説明

排気系のための能動騒音制御システムおよびその制御方法

【課題】簡単な方法で温度依存性の補償を可能にする、排気系のための能動騒音制御システムおよびその制御方法を提供する。
【解決手段】車両のエンジン制御器8と接続可能な対抗音制御器10と、制御信号を受信するために対抗音制御器と接続され、排気系と流体接続可能な音生成器3において対抗音を生成するように設計されたスピーカ12とを含む。対抗音制御器には、スピーカへ信号を出力することによって排気系内を伝達される空気伝搬音を打ち消すために、少なくとも2つの曲線が記憶され、これらの曲線は排気ガスのそれぞれ異なる温度範囲をカバーし、これらの温度範囲は2つずつ互いに一部重なり合うかまたは互いに直接に隣り合う。対抗音制御器は、さらに、エンジン制御器によって出力された信号を用いて、排気系内を伝達される排気ガスの各温度に適した曲線を上記利用可能な曲線から選択し、この曲線を利用してスピーカへ信号を出力するように設計される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、「ANTI-SOUND SYSTEM FOR EXHAUST SYSTEMS AND METHOD FOR CONTROLLING THE SAME(排気系のための対抗音システムおよびその制御方法)」という名称の独国特許出願第10 2011 103 211.1号の優先権を主張するものであり、この出願の内容全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、排気系(exhaust system)のための能動騒音制御システム(active noise control system)およびその制御方法に関する。よって、本発明は、燃焼機関(combustion engine)によって駆動される車両の排気系における音波の能動的な打消し(active cancellation)、低減、および改変(alteration)のうちの少なくとも1つに関する。
【背景技術】
【0003】
燃焼機関(例えば、レシプロエンジン、ピストンのないロータリーエンジン、またはフリーピストンエンジン)の設計にかかわらず、連続して行われる作動サイクル(特に、混合気の吸入および圧縮、点火/膨張、ならびに燃焼した混合気の排気)によって騒音(noise)が発生する。これらの騒音は、一方では、固体伝搬音(solid-borne sound)として燃焼機関を通過し、空気伝搬音(airborne sound)として燃焼機関の外側から放出される。他方では、これらの騒音は、燃焼した混合気と共に空気伝搬音として燃焼機関の排気系を通過する。
【0004】
これらの騒音は不都合なものと認識されることが多い。一方では、騒音制御のための法規定が存在し、燃焼機関によって駆動される車両の製造会社はこれを遵守しなければならない。これらの法規定は、規則として、車両の動作時の最大許容音圧を定めている。他方では、製造会社は、自社が製造する燃焼機関によって駆動される車両に対して、各製造会社のイメージに合い、顧客に訴求する特徴的な音の開発を加えようとしている。容積の小さい最新のエンジンでは、この特徴的な騒音の開発を自然には確保できないことが多い。
【0005】
固体伝搬音として燃焼機関を通過する騒音は、効率よく減衰させることができるため、通常は騒音制御に関する問題とはならない。
【0006】
燃焼した混合気と共に空気伝搬音として燃焼機関の排気系を通過する騒音は、従来、排気系の口の手前に配置された消音器/マフラーによって低減される。当てはまる場合には、消音器/マフラーは、既存の触媒コンバータの下流に配置される。このような消音器/マフラーは、例えば、吸収および/または反射の原理によって動作可能である。これらの原理のうちのどちらかに従って構成された消音器/マフラーには、比較的大きい空間を必要とし、高い減衰効率が要求される場合には燃焼した混合気に対して比較的高い抵抗を示すという欠点がある。したがって、これらの原理のうちのどちらかに従って構成された消音器/マフラーを用いることによって、車両の全体効率が低下し、燃料消費が増加する。
【0007】
消音器/マフラーの代替または補完として、いわゆる能動騒音制御システムがしばらく前から開発されている。このシステムは、電気音響的に生成された対抗音(打消し対象の騒音と同じ振幅であるが反転した位相(逆位相)の音波)を、燃焼機関によって生成されて排気系内を伝達される空気伝搬音に重畳するものである。このようなシステムは、例えば、特許文献1〜18から公知である。能動騒音制御システムを消音器/マフラーの代替または補完として用いることによって、排気系の構成体積を最大で60%低減することができ、重量を最大で40%低減することができ、排気背圧を最大で150ミリバール低減することができる。用語「対抗音(anti-sound)」は、排気系内を伝達される空気伝搬音(騒音)との区別に役立つ。対抗音自体は、打消し対象の元の音(騒音)と同じ振幅であるが反転した位相を有する従来からの空気伝搬音である。
