説明

担持型非メタロセン触媒、その製造方法およびその使用

本発明は、担持型非メタロセン触媒及びその製造方法に関する。当該担持型非メタロセン触媒は、簡単で容易な製造方法で製造されることと、重合活性の調節が容易であることなどを特徴とする。本発明は、さらに、オレフィンの単独重合/共重合において当該担持型非メタロセン触媒の使用に関する。当該使用は、従来技術に比べて助触媒の消費量が比較的少量であることを特徴とする。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
担持型非メタロセン触媒を製造するための方法であって、
マグネシウム化合物と非メタロセン配位子とを、アルコールの存在下で、溶媒に溶解させて、マグネシウム化合物の溶液を得る工程、
前記マグネシウム化合物の溶液を乾燥して、または、前記マグネシウム化合物の溶液に沈殿剤を添加して、修飾担体を得る工程、ならびに
前記修飾担体を、第IVB族金属化合物の群から選ばれる化学的処理剤で処理して、前記担持型非メタロセン触媒を得る工程
を含む方法。
【請求項2】
担持型非メタロセン触媒を製造するための方法であって、
マグネシウム化合物と非メタロセン配位子とを、アルコールの存在下で、溶媒に溶解させて、マグネシウム化合物の溶液を得る工程、
熱活性化されてもよい多孔質担体と前記マグネシウム化合物の溶液とを混合させて、混合スラリーを得る工程、
前記混合スラリーを乾燥して、または、前記混合スラリーに沈殿剤を添加して、複合担体を得る工程、ならびに
前記複合担体を、第IVB族金属化合物の群から選ばれる化学的処理剤で処理して、前記担持型非メタロセン触媒を得る工程
を含む方法。
【請求項3】
さらに、前記化学的処理剤で前記複合担体又は前記修飾担体を処理する前に、前記複合担体又は前記修飾担体を、アルミノキサン、アルキルアルミニウムまたはその任意の組合せからなる群から選ばれる予備化学的処理剤によって予備処理する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記多孔質担体は、オレフィン単独重合体または共重合体、ポリビニルアルコールまたはその共重合体、シクロデキストリン、ポリエステルまたはコポリエステル、ポリアミドまたはコポリアミド、塩化ビニル単独重合体または共重合体、アクリレート単独重合体または共重合体、メタクリレート単独重合体または共重合体、スチレン単独重合体または共重合体、これらの単独重合体または共重合体が部分的に架橋されたもの、元素周期表において第IIA族、第IIIA族、第IVA族または第IVB族からなる群から選ばれる金属元素の耐火性酸化物または耐火性複合酸化物、クレイ、モレキュラーシーブ、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト及びケイソウ土からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、好ましくは、部分的に架橋されたスチレン重合体、シリカ、アルミナ、マグネシア、シリカ・アルミナ、マグネシア・アルミナ、酸化チタン、モレキュラーシーブ及びモンモリロナイトからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、より好ましくは、シリカであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記マグネシウム化合物は、マグネシウムハロゲン化物、アルコキシマグネシウムハロゲン化物、アルコキシマグネシウム、アルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハロゲン化物およびアルキルアルコキシマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは、マグネシウムハロゲン化物の群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、塩化マグネシウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒は、C〜C12芳香族炭化水素、ハロゲン化C〜C12芳香族炭化水素、エステル及びエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、好ましくは、C〜C12芳香族炭化水素及びテトラヒドロフランからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、より好ましくは、テトラヒドロフランであり、前記アルコールは、脂肪族アルコール、芳香族アルコールおよび脂環式アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種であり(ここで、当該アルコールは、場合により、ハロゲン原子およびC1−6アルコキシ基からなる群から選ばれる置換基によって置換されていてもよい。)、好ましくは、脂肪族アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、より好ましくは、エタノールおよびブタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の方法において、前記非メタロセン配位子は、以下の化学構造式を有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
【化1】

好ましくは、次の化学構造式を有する化合物(A)および化合物(B)からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
【化2】

より好ましくは、次の化学構造式を有する化合物(A−1)ないし化合物(A−4)および化合物(B−1)ないし化合物(B−4)からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
【化3】

【化4】

[前記化学構造式のすべてにおいて、
qは、0もしくは1であり、
dは、0もしくは1であり、
Aは、酸素原子,硫黄原子、セレン原子、
【化5】

、-NR23R24、-N(O)R25R26
【化6】

、-PR28R29、-P(O)R30OR31、スルホン基、スルホキシド基または-Se(O)R39からなる群から選ばれる基(ここで、N、O、S、SeおよびPはそれぞれ配位原子を表わす。)である。
Bは、窒素原子、窒素含有基、リン含有基またはC1−C30炭化水素基からなる群から選ばれる基である。
Dは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、リン原子、窒素含有基、リン含有基、C1−C30炭化水素基、スルホン基、スルホキシド基、
【化7】

