、それらの乳中にこうした抗体を産生する、ヤギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギなどのようなトランスジェニック動物すなわち哺乳動物を提供するための最低1種の抗体をコードする核酸を使用してもまた製造し得る。こうした動物は既知の方法を使用して提供し得る。例えば、限定されるものでないが、米国特許第5,827,690号;同第5,849,992号;同第4,873,316号;同第5,849,992号;同第5,994,616号;同第5,565,362号;同第5,304,489号明細書など(それらのそれぞれはそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0058】
本発明の抗体は、付加的には、植物部分若しくはそれらから培養された細胞中でこうした抗体、指定される部分若しくはバリアントを産生するトランスジェニック植物および培養植物細胞(限定されるものでないがタバコおよびトウモロコシを挙げることができる)を提供するために最低1種の抗体をコードする核酸を使用して製造し得る。制限しない一例として、組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉が、例えば誘導可能なプロモーターを使用して大量の組換えタンパク質を提供するのに成功裏に使用されている。例えば、Cramerら、Curr.Top.Microbol.Immunol.240:95−118(1999)およびその中で引用される参考文献を参照されたい。また、トランスジェニックトウモロコシが、他の組換え系で産生若しくは天然の供給源から精製されたものに同等の生物学的活性をもつ哺乳動物タンパク質を商業生産レベルで発現するのに使用されている。例えば、Hoodら、Adv.Exp.Med.Biol.464:127−147(1999)およびその中で引用される参考文献を参照されたい。抗体は、タバコ種子およびバレイショ塊茎を包含する、一本鎖抗体(scFv)のような抗体フラグメントを包含するトランスジェニック植物種子からもまた大量で産生されている。例えばConradら、Plant Mol.Biol.38:101−109(1998)およびその中で引用される参考文献を参照されたい。従って、本発明の抗体は、既知の方法により、トランスジェニック植物を使用してもまた製造し得る。例えば、Fischerら、Biotechnol.Appl.Biochem.30:99−108(Oct.,1999)、Maら、Trends Biotechnol.13:522−7(1995);Maら、Plant Physiol.109:341−6(1995);Whitelamら、Biochem.Soc.Trans.22:940−944(1994);およびその中で引用される参考文献もまた参照されたい。
【0059】
本発明の抗体は、広範なアフィニティー(K)で標的の多サブユニットタンパク質を結合し得る。好ましい一態様において、本発明の最低1種のmAbは、場合によっては標的の多サブユニットタンパク質を高アフィニティーで結合し得る。例えば、ヒト若しくは他のmAbは、当業者により実施されるところの表面プラズモン共鳴若しくはKinexa法により測定されるところの、限定されるものでないが0.1〜9.9(またはその中のいずれかの範囲若しくは値)×10−7、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12、10−13、10−14、10−15またはその中のいずれかの範囲若しくは値を挙げることができる、約10−7Mに等しいか若しくはそれ未満のKで、標的多サブユニットタンパク質を結合し得る。
【0060】
抗原に対する抗体のアフィニティー若しくはアビディティーは、いずれかの適する方法を使用して実験的に決定し得る。(例えば、Fundamental Immunology、Paul,W.E.編、Raven Press:ニューヨーク州ニューヨーク(1984)中、Berzofskyら、“Antibody−Antigen Interactions;Kuby,Janis Immunology、W.H.Freeman and Company:ニューヨーク州ニューヨーク(1992);および本明細書に記述される方法を参照されたい)。特定の抗体−抗原相互作用の測定されるアフィニティーは異なる条件(例えば塩濃度、pH)下で測定される場合に変動し得る。従って、アフィニティーおよび他の抗原結合パラメータ(例えばK、Kon、Koff)の測定は、好ましくは、抗体および抗原の標準化された溶液、ならびに本明細書に記述される緩衝液のような標準化された緩衝液を用いて行う。
【0061】
B細胞増殖剤
本発明の一態様において、免疫化および追加免疫後のB細胞数の拡大は、哺乳動物で低力価の抗体を産生する抗原に対する免疫応答を高める。げっ歯類での特定の一態様において、本発明の本方法は抗原特異的IgG mAbの生成で有用である。本発明の方法により生成される抗体は、治療的剤、診断的剤若しくは研究試薬として有用である。
【0062】
本発明の本態様において、げっ歯類を当業者に公知の技術により抗原で免疫感作する。抗原は、タンパク質若しくは核酸およびT細胞依存性抗原若しくはT細胞非依存性抗原であり得る(脂質および炭水化物を包含する)。T細胞非依存性抗原は、細菌多糖、ポリマータンパク質およびリポ多糖(LPS)を包含し、そして直接的T細胞ヘルパー機能の非存在下で強い抗体応答(一般にIgM)を生じさせるようナイーブなB細胞を直接刺激し得る。必要な追加免疫後に、B細胞増殖剤をげっ歯類に投与して、Th2に偏った宿主で抗原特異的B細胞クローンのより高い頻度を生成させる。
【0063】
本発明の方法で有用なB細胞増殖剤は、例えば免疫されているげっ歯類で抗原特異的B細胞の数を増大させる、抗CD40抗体アゴニスト若しくは抗CD40抗体の一部分のような抗CD40アゴニストである。本発明で使用されるB細胞増殖剤は、BAFF(BLyS)、IL−6、APRIL、CD40L(CD154)および抗IgM/IL4共刺激でもまたありうる。B細胞増殖剤は、ターゲッティング剤(部分)および/若しくはB細胞分化剤として使用し得る第二の剤とともに使用し得る。CD21はターゲッティング剤として使用し得る。
【0064】
さらに、小胞体ストレス応答(UPR)経路成分を、本発明のB細胞増殖剤と一緒にB細胞分化剤として使用しうる。UPR経路は、形質芽細胞/形質細胞へのB細胞分化を駆動するために極めて重要であることが示された。B細胞増殖剤を免疫化戦略の間のB細胞分化のより特異的なUPRターゲッティングと結合することにより、融合前の抗原特異的形質芽細胞の数を有意に増大させうる。UPRは、BiP、XBP、CHOP、IRE1、PERK、ATF4、ATF6、eIF2α、GRP78、GRP94、カルレティキュリン、シャペロン、および類似の活性を有するバリアントを包含する。XBP−1は好ましいUPRの1つである。他のB細胞特異的転写因子(例えばBLIMP−1)もまたB細胞分化剤として使用し得る。
【0065】
CD21の場合は、CD21はB細胞および濾胞樹状細胞(FDC)の表面上に存在するが、しかしながらそれは各環境で異なって機能する。B細胞上では、CD21は、リガンド内部移行に参画することと一緒にB細胞受容体により誘導される増殖を増幅しかつアポトーシスを予防するシグナルを伝達する。対照的に、FDC上では、CD21は補体被覆された病原体(HIVを包含する)を細胞表面に繋ぎ止める。Xbp−1を活性化するとみられるタンパク質(ATF6若しくはIRE−1のような)をCD21結合リガンドに結合することは、in vivoで抗体合成を拡張し得る。
【0066】
例示的一抗CD40アゴニストは、マウスCD40の組換え細胞外ドメインに対し生じられたモノクローナル抗マウスCD40抗体のような抗CD40抗体若しくは抗体フラグメントである。当業者は投与するための抗CD40抗体の量を容易に決定し得るであろう。例えば、リンパ球収集約3日前に投与される約50μgないし約100μgの抗CD40 mAb(クローン1C10、カタログ番号MAB440、R&D Systems、ミネソタ州ミネアポリス)を使用して、これらのマウスからの抗原反応性Bリンパ球の全体的収量を高め得る。
【0067】
不死化B細胞のクローン集団は当業者に既知の技術により製造する。抗原特異的mAbは、ペプチドディスプレイライブラリー若しくは当業者に既知の他の技術を使用することにより目的の抗原に対する結合および/若しくは生物学的活性についてスクリーニングすることにより、クローン集団から同定し得る。
【0068】
別の局面において、本発明は、有機部分の共有結合により修飾されている、本明細書に記述されるところの抗体および抗原結合フラグメントに関する。こうした修飾は、改良された薬物動態特性(例えば増大されたin vivo血清半減期)をもつ抗体若しくは抗原結合フラグメントを生じ得る。該有機部分は、直鎖状若しくは分枝状の親水ポリマー基、脂肪酸基または脂肪酸エステル基であり得る。特定の態様において、親水ポリマー基は約800ないし約120,000ダルトンの分子量を有し得、そしてポリアルカングリコール(例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG))、炭水化物ポリマー、アミノ酸ポリマー若しくはポリビニルピロリドンであり得、また、脂肪酸若しくは脂肪酸エステル基は約8から約40個までの炭素原子を含み得る。
【0069】
本発明の修飾抗体および抗原結合フラグメントは、該抗体に直接若しくは間接的に共有結合されている1個若しくはそれ以上の有機部分を含み得る。本発明の抗体若しくは抗原結合フラグメントに結合されている各有機部分は、独立に、親水ポリマー基、脂肪酸基若しくは脂肪酸エステル基であり得る。本明細書で使用されるところの「脂肪酸」という用語はモノカルボン酸およびジカルボン酸を包含する。該用語が本明細書で使用されるところの「親水ポリマー基」は、オクタン中でよりも水中でより溶解性である有機ポリマーを指す。例えば、ポリリシンはオクタン中でよりも水中でより溶解性である。従って、ポリリシンの共有結合により修飾された抗体は本発明により包含される。本発明の抗体を修飾するのに適する親水ポリマーは直鎖状若しくは分枝状であり得、そして、例えばポリアルカングリコール(例えばPEG、モノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)、PPGなど)、炭水化物(例えばデキストラン、セルロース、オリゴ糖、多糖など)、親水性アミノ酸のポリマー(例えばポリリシン、ポリアルギニン、ポリアスパラギン酸など)、ポリアルカンオキシド(例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)およびポリビニルピロリドンを包含する。好ましくは、本発明の抗体を修飾する親水ポリマーは、別個の分子実体として約800ないし約150,000ダルトンの分子量を有する。例えばPEG5000およびPEG20,000(ここで下付き数字はダルトンでのポリマーの平均分子量である)を使用し得る。親水ポリマー基は、1ないし約6個のアルキル、脂肪酸若しくは脂肪酸エステル基で置換し得る。脂肪酸若しくは脂肪酸エステル基で置換されている親水ポリマーは、適する方法を使用することにより製造し得る。例えば、アミン基を含んでなるポリマーを脂肪酸若しくは脂肪酸エステルのカルボキシレートに結合し得、そして、脂肪酸若しくは脂肪酸エステル上の活性化されたカルボキシレート(例えばN,N−カルボニルジイミダゾールで活性化された)をポリマー上のヒドロキシル基に結合し得る。
【0070】
本発明の抗体を修飾するのに適する脂肪酸および脂肪酸エステルは、飽和であり得るか、または1個若しくはそれ以上の不飽和単位を含有し得る。本発明の抗体を修飾するのに適する脂肪酸は、例えば、n−ドデカノエート(C12、ラウレート)、n−テトラデカノエート(C14、ミリステート)、n−オクタデカノエート(C18、ステアレート)、n−エイコサノエート(C20、アラキデート)、n−ドコサノエート(C22、ベヘネート)、n−トリアコンタノエート(C30)、n−テトラコンタノエート(C40)、cis−Δ9−オクタデカノエート(C18、オレエート)、全cis−Δ5,8,11,14−エイコサテトラエノエート(C20、アラキドネート)、オクタン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、ドコサン二酸などを包含する。適する脂肪酸エステルは、直鎖状若しくは分枝状低級アルキル基を含んでなるジカルボン酸のモノエステルを包含する。該低級アルキル基は、1から約12まで、好ましくは1ないし約6個の炭素原子を含み得る。
【0071】
修飾抗体および抗原結合フラグメントは、1種若しくはそれ以上の修飾剤との反応によるような適する方法を使用して製造し得る。該用語が本明細書で使用されるところの「修飾剤」は、活性化基を含んでなる適する有機基(例えば親水ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)を指す。「活性化基」は、適切な条件下で第二の化学基と反応してそれにより修飾剤と該第二の化学基の間に共有結合を形成し得る化学部分すなわち官能基である。
【0072】
例えば、アミン反応性の活性化基は、トシレート、メシレート、ハロ(クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード)、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHS)などのような親電子基を包含する。チオールと反応し得る活性化基は、例えばマレイミド、ヨードアセチル、アクリロリル、ピリジルジスルフィド、5−チオール−2−ニトロ安息香酸チオール(TNB−チオール)などを包含する。アルデヒド官能基はアミン若しくはヒドラジドを含有する分子と結合させ得、また、アジド基は、ホスホルアミデート若しくはホスホルイミド結合を形成させるように三価のリン基と反応させ得る。分子中への活性化基の適する導入方法は当該技術分野で既知である(例えば、Hermanson,G.T.、Bioconjugate Techniques、Academic Press:カリフォルニア州サンディエゴ(1996)を参照されたい)。活性化基は、有機基(例えば親水ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)に直接、または、リンカー部分、例えば、1個若しくはそれ以上の炭素原子が酸素、窒素若しくはイオウのようなヘテロ原子により置換され得る二価のC−C12基により結合し得る。適するリンカー部分は、例えば、テトラエチレングリコール、−(CH−、−NH−(CH−NH−、−(CH−NH−および−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−NH−を包含する。リンカー部分を含んでなる修飾剤は、例えば、モノ−Boc−アルキルジアミン(例えばモノ−Boc−エチレンジアミン、モノ−Boc−ジアミノヘキサン)を、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の存在下に脂肪酸と反応させて、遊離アミンと脂肪酸のカルボキシレートの間でアミド結合を形成させることにより製造し得る。Boc保護基は、一級アミンを露出させるためのトリフルオロ酢酸(TFA)での処理により生成物から除去し得、一級アミンは記述されるとおり別のカルボキシレートに結合させ得るか、若しくは、無水マレイン酸と反応させ得、そして生じる生成物は脂肪酸の活性化マレイミド誘導体を生じさせるため環化し得る。(例えば、Thompsonら、第WO 92/16221号明細書(その教示全体は引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい。)
【0073】
本発明の修飾抗体は、抗体若しくは抗原結合フラグメントを修飾剤と反応させることにより製造し得る。例えば、アミン反応性の修飾剤、例えばPEGのNHSエステルを使用することにより、有機部分を部位非特異的様式で抗体に結合し得る。修飾抗体若しくは抗原結合フラグメントはまた、抗体若しくは抗原結合フラグメントのジスルフィド結合(例えば鎖内ジスルフィド結合)を還元することによっても製造し得る。還元された抗体若しくは抗原結合フラグメントをその後、チオール反応性の修飾剤と反応させて本発明の修飾抗体を製造し得る。本発明の抗体の特定の部位に結合されている有機部分を含んでなる修飾ヒト抗体および抗原結合フラグメントは、逆タンパク質分解(Fischら、Bioconjugate Chem.、3:147−153(1992);Werlenら、Bioconjugate Chem.、5:411−417(1994);Kumaranら、Protein Sci.6(10):2233−2241(1997);Itohら、Bioorg.Chem.、24(1):59−68(1996);Capellasら、Biotechnol.Bioeng.、56(4):456−463(1997))、およびHermanson,G.T.、Bioconjugate Techniques、Academic Press:カリフォルニア州サンディエゴ(1996)に記述される方法のような適する方法を使用して製造し得る。
【0074】
抗体組成物に対する抗イディオタイプ抗体
B細胞増殖剤の使用により生成されるモノクローナル抗体に加え、本発明は、本発明のこうした抗体に特異的な抗イディオタイプ(抗Id)抗体にもまた向けられる。抗Id抗体は、別の抗体の抗原結合領域と一般に会合する独特の決定子を認識する抗体である。抗Idは、Id抗体の供給源と同一の種および遺伝子型の動物(例えばマウス系統)を、該抗体若しくはそのCDR含有領域で免疫感作することにより製造し得る。免疫した動物は、免疫抗体のイディオタイプ決定子を認識かつそれに応答することができ、そして抗Id抗体を産生することができる。抗Id抗体は、なお別の動物で免疫応答を誘導していわゆる抗抗Id抗体を産生するための「免疫原」としてもまた使用しうる。
【0075】
本発明は、天然に存在しない組成物、混合物若しくは形態で提供される、本明細書に記述されかつ/若しくは当該技術分野で既知のところの、最低1、最低2、最低3、最低4、最低5、最低6若しくはそれ以上のそれらの抗体を含んでなる最低1種の抗体組成物もまた提供する。こうした組成物は、該抗体のアミノ酸配列またはそれらの指定されるフラグメント、ドメイン若しくはバリアントの多様な同一性パーセントをもつ最低1若しくは2種の完全長、Cおよび/若しくはN末端欠失バリアント、ドメイン、フラグメントまたは指定されるバリアントを含んでなる天然に存在しない組成物を含んでなる。組成のパーセントは、当該技術分野で既知若しくは本明細書に記述されるところの液体若しくは乾燥溶液、混合物、懸濁液、乳剤、粒子、粉末またはコロイドとして、重量、容量、濃度、容積モル濃度若しくは重量モル濃度でである。
【0076】
さらなる治療的有効成分を含んでなる抗体組成物
本発明の抗体組成物は、場合によっては、抗感染症薬、心血管(CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、気道薬、胃腸(GI)管薬、ホルモン薬、液体若しくは電解質バランスのための薬物、血液製剤、抗腫瘍薬、免疫調節薬、眼、耳若しくは鼻の薬物、局所薬、栄養薬などの最低1種から選択される最低1種の化合物若しくはタンパク質の有効量をさらに含み得る。本明細書に提示されるそれぞれの製剤、適応症、投薬および投与を包含するこうした薬物は当該技術分野で公知である(例えば、Nursing 2001 Handbook of Drugs、第21版、Springhouse Corp.、ペンシルバニア州スプリングハウス、2001;Health Professional’s Drug Guide 2001、Shannon、Wilson、Stang編、Prentice−Hall,Inc.、ニュージャージー州アッパーサドルリバー;Pharmcotherapy Handbook、Wellsら編、Appleton & Lange、コネチカット州スタンフォード(それぞれそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
