説明

抗糖尿病性および/または肥満抑制性作用を有する、グアニジンの種々の置換誘導体、および医薬としてのその使用

式(I)の化合物、式中、基は本明細書で記載したとおりである、医薬としてのその使用、特に抗糖尿病性、血清グルコース-低下性および肥満抑制性製剤としての使用を記載する。該医薬は、糖尿病、特にII型糖尿病、およびその合併症、症候群X、種々のインスリン耐性型、および高脂肪血症の予防および治療、ならびに肥満の治療に有用である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願明細書に記載の本発明はグアニジンの種々置換された誘導体および医薬としてのその使用、特に抗糖尿病性および/または肥満抑制性作用を有するものに関する。
【0002】
糖尿病は、現在、世界中に広まった疾患であり、大血管損傷(アテローム性動脈硬化)および微小血管損傷(網膜症、腎症および神経障害)を含む主要な臨床合併症と関係する。これらの合併症はその疾患の必然的な結果であり、個人の命および健康にとっては深刻な脅威となる。
【0003】
糖尿病は、産業国では4番目に最も多い死因であり、発展途上国ではその発病率が急増している。それは、肥満、高血圧および高脂肪血症のような種々の異常と関係する。糖尿性疾患の種々の臨床型が知られており、その最も一般的なものはII型およびI型糖尿病である。II型糖尿病はインスリンの作用に対し感受性が減少(インスリン耐性)し、インスリン分泌が減少することが特徴である。インスリン耐性が、異常脂質血症、肥満、動脈性高血圧などのようなII型糖尿病自体以外の多くの病状に含まれていることを確認する報告が多数ある。インスリン耐性と肥満、高血圧および異常脂質血症との関係は症候群Xとして知られている。
【0004】
II型糖尿病の治療に有用な薬物は既に知られている。
【0005】
スルホニル尿素は、β-細胞によるインスリンの分泌を促進(Diabetes Care, 1992,15, 737-754)し、II型糖尿病では減少しているインスリンの放出増加し、このため、食後のグルコースのコントロールを改善する。
【0006】
低血糖症は最も多いスルホニル尿素の副作用であり、重篤となりそして長期化し得る。更に、心臓では、スルホニル尿素は、虚血の場合に血管拡張を阻害し得、時折、不整脈を生じ得る。
【0007】
アカルボース(acarbose)およびボグリボース(voglibose)のようなα-グルコシダーゼインヒビター(Ann. Int. Med., 1994,121, 928-935)は、腸における炭水化物の吸収を遅くすることにより食後の高血糖の問題を解決することを目的としている。その物質は、胃腸内のα-グルコシダーゼ、デンプンおよびサッカロースをモノサッカライドに切断する酵素の拮抗インヒビターである。
【0008】
α-グルコシダーゼインヒビターは各患者用に用量調節の必要がある: その用量は小腸における消化を遅くするのに十分に高くなければならないだけでなく、炭水化物が大腸に入る前に消化が確実に完了するのに十分に低くなければならない(腸での副作用を避けるため)。報告されている主な副作用は鼓腸(19%)であり、続いて下痢(3.8%)である。
【0009】
α-グルコシダーゼインヒビターはグルコースの肝臓での生成を緩和せず、吸収後状態および絶食において、食事時間から時間がたって作用する。
【0010】
チアゾリジンジオン(トログリタゾン(troglitazone)、ピオグリタゾン(pioglitazone)およびロシグリタゾン(rosiglitazone))は経口的血清-グルコース-低下性薬物であり、それは、最近、市場に出回っており、大成功している(Bioorg. Med. Chem. Lett., 1994, 4,1181-1184)。
【0011】
1998年、米国でのトログリタゾン(Rezulin)(J. Med. Chem., 1989, 32, 421-428)の売り上げは7憶4800万ドルであった。その数字は、8憶6100万ドルであり、米国市場での経口抗糖尿病製剤の中で最も売れた薬物としてランク付けされているメトホルミン(Glucophage)の売り上げよりも僅かに少ないのみである。チアゾリジンジオンは組織のインスリン感受性を増大し、高血糖および部分的糖尿性高脂肪血症を低下させることができ、インスリンレベルを低下させることができる。
【0012】
メトホルミン(50年代にヨーロッパにもたらされ、1994年には米国にもたらされた)はII型糖尿病の治療に広く用いられており、肥満に関係するII型糖尿病の治療で選択される薬物である。
【0013】
メトホルミンは、グルコースの肝臓での生成を低下し(Cusi and DeFronzo, Diabetes Rev 6 : 89-131, 1998 Hundal et al., Diabetes 49: 2063- 2069, 2000)、筋肉でインスリンにより刺激されるグルコースの取り込みを促進する(Galuska et al. Diabetologia 37 : 826-832,1994 ; Bailey et al., N Engl J Med 334 : 574-579, 1996) ; Kirpichnikov et al., Ann Intem Med 137 : 25-33, 2002)。その作用はまた、血液中での遊離脂肪酸およびトリグリセリドのレベル低下により脂質代謝に影響する(Cusi et al., J Clin Endocrinol Metab 81 : 4059-4067, 1996 ; Kim et al., Diabetes 51 : 443-448, 2002)。
【0014】
更に、メトホルミンは、慢性的に脂肪酸にまたは高レベルのグルコースにさらされることにより減少したインスリン分泌を回復すること(Patane et al. Diabetes 49: 735-740, 2000)および脂肪組織においてカテコールアミンにより刺激されたリパーゼを阻害することができると考えられている(Flechtner-Mors et al. Diabetes Med 16 : 1000-1006, 1999)。
【0015】
しかし、メトホルミンの分子作用部位はまだ十分に判っていない(Wiernsperger and Bailey, Drugs 58 : 31-39, 1999 ; Hundal et al., Diabetes 49 :2063-2069, 2000 ; Musi et al., Diabetes 51 : 2074-2081, 2002 ;Hawley et al, Diabetes 51 :2420-2425,2002)。
【0016】
メトホルミンにより誘導されるグルコースの肝臓での生成の低下は、グルコース-6-ホスファターゼ、ホスホエノールピルビン酸キナーゼ、およびフルクトース-1,6-ビホスファターゼのような糖新生において鍵となる酵素のレベルの低下に関係し(Fulgencio et al., Biochem Pharmacol 62: 439-446, 2001; Song et al., Am J Phyiol Endocrinol Metab 281: E275-E282, 2001)、脂肪酸の酸化の抑制により部分的に仲介される(Perriello et al., Diabetes 43 : 920- 928,1994)と思われる。NOS (一酸化窒素シンテターゼ)におけるメトホルミンの効果が文献(Kumar VB et al., Life Science 69 (23) : 2789-2799, 2001)で最近報告されており、著者らは、NOSの調節に対する食物消費の低下の効果について述べている。
【0017】
しかし、含まれる機構および工程は別として、メトホルミンは、グルコースの使用および脂質プロファイルを改善することができ、このため、インスリン耐性が減少することが証明された(Bailey, Diabetes Care 15 : 755-772, 1992 ; Cusi and De Fronzo, Diabetes Rev 6 :89-131, 1998)。これはまた、メトホルミンと最新のチアゾリジンジオンとの最近の比較から明かとなる(Kim et al., Diabetes 51 : 443-448, 2002; Ciaraldi et al., Diabetes 51 : 30-36, 2002)。
【0018】
脂質プロファイルを改善することにより、メトホルミンは、結果として、メトホルミンとスルホニル尿素との比較およびインスリンとの比較を行うUKPDS研究(UKPDS Group, Lancet 352 :837-853, 1998)により証明されたように、心臓血管のリスク、および特に心筋梗塞の発生率、および更には肥満の糖尿患者の全体的な死亡率(O'Connor et al., J Fam Pract 4 7 Suppl 5:S13-22, 1998)を低下する。
【0019】
脂質プロファイルを改善すると共に行わなければならないこの態様は、糖尿病における異常脂質血症が心臓血管の損傷のリスクを高めるという事実を考慮すると、本質的であり、心臓血管の損傷による死亡率は糖尿患者では50%を超える(Wilson and Poulter U Br J Bio Med Sci 58 : 248-251, 2001)。メトホルミンは、ダイエットおよび運動の失敗後の単剤療法として使用すると、高血糖を20-30%減少(UKPDSII, Diabetes 34 : 793-798,1985 ; De Fronzo et al., J Clin Endocrinol Metab 73 : 1294-1301, 1991 ; Howlett and Balley, Drug Saf. 20 : 489-503, 1999 ; Ciaraldi et al., Diabetes 51 : 30-36, 2002)し、スルホニル尿素と組み合わせると25%減少(Reaven et al., J Clin Endocrinol Metab 74 : 1020-1026, 1992)する。メトホルミン治療は、効力期間内での効力の低下のため制限される(Guay, Pharmacotherapy 18 : 1195-1204, 1998 ; Riddle, Am J Med 108. Suppl 6a : S15-S22, 2000) ; Carpentier, Diabetes Metab Res Rev 18 Supl 3 : S70-S76,2002)。
【0020】
また、副作用として注目すべきは胃腸障害であり、それは、高い発生率(およそ20%)を有し、患者の薬剤服用順守が低下する。
【0021】
更に、メトホルミンは、禁忌が見られる状態や、腎臓損傷、心不全、慢性的肝臓損傷、蛋白尿、末梢血管損傷または肺損傷のためその使用にリスクがあるか注意する必要がある状態では使用することができない。
【0022】
上記で述べられていることから、II型糖尿病におけるグルコースホメオスタシスのコントロールを目的とする計画は、他のものとは異なり、糖尿の病状に存在する種々の異常に対応していることが明かとなる。
【0023】
以下に記載の式 (I)を有する化合物は、血清-グルコース-低下性および食欲(appetite)-低下性製剤として作用し、毒性は低く、それ故、医薬として、特に高血糖症および肥満の治療用の医薬として有用であることがこの度判明した。
【0024】
好ましい応用は、糖尿病、特にII型、およびその合併症、症候群X、種々のインスリン耐性型、および肥満の予防および治療である。
【0025】
本発明の目的は式(I)の化合物である:
【化1】

