説明

折り畳み代かき装置

【課題】 中央作業体と左右の延長作業体の3分割で構成され、この延長作業体を中央作業体の上方側へ折り畳み可能とした折り畳み代かき装置において、延長作業体を上方へ折り畳んだ時は、第1サイドレベラと第2サイドレベラを同時に回動規制ができるとともに、耐久性のある折り畳み代かき装置のレベラ回動規制装置を提供する。
【解決手段】 延長作業体が折り畳まれた時は、延長作業体の第1サイドレベラと第2サイドレベラの上方面に位置させて連結させたリンク体の前方部が、サイドカバーフレーム側へ回動するのを阻止する回動阻止手段を設け、延長作業体を展開した時は、回動阻止手段が解除されるようにレベラ回動規制装置を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中央作業体と左右に作業巾を延長する延長作業体の3分割で構成され中央作業体の両端に回動支点を有し、この回動支点を中心に左右作業体を回動させ折り畳み可能とした折り畳み代かき装置の延長作業体側レベラの固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の折り畳み代かき装置の延長作業体側レベラ固定方法として、特開2002−142513号公報に記載されるように、「トラクタの後部に連結装置を介して農作業機の長さ方向中央部分を昇降可能に装着し、上記トラクタから農作業機の中央部分に動力を伝達すると共に、上記中央部分に対し、該中央部分から左右両側に延出している作業機部分を、それぞれ中央部分側に折り畳み可能とした農作業機において、上記農作業機は、ロータリ作業部の外周にシールドカバー及びエプロンを備え、左右の作業機部分のエプロンの内端部に、作業機部分を折り畳んだときエプロンをシールドカバーに係止し、作業機部分を作業状態に展開したときはエプロンのシールドカバーへの係止を解除するロック装置を設けたことを特徴とする折り畳み農作業機」の構成が知られる。
【特許文献1】特開2002−142513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来技術によれば、左右の作業機部分に備えたエプロンの全体重量をロック装置に備えたロックピンでのみ支えシールドカバーへ係止するため機体走行時に発生する振動で長時間使用することにより、係止部が穴ダレしたりロックピンが摩耗し係止部にガタつきを発生させ、他の部材と干渉し異音を発生させたり損傷することがある。
【0004】
また、エプロン後端部に枢支軸により枢支したレベラは、延長作業体を上方へ折り畳んだ時においては固定する手段が無いため、機体移動走行時の振動等により自由に振れるため周辺部材等に干渉したり損傷する場合がある。
【0005】
そこで本発明は、延長作業体を上方へ折り畳んだ時において、第1サイドレベラと第2サイドレベラを共に回動規制ができて、係止部等が磨耗等により損傷することが少ない耐久性のある折り畳み代かき装置のレベラ回動規制装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、中央作業体と左右の延長作業体の3分割で構成され、この延長作業体を中央作業体の両端部で軸支し、中央作業体の上方側へ折り畳み可能とした折り畳み代かき装置において、前記延長作業体は、圃場の泥土を砕土する砕土ロータリと、この砕土ロータリの両側を回転自在に軸支し上部を覆うサイドカバーフレームと、このサイドカバーフレームの後端に上下方向回動自在に軸支した整地体である第1サイドレベラと、さらに第1サイドレベラの後端に上下方向回動自在に軸支した第2サイドレベラとで構成され、当接部が設けられた端部をサイドカバーフレーム側に向け、他方端は後方の第2サイドレベラ側に向け、中間部を回動自在に第1サイドレベラ上方面に軸支した第1リンクアームと、第2サイドレベラ上方面に回動自在に後方端を軸支し、前方端を第1サイドレベラ側に向けた第2リンクアームとの互いに向き合った前記第1リンクアーム端部と第2リンクアーム端部を折曲自在に連結したリンク体を設け、延長作業体を上方へ折り畳んだ時に、前記第1リンクアームの当接部がサイドカバーフレーム側へ回動するのを阻止する回動阻止手段を設け、延長作業体を展開し砕土作業巾を延長した時は、回動阻止手段が解除されるように構成した。
