説明

抗菌性粉体およびこれを配合してなる抗菌性化粧料

【課題】微生物や菌類に対して優れた抗菌・防黴性能を有し、しかも粉末状化粧料、ケーキ状化粧料、油性化粧料などにも容易に配合できる抗菌性粉体およびこれを用いた抗菌性化粧料に関する。
【解決手段】抗菌性金属成分を酸化物換算基準で0.2〜25重量%含む、平均粒子径3〜500nmの無機酸化物微粒子を、鱗片状基材上に担持してなる抗菌性粉体および該抗菌性粉体を配合してなる抗菌性化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、カンジダ菌、酵母様真菌、糸状菌などの微生物や菌類に対する抗菌・防黴性能を有し、さらに有機化合物の腐敗に対する防腐性能を有する抗菌性粉体およびこれを配合してなる抗菌性化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、市販されている化粧料では、その製造過程で微生物や菌類に汚染されたり、あるいは繰り返し使用する際に汗などの水分や皮脂の他に、手指などに付着した表皮ブドウ状球菌に代表される皮膚常在菌や使用環境中に生息する微生物や黴胞子などが外部から化粧品容器内に混入したりすることが多いため、何も対策を講じないと、これらの微生物や菌類によって化粧料中に黴などが発生することが知られている。さらに、これらに起因して、化粧料が腐敗または変敗して臭気を発生させることもある。
また、化粧料は室温で保管される場合が多いため、一度、微生物や菌類に汚染された化粧料は、使用者をその汚染環境に継続的に曝す危険性を秘めている。その対策として、一般的には、これらの化粧料中にデヒドロ酢酸、多価アルコール類、パラベン類(安息香酸類)などの防黴・防腐剤(抗菌剤)が添加されている。
【0003】
さらに、粉末状化粧料、ケーキ状化粧料、油性化粧料などにおいては、液体状防黴・防腐剤(すなわち、液体状抗菌剤)を多量に配合することは処方上または感触上で問題があるため、粉体状防黴・防腐剤(すなわち、粉末状抗菌剤)としてのパラベン類が広く用いられている。しかしながら、このパラベン類は近年、発ガン性物質や環境ホルモン様物質としての懸念が高まり、その安全性の問題が取り沙汰されている。
【0004】
そこで、抗菌性金属を含有した無機酸化物微粒子が凝集してなる抗菌性無機酸化物微粒子(特許文献1参照)や、抗菌性金属イオンを担持させた抗菌性ゼオライトを用いた粉末化粧料(特許文献2参照)などが提案されている。しかしながら、これらの抗菌性無機酸化物微粒子や抗菌性ゼオライトによる効果は、これらの抗菌性組成物の粒子径がミクロンサイズ(またはサブミクロンサイズ)と比較的大きいため、これを化粧料に配合した際の抗菌効果(すなわち、防黴・防腐効果)において必ずしも十分なものであるとは言えなかった。従って、所望の抗菌効果を得るためには、前記抗菌性組成物を多量に配合する必要があるが、その配合量が多くなるにつれて、化粧料としての使用感が悪くなるため、改善の必要性があった。
【0005】
また、本出願人は、抗菌性金属成分と該抗菌性金属成分以外の無機酸化物とから構成される微粒子を分散してなる抗菌性無機酸化物コロイド溶液およびこれを配合してなる化粧料を開発し、これを出願している(特許文献3参照)。しかしながら、この発明の抗菌剤は、前記微粒子の粒子径がナノサイズと非常に小さいため少量でも所望の抗菌効果が得られるものの、コロイド状物質からなるもの(すなわち、液体状抗菌剤)であるため、そのままの状態でこれを粉末状化粧料、ケーキ状化粧料、油性化粧料などに配合して使用することは難しかった。また、前記コロイド状抗菌剤を乾燥したものは、前記微粒子が強固な凝集体を形成するため、これを前記化粧料に配合しても良好な使用感と十分な抗菌効果が得られないという問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平08-059404号公報
【特許文献2】特開2004-231583号公報
【特許文献3】特開2002-145717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、前記特許文献1ないし3に記載された抗菌剤がもつ欠点や問題点を解決することを目的として鋭意研究を重ねた結果、鱗片状基材上に抗菌性金属成分を含む無機酸化物微粒子を担持してなる抗菌性粉体を用いればよいことを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、粉末状化粧料、ケーキ状化粧料、油性化粧料などに配合可能であり、かつ少量でも優れた抗菌効果(すなわち、防黴・防腐効果)が得られ、更には化粧料に配合した際にも使用感を損ねない抗菌性粉体を提供すること、更には該抗菌性粉体を配合してなる抗菌性化粧料を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による抗菌性粉体は、抗菌性金属成分を酸化物換算基準で0.2〜25重量%含む、平均粒子径3〜500nmの無機酸化物微粒子を、鱗片状基材上に担持してなるものであることを特徴としている。
ここで、前記鱗片状基材上に担持される前記無機酸化物微粒子は、その重量が前記基材物質の重量に対して0.1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
【0010】
前記無機酸化物微粒子は、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、鉄および亜鉛から選ばれた金属元素の酸化物またはこれらの金属元素から選ばれた2種以上の金属元素の複合酸化物からなる微粒子の表面に、前記抗菌性金属成分を担持してなるものであることが好ましい。
また、前記抗菌性金属成分は、銀、銅、亜鉛、金、鉄およびアルミニウムから選ばれた1種または2種以上の金属元素の単体金属および/またはイオン状物質からなるものであることが好ましい。
【0011】
前記鱗片状基材は、タルク、マイカ、セリサイト、合成マイカ、板状シリカ、板状酸化アルミニウム、薄片状ガラス粉末およびアルミニウム蒸着フィルムから選ばれた1種または2種以上であることが好ましい。
さらに、前記鱗片状基材は、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、鉄、亜鉛およびセリウムから選ばれた金属元素の酸化物および/または水酸化物、またはこれらの金属元素から選ばれた2種以上の金属元素の複合酸化物によって予めその表面が被覆されていることが好ましい。
また、前記無機酸化物微粒子の平均粒子径は、25〜300nmの範囲にあることが特に好ましい。
【0012】
本発明による抗菌性化粧料は、前記の抗菌性粉体を配合してなるものであることを特徴としている。ここで、前記抗菌性粉体の配合量は、前記化粧料に対し0.01〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
