説明

排出液を配置するための装置

排出液を配置するための装置(10)は、基材位置決め装置(33)、堆積物導管(28)及び導管位置決め装置(30)を含んでいる。基材位置決め装置(33)は、前記堆積物導管(28)が出て来る排出液が堆積される基材(32)を支持し且つ位置決めする。導管位置決め装置(30)は、前記堆積物導管(28)の出口端部を前記基材(32)に対して移動させる。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、排出液を基材上に配置するための装置に関する。特別な実施形態においては、本発明は、排出液をそれらの構成分子に分離するために、機械的か電気的に処理された排出液を制御された方法で配置するための装置に関する。幾つかの実施形態においては、本発明は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI/TOF/MS)を使用して分析されるべき排出液を基材上に配置するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
分析化学法を使用する試料の分析は、所望の情報を得るために、試料が多数の連続する方法を施されることを必要とすることが多い。このことは、分析されるべき試料がポリペプチド、タンパク質、脂質、ポリヌクレオチド及び/又は多糖類のような生物学的分子を含んでいるときに特に正しい。(例えば、CE及びCEC装置のような電気駆動装置又は毛管LC及びマイクロ−LCのようなポンプ駆動装置からの排出液)のようなクロマトグラフィ装置の排出液から集められた試料の構成分子を多数の液体成分に分離するために、生物学的分子を含む試料にクロマトグラフィ法を最初に施すことは一般的である。その後に、各成分に含まれている生物学的分子についての付加的な情報を得るために、後の分析法を各成分に施すことができる。例えば、各成分に赤外分光法、質量分析及び核磁気共鳴のような分析法を施すことができる。従って、所望の情報を得るために、分析試料を一つの分析装置から別の分析装置(例えば、クロマトグラフィ装置から質量分析装置)へ運ぶことがしばしば必要である。従って、一つの分析装置から別の分析装置へ試料を運ぶための装置及び方法が必要である。
【発明の開示】
【0003】
本発明による排出液を配置するための装置は、以下の特徴の1以上又はそれらの組み合わせを含んでいる。
排出液が堆積されるべき基材を支持し且つ位置決めするために基材位置決め装置が設けられている。基材位置決め装置は、X−Yテーブルか又はリール巻き返し機であっても良い。排出液が導管内へ入るときに通る第1の穴と排出液が導管から出て行くときに通る第2の穴とを有している堆積物導管が設けられる。導管の出口端部を基材に対して動かす構造とされている導管位置決め装置が設けられる。導管位置決め装置は、堆積物導管が結合される枢動可能なアームを有していても良い。導管位置決め装置はまた、アームを枢動させるために該アームに結合された駆動装置を有していても良い。駆動装置は、モータ及び該モータの出力軸に結合されたカムとすることができる。駆動装置は、線形ステッピングモータ又はソレノイドであっても良い。導管位置決め装置は、導管を前記第2の穴に隣接している排出液の表面張力によって排出液が堆積物導管の出口から分離されるのを防止する上昇位置と、基材に近接していて前記第2の穴に隣接している排出液が基材に接触し且つ付着する下降位置との間で導管の出口端部を動かすことができる。堆積物導管の出口端部は周囲大気に曝されても良い。
【0004】
幾つかの実施形態においては、基材位置決め装置と導管位置決め装置とは、第1の作動モードと第2の作動モードとを有している。第1の作動モードにおいては、排出液のほぼ連続的なライン、フィルム又はトレースが基材上に堆積され、第2の作動モードにおいては、排出液の別々のスポット又はアリコートが基材上に堆積される。該基材はプレート又はテープによって構成されても良い。プレート及び/又はテープは、MALDI MS装置と共に使用するようになされていても良い。
【0005】
本発明の更に別の特徴は、現在考えられる実施形態の最良モードを例示している例示的な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【詳細な説明】
【0006】
流体処理装置10は、第1の流体14が部分的に充填された容器又はバイアル12と、圧力導管18を介して容器12を加圧するための圧力源16と、流体源20と、図1に示されているように第2の流体(図示せず)が流体源20から容器12の内側領域24内へ流れ込むときに通る給送導管22とを有している。装置10は更に、容器12の内側領域24内に配置されている結合部材26を含んでいる。導管22は結合部材26に結合されている。装置10はまた、結合部材26に結合され且つ容器12から出て行く堆積物導管28をも有している。第1の流体14と流体源からの第2の流体とは、結合部材26内で互いに混合され且つ導管28を介して容器12から排出される。一組みのナット23が各々の導管18,22,28と容器12との間の流体密な結合を提供している。ナット23は、導管18,22,28が貫通するために容器12内に形成された種々の穴(図示せず)内にねじ込まれている。
【0007】
導管位置決め装置30が、導管28の下方領域に結合されていて導管28を導管28から流体の混合物を受け取るような構造とされている基材32又はその他の適切な流体受け器に対して位置決めするように機能することができる。“基材”及び“流体受け器”という用語は本明細書では互換的に使用されている。幾つかの実施形態においては、基材32は、基材32を導管28に対して位置決めするように機能することができる基材位置決め装置33に結合されている。他の実施形態においては、基材位置決め装置33は除去されている。
【0008】
いくつかの実施形態においては、結合部材26は、管状であり且つ本明細書では時々“スリーブ26”と称される図2に示される結合スリーブを含んでいる。スリーブ26は内側面34を有しており、内側面34は、該スリーブ26の第1の端部36と第2の端部38との間に軸線方向に延びている主要通路を形成している。スリーブ26はまた、スリーブ26の外側面42から内側面34へと延びている1以上の穴40をも有している。例示した実施形態においては、スリーブ26は2つの穴40を有しており、該2つの穴40は、スリーブ26の端部36、38間の中ほどに形成され且つ内側面34によって形成されている主要通路に対して直角にスリーブ26を貫通している円筒形の面44によって境を接している。更に、例示された実施形態においては面34、42は円筒形である。