【0007】
また、前記回動阻止手段の阻止部材は、リンク体の回動軸と直交する方向に回動軸を有し、延長作業体が展開し砕土作業巾を延長した時は、阻止部材の一方端が中央作業体のガイド部材に係合することで回動阻止手段が解除され、延長作業体を上方へ折り畳んだ時は、前記ガイド部材との係合が外れ、阻止部材はリンク体の回動方向と直交する方向に横断して回動方向を塞ぎ、第1サイドレベラと第2サイドレベラの回動が阻止されるように構成した。
【発明の効果】
【0008】
以上のような構成にすることにより、左右の延長作業体を上方に折り畳んだ時は、第1サイドレベラと第2サイドレベラの上方面に設けたリンク体のサイドカバーフレーム側への回動を阻止する回動阻止手段により、第1サイドレベラと第2サイドレベラの両整地体は回動を阻止され固定されるため、走行時に発生する振動等により干渉したり損傷する不具合を起こすことはない。また、回動阻止部は、ピン等ではなく広い当接部を設けることができて磨耗等に対する耐久性も良い。さらに、延長作業時の展開状態では、サイドレベラの回動阻止手段が解除されるため、整地体であるサイドレベラが上下回動自在となり泥土を均平に整地する代かき作業が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本発明を実施した折り畳み代かき装置の平面図であり、図2は同代かき装置の背面図である。図3は同代かき装置の側面図であり、図4は同代かき装置の動力伝達図である。図5は同代かき装置のクラッチ部の拡大図であり、図6は同代かき装置に備えたクラッチの斜視図である。図7は同代かき装置の側面断面図であり、図8は同代かき装置に備えた左右の延長作業体の折り畳み回動作用図である。図9は同代かき装置に備えた延長作業体の連結部を示す拡大図であり、図10は同代かき装置に備えた延長作業体を折り畳み回動開始時の連結部を示す拡大図である。図11は同代かき装置の折り畳み時の側面図であり、図12は同代かき装置のレベラ連結部を示す拡大作用図、図13は同代かき装置のレベラ連結部を示す拡大図であり、図14は同代かき装置のレベラ回動規制装置の要部側面図である。
【0010】
図1,図2及び図3において、Aは折り畳み代かき装置で、1の中央作業体と左右に作業巾を延長する延長作業体2L,2Rの3分割で構成されている。中央作業体1は左右に延設するセンタフレーム11を有し、このセンタフレーム11の中央部前方にはミッションケース12が挟持するよう設けられ、このミッションケース12の両側にはさらに前方に突出するようロアブラケット13L,13Rが設けられる。前記ミッションケース12の上部にはトップブラケット13Tが設けられ、前記ロアブラケット13L,13Rとでトラクタ装着マスト13を構成している。又、前方には入力軸12aが突設し、図示されていないがトラクタ3点リンク機構に前記トラクタ装着マストが連結されるようになっており、入力軸12aにはトラクタPTO軸よりユニバーサルジョイントが連結される。
【0011】
又、前記ミッションケース12の下部には左右水平方向に延設し、両端を回転自在に支持された中央砕土ロータリ14L,14Rが回転駆動可能に設けられている。そして、前記中央砕土ロータリ14L,14Rの上方を覆うセンタカバー15が前記センタフレーム11の下部で両端部に設けられた側板11L,11Rに固定され、このセンタカバー15の後方には両端を軸支し上下回動自在とした第1センタレベラ16とこの第1センタレベラ16の後方に両端を軸支し、上下回動自在とした第2センタレベラ17とでセンタレベラが構成され設けられている。
【0012】
延長作業体2L,2Rはフレームとカバーとが一体構造となったサイドカバーフレーム21L,21Rの下方に両端を回転自在に軸支した側方砕土ロータリ22L,22Rを備え、前記サイドカバーフレーム21L,21Rの後方には、両端を軸支し上下回動自在とした第1サイドレベラ23L,23Rと、この第1サイドレベラ23L,23Rの後方には両端を軸支し、上下回動自在とした第2サイドレベラ24L,24Rとでサイドレベラが構成され設けられる。
