説明

押出用中芯、ゴムホースの製造方法およびゴムホース

【課題】使用する材料、材料の種類を少なくして簡単、かつ、安価に製造することができ、引き抜きも短時間で簡単に行うことができるとともに、使用する材料、材料の種類を少なくしてごみの排出量を少なくすることのできる押出用中芯を提供する。
【解決手段】ゴムホースを成形するための押出用中芯35であって、円筒状のセット用中芯33と、このセット用中芯33の外周に被せ、沿わせたデニット加工丸編みの伸縮性筒状布32とを備え、伸縮性筒状布32が、ゴムホースを成形する成形素材およびセット用中芯33に対して離型性を有した素材で織られている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゴムホースを押出成形するための押出用中芯、この押出用中芯を使用したゴムホースの製造方法、および、このゴムホースの製造方法で製造したゴムホースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
粘着性ゴムホースなどのゴムホースを成形する成形素材の一例であるシリコーンゴムは非常に柔らかく、手に持つだけでも変形してしまう。したがって、押出機のノズルから出てきた直後のゴムホースは真円に近い形状をしているものの、時間が経つと、ゴムホースは、そのままの状態では真円形状を維持できずに潰れて変形したり、内周面同士が癒着する場合がある。そこで、ゴムホースが変形しないように、押出用中芯を使用してゴムホースを製造(成形)している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図13〜図17は従来の押出用中芯の製造工程を示す説明図、図18および図19は従来のゴムホースの製造工程を示す説明図である。
【0004】
次に、図13〜図17を参照して押出用中芯の製造方法について説明する。まず、図13に示すように、巻線機1の取付軸1aに円筒状のセット用中芯11の一端を取り付け、固定する。そして、図14に示すように、セット用中芯11の外周に2枚のエンボスシート12を1枚ずつ2層に巻き付ける。
【0005】
さらに、図15に示すように、エンボスシート12の一端側(巻線機1の取付軸1a側)の上にナイロンテープ13を巻き付けた後、そのナイロンテープ13をエンボスシート12の他端側へ螺旋状に巻き付ける。このとき、ナイロンテープ13の巻き始め部分が解れないようにナイロンテープ13の巻き始め部分の上に輪ゴム14を巻き付けてナイロンテープ13の巻き始め部分をセット用中芯11に固定する。
【0006】
そして、ナイロンテープ13をセット用中芯11の他端側(巻線機1と反対側)端部まで巻き付けた後、図16に示すように、セット用中芯11の他端部内へ円筒状の引っ掛けプラグ15の一端部を挿入し、この引っ掛けプラグ15がセット用中芯11から抜けないようにセット用中芯11に輪ゴム14を巻き付けて引っ掛けプラグ15をセット用中芯11に固定する。
【0007】
その後、図17に示すように、ナイロンテープ13をセット用中芯11の他端側端部から引っ掛けプラグ15の途中まで巻き付ける。そして、ナイロンテープ13の巻き終わり部分が解れないようにナイロンテープ13の巻き終わり部分の上に輪ゴム14を巻き付けてナイロンテープ13の巻き終わり部分を引っ掛けプラグ15に固定する。さらに、引っ掛けプラグ15の先端部(他端部、セット用中芯11と反対側端部)に設けた挿通孔15a内にS字フック16の一端部を挿通して引っ掛けプラグ15にS字フック16を取り付け、巻線機1から取り外すことにより、押出用中芯17とすることができる。なお、S字フック16は、粘着性ゴムホースが変形するのを防止したり、粘着性ゴムホースにごみなどが付着するのを防止するために押出用中芯17を吊り下げて一時保管するためのものである。
【0008】
次に、図18および図19を参照してゴムホースの製造方法について説明する。まず、引っ掛けプラグ15からS字フック16を取り外した後、図18に示すように、押出用中芯17のセット用中芯11に相当する外周部分に、押出成形によって第1粘着性ゴム層21を成形する。そして、第1粘着性ゴム層21の外周にブレード22を編み込んだ後、このブレード22を編み込んだ第1粘着性ゴム層21の外周に、押出成形によって第2粘着性ゴム層23を成形する。
【0009】
