説明

拠点通信端末及び通信端末並びにネットワークシステム

【課題】マルチホップネットワークシステムにおいて、経路探索に必要なメモリ量を削減することができる拠点通信端末及び通信端末並びにネットワークシステムを得る。
【解決手段】任意の通信端末が、所定の1又は複数の通信端末により形成された複数のグループの何れに属するかを判定するグループ判定手段21を備え、グループ判定手段21の判定結果に基づき、データを中継させる通信端末を中継先端末として選択し、選択された中継先端末にデータを送信するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、拠点通信端末及び通信端末並びにネットワークシステムに関し、特に、マルチホップネットワークにおける経路選択に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、各々が中継機能を持つ無線端末同士でネットワークを構成し、無線により直接通信ができない範囲の端末に対しても、各々の中継機能を利用して通信範囲内にある端末によって順に中継することにより宛先端末へ間接的に送信し、複数の端末間で端末相互のデータ通信を実現するネットワークをマルチホップネットワークという。
【0003】
このマルチホップネットワークシステムでは、宛先端末へのデータ送信の前に、どの端末を中継してデータを送信するかという通信経路を決定することが必要となる。
【0004】
通信経路の決定方法としては、例えば、AODV(Ad hoc On-Demand Distance Vector)プロトコルがある。この方法はデータ通信の要求があったとき経路探索を行って経路を決定する方法であり次のようになされる。
【0005】
経路探索を開始する端末は、まず宛先アドレス及び通信コスト(例えば、ホップ数)を含む経路要求パケットを同報により送信する。経路要求パケットを受信した端末は、自身が宛先端末でなければ通信コストを変更し、同報により中継するとともに、経路要求パケットの情報と、このパケットを自身に中継した中継元の端末のアドレスとを記憶しておく。宛先端末が経路要求パケットを受信すると、宛先端末は経路応答パケットを生成し、経路要求パケットを中継した中継元のアドレスへ送信する。経路応答パケットを受信した端末は、記憶してある経路要求パケットの中継元端末に中継するとともに、経路テーブルに経路応答パケットを中継した端末を中継先(次ホップ)アドレスとして記憶し、対応する宛先アドレスを記憶する。経路探索を開始した端末が経路応答パケットを受け取ると、経路テーブルに経路応答パケットを中継した端末を中継先アドレスとして記憶し、対応する宛先アドレスを記憶し、経路探索を終了する。
【0006】
このようにして経路探索がなされると、データの送信元端末から宛先端末までの中継端末のそれぞれの経路テーブルに宛先端末と中継先端末の情報が格納され、この中継先アドレスにしたがって中継することにより、送信元端末から宛先端末までデータを送信することが可能になる。さらに経路要求パケット、経路応答パケットを通信コストに応じて送信することにより、通信コストの最も低い経路によりデータの通信を行うことができる。
【0007】
上述した方法では、宛先端末ごとに経路テーブルを保持するため、通信の宛先分の経路テーブルを必要とする。また、中継端末においても中継するデータの宛先の経路テーブルを保持する必要があるため、中継経路になる端末は、より多くの端末への経路テーブルを保持する必要があり、最悪の場合、ネットワーク上に存在するすべての端末への経路テーブルを保持する必要がある。
【0008】
また、上述した方法では、経路探索の際に同報通信を行う。マルチホップネットワークにおける同報通信は、同報パケットを受け取った端末がさらに同報パケットを中継することによりなされるため、経路探索の際に多量の通信がなされることとなり、ネットワークに多大な負荷がかかる。
【0009】
そこで、経路探索において、経路情報を要求することを指示するフィールドを含むデータパケットを生成することにより、経路探索時に必要な通信の量を削減する方法として、例えば、「そのデータパケットは、宛先ノードによって受信されるまで、ネットワークの中を転送される。それに応答して、宛先ノードは、経路情報を含む経路応答パケットを生成する。その経路情報はコストを含むことができる。経路応答パケットは、発信元ノードによって受信されるまで、ネットワークの中を転送される。転送中に、種々のコストを含む複数の経路応答パケットが生成されることができる。その後、発信元ノードはコスト計算を行い、そのコストに基づいて最良の経路を選択することができる。」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この方法においても、宛先ごとに経路テーブルを必要としており、多くのメモリ量を必要とする。
【0010】
【特許文献1】特開2005−65267号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように従来の拠点通信端末及び通信端末並びにネットワークシステムでは、各宛先端末ごとに経路テーブルを保持する必要があるため、各端末に多くのメモリ量が必要となる。しかし、例えばセンサネットワークのように安価な通信端末を多数分散して配置するようなネットワークシステムでは、端末のコストを下げる必要があり、各端末に多くのメモリを搭載することができない。したがって、必要なメモリ量の少ない経路探索が可能な拠点通信端末及び通信端末並びにネットワークシステムが求められていた。
【0012】
また、経路探索の際に同報通信により、ネットワークに多大な通信負荷がかかり、ネットワーク資源の多くが経路探索に費やされていた。したがって、ネットワークへの通信負荷の小さい経路探索が可能な拠点通信端末及び通信端末並びにネットワークシステムが求められていた。