[式中:
Zは以下から選択され得る: H; 飽和または不飽和、直鎖または分枝状のアルキル、それは1から7の炭素原子からなり、アルコキシおよびハロゲンで置換されていてもよい; アリールまたはヘテロアリール、それは単環式または二環式であり、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含んでおり、それはハロゲン、NO2、OH、アルキルおよびアルコキシで置換されていてもよく、それはハロゲンで置換されていてもよい; アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル、ここで、飽和または不飽和アルキル残基は1から7の炭素原子からなり、それは単環式または二環式であり、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含んでおり、それはハロゲン、NO2、OH、カルボキシ、アルキルおよびアルコキシで置換されていてもよく、それはハロゲンで置換されていてもよい; またはWと共に、環を形成し得、それは1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい;
WはHに該当し得るか、またはZと共に、環を形成し得、あるいは1以上のヘテロ原子を含む;
n = 0-10 ;
Qは上記列挙のZ基から選択され得る; XおよびYは同一かまたは異なり得、上記列挙のZ基から選択され得る;
更に、Xは以下の型の置換アミノ-イミノであり得る:
【化2】

式中、Z1は上記列挙のZ基から選択され得る; または
XはR-CO基であり得、窒素と共に、基を形成し得る:
【化3】

式中、Rは上記列挙のZ基から選択され得るかまたは-OZかまたは-NZである;
n = 0であるとき、X-N-Y基はHで置換され得る];
およびその薬理学的に許容される塩、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、立体異性体 または幾何異性体および互変異性体;
但し、式(I)の化合物はN-(4-アミノブチル)-N'-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジンメタンスルホネート(ST2369)またはN-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジンメタンスルホネート(ST 2527)ではない。
【0026】
これら後者の2つの化合物(ST2369およびST2527)は、J. Med. Chem., 44,2001, 2950-2958およびBioorg. Med. Chem. Letters, 2,1992 415-418に記載されている手順で調製された血圧降下性製剤として有用であることが知られる化合物である。
【0027】
本発明の更なる目的は、医薬としての該式(I)の化合物の使用である。
【0028】
本発明の更なる目的は、有効成分として1以上の式(I)の化合物および少なくとも1つの薬理学的に許容される賦形剤および/または希釈剤を含む医薬組成物である。
【0029】
式(I)の化合物において、好ましいものは、1から7の炭素原子からなり得る飽和または不飽和アルキルZ基を有する化合物、およびZがアリールアルキルであり、アリールが1以上のハロゲン原子で置換されている化合物である。好ましくは、該アリールに結合し該アリールアルキル基を形成する該アルキルは、1から5までの範囲の数の炭素原子からなる。
【0030】
特に好ましいのは、XおよびYは水素に該当し、nが4-7である化合物である。
【0031】
特に好ましいのは以下の化合物である:
i. N-(6-アミノヘキシル)-N'-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジンメタンスルホネート(ST2370);
ii. N-(4-アミノブチル) -N'-(3-フェニルプロピル)グアニジン(ST2521);
iii. N-(4-アミノブチル)-N'-(4-フルオロベンジル)グアニジンジクロロヒドレート (ST2524);
iv. N-アリル-N'-(4-アミノブチル)グアニジンジクロロヒドレート(ST2525);
v. 1,4-ビス-[N-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジノ]-ブタンジメタンスルホネート(ST2526);
vi. N-(4-フルオロフェニル)-N'-(6-アミノエシル)-)-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミド (ST 2601);
vii. N-(4-フルオロフェニル)-N'-(6-アミノエシル)-l-ピペリジノカルボキシイミダミド (ST 2602);
viii. N-(4-フルオロフェニル)-N'-(4-アミノブチル)-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミド (ST2658);
ix. N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(5-アミノペンチル)グアニジンメタンスルホネート (ST2574);
x. N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(7-アミノエプチル)グアニジンメタンスルホネート (ST2575)。
【0032】
本発明の更なる目的は、高血糖症の予防および治療のための、特に糖尿病、好ましくは、II型糖尿病、およびその合併症、症候群X、種々のインスリン耐性型、肥満および高脂肪血症の予防および治療のための医薬の製剤のための式(I)の化合物:
【化4】

[式中:
Zは以下から選択され得る: H; 飽和および 不飽和、直鎖または分枝状のアルキル、それは1から7の炭素原子からなり、アルコキシおよびハロゲンで置換されていてもよい; 単環式または二環式のアリールまたはヘテロアリールであり、それは窒素、酸素および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子を含んでおり、ハロゲン、NO2、OH、アルキルおよびアルコキシで置換されていてもよく、それはハロゲンで置換されていてもよい; アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル、ここで、飽和または不飽和アルキル残基は1から7の単環式または二環式炭素原子からなり、それは窒素、酸素および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子を含んでおり、それはハロゲン、NO2、OH、カルボキシ、アルキルおよびアルコキシで置換されていてもよく、それはハロゲンで置換されていてもよい; またはWと共に、環を形成し得、あるいは1以上のヘテロ原子を含む;
WはHに該当し得るか、またはZと共に、環を形成し得、あるいは1以上のヘテロ原子を含む;
n = 0-10 ;
Qは上記列挙のZ基から選択され得る;
XおよびYは同一かまたは異なり得、上記列挙のZ基から選択され得る;
更に、Xは以下の型の置換アミノ-イミノであり得る:
【化5】

式中、Z1は上記列挙のZ基から選択され得る、または
XはR-CO基であり得、窒素と共に、基を形成し得る:
【化6】

式中、Rは上記列挙のZ基から選択され得るかまたは-OZかまたは-NZである;
n = 0であるとき、X-N-Y基はHで置換され得る];
およびその薬理学的に許容される塩、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、立体異性体または幾何異性体および互変異性体
の使用である。
【0033】
特に好ましいのは以下の化合物である:
i. N-(6-アミノヘキシル)-N'-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジンメタンスルホネート(ST2370);
ii. N-(4-アミノブチル)-N'-(3-フェニルプロピル)グアニジン(ST2521);
iii. N-(4-アミノブチル)-N'-(4-フルオロベンジル)グアニジンジクロロヒドレート(ST2524);
iv. N-アリル-N'-(4-アミノブチル)グアニジンジクロロヒドレート(ST2525);
v. l,4-ビス-[N-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジノ]-ブタンジメタンスルホネート(ST2526);
vi. N-(4-アミノブチル)-N'-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジンメタンスルホネート(ST2369);
vii. N-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジンメタンスルホネート(ST2527);
viii. N-(4-フルオロフェニル)-N'-(6-アミノエシル)-)-4-メチル-l-ピペラジノカルボキシイミダミド (ST 2601);
ix. N-(4-フルオロフェニル)-N'-(6-アミノエシル)-l-ピペリジノカルボキシイミダミド(ST 2602);
x. N-(4-フルオロフェニル)-N'-(4-アミノブチル)-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミド(ST2658) ;
xi. N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(5-アミノペンチル)グアニジンメタンスルホネート (ST2574);
xii. N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(7-アミノエプチル)グアニジンメタンスルホネート (ST2575)。
【0034】
式(I)の化合物において、好ましいものは、1から7の炭素原子からなり得る飽和または不飽和アルキルZ基を有する化合物、およびZがアリールアルキルであり、アリールが1以上のハロゲン原子で置換されていてもよい化合物である。好ましくは、該アリールに結合し該アリールアルキル基を形成する該アルキルは、1から5までの範囲の数の炭素原子からなる。
【0035】
特に好ましいのは、XおよびYは水素に該当し、nが4-7である化合物である。
【0036】
一般式(I)を有する化合物は、市場で入手可能な出発化合物から出発することにより調製し得るかまたは一般法 A、一般法 Bおよび一般法 Cに記載の反応を用いる、通常の方法により調製し得る。
【0037】
【化7】