その後、第1および第2粘着性ゴム層21,23が押出用中芯17を引き抜き可能な硬さになったならば、所定の治具などを使用し、第1粘着性ゴム層21に対して押出用中芯17を引っ張ると、1層目のエンボスシート12と2層目のエンボスシート12とは点接触で滑りやすいため、1層目のエンボスシート12と2層目のエンボスシート12の間で剥離が起こる。したがって、ナイロンテープ13の一部が破れ、1層目のエンボスシート12はセット用中芯11につられて引き抜かれ、2層目のエンボスシート12はナイロンテープ13に張り付いているか、1層目のエンボスシート12につられて引き抜かれる。そして、第1粘着性ゴム層21の内側から2層目のエンボスシート12およびナイロンテープ13、または、ナイロンテープ13を取り除くことにより、図19に示す粘着性ゴムホース24とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−42352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記したように、セット用中芯11の外周にエンボスシート12を巻き付けた後にナイロンテープ13を螺旋状に巻き付けて押出用中芯17としているので、ナイロンテープ13の巻き付けに熟練度が要求され、押出用中芯17の製造に手間(時間)がかかるため、例えば、1時間あたり4本〜6本の押出用中芯17しか製造できず、押出用中芯17の製造コストが上昇する。また、押出用中芯17を引き抜く場合、セット用中芯11の後、2層目のエンボスシート12、螺旋状に巻き付けられたナイロンテープ13を取り除かなければならないので、押出用中芯17を引き抜くために多くの時間と多くの労力とを費やさなければならなかった。また、粘着性ゴムホース24の内周面は螺旋状に巻かれたナイロンテープ13が転写されて螺旋状の段差となるので、この段差が抵抗となって粘着性ゴムホース24内を流れる流体に渦流などが発生することにより、粘着性ゴムホース24内を流体がスムーズに流れなくなる。また、接続ホースを粘着性ゴムホース24内へ挿入する場合、粘着性ゴムホース24の内周面に形成された螺旋状の段差により、接続ホースの外周面と粘着性ゴムホース24の内周面との間の接続密着度が不十分になる恐れがある。
【0012】
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、使用する材料、材料の種類を少なくして簡単、かつ、安価に製造することができ、引き抜きも短時間で簡単に行うことができるとともに、使用する材料、材料の種類を少なくしてごみの排出量を少なくすることのできる押出用中芯を提供したり、また、内部を流体がスムーズに流れ、接続ホースとの接続密着度に優れたゴムホースの製造方法およびゴムホースを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、ゴムホースを押出成形するための押出用中芯であって、円筒状のセット用中芯と、このセット用中芯の外周に被せ、沿わせたデニット加工丸編みの伸縮性筒状布とを備え、前記伸縮性筒状布が、前記ゴムホースを成形する成形素材および前記セット用中芯に対して離型性を有した素材で織られていることを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の押出用中芯において、前記セット用中芯をゴム管にしたことを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、ゴムホースを押出成形するゴムホースの製造方法であって、請求項1または請求項2に記載の押出用中芯の外周にゴム層を押出成形し、このゴム層内から前記押出用中芯を引き抜くことを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、ゴムホースを押出成形するゴムホースの製造方法であって、請求項1または請求項2に記載の押出用中芯の外周に第1ゴム層を押出成形し、この第1ゴム層の外周にブレードを編み込み、このブレードを編み込んだ前記第1ゴム層の外周に第2ゴム層を押出成形し、前記第1ゴム層内から前記押出用中芯を引き抜くことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載のゴムホースの製造方法によって製造したことを特徴とするゴムホースである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、セット用中芯にデニット加工丸編みの伸縮性筒状布を被せ、沿わせることによって押出用中芯としたので、使用する材料、材料の種類を少なくして押出用中芯を熟練度を要することなく簡単、かつ、安価に製造することができるとともに、使用する材料、材料の種類を少なくしてごみの排出量を少なくすることができる。