【0009】
図2に示されているように、導管22の出口端部46は部材26の主要通路の上方部分に収納されており、導管28の入口端部48は部材26の主要通路の下方部分に収納されている。導管22、28の端部46、48は、各々、導管22の下方を向いた端面50が導管28の上方を向いた端面52から隔置されてそれらの間に混合空間54を形成するように部材26の主要通路内に位置決めされている。従って、垂直方向に延びている主要通路を有し且つ水平方向に延びている穴40を有している例示的なスリーブ26が垂直方向に向けて配置されている。混合空間54は、穴40を介して容器12の内側領域24と流体連通している。導管22の端部46と導管28の端部48とを整合状態に保持している。スリーブ26は、ナット23か又は導管22、28の整合状態を維持するための適切な他の機構によって整合状態に保持されている堅牢な導管22、28を有している実施形態においては、スリーブ26は省略しても良い。導管22の端部46が導管28の端部48に当接すること、及び容器12の内側領域24と導管22、28の通路56、62の各々との間に流体の流通を提供するために、端面50、52のいずれか若しくは両方が、切り欠き、チャネル等を有することは本開示の範囲に含まれる。
【0010】
容器12は、流体14の上面58が係合部材26の穴40の上方に位置するのを確保するために十分な流体14が充填されている。しかしながら、容器12は、面58上の容器の内側領域24の部分が圧力源16によって加圧することができるように流体14によって一杯までは充填されていない。従って、導管18の下端は、図1に示されているように、流体14の面58上の空間24で終わっている。例示的には、キャップ60が、該キャップが取り外されると流体14が容器12内へ導入されるときに通る入口穴(図示せず)を閉塞するために容器12に結合されている。圧力源16による容器12の内側領域24の加圧によって、ある量の流体14が穴40を通って混合空間54内へ移動せしめられる。更に、流体源20は、第2の流体を導管22の内側通路を通るように移動させ且つ混合空間54内へと移動させるように機能し、混合空間54中で第2の流体は流体14と混ざり合う。容器12の内側領域24内に生じる圧力は、第1の流体14と第2の流体との混合物を導管28の内側通路62を介して下方へ移動させる。第1の流体14と第2の流体との混合物は、所望される更なる処理及び/又は加圧及び/又は分析のための排出液として導管28の下端を出て行く。
【0011】
第1の流体と流体源20からの流体とは、互いに混合されて続いて使用される如何なる所望の流体であっても良い。しかしながら、本開示の教示による流体処理装置は、後続の使用及び分析のために機械的駆動又は電気的駆動による分離による分離排出液の処理において特に有用である。いくつかの流体処理装置においては、流体源20は、分析物をその構成分子へと分離するように機能する分離装置を含んでいる。これらの流体処理装置においては、容器12内の第1の流体は、例えば、第2の流体のpH、密度又はイオン強度を変えるために使用することができる処理液として機能する。更に本明細書において予想されるように、容器12内の処理液は、続いて行われる排出液のMALDI MS分析のための排出液を生成するために分析物に添加される緩衝材料及びマトリックス材料を含んでいても良い。
【0012】
図3を参照すると、液体クロマトグラフィを使用している代替的な流体処理装置110が提供されている。装置110は多く点で装置10と似ており、従って、装置10における同様の部材に類似している装置110の要素を示すために類似した参照符号が使用されている。装置10と装置110との一つの相違点は、装置10の一般的な圧力源16が、装置110においては加圧された窒素の供給源116と置き換えられている点である。容器12を加圧するために窒素の代わりに如何なる理想的な不活性ガスを使用しても良いことが理解される。装置10と装置110との別の相違点は、装置10の一般的な流体源20が、装置110においては、流体クロマトグラフィ装置120、分離導管122及び中間スリーブ124と置換されている点である。更に、固定相材料が装置110の導管122に詰め込まれている。装置120は、分析物を導管122内へと動かすためのアジレント(Agilent)110シリーズの液体クロマトグラフィポンプ及び導管122内への分析物の流れを制御するためのスプリッタのような装置を含んでいる。
【0013】
液体クロマトグラフィを使用している幾つかの流体処理装置の実施形態においては、詰め込まれた毛管カラムは、スリーブ26への導管22の結合に関して上記したものと同じ方法でスリーブ26に直接結合されている。微小カラムを有している実施形態においては、図3に示されているようにスリーブ26に連結する前に中間スリーブ124が使用されている。例示的には、スリーブ124は導管122を導管22に結合している。液体クロマトグラフィを使用している幾つかの流体処理装置においては、流体14は、スリーブ26の混合空間54内で装置120からの分析物を運ぶ排出液と混合されるマトリックス材料である。このような実施形態においては、結果として得られた混合された排出液は、MALDIプレート132上に堆積され、次いでMALDI/TOF/MSによって分析された。例示的なプレート132は、例えばステンレス鋼によって作られている。
【0014】
図4を参照すると、毛管電気クロマトグラフィ(CEC)を使用している代替的な流体処理装置210が提供されている。装置210は多くの点で装置10、110に類似しており、従って、装置10、110における同様の要素に類似している装置210の要素を示すために同様の参照符号が使用されている。装置210は、装置10の一般的な流体源20及び装置110の要素120、122、124の代わりに、流体214を含んでいる容器212を有しており、流体214は容器212から導管22を通って容器12内の結合部材26へと流れる。装置210はまた、ニュージャージ州プレインビューにあるSpellman High Voltage Electronicsから入手可能なタイプの高電圧電源のような電源216をも有している。電源216は、幾つかの実施形態においては0ボルト乃至40キロボルトに調整可能である電位を出力し、この電位は、流体214内に浸漬されている電極218を介して流体214に付与される。幾つかの実施形態においては、電極218は白金によって作られている。流体214は、導電性であり且つ付与された電位によって帯電せしめられるようになる。