【0077】
抗感染症薬は、殺アメーバ薬若しくは最低1種の抗原虫薬、駆虫薬、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗結核薬若または最低1種の抗らい薬、アミノグリコシド、ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、スルホンアミド、フルオロキノロン、抗ウイルス薬、マクロライド抗感染薬および雑多な抗感染薬から選択される最低1種であり得る。CV薬は、変力薬、抗不整脈薬、抗狭心症薬、降圧薬、抗高脂血症薬および雑多な心血管薬から選択される最低1種であり得る。CNS薬は、非麻薬性鎮痛薬から選択される最低1種、または解熱薬、非ステロイド性抗炎症薬、麻薬性若しくは最低1種のオピオイド鎮痛薬、鎮静睡眠薬、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、中枢神経系興奮薬、抗パーキンソン病薬および雑多な中枢神経系薬から選択される最低1種であり得る。ANS薬は、コリン作動薬(副交感神経興奮薬)、抗コリン薬、アドレナリン作動薬(交感神経興奮薬)、アドレナリン遮断薬(交感神経遮断薬)、骨格筋弛緩薬および神経筋遮断薬から選択される最低1種であり得る。気道薬は、抗ヒスタミン薬、気管支拡張薬、去痰薬若しくは最低1種の鎮咳薬、および雑多な呼吸器官用薬から選択される最低1種であり得る。GI管薬は、制酸剤または最低1種の吸着剤若しくは最低1種の抗鼓腸薬、消化酵素、あるいは最低1種の胆石溶解剤、止瀉薬、緩下剤、制吐剤および抗潰瘍薬から選択される最低1種であり得る。ホルモン薬は、コルチコステロイド、アンドロゲン若しくは最低1種の蛋白同化ステロイド、エストロゲン若しくは最低1種のプロゲスチン、ゴナドトロピン、抗糖尿病薬、または最低1種のグルカゴン、甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモンアンタゴニスト、下垂体ホルモンおよび副甲状腺様薬物から選択される最低1種であり得る。液体および電解質バランスのための薬物は、利尿薬、電解質若しくは最低1種の補給溶液(replacement solution)、酸性化薬若しくは最低1種のアルカリ性化薬から選択される最低1種であり得る。血液製剤は、造血剤、抗凝固薬、血液誘導体および血栓溶解酵素から選択される最低1種であり得る。抗腫瘍薬は、アルキル化薬、代謝拮抗薬、抗生物質性抗腫瘍薬、ホルモンバランスを変える抗腫瘍薬および雑多な抗腫瘍薬から選択される最低1種であり得る。免疫調節薬は、免疫抑制薬、ワクチン若しくは最低1種の類毒素、抗毒素若しくは最低1種の抗蛇毒、免疫血清および生物学的応答調節剤から選択される最低1種であり得る。眼、耳および鼻の薬物は、眼の抗感染薬、眼の抗炎症薬、縮瞳薬、散瞳薬、眼血管収縮薬、雑多な眼科用薬、耳用薬および鼻の薬物から選択される最低1種であり得る。局所薬は、局所抗感染薬、抗疥癬薬または最低1種の殺シラミ薬若しくは局所コルチコステロイドから選択される最低1種であり得る。栄養薬はビタミン、ミネラル若しくは熱素から選択される最低1種であり得る。例えば、Nursing 2001 Drug Handbook、上記の内容を参照されたい。
【0078】
最低1種の殺アメーバ薬若しくは抗原虫薬は、アトバクオン、塩酸クロロキン、リン酸クロロキン、メトロニダゾール、塩酸メトロニダゾールおよびイセチオン酸ペンタミジンから選択される最低1種であり得る。最低1種の駆虫薬はメベンダゾール、パモ酸ピランテルおよびチアベンダゾールから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗真菌薬は、アムホテリシンB、アムホテリシンB硫酸コレステリル複合体、アムホテリシンB脂質複合体、アムホテリシンBリポソーム製剤、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン微粒子(microsize)、グリセオフルビン超微粒子(ultramicrosize)、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ナイスタチンおよび塩酸テルビナフィンから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗マラリア薬は、塩酸クロロキン、リン酸クロロキン、ドキシサイクリン、硫酸ヒドロキシクロロキン、塩酸メフロキン、リン酸プリマキン、ピリメタミン、およびスルファドキシンを伴うピリメタミンから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗結核薬若しくは抗らい薬は、クロファジミン、シクロセリン、ダプソン、塩酸エタンブトール、イソニアジド、ピラジナミド、リファブチン、リファンピン、リファペンチンおよび硫酸ストレプトマイシンから選択される最低1種であり得る。最低1種のアミノグリコシドは、硫酸アミカシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸ネオマイシン、硫酸ストレプトマイシンおよび硫酸トブラマイシンから選択される最低1種であり得る。最低1種のペニシリンは、アモキシシリン/クラブラン酸カリウム、アモキシシリン三水和物、アンピシリン、アンピシリンナトリウム、アンピシリン三水和物、アンピシリンナトリウム/スルバクタムナトリウム、クロキサシリンナトリウム、ジクロキサシリンナトリウム、メズロシリンナトリウム、ナフシリンナトリウム、オキサシリンナトリウム、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンGカリウム、ペニシリンGプロカイン、ペニシリンGナトリウム、ペニシリンVカリウム、ピペラシリンナトリウム、ピペラシリンナトリウム/タゾバクタムナトリウム、チカルシリン二ナトリウムおよびチカルシリン二ナトリウム/クラブラン酸カリウムから選択される最低1種であり得る。最低1種のセファロスポリンは、セファクロル、セファドロキシル、セファゾリンナトリウム、セフジニル、塩酸セフェピム、セフィキシム、セフメタゾールナトリウム、セフォニシドナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフォキシチンナトリウム、セフポドキシムプロキセチル、セフプロジル、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシムナトリウム、セフトリアキソンナトリウム、セフロキシムアキセチル、セフロキシムナトリウム、塩酸セファレキシン、セファレキシン一水和物、セフラジンおよびロラカルベフから選択される最低1種であり得る。最低1種のテトラサイクリンは、塩酸デメクロサイクリン、ドキシサイクリンカルシウム、ドキシサイクリンヒクラート、塩酸ドキシサイクリン、ドキシサイクリン一水和物、塩酸ミノサイクリンおよび塩酸テトラサイクリンから選択される最低1種であり得る。最低1種のスルホンアミドは、コトリモキサゾール(co−trimoxazole)、スルファジアジン、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾールおよびスルフイソキサゾールアセチルから選択される最低1種であり得る。最低1種のフルオロキノロンは、メシル酸アラトロフロキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、レボフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシンおよびメシル酸トロバフロキサシンから選択される最低1種であり得る。最低1種のフルオロキノロンは、メシル酸アラトロフロキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、レボフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、スパルフロキサシンおよびメシル酸トロバフロキサシンから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗ウイルス薬は、硫酸アバカビル、アシクロビルナトリウム、塩酸アマンタジン、アンプレナビル、シドフォビル、メシル酸デラビルジン、ジダノシン、エファビレンズ、ファムシクロビル、フォミビルセンナトリウム、ホスカルネットナトリウム、ガンシクロビル、硫酸インジナビル、ラミブジン、ラミブジン/ジドブジン、メシル酸ネルフィナビル、ネビラピン、リン酸オセルタミビル、リバビリン、塩酸リマンタジン、リトナビル、サキナビル、メシル酸サキナビル、スタブジン、塩酸バラシクロビル、ザルシタビン、ザナミビルおよびジドブジンから選択される最低1種であり得る。最低1種のマクロライン抗感染薬は、アジトロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン塩基、エリスロマイシンエストレート、エチルコハク酸エリスロマイシン、ラクトビオン酸エリスロマイシンおよびステアリン酸エリスロマイシンから選択される最低1種であり得る。最低1種の雑多な抗感染薬は、アズトレオナム、バシトラシン、コハク酸クロラムフェニコールナトリウム、塩酸クリンダマイシン、塩酸パルミチン酸クリンダマイシン、リン酸クリンダマイシン、イミペネムおよびシラスタチンナトリウム、メロペネム、ニトロフラントイン大結晶、ニトロフラントイン微結晶、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、塩酸スペクチノマイシン、トリメトプリムおよび塩酸バンコマイシンから選択される最低1種であり得る。(例えばNursing 2001 Drug Handbookのpp.24〜214を参照されたい。)
最低1種の変力薬は、乳酸アムリノン、ジゴキシンおよび乳酸ミルリノンから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗不整脈薬は、アデノシン、塩酸アミオダロン、硫酸アトロピン、トシル酸ブレチリウム、塩酸ジルチアゼム、ジソピラミド、リン酸ジソピラミド、塩酸エスモロール、酢酸フレカイニド、フマル酸イブチリド、塩酸リドカイン、塩酸メキシレチン、塩酸モリシジン、フェニトイン、フェニトインナトリウム、塩酸プロカインアミド、塩酸プロパフェノン、塩酸プロプラノロール、硫酸水素キニジン、グルコン酸キニジン、ポリガラクツロン酸キニジン、硫酸キニジン、ソタロール、塩酸トカイニドおよび塩酸ベラパミルから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗狭心症薬は、ベシル酸アムロジピン、亜硝酸アミル、塩酸ベプリジル、塩酸ジルチアゼム、硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、ナドロール、塩酸ニカルジピン、ニフェジピン、ニトログリセリン、塩酸プロプラノロール、ベラパミルおよび塩酸ベラパミルから選択される最低1種であり得る。最低1種の降圧薬は、塩酸アセブトロール、ベシル酸アムロジピン、アテノロール、塩酸ベナゼプリル、塩酸ベタキソロール、フマル酸ビソプロロール、カンデサルタンシレキセチル、カプトプリル、塩酸カルテオロール、カルベジロール、クロニジン、塩酸クロニジン、ジアゾキシド、塩酸ジルチアゼム、メシル酸ドキサゾシン、エナラプリラート、マレイン酸エナラプリル、メシル酸エプロサルタン、フェロジピン、メシル酸フェノルドパム、ホシノプリルナトリウム、酢酸グアナベンズ、硫酸グアナドレル、塩酸グアンファシン、塩酸ヒドララジン、イルベサルタン、イスラジピン、塩酸ラベタロール、リシノプリル、ロサルタンカリウム、メチルドパ、メチルドペート(methyldopate)塩酸塩、コハク酸メトプロロール、酒石酸メトプロロール、ミノキシジル、塩酸モエキシプリル、ナドロール、塩酸ニカルジピン、ニフェジピン、ニソルジピン、ニトロプルシドナトリウム、硫酸ペンブトロール、ペリンドプリルエルブミン、メシル酸フェントラミン、ピンドロール、塩酸プラゾシン、塩酸プロプラノロール、塩酸キナプリル、ラミプリル、テルミサルタン、塩酸テラゾシン、マレイン酸チモロール、トランドラプリル、バルサルタンおよび塩酸ベラパミルから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗高脂血症薬は、アトロバスタチンカルシウム、セリバスタチンナトリウム、コレスチラミン、塩酸コレスチポール、フェノフィブラート(微粉末)、フルバスタチンナトリウム、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、ナイアシン、プラバスタチンナトリウムおよびシンバスタチンから選択される最低1種であり得る。最低1種の雑多なCV薬は、アブシキシマブ、アルプロスタジル、塩酸アルブタミン、シロスタゾール、重硫酸クロピドグレル、ジピリダモール、エプチフィバチド、塩酸ミドドリン、ペントキシフィリン、塩酸チクロピジンおよび塩酸チロフィバンから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.215〜336を参照されたい。)
【0079】
最低1種の非麻薬性鎮痛薬若しくは解熱薬は、アセトアミノフェン、アスピリン、コリンマグネシウムトリサリチル酸、ジフルニサルおよびサリチル酸マグネシウムから選択される最低1種であり得る。最低1種の非ステロイド性抗炎症薬は、セレコキシブ、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム、エトドラク、フェノプロフェンカルシウム、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、インドメタシンナトリウム三水和物、ケトプロフェン、ケトロラクトロメタミン、ナブメトン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン、ピロキシカム、ロフェコキシブおよびスリンダクから選択される最低1種であり得る。最低1種の麻薬性若しくはオピオイド鎮痛薬は、塩酸アルフェンタニル、塩酸ブプレノルフィン、酒石酸ブトルファノール、リン酸コデイン、硫酸コデイン、クエン酸フェンタニル、フェンタニル経皮系、フェンタニル経粘膜、塩酸ヒドロモルホン、塩酸メペリジン、塩酸メサドン、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、酒石酸モルヒネ、塩酸ナルブフィン、塩酸オキシコドン、ペクチン酸オキシコドン、塩酸オキシモルホン、塩酸ペンタゾシン、塩酸ペンタゾシンおよび塩酸ナロキソン、乳酸ペンタゾシン、塩酸プロポキシフェン、ナプシル酸プロポキシフェン、塩酸レミフェンタニル、クエン酸スフェンタニル、ならびに塩酸トラマドールから選択される最低1種であり得る。最低1種の鎮静睡眠薬は、抱水クロラール、エスタゾラム、塩酸フルラゼパム、ペントバルビタール、ペントバルビタールナトリウム、フェノバルビタールナトリウム、セコバルビタールナトリウム、テマゼパム、トリアゾラム、ザレプロンおよび酒石酸ゾルピデムから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗痙攣薬は、アセタゾラミドナトリウム、カルバマゼピン、クロナゼパム、クロラゼプ酸二カリウム、ジアゼパム、ジバルプロエックスナトリウム、エトスクシムド、ホスフェニトインナトリウム、ギャバペンチン、ラモトリジン、硫酸マグネシウム、フェノバルビタール、フェノバルビタールナトリウム、フェニトイン、フェニトインナトリウム、フェニトインナトリウム(徐放性)、プリミドン、塩酸タイアガビン、トピラメート、バルプロ酸ナトリウムおよびバルプロ酸から選択される最低1種であり得る。最低1種の抗うつ薬は、塩酸アミトリプチリン、パモ酸アミトリプチリン、アモキサピン、塩酸ブプロピオン、臭化水素酸シタロプラム、塩酸クロミプラミン、塩酸デシプラミン、塩酸ドキセピン、塩酸フルオキセチン、塩酸イミプラミン、パモ酸イミプラミン、ミルタザピン、塩酸ネファゾドン、塩酸ノルトリプチリン、塩酸パロキセチン、硫酸フェネルジン、塩酸セルトラリン、硫酸トラニルシプロミン、マレイン酸トリミプラミンおよび塩酸ベンラファキシンから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗不安薬は、アルプラゾラム、塩酸ブスピロン、クロルジアセポキシド、塩酸クロルジアセポキシド、クロラゼプ酸二カリウム、ジアゼパム、塩酸ドキセピン、ヒドロキシジンエンボネート、塩酸ヒドロキシジン、パモ酸ヒドロキシジン、ロラゼパム、メフロバメート、塩酸ミダゾラムおよびオキサゼパムから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗精神病薬は、塩酸クロルプロマジン、クロザピン、デカン酸フルフェナジン、エナント酸フルエフェナジン、塩酸フルフェナジン、ハロペリドール、デカン酸ハロペリドール、乳酸ハロペリドール、塩酸ロキサピン、コハク酸ロキサピン、ベシル酸メソリダジン、塩酸モリンドン、オランザピン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、フマル酸ケチアピン、リスペリドン、塩酸チオリダジン、チオチキセン、塩酸チオチキセンおよび塩酸トリフルオペラジンから選択される最低1種であり得る。最低1種の中枢神経系興奮薬は、硫酸アンフェタミン、カフェイン、硫酸デキストロアンフェタミン、塩酸ドキサプラム、塩酸メタンフェタミン、塩酸メチルフェニデート、モダフィニル、ペモリンおよび塩酸フェンテルミンから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗パーキンソン病薬は、塩酸アマンタジン、メシル酸ベンズトロピン、塩酸ビペリデン、乳酸ビペリデン、メシル酸ブロモクリプチン、カルビドパ−レボドパ、エンタカポン、レボドパ、メシル酸ペルゴリド、二塩酸プラミペキソール(pramipexole dihydrochloride)、塩酸ロピニロール、塩酸セレギリン、トルカポンおよび塩酸トリヘキシフェニジルから選択される最低1種であり得る。最低1種の雑多な中枢神経系薬は、塩酸ブプロピオン、塩酸ドネペジル、ドロペリドール、マレイン酸フルボキサミン、炭酸リチウム、クエン酸リチウム、塩酸ナラトリプタン、ニコチンポラクリレックス、ニコチン経皮系、プロポフォール、安息香酸リザトリプタン、塩酸シブトラミン一水和物、コハク酸スマトリプタン、塩酸タクリンおよびゾルミトリプタンから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.337〜530を参照されたい。)
【0080】