また、前記抗菌性化粧料は、粉末状抗菌性化粧料、ケーキ状抗菌性化粧料または油性化粧料であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明による抗菌性粉体は、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、カンジタ菌、酵母様真菌、糸状菌などの微生物や菌類に対する抗菌・防黴性能を有し、さらにこれらにより引き起こされる化粧料の腐敗に対する防腐性能を有している。
また、この抗菌性粉体は、抗菌性金属成分を含む無機酸化物微粒子(ナノサイズ粒子)をマイカなどの鱗片状基材上に担持してなるものであるので、少量でも優れた抗菌効果(すなわち、防黴・防腐効果)が得られる。
【0014】
よって、前記抗菌性粉体は、粉末状抗菌性化粧料、ケーキ状抗菌性化粧料または油性化粧料などに配合して好適に使用することができる。
さらに、本発明による抗菌性化粧料は、優れた防黴・防腐性能を有する抗菌性粉体が配合されているため長期にわたって使用することができるばかりでなく、鱗片状の形状からなる抗菌性粉体を用いているためその使用感(皮膚の感触その他)も良好である。
以上の通り、本発明による抗菌性粉体は、化粧料の用途に使用すると極めて優れた効果を発揮することができる。しかし、前記抗菌性粉体は、優れた抗菌性能を有しているため、化粧料以外の用途、例えば非水系の組成からなる塗料や樹脂フィルムなどにおいても、好適に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の抗菌性粉体およびこれを配合してなる抗菌性化粧料について具体的に説明する。
【0016】
[抗菌性粉体]
本発明において鱗片状基材上に担持される、抗菌性を有する無機酸化物微粒子は、抗菌性金属成分を酸化物換算基準で0.2〜25重量%含む、平均粒子径3〜500nmの無機酸化物微粒子からなっている。
【0017】
一般的に知られている抗菌性金属成分としては、銀、銅、亜鉛、金、鉄、アルミニウム、ニッケル、コバルト、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀などが挙げられる。しかし、本発明においては、その抗菌性や人体に対する安全性などの観点から、銀、銅、亜鉛、金、鉄、アルミニウムから選ばれた1種または2種以上の抗菌性金属成分を用いることが好ましく、これらの中でも、高い抗菌性を有する銀を用いることが望ましい。
また、この抗菌性金属成分は、以下に述べる無機酸化物微粒子との混合物または化合物、あるいは被覆物の形で存在していてもよいが、該無機酸化物微粒子の表面に担持されて存在していることが好ましい。さらに、前記抗菌性金属成分が高い抗菌性能を発揮するためには、前記金属元素の単体金属および/またはイオン状物質の状態で存在していることが好ましい。
【0018】
また、前記無機酸化物微粒子としては、単一金属の酸化物または複数金属の複合酸化物からなる無機酸化物微粒子、あるいはこれらの混合物を用いることができる。例えば、単一金属の酸化物微粒子としては、SiO2、TiO2、ZrO2、Fe2O3、ZnO、Sb2O5、WO3などの微粒子が挙げられ、また複数金属の複合酸化物微粒子(一部、非金属元素を含む場合あり)としては、SiO2・Al2O3、SiO2・P2O5、TiO2・CeO2、SnO2・Sb2O5、SiO2・Al2O3・TiO2、SiO2・TiO2・CeO2、SiO2・Al2O3・MgO、SiO2・Al2O3・CaO、SiO2・TiO2・Fe2O3などの微粒子が挙げられる。これらの中でも、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、鉄および亜鉛から選ばれた金属元素の酸化物またはこれらの金属元素から選ばれた2種以上の金属元素の複合酸化物からなる微粒子を用いることが好ましい。なお、本発明でいう前記無機酸化物微粒子は、必ずしもその全てが「酸化物の形態」である必要はなく、この酸化物の前駆体である「水酸化物の形態」またはこれらの混合形態のものを含んでいてもよい。
【0019】
さらに、前記無機酸化物微粒子の平均粒子径は、3〜500nm、好ましくは25〜300nmの範囲にあることが望ましい。ここで、前記平均粒子径が3nm未満であると、後述する抗菌性無機酸化物微粒子のコロイド溶液の安定性が悪くなって微粒子同士が凝集し易くなるため、これらの微粒子を鱗片状基材上に均一に担持させることが難しくなる。さらに、平均粒子径が3nm未満である無機酸化物微粒子のコロイド溶液を安定的に調製することが難しいのも事実である。また、前記平均粒子径が500nmを超えると、得られる抗菌性粉体の単位重量あたりの抗菌性能が低下するため、所望の抗菌性能を得るためには多くの抗菌性粉体が必要となるので、好ましくない。なお、ここでいう平均粒子径は、レーザードップラー方式粒度分布測定装置(Submicron Particle Sizer NICOMP 380:Particle Sizing System社製)を用いて測定した結果を示すものである。
【0020】
また、前記無機酸化物微粒子の表面に担持またはその他の形態で含まれる前記抗菌性金属成分の含有量は、酸化物換算基準で0.2〜25重量%、好ましくは0.2〜15重量%の範囲にあることが望ましい。ここで、前記含有量が0.2重量%未満であると、所望の抗菌性能が得られなくなり、また前記含有量が25重量%を超えても、それによって抗菌性能が向上することはあまり期待できない。さらに、前記抗菌性金属成分として銀を用いた場合には、その含有量が25重量%を超えて多くなると変色し易くなるので、好ましくない。
【0021】
前記無機酸化物微粒子は、鱗片状基材上に担持されて、本発明に係る抗菌性粉体を構成している。すなわち、本発明による抗菌性粉体は、前記鱗片状基材の表面が、その担持量によっても異なるが、前記無機酸化物微粒子群によって少なからず覆われた形となっている。
【0022】
前記鱗片状基材としては、タルク、マイカ、セリサイト、合成マイカ、板状シリカ、板状酸化アルミニウム、薄片状ガラス粉末およびアルミニウム蒸着フィルムから選ばれた1種または2種以上であることが好ましい。
また、前記鱗片状基材は、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、鉄、亜鉛およびセリウムから選ばれた金属元素の酸化物および/または水酸化物、またはこれらの金属元素から選ばれた2種以上の金属元素の複合酸化物によって予めその表面が被覆されているものであってもよい。ここで、前記酸化物および/または水酸化物、あるいは前記複合酸化物の被覆層は一層に限らず、二層以上であってもよく、例えば、鱗片状基材の表面に酸化チタン層、酸化ケイ素層、酸化チタン層を順次、積層したものなどが挙げられる。
さらに、必要に応じてSiO2、Al2O3、TiO2、ZrO2、Fe2O3、Fe3O4などから選ばれた、少なくとも1種との複合粉体または混合粉体を一部、これに加えて用いることもできる。