W = ハロゲン、p-トルエンスルホネート、またはメタンスルホネートのような脱離基(exit group)。
【0038】
一般式(I)の化合物は、1: 1.5から1: 3の当量の割合、好ましくは、1: 2.4の割合で、式1および1aの化合物から出発(工程 1)する上記スキームにより合成し得、ここでWは、例えば、ハロゲン、p-トルエンスルホネート、またはメタンスルホネートのような脱離基である、その反応は相間移動状態にあり、溶媒として一対の溶媒の混合物、好ましくはCH2Cl2およびアセトニトリルを好ましくは19: 1の割合で用い、温度は5℃から該混合物の沸点までの範囲であり、好ましくは室温であり、反応時間は2から24時間までの範囲であり得、好ましくは6時間であり、触媒量の、テトラブチルアンモニウムブロミドのような相間移動体(phase transferer)および有機塩基の存在下であり、好ましくはKOHが2から4当量過剰、好ましくは2.8当量である。
【0039】
工程2では、工程1で得られた一般式2の化合物は、1: 1から1: 3、好ましくは1: 1の割合で一般式3の化合物と反応し、その反応は、THFのような非プロトン性溶媒中であり、温度は5℃から該溶媒の沸点、好ましくは50℃であり、反応時間は1から6時間までの範囲であり、好ましくは3時間であり、一般式4の化合物を得る。
【0040】
工程3では、一般式Iの化合物は最終的に塩として得られ、それは、式4の化合物の脱保護により行い、有機または無機酸、好ましくは、メタン-スルホン酸または塩酸を用い、アルコールまたはジオキサンのような溶媒中であり、反応時間は1時間から18時間までの範囲、好ましくは3-6時間であり、温度は25℃から溶媒の還流温度までの範囲であり、好ましくは55℃または還流温度である。
【0041】
【化8】

【0042】
一般式Iの化合物はまた一般法 Bにより合成され得、一般式5の化合物から出発しベンジルクロロホルミエートと反応(工程1)するが、その割合は好ましくは1: 1であり、THFのような二極性非プロトン性溶媒中であり、塩基、好ましくはアルカリ金属の水素化物の存在下であり、温度は-55℃から-25℃までの範囲、好ましくは-45℃、1時間であり、次いで、室温で、反応時間は12-48時間、好ましくは18時間であり、式6の化合物が得られる。
【0043】
Mitsunobu条件による一般式6の化合物と一般式6aのアルコールとの反応(工程2)、好ましくはTHF中のトリフェニルホスフィンおよびDIADとの反応、反応時間は2から18時間までの範囲、好ましくは12時間、温度は室温から溶媒の沸点、好ましくは還流温度により、式7の化合物が得られ、一般構造8(X基はまた、ベンジルオキシカルボニルを意味し得る)のアミンアルコールと再び上記Mitsunobu条件により反応(工程3)することにより、式9の化合物を得る。その後、還元による脱保護(工程4)、それは、Pd/C、好ましくは10%、およびシクロヘキセンの存在下であり、MeOHのような溶媒中であり、温度は25℃から溶媒の沸点までの範囲、好ましくは還流温度であり、時間は2時間から18時間までの範囲、好ましくは8時間であり、これにより、一般式Iの化合物を得る。
【0044】
【化9】

