説明

接着剤組成物

【課題】高温曝露時の反りを抑制でき、優れた耐熱性を示し、除去が容易な仮止め用の接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の接着剤組成物は、対象物を被対象物に一時的に接着するための接着剤組成物であって、当該接着剤組成物から形成されている膜の軟化点が100℃以上、200℃以下の範囲内であり、樹脂および架橋剤を含有しており、上記樹脂が、上記架橋剤に反応性を示す官能基を備えており、上記官能基と反応して上記樹脂に分子間架橋を生じさせる上記架橋剤が、上記樹脂の重量に対して0重量%を超え、50重量%未満の範囲で含まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮止め用の接着剤組成物に関する。より詳細には、本発明は、高温処理を伴う工程において、支持基板または保護基板を製造中の製品に一時的に固定するための、接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、デジタルAV機器およびICカードなどの高機能化にともない、搭載される半導体シリコンチップ(以下、チップ)に対する小型化、薄型化および高集積化の要求が高まっている。また、CSP(chip size package)およびMCP(multi-chip package)に代表される、複数のチップをワンパッケージ化する集積回路に対しても、その薄型化が求められている。製品の薄型化というニーズに応えるためには、チップを150μm以下に薄化する必要がある。さらに、CSPおよびMCPにおいては100μm以下、ICカードにおいては50μm以下にチップを薄化加工する必要がある。ここで、一つの半導体パッケージ内に複数の半導体チップを搭載するシステム・イン・パッケージ(SiP)は、搭載されるチップを小型化し、薄型化し、かつ高集積化することによって、電子機器の高性能化、小型化および軽量化を実現する上で非常に重要な技術である。
【0003】
従来、SiP製品には、積層したチップごとのバンプ(電極)と回路基板とを、ワイヤ・ボンディング技術によって接続する手法が用いられている。また、このような薄型化および高集積化の要求に応えるためには、ワイヤ・ボンディング技術ではなく、貫通電極を形成したチップを積層し、チップの裏面にバンプを形成する貫通電極技術も必要である。
【0004】
薄型のチップは、例えば、高純度シリコン単結晶などをスライスしてウエハにした後、ウエハの表面にICなどの所定の回路パターンをエッチング形成して集積回路を組み込み、得られた半導体ウエハの裏面を研削機によって研削し、所定の厚さに研削した後の半導体ウエハをダイシングしてチップ化することによって作製される。このとき、上述の所定の厚さは、100〜600μm程度である。さらに、貫通電極を形成する場合のチップは、50〜100μm程度の厚さに研削される。
【0005】
半導体チップの製造において、半導体ウエハ自体が肉薄であるために脆い上に、回路パターンに凹凸があるので、研削工程またはダイシング工程への搬送時に外力が加わると破損しやすい。また、研削工程においては、生じた研磨屑の除去、または研磨時に生じる熱を逃がすことを目的として、精製水を半導体ウエハ裏面に流しつつ研削処理する。このとき、洗浄などに用いる精製水によって回路パターン面が汚染されることを防ぐ必要がある。そこで、半導体ウエハの回路パターン面を保護するとともに、半導体ウエハの破損を防止するために、回路パターン面に加工用粘着フィルムを貼着した上で、研削作業が行われている。
【0006】
上述の例以外に、貫通電極の形成などの裏面配線における高温プロセスを伴う工程は、半導体ウエハを接着固定した状態において行われる。高温プロセスを伴う工程において好適に使用され得る接着剤組成物として、耐熱性に優れているという観点から、ガラス転移温度(Tg)の高い樹脂を含んでいる接着剤組成物が数多く提案されている。
【0007】
しかし、Tgの高い樹脂を含んでいる接着剤組成物は、高温にさらすと、回路パターン面を保護するフィルムまたは基板に反りを生じさせる場合がある。このため、このような接着剤組成物を用いると、製品の搬送に支障を来たしたり、搬送時に製品を破損させたりする原因になるので、製品を十分に保護できないことがある。
【0008】
そこで、製品をさらに適切に保護するために、Tgの低い樹脂を含んでいる接着剤組成物を用いて、製造工程において半導体ウエハなどに保護用のフィルムまたは基板を一時的に接着することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−165460号公報(1996年6月25日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、Tgが低い樹脂を含んでいる接着剤組成物によって形成された膜は、軟化点が低いので、例えば150℃以上の高温にさらすと部分的に流動性を示す。このため、このような接着剤組成物によって形成された膜は、高温プロセス中に沈み込んだり、端部から滲み出したりして、接着する対象物を被対象物に対して適切に接着固定できない。つまり、このような接着剤組成物は耐熱性に劣る。