【0013】
この発明は、このような課題を解決することを目的としたもので、経路探索に必要なメモリ量を削減することができる拠点通信端末及び通信端末並びにネットワークシステムを得るものである。
また、ネットワークへの通信負荷の小さい経路探索が可能な通信端末及びネットワークシステムを得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に係る拠点通信端末においては、通信電文を送受信する機能を有する複数の通信端末によって構成され、前記複数の通信端末間で前記通信電文を中継し、間接的に前記通信電文を宛先通信端末に到達させることにより、直接通信ができない前記通信端末間で相互に通信が可能なマルチホップネットワークシステムにおける中継の拠点となる拠点通信端末であって、任意の通信端末が、所定の1又は複数の通信端末により形成された複数のグループの何れに属するかを判定するグループ判定手段を備え、前記グループ判定手段の判定結果に基づき、前記通信電文を中継させる通信端末を中継先端末として選択し、選択された前記中継先端末に前記通信電文を送信するものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明は、任意の通信端末が、所定の1又は複数の通信端末により形成された複数のグループの何れに属するかを判定するグループ判定手段を備え、グループ判定手段の判定結果に基づき、通信電文を中継させる通信端末を中継先端末として選択し、選択された中継先端末に前記通信電文を送信することにより、経路探索に必要なメモリ量を削減することができ、また、ネットワークへの通信負荷を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1から図12により説明する。
図1は実施の形態1におけるシステム構成の一例を示すシステム構成図である。図1に示すように、このマルチホップネットワークは、通信電文であるデータを送受信する機能を有する複数の通信端末1と拠点通信端末2とから構成され、複数の通信端末間でデータを中継し、間接的にデータを宛先通信端末に到達させることにより、直接通信ができない通信端末間で相互に通信が可能なものである。また、各通信端末間の通信接続状態を表す補助線3で示されるように後述するツリー構造のトポロジを持つネットワークを形成している。さらに、通信端末1及び拠点通信端末2の、一部又は全てはグループ化され、1又は複数のグループ4を形成している。また、各グループ4には、1又は複数の拠点通信端末2が配置される。尚、各通信端末1及び拠点通信端末2に付した数字は、後述する各通信端末1及び拠点通信端末2のアドレスを示す。
【0017】
図2は実施の形態1における通信端末の内部構成の一例を示す構成図である。図2において、通信端末1は接続情報保持手段11、データ中継手段12及び通信手段13から構成され、接続情報保持手段11は、後述するツリー構造のトポロジを持つネットワークにおける親端末及び子端末の接続情報を保持し、データ中継手段12は、接続情報保持手段11に保持される端末情報に基づき、受信したデータを通信手段13に送信させることによりデータを中継する。これにより通信端末1は、直接通信が可能な他の通信端末1又は拠点通信端末2とデータを送受信することができる。さらに、他の通信端末1又は拠点通信端末2へのデータの中継を行うことができるものである。
【0018】
図3は実施の形態1における拠点通信端末の内部構成の一例を示す構成図である。図3に示すように、拠点通信端末2は、通信端末1の構成に加えて、グループ判定手段21、グループ内中継先選択手段22、拠点中継先選択手段23、拠点経路保持手段24、拠点経路探索手段25及び近傍端末記憶手段26から構成されている。また、拠点経路保持手段24は、拠点中継先テーブル100及び経路探索テーブル200を有している。グループ判定手段21は、データを中継する際に、受信したデータに含まれる宛先通信端末を示す宛先アドレスが当該拠点通信端末2と同一のグループに属するかどうかを判定し、同一のグループに属する場合は、グループ内中継先選択手段22によりグループ内の通信端末1を中継先端末として選択し、同一のグループに属さない場合は、拠点中継先選択手段23により他のグループに属する拠点通信端末2を中継先端末として選択し、選択された中継先端末にデータを送信することによりデータの中継を行う。また、拠点経路保持手段24及び拠点経路探索手段25は、後述する動作により、各グループに対する拠点通信端末2の経路情報を登録し保持する。また、近傍端末記憶手段26により、通信範囲内にある他の通信端末1の何れか又は全ての情報を保持する。
【0019】
図4は実施の形態1における拠点中継先テーブルの内部構成の一例を示す構成図、図5は実施の形態1における経路探索テーブルの内部構成の一例を示す構成図である。拠点中継先テーブル100は、宛先グループ101、中継先アドレス102及び通信コスト103の対応を保持し、また、経路探索テーブル200は、識別番号201、探索開始拠点アドレス202、中継元アドレス203及び通信コスト204を保持する。各テーブルに保持される情報は、後述する拠点経路探索手段25による拠点経路探索に係る情報である。このような構成による本実施の形態1の動作を、(1)データ中継、(2)グループ判定、(3)拠点経路探索、それぞれについて詳細を以下に説明する。
【0020】
まず、ツリー構造のトポロジを持つネットワークについて説明する。