【0015】
装置210と装置10、110との別の相違点は、装置210が補助圧力導管220を有している点であり、該補助圧力導管220を介して加圧された窒素ガスが導管18から又は別の方法では発生源116から容器212の内側領域222へと流通せしめられる。特に、加圧された窒素ガスは流体214の上面224の上方で容器212内へ導入される。容器212を加圧する窒素の代わりに如何なる理想的な不活性ガスを使用しても良いことが理解される。導管22の入口端部226は流体224内に浸されており、容器の加圧は容器12の加圧とほぼ等価である。電源216によって発生される電位によって、多量の電荷を付与された流体214が端部226を介して導管22の通路56内へ移動せしめられ、次いで結合部材26上へと移動せしめられる。装置210の例示的な結合部材26は、ワシントン州オークハーバーにあるUpchurch Scientificから入手可能なSilica Seal Tight(登録商標)スリーブのような電気絶縁材を含む導管22、28の端部46、48を保持するのに適した他の材料によって作られている。
【0016】
装置210は、流体14内に浸漬されており且つ電気的に接地されている電極228を有している。幾つかの実施形態においては、電極228は白金によって作られている。装置10内で使用されている流体14は、導電性である緩衝材料及び/又はマトリックス材料である。従って、電源216、電極218、容器212及び導管22内の流体214、スリーブ26の混合空間54内の流体214と流体14との混合物、容器12内の流体14並びに電極228によって、完全な電気回路を形成している電気経路が提供されている。電源216と電極228とは両方とも電気的に接地されている。分析物を含んでいる流体14と流体214との混合物は、結果的に得られる排出液230を生成し、該排出液230は、続いて行われるMALDI/TOF/MSによる分析のために導管28内を移動せしめられ且つ接地されていないMALDIプレート132上に堆積される。導管28及びプレート132は、装置210の電気回路から押し出され、従って接地される必要はない。
【0017】
付加的なナット223の組が、電極218、228と各々の容器212、12との間、導管220と容器212との間及び図4に示されているように容器212に結合されている導管22とキャップ260との間に流体密な結合を提供するために装置210内に含まれている。ナット223は、各々の電極218、228及び導管22、220がその中を通るように容器12、212及びキャップ260内に形成された種々の穴(図示せず)内にねじ込まれている。キャップ260は、キャップ260が取り外されると流体214が容器212内へ導入されるときに通る入口穴(図示せず)を塞いでいる。装置210の代替的な実施形態においては、開示されている毛管電気クロマトグラフィ法の代わりに、分析物を構成分子に分離するために毛管電気泳動(CE)法が使用される。
【0018】
図4に示されている実施形態のような分析物がその構成分子に分離される幾つかの実施形態においては、導管22は、365マイクロメータ(μm)の外径(o.d.)と100μmの内径(i.d.)(すなわち、通路56の直径)を有しており且つ高い可撓性を提供するためにポリアミドによってコーティングされている石英ガラスによって作られている。図4の実施形態においては、導管28は、365μmのo.d.と25μmのi.d.(すなわち、通路62の直径)とを有しており且つポリアミドによってコーティングされた石英ガラスによって作られている。導管22、28を準備するための方法に関する更なる詳細は、本明細書に組み込まれている以下の出版物すなわちPalm,A.and Novtny,M..Anal.Chem.1997,69,4499−4507;QueA.H.,Palm,A.,Baker,A.G.,andNovotny,M.V.J.Chromatograpr.A200に見出すことができる。石英ガラスは、アリゾナ州のフェニックスにあるPolymicro Technologiesから入手可能である。装置10、110を含んでいる代替的な実施形態においては、導管22、28は、ステンレス鋼又はポリエチルケトン(PEEK)のような他の材料によって作っても良い。
【0019】
更に、図4の実施形態においては、結合部材26は、1/16インチ(1587.5μm)のo.d.と330μmのi.d.とを有している結合スリーブ26内に圧入される。更に、図4の例示的な実施形態における導管22のi.d.は、導管28のi.d.の大きさの約4倍である。図4の実施形態においては、穴40は、400μmのo.d.を有するドリルビットを使用することによって結合部材26内に形成されている。従って、穴40のi.d.は約400μmである。導管22、28の端部46、48の各々を結合スリーブ26の主要通路内に挿入する前に、160μmのo.d.を有している毛管又はストランド(図示せず)が穴40内に挿入される。その後に、導管22、28の端部46、48が、各々、導管22、28の端部50、52が各々160μmのo.d.の毛管と接するまで結合スリーブ26の主要通路内に挿入される。導管22、28の端部46、48が各々ひとたび結合スリーブ26の主要通路内に位置決めされると、160μmのo.d.の毛管は、導管22、28の端面50、52が各々約160μmだけ隔てられていることを確保するためのゲージとして機能する。
【0020】
幾つかの実施形態においては、容器12は、デルリン(登録商標)材料によって作られ、2.25インチ(57.15ミリメートル)の高さ、1.5インチ(38.1ミリメートル)の幅及び1.25インチ(31.75ミリメートル)の深さの寸法を有している。
このような実施形態においては、緩衝材料及び/又はマトリックス材料のような流体14を収容するために0.5インチ(12.7ミリメートル)の穴が容器12の中心に開けられても良い。容器212もまたデルリン(登録商標)材料によって作っても良く且つ容器12に似た寸法を有していても良い。更に、テフロン(登録商標)製のO−リングを容器12、212を密封し且つ該容器にかけられる圧力を維持するために使用しても良い。これらのO−リングは、キャップ60と容器12との間及びキャップ260と容器212との間に付与されても良い。更に、ナット23、223は、ナット23、223が当業者に良く知られた方法で締結されるときに、各々の導管18、22、28、220及び電極218、228に対して密封するスリーブを有している。