【0008】
対応する能動騒音制御システムを図1および図2に示すが、該システムは、ドイツ連邦共和国、73730 エスリンゲン(Esslingen)、エーバーシュペッヒャーシュトラーセ(Ebersp▲a▼cherstrasse) 24、ヨット・エーバーシュペッヒャー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー(J. Ebersp▲a▼cher GmbH & Co. KG)社により入手可能である。
【0009】
図1は、排気配管に接続された能動騒音制御システムの概略斜視図であり、図2はその概略ブロック図である。
【0010】
図1から明らかなように、能動騒音制御システムの音生成器3’と、燃焼機関と流体接続された(燃焼機関と流体連通する)排気管4’との両方が、排気系のオリフィス2’の領域でテールパイプ1’に通じている。テールパイプ1’では、燃焼した混合気と共に排気管4’内を伝達される空気伝搬音に、能動騒音制御システムの音生成器3’で生成された対抗音が重畳される。対抗音の有効性を確認するために、テールパイプ1’はエラーマイクロホン5’を含む。
【0011】
図2から明らかなように、燃焼機関6’と排気管4’との間に触媒コンバータ7’が設けられている。さらに、エンジン制御器8’と接続された、排気ガス温度を測定するための温度プローブ9’が、排気管4’内に配置されている。エンジン制御器8’は燃焼機関6’と接続されている。エンジン制御器8’には、テールパイプ1’のエラーマイクロホン5’と接続され、増幅器11’を介して音生成器3’に付属するスピーカ12’と接続された対抗音制御器10’が組み込まれている。
【0012】
排気管4’内を伝達される空気伝搬音の音波と音生成器3’で生成される対抗音の音波との相殺的干渉をテールパイプ1’の領域で達成するために、音生成器3’から生じる音波は、テールパイプ1’において、排気管4’内を伝達される音波と形状および量(amount)が対応していなければならないが、この音波に対して180度の位相ずれ(反転した位相)を有していなければならない。スピーカ12’を制御するために、対抗音制御器10’は、経験的に(実験によって)決定された特性曲線を利用する。これらの特性曲線は、音生成器3’のスピーカ12’とテールパイプ1’内のエラーマイクロホン5’との間の伝送距離を考慮したものであり、スピーカ12’へ出力される信号をエンジン制御器8’から受信した燃焼機関6’の回転速度の関数として示すものである。スピーカ12’とエラーマイクロホン5’との間の音の伝搬速度は温度に依存するため、これらの特性曲線も温度に依存し、それゆえ、定められた(公称)温度範囲にしか適さない。ある温度範囲に適用可能な特性曲線の選択は、対抗音制御器10’によって、温度センサ9’によって計測された値を用いて行われる。
【0013】
このため、対抗音制御器10’は、この温度範囲に適した特性曲線を、温度センサ9’によって計測された値の関数として、これらの特性曲線から選択し、それぞれのエンジン回転速度に属する値を読み出し、これらの値を用いて、対応する信号を増幅器11’を介してスピーカ12’へ出力する。相殺的な音波重畳の成功は、エラーマイクロホン5’を利用して捕捉される。
【0014】
公知の能動騒音制御システムの場合、スピーカとエラーマイクロホンとの間の音の速度の温度依存性の補償が複雑であるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第4,177,874号明細書
【特許文献2】米国特許第5,229,556号明細書
【特許文献3】米国特許第5,233,137号明細書
【特許文献4】米国特許第5,343,533号明細書
【特許文献5】米国特許第5,336,856号明細書
【特許文献6】米国特許第5,432,857号明細書
【特許文献7】米国特許第5,600,106号明細書
【特許文献8】米国特許第5,619,020号明細書
【特許文献9】欧州特許第0 373 188号明細書
【特許文献10】欧州特許出願公開第0 674 097号明細書
【特許文献11】欧州特許第0 755 045号明細書
【特許文献12】欧州特許第0 916 817号明細書
【特許文献13】欧州特許第1 055 804号明細書
【特許文献14】欧州特許第1 627 996号明細書
【特許文献15】独国特許発明第197 51 596号明細書
【特許文献16】独国特許発明第10 2006 042 224号明細書
【特許文献17】独国特許出願公開第10 2008 018 085号明細書
【特許文献18】独国特許出願公開第10 2009 031 848号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の実施形態は、簡単な方法で温度依存性の補償を可能にする、排気系のための能動騒音制御システムおよびその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