式中、W = Hであるか、Zと共に、環を形成し、1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0045】
一般式Iの化合物は、1 :1から1: 2の当量の割合、好ましくは、 1: 1.5で構造10aおよび10bの化合物から出発(工程1)する上記のスキームにより合成し得、その反応はアミンとイソチオシアネートとの反応であり、好ましくは、CH2Cl2を溶媒として用い、温度は5℃から該溶媒の沸点までの範囲、好ましくは室温であり、反応時間は2から48時間までの範囲であり得、好ましくは12時間である。
【0046】
工程2では、工程1で得られた一般式11の化合物は一般構造12の化合物に変換し、その反応は、2-クロロ-N-メチルピリジニウムイオジドとの反応であり、1.2から3.0当量までの範囲、好ましくは1.7当量の量であり、有機塩基、好ましくはDIPEAの存在下であり、2から4当量過剰、好ましくは3当量であり、好ましくは溶媒としてCH2Cl2を用い、温度は5℃から該溶媒の沸点までの範囲、好ましくは室温である。
【0047】
工程3では、構造12の化合物は構造13の化合物に変換し、その反応は、アミンとの反応であり、1: 1から1.2の当量、好ましくは1.2当量の割合であり、溶媒としてトルエンを用い、温度は5℃から溶媒の沸点までの範囲、好ましくは50℃であり、反応時間は1時間から24時間までの範囲、好ましくは4時間である。
【0048】
工程4では、一般式Iの化合物は最終的に塩として得られ、それは、式13の化合物の脱保護により行い、有機または無機酸、好ましくはトリフルオロ酢酸を用い、濃度は1%から10%までの範囲、好ましくは5%であり、CH2Cl2型の溶媒中であり、反応時間は1時間から12時間までの範囲、好ましくは4時間であり、温度は5℃から該溶媒の沸点までの範囲、好ましくは室温である。
【実施例】
【0049】
実施例1
N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(6-アミノヘキシル}グアニジンメタンスルホネートST2370の調製
中間産物N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素の調製
該生成物は、CH2Cl2 (1.5 ml)および(Boc)20 (314 mg, 1.44 mmol)およびNaHCO3飽和溶液1.44 mlに溶解したS-メチルイソチオウレアサルフェート(100 mg, 0.36 mmol)から出発し調製した。それは、J. Med. Chem. 1993, 36, 2956-2963の報告の通りである。その反応混合物は室温にて18 時間撹拌し続けた。この期間の最後に、CH2Cl2(2 ml)をその反応混合物に加え、有機相を水相から分離し、その水相はCH2Cl2で抽出した。プールした有機性の画分をNaCl s.s.で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。残渣を、溶出液としてAcOEt/プロピルエーテル 1: 3を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体として生成物105 mgを得た(収量: 100 %)。分析データは文献で報告されている通りであった。
【0050】
中間産物N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素の調製
方法 A、工程1
該生成物は、CH2Cl2/CH3CN 19: 1(溶液 A)6 ml中のKOH (56 mg, 1.00 mmol)および(n-Bu)4NBr(23 mg, 0.07 mmol)の懸濁液に、溶液 A 4 mlに溶解したN,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素の溶液(105 mg, 0.36 mmol)を滴下することにより調製した。その反応混合物は15 分間撹拌し続け、その後、溶液 A 20 mlに溶解したプレニルブロミド(99 mg, 0.86 mmol)を1時間あけて加えた。その反応物は室温にて6 時間撹拌し続けた。
【0051】
その溶液は冷水で希釈し、 その二相を分離し、水相をCH2Cl2で抽出し、プールした有機相をNaCl s.s.で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。真空で溶媒を蒸発させた後、残渣を、溶出液としてプロピルエーテル/AcOEt 10: 1を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、黄色のオイルとして生成物129 mgを得た(収量: 100%)。
IR (CHCl3) ν 1720,1620cm-1, 1H-NMR (CDCl3) δ 5.26(1H, m), 4.12 (2H, d, J = 6.5 Hz), 2.36 (3H, s), 1.71, 1.66 (3H each), 1.50, 1.46 (9H each).
【0052】
中間産物4-[N2,N3-ビス(ter-ブトキシカルボニル-N3-(γ,γ-ジメチルアリル)-グアニジノ]-l-アミノヘキサンの調製
方法 A、工程2
THF(1.6 ml)中のN-(γ,γ-ジメチルアリル)-N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素の溶液(129 mg, 0.36 mmol)を、THF 1 ml中の1,6-ジアミノヘキサン(151 mg, 1.3 mmol)の溶液に滴下した。その反応物を50℃とし、その温度で3時間維持した。その反応混合物は減圧下で濃縮し、残渣は、CHCl3/NaHCO3 10%の混合物に溶解した; その二相を分離し、水相はCHCl3で抽出した。プールした有機相を無水Na2SO4で乾燥させた。真空での溶媒の蒸発後、残渣を、溶出液としてCHCl3/NEt3 5%を用いるクロマトグラフィーで精製し、ガラス状の白色固体として生成物154 mgを得た(収量: 100 %)。
IR (CHCl3) ν 3250,1720, 1624 cm-1 1H-NMR (CDCl3) δ 5.15 (1H, t, J= 7,1 Hz); 4.20 (2H, d,J= 7.1 Hz); 3.25, 2.80 (2H each, J= 6.7 Hz); 1.7-1. 3 (8H, m); 1.70, 1.66 (3H each);1.50, 1.46 (9H each).
【0053】
N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(6-アミノヘキシル)グアニジンメタンスルホネート(ST2370)の調製
方法 A、工程3
該生成物は無水ジオキサン(10 ml)中のメタン-スルホン酸 (34.8 mg, 23.5μL, 0.36 mmol)の溶液に溶解した4-[N2, N3-ビス(ter-ブトキシカルボニル-N3-(γ,γ-ジメチルアリル)-グアニジノ]-1-アミノヘキサン(154 mg, 0.36 mmol)から出発し、調製した; その得られた溶液は還流温度でN2気流中、3 時間、静置した。その溶液を冷却し、真空で乾燥するまで濃縮した; 得られたアモルファス黄褐色固体をエチルエーテルで洗浄し、ゴム状のアモルファス固体として生成物60 mgを得た(収量:52%)。
1H-NMR (CD3OD) δ 5.20-5. 29(1H, m), 3.75-3. 95 (2H, dd); 3.11-3.24 (4H, m), 2.88-2.99 (4H, m), 2.68 (s, 3H), 1.67-1.86 (6H, m), 1.39-1. 49 (4H, m).
【0054】
実施例2
N-(4-アミノブチル)-N'-(3-フェニルプロピル)グアニジンST2521の調製
方法 B、工程1
中間産物 N,N',N"-トリス(ベンジルオキシ-カルボニル)グアニジンの調製
該生成物は、J. O. C., 1998,63 (23), 8432-8439に記載の通り、T=-45℃とする無水THF中のN,N'-ビス(ベンジルオキシカルボニル)グアニジン(J. O. C., 1998,63 (23), 8432-8439に記載の通り調製した)(3 g, 9.17 mmol)の溶液から出発し調製し、その後、NaH(ミネラルオイル中60%、728 mg, 18.1 mmol)を少量で少しずつ加えた。その懸濁液を1 時間、T =-45℃に保持し、その後、ベンジルクロロホルミエート(1.55 g, 9.17 mmol)を添加し、その懸濁液をN2気流中、室温に戻し、18 時間、撹拌し続けた。その混合物を減圧下で濃縮し、次いで、CH2Cl2およびH20で希釈した; その二相を分離し、その有機相をHCl 1N、NaCl s.s.で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。その粗反応生成物を、溶出液としてCH2Cl2/Et2Oを用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、生成物810 mgを得た(収量: 19%)。分析データは文献に報告されている通りであった。
【0055】
中間産物N-(シンナミル)-N,N',N"-トリス(ベンジルオキシカルボニル)グアニジンの調製
方法 B、工程2
該生成物は、無水THF(12 ml)中に可溶化したN,N',N"-トリス(ベンジルオキシカルボニル)グアニジン(810 mg, 1.75 mmol)から調製した; その溶液にPPh3(298 mg, 1.14 mmol)および桂皮アルコール(140 mg, 1.05 mmol)を加えた。その反応混合物は0℃とし、DIAD(227 mg, 1.14 mmol)を少量で少しずつ加えた。添加の完了の際、その溶液を還流温度とし、12 時間その温度を保持した。その反応物は最初に減圧下で濃縮し、次いで、CHCl3およびH20で希釈した。その二相を分離し、その有機相をNaCl s.s.で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。溶出液としてプロピルエーテル/AcOEt 4: 1を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによる残渣の精製後、生成物443 mgは黄色のオイルとして得られた(収量: 74%)。
IR (CHCl3) ν 1760, 1712, 1655,1615cm-1,1H-NMR(CDCl3) δ 11.11 (brs, 1H); 7.39-7.30 (m, 20H); 6.58 (d, 1H, J= 15.8 Hz); 6.30 (dd,1H, J1 = 15.7Hz,J2 = 6.3 Hz); 5.17 (s, 6H); 4.68 (d, 2H, J= 6. 2 Hz).
【0056】
N-(4-アミノブチル)-N'-(シンナミル)-N,N',N",N'''-テトラ(ベンジルオキシカルボニル)グアニジンの調製
方法 B、工程3
無水THF (6 ml)中のN-(シンナミル)-N, N',N"-トリス(ベンジルオキシ-カルボニル)グアニジン(443 mg, 0.767 mmol)の溶液にPPh3(301 mg, 1.15 mmol)および4-(N-ベンジルオキシ-カルボニル)アミノブタノール(223 mg, 0.998 mmol)を加えた。その反応混合物は0℃とし、DIAD(232 mg, 1.15 mmol)を滴下した。添加の完了の際、その反応物は、12時間還流温度で静置した。その反応混合物は最初に減圧下で濃縮し、次いで、CH3C1およびH20で希釈した; その有機相を水相から分離し、NaCl s.s.で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。真空で溶媒を蒸発させた後、残渣を、溶出液としてCH2Cl2/Et20 98: 2を用いるクロマトグラフィーで精製した。生成物の176 mgが黄色のオイルとして得られた(収量: 29%)。
IR (CHCl3) ν 1766, 1722,1655, 1633cm-1, 1H-NMR(CDCl3) δ (ppm) 7.32-7.22 (m, 25H); 6.41 (d, 1H, J= 15.8 Hz); 6.16 (dd, 1H, J1 = 15.8 Hz, J2 = 6.6 Hz); 5.07-4.96 (m, 8H); 4.23 (d, 2H, J= 6.6 Hz); 3.47 (t, 2H, J= 6.7 Hz); 2.97 (t, 2H,J= 6.1 Hz); 1.47-1. 33 (m, 4H).
【0057】
N-(4-アミノブチル)-N'-(3-フェニルプロピル)グアニジン(ST2521)の調製
方法 B、工程4
該生成物は無水MeOH(20 ml)中に可溶化したN-(4-アミノブチル)-N'-(シンナミル)-N,N',N",N"'-テトラ(ベンジルオキシカルボニル)グアニジン(176 mg, 0.225 mmol)の、Pd/C 10% (215 mg)およびシクロヘキセン(347 mg, 4.5 mmol)による還元により調製した。その反応混合物は還流温度とし、8時間その温度を保持した。この時間の最後に、その反応混合物をセライトで濾過し、MeOHで十分に洗浄した。その濾液を真空で乾燥するまで濃縮し、ガラス状の固体として生成物49 mgを得た(収量: 87.6%)。
1H-NMR (CDCl3) δ 7.23-7.18 (5H,m), 3.26-3.13 (4H, m), 2.61 (2H, t), 1.90-1. 24(8H,m).
【0058】
実施例3
N-(4-アミノブチル)-N'-(4-フルオロベンジル)グアニジンジクロロヒドレート ST2524 の調製
方法 A
中間産物N-4-フルオロベンジル-N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素の調製
該生成物は、実施例1のN-(γ,γ-ジメチルアリル)-N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素の合成に記載と同じ手順を用いるCH2Cl2/CH3CN 19/1 (45 ml)中の、N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素(400 mg, 1.37 mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(82 mg, 0.256 mmol)を伴うp-フルオロベンジルブロミド(616 mg, 3.3 mmol)およびKOH (220 mg, 3.93 mmol)から出発して調製した。アモルファス白色固体469 mgが得られた(収量: 86%)。
M.p. 156-158 ℃ ; IR (CHCl3) ν 1720, 1625, 1H-NMR(CDCl3) δ 7. 21 (2H, t); 7.05 (2H, t); 4.76 (2H, s); 1.48-1.54 (s, 9H each).
【0059】
中間産物4-[N2,N3-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-N3-(4-フルオロベンジル)-グアニジノ]-1-アミノブタンの調製
該生成物は、実施例1における4-[N2,N3-ビス(ter-ブトキシカルボニル-N3-(γ,γ-ジメチルアリル)-グアニジノ]-l-アミノヘキサンの合成のために記載の手順を用いるTHF 7 ml中のN-4-フルオロベンジル-N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素(468 mg, 1.178 mmol)、1,4-ジアミノブタン(105 mg, 3.07 mmol)から出発して調製した。生成物116 mgが黄色のオイルとして得られた(収量: 22%)。
IR (CHCl3) ν 3260,1720, 1632cm−1, 1H-NMR(CDCl3) δ 7.16 (2H, t); 6.84 (2H, t); 4.67 (2H, s); 2.90 (2H, t); 2.44 (2H, t), 1.35-1.19 (22H, m).
【0060】
N-(4-アミノブチル-N'-(4-フルオロベンジル)グアニジンジクロロヒドレート(ST2524)の調製
該生成物は、EtOH(1.5 ml)中に可溶化した4-[N2,N3-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-N3-(4-フルオロベンジル)-グアニジノ]-l-アミノブタン(116 mg, 0.26 mmol)から出発して調製した。2 時間毎にHCl 12 N 1 mlを加えた; 4 時間後、その溶液は15分間室温にて静置し、次いで、T =55℃とし、6時間その温度を保持した。その溶液は減圧下で濃縮し、その残りの水相をCH2Cl2およびAcOEtで洗浄した。その水相は真空で乾燥するまで濃縮し、黄色のオイルとして生成物46 mgを得た(収量: 57%)。
1H-NMR (CD30D) δ 7.31-7.24 (2H, m), 7.03-7.12 (2H, m), 4.34 (2H, s), 3.26 (2H, t), 3.17 (2H, t), 1.58-1.53 (2H, m).
【0061】
実施例4