【0021】
場合により、発生源16又は116によって容器12にかけられる圧力は、堆積物導管28から排出液が流れ出す流速に影響を及ぼす。幾つかの実施形態においては、容器12の内側領域24にかかる圧力は、平方インチ当たり5乃至130ポンド(p.s.i.)(34.47乃至896.32kPa)の範囲内で変動する。更に、流体が導管22を通って混合空間54に入る流速は、例えば、発生源20が作動する方法、例えば、発生源20と容器12(装置10の場合)との間の圧力差を変えること、装置120の圧送速度を変えること、装置120の1以上の弁が開き若しくは閉じる量を変えること、又は装置120のスプリッタ(装置110の場合)の作動を変えること、又は電源216によって電極218に付与される電位(装置210の場合)を変えることによって制御可能である。
【0022】
上記した寸法の導管22、28及びスリーブ26を有している実施形態においては、流体14は、1分当たり約160ナノリットルの流速で穴40を通って混合空間54内へ流れ、図3の液体クロマトグラフィ装置からの流体は1分間当たり約150ナノリットルの流速で導管22を通って混合空間54内へ流れ込み、図4の毛管電気クロマトグラフィ装置からの流体は、1分間当たり約40ナノリットルの流速で導管22を通って混合空間54内へ流れ込む。穴40の寸法又は大きさ、穴40の数、通路56の直径又は大きさ、通路62の直径又は大きさ、混合空間54の大きさ、端面50、52間の間隔、第1の流体の粘度及び第2の流体の粘度は全て第1及び第2の流体の排出混合物が導管28から流れ出す速度に影響を及ぼす。上に挙げたパラメータはまた、導管28から出て来る排出混合物内の第1の流体と第2の流体との割合に影響を及ぼす。ごく普通の実験によって、導管28から出て来る排出液の所望の流速及び導管28から出て来る第1及び第2の流体の所望の割合が得られるかも知れない。
【0023】
装置210の実施形態においては、導管22内に詰め込まれた固定相材料は、5%のT及び60%のC[Hjertenの表示(Hjeten,S.Arch.Biochem.Biophys.1962,Supl1,147−151)は、TとCとを規定しており且つ本明細書に参考として組み入れられている]、3%のポリエチレングリコール(PEG,MW10,000)、40%2−シアノエチルアクリレート(CEA)及び10%のビニルスルホン酸によって構成されていた。この実施形態においては、モノマー溶液又は反応混合物は、10.0ミリグラム(mg)アクリルアミド、30mgのN,N‘−メチレン−ビス−アクリルアミド、16.0マイクロリットル(μL)のCEA、12.4μLのビニルスルホン酸及び0.5ミリリットル(mL)ホルムアルデヒド内の30mgPEG及び0.5mL100ミリモル(mM)トリス−150mMホウ酸(pH8.2)を溶解することによって作ることができる。更に、この実施形態においては、重合は、4μLの20%(v/v)N,N,N’,N‘−テトラメチレンジアミン(TEMED)及び摂氏50°に加熱された0.5mLの上記のモノマー溶液に添加された4mLの40%アンモニウム過硫酸塩を使用して開始させることができる。この重合は、室温において一晩中のようなかなり長い時間に亘って続行する。これに続いて、このような固定相材料を有する導管22が、50:50(v/v)アセトニトリル:pH3.0の5mMリン酸塩緩衝液からなる溶液を使用して調整される。アクリルアミド及びN,N’−メチレン−ビス−アクリルアミドは、カリフォルニア州ハーキュリーズにあるBioRad Laboratoriesから入手可能である。アンモニウムリン酸塩、TEMED、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Bind−Silane)及びPEGは、ミズーリ州セントルイスにあるSigma Companyから入手可能である。ビニルスルホン酸(ナトリウム塩,25%(v/v))、CEA及びホルムアルデヒドは、ウイスコンシン州ミルウォーキーにあるAldrichから入手可能である。
【0024】
上記したように、導管位置決め装置30は、導管28の下方領域に結合されており且つ基材32又はMALDIプレート132のようなあらゆる適切な流体受け取り装置に対して導管28を位置決めするように機能し、流体受け取り装置は、該流体受け取り装置を導管28に対して位置決めするように作動することができる基材位置決め装置33に結合されている。図5及び6は、位置決め装置30、33と共に使用されている流体処理装置10を示している。しかしながら、ここに開示されている装置10、110、210を含む如何なる流体処理装置も、導管28から出て来る排出液のような排出液を流体受け取り装置上に堆積させるために、位置決め装置30、33と共に使用しても良い。例示的には、導管位置決め装置30は、アーム70、導管28の下方領域をアーム70の第1の端部74に結合している結合具72及び図5に示されているようにアーム70を枢動軸線80を中心に枢動させるためにアーム70の第2の端部78に作用する駆動装置76を含んでいる。いくつかの実施形態においては、アーム70に対する結合具72の向きは、アーム70に対する導管28の下方端部の向きを変えるように調整することができる。
【0025】
駆動装置76が作動することによって、アーム70は、軸線80を中心として枢動して導管28の下方端部を上昇位置と下降位置との間で動かす。図示された駆動装置76は、モーター82とモーター82の出力軸86に取り付けられているカム84とを含んでいる。モーター82の作動によって、出力軸86がカム84と共に回転せしめられ、カム84のカム面88がアーム70の底面90に対して擦り付き、それによって、アームを軸線80を中心として回転させる。基材位置決め装置30は、アーム70とアーム70が枢動可能に結合される図示されているフランジ92のような幾つかの他の固定構造との間でアーム70の端部78をカム84との係合状態へと付勢するために作用する捩りばね又は引っ張りばねのような付勢装置(図示せず)を有している。幾つかの代替的な実施形態においては、駆動装置76は線形ステッピングモーターを含んでおり、他の代替的な実施形態においては駆動装置76はソレノイドを含んでいる。
【0026】
