説明

接着タンパク質に影響を及ぼすことによる癌細胞の移動または転移の遮断およびその新規化合物の使用

本発明は、遺伝子発現または接着タンパク質もしくはこれらの受容体の分泌を調節して疾患を治すためのプロセス、化合物および組成物を提供し、ここで調節は、正および負の制御すること、特に癌の増殖を阻害することを含み、ここで、接着タンパク質または受容体はフィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含み、方法、プロセス、化合物および組成物は抗血管形成でもあり、癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫癌、腎臓癌または頸癌を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞における遺伝子発現に影響を及ぼし、その結果、疾患を治療する方法および組成物を提供し、この方法は、症候群を軽減することを含む。一実施形態において、方法は遺伝子発現の阻害を含む。一実施形態において、方法は遺伝子発現を刺激することを含む。
【0002】
本発明は、遺伝子発現または接着タンパク質の分泌またはこれらの受容体を調節して疾患を治療する方法、プロセス、化合物および組成物を提供し、ここで、調節は正および負の制御をすることを含み、癌の成長を阻害することを含み、ここで接着タンパク質または受容体は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。
(関連出願の相互参照)
本出願は2007年8月30日に出願された国際出願PCT/US2007/077273号、2007年2月16日に出願された米国特許出願第60/890,380号、2007年7月3日に出願された米国特許第60/947,705号、および2007年3月7日に出願された米国特許出願第11/683,198号(2006年4月27日に出願された米国特許出願第60/795,417号、2006年9月1日に出願された第60/841,727号、2007年2月16日に出願された第60/890,380号の利益を請求する)、および2006年4月27日に出願された国際出願PCT/US2006/016158号(次の出願の優先権を請求する:(1)2005年11月28日に出願された米国特許出願第11/289142号、および2005年11月4日に出願された第11/267,523号、(2)2005年9月7日に出願された国際出願PCT/US05/31900号(2004年10月8日に出願された米国特許出願第60/617,379号、2004年9月27日に出願された第60/613,811号、および2004年9月7日に出願された第60/607,858号の優先権を主張する)、(3)2005年5月17日に出願された米国特許出願第11/131,551号、ならびに(4)2005年4月27日に出願された米国特許出願第11/117,760号)の優先権を主張する。これらの先行出願の内容は、全体として本発明の一部として参照される。
【背景技術】
【0003】
転移は癌の末期であり、この段階では癌細胞は原発腫瘍細胞部位を離れ、身体の他の部分へ移動する。癌細胞は原発腫瘍から離脱し、周囲の細胞外マトリックスに接着し、血流またはリンパ系を介して身体の他の部分へ移動する。接着タンパク質は癌転移において重要な役割を果たす。
【0004】
転移が起こると、これを治療できる方法は多数あり、例えば放射線手術、化学療法、放射線療法、生物療法、ホルモン療法、外科手術およびレーザー免疫療法がある。しかし、これらは転移性癌の発生を防止できないことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は癌細胞の接着を調節し、これらの移動、転移をブロックするか、または癌の成長または抗血管形成を阻害する方法を提供し、ここで、接着タンパク質およびその受容体は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。
【0006】
本発明は細胞における接着タンパク質を減少させ、癌細胞の移動、転移をブロックするか、または癌の成長もしくは抗血管形成を阻害する方法を提供し、ここで接着タンパク質またはその受容体は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。一実施形態において、本発明はフィブロネクチンの分泌を減少させる方法を提供する。一実施形態において、本発明は接着タンパク質の発現を阻害する方法を提供し、ここで接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。本発明は癌細胞膜の特性を変更することにより、癌の成長、移動、転移を阻害する方法を提供し、ここでこの特性は接着タンパク質を含み、ここで癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫、腎臓癌および頸癌を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遺伝子発現を調節して、疾患を治療するか、または症候群を軽減する方法および組成物を提供し、ここで、調節は正および負の制御をすることを含む。一実施形態において、方法は遺伝子発現を阻害することを含む。一実施形態において、方法は遺伝子発現を刺激することを含む。
【0008】
本発明は、癌の移動、転移、もしく成長を阻害するため、または抗血管形成のための方法および組成物を提供し、この方法は遺伝子発現に影響を及ぼすことを含み、接着タンパク質またはこれらの受容体に影響を及ぼすか、接着タンパク質を減少させるか、または接着タンパク質の発現もしくは分泌を阻害することを含み、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。
【0009】
本発明は癌の移動、転移、もしくは成長の阻害または抗血管形成のための方法および組成物を提供し、ここで方法は遺伝子発現に影響を及ぼすことを含み、遺伝子発現を刺激することを含む。
【0010】
本発明は癌細胞膜の特性を変更して、癌細胞の移動、転移のブロックをもたらすか、または癌の成長もしくは抗血管形成の阻害のための方法を提供し、ここで方法は接着タンパク質またはこれらの受容体を減少させることを含み、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。
【0011】
本発明は、細胞の接着タンパク質を減少させる方法、プロセス、化合物および組成物を提供し、ここで接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。一実施形態において、方法は遺伝子発現を阻害することを含む。一実施形態において、本発明はフィブロネクチンの分泌を減少させる方法を提供する。一実施形態において、方法は癌細胞の移動、転移の移動、転移をブロックできるか、または癌の成長もしくは抗血管形成を阻害でき、癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫癌、腎臓癌または頸癌を含む。
【0012】
本発明は癌細胞膜の特性を変更する方法を提供し、この方法は接着タンパク質の分泌を変更し、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。一実施形態において、方法、プロセス、化合物および組成物は、接着タンパク質の発現もしくは分泌のブロック、抑制または阻害を含む。一実施形態において、方法、プロセス、化合物および組成物は接着タンパク質と相互作用する。一実施形態において、方法、プロセス、化合物または組成物は癌細胞の移動、転移をブロックできるか、または癌の成長もしくは抗血管形成を阻害でき、癌は乳癌、白血球、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫、腎臓癌および頸癌を含む。
【0013】
接着タンパク質は癌細胞接着、浸潤または転移に役立ち、ここで癌は卵巣癌を含む。接着タンパク質を減少させると癌の転移が軽減されるであろう。フィブロネクチンは上皮性卵巣癌の生態における主な要素の一つである。フィブロネクチンの減少は癌細胞の転移を阻害する。本発明は疾患を治療するためにフィブロネクチンを含む接着タンパク質の分泌を阻害する方法および組成物を提供し、ここで疾患は癌成長を阻害することを含み、ここで癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫、腎臓および頸癌を含む。
【0014】
本発明は、癌細胞の膜特性を変更することにより癌の成長、移動、転移を阻害する組成物を提供し、ここで特性は、タンパク質の接着を含み、特に、タンパク質の分泌または細胞の接着を含み、特性は接着能を含み、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含み、癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫癌、腎臓癌または頸癌を含み、方法はXanifoliaY0、Y1、Y2、Y、Y7、Y8、Y9、Y10、ACH−Yまたはその塩、エステル、代謝産物を接触させる。一実施形態において、組成物は本出願における式から選択される化合物である。
【0015】
本発明は癌細胞膜の接着特性を変更する方法を提供し、この方法は接着能を低下させることを含み、この方法はフィブロネクチンの分泌を減少させることを含み、癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫癌、腎臓癌または頸癌を含み、方法は有効量のXanifolia Y0、Y1、Y2、Y、Y7、Y8、Y9、Y10、ACH−Yまたはその塩、エステル、代謝産物を接触させる。一実施形態において、方法は有効量の本出願における式から選択される化合物を接触させる。一実施形態において、方法は癌の成長、移動、転移を阻害する。一実施形態において、化合物は式(1A)、(1B)、(1C)および(1D)から選択できる。一実施形態において、化合物はトリテルペン骨格、2個のアンゲロイル基および糖部分を含む。一実施形態において、化合物はXanifolia(x)、エスシン(Escin)またはアエスシン(Aescin)から選択される。一実施形態において、化合物は化合物A〜XおよびA1〜X1から選択される。一実施形態において、化合物は本出願における化合物Z1〜Z7から選択される。
【0016】
本発明は癌細胞膜の接着特性を変更することにより癌の成長、移動、転移を阻害するための組成物を提供し、ここで癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫癌、腎臓癌または頸癌を含む。
【0017】
本発明は疾患を治療するために接着タンパク質を減少させるため(ここで疾患は癌成長の阻害、下肢腫脹、慢性静脈不全、末梢浮腫、高脂血症、慢性静脈疾患、静脈瘤疾患、静脈瘤性症候群、静脈鬱滞、去痰剤、末梢血管障害、脳器質けいれん、脳循環障害、脳浮腫、精神病、月経困難症、痔、会陰切開、末梢浮腫形成もしくは術後腫脹の症状の軽減を含む)、脚部痛みの症状を軽減するため、掻痒、下肢体積を治療するため、痛みの症状を軽減するため、血栓症、静脈血栓症、胃潰瘍抗痙攣薬を予防するための方法および組成物であって、これらを必要とする対象に、有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法および組成物を提供する。
【0018】
一実施形態において、方法は接着タンパク質と相互作用することを含み、ここで接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。一実施形態において、本発明はフィブロネクチンの分泌を減少させる方法を提供する。
【0019】
一実施形態において、方法は接着タンパク質の接着能を低下させることを含み、ここでこの接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。
【0020】
一実施形態において、方法は接着タンパク質の分泌を調節することを含み、ここでこの接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。一実施形態において、方法は接着タンパク質の分泌をブロックすることを含み、ここでこの接着タンパク質は、フィブロネクチンを含む。一実施形態において、方法は本出願における式から選択される有効量の化合物を接触させる。
【0021】
一実施形態において、方法は有効量の、Xanifolia Y0、Y1、Y2、Y、Y7、Y8、Y9、Y10、ACH−Y、Xanifolia(x)、エスシンもしくはアエスシンまたはこれらの塩、エステル、代謝産物を含む本出願の化合物を接触させる。一実施形態において、化合物は化合物A〜XおよびA1〜X1から選択される。一実施形態において、化合物は本出願における化合物Z1〜Z7から選択される。一実施形態において、化合物は式(1A)、(1B)、(1C)および(1D)から選択できる。
【0022】
本発明は、接着タンパク質の特性を変更して疾患を治療するため(ここで特性は接着能を含み、ここでこの方法はフィブロネクチンの分泌を減少させることを含み、疾患は癌成長の阻害、下肢腫脹、慢性静脈不全、末梢浮腫、高脂血症、慢性静脈疾患、静脈瘤疾患、静脈瘤性症候群、静脈鬱滞、去痰剤、末梢血管障害、脳器質けいれん、脳循環障害、脳浮腫、精神病、月経困難症、痔、会陰切開、末梢浮腫形成または術後腫脹の症状の軽減を含む)、脚部痛みの症状を軽減するため、掻痒、下肢体積を治療するため、痛みの症状を軽減するため、血栓症、静脈血栓症、胃潰瘍抗痙攣薬を予防するための方法および組成物で、これらを必要とする対象に、有効量の本発明の組成物を投与することを含み、ここで、この接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。一実施形態において、方法は本出願における式から選択される化合物と、対象において有効量を接触させる。
【0023】
式:
【化1】

((1A)とも称する)
(式中、
R1は、水素、ヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロサイクリック、O−ヘテロアリール、およびこれらの誘導体から選択され、
R2は、水素、ヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロサイクリック、O−ヘテロアリール、およびこれらの誘導体から選択され、
R4は、CHR6またはCOR6を表し、ここでR6は、ヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロサイクリック、O−ヘテロアリール、およびこれらの誘導体からなる群から選択され、
R3は、HまたはOHであり、
R8は、HまたはOH、特にOHであり、
R5は、水素または糖部分であり、ここで糖部分は、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、アルズロン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、およびこれらの誘導体またはこれらの組み合わせからなる群から選択され、ここでR9、R10、R11、R12、R13、R14、R15は、独立してCH、CHOH、CHO、COOH、COO−アルキル、COO−アリール、COO−ヘテロサイクリック、COO−ヘテロアリール、CHOアリール、CHO−ヘテロサイクリック、CHO−ヘテロアリール、アルキル基、ヒドロキシル、アセチル基、特にCHから選択される基に結合し、
R1、R2およびR6の少なくとも2つは、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロサイクリック、O−ヘテロアリール、およびこれらの誘導体からなる群から選択され、またはR1、R2、およびR4の少なくとも1つは、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、およびこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも2つの基で置換された糖部分であり、または
R4は、CHR6である、R1およびR2は、独立してO−アンゲロイル基からなる、またはR1、R2およびR6の少なくとも2つは、O−アンゲロイルである、またはR1、R2もしくはR6の少なくとも1つは、2つのO−アンゲロイルを有する糖部分であり、
R5は、次の糖およびアルズロン酸:グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、グルクロン酸、ガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせから選択される糖部分であり、この糖はグルクロン酸、アラビノースおよびガラクトースを含む)、
を有する、単離、精製または合成化合物またはその塩、エステル、代謝産物またはその誘導体。
【0024】
一実施形態において、R5はグルコース、ガラクトース、アラビノース、アルズロン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、および誘導体またはこれらの組み合わせからなる群から選択される糖部分である)。
【0025】
一実施形態において、方法は化合物を接触させ、ここで、化合物は次のものから選択される:
a)構造Xanifolia(Y):
【0026】
【化2】

または化学名:3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
b)構造Xanifolia(Y1):
【0027】
【化3】

または化学名:3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジアンゲロイル)−α−L−ラムノピラノシル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
c)構造Xanifolia(Y2):
【0028】
【化4】

または化学名:3−O−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
d)構造Xanifolia(Y8):
【0029】
【化5】

または化学名:3−O−[β−グルコピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,24β,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
e)構造Xanifolia(Y9):
【0030】
【化6】

または化学名:3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジアンゲロイル)−α−ラムノピラノシル−28−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、および
f)構造Xanifolia(Y10):
【0031】
【化7】

または化学名:3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物。
【0032】
g)構造Xanifolia(Y0):
【0033】
【化8】

または化学名:3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル、22−O−(2−メチルプロパノイル)−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
h)構造Xanifolia(X):
【0034】
【化9】

または化学名:3−O−{[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−[α−L−アラビノフラノシル(1→3)]−β−D−グルクロノピラノシドブチルエステル}−21−O−アセチル−22−O−アンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物。
【0035】
i)構造(Y7):
【0036】
【化10】

または化学名:3−O−[β−D−ガラクトピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル−(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル−28−O−2−メチルブタノイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
j)構造(ACH−Y):
【0037】
【化11】

を有する、単離、精製または合成化合物。
【0038】
一実施形態において、方法は化合物を接触させ、ここで化合物は次のものから選択される:
k)構造:
【0039】
【化12】