最低1種のコリン作動薬(例えば副交感神経興奮薬)は、塩化ベタネコール、塩化エドロホニウム、臭化ネオスチグミン、メチル硫酸ネオスチグミン、サリチル酸フィゾスチグミンおよび臭化ピリドスチグミンから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗コリン作動薬は、硫酸アトロピン、塩酸ジシクロミン、グリコピロール酸、ヒヨスチアミン、硫酸ヒヨスチアミン、臭化プロパンテリン、スコポラミン、ブチル臭化スコポラミンおよび臭化水素酸スコポラミンから選択される最低1種であり得る。最低1種のアドレナリン作動薬(交感神経興奮薬)は、塩酸ドブタミン、塩酸ドパミン、酒石酸水素メタラミノール、酒石酸水素ノルエピネフリン、塩酸フェニレフリン、塩酸プソイドエフェドリンおよび硫酸プソイドエフェドリンから選択される最低1種であり得る。最低1種のアドレナリン遮断薬(交感神経遮断薬)は、メシル酸ジヒドロエルゴタミン、酒石酸エルゴタミン、マレイン酸メチセルギドおよび塩酸プロプラノロールから選択される最低1種であり得る。最低1種の骨格筋弛緩薬は、バクロフェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、塩酸シクロベンザプリン、ダントロレンナトリウム、メトカルバモールおよび塩酸チザニジンから選択される最低1種であり得る。最低1種の神経筋遮断薬は、ベシル酸アトラクリウム、ベシル酸シサトラクリウム、塩化ドキサクリウム、塩化ミバクリウム、臭化パンクロニウム、臭化ピペクロニウム、臭化ラパクロニウム、臭化ロクロニウム、塩化スクシニルコリン、塩化ツボクラリンおよび臭化ベクロニウムから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.531〜84を参照されたい。)
【0081】
最低1種の抗ヒスタミン薬は、マレイン酸ブロムフェニラミン、塩酸セチリジン、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸フェキソフェナジン、ロラタジン、塩酸プロメタジン、テオクル酸プロメタジンおよび塩酸トリプロリジンから選択される最低1種であり得る。最低1種の気管支拡張薬は、アルブテロール、硫酸アルブテロール、アミノフィリン、硫酸アトロピン、硫酸エフェドリン、エピネフリン、酒石酸水素エピネフリン、塩酸エピネフリン、臭化イプラトロピウム、イソプロテレノール、塩酸イソプロテレノール、硫酸イソプロテレノール、塩酸レバルブテロール、硫酸メタプロテレノール、オキシトリフィリン、酢酸ピルブテロール、キシナホ酸サルメテロール、硫酸テルブタリンおよびテオフィリンから選択される最低1種であり得る。最低1種の去痰薬若しくは鎮咳薬は、ベンゾナテート、リン酸コデイン、硫酸コデイン、臭化水素酸デキストラメトルファン、塩酸ジフェンヒドラミン、グアイフェネシンおよび塩酸ヒドロモルホンから選択される最低1種であり得る。最低1種の雑多な呼吸器官用薬は、アセチルシステイン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベラクタント、ブデソニド、カルファクタント、クロモリンナトリウム、ドルナーゼアルファ、エポプロステノールナトリウム、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン、モンテルカストナトリウム、ネドクロミルナトリウム、パリビズマブ、トリアムシノロンアセトニド、ザフィルルカストおよびジロートンから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.585〜642を参照されたい。)
【0082】
最低1種の制酸剤、吸着剤若しくは抗鼓腸薬は、炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、マガルドラート、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、ジメチコンおよび炭酸水素ナトリウムから選択される最低1種であり得る。最低1種の消化酵素若しくは胆石溶解剤は、パンクレアチン、パンクレリパーゼおよびウルソジオールから選択される最低1種であり得る。最低1種の止瀉薬は、アタパルジャイト、次サリチル酸ビスマス、カルシウムポリカルボフィル、塩酸ジフェノキシレートおよび硫酸アトロピン、ロペラミド、酢酸オクトレオチド、アヘンチンキ、ならびにアヘンチンキ(カンファー入り(camphorated))から選択される最低1種であり得る。最低1種の緩下剤は、ビサコジル、カルシウムポリカルボフィル、カスカラサグラダ、カスカラサグラダ芳香流エキス、カスカラサグラダ流エキス、ヒマシ油、ドキュセートカルシウム、ドキュセートナトリウム、グリセリン、ラクツロース、クエン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、メチルセルロース、鉱物油、ポリエチレングリコール若しくは電解質溶液、オオバコ、センナおよびリン酸ナトリウムから選択される最低1種であり得る。最低1種の制吐剤は、塩酸クロルプロマジン、ジメンヒドリナート、メシル酸ドラセトロン、ドロナビノール、塩酸グラニセトロン、塩酸メクリジン、塩酸メトクロプロアミド、塩酸オンダンセトロン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、エジシル酸プロクロルペラジン、マレイン酸プロクロルペラジン、塩酸プロメタジン、スコポラミン、マレイン酸チエチルペラジンおよび塩酸トリメトベンズアミドから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗潰瘍薬は、シメチジン、塩酸シメチジン、ファモチジン、ランソプラゾール、ミソプロストール、ニザチジン、オメプラゾール、ラベプロゾールナトリウム、ランチジンクエン酸ビスマス、塩酸ラニチジンおよびスクラルファートから選択される最低1種であり得る。(例えばNursing 2001 Drug Handbookのpp.643〜95を参照されたい。)
【0083】
最低1種のコルチコステロイドは、ベタメタゾン、酢酸ベタメタゾン若しくはリン酸ベタメタゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム、酢酸コルチゾン、デキサメサゾン、酢酸デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、酢酸フルドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシピオナート、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、テブト酸プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニドおよび酢酸トリアムシノロンから選択される最低1種であり得る。最低1種のアンドロゲン若しくは蛋白同化ステロイドは、ダナゾール、フルオキシメステロン、メチルテストステロン、デカン酸ナンドロロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、テストステロン、テストステロンシピオナート、エナント酸テストステロン、プロピオン酸テストステロンおよびテストステロン経皮系から選択される最低1種であり得る。最低1種のエストロゲン若しくはプロゲスチンは、エステル化エストロゲン、エストラジオール、エストラジオールシピオナート、酢酸エストラジオール/ノルエチンドロン経皮系、吉草酸エストラジオール、エストロゲン(抱合)、エストロピペート、エチニルエストラジオール、エチニルエストラジオールおよびデソゲストレル、エチニルエストラジオールおよび酢酸エチノジオール、エチニルエストラジオールおよびデソゲストレル、エチニルエストラジオールおよび酢酸エチノジオール、エチニルエストラジオールおよびレボノルゲストレル、エチニルエストラジオールおよびノルエチンドロン、エチニルエストラジオールおよび酢酸ノルエチンドロン、エチニルエストラジオールおよびノルゲスチメート、エチニルエストラジオールおよびノルゲストレル、エチニルエストラジオールおよびノルエチンドロンならびに酢酸およびフマル酸鉄、レボノルゲストレル、酢酸メドロキシプロゲステロン、メストラノールおよびノルエチンドロン、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲストレル、ならびにプロゲステロンから選択される最低1種であり得る。最低1種のゴナドロプトロピンは、酢酸ガニレリックス、酢酸ゴナドレリン、酢酸ヒストレリンおよびメノトロピンから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗糖尿病薬若しくはグルカオンは、アカルボース、クロルプロパミド、グリメピリド、グリピジド、グルカゴン、グリブリド、インスリン、塩酸メトフォルミン、ミグリトール、塩酸ピオグリタゾン、レパグリニド、マレイン酸ロシグリタゾンおよびトログリタゾンから選択される最低1種であり得る。最低1種の甲状腺ホルモンは、レボチロキシンナトリウム、リオチロニンナトリウム、リオトリックスおよび甲状腺から選択される最低1種であり得る。最低1種の甲状腺ホルモンアンタゴニストは、メチマゾール、ヨウ化カリウム、ヨウ化カリウム(飽和溶液)、プロピルチオウラシル、放射活性ヨウ素(ヨウ化ナトリウム131I)および濃ヨウ素溶液から選択される最低1種であり得る。最低1種の下垂体ホルモンは、コルチコトロピン、コシントロピン、酢酸デスモフレシン、酢酸リュープロリド、貯蔵型(repository)コルチコトロピン、ソマトレム、ソマトロピンおよびバソプレシンから選択される最低1種であり得る。最低1種の副甲状腺様薬物は、カルシフェジオール、カルシトニン(ヒト)、カルシトニン(サケ)、カルシトリオール、ジヒドロタキステロールおよびエチドロン酸二ナトリウムから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.696〜796を参照されたい。)
【0084】
最低1種の利尿薬は、アセタゾラミド、アセタゾラミドナトリウム、塩酸アミロリド、ブメタニド、クロルタリドン、エタクリン酸ナトリウム、エタクリン酸、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、マンニトール、メトラゾン、スピロノラクトン、トルセミド、トリアムテレンおよび尿素から選択される最低1種であり得る。最低1種の電解質若しくは補給溶液は、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオナートカルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム(第二)、リン酸カルシウム(第三)、デキストラン(高分子量)、デキストラン(低分子量)、ヘタスターチ、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、リンゲル液、リンゲル液(乳酸加)、および塩化ナトリウムから選択される最低1種であり得る。最低1種の酸性化剤若しくはアルカリ性化剤は、炭酸水素ナトリウム、乳酸ナトリウムおよびトロメタミンから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.797〜833を参照されたい。)
最低1種の造血剤は、フマル酸鉄、グルコン酸鉄、硫酸鉄、硫酸鉄(乾燥)、鉄デキストラン、鉄ソルビトール、多糖−鉄複合体およびグルコン酸鉄ナトリウム錯体から選択される最低1種であり得る。最低1種の抗凝固薬は、アルデパリンナトリウム、ダルテパリンナトリウム、ダナパロイドナトリウム、エノキサパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ヘパリンナトリウムおよびワルファリンナトリウムから選択される最低1種であり得る。最低1種の血液誘導体は、5%アルブミン、25%アルブミン、抗血友病因子、抗阻害剤凝固薬(anti−inhibitor coagulant)複合体、アンチトロンビンIII(ヒト)、第IX因子(ヒト)、第IX因子複合体および血漿タンパク質画分から選択される最低1種であり得る。最低1種の血栓溶解酵素は、アルテプラーゼ、アニストレプラーゼ、レテプラーゼ(組換え)、ストレプトキナーゼおよびウロキナーゼから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.834〜66を参照されたい。)
【0085】
最低1種のアルキル化薬は、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、イホスファミド、ロムスチン、塩酸メクロレタミン、メルファラン、塩酸メルファラン、ストレプトゾシン、テモゾロミドおよびチオテパから選択される最低1種であり得る。最低1種の代謝拮抗薬は、カペシタビン、クラドリビン、シタラビン、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウムおよびチオグアニンから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗生物質性抗腫瘍薬は、硫酸ブレオマイシン、ダクチノマイシン、クエン酸ダウノルビシンリポソーム製剤、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシンリポソーム製剤、塩酸エピルビシン、塩酸イダルビシン、マイトマイシン、ペントスタチン、プリカマイシンおよびバルルビシンから選択される最低1種であり得る。ホルモンバランスを変える最低1種の抗腫瘍薬は、アナストロゾール、ビカルタミド、リン酸エストラムスチンナトリウム、エキセメスタン、フルタミド、酢酸ゴセレリン、レトロゾール、酢酸リュープロリド、酢酸メゲストロール、ニルタミド、クエン酸タモキシフェン、テストラクトンおよびクエン酸トレミフェンから選択される最低1種であり得る。最低1種の雑多な抗腫瘍薬は、アスパラギナーゼ、カルメット−ゲラン桿菌(BCG)(生菌 膀胱内)、ダカルバジン、ドセタキセル、エトポシド、リン酸エトポシド、塩酸ゲムシタビン、塩酸イリノテカン、ミトタン、塩酸ミトキサントロン、パクリタキセル、ペグアスパルガーゼ、ポルフィマーナトリウム、塩酸プロカルバジン、リツキシマブ、テニポシド、塩酸トポテカン、トラスツズマブ、トレチノイン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチンおよび酒石酸ビノレルビンから選択される最低1種であり得る。(例えばNursing 2001 Drug Handbookのpp.867〜963を参照されたい。)
【0086】
最低1種の免疫抑制薬は、アザチオプリン、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ、リンパ球免疫グロブリン、ムロモナブ−CD3、ミコフェノール酸モフェチル、塩酸ミコフェノール酸モフェチル、シロリムスおよびタクロリムスから選択される最低1種であり得る。最低1種のワクチン若しくは類毒素は、BCGワクチン、コレラワクチン、ジフテリアおよび破傷風類毒素(吸着)、ジフテリアおよび破傷風類毒素ならびに無細胞百日咳吸着ワクチン、ジフテリアおよび破傷風類毒素ならびに全細胞百日咳ワクチン、ヘモフィリウス属(Haemophilius)b複合ワクチン、A型肝炎ワクチン(不活化)、B型肝炎ワクチン(組換え)、インフルエンザウイルスワクチン1999〜2000年三価AおよびB型(精製表面抗原)、インフルエンザウイルスワクチン1999〜2000年三価AおよびB型(サブビリオン若しくは精製サブビリオン)、インフルエンザウイルスワクチン1999〜2000年三価AおよびB型(全ビリオン)、日本脳炎ウイルスワクチン(不活化)、ライム病ワクチン(組換えOspA)、麻疹および流行性耳下腺炎および風疹ウイルスワクチン(生)、麻疹および流行性耳下腺炎および風疹ウイルスワクチン(生 弱毒化)、麻疹ウイルスワクチン(生 弱毒化)、髄膜炎菌多糖ワクチン、流行性耳下腺炎ウイルスワクチン(生)、ペストワクチン、肺炎球菌ワクチン(多価)、ポリオウイルスワクチン(不活化)、ポリオウイルスワクチン(生、経口、三価)、狂犬病ワクチン(吸着)、狂犬病ワクチン(ヒト二倍体細胞)、風疹および流行性耳下腺炎ウイルスワクチン(生)、風疹ウイルスワクチン(生、弱毒化)、破傷風類毒素(吸着)、破傷風類毒素(液体)、腸チフスワクチン(経口)、腸チフスワクチン(非経口)、腸チフスVi多糖ワクチン、水痘ウイルスワクチン、ならびに黄熱病ワクチンから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗毒素若しくは抗蛇毒は、クロゴケグモ抗蛇毒、マムシ科(Crotalidae)抗蛇毒(多価)、ジフテリア抗毒素(ウマ)、およびアメリカサンゴヘビ(Micrurus fulvius)抗蛇毒から選択される最低1種であり得る。最低1種の免疫血清は、サイトメガロウイルス免疫グロブリン(静脈内)、B型肝炎免疫グロブリン(ヒト)、免疫グロブリン筋肉内、免疫グロブリン静脈内、狂犬病免疫グロブリン(ヒト)、RSウイルス免疫グロブリン静脈内(ヒト)、Rh(D)免疫グロブリン(ヒト)、Rh(D)免疫グロブリン静脈内(ヒト)、破傷風免疫グロブリン(ヒト)および水痘・帯状疱疹免疫グロブリンから選択される最低1種であり得る。最低1種の生物学的応答調節剤は、アルデスロイキン、エポエチンアルファ、フィルグラスチム、注射用酢酸グラチラマー、インターフェロンアルファコン−1、インターフェロンα−2a(組換え)、インターフェロンα−2b(組換え)、インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b(組換え)、インターフェロンγ−1b、塩酸レバミソール、オプレルベキンおよびサルグラモスチムから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.964〜1040を参照されたい。)
【0087】
最低1種の眼の抗感染薬は、バシトラシン、クロラムフェニコール、塩酸シプロフロキサシン、エリスロマイシン、硫酸ゲンタマイシン、0.3%オフロキサシン、硫酸ポリミキシンB、10%スルファセタミドナトリウム、15%スルファセタミドナトリウム、30%スルファセタミドナトリウム、トブラマイシンおよびビダラビンから選択され得る。最低1種の眼の抗炎症薬は、デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、0.1%ジクロフェナクナトリウム、フルオロメトロン、フルルビプロフェンナトリウム、ケトロラクトロメタミン、酢酸プレドニゾロン(懸濁液)およびリン酸プレドニゾロンナトリウム(溶液)から選択される最低1種であり得る。最低1種の縮瞳薬は、塩化アセチルコリン、カルバコール(眼内)、カルバコール(局所)、ヨウ化エコチオファート、ピロカルピン、塩酸ピロカルピンおよび硝酸ピロカルピンから選択される最低1種であり得る。最低1種の散瞳薬は、硫酸アトロピン、塩酸シクロペントラート、塩酸エピネフリン、ホウ酸エピネフリル、臭化水素酸ホマトロピン、塩酸フェニレフリン、臭化水素酸スコポラミンおよびトロピカミドから選択される最低1種であり得る。最低1種の眼血管収縮薬は、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリンおよび塩酸テトラヒドロゾリンから選択される最低1種であり得る。最低1種の雑多な眼科用薬は、塩酸アプラクロニジン、塩酸ベタキソロール、酒石酸ブリモニジン、塩酸カルテオロール、塩酸ジピベフリン、塩酸ドルゾラミド、フマル酸エメダスチン、フルオレセインナトリウム、フマル酸ケトチフェン、ラタノプロスト、塩酸レボブノロール、塩酸メチプラノロール、塩化ナトリウム(高張)およびマレイン酸チモロールから選択される最低1種であり得る。最低1種の耳用薬は、ホウ酸、過酸化カルバミド、クロラムフェニコールおよびオレイン酸トリエタノールアミンポリペプチド縮合物(triethanolamine polypeptide oleate−condensate)から選択される最低1種であり得る。最低1種の鼻用薬は、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、硫酸エフェドリン、塩酸エピネフリン、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸テトラヒドロゾリン、トリアムシノロンアセトニドおよび塩酸キシロメタゾリンから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.1041〜97を参照されたい。)