【0023】
前記鱗片状基材としてマイカまたは合成マイカを用いた抗菌性粉体を配合してなる抗菌性化粧料は、その使用感(皮膚の感触その他)が特に優れている。
また、前記鱗片状基材の平均粒子径は、1〜50μm、好ましくは7〜30μmの範囲にあることが望ましい。ここで、前記平均粒子径が1μm未満または50μm以上であると、これを配合した化粧料の使用感が悪くなるので、好ましくない。なお、ここでいう平均粒子径は、前記無機酸化物微粒子の平均粒子径とはその測定方法が異なり、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA-300)を用いて測定した結果を示すものである。また、この測定装置は、長径および短径を有する複数個の鱗片状試料の光散乱強度を測定し、その光散乱強度の分布値から粒子径分布を自動的に算出するものであり、測定・算出された前記試料の粒子径のうち累積50%に相当する粒子径(すなわち、全ての測定・算出値の真ん中の値)が、ここでいう「平均粒子径」となる。
【0024】
さらに、前記鱗片状基材上に担持される前記無機酸化物微粒子の重量は、前記基材物質の重量に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲にあることが望ましい。ここで、前記重量が0.1重量%未満であると、所望の抗菌性能が得られなくなり、また前記重量が30重量%を超えると、前記鱗片状基材上に均一に担持させることが困難となって、前記の微粒子同士の凝集を招くため、その抗菌性能が十分に発揮されなくなることがある。また、前記重量が30重量%を超えた抗菌性粉体を配合した抗菌性化粧料は、その使用感(皮膚の感触その他)が悪くなることがある。
【0025】
なお、前記無機酸化物微粒子の平均粒子径と前記鱗片状基材上への担持量との間には、以下のような関係があるので、その用途や目的に応じて適宜、選択することが望ましい。すなわち、前記無機酸化物微粒子の平均粒子径が小さい程その抗菌効果は高くなり、前記鱗片状基材上への担持量を減らすことができる。しかしながら、前記無機酸化物微粒子の平均粒子径が小さくなるにつれて、該微粒子群を前記鱗片状基材上に担持した抗菌性粉体を配合してなる化粧料は、その使用感が損なわれる傾向がある。
【0026】
従って、前記抗菌性粉体に高い抗菌性能を求める場合には、比較的小さい平均粒子径の前記無機酸化物微粒子を用い、また化粧料としての使用感が重要視される場合には、比較的大きな平均粒子径の前記無機酸化物微粒子を用いることが好ましく、例えばケーキ状化粧料や油性化粧料において、これらの双方の機能を求める場合には、25〜300nm、さらに好ましくは80〜200nmの平均粒子径を有するものを使用することが望ましい。
また、前記抗菌性粉体を化粧料に配合する際にも、前記の抗菌性能と使用感とのバランスを考えてその配合量を決めることが重要である。
【0027】
次に、本発明に係る抗菌性粉体の製造方法について具体的に説明するが、本発明は、ここに記載する調製方法に限定されるものではない。
【0028】
無機酸化物微粒子の調製
本発明で使用される、抗菌性を有する前記無機酸化物微粒子(以下、抗菌性無機酸化物微粒子という場合がある)は、負の電荷を有する無機酸化物コロイド粒子が水に分散されたコロイド溶液に、抗菌性金属成分のアンミン錯塩の水溶液を添加することによって容易に調製することができる。
【0029】
通常、水を分散媒とする無機酸化物微粒子のコロイド溶液に、抗菌性金属成分の金属塩の水溶液、例えば、硝酸塩水溶液を添加すると、ゲル化してコロイド溶液は得られない。そこで、本出願人は、この問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、抗菌性金属成分のアンミン錯塩の水溶液を、負の電荷を有する無機酸化物コロイド粒子が水に分散されたコロイド溶液に添加した場合には、前記のゲル化が起こらず、安定した抗菌性無機酸化物微粒子のコロイド溶液が得られることを見出し、これを特開平06-080527号や特開平07-033616号として出願している。
【0030】
すなわち、抗菌性金属成分として、例えば酸化亜鉛、酸化銀、あるいは酸化銅などをアンモニア水に溶解して亜鉛、銀あるいは銅などのアンミン錯塩水溶液を調製し、これを負の電荷を有する無機酸化物コロイド粒子が水に分散されたコロイド溶液に攪拌しながら徐々に添加して、無機酸化物コロイド粒子の表面に抗菌性金属微粒子を付着させて前記抗菌性無機酸化物微粒子のコロイド溶液を調製する方法である。
なお、この方法において、安定した抗菌性無機酸化物微粒子のコロイド溶液を調製するためには、前記無機酸化物コロイド粒子を酸化物換算基準で5重量%以下含むコロイド溶液を調製し、これに前記抗菌性金属成分のアンミン錯塩を酸化物換算基準で0.1〜1重量%含む水溶液を徐々に添加するが望ましい。
【0031】
このようにして得られた抗菌性無機酸化物微粒子のコロイド溶液は、限外濾過膜法等の従来公知の方法を用いて所望の濃度に調節し、さらに必要に応じて分散媒である水を従来公知の方法でアルコール等の溶媒とその一部または全部を置換してから使用することが望ましい。
【0032】
鱗片状基材上への担持
次に、前記抗菌性無機酸化物微粒子を鱗片状基材上に担持する方法について説明する。
この担持方法としては、次のような従来公知の方法を採用することができるが、特にこれに制限されるものではない。
(1)水、アルコールまたはその混合物の分散媒に前記抗菌性無機化合物微粒子を分散させたコロイド溶液を、前記鱗片状基材の懸濁液(通常は水懸濁液)中に添加して分散させ、その両者間の静電気的相互作用を利用して前記鱗片状基材の表面に前記抗菌性無機化合物微粒子を担持させた後、前記分散媒を分離して乾燥させる方法。
【0033】
(2)水、アルコールまたはその混合物の分散媒に前記抗菌性無機化合物微粒子を分散させたコロイド溶液を、前記鱗片状基材の懸濁液(通常は水懸濁液)中に添加して分散させ、この分散液をスプレイドライヤーの熱風気流中に噴霧して乾燥させる方法。この場合、前記分散媒中に含まれる固形分濃度(すなわち、前記抗菌性無機化合物微粒子と前記鱗片状基材の合計量)が、5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲にあることが好ましい。また、スプレイドライヤーの熱風乾燥温度(入口側の気流温度)は、60〜130℃の範囲にあることが好ましい。
【0034】
その他の処理
このようにして得られた乾燥粉体(すなわち、抗菌性粉体)は、前記の基材同士が付着または凝集していることもあるので、このような場合は、必要に応じてすり鉢、アトマイザー、ミキサーなどを用いて解砕または粉砕してから使用することが望ましい。