位置決め装置30、33の一つの作動モードにおいては、アーム70は、駆動装置76によって、導管28の下方端部を下降位置に有している第1の配置状態へと枢動せしめられて図示されたMALDIプレート132のような流体受け取り装置に接触するか又は近接し、次いで、アーム70は駆動装置76によって安定状態に保持される。アーム70が第1の向きに固定状態に保持されると、基材位置決め装置33は次いで導管28の下端の下方にある流体受け取り装置を操作するように作動し、その結果、排出液の連続的なライン、膜又はトレースが所望のパターンで流体受け取り装置上に堆積される。図5及び7に示された位置決め装置30、33の第1の作動モードの図示された例においては、連続的なトレース94が曲がりくねったパターンでMALDIプレート132上に堆積されている。
【0027】
位置決め装置30、33の第2の作動モードにおいては、アーム70は、第1の配置位置と第2の配置位置との間を周期的に往復せしめられて、導管28の下端が、流体受け取り装置に接触するか近接する下降位置と排出液が流体受け取り装置上に堆積するのを防止するために十分な距離だけ流体受け取り装置から隔てられている上昇位置との間で繰り返し循環せしめられる。アーム70のこのような往復動は、例えば、軸86とカム84とが連続的に回転せしめられるときに起こる。導管28の下端が上昇位置と下降位置との間で循環せしめられると、基材位置決め装置33は、排出液のスポット又はアリコット96が所望の二次元列で流体受け取り装置上に堆積されるような所望の方法で流体受け取り装置を割り送りするように作動させることができる。このようなMALDIプレート132上に堆積されたアリコット96の二次元列の例が図8に示されている。
【0028】
本開示に従って、位置決め装置30、33と導管28とは、基材又はその他のあらゆる適切な流体受け取り装置上に排出液を配置するための装置を提供するように作動する。排出液は、ここに開示されている流体処理装置を含むあらゆる手段によって導管28に給送することができる。一つの例示的な実施形態においては、位置決め装置33は図5に概略的に図示されているX−Yテーブル98からなり、別の実施形態においては、位置決め装置33は図6に示されているような巻き返しテープ駆動装置100からなる。X−Yテーブル98は、図5において両頭矢印102によって示されているx−方向と図5において両頭矢印104によって示されているy−方向との双方向水平移動を行うことができるようにプレート132のような流体受け取り装置を支持している。y−方向104はx−方向102に直角である。フランジ92と駆動装置76とは、図5に概略的に図示されているX−Yテーブル98に結合されていても良い。別法として、フランジ92と駆動装置76とは、X−Yテーブル98に隣接した何らかの他の構造に結合されていても良い。
【0029】
巻き返しテープ駆動装置100は、ハウジング150、ハウジング150に対して回転できるように支持されているソース側リール152及びテープ支持部材158を横切ってポリマーテープ232をリール152からリール154まで動かすように作動するモーター駆動によるキャプスタンピッチローラーアセンブリ156を含んでいる。この実施形態においては、テープ232は流体受け取り装置として機能する。アセンブリ156は、モーター160、上方ローラー162及び下方ローラー164を含んでいる。テープ232は、該テープと接触しているローラー162と164との間の経路に従って移動する。ローラー162、164のうちの少なくとも1つは、テープ232を部材158を横切って給送するようにモーター160によって駆動される。代替的な実施形態においては、駆動装置100は、リール152、154の一方又は両方を駆動してテープ232をリール152からリール154まで部材158を横切って移動させる少なくとも1つのモーターをハウジング150内に有している。フランジ92と駆動装置176とは、駆動装置100のハウジング150又は駆動装置100に隣接した何らかのその他の構造に係合されていても良い。
【0030】
アーム70が第1の配置状態に保持されて固定されている第1の作動モードにおいては、導管28を出て行く排出液は、テープ232がリール152からリール154へと駆動されるときにほぼ連続する直線トレースとしてテープ232上に堆積される。アーム70が第1の配置状態と第2の配置状態との間で周期的に往復動せしめられる第2の作動モードにおいては、導管28を出て行く排出液は、テープ232がリール152からリール154へと駆動されるときに一連のスポット又はアリコット96としてテープ232上に堆積される。第2の作動モードによって生成されるテープ232の区分上のスポット96の例が図9に示されている。
【0031】
図7乃至9の例示的な例においては、トレース94及びスポット96の排出液は、1ミリリットル当たり10ミリグラム(mg/ml)の濃度でアセオニトリル(aceotnitrile)/水状態のα−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸溶液を含んでいる。図8及び9の例におけるスポット96の直径は約70μmである。しかしながら、駆動装置76がアーム70を第1の配置状態と第2の配置状態との間を動かす速度を変えること及びプレート132又はテープ232のような流体受け取り装置の速度を変えることによって、スポット位置、間隔及び大きさが影響を受ける。幾つかの実施形態においては、導管位置決め装置30及び基材位置決め装置33は、別個のコントローラ(例えば、コンピュータ、マイクロコンピュータ、プログラム可能な論理制御装置、マイクロプロセッサ等)及びユーザーが位置決め装置30、33を別個に制御するのを可能にするための関連するユーザー入力装置とを有している。ソフトウエアは、このようなコントローラの記憶装置内に記憶することができ且つ位置決め装置30、33の作動を指令するようにコントローラによって実行される。他の実施形態においては、単一のコントローラ及び関連するユーザー入力装置が、位置決め装置30、33の作動を同時に調和させるために両方の位置決め装置30、33に結合されている。
【0032】
流体処理装置10、110、210は、場合により、圧力源16又は116による容器16の連続的な加圧によって排出液が導管28の下端から連続して出て行くように作動する。従って、導管28の下端が流体受け取り装置から離れた位置にアーム70によって保持されているときに、導管28の下端の穴に隣接している排出液の表面張力によって、排出液が導管28の下端から分離されるのを防止する。導管28の下端が下降位置へと動くと、導管28の下端の穴に隣接した排出液が、基材32、プレート132又はテープ232のような流体受け取り装置と接触し且つ流体受け取り装置に付着する。
