説明

排熱回生装置

【課題】ポンプからの冷媒の吐出量が、膨張機で膨張処理される冷媒量よりも多くなると、冷媒の一部を膨張機を迂回したバイパス配管を通じて再度ポンプ吸入側に戻して膨張機への冷媒量を調整しており、本来不必要なポンプ駆動力が必要となり、排熱回生装置で得られる回生動力が小さくなる。
【解決手段】この発明に係る排熱回生装置では、蒸気配管から分岐されているとともに、冷媒を副吸入口を通じて膨張機5の膨張室での膨張過程空間に導き、かつ冷媒の流量を制御する絞り弁26が取付けられたバイパス配管25を備えており、ポンプ8からの冷媒の吐出量が、膨張機5の主吸入口での吸入量よりも多くなる場合には、絞り弁26により流量調整された余剰の冷媒は、バイパス配管、副吸入口を通じて膨張機の膨張室に入り、膨張して膨張機出力を発生させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等のエンジンにおける冷却水または排気ガスの排熱をランキンサイクルにより動力等として回生する排熱回生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ランキンサイクル中の液冷媒を圧送するポンプと、過熱蒸気冷媒の膨張によって機械的エネルギーを出力する膨張機とが連結され、膨張機の出力によりポンプを駆動するポンプ一体型膨張機を備えた排熱回生装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この排熱回生装置では、膨張機を迂回してバイパス配管が設けられており、同一あるいは一定の比率で、ポンプと膨張機とが運転されているものの、ポンプ及び膨張機のそれぞれの特性、冷媒の状態等により、ポンプからの冷媒の吐出量が、膨張機で膨張処理される冷媒量よりも多くなる場合が生じる。
この場合には、ポンプから吐出された冷媒の一部が膨張機を迂回したバイパス配管を通じて再度ポンプ吸入側に戻されることで膨張機への冷媒量が適正になるように調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−205699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の排熱回生装置では、ポンプからの冷媒の吐出量が、ポンプと連結して運転される膨張機で膨張処理される冷媒量よりも多くなると、冷媒の一部が膨張機を迂回したバイパス配管を通じて再度ポンプ吸入側に戻されて膨張機への冷媒量が調整されており、ポンプは、膨張機で膨張機出力を生じさせない、バイパスされる液冷媒も圧送する結果、本来不必要なポンプ駆動力も必要となり、膨張機で発生した膨張機出力の一部で駆動されるポンプ駆動力が大きくなり、排熱回生装置で得られる回生動力(=膨張機出力−ポンプ駆動力)が小さくなるという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするものであって、ポンプから吐出された冷媒の一部をバイパスさせて再度ポンプ吸入側に戻すことなく、ポンプから吐出される全ての冷媒を膨張機で膨張させて膨張機出力を発生させることで、高効率な排熱回生装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る排熱回生装置は、内燃機関の排熱と熱交換により冷媒を加熱して蒸気にする蒸発器と、
この蒸発器と蒸気配管を介して接続され蒸気となった前記冷媒を主吸入口を通じて膨張室内で膨張させて膨張機出力を発生させる膨張機と、
この膨張機を経由した前記冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
この凝縮器で冷却された前記冷媒を液配管を介して前記蒸発器に圧送するポンプとを備えた排熱回生装置であって、
前記蒸気配管から分岐されているとともに、前記冷媒を副吸入口を通じて前記膨張機の前記膨張室での膨張過程空間に導き、かつ前記冷媒の流量を制御する絞り弁が取付けられたバイパス配管を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明による排熱回生装置によれば、絞り弁が取付けられたバイパス配管は、蒸気配管から分岐されているとともに、冷媒を副吸入口を通じて膨張機の膨張室での膨張過程空間に導いているので、ポンプからの冷媒の吐出量が、膨張機の主吸入口での吸入量よりも多くなる場合には、絞り弁により流量調整された余剰の冷媒は、バイパス配管、副吸入口を通じて膨張機の膨張室に入り、膨張して膨張機出力を発生させることができる。