【0088】
最低1種の局所抗感染薬は、アシクロビル、アムホテリシンB、アゼライン酸クリーム、バシトラシン、硝酸ブトコナゾール、リン酸クリンダマイシン、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、エリスロマイシン、硫酸ゲンタマイシン、ケトコナゾール、酢酸マフェニド、メトロニダゾール(局所)、硝酸ミコナゾール、ムピロシン、塩酸ナフチフィン、硫酸ネオマイシン、ニトロフラゾン、ナイスタチン、スルファジアジン銀、塩酸テルビナフィン、テルコナゾール、塩酸テトラサイクリン、チオコナゾールおよびトルナフテートから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗疥癬薬若しくは殺シラミ薬は、クロタミトン、リンダン、ペルメトリンおよびピレトリンから選択される最低1種であり得る。最低1種の局所コルチコステロイドは、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、酢酸ジフロラゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、ハルシオニド、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、フロ酸モメタゾンおよびトリアムシノロンアセトニドから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.1098〜1136を参照されたい。)
【0089】
最低1種のビタミン若しくはミネラルは、ビタミンA、ビタミンB群、シアノコバラミン、葉酸、ヒドロキソコバラミン、ロイコボリンカルシウム、ナイアシン、ナイアシンアミド、塩酸ピリドキシン、リボフラビン、塩酸チアミン、ビタミンC、ビタミンD、コレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール、ビタミンDアナログ、ドキセルカルシフェロール、パリカルシトール、ビタミンE、ビタミンKアナログ、フィトナジオン、フッ化ナトリウム、フッ化ナトリウム(局所)、微量元素、クロム、銅、ヨウ素、マンガン、セレンおよび亜鉛から選択される最低1種であり得る。最低1種の熱素は、アミノ酸輸液(結晶)、ブドウ糖中アミノ酸輸液、電解質を含むアミノ酸輸液、ブドウ糖中電解質を含むアミノ酸輸液、肝不全のためのアミノ酸輸液、高代謝性侵襲のためのアミノ酸輸液、腎不全のためのアミノ酸輸液、ブドウ糖、脂肪乳剤、および中鎖トリグリセリドから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.1137〜63を参照されたい。)
【0090】
本発明の抗体組成物は、最低1種のTNFアンタゴニスト(限定されるものでないがTNFの化学物質若しくはタンパク質アンタゴニスト、TNFのモノクローナル若しくはポリクローナル抗体またはフラグメント、可溶性TNF受容体(例えばp55、p70若しくはp85)またはフラグメント、それらの融合ポリペプチド、あるいは小分子TNFアンタゴニスト、例えばTNF結合タンパク質I若しくはII(TBP−1若しくはTBP−II)、ネレリモンマブ、インフリキシマブ、エタネルセプト、CDP−571、CDP−870、アフェリモマブ、レネルセプトなどを挙げることができる)、抗リウマチ薬(例えばメトトレキサート、オーラノフィン、金チオグルコース、アザチオプリン、エタネルセプト、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、スルファサルジン)、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬(例えばアミノグリコシド、抗真菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬、カルバペネム、セファロスポリン、フルロルキノロン、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、別の抗菌薬)、抗乾癬薬、コルチコステロイド、蛋白同化ステロイド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養薬、甲状腺薬、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止瀉薬、鎮咳薬、制吐剤、抗潰瘍薬、緩下剤、抗凝固薬、エリスロポエチン(例えばエポエチンアルファ)、フィルグラスチム(例えばG−CSF、Neupogen)、サルグラモスチム(GM−CSF、Leukine)、免疫化、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えばバシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エストロゲン受容体調節物質、散瞳薬、毛様筋調節薬、アルキル化薬、代謝拮抗薬、分裂阻害剤、放射性医薬品、抗うつ薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬、交感神経興奮薬、興奮剤、ドネペジル、タクリン、喘息医薬品、βアゴニスト、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害剤、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリン若しくはアナログ、ドルナーゼアルファ(Pulmozyme)、サイトカインあるいはサイトカインアンタゴニストから選択される最低1種を場合によってはさらに含んでなる、こうした調節、処置若しくは治療の必要な細胞、組織、器官、動物若しくは患者に接触若しくは投与される最低1種の抗体を含んでなるいずれかの適するかつ有効な量の組成物若しくは製薬学的組成物の最低1種をさらに含み得る。こうしたサイトカインの制限しない例は、限定されるものでないがIL−1ないしIL−28のいずれか(例えばIL−1、IL−2など)を挙げることができる。適する投薬量は当該技術分野で公知である。例えば、Wellsら編、Pharmacotherapy Handbook、第2版、Appleton and Lange、コネチカット州スタンフォード(2000);PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000、豪華版、Tarascon Publishing、カリフォルニア州ロマリンダ(2000)(それらの参考文献のそれぞれは引用することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0091】
こうした抗癌剤若しくは抗感染症薬は、本発明の最低1種の抗体と会合、結合、共処方若しくは共投与される毒素分子もまた包含し得る。毒素は、場合によっては病的な細胞若しくは組織を選択的に死滅させるように作用し得る。該病的な細胞は癌若しくは他の細胞であり得る。こうした毒素は、限定されるものでないが、例えばリシン、ジフテリア毒素、蛇毒若しくは細菌毒素の最低1種から選択される、精製された若しくは組換えの毒素、または毒素の最低1種の機能的細胞傷害性ドメインを含んでなる毒素フラグメントを挙げることができる。毒素という用語は、死をもたらし得る毒性ショックを包含するヒトおよび他の哺乳動物におけるいずれかの病理学的状態を引き起こしうる、いずれかの天然に存在する、変異体若しくは組換えの細菌若しくはウイルスにより産生される内毒素および外毒素双方もまた包含する。こうした毒素は、限定されるものでないが、腸管毒素原性大腸菌(E.coli)の熱不安定性エンテロトキシン(LT)、熱安定性エンテロトキシン(ST)、シゲラ属(Shigella)細胞毒、アエロモナス属(Aeromonas)エンテロトキシン、毒性ショック症候群トキシン−1(TSST−1)、ブドウ球菌(Staphylococcal)エンテロトキシンA(SEA)、B(SEB)若しくはC(SEC)、連鎖球菌(Streptococcal)エンテロトキシンなどを挙げることができる。こうした細菌は、限定されるものでないが、腸管毒素原性大腸菌(E.coli)(ETEC)、腸出血性大腸菌(E.coli)(例えば血清型0157:H7の株)のスピーシーズ、ブドウ球菌属(Staphylococcus)スピーシーズ(例えば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス ポジェンス(Staphylococcus pyogenes))、シゲラ属(Shigella)スピーシーズ(例えば志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)、ボイド赤痢菌(Shigella boydii)およびソンネ赤痢菌(Shigella sonnei))、サルモネラ属(Salmonella)スピーシーズ(例えばチフス菌(Salmonella typhi)、豚コレラ菌(Salmonella cholera−suis)、腸炎菌(Salmonella enteritidis))、クロストリジウム属(Clostridium)スピーシーズ(例えばウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、クロストリジウム ディフィシレ(Clostridium dificile)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum))、カンフロバクター属(Camphlobacter)スピーシーズ(例えばカンフロバクター ジェジュニ(Camphlobacter jejuni)、カンフロバクター フェタス(Camphlobacter fetus))、ヘリオバクター属(Heliobacter)スピーシーズ(例えばヘリオバクター ピロリ(Heliobacter pylori))、アエロモナス属(Aeromonas)スピーシーズ(例えばアエロモナス ソブリア(Aeromonas sobria)、アエロモナス ヒドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、アエロモナス カビエ(Aeromonas caviae))、プレイソモナス シゲロイデス(Pleisomonas shigelloides)、エルジナ エンテロコリティカ(Yersina enterocolitica)、ビブリオス属(Vibrios)スピーシーズ(例えばコレラ菌(Vibrios cholerae)、ビブリオス パラヘモリティクス(Vibrios parahemolyticus))、クレブシエラ属(Klebsiella)スピーシーズ、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)ならびに連鎖球菌(Streptococci)の株を挙げることができる。例えば、Stein編、INTERNAL MEDICINE、第3版、pp 1−13、Little,Brown and Co.、ボストン、(1990);Evansら編、Bacterial Infections of Humans:Epidemiology and Control、第2版、pp 239−254、Plenum Medical Book Co.、ニューヨーク(1991);Mandellら、Principles and Practice of Infectious Diseases、第3版、Churchill Livingstone、ニューヨーク(1990);Berkowら編、The Merck Manual、第16版、Merck and Co.、ニュージャージー州ローウェー、1992;Woodら、FEMS Microbiology Immunology、76:121−134(1991);Marrackら、Science、248:705−711(1990)(それらの参考文献の内容は引用することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0092】
本発明の抗体化合物、組成物若しくは組合せは、限定されるものでないが希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、塩、親油性溶媒、保存剤、アジュバントなどを挙げることができるいずれかの適する補助物質の最低1種をさらに含み得る。製薬学的に許容できる補助物質が好ましい。こうした滅菌溶液の制限しない例および製造方法は、限定されるものでないが、Gennaro編、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Co.(ペンシルバニア州イーストン)1990を挙げることができる当該技術分野で公知である。当該技術分野で公知若しくは本明細書に記述されるところの抗体、フラグメント若しくはバリアント組成物の投与様式、溶解性および/若しくは安定性に適する製薬学的に許容できる担体を慣例に選択し得る。
【0093】
本組成物で有用な製薬学的賦形剤および添加物は、限定されるものでないが、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質ならびに炭水化物(例えば、単糖、二、三、四およびオリゴ糖を包含する糖;アルジトール、アルドン酸、エステル化糖などのような誘導体化された糖;ならびに多糖若しくは糖ポリマー)を挙げることができ、それらは単独で若しくは組合せで存在し得、単独若しくは組合せで1〜99.99重量若しくは容量%を含んでなる。例示的タンパク質賦形剤は、ヒト血清アルブミン(HSA)のような血清アルブミン、組換えヒトアルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼインなどを包含する。緩衝能力においてもまた機能し得る代表的なアミノ酸/抗体成分は、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテームなどを包含する。1種の好ましいアミノ酸はグリシンである。
【0094】
本発明での使用に適する炭水化物賦形剤は、例えば、果糖、麦芽糖、ガラクトース、ブドウ糖、D−マンノース、ソルボースなどのような単糖;乳糖、ショ糖、トレハロース、セロビオースなどのような二糖;ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなどのような多糖;およびマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルチトール)、ミオイノシトールなどのようなアルジトールを包含する。本発明での使用に好ましい炭水化物賦形剤は、マンニトール、トレハロースおよびラフィノースである。
【0095】
抗体組成物は緩衝剤すなわちpH調節剤もまた包含し得;典型的には、緩衝剤は有機酸若しくは塩基から製造される塩である。代表的な緩衝剤は、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸若しくはフタル酸の塩のような有機酸の塩;トリス、塩酸トロメタミン若しくはリン酸緩衝液を包含する。本組成物での使用に好ましい緩衝剤はクエン酸塩のような有機酸塩である。
【0096】
加えて、本発明の抗体組成物は、ポリビニルピロリドン、フィコール(ポリマー糖)、デキストレート(例えば2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンのようなシクロデキストリン)、ポリエチレングリコールのようなポリマー性賦形剤/添加物、香味料、抗菌剤、甘味料、抗酸化剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば「TWEEN 20」および「TWEEN 80」のようなポリソルベート)、脂質(例えばリン脂質、脂肪酸)、ステロイド(例えばコレステロール)ならびにキレート剤(例えばEDTA)を包含し得る。
【0097】
本発明の抗体、部分若しくはバリアント組成物での使用に適するこれらならびに付加的な既知の製薬学的賦形剤および/若しくは添加物は、例えば“Remington:The Science & Practice of Pharmacy”、第19版、Williams & Williams、(1995)および“Physician’s Desk Reference”、第52版、Medical Economics、ニュージャージー州モントベール(1998)(それらの開示は引用することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)に列挙されるとおり当該技術分野で既知である。好ましい担体若しくは賦形剤物質は、炭水化物(例えば糖およびアルジトール)ならびに緩衝剤(例えばクエン酸塩)若しくはポリマー剤である。例示的一担体分子は、関節内送達に有用でありうるムコ多糖、ヒアルロン酸である。
【0098】
製剤
上に示されたとおり、本発明は、製薬学的に許容できる製剤中に最低1種の抗体を含んでなる、製薬学的若しくは家畜の使用に適する生理的食塩水若しくは選ばれた塩を含むリン酸緩衝剤を好ましくは含んでなる安定な製剤、ならびに、保存剤を含有する保存される溶液および製剤、ならびに多回使用の保存される製剤を提供する。保存される製剤は、水性希釈剤中に、最低1種の既知の、または、最低1種のフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド、クロロブタノール、塩化マグネシウム(例えば六水和物)、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびチメロサール、ポリマーよりなる群から場合によっては選択される保存剤若しくはそれらの混合物を含有する。約0.0015%またはその中のいずれかの範囲、値若しくは画分のような当該技術分野で既知のところのいかなる適する濃度若しくは混合物も使用し得る。制限しない例は、保存剤なし、約0.1〜2% m−クレゾール(例えば0.2、0.3.0.4、0.5、0.9、1.0%)、約0.1〜3%ベンジルアルコール(例えば0.5、0.9、1.1、1.5、1.9、2.0、2.5%)、約0.001〜0.5%チメロサール(例えば0.005、0.01)、約0.001〜2.0%フェノール(例えば0.05、0.25、0.28、0.5、0.9、1.0%)、0.0005〜1.0%アルキルパラベン(1種若しくは複数)(例えば0.00075、0.0009、0.001、0.002、0.005、0.0075、0.009、0.01、0.02、0.05、0.075、0.09、0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、0.9、1.0%)などを包含する。
【0099】