燃焼機関によって駆動される車両の排気系のための能動騒音制御システムの実施形態は、車両のエンジン制御器と接続可能な対抗音制御器と、制御信号を受信するために対抗音制御器と接続されたスピーカとを有する。対抗音制御器とスピーカとの接続は、例えば、電気的な接続と、部分的に無線インタフェースを介した接続と、部分的にグラスファイバを介した接続とのうちの少なくとも1つによって提供され得る。スピーカは、音生成器において対抗音を生成するように設計され、該音生成器は、排気系と流体接続(fluidically connect)可能である(したがって、音生成器の内部空間は排気系の内部空間と流体連通(fluid communication)する)。音生成器は、例えば、共鳴室またはスピーカを収容する筐体であり得る。スピーカによる対抗音の生成は、対抗音制御器が受信した制御信号(特に電気制御信号)の関数として実施される。ここで、対抗音制御器とスピーカとの間に増幅器を設けてもよい。対抗音制御器においては、スピーカへ出力された制御信号の結果として対抗音を生成することにより、排気系内を伝達される空気伝搬音を量(amount)および位相の点で少なくとも部分的に、好ましくは完全に、相殺するために、少なくとも2つの特性曲線が記憶される。対抗音制御器に記憶されたこれらの特性曲線は、排気系内を伝達される排気ガスの異なる(公称)温度範囲をそれぞれカバーする。これらの温度範囲は、2つずつ互いに一部重なり合うかまたは互いにすぐ近くで隣り合う。対抗音制御器は、エンジン制御器によって出力された信号を用いて、排気系内を伝達される排気ガスの各温度に適した1つの特性曲線を、上記利用可能な特性曲線から選択し、この特性曲線を利用して制御信号をスピーカへ出力する。
【0018】
実施形態によると、対抗音制御器に記憶された特性曲線の温度範囲は、始動時のコールドエンジン、始動から通常使用までの間のウォームエンジン、および通常使用時のホットエンジンなどのエンジンの異なる状態に応じる。
【0019】
この関連において、特性曲線は三次元以上であってもよいことを強調する。つまり、実際上は、特性曲線は、それぞれ3つ以上の列、行、および複素数のうちの少なくとも1つを有する表に基づき得る。
【0020】
よって、対抗音制御器は、エンジン制御器によって出力された制御信号を用いて、排気系内を伝達される排気ガスの温度を間接的に測定する(determine)ように設計される。排気ガス温度を測定するための別個の温度プローブを使用する必要がない。よって、上記能動騒音制御システムは、特に簡単な方法で温度依存性の補償を可能にし、また、特に簡単かつ費用効果の高い構成を有する。排気系内を伝達される排気ガスの温度は負荷変化があった場合に時間的にずれて適応するため、排気ガス温度を測定するための温度プローブの使用に伴う制御休止時間(control-dead times)の問題も、対抗音制御器によって回避される。
【0021】
一実施形態によると、上記能動騒音制御システムは、対抗音制御器と特に電気的に接続され、排気系内の音生成器と排気系との流体接続の領域に配置可能であるエラーマイクロホン(error microphone)をさらに含む。ここで「流体接続の領域に」とは、エラーマイクロホンが、音生成器と排気系との流体接続箇所から、排気ガスの流れに関して下流または上流に、当該排気流に沿って、この流体接続箇所での排気系の断面の最大値の10倍以下、好ましくは5倍以下、さらに好ましくは2倍以下だけ離間されていることを意味する。エラーマイクロホンは、排気系の内部の音を計測し、対応する計測信号を対抗音制御器へ出力する。対抗音制御器は、選択された特性曲線が排気系内を伝達される排気ガスの各温度に適しているかどうかを判断するために、エラーマイクロホンから受信した信号を閾値と比較する。閾値を超えている場合は、温度範囲が排気系内を伝達される排気ガスの現在の温度に対応しているかまたはこれに最も近い別の特性曲線への変更がなされる。排気系内を伝達される排気ガスの温度は、エンジン制御器によって出力された制御信号を用いて間接的に測定(determine)される。
【0022】
このようにして、ちょうど今使用されている特性曲線の有用性を特に簡単な方法で確認することができる。
【0023】
一実施形態によると、上記能動騒音制御システムは、対抗音制御器と特に電気的に接続され、排気系内の音生成器と排気系との流体接続の領域に配置可能であるエラーマイクロホンをさらに含む。ここで「流体接続の領域に」とは、エラーマイクロホンが、音生成器と排気系との流体接続箇所から、排気ガスの流れに関して、当該排気流に沿って下流または上流へ、この流体接続箇所における排気系の最大断面の10倍以下、好ましくは5倍以下、さらに好ましくは2倍以下だけ離間されていることを意味する。エラーマイクロホンは、排気系の内部の音を測定し、対応する信号を対抗音制御器へ出力する。対抗音制御器は、エラーマイクロホンから受信した信号を用いて、燃焼機関の回転速度およびトルクの少なくとも一方を特にフーリエ解析により測定する(determine)。測定された回転速度および/または測定されたトルクは、選択された特性曲線と共に、対抗音制御器によって、制御信号をスピーカへ出力するために用いられる。