N-アリル-N'-(4-アミノブチル)グアニジンジクロロヒドレート ST2525の調製
方法 A
中間産物N-アリル-N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素の調製
該生成物は、実施例1のN-(γ,γ-ジメチルアリル)-N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素の調製のために用いる合成手順を用いるCH2Cl2/CH3CN 19/1、99 ml中のN,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素(1.5 g, 5.1 mmol)、蒸留したアリルブロミド(1.48 mg, 12.37 mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(309 mg, 0.57 mmol)、KOH(825 mg, 14.73 mmol)から出発して調製した。生成物950 mgが白色固体として得られた(収量: 55%)。
M.p. 38-40 ℃ ; IR (CHCl3)ν 1720, 1618 cm-1;1H-NMR(CDCl3) δ 5.92-5.76(1H, m), 5.29-5.12 (2H, m), 4.09 (2H, d), 2.34 (3H, s), 1.47-1.43 (9H each).
【0062】
中間産物4-[N2,N3-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-N3-(アリル)-グアニジノ]-l-アミノブタンの調製
該生成物は、実施例1に記載の手順によりTHF (22 ml)中のN-アリル-N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素(950 mg, 2.8 mmol)、1.4 ジアミノブタン(657 mg, 7.54 mmol)から調製した。生成物322 mgがオイルとして得られた(収量: 32.5%); IR (CHCl3) ν 3256, 1720, 1618cm-1, 1H-NMR(CDCl3) δ 5.80-5.72(1H, m); 5.17-5.04 (2H, m); 4.18 (2H, d); 3.15 (2H, t, J = 6.6 Hz); 2.66 (2H; t, J = 6.6 Hz); 1.65-1.50 (4H, m); 1.42- 1.40 (9H each).
【0063】
N-アリル-N'-(4-アミノブチル)グアニジンジクロロヒドレート ST2525の調製
該生成物は、実施例3のST2524の合成のための記載と同じ手順を用いるEtOH(3 ml)およびHCl 12 N (3 ml)中の4-[N2,N3-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-N3-(アリル)-グアニジン]-l-アミノブタン(322 mg, 0.91 mmol)から調製した。生成物63 mgが黄色のオイルとして得られた(収量: 28.4%)。
1H-NMR (CD3OD) δ 5.93-5.80(1H, m); 3.86 (2H, d), 3.29-3.24 (2H, m), 3.05-2.90 (2H, m), 1.85-1.60 (4H,m).
【0064】
実施例5
1,4-ビス-[N-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジノ]-ブタンジメタンスルホネートST2526の調製
方法 A
中間産物1,4-ビス-[[N2,N3-ビス(ter-ブトキシカルボニル)N3-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジノ]-ブタンの調製
該生成物は、実施例1における4-[N2,N3-ビス(ter-ブトキシカルボニル-N3-(γ,γ-ジメチルアリル)-グアニジノ]-l-アミノヘキサンの調製で記載の通りTHF (1.23 ml)中のN-(γ,γ-ジメチルアリル)-N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素(493 mg, 1.37 mmol)および1,4 ジアミノブタン(48.2 mg, 0.55 mmol)から出発して調製した。生成物195 mgが無色オイルとして得られた(収量: 50.2%)。
IR (CHCl3) ν 1724, 1610 cm-1, 1H NMR (CDC13): δ 5.15 (2H, t, J = 6. 3 Hz), 4.22 (4H, d, J= 6.9 Hz), 3.22 (4H, m), 1.66 (12H, d, J= 4.7 Hz), 1.58 (4H, m), 1.48 (18H, s), 1.39 (18H, s).
【0065】
1,4-ビス-[N-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジノ]-ブタンジメタンスルホネート(ST2526)の調製
該生成物は、上記のように調製した1,4-ビス-[[N2,N3-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-N3-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジノ]-ブタン(195 mg, 0.276 mmol)および実施例1におけるST2370の調製で記載の通りジオキサン(11 ml)中のメタン-スルホン酸(53 mg, 0.552 mmol)から出発して調製した。生成物109 mgが黄色のオイルとして得られた(収量: 78.9%)。
1H-NMR (CD30D) 5.31 (2H, m), 3.61 (4H, m), 3.26 (4H,m), 2.72 (6H, s), 1.91-1. 72(12H, m).
【0066】
実施例6
N-(4-フルオロフェニル)-N'-(6-アミノヘキシル)-N-(4)-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミド(ST 2601)の調製
中間産物1-(4-フルオロフェニル)-3-[6-(N-tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]ヘキシル-2-チオ尿素の調製
方法 C、工程1
該生成物は、N-(tert-ブトキシカルボニル)-ジアミノヘキサン(1.36 g, 6.29 mmol)を加えた、CH2Cl2(15 mL)中のp-フルオロフェニルイソチオシアネート(641 mg, 4.19 mmol)の溶液から出発して調製した。その反応混合物は室温にて12 時間撹拌し続けた。その時間の最後に、その溶液を濃縮し乾燥させ、残渣を、溶出液としてAcOEt/プロピルエーテル 1: 1を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、生成物1.32 gを淡い黄色みがかった固体として得た(収量: 85%)。
M.p. :127-129 ℃; IR CHCl3 ν 3312,2931, 1686, 1533, 1507,1365, 1167cm-1; 1H-NMR (CDC13) δ: 7.98(1H, brs); 7.18(2H,t, J = 8.3 Hz); 7.06 (2H, t, J = 8.3 Hz); 6.04(1H, brs); 4.57(1H, brs); 3.55 (2H, q, J = 6.6 Hz); 3.03 (2H,t, 6.6 Hz); 1.71-1.30 (17H, m).
【0067】
中間産物N-(4-フルオロフェニル)-N'-[6-(N"-tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシルカルボジイミドの調製
方法 C、工程2
該生成物は、2-クロロ-N-メチルピリジニウムイオジド (1.5 g, 6.0 mmol)およびDIPEA (1.8 mL, 10.71 mmol)を加えた、CH2Cl2 (20 mL)中の1-(4-フルオロフェニル)-3-[6-(N-tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]ヘキシル-2-チオ尿素(1.3 g, 3.5 mmol)の溶液から出発して調製した。その反応混合物は室温にて12 時間撹拌し続けた。その時間の最後に、その混合物をブフナー漏斗で濾過し、固体をCH2Cl2で洗浄した; 濾液はH20で抽出し、その有機相はNaCl s.s.で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。残渣を、溶出液としてプロピルエーテル/Et20 1: 9を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、生成物1.0 gを無色オイルとして得た(収量: 90%)。
IR CHCl3 ν 2928,2134, 1690 cm-1; 1H-NMR (CDCl3) δ: 7.02-6.92 (4H, m); 4.51(1H, brs); 3.36 (2H, t, J = 6.5 Hz); 3.03 (2H, q, J = 6.5 Hz) 1.66-1.60 (2H, m); 1.56-1.28 (15H, m).
【0068】
中間産物N-(4-フルオロフェニル)-N'-[6-(N"-tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル-4-メチル-1-ピペラジノ-カルボキシイミダミドの調製
方法 C、工程3
該生成物は、N-メチルピペラジン(44.2 mg, 0.44 mmol)を加えた、トルエン(4 mL)中のN-(4-フルオロフェニル)-N'-[6-(N"-tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキシル-カルボジイミド (125 mg, 0.37 mmol)の溶液から出発して調製した。その反応物は50℃とし4 時間その温度を保持した。この時間の最後に、3-(イソチオシアノ)-プロピルシリカゲル(250 mg, 0.12-0. 35 mmol)をその溶液に加えた。その混合物を50℃で12 時間保持した。その時間の最後に、その混合物をグーチ漏斗で濾過し、溶液を乾燥するまで蒸発させ、生成物145 mgを黄色のオイルとして得た(収量: 92%)。
IR CHCl3 ν 3453, 1707, 1620,cm-1; 1H-NMR (CDCl3) δ: 6.87 (2H, t,J = 8.7 Hz); 6.65 (2H, t, J = 8.6 Hz); 4.62(1H, brs); 3.16 (4H, t, J = 4.5 Hz); 2.99 (2H, q, J = 7.0 Hz); 2.88 (2H, t, J = 7.0 Hz); 2.35 (4H, t, J = 4.5 Hz); 2.23 (3 H, s); 1.42-1.17 (17H, m).
【0069】
N-(4-フルオロフェニル)-N'-(6-アミノヘキシル)-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミド (ST2601)の調製
方法 C、工程4
該生成物は、トリフルオロ酢酸(370 mg, 0.25 mL, 3.24 mmol)を加えた、CH2Cl2(5 mL)中のN-(4-フルオロフェニル)-N'-[6'-(N"-tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]ヘキシル-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミド(120 mg, 0.27 mmol)の溶液から出発して調製した。その溶液は室温にて4時間静置させた。その時間の最後に、その溶液を乾燥するまで蒸発させ、生成物150 mgをオイルとして得た(収量: 100%)。
1H-NMR(CD3COCD3)δ: 10.26(1H, br); 7.29-7.15 (4H, m); 3.96-3.49 (6H, m); 3.41-3.30 (6H, m); 2.94 (3H, s) 1.60-1.26 (6H, m); HPLC: Zorbax Eclipse XDB-C8 カラム(5μm, 150 x 4.6 mm); 移動相 MeOH: H20 60: 40, 流速 0.5 mL/分; 検出器: UV 254 nm, RT = 2.36 分.
【0070】
実施例7
N-(4-フルオロフェニル)-N'-(6-アミノヘキシル)-1-ピペリジノ-カルボキシイミダミド (ST2602)の調製
中間産物1-(4-フルオロフェニル)-3-[6-(N-tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]ヘキシル-2-チオ尿素の調製
方法 C、工程1
該生成物は、N-(tert-ブトキシカルボニル)-ジアミノヘキサン(1.36 g, 6.29 mmol)を加えた、CH2Cl2(15 mL)中のp-フルオロフェニルイソチオシアネート(641 mg, 4.19 mmol)の溶液から出発して調製した。その反応混合物は室温にて12 時間撹拌し続けた。その時間の最後に、その溶液を濃縮し乾燥させ、残渣を、溶出液としてAcOEt/プロピルエーテル 1: 1を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、生成物1.32 gを淡い黄色みがかった固体として得た(収量: 85%)。
M.p. :127-129 ℃ ; IR CHCl3ν 3312, 2931,1686, 1533,1507, 1365,1167cm-1 ; 1H-NMR(CDCl3)δ : 7.98(1H, brs); 7.18 (2H, t, J = 8.3 Hz); 7.06 (2H, t, J = 8.3 Hz); 6.04(1H, brs); 4.57 (1H, brs); 3.55 (2H, q, J = 6.6 Hz); 3.03 (2H,t, J = 6.6 Hz); 1.71-1.30 (17H, m).
【0071】
中間産物 N-(4-フルオロフェニル)-N'-[6-(N"-tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]ヘキシルカルボジイミドの調製
方法 C、工程2
該生成物は、2-クロロ-N-メチルピリジニウムイオジド (1.5 g, 6.0 mmol)およびDIPEA(1.8 mL, 10.71 mmol)を加えた、CH2Cl2(20 mL)中の1-(4-フルオロフェニル)-3-[6-(N-tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]ヘキシル-2-チオ尿素(1.3 g, 3.5 mmol)の溶液から出発して調製した。その反応混合物は室温にて12 時間撹拌し続けた。その時間の最後に、その混合物をブフナー漏斗で濾過し、固体をCH2Cl2で洗浄した; 濾液はH20で抽出し、次いで有機性残渣をNaClの飽和溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。残渣は、溶出液としてプロピルエーテル/Et20 1: 9を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、生成物1.0 gを無色オイルとして得た(収量: 90%)。
IR CHCl3 ν 2928,2134, 1690,cm-1; 1H-NMR (CDCl3)δ : 7.02-6.92 (4H, m); 4.51(1H, brs); 3.36 (2H, t, J = 6.5 Hz); 3.03(2H,q, J = 6.5 Hz); 1.66-160 (2H, m); 1.56-1.28 (15H, m).
【0072】
中間産物N-(4-フルオロフェニル)-N'-[6-(N"-tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]ヘキシル-1-ピペラジノカルボキシイミダミドの調製
方法 C、工程3
該生成物は、ピペリジン(44.7 mg, 0.53 mmol)を加えた、トルエン (5 mL)中のN-(4-フルオロフェニル)-N'-[6-(N"-tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]ヘキシルカルボジイミド(150 mg, 0.44 mmol)の溶液から出発して調製した。その反応物は50℃とし、4 時間その温度を保持した。その時間の最後に、3-(イソチオシアノ)-プロピルシリカゲル(250 mg, 0.12-0.35 mmol)をその溶液に加え、その混合物を50℃で12 時間保持した。その時間の最後に、その混合物をグーチ漏斗で濾過し、溶液を乾燥するまで蒸発させ、生成物145 mgを黄色のオイルとして得た(収量: 90%)。
IR CHCI3 ν 3448,1709, 1627,cm-1; 1H-NMR (CDCl3) δ: 6.87 (2H, t, J = 7.3 Hz); 6.69 (2H, t, J= 7.3 Hz); 4.58(1H,brs) ; 3.40(1H, brs); 3.10-2.88 (8H, m); 1.52- 1.10 (23H, m).