従って、ポンプから吐出される冷媒は全て膨張機で膨張して膨張機出力を発生させることができ、回生動力が増大する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1における排熱回生装置を示す構成図である。
【図2】図2(a)は図1の排熱回生装置のポンプ一体型膨張機を示す正断面図、図2(b)は図2(a)の側断面図である。
【図3】図2(b)に示されたスクロール型膨張機を示す構成図である。
【図4】図1のランキンサイクル回路を循環する冷媒にR134aを用いた場合のモリエル線図である。
【図5】この発明の実施の形態2における排熱回生装置を示す構成図である。
【図6】この発明の実施の形態2における排熱回生装置の他の例を示す構成図である。
【図7】この発明の実施の形態3における排熱回生装置を示す構成図である。
【図8】この発明の実施の形態4における排熱回生装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の各実施の形態における排熱回生装置について図に基づいて説明するが、同一符号は、同一または相当の部材、部位を示す。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における排熱回生装置を示す構成図である。
排熱回生装置は、内燃機関である自動車用エンジン1(以下、エンジンと略称する)と蒸発器3との間でエンジン冷却水を循環する冷却配管2a,2bと、エンジン1からの排熱を動力、電力として回生するランキンサイクル4とを備えている。
【0010】
ランキンサイクル4は、エンジン1と冷却配管2a,2bを介して接続され冷媒によりエンジン冷却水を冷却するための蒸発器3と、この蒸発器3の下流であって第一配管21a、第二配管21bを介して接続され高温高圧の蒸気となった冷媒を膨張する膨張機5と、この膨張機5の下流であって第三配管22を介して接続され膨張した冷媒を冷却し凝縮する凝縮器6と、この凝縮器6の下流であって第四配管23を介して接続されたポンプ8と、このポンプ8の下流であって第五配管24を介して接続された蒸発器3とを備えている。
なお、第一配管21a及び第二配管21bにより蒸気配管を構成し、第五配管24は液配管である。
また、ランキンサイクル4は、第一配管21aに基端部が接続され先端部が膨張機5と接続されたバイパス配管25と、第二配管21bと並設されたバイパス配管25に取付けられた絞り弁26と、膨張機5とポンプ8とを連結した出力軸7とを備えている。膨張機5及びポンプ8は出力軸7で連結されて、ポンプ一体型膨張機を構成している。
このポンプ一体型膨張機の出力軸7の端部には、モータージェネレーター41が設けられている。このモータージェネレーター41は、ポンプ8に動力を供給し、また出力軸7の回転によりバッテリに充電される電力が生じる。
【0011】
図2(a)は図1のポンプ一体型膨張機を示す正断面図、図2(b)は図2(a)の側断面図であり、ポンプ一体型膨張機は、膨張機5を収納した筐体10を備えている。
上記膨張機5は、スクロール型膨張機であり、図3に示されるように、螺旋形状の固定スクロール61と、軸受け60,63を介して回転自在に支持された出力軸7に接続された螺旋形状の旋回スクロール62と、冷媒が筐体10の外部に漏れるのを防止する軸シール68を備えており、固定スクロール61と旋回する旋回スクロール62とが協同して、容積が変化し冷媒を吸込み膨張させる膨張室64が形成されている。
筐体10は、出力軸7の軸線上であって第二配管21bに接続された主吸入口65が形成されており、また主吸入口65の径方向外側にバイパス配管25に接続された副吸入口69が形成されている。この副吸入口69は、膨張室64での膨張過程空間の部位に臨んでいる。
また、筐体10は、出力軸7の径方向であって第三配管22に接続された吐出口67が形成されており、膨張後の低圧空間66内の冷媒は、吐出口67を通じて第三配管22に流れる。
【0012】
一方、ポンプ8は、ギア式ポンプであり、回転自在の出力軸7に固定された第一ギア71と、第一ギア71にかみ合う第二ギア72とを備えている。
筐体10は、出力軸7と平行に延びて吸入口73及び吐出口74がそれぞれ形成されており、この吸入口73には第四配管23が接続され、吐出口74には第五配管24に接続されている。
【0013】