【0024】
このようにして、エンジン制御器から受信される回転速度およびトルクそれぞれの値の冗長性(例えば、尤もらしさの確認のための)を得ることができる。あるいは、エンジン制御器から対抗音制御器への回転速度およびトルクそれぞれの伝送をこの方法で省略することも可能である。極端な場合では、対抗音制御器が、エンジン制御器とは完全に独立して、測定された回転速度およびトルクの少なくとも一方を用いて作動し、排気系内を伝達される排気ガスのその時の温度を見積もってもよい。
【0025】
エラーマイクロホンは、例えば圧力センサでもあってもよい。
【0026】
実施形態によると、対抗音制御器は、スピーカへ出力された制御信号の信号形態を、振動しながら増大する振幅に関して監視する。時間の経過とともに振動しながら増大する振幅が測定された場合、対抗音制御器は、選択された特性曲線が排気系内を伝達される排気ガスの各温度に適していないことを認め、温度範囲が排気系内を伝達される排気ガスの現在の温度に対応しているかまたは最も近い別の特性曲線への変更がなされる。
【0027】
一実施形態によると、対抗音制御器は、エンジン制御器から受信した冷却水温度とオイル温度とラムダプローブ(lambda probe)の出力信号とのうちの少なくとも1つを用いて、排気系内を伝達される排気ガスの各温度に適した特性曲線を選択する。エンジン制御器から受信した外部温度がさらに考慮されてもよい。
【0028】
このような信号は、エンジン制御器においてさらなる手間をかけることなく取得可能であることが多い。能動騒音制御システムとは無関係であっても、排気ガスの流れのある部分を伝達される排気ガスの温度を計測するために、車両の排気系内、特に触媒コンバータの領域に温度プローブが設けられることが多い。これらの温度プローブが配置される排気系の部分は、特に、排気系内を伝達される空気伝搬音とスピーカによって生成された対抗音との重畳が起こる排気系の部分からは離間される。
【0029】
一実施形態によると、上記少なくとも2つの特性曲線の各々は、それぞれの所定の温度範囲について、スピーカへ出力される制御信号の、燃焼機関の回転速度およびトルクの少なくとも一方への依存性を示す。
【0030】
一実施形態によると、対抗音制御器は、CANバス(CAN bus)を介してエンジン制御器と接続されるか、または、エンジン制御器に組み込まれている。
【0031】
実施形態によると、自動車は、燃焼機関と、燃焼機関と流体接続(fluid connection)する排気系と、燃焼機関と接続(特に、電気的に)されたエンジン制御器と、上記のような能動騒音制御システムとを含む。ここで、対抗音制御器はエンジン制御器と接続されるかまたはエンジン制御器に組み込まれ、音生成器は排気系と接続される(詳細には、排気系と流体連通する)。
【0032】
実施形態によると、燃焼機関によって駆動される車両の排気系のための能動騒音制御システムを制御するための方法は、エンジン制御器から動作パラメータを受信するステップと、エンジン制御器から受信した動作パラメータを用いて、排気系内を伝達される排気ガスの各温度を測定する(determine)ステップと、排気系内を伝達される排気ガスのそれぞれの(公称)温度範囲に適した特性曲線を少なくとも2つの特性曲線から選択するステップと、燃焼機関の回転速度およびトルクの少なくとも一方をエンジン制御器から受信するステップと、選択された特性曲線と受信した回転速度および/またはトルクとを用いて排気系内に対抗空気伝搬音(anti-airborne sound)を生成するステップとを含む。このようにして、燃焼機関によって生成されて排気系内を伝達される空気伝搬音を量(amount)および位相の点で少なくとも部分的に、好ましくは完全に、打ち消すことができる。ここで、動作パラメータは、外部温度と冷却水温度とオイル温度とラムダプローブの出力信号と排気系内を伝達される排気ガスの温度とのうちの少なくとも1つを示す。上記少なくとも2つの特性曲線は、排気系内を伝達される排気ガスの異なる公称温度範囲をそれぞれカバーし、該温度範囲は、2つずつ互いに一部重なり合うかまたは互いに直接に隣り合う。特性曲線の各々は、それぞれの所定の温度範囲について、排気系内を伝達される空気伝搬音との相殺的干渉(destructive interference)を生じさせる制御信号の、燃焼機関の回転速度およびトルクの少なくとも一方への依存性を反映する。
【0033】
実施形態によると、特性曲線のそれぞれ異なる公称温度範囲は、始動時のコールドエンジン、始動から通常使用までの間のウォームエンジン、および通常使用時のホットエンジンなどのエンジンの異なる状態に応じる。
【0034】