【0013】
前記中央作業体1と前記延長作業体2L,2Rの連結部は前記センタフレーム11の両端部に設けた回動ブラケット11a,11aと前記サイドカバーフレーム21L,21Rにコの字状に設けたサイド回動ブラケット25L,25Rとを重合させ回動軸2a,2aを挿入し軸支され、前記延長作業体2L,2Rを延長作業時の展開状態と非作業時である移動格納時の折り畳み状態に回動可能に連結してある。
【0014】
3はレベラ操作手段で、前記第2センタレベラ17及び前記第2サイドレベラ24L,24Rを泥土を掻き寄せる土寄せ作業位置と泥土を均平に整地する代かき作業位置に切り替え操作するもので、4は前記延長作業体2L,2Rを延長作業時の展開状態に固定する延長作業ロック装置で、それぞれ前記中央作業体1と前記延長作業体2L,2Rの前方側連結部に配置される。5は前記延長作業体2L,2Rを折り畳み状態に固定する折り畳みロック装置で、それぞれ前記中央作業体1の後方両端部に配置される。
【0015】
6はクラッチで、前記中央砕土ロータリ14L,14Rの外方端と前記側方砕土ロータリ22L,22Rの内方端に配置され、駆動伝達されるものである。7はレベラ連結装置で、前記第2センタレベラ17と前記第2サイドレベラ24L,24Rを延長作業時に連結するもので、それぞれ前記第2センタレベラ17の両端に配置される。
【0016】
図4において、動力伝達について説明する。図示されていないがトラクタPTO軸にユニバーサルジョイント等を介し連結する入力軸12aに駆動伝達され、前記ミッションケース12内に設けたベベルギヤ12b,12cにより減速される。このベベルギヤ12cにより水平方向に駆動軸12dが設けられ、略中央部にスプロケット12eを設け、このスプロケット12eを下方に設けられるスプロケット12fへチェーン12gを架設し、さらに減速され前記ミッションケース12の下端部で左右に突設する出力軸12hへと駆動伝達される。この出力軸12hには、前記中央砕土ロータリ14L,14Rが両端部に組み付けられ回転駆動する。
【0017】
前記中央砕土ロータリ14L,14Rは、ロータ軸14a,14aの円周上で螺旋状に複数列設けた爪ホルダ14cに砕土爪14bを着脱自在に取り付け可能として構成され、外端部はベアリングリテーナ14d,14dにて支持され、回転駆動することにより泥土を砕土することができる。
【0018】
前記側方砕土ロータリ22L,22Rは、ロータ軸22La,22Raの円周上で螺旋状に複数列設けた爪ホルダ14cに砕土爪14bを有し着脱可能として構成され、この側方砕土ロータリ22L,22Rは内方端を前記ベアリングリテーナ14dにて支持し、外方端は前記サイドカバーフレーム21L,21Rを構成する側板21La,21Raの内方に設けたベアリングリテーナ22aにより支持され回転可能としてある。そして、前記中央砕土ロータリ14L,14Rの外端部と前記側方砕土ロータリ22L,22Rの内端部には一対のクラッチ6,6が設けられ、中央砕土ロータリからの回転力を側方砕土ロータリ22L,22Rへ伝達可能に構成されている。
【0019】
図5,図6は、前記延長作業体2Lへの駆動伝達を示し、前記クラッチ6は前記中央砕土ロータリ14L,14Rの外端部と前記側方砕土ロータリ22L,22Rの内端部にそれぞれ設けるもので、左右対称であり同一構成としているため延長作業体2L一方について説明する。
【0020】
前記クラッチ6は、前記ロータ軸14aの外方端に設けられたベアリングリテーナ14dによりさらに突出して設けたセンタクラッチロータ軸61aと、前記ロータ軸22Laの内方端に設けられたベアリングリテーナ14dよりさらに突出して設けたサイドクラッチロータ軸61bとの間に設けられる。又、前記クラッチ6は、前記センタクラッチロータ軸61aの外方端には水平方向に端面をもつ円盤状で外周部には前記延長作業体2L方向に向けた係合片62aを有する係合体62が設けられ、前記サイドクラッチロータ軸61bの内方端には、前記係合体62に対向する端面をもつ円盤で外周部には前記中央作業体1方向に向けた被係合片63aを有する被係合体63が設けられ構成される。前記係合片62aと前記被係合片63aは回転方向側に当接面を有し、前記中央砕土ロータリ14Lが回転駆動されるとともに、前記係合片62aが前記被係合片63aと当接し、回転駆動力が前記側方砕土ロータリ22Lへと伝達するものである。