【0033】
ここに開示されている位置決め装置30、33は、基材、プレート及びテープのような流体受け取り装置上への排出液の制御され且つ多量で高速の自動的な配置を可能にする。分析物を構成分子に分離する分離装置を有している装置110、210のような流体処理装置と共に使用されるとき、位置決め装置30、33は、MALDI/TOF/MSを使用して分析されるべき多量の試料を迅速に製造することができる。更に、混合空間54から導管28内を移動する排出液をもたらす容器12の加圧によって、導管28から出て行く排出液の流体受け取り装置上への堆積は、周囲大気内で起こるかも知れない。これは、排出液が真空中でMALDLIプレート上に堆積せしめられる幾つかの従来技術による装置と対照的である。
【0034】
従って、例示的な基材位置決め装置33は、可動の制御可能な工作物ホルダとして機能し、図示された導管位置決め装置30は、試料をMALDI MS分析のために準備するための試料分取導管28のための可動の制御可能なホルダとして機能する。位置決め装置30、32と関連するコントローラの記憶装置内に記憶された情報は、別のコンピュータ装置のレジゼントデータベース内に記憶されている試料物質の種々のトレース、部分又はアリコット(分取)の発生源及び/又は試験結果についての情報と組み合わされ又は関連付けられても良い。
【0035】
既に述べたように、ここに開示された流体処理装置及び排出液配置装置は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI/TOF/MS)による分析に続いて行われる分析のための排出液を基材上に堆積させるために使用される。ここに記載した方法で基材上に堆積された排出液はまた、例えば、四極飛行時間(QTOF)法、フーリエ変換イオンサイクトロン共鳴(FTICR)法及びイオントラップ(IT)法のようなその他の方法を採用しているMS分析器によって分析しても良い。このような実施形態のうちの幾つかにおいては、基材上に配置された排出液は、分析物とマトリックス材料との混合物を含んでいる。MALDI/TOF/MSによって作成されたグラフの例が図10及び11に示されている。図10及び11の質量分析の例は、パルス化された窒素レーザー(337ナノメートル)を備え且つマサチューセッツ州フラミンガムにあるApplied Biosystemsから入手可能であるVoyager−DETMRP BiospectrometryTM Workstation装置によって作られた。このMALDI質量分析法は、正イオンモードで25kV及び18kVの加速電圧によって得られ、一方、400未満のm/z値を有するイオンを廃棄する小質量ゲートを使用した。得られたスペクトルの全てを、本明細書において参考として組み入れられているSavitzky,A.;Golay,M.J.E. Anal. Chem., 1964,36,1627−1638 に記載されているような19−ポイントSavitzky−Golay円滑化ルーチンを適用することによって円滑化した。
【0036】
図10に示されている例は、N−グリカンの混合物の質量スペクトルを示している“a”トレースとCEC分離の後にMALDIプレート上に堆積された種々のアリコットのスペクトルを示している“b−f”トレースとを示しているリボヌクレアーゼBから誘導されたN−グリカンのCEC−MALDI分析のグラフである。図11に示されている例は、マトリクス材料と混合されたデキストリンの質量スペクトルを図示している“a”トレースと、CEC分離後にMALDIプレート上に堆積された種々のアリコットのスペクトルを図示している“b−f”トレースとを示しているデキストリンのCEC−MALDI分析のグラフである。リボヌクレアーゼBは、ミズーリ州のセントルイスにあるSigma Companyから入手可能である。デキストリン DE10は、スイスのバッカスにあるFlukaから入手可能である。
【0037】
以上、本発明のある種の例示的な実施形態によって詳細に説明したけれども、ここに記載され且つ特許請求の範囲に規定されている本開示の範囲及び精神による変更例及び変形例が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、第1の流体が部分的に充填されている容器と、該容器を加圧するための圧力源と、給送導管を介して第2の流体を容器内に配置されている結合部材へと給送するための流体源と、前記第1の流体と第2の流体との混合物を収容するために前記結合部材に結合された堆積物導管とを有する液体処理装置を示している図であり、前記堆積物導管の下端を基材支持装置に結合されている基材に対して位置決めするために、前記容器の外側の堆積物導管の下端に係合されている導管位置決め装置をも示している。
【図2】図2は、結合部材と、給送導管の部分と、前記結合部材に結合された堆積物導管との斜視図であり、前記給送導管の下端と堆積物導管との間に形成されている混合空間を示しており且つ該混合空間と連通している前記結合部材内に設けられた一対の穴を示している。
【図3】図3は、マトリックス材料が部分的に充填された容器を加圧する窒素の供給源と、分離導管を介して中間スリーブに結合された液体クロマトグラフィ装置と、前記中間スリーブと前記容器内に配置された結合部材との間に延びている給送導管と、マトリックス材料と分析物質を運ぶ流体との混合物を収容するために前記結合部材に結合された堆積物導管とを有している代替的な流体処理装置を示している。
【図4】図4は、図3に似た図であり、マトリックス材料が部分的に充填された容器を加圧する窒素の供給源と、給送導管を介して容器内に配置された結合部材に結合された毛管電気クロマトグラフィ(CEC)装置と、マトリックス材料と分析物質を運ぶ流体との混合物を収容するために前記結合部材に結合された堆積物導管とを有する別の代替的な流体処理装置を示している。
【図5】図5は、導管位置決め装置のモーターの出力軸に取り付けられたカムによって駆動される駆動可能なアームであって、前記導管位置決め装置は、前記アームの第1の端部を流体処理装置から延びている堆積物導管の下端に結合するための結合装置を有している前記アームと、前記堆積物導管の下端の下に配置されたMALDIプレートであって、直交水平方向に動かされて堆積物導管の下端から出て行く排出液がほぼ連続している曲がりくねったパターンでMALDIプレート上に堆積されるようになされたMALDIプレートとを有している導管位置決め装置を示している。