一実施形態によると、上記方法は、空気伝搬対抗音(airborne anti-sound)が燃焼機関からの空気伝搬音と重畳される排気系内の位置の領域において排気系の内部の音を計測するステップと、計測された音を予め設定された閾値と比較するステップと、閾値を超えている場合は特性曲線を変更するステップとを追加的に含む。
【0035】
一実施形態によると、上記方法は、空気伝搬対抗音が燃焼機関の空気伝搬音と重畳される排気系内の位置の領域において排気系の内部の音を計測するステップと、計測された音を用いて、特にフーリエ解析により、燃焼機関の回転速度およびトルクの少なくとも一方を測定する(determine)ステップとをさらに含む。その次に、選択された特性曲線と測定された回転速度および/またはトルクとを用いて排気系内に空気伝搬対抗音を生成するステップが続く。
【0036】
一実施形態によると、上記方法は、対抗音の生成に用いられる制御信号の振幅の時間プロファイルを監視するステップと、振幅が振動しながら増大するプロファイルを有する場合に特性曲線を変更するステップとをさらに含む。
【0037】
回転速度および/またはトルクの代わりに、上記少なくとも2つの特性曲線の各々は、公称温度範囲について、スピーカへ出力される制御信号の、回転速度および/またはトルク以外の燃焼機関のある状態、例えば燃焼機関の点火周波数など、を表すエンジン制御器からの受信信号への依存性を示してもよい。
【0038】
ちなみに、本明細書においては、個々に別段の明記がない限り、用語「制御する」は、開ループ制御および閉ループ制御の両方を包含するために用いられることを強調する。
【0039】
また、用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「含む(including)」、および「備える(with)」ならびにそれらの文法的変化は、一般に、例えば方法の工程、要素、領域、変数などのような特徴の、非制限的な列挙として理解されなければならず、他のもしくは追加の特徴または他のもしくは追加の特徴のグループが存在することを除外するものではないことを指摘する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明の上記およびその他の有利な特徴は、添付の図面を参照して、以下の本発明の代表的な実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。なお、本発明の考えられ得るすべての実施形態が必ずしも本明細書において明らかにされる利点のすべてまたはいずれかを提示するとは限らない。
【0041】
本発明は、記載の代表的な実施形態の実施形態に限定されるわけではなく、添付の特許請求の範囲の範囲によって定められることを指摘する。特に、本発明に係る実施形態を含む個々の特徴は、以下に述べる例とは別の数および組合せで実現され得る。以下の本発明のいくつかの代表的な実施形態の説明と合わせて、次の添付の図面を参照する。
【図1】図1は、先行技術の能動騒音制御システムの概略斜視図である。
【図2】図2は、燃焼機関の排気系と相互作用する図1の能動騒音制御システムの概略ブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係る能動騒音制御システムの概略斜視図である。
【図4】図4は、燃焼機関の排気系と相互作用する図3の能動騒音制御システムの概略ブロック図である。
【図5】図5は、排気系のための能動騒音制御システムを制御するための方法のフローチャートを示す。
【図6】図6は、時間の経過とともに振動しながら増大する、スピーカへ出力された制御信号の振幅を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下に説明する代表的な実施形態において、機能および構造が同様の部品には、可能な限り同様の参照符号を付している。したがって、ある特定の実施形態の個々の部品の特徴を理解するためには、他の実施形態および発明の概要の説明を参照しなければならない。
【0043】
以下に、本発明の一実施形態に係る能動騒音制御システムについて、図3および図4を参照しながら説明する。
【0044】
能動騒音制御システムは、遮音された筐体としての音生成器3を含み、該音生成器は、スピーカ12を内蔵し、テールパイプ1の領域で排気系4と流体接続される。
【0045】
テールパイプ1は、排気系4内を伝達される排気ガスを外部へ排出するために、オリフィス2を有する。
【0046】
テールパイプ1には、圧力センサとしてのエラーマイクロホン5が設けられる。エラーマイクロホン5は、排気系4と音生成器3との流体接続が提供される領域の下流の部分、したがって空気伝搬対抗音が燃焼機関からの空気伝搬音と重畳される排気系4内の領域において、テールパイプ1の内部の圧力変動、したがって音を計測する。あるいは、エラーマイクロホン5は、排気系4と音生成器3との流体接続が提供される領域の上流の部分、またはちょうど排気系4と音生成器3との流体接続が提供される領域に位置し、テールパイプ1の内部の圧力変動を計測してもよい。後者の状況は図示していない。