【0021】
前記係合体62は前記センタクラッチロータ軸61aに設けられる爪ホルダ61cに着脱自在に取り付けられる砕土爪14bと共にボルト14eにて固定され、前記被係合体63は前記サイドクラッチロータ軸61bに設けられる爪ホルダ61c着脱自在に取り付けられる砕土爪14bと共にボルト14eにて固定される。
【0022】
図7において、3はレベラ操作手段で、操作レバー31と前記センタフレーム11の略中央部後方に前後方向に回動自在となるよう軸支したロックブラケット32とを備え、前記操作レバー31と前記ロックブラケット32を連結する連結プレート33が設けられる。そして、前記センタフレーム11の後方で前記ロックブラケット32の軸支部上方に始端部を設け、後方に向け上下回動自在に軸支した第1レベラ支持アーム34と、この第1レベラ支持アーム34の終端部より前記第2センタレベラ17の略中央部上面に向け設けた第2レベラ支持アーム35の両端を軸支し、回動自在に連結されリンク体を構成している。
【0023】
そして、前記第1レベラ支持アーム34にはU字状の切り欠き部を有するロックプレート34aを有し、又前記ロックブラケット32には前記ロックプレート34aのU字状の切り欠き部と係合するロックピン32aを有しており、前記操作レバー31を前後回動操作させることにより、前記連結プレート33により連結された前記ロックブラケット32が前後方向に回動し、前記ロックブラケット32に備えたロックピン32aと前記第1レベラ支持アーム34に備えたU字状の切り欠き部を有するロックプレート34aとが係脱し、前記第1センタレベラ16および前記第2センタレベラ17を固定保持し、泥土を掻き寄せる土寄せ作業位置bと固定解除し泥土を均平に整地する代かき作業位置aに切り替え可能となる。
【0024】
図8は折り畳み代かき装置Aの延長作業体2L,2Rの回動動作を示す図であり、前記中央作業体1に備えたセンタフレーム11の後方両端部に設けた回動ブラケット11a,11aに開口させた回動孔の中心と、前記延長作業体2L,2Rに備えたサイドカバーフレーム21L,21Rの後方内端部に設けたコの字状のサイド回動ブラケット25L,25Rに開口した回動孔の中心とを合わせ、回動軸2a,2aを挿入し軸支され回動可能に連結されている。
【0025】
延長作業体2Lは回動途中を表わすもので、延長作業体2Rは前記回動軸2aを中心とし折り畳み方向へ回動させ、前記折り畳みロック装置5により固定保持された状態である。延長作業体2L,2Rは圧縮弾性体であるガススプリングGにより折り畳み時の回動補助されている。
【0026】
図9において、前記延長作業体2L,2Rを延長作業時の展開状態に固定する延長作業ロック装置4と延長作業体2L,2Rを上方に回動させ、折り畳み状態に固定するための折り畳みロック装置5について説明するが、左右対称であり同一構成としているため一方の延長作業体2L側について説明する。4は延長作業ロック装置で、センタフレーム11の前方両端部に配置されU字状の切り欠き部を有する係合プレート41が設けられ、この係合プレート41の下部には係合フック42が水平方向に回動可能に設けられ、ロック方向へ常に弾性保持されている。
【0027】
又、前記サイドカバーフレーム21Lの内側前方部には、前記係合プレート41に設けたU字状の切り欠き部に係合し、前記係合フック42により係着する係合ピン43aを有する係合ブラケット43が設けられ、前記延長作業体2Lを延長作業時の展開状態に固定可能とし、ロック解除は図10に示すように前記係合フック42に設けたレバー42aを解除方向へ回動させることによりロック解除することができる。
【0028】
5は折り畳みロック装置で、前記回動ブラケット11aに水平方向に回動自在として軸支され、フック状の切り欠き部を有する折り畳み係合フック51が設けられ、この折り畳み係合フック51はロック方向へ弾性保持されている。