【0073】
N-(4-フルオロフェニル)-N'-(6-アミノヘキシル)-l-ピペリジノ-カルボキシイミダミド(ST 2602)の調製
方法 C、工程4
該生成物は、トリフルオロ酢酸(370 mg, 0.25 mL, 3.24 mmol)を加えた、CH2Cl2 (5 mL)中のN-(4-フルオロフェニル)-N'-[6-(N"-tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]ヘキシル-1-ピペリジノカルボキシイミダミド(120 mg, 0.28 mmol)の溶液から出発して調製した。その溶液は、室温にて4 時間静置した。その時間の最後に、その溶液を乾燥するまで蒸発させ、生成物120 mgをオイルとして得た(収量:100%)。
1H-NMR (CD3COCD3) δ: 8.17(1H, brs); 7.20-7.12 (4H, m); 3.75-3.68 (2H, m); 3.50-3.26 (6H, m); 3.02- 2.99 (2H, m); 2.49 (2H, brs); 1.81-1.01 (12H, m); HPLC: Zorbax Eclipse XDB-C8 カラム(5μm, 150 x 4.6 mm); 移動相 MeOH: H20 60: 40, 流速 0.5 mL/分; 検出器: UV 254 nm, RT = 2.32 分.
【0074】
実施例8
N-(4-フルオロフェニル)-N'-(4-アミノブチル)-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミド(ST2658)の調製
中間産物1-(4-フルオロフェニル)-3-[4-(N-tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]ブチル-2-チオ尿素の調製
方法 C、工程1
該生成物は、N-(tert-ブトキシカルボニル)-ジアミノブタン(502 mg, 2.67 mmol)を加えた、CH2Cl2(10 mL)中のp-フルオロフェニルイソチオシアネート(272 mg, 1.78 mmol)の溶液から出発して調製した。その反応混合物は室温にて5 時間撹拌し続けた。その時間の最後に、形成した沈殿物をブフナー漏斗で濾過し、固体を石油エーテル(50 mL)で洗浄し、生成物592 mgを白色固体として得た(収量: 95%)。
M.p. :152-153 ℃ ; IR CHCl3 ν 3294, 2924, 1699, 1166cm-1 ;1H-NMR (CDC13)δ: 7.76(1H, brs); 7.21 (2H,t) ; 7.09 (2H, t); 6.03(1H, brs); 4.59(1H, brs); 3.61 (2H, q, J = 6.3 Hz); 3.10 (2H, q, J = 6.3 Hz); 1.63-1.47 (4H, m); 1.39 (9H, s).
【0075】
中間産物 N-(4-フルオロフェニル)-N'-[4-(N"-tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ブチルカルボジイミドの調製
方法 C、工程2
該生成物は、2-クロロ-N-メチルピリジニウムイオジド (734 mg, 2.87 mmol)およびDIPEA (0.86 mL, 5.07 mmol)を添加した、CH2Cl2 (15 mL)中の1-(4-フルオロフェニル)-3-[4-(N-tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]ブチル-2-チオ尿素(580 mg, 1.69 mmol)の溶液から出発して調製した。その反応混合物は室温にて12 時間撹拌し続けた。その時間の最後に、その混合物をブフナー漏斗で濾過し、固体をCH2Cl2で洗浄した; 濾液をH20で抽出した; 次いで、その有機相はNaClの飽和溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。残渣を、溶出液としてプロピルエーテル/Et20 1: 9を用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、生成物441 mgを無色オイルとして得た(収量: 85%)。
IR CHCl3 ν 2979, 2132,1708cm-1; 1H-NMR (CDCl3) δ: 6.98-6.83 (4H, m); 4.68(1H, brs); 3.35 (2H, t, J = 6.2 Hz); 3.08(2H, t,J = 6.2 Hz); 1.65-1.48(4H, m); 1.36 (9H, s).
【0076】
中間産物N-(4-フルオロフェニル)-N'-[4-(N"-tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミドの調製
方法 C、工程3
該生成物は、N-メチルピペラジン(67.7 mg, 0.67 mmol)を加えた、トルエン (4 mL)中のN-(4-フルオロフェニル)-N'-[4-(N"-tert-ブトキシカルボニル)-アミノ]ブチルカルボジイミド (175 mg, 0.56 mmol)の溶液から出発して調製した。その反応物は50℃とし4 時間その温度を保持した。その時間の最後に、3-(イソチオシアノ)-プロピルシリカゲル(250 mg, 0.12-0.35 mmol)をその溶液に加えた; その混合物を50℃に12 時間保持した。その時間の最後に、その混合物をグーチ漏斗で濾過し、溶液を乾燥するまで蒸発させ、生成物145 mgを黄色のオイルとして得た(収量: 90%)。
IR CHCl3 ν 3451, 1710, 1624,cm-1; 1H-NMR (CDCl3) δ: 6.87 (2H, t, J = 8.6 Hz); 6.69 (2H, t, J= 8. 7 Hz); 4.64(1H, brs); 3.17 (4H, t, J = 4.7 Hz); 3.01-2.92 (4H, m); 2.36 (4H, t, J = 4.7 Hz); 2.24 (3H, s); 1.37-1.19 (13H, m).
【0077】
N-(4-フルオロフェニル)-N'-(4-アミノブチル)-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミド(ST2658)の調製
方法 C、工程4
該生成物は、トリフルオロ酢酸(370 mg, 0.25 mL, 3.24 mmol)を加えた、CH2Cl2 (5 mL)中のN-(4-フルオロフェニル)-N'-[4-(N"-tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミド(210 mg, 0.51 mmol)の溶液から出発して調製した。。その溶液は室温にて4 時間静置した。その時間の最後に、その溶液を乾燥するまで蒸発させ、生成物268 mgをオレンジ色のオイルとして得た(収量: 100%)
1H-NMR(CD3COCD3)δ: 7.37-7.12 (4H, m); 4.23(1H, brs); 3.79-3.77 (4H, m); 3.53-3.29 (4H, m); 3.03 (4H, m); 2.96 (3H, s); 1.65-1.43 (4H, m); HPLC: Zorbax Eclipse XDB-C8 カラム(5 μm, 150 x 4.6 mm); 移動相 MeOH: H2O 60: 40, 流速 0.5 mL/分; 検出器: UV 254 nm, RT = 3.01 分.
【0078】
実施例9
N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(5-アミノペンチル)グアニジンメタンスルホネート(ST2574)の調製
中間産物4-[N2,N3-ビス(ter-ブトキシ-カルボニル-N3-(γ,γ-ジメチルアリル)-グアニジノ]-l-アミノペンタンの調製
方法 A、工程2
THF (7.5 mL)中、実施例1に記載の通り調製したN-(γ,γ-ジメチルアリル)-N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素の溶液(250 mg, 0.97 mmol)を、THF1 mL中の1,5-ジアミノペンタン(297 mg, 2.9 mmol)の溶液に滴下した。その反応物を50℃とし、その温度で3時間維持した。その反応混合物は減圧下で濃縮し、残渣をCHCl3/NaHCO3 10%の混合物に溶解した; その二相を分離し、水相をCHCl3で抽出した。プールした有機相を無水Na2SO4で乾燥させた。真空での溶媒の蒸発後、残渣を、溶出液としてCHCl3/NEt3 5%を用いるクロマトグラフィーで精製し、生成物250 mgをガラス状の白色固体として得た(収量: 70%)。
IR(CHCl3) ν 3248,1721, 1627 cm-1, 1H-NMR (CDCl3)δ 5.17(1H,t,J= 7.0 Hz); 4.20(2H, d, J-7.0 Hz); 3.27, 2.78 (2H each, d); 1.70-1.30 (12H, m); 1.50, 1.46 (9H each, m).
【0079】
N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(5-アミノペンチル)グアニジンメタンスルホネート (ST2574)の調製
方法 A、工程3
該生成物は、メタン-スルホン酸(57.6 mg, 38.9μL, 0.60 mmol)を含む無水ジオキサン(25 mL)中の4-[N2,N3-ビス(ter-ブトキシカルボニル-N3-(γ,γ-ジメチルアリル)-グアニジノ]-1-アミノ-ペンタン(250 mg, 0.60 mmol)の溶液から出発して調製した; その溶液を還流温度でN2気流中、3 時間静置した。次いで、その溶液を冷却し、真空で乾燥するまで濃縮し、得られた黄褐色アモルファス固体をエチルエーテルで洗浄し、生成物110 mgをゴム状のアモルファス固体として得た(収量:62%)。
1H-NMR (CD3OD) δ 5.20-5.28(1H, m), 3.74-3.93 (2H, dd); 3.11-3.26 (4H, m), 2.93-2.99 (2H, m), 2.68 (3H, s), 1.66-1.84 (6H, m), 1.39-1.49 (4H, m).
【0080】
実施例10
N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(7-アミノヘプチル)グアニジンメタンスルホネート(ST2575)の調製
中間産物4-[N2,N3-ビス(ter-ブトキシ-カルボニル-N3-(γ,γ-ジメチルアリル)-グアニジノ]-1-アミノヘプタンの調製
方法A、工程2
THF (9.5 mL)中、実施例1に記載の通り調製したN-(γ,γ-ジメチルアリル)-N,N'-ビス(ter-ブトキシカルボニル)-S-メチルチオ尿素の溶液(350 mg, 0.97 mmol)を、THF1 mL中の1,7-ジアミノヘプタン(379 mg, 2.9 mmol)の溶液に滴下した。その反応物を50℃とし、その温度で3 時間保持した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をCHCl3/NaHCO3 10%の混合物に溶解した; その二相を分離し、水相をCHCl3で抽出した。プールした有機相を無水Na2SO4で乾燥させた。真空で溶媒を蒸発させた後、残渣を、溶出液としてCHCl3/NEt3 5%を用いるクロマトグラフィーで精製し、生成物200 mgをガラス状の白色固体として得た(収量: 50 %)。
IR (CHCl3) ν 3248, 1721,1627cm-1, 1H-NMR(CDCl3) δ 5.15(1H, t, J= 7.2 Hz); 4.18 (2H, d, J= 7.2 Hz); 3.25, 2.78 (2H each, d, J = 6.9Hz), 1.70-1.30 (16H, m); 1.50, 1.46 (9H each).
【0081】
N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(7-アミノヘプチル)グアニジンメタンスルホネート(ST2575)の調製
方法A、工程3
該生成物は、メタン-スルホン酸(43.2 mg, 29μL, 0.45 mmol)を含む無水ジオキサン(20 mL)中の4-[N2,N3-ビス(ter-ブトキシカルボニル-N3-(γ,γ-ジメチルアリル)-グアニジノ]-1-アミノ-ヘプタン(200 mg, 0.45 mmol)の溶液から出発して調製した。その溶液は、還流温度でN2気流中、3 時間静置した。次いで、その溶液を冷却し、真空で乾燥するまで濃縮し、得られた黄褐色のアモルファス固体をエチルエーテルで洗浄し、生成物130 mgをゴム状のアモルファス固体として得た(収量: 85%)。
1H-NMR(CD3OD) δ 5.26-5.20 (1H, m), 3.90-3.73 (2H, dd), 3.15-3.27 (4H, m), 2.93-2.99 (4H, m), 2.68 (3H, s), 1.84-1.66 (6H, m), 1.52-1.39 (6H, m).
【0082】
実施例11
グアニジン化合物の血清-グルコース-低下性および食欲-低下性作用
実験動物における変異により、肥満、高脂肪血症およびインスリン耐性と関連するインスリン-非依存糖尿病を示すモデルとなる可能性があり、これにより、我々は、新規抗糖尿病性化合物(Reed and Scribner, Diabetes, obesity and metabolism 1 : 75-86,1999)の効力を試験することが可能となる。
【0083】
これらの研究で広く使用される遺伝学的糖尿性マウスモデルはob/obマウスおよびdb/dbマウスである。
【0084】
これらのモデルの遺伝的根拠は、レプチン遺伝子(ob/ob マウス)またはレプチンレセプター(db/dbマウス)中における欠損であり、それは、レプチン耐性の要因であり、過食、肥満、高インスリン血およびインスリン耐性となり、その後の不十分な島性分泌および高血糖の徴候を生ずる(Hummel et al, Science 153 :1127-1128, 1996 ; Coleman, Diabetologia 14 : 141-148, 1978 ; Kodama et al., Diabetologia 37 : 739-744, 1994 ; Zhang et al., Nature 372 : 425-432, 1994 ; Halaas et al., Science 269 :543-546, 1995 ; Chen et al., Cell 84 : 491-495, 1996)。
【0085】
高血糖は肥満およびインスリン耐性に伴うため、ob/obおよびdb/dbマウスはヒト対象のII型糖尿病と似たを特徴を示す。
【0086】
以下に報告された実験で使用したC57BL/KsJ db/dbマウスはJackson Lab(via Ch. River)により提供された。
【0087】
文献データ(Meglasson et al., J Pharmacol Exp Ther 266 :1454-1462, 1993)は、経口的なメトホルミン用量 900 mg/kg/日はKKAyマウスにおいて高血糖を50%低下させるのに有効であることを示し、そのマウスは、db/dbおよびob/obマウスと同様の肥満性、高インスリン血性および高血糖性遺伝子的糖尿病のモデルである。
【0088】
研究室の実験では、経口的なメトホルミン用量 600 mg/kg/日はob/obマウスにおいて高血糖を22%減少するのに有効であることが観察された。
【0089】
文献データはまた、ラットにおけるメトホルミンのLD50は皮下注射で300 mg/kgであり、経口投与で1000mg/kgであることを示す(The Merck Index 12th ed. , page 1014)。
【0090】
この情報に基づき、メトホルミンは、標準的な環境条件下、実験でdb/dbマウスに、および通常の餌を与えたマウス(4 RF21, Mucedola)と共に、皮下注射で用量100 mg/kg、本発明の化合物は用量25 mg/kg、4日間、1日2回、投与した。
【0091】
5日目、吸収後(postabsorption)状態(午前9.00から午後4.00まで絶食する)および最後の治療後7 時間後において、血液サンプルを、血清グルコースをモニタリングするため、尾静脈から採取した。
【0092】
実施例により、我々は、本発明の化合物ST2370の結果を報告する。その結果は、使用した実験用量において血清-グルコース-低下性作用の顕著な度合を示し、その一方で、その度合は4倍も高い用量のメトホルミンの投与後には観察されない(表1)。
【0093】
更に、本発明の化合物では、食物および水の摂取が減少し得ることが証明され、それは、化合物 ST2370 および ST2369のデータに示される通りであり、例示によりここで提供する(表2)。
【0094】
表1
吸収後状態(午前8.00から午後5.30まで絶食する)および最後の治療後8 時間後における、4日間、1日2回(午前8.30および午後5.30)の生成物の皮下注射により治療したオスdb/dbマウスのグルコースレベル 変異 (%) 対 対照
【表1】