【0047】
スピーカ12およびエラーマイクロホン5は、対抗音制御器10と電気的に接続されている。図4に示す実施形態においては、対抗音制御器10は、エンジン制御器8と一体に形成され、したがってエンジン制御器8に組み込まれている。対抗音制御器10とスピーカ12との間に増幅器11が設けられる。
【0048】
図示した実施形態において、排気系4は、燃焼機関6とテールパイプ1との間に配置された、燃焼機関6から放出されて排気系4内を伝達される排気ガスを浄化するための触媒コンバータ7をさらに含む。燃焼機関6は、エンジン制御器8と電気的に接続され、エンジン制御器8によって制御される。
【0049】
本実施形態においては、スピーカ12への制御信号の出力に続いてスピーカ12によって生成される対抗音によって排気系4内を伝達される空気伝搬音を量および位相の点で少なくとも部分的に打ち消すために、3つの特性曲線が対抗音制御器10に記憶されている。これらの特性曲線はいずれも、排気系4内を伝達される排気ガスのそれぞれ異なるが部分的に一部重なり合う温度範囲をカバーする。さらに、これらの特性曲線はいずれも、スピーカ12に排気系4内を伝達される空気伝搬音との相殺的干渉を生じさせるための制御信号の、燃焼機関の回転速度への依存性を示す。第1の特性曲線は低い排気ガス温度をカバーし、第2の特性曲線は中程度の排気ガス温度をカバーし、第3の特性曲線は高い排気ガス温度をカバーする。図示した例において、特性曲線はいずれも三次元である。すなわち、3つの列を有する。ただし、本発明はこれに限定されない。よって、特性曲線は、それぞれ、2つまたは3つ以上の次元/列および/または複素数を有し得る。
【0050】
本実施形態において、低い排気ガス温度、中程度の排気ガス温度、および高い排気ガス温度をカバーする第1、第2、および第3の特性曲線は、さらに、コールドエンジン(始動時)、ウォームエンジン(エンジンの短時間使用)、およびホットエンジン(エンジンの安定使用)などの燃焼機関6の異なる状態に応じる。
【0051】
以下に、上記の能動騒音制御システムの動作モードについて、図5のフローチャートを参照しながらより詳細に説明する。
【0052】
最初のステップS1において、対抗音制御器10は、燃焼機関6の複数の動作パラメータをエンジン制御器8から受信する。本実施形態においては、これらの動作パラメータは、車両の外部温度と、燃焼機関6の冷却水温度と、燃焼機関6のオイル温度である。
【0053】
これらの値から、対抗音制御器10は、次のステップS2において、排気系内を伝達される排気ガスの温度を算定する。
【0054】
これに続いて、対抗音制御器10は、ステップS3において、ステップS2で測定(determine)された排気系内を伝達される排気ガスの温度に最も合う特性曲線を選択する。例えば、冷却水とオイルの温度が高ければ、エンジンの安定使用および安定した高い排気ガス温度を示唆している。冷却水とオイルの温度が低ければ、始動したばかりのコールドエンジンおよび低い排気ガス温度を示唆しているが、排気ガス温度の上昇が予期される。冷却水温度が高く、オイル温度が低ければ、燃焼機関6が長時間は作動しておらず、したがって排気ガス温度は中程度の範囲であるが、排気ガス温度の上昇が予期されるという結論が導かれる。
【0055】
次のステップS4において、燃焼機関6の回転速度が、エンジン制御器8から対抗音制御器10により読み出される。
【0056】
これに続き、対抗音制御器10は、ステップS5で、燃焼機関の実際の回転速度について特性曲線から読み出された制御信号を、増幅器11を介してスピーカ12へ出力する。これにより、排気系4のテールパイプ1の領域において、燃焼機関6によって生成された空気伝搬音に、スピーカ12によって生成された対抗音が重畳される。対抗音は、燃焼機関6によって生成されて排気系4内を伝達される空気伝搬音を量および位相の点で少なくとも部分的に打ち消す。
【0057】
対抗音制御器10の動作モードは、ステップS7およびS9と並行してステップS6およびS8において監視される。
【0058】
ステップS6において、エラーマイクロホン5は、空気伝搬対抗音が燃焼機関からの空気伝搬音と重畳される排気系4内の位置の下流にあるテールパイプ1の内部の音を計測し、対応する計測値を対抗音制御器10へ出力する。
【0059】
これに続いて、対抗音制御器10は、ステップS8において、エラーマイクロホン5によって計測された音の振幅を所定の閾値と比較する。閾値を超えている場合、より適した新しい特性曲線を探すために、本方法はステップS1に戻り続行する。本実施形態以外の場合であって、排気系内を伝達される排気ガスの2つの隣接するかまたは一部重なり合う温度範囲に対する2つの特性曲線しか提供されていない場合には、本方法はステップS1ではなくステップS4に戻って続行し、ただ単に他方の特性曲線に変更するだけである。
【0060】