を有する、単離、精製または合成化合物、
l)構造:
【0040】
【化13】

を有する、単離、精製または合成化合物。
【0041】
一実施形態において、方法は化合物を接触させ、ここで次式:
【0042】
【化14】

(式中、R1、R2は個々にO−アセチルまたはO−アンゲロイルから選択され、R3、R4、R5、R6、R7は水素またはヒドロキシルである)、
から選択される構造を有する化合物が単離されるか、精製されるか、または合成される。
【0043】
一実施形態において、方法はXanifolia Y0、Y1、Y2、Y、Y7、Y8、Y9、Y10、Xanifolia(x)、エスシンもしくはアエスシンまたはこれらの塩、エステル、代謝産物を含む本出願における化合物を接触させる。一実施形態において、化合物は式(1A)、(1B)、(1C)および(1D)から選択できる。一実施形態において、化合物はトリテルペン骨格、2個のアンゲロイル基および糖部分を含む。一実施形態において、化合物はXanifolia(Y0、Y1、Y2、Y、Y7、Y8、Y9、およびY10)から選択される。一実施形態において、化合物はXanifolia(x)、エスシンまたはアエスシンから選択される。一実施形態において、化合物は本出願における化合物A〜XおよびA1〜X1から選択される。一実施形態において、化合物は本出願における化合物Z1〜Z7から選択される。一実施形態において、方法はトリテルペン(21、21位の炭素は不飽和基および炭素3で糖部分を有する)を含む化合物を接触させる。
【0044】
一実施形態において、接着能を低下させる本出願の化合物はコロニー形成における細菌を阻害し、細胞指向性を調節する。
【0045】
一実施形態において、ウイルスが宿主細胞と結合するのを阻害するために細胞またはウイルスの接着能を低下させること(ここでウイルスはHIVを含む)。
【0046】
組成物は天然植物由来または合成から得られる生物活性化合物を含む。植物の大部分はムクロジ(Sapindaceae)科由来であり、ムクロジ科は1400〜2000種を有する140〜150属を有する。プログラムは、本発明者等の精製法およびMTTアッセイをはじめとする生物学的検定法に基づく。2005年9月7日に出願された国際出願PCT/US05/31900号、2005年11月28日に出願された米国特許出願第11/289142号、および2005年5月17日に出願された米国特許出願第11/131551号(その内容は本発明の一部として参照される)を参照のこと。
【0047】
本発明は、トリテルペノイドサポニンを含む組成物を使用する方法を提供する。一実施形態において、サポニンはトリテルペノイド、トリテルペノイドサポニンまたは他のサポニン、1個以上の糖部分および2個のアンゲロイル基、または次の基:アンゲロイル基、チグロイル基もしくはセネシオイル基から選択される少なくとも2個の側基を有し、ここで側基は、炭素21および22でサポゲニン骨格と結合している。一実施形態において、側基に結合した少なくとも2個のアンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリックまたはヘテロアリールを有し、ここでサポニンにおける糖部分は、次の糖およびアルズロン酸:グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、グルクロン酸、ガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせの少なくとも1以上を含み、ここでこの糖は好ましくはグルクロン酸、アラビノースおよびガラクトースを含む。
【0048】
本発明はさらに、アンゲロイル、チグロイルまたはセネシオイル基から選択される少なくとも2個の基で置換された構造を含む組成物を提供し、ここで側鎖は、トリテルペノイダル、トリテルペノイド、トリテルペノイダルまたは他のサポゲニン骨格に結合している。これらの構造は天然または合成から得ることができる。本発明は生物活性化合物を調製する方法であって:
(a)植物の根、仁、葉、樹皮、茎、殻、種子、種子の殻もしくは果実、またはこれらの組み合わせを、有機溶媒、例えばエタノールまたはメタノールで抽出して、有機抽出物を得るステップと、(b)有機抽出物を集めるステップと、(c)有機抽出物を還流させて、第2抽出物を得るステップと、(d)第2抽出物から有機溶媒を除去して第3抽出物を得るステップと、(e)第3抽出物を乾燥し、殺菌して、粗抽出粉末を得るステップと、(f)粗抽出物粉末を分画して画分または成分を得るステップ(分画はシリカゲル、C18または他の同等の固相物質を用いたHPLCおよびFPLCクロマトグラフィーにより行うことができる)と、(g)HPLCまたはFPLCを用いて、207nm〜500nmの吸収波長を用いるならば、分画をモニターするステップと、(h)粗抽出物の生物活性成分を同定するステップと、(i)粗抽出物の1以上の生物活性成分をFPLCで精製して、生物活性成分の1以上の画分を得るステップと、(j)分取カラムおよびHPLCを用いるクロマトグラフィー技法を用いて生物活性成分を単離するステップ、とを含む方法を提供する。
【0049】
一実施形態において、本発明は、サポニンまたは他の化合物の生物活性を試験するためのMTT Assay TEST PLATFORMの方法を提供する。
【0050】
細胞
ヒト癌細胞系はAmerican Type Culture Collectionから入手した:HTB−9(膀胱)、HeLa−S3(頸部)、DU145(前立腺)、H460(肺)、MCF−7(乳房)、K562(白血球)、HCT116(結腸)、HepG2(肝臓)、U2OS(骨)、T98G(脳)、SK−MEL−5(皮膚)およびOVCAR−3(卵巣)。細胞を次の培地中で増殖させた:HeLa−S3、DU145、MCF−7、Hep−G2およびT98GをMEN(Earle塩)中で、HTB−9、H460、K562およびOVCAR−3をRPMI−1640、HCT−116中で、U2OSをMcCoy−5A中で増殖させた。これらの培地には10%ウシ胎仔血清、グルタミンおよび抗生物質を添加し、37℃で加湿5%COとともにインキュベーター中でインキュベートした。
【0051】
MTTアッセイ
MTTアッセイと、それに続いてCarmichael等(1987)により記載された方法に変更を加えた方法。細胞を96穴プレート中にHTB−9、HeLa、H460、HCT116、T98GおよびOVCAR−3については10,000/穴、DU145、MCF−7、HepG2およびU2OSについては15,000/穴、およびK562については40,000/穴の濃度で24時間播種した後、薬物処理した。細胞を次いで薬物に48時間暴露した(HepG2およびU2OSについては72時間、そしてMCF−7については96時間)。薬物処理後、MTT(0.5mg/mL)を培養物に添加し、1時間インキュベートした。ホルマザン(生存細胞によるテトラゾリウムの還元生成物)が生じ、DMSOを用いて溶解させ、490nmでのO.D.をELISAリーダにより測定した。薬物処理前のMTTレベルも測定した(T0)。%細胞成長(%G)を、%G=(TD−T0/TC−T0)×100(1)(式中、TCまたはTDは対照もしくは薬物処理細胞のO.D.の読みを表す)として計算する。
【0052】
T0>TDである場合、対照の%として表された細胞毒性(LC)を、%LC=(TD−T0/T0)×100(2)として計算する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】Xanifolia−Yをインキュベーションした後の、癌細胞(ES2)からのフィブロネクチン分泌の阻害の時間分析を示す図である。培地中に放出されたフィブロネクチンをウェスタンブロットにより測定した。A:(実験F1の結果)YはXanifolia化合物Yである、B:(実験F3の結果)、C:(実験F4の結果)。
【図2】Xanifolia−Yによるフィブロネクチン分泌の阻害(ウェスタンブロット)を示す図である。A:実験F5の結果、B:実験F7の結果、C:実験F8の結果、D:実験F11の結果、E:実験F12の結果、F:実験F13の結果、G:実験F14Bの結果、H:実験14Cの結果。
【図3】Xanifolia−Yによるフィブロネクチン分泌の阻害(ウェスタンブロット)を示す図である。A:実験F23の結果、B:実験F24の結果、C:実験F26の結果、D:実験F27の結果、E:実験F29の結果、F:実験F28の結果。
【図4】Xanifolia−Yによるフィブロネクチン分泌の阻害(ウェスタンブロット)を示す図である。A:実験F30の結果、B:実験F31の結果、C:実験F32の結果、D:実験F33Aの結果、E:実験F20の結果。
【図5】Xanifolia−Y処置によるES2細胞におけるアンジオポイエチン2の合成の増加を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
マイクロアレイ:マイクロアレイによるY処理後のES2細胞の遺伝子発現の分析
本発明において、遺伝子発現の研究においてマイクロアレイ実験を行った。総数54,676の遺伝子が研究されている。
【0055】
細胞培養および薬物処理。ES2細胞をT−25フラスコ中にフラスコあたり4,500,000細胞で24時間播種した。細胞培養物を、xanifolia−Y(Y)を含む新鮮な培地またはDMSO薬物を含まない対照(D)で24時間置換した。細胞を次いでRNA単離のために採取した。三つの実験を行った。
【0056】
RNA抽出、標識、ハイブリダイゼーション、およびデータ分析。Qiagen RNeasy Kitを用いて腫瘍細胞からRNAを抽出した。RNAの質および量をAgilent BioAnalyzerおよびNanoDrop(登録商標)ND−1000分光光度計をそれぞれ用いてチェックした後、さらに操作した。第1および第2のcDNAストランドを、20ngの全RNAからAffymetrix T7オリゴ(dT)プライマープロトコルおよび2サイクル増幅用キットを用いて合成した。増幅されたビオチン標識cRNAを産生するために、Ambionから入手したMegaScriptキットを用いたインビトロ転写によりcDNAを逆転写した。15.0μgの標識cRNAをフラグメント化し、NanoDrop(登録商標)ND−1000分光光度計を用いて濃度について再チェックした。Affymetrixスパイクイン対照およびフラグメント化標識cRNAを含むハイブリダイゼーションカクテルをヒトU133 Plus 2.0 GeneChip(登録商標)オリゴヌクレオチドアレイ上に負荷した。Affymetrixアレイ(Affymetrix、Inc.Santa Clara、CA)は、1,300,000を超える独自のオリゴヌクレオチド特性からなり、この特性は38,500の十分な裏付けがあるヒト遺伝子を表す。アレイを16時間45℃で、60rpmで回転しながらハイブリダイズし、次いで洗浄し、ストレプトアビジン、R−フィコエリトリン複合体ステインでAffymetrix Fluidicis Station450上で染色した。ビオチニル化抗ストレプトアビジンを用いてシグナル増幅を行った。オートローダーを有するGeneChip(登録商標)3000共焦点レーザースキャナを用いてアレイをスキャンした。画像を分析し、Affymetrix GCOSソフトウェアバージョン1.4を用いて品質管理メトリクスを記録した。最後に、Plierアルゴリズムに基づくdChip PM−onlyモデルを用いて各遺伝子の発現値を計算した。
【0057】
データ分析法
対比較を次のようにして行った。処理対対照(Y対D)、修飾薬対対照(YM/ACY−H対D)および処理対修飾薬(Y対YM/ACH−Y)CelファイルをR統計プログラミングのBioconductorパッケージを用いて分析した。Limma分析によりサンプル間で変化する妥当な数の遺伝子が得られた。
【0058】
未補正データをGCRMA法(ロバストマルチアレイ分析)により正規化した。これはBioconductor(http://www.bioconductor.org/)に実装されている。未補正シグナル強度データを正規化し、バックグラウンドを補正し、ある統計モデルに基づいて集約し、log2スケールの発現値をプローブ対ごとのチップごとに得る。次に、処理対間で遺伝子発現の有意な変化はないという帰無仮説を試験した。これはLIMMAにより行い、これもBioconductorに組み込まれている。これは実験的Bayes法を用いて遺伝子発現における差異を推定する。比較、即ちハイグレード対ローグレードの比較を行った。未補正p値を誤差発見率(false discovery rate(FDR))制御のためのBenjamnin−Hochberg法により調整した。全てのデータセットはp値が0.05未満である有意な数の遺伝子を含んでいた。これは遺伝子が識別的発現されない(擬陽性)確率が1:20ということである。
【0059】
全ての発現データをp値(0.05)によりフィルタする。
【0060】
未補正のp値を誤差発見率(FDR)制御のためのBenjamnin−Hochberg法により調整して、調整されたp値を得た。
【0061】
ウェスタンブロット
本発明の化合物で処理された細胞および処理されていない細胞において特異的タンパク質を検出するための方法として、ウェスタンブロットを本発明において適用する。ここで、細胞は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫、腎臓癌および頸癌である。
【0062】
細胞:標的細胞をRPMI1640培地中で成長させた。1,500,000個の細胞をT25フラスコ中に播種し、24時間成長させた後、薬物処理した。
【0063】
薬物処理:2.5ulのDMSO(対照として)[D]、または10、20、30、40、80ug/mlの試験化合物のいずれかを含む新鮮なRPMI培地で細胞培養物を置換した。24時間後、培地のアリコートをフィブロネクチン決定(ウェスタンブロット法)のために採取した。
【0064】
24時間での細胞生存性をMTTアッセイにより決定した。MTTを含むRPMI培地(5ml)で培養物を置換し、1時間インキュベートした。形成されたホルマザンを10mlのDMSO中に溶解させ、570nmでのODを測定した(MTT単位)。
【0065】
ウェスタンブロット:使用済み培地をSDS試料緩衝液と混合し、3分間沸騰させた後、SDSゲルに載せた。試料を6〜10%のSDSゲルに塗布し、100ボルトで2時間電気泳動を行った。タンパク質を電気泳動によりニトロセルロース膜に移した。ニトロセルロースブロットを第1抗体および第2抗体(AP複合、Promega S3721)とともにインキュベートした。BCIP/NBT発色装置を用いてイムノバンドを発現させた。
【0066】
ウェスタンバンド強度の決定:ウェスタンブロットのバンド画像を、デジタルカメラを用いて取り込み、バンドの強度を、「Image J」ソフトウェアを用いて決定した。
【0067】
本発明は、接着タンパク質を調節するため、接着タンパク質を減少させるため、またはフィブロネクチンの分泌を減少させるため、慢性静脈不全、末梢浮腫、高脂血症、慢性静脈疾患、静脈瘤疾患、静脈瘤性症候群、静脈鬱滞、去痰剤、末梢血管障害、脳器質けいれん、脳循環障害、脳浮腫、精神病、月経困難症、痔、会陰切開、末梢浮腫形成もしくは術後腫脹を治療するため、痛みの症状を軽減するため、腹痛の症状を軽減するため、脚部痛みの症状を軽減するため、掻痒、下肢体積、血栓症、静脈血栓症を治療するため、リウマチを治療するため、胃潰瘍抗痙攣薬を予防するため、癌細胞の移動、転移をブロックするため、または腫瘍成長を阻害するための、有効量の、Xanifolia Y1、Y2、Y、Y7、Y8、Y9、Y10、Y0と称するトリテルペノイドサポニンまたはこれらの誘導体を含む組成物を提供する。一実施形態において、方法は、Xanifolia Y0、Y1、Y2、Y、Y7、Y8、Y9、Y10、Xanifolia(x)、エスシンもしくはアエスシンまたはこれらの塩、エステル、代謝産物を含む本出願における化合物を接触させる。一実施形態において、化合物を式(1A)、(1B)、(1C)および(1D)から選択できる。一実施形態において、化合物はトリテルペン骨格、2個のアンゲロイル基および糖部分を含む。一実施形態において、化合物は本出願における化合物A〜XおよびA1〜X1から選択される。一実施形態において、化合物は本出願における化合物Z1〜Z7から選択される。
【0068】
本発明は接着タンパク質または細胞上のこれらの受容体を減少させるための方法を提供し、ここで接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。一実施形態において、方法は癌細胞の移動、転移をブロックできるか、または癌の成長もしくは抗血管形成を阻害でき、ここで癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫癌、腎臓癌および頸癌を含む。
【0069】
本発明は、接着タンパク質またはこれらの受容体と相互作用する方法を提供し、ここでこの接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。一実施形態において、本発明はフィブロネクチンの分泌を減少させる方法を提供する。さらに、この方法は癌細胞の移動、転移をブロックするか、または哺乳動物の癌を治療し、前記哺乳動物に治療上有効量の、本発明における分子式または化合物を含む組成物を含む医薬組成物を投与することを含む。癌は、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、頸癌、肝臓癌、骨肉腫、脳腫瘍および皮膚癌を含む。化合物はXanifolia Y0、Y1、Y2、Y、Y7、Y8、Y9、Y10、またはこれらの塩、エステル、代謝産物を含む。本発明の化合物を天然源から単離できるか、または合成できる。
【0070】
本出願における実験結果および2006年9月7日に出願された国際出願PCT/US05/31900号、2005年2月14日に出願された米国特許出願第10/906,303号、2004年12月23日に出願された国際出願PCT/US04/43465号、2004年10月8日に出願された国際出願PCT/US04/33359号および2005年5月17日に出願された米国特許出願第11/131551号、2007年8月30日に出願された国際出願PCT/US2007/077273号(その内容は本発明の一部として参照される)を参照のこと。
【0071】
化合物の塩はナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩を含む。
【0072】
静脈不全、特に痔の阻害または脚部腫脹、もしくは末梢浮腫、高脂血症、慢性静脈疾患、静脈瘤疾患、静脈瘤性症候群、静脈鬱滞、去痰剤、末梢血管障害、脳器質けいれん、脳循環障害、脳浮腫、精神病、月経困難症、痔、会陰切開、ハモノイド(hamonhoids)、末梢浮腫形成もしくは術後腫脹の阻害、痛みの症状の軽減、腹痛の症状の軽減、脚部痛みの症状の軽減、掻痒、下肢体積、血栓症、静脈血栓症の治療、胃潰瘍抗痙攣薬の予防のための化合物の塩。
【0073】
本発明は接着タンパク質またはこれらの受容体を調節するか、癌細胞の接着能を低下させる方法を提供し、ここで調節は正または負の制御することを含む。一実施形態において、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。一実施形態において、方法はフィブロネクチンの分泌を減少させる。本発明は癌細胞の移動、転移をブロックするか、または癌細胞成長を阻害する方法を提供し、この方法は有効量の、本発明における分子式を含む組成物または化合物を含む医薬組成物を投与することを含む。癌は、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫癌、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、頸癌、肝臓癌、骨肉腫、脳腫瘍および皮膚癌を含む。本発明の化合物は天然源から単離できるか、または合成できる。一実施形態において、方法は化合物を接触させ、ここで化合物は次のものから選択される:
【0074】
【化15】

3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル、22−O−(2−メチルプロパノイル)−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
【0075】
【化16】

3−O−[β−D−ガラクトピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル−(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル−22−O−(アンゲロイル−2−メチルブタノイル)−3β,15α、16α、21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
【0076】
【化17】

3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(2−メチルプロパノイル)、22−O−(2−メチルプロパノイル)−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
【0077】
【化18】

3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル、22−O−ベンゾイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
【0078】
【化19】

3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル、22−O−アンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
【0079】
【化20】

3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(2−メチルプロパノイル)−O−ベンゾイル、22−O−(2−メチルプロパノイル)−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
【0080】
【化21】

3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(2−メチルプロパノイル)−O−アンゲロイル、22−O−(2−メチルブタノイル)−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
【0081】
【化22】

3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−ベンゾイル、22−O−ベンゾイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン。
【0082】
本発明は接着タンパク質を調節、制御または相互作用するための式(1B)を有する化合物から選択される化合物の使用を提供し、ここで、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。実施形態において、本発明はフィブロネクチン:
【0083】
【化23】