次に、同一あるいは一定の比率で、ポンプ8の第一ギア71及び第二ギア72が回転(以後、ポンプ8の回転とする)し、また膨張機5の旋回スクロール62が回転(以後、膨張機5の回転とする)して運転され、膨張機5の主吸入口65での吸入量に一致した冷媒量がポンプ8から吐出された場合のランキンサイクル4の動作について説明する。
先ず、モータージェネレーター41の駆動により、ポンプ8が駆動してランキンサイクル4内の例えば、R134aの冷媒が循環する。
エンジン1により通常90℃〜100℃程度にまで加熱されたエンジン冷却水は、冷却水配管2aを通り蒸発器3で冷却され、冷却水配管2bを通じてエンジン1に戻る。
冷媒は、蒸発器3でエンジン冷却水と熱交換により加熱されて約90℃の高温高圧の蒸気となる。高温高圧の蒸気となった冷媒は第一配管21a及び第二配管21bで構成された蒸気配管を通り、膨張機5に送られ、膨張機5で膨張する過程で膨張機出力を発生する。
この場合、絞り弁26は閉じられており、冷媒は、バイパス配管25には流れず、副吸入口69を通じて膨張機5の内部への流入はない。
【0014】
膨張後に約50℃の蒸気となった冷媒は、第三配管22を通り、自動車走行時の走行風やファン等による冷却機能を有する凝縮器6に送られ、凝縮器6で冷却され凝縮し、約30℃の液体となり、第四配管23を通りポンプ8に送られる。
【0015】
液体状態の冷媒はポンプ8により昇圧され、液配管である第五配管24を通って蒸発器3に送られる。蒸発器3に送られた冷媒は、エンジン1により通常90℃〜100℃程度にまで加熱されたエンジン冷却水を冷却するとともに自身は約90℃の高温高圧の蒸気となる。
エンジン冷却水は、冷却水配管2bを通り再びエンジン1の冷却に利用されるとともに、冷媒は、上記過程を繰り返し、ランキンサイクル4を継続動作させる。
【0016】
次に、出力軸7を介して同一あるいは一定の比率で、ポンプ8及び膨張機5が回転して運転しているものの、ポンプ8及び膨張機5のそれぞれの特性、冷媒の状態等により、膨張機5の主吸入口65での吸入量以上の冷媒量がポンプ8から吐出された場合のランキンサイクル4の動作について説明する。
蒸発器3で加熱され約90℃の高温高圧の蒸気となった冷媒は、絞り弁26の開度調整により、膨張機5の主吸入口65での吸入量に一致した冷媒量が第一配管21a及び第二配管21bを通り、主吸入口65から膨張機5へ流入する。
一方、余剰の冷媒は、バイパス配管25を通り、副吸入口69から膨張機5へ流入し、それぞれの冷媒は膨張機5で膨張する過程で膨張機出力を発生する。
【0017】
次に、主吸入口65及び副吸入口69からそれぞれ膨張機5の内部に冷媒R134aが流入した場合の張機出力の発生について、図4に示したモリエル線図を用いて説明する。 過程a→bで、冷媒がポンプ8により圧送され、過程b→cで、冷媒は蒸発器3で加熱されて高温高圧の蒸気となる。
過程c→dでは、蒸発器3で加熱された高温高圧の蒸気の一部が主吸入口65から膨張機5に流入し膨張して膨張機出力を発生し、蒸発器3からの残りの高温高圧の蒸気は、過程d→eで、バイパス配管25を通り副吸入口69から膨張機5へ流入し、主吸入口65から膨張機5へ流入し膨張した状態dの冷媒と混合され、状態eの冷媒となり、以後過程e→fで、膨張して膨張機出力を発生する。
ここで得られた膨張機出力は、ポンプ8の駆動力として利用されるとともに、モータージェネレーター41で電力に変換され、この電力は、バッテリに充電される。
膨張機5から吐出された状態fの冷媒は、過程g→aで凝縮器6で冷却されて液体となり、再びポンプ8により圧送されて、サイクルを繰り返す。
【0018】
上記構成の排熱回生装置によれば、第一配管21aと第二配管21bとから構成された蒸気配管から分岐されたバイパス配管25は、冷媒を副吸入口69を通じて膨張機5の膨張室64の膨張過程空間に導いているので、ポンプ8からの冷媒の吐出量が、膨張機5の主吸入口65での吸入量よりも多くなる場合には、絞り弁26により流量調整された余剰の冷媒は、バイパス配管25、副吸入口69を通じて膨張機5の膨張室64に入り、膨張して膨張機出力を発生させることができる。
従って、ポンプ8から吐出される冷媒は全て膨張機5で膨張して膨張機出力を発生させることができ、回生動力が増大する。
【0019】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2における排熱回生装置を示す構成図である。
この実施の形態では、蒸気配管の一部を構成する第一配管21aに冷媒の圧力を測定する圧力センサー31が設置されている。圧力センサー31としては例えば抵抗ひずみゲージ式圧力センサー等が用いられる。