グループあたりの匹数:4
スチューデント t-試験:pはP < 0. 05 対 対照を示す。
【0095】
表2
4日間、1日2回(午前8.30および午後5.30)の生成物の皮下注射により治療したオスdb/dbマウスによる水および食物の消費 変異 (%) 対 対照
【表2】

グループあたりの匹数: 4(1ケージ)
【0096】
本発明の目的は、少なくとも1つの式(I)の化合物、式(I)の化合物単独であるかまたは1以上の(I)の化合物の組合せか何れか、または本発明で示す疾患の治療に有用な当該式(I)の化合物かまたは他の有効成分と組み合わせた化合物、例えば、血清-グルコース-低下性および血清-脂質-低下性作用を有する他の生成物、を有効成分として含む医薬組成物であり、その医薬組成物はまた別々の用量形であるかまたは組合せ治療に適当な形である。本発明の有効成分は、薬学で通常使用する適当なビヒクルおよび/または賦形剤、例えば、"Remington's Pharmaceutical Sciences Handbook"、最新版に記載したもの、との混合物となろう。本発明のその組成物は治療的に有効量の有効成分を含むだろう。その用量は、本分野の専門家、例えば、臨床医または一次診療医により、処置すべき疾患のタイプおよび患者の病状によって決定され、または他の有効成分の投与を伴うであろう。例示により、0.1から4000 mg/日の範囲の用量、好ましくは、100-3000 mg/日を示し得る。
【0097】
医薬組成物の例には、経口投与または非経口的-静脈投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与し得るものがある。その目的に適当な医薬組成物は、錠剤、硬または軟カプセル、パウダー、溶液、懸濁液、シロップ、および即時の液体製剤用の固体形である。非経口投与のための組成物は、例えば、筋肉内、静脈内、皮下に注射可能であるすべての形、または溶液、懸濁液またはエマルジョンの形である。リポソーム製剤にもまた言及する。他の形は、有効成分の制御放出用または経口投与用の錠剤、適当な層で被覆した錠剤、マイクロカプセル化パウダー、シクロデキストリンとの複合体、およびデポー形、例えば、デポー注入またはインプラントのような皮下用のものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