これと並行して、ステップS7において、対抗音制御器10は、スピーカ12へ出力された、対抗音を生成するための制御信号の振幅の時間プロファイルを監視する。
【0061】
ステップS9において、振幅が振動しながら増幅するプロファイルを有すると対抗音制御器10が認めた場合は、より適した新しい特性曲線を探すために、本方法はステップS1に戻り続行する。本実施形態以外の場合であって、排気系内を伝達される排気ガスの2つの隣接するかまたは一部重なり合う温度範囲に対する2つの特性曲線しか提供されていない場合には、本方法は、ただ単に他方の特性曲線に変更するだけであり、ステップS1ではなくステップS4に戻り続行する。
【0062】
対抗音制御器10によってスピーカ12へ出力された制御信号の振幅の振動しながら増大するプロファイルが、図6の上部において時点Bの右側の時間にわたって示されている。
【0063】
図6の下部には、エラーマイクロホン5によって計測された音が示されている。時点Bまでは/時点Bの左側では、燃焼機関6によって生成された空気伝搬音がスピーカ12によって生成された対抗音によって量および位相の点で大きく打ち消されているが、時点Bの右側ではそうではない。
【0064】
本実施形態においては、別の動作モードにおいて、対抗音制御器10は、エラーマイクロホン5によって計測された音においてフーリエ解析によって燃焼機関6の回転速度を測定する(determine)ようにさらに設計される。したがって、この動作モードではエンジン制御器8からの回転速度の読み出しは必要ない。このため、フーリエ解析によるエンジン回転速度の測定は、図5のステップS4の代替と理解されるべきである。図5の残りの手順には変更はない。同様に、燃焼機関6のトルクをフーリエ解析によって測定する(determine)ことも可能である。
【0065】
上記の図においては、明確に表すために、本発明についての理解を促進するような要素、部品および機能のみが示されている。しかしながら、本発明の実施形態は図示した要素、部品および機能に限定されるものではなく、それらの用途またはそれらの動作の範囲に必要とされる限りにおいて、さらなる要素、部品および機能を含む。
【0066】
本発明を、ある代表的な実施形態に関して説明したが、当業者にとって多くの代替、修正および変形が明らかであろうことは明白である。したがって、本明細書中に記載の本発明の代表的な実施形態は、例示的なものであり、いかなる点においても限定的なものではない。以下の特許請求の範囲によって定められる本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更がなされ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼機関によって動作する車両の排気系のための能動騒音制御システムであって、
前記車両のエンジン制御器と接続可能な対抗音制御器と、
制御信号を受信するために前記対抗音制御器と接続されたスピーカであって、前記対抗音制御器から受信した制御信号に応答して、前記排気系と流体接続可能な音生成器において対抗音を生成するように適合されたスピーカとを含み、
前記対抗音制御器において、前記制御信号を前記スピーカへ出力することによって、前記排気系内を伝達される空気伝搬音を量および位相の点で少なくとも部分的に、好ましくは完全に、打ち消すために、少なくとも2つの特性曲線が記憶され、該特性曲線は、前記排気系内を伝達される排気ガスの異なる温度範囲をそれぞれカバーし、該温度範囲は、2つずつ互いに一部重なり合うかまたは互いに直接に隣り合い、
前記対抗音制御器は、前記排気系内を伝達される排気ガスの各温度に適した特性曲線を、前記エンジン制御器によって出力された信号を用いて、前記利用可能な特性曲線から選択し、前記選択された特性曲線から導出された制御信号を前記スピーカへ出力するようにさらに適合された、能動騒音制御システム。
【請求項2】
前記対抗音制御器と接続され、音生成器と排気系との流体接続の領域における前記排気系の位置に配置可能なエラーマイクロホンであって、前記排気系の内部の音を計測し、対応する計測信号を前記対抗音制御器へ出力するように適合されたエラーマイクロホンをさらに含み、
前記対抗音制御器は、前記エラーマイクロホンから受信した信号を用いて、閾値との比較により、選択された特性曲線が前記排気系内を伝達される排気ガスの各温度に適しているかどうかを判断するように適合された、請求項1に記載の能動騒音制御システム。
【請求項3】
前記対抗音制御器と接続され、音生成器と排気配管との流体接続の領域における前記排気配管の位置に配置可能なエラーマイクロホンであって、前記排気配管の内部の音を計測し、対応する計測信号を前記対抗音制御器へ出力するように設計されたエラーマイクロホンをさらに含み、
前記対抗音制御器は、前記燃焼機関の回転速度およびトルクの少なくとも一方を、前記エラーマイクロホンから受信した信号を用いて特にフーリエ解析により測定し、前記選択された特性曲線と測定された回転速度および/またはトルクとを利用して制御信号を前記スピーカへ出力するように適合された、請求項1に記載の能動騒音制御システム。