【0011】
ここで、製品の製造中における保護を目的とした接着剤組成物には、製品を保護したい工程において強い接着性が求められる一方で、不要になれば容易に除去できる性質が求められる。しかし、高温曝露時の反りを抑制でき、優れた耐熱性を示し、除去が容易な仮止め用の接着剤組成物は、これまでに提案されていない。
【0012】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高温曝露時の反りを抑制でき、優れた耐熱性を示し、除去が容易な仮止め用の接着剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の接着剤組成物は、対象物を被対象物に一時的に接着するための接着剤組成物であって、
当該接着剤組成物から形成されている膜の軟化点が100℃以上、200℃以下の範囲内であり、
樹脂および架橋剤を含有しており、
上記樹脂が、上記架橋剤に対して反応性を示す官能基を備えており、
上記官能基と反応して上記樹脂に分子間架橋を生じさせる上記架橋剤が、上記樹脂の重量に対して0重量%を超え、50重量%未満の範囲で含まれている構成である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以上のような構成によって、高温曝露時の反りを抑制でき、優れた耐熱性を示し、除去が容易な仮止め用の接着剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔接着剤組成物〕
本発明に係る接着剤組成物の一実施形態について以下に説明する。
【0016】
本発明の接着剤組成物は、対象物を被対象物に一時的に接着するための接着剤組成物であって、
当該接着剤組成物から形成されている膜の軟化点が100℃以上、200℃以下の範囲内であり、
樹脂および架橋剤を含有しており、
上記樹脂が、上記架橋剤に反応性を示す官能基を備えており、
上記官能基と反応して上記樹脂に分子間架橋を生じさせる上記架橋剤が、上記樹脂の重量に対して0重量%を超え、50重量%未満の範囲で含まれている構成である。
【0017】
本発明の接着剤組成物は、対象物を被対象物に仮止めする接着剤として用いるのであれば、具体的な用途は特に限定されない。本実施形態では、ウエハサポートシステムのために、本発明の接着剤組成物を用いて、半導体ウエハ(対象物)をサポートプレート(被対象物)に対して一時的に接着する用途を例に挙げて説明する。
【0018】
<接着剤組成物に含まれる樹脂>
上述のように、本発明に係る接着剤組成物は、架橋剤、および当該架橋剤に反応性を示す官能基を含んでいる樹脂を、必須に含有している。上記架橋剤は、上記官能基と反応して上記樹脂の分子間に架橋を生じさせる。また、上記接着剤組成物は、上記架橋剤に反応性を示さない不活性な樹脂を、必要に応じて含有し得る。これ以降、上記架橋剤に対する反応性の有無にしたがって、上記接着剤樹脂に必須の樹脂を「活性樹脂」と記載し、上記接着剤樹脂にとって任意の樹脂を「不活性樹脂」と記載する。
【0019】
(活性樹脂)
本発明に係る活性樹脂は、架橋剤と反応して分子間の架橋を形成する官能基を含んでいる。よって、上記活性樹脂は、上述のように上記架橋剤とともに接着剤組成物に含まれているので、接着剤組成物において架橋された状態にある。このため、上記活性樹脂は、高温プロセスにおける接着剤組成物の沈み込みを抑制する。また、上記活性樹脂は、接着剤組成物において部分的に架橋されている。よって、本発明に係る接着剤組成物によって形成された膜は、剥離液を用いて半導体ウエハから容易に除去できる。
【0020】
上記官能基は、架橋剤と反応して分子間の架橋を形成する任意の官能基であり、使用する架橋剤の種類に応じて、適宜選択される。上記官能基の例としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、水酸基およびカルボキシル基が挙げられる。後述する不活性樹脂とともに活性樹脂を溶剤に溶かして、接着剤組成物を調製する場合、不活性樹脂との相溶性を維持できるように、極性の低い官能基を選択することが好ましい。
【0021】
上記官能基は、活性樹脂1分子内に複数個含まれており、好ましくは2つ含まれている。活性樹脂1分子内に2つの官能基が含まれていれば、架橋剤の添加量を調整することによって、活性樹脂間における適度に部分的な架橋をより確実に形成できる。よって、高温曝露時における接着剤組成物の膜の沈み込みをより適切に抑制し、半導体ウエハからの接着剤組成物の除去がさらに容易になる。
【0022】
活性樹脂1分子内に複数の官能基を有している活性樹脂としては、ポリジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールなどが挙げられる。
【0023】
ポリジエンポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどが挙げられる。ポリジエンポリオールとして、水素化ポリブタジエンポリオール、および水素化ポリイソプレンポリオールなどの水素化ポリジエンポリオールを使用し得る。ポリブタジエンポリオールとしては、1,4−結合を主に有する水酸基末端液状ポリブタジエンPoly bd R−45HT、R−15HT(出光興産社製)、水酸基末端ポリブタジエン水素化物ポリテールH、ポリテールHA(三菱化学社製)、1,2−結合を主に有する末端水酸基化ポリブタジエンG−1000、G−2000、G−3000(日本曹達社製)、1,2−結合を主に有する末端水酸基化ポリブタジエン樹脂の水素化物GI−1000、GI−2000、GI−3000(日本曹達社製)などが挙げられる。ポリイソプレンポリオールとしては、水酸基末端液状イソプレンPoly ip、エポール(出光興産社製)などが挙げられる。
【0024】
ポリカーボネートポリオールとしては、直鎖状脂肪族ジオール、脂環式ジオール、グリセリンなどのポリオールから選択される1種または2種以上のジオール由来の繰り返し単位を含むポリカーボネートポリオールが挙げられる。直鎖状脂肪族ジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどが挙げられる。脂環式ジオールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。
【0025】
ポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンアジペートポリオールおよびポリブチレンアジペートポリオールなどのアジペート系ポリオール、テレフタル酸系ポリオール、ならびにポリカプロラクトンポリオールなどが挙げられる。
【0026】
ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリビニルエーテルポリオールなどが挙げられる。ポリビニルエーテルポリオールとしては、TOE−2000H(協和発酵ケミカル社製)などが挙げられる。
【0027】
上記官能基は、上記活性樹脂における任意の位置に存在し得る。例えば、上記官能基は、上記活性樹脂の主鎖または側鎖に結合している。上記官能基は、上記活性樹脂の分子鎖の末端に位置していることが好ましい。これによって、活性樹脂1分子に含まれる官能基の数が2つに制限され、活性樹脂の架橋度を適切な範囲に収めることができる。分子鎖の末端に上記官能基を有している活性樹脂の例としては、α,ω−ポリブタジエングリコールおよびα,ω−ポリブタジエンジカルボン酸、ならびにこれらの水素化物などが挙げられる。
【0028】
活性樹脂は、市販の樹脂であるか、または重合後に上記官能基を導入された樹脂である。例えば、上記活性樹脂は、重合した樹脂を、上記官能基を有しているモノマーもしくはオリゴマー、および過酸化物と混合し、溶融二軸押出機によって練り混ぜて反応させることによって得られる。
【0029】
接着剤組成物に後述する不活性樹脂がさらに含まれている場合に、活性樹脂は、活性樹脂および不活性樹脂の合計を100質量部としたとき、10質量部以上、20質量部以下の範囲で含まれていることが好ましい。接着剤組成物における活性樹脂の含有量が上記範囲内にあるとき、接着剤組成物に含まれており、分子間の架橋を形成している活性樹脂の量を適切な範囲に収めることができる。よって、反りの抑制、耐熱性の向上および剥離液に対する可溶性の維持をさらに確実に実現できる。
【0030】
(不活性樹脂)
本発明に係る接着剤組成物は、上述の架橋剤と反応しない不活性樹脂をさらに含み得る。不活性樹脂は、反りの抑制、耐熱性または剥離液に対する可溶性といった、本発明に係る接着剤組成物が示す性質のいずれかを向上させるか、または損なわない任意の樹脂から選択される。
【0031】
高温曝露時における接着剤組成物の反りをより抑制できるという観点から、不活性樹脂は、熱可塑性のエラストマーを含んでいることが好ましい。熱可塑性のエラストマーは、ガラス転移温度が30℃以下の重合体(例えば、常温以下のガラス転移温度を有する熱可塑性のエラストマー)であることが好ましい。このようなガラス転移温度を有するエラストマーは、接着剤組成物の反りをより確実に抑制できるので好ましい。
【0032】
熱可塑性のエラストマーの例としては、イソプレンゴムおよびその水素添加物;クロロプレンゴムおよびその水素添加物;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、およびプロピレン−αオレフィン共重合体などの飽和ポリオレフィンゴム;エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、αオレフィン−ジエン共重合体、ジエン共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合体、およびイソブチレン−ジエン共重合体などのジエン系共重合体およびこれらのハロゲン化物、ならびにこれらの水素添加物;アクリロニトリル−ブタジエン共重