【図6】図6は、第1のリールから第2のリールへとテープ巻き返し機によって進められるテープ上に排出液のスポットを堆積するように作動せしめられている図5に示した位置決め装置を示している図である。
【図7】図7は、排出液が曲がりくねったパターンで堆積された後の図5のMALDIプレートの頂面図である。
【図8】図8は、モーターが作動せしめられてアームを周期的に枢動させて堆積物導管の下方端部をMALDIプレートに関して持ち上げたり下降させたりしたときに、図5の導管位置決め装置によってMALDIプレート上に堆積された排出液のスポットのパターンを示しているMALDIプレートの頂面図である。
【図9】図9は、モーターが作動せしめられてアームを周期的に枢動させて堆積物導管の下方端部をテープに関して持ち上げたり下降させたりしたときに、導管位置決め装置によってテープ上に堆積された排出液のスポットのパターンを示している図6のテープの一部分の頂面図である。
【図10】図10は、N−グリカンの混合物の質量スペクトルを図示している“a”トレースを示しており且つCEC分離の後にMALDIプレート上に堆積された種々のアリコットのスペクトルを図示している“b−f”トレースを示しているリボヌクレアーゼBから誘導されたN−グリカンのCEC−MALDI分析のグラフである。
【図11】図11は、マトリックス材料と混合されたデキストリンの質量スペクトルを図示している“a”トレースを示しており且つCEC分離の後にMALDIプレート上に堆積された種々のアリコットのスペクトルを図示している“b−f”トレースを示しているデキストリンのCEC−MALDI分析のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記基材を支持し且つ位置決めするような構造とされた基材位置決め装置と、
堆積物導管であって、前記排出液が前記導管に入るときに通る第1の穴と、前記排出液が前記導管を出て行くときに通る第2の穴を備えた出口端部とを有している堆積物導管と、
前記堆積物導管の出口端部を、前記第2の穴に隣接している前記排出液の表面張力が前記排出液が前記堆積物導管の出口端部から分離するのを防止する上昇位置と、前記第2の穴に隣接している排出液が前記基材に接触し且つ付着するように前記基材に近接した下降位置との間を移動させる構造とされている導管位置決め装置と、を含む排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記基材位置決め装置が、前記基材をx−方向及びy−方向に動かすように作動するX−Yテーブルを含んでいる、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項3】
請求項1に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記基材位置決め装置が、前記基材を第1のリールから第2のリールへと動かすように作動することができるリール巻き返し機を含んでいる、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項4】
請求項1に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記堆積物導管に結合された流体処理装置を更に含んでいる、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項5】
請求項4に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記流体処理装置が、マトリックス支援リーザー脱離イオン化に適した形態で前記排出液を前記堆積物導管内へと出力するように機能するようになされている、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項6】
請求項1に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記導管位置決め装置がアームを含んでおり、前記堆積物導管が前記アームに結合されており、前記アームが前記堆積物導管の出口端部を前記上昇位置と前記下降位置との間で移動させるように枢動可能であるようになされている、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項7】
請求項6に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記導管位置決め装置が更に出力軸と該出力軸に結合されたカムとを有するモータを含んでおり、前記アームが前記カムと係合し、前記出力軸が前記カムを回転させて前記アームを枢動させるようになされている、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項8】
引き続いてマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI/TOF/MS)において使用されるべき排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記基材を支持し且つ位置決めする構造とされた基材位置決め装置と、
前記排出液が前記導管内へ入る際に通る第1の穴と、前記排出液が前記導管から出て行くときに通る第2の穴を備えた出口端部とを有する堆積物導管と、
前記堆積物導管の前記出口端部を、前記排出液が前記基材上に堆積される位置へと移動させる構造とされた導管位置決め装置であって、前記堆積物導管の前記出口端部が周囲大気に曝されるようになされた導管位置決め装置とを含む排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項9】
請求項8に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記基材位置決め装置が、前記基材をx−方向及びy−方向に動かすように作動するX−Yテーブルを含んでいる、排出液を配置するための装置。
【請求項10】
請求項8に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記基材位置決め装置が、前記基材を第1のリールから第2のリールへと動かすように作動することができるリール巻き返し機を含んでいる、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項11】