【0029】
又、前記サイド回動ブラケット25Lには折り畳み係合ピン52が設けてあり、前記延長作業体2Lを折り畳み回動していくと、前記回動ブラケット11aに設けられる係合溝53に前記折り畳み係合ピン52が係合し、前記折り畳み係合フック51により係着し、前記延長作業体2Lを折り畳み状態に固定可能となる。ロック解除は図10に示すように、前記折り畳み係合フック51に設けたレバー51aを解除方向へ回動させることによりロック解除することができる。
【0030】
図11は前記延長作業体2L,2Rを折り畳んだ状態を示す側面図であり、前記中央作業体1に備えたセンタフレーム11の前方部に設けられるスタンドブラケット11bにスタンドSが着脱自在に装着され、折り畳み状態及び展開状態で図示されていないがトラクタより離脱され格納することができる。
【0031】
前記スタンドブラケット11bは前方に開口するコの字状に形成され、上部にはU字状の切り欠き部11cを複数設けるとともに、これら切り欠き部11cの直線上下方には貫通穴11dが前記切り欠き部11cと同数設けてある。本実施例では切り欠き部11cと貫通穴11dは2ヶ所ずつ設けてある。前記スタンドSの装着部すなわち立ち上がり杆部の上部には係合ピンS1とこの係合ピンS1の直線上下方には装着穴S2が設けられ、前記切り欠き部へ係合ピンS1が係合し前記貫通穴の中心と装着穴S2の中心を合わせ装着ピンS3を挿入し着脱自在となる。
【0032】
又、前記スタンドブラケット11bに設けられる切り欠き部11cと貫通穴11dの中心点を結ぶ中心線の角度を位相させて設けることにより、前記スタンドS装着位置を変更させ格納状態での前記ロアブラケット13L,13Rと前記トップブラケット13Tにより構成されるトラクタ装着マストヒッチ点の角度を変更することができる。本実施例では切り欠き部11cと貫通穴11dは2ヶ所ずつ設けてあるので、前記ヒッチ点の角度を2段階に調整可能としてトラクタの種類を選ばず装着することが可能となる。
【0033】
図12,図13はレベラ連結動作について説明するもので、前記第2センタレベラ17の両外端部で前記第2サイドレベラ24L,24Rの内端部に備えられたレベラ連結装置7は左右対称であり同一構成としているため一方の延長作業体2L側について説明する。
【0034】
レベラ連結装置7は第2センタレベラ17の端部に前記延長作業体2L側に突設する整地補助板71とこの整地補助板71の上部には連結片72が設けられ、前記第2サイドレベラ24Lの内端部には前記整地補助板71と重合するよう前記中央作業体1側に向け突設する延長整地補助板73と、この延長整地補助板73の上部には前記連結片72の上面を挟持し、固定保持するロックプレート74が上下方向へ回動可能に軸支され構成されている。
【0035】
前記ロックプレート74は支点ピン75により軸支され、上下方向へ回動可能としてあり、バネ76にて常に開口方向へ弾性保持され開口部を形成している。そして、前記延長作業体2Lが延長作業時の展開回動し、図12に示すように前記延長整地補助板73が前記整地補助板71の上面に重合しながら、前記ロックプレート74にて形成される開口部が前記連結片72の先端部と当接する。さらに展開回動していくと、図13に示すように前記連結片72の先端部が前記ロックプレート74の当接部74aを押し前記ロックプレート74が下方へ回動し挟持面74bが前記連結片72の上面を挟持し固定保持され、前記第2センタレベラ17と前記第2サイドレベラ24Lが連結される。このように連結されることにより第2サイドレベラ24L,24Rは、前記第2サイドレベラ17と連動して土壌を均平にする代かき均平機と、土壌を掻き寄せる土寄せ作業位置とに変位可能としてなる。
【0036】
図9,図10および図14において、前記延長作業体2L,2Rを上方に回動させ、折り畳み状態とした場合と、展開回動した延長作業時のレベラ回動規制装置について説明するが、左右対称であり同一構成としているため、一方の延長作業体2L側について説明する。8はレベラ回動規制装置で、第1サイドレベラ23Lと第2サイドレベラ24Lとに掛け渡したリンク体80と、このリンク体80の回動を阻止する回動阻止装置90とで構成されている。