さらに、本発明に係る前記抗菌性粉体は、必要に応じて従来公知の方法により表面処理を施して使用することができる。その表面処理剤としては、特に制限されるものではないが、例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチコン、各種金属セッケン、各種フッ素系表面処理剤などを用いることができる。
【0035】
[抗菌性化粧料]
以下に、本発明に係る抗菌性化粧料について具体的に説明する。
本発明による抗菌性化粧料は、本発明に係る前記抗菌性粉体と、以下に例示する各種の化粧料成分とを配合して得られるものである。
【0036】
前記化粧料成分としては、例えば、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸、エステル油、パラフィン油、ワックス等の油分、エチルアルコール、プロピレングリコール、ソルビトール、グリセリンなどのアルコール類、ムコ多糖類、コラーゲン類、PCA塩、乳酸塩などの保湿剤、ノニオン系、カチオン系、アニオン系または両性の各種界面活性剤、アラビアガム、キサンタンガム、ポリビニルピロリドン、エチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシビニルポリマー、変性又は未変性の粘土鉱物などの増粘剤、酢酸エチル、アセトン、トルエンなどの溶剤、ナイロン末、シリカ末、アミノ酸系粉末、チッ化ホウ素などの感触改良剤、タルク、マイカ、合成マイカなどの体質顔料、無機顔料、有機顔料、有機染料、BHT、トコフェロールなどの酸化防止剤、水、薬剤、紫外線吸収剤、pH緩衝剤、キレート化剤、防腐剤、香料などが挙げられる。
【0037】
これらの化粧料成分の中でも、水分と特に窒素、リン、カリウムなどの元素を含有する有機化合物を含む化粧料、例えばナイロン末、アミノ酸系粉末、チッ化ホウ素などの有機系粉末などを含む化粧料は、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、カンジタ菌、酵母様真菌、糸状菌などの微生物や菌類に汚染されると、黴(カビ)などが発生して変質したり、腐敗したりすることがある。しかし、本発明に係る抗菌性化粧料、すなわち前記抗菌性粉体を適量、配合した化粧料は、優れた防黴・防腐性能を有しているので、たとえこれを長い間使用していても、このような問題は起こらない。また、鱗片状の形状からなる抗菌性粉体を用いているため、その使用感(皮膚の感触その他)も良好である。
【0038】
本発明による抗菌性化粧料において、前記抗菌性粉体の配合量は、調製すべき化粧料の種類や配合すべき化粧料成分(特に、水と有機化合物の含有量)などによっても異なるが、前記化粧料に対し0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲にあることが望ましい。ここで、前記配合量が0.01重量%未満では、所望する抗菌性が得られず、また前記配合量が10重量%を超えると、化粧料の使用感を損ねる場合があり、また抗菌成分として銀を用いた場合には変色し易くなるので、好ましくない。
【0039】
前記抗菌性粉体を配合できる化粧料、すなわち本発明に係る抗菌性化粧料としては、シャンプー、ヘアリンス、ヘアトニック、ヘアトリートメント、ポマード、チック、ヘアクリーム、液状整髪料、セットローション、ヘアスプレー、染毛料などの頭髪用化粧品、洗顔クリーム、洗顔フォーム、クレンジングクリーム、マッサージクリーム、コールドクリーム、モイスチャークリーム、乳液、化粧水、パック、アフターシェイビングローション、ベビーオイル、ボディーパウダーなどの皮膚用化粧品、ファンデーション、おしろい、口紅、リップクリーム、ほほ紅、アイメークアップ、まゆ墨、ネイルエナメルなどの仕上げ用化粧品、日焼け止めクリーム、日焼け止めローションなどの日焼け止め化粧品、シェービングクリーム、シェービングローションなどのひげ剃り用化粧品、浴用化粧品、化粧紙、脱毛剤などを挙げることができる。
【0040】
しかし、これらの化粧料の中でも、前記抗菌性粉体は、粉おしろい、ルースパウダー、などの粉末状化粧料、パウダーファンデーション、プレスドパウダー、パウダーアイシャドーなどのケーキ状化粧料、油性ファンデーション、油性アイシャドー、リップスティックなどの油性化粧料に適用することが特に好ましい。
なお、本発明に係る抗菌性化粧料の製造方法に関しては、前記抗菌性粉体と各種化粧料成分を単に配合するだけであるので、従来公知の方法を採用することができる。
【0041】
以下、実施例に基づき本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は、これらの実施例に記載された範囲に限定されるものではない。
【0042】
[調製例1]
無機酸化物微粒子(抗菌性無機酸化物微粒子)の調製
特開平05-132309号などに記載の公知の方法を用いて、表1に示す平均粒子径のシリカ・アルミナ複合酸化物コロイド粒子を含むコロイド溶液を調製した後、それぞれ限外濾過膜で濃縮して固形分濃度22.2重量%のコロイド溶液を得た。
さらに、特公平07-100611号などに記載の公知の方法を用いて、表1に示す平均粒子径のシリカ・チタニア複合酸化物コロイド粒子を含むコロイド溶液を調製した後、それぞれ限外濾過膜で濃縮して固形分濃度22.2重量%のコロイド溶液を得た。
【0043】
一方、酸化銀(I)特級試薬(関東化学(株)製)0.08gを約20gの水に懸濁し、次いで15重量%のアンモニア水を酸化銀が溶解するまで加えて、銀アンミン錯塩水溶液を調製した後、酸化銀換算基準で銀成分の濃度が0.5重量%となるように水を加えた。
また、同様な方法で、酸化亜鉛特級試薬(関東化学(株)製)0.30gを約20gの水とアンモニア水に溶解して亜鉛アンミン錯塩水溶液を調製した後、酸化亜鉛換算基準で亜鉛成分の濃度が0.5重量%となるように水を加えた。
さらに、同様な方法で、酸化銅(II)特級試薬(関東化学(株)製)0.30gを約20gの水とアンモニア水に溶解して銅アンミン錯塩水溶液を調製した後、酸化銅換算基準で銅成分の濃度が0.5重量%となるように水を加えた。
【0044】
次に、表1に示す割合となるように、(1)前記銀アンミン錯塩水溶液、(2)前記銀アンミン錯塩水溶液および前記亜鉛アンミン錯塩水溶液、または(3)前記銅アンミン錯塩水溶液を、固形分濃度22.2重量%の前記シリカ・アルミナ複合酸化物コロイド粒子または前記シリカ・チタニア複合酸化物コロイド粒子を含むコロイド溶液100g中にゆっくりと撹拌しながらそれぞれ添加して、抗菌性金属成分としての(1)前記銀成分、(2)前記銀成分および前記亜鉛成分、または(3)前記銅成分を、無機酸化物微粒子としての前記シリカ・アルミナ複合酸化物コロイド粒子成分または前記シリカ・チタニア複合酸化物コロイド粒子成分の表面に付着させたコロイド溶液を調製した。
次いで、これらのコロイド溶液を限外ろ過膜で濃縮して、固形分濃度1.5重量%のコロイド溶液A〜Lを調製した。
【0045】
【表1】

【0046】