((1B)とも称する)
またはその塩、エステル、代謝産物の分泌を減少させる方法を提供し、式中、R1は、水素、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ジベンゾイル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アシル、アリール、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される基を含む、R2は、水素、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される基を含む、R4は、CHOR6またはCOOR6(ここで、R6は水素、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される)を表す、R3は、HまたはOHである、R1、R2、およびR6の少なくとも1つは、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される基を含む、R5は、糖部分を含み、ここでこの糖部分は、D−グルコース、D−ガラクトース、L−ラムノース、L−アラビノース、D−キシロース、アルズロン酸、D−グルクロン酸、D−ガラクツロン酸またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせに限定されないが、これらのうちの少なくとも1つを含む。一実施形態において、R1は糖部分を含み、これはアンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される2個の基で置換されている。
【0084】
一実施形態において、R1は糖部分を含み、これはアンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される少なくとも1つの基で置換されている。
【0085】
一実施形態において、R2は、糖部分を含み、ここで少なくとも1つの基は、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される。
【0086】
一実施形態において、R2は糖部分または側鎖を含み、ここで少なくとも2つの基はアンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される。
【0087】
一実施形態において、R4はCHOR6またはCOOR6を含み、ここでR6は、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される少なくとも1つの基を含む糖部分である。
【0088】
一実施形態において、R4はCHOR6またはCOOR6を含み、ここでR6は、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される少なくとも2つの基を含む糖部分である。
【0089】
一実施形態において、R4はCHOR6またはCOOR6を含み、ここでR6はアンゲロイル、アセチル、チグロイルおよびセネシオイルから選択される少なくとも2つの基を含む糖部分である。
【0090】
一実施形態において、R4は式(1B)のCHOR6またはCOOR6を含み、R1、R2およびR6の少なくとも2つはアンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される基を含む。
【0091】
一実施形態において、R4は式(1B)のCHOR6またはCOOR6を含み、R1、R2およびR6の少なくとも2つはアンゲロイル、ベンゾイル、アルケノイル、またはこれらの誘導体を含む。
【0092】
一実施形態において、R4はCHOCOCH、CHCOO−アルキル、CHOH、COOH、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリックまたはヘテロアリールまたはこれらの誘導体を含む側鎖である。
【0093】
さらなる実施形態において、R5は糖部分を含み、ここでこの糖部分は、これらに限定されないが、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、またはアルズロン酸:グルクロン酸、ガラクツロン酸、もしくはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせの1以上の糖を含む。
【0094】
一実施形態において、R5は糖部分の機能を実行できる糖部分または基を含む。
【0095】
一実施形態において、R5はHを表す。
【0096】
一実施形態において、R4はH、OHまたはCHを表す。
【0097】
一実施形態において、化合物のC23、C24、C25、C26、C29およびC30位は独立してCH、CHOH、CHO、COOH、COOアルキル、COO−アリール、COO−ヘテロサイクリック、COO−ヘテロアリール、CHOアリール、CHO−ヘテロサイクリック、CHO−ヘテロアリール、アルキル基、アセチル基またはこれらの誘導体、特にCHを含む。
【0098】
一実施形態において、R1およびR2は独立してアンゲロイル基を含む。
【0099】
一実施形態において、R1は2つのアンゲロイル基を含む糖部分または側鎖を含む。
【0100】
一実施形態において、R1およびR2は独立してベンゾイル基を含む。
【0101】
一実施形態において、R1は2個のベンゾイル基で置換された糖部分である。
【0102】
一実施形態において、RはHまたはOHを表す。
【0103】
一実施形態において、R8はOHであってよい。
【0104】
前記化合物における任意の基の他の基による置換、欠失および/または付加は本出願の教示に基づいて当業者には明らかであろう。さらなる実施形態において、本発明の化合物における基の置換、欠失および/または付加は化合物の生物学的機能に実質的に影響を及ぼさない。組成物は、有効量の前記式もしくはその塩、エステル、代謝産物またはこれらの誘導体から選択される化合物を、接着タンパク質との相互作用を調節するための医薬として含み、ここで、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。一実施形態において、本発明はフィブロネクチンの分泌を減少させる方法を提供し、ここで医薬は腫瘍または癌細胞成長を阻害するため、および癌を治療するためであり、ここで、癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫癌、腎臓癌または頸癌を含む。
【0105】
本発明は、接着タンパク質を制御するか、または接着タンパク質と相互作用するための式(1D)の化合物から選択される化合物の使用を提供し、ここでこの接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。一実施形態において、本発明はフィブロネクチン:
【0106】
【化24】

((1D)とも称する)
(式中、R1は、水素、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される基を含む、R2は、水素、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される基を含む、R4は、CHOR6またはCOOR6を含み、ここでR6は、水素、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される基を含む、R3は、HまたはOHである、R5は、糖部分、D−グルコースまたはD−ガラクトースを含む、R7は、COOHを表す、R1およびR2の少なくとも1つは、アシルである)、
またはこれらの塩、エステル、代謝産物の分泌を減少させる方法を提供する。
【0107】
一実施形態において、R7は、CH、CHOH、COOHおよびCOOアルキルから選択される。
【0108】
一実施形態において、R7は、CH、CHOH、CHO、COOH、COOアルキル、COOアリール、COO−ヘテロサイクリック、COO−ヘテロアリール、CHOアリール、CHO−ヘテロサイクリック、CHO−ヘテロアリール、アルキル基、アセチル基およびこれらの誘導体から選択される。
【0109】
一実施形態において、R1は糖部分を含む化合物を表し、ここで糖部分は、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される少なくとも2つの化合物で置換されている。
【0110】
一実施形態において、R1は、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される少なくとも1つで置換された糖部分を含む化合物を表す。
【0111】
一実施形態において、R2は糖部分を含む化合物を表し、ここで糖部分はアンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される少なくとも1つで置換されている。
【0112】
一実施形態において、R2は糖部分を含む化合物またはアンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される少なくとも2つで置換された化合物を表す。
【0113】
一実施形態において、R4はCHOR6およびCOOR6から選択される基を含み、ここでR6は、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される少なくとも1つで置換された糖部分である。
【0114】
一実施形態において、R4はCHOR6およびCOOR6から選択される基を含み、ここでR6は、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される少なくとも2つで置換された糖部分である。
【0115】
一実施形態において、R4はCHOR6およびCOOR6から選択される基を含み、ここでR6は、アンゲロイル、アセチル、チグロイルおよびセネシオイルから選択される少なくとも2つで置換された糖部分である。
【0116】
一実施形態において、R4はCHOR6およびCOOR6から選択される基を含み、ここでR6は、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ジベンゾイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される少なくとも2つで置換された糖部分である。
【0117】
一実施形態において、R4はCHOR6およびCOOR6から選択される基を含み、ここでR1、R2およびR6の少なくとも2つは、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される基を含む。
【0118】
一実施形態において、R4はCHOCOCH、CHCOOアルキル、CHOH、COOH、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリールおよびこれらの誘導体から選択される基を含む。
【0119】
さらなる実施形態において、R5は糖部分、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、アルズロン酸、グルクロン酸もしくはガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせを含む。一実施形態において、R5は糖部分の機能を実施できる化合物を含む。
【0120】
さらなる実施形態において、R5はHを含む。さらなる実施形態において、R4はHまたはOHまたはCHを表す。
【0121】
一実施形態において、化合物の24位はCHまたはCHOHである。さらなる実施形態において、化合物の23、24、25、26、29、30位は独立してCH、CHOH、CHO、COOH、COOアルキル、COOアリール、COO−ヘテロサイクリック、COO−ヘテロアリール、CHOアリール、CHO−ヘテロサイクリック、CHO−ヘテロアリール、アルキル基、アセチル基またはこれらの誘導体を含む。
【0122】
一実施形態において、R5はL−グルコース、D−ガラクトース、L−ラムノース、および/またはL−アラビノースを含む糖部分を含む。
【0123】
一実施形態において、R1およびR2は独立してアンゲロイル基を含む、一実施形態において、R1は糖部分またはラムノースを含み、これらは2個のアンゲロイル基を含む。
【0124】
一実施形態において、R3はHまたはOHを表す、さらなる実施形態において、化合物は天然源から選択できるか、または合成できる。
【0125】
糖部分は1以上の糖基を含む分子のセグメントである。前記化合物における任意の基の置換、欠失および/または付加は本出願の教示に基づくと当業者には明らかであろう。さらなる実施形態において、本発明の化合物における基の置換、欠失および/または付加は化合物の生物学的機能に実質的に影響を及ぼさない。
【0126】
静脈不全、特に痔の阻害あるいは脚部腫脹、または末梢浮腫、高脂血症、慢性静脈疾患、静脈瘤疾患、静脈瘤性症候群、静脈鬱滞、去痰剤、末梢血管障害、脳器質けいれん、脳循環障害、脳浮腫、精神病、月経困難症、痔、会陰切開、ハモノイド(hamonhoids)、末梢浮腫形成もしくは術後腫脹の阻害、痛みの症状の軽減、腹痛の症状の軽減、脚部痛みの症状の軽減、掻痒、下肢体積、血栓症、の治療、胃潰瘍抗痙攣薬の予防の方法であり、これを必要とする対象に、有効量の、前記化合物のいずれか1つの組成物を投与することを含む方法は、アンゲロイル、チグロイル、セネシオイル、好ましくは2個のアンゲロイル基、および糖部分、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、アルズロン酸、グルクロン酸もしくはガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせ、好ましくはグルクロン酸、ガラクツロン酸、グルコース、ガラクトースおよびアラビノースから選択されるもののうち任意の2つを含むトリテルペンを含む。方法は接着タンパク質を調節するかまたは接着タンパク質と相互作用し、ここで接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む。一実施形態において、方法はフィブロネクチンの分泌を減少させる。
【0127】
本発明は、癌細胞の膜の特性(ここで特性は接着タンパク質を減少させることを含み、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む)を変更することにより、癌細胞の成長、移動、転移を阻害する方法を提供し、この方法はフィブロネクチンの分泌を阻害することを含み、この方法は、これを必要とする対象に、適切な量の、2以上のアンゲロイル基を含むトリテルペノイドサポニン、またはアンゲロイル、チグロイル、セネシオイルのいずれか2個、好ましくは2個のアンゲロイル基、および糖部分、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、アルズロン酸、グルクロン酸もしくはガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせ、好ましくはグルクロン酸、ガラクツロン酸、グルコース、ガラクトースおよびアラビノースから選択されるものを含むトリテルペンを含む化合物を投与することを含む。本発明は、接着タンパク質を減少させるため(ここで接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む)、癌の成長、移動、転移を阻害するため(ここで癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫癌、腎臓癌または頸癌を含む)の医薬として、前記式から選択される化合物またはそれらの塩、エステル、代謝産物またはこれらの誘導体のいずれかの化合物を有効量含む組成物を提供する。
【0128】
本発明は、接着タンパク質を減少させるための、前記化合物またはこれらの誘導体を含む組成物も提供し、ここで、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含み、これはフィブロネクチンの分泌を阻害することを含み、静脈不全、特に痔を治療するため、または脚部腫脹、もしくは末梢浮腫、高脂血症、慢性静脈疾患、静脈瘤疾患、静脈瘤性症候群、静脈鬱滞、去痰剤、末梢血管障害、脳器質けいれん、脳循環障害、脳浮腫、精神病、月経困難症、会陰切開、ヘモノイド(hemonhoid)、末梢浮腫形成もしくは術後腫脹を阻害するため、痛みの症状を軽減するため、腹痛の症状を軽減するため、脚部痛みの症状を軽減するため、掻痒、下肢体積、血栓症、静脈血栓症を治療するため、胃潰瘍抗痙攣薬を予防するためのものであり、これを必要とする対象に、有効量の組成物を投与することを含む。
【0129】
前記のうちの一実施形態において、次式:
3−O−{[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−[α−L−アラビノフラノシル(1→3)]−β−D−グルクロノピラノシドブチルエステル}−21−O−アセチル−22−O−アンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジアンゲロイル)−α−L−ラムノピラノシル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
3−O−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エン、
3−O−[β−グルコピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,24β,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジアンゲロイル)−α−ラムノピラノシル−28−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル、22−O−(2−メチルプロパノイル)−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
3−O−[β−D−ガラクトピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル−(1→3)−β−D−−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル−28−O−2−メチルブタノイル−3β,15α,16α、21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
を有するトリテルペノイドサポニンのいずれか1つを含む組成物の使用。
【0130】
本発明は、接着タンパク質の制御または減少(ここで接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む)、静脈不全、特に痔の阻害または脚部腫脹の阻害、および癌成長の阻害に有効な量で前記化合物を含む組成物を提供する。癌としては、これらに限定されないが、膀胱癌、骨肉腫、皮膚癌および卵巣癌が挙げられる。
【0131】
本発明はまた、接着タンパク質の制御または減少(ここで、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、CD44、ミオシンVI、ビトロネクチンコラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカンおよびFAKを含む)、静脈不全、特に痔の阻害または脚部腫脹の阻害、または成長の阻害のための組成物であって、次の化合物から選択される化合物のいずれかを含む組成物も提供する:
A)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
B)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジアンゲロイル)−α−L−ラムノピラノシル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
C)3−O−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−(−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エン、
D)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン
E)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジアンゲロイル)−α−ラムノピラノシル−28−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
F)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
G)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジベンゾイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
H)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジベンゾイル)−α−L−ラムノピラノシル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
I)3−O−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−(−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジベンゾイル−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エン、
J)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジベンゾイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
K)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジベンゾイル)−α−ラムノピラノシル−28−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
L)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジベンゾイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
M)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジベンゾイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
N)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジベンゾイル)−α−L−ラムノピラノシル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
O)3−O−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−(−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジベンゾイル−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エン
P)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジベンゾイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
Q)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−キシロピラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジベンゾイル)−α−ラムノピラノシル−28−O−アセチル−Sβ,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
R)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−キシロピラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジベンゾイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
S)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
T)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジアンゲロイル)−α−L−ラムノピラノシル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
U)3−O−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−(−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エン、
V)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
W)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジアンゲロイル)−α−ラムノピラノシル−28−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
X)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン。
【0132】
本発明は、接着タンパク質を制御または減少させるための組成物を提供し、ここで、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含む)、ここで、癌細胞の移動、転移をブロック、静脈不全、特に痔の阻害、または脚部腫脹の阻害、癌成長の阻害は、次のものから選択される化合物のいずれかを含む:
A1)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル,22−O−ベンゾイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
B1)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(3−アンゲロイル、4−ベンゾイル)−α−L−ラムノピラノシル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
C1)3−O−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−(−D−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル,22−O−ベンゾイル−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エン、
D1)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル、22−ベンゾイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
E1)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−F)(3−アンゲロイル、4−ベンゾイル)−α−ラムノピラノシル−28−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
F1)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル、22−O−ベンゾイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
G1)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−ベンゾイル、22−O−アンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
H1)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(3−ベンゾイル、4−アンゲロイル)−α−L−ラムノピラノシル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
I1)3−O−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−(−D−グルクロノピラノシル−21−O−ベンゾイル、22−O−アンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エン、
J1)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−ベンゾイル、22−O−アンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
K1)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−(3−ベンゾイル、4−アンゲロイル)−α−ラムノピラノシル−28−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
L1)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−ベンゾイル、22−O−アンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
M1)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル、22−O−ベンゾイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
N1)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(3−アンゲロイル、4−ジベンゾイル)−α−L−ラムノピラノシル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
O1)3−O−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−(−D−グルクロノピラノシル−21−O−21−O−アンゲロイル、22−O−ベンゾイル−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エン、
P1)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−2121−O−アンゲロイル、22−O−ベンゾイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
Q1)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−キシロピラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−(3−アンゲロイル、4−ジベンゾイル)−α−ラムノピラノシル−28−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
R1)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−キシロピラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−アンゲロイル、22−O−ベンゾイル−−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
S1)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−ベンゾイル、22−O−アンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、
T1)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(3−ベンゾイル、4−アンゲロイル)−α−L−ラムノピラノシル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
U1)3−O−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−(−D−グルクロノピラノシル−21−O−ベンゾイル、22−O−アンゲロイル−−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エン、
V1)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−ベンゾイル、22−O−アンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
W1)3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−(3−ベンゾイル、4−アンゲロイル)−α−ラムノピラノシル−28−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン、
X1)3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−β−D−キシロピラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−ベンゾイル、22−O−アンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン。
【0133】
静脈不全、特に痔を阻害するため、または脚部腫脹を阻害するために、本発明において前述した特性構造を有するトリテルペノイドサポニンを用いることができる。癌細胞の移動、転移をブロックするため、癌成長を軽減または阻害するために、本発明において前述した特性構造を有するトリテルペノイドサポニンを用いることができる。癌としては、これらに限定されないが、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫癌、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、頸癌、肝臓癌、骨肉腫、脳腫瘍および皮膚癌が挙げられる。細胞膜構造および接着プロセスに影響を及ぼすために本発明において前述した特有の構造を有するトリテルペノイドサポニンを使用できる。一実施形態において、接着タンパク質を制御するまたは減少させて、癌細胞の移動、転移、癌の成長をブロックする方法を提供する。一実施形態において、方法は癌細胞の接着能を低下させることを含む。一実施形態において、接着タンパク質はIgSF CAM、セクレチン、インテグリンまたはカドヘリンを含む。一実施形態において、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAKを含み、一実施形態において、化合物はトリテルペノイドサポニンまたはサポゲニンであり(ここでトリテルペノイドサポニンは、アンゲロイル基、チグロイル基、もしくはセネシオイル基、またはこれらの組み合わせの少なくとも1個または2個を炭素21および/または22、または28で、サポゲニンに直接結合しているか、または糖部分に結合した状態で含む)、静脈瘤疾患を治療するため、静脈不全、特に痔を阻害するためまたは脚部腫脹を阻害するため、癌成長を軽減または阻害するために使用できる。一実施形態において、化合物は、少なくとも2個のアンゲロイル基、チグロイル基、もしくはセネシオイル基、またはこれらの組み合わせおよび糖部分を含む5環式トリテルペンサポニンである。アンゲロイル基は5個の環の一方の末端の側鎖に結合し、糖部分は5個の環の他方の末端の環の側鎖に結合している。一実施形態において、化合物は少なくとも2個のアンゲロイル基、チグロイル基、もしくはセネシオイル基、またはこれらの組み合わせおよび糖部分を含む。アンゲロイル基および糖部分はそれぞれ化合物の骨格の側鎖に結合している。一実施形態において、アンゲロイルは、アンゲロイル基として機能する官能基により置換することができる。一実施形態において、糖部分または鎖はC3または他の位置にあり、これらに限定されないがグルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、アルズロン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせ、好ましくはD−グルコース、D−ガラクトース、L−ラムノース、L−アラビノース、D−グルクロン酸もしくはD−ガラクツロン酸のアルズロン酸、またはこれらの組み合わせ、またはこれらの誘導体から選択される1以上の糖を含む。さらなる実施形態において、CHまたはCHOHまたはCOOHまたはアセチル基はC23〜30で独立して結合し得る。腫瘍細胞成長を制御または阻害するサポニン化合物の活性は、アンゲロイル基、チグロイル基、セネシオイル基もしくはアセチル基などの官能基、またはこれらの組み合わせを有するその構造に基づくかまたは起因する。
【0134】
本発明は:
【0135】
【化25】