上に示されたとおり、本発明は、包装資材、ならびに場合によっては水性希釈剤中の処方された緩衝剤および/若しくは保存剤とともに最低1種の抗体の溶液を含んでなる最低1本のバイアルを含んでなる製品を提供し、前記包装資材は、こうした溶液を1、2、3、4、5、6、9、12、18、20、24、30、36、40、48、54、60、66、72時間若しくはそれ以上の期間にわたり保持し得ることを示すラベルを含んでなる。本発明はさらに、包装資材、凍結乾燥した最低1種の抗体を含んでなる第一のバイアル、および処方された緩衝剤若しくは保存剤の水性希釈剤を含んでなる第二のバイアルを含んでなる製品をさらに含んでなり、前記包装資材は、24時間若しくはそれ以上の時間にわたり保持し得る溶液を形成するために該最低1種の抗体を水性希釈剤で再構成することを患者に指図するラベルを含んでなる。
【0100】
本発明により使用される最低1種の抗体は、本明細書に記述されるか若しくは当該技術分野で既知であるとおり、哺乳動物細胞若しくはトランスジェニックの調製物からを包含する組換え手段により製造し得るか、または他の生物学的供給源から精製し得る。
【0101】
本発明の生成物中の最低1種の抗体の範囲は、再構成に際して生じる量、すなわち湿潤/乾燥系での場合は約1.0μg/mlから約1000mg/mlまでの濃度を包含するとは言え、より低いおよびより高い濃度が操作可能であり、そして意図される送達ベヒクルに依存し、例えば、溶液製剤は、経皮貼付剤、肺、経粘膜、または浸透圧若しくはマイクロポンプ法と異なることができる。
【0102】
好ましくは、水性希釈剤は、製薬学的に許容できる保存剤を場合によってはさらに含んでなる。好ましい保存剤は、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびチメロサール、若しくはそれらの混合物よりなる群から選択されるものを包含する。製剤中で使用される保存剤の濃度は抗菌効果を生じるのに十分な濃度である。こうした濃度は選択した保存剤に依存し、そして当業者により容易に決定される。
【0103】
他の賦形剤、例えば等張剤、緩衝剤、抗酸化剤および保存増強剤を場合によってはかつ好ましくは希釈剤に添加し得る。グリセリンのような等張剤は一般に既知濃度で使用する。生理学的に耐えられる緩衝剤を、好ましくは、改良されたpH制御を提供するために添加する。製剤は、約pH4から約pH10までのような広範なpH、および約pH5から約pH9までの好ましい範囲、および約6.0ないし約8.0の最も好ましい範囲を包括し得る。好ましくは、本発明の製剤は約6.8と約7.8の間のpHを有する。好ましい緩衝剤はリン酸緩衝液、最も好ましくはリン酸ナトリウム、とりわけリン酸緩衝生理的食塩水(PBS)を包含する。
【0104】
Tween 20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、Tween 40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、Tween 80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、Pluronic F68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー)およびPEG(ポリエチレングリコール)のような製薬学的に許容できる可溶化剤、あるいはポリソルベート20若しくは80またはポロキサマー184若しくは188、Pluronic(R)ポリル(polyl)、他のブロックコポリマーのような非イオン性界面活性剤、ならびにEDTAおよびEGTAのようなキレート剤のような他の添加物を、凝集を低下させるために該製剤若しくは組成物に場合によっては添加し得る。これらの添加物は、製剤を投与するのにポンプ若しくはプラスチック容器を使用する場合にとりわけ有用である。製薬学的に許容できる界面活性剤の存在は、タンパク質が凝集する傾向を緩和する。
【0105】
本発明の製剤は、最低1種の抗体、ならびにフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン、(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびチメロサール若しくはそれらの混合物よりなる群から選択される保存剤を水性希釈剤中で混合することを含んでなる方法により製造し得る。最低1種の抗体および保存剤を水性希釈剤中で混合することは、慣習的溶解および混合手順を使用して実施する。適する製剤を製造するため、例えば、緩衝溶液中の測定された量の最低1種の抗体を、所望の濃度のタンパク質および保存剤を提供するのに十分な量で緩衝溶液中で所望の保存剤と組合せる。この方法の変形が当業者により認識されるであろう。例えば、成分を添加する順序、付加的な添加物を使用するかどうか、製剤を製造する温度およびpHは、全部、使用される濃度および投与手段について最適化し得る因子である。
【0106】
特許請求される製剤は、澄明な溶液として、あるいは、水性希釈剤中に水、保存剤ならびに/または賦形剤、好ましくはリン酸緩衝液および/若しくは生理的食塩水ならびに選ばれた塩を含有する第二のバイアルで再構成される凍結乾燥した最低1種の抗体のバイアルを含んでなる2本のバイアルとして、患者に提供し得る。単一の溶液バイアル若しくは再構成を必要とする2本のバイアルのいずれも複数回再使用し得、かつ、単一若しくは複数の患者処置周期に十分であり得、そして従って現在利用可能より便宜的な処置レジメンを提供し得る。
【0107】
本特許請求される製品は、即座から24時間若しくはそれ以上までの範囲にわたる期間にわたる投与に有用である。従って、現在特許請求される製品は患者に大きな利点を提供する。本発明の製剤は、場合によっては、約2℃から約40℃までの温度で安全に保存し得かつタンパク質の生物学的活性を長期間保持し得、従って、6、12、18、24、36、48、72若しくは96時間またはそれ以上の期間にわたり該溶液を保持かつ/若しくは使用し得ることを示す包装ラベルを可能にする。保存される希釈剤を使用する場合、こうしたラベルは、1〜12か月、半年、1年半および/若しくは2年までの使用を包含し得る。
【0108】
本発明の最低1種の抗体の溶液は、最低1種の抗体を水性希釈剤中で混合することを含んでなる方法により製造し得る。混合は慣習的溶解および混合手順を使用して実施する。適する希釈剤を製造するため、例えば、水若しくは緩衝液中の測定された量の最低1種の抗体を、所望の濃度のタンパク質および場合によっては保存剤若しくは緩衝剤を提供するのに十分な量で組合せる。この方法の変形が当業者により認識されるであろう。例えば、成分を添加する順序、付加的な添加物を使用するかどうか、製剤を製造する温度およびpHは、全部、使用される濃度および投与手段について最適化し得る因子である。
【0109】
特許請求される製品は、澄明な溶液として、若しくは水性希釈剤を含有する第二のバイアルで再構成される凍結乾燥した最低1種の抗体のバイアルを含んでなる2本のバイアルとして、患者に提供し得る。単一の溶液バイアル若しくは再構成を必要とする2本のバイアルのいずれも複数回再使用し得、かつ、単一若しくは複数の患者処置周期に十分であり得、そして従って現在利用可能より便宜的な処置レジメンを提供する。
【0110】
特許請求される製品は、澄明な溶液、若しくは、水性希釈剤を含有する第二のバイアルで再構成される凍結乾燥した最低1種の抗体のバイアルを含んでなる2本のバイアルを、薬局、診察室若しくは他のこうした施設(institution)および施設(facility)に提供することにより、患者に間接的に提供し得る。この場合の澄明な溶液は、大きさが1リットルまで若しくはより大きくさえあり得、最低1種の抗体の溶液のより小さい部分を、薬局若しくは診察室によりより小さいバイアルへの移動のため1回若しくは複数回取り出し得かつそれらの顧客および/若しくは患者に提供し得る、大型のリザーバを提供する。
【0111】
単一バイアル系を含んでなる認識される装置は、例えばBecton Dickensen(ニュージャージー州フランクリンレイクス、www.bectondickenson.com)、Disetronic(スイス・ブルクドルフ、www.disetronic.com;Bioject、オレゴン州ポートランド(www.bioject.com);National Medical Products、Weston Medical(英国ピータースボロ、www.weston−medical.com)、Medi−Ject Corp(ミネソタ州ミネアポリス、www.mediject.com)により作成若しくは開発されたところのBD Pen、BD Autojector(R)、Humaject(R)、NovoPen(R)、B−D(R)Pen、AutoPen(R)、およびOptiPen(R)、GenotropinPen(R)、Genotronorm Pen(R)、Humatro Pen(R)、Reco−Pen(R)、Roferon Pen(R)、Biojector(R)、Iject(R)、J−tip Needle−Free Injector(R)、Intraject(R)、Medi−Ject(R)のような溶液の送達のためのペン型注入器装置、ならびに類似の適する装置を包含する。2本のバイアルの系を含んでなる認識される装置は、HumatroPen(R)のような、再構成した溶液の送達のために凍結乾燥した薬物をカートリッジ中で再構成するためのペン型注入器装置を包含する。適する他の装置の例は、充填済みシリンジ、自動注入装置、無針注入器および無針IV注入セットを包含する。
【0112】
現在特許請求される製品は包装資材を包含する。包装資材は、規制当局により必要とされる情報に加え、該製品を使用し得る条件を提供する。本発明の包装資材は、2本のバイアルすなわち湿潤/乾燥製品について、最低1種の抗体を水性希釈剤中で再構成して溶液を形成しかつ該溶液を2〜24時間若しくはそれ以上の期間にわたり使用するための患者に対する説明書を提供する。単一バイアルの溶液製品については、ラベルは、こうした溶液を2〜24時間若しくはそれ以上の期間にわたり使用し得ることを示す。現在特許請求される製品はヒトの製薬学的製品の使用に有用である。
【0113】
本発明の製剤は、最低1種の抗体および選択された緩衝液、好ましくは生理的食塩水若しくは選ばれた塩を含有するリン酸緩衝液を混合することを含んでなる方法により製造し得る。最低1種の抗体および緩衝剤を水性希釈剤中で混合することは、慣習的な溶解および混合手順を使用して実施する。適する製剤を製造するため、例えば、水若しくは緩衝液中の測定された量の最低1種の抗体を、所望の濃度のタンパク質および緩衝剤を提供するのに十分な量で水中の所望の緩衝剤と組合せる。この方法の変形が当業者により認識されるであろう。例えば、成分を添加する順序、付加的な添加物を使用するかどうか、製剤を製造する温度およびpHは、全部、使用される濃度および投与手段について最適化し得る因子である。
【0114】
特許請求される安定なすなわち保存される製剤は、澄明な溶液として、または、水性希釈剤中に保存剤若しくは緩衝剤および賦形剤を含有する第二のバイアルで再構成される凍結乾燥した最低1種の抗体のバイアルを含んでなる2本のバイアルとして、患者に提供し得る。単一の溶液バイアル若しくは再構成を必要とする2本のバイアルのいずれも複数回再使用し得、かつ、単一若しくは複数の患者処置周期に十分であり得、そして従って現在利用可能より便宜的な処置レジメンを提供する。
【0115】
該抗体を安定化する他の製剤若しくは方法は、抗体を含んでなる凍結乾燥粉末の澄明な溶液以外をもたらしうる。微粒子懸濁液を含んでなる製剤は澄明でない溶液の1つであり、前記微粒子は、変動する寸法の、およびミクロスフェア、微粒子、ナノ粒子、ナノスフェア若しくはリポソームとして多様に既知の構造中に該抗体を含有する組成物である。有効成分を含有するこうした比較的均質な、本質的に球状の微粒子製剤は、米国特許第4,589,330号明細書に教示されるとおり、有効成分およびポリマーを含有する水相ならびに非水相を接触させること、次いで非水相を蒸発させて水相からの粒子の合着を引き起こすことにより形成し得る。多孔性微粒子は、米国特許第4,818,542号明細書に教示されるとおり、連続溶媒中に分散された有効成分およびポリマーを含有する第一相を使用し、かつ、凍結乾燥若しくは希釈−抽出−沈殿により該懸濁液から前記溶媒を除去して製造し得る。こうした製剤に好ましいポリマーは、ゼラチン寒天、デンプン、アラビノガラクタン、アルブミン、コラーゲン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコリド−L(−)ラクチドポリ(ε−カプロラクトン、ポリ(ε−カプロラクトン−CO−乳酸)、ポリ(ε−カプロラクトン−CO−グリコール酸)、ポリ(β−ヒドロキシ酪酸)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン、ポリ(アルキル−2−シアノアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリアミド、ポリ(アミノ酸)、ポリ(2−ヒドロキシエチルDL−アスパルトアミド)、ポリ(エステル尿素)、ポリ(L−フェニルアラニン/エチレングリコール/1,6−ジイソシアナトヘキサン)およびポリ(メチルメタクリレート)よりなる群から選択される、天然若しくは合成のコポリマー若しくはポリマーである。とりわけ好ましいポリマーは、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコリド−L(−)ラクチドポリ(ε−カプロラクトン、ポリ(ε−カプロラクトン−CO−乳酸)およびポリ(ε−カプロラクトン−CO−グリコール酸のようなポリエステルである。ポリマーおよび/若しくは有効成分を溶解するのに有用な溶媒は:水、ヘキサフルオロイソプロパノール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ベンゼン、若しくはヘキサフルオロアセトンセスキ水和物を包含する。有効成分含有相の第二相での分散方法は、前記第一の相にノズルのオリフィスを通過させて液滴形成に影響を及ぼす圧を包含しうる。
【0116】
乾燥粉末製剤は、噴霧乾燥若しくは溶媒抽出、蒸発、または結晶組成物の沈殿、次いで水性若しくは非水性溶媒を除去するための1若しくはそれ以上の段階によるような、凍結乾燥以外の方法から生じうる。噴霧乾燥抗体製剤の製造法は米国特許第6,019,968号明細書に教示される。抗体に基づく乾燥粉末組成物は、溶媒中の抗体および場合によっては賦形剤の溶液若しくはスラリーを、吸い込み可能な乾燥粉末を提供するための条件下で噴霧乾燥することにより製造しうる。溶媒は、容易に乾燥されうる水およびエタノールのような極性化合物を包含しうる。抗体の安定性は、窒素ブランケット下若しくは乾燥ガスとして窒素を使用することによるような、酸素の非存在下で噴霧乾燥手順を実施することにより高めうる。別の比較的乾燥した製剤は、典型的には第WO 9916419号明細書に教示されるところのヒドロフルオロアルカン噴射剤を含んでなる懸濁媒体中に分散された複数の穿孔した微小構造の分散系である。安定化された分散系は、定量式吸入器を使用して患者の肺に投与しうる。噴霧乾燥医薬品の商業生産で有用な設備は、Buchi Ltd.若しくはNiro Corp.により製造されている。
【0117】
本明細書に記述される安定なすなわち保存される製剤若しくは溶液いずれ中の最低1種の抗体も、SC若しくはIM注入;経皮、肺、経粘膜、植込物、浸透圧ポンプ、カートリッジ、微小ポンプ、若しくは当該技術分野で公知のところの当業者により認識される他の手段を包含する多様な送達方法を介して、本発明により患者に投与し得る。
【0118】
治療的応用
本発明は、本発明の最低1種の抗体を使用する、例えば細胞、組織、器官、動物若しくは患者に治療的有効量の抗体を投与若しくはそれらと接触させる、当該技術分野で既知若しくは本明細書に記述されるところの、細胞、組織、器官、動物若しくは患者での最低1種の抗原に関係する疾患の調節若しくは処置方法もまた提供する。本発明は、限定されるものでないが、肥満、免疫関連疾患、心血管疾患、感染性疾患、悪性疾患若しくは神経学的疾患の最低1種を挙げることができる、細胞、組織、器官、動物若しくは患者での最低1種の抗原に関係する疾患の調節若しくは処置方法もまた提供する。
【0119】
本発明は、限定されるものでないが、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身発症型若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、胃潰瘍、血清陰性の関節症、変形性関節症、骨溶解、整形外科植込物の無菌的弛緩、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス、抗リン脂質症候群、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、特発性肺線維症、全身性血管炎/ヴェゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、精巣炎/精管切除復帰処置、アレルギー性/アトピー性疾患、喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性結膜炎、過敏性肺炎、移植、臓器移植拒絶、移植片対宿主病、全身性炎症応答症候群、敗血症症候群、グラム陽性敗血症、グラム陰性敗血症、培養陰性敗血症、真菌性敗血症、好中球減少熱、尿路性敗血症、髄膜炎菌血症、外傷/出血、火傷、イオン化放射被曝、急性膵炎、成人呼吸窮迫症候群、関節リウマチ、アルコール誘発性肝炎、慢性炎症の病状、サルコイドーシス、クローンの病状、鎌状赤血球貧血、糖尿病、ネフローゼ、アトピー性疾患、過敏反応、アレルギー性鼻炎、花粉症、通年性鼻炎、結膜炎、子宮内膜症、喘息、蕁麻疹、全身性アナフィラキシー、皮膚炎、悪性貧血、溶血性疾患、血小板減少症、いずれかの臓器若しくは組織の移植拒絶、腎移植拒絶、心移植拒絶、肝移植拒絶、膵移植拒絶、肺移植拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、皮膚同種移植拒絶、軟骨移植拒絶、骨移植片拒絶、小腸移植拒絶、胎児胸腺移植片拒絶、副甲状腺移植拒絶、いずれかの臓器若しくは組織の異種移植拒絶、同種移植拒絶、抗受容体過敏反応、グレーヴズ病、レイノー病、B型インスリン抵抗性糖尿病、喘息、重症筋無力症、抗体媒介性細胞傷害、III型過敏反応、POEMS症候群(多発性神経炎、臓器巨大症、内分泌異常症、単一クローン性高γグロブリン血症、および皮膚病変の症候群)、多発性神経炎、臓器巨大症、内分泌異常症、単一クローン性高γグロブリン血症、皮膚病変症候群、抗リン脂質症候群、天疱瘡、強皮症、混合型結合組織疾患、特発性アジソン病、糖尿病、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、白斑、血管炎、心筋梗塞後心切開症候群、IV型過敏症、接触皮膚炎、過敏性肺炎、同種移植拒絶、細胞内生物体による肉芽腫、薬物過敏症(代謝性/特発性)、ウィルソン病、ヘモクロマトーシス、α−1−アンチトリプシン欠乏症、糖尿病性網膜症、橋本甲状腺炎、骨粗鬆症、視床下部−下垂体−副腎系の評価、原発性胆汁性肝硬変、甲状腺炎、脳脊髄炎、悪液質、嚢胞性線維症、新生児の慢性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、家族性血球貪食性リンパ組織球症、皮膚科的状態、乾癬、脱毛症、ネフローゼ症候群、腎炎、糸球体腎炎、急性腎不全、血液透析、尿毒症、毒性、子癇前症、okt3療法、抗cd3療法、サイトカイン療法、化学療法、放射線治療(例えば、限定されるものでないが無力症、貧血、悪液質などを挙げることができる)、慢性サリチル酸中毒などの最低1種を挙げることができる、細胞、組織、器官、動物若しくは患者での最低1種の抗原に関係する免疫関連疾患の調節若しくは処置方法もまた提供する。例えば、the Merck Manual、第12〜17版、Merck & Company、ニュージャージー州ローウェー(1972、1977、1982、1987、1992、1999)、Pharmacotherapy Handbook、Wellsら編、第2版、Appleton and Lange、コネチカット州スタンフォード(1998、2000)(それぞれそっくりそのまま引用することにより組み込まれる)を参照されたい。