また、押出用中芯を引き抜く場合、例えば、セット用中芯を引き抜いた後に伸縮性筒状布のみを引き抜けばよいので、押出用中芯の引き抜きが少ない労力で簡単、かつ、短時間で行うことができる。そして、ゴムホースを製造する成形素材が伸縮性筒状布に接触するが、ゴムホースの成形素材に対して伸縮性筒状布は離型性を有しているので、作業性および効率よく短時間で押出用中芯をゴムホースから引き抜くことができ、ゴムホースの製造能力を向上させることができる。さらに、ゴムホースの内周面は伸縮性筒状布が転写された梨地の面一な表面となるので、ゴムホース内を流れる流体は抵抗が減少してスムーズに流れ、また、接続ホースの外周にゴムホースの内周面が面一状態で接触することにより、接続ホースとの接続密着度に優れるとともに、耐圧の向上したゴムホースとなる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、セット用中芯をゴム管にしたので、セット用中芯(ゴム管)を窄めることにより、セット用中芯の引き抜きを効率よく簡単に行うことができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、ゴム層内から押出用中芯を引き抜くことにより、ゴムホースの内周面は伸縮性筒状布が転写された梨地の面一な表面となるので、ゴムホース内を流れる流体は抵抗が減少してスムーズに流れ、また、接続ホースの外周にゴムホースの内周面が面一状態で接触することにより、接続ホースとの接続密着度に優れるとともに、耐圧の向上したゴムホースとなる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、第1ゴム層内から押出用中芯を引き抜くことにより、ゴムホースの内周面は伸縮性筒状布が転写された梨地の面一な表面となるので、ゴムホース内を流れる流体は抵抗が減少してスムーズに流れ、また、接続ホースの外周にゴムホースの内周面が面一状態で接触することにより、接続ホースとの接続密着度に優れるとともに、耐圧の向上したゴムホースとなる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、請求項3または請求項4に記載のゴムホースの製造方法によってゴムホースを製造することにより、ゴムホースの内周面は伸縮性筒状布が転写された梨地の面一な表面となるので、ゴムホース内を流れる流体は抵抗が減少してスムーズに流れ、また、接続ホースの外周にゴムホースの内周面が面一状態で接触することにより、接続ホースとの接続密着度に優れるとともに、耐圧の向上したゴムホースとなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の押出用中芯の製造工程の一例を示す説明図である。
【図2】この発明の押出用中芯の製造工程の一例を示す説明図である。
【図3】この発明の押出用中芯の製造工程の一例を示す説明図である。
【図4】この発明の押出用中芯の製造工程の一例を示す説明図である。
【図5】この発明の押出用中芯の製造工程の一例を示す説明図である。
【図6】この発明の押出用中芯の製造工程の一例を示す説明図である。
【図7】この発明の押出用中芯の製造工程の一例を示す説明図である。
【図8】この発明の押出用中芯の製造工程の一例を示す説明図である。
【図9】この発明のゴムホースの製造工程の一例を示す説明図である。
【図10】この発明のゴムホースの製造工程の一例を示す説明図である。
【図11】この発明のゴムホースの製造工程の一例を示す説明図である。
【図12】この発明のゴムホースの製造工程の一例を示す説明図である。
【図13】従来の押出用中芯の製造工程を示す説明図である。
【図14】従来の押出用中芯の製造工程を示す説明図である。
【図15】従来の押出用中芯の製造工程を示す説明図である。
【図16】従来の押出用中芯の製造工程を示す説明図である。
【図17】従来の押出用中芯の製造工程を示す説明図である。
【図18】従来の粘着性ゴムホースの製造工程を示す説明図である。
【図19】従来の粘着性ゴムホースの製造工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0025】
図1〜図8はこの発明の押出用中芯の製造工程の一例を示す説明図、図9〜図12はこの発明のゴムホースの製造工程の一例を示す説明図である。
【0026】