図6はツリー構造のトポロジを持つネットワークの構造及びデータの通信経路を示す図である。ツリー構造のトポロジを持つネットワークとは、通信端末1のネットワーク接続情報を、親又は子の関係で定義し、各通信端末1は親端末、子端末の接続情報を接続情報保持手段11に保持し、また、各通信端末1は、他の任意の通信端末1がツリー構造における子孫であるかどうかを判定することができ、さらに、他の任意の通信端末1までの階層数を判定することができるものである。例えば、図6において、通信端末1−2は、通信端末1−1の子端末であり、通信端末1−3及び通信端末1−4の親端末である。また、通信端末1−2、1−3、1−4、1−5などは全て通信端末1−1の子孫端末に該当する。これは例えば、ツリー階層の深さに応じて各通信端末1に接続可能な子孫端末の個数をあらかじめ決めておき、図6に示すように各通信端末1につけられたアドレスが子孫端末のアドレスよりも必ず小さくなるように子孫端末のアドレスを割り当てることなどによりなされる。尚、各通信端末1に付した数字は各端末のアドレスを示している。
【0021】
このようにツリー構造のトポロジを持つネットワークでは、宛先通信端末が子孫端末であれば子端末を、子孫端末でなければ親端末を中継先として各通信端末1が中継することにより、宛先通信端末までデータを送信することができる。例えば、図6において通信端末1−5から通信端末1−6へデータを送信する場合、通信経路5−1のような経路でデータ送信がなされる。以降の説明では上述した方式により任意の通信端末間を送受信する経路をツリー経路と呼ぶ。
【0022】
(1)データ中継
拠点通信端末2のデータ中継手順について図7を用いて説明する。図7は実施の形態1における拠点通信端末の動作を示すフローチャートである。
まず、拠点通信端末2のグループ判定手段21は、後述する動作により、中継するデータに対して、宛先アドレスが当該拠点通信端末2の属するグループと同一であるか否かを判定する(S101)。次に、グループが同一であればグループ内中継先選択手段22により中継先端末となる通信端末1を前述したツリー経路により選択し(S102)、データ中継手段12及び通信手段13は、選択された中継先端末へデータを中継する(S106)。
【0023】
一方、手順(S101)における判定の結果、宛先アドレスが当該拠点通信端末2の属するグループと同一でなければ拠点中継先選択手段23により拠点中継先端末を選択する。まず、拠点中継先選択手段23は、拠点経路保持手段24に保持される拠点中継先テーブル100を参照し、拠点中継先テーブル100の宛先グループ101の各々グループに対し、宛先アドレスが属するか否かをグループ判定手段21により判定する(S103)。宛先アドレスがいずれかの宛先グループ101に属していれば、当該宛先グループ101に対応する中継先アドレス102を選択し、選択した中継先アドレス102が示す拠点通信端末2を拠点中継先端末とする(S104)。一方、宛先アドレスがいずれの宛先グループ101にも属していなければ、前述したツリー経路により中継先端末を選択する(S105)。次にデータ中継手段12及び通信手段13は、選択された拠点中継先端末又は中継先端末へデータを中継する(S106)。尚、手順(S103)において、拠点中継先テーブル100の宛先グループ101ごとに保持された通信コスト103に基づき、ツリー経路による宛先アドレスまでの通信コストと拠点中継先端末を経由した場合の通信コストとを比較し、ツリー経路の通信コストが小さいときは、手順(S105)によりツリー経路により中継先端末を選択しても良い。
【0024】
次に通信端末1のデータ中継手順について説明する。
通信端末1のデータ中継手段12は、中継するデータの宛先アドレスと接続情報保持手段11に保持される接続情報に基づき、中継先端末となる通信端末1又は拠点通信端末2を、前述したツリー経路により選択し、通信手段13は選択された中継先端末へデータを中継する。
このような動作によるマルチホップネットワークにおける通信経路について図8により説明する。
【0025】
図8は実施の形態1における拠点通信端末を利用した経路を示す図解図である。図8において、例えば、通信端末1−12から通信端末1−14へのデータ送信は次のように行われる。
通信端末1−12は、ツリー経路に従い拠点通信端末2−1にデータを送信する。拠点通信端末2−1は、中継するデータの宛先アドレスである通信端末1−14が同一グループにないと判断し、拠点経路保持手段24に保持された情報に基づき、通信端末1−14が属するグループ4−1の中継先アドレス102である拠点通信端末2−2にデータを送信する。拠点通信端末2−2は、後述する動作により、通信端末1−14がグループ4−1に属すると判断し、ツリー経路に従い、通信端末1−13にデータを送信する。通信端末1−13は、ツリー経路に従い通信端末1−14にデータを送信する。このような動作により、通信端末1−12から通信端末1−14へのデータ送信は通信経路5−2のように行われる。
また、同様の動作により、例えば、通信端末1−12から通信端末1−17へのデータ送信は通信経路5−3のように行われる。
【0026】
(2)グループ判定
次にグループ判定手段21によるグループの判定方法の一例について図8を用いて説明する。図8において、例えば、通信端末1−13をグループ基準端末として設定し、当該グループ基準端末の子孫端末のうち、所定の階層までに属する拠点通信端末2−2、通信端末1−14、1−15、1−17をグループ4−1と定義する。ここで、拠点中継先テーブル100の宛先グループ101のグループの識別番号をグループ基準端末である通信端末1−13のアドレスとすれば、上述のようにツリー構造のトポロジを持つネットワークでは、任意の通信端末1及び拠点通信端末2が、グループ基準端末の子孫端末であるかどうか、及び子孫端末までの階層数を判定することができるため、任意の通信端末1及び拠点通信端末2が当該グループ4に属するか否かをグループの識別番号及び当該任意の通信端末1及び拠点通信端末2のアドレスから判定することができる。尚、グループを定義する所定の階層の数を十分大きくすれば、グループ基準端末のすべての子孫端末及び当該グループ基準端末が一つのグループとなる。グループ基準端末はツリー構造のトポロジを持つネットワークにおいて所定の深さの端末をもってグループ基準端末とするなどの方法により設定する。