(式中、R1およびR2は、アンゲロイル基、チグロイル基、セネシオイル基もしくはアセチル基またはこれらの組み合わせを含み、好ましくはR1およびR2はアンゲロイル基を含む。一実施形態において、R1およびR2は、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、または2〜5個の炭素を有する酸もしくはこれらの誘導体から選択される化合物を含む)
【0136】
【化26】

(式中、R1およびR2は、アンゲロイル基、チグロイル基、セネシオイル基もしくはアセチル基またはこれらの組み合わせを含み、好ましくは、R1およびR2はアンゲロイル基を含む。
【0137】
一実施形態において、R1およびR2は、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、または2〜5個の炭素を有する酸もしくはこれらの誘導体から選択される化合物を含む。
【0138】
一実施形態において、化合物は糖部分をさらに含む。
【0139】
さらなる実施形態において、糖部分はグルコース、ガラクトースまたはアラビノースまたはこれらの組み合わせを含む。
【0140】
一実施形態において、糖部分は少なくとも1つの糖、もしくはグルコース、もしくはガラクトース、もしくはラムノース、もしくはアラビノース、もしくはキシロース、もしくはアルズロン酸、もしくはグルクロン酸、もしくはガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせを含む。
【0141】
一実施形態において、R1またはR2は構造の他の位置で結合し得る)
【0142】
【化27】

(式中、R1、R2またはR3は、アンゲロイル基、チグロイル基、セネシオイル基またはアセチル基またはこれらの組み合わせを含み、好ましくはR1、R2およびR3の少なくとも2つはアンゲロイル基を含む。実施形態において、R1、R2およびR3の少なくとも2つは、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、または2〜5個の炭素を有する酸もしくはこれらの誘導体から選択される化合物を含む。
【0143】
一実施形態において、R1、R2およびR3の少なくとも1つは、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、または2〜5個の炭素を有する酸もしくはこれらの誘導体から選択される2つの化合物を含む糖部分を含む。
【0144】
一実施形態において、化合物は糖部分を含む。一実施形態において、糖部分は、R1、R2およびR3の反対側の、構造(d)の一方の末端で結合している。さらなる実施形態において、糖部分はグルコース、ガラクトースもしくはアラビノースまたはこれらの組み合わせを含む。
【0145】
さらなる実施形態において、糖部分は、少なくとも1つの糖、もしくはグルコース、もしくはガラクトース、もしくはラムノース、もしくはアラビノース、もしくはキシロース、もしくアルズロン酸、もしくはグルクロン酸、もしくはガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせを含む。
【0146】
さらなる実施形態において、糖部分は、これらに限定されないが、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、アルズロン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせから選択される1以上の糖を含む。一実施形態において、R1、R2およびR3は構造の他の位置で結合し得る)、
の構造を有する化合物を含む組成物を提供する。
【0147】
一実施形態において、化合物はトリテルペノイドサポニンであり、これは少なくとも2個のアンゲロイル基、チグロイル基、セネシオイル基もしくアセチル基またはこれらの組み合わせ、好ましくは少なくとも2個のアンゲロイル基を含む。
【0148】
一実施形態において、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、または2〜5個の炭素を有する酸もしくはこれらの誘導体から選択される少なくとも2つの化合物。
【0149】
一実施形態において、側鎖結合の少なくとも1つは、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、または2〜5個の炭素を有する酸もしくはこれらの誘導体から選択される2つの化合物を含む糖部分を含む。
【0150】
一実施形態において、化合物は糖部分を含む。さらなる実施形態において、糖部分はグルコース、ガラクトースもしくはアラビノースまたはこれらの組み合わせを含む。さらなる実施形態において、糖部分は少なくとも1つの糖、もしくはグルコース、もしくはガラクトース、もしくはラムノース、もしくはアラビノース、もしくはキシロース、もしくはアルズロン酸、もしくはグルクロン酸、もしくはガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせを含む。
【0151】
さらなる実施形態において、糖部分はこれらに限定されないが、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、アルズロン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせから選択される1以上の糖を含む。
【0152】
一実施形態において、トリテルペンは次の構造を含み、接着タンパク質を減少させて、癌細胞の移動、転移、癌の成長をブロックする作用を有する。
【0153】
【化28】