【0120】
本発明はまた、限定されるものでないが心原性失神症候群、心筋梗塞、うっ血性心不全、卒中、虚血性卒中、出血、急性冠動脈症候群、動脈硬化症、アテローム硬化症、再狭窄、糖尿病性動脈硬化性疾患、高血圧症、動脈高血圧症、腎血管系性高血圧症、失神、ショック、心血管系の梅毒、心不全、肺性心、原発性肺高血圧症、心不整脈、動脈異所性収縮、心房粗動、心房細動(持続性若しくは発作性)、灌流後症候群、心肺バイパス炎症応答、無秩序若しくは多病巣性心房性頻脈、規則的な幅の狭い(regular narrow)QRS頻脈、特異的不整脈、心室細動、His束不整脈、房室ブロック、脚ブロック、心筋虚血性障害、冠動脈疾患、狭心症、心筋梗塞、心筋症、拡張型うっ血性心筋症、拘束型心筋症、弁膜心疾患、心内膜炎、心膜疾患、心腫瘍、大動脈および末梢動脈瘤、大動脈解離、大動脈の炎症、腹部大動脈およびその側枝の閉塞、末梢血管障害、閉塞性動脈障害、末梢アテローム硬化性疾患、閉塞性血栓性血管炎、機能的末梢動脈障害、レイノー現象およびレイノー病、肢端チアノーゼ、肢端紅痛症、静脈疾患、静脈血栓症、静脈瘤、動静脈瘻、リンパ水腫、脂肪性浮腫、不安定型狭心症、再灌流傷害、ポンプ後症候群、虚血−再灌流傷害などの最低1種を挙げることができる、細胞、組織、器官、動物若しくは患者での最低1種の心血管疾患の調節若しくは処置方法も提供する。こうした方法は、最低1種の抗体を含んでなる組成物若しくは製薬学的組成物の有効量を、こうした調節、処置若しくは治療の必要な細胞、組織、器官、動物若しくは患者に投与することを場合によっては含み得る。
【0121】
本発明は、限定されるものでないが、急性若しくは慢性細菌感染症、細菌、ウイルスおよび真菌感染を包含する急性および慢性の寄生虫若しくは感染の過程、HIV感染/HIVニューロパシー、髄膜炎、肝炎(例えばA、B若しくはCなど)、化膿性関節炎、腹膜炎、肺炎、咽頭蓋炎、大腸菌(e.coli)0157:h7、溶血性尿毒症症候群/血栓溶解性血小板減少性紫斑病、マラリア、デング出血熱、リーシュマニア症、らい、毒性ショック症候群、ブドウ球菌性筋炎、ガス壊疽、ヒト結核菌(mycobacterium tuberculosis)、トリ結核菌群(mycobacterium avium intracellulare)、ニューモシスチス・カリニ(pneumocystis carinii)肺炎、骨盤炎症性疾患、精巣炎/精巣上体炎、レジオネラ、ライム病、インフルエンザa型、エプスタイン−バーウイルス、ウイルス関連血液貪食性症候群、ウイルス性脳炎/無菌性髄膜炎などの最低1種を挙げることができる、細胞、組織、器官、動物若しくは患者での最低1種の抗原に関係する感染性疾患の調節若しくは処置方法もまた提供する。
【0122】
本発明は、限定されるものでないが、白血病、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性リンパ球性白血病、B細胞、T細胞若しくはFAB ALL、急性骨髄性(myeloid)白血病(AML)、急性骨髄性(myelogenous)白血病、慢性骨髄性(myelocytic)白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、毛様細胞白血病、骨髄異形成症候群(MDS)、リンパ腫、ホジキン病、悪性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、カポシ肉腫、結腸直腸癌、膵癌、上咽頭癌、悪性組織球増殖症、新生物随伴症候群/悪性の高カルシウム血症、充実性腫瘍、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、頭部癌、頚部癌、遺伝性非ポリポーシス癌、ホジキンリンパ腫、肝癌、肺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、腎細胞癌、睾丸癌、腺癌、肉腫、悪性黒色腫、血管腫、転移性疾患、癌関連の骨吸収、癌関連の骨痛などの最低1種を挙げることができる、細胞、組織、器官、動物若しくは患者での最低1種の抗原に関係する悪性疾患の調節若しくは処置方法もまた提供する。
【0123】
本発明は、限定されるものでないが、神経変性疾患、多発性硬化症、偏頭痛、AIDS認知症複合症、多発性硬化症および急性横断脊髄炎のような脱髄性疾患;皮質脊髄系の病変のような錐体外路および小脳の障害;基底核の障害;ハンチントン舞踏病および老人性舞踏病のような運動亢進性運動障害;CNSのドパミン受容体を遮断する薬物により誘発されるもののような薬物誘発性の運動障害:パーキンソン病のような運動低下性運動障害;進行性核上性麻痺;小脳の構造的病変;脊髄性運動失調、フリートライヒ運動失調、小脳皮質変性、多系統変性(メンセル、デジェリーヌ−トーマス、シャイ−ドレーガーおよびマシャド−ヨーゼフ)のような脊髄小脳変性;全身障害(レフサム病、無β−リポ蛋白血症、運動失調、末梢血管拡張症およびミトコンドリアの多系統障害);多発性硬化症、急性横断脊髄炎のような脱髄核(demyelinating core)障害;ならびに、神経原性筋萎縮症(筋萎縮性側索硬化症、乳児の脊髄性筋萎縮症および若年性脊髄性筋萎縮症のような前角細胞変性)のような運動単位の障害;アルツハイマー病;中年のダウン症候群;びまん性レヴィー小体病;レヴィー小体型の老年認知症;ウェルニッケ−コルサコフ症候群;慢性アルコール症;クロイツフェルト−ヤコブ病;亜急性硬化性汎脳炎、ハレルフォルデン−シュパッツ症候群;ボクサー認知症;神経外傷性傷害(例えば脊髄傷害、脳傷害、脳震盪、反復性脳震盪);疼痛;炎症性疼痛;自閉症;うつ;卒中;認知障害;癲癇などの最低1種を挙げることができる、細胞、組織、器官、動物若しくは患者での最低1種の抗原に関係する神経学的疾患の調節若しくは処置方法もまた提供する。こうした方法は、場合によっては、こうした調節、処置若しくは治療の必要な細胞、組織、器官、動物若しくは患者に、最低1種のTNF抗体または指定される部分若しくはバリアントを含んでなる組成物若しくは製薬学的組成物の有効量を投与することを含み得る。例えば、the Merck Manual、第16版、Merck & Company、ニュージャージー州ローウェー(1992)を参照されたい。
【0124】
本発明は、限定されるものでないが、歯周外科手術、抜歯(1本若しくは複数)、歯内処置、歯インプラントの挿入、義歯の適用および使用を包含する口腔外科手術に関連する身体の傷害若しくは外傷;または、創傷が、無菌的創傷、挫傷、切創、裂傷、非貫通創、開放創、貫通創、穿孔創、刺創、化膿性創傷、梗塞および皮下創よりなる群から選択される場合;あるいは、創傷が、虚血性潰瘍、褥瘡、瘻、重篤な咬創、熱傷およびドナー部位創傷よりなる群から選択される場合;あるいは、創傷が、アフタ性創傷、外傷性創傷若しくはヘルペス関連創傷である場合の最低1種を挙げることができる、細胞、組織、器官、動物若しくは患者での最低1種の抗原に関係する創傷、外傷若しくは組織傷害、または関係する慢性状態の調節若しくは処置方法もまた提供する。
【0125】
創傷および/若しくは潰瘍は、通常、皮膚から突出して、若しくは粘膜表面に、またはある器官での梗塞(「卒中」)の結果として見出される。創傷は、軟組織の欠陥若しくは病変または根底にある状態の結果でありうる。本情況において、「皮膚」という用語はヒトを包含する動物の身体の最外表面に関し、そして無傷若しくはほぼ無傷の皮膚ならびに損傷した皮膚表面を包含する。「粘膜」という用語は、ヒトのような動物の損傷を受けていない若しくは損傷を受けた粘膜に関し、そして、口腔、頬側、耳、鼻、肺、眼、胃腸、膣若しくは直腸粘膜でありうる。
【0126】
本情況において、「創傷」という用語は、組織構造の正常な完全性の破壊を伴う身体傷害を示す。該用語は「びらん」、「損傷」、「壊死」および「潰瘍」という用語を包含することもまた意図している。通常、「びらん」という用語は皮膚若しくは粘膜のほぼいかなる損傷についても一般的な用語であり、また、「潰瘍」という用語は、壊死組織の脱落により生じられる器官若しくは組織の表面の局所の欠陥すなわち窩である。損傷は一般にいかなる組織の欠陥にも関する。壊死は、感染、傷害、炎症若しくは梗塞から生じる死組織に関する。
【0127】
本情況で使用される「創傷」という用語は、いずれの創傷(創傷の分類については下を参照されたい)、および、いかなる治癒も開始する前若しくはなお外科切創のような特定の損傷が作成される前(予防的処置)の段階を包含する治癒過程のいずれの特定の段階でも示す。本発明により予防かつ/若しくは処置し得る創傷の例は、例えば、無菌的創傷、挫傷、切創、裂創、非貫通創(すなわち皮膚の破壊が存在しないがしかし下の構造に対する傷害が存在する創傷)、開放創、貫通創、穿孔創、刺創、化膿性創傷、皮下創などである。びらんの例は、褥瘡(bed sore)、アフタ、クロム性びらん(chrome sore)、単純疱疹、褥瘡(pressure sore)などである。潰瘍の例は、例えば、消化性潰瘍、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、痛風潰瘍、糖尿病性潰瘍、高血圧性虚血性潰瘍、うっ血性潰瘍、下腿潰瘍(静脈性潰瘍)、舌下潰瘍、粘膜下潰瘍、症候性潰瘍、栄養障害性潰瘍、熱帯潰瘍、ならびに例えば淋病により引き起こされる性病性潰瘍(尿道炎、子宮頚内膜炎および直腸炎を包含する)である。本発明により成功裏に処置しうる創傷若しくはびらんに関する状態は、火傷、炭疽、破傷風、ガス壊疽、猩紅熱、丹毒、髭毛瘡、毛包炎、伝染性膿痂疹、若しくは水疱性膿痂疹などである。「創傷」および「潰瘍」ならびに「創傷」および「びらん」という用語の使用の間にある種の重なりがしばしば存在し、また、さらに、該用語はしばしば無作為に使用される。従って、上で挙げられたとおり、本情況において、「創傷」という用語は「潰瘍」、「損傷」、「びらん」および「梗塞」という用語を包含し、そして、該用語は、別の方法で示されない限り無差別に使用される。
【0128】
本発明により処置されるべき創傷の種類は、(i)例えば外科的、外傷性、感染性、虚血性、熱性、化学的および水疱性創傷のような一般的創傷;(ii)例えば抜歯後創傷、とりわけ嚢胞および膿瘍の処置と関連する歯内創傷、細菌、ウイルス若しくは自己免疫学的起源の潰瘍および損傷、機械的、化学的、熱性、感染性および苔癬様創傷のような口腔に特異的な創傷;ヘルペス潰瘍、アフタ性口内炎、急性壊死性潰瘍性歯肉炎および口内焼灼感症候群は特殊な例である;ならびに(iii)例えば新生物、火傷(例えば化学的、熱性)、損傷(細菌性、ウイルス性、自己免疫学的)、咬傷および外科的切創のような皮膚の創傷もまた包含する。創傷の別の分類方法は、(i)外科的切開、小剥離および小咬傷による小組織喪失として、若しくは(ii)重大な組織喪失としてである。後者の群は、虚血性潰瘍、褥創、瘻、裂傷、重篤な咬傷、熱傷、ならびにドナー部位創傷(軟および硬組織における)、ならびに梗塞を包含する。
【0129】
本発明に関して重要である他の創傷は、虚血性潰瘍、褥創、瘻、重篤な咬傷、熱傷およびドナー部位創傷のような創傷である。虚血性潰瘍および褥創は、通常非常にゆっくりとしか治癒しない創傷であり、そしてとりわけこうした場合には、向上されかつより迅速な治癒過程がもちろん患者に非常に重要である。さらに、こうした創傷に苦しめられる患者の処置に関与する費用は、治癒が改善されかつより迅速に起こる場合に顕著に低減される。
【0130】
ドナー部位創傷は、例えば、例えば移植に関連しての身体の一部から身体の別の部分への硬組織の取り出しと関連して発生する創傷である。こうした手術から生じる創傷は非常に痛みを伴い、そして向上された治癒が従って最も有益である。「皮膚」という用語は、皮膚の表皮層、および、皮膚表面がいくぶん損傷されている場合には皮膚の真皮層もまた包含する非常に広範な意味で使用される。角質層は別にして、皮膚の表皮層は外(上皮)層であり、そして、皮膚のより深部の結合組織層は真皮と呼ばれる。
【0131】
本発明は、限定されるものでないが、免疫関連疾患、心血管疾患、感染性、悪性および/若しくは神経学的疾患の最低1種を挙げることができる、細胞、組織、器官、動物若しくは患者で抗原に関係するとして上で列挙された他の疾患のなかで、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病、多発性硬化症および視神経炎の調節若しくは処置方法もまた提供する。こうした方法は、こうした調節、処置若しくは治療の必要な細胞、組織、器官、動物若しくは患者に、最低1種の抗体を含んでなる最低1種の組成物若しくは製薬学的組成物の有効量を投与することを場合によっては含み得る。
【0132】
本発明のいかなる方法も、こうした調節、処置若しくは治療の必要な細胞、組織、器官、動物若しくは患者に最低1種の抗体を含んでなる組成物若しくは製薬学的組成物の有効量を投与することを含み得る。こうした方法は、場合によっては、前記最低1種の抗体、その指定される部分若しくはバリアントの投与が、最低1種のTNFアンタゴニスト(限定されるものでないがTNFの化学物質若しくはタンパク質アンタゴニスト、TNFのモノクローナル若しくはポリクローナル抗体またはフラグメント、可溶性TNF受容体(例えばp55、p70若しくはp85)またはフラグメント、それらの融合ポリペプチド、あるいは小分子TNFアンタゴニスト、例えばTNF結合タンパク質I若しくはII(TBP−1若しくはTBP−II)、ネレリモンマブ、インフリキシマブ、エタネルセプト(EnbrelTM)、アダリムラブ(HumiraTM)、CDP−571、CDP−870、アフェリモマブ、レネルセプトなどを挙げることができる)、抗リウマチ薬(例えばメトトレキサート、オーラノフィン、金チオグルコース、アザチオプリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、サルファサルジン)、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬(例えば、アミノグリコシド、抗真菌薬、駆虫薬、抗ウイルス薬、カルバペネム、セファロスポリン、フルロルキノロン、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、別の抗菌薬)、抗乾癬薬、コルチコステロイド、蛋白同化ステロイド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養薬、甲状腺薬、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止瀉薬、鎮咳薬、制吐薬、抗潰瘍薬、緩下剤、抗凝固薬、エリスロポエチン(例えばエポエチンアルファ)、フィルグラスチム(例えばG−CSF、Neupogen)、サルグラモスチム(GM−CSF、Leukine)、免疫化、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えばバシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エストロゲン受容体調節物質、散瞳薬、毛様体筋麻痺薬、アルキル化薬、代謝拮抗薬、分裂阻害剤、放射性医薬品、抗うつ薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬、交感神経興奮薬、興奮剤、ドネペジル、タクリン、喘息医薬品、βアゴニスト、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害剤、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリン若しくはアナログ、ドルナーゼアルファ(Pulmozyme)、サイトカイン若しくはサイトカインアンタゴニストから選択される最低1種を前同時におよび/若しくは後に投与することをさらに含んでなる、こうした疾患若しくは障害を処置するための共投与若しくは併用療法をさらに含み得る。適する投薬量は当該技術分野で公知である。例えば、Wellsら編、Pharmacotherapy Handbook、第2版、Appleton and Lange、コネチカット州スタンフォード(2000);PDR Pharmacopoeia、Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000、豪華版、Tarascon Publishing、カリフォルニア州ロマリンダ(2000);Nursing 2001 Handbook of Drugs、第21版、Springhouse Corp.、ペンシルバニア州スプリングハウス、2001;Health Professional’s Drug Guide 2001、Shannon、Wilson、Stang編、Prentice−Hall,Inc、ニュージャージー州アッパーサドルリバー(それらの参考文献のそれぞれはそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0133】
治療的処置
本発明のいずれの方法も、最低1種の抗体を含んでなる組成物若しくは製薬学的組成物の有効量を、こうした調節、処置若しくは治療の必要な細胞、組織、器官、動物若しくは患者に投与することを含んでなる、抗原媒介性の障害の処置方法を含み得る。こうした方法は、前記最低1種の抗体、その指定される部分若しくはバリアントの投与が、抗感染薬、心血管(CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、気道薬、胃腸(GI)管薬、ホルモン薬、液体若しくは電解質バランスのための薬物、血液製剤、抗腫瘍薬、免疫調節薬、目、耳若しくは鼻の薬物、局所薬、栄養薬など、最低1種のTNFアンタゴニスト(限定されるものでないが、TNF抗体若しくはフラグメント、可溶性TNF受容体若しくはフラグメント、それらの融合タンパク質、または小分子TNFアンタゴニストを挙げることができる)、抗リウマチ薬(例えばメトトレキサート、オーラノフィン、金チオグルコース、アザチオプリン、エタネルセプト、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、サルファサルジン)、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬(例えば、アミノグリコシド、抗真菌薬、駆虫薬、抗ウイルス薬、カルバペネム、セファロスポリン、フルロルキノロン、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、別の抗菌薬)、抗乾癬薬、コルチコステロイド、蛋白同化ステロイド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養薬、甲状腺薬、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止瀉薬、鎮咳薬、制吐薬、抗潰瘍薬、緩下剤、抗凝固薬、エリスロポエチン(例えばエポエチンアルファ)、フィルグラスチム(例えばG−CSF、Neupogen)、サルグラモスチム(GM−CSF、Leukine)、免疫化、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えばバシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エストロゲン受容体調節物質、散瞳薬、毛様体筋麻痺薬、アルキル化薬、代謝拮抗薬、分裂阻害剤、放射性医薬品、抗うつ薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬、交感神経興奮薬、興奮剤、ドネペジル、タクリン、喘息医薬品、βアゴニスト、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害剤、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリン若しくはアナログ、ドルナーゼアルファ(Pulmozyme)、サイトカイン若しくはサイトカインアンタゴニストから選択される最低1種を前、同時かつ/若しくは後に投与することをさらに含んでなる、こうした疾患若しくは障害を処置するための共投与若しくは併用療法を場合によってはさらに含み得る。本明細書に提示されるそれぞれの製剤、適応症、投薬および投与を包含するこうした薬物は当該技術分野で公知である(例えば、Nursing 2001 Handbook of Drugs、第21版、Springhouse Corp.、ペンシルバニア州スプリングハウス、2001;Health Professional’s Drug Guide 2001、Shannon、Wilson、Stang編、Prentice−Hall,Inc、ニュージャージー州アッパーサドルリバー;Pharmcotherapy Handbook、Wellsら編、Appleton & Lange、コネチカット州スタンフォード(それぞれそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