【請求項4】
前記対抗音制御器は、前記スピーカへ出力された前記制御信号の信号形状を用いて、時間の経過とともに振動しながら増大する振幅を認めることによって、選択された特性曲線が前記排気系内を伝達される排気ガスの各温度に適していないと判断するように適合された、先行する請求項のいずれか一項に記載の能動騒音制御システム。
【請求項5】
前記対抗音制御器は、前記排気系内を伝達される排気ガスの各温度に適した特性曲線を、前記エンジン制御器から受信した冷却水温度と、前記エンジン制御器から受信したオイル温度と、ラムダプローブの出力信号と、外部温度とのうちの少なくとも1つに基づいて選択するように適合された、先行する請求項のいずれか一項に記載の能動騒音制御システム。
【請求項6】
前記少なくとも2つの特性曲線がいずれも、それぞれの所定の温度範囲について、前記スピーカへ出力される制御信号の、前記燃焼機関の回転速度およびトルクの少なくとも一方への依存性を示す、先行する請求項のいずれか一項に記載の能動騒音制御システム。
【請求項7】
前記対抗音制御器は、CANバスを介して前記エンジン制御器と接続可能であるかまたは前記エンジン制御器に組み込まれている、先行する請求項のいずれか一項に記載の能動騒音制御システム。
【請求項8】
燃焼機関と、
前記燃焼機関と流体接続された排気系と、
前記燃焼機関と接続されたエンジン制御器と、
請求項1から7のいずれか一項に記載の能動騒音制御システムであって、前記対抗音制御器が前記エンジン制御器と接続されるかまたは前記エンジン制御器に組み込まれ、前記音生成器が前記排気系に接続された能動騒音制御システムとを含む自動車。
【請求項9】
燃焼機関によって動作する車両の排気系のための能動騒音制御システムを制御するための方法であって、
エンジン制御器から、冷却水温度と、オイル温度と、ラムダプローブの出力信号と、外部温度とのうちの少なくとも1つを示す動作パラメータを受信するステップと、
前記エンジン制御器から受信した前記動作パラメータを用いて、前記排気系内を伝達される排気ガスの温度を測定するステップと、
前記排気系内を伝達される排気ガスの各温度に適した特性曲線を少なくとも2つの特性曲線から選択するステップであって、該特性曲線は、前記排気系内を伝達される排気ガスの異なる温度範囲をそれぞれカバーし、該温度範囲は、2つずつ互いに一部重なり合うかまたは互いに直接に隣り合い、該特性曲線がいずれも、それぞれの所定の温度範囲について、前記排気系内を伝達される空気伝搬音との相殺的干渉を生じさせる制御信号の、前記燃焼機関の回転速度およびトルクの少なくとも一方への依存性を反映しているステップと、
前記燃焼機関の回転速度および/またはトルクを前記エンジン制御器から受信するステップと、
燃焼機関によって生成されて前記排気系内を伝達される空気伝搬音を量および位相の点で少なくとも部分的に、好ましくは完全に、打ち消すために、前記選択された特性曲線と受信した回転速度および/またはトルクとを用いて前記排気系内に対抗空気伝搬音を生成するステップとを含む方法。
【請求項10】
前記対抗空気伝搬音が前記燃焼機関からの空気伝搬音と重畳される前記排気系内の位置の領域において前記排気系の内部の音を計測するステップと、
前記計測された音を予め設定された閾値と比較するステップと、
前記閾値を超えている場合に前記特性曲線を変更するステップとをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記対抗空気伝搬音が前記燃焼機関からの空気伝搬音と重畳される前記排気系内の位置の領域において前記排気系の内部の音を計測するステップと、
前記計測された音を用いて、特にフーリエ解析により、前記燃焼機関の回転速度およびトルクの少なくとも一方を測定するステップとをさらに含み、
前記排気系内に前記空気伝搬対抗音を生成するステップが、前記選択された特性曲線と測定された回転速度および/またはトルクとを用いて実施される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記対抗音を生成するために用いられる前記制御信号の振幅の時間プロファイルを監視するステップと、
前記振幅が振動しながら増大するプロファイルを含む場合に、前記特性曲線を変更するステップとをさらに含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−251554(P2012−251554A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−125787(P2012−125787)
【出願日】平成24年6月1日(2012.6.1)
【出願人】(505261612)ヨット・エーバーシュペッヒャー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー (53)
【Fターム(参考)】