次に、図1〜図8を参照して押出用中芯の製造方法の一例について説明する。まず、図1に示すように、一端部が拡開した円筒状の中芯セットホルダ31と、例えば、約1.5m〜約2.5mのゴムホースを5本〜10本製造できる長さ(所定長)のデニット加工丸編みした伸縮性筒状布32と、ゴム管からなるセット用中芯33とを用意する。なお、伸縮性筒状布32は、ゴムホースを成形する成形素材、例えば、シリコーンゴムおよびセット用中芯33に対して離型性(剥離性)を有したナイロン製の伸縮糸で伸縮タイツのように平滑な細網目状に織られている。
【0027】
そして、中芯セットホルダ31の一端側(拡開側)を、図示を省略した作業台に取り付け、固定した後、図2に示すように、伸縮性筒状布32内へ中芯セットホルダ31を他端側から伸縮性筒状布32を広げながら挿入する。このように、伸縮性筒状布32内へ中芯セットホルダ31の大部分を挿入した後、図3に示すように、中芯セットホルダ31が挿入されていない伸縮性筒状布32の部分を結ぶことにより、伸縮性筒状布32から中芯セットホルダ31が抜け出ないように結び目32aを設ける。なお、結び目32aは、最初から設けておいてもよい。
【0028】
そして、図4に示すように、中芯セットホルダ31の一端部内へ、中芯セットホルダ31の一端側からセット用中芯33を挿入し、セット用中芯33の先端(他端)が伸縮性筒状布32に接触する状態になるまでセット用中芯33を中芯セットホルダ31内へ押し込む。そして、セット用中芯33が伸縮性筒状布32に接触したならば、図5に示すように、さらにセット用中芯33を押し込み、セット用中芯33の外周に伸縮性筒状布32を被せ、沿わせた(密着させた)状態にしてセット用中芯33を中芯セットホルダ31の他端から押し出し、任意の位置でセット用中芯33を停止させる。
【0029】
このように、セット用中芯33が中芯セットホルダ31から押し出された状態で、図6に示すように、セット用中芯33の長さよりも少し長い位置で伸縮性筒状布32を切断した後、図7に示すように、伸縮性筒状布32の開放端をセット用中芯33内へ折り返して収納する。このように、伸縮性筒状布32の開放端をセット用中芯33内へ折り返して収納することにより、伸縮性筒状布32の端末処理を簡単に速くすることができる。
【0030】
そして、図8に示すように、セット用中芯33の先端部(他端部)に設けた2つの挿通孔33aに合わせて伸縮性筒状布32に2つの挿通孔32bを設け、挿通孔32b,33a内にS字フック34の一端部を挿通してセット用中芯33にS字フック34を取り付けることにより、押出用中芯35とすることができる。なお、S字フック34は、挿通孔32b,33aに一端部を挿通して吊り下げることによって押出用中芯35にごみなどが付着するのを防止したり、また、後述するブレードに一端部を挿通して吊り下げることによって粘着性ゴムホースにごみなどが付着するのを防止したり、また、後述するように、押出用中芯35を粘着性ゴムホースから引き抜くために使用するものである。
【0031】
次に、図9〜図12を参照してゴムホースの製造方法の一例について説明する。まず、押出用中芯35からS字フック34を取り外した後、図9に示すように、押出用中芯35のセット用中芯33の円筒部の外周部分に相当する伸縮性筒状布32の外周部分に、押出成形によって、例えば、シリコーンゴムの第1粘着性ゴム層41を成形し、この第1粘着性ゴム層41の外周に、補強層としての細網目状のブレード42を編み込んだ後、このブレード42を編み込んだ第1粘着性ゴム層41の外周に、押出成形によってシリコーンゴムの第2粘着性ゴム層43を成形する。なお、ブレード42は、セット用中芯33の先端部側(挿通孔33aが設けられている側)へ長めに編み込んでおく。
【0032】
その後、第1および第2粘着性ゴム層41,43が押出用中芯35を引き抜き可能な硬さになったならば、図10に示すように、長めに編み込んだブレード42に一端部を引っ掛けたS字フック34の他端部をフックバー51に引っ掛ける。そして、図11に示すように、セット用中芯33内へ折り返して収納した伸縮性筒状布32の端部をセット用中芯33内から引き出し、ペンチなどの工具52でセット用中芯33の縁を掴んだ後、伸縮性筒状布32に対してセット用中芯33を引っ張ると、伸縮性筒状布32とセット用中芯33との間で剥離が起こり、セット用中芯33が窄むことにより、伸縮性筒状布32に対してセット用中芯33を引き抜くことができる。そして、第1粘着性ゴム層41の内側から伸縮性筒状布32を取り除くことにより、図12に示す粘着性ゴムホース44とすることができる。なお、余分なブレード42は切断する。
【0033】