他の構成は、実施の形態1の排熱回生装置と同じである。
【0020】
この実施の形態2における排熱回生装置では、エンジン冷却水の温度などから決定される蒸発器3での冷媒の蒸気圧と、排熱回生装置の強度設計から設定される許容圧力とに基づき、最も効率よく排熱回生装置を運転するための所定の運転圧力が設定される。
そして、圧力センサー31により計測される圧力が所定の運転圧力を超える場合、絞り弁26の開口度を大きくしてバイパス配管25を通り副吸入口69から膨張機5へ流入する冷媒を増加させて所定の運転圧力となるように制御する。
【0021】
逆に、圧力センサー31により計測される冷媒の蒸気圧が所定の運転圧力よりも低い場合、絞り弁26の開口度を小さくしてバイパス配管25を通り副吸入口69から膨張機5へ流入する冷媒を減少させて所定の運転圧力となるように制御する。
【0022】
従って、この発明の実施の形態2における排熱回生装置によれば、安定して高い効率で排熱回生装置を動作させることができる。
【0023】
なお、上記実施の形態では、圧力センサー31が第一配管21aに設置された例を示したが、図6で示すように液配管である第五配管24に圧力センサー33を設置してもよく、図5のものと同様の効果を奏する。
【0024】
実施の形態3.
図7はこの実施の形態3の排熱回生装置を示す構成図である。
この実施の形態では、第一配管21a及び第二配管21bからなる蒸気配管から分岐して、絞り弁51が取付けられた第一バイパス配管50と、絞り弁53が取付けられた第二バイパス配管52とが互いに並列に設けられている。
他の構成は、図1に示した実施の形態1の排熱回生装置と同じである。
【0025】
この実施の形態の排熱回生装置によれば、実施の形態1のものと比較して、バイパス配管として第二バイパス配管52が増えた分、より多くの冷媒をランキンサイクル4で循環させることができ、より多くの膨張機出力を発生させることが可能となる。
なお、バイパス配管については、2組ではなく、3組以上並列に設けるようにしてもよい。
【0026】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4における排熱回生装置を示す構成図である。
実施の形態1〜3の排熱回生装置では、膨張機5とポンプ8は筐体10で一体化されてポンプ一体型膨張機を構成し、出力軸7を介してモータージェネレーター41と接続されていたが、この実施の形態4では、ポンプ8は軸9を介してモーター42と連結されて駆動され、膨張機5は出力軸7を介して発電機43と接続されている。
他の構成は、実施の形態1の排熱回生装置と同じである。
【0027】
膨張機5とポンプ8とが同期して運転され、膨張機5の主吸入口65での吸入量に一致した冷媒量がポンプ8から吐出された場合、あるいは、膨張機5の主吸入口65での吸入量以上の冷媒量がポンプ8から吐出された場合のランキンサイクル4の動作は、前記実施の形態1と同様である。
【0028】
膨張機5とポンプ8とが同期した実施の形態1の排熱回生装置と同様な運転条件で、膨張機5の主吸入口65での吸入量に一致した冷媒量がポンプ8から吐出された場合には、ポンプ8の回転数を膨張機5の回転数に対して独立に制御できる。
従って、さらにポンプ8の回転数を増加させて冷媒の吐出量を増加させ、その増加した冷媒は、絞り弁26の調整によりバイパス配管25を通り副吸入口69から膨張機5へ流入させることで、さらに多くの膨張機5での膨張機出力を発生することが可能となる。
【0029】
また、膨張機5とポンプ8とが同期した実施の形態1の排熱回生装置と同様な運転条件で、膨張機5の主吸入口65での吸入量以上の冷媒量がポンプ8から吐出された場合には、さらにポンプ8の回転数を増加させて冷媒の吐出量を増加させ、さらに多くの膨張機5での動力を発生することが可能となる。
主吸入口65から流入した冷媒に比べて、副吸入口69から流入した冷媒は、膨張機5の途中から膨張を開始するため、主吸入口65から流入した冷媒に比べて十分な膨張機出力を発生することができないので、逆に、ポンプ8の回転数を減少させて冷媒の吐出量を減少させ、バイパス配管25を通り副吸入口69から膨張機5へ流入させる冷媒量を減少させることも可能となる。
【0030】
なお、実施の形態3の排熱回生装置と同様に、第一配管21a及び第二配管21bからなる蒸気配管から分岐して、さらにバイパス配管25と並列に、絞り弁が取付けられたバイパス配管を設けるようにしてもよい。
【0031】