合体およびその水素添加物;フッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン共重合体、およびプロピレン−四フッ化エチレン共重合体などのフッ素ゴム;ウレタンゴム、シリコーンゴム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、プロピレンオキサイドゴム、およびエチレンアクリルゴムなどの特殊ゴム;ノルボルネン系単量体−エチレンまたはαオレフィンの共重合体、ノルボルネン系単量体−エチレン−αオレフィンの三元共重合体、ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物、などのノルボルネン系ゴム質重合体;乳化重合または溶液重合されたスチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴムなどのスチレン−ブタジエンのランダム共重合体またはブロック共重合体、およびこれらの水素添加物;スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴムおよびスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンゴムなどの芳香族ビニル系モノマー−共役ジエンのランダム共重合体、ならびにこれらの水素添加物;スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴム、およびスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンゴムなどの芳香族ビニル系モノマー−共役ジエンの直鎖状または放射状ブロック共重合体、ならびにそれらの水素添加物などのスチレン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0033】
熱可塑性のエラストマーは、耐熱性の点から、芳香環以外の部分が水素添加を受けていることがより好ましい。このようなエラストマーの例としては、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、およびこれらの水素添加物などが挙げられる。これらは、クラレ社製のSEPTONシリーズ(1001、1020、2002、2004、2005、2006、2007、2104、2063、4033、4044、4055、4077、4099、8004、8006、8007、8104、8076)として市販されている。
【0034】
接着剤組成物に後述する不活性樹脂がさらに含まれている場合に、不活性樹脂は、活性樹脂および不活性樹脂の合計を100質量部としたとき、80質量部以上、90質量部以下の範囲で含まれていることが好ましい。接着剤組成物における不活性樹脂の含有量が上記範囲内にあるとき、接着剤組成物に含まれており、分子間の架橋を形成している活性樹脂の量を適切な範囲に収めることができる。よって、反りの抑制、耐熱性の向上および剥離液に対する可溶性の維持をさらに確実に実現できる。
【0035】
なお、活性樹脂および(必要に応じて)不活性樹脂を含んでいる接着剤組成物から形成される膜は、100℃以上、200℃以下の軟化点、より好ましくは120℃以上、180℃以下の軟化点を有している。膜の軟化点が上記範囲内にあるとき、優れた耐熱性および反りの抑制をより確実に実現できる。
【0036】
<架橋剤>
本発明に係る接着剤組成物は、架橋剤を必須に含んでいる。架橋剤は、活性樹脂に含まれている官能基との反応性を示す2以上の官能基を有している化合物である。したがって、活性樹脂に含まれている官能基の種類に応じて、架橋剤の種類が選択される。
【0037】
本発明に係る架橋剤としては、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素またはグリコールウリルなどのアミノ基含有化合物にホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒドと低級アルコールを反応させ、該アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基または低級アルコキシメチル基に置換した化合物、エポキシ基を有する化合物が挙げられる。
【0038】
これらのうち、メラミンを用いたものをメラミン系架橋剤、尿素を用いたものを尿素系架橋剤、エチレン尿素またはプロピレン尿素等のアルキレン尿素を用いたものをアルキレン尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤、ならびにエポキシ基を有する化合物を用いたものをエポキシ系架橋剤という。
【0039】