【0027】
(3)拠点経路探索
次に拠点経路探索手段25による拠点経路探索方法の一例について説明する。図9は実施の形態1における拠点探索要求パケットの内部構成の一例を示す構成図、図10は実施の形態1における拠点探索応答パケットの内部構成の一例を示す構成図である。
図9に示すように、拠点経路探索を開始する拠点通信端末2が生成する拠点探索要求パケット300は、拠点探索要求識別子301、識別番号302、中継元アドレス303、探索開始拠点アドレス304、通信コスト305及び探索範囲306から構成される。なお、拠点経路探索開始時の通信コスト305は0とする。
また、図10に示すように、後述する動作により拠点探索要求パケット300を受信した拠点通信端末2が生成する拠点探索応答パケット400は、拠点探索応答識別子401、識別番号402、中継元アドレス403、探索開始拠点アドレス404、応答拠点アドレス405、応答グループ406及び通信コスト407から構成されている。
まず、拠点経路探索を開始する拠点通信端末2は、拠点探索要求パケット300を生成し、同報送信する。この拠点探索要求パケット300を受信した拠点通信端末2の動作を図11により次に説明する。
【0028】
図11は実施の形態1における拠点探索要求パケットを受信した場合の動作を示すフローチャートである。拠点探索要求パケット300を受信した拠点通信端末2は、経路探索テーブル200に該拠点探索要求パケット300の情報の登録を試みる。このとき、拠点探索要求パケット300の識別番号302及び探索開始拠点アドレス304と、経路探索テーブル200の識別番号201及び探索開始拠点アドレス202とを比較し(S201)、既に経路探索テーブル200に該当する登録がある場合、受信した拠点探索要求パケット300の通信コスト305と経路探索テーブル200の該当する登録の通信コスト204とを比較し(S202,S203)、受信した拠点探索要求パケット300の通信コスト305が、経路探索テーブル200に登録された通信コスト204より低ければ、新しく経路探索テーブル200に登録し(S205)、そうでない場合は、受信した経路探索要求パケットを破棄する(S204)。
経路探索テーブル200に新たに登録した場合、拠点探索要求パケット300の通信コスト305に拠点探索要求パケット受信時のコストを加算して、同報により中継する(S206)。さらに、拠点探索応答パケット400を生成し、経路探索テーブル200の該当する登録の中継元アドレスに送信する(S207)。生成した拠点探索応答パケット400の通信コスト407は0とする。ここで、通信コストは中継回数(ホップ数)や受信電波強度などの値を基に決定する。
次に、拠点探索応答パケット400を受信した場合の拠点通信端末2の動作を図12により次に説明する。
【0029】
図12は実施の形態1における拠点探索応答パケットを受信した場合の動作を示すフローチャートである。拠点探索応答パケット400を受信した拠点通信端末2は、拠点探索応答パケット400の探索開始拠点アドレス404が自身のアドレスである場合、又は、経路探索テーブル200の識別番号201及び探索開始拠点アドレス202を参照し、受信した拠点探索応答パケット400と同一の登録がある場合(S301)、拠点中継先テーブル100に拠点探索応答パケット400の情報の登録を試みる。
このとき既に拠点中継先テーブル100に該当する登録がある場合、受信した拠点探索応答パケット400の通信コスト407と、拠点中継先テーブル100に登録された通信コスト204とを比較し(S303)、登録された通信コスト204より受信した拠点探索応答パケット400の通信コスト407のほうが低ければ、登録を更新し(S304)、そうでない場合は、拠点探索応答パケット400を破棄する。
探索開始拠点アドレス404が自身のアドレスでなく(S306)、かつ、拠点中継先テーブル100に登録した場合、さらに拠点探索応答パケット400に拠点探索応答パケット400受信時のコストを加算して、経路探索テーブル200の該当する登録の中継元アドレス203に中継する(S307)。
【0030】
このように、拠点探索要求パケット300及び拠点探索応答パケット400を送受信することにより、各拠点通信端末2の拠点中継先テーブル100に各宛先グループへの中継先アドレスが登録され、拠点通信端末間で最適な拠点通信端末間経路を選択し、中継することができる。
【0031】
なお、ここでは拠点探索要求パケット300を受信したすべての拠点通信端末2が拠点探索応答パケット400を生成し送信するようにしたが、探索するグループ、探索する拠点アドレスの何れか又は両方を拠点探索要求パケット300に含め、該当する拠点通信端末2のみが拠点探索応答パケット400を生成し送信するようにしてもよい。このように探索の該当拠点通信端末のみ応答するようにすることで、必要な拠点通信端末2への経路のみを探索することができる。
【0032】
以上のように実施の形態1では、拠点通信端末2がデータを中継する際に、宛先アドレスの通信端末1又は拠点通信端末2が、当該拠点通信端末2の属するグループに属するか否かをグループ判定手段21により判定し、当該拠点通信端末2の属するグループに属していれば、グループ内での中継先端末を選択し、属していなければ他のグループの拠点通信端末2を中継先として選択することにより、宛先グループに対しての経路選択に必要な経路情報を持てばよく、必要なメモリ量を大幅に削減することができる。
【0033】