(式中、R1、R2およびR3の少なくとも2つは、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、または2〜5個の炭素を有する酸もしくはこれらの誘導体から選択される化合物を含む。一実施形態において、R1、R2およびR3の少なくとも1つは、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、アルキル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、または2〜5個の炭素を有する酸もしくはこれらの誘導体から選択される2つの化合物を含む糖部分を含む。実施形態において、R1、R2またはR3はアンゲロイル基、チグロイル基、セネシオイル基もしくはアセチル基またはこれらの組み合わせを含み、好ましくはR1、R2およびR3の少なくとも1つはアンゲロイル基を含む。
【0154】
一実施形態において、R5は糖部分を含む。一実施形態において、糖部分は少なくとも1つの糖、もしくはグルコース、もしくはガラクトース、もしくはラムノース、もしくはアラビノース、もしくはキシロース、もしくはアルズロン酸、もしくはグルクロン酸、もしくはガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせを含む。一実施形態において、糖部分は、これらに限定されないが、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、アルズロン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせから選択される1以上の糖を含む。一実施形態において、糖部分はグルコース、ガラクトースもしくはアラビノース、またはこれらの組み合わせ、またはこれらの誘導体を含む。一実施形態において、糖部分はアルズロン酸、ガラクトースおよびアラビノースを含み、ここでアルズロン酸はグルクロン酸またはガラクツロン酸を含む。一実施形態において、糖部分はアルズロン酸、グルコースおよびアラビノースを含み、ここでアルズロン酸はグルクロン酸またはガラクツロン酸を含む。
【0155】
一実施形態において、R1、R2およびR3は、構造の他の位置で結合することができる)。
【0156】
一実施形態において、化合物はトリテルペノイドサポニンであり、これは少なくとも2つのアンゲロイル基、チグロイル基、セネシオイル基もしくはアセチル基またはこれらの組み合わせ、好ましくは少なくとも2つのアンゲロイル基を含む。
【0157】
一実施形態において、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、または2〜5個の炭素を有する酸もしくはこれらの誘導体から選択される少なくとも2つの化合物。
【0158】
一実施形態において、側鎖結合の少なくとも1つは、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、または2〜5個の炭素を有する酸もしくはこれらの誘導体から選択される2つの化合物を含む糖部分を含む。
【0159】
一実施形態において、化合物は糖部分を含む。さらなる実施形態において、糖部分はグルコース、ガラクトースもしくはアラビノースまたはこれらの組み合わせを含む。
【0160】
さらなる実施形態において、糖部分は少なくとも1つの糖、もしくはグルコース、もしくはガラクトース、もしくはラムノース、もしくはアラビノース、もしくはキシロース、もしくはアルズロン酸、もしくはグルクロン酸、もしくはガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせを含む。
【0161】
さらなる実施形態において、糖部分は、これらに限定されないが、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、アルズロン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、またはこれらの誘導体、またはこれらの組み合わせから選択される1以上の糖を含む。
【0162】
接着タンパク質の制御または減少、癌細胞の移動、転移のブロック、腫瘍または癌細胞成長の阻害および癌の治療のための医薬として、前記式から選択される化合物またはその塩、エステル、代謝産物または誘導体を有効量含む組成物であって、ここで、癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫、腎臓および頸癌を含む。
【0163】
さらなる実施形態において、化合物またはサポゲニンは構造(d)または(e)を含み、抗癌活性またはウイルス阻害活性を有する。
【0164】
接着タンパク質を調節または減少させるか、癌細胞の移動、転移をブロックするか、癌を治療するか、またはウイルスを阻害するための組成物は、化合物を含み、ここでこの化合物はトリテルペンであり、これはアンゲロイル基を含む少なくとも2つの側鎖を含み、ここでこの側鎖は隣接する炭素でトランス位である。一実施形態において、側鎖は別の炭素でシス位にある。一実施形態において、側鎖は別の炭素でトランス位にある。一実施形態において、側鎖はアシルを結合する。一実施形態において、側鎖は不飽和基を結合する。
【0165】
一実施形態において、側鎖は非隣接炭素シスまたはトランス位にある。一実施形態において、側鎖はアンゲロイル基の機能を実施できる官能基を含む。
【0166】
前記化合物は、これを必要とする対象に、有効量の前記化合物を投与することにより、接着タンパク質を調節または減少させるため、癌細胞の移動、転移をブロックするため、腫瘍細胞成長を阻害するため、下肢腫脹、慢性静脈不全、末梢浮腫、高脂血症、慢性静脈疾患、静脈瘤疾患、静脈瘤性症候群、静脈鬱滞、去痰剤、末梢血管障害の症状を軽減するために使用できる。
【0167】
本発明は、対象における腫瘍細胞成長の阻害、細胞成長の調節、炎症の軽減のための方法であって、これを必要とする対象に、前記構造のいずれかを含む有効量の化合物を投与することを含む方法を提供する。癌としては、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫癌、卵巣癌、腎臓癌、前立腺癌、乳癌、膀胱癌、頸癌、肝臓癌、骨肉腫、脳腫瘍および皮膚癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0168】
本発明は、腫脹を軽減し、慢性静脈不全、末梢浮腫、高脂血症、慢性静脈疾患、静脈瘤疾患、静脈瘤性症候群、静脈鬱滞、去痰剤、末梢血管障害、脳器質けいれん、脳循環障害、脳浮腫、精神病、月経困難症、痔、会陰切開、末梢浮腫形成または術後腫脹の症状を軽減し、脚部痛みの症状を軽減し、掻痒、下肢体積を治療し、痛み、血栓症、静脈血栓症の症状を軽減し、胃潰瘍抗痙攣薬を予防するための方法であって、これを必要とする対象に、有効量の本発明の組成物を投与することを含む方法も提供する。
【0169】
本発明は、癌を治療するため、ウイルスを阻害するため、脳の加齢を予防するため、記憶を改善するため、大脳機能を改善するため、夜尿症、頻尿、尿失禁、認知症、アルツハイマー病、自閉症、脳損傷、パーキンソン病または脳機能障害により引き起こされる他の疾患を治療するため、関節炎、リウマチ、血行不良、動脈硬化症、レイノー症候群、狭心症、心疾患、冠状動脈性心疾患、頭痛、目まい、腎疾患、脳血管疾患を治療するため、NF−Kappa B活性化を阻害するため、脳水腫、重症急性呼吸器症候群、呼吸器ウイルス疾患、慢性静脈不全、高血圧、慢性静脈疾患、抗浮腫、抗炎症、ヘモノイド(hemonhoids)、末梢浮腫形成、静脈瘤疾患、流感、外傷後浮腫および術後腫脹を治療するため、凝血を阻害するため、エタノール吸収を阻害するため、血糖を下げるため、アデノコルチコトロピンおよびコルチコステロンレベルを制御するために本発明において提供される化合物を含む組成物を提供する。本発明は、抗MS、抗動脈瘤、抗喘息、抗ブラジキニン、抗毛細血管出血、抗頭痛、抗頸腕痛、抗子癇、抗浮腫、抗脳炎、抗咽頭蓋炎、抗滲出、流感治療、骨折治療、抗歯肉炎、抗血腫、抗ヘルペス、抗ヒスタミン、抗ヒドラスリティック(antihydrathritic)、抗髄膜炎、抗酸化、抗歯周病、抗静脈炎、抗胸膜炎、抗嗄声、抗鼻炎、抗扁桃腺炎、抗潰瘍、抗静脈瘤、抗めまい、癌静止、コルチコステロイド産生、利尿、殺菌、溶血、ヒアルロニダーゼ阻害剤、リンパ生成促進物質、ナトリウム排泄増加、殺虫剤、下垂体刺激剤、チモール分解、血管保護、および静脈強壮治療のための組成物を提供する。
【0170】
アルケニルとは、1〜7個の炭素原子および1以上の二重結合を有する不飽和直線状または分岐構造およびこれらの組み合わせを意味する。アルケニル基の非制限的例としては、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、s−およびt−ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ならびにヘキサジエニルが挙げられる。
【0171】
アリールは、ベンゼン、1〜3個のベンゼン環を含む6〜14員炭素環式芳香環系などの芳香族化合物由来の有機分子の官能基である。2以上の芳香環が存在するならば、環は縮合して、隣接する環は共通の結合を共有する。例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。アリール基は、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシから独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよい。
【0172】
アシルは、カルボキシルの除去により有機酸から得られる官能基である。アシル基は、一般式−CORを有すると記載でき、炭素と酸素との間に二重結合が存在する。アシル基の名称は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルおよびベンゾイルなど、典型的には語尾が−イルである。
【0173】
ベンゾイルはアシルの1つであり(CCOR)、安息香酸からカルボキシルを除去することにより得られる。
【0174】
ヘテロサイクリック化合物−1〜4個のヘテロ原子を有する非芳香環であるヘテロ環を含む化合物であり、前記環は単一であるか、または0〜4個のヘテロ原子を含む3〜7員脂環式環、アリールおよびヘテロアリールから選択される第2の環と縮合し、前記ヘテロ環はピロリジニル、ピピラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、チオモルホリニルなどを含む。
【0175】
ヘテロシクリル基は任意の環原子から水素原子を除去することによりヘテロアレーンから誘導される。
【0176】
アルカノイルは有機官能基RCO−(式中、Rは水素またはアルキル基を表す)の一般名である。好ましくは、アルカノイルは、アセチル、プロピオノイル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイルおよびヘキサノイルから選択される。)
アルケノイルは、アルケニルが前記定義のとおりであるアルケニルカルボニルである。例は、ペンテノイル(チグロイル)およびヘキセノイル(アンゲロイル)である。
【0177】
アルキルは、1〜18個の炭素原子を有する、鎖状、分岐、環状もしくは二環式構造またはこれらの組み合わせに配列した炭素および水素原子のみを含むラジカルである。例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−およびt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0178】
ベンゾイルアルキル置換アルカノイルは、少なくとも1個のベンゾイルおよび少なくとも1個のアルキルで置換された直線状または分岐C1〜C6アルカノイルを意味し、ここでベンゾイルは直線状または分岐C1〜C6アルキルに結合している。好ましくは、ベンゾイルアルキル置換アルカノイルはベンゾイルメチルイソブタノイルである。
【0179】
糖部分は1以上の糖またはこれらの誘導体またはアルズロン酸を含む分子のセグメントである。
【0180】
イソブチリルは2−メチルプロパノイルの同義語である。
【0181】
YおよびY3は同じ化合物を表す。
【0182】
YMおよび(ACH−Y)は同じ化合物を表す。
【0183】
本発明は、癌細胞膜の特性を変更して、癌細胞の移動、転移をブロックするか、または癌の成長もしくは抗血管形成を阻害する方法を提供する。
【0184】
本発明は、癌細胞膜の特性を変更することにより、癌の成長、移動、転移を阻害する方法を提供し、ここでこの特性は接着タンパク質を含み、癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫癌、腎臓癌または頸癌を含み、この方法はXanifolia Y0、Y1、Y2、Y、Y7、Y8、Y9、Y10、またはこれらの塩、エステル、代謝産物を接触させる。
【0185】
本発明は、癌細胞膜の接着特性を変更することにより、癌の成長、移動、転移を阻害するための組成物および方法を提供し、ここで癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫、腎臓癌または頸癌を含み、この方法はXanifolia Y0、Y1、Y2、Y、Y7、Y8、Y9、Y10、またはこれらの塩、エステル、代謝産物を接触させる。一実施形態において、方法は本出願における式から選択される化合物を接触させる。
【0186】
本出願は、Xanifolia−YがDNA阻害薬または微小管標的薬の代替または補足剤であることを示す。単独または異なるメカニズムの(M期進行またはDNA合成をブロックする)他の薬物と併用されるならば有用であり得る。本発明は、ES2細胞成長の阻害に対するXanifolia−Yおよびパクリタキセルの複合効果を示す(詳細は2007年3月7日に出願された米国特許出願第11/683198号、実験14)。
【0187】
卵巣癌細胞における接着タンパク質のXanifolia−Yの結合標的およびシグナル化タンパク質を同定する。
【0188】
本発明者等の動物実験で、Xanifolia−Yが腫瘍を有するマウスの寿命を延長することがわかった。(2007年3月7日に出願された米国特許出願第11/683198号の実験7、8、9参照)。動物は、Xanifolia−Yの処理が遅れると、より早く死亡した(腫瘍接種後1、4、または10日から始めた治療の結果と比較して)。この結果は、Xanifolia−Yが接種された癌細胞の移動または転移を阻害することを示す。卵巣癌細胞は高レベルの接着分子を発現する。接着タンパク質は癌細胞および中皮細胞のどちらにおいても存在する。接着が失われると、Xanifolia−Yによる調節の結果のためにタンパク質近接性がブロックされる。一実施形態において、Xanifolia−Yの膜との相互作用は接着タンパク質の結合部位を変更する。
【0189】
本発明者等は腫瘍細胞に対して細胞毒性であることを証明した。一実施形態において、Xanifolia−Yは卵巣癌細胞を殺す。本発明は、Xanifolia−Yが癌細胞成長を阻害し、腫瘍を有するマウスの寿命を延長することを証明する。本発明者等の研究は、薬物治療が早いほど、腫瘍を有する動物の寿命が長く延長されることも示す。Xanifolia−Yは移動もしくは転移のブロックまたは阻害にも効果がある。Xanifolia−Y処理が遅れると、癌細胞が腹腔における中皮内膜へ転移する可能性が増え、その結果、腫瘍成長が増え、寿命が短くなる。接着分子は細胞移動および転移において重要な役割を果たす。本発明者等の研究において、Xanifolia−Yが培養フラスコへの細胞接着を阻害することが示された。本発明者等の実験により、Xanifolia−Yファミリーが接着タンパク質の分泌を阻害することがわかった。Xanifolia−Yは接着分子の機能を妨害する。実施形態において、Xanifolia−Yは接着分子の機能をブロックする。一実施形態において、Xanifolia−Yは接着タンパク質を調節する。これは接着タンパク質をマスクすることである。一実施形態において、Xanifolia−Yは膜構造を間接的に変更し、これによりタンパク質構造、または位置が変化し、その結果、接着プロセスが損失する。一実施形態において、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAK、特にフィブロネクチンを含む。
【0190】
フィブロネクチンは、インテグリン、コラーゲン、フィブリンおよびヘパリン硫酸を含む膜貫通受容体タンパク質と結合する糖タンパク質の一種である。フィブロネクチンは腫瘍発達および転移に関与する。本出願は、フィブロネクチンの遺伝子発現を調節するため、フィブロネクチンの分泌を阻害するため、フィブロネクチンの受容体を減少させるため、フィブロネクチンの接着能を低下させるため、転移を阻害するため、または癌成長を阻害するための方法および組成物を提供し、ここでこの方法および組成物は前記対象に有効量の本出願において選択される化合物を投与することを含む。
【0191】
ビトロネクチンは血漿および細胞外マトリックスにおいて見られる豊富な糖タンパク質である。ビトロネクチンは止血および腫瘍の悪性度に関与する。本出願は、の遺伝子発現を調節するため、ビトロネクチンの受容体を減少させるため、ビトロネクチンの接着能を低下させるため、転移を阻害するため、および癌成長を阻害するための方法および組成物を提供し、ここでこの方法および組成物は本出願において選択される化合物を投与することを含む。
【0192】
インテグリンは細胞外マトリックスと相互作用する細胞表面受容体である。これらは細胞形状、移動度を規定し、細胞サイクルを制御する。インテグリンは細胞の他の細胞との接着に関与し、組織の物質部分への細胞の接着においても関与する。接着の役割の他に、インテグリンはシグナル変換にも関与する。本出願はインテグリンの遺伝子発現の調節、特にインテグリンの阻害、インテグリンの接着能の阻害、癌細胞転移の阻害、および癌成長の阻害のための方法および組成物を提供し、この方法および組成物は、本出願において選択される化合物の投与を含む。
【0193】
ラミニンはほぼ全ての動物組織における基底膜の構造の骨組みの不可欠な部分である糖タンパク質のファミリーである。これらは細胞に関連する細胞外マトリックス中に分泌され、組み入れられる。ラミニンの遺伝子発現の阻害は、細胞移動および癌細胞の転移を阻害するために細胞の接着能を低下させる。本出願は、ラミニンの遺伝子発現を調節、特にラミニンの阻害、ラミニンの接着能の阻害、癌細胞転移の阻害および癌成長の阻害のための方法および組成物を提供し、この方法および組成物は本出願において選択される化合物の投与を含む。
【0194】
CAM(細胞接着分子)は、接着プロセスにおいて他の細胞との結合に関与する、細胞表面上に位置するタンパク質である。CAMの遺伝子発現の阻害は、細胞の接着能を低下させ、細胞移動および癌細胞の転移をさらに阻害する。本出願は、CAMの遺伝子発現の調節、特にCAMの阻害、CAMの接着能の阻害、癌細胞転移の阻害および癌成長の阻害のための方法および組成物を提供し、この方法および組成物は本出願において選択される化合物の投与を含む。
【0195】
コラーゲンは哺乳動物における結合組織の主要タンパク質である。コラーゲンの遺伝子発現の阻害は、細胞移動および癌細胞の転移を阻害するために細胞の接着能を低下させる。本出願は、ラミニンの遺伝子発現の調節、特にラミニンの阻害、ラミニンの接着能の阻害、癌細胞転移の阻害および癌成長の阻害のための方法および組成物を提供し、この方法および組成物は本出願において選択される化合物の投与を含む。
【0196】
テネイシン−C(Tn−C)は細胞上の細胞外マトリックスタンパク質である。これは癌成長、浸潤および血管形成活性の正因子である。本出願はテネイシン−Cの阻害および癌成長の阻害のための方法および組成物を提供し、この方法および組成物は本出願において選択される化合物の投与を含む。
【0197】
血管形成は、新規血管の成長を含むプロセスである。これは成長および発達における正常なプロセスである。しかし、これは腫瘍が休眠状態から悪性状態へと移行する際の基本的段階でもある。アンジオポイエチンは血管形成を調節するタンパク質成長因子である。同定されたアンジオポイエチンは、アンジオポイエチン1、アンジオポイエチン2、アンジオポイエチン3、アンジオポイエチン4、アンジオポイエチン5、アンジオポイエチン6、アンジオポイエチン7、アンジオポイエチン様1、アンジオポイエチン様2、アンジオポイエチン様3、アンジオポイエチン様4、アンジオポイエチン様5、アンジオポイエチン様6、およびアンジオポイエチン様7を含む。一実施形態において、アンジオポイエチン1は新規血管を促進する正の因子である。実施形態において、アンジオポイエチン2はアンジオポイエチン1の拮抗物質であり、新規血管成長に関して負の因子である。本出願は、アンジオポイエチンを調節するため、および癌成長を阻害するための方法および組成物を提供し、ここで癌は乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫、腎臓癌および頸癌を含み、この方法および組成物は前記対象に有効量の本出願において選択される化合物を投与することを含む。本出願における化合物はアンジオポイエチン2を正に制御する。本出願における化合物はアンジオポイエチン1を負に制御する。マイクロアレイ実験の結果から、化合物YおよびYM(ACH−Y)がES2細胞においてアンジオポイエチンファミリーの遺伝子発現を制御することがわかった。これらはアンジオポイエチン2を促進し、アンジオポイエチン1およびアンジオポイエチン様1およびアンジオポイエチン様4を阻害する。
【0198】
本出願における化合物は抗血管形成であり、癌細胞転移を阻害し、癌成長を阻害し、ここでこの化合物はXanifolia Y0、Y1、Y2、Y、Y7、Y8、Y9、Y10、ACH−Yまたはこれらの塩、エステル、代謝産物ならびに式(1A)、(1B)、(1C)および(1D)から選択される化合物を含む。一実施形態において、方法はXanifolia Y0、Y1、Y2、Y、Y7、Y8、Y9、Y10、Xanifolia(x)、エスシンもしくはアエスシンまたはこれらの塩、エステル、代謝産物を含む本出願における化合物を接触させる。一実施形態において、化合物は式(1A)、(1B)、(1C)および(1D)から選択できる。一実施形態において、化合物は1個のトリテルペン骨格、2個のアンゲロイル基および糖部分を含む。一実施形態において、化合物は本出願における化合物A〜XおよびA1〜X1から選択される。一実施形態において、化合物は本出願における化合物Z1〜Z7から選択される。
【0199】
本発明者等のマイクロアレイ実験から得られるデータは、Xanifolia Yが次の遺伝子(遺伝子記号により表示)の遺伝子発現を調節することを開示する:
遺伝子記号:ABL2、ADAMTS1、AKR1C3、AMIGO2、ANGPT2、ANKRD11、AP2B1、APEH、APLP2、ARL10C、ARMC4、ARMCX1、ARMCX6、ARNTL2、ARNTL2、ATF3、ATP6V0E、ATP6V1 B2、ATP6V1C1、ATP6V1C1、BCL2A1、BCL6、BRI3、BTD、C14orf109、C14orf78、C17orf32、C6orf65,C9orf10、C9orf103、CAD、CAV1、CAV2、CBLL1、CCL20、CD33L3、CEBPB、CEP4、CFH///CFHL1、CHRDL1、CITED2、CITED2、CLDN14、CLN8、CLTA、CNAP1、COG6、COL18A1、COL4A2、COL5A1、COL5A2、COL6A3、COPG、CPM、CPNE3、CPSF1、CSRP2BP、CSTB、CTNS、CXCL2、DDB1、DDIT3、DDX20、DKFZP564I1171、DKFZP586J0619、DUSP10、DUSP10、DYRK3、EEF2K、EFEMP1、EMP1、EVC、EVI2A、EXT2、FAM62A、FER1L3、FLJ14466、FLNA、FN1、FN1、GANAB、GDF15、GEM、GNPDA1、GPAA1、GPC6、GPNMB、GPNMB、GUSB、H2AFV、H2AFV、HDAC9、HDLBP、HECW2、HMGA2、HMOX1、HSDL2、HSPBAP1、HSPC196、HYOU1、IDS、IGFBP3、IKBKAP、INSIG1、IPO4、IRS2、JAG1、KDELR3、KIAA0251、KIAA0586、KIAA1211、KIAA1462、KIAA1706、KIAA1754、KRT18、KRT7、KRTAP4−7、LAMP2、LEPR、LEPREL1、LHFPL2、LIF、LOC286044、LOC339229、LOC90693、LRRC8E、MAFG、MAGED2、MCTP1、MGC16291、MGC19764、MGC5618、MRPS30、MRPS31、MTERFD3、MYH9、NAGA、NAV2、NCSTN、NEK9、NEU1、NFKBIZ、NMT2、NPC2、NSUN5C、NTNG1、NUP188、OACT2、OS9、P4HA1、P8、PALM2−AKAP2、PALM2−AKAP2、PARVA、PBX2、PDE4DIP、PDIA4、PDIA6、PEG10、PHF19、PIK4CA、PLEKHM1、PLOD1、PLOD2、PPP1R15A、PPP1R15A、PRKDC、PRSS23、PRSS23、PSEN2、PSMD1、PTPRF、PTPRJ、RAB32、RAB9A、RG9MTD1、RGS4、RHOQ1、RND3、RNF25、RNPEP///UBE2V1///Kua///Kua−UEV、RNU17D、ROBO4、RRAGC、RRS1、SEC31L1、SERPINB2、SERPINB7、SESN2、SGEF、SGSH、SKIV2L、SLC25A21、SLC35A3、SLC3A2、SMARCA1、SNAPC1、SNF1LK、SPOCD1、SPTAN1、SQSTM1、ST3GAL6、STC2、STX3A、TFPI2、TFPI2、TGFBI、TGM2、THRAP1、TLN1、TMEM60、TNFAIP3、TRIB3、TRIO、TSC2、UAP1L1、UBAP2L、UPP1、URB、USP11、USP5、VDR、WDR4、YTHDF2、ZCCHC9、ZDHHC20、ZFHX1B、ZNF185、ZNF278、ZNF690、ZNF697。
【0200】
本発明者等の実験は、Xanifolia YおよびACH−Yが次の遺伝子の遺伝子発現を阻害することを開示した:FN1、ITGAV、LAMA4、LAMB2、LAMC1、LAMB1、LAMB1、LAMA4、LAMA5、LAMC1、LAMA2、LAMB1、LAMA3、SCAMP1、TICAM2、SCAMP1、TICAM2、SCAMP1、SCAMP1、CAMK2B、DL1、ICAM3、CEECAMI、ICAM5、SCAMP1、CAMK1G、CAMSAP1、MCAM、CAMTA1、CKN1、ALCAM、DCAMKL2、CEACAM3、CAMK2D、CAMK2B、SCAMP5、CAMK4、NCAM1、CAMK2G、MYH9、MYH10、MYO1D、MYO5A、MYLK、MYO6、MYO5A、MYO1C、MYLK、MYO6、MYLC2PL、MYO10、MYO6、TPM3、MYO1C、BECN1、MYO1E、TPM3、M−RIP、MYO1B、MYO10、MYO5A、M−RIP、MYO10、MYL6、MYOHD1、BECN1、TPM4、MYLK、MYH10、MYOHD1、LOC221875、LOC402643、MYO15B、LOC129285、MYH11、MYO1B、MYO1C、MYO9B、CDH13、CTNNAL1、CDH13、CDH12、CTNNB1、CDH5、CTNND1、CDH2、CTNNA1、CDH2、PCDHB16、CTNNA1、CELSR2、PCDHB6、PCDHB7、CTNND2、PCDHGC3、PCDHGB4、PCDHGA8、PCDHGA12、PCDHGC5、PCDHGC4、PCDHGB7、PCDHGB6、PCDHGB5、PCDHGB3、PCDHGB2、PCDHGB1、PCDHGA11、PCDHGA10、PCDHGA9、PCDHGA7、PCDHGA6、PCDHGA5、PCDHGA4、PCDHGA3、PCDHGA2、PCDHGA1、CTNND1、CDH23、PCDHB12、PCDHB10、PCDH18、CDH20、PCDH9、PCDHGA12、PCDHGA11、PCDHGA10、PCDHGA6、PCDHGA5、PCDHGA3、PCDH7、CDH18、CDH6、CCBE1、COL10A1、COL12A1、COL13A1、COL18A1、COL1A1、COL21A1、COL4A1、COL4A2、COL4A5、COL4A6、COL5A1、COL5A2、COL6A1、COL6A2、COL6A3、COL9A1、MMP9、P4HA1、P4HA2、P4HB、PCOLCE、PCOLCE2、PCOTH、PLOD1、PLOD2、PLOD3、CIB1、ILK、ITGA2、ITGA3、ITGA4、ITGA6、ITGAV、ITGB1、ITGB1BP1、ITGB2、ITGB5、ITGBL1、TNC、EMILIN1、ICAM1、HSPG2、HPSE、HS2ST1、SDC2。
【0201】
本発明は、癌細胞の移動、転移のブロック、および癌の成長の阻害に関して重要な接着タンパク質を制御する方法を提供する。一実施形態において、方法は癌細胞の接着能を低下させることを含む。一実施形態において、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、グリコシル化細胞表面タンパク質、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAM、エラスチンおよびFAK、特にフィブロネクチンを含む。
【0202】
次の結果は、マイクロアレイ実験から得られる:
Y/Dは、薬物を含まない対照(D)と比較した、化合物Yで処理された細胞における遺伝子発現の比(倍)であり、YM/Dは薬物を含まない対照(D)と比較した、化合物YM(ACH−Y、糖部分を有さないY)で処理された細胞における遺伝子発現の比である。
【0203】
【表1】

マイクロアレイ実験の結果から、化合物YおよびYM(ACH−Y)はフィブロネクチン発現を阻害することがわかった、化合物Y/Y3の対照に対する発現比は、遺伝子プローブ212464_s_at、216442_x_at、211719x_atおよび210495_x_atにより検出するとそれぞれ−2.7、−2.6、−2.6、−2.5倍である。これらの結果は、Y/Y3がフィブロネクチン発現を阻害することを示し、YM/ACH−Yも若干のフィブロネクチン阻害を示す(阻害比は遺伝子プローブ212464_s_at、216442_x_at、211719_x_atおよび210495_x_atによるとそれぞれ−1.1、−1.1、−1.2、−1.1倍)。結果から、YMは活性であるが、Y/Y3よりも有効でないことがわかる。
【0204】
【表2】

マイクロアレイ実験の結果は、化合物YおよびYM(ACH−Y)がインテグリン(ビトロネクチン受容体)発現を阻害することを示し、ここで化合物Y/Y3の対照に対する阻害比は、異なるプローブにより検出すると−1.8、−1.4倍であり、YM(ACH−Y)の対照に対する阻害比は−1.3、−1.4倍である。
【0205】
【表3】

マイクロアレイ実験の結果は、化合物YおよびYM(ACH−Y)がラミニン発現を阻害することを示し、化合物Y/Y3の対照に対する発現比は、異なるプローブにより検出すると、−2.2、−2.0、−1.9、−1.6、−1.6倍であり、YM/ACH−Yの対照に対する阻害比は、−2.0、−2.0、1.1、−1.7、−2.0倍である。
【0206】
【表4】

マイクロアレイ実験は化合物YおよびYM(ACH−Y)が接着分子と関連する遺伝子発現を阻害することを示し、ここで化合物Y/Y3の対照に対する阻害比は、異なるプローブにより検出すると−1.3から−1.9倍であり、YM/ACH−Yの対照に対する阻害比は−1.1から−1.7倍である。
【0207】
【表5】



マイクロアレイ実験の結果は、化合物YおよびYM(ACH−Y)がコラーゲン発現を阻害することを示す。化合物Y/Y3の対照に対する発現比は、−1.3から−3.0倍の範囲であり、YM/ACH−Yの対照に対する発現比は、−1.1から−3.6倍の範囲である。
【0208】
【表6】

マイクロアレイ実験の結果は、化合物YおよびYM(ACH−Y)がES2細胞におけるインテグリンファミリーに関連する遺伝子発現を阻害することを示す。化合物Y/Y3の対照に対する発現比は−1.5から−1.9倍の範囲であり、YM/ACH−Yの対照に対する発現比は−1.1から−2.5倍である。
【0209】
【表7】

マイクロアレイ実験の結果は、化合物YおよびYM(ACH−Y)がES2細胞におけるミオシンファミリーに関連する遺伝子発現を阻害することを示した。化合物Y/Y3の対照に対する発現比は−1.5から−2.2倍の範囲であり、YM/ACH−Yの対照に対する発現比は−1.2から−2.1倍の範囲である。
【0210】
【表8】