【0134】
典型的には、病理学的状態の処置は、組成物中に含有される有効成分の比活性に依存して、平均して合計で用量あたり患者1キログラムあたり最低約0.01から500ミリグラムまでの最低1種の抗体、および好ましくは単回若しくは複数回投与あたり最低約0.1から100ミリグラム抗体/患者1キログラムまでの範囲になる、最低1種の抗抗体組成物の有効量若しくは投薬量を投与することにより遂げられる。あるいは、有効血清濃度は単回若しくは複数回投与あたり0.1〜5000□g/ml血清濃度を含み得る。適する投薬量は医学実務者に既知であり、そして、もちろん、特定の疾患状態、投与されている組成物の比活性、および処置を受けている特定の患者に依存することができる。いくつかの場合には、所望の治療量を達成するために、反復投与、すなわち、所望の1日用量若しくは効果が達成されるまで個々の投与を反復する、特定のモニター若しくは計量される用量の反復個別投与を提供することが必要であり得る。
【0135】
好ましい用量は、場合によっては、約0.1〜99および/若しくは100〜500mg/kg/投与、またはそのいずれかの範囲、値若しくは画分、あるいは、単回若しくは複数回投与あたり約0.1〜5000μg/ml血清濃度、またはそのいずれかの範囲、値若しくは画分の血清濃度を達成するように包含し得る。本発明の抗体の好ましい投薬量範囲は、約1mg/kgから約3、約6若しくは約12mg/kg患者体重までである。
【0136】
あるいは、投与される投薬量は、特定の剤の薬動力学的特徴、ならびにその投与様式および経路;受領者の齢、健康状態および重量;症状の性質および程度、付随する処置の種類、処置の頻度、ならびに所望の効果のような既知の因子に依存して変動し得る。通常、有効成分の投薬量は、体重1キログラムあたり約0.1ないし100ミリグラムであり得る。投与あたり若しくは除放性の形態で1キログラムあたり通常0.1ないし50、および好ましくは0.1ないし10ミリグラムが、所望の結果を得るのに有効である。
【0137】
制限しない一例として、ヒト若しくは動物の処置は、単一、注入、若しくは反復用量を使用して、第1〜40日の最低1つ、または、あるいは若しくは付加的には第1〜52週の最低1つ、または、あるいは若しくは付加的には1〜20年の最低1つで1日あたり約0.1ないし100mg/kgまたはそのいずれかの範囲、値若しくは画分、あるいはそれらのいずれかの組合せの本発明の最低1種の抗体の一時若しくは定期的投薬量として提供し得る。
【0138】
内的投与に適する投薬形態物(組成物)は、一般に、単位若しくは容器あたり約0.001ミリグラムから約500ミリグラムまでの有効成分を含有する。これらの製薬学的組成物中で、有効成分は通常、組成物の総重量に基づき約0.5〜99.999重量%の量で存在することができる。
【0139】
非経口投与のためには、該抗体を、製薬学的に許容できる非経口ベヒクルとともに、溶液、懸濁剤、乳剤、粒子、散剤、若しくは凍結乾燥した粉末として処方し得るか、または別個に提供し得る。こうしたベヒクルの例は、水、生理的食塩水、リンゲル液、ブドウ糖溶液、および約1〜10%ヒト血清アルブミンである。リポソーム、および不揮発性油のような非水性ベヒクルもまた使用し得る。ベヒクル若しくは凍結乾燥した粉末は、等張性(例えば塩化ナトリウム、マンニトール)ならびに化学的安定性(例えば緩衝剤および保存剤)を維持する添加物を含有しうる。該製剤は既知の若しくは適する技術により滅菌する。
【0140】
適する製薬学的担体は、この分野の標準的参照教科書、Remington’s Pharmaceutical Sciences、A.Osolの最新版に記述されている。
【0141】
代替投与
製薬学的有効量の本発明の最低1種の抗体を投与するのに、多くの既知のおよびの開発された様式を本発明により使用し得る。肺投与を以下の記述で使用する一方、他の投与様式を、適する結果を伴い、本発明により使用し得る。本発明の抗体は、吸入、またはこの中に(here within)記述されるか若しくは当該技術分野で既知の他の様式による投与に適する多様な装置および方法のいずれかを使用して、担体中で溶液、乳液、コロイド若しくは懸濁液として、または乾燥粉末として送達し得る。
【0142】
非経口製剤および投与
非経口投与のための製剤は、共通の賦形剤として滅菌水若しくは生理的食塩水、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール、植物起源の油、水素化ナフタレンなどを含有し得る。注入のための水性若しくは油性懸濁剤は、既知の方法に従って適切な乳化剤若しくは湿潤剤および懸濁化剤を使用することにより製造し得る。注入のための剤は、水性溶液、溶媒中の無菌の注入可能な溶液若しくは懸濁剤のような非毒性の経口で投与可能でない希釈剤であり得る。使用可能なベヒクル若しくは溶媒として、水、リンゲル液、等張生理的食塩水などが許容され;通常の溶媒若しくは懸濁化溶媒として無菌の不揮発性油を使用し得る。これらの目的上、天然のまたは合成若しくは半合成の脂肪油若しくは脂肪酸;天然のまたは合成若しくは半合成のモノ若しくはジ若しくはトリグリセリドを包含するいかなる種類の不揮発性油および脂肪酸も使用し得る。非経口投与は当該技術分野で既知であり、そして、限定されるものでないが、慣習的注入手段、米国特許第5,851,198号明細書に記述されるところのガス加圧式無針注入装置、および米国特許第5,839,446号明細書(引用することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)に記述されるところのレーザー穿孔器装置を挙げることができる。
【0143】
代替送達
本発明はさらに、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内(intraabdominal)、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内(intraperitoneal)、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、髄腔内、滑液包内、胸腔内、子宮内、膀胱内、病変内、ボーラス、膣、直腸、頬側、舌下、鼻内若しくは経皮手段による最低1種の抗体の投与に関する。最低1種の抗体組成物は、とりわけ液体の溶液若しくは懸濁液の形態での非経口(皮下、筋肉内若しくは静脈内)またはいずれかの他の投与のための使用のため;とりわけ限定されるものでないがクリーム剤および坐剤を挙げることができる半固形の形態での膣若しくは直腸投与での使用のため;限定されるものでないが錠剤若しくはカプセル剤の形態を挙げることができる頬側若しくは舌下投与のため;あるいは限定されるものでないが散剤、点鼻薬若しくはエアゾル剤またはある種の剤の形態を挙げることができる鼻内で;あるいは、限定されるものでないが、皮膚構造を改変するか若しくは経皮貼付剤中の薬物濃度を増大させるかのいずれかのためのジメチルスルホキシドのような化学的増強剤を含む(“Drug Permeation Enhancement”;Hsieh,D.S.編中Jungingerら、pp.59−90(Marcel Dekker,Inc.ニューヨーク 1994(引用することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)))、または、タンパク質およびペプチドを含有する製剤の皮膚上への塗布を可能にする酸化剤を含む(第WO 98/53847号明細書)、あるいは電気穿孔のような一過性の輸送経路を創製するか若しくはイオントフォレーシスのような皮膚を通る荷電した薬物の移動性を増大させるための電場の適用、またはソノフォレーシスのような超音波の適用(米国特許第4,309,989号および同第4,767,402号明細書)(上の刊行物および特許は引用することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)を伴うゲル剤、軟膏剤、ローション剤、懸濁剤若しくは貼付剤送達系を挙げることができる経皮で、製造し得る。
【0144】
肺/鼻投与
肺投与のため、好ましくは最低1種の抗体組成物は、肺の下部気道若しくは副鼻腔に達するために有効な粒子径で送達される。本発明により、最低1種の抗体は、吸入による治療薬の投与のための当該技術分野で既知の多様な吸入若しくは鼻装置のいずれかにより送達し得る。患者の鼻腔洞若しくは肺胞中にエアゾル化製剤を沈着させることが可能なこれらの装置は、計量式吸入器、ネブライザー、乾燥粉末発生装置、噴霧器などを包含する。抗体の肺若しくは鼻投与を指図するのに適する他の装置もまた当該技術分野で既知である。全部のこうした装置は、エアゾル中の抗体の分注のため投与に適する製剤を使用し得る。こうしたエアゾルは溶液(水性および非水性双方)若しくは固体粒子のいずれからも構成され得る。
【0145】
Ventolin(R)計量式吸入器のような計量式吸入器は、典型的には噴射剤ガスを使用し、そして吸気の間の起動を必要とする(例えば第WO 94/16970号、同第WO 98/35888号明細書を参照されたい)。TurbuhalerTM(Astra)、Rotahaler(R)(Glaxo)、Diskus(R)(Glaxo)、SpirosTM吸入器(Dura)、Inhale Therapeuticsにより市販されている装置、およびSpinhaler(R)粉末吸入器(Fisons)のような乾燥粉末吸入器は、混合粉末の呼吸起動を使用する(米国特許第US 4668218号 Astra、欧州特許第EP 237507号 Astra、第WO 97/25086号 Glaxo、第WO 94/08552号 Dura、米国特許第US 5458135号 Inhale、第WO 94/06498号 Fisons(引用することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる))。AERxTM Aradigm、Ultravent(R)ネブライザー(Mallinckrodt)およびAcorn II(R)ネブライザー(Marquest Medical Products)(米国特許第US 5404871号 Aradigm、第WO 97/22376号)(上の参考文献は引用することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)のようなネブライザーは溶液からエアゾルを生じさせる一方、計量式吸入器、乾燥粉末吸入器などは小粒子エアゾルを生成させる。商業的に入手可能な吸入装置のこれらの特定の例は、本発明の実務に適する特定の装置の代表例であることを意図しており、そして本発明の範囲を制限するとして意図していない。
【0146】
好ましくは、最低1種の抗体を含んでなる組成物は、乾燥粉末吸入器若しくは噴霧器により送達される。本発明の最低1種の抗体を投与するための吸入装置のいくつかの望ましい特徴が存在する。例えば、吸入装置による送達は有利に信頼でき、再現可能かつ正確である。吸入装置は、場合によっては、良好な呼吸可能性のため小さな乾燥粒子、例えば約10μm未満、好ましくは約1〜5μmを送達し得る。
【0147】
抗体組成物のスプレー剤としての投与
抗体組成物を包含するスプレー剤は、最低1種の抗体の懸濁液若しくは溶液に加圧下にノズルを通させることにより生じさせ得る。ノズルの大きさおよび構成、適用される圧ならびに液体フィード速度は、所望の出力および粒子径を達成するように選ぶことができる。例えばキャピラリー若しくはノズルフィードとともにの電場により電気スプレーを生じさせ得る。有利には、噴霧器により送達される最低1種の抗体組成物の粒子は、約10μm未満、好ましくは約1μmないし5μm、および最も好ましくは約2μmないし約3μmの範囲の粒子径を有する。
【0148】
噴霧器での使用に適する最低1種の抗体組成物の製剤は、典型的に、溶液1mlあたり約0.1mgないし約100mgの最低1種の抗体組成物若しくはmg/gm、またはその中のいずれかの範囲、値若しくは画分の濃度で水性溶液中に抗体組成物を包含する。該製剤は、賦形剤、緩衝剤、等張剤、保存剤、界面活性剤および好ましくは亜鉛のような剤を包含し得る。該製剤は、緩衝剤、還元剤、バルクタンパク質若しくは炭水化物のような、抗体組成物の安定化のための賦形剤若しくは剤もまた包含し得る。抗体組成物の処方において有用なバルクタンパク質はアルブミン、プロタミンなどを包含する。抗体組成物の処方において有用な典型的な炭水化物は、ショ糖、マンニトール、乳糖、トレハロース、ブドウ糖などを包含する。該抗体組成物製剤は、エアゾルの形成における溶液の霧化により引き起こされる抗体組成物の表面誘発性の凝集を低下若しくは予防し得る界面活性剤もまた包含し得る。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびアルコールならびにポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルのような多様な慣習的界面活性剤を使用し得る。量は、一般に製剤の0.001と14重量%の間の範囲にわたることができる。本発明の目的上とりわけ好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80、ポリソルベート20などである。抗体または指定される部分若しくはバリアントのようなタンパク質の製剤のための当該技術分野で既知の付加的な剤もまた製剤中に包含し得る。
【0149】
ネブライザーによる抗体組成物の投与
本発明の抗体組成物は、ジェットネブライザー若しくは超音波ネブライザーのようなネブライザーにより投与し得る。典型的には、ジェットネブライザー中では、オリフィスを通して高速の空気ジェットを創製するのに圧縮空気供給源を使用する。ガスがノズルを超えて膨脹する際に低圧領域が創製され、それが液体リザーバに接続された毛細管を通して抗体組成物の溶液を引き出す。毛細管からの液体流は、それが管を出る際に不安定な糸状体および液滴に剪断されてエアゾルを創製する。ある範囲の構成、流速およびバッフル型を、所定のジェットネブライザーから所望の性能の特徴を達成するのに使用し得る。超音波ネブライザーにおいては、高周波電気エネルギーを使用して、典型的には圧電トランスを使用して、振動性の力学的エネルギーを創製する。このエネルギーが、直接若しくはカップリング液を通じてのいずれかで抗体組成物の製剤に伝播されて、抗体組成物を包含するエアゾルを創製する。有利には、ネブライザーにより送達される抗体組成物の粒子は、約10μm未満、好ましくは約1μmないし5μm未満、および最も好ましくは約2μmないし約3μmの範囲の粒子径を有する。
【0150】
ジェット若しくは超音波いずれかのネブライザーでの使用に適する最低1種の抗体の製剤は、典型的には、溶液1mlあたり約0.1mgないし約100mgの最低1種の抗体の濃度を包含する。該製剤は、賦形剤、緩衝剤、等張剤、保存剤、界面活性剤、および好ましくは亜鉛のような剤を包含し得る。該製剤は、緩衝剤、還元剤、バルクタンパク質若しくは炭水化物のような、最低1種の抗体組成物の安定化のための賦形剤若しくは剤もまた包含し得る。抗体組成物の処方において有用なバルクタンパク質はアルブミン、プロタミンなどを包含する。最低1種の抗体の処方において有用な典型的な炭水化物は、ショ糖、マンニトール、乳糖、トレハロース、ブドウ糖などを包含する。最低1種の抗体製剤は、エアゾルの形成において溶液の霧化により引き起こされる最低1種の抗体の表面誘発性の凝集を低下若しくは予防し得る界面活性剤もまた包含し得る。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびアルコール、ならびにポリオキシエチレンソルビタル脂肪酸エステルのような多様な慣習的界面活性剤を使用し得る。量は、一般に製剤の約0.001と4重量%の間の範囲にわたることができる。本発明の目的上とりわけ好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80、ポリソルベート20などである。抗体タンパク質のようなタンパク質の製剤について当該技術分野で既知の付加的な剤もまた製剤中に包含し得る。
【0151】
計量式吸入器による抗体組成物の投与
計量式吸入器(MDI)中では、噴射剤、最低1種の抗体、およびいずれかの賦形剤若しくは他の添加物が、液化圧縮ガスを包含する混合物としてキャニスター中に含有される。計量バルブの起動は、好ましくは約10μm未満、好ましくは約1μmないし約5μm、および最も好ましくは約2μmないし約3μmの大きさ範囲の粒子を含有するエアゾルとして該混合物を放出する。所望のエアゾル粒子径は、ジェットミル粉砕、噴霧乾燥、臨界点凝縮などを包含する当業者に既知の多様な方法により製造される抗体組成物の製剤を使用することにより得ることができる。好ましい計量式吸入器は、3M若しくはGlaxoにより製造されかつヒドロフルオロカーボン噴射剤を使用するものを包含する。計量式吸入器装置での使用のための最低1種の抗体の製剤は、一般に、最低1種の抗体を例えば界面活性剤の助けを借りて噴射剤中に懸濁した非水性媒体中の懸濁液として含有する微粉を包含することができる。噴射剤は、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノールおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタン、HFA−134a(ヒドロフルオロアルカン−134a)、HFA−227(ヒドロフルオロアルカン−227)などを包含するクロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン若しくは炭化水素のような本目的上使用されるいずれの慣習的物質でもあり得る。好ましくは噴射剤はヒドロフルオロカーボンである。界面活性剤は、最低1種の抗体を噴射剤中の懸濁液として安定化させる、有効成分を化学的分解に対して保護する、などのために選ぶことができる。適する界面活性剤はソルビタントリオレエート、ダイズレシチン、オレイン酸などを包含する。いくつかの場合には、エタノールのような溶媒を使用する溶液エアゾルが好ましい。タンパク質の製剤のための当該技術分野で既知の付加的な剤もまた製剤に包含し得る。当業者は、本発明の方法を、本明細書に記述されない装置を介する最低1種の抗体組成物の肺投与により達成し得ることを認識するであろう。