また、グループ4の個数、拠点通信端末2の個数を制限することにより、拠点中継先テーブル100に必要なデータ量を確実に見積もることができ、ソフトウェアの設計が容易になる。
【0034】
また、従来の方法では、通信端末1への経路探索は一つの宛先に対し一回ずつ行っていたが、拠点通信端末2の個数を制限することで必要な経路探索テーブル200、拠点中継先テーブル100のデータ量が制限されるため、一度にすべての拠点通信端末2に対する経路探索が可能となる。さらに、拠点通信端末2の個数を制限することにより、拠点通信端末探索において拠点通信端末2のみで同報されるため必要な通信を大幅に削減することが可能になる。
【0035】
尚、上述の説明において、手順(S102)ではツリー経路により中継先端末を選択したが、宛先アドレスが近傍端末記憶手段26に保持される近傍端末のアドレスと一致すれば、宛先アドレスを中継先端末として選択してもよい。このように近傍端末記憶手段26に一致した場合に宛先アドレスを中継先アドレスとして選択することにより、ツリー経路に比較して中継回数が少なくなるため、効率のよい経路を選択することができる。このように経路を選択すると、図8において通信端末1−12から通信端末1−14へのデータ送信は通信経路5−3を利用してなされる。
【0036】
また、手順(S103)では宛先グループを判定し、対応する中継先アドレスを選択したが、拠点中継先テーブル100に含まれる中継先アドレス102のうち、中継するデータの中継元と異なる中継先アドレスのいずれかを任意に選択してもよい。このようにしても、拠点通信端末2の数が制限されており、宛先端末へは比較的少ない中継回数で送信できるため、必要なデータ量を抑えることができることから、この発明の効果を得ることが可能である。
【0037】
また、手順(S104)では無条件に対応する中継先アドレスを選択したが、例えばツリー経路における中継回数に基づく通信コストをツリー構造に基づいて計算し、拠点中継先テーブルの通信コストから宛先端末の通信コストを計算し、両者の比較により通信コストの低い中継先アドレスを選択してもよい。このようにすることでツリー経路と拠点通信端末を経由する経路とで、より効率のよい通信経路を選択することが可能になる。
【0038】
実施の形態2.
図13は実施の形態2における拠点通信端末の内部構成の一例を示す構成図である。図13に示すように、本実施の形態2では、実施の形態1における拠点通信端末2の構成に加えて、当該拠点通信端末2が後述する動作により代表拠点通信端末と判定したとき、当該拠点通信端末2の動作方式を変更する端末動作切替手段27を備えたものである。
【0039】
次に端末動作切替手段27の動作について説明する。グループ基準端末及びグループを定義する所定の階層は、あらかじめ所定の値を設定しておく。ここで、当該グループ基準端末の設定においては、グループ基準端末は所定の階層深さの端末であるものとして、所定の階層深さをあらかじめ固定した値にしてもよいし、ネットワーク構成が取る階層深さの、二分の一の深さにある拠点通信端末2がグループ基準端末として設定してもよい。ネットワーク構成が取る階層深さの、二分の一の深さの通信端末1をグループ基準端末とした場合、例えば、図14に示すように最大深さが6階層のネットワークでは、深さが3階層の通信端末1−20がグループ基準端末になる。また、あらかじめ定められたネットワークの最大構成を規定する数値等からグループ基準端末の深さを決めてもよい。また、グループ基準端末を定める所定の深さを複数定めてもよい。
【0040】
上記の方法によりあらかじめ定められた値で決定されたグループ基準端末又は、新たに設定されたグループ基準端末が、当該グループ基準端末のアドレスと、グループを定義する所定の階層とを、他の通信端末1及び拠点通信端末2に送信する。このようにすることによりネットワークが構成されると各通信端末1及び拠点通信端末2が相互に通信することにより自動的にグループ4−20を設定することが可能となる。
【0041】
さらに、グループ4−20内の拠点通信端末2の端末動作切替手段27は、他の通信端末1との通信状態を鑑み、代表拠点通信端末として動作するか、または、一般通信端末として通信端末1と同様の動作をするか否かを判定し、当該拠点通信端末2の動作方法を決定する。代表拠点通信端末として動作する場合は実施の形態1で説明した拠点通信端末2と同様に動作し、一般通信端末として動作する場合は、グループ判定手段21、拠点中継先選択手段23、などの拠点通信端末2特有の機能を停止させ、通信端末1と同様に動作する。
【0042】
端末動作切替手段27は、例えば、当該拠点通信端末2がグループ基準端末であれば代表拠点通信端末として動作すると判定する。または、前述したツリー構造のトポロジとなるようにアドレスが割り振られたネットワークにおいて、グループ内における所定の深さをあらかじめ決めておき、図14に示すように、所定の深さLの拠点通信端末2−20、2−21、2−22の端末動作切替手段27は、当該拠点通信端末2を拠点候補通信端末とし、該拠点候補通信端末内で最も若いアドレスを持つ拠点通信端末2−20が代表拠点通信端末であると判定してもよい。また、最も若いアドレスは、あらかじめアドレスの採番規則により判定しても良いし、拠点候補通信端末である拠点通信端末2−20、2−21、2−22が相互に通信して判定してもよい。当該グループ4−20内における所定の深さLは、あらかじめ定めておいてもよいし、例えば、グループ内の階層深さの二分の一といった規則により定めてもよい。当該グループ内における所定の深さLは複数定めてもよい。
【0043】
以上のように、端末動作切替手段27により、代表拠点通信端末として動作するか否かを判定することにより、グループ内の代表拠点通信端末を自動で設定し、ネットワークにおいて拠点通信端末2として動作する通信端末の数を制限することができ、必要なデータ量を減らすことが可能となる。