なお、前記無機酸化物微粒子(すなわち、前記シリカ・アルミナ複合酸化物コロイド粒子または前記シリカ・チタニア複合酸化物コロイド粒子)の平均粒子径は、該微粒子のサンプルを、レーザードップラー方式粒度分布測定装置(Submicron Particle Sizer NICOMP 380:Particle Sizing System社製)を用いて、その平均粒子径を測定した結果から求めたものである。
【0047】
[調製例2]
乾燥粉体(抗菌性粉体)の調製
鱗片状基材としての、表2に示す平均粒子径の雲母100gまたはタルク100gを純水400gに加えて十分に撹拌し、表2に示す懸濁液をそれぞれ調製した。ここで、平均粒子径9μmの雲母は山口雲母(株)製Y-1800、平均粒子径21μmの雲母はキララ(株)製Y-3000Mを使用し、また平均粒子径10μmのタルクは浅田製粉(株)製JA-46Rを使用した。
次に、表2に示す割合となるように、調製例1で得られた無機酸化物微粒子を含むコロイド溶液A〜Lをそれぞれ前記懸濁液中に添加して10分間撹拌した。次いで、凝集剤としての5重量%濃度の塩化カルシウム水溶液4.1mlをそれぞれ添加して10分間撹拌した。
【0048】
次いで、得られた前記無機酸化物微粒子成分と前記鱗片状基材成分を含む懸濁液をそれぞれ濾過した後、110℃の温度で16時間乾燥した。さらに、得られた乾燥粉末の塊をミキサーに入れて解砕(または粉砕)した。
このようにして、前記鱗片状基材上に前記無機酸化物微粒子を担持してなる乾燥粉体A〜Rを得た。
【0049】
また、調製例1で得られた無機酸化物微粒子を含むコロイド溶液Aをそのまま、110℃の温度で16時間乾燥し、得られた乾燥粉末の塊(凝結体)をすり鉢に入れて粉砕して、前記無機酸化物微粒子からなる乾燥粉体Sを得た。なお、粉砕して得られたこの乾燥粉体の平均粒子径は約40μmであった。
【0050】
【表2】

【0051】
なお、前記鱗片状基材(すなわち、雲母基材またはタルク基材)および前記無機酸化物微粒子(乾燥粉体)の平均粒子径は、該基材のサンプルを、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA-300)を用いて、その平均粒子径を測定した結果から求めたものである。
【0052】
[調製例3]
ケーキ状ファンデーション(抗菌性ケーキ状化粧料)の調製
以下に示す配合比率(重量%)となるように、調製例2で得られた乾燥粉体A〜E、J、M、N、RまたはSの成分(1)と下記化粧料成分(2)〜(8)をそれぞれミキサーに入れて撹拌し、均一に混合した。次に、下記化粧料成分(9)〜(11)をこのミキサーに入れて撹拌し、さらに均一に混合した。次いで、得られたケーキ状物質を解砕処理した後、その中から約12gを取り出し、46mm×54mmx4mmの角金皿に入れてプレス成型した。
これにより、以下の配合比率(重量%)からなる、前記乾燥粉体A〜E、J、M、N、RまたはSを含むケーキ状ファンデーションA〜E、J、M、N、RまたはSをそれぞれ調製した。
【0053】
(1) 乾燥粉体A〜E、J、M、N、RまたはSの各試料 2.0
(2) タルク 37.5
(3) マイカ 20.0
(4) セリサイト 20.0
(5) 二酸化チタン顔料 8.0
(6) 赤色酸化鉄 0.8
(7) 黄色酸化鉄 1.5
(8) 黒色酸化鉄 0.2
(9) 流動パラフィン 3.0
(10) トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 3.0
(11) ジメチコン 4.0
【0054】
[調製例4]
リキッドファンデーション(抗菌性液状化粧料)の調製
以下に示す配合比率(重量%)となるように、下記化粧料成分(1)〜(7)をそれぞれロールミルに入れて分散処理した。次に、調製例2で得られた乾燥粉体Aの成分(8)と下記化粧料成分(9)〜(10)を加えて水相とした。一方、下記化粧料成分(11)〜(18)を混合して得られた油相を80℃の温度に加温した。次いで、この油相成分に前記の水相成分を加えて、ディスパーミキサーを用いて3分間で乳化処理した。さらに、この乳化成分に下記化粧料成分(19)〜(21)を順次添加し、35℃の温度に冷却した後、減圧して脱泡した。
これにより、以下の配合比率(重量%)からなる、前記乾燥粉体Aを含むリキッドファンデーションAを調製した。
【0055】
(1) 1,3-ブチレングリコール 2.5
(2) ポリソルベート60 0.2
(3) テトラオレイン酸 POE(40)ソルビット 0.1
(4) 二酸化チタン顔料 9.0
(5) 赤色酸化鉄 0.2
(6) 黄色酸化鉄 0.6
(7) 黒色酸化鉄 0.1
(8) 乾燥粉体Aの試料 2.0
(9) 1,3-ブチレングリコール 7.5
(10) 精製水 49.0
(11) ポリソルベート60 0.8
(12) テトラオレイン酸 POE(40)ソルビット 0.4
(13) モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(14) ステアリン酸 1.0
(15) ベヘニルアルコール 1.0
(16) 流動パラフィン 4.0
(17) トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 4.0
(18) ジメチコン 0.5
(19) カルボキシビニルポリマーの1%水溶液 10.0
(20) キサンタンガムの2%水溶液 6.0
(21) トリエタノールアミン 0.1
【0056】
[調製例5]
フェイスパウダー(抗菌性粉末状化粧料)の調製
以下に示す配合比率(重量%)となるように、調製例2で得られた乾燥粉体Aの成分 (1)と下記化粧料成分(2)〜(8)をそれぞれミキサーに入れて撹拌し、均一に混合した。次いで、得られた混合粉末を解砕処理した。
これにより、以下の配合比率(重量%)からなる、前記乾燥粉体Aを含むフェイスパウダーAを調製した。
【0057】
(1) 乾燥粉体Aの試料 2.0
(2) マイカ 5.0
(3) ステアリン酸マグネシウム 3.0
(4) 二酸化チタン顔料 1.0
(5) 赤色酸化鉄 0.1
(6) 黄色酸化鉄 0.3
(7) 黒色酸化鉄 0.05
(8) タルク 88.55
【0058】
[調製例6]
油性ファンデーション(抗菌性油性化粧料)の調製
以下に示す配合比率(重量%)となるように、調製例2で得られた乾燥粉体Aの成分 (1)と下記化粧料成分(2)〜(7)をそれぞれミキサーに入れて撹拌し、均一に混合した。一方、(8)〜(14)をビーカーに入れ、85℃に加温溶解した後、先述の(1)〜(7)の混合粉体をディスパーミキサーを用いて2000rpmで攪拌しながら添加した。次いで、得られた試料を室温まで冷却し、ロールミルを用いて分散処理した。これを再度70℃に加温し、46mm×54mmx4mmの角金皿に流し込み室温まで冷却した。
これにより、以下の配合比率(重量%)からなる、前記乾燥粉体Aを含む油性ファンデーションAを調製した。