【0152】
経口製剤および投与
経口投与のための製剤は、腸壁の浸透性を人工的に増大させるための補助物質(例えば、レゾルシノール、ならびにポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエーテルのような非イオン性界面活性剤)の共投与、ならびに、酵素的分解を阻害するための酵素阻害剤(例えば、膵トリプシンインヒビター、ジイソプロピルフルオロリン酸(DFF)およびトラシロール)の共投与に頼る。経口、頬側、粘膜、鼻、肺、膣経粘膜若しくは直腸投与に意図している、タンパク質および抗体を包含する親水性の剤ならびに最低2種の界面活性剤の組合せの送達のための製剤が、米国特許第6,309,663号明細書に教示されている。経口投与のための固体型投薬形態物の有効構成成分を、ショ糖、乳糖、セルロース、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、マルチトール、デキストラン、デンプン、寒天、アルギン酸塩、キチン、キトサン、ペクチン、トラガカントガム、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成若しくは半合成ポリマー、およびグリセリドを包含する最低1種の添加物と混合し得る。これらの投薬形態物は、他の型(1種若しくは複数)の添加物、例えば、不活性希釈剤、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、パラベン、ソルビン酸、アスコルビン酸、α−トコフェロールのような保存剤、システインのような抗酸化剤、崩壊剤、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味料、着香料、香料などもまた含有し得る。
【0153】
錠剤および丸剤は腸溶コーティング製剤にさらに加工し得る。経口投与のための液体製剤は、医学的使用に許容できる乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤および溶液製剤を包含する。これらの製剤は、前記分野で通例に使用される不活性希釈剤、例えば水を含有し得る。リポソームはインスリンおよびヘパリンの薬物送達系としてもまた記述されている(米国特許第4,239,754号明細書)。より最近、混合アミノ酸の人工的ポリマーのミクロスフェア(プロテイノイド(proteinoid))が、医薬品を送達するために使用されている(米国特許第4,925,673号明細書)。さらに、米国特許第5,879,681号および同第5,5,871,753号明細書に記述されかつ生物学的有効成分を経口で送達するのに使用される担体化合物が、当該技術分野で既知である。
【0154】
粘膜製剤および投与
1種若しくはそれ以上の生物適合性ポリマー若しくはコポリマー賦形剤、好ましくは生物分解性ポリマー若しくはコポリマーに被包化され、生じるマイクロカプセルの適正な大きさにより剤の到達をもたらすマイクロカプセルを提供しかつ胃腸管を通過した剤による有効性の喪失を伴わずに別名動物の「パイエル板」若しくは「GALT」として知られる集合リンパ小節により取り込まれる、生物活性の剤を経口で投与するための製剤。類似の集合リンパ小節は気管支(bronchei tube)(BALT)および大腸で見出し得る。上述された組織は一般に粘膜関連リンパ組織(MALT)と称される。粘膜表面を通る吸収のため、最低1種の抗体の組成物および投与方法は、複数のミクロン以下の粒子、粘膜付着性巨大分子、生物活性ペプチド、および、乳剤粒子の粘膜付着を達成することにより粘膜表面を通る吸収を促進する水性連続層を含んでなる乳剤を包含する(米国特許第5,514,670号明細書)。本発明の乳剤の適用に適する粘膜表面は、角膜、結膜、頬側、舌下、鼻、膣、肺、胃、腸および直腸投与経路を包含し得る。膣若しくは直腸投与のための製剤、例えば坐剤は、賦形剤として、例えばポリアルキレングリコール、ワセリン、カカオバターなどを含有し得る。鼻内投与のための製剤は固体であり得、かつ、賦形剤として例えば乳糖を含有し得るか、または点鼻薬の水性若しくは油性溶液であり得る。頬側投与のためには、賦形剤は、糖、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、pregelinatinedデンプンなどを包含する(米国特許第5,849,695号明細書)。
【0155】
経皮製剤および投与
経皮投与のためには、最低1種の抗体を、リポソーム、またはポリマーナノ粒子、微小粒子、マイクロカプセル若しくはマイクロスフェア(別の方法で述べられない限り集合的に微小粒子と称される)のような送達装置中に被包化する。ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびそれらのコポリマーのようなポリヒドロキシ酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物ならびにポリホスファゼンのような合成ポリマー、ならびにコラーゲン、ポリアミノ酸、アルブミンおよび他のタンパク質、アルギン酸塩ならびに他の多糖のような天然のポリマー、ならびにそれらの組合せから作成される微小粒子を包含する多数の適する装置が既知である(米国特許第5,814,599号明細書)。
【0156】
長時間投与および製剤
本発明の化合物を、単一投与から長時間にわたり、例えば1週ないし1年間、被験体に送達することが望ましいことがあり得る。多様な持続放出、デポー若しくは植込投薬形態物を利用し得る。例えば、投薬形態物は、体液中で低い程度の溶解性を有する化合物の製薬学的に許容できる非毒性の塩、例えば(a)リン酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンモノ若しくはジスルホン酸、ポリガラクツロン酸などのような多塩基性酸との酸付加塩;(b)亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウムなどのような多価金属陽イオン、または例えばN,N’−ジベンジル−エチレンジアミン若しくはエチレンジアミンから形成される有機陽イオンとの塩;あるいは(c)(a)および(b)の組合せ、例えば亜鉛タンニン酸塩を含有し得る。加えて、本発明の化合物、若しくは好ましくはたった今記述されたもののような比較的不溶性の塩を、注入に適する例えばゴマ油とともにゲル、例えばモノステアリン酸アルミニウムゲル中で処方し得る。とりわけ好ましい塩は、亜鉛塩、亜鉛タンニン酸塩、パモ酸塩などである。注入のための別の型の持続放出デポー製剤は、例えば米国特許第3,773,919号明細書に記述されるところのポリ乳酸/ポリグリコール酸ポリマーのようなゆっくりと分解する非毒性の非抗原性ポリマー中に被包化のため分散された化合物若しくは塩を含有することができる。該化合物、若しくは好ましくは上述されたもののような比較的不溶性の塩は、とりわけ動物での使用のためコレステロールマトリックスのシラスティックペレット中でもまた処方し得る。付加的な持続放出、デポー若しくは植込物製剤、例えば気体若しくは液体リポソームが文献で既知である(米国特許第5,770,222号明細書、および“Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems”、J.R.Robinson編、Marcel Dekker,Inc.、ニューヨーク、1978)。
【0157】
本発明を全般的に記述したので、それは、具体的説明として提供されかつ制限するとして意図していない以下の実施例を参照してより容易に理解されるであろう。
【実施例】
【0158】
BALB/cマウスでの抗CD40処置による抗原特異的mAb生成の増強
BALB/cマウス(8ないし12週齢)はJackson Laboratory(メーン州バーハーバー)から購入した。抗体をIL−23に対し2個のBALB/cマウス処置群で生成させた。簡潔には、マウスを、フロイントのアジュバント中に乳化したタンパク質で腹腔内で免疫した。追加免疫注入を、数週の経過にわたり2週に1回与えた。特異的血清力価応答は、各動物がサイトカイン抗原に対する測定可能な免疫応答を発生したことを決定した。リンパ球収集3日前に、群Aのマウスは100μgの抗マウスCD40モノクローナル抗体(クローン1C10、カタログ番号MAB440、R&D Systems、ミネソタ州ミネアポリス)の皮下注入を受領した。群Bのマウスはいかなる処置も受領しなかった。
【0159】
収集したリンパ球をマウス骨髄腫細胞と融合し、そしてELISAにより融合をスクリーニングして反応性ハイブリッドの数を評価した。表1は、抗CD40アゴニストのmAbプライミングを伴わないマウスに比較した場合に、サイトカインタンパク質で免疫しかつ抗CD40アゴニストMabでプライミングしたBalb/cマウスで、反応性ハイブリッドの生成の有意の増大(1321%、p=0.001)が存在することを示す。
【0160】
【表1】

【0161】
本発明は前述の記述および実施例に具体的に記述されたとおり以外の方法で実施し得ることが明らかであろう。本発明の多数の改変および変形が上の教示に照らして可能であり、そして従って付随する請求の範囲の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宿主動物を標的抗原で免疫感作する段階;
B細胞増殖剤を該宿主動物に投与する段階;および
標的抗原特異的抗体を単離する段階
を含んでなる、宿主動物中での抗体の生成方法。
【請求項2】
宿主動物がげっ歯類である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
げっ歯類がマウスである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
マウスがBALB/cマウスである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
げっ歯類がラットである、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
標的抗原がT細胞抗原若しくはT細胞非依存性抗原である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
B細胞増殖剤が、抗CD40アゴニスト、BAFF(BLyS)、IL−6、APRIL、CD40L(CD154)および抗IgM/IL4共刺激よりなる群から選択される最低1メンバーである、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
B細胞増殖剤が、タンパク質、タンパク質をコードするDNA分子、若しくはタンパク質およびタンパク質をコードするDNA分子の組合せ物の形態で投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
抗CD40アゴニストが、抗CD40アゴニストとして作用する抗CD40抗体である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
抗CD40抗体がラット抗マウスCD40抗体である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
抗CD40抗体が、用量あたり約50μgないし約100μgの量で投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
第二の作用剤と一緒にB細胞増殖剤を投与することをさらに含んでなる、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
第二の作用剤が、ターゲッティング剤およびB細胞分化剤の最低1種である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ターゲッティング剤がCD21であり、ならびに、B細胞分化剤が、小胞体ストレス応答(UPR)経路成分およびB細胞特異的転写因子よりなる群から選択される最低1メンバーである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
小胞体ストレス応答(UPR)経路成分が、BiP、XBP、CHOP、IRE1、PERK、ATF4、ATF6、elF2α、GRP78、GRP94、カルレティキュリン、シャペロンおよびバリアントよりなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜15に記載の方法のいずれかにより製造された抗体。
【請求項17】
抗体が、表面プラズモン共鳴若しくはKinexa法により測定されるところの、最低10−9M、最低10−10M、最低10−11M、および最低10−12M、最低10−13M、最低10−14M、ならびに最低10−15Mから選択される最低1種のアフィニティーで標的抗原を結合する、請求項16に記載の抗体。
【請求項18】
請求項16若しくは17に記載の抗体と競合して標的抗原に結合する抗体。
【請求項19】
抗体が標的抗原の活性を実質的に調節する、請求項16〜18のいずれかに記載の抗体。
【請求項20】
抗体が抗IL−23抗体である、請求項16〜19のいずれかに記載の抗体。
【請求項21】
抗体がIL−23タンパク質のp19サブユニットに結合する、請求項20に記載の抗体。
【請求項22】
請求項16〜21のいずれかに記載の抗体および最低1種の製薬学的に許容できる担体若しくは希釈剤を含んでなる組成物。
【請求項23】
検出可能な標識若しくはレポーター、TNFアンタゴニスト、抗感染症薬、心血管(CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、気道薬、胃腸(GI)管薬、ホルモン薬、液体若しくは電解質バランスのための薬物、血液製剤、抗癌剤、免疫調節薬、眼、耳若しくは鼻の薬物、局所薬、栄養薬、サイトカインおよびサイトカインアンタゴニストから選択される最低1種の化合物若しくはポリペプチドをさらに含んでなる、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
請求項16〜21のいずれかに記載の抗体を特異的に結合する抗イディオタイプ抗体若しくはフラグメント。
【請求項25】
請求項16〜21のいずれかに記載の抗体の有効量を含んでなる組成物を、細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物における標的抗原に関係する疾患若しくは状態の診断若しくは処置方法。
【請求項26】
前記有効量が、前記細胞、組織、器官若しくは動物1キログラムあたり約0.001〜50mgである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
接触させること若しくは投与することが、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内(intraabdominal)、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内(intraperitoneal)、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、髄腔内、滑液包内、胸腔内、子宮内、膀胱内、病変内、ボーラス、膣、直腸、頬側、舌下、鼻内および経皮から選択される最低1様式による、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
検出可能な標識若しくはレポーター、抗感染症薬、心血管(CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、気道薬、胃腸(GI)管薬、ホルモン薬、液体若しくは電解質バランスのための薬物、血液製剤、抗癌剤、免疫調節薬、眼、耳若しくは鼻の薬物、局所薬、栄養薬、サイトカインおよびサイトカインアンタゴニストから選択される最低1種の化合物若しくはポリペプチドの有効量を含んでなる最低1種の組成物を、前記接触若しくは投与することの前、それと同時に若しくは後に投与することをさらに含んでなる、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
請求項16〜21のいずれかに記載の抗体を含んでなる医療機器であって、前記装置が、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内(intraabdominal)、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内(intraperitoneal)、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、髄腔内、滑液包内、胸腔内、子宮内、膀胱内、病変内、ボーラス、膣、直腸、頬側、舌下、鼻内および経皮から選択される最低1様式により前記抗体を接触若しくは投与するのに適する、上記装置。
【請求項30】
包装資材、および溶液若しくは凍結乾燥された形態の請求項16〜21のいずれかに記載の抗体を含んでなる容器を含んでなる、ヒトの製薬学的若しくは診断的使用のための製品。
【請求項31】
容器が、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内(intraabdominal)、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内(intraperitoneal)、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、髄腔内、滑液包内、胸腔内、子宮内、膀胱内、病変内、ボーラス、膣、直腸、頬側、舌下、鼻内、若しくは経皮送達装置若しくは系の1成分である、請求項30に記載の製品。
【請求項32】
抗体を回収可能な量で発現することが可能な宿主細胞またはトランスジェニック動物若しくはトランスジェニック植物若しくは植物細胞を提供することを含んでなる、請求項16〜21のいずれかに記載の抗体の製造方法。
【請求項33】
標的抗原で免疫感作することの前、と同時にかつ/若しくは後に宿主動物にB細胞増殖剤を投与することを含んでなる、標的抗原で免疫されている宿主動物のB細胞応答の増大方法。
【請求項34】
投与段階の後に、標的抗原特異的抗体を単離することをさらに含んでなる、請求項33に記載の抗体。
【請求項35】
標的抗原に特異的に生成されたBリンパ球の数が増大される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
本明細書に記述されるいずれかの発明。

【公表番号】特表2009−513680(P2009−513680A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538189(P2008−538189)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/060312
【国際公開番号】WO2007/051169
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(503054122)セントカー・インコーポレーテツド (74)
【Fターム(参考)】