、-N(O)R25R26
【化8】

または-P(O)R32(OR33)からなる群から選ばれる基(ここで、N、O、S、SeおよびPはそれぞれ配位原子を表わす。)である。
Eは、窒素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、セレン含有基、リン含有基またはシアノ基からなる群から選ばれる基(ここで、N、O、S、SeおよびPはそれぞれ配位原子を表わす。)である。
Fは、窒素原子、窒素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、セレン含有基またはリン含有基からなる群から選ばれる基(ここで、N、O、S、SeおよびPはそれぞれ配位原子を表わす。)である。
Gは、C1−C30炭化水素基、置換C1−C30炭化水素基または不活性な官能基からなる群から選ばれる基である。
Yは、窒素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、セレン含有基またはリン含有基からなる群から選ばれる基(ここで、N、O、S、SeおよびPはそれぞれ配位原子を表わす。)である。
Zは、窒素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、セレン含有基、リン含有基またはシアノ基からなる群から選ばれる基(ここで、N、O、S、SeおよびPはそれぞれ配位原子を表わす。)である。
記号→は、単結合または二重結合を示しており、
記号- は、共有結合またはイオン結合を示しており、
R1〜R4、R6〜R36、R38およびR39は、それぞれ独立して水素、C1−C30炭化水素基、置換C1−C30炭化水素基または不活性な官能基の群から選ばれる基であり、ここでこれらの基は同じであってもよいし、また互いに異なっていてもよく、隣接する基は互いに結合しまたは環(芳香族環が好ましい。)を形成していてもよい。
R5は、窒素原子上の孤立電子対、水素、C1−C30炭化水素基、置換C1−C30炭化水素基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、セレン含有基またはリン含有基からなる群から選ばれる基であり、R5が、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、セレン含有基またはリン含有基である場合には、R5基中のN、O、S、PおよびSeは配位原子として前記中心原子(第IVB族金属原子)と配位結合を形成していてもよい。]
より好ましくは、前記非メタロセン配位子は、次の化学構造式を有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
【化9】

より好ましくは、次の化学構造式を有する化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【化10】

【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
前記ハロゲン原子は、F、Cl、BrまたはIからなる群から選ばれる基であり、
前記窒素含有基は、
【化11】