[式中、
Zは以下から選択され得る: H; 飽和または不飽和、直鎖または分枝状のアルキル、それは1から7の炭素原子からなり、アルコキシおよびハロゲンで置換されていてもよい; アリールまたはヘテロアリール、それは単環式または二環式であり、窒素、酸素および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子を含んでおり、それはハロゲン、NO2、OH、アルキルおよびアルコキシで置換されていてもよく、それはハロゲンで置換されていてもよい; アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル、ここで、飽和または不飽和アルキル残基は1から7の炭素原子からなり、それは単環式または二環式であり、窒素、酸素および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子を含んでおり、それはハロゲン、NO2、OH、カルボキシ、アルキルおよびアルコキシで置換されていてもよく、それはハロゲンで置換されていてもよい; またはWと共に、環を形成し得、それは1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい;
WはHに該当し得るか、またはZと共に、環を形成し得、あるいは1以上のヘテロ原子を含む;
n= 0-10;
Qは上記列挙のZ基から選択され得る;
XおよびYは同一かまたは異なり得、上記列挙のZ基から選択され得る;
更に、Xは以下の型の置換アミノ-イミノであり得る:
【化2】

式中、Z1は上記列挙のZ基から選択され得る; または
XはR-CO基であり得、窒素と共に、以下の基を形成し得る:
【化3】

式中、Rは上記列挙のZ基から選択され得るかまたは-OZかまたは-NZである;
n = 0であるとき、X-N-Y基はHで置換され得る];
およびその薬理学的に許容される塩、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、立体異性体および幾何異性体および互変異性体、
但し、式(I)の化合物は、N-(4-アミノブチル)-N'-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジンメタンスルホネート(ST2369)またはN-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジンメタンスルホネート(ST2527)ではない。
【請求項2】
Z基は、1から7の炭素原子を含み得る飽和または不飽和アルキルである、請求項1の化合物。
【請求項3】
Z基はアリールアルキルであり、アリールは1以上のハロゲン原子で置換されていてもよく、好ましくは、該アリールに結合し該アリールアルキル基を形成する該アルキルは1から 5までの範囲の数の炭素原子からなる、請求項1の化合物。
【請求項4】
XおよびYは水素に該当し、nは4-7である、請求項1の化合物。
【請求項5】
以下からなる群から選択される請求項1の化合物:
i. N-(6-アミノヘキシル)-N'-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジンメタンスルホネート(ST2370);
ii. N-(4-アミノブチル)-N'-(3-フェニルプロピル)グアニジン(ST2521);
iii. N-(4-アミノブチル)-N'-(4-フルオロベンジル)グアニジンジクロロヒドレート (ST2524);
iv. N-アリル-N'-(4-アミノブチル)グアニジンジクロロヒドレート (ST2525);
v. 1,4-ビス-[N-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジノ]-ブタンジメタンスルホネート(ST2526);
vi. N-(4-フルオロフェニル)-N'-(6-アミノエシル)-)-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミド (ST 2601);
vii. N-(4-フルオロフェニル)-N'-(6-アミノエシル)-l-ピペリジノカルボキシイミダミド (ST 2602);
viii. N-(4-フルオロフェニル)-N'-(4-アミノブチル)-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミド (ST2658);
ix. N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(5-アミノペンチル)グアニジンメタンスルホネート (ST2574);
x. N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(7-アミノエプチル)グアニジンメタンスルホネート (ST2575)。
【請求項6】
医薬としての請求項1−5の化合物。
【請求項7】
混合物中に請求項1−5の少なくとも1つの化合物を、1以上の医薬的に許容されるビヒクルおよび/または賦形剤と共に含む、医薬組成物。
【請求項8】
錠剤、硬または軟カプセル、パウダー; 溶液、懸濁液、シロップ、即時の液体製剤用の固体形、エマルジョン、リポソーム製剤、有効成分の制御放出用の形、適当な層で被覆した錠剤、マイクロカプセル化パウダー、シクロデキストリンとの複合体、デポー形、例えば、デポー注入またはインプラントのような皮下用のものの形である、請求項7の組成物。
【請求項9】
経口的にまたは非経口的に投与し得る、請求項8の組成物。
【請求項10】
血清-グルコース-低下性および血清-脂質-低下性作用を有する医薬の製剤のための請求項1−5の化合物の使用。
【請求項11】
糖尿病、特にII型糖尿病、およびその合併症、症候群X、種々のインスリン耐性型、高脂肪血症および肥満の予防および治療のための医薬の製剤のための請求項1−5の化合物の使用。
【請求項12】
化合物が以下からなる群から選択される、請求項10または11の使用:
i. N-(6-アミノヘキシル)-N'-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジンメタンスルホネート(ST2370);
ii. N-(4-アミノブチル)-N'-(3-フェニルプロピル)グアニジン(ST2521);
iii. N-(4-アミノブチル)-N'-(4-フルオロベンジル)グアニジンジクロロヒドレート (ST2524);
iv. N-アリル-N'-(4-アミノブチル)グアニジンジクロロヒドレート (ST2525);
v. 1,4-ビス-[N-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジノ]-ブタンジメタンスルホネート(ST2526);
vi. N-(4-アミノブチル)-N'-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジンメタンスルホネート(ST2369);
vii. N-(γ,γ-ジメチルアリル)グアニジンメタンスルホネート(ST2527);
viii. N-(4-フルオロフェニル)-N'-(6-アミノエシル)-)-4-メチル-1-ピペラジノカルボキシイミダミド (ST 2601);
ix. N-(4-フルオロフェニル)-N'-(6-アミノエシル)-l-ピペリジノカルボキシイミダミド (ST 2602);
x. N-(4-フルオロフェニル)-N'-(4-アミノブチル)-4-メチル-l-ピペラジノカルボキシイミダミド(ST2658);
xi. N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(5-アミノペンチル)グアニジンメタンスルホネート (ST2574);
xii. N-(γ,γ-ジメチルアリル)-N'-(7-アミノエプチル)グアニジンメタンスルホネート (ST2575)。

【公表番号】特表2006−509816(P2006−509816A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560183(P2004−560183)
【出願日】平成15年12月1日(2003.12.1)
【国際出願番号】PCT/IT2003/000792
【国際公開番号】WO2004/054967
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(591043248)シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ (92)
【氏名又は名称原語表記】SIGMA−TAU INDUSTRIE FARMACEUTICHE RIUNITE SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】