【0037】
リンク体80は、第1サイドレベラ23L上方面に進行方向と直交する方向に回動軸を有して取り付けられた第1リンクアーム82と、第2サイドレベラ24L上方面に後方端を進行方向と直交する方向に回動軸を有して取り付けられた第2リンクアーム83とを連結して構成されている。
【0038】
第1リンクアーム82は、当接部が設けられた側の端部をサイドカバーフレーム21L側の前方に向け、他方端は後方の第2サイドレベラ24L側に向けて、中間部を第1リンクピン81aで第1サイドレベラ23L上方面に回動可能に取り付けてあり、第2サイドレベラ24L側の端部は、前記第2リンクアーム83の一方端と第2リンクピン81bで連結されて、第2リンクアーム83の後方端は、第2サイドレベラ24L上方面に第3リンクピン81cによって回動軸が進行方向と直行する方向に取り付けられている。
【0039】
回動阻止装置90は、前記リンク体80の前方部に位置し、サイドカバーフレーム21L上方面に設けてあり、センタカバー15の両端の側板11Lに設けたガイドピン87と係合して作動する。
【0040】
回動阻止装置90は、前記リンク体80の回動軸と直交する方向の進行方向と平行に回動軸を有し、サイドカバーフレーム21L上面部に突設したブラケット84で両側を支えた支点ピン85で阻止部材86が取り付けられていて、延長作業体2Lが上方に折り畳まれた時は、阻止部材86が中間部を回動支点とし回動し、これにより一方端は前記リンク体80の回動方向と直交する方向に横断して回動方向を塞ぎ、第1リンクアーム82の当接部82aと阻止部材86が当接し、リンク体80の回動を阻止する。
【0041】
また、延長作業体2Lが展開回動された延長作業状態時は、阻止部材86のセンターカバー15側端部がセンタカバー15の側板11Lに設けたガイドピン87と係合して阻止部材86は回動され、この阻止部材86はリンク体80の回動方向から解除され、第1サイドレベラ23Lと第2サイドレベラ24Lは、上下に回動自在に作動し泥土の均平整地作用が可能となる。
【0042】
尚、阻止部材86は、支点ピン85に巻着されたねじりバネ88によりリンク体80の回動阻止方向に弾性保持されていて、図10に示すように延長作業体2Lが上方に回動して、阻止部材86とガイドピン87との係合が外れると、リンク体80の回動方向を常に塞ぐように構成されている。また、第1サイドレベラ23Lの下限回動規制は、サイドカバーフレーム21Lの側板21Laに取り付けた下限ストッパー21Lcを第1サイドレベラの下方面に当接させて規制している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】折り畳み代かき装置の平面図
【図2】同代かき装置の背面図
【図3】同代かき装置の側面図
【図4】同代かき装置の動力伝達図
【図5】同代かき装置のクラッチ部の拡大図
【図6】同代かき装置に備えたクラッチの斜視図
【図7】同代かき装置の側面断面図
【図8】同代かき装置に備えた左右の延長作業体の折り畳み回動作用図
【図9】同代かき装置に備えた延長作業体の連結部を示す拡大図
【図10】同代かき装置に備えた延長作業体を折り畳み回動開始時の連結部を示す拡大図
【図11】同代かき装置の折り畳み時の側面図
【図12】同代かき装置のレベラ連結部を示す拡大作用図
【図13】同代かき装置のレベラ連結部を示す拡大図
【図14】同代かき装置のレベラ回動規制装置の要部側面図
【符号の説明】
【0044】
1 中央作業体
11 センタフレーム
11a 回動ブラケット
11b スタンドブラケット
11c 切り欠き部
11d 貫通穴
11L,11R 側板
12 ミッションケース
12a 入力軸
12b,12c ベベルギヤ
12d 駆動軸
12e,12f スプロケット
12g チェーン
12h 出力軸
13 トラクタ装着マスト
13L,13R ロアブラケット
13T トップブラケット
14a ロータ軸
14b 砕土爪
14c 爪ホルダ