【0059】
(1) 乾燥粉体Aの試料 (シリコン処理品) 2.0
(2) タルク(シリコン処理品) 15.8
(3) カオリン 15.0
(4) 二酸化チタン顔料(シリコン処理品) 15.0
(5) 赤色酸化鉄(シリコン処理品) 1.0
(6) 黄色酸化鉄 (シリコン処理品) 3.0
(7) 黒色酸化鉄 (シリコン処理品) 0.2
(8) 固形パラフィン 3.0
(9) マイクロクリスタリンワックス 6.0
(10) ミツロウ 2.0
(11) ワセリン 12.0
(12) 酢酸ラノリン 1.0
(13) スクワラン 6.0
(14) パルミチン酸イソプロピル 18.0
【0060】
[調製例7]
ケーキ状ファンデーション(比較例化粧料)の調製
調製例3に示す調製方法において、抗菌性粉体としての前記化粧料成分(1)を加えなかった以外は、調製例3の方法でケーキ状ファンデーションTを調製した。
【0061】
[調製例8]
ケーキ状ファンデーション(比較例化粧料)の調製
調製例3に示す調製方法において、前記化粧料成分(1)の抗菌性粉体の代わりに、メチルパラベン(上野製薬(株)製:メッキンスM)0.2gおよびブチルパラベン(上野製薬(株)製:メッキンスB)0.2g(パラベン類の含有量:約0.4重量%)を加えた以外は、調製例3の方法でケーキ状ファンデーションUを調製した。
【0062】
[調製例9]
ケーキ状ファンデーション(比較例化粧料)の調製
調製例3に示す調製方法において、前記化粧料成分(1)の抗菌性粉体の代わりに、関東化学(株)製の2-フェノキシエタノール0.4g(含有量:約0.4重量%)を加えた以外は、調製例3の方法でケーキ状ファンデーションVを調製した。
【0063】
[調製例10]
ケーキ状ファンデーション(比較例化粧料)の調製
調製例3に示す調製方法において、前記化粧料成分(1)の抗菌性粉体の代わりに、酸化銀換算基準で1.3重量%の銀成分を担持させたメタ珪酸アルミン酸マグネシウム(触媒化成工業(株)製:AIS-NAZ 320)0.4g(含有量:約0.4重量%)を加えた以外は、調製例3の方法でケーキ状ファンデーションWを調製した。
【0064】
[実施例1および比較例1]
抗菌性粉体の評価(抗菌性能)
下記評価方法に従い、乾燥粉体A〜Sの大腸菌に対する最小発育阻止濃度を測定した。
普通ブイヨン培地用調製試薬(栄研器材(株)製 普通ブイヨン培地)18gを精製水1000mlに加えて攪拌した後、高圧水蒸気で殺菌処理(温度121℃、圧力0.104MPaで20分間)を行ない、これを室温に冷却して普通ブイヨン培地を調製した。また、りん酸二水素カリウム34.0g、精製水500mlからなる水溶液を25℃の温度に保持し、これに4重量%濃度の水酸化ナトリウム(または塩酸)を加えて、pHを7.0〜7.2に調整した後、さらに精製水を加えて1000mlとしたものを高圧水蒸気で殺菌処理(温度121℃、圧力0.104MPaで20分間)し、りん酸緩衝液を調製した。
次に、前記普通ブイヨン培地を用いて、予め大腸菌(Escherichia coli NBRC3972:独立行政法人 製品評価技術基盤機構からの分譲菌株)の個数が109個/g程度に培養した大腸菌培養液0.1mlに、前記りん酸緩衝液を加えて10mlとし、107個/gの大腸菌菌液とした。
【0065】
また、前記のりん酸緩衝液と調製例2で得られた乾燥粉体A〜Sの合計量が19.8gとなるよう乾燥粉体の濃度を種々変化させ、これに前記大腸菌菌液0.2mlを加えた。前記菌液を添加した後、直ぐに温度36℃、回転速度110rpmで試験液を1時間振とうし、該試験液中に生存している大腸菌の有無を測定した。なお、大腸菌生存の有無は日本工業規格JIS Z2801による生菌数の測定方法に準拠して行なった。
こうして乾燥粉体試料の濃度を変化させた時に、大腸菌の発育を阻止できる最小添加濃度を最小発育阻止濃度とし、その結果を表3に示す。
【0066】
抗菌性粉体の評価(使用感)
調製例2で得られた乾燥粉体A〜Sを肌に塗布した場合の使用感について、20人のモニターから聞き取り調査を行なった。その結果の平均値を表3に示す。なお、この使用感についての聞き取り調査は、以下の基準に基づいて行なった。
【0067】
◎:鱗片状基材を肌に塗った場合と同等またはそれ以上の使用感が得られる。
○:鱗片状基材を肌に塗った場合とほぼ同等の使用感が得られる。
△:鱗片状基材を肌に塗った場合と大きな違いはないがやや違和感がある。
X:鱗片状基材を肌に塗った場合と大きな違いがあり明らかな違和感がある。
【0068】
抗菌性粉体の評価(耐光性)
調製例2で得られた乾燥粉体A〜Sを日当たりの良い室内に1週間放置し、粉体の外観色変化を目視で観察した。なお、この耐光性評価は、以下の基準に基づいて行なった。
○:放置前と比べて、大差ない。
X:放置前と比べて、明度低下が感じられる。
【0069】
【表3】

【0070】
その結果、実施例用に調製された乾燥粉体、すなわち本発明による抗菌性粉体は、比較例用に調製された乾燥粉体に比べて、優れた抗菌性能を有することがわかった。
また、鱗片状基材上に担持される無機酸化物微粒子の平均粒子径を変えて調製された乾燥粉体A〜Fを比べてみると、前記無機酸化物微粒子の平均粒子径が小さいものの方が、それが大きいものよりその抗菌性能が高いことがわかった。結果として、前記無機酸化物微粒子の平均粒子径は、500nm以下の範囲にある必要があることがわかった。一方、平均粒子径が3nm未満の無機酸化物微粒子については、該微粒子のコロイド溶液を安定的に調製することは容易でなく、たとえこのようなコロイド溶液を調製できても、前記抗菌性粉体の調製過程で微粒子同士が凝集してしまうため、実用的な微粒子とは云えない。よって、前記無機酸化物微粒子の平均粒子径は、3〜500nm、好ましくは25〜300nm、さらに好ましくは80〜200nmの範囲にあることが望ましいことがわかった。
【0071】
また、前記無機酸化物微粒子に含まれる前記抗菌性金属成分の含有量は、酸化物換算基準で0.2〜25重量%の範囲にある必要があり、銀成分を含む抗菌性粉体では、その含有量が25重量%を超えると変色が起こり易くなることがわかった。
さらに、前記鱗片状基材上に担持される前記無機酸化物微粒子の重量は、酸化物換算基準で0.1〜30重量%の範囲にある必要があり、銀成分を含む抗菌性粉体では、その含有量が30重量%を超えると前記の変色に加え、使用感も低下することがわかった。
また、鱗片状基材上に担持することなく乾燥した前記無機酸化物微粒子の乾燥粉体Sに関しては、その使用感や抗菌性能がかなり劣っていることがわかった。
【0072】
[実施例2および比較例2]
抗菌性ケーキ状ファンデーションの使用感の評価
調製例3で調製されたケーキ状ファンデーションA〜E(乾燥粉体A〜Eを含む)およびケーキ状ファンデーションR、S(乾燥粉体R、Sを含む)を肌に塗った場合の使用感について、20人のモニターから聞き取り調査を行った。その結果の平均値を表4に示す。なお、この使用感についての聞き取り調査は、以下の基準に基づいて行った。