、-NR23R24、-T-NR23R24又は-N(O)R25R26からなる群から選ばれる基であり、
前記リン含有基は、
【化12】

、-PR28R29、-P(O)R30R31又は-P(O)R32(OR33)からなる群から選ばれる基であり、
前記酸素含有基は、ヒドロキシル基、-OR34及び-T-OR34からなる群から選ばれる基であり、
前記硫黄含有基は、-SR35、 -T-SR35、 -S(O)R36または-T-SO2R37からなる群から選ばれる基であり、
前記セレン含有基は、-SeR38、 -T-SeR38、 -Se(O)R39または-T-Se(O)R39からなる群から選ばれる基であり、
前記T基は、C1−C30炭化水素基、置換C1−C30炭化水素基または不活性な官能基からなる群から選ばれる基であり、
前記R37基は、水素、C1−C30炭化水素基、置換C1−C30炭化水素基または不活性な官能基からなる群から選ばれる基であり、
前記C1−C30炭化水素基は、C1−C30アルキル基、C7−C50アルキルアリール基、C7−C50アラルキル基、C3−C30環状アルキル基、C2−C30アルケニル基、C2−C30アルキニル基、C6−C30アリール基、C8−C30 縮合環基又はC4−C30 ヘテロ環基からなる群から選ばれる基であり、ここで前記ヘテロ環基は窒素原子、酸素原子または硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1−3含む。
前記置換C1−C30炭化水素基は、置換基として前記ハロゲン原子または前記C1−C30アルキル基を一つ又は複数有する前記C1−C30炭化水素基からなる群から選ばれる基であり、
前記不活性な官能基は、前記ハロゲン原子、前記酸素含有基、前記窒素含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、前記硫黄含有基、スズ含有基、C1−C10エステル基またはニトロ基からなる群から選ばれる基であり、
前記ケイ素含有基は、-SiR42R43R44又は-T-SiR45からなる群から選ばれる基であり、
前記ゲルマニウム含有基は、-GeR46R47R48又は-T-GeR49からなる群から選ばれる基であり、
前記スズ含有基は、-SnR50R51R52、 -T-SnR53又は-T-Sn(O)R54からなる群から選ばれる基であり、
前記R42〜R54は、それぞれ独立して水素、前記C1−C30炭化水素基、前記置換C1−C30炭化水素基又は前記不活性な官能基からなる群から選ばれる基であり、ここでこれらの基は同じであってもよいし、また互いに異なっていてもよく、隣接する基は互いに結合しまたは環を形成していてもよく、そして
基Tは、前記規定と同じである。
【請求項9】
前記マグネシウム化合物(Mg元素基準)の前記非メタロセン配位子に対するモル比が1対0.0001-1であり、好ましくは1対0.0002-0.4であり、より好ましくは1対0.0008-0.2であり、さらにより好ましくは1対0.001-0.1であり、前記マグネシウム化合物の前記溶媒に対する割合が1mol対75−400mlであり、好ましくは1mol対150−300mlであり、より好ましくは1mol対200−250mlであり、前記マグネシウム化合物(Mg元素基準)の前記アルコールに対するモル比は、1対0.02−4.00であり、好ましくは1対0.05−3.00であり、より好ましくは1対0.10−2.50であり、前記マグネシウム化合物(マグネシウム化合物固体基準)の前記多孔質担体に対する質量比が1対0.1−20であり、好ましくは1対0.5−10であり、より好ましくは1対1−5であり、前記沈殿剤の前記溶媒に対する体積比が1対0.2−5であり、好ましくは1対0.5−2であり、より好ましくは1対0.8−1.5であり、前記マグネシウム化合物(Mg元素基準)の前記化学的処理剤(第IVB族金属元素基準)に対するモル比が1対0.01−1であり、好ましくは1対0.01−0.50であり、より好ましくは1対0.10−0.30であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記沈殿剤は、アルカン、環式アルカン、ハロゲン化アルカンおよびハロゲン化環式アルカンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプタン、シクロデカン、シクロノナン、ジクロロメタン、ジクロロヘキサン、ジクロロヘプタン、トリクロロメタン、トリクロロエタン、トリクロロブタン、ジブロモメタン、ジブロモエタン、ジブロモヘプタン、トリブロモメタン、トリブロモエタン、トリブロモブタン、塩素化シクロペンタン、塩素化シクロヘキサン、塩素化シクロヘプタン、塩素化シクロオクタン、塩素化シクロノナン、塩素化シクロデカン、臭素化シクロペンタン、臭素化シクロヘキサン、臭素化シクロヘプタン、臭素化シクロオクタン、臭素化シクロノナン及び臭素化シクロデカンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはヘキサン、ヘプタン、デカン及びシクロヘキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、最も好ましくはヘキサンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
前記第IVB族金属化合物は、第IVB族金属ハロゲン化物、第IVB族金属アルキレート、第IVB族金属アルコキシレート、第IVB族金属アルキルハロゲン化物および第IVB族金属アルコキシハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくは第IVB族金属ハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはTiCl4、TiBr4、ZrCl4、ZrBr4、HfCl4及びHfBr4からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、最も好ましくはTiCl4及びZrCl4からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項12】
前記アルミノキサンは、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサンおよびn−ブチルアルミノキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくはメチルアルミノキサン及びイソブチルアルミノキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記アルキルアルミニウムは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソアミルアルミニウム、トリn−アミルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリイソヘキシルアルミニウム、ジエチルメチルアルミニウムおよびエチルジメチルアルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムおよびトリプロピルアルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、最も好ましくはトリエチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記マグネシウム化合物(Mg元素基準)の前記予備化学的処理剤(Al元素基準)に対するモル比は、1対0−1.0であり、好ましくは1対0−0.5であり、より好ましくは1対0.1−0.5であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項14】
担持型非メタロセン触媒であって、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の方法によって製造されたものである担持型非メタロセン触媒。
【請求項15】
オレフィンの単独重合/共重合方法であって、請求項14に記載された担持型非メタロセン触媒を主触媒とし、アルミノキサン、アルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、フルオロボラン、アルキルボロンおよびアルキルボロンアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を助触媒とし、オレフィンを単独重合又は共重合させる、オレフィンの単独重合/共重合方法。

【公表番号】特表2013−510908(P2013−510908A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538166(P2012−538166)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【国際出願番号】PCT/CN2010/001606
【国際公開番号】WO2011/057469
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(503191287)中国石油化工股▲ふん▼有限公司 (35)
【出願人】(512054436)中国石化揚子石油化工有限公司 (3)
【氏名又は名称原語表記】SINOPEC YANGZI PETROCHEMICAL COMPANY LTD.
【住所又は居所原語表記】No.777,Xinhua Road,Dachang Luhe District,Nanjing,Jiangsu 210048,China
【Fターム(参考)】