マイクロアレイ実験の結果は、化合物YおよびYM(ACH−Y)がES2細胞におけるカドヘリンファミリーの遺伝子発現を阻害することを示した。
【0211】
【表9】

マイクロアレイ実験の結果は、化合物YがES2細胞におけるカドヘリンファミリーの遺伝子発現を阻害することを示した。
【0212】
【表10】

マイクロアレイ実験の結果は、化合物YがES2細胞におけるヘパリン硫酸ファミリーの遺伝子発現を阻害することを示した。
【0213】
【表11】

マイクロアレイ実験の結果は、化合物YがES2細胞におけるCD54の遺伝子発現を刺激することを示した。
【0214】
【表12】

マイクロアレイ実験の結果は、化合物YおよびYM(ACH−Y)がES2細胞におけるアンジオポイエチンファミリーの遺伝子発現を調節することを示した。アンジオポイエチン2の増加制御(アンジオポイエチン2に対する正の調節)ならびにアンジオポイエチン1およびアンジオポイエチン様1およびアンジオポイエチン様4の減少制御(アンジオポイエチン1およびアンジオポイエチン様1およびアンジオポイエチン様4に対する負の調節)がある。
【0215】
フィブロネクチン分泌研究の概要
xanifolia−Y処置後のES2細胞からのフィブロネクチン分泌の減少。
【0216】
(F1およびF3の結果)これらの実験において、本発明者等はES2癌細胞のY処理がフィブロネクチン分泌の阻害を引き起こすという基本的現象を確証し、記載した。ウェスタンブロットアッセイを用いて、本発明者等は、薬物処理をしないES2細胞(DMSO対照)は培地にフィブロネクチンを分泌すること、および時間とともにフィブロネクチンが蓄積されたことを示した。しかし、Xanifolia−Yで処理された細胞培養物においては、フィブロネクチンの分泌は観察されないか、またはごくわずかしか観察されなかった。フィブロネクチンの阻害は薬物処理後早くて8時間で観察された。
【0217】
フィブロネクチン分泌の阻害は生理的であり、その量の決定は次に基準に基づく:
1.フィブロネクチンは生存細胞から分泌される。薬物処理後生存細胞が85%を超える細胞のみをこれらの実験において使用する。生存細胞をMTTアッセイにおいて決定した。
2.比較のために、各試料から得られるイムノバンド強度を細胞量に関して正規化する。細胞量をMTTアッセイにより決定し、各細胞試料についてのMTT単位として帰属させる。
【0218】
(F4の結果)致死未満の薬物濃度(10ug/mlのY)で、MTTアッセイにより決定されるように、Y処理後18時間に95%を超える細胞が生存していた。ウェスタンブロットは、Y処理後の細胞培地中への細胞によるフィブロネクチン分泌が減少することを示した。
【0219】
フィブロネクチンウェスタンバンド(平均6対のブロット)のスキャンにより、Y処理後18時間でフィブロネクチン分泌が40%減少することがわかる。
【0220】
(F5の結果)同様に、MTTアッセイにより測定されるように、Y処理後24時間で細胞の85%が生存していた。ウェスタンブロットにより、Y処理試料のフィブロネクチンが減少することがわかる。6対のブロットに基づき、これらをMTT単位に対して正規化した後、Y処理試料のフィブロネクチンバンド強度の31%減少が観察された。
【0221】
したがって、これらの結果は、細胞によるフィブロネクチン分泌はY処理の24時間後に31%減少することを示す。
【0222】
(F7の結果)ES2細胞によるフィブロネクチン分泌に対するパクリタキセルの影響。全ての抗癌剤が細胞からのフィブロネクチン分泌を阻害できるわけではないことを証明するために、本発明者等は、卵巣癌に有効な周知抗ガン剤であるパクリタキセルを用いた。本発明者等の結果は、ES2細胞においてパクリタキセル処理(10〜50ng/ml、パクリタキセルのIC50は1.5ng/ml)でフィブロネクチン分泌は阻害されないことを示した。この研究により、ES2細胞により分泌されるフィブロネクチンはY処理後に30〜40%減少することを示し、これは先の結果と一致する。
【0223】
(F8の結果)ES2細胞に加えて、もう一つ別のヒト卵巣癌細胞(Hey8A)をこの研究において用いた。Y処理Hey8A細胞は、DMSO対照と比較して31%のフィブロネクチンを分泌し、したがって69%の阻害を有することが判明した。
【0224】
卵巣癌の他に、他のヒト癌細胞を次の実験において試験した。これらの実験は、肺、膀胱、肝臓、脳および皮膚由来の癌細胞からのフィブロネクチンに分泌はXanifolia−Y処置により阻害されることを示す。
【0225】
(F11)肺癌細胞(H460)に関して、20ug/mlの濃度で、20〜60%の範囲のフィブロネクチン分泌の阻害がある。
【0226】
(F12A)膀胱癌細胞(HTB−9)について、Xanifolia−Y(10ug/ml)はフィブロネクチン分泌の50%を阻害する。
【0227】
(F15)肝臓HepG2細胞において。10ug/mlのxanifolia−Yはフィブロネクチンの分泌を42%阻害する。
【0228】
(F16)脳グリア芽種T98G細胞を10ug/mlのxanifolia−Yとともにインキュベーションすると、フィブロネクチン分泌が27%阻害され、20ug/mlのYとともにインキュベーションすると、フィブロネクチン分泌が74%阻害される。
【0229】
(F17)皮膚SK−Mel−5細胞について、阻害は、20ug/mlのXanifolia−Yを用いて40〜57%である。
【0230】
ES2細胞からのフィブロネクチン分泌に対するxanifolia−Y類似体および他のサポニンの影響
(F23)他のサポニンに関する阻害効果を研究するために、本発明者等は、同じ植物から単離されたトリテルペノイドサポニンである化合物O54を試験した。O54を用いると、40ug/ml(通常の有効濃度10ug/mlの代わりに)もの高用量でも、ES2細胞におけるフィブロネクチン分泌の阻害活性はない。この結果は、阻害効果に関与するトリテルペノイドサポニンにおいて特異性があることを示す。
【0231】
(F21)フィブロネクチン阻害活性に有効な官能基を調査するために、本発明者等はxanifolia−Y3のいくつかの誘導体を試験した。これらの実験において、ES2細胞をACH−Y(糖を含まないY3)およびAKOH−Y(C21、C22アンゲロイル基を含まないY3)で処理した。
【0232】
20ug/mlのAch−Yを用いると、ES2細胞からのフィブロネクチン分泌が減少する(対照の53%〜75%の範囲)。フィブロネクチン分泌の阻害は10ug/mlのAch−Yのみを使用した場合、少なかった(または観察されなかった)。しかし、AKOHを用いると80ug/mlでも効果は観察されなかった。
【0233】
(F13)本発明者等は、1個だけのアンゲロイル基がC21で結合したトリテルペノイドサポイニンである、ベータ−エスシンに関して阻害活性についても試験した。
【0234】
結果は、10および20ug/mlのベータ−エスシンがそれぞれES2細胞からのフィブロネクチン分泌を7%および48%阻害することを示す。しかし、10ug/mlのxanifolia−Yはフィブロネクチン分泌を49%阻害する。結果は、ベータ−エスシンがフィブロネクチン分泌も阻害するが、xanifolia−Yの半分の効力を有することを示す。
【0235】
(F14)(F24)本発明者等は、ES2細胞に対するxanifolia−Yの様々な類似体の阻害効果を決定した。結果を次表に示す。
【0236】
【表13】

試験した全ての試料(AKOHを除く)はES2細胞からのフィブロネクチン分泌の阻害に効果がある。80ug/mlのAKOH−Y(他のサポニン(10ug/ml)において使用される濃度の4倍高い濃度)を用いても、ES2細胞に関するフィブロネクチン分泌に対して影響はない。
【0237】
結論として、サポニンは一般に、ES2細胞からのフィブロネクチン分泌の阻害効果を有する。AKOH−Y(ジアンゲロイル基を有さないY3)が活性を示さないという事実は、C21、22位のアシル化が阻害活性について重要であることを示す。
【0238】
ES2細胞に加えて、様々な器官由来の他の癌細胞も調査した。結果を次表に示す。
【0239】
【表14】

(F20)xanifolia−Y処理後の細胞含量およびフィブロネクチン分泌の決定
【0240】
結果:この実験は、(1)xanifolia−Y処理後にフィブロネクチン分泌が46%減少すること(対照の54%)および(2)Y処理後にフィブロネクチン細胞含量が70%減少すること(対照の30%)、(3)Y処理後に細胞ベータ−アクチン含量に変化はないことを示す。
【0241】
Xanifolia−Y処置でのES2細胞におけるアンジオポイエチン2(Ang2)の増加調節。
【0242】
方法:ES2(ヒト卵巣癌細胞)をRPMI1640培地中で成長させた。4,500,000個の細胞をT75フラスコ中に播種し、24時間成長させた後、薬物処理した。
【0243】
薬物処理:細胞培養物を5、10および15ug/ml(最終濃度)のXanifolia−Y3[Y3−5、Y3−10、Y3−15]、またはDMSO対照[D−10]で処理した。24時間後、細胞を1mlのSDS試料緩衝液(細胞抽出物)中に懸濁させた。試料(80ul/レーン)を10%SDSゲルに塗布し、電気泳動を100ボルトで2時間行った。タンパク質を電気泳動によりニトロセルロース膜に移した。ニトロセルロースブロットを5%のPBS中脱脂粉乳でブロックした。ブロットを次いで第1抗体(ヤギ抗Ang2、SIGMA A0851)および第2抗体(ロバ抗ヤギAP複合体、Promega V115A)とともにインキュベートした。イムノバンドを、BCIP/NBT発色システム(Promega S3771)を用いて展開した。
【0244】
結果:図5に示すように、アンジオポイエチン−2イムノバンド(M.W.、66K)を15ug/mlのXanifolia−Yで処理された細胞から得られた細胞抽出物において観察した。これらの条件下で、対照および低濃度のxanifolia−Yにおいて検出可能なアンジオポイエチン−2のイムノバンドは観察されないか、または最小のイムノバンドが観察された。この結果は、ES2細胞におけるXanifolia−Yでの処理はアンジオポイエチン−2の細胞濃度を増加させることを示す。これらの結果は、マイクロアレイ研究の結果を裏付ける。
【0245】
本発明は、癌細胞における遺伝子発現を調節するための組成物および方法を提供し、ここで調節は正および負の制御をすることを含み、調節される遺伝子は接着タンパク質であり、調節は、接着タンパク質の発現、産生および分泌を含み、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、CAMを含む。本発明は、アンジオポイエチンを調節する組成物および方法を提供し、調節はアンジオポイエチン2の正の制御をすることを含み、アンジオポイエチン1の負の制御することを含む。本発明の組成物および方法は、トリテルペンの炭素21および/または22位のアシル化基が機能に必要であり、アンゲロイル、アセチル、アルカノイル、アルケノイルおよびアシル基から選択される、トリテルペンを含む。トリテルペンの5位の糖部分はこれらの化合物の活性を向上させるために重要である。
【0246】
(実験の詳細)
ハーブ抽出物の実験、HPLCによる抽出成分の分析、MTTアッセイを用いた様々なヒト器官由来の細胞に関するXanifolia Yにより影響を受ける細胞成長活性の決定、植物抽出物由来の生物活性成分の精製、FPLCを用いた植物抽出物の分画、分取HPLCを用いた成分Yの単離、化学構造の決定、細胞実験および動物実験の詳細は、国際出願PCT/US05/31900号、米国特許出願第11/289142号、米国特許出願第10/906303号、米国特許出願第11/131551号および米国特許出願第11/683198号(2007年3月7日出願)、国際出願PCT/US2007/077273(2007年8月30日出願)、米国特許出願第60/890380号(2007年2月16日に出願された)、米国特許出願第60/947,705号(2007年7月3日に出願)(その内容は本発明の一部として参照される)に開示されている。
【0247】
マイクロアレイ
実験1
マイクロアレイによるY処理後のES2細胞の遺伝子発現の分析
本発明では、遺伝子発現の研究においてマイクロアレイ実験を行った。合計数54676の遺伝子を研究した。
【0248】
細胞培養および薬物処理:ES2細胞をT−25フラスコ中にフラスコあたり4,500,000個の細胞で24時間播種した。細胞培養物をxanifolia−Y(Y)またはDMSO無薬物対照(D)を含む新鮮な培地で24時間置換した。次いで細胞をRNA単離のために採取した。実験は3回行った。
【0249】
RNA抽出、標識、ハイブリダイゼーション、およびデータ分析。Qiagen RNeasy Kitを用いてRNAを腫瘍細胞から抽出した。RNAの質および量をそれぞれAgilent BioAnalyzerおよびNanoDrop(登録商標)ND−1000分光光度計によりチェックした後、さらに操作した。第1および第2cDNAストランドを20ngの全RNAから2サイクル増幅用のAffymetrix T7オリゴ(dT)プライマープロトコルおよびキットを用いて合成した。増幅されたビオチン標識cRNAを産生するために、cDNAをAmbionから入手したMegaScriptキットを用いてインビトロ転写により逆転写した。15.0μgの標識cRNAをフラグメント化し、NanoDrop(登録商標)ND−1000分光光度計を用いて濃度について再チェックした。Affymetrixスパイクイン対照およびフラグメント化標識cRNAを含むハイブリダイゼーションカクテルをヒトU133Plus2.0GeneChip(登録商標)オリゴヌクレオチドアレイ上に載せた。Affymetrixアレイ(Affymetrix、Inc.Santa Clara、CA)は1,300,000を超える独自のオリゴヌクレオチド特性であって、38,500より多い十分に実証されたヒト遺伝子を表すものからなる。アレイを16時間45℃で、60rpmで回転しながらハイブリダイズし、次いで洗浄し、ストレプトアビジン、R−フィコエリトリン複合染料を用いてAffymetrix Fluidicis Station450で染色した。ビオチニル化抗ストレプトアビジンを用いてシグナル増幅を行った。オートローダーを有するGeneChip(登録商標)3000共焦点レーザースキャナを用いてアレイをスキャンした。画像を分析し、Affymetrix GCOSソフトウェアバージョン1.4を用いて品質管理メトリクスを記録した。最後に、Plierアルゴリズムに基づくdChip PM−onlyモデルを用いて各遺伝子の発現値を計算した。
【0250】
データ分析法
対比較を次のように行った:治療群対対照群(Y対D)、修飾薬物群対対照群(YM/ACY−H対D)および治療群対修飾薬物群(Y対YM/ACH−Y)
CelファイルはR統計プログラミングのBioconductorパッケージを用いて分析した。Limma分析により試料間で妥当な数の遺伝子が変化した。
【0251】
CELファイルにおける未加工データをGCRMA法(ローバストマルチアレイ分析)により正規化した。これはBioconductor(http://www.bioconductor.org/)に実装されている。未加工シグナル強度データを正規化し、バックグラウンドを補正し、ある統計モデルに基づいて集約し、発現値(log2スケール)をプローブ対ごとのチップごとに得る。次いで、処理対間で遺伝子発現の有意な変化はないという帰無仮説を試験した。これをLIMMAにより行い、これもBioconductorに実装されている。これは、経験Bayes法を用いて遺伝子発現における差異を評価する。一つの比較、すなわち、ハイグレード対ローグレードを比較した。未加工p値を誤差発見率(FDR)制御のためのBenjamnin−Hochberg法により調整した。すべてのデータはp値が0.05未満(遺伝子が異なった形で発現されない(擬陽性)確率が1:20である)である有意な数の遺伝子を含んでいた。
【0252】
すべての発現データをp値(0.05)によりフィルタする。
【0253】
未補正p値を誤差発見率(FDR)制御のためのBenjamnin−Hochberg法により調整して、調整されたp値を得た。
【0254】
結果:表1〜12を参照のこと
Xanifolia−Yによるフィブロネクチン分泌の阻害(ウェスタンブロット)
実験2(F1)
方法:
細胞:RPMI1640培地を含むT−25フラスコ中でES2細胞を一夜成長させた後、薬物処理した。薬物処理:細胞培養物を、Xanifolia−Y(最終濃度10ug/ml)またはDMSO(対照として)を含む新鮮なRPMI培地で0時に置換した。1、2、4、8および24時間で、培地のアリコートをフィブロネクチン決定のために採取した。ヒトフィブロネクチンのみに対して特異的なモノクローナル抗体(SIGMA)を用いたウェスタンブロットによりフィブロネクチンを決定した。
【0255】
結果(図1参照):
1.DMSO(無薬物対照として)で処理した細胞はフィブロネクチンを培地に分泌し、時間とともにフィブロネクチンが蓄積した。Xanifolia−Yで処理された細胞培養において観察されるフィブロネクチンの分泌は全くないかまたはごくわずかである。
2.対照に関して、フィブロネクチンイムノバンドは、ウシ胎仔血清を含むか、または正常マウス血清(NS1)を用いたRPMI培地においては観察されなかった。
【0256】
実験3(F3)
方法:
細胞:ES2細胞をRPMI1640培地中で一夜成長させた後、薬物処理した。
【0257】
薬物処理:細胞培養物を、Xanifolia−Y(最終濃度10ug/ml)またはDMSO(対照として)を含む新鮮なRPMI培地で0時に置換した。4時間(A)または8時間(B)に、薬物を含まない新鮮な培地で培地を置換した。2、4、8および24時間で、フィブロネクチン決定のために細胞培養物のアリコートを採取した。ヒトフィブロネクチンに対してのみ特異的なモノクローナル抗体(SIGMA)を用いたウェスタンブロットによりフィブロネクチン(FN)を決定した。
【0258】
結果(これも図2参照):
(1)薬物除去前(4時間および8時間)の対照とY処理細胞を比較すると、Y処理細胞からのFN分泌が減少する。これらの期間で著しい細胞形態の変化はなく、このことは細胞が生きていることを示唆する。
(2)24時間で薬物を除去した後の対照とY処理細胞とを比較すると、Y処理細胞からのFNの分泌は50%を超えて減少すると推定された。
(3)Y処理細胞により24時間で分泌されるFNの量は、8時間(Yの除去前)で分泌されるものよりも多く、このことは細胞がY処理後も生存していることを示す。
【0259】
実験4(F4)
方法:
細胞:ES2細胞をRPMI1640培地中で一夜成長させた後、薬物処理した。
【0260】
薬物処理:細胞培養物を、Xanifolia−Y(最終濃度10ug/ml)またはDMSO(対照として)を含む新鮮なRPMI培地と0時間で置換した。2、および18時間で、培地のアリコートをフィブロネクチン決定(ウェスタンブロット法)のために採取した。18時間での細胞生存性をMTTアッセイにより測定した。培養物を、MTTを含むRPMI培地と置換し、1時間インキュベートした。形成されたホルマザンをDMSO中に溶解させ、570nmでのODを測定した。
【0261】
結果(これも図2参照):
・Y処理の18時間後の95%を超える細胞はMTT分析により確認されるように生存していた。
・ウェスタンブロットは、Y処理後に細胞による培地中へのFN分泌が減少することを示す。FNウェスタンバンド(平均5セットのブロット)のスキャンは、Y処理後18時間でFN分泌が40%減少することを示す。
【0262】
実験5(F5):
方法:
細胞および薬物処理:先の実験と同様。7または24時間後、培地のアリコートをフィブロネクチン決定(ウェスタンブロット法)のために採取した。
【0263】
24時間での細胞生存性をMTTアッセイにより決定した。
【0264】
結果:
・Y処理細胞の7および24時間後の細胞のそれぞれ93%および85%はMTTアッセイにより確認されるように生存していた。
・Y処理の最初の7時間でのフィブロネクチン分泌の変化はあまりはっきりしない。しかし、24時間後、対照と比較して、Y処理試料のフィブロネクチンバンドが減少する。同じ量の生細胞に基づいて、イムノバンドの強度を比較した(MTTのO.D.単位あたり)。三対のブロットのスキャンによりフィブロネクチンバンドの31%が減少することが示される。したがって、これらの結果は、細胞によるフィブロネクチン分泌はY処理の24時間後に31%減少することを示す。
【0265】
実験6(F7):ES2細胞によるフィブロネクチン分泌に対するパクリタキセルの影響
方法:
細胞:ES2細胞をRPMI1640培地中で一夜成長させた後、薬物処理した。
【0266】
薬物処理:細胞培養物を、DMSO(対照として)[D]、Xanifolia−Y(10ug/ml)[Y]、またはパクリタキセル10もしくは50ng/ml[T10、またはT50]を含む新鮮なRPMI培地と置換した。
【0267】
24時間後、培地のアリコートをフィブロネクチン決定(ウェスタンブロット法)のために採取した。24時間での細胞生存性をMTTアッセイにより決定した。
【0268】
結果:
処理細胞のMTT単位(細胞ベース)に基づき、DMSO対照を含むものと比較して、Y、T10およびT50細胞のそれぞれ87%、94%および91%成長が処理後24時間で生存可能であった。
【0269】
細胞により培地中へ分泌されるフィブロネクチンの量をウェスタンブロットアッセイにより決定した。ウェスタンバンド強度をバンド単位で割ることにより、細胞あたりで分泌されるフィブロネクチンの量を決定した。
【0270】
DMSO対照と比較することにより、10ng/mlまたは50ng/mlのTaxelで処理されたES2細胞はそれぞれ105%または97%のフィブロネクチンを24時間の処理中に培地中に分泌する。同時に、Y処理ES2細胞は対照の62%を分泌した(38%減少)。
【0271】
実験7(F8):Xanifolia−Y法で処理されたHey8A細胞:
方法:Hey8A(ヒト卵巣癌細胞)を、RPMI1640培地中で90%コンフルエントまで成長させた後、薬物処理した。薬物処理:細胞培養物を、DMSO(対照として)[D1]、またはXanifolia−Y(10、15、または20ug/ml)[Y1、Y2およびY3]のいずれかを含む新鮮なRPMI培地で置換した。培地のアリコートを0時間試料として除去し、この時点でFNは検出されなかった。24時間後、培地のアリコートをフィブロネクチン決定(ウェスタンブロット法)のために採取した。24時間での細胞生存性をMTTアッセイにより決定した。培養物を、MTTを用いてRPMI培地(5ml)で置換し、1時間インキュベートした。形成されたホルマザンをDMSO中に溶解させ、570nmでのODを測定した。
【0272】
ウェスタンブロット:使用済み培地(0.6ml)をSDS試料緩衝液(0.2ml)と混合し、3分間沸騰させた後、SDSゲルに載せた。試料(60ul/レーン)を6%SDSゲルに塗布し、電気泳動を100ボルトで2時間行った。タンパク質を電気泳動(100ボルトで30分)によりニトロセルロース紙に移した。ウェスタンブロットを第1抗体(マウス抗FN、ヒトFNに対して特異的、SIGMA F0916)および第2抗体(抗マウスIgG AP複合体、Promega S3721)とともにインキュベートした。イムノバンドを、BCIP/NBT発色システム(Promega S3771)を用いて展開させた。
【0273】
結果:
・24時間の薬物処理後、15ug/mlおよび20ug/mlを含む細胞は死んでいる(浮遊)ことが判明し、さらに処理しなかった。DMSOおよび10ug/mlのYで細胞を処置した。
・MTTアッセイは、Y処理(10ug/ml)した細胞の成長は対照の83%であることを示した。
・ウェスタンブロットは、Y処理試料(Y1)のバンド強度がDMSO対照(D1)と比較してかなり減少することを示す。
・MTT単位で補正した後の平均バンド強度は:DMSO対照およびY処理試料についてそれぞれ1179および366である。したがって、Y処理Hey8A細胞はDMSO対照と比較して31%フィブロネクチン(FN)を分泌するか、または69%阻害する。
【0274】
実験8(F11):ヒト肺癌細胞(H460)におけるXanifolia−Yによるフィブロネクチン分泌の阻害
方法:実験8を参照のこと。
【0275】
結果:肺細胞(H460)はFN分泌の阻害においてYに対して感受性である。MTT結果に基づいて、細胞は20ug/mlのYで依然として生存しているが、FNの阻害は60%を超える。
【0276】
実験9(F12):膀胱癌細胞(HTB−9)におけるXanifolia−Yによるフィブロネクチン分泌の阻害
方法:実験8を参照のこと。
【0277】
結果:
・MTTアッセイは、10ug/mlのYで処理した細胞の成長がDMSO対照と比較して、77%〜91%減少することを示した。
・ウェスタンブロットは、Y処理試料のFNバンド強度が減少することを示す。MTT単位(細胞量に等しい)で補正後、細胞量あたりFNバンド強度が約50%減少する。
・これらの結果はXanifolia−Y(10ug/ml)がFN分泌の50%を阻害することを示す。
【0278】
実験10(F13):Yおよびベータ−エスシンで処理したES2細胞
方法:実験8を参照のこと
結果:
・MTTアッセイは、Y、Es10およびEs20を用いた細胞の成長が、DMSO対照と比較してそれぞれ89%、90%および82%であることを示す。
・ウェスタンブロットは、Es10およびEs20試料のFNバンド強度がDMSO対照のそれぞれ93%および52%であることを示す。Y10試料のバンド強度は対照の51%である。
・これらの結果は、10および20ug/mlのベータ−エスシンがFN分泌のそれぞれ7%および48%を阻害することを示す。しかし、10ug/mlのYはFN分泌の49%を阻害する。
・結果は、ベータ−エスシンもFN分泌を阻害するが、Xanifolia−Yの半分の効力であることを示す。
【0279】
実験11(F14):様々なXanifolia−Y法で処理されたES2細胞
方法:実験8を参照のこと
・2つの実験を行った(FN14BおよびFN14C)。各実験あたり5つのゲルを実施した。
【0280】
結果:
AKOH−Y(ジアンゲロイル基を有さないY3)を除いて、すべての試料はES2細胞からのFN分泌をある程度阻害する。他のサポニン(10ug/ml)において用いられるよりも4倍高い濃度である80ug/mlのAKOH−Yは依然としてES2細胞に関するFN分泌の阻害に対して影響を及ぼさない。
【0281】
【表15】