【0044】
尚、本実施の形態2では、一般通信端末として判定された拠点通信端末2は、通信端末1と同様に動作するようにしたが、拠点通信端末2における特有の機能のうち一部の機能のみを停止させ、例えば拠点探索要求パケット300の中継及び拠点探索応答パケット400の生成の機能のみを停止するようにしてもよい。また、拠点探索要求パケット300の中継及び拠点探索応答パケット400の生成をしないようにすることで、他の拠点通信端末2の拠点経路保持手段24に経路情報が保持されないため、拠点通信端末2と認識されず、ネットワーク上に存在する拠点通信端末2の数を見かけ上減らすことができ、必要なデータ量を減らすことが可能となる。
【0045】
また、端末動作切替手段27は、該拠点通信端末2が属するグループ以外のグループに属する代表拠点通信端末、拠点候補通信端末及び拠点通信端末2の何れか又は全ての通信端末で直接通信可能な通信端末を探索し、グループ内の拠点候補通信端末相互で通信して、該直接通信可能な拠点通信端末2の数がもっとも多いグループ内の拠点候補通信端末であれば代表拠点通信端末として判定する。例えば、図15に示すように、グループ4−21に拠点候補通信端末である拠点通信端末2−30、2−31、2−32があり、グループ4−22に拠点候補通信端末である拠点通信端末2−33があり、拠点通信端末2−30、2−31、2−32のそれぞれが直接通信可能範囲6−1、6−2、6−3を持つとき、グループ4−21の中で、直接通信可能範囲内に最も多くの拠点候補通信端末がある直接通信可能範囲6−3を持つ拠点通信端末2−32の端末動作切替手段27が、当該拠点通信端末2−32を代表拠点通信端末として判定する。また、各グループの拠点候補通信端末が相互に通信し、各グループの代表拠点候補端末相互が最も多く通信可能範囲内に入るように拠点候補通信端末の端末動作切替手段27は、代表拠点候補通信端末を判定してもよい。また、端末動作切替手段27は、当該グループ内に配置され、且つ、直接通信可能範囲6内に存在する通信端末1の数が最も多い拠点通信候補端末を、代表拠点通信端末としてもよい。
このようにすることで、他の拠点通信端末2やグループ内の通信端末1への効率のよい経路選択を行うことが可能な拠点通信端末2を代表拠点通信端末とすることができる。
【0046】
実施の形態3.
図16は実施の形態3における通信端末の内部構成の一例を示す構成図である。本実施の形態3における通信端末1は、実施の形態1における通信端末1の構成に加え、拠点記憶手段14及び近傍拠点端末探索手段15を備え、中継先端末を効率よく選択するものである。
【0047】
上述した実施の形態1において、通信端末1はツリー経路に基づき中継先端末を選択したが、本実施の形態3においては、通信端末1は、拠点記憶手段14により、直接通信が可能な近傍にある拠点通信端末2を近傍拠点リスト500に登録し、データを送信する際に、登録された拠点通信端末2を中継先端末として選択し、ツリー経路によらずデータの送信を行う。
【0048】
拠点記憶手段14における近傍拠点リスト500は、近傍拠点端末探索手段15により近傍の拠点通信端末2を探索することによって登録する。例えば、実施の形態1における拠点探索要求パケット300の探索範囲306により、拠点探索要求パケット300を受信した拠点通信端末2は拠点探索要求パケット300の中継の際に該拠点探索要求パケット300の探索範囲306を減算して中継し、探索範囲が0以下であれば中継しないようにして拠点探索要求パケット300の中継回数を限定することにより、通信端末周辺の一定範囲の拠点通信端末2のみ探索することが可能である。このように範囲を制限して拠点通信端末2を探索することにより、応答する拠点通信端末2の数が制限され、拠点記憶手段14に必要なデータ量を小さくすることが可能になる。
【0049】
このように、近傍拠点リスト500に基づき、直接通信が可能な拠点通信端末2を中継先端末として選択することにより、より効率のよい経路によりデータを送信することができる。例えば、図17のように通信端末1−40から通信端末1−41に送信する場合、通信端末1−40の近傍拠点リスト500に登録された拠点通信端末2−40が、中継先端末としてデータが送信され、通信経路5−40のような通信経路となる。
【0050】
尚、本実施の形態3では、近傍拠点リスト500に拠点通信端末2が登録されていれば、当該拠点通信端末2を中継先アドレスとして選択するようにしたが、ツリー経路の通信コストと、当該拠点通信端末2への経路の通信コストとを計算し、比較することにより、よりコストの低い通信経路への中継先アドレスを選択してもよい。このようにして、より効率のよい経路を選択することができる。
【0051】
尚、上記実施の形態1〜3では、中継機能を有する通信端末1及び拠点通信端末2によるネットワーク構成について説明を行ったが、本発明はこれに限らず、中継機能を有する通信端末と中継機能を有しない機能を削減した通信端末とが混在するネットワークにおいても、中継機能を有する通信端末に必要なメモリ量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施の形態1におけるシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図2】実施の形態1における通信端末の内部構成の一例を示す構成図である。
【図3】実施の形態1における拠点通信端末の内部構成の一例を示す構成図である。
【図4】実施の形態1における拠点中継先テーブルの内部構成の一例を示す構成図である。
【図5】実施の形態1における経路探索テーブルの内部構成の一例を示す構成図である。
【図6】ツリー構造のトポロジを持つネットワークの構造及びデータの通信経路を示す図である。