メラミン系架橋剤としては、メラミンとホルムアルデヒドとを反応させて、アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基で置換した化合物、およびメラミンとホルムアルデヒドと低級アルコールとを反応させて、アミノ基の水素原子を低級アルコキシメチル基で置換した化合物などが挙げられる。具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、およびヘキサブトキシブチルメラミン等が挙げられ、なかでもヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
【0040】
尿素系架橋剤としては、尿素とホルムアルデヒドとを反応させて、アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基で置換した化合物、および尿素とホルムアルデヒドと低級アルコールとを反応させて、アミノ基の水素原子を低級アルコキシメチル基で置換した化合物などが挙げられる。具体的には、ビスメトキシメチル尿素、ビスエトキシメチル尿素、ビスプロポキシメチル尿素、ビスブトキシメチル尿素等が挙げられ、なかでもビスメトキシメチル尿素が好ましい。
【0041】
アルキレン尿素系架橋剤としては、下記一般式(1)によって表される化合物が挙げられる。
【0042】
【化1】

【0043】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、水酸基または低級アルコキシ基であり、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または低級アルコキシ基であり、vは0または1〜2の整数である。)
およびRが低級アルコキシ基であるとき、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、直鎖状または分岐状である。RおよびRは同じであるか、または互いに異なっており、同じであることが好ましい。RおよびRが低級アルコキシ基であるとき、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、直鎖状または分岐状である。RおよびRは同じであるか、または互いに異なっており、同じであることが好ましい。vは、0または1〜2の整数であり、好ましくは0または1である。アルキレン尿素系架橋剤としては、特に、vが0である化合物(エチレン尿素系架橋剤)、およびvが1である化合物(プロピレン尿素系架橋剤)が好ましい。
【0044】
上記一般式(1)によって表される化合物は、アルキレン尿素とホルマリンを縮合反応させ、その生成物を低級アルコールと反応させることによって得ることができる。
【0045】
アルキレン尿素系架橋剤の具体例としては、例えば、モノおよびジヒドロキシメチル化エチレン尿素、モノおよびジメトキシメチル化エチレン尿素、モノおよびジエトキシメチル化エチレン尿素、モノおよびジプロポキシメチル化エチレン尿素、モノおよびジブトキシメチル化エチレン尿素等のエチレン尿素系架橋剤;モノおよびジヒドロキシメチル化プロピレン尿素、モノおよびジメトキシメチル化プロピレン尿素、モノおよびジエトキシメチル化プロピレン尿素、モノおよびジプロポキシメチル化プロピレン尿素、モノおよびジブトキシメチル化プロピレン尿素等のプロピレン尿素系架橋剤;ならびに1,3−ジ(メトキシメチル)4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(メトキシメチル)−4,5−ジメトキシ−2−イミダゾリジノンなどを挙げられる。
【0046】
グリコールウリル系架橋剤としては、N位がヒドロキシアルキル基および炭素数1〜4のアルコキシアルキル基の一方または両方によって置換されたグリコールウリル誘導体が挙げられる。当該グリコールウリル誘導体は、グリコールウリルとホルマリンとを縮合反応させ、その生成物を低級アルコールと反応させることによって得ることができる。
【0047】
グリコールウリル系架橋剤の具体例としては、例えばモノ、ジ、トリおよびテトラヒドロキシメチル化グリコールウリル;モノ、ジ、トリおよびテトラメトキシメチル化グリコールウリル;モノ、ジ、トリおよびテトラエトキシメチル化グリコールウリル;モノ、ジ、トリおよびテトラプロポキシメチル化グリコールウリル;ならびにモノ、ジ、トリおよびテトラブトキシメチル化グリコールウリルなどが挙げられる。
【0048】
エポキシ系架橋剤としては、エポキシ基を有するものであれば特に限定されず、任意に選択して用いることができる。その中でも、エポキシ基を2つ以上有するものが好ましい。エポキシ基を2つ以上有することによって、架橋反応性が向上する。エポキシ基の数は、2つ以上であることが好ましく、より好ましくは2〜4つであり、最も好ましくは2つである。エポキシ系架橋剤として好適なものを以下に示す。
【0049】
【化2】

【0050】
上記架橋剤は、活性樹脂の重量に対して5重量%以上、20重量%以下の範囲で含まれていることが好ましい。接着剤組成物における架橋剤の含有量が、上記範囲内に収まっていれば、活性樹脂が適切な程度に(部分的に)架橋される。したがって、剥離剤に対する可溶性を維持しつつ、耐熱性を向上させることがより容易になる。
【0051】
<接着剤組成物に含まれる他の成分>