結論:
サポニンは概してES2細胞からのフィブロネクチン分泌の阻害に効果があると思われる。しかし、この実験によりC21、22位のアシル化は阻害活性に重要であることが判明した。
【0282】
実験12(F23):O54で処理されたES2細胞
方法:実験8を参照のこと。
【0283】
結果:これらの結果に基づいて、40ug/mlでO54処理されたES2細胞におけるFN分泌の阻害はない。
【0284】
実験13(F24):Y0およびY5で処理されたES2
方法:実験8を参照のこと。
【0285】
結果:これらの試料のイムノバンドの強度を比較することにより、この実験の結果は次のことを示す:(1)Y5がFN分泌の阻害に関してY3と同じ活性を有する(どちらも10ug/mlで68%阻害する)、
(2)Y0はFN分泌の阻害についてY3よりも弱い。(10ug/mlで34%阻害する)、
(3)結論、Y0およびY5はどちらもES2細胞からのFN分泌の活性を阻害する。
【0286】
実験14(F25、26):Yで処理されたHepG2細胞
方法:実験8を参照のこと。
【0287】
結果:これらの試料のイムノバンド強度を比較することにより(表参照)、10ug/mlの濃度で、X、ES、Y0、Y1、Y3、およびY5はHepG2細胞からのフィブロネクチン分泌に対して阻害効果を有することが判明した。Y7、Ach(10ug/ml)およびAKOH(80ug/ml)に関して効果は最小であるか、または全く観察されなかった。
【0288】
【表16】

実験15(F27、29):Yで処理されたNCI−H460細胞(肺)
方法:実験8を参照のこと
【0289】
【表17】

実験16(F28、30):Yで処理されたHTB−9細胞(膀胱)
方法:実験8を参照のこと
(FN28、30)膀胱
【0290】
【表18】

実験17(F31、32):Y2で処理されたT98G(脳)
方法:実験8を参照のこと
【表19】

実験18(F33):Yで処理されたSK−MEL−5細胞
方法:実験8を参照のこと
【0291】
【表20】

実験19(F20):Y3処理後の細胞内含量およびFN分泌の決定
方法:
細胞:ES2(ヒト卵巣癌細胞)をRPMI1640培地中で成長させた。1,500,000個の細胞をT25フラスコ中に播種し、24時間成長させた後、薬物処理した。
【0292】
薬物処理:細胞培養物を2.5ulのDMSO(対照として)[D]、または10ug/ml(最終濃度)のXanifolia−Y3[Y]のいずれかを含む新鮮なRPMI培地中と置換した。
【0293】
24時間後、培地のアリコートをフィブロネクチン決定(ウェスタンブロット法)のために採取した。結合した細胞を1mlのSDS試料緩衝液(細胞抽出物)中に懸濁させた。
【0294】
ウェスタンブロット:使用済み培地(0.6ml)をSDS試料緩衝液(0.2ml)と混合し、細胞抽出物を3分間沸騰させた後、SDSゲルに載せた。試料(80ul/レーン)を6%〜10%のSDSゲルに塗布し、電気泳動を100ボルトで2時間行った。タンパク質を電気泳動(100ボルトで30分)によりニトロセルロース膜に移した。ニトロセルロースブロットを5%のPBS中脱脂粉乳でブロックした(1〜2時間)。ブロットを次いで第1抗体(マウス抗FN、ヒトFNに対して特異的、SIGMA F0916およびマウス抗ベータアクチン、SIGMA A5316)ならびに第2抗体(抗マウスIgG AP複合体、Promega S3721)とともにインキュベートした。イムノバンドをBCIP/NBT発色システム(Promega S3771)を用いて展開させた。ウェスタンバンド強度の決定:ウェスタンブロットのバンド画像を、デジタルカメラ(ゲルあたり3〜5枚の写真を撮影した)を用いて取り込み、バンドの強度を、「Image J」ソフトウェアを用いて決定した。
【0295】
FN濃度を細胞ベータ−アクチン濃度で正規化した。培地中およびY処理細胞の内部に分泌されたフィブロネクチンを決定し、対照(DMSO処理細胞)と比較した。
【0296】
結果:この実験から、(1)Y処理後にFN分泌が46%減少すること(対照の54%)および(2)Y処理後にFN細胞含量は70%減少すること(対照の30%)、(3)Y処理後に細胞ベータ−アクチン濃度は変化しないことがわかる。
【0297】
実験20:動物実験
・無胸腺Nu/Nuマウス(2〜3月齢)にES2(ヒト卵巣癌)細胞を移植した。
・移植(第1日)の5日後に、マウスを2群(HおよびJ)に分けた(各群に2匹)。
・H群:第1〜5日、および第8〜10日に、マウスに毎日薬物投与した(Xanifolia−Yを腹腔内経路により、2.5mg/kgの用量)。
・J群のマウスは薬物処理を受けなかった。
【0298】
結果:
H群:薬物処理を受けたマウス、腫瘍サイズは10日で10mmである。
【0299】
J群:薬物処理を受けなかったマウス、腫瘍サイズは10日で18mmである。
【0300】
腫瘍サイズは10日の期間で薬物を投与されなかったマウスよりも、薬物を投与されたマウスにおいて45%小さい。
【0301】
実験21:動物実験
[方法]
・無胸腺Nu/Nuマウス(5〜6週齢)を3群(O、PおよびQ)に分けた(各群で5〜6匹)。
【0302】
・第0日で、すべてのマウスにES2(ヒト卵巣癌)細胞を腹腔内移植した。
・O群:薬物処理を受けなかった動物
・P群:第4〜8日、第11〜15日、第18〜22日、第25〜29日、第32〜36日、第39〜43日で、動物に毎日Xanifolia−Yの薬物投与を施した(腹腔内経路により2.5mg/kgの用量で)。
・Q群:第10〜15日、第18〜22日、第25〜29日、第32〜36日、第39〜43日で、動物に毎日Xanifolia−Yの薬物投与を施した(腹腔内経路により2.5mg/kgの用量で)。
【0303】
結果:
薬物処理をしていない腫瘍を有するマウスの生存期間の中央値は24日である。薬物処理を腫瘍接種の4日後に始めた腫瘍を有するマウスの生存期間の中央値は58日(寿命の延長は141%)であり、薬物処理を腫瘍接種の10日後に始めた腫瘍を有するマウスの生存期間の中央値は31日(寿命の延長は29%)である。
【0304】
実験22:Xanifolia−Yによる細胞接着の阻害
方法および結果:ES2またはHey8A細胞を、5ug/mlのXanifolia−Yを含む培地を入れたT25フラスコ中に平板培養した。培養物を5時間インキュベートした。接着した細胞をトリプシン化によりフラスコから除去し、量を計測した。薬物を含まない対対照と比較して、86±4%のES2細胞および67±8のHey8A細胞がこの条件下でフラスコに結合していることが判明した。5ug/mlのXanifolia−Yで、トリパンブルー排除アッセイおよびXanifolia−Yを含まない培地中に平板培養した場合にこれらがフラスコに再結合する能力により確認されるように、90%を超える未結合細胞が生存している。しかし、10ug/mlのXanifolia−Yでは、40%未満の細胞がフラスコに結合し、これらの多くは死んだ細胞である。この実験はXanifolia−Yが接着プロセスを阻害することを示す。
【0305】
実験23:Xanifolia−YによるES2細胞におけるアンジオポイエチン−2の合成の増加
方法:ES2(ヒト卵巣癌細胞)をRPMI1640培地中で成長させた。4,500,000個の細胞をT75フラスコ中に播種し、24時間成長させた後、薬物処理した。
【0306】
薬物処理:細胞培養物を5、10および15ug/ml(最終濃度)のXanifolia−Y3[Y3〜5、Y3〜10、Y3〜15]またはDMSO対照[D−10]で処理した。24時間後、細胞を1mlのSDS試料緩衝液(細胞抽出物)中に懸濁させた。試料(80ul/レーン)を10%SDSゲルに塗布し、電気泳動を100ボルトで2時間行った。タンパク質を電気泳動によりニトロセルロース膜に移した。ニトロセルロースブロットを5%のPBS中脱脂粉乳でブロックした。ブロットを次いで第1抗体(ヤギ抗Ang2、SIGMA A0851)および第2抗体(ロバ抗ヤギAP複合体、Promega V115A)とともにインキュベートした。イムノバンドをBCIP/NBT発色システム(Promega S3771)を用いて展開させた。
【0307】
結果:このウェスタンブロットで示されるように、アンジオポイエチン−2イムノバンドが15ug/mlのXanifolia−Yで処理された細胞から得られる抽出物において観察された。対照および低濃度のxanifolia−Yにおいてはアンジオポイエチン−2のイムノバンドは観察されないか、または最小のイムノバンドしか観察されなかった。この結果は、ES2細胞におけるXanifolia−Yの処理はアンジオポイエチン−2の細胞含量(または合成)を増加させることを示す。これらの結果はマイクロアレイ研究の結果を裏付ける。
補正クレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着タンパク質またはアンジオポイエチンを調節するための組成物であって、式:
【化1】