【0073】
◎:前記乾燥粉体を含まれないケーキ状ファンデーションを肌に塗った場合と同等またはそれ以上の使用感が得られる。
○:前記乾燥粉体を含まれないケーキ状ファンデーションを肌に塗った場合とほぼ同等の使用感が得られる。
△:前記乾燥粉体を含まれないケーキ状ファンデーションを肌に塗った場合と大きな違いはないがやや違和感がある。
X:前記乾燥粉体を含まれないケーキ状ファンデーションを肌に塗った場合と大きな違いがあり明らかな違和感がある。
【0074】
【表4】

【0075】
[実施例3および比較例3]
黄色ブドウ球菌に対する抗菌性評価(ケーキ状化粧料)
普通ブイヨン培地用調製試薬(栄研器材(株)製 普通ブイヨン培地)18gを精製水1000mlに加えて攪拌した後、高圧水蒸気で殺菌処理(温度121℃、圧力0.104MPaで20分間)を行ない、これを室温に冷却して普通ブイヨン培地を調製した。また、りん酸二水素カリウム34.0g、精製水500mlからなる水溶液を25℃の温度に保持し、これに4重量%濃度の水酸化ナトリウム(または塩酸)を加えて、pHを7.0〜7.2に調整した後、さらに精製水を加えて1000mlとしたものを高圧水蒸気で殺菌処理(温度121℃、圧力0.104MPaで20分間)し、りん酸緩衝液を調製した。
【0076】
次に、前記普通ブイヨン培地を用いて、予め黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC12732:独立行政法人 製品評価技術基盤機構からの分譲菌株)の個数が109個/g程度に培養した黄色ブドウ球菌培養液0.02mlに、前記りん酸緩衝液を加えて20mlとした後、前記普通ブイヨン培地0.8mlと調製例3および調製例7〜10で得られたケーキ状ファンデーションA、J、M、N、T、U、VおよびW2.3gをそれぞれほぐし入れて強く振り混ぜた後、密閉して35℃の温度に保った試験用培養液1A、1J、1M、1N、1T、1U、1Vおよび1Wを得た。
【0077】
次いで、35℃の温度に保持されたこれらの試験用培養液を4週間保存して、1週間毎に該培養液中に生存している黄色ブドウ球菌の生菌数(個/ml)を測定した。その結果を表5に示す。なお、生菌数の測定は、日本工業規格JIS Z2801に準拠して行った。
【0078】
【表5】

【0079】
[実施例4および比較例4]
カンジダ菌に対する抗菌性評価(ケーキ状化粧料)
YM培地調製用試薬(Difco社製YM Broth)21gに精製水1000mlを加えて、攪拌した後、高圧水蒸気で殺菌処理(温度121℃、圧力0.104MPaで20分間)を行ない、これを室温に冷却してYM培地を調製した。さらに、りん酸二水素カリウム34.0g、精製水500mlからなる水溶液を25℃の温度に保持し、これに4%水酸化ナトリウム(または塩酸)を加えて、pHを7.0〜7.2に調整した後、高圧水蒸気で殺菌処理(温度121℃、圧力0.104MPaで20分間)を行なってりん酸緩衝液を調製した。
【0080】
次に、前記YM培地を用いて、予めカンジダ菌(Candida albicans NBRC1594:独立行政法人 製品評価技術基盤機構からの分譲菌株)の個数が106個/g程度に培養したカンジダ菌培養液0.02mlに、前記りん酸緩衝液を加えて20mlとした後、前記YM培地2.2mlと調製例3および調製例7〜10で得られたケーキ状ファンデーションA、J、M、N、T、U、VおよびW2.3gをそれぞれほぐし入れて強く振り混ぜた後、密閉して35℃の温度に保った試験用培養液2A、2J、2M、2N、2T、2U、2Vおよび2Wを得た。
【0081】
次いで、35℃の温度に保持されたこれらの試験用培養液を4週間保存して、1週間毎に該培養液中に生存しているカンジダ菌の生菌数(個/ml)を測定した。その結果を表6に示す。なお、生菌数の測定は、日本工業規格JIS Z2801に準拠して行った。
【0082】
【表6】

【0083】
[実施例5および比較例5]
大腸菌に対する抗菌性評価(ケーキ状化粧料)
実施例3に記載の方法と同じ方法で、普通ブイヨン培地およびりん酸緩衝液を調製した。
次に、前記普通ブイヨン培地を用いて、予め大腸菌(Escherichia coli NBRC3972:独立行政法人 製品評価技術基盤機構からの分譲菌株)の個数が109個/g程度に培養した大腸菌培養液0.02mlに、前記りん酸緩衝液を加えて20mlとした後、前記普通ブイヨン培地0.8mlと調製例3および調製例7〜10で得られたケーキ状ファンデーションA、J、M、N、T、U、VおよびW2.3gをそれぞれほぐし入れて強く振り混ぜた後、密閉して35℃の温度に保った試験用培養液3A、3J、3M、3N、3T、3U、3Vおよび3Wを得た。
【0084】
次いで、35℃の温度に保持されたこれらの試験用培養液を4週間保存して、1週間毎に該培養液中に生存している大腸菌の生菌数(個/ml)を測定した。その結果を表7に示す。なお、生菌数の測定は、日本工業規格JIS Z2801に準拠して行った。
【0085】
【表7】

【0086】
[実施例6および比較例6]
緑膿菌に対する抗菌性評価(ケーキ状化粧料)
実施例3に記載の方法と同じ方法で、普通ブイヨン培地およびりん酸緩衝液を調製した。
次に、前記普通ブイヨン培地を用いて、予め緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC3080:独立行政法人 製品評価技術基盤機構からの分譲菌株)の個数が109個/g程度に培養した緑膿菌培養液0.02mlに、前記りん酸緩衝液を加えて20mlとした後、前記普通ブイヨン培地0.8mlと調製例3および調製例7〜10で得られたケーキ状ファンデーションA、J、M、N、T、U、VおよびW2.3gをそれぞれほぐし入れて強く振り混ぜた後、密閉して35℃の温度に保った試験用培養液4A、4J、4M、4N、4T、4U、4Vおよび4Wを得た。
【0087】
次いで、35℃の温度に保持されたこれらの試験用培養液を4週間保存して、1週間毎に該培養液中に生存している緑膿菌の生菌数(個/ml)を測定した。その結果を表8に示す。なお、生菌数の測定は、日本工業規格JIS Z2801に準拠して行った。
【0088】
【表8】

【0089】
[実施例7および比較例7]
黒麹カビに対する抗菌性評価(ケーキ状化粧料)
硝酸ナトリウム2.0g、リン酸二水素カリウム0.7g、リン酸水素二カリウム0.3g、塩化カリウム0.5g、硫酸マグネシウム七水和物0.5gおよび硫酸鉄(II)七水和物0.01gを水1000mlに加えて溶解し、無機塩の水溶液を調製した。さらに、