本発明に係る接着剤組成物には、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、混和性を有する添加剤、例えば接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着助剤、安定剤、着色剤および界面活性剤などの当該分野において慣用されているものをさらに添加することができる。
【0052】
さらに、接着剤組成物は、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、有機溶剤を用いて希釈することによって、粘度を調整してもよい。当該有機溶剤の例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、およびp−メンテンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、ヘキサンおよびヘプタンなどの脂肪族炭化水素;ならびにシクロヘキサンなど脂環式炭化水素などを挙げることができる。当該有機溶媒は、1種類を選択して用いてもよく、2種以上を選択して混合したものを用いてもよい。
【0053】
有機溶剤の使用量は、接着剤組成物を塗布することを所望する膜厚に応じて適宜選択されるものである。従って、当該使用量は、接着剤組成物が半導体ウエハなどの支持体上に塗布可能な濃度を有する範囲内にあればよく、特に限定されない。一般的には、有機溶剤は、有機溶剤および接着剤組成物における接着剤組成物の固形分濃度が、20〜70質量%、より好ましくは25〜60質量%を有する範囲内の量において用いられる。
【0054】
以上のように本発明に係る接着剤組成物を用いれば、接着剤層の反りに起因するウエハ搬送時の支障および破損、高温プロセスにおける接着剤層の滲み出しおよび沈み込み、ならびに接着剤層の容易な除去を同時に実現することができる。
【0055】
〔剥離液〕
本発明に係る接着剤組成物を除去するための剥離液として、当該分野において一般的な剥離液を使用可能であるが、例えば、上述の有機溶剤などを使用可能である。
【0056】
〔接着剤組成物の使用方法〕
本発明に係る接着剤組成物の使用方法の一例を以下に説明する。以下の記載は、“一例”と記載した通り、本発明の理解を助ける例示であって、本発明を何ら限定するものではない。
【0057】
本発明に係る接着剤組成物を、フィルム上に塗布して接着剤層を形成することによって、接着フィルムとして使用することができる。本発明に係る接着フィルムは、フィルム上に、上記何れかの接着剤組成物を含有する接着剤層を備えている。当該接着フィルムは、接着フィルム法の過程において得られる。当該接着フィルム法とは、予め可撓性フィルムなどの一時的に基材になるフィルム上に上述の接着剤組成物のいずれかを含む接着剤層を形成した後、乾燥させておき、接着フィルムを被加工体に貼り付けて使用する方法である。
【0058】
上述の〔接着剤組成物〕の項に記載のように、接着剤組成物は、活性樹脂および適量の架橋剤を含有しているので、耐熱性に優れ、反りが抑制され、かつ剥離液に対する可溶性を維持している。すなわち、本発明に係る接着フィルムを用いれば、接着剤層の反りに起因するウエハ搬送時の支障および破損、高温プロセスにおける接着剤層の滲み出しおよび沈み込み、ならびに接着剤層の容易な除去を同時に実現することができる。
【0059】
接着フィルムは、接着剤層の接着面に保護フィルムが被覆されている構成を有していてもよい。当該構成を採用した場合には、接着剤層上の保護フィルムを剥離し、かつ被加工体の上に接着剤層の露出した接着面を重ねた後に、接着剤層からフィルム(可撓性フィルムなど)を剥離することによって被加工体上に接着剤層を容易に設けることができる。
【0060】
ここで、上述した本発明に係る接着剤組成物は、用途に応じて様々な利用形態を採用することができる。例えば、液状のまま、半導体ウエハなどの被加工体の上に塗布して接着剤層を形成する方法を用いてもよい。一方で、本発明に係る接着フィルムを用いれば、被加工体に対して直接に接着剤組成物を塗布して接着剤層を形成する場合と比較して、膜厚の均一性および表面平滑性の良好な接着剤層を形成することができる。
【0061】
本発明に係る接着フィルムの製造に使用する接着層形成用のフィルムは、フィルム上に製膜された接着剤層を当該フィルムから剥離可能であり、かつ接着剤層を保護基板またはウエハなどの被処理面上に転写できる離型フィルムであればよく、他の点に関して特に限定されない。接着層形成用の当該フィルムの例としては、膜厚15μm以上、125μm以下のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、またはポリ塩化ビニルなどを材料とする合成樹脂フィルムからなる可撓性フィルムが挙げられる。上記フィルムは、必要に応じて、転写を容易にする離型処理を施されていることが好ましい。
【0062】