(式中、
R1は、水素、ヒドロキシル、O−アセチル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロサイクリック、O−ヘテロアリールおよびO−糖部分から選択され、前記糖部分はベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、およびこれらの誘導体から選択される2個の基で置換されており、
R2は、水素、ヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロサイクリック、O−ヘテロアリール、およびO−糖部分から選択され、前記糖部分はベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、およびこれらの誘導体から選択される2個の基で置換されており、
R4は、CHR6およびCOR6から選択され、ここでR6は、ヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロサイクリック、O−ヘテロアリール、およびこれらの誘導体から選択される基を含み、
R1、R2およびR6の少なくとも1つは、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロサイクリック、O−ヘテロアリール、およびこれらの誘導体から選択され、
R3は、HまたはOHであり、R8は、HまたはOHであり、
R5は水素または糖部分であり、ここで、前記糖部分は、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、アルズロン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、およびこれらの誘導体またはこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記化合物のR9、R10、R11、R12、R13、R14、R15は独立して、CH、CHOH、CHO、COOH、COO−アルキル、COO−アリール、COO−ヘテロサイクリック、COO−ヘテロアリール、CHOアリール、CHO−ヘテロサイクリック、CHO−ヘテロアリール、アルキル、ヒドロキシル、アセチル基、好ましくはCHからなる群から選択される基に結合している、
から選択される、単離、精製もしくは合成化合物、またはその塩、またはそのエステルを含む組成物。
【請求項2】
R1およびR2の少なくとも1つが、O−アセチル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−ジベンゾイル、およびO−ベンゾイルから選択されるか、またはR1およびR2のうちの少なくとも1つが、アセチル、アンゲロイル、チグロイル、セネシオイル、ジベンゾイル、ベンゾイルから選択される2つの基で置換された糖部分であり、R5が水素または糖部分であり、ここで前記糖部分がグルコース、ガラクトース、アラビノースおよびこれらの誘導体からなる群から選択され、前記誘導体が、酸、エステルおよび塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記接着タンパク質が、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54およびCAMを含み、前記調節が、減少させること、阻害することおよび刺激することを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
接着タンパク質の調節が、前記癌細胞の転移または成長を阻害するために前記フィブロネクチンを減少させることを含み、前記癌が乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫および腎臓癌から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記アンジオポイエチンが、アンジオポイエチン1、アンジオポイエチン2、アンジオポイエチン3、アンジオポイエチン4、アンジオポイエチン5、アンジオポイエチン6およびアンジオポイエチン7を含み、前記アンジオポイエチンがアンジオポイエチン様1、アンジオポイエチン様2、アンジオポイエチン様3、アンジオポイエチン様4、アンジオポイエチン様5、アンジオポイエチン様6およびアンジオポイエチン様7を含み、前記調節が、正および負の制御をすることを含み、アンジオポイエチンの調節が、血管形成を阻害するために前記アンジオポイエチン2を刺激することを含み、アンジオポイエチンの調節が、血管形成を阻害するために前記アンジオポイエチン1を阻害することを含み、アンジオポイエチンの調節が、前記アンジオポイエチン様1を阻害することを含み、アンジオポイエチンの調節が、前記アンジオポイエチン様4を阻害することを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記化合物が次のもの:
a)構造Xanifolia(Y):
【化2】

または化学名:3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、精製または合成化合物、
b)構造Xanifolia(Y1):
【化3】

または化学名:3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジアンゲロイル)−α−L−ラムノピラノシル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
c)構造Xanifolia(Y2):
【化4】

または化学名:3−O−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
d)構造Xanifolia(Y8):
【化5】

または化学名:3−O−[β−グルコピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,24β,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
e)構造Xanifolia(Y9):
【化6】

または化学名:3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジアンゲロイル)−α−ラムノピラノシル−28−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、および
f)構造Xanifolia(Y10):
【化7】

または化学名:3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
g)構造Xanifolia(Y0):
【化8】

または化学名:3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル、22−O−(2−メチルプロパノイル)−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
h)構造Xanifolia(X):
【化9】

または化学名:3−O−{[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−[α−L−アラビノフラノシル(1→3)]−β−D−グルクロノピラノシドブチルエステル}−21−O−アセチル−22−O−アンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
i)構造(Y7):
【化10】

または化学名:3−O−[β−D−ガラクトピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル−(1→3)−β−D−−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル−28−O−2−メチルブタノイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
j)構造(ACH−Y):
【化11】

を有する、単離、精製または合成化合物、
k)構造:
【化12】

または化学名:3−O−[β−グルコピラノシル(1→2)]−β−アラビノフラノシル(1→4)−β−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,24β,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
l)構造:
【化13】

を有する、単離、精製または合成化合物、
m)構造:
【化14】

を有する、単離、精製または合成化合物、
から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
細胞における接着タンパク質またはアンジオポイエチンを調節するための医薬を製造するための化合物の使用であって、式:
【化15】

(式中、
R1は、水素、ヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロサイクリック、O−ヘテロアリールおよびO−糖部分から選択され、前記糖部分はベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、およびこれらの誘導体から選択される2個の基で置換されており、
R2は、水素、ヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロサイクリック、O−ヘテロアリール、およびO−糖部分から選択され、前記糖部分はベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、およびこれらの誘導体から選択される2個の基で置換されており、
R4は、CHR6およびCOR6から選択され、ここでR6はヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロサイクリック、O−ヘテロアリール、およびこれらの誘導体から選択される基を含み、
R1、R2およびR6の少なくとも1つは、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−ヘテロサイクリック、O−ヘテロアリール、およびこれらの誘導体から選択され、
R3は、HまたはOHであり、R8は、HまたはOHであり、
R5は、水素または糖部分であり、ここで、前記糖部分は、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、アルズロン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、およびこれらの誘導体またはこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記化合物のR9、R10、R11、R12、R13、R14、R15は独立して、CH、CHOH、CHO、COOH、COO−アルキル、COO−アリール、COO−ヘテロサイクリック、COO−ヘテロアリール、CHOアリール、CHO−ヘテロサイクリック、CHO−ヘテロアリール、アルキル、ヒドロキシル、アセチル基、好ましくはCHからなる群から選択される基に結合している、
から選択される、前記細胞を有効量の、単離、精製または合成化合物、またはその塩、またはそのエステルと接触させることを含む、使用。
【請求項8】
R1およびR2の少なくとも1つが、O−アセチル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−ジベンゾイル、およびO−ベンゾイルから選択されるか、またはR1およびR2のうちの少なくとも1つが、アセチル、アンゲロイル、チグロイル、セネシオイル、ジベンゾイル、ベンゾイルから選択される2つの基で置換された糖部分であり、R5が水素または糖部分であり、ここで前記糖部分がグルコース、ガラクトース、アラビノースおよびこれらの誘導体からなる群から選択され、前記誘導体が、酸、エステルおよび塩である、請求項7に記載の医薬を製造するための化合物の使用。
【請求項9】
前記接着タンパク質が、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54およびCAMを含み、前記調節が、減少させること、阻害することおよび刺激することを含む、請求項7に記載の医薬を製造するための化合物の使用。
【請求項10】
接着タンパク質の調節が、前記癌細胞の転移または成長を阻害するために前記フィブロネクチンを減少させることを含み、前記癌が乳癌、白血球癌、肝臓癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨肉腫、脳腫瘍、白血病癌、肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫および腎臓癌から選択される、請求項7に記載の医薬を製造するための化合物の使用。
【請求項11】
前記アンジオポイエチンが、アンジオポイエチン1、アンジオポイエチン2、アンジオポイエチン3、アンジオポイエチン4、アンジオポイエチン5、アンジオポイエチン6およびアンジオポイエチン7を含み、前記アンジオポイエチンが、アンジオポイエチン様1、アンジオポイエチン様2、アンジオポイエチン様3、アンジオポイエチン様4、アンジオポイエチン様5、アンジオポイエチン様6およびアンジオポイエチン様7を含み、前記調節が、正および負の制御をすることを含み、アンジオポイエチンの調節が、血管形成を阻害するために前記アンジオポイエチン2を刺激することを含み、アンジオポイエチンの調節が、血管形成を阻害するために前記アンジオポイエチン1を阻害することを含み、アンジオポイエチンの調節が、前記アンジオポイエチン様1を阻害することを含み、アンジオポイエチンの調節が、前記アンジオポイエチン様4を阻害することを含む、請求項7に記載の医薬を製造するための化合物の使用。
【請求項12】
前記化合物が次のもの:
a)構造Xanifolia(Y):
【化16】

または化学名:3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、精製または合成化合物、
b)構造Xanifolia(Y1):
【化17】

または化学名:3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジアンゲロイル)−α−L−ラムノピラノシル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
c)構造Xanifolia(Y2):
【化18】

または化学名:3−O−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
d)構造Xanifolia(Y8):
【化19】

または化学名:3−O−[β−グルコピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,24β,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
e)構造Xanifolia(Y9):
【化20】

または化学名:3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21−O−(3,4−ジアンゲロイル)−α−ラムノピラノシル−28−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、および
f)構造Xanifolia(Y10):
【化21】

または化学名:3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
g)構造Xanifolia(Y0):
【化22】

または化学名:3−O−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル、22−O−(2−メチルプロパノイル)−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
h)構造Xanifolia(X):
【化23】

または化学名:3−O−{[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−[α−L−アラビノフラノシル(1→3)]−β−D−グルクロノピラノシドブチルエステル}−21−O−アセチル−22−O−アンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
i)構造(Y7):
【化24】

または化学名:3−O−[β−D−ガラクトピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシル−(1→3)−β−D−−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル−28−O−2−メチルブタノイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
j)構造(ACH−Y):
【化25】

を有する、単離、精製または合成化合物、
k)構造:
【化26】

または化学名:3−O−[β−グルコピラノシル(1→2)]−β−アラビノフラノシル(1→4)−β−グルクロノピラノシル−21−O−アンゲロイル−22−O−アセチル−3β,16α,21β,22α,24β,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エンを有する、単離、精製または合成化合物、
l)構造:
【化27】

を有する、単離、精製または合成化合物、
m)構造:
【化28】

を有する、単離、精製または合成化合物、
から選択される、請求項7に記載の医薬を製造するための化合物の使用。
【請求項13】
請求項1に記載の組成物を投与するプロセスであって、投与が静脈内注射、静脈内点滴、腹腔内注射または経口投与による、投与が、250mlの10%グルコース溶液または250mlの0.9%NaCl溶液中に溶解させた0.05〜0.2mg/kgの化合物の静脈内点滴による、または10〜20mlの10%グルコース溶液または0.9%のNaCl溶液中に溶解させた0.05〜0.2mg/kg/日の化合物の静脈内注射による、または250mlの10%グルコース溶液または250mlの0.9%NaCl溶液中に溶解させた0.1〜0.2mg/kg/日の化合物の静脈内点滴による、または10〜20mlの10%グルコース溶液または0.9%NaCl溶液中に溶解させた0.1〜0.2mg/kg/日の化合物の静脈内注射による、または10%グルコース溶液または0.9%NaCl溶液中に溶解させた2.5mg/kg/日の化合物の腹腔内注射(I.P.)による、または哺乳動物の用量が1〜10mg/Kg、10〜30mg/Kg、30〜60mg/Kg、または60〜90mg/Kg化合物である経口投与による、または哺乳動物の用量が0.01〜0.1mg/Kg、0.1〜0.2mg/Kg、0.2〜0.4mg/Kg、または0.4〜0.6mg/Kg化合物である静脈内注射または静脈内点滴による、または哺乳動物の用量が1〜3mg/Kg、3〜5mg/Kg、4〜6mg/Kg、または6〜10mg/Kg化合物である腹腔内注射(I.P.)による、プロセス。
【請求項14】
細胞の遺伝子発現を調節するための医薬を製造するための化合物の使用であって、前記細胞を、請求項1から6から選択される、有効量の、単離、精製または合成化合物、またはその塩、またはそのエステルと接触させることを含み、前記遺伝子が、ABL2、ADAMTS1、AKR1C3、AMIGO2、ANGPT2、ANKRD11、AP2B1、APEH、APLP2、ARL10C、ARMC4、ARMCX1、ARMCX6、ARNTL2、ARNTL2、ATF3、ATP6V0E、ATP6V1 B2、ATP6V1C1、ATP6V1C1、BCL2A1、BCL6、BRI3、BTD、C14orf109、C14orf78、C17orf32、C6orf65,C9orf10、C9orf103、CAD、CAV1、CAV2、CBLL1、CCL20、CD33L3、CEBPB、CEP4、CFH///CFHL1、CHRDL1、CITED2、CITED2、CLDN14、CLN8、CLTA、CNAP1、COG6、COL18A1、COL4A2、COL5A1、COL5A2、COL6A3、COPG、CPM、CPNE3、CPSF1、CSRP2BP、CSTB、CTNS、CXCL2、DDB1、DDIT3、DDX20、DKFZP564I1171、DKFZP586J0619、DUSP10、DUSP10、DYRK3、EEF2K、EFEMP1、EMP1、EVC、EVI2A、EXT2、FAM62A、FER1L3、FLJ14466、FLNA、FN1、FN1、GANAB、GDF15、GEM、GNPDA1、GPAA1、GPC6、GPNMB、GPNMB、GUSB、H2AFV、H2AFV、HDAC9、HDLBP、HECW2、HMGA2、HMOX1、HSDL2、HSPBAP1、HSPC196、HYOU1、IDS、IGFBP3、IKBKAP、INSIG1、IPO4、IRS2、JAG1、KDELR3、KIAA0251、KIAA0586、KIAA1211、KIAA1462、KIAA1706、KIAA1754、KRT18、KRT7、KRTAP4−7、LAMP2、LEPR、LEPREL1、LHFPL2、LIF、LOC286044、LOC339229、LOC90693、LRRC8E、MAFG、MAGED2、MCTP1、MGC16291、MGC19764、MGC5618、MRPS30、MRPS31、MTERFD3、MYH9、NAGA、NAV2、NCSTN、NEK9、NEU1、NFKBIZ、NMT2、NPC2、NSUN5C、NTNG1、NUP188、OACT2、OS9、P4HA1、P8、PALM2−AKAP2、PALM2−AKAP2、PARVA、PBX2、PDE4DIP、PDIA4、PDIA6、PEG10、PHF19、PIK4CA、PLEKHM1、PLOD1、PLOD2、PPP1R15A、PPP1R15A、PRKDC、PRSS23、PRSS23、PSEN2、PSMD1、PTPRF、PTPRJ、RAB32、RAB9A、RG9MTD1、RGS4、RHOQ1、RND3、RNF25、RNPEP///UBE2V1///Kua///Kua−UEV、RNU17D、ROBO4、RRAGC、RRS1、SEC31L1、SERPINB2、SERPINB7、SESN2、SGEF、SGSH、SKIV2L、SLC25A21、SLC35A3、SLC3A2、SMARCA1、SNAPC1、SNF1LK、SPOCD1、SPTAN1、SQSTM1、ST3GAL6、STC2、STX3A、TFPI2、TFPI2、TGFBI、TGM2、THRAP1、TLN1、TMEM60、TNFAIP3、TRIB3、TRIO、TSC2、UAP1L1、UBAP2L、UPP1、URB、USP11、USP5、VDR、WDR4、YTHDF2、ZCCHC9、ZDHHC20、ZFHX1B、ZNF185、ZNF278、ZNF690、ZNF697から選択されるか、または、FN1、ITGAV、LAMA4、LAMB2、LAMC1、LAMB1、LAMB1、LAMA4、LAMA5、LAMC1、LAMA2、LAMB1、LAMA3、SCAMP1、TICAM2、SCAMP1、TICAM2、SCAMP1、SCAMP1、CAMK2B、DL1、ICAM3、CEECAMI、ICAM5、SCAMP1、CAMK1G、CAMSAP1、MCAM、CAMTA1、CKN1、ALCAM、DCAMKL2、CEACAM3、CAMK2D、CAMK2B、SCAMP5、CAMK4、NCAM1、CAMK2G、MYH9、MYH10、MYO1D、MYO5A、MYLK、MYO6、MYO5A、MYO1C、MYLK、MYO6、MYLC2PL、MYO10、MYO6、TPM3、MYO1C、BECN1、MYO1E、TPM3、M−RIP、MYO1B、MYO10、MYO5A、M−RIP、MYO10、MYL6、MYOHD1、BECN1、TPM4、MYLK、MYH10、MYOHD1、LOC221875、LOC402643、MYO15B、LOC129285、MYH11、MYO1B、MYO1C、MYO9B、CDH13、CTNNAL1、CDH13、CDH12、CTNNB1、CDH5、CTNND1、CDH2、CTNNA1、CDH2、PCDHB16、CTNNA1、CELSR2、PCDHB6、PCDHB7、CTNND2、PCDHGC3、PCDHGB4、PCDHGA8、PCDHGA12、PCDHGC5、PCDHGC4、PCDHGB7、PCDHGB6、PCDHGB5、PCDHGB3、PCDHGB2、PCDHGB1、PCDHGA11、PCDHGA10、PCDHGA9、PCDHGA7、PCDHGA6、PCDHGA5、PCDHGA4、PCDHGA3、PCDHGA2、PCDHGA1、CTNND1、CDH23、PCDHB12、PCDHB10、PCDH18、CDH20、PCDH9、PCDHGA12、PCDHGA11、PCDHGA10、PCDHGA6、PCDHGA5、PCDHGA3、PCDH7、CDH18、CDH6、CCBE1、COL10A1、COL12A1、COL13A1、COL18A1、COL1A1、COL21A1、COL4A1、COL4A2、COL4A5、COL4A6、COL5A1、COL5A2、COL6A1、COL6A2、COL6A3、COL9A1、MMP9、P4HA1、P4HA2、P4HB、PCOLCE、PCOLCE2、PCOTH、PLOD1、PLOD2、PLOD3、CIB1、ILK、ITGA2、ITGA3、ITGA4、ITGA6、ITGAV、ITGB1、ITGB1BP1、ITGB2、ITGB5、ITGBL1、TNC、EMILIN1、ICAM1、HSPG2、HPSE、HS2ST1、SDC2から選択される、使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−519219(P2010−519219A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550096(P2009−550096)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/002086
【国際公開番号】WO2008/133766
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(506096888)パシフィック アロー リミテッド (4)
【Fターム(参考)】