【図7】実施の形態1における拠点通信端末の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1における拠点通信端末を利用した経路を示す図解図である。
【図9】実施の形態1における拠点探索要求パケットの内部構成の一例を示す構成図である。
【図10】実施の形態1における拠点探索応答パケットの内部構成の一例を示す構成図である。
【図11】実施の形態1における拠点探索要求パケットを受信した場合の動作を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態1における拠点探索応答パケットを受信した場合の動作を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態2における拠点通信端末の内部構成の一例を示す構成図である。
【図14】実施の形態2における端末動作切替手段の動作を示す図解図である。
【図15】実施の形態2における端末動作切替手段の動作と直接通信可能範囲を示す図解図である。
【図16】実施の形態3における通信端末の内部構成の一例を示す構成図である。
【図17】実施の形態3における通信経路を示す図解図である。
【符号の説明】
【0053】
1 通信端末、2 拠点通信端末、3 通信接続状態を表す補助線、4 グループ、5 通信経路、6 直接通信可能範囲、11 接続情報保持手段、12 データ中継手段、13 通信手段、14 拠点記憶手段、15 近傍拠点端末探索手段、21 グループ判定手段、22 グループ内中継先選択手段、23 拠点中継先選択手段、24 拠点経路保持手段、25 拠点経路探索手段、26 近傍端末記憶手段、27 端末動作切替手段、100 拠点中継先テーブル、101 宛先グループ、102 中継先アドレス、103 通信コスト、200 経路探索テーブル、201 識別番号、202 探索開始拠点アドレス、203 中継元アドレス、204 通信コスト、300 拠点探索要求パケット、301 拠点探索要求識別子、302 識別番号、303 中継元アドレス、304 探索開始拠点アドレス、305 通信コスト、306 探索範囲、400 拠点探索応答パケット、401 拠点探索応答識別子、402 識別番号、403 中継元アドレス、404 探索開始拠点アドレス、405 応答拠点アドレス、406 応答グループ、407 通信コスト、500 近傍拠点リスト、L 深さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信電文を送受信する機能を有する複数の通信端末によって構成され、前記複数の通信端末間で前記通信電文を中継し、間接的に前記通信電文を宛先通信端末に到達させることにより、直接通信ができない前記通信端末間で相互に通信が可能なマルチホップネットワークシステムにおける中継の拠点となる拠点通信端末であって、
任意の通信端末が、所定の1又は複数の通信端末により形成された複数のグループの何れに属するかを判定するグループ判定手段を備え、
前記グループ判定手段の判定結果に基づき、前記通信電文を中継させる通信端末を中継先端末として選択し、選択された前記中継先端末に前記通信電文を送信することを特徴とする拠点通信端末。
【請求項2】
前記複数の通信端末は、ツリー構造に基づくトポロジのネットワークを形成し、
前記グループ判定手段は、前記ツリー構造の所定の階層に配置される前記通信端末をグループ基準端末として設定し、該グループ基準端末の前記ツリー構造の下位層に属する前記通信端末を、前記グループ基準端末と同一グループに属すると判定することを特徴とする請求項1記載の拠点通信端末。
【請求項3】
前記複数の通信端末は、ツリー構造に基づくトポロジのネットワークを形成し、
前記グループ判定手段は、前記ツリー構造の所定の階層に配置される前記通信端末をグループ基準端末として設定し、該グループ基準端末の前記ツリー構造の下位層の所定の階層までに属する前記通信端末を、前記グループ基準端末と同一グループに属すると判定することを特徴とする請求項1記載の拠点通信端末。
【請求項4】
前記中継先端末を選択するグループ内中継先選択手段を備え、
前記グループ判定手段は、送信又は中継する前記通信電文に含まれる宛先通信端末を示す宛先アドレスに基づき、自拠点通信端末と前記宛先通信端末とが同一の前記グループに属するか否かを判定し、
前記グループ内中継先選択手段は、前記グループ判定手段が、自拠点通信端末と前記宛先通信端末とが同一の前記グループに属すると判定したとき、当該グループに属する任意の前記通信端末を、前記中継先端末として選択することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の拠点通信端末。
【請求項5】
前記グループ内中継先選択手段は、前記宛先通信端末が、前記ツリー構造の自拠点通信端末の下位層に属するとき、自拠点通信端末の一段階下位層の前記通信端末を前記中継先端末として選択し、
前記宛先通信端末が、前記ツリー構造の自拠点通信端末の下位層に属しないとき、自拠点通信端末の一段階上位層の前記通信端末を前記中継先端末として選択することを特徴とする請求項4記載の拠点通信端末。
【請求項6】
前記複数の通信端末の内、自拠点通信端末と直接通信が可能な前記通信端末を記憶する近傍端末記憶手段を備え、
前記グループ内中継先選択手段は、送信又は中継する前記通信電文に含まれる宛先通信端末を示す宛先アドレスに基づき、前記宛先通信端末が、前記近傍端末記憶手段に記憶された前記通信端末に含まれるとき、前記宛先通信端末を前記中継先端末として選択することを特徴とする請求項4又は5記載の拠点通信端末。
【請求項7】