上述したように、この発明によれば、セット用中芯33に伸縮性筒状布32を被せ、沿わせることによって押出用中芯35としたので、使用する材料、材料の種類を少なくして押出用中芯35を熟練度を要することなく簡単に、例えば、1時間あたり15本〜20本の押出用中芯35を製造することができ、かつ、押出用中芯35を安価に製造することができるとともに、使用する材料、材料の種類を少なくしてごみの排出量を少なくすることができる。また、押出用中芯35を引き抜く場合、セット用中芯33を引き抜いた後に伸縮性筒状布32のみを引き抜けばよいので、押出用中芯35の引き抜きが少ない労力で簡単、かつ、短時間で行うことができる。そして、粘着性ゴムホース44を製造する成形素材が伸縮性筒状布32に接触するが、粘着性ゴムホース44の成形素材(シリコーンゴム)に対して伸縮性筒状布32(ナイロン製)は離型性(剥離性)を有しているので、作業性および効率よく短時間で押出用中芯35を粘着性ゴムホース44から引き抜くことができ、粘着性ゴムホース44の製造能力を向上させることができる。また、セット用中芯33をゴム管にしたので、セット用中芯33を窄めることにより、セット用中芯33の引き抜きを効率よく簡単に行うことができる。さらに、粘着性ゴムホース44の内周面は伸縮性筒状布32が転写された梨地の面一な表面となるので、粘着性ゴムホース44内を流れる流体は抵抗が減少してスムーズに流れ、また、接続ホースの外周に粘着性ゴムホース44の内周面が面一状態で接触することにより、接続ホースとの接続密着度に優れるとともに、耐圧の向上した粘着性ゴムホース44となる。
【0034】
上記した実施例では、ゴムホースの成形素材をシリコーンゴムとし、このシリコーンゴムおよびセット用中芯に対して離型性(剥離性)を有するナイロンを素材とした伸縮性筒状布の例を示したが、シリコーンゴムおよびセット用中芯に対して離型性(剥離性)を有するナイロン以外の素材で伸縮性筒状布を織っても、また、他のゴムを成形素材とし、この成形素材およびセット用中芯に対して離型性(剥離性)を有する素材で伸縮性筒状布を織っても、同様な効果を得ることができる。また、ゴムホース内に補強用のブレードを編み込んだ例を示したが、ブレードを編み込まずに、ゴムだけでゴムホースを製造する場合にも、この発明を適用し、同様な効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0035】
31 中芯セットホルダ
32 伸縮性筒状布
32a 結び目
32b 挿通孔
33 セット用中芯
33a 挿通孔
34 S字フック
35 押出用中芯
41 第1粘着性ゴム層
42 ブレード
43 第2粘着性ゴム層
44 粘着性ゴムホース
51 フックバー
52 工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムホースを押出成形するための押出用中芯であって、
円筒状のセット用中芯と、
このセット用中芯の外周に被せ、沿わせたデニット加工丸編みの伸縮性筒状布と、
を備え、
前記伸縮性筒状布が、前記ゴムホースを成形する成形素材および前記セット用中芯に対して離型性を有した素材で織られている、
ことを特徴とする押出用中芯。
【請求項2】
請求項1に記載の押出用中芯において、
前記セット用中芯をゴム管にした、
ことを特徴とする押出用中芯。
【請求項3】
ゴムホースを押出成形するゴムホースの製造方法であって、
請求項1または請求項2に記載の押出用中芯の外周にゴム層を押出成形し、
このゴム層内から前記押出用中芯を引き抜く、
ことを特徴とするゴムホースの製造方法。
【請求項4】
ゴムホースを押出成形するゴムホースの製造方法であって、
請求項1または請求項2に記載の押出用中芯の外周に第1ゴム層を押出成形し、
この第1ゴム層の外周にブレードを編み込み、
このブレードを編み込んだ前記第1ゴム層の外周に第2ゴム層を押出成形し、
前記第1ゴム層内から前記押出用中芯を引き抜く、
ことを特徴とするゴムホースの製造方法。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のゴムホースの製造方法によって製造した、
ことを特徴とするゴムホース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−167591(P2010−167591A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10045(P2009−10045)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(599020863)大野ゴム工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】