14d ベアリングリテーナ
14e ボルト
14L,14R 中央砕土ロータリ
15 センタカバー
16 第1センタレベラ
17 第2センタレベラ
2a 回動軸
2L,2R 延長作業体
21L,21R サイドカバーフレーム
21La,21Ra 側板
21Lb 側板
21Lc 下限ストッパー
22a ベアリングリテーナ
22L,22R 側方砕土ロータリ
22La,22Ra ロータ軸
23L,23R 第1サイドレベラ
24L,24R 第2サイドレベラ
25L,25R サイド回動ブラケット
3 レベラ操作手段
31 操作レバー
32 ロックブラケット
32a ロックピン
33 連結プレート
34 第1レベラ支持アーム
34a ロックプレート
35 第2レベラ支持アーム
4 延長作業ロック装置
41 係合プレート
42 係合フック
42a レバー
43 係合ブラケット
43a 係合ピン
5 折り畳みロック装置
51 折り畳み係合フック
52 折り畳み係合ピン
53 係合溝
6 クラッチ
61a センタクラッチロータ軸
61b サイドクラッチロータ軸
61c 爪ホルダ
62 係合体
62a 係合片
63 被係合体
63a 被係合片
7 レベラ連結装置
71 整地補助板
72 連結片
73 延長整地補助板
74 ロックプレート
74a 当接部
74b 挟持面
75 支点ビン
76 バネ
8 レベラ回動規制装置
80 リンク体
81 支点ピン
81a 第1リンクピン
81b 第2リンクピン
81c 第3リンクピン
82 第1リンクアーム
82a 当接部
83 第2リンクアーム
84 ブラケット
85 支点ピン
86 阻止部材
87 ガイドピン
88 ねじりバネ
90 回動阻止装置
A 折り畳み代かき装置
G ガススプリグ
S スタンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央作業体と左右の延長作業体の3分割で構成され、この延長作業体を中央作業体の両端部で軸支し、中央作業体の上方側へ折り畳み可能とした折り畳み代かき装置において、前記延長作業体は、圃場の泥土を砕土する砕土ロータリと、この砕土ロータリの両側を回転自在に軸支し上部を覆うサイドカバーフレームと、このサイドカバーフレームの後端に上下方向回動自在に軸支した整地体である第1サイドレベラと、さらに第1サイドレベラの後端に上下方向回動自在に軸支した第2サイドレベラとで構成され、当接部が設けられた端部をサイドカバーフレーム側に向け、他方端は後方の第2サイドレベラ側に向け、中間部を回動自在に第1サイドレベラ上方面に軸支した第1リンクアームと、第2サイドレベラ上方面に回動自在に後方端を軸支し、前方端を第1サイドレベラ側に向けた第2リンクアームとの互いに向き合った前記第1リンクアーム端部と第2リンクアーム端部を折曲自在に連結したリンク体を設け、延長作業体を上方へ折り畳んだ時に、前記第1リンクアームの当接部がサイドカバーフレーム側へ回動するのを阻止する回動阻止手段を設け、延長作業体を展開し砕土作業巾を延長した時は、回動阻止手段が解除されるように構成したレベラ回動規制装置。
【請求項2】
前記回動阻止手段の阻止部材は、リンク体の回動軸と直交する方向に回動軸を有し、延長作業体が展開し砕土作業巾を延長した時は、阻止部材の一方端が中央作業体のガイド部材に係合することで回動阻止手段が解除され、延長作業体を上方へ折り畳んだ時は、前記ガイド部材との係合が外れ、阻止部材はリンク体の回動方向と直交する方向に横断して回動方向を塞ぎ、第1サイドレベラと第2サイドレベラの回動が阻止される請求項1記載のレベラ回動規制装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−34225(P2006−34225A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221911(P2004−221911)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000171746)株式会社ササキコーポレーション (192)
【Fターム(参考)】