前記グループに属する前記拠点通信端末の内、1又は複数の前記拠点通信端末が拠点中継先端末として設定され、且つ、前記拠点中継先端末への経路情報を保持する拠点経路保持手段と、
前記通信電文を中継させる前記拠点中継先端末を選択する拠点中継先選択手段とを備え、
前記グループ判定手段は、送信又は中継する前記通信電文に含まれる宛先通信端末を示す宛先アドレスに基づき、自拠点通信端末と前記宛先通信端末とが同一の前記グループに属するか否かを判定し、
前記拠点中継先選択手段は、前記グループ判定手段が、自拠点通信端末と前記宛先通信端末とが同一の前記グループに属さないと判定したとき、前記拠点経路保持手段に保持される何れかの前記経路情報に基づき、前記拠点中継先端末を前記中継先端末として選択することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の拠点通信端末。
【請求項8】
前記拠点経路保持手段は、前記複数のグループそれぞれに対する前記拠点中継先端末の情報を保持し、
前記グループ判定手段は、前記宛先アドレスに基づき、前記宛先通信端末が属する前記グループを判定し、
前記拠点経路選択手段は、前記宛先通信端末の属する宛先グループに対応する前記中継先拠点端末を前記中継先端末として選択することを特徴とする請求項7記載の拠点通信端末。
【請求項9】
自拠点通信端末のアドレス情報を含めた拠点探索要求を生成して同報送信し、
自拠点通信端末以外の前記拠点通信端末から前記拠点探索要求を受信したとき、該拠点探索要求に自拠点通信端末のアドレス情報を含め同報送信すると共に、
自拠点通信端末のアドレス情報を含めた拠点探索応答を返信する拠点経路探索手段を備え、
前記拠点経路保持手段は、前記拠点探索要求及び前記拠点探索応答に基づき、前記複数のグループそれぞれに対する前記拠点中継先端末への経路情報を保持することを特徴とする請求項7又は8記載の拠点通信端末。
【請求項10】
前記ツリー構造に基づくトポロジのネットワークにおいて、自拠点通信端末が所定の階層に配置されたとき、自拠点通信端末を代表拠点通信端末と判定する端末動作切替手段を備え、
前記拠点経路探索手段は、前記端末動作切替手段により、自拠点通信端末が前記代表拠点通信端末と判定されたとき、前記拠点探索要求に対する前記拠点探索応答を返信することを特徴とする請求項9記載の拠点通信端末。
【請求項11】
前記端末動作切替手段は、自拠点通信端末が前記グループ基準端末として設定されたとき、自拠点通信端末を前記代表拠点通信端末と判定することを特徴とする請求項10記載の拠点通信端末。
【請求項12】
前記端末動作切替手段は、前記所定の階層に、同一の前記グループに属する前記拠点通信端末が複数配置されたとき、該拠点通信端末の内、自拠点通信端末のアドレスが最も小さいとき、自拠点通信端末を前記代表拠点通信端末として判定することを特徴とする請求項10記載の拠点通信端末。
【請求項13】
前記端末動作切替手段は、前記所定の階層に、同一の前記グループに属する前記拠点通信端末が複数配置されたとき、該拠点通信端末の内、自拠点通信端末が属する前記グループ以外の前記拠点中継先端末と最も多く直接通信が可能なとき、自拠点通信端末を前記代表拠点通信端末として判定することを特徴とする請求項10記載の拠点通信端末。
【請求項14】
通信電文を送受信する機能を有する複数の通信端末によって構成され、前記複数の通信端末間で前記通信電文を中継し、間接的に前記通信電文を宛先通信端末に到達させることにより、直接通信ができない前記通信端末間で相互に通信が可能なマルチホップネットワークシステムにおける通信端末であって、
前記通信電文の中継の拠点となる拠点通信端末の情報が保持される拠点記憶手段を備え、
任意の前記宛先通信端末への前記通信電文を送信又は中継するとき、前記拠点記憶手段に保持された前記拠点通信端末を前記中継先端末として選択し、選択された前記中継先端末に前記通信電文を送信することを特徴とする通信端末。
【請求項15】
拠点探索要求を生成して同報送信し、該拠点探索要求に対する拠点探索応答を受信したとき、前記拠点探索応答を送信した前記拠点通信端末の情報を前記拠点記憶手段に保持させる近傍拠点探索手段を備えたことを特徴とする請求項14記載の通信端末。
【請求項16】
請求項1〜13の何れかに記載の拠点通信端末を少なくとも1又は複数備えたことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項17】
通信電文を送受信する機能を有し、ツリー構造に基づくトポロジのネットワークにより、前記通信電文を送信又は中継する通信端末と、
請求項1〜13の何れかに記載の拠点通信端末と
をそれぞれ少なくとも1又は複数備えたことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項18】
請求項1〜13の何れかに記載の拠点通信端末と、
請求項14又は15記載の通信端末と
をそれぞれ少なくとも1又は複数備えたことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項19】
通信電文を送受信する機能を有し、ツリー構造に基づくトポロジのネットワークにより、前記通信電文を送信又は中継する通信端末と、
請求項1〜13の何れかに記載の拠点通信端末と、
請求項14又は15記載の通信端末と
をそれぞれ少なくとも1又は複数備えたことを特徴とするネットワークシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2007−324987(P2007−324987A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153503(P2006−153503)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】