上記フィルム上に接着剤層を形成する方法は、所望する接着剤層の膜厚または均一性に応じて適宜、公知の方法から選択されればよく、特に限定されない。公知の方法の例としては、アプリケーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、またはカーテンフローコーターなどを用いて、フィルム上に形成される乾燥後の接着剤層の膜厚が10μm以上、1000μm以下となるように、本発明に係る接着剤組成物を塗布する方法が挙げられる。特に、ロールコーターは、膜厚の均一性に優れた接着剤層の形成、および膜厚の大きい膜を効率よく形成することに適しているため好ましい。
【0063】
また、保護フィルムを用いる場合、保護フィルムは、接着剤層から剥離可能なフィルムであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、およびポリエチレンフィルムなどが好ましい。また、各保護フィルムは、シリコンがコーティングされているか、または焼き付けられていることが好ましい。これは、接着剤層からの剥離が容易だからである。保護フィルムの厚さは、特に限定されないが15μm以上、125μm以下であることが好ましい。これは、保護フィルムを備えた接着フィルムの柔軟性を確保できるからである。
【0064】
接着フィルムの使用方法としては、特に限定されないが、例えば、保護フィルムを用いる場合には、保護フィルムを剥離し、被加工体の上に接着剤層の露出した接着面を重ねた後に、フィルム側(接着剤層の形成された面の裏面側)から加熱ローラを回転移動させることによって、接着剤層を被加工体の表面に熱圧着させる方法が挙げられる。なお、巻き取りローラなどのローラを用いてロール状にして順次、接着フィルムから剥離した保護フィルムを巻き取れば、当該保護フィルムは保存して再利用可能である。
【0065】
本発明に係る接着剤組成物は、用途に関して特に限定されないが、半導体ウエハなどの基板に対して、半導体ウエハの精密加工に用いる保護基板を接着する接着剤組成物として好適に使用される。本発明の接着剤組成物は、特に、半導体ウエハなどの基板を研削して薄板化する際に、サポートプレートに当該基板を貼り付ける接着剤組成物(を含む接着剤層)として、好適に使用される(例えば、特開2005−191550号公報を参照すればよい)。
【実施例】
【0066】
以下に、本発明に係る接着剤組成物の実施例を示す。なお、以下に示す実施例は、本発明の理解を助ける例示であって、何ら本発明を限定するものではない。
【0067】
〔接着剤組成物の組成〕
本発明の実施例および比較例の組成物として、組成の異なる複数の接着剤組成物を調製した。調製した接着剤組成物のそれぞれが有する組成を以下の表1に示す。なお、各接着剤組成物は、樹脂および添加剤を溶剤に加えて混合することによって作製された。
【0068】
【表1】

【0069】
(各接着剤組成物における各成分の詳細)
樹脂1は、SEBS:水添ブチレン・ブタジエンブロック共重合体(SEPTON8007、クラレ社製)である(以下の化学式(2)によって表される)。
樹脂2は、分子鎖の末端に水酸基を有している、α,ω−ポリブタジエングリコール(G3000、日本曹達社製)である(以下の化学式(3)によって表される)。
架橋剤1は、メチル化メラミン樹脂(ニカラック MW−390、三和ケミカル社製)である(以下の化学式(4)によって表される)。
架橋剤2は、メチル化尿素樹脂(ニカラックMX−280、三和ケミカル社製)である(以下の化学式(5)によって表される)。
溶剤は、p−メンタンである。
【0070】
【化3】

【0071】
(式(2)中、k、l、mおよびnは、1以上の整数である)
【0072】
【化4】

【0073】
(式(3)中、zは1以上の整数である)
【0074】
【化5】

【0075】
【化6】

【0076】
樹脂1は、架橋剤1および架橋剤2に不活性な樹脂(不活性樹脂)である。樹脂2は、架橋剤1または架橋剤2が上記水酸基と反応して分子間架橋を生じる樹脂(活性樹脂)である。
【0077】
実施例1の接着剤組成物は、樹脂2に対して10重量%の架橋剤1を含んでいる。実施例2の接着剤組成物は、樹脂2に対して10重量%の架橋剤2を含んでいる。実施例3の接着剤組成物は、樹脂2に対して5重量%の架橋剤1を含んでいる。実施例4の接着剤組成物は、樹脂2に対して10重量%の架橋剤1を含んでいる。実施例5の接着剤組成物は、樹脂2に対して20重量%の架橋剤2を含んでいる。比較例3の接着剤組成物は、樹脂2に対して50重量%の架橋剤1を含んでいる。
【0078】
〔接着剤組成物の評価〕
実施例および比較例の上記接着剤組成物のそれぞれについて、耐熱性(樹脂が沈み込む度合い)、反りが生じる程度、および剥離の容易性(残渣の有無)を評価した。
【0079】
(耐熱性の評価)
実施例および比較例の接着剤組成物のそれぞれについて、半導体ウエハ上に膜厚50μmの層になる量をスピン塗布し、110℃、150℃または220℃でベークした。その後、サポート板を接着剤組成物の膜の上において、150℃でベークしてサポート板を貼り付けた。各接着剤組成物を用いてサポート板に貼り付けた半導体ウエハの耐熱性を、耐熱性試験(200℃の真空中における1時間の加熱処理)後における接着剤組成物の膜の沈み込み量(膜厚の変量)から評価した。評価基準は以下の通りである。