ポテトデキストロース寒天培地用調製試薬(日水製薬(株)製ポテトデキストロース寒天培地)39gを精製水1000mlに加えて攪拌した後、高圧水蒸気で殺菌処理(温度121℃、圧力0.104MPaで20分間)を行ない、これを50℃に冷却してポテトデキストロース寒天培地を調製した。このポテトデキストロース寒天培地上に予め黒麹カビ(Aspergillus niger NBRC4414:独立行政法人 製品評価技術基盤機構からの分譲菌株))を植え付けて、27℃の温度で7日間培養した。
【0090】
次に、前記ポテトデキストロース寒天培地上に培養した黒麹カビをスパチュラで5回引っ掻いて、これを先述の無機塩の水溶液50mlに加えて強く振り動かして黒麹カビの胞子を十分に分散させた後、その内容物をガーゼで濾過分離して、前記黒麹カビを含む胞子懸濁液を得た。
【0091】
次いで、調製例3および調製例7〜10で得られたケーキ状ファンデーションA、J、M、N、T、U、VおよびWのプレス成型前品各90gに、それぞれ前記無機塩の水溶液10mlを加えてミキサーで均一に混合した後にプレス成型した水分含有ケーキ状ファンデーションを、前記ポテトデキストロース寒天培地(平板培地)上にそれぞれ置き、さらに前記胞子懸濁液1mlを前記ケーキ面と前記平板培地上に均等にまきかけて、30℃の温度に保った試験試料5A、5J、5M、5N、5T、5U、5Vおよび5Wを得た。
【0092】
次いで、30℃の温度および95%の相対湿度に保持されたこれらの試験用培地を4週間保存して、黒麹カビの胞子を移植した前記水分含有ケーキ状ファンデーションについて、4週間後における黒麹カビの菌糸の発育状況を観察した。その結果を表9に示す。なお、生菌数の測定は、日本工業規格JIS Z2911に準拠して行った。
【0093】
【表9】

【0094】
[実施例8]
大腸菌に対する抗菌性評価(液状化粧料)
実施例5に記載の方法と同じ方法で、普通ブイヨン培地、リン酸緩衝液、大腸菌培養液を調製した。
次に、大腸菌培養液0.02mlに、リン酸緩衝液を加えて20mlとした後、普通ブイヨン培地0.8mlと調製例4で得られたリキッドファンデーションA2.3gを加えて強く振り混ぜた後、密閉して35℃の温度に保った試験用培養液6Aを得た。
次いで、35℃の温度に保持されたこれらの試験用培養液を4週間保存して、1週間毎に該培養液中に生存している大腸菌の生菌数(個/ml)を測定した。その結果を表10に示す。なお、生菌数の測定は、日本工業規格JIS Z2801に準拠して行った。
【0095】
[実施例9]
大腸菌に対する抗菌性評価(粉体状化粧料)
実施例5に記載の方法と同じ方法で、普通ブイヨン培地、リン酸緩衝液、大腸菌培養液を調製した。
次に、大腸菌培養液0.02mlに、リン酸緩衝液を加えて20mlとした後、普通ブイヨン培地0.8mlと調製例5で得られたフェイスパウダーA2.3gを加えて強く振り混ぜた後、密閉して35℃の温度に保った試験用培養液7Aを得た。
次いで、35℃の温度に保持されたこれらの試験用培養液を4週間保存して、1週間毎に該培養液中に生存している大腸菌の生菌数(個/ml)を測定した。その結果を表10に示す。なお、生菌数の測定は、日本工業規格JIS Z2801に準拠して行った。
【0096】
[実施例10]
大腸菌に対する抗菌性評価(油性化粧料)
実施例5に記載の方法と同じ方法で、普通ブイヨン培地、リン酸緩衝液、大腸菌培養液を調製した。
次に、大腸菌培養液0.02mlに、リン酸緩衝液を加えて20mlとした後、普通ブイヨン培地0.8mlと調製例6で得られた油性ファンデーションA2.3gを加えて強く振り混ぜた後、密閉して35℃の温度に保った試験用培養液8Aを得た。
次いで、35℃の温度に保持されたこれらの試験用培養液を4週間保存して、1週間毎に該培養液中に生存している大腸菌の生菌数(個/ml)を測定した。その結果を表10に示す。なお、生菌数の測定は、日本工業規格JIS Z2801に準拠して行った。
【0097】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌性金属成分を酸化物換算基準で0.2〜25重量%含む、平均粒子径3〜500nmの無機酸化物微粒子を、鱗片状基材上に担持してなる抗菌性粉体。
【請求項2】
前記鱗片状基材上に担持される前記無機酸化物微粒子の重量が、前記基材物質の重量に対して0.1〜30重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性粉体。
【請求項3】
前記無機酸化物微粒子が、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、鉄および亜鉛から選ばれた金属元素の酸化物またはこれらの金属元素から選ばれた2種以上の金属元素の複合酸化物からなる微粒子の表面に、前記抗菌性金属成分を担持してなるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌性粉体。
【請求項4】
前記抗菌性金属成分が、銀、銅、亜鉛、金、鉄およびアルミニウムから選ばれた1種または2種以上の金属元素の単体金属および/またはイオン状物質からなるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌性粉体。
【請求項5】
前記鱗片状基材が、タルク、マイカ、セリサイト、合成マイカ、板状シリカ、板状酸化アルミニウム、薄片状ガラス粉末およびアルミニウム蒸着フィルムから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌性粉体。
【請求項6】
前記鱗片状基材が、ケイ素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、鉄、亜鉛およびセリウムから選ばれた金属元素の酸化物および/または水酸化物、またはこれらの金属元素から選ばれた2種以上の金属元素の複合酸化物によって予めその表面が被覆されていることを特徴とする請求項5に記載の抗菌性粉体。
【請求項7】
前記無機酸化物微粒子の平均粒子径が、25〜300nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の抗菌性粉体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌性粉体を配合してなる抗菌性化粧料。
【請求項9】
前記抗菌性粉体の配合量が、前記化粧料に対し0.01〜10重量%の範囲にあることを特徴とする請求項8に記載の抗菌性化粧料。
【請求項10】
前記抗菌性化粧料が、粉末状抗菌性化粧料、ケーキ状抗菌性化粧料または油性抗菌性化粧料であることを特徴とする請求項8〜9のいずれかに記載の抗菌性化粧料。

【公開番号】特開2008−56590(P2008−56590A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−233707(P2006−233707)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000190024)触媒化成工業株式会社 (458)
【Fターム(参考)】