なお、上記各実施の形態1〜4の排熱回生装置では、自動車用エンジン1のエンジン冷却水の排熱をランキンサイクルの熱源に用いたが、自動車用エンジン1の排気ガスの排熱をランキンサイクルの熱源として用いてもよい。
また、実施の形態1〜3では、モータージェネレーター41で電力として回生し、実施の形態4では、発電機43で電力として回生したが、膨張機の出力軸をプーリー機構を介してエンジンの出力軸と連結し、エンジンの補助駆動力として回生するようにしてもよい。
また、膨張機5については、スクロール型膨張機に限定されるものではなく、例えばレシプロ型膨張機、ロータリー型膨張機であってもよい。
また、内燃機関として自動車用エンジン1を用いて説明したが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、定置発電機用エンジンからの排熱や、工場からの排熱をランキンサイクルの熱源として用いてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 自動車用エンジン、2a 冷却水配管、2b 冷却水配管、3 蒸発器、4 ランキンサイクル、5 膨張機、6 凝縮器、7 出力軸、8 ポンプ、9 軸、10 筐体、21a 第一配管、21b 第二配管、22 第三配管、23 第四配管、24 第五配管、25 バイパス配管、26 絞り弁、31 圧力センサー、33 圧力センサー、41 モータージェネレーター、42 モーター、43 発電機、50 第一バイパス配管、51 絞り弁、52 第二バイパス配管、53 絞り弁、61 固定スクロール、62 旋回スクロール、60,63 軸受け、68 軸シール、64 膨張室、65 主吸入口、66 低圧空間、67 吐出口、69 副吸入口、71 第一ギア、72 第二ギア、73 吸入口、74 吐出口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排熱と熱交換により冷媒を加熱して蒸気にする蒸発器と、
この蒸発器と蒸気配管を介して接続され蒸気となった前記冷媒を主吸入口を通じて膨張室内で膨張させて膨張機出力を発生させる膨張機と、
この膨張機を経由した前記冷媒を冷却し凝縮させる凝縮器と、
この凝縮器で冷却された前記冷媒を液配管を介して前記蒸発器に圧送するポンプとを備えた排熱回生装置であって、
前記蒸気配管から分岐されているとともに、前記冷媒を副吸入口を通じて前記膨張機の膨張室での膨張過程空間に導き、かつ前記冷媒の流量を制御する絞り弁が取付けられたバイパス配管を備えたことを特徴とする排熱回生装置。
【請求項2】
前記膨張機と前記ポンプとは連結されたポンプ一体型膨張機であり、このポンプ一体型膨張機には、前記膨張機出力からポンプを駆動させかつ発電するモータージェネレーターが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の排熱回生装置。
【請求項3】
前記膨張機には、前記膨張機出力から発電する発電機が接続され、前記ポンプには、前記ポンプを駆動させるモーターが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の排熱回生装置。
【請求項4】
前記蒸気配管、または前記液配管には、前記ポンプから吐出された冷媒の圧力を測定する圧力センサーが設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の排熱回生装置。
【請求項5】
前記バイパス配管は、互いに並列に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の排熱回生装置。
【請求項6】
前記内燃機関は、自動車用エンジンであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の排熱回生装置。
【請求項7】
前記自動車用エンジンは、冷却水配管を介して前記蒸発器と接続されており、自動車用エンジンと前記蒸発器との間には、前記冷媒と熱交換するエンジン冷却水が循環する請求項6に記載の排熱回生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−122343(P2012−122343A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271317(P2010−271317)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】