○:耐熱性試験後の膜厚>耐熱性試験前の膜厚×60%
△:耐熱性試験後の膜厚=耐熱性試験前の膜厚×40〜60%
×:耐熱性試験後の膜厚<耐熱性試験前の膜厚×40%
この基準にしたがって評価した結果を表2に示す。
【0080】
(反りの評価)
耐熱性の評価と同様にして各接着剤組成物の耐熱性試験を行った後に、フィルム反り測定器(TENCOR FLX−2908、KLA Tencor Japan製)を用いて、各接着剤組成物の膜の反りの程度を測定した。測定結果を表2に示す。なお、反りが100μmを超えない限り、実際の使用に耐え得ると見做す。
【0081】
(残渣の確認)
耐熱性の評価と同様にして各接着剤組成物の耐熱性試験を行った後に、剥離剤(p−メンタン)を用いて、各接着剤組成物の膜を半導体ウエハから除去する操作を行った。この除去の後に、半導体ウエハ上に接着剤組成物が除去され切らずに残っていないか(残渣の有無)を目視にて確認した。この結果を表に示す。なお、目視にて残渣が確認された場合には可溶性が低く、使用に耐えないと判断した。
【0082】
【表2】

【0083】
表2に示す通り、実施例1〜5の接着剤組成物は、反り、沈み込みおよび残渣の各評価において、良好であった。つまり、実施例1〜5の接着剤組成物は、(1)高温にさらしても生じる反りが少ないため、半導体ウエハの搬送時の支障および破損を回避でき、(2)高温処理中に膜の接着性が低下しないので、半導体ウエハを適切に固定でき、(3)高温処理後に剥離液を用いて容易に除去できることが分かった。実施例1および5の接着剤組成物は、沈み込みが少ないので特に良好であった。
【0084】
一方で、表2に示す通り、比較例1〜3の接着剤組成物は、高温処理時に軟化して大きく沈み込み、膜の端部から滲み出しが確認されたか(比較例1および2)、または反りが激しい上に、剥離液によって十分に除去されなかった(比較例3)。このように、比較例1〜3の接着剤組成物は、上述の(1)〜(3)のような効果を同時に奏することができなかった。
【0085】
以上の結果から分かるように、活性樹脂および架橋剤を含んでいる本発明に係る接着剤組成物は、反りが少なく、耐熱性に優れ、容易に剥離できる。よって、上記接着剤組成物は、高温(例えば、150℃以上の温度)のプロセスに対応可能であり、半導体ウエハに損傷を与えずに容易に剥離され、搬送時に問題を生じさせないので、生産歩留まりを向上させる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明によれば、様々な製品の製造に適用される高温プロセスにおいて、好適に使用可能な接着剤組成物を提供することができる。特に、150℃以上の高温環境にさらして半導体ウエハまたはチップを加工する工程にとって、好適な接着剤組成物を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を被対象物に一時的に接着するための接着剤組成物であって、
当該接着剤組成物から形成されている膜の軟化点が100℃以上、200℃以下の範囲内であり、
樹脂および架橋剤を含有しており、
上記樹脂が、上記架橋剤に反応性を示す官能基を備えており、
上記官能基と反応して上記樹脂に分子間架橋を生じさせる上記架橋剤が、上記樹脂の重量に対して0重量%を超え、50重量%未満の範囲で含まれていることを特徴とする接着剤組成物。
【請求項2】
上記架橋剤が、上記樹脂の重量に対して5重量%以上、20重量%以下の範囲で含まれていることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
上記官能基が水酸基またはカルボキシル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
上記樹脂が、その分子鎖末端に上記官能基を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
上記架橋剤に対して不活性な不活性樹脂をさらに含有しており、当該不活性樹脂と上記樹脂との合計を100質量部としたとき、上記樹脂が10質量部以上、20質量部以下の範囲で含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
上記軟化点が120℃以上、180℃以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。

【公開番号】特開2012−36269(P2012−36269A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176301(P2010−176301)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000220239)東京応化工業株式会社 (1,407)
【Fターム(参考)】