請求項8に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記堆積物導管に結合された流体処理装置を更に含んでいる、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項12】
請求項11に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記流体処理装置がマトリックス材料を分析物と混合して前記基材上に堆積されるべき前記排出液を形成するようになされている、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項13】
請求項11に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記導管位置決め装置がアームを含んでおり、前記堆積物導管が前記アームに結合されており、前記アームが前記堆積物導管の出口端部を前記上昇位置と前記下降位置との間で移動させるように枢動可能であるようになされている、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項14】
請求項13に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記導管位置決め装置が更に出力軸と該出力軸に結合されたカムとを有するモータを含んでおり、前記アームが前記カムと係合し、前記出力軸が前記カムを回転させて前記アームを枢動させるようになされている、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項15】
排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記基材を支持し且つ位置決めする構造とされた基材位置決め装置と、
前記排出液が前記導管内へ入る際に通る第1の穴と、前記排出液が前記導管から出て行くときに通る第2の穴を備えた出口端部とを有する堆積物導管と、
軸線を中心に枢動可能なアームであって、前記堆積物導管が当該アームに結合されており、前記アームが前記軸線を中心に第1の方向に枢動することによって、前記堆積物導管の前記出口端部が前記基材位置決め装置によって支持されている前記基材に向かって移動せしめられ、前記アームが前記軸線を中心に第2の方向に枢動することによって、前記堆積物導管の前記出口端部が前記基材位置決め装置によって支持されている前記基材から離れる方向に移動せしめられるようになされた前記アームと、を含む排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項16】
請求項15に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記基材位置決め装置が、前記基材をx−方向及びy−方向に動かすように作動するX−Yテーブルを含んでいる、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項17】
請求項15に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記基材位置決め装置が、前記基材を第1のリールから第2のリールへと動かすように作動することができるリール巻き返し機を含んでいる、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項18】
請求項15に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記堆積物導管に結合された流体処理装置を更に含んでいる、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項19】
請求項18に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記流体処理装置が、マトリックス支援リーザー脱離イオン化に適した形態で前記排出液を前記堆積物導管内へと出力するように機能するようになされている、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項20】
請求項15に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記導管位置決め装置が更に出力軸と該出力軸に結合されたカムとを有するモータを含んでおり、前記アームが前記カムと係合し、前記出力軸が前記カムを回転させて前記アームを枢動させるようになされている、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項21】
請求項15に記載の排出液を基材上に配置するための装置であって、
前記アームに結合され且つ前記アームを枢動させるように機能する線形ステッピングモータ又はソレノイドのうちの1つを更に含んでいる、排出液を基材上に配置するための装置。
【請求項22】
基材を支持し且つ位置決めする構造とされた可動で制御可能な基材位置決め装置と、
試料が前記基材上に堆積されるために出て行く導管を支持し且つ位置決めする構造とされた可動で制御可能な導管位置決め装置と、
前記基材位置決め装置と前記導管位置決め装置との配置を制御するために、前記基材位置決め装置と前記導管位置決め装置とに結合された少なくとも1つのコントローラと、
前記試料が収集された発生源についての情報と、前記基材上へ前記試料を堆積した後に前記試料の少なくとも1つの試験による試験結果についての情報とを記憶する構造とされているデーターベースを有しているコンピュータ装置とを含んでいる装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2006−503305(P2006−503305A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−546709(P2004−546709)
【出願日】平成15年8月21日(2003.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2003/026018
【国際公開番号】WO2004/037725
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(301046787)インディアナ・ユニバーシティ・リサーチ・アンド・テクノロジー・コーポレーション (24)
【Fターム(参考)】