説明

接続環境提供システムおよび接続方法

【課題】ユーザー毎の端末設定環境や個別情報などを保護しつつ、場所や目的によって最適な端末環境を共有することができる接続環境提供システム等を提供すること。
【解決手段】鍵デバイスをネットワーク接続端末に接続することにより、ネットワーク接続端末はネットワークへのアクセスが可能となり、ネットワーク接続端末は情報提供装置から情報提供などのサービスを受ける接続環境提供システムであって、鍵デバイスには認証IDやパスワードを設定し、ネットワーク接続端末は、鍵デバイスの内容やネットワーク接続端末の内容からユーザーに最適な情報を入手する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、場所や目的によって最適な端末環境を共有する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーがネットワークへ接続する際、特に屋外では個人所有の携帯電話機が主な手段であった。しかし、携帯電話機は携帯に便利な設計であるため、画面サイズやマンマシンインターフェースなどの性能に制限があった。
【0003】
関連技術として、オンラインストレージを使ってデータを保管するサービスを利用する際に、外出先等でも通常のユーザ端末を使ったときと同様のオンラインストレージサービスを受けられるようにする技術が提案されている。その構成は、着脱自在の記録媒体に、オンラインストレージサービスを受けるためのクライアントアプリケーションソフトウェアを記録する。また、パスワードやユーザIDのようなユーザ管理情報を暗号化して着脱自在の記録媒体に記録する。着脱自在の記録媒体を携帯し、着脱自在の携帯型の記録媒体を外出先のパーソナルコンピュータに装着すれば、直ちにオンラインストレージサービスを受けられる。また、着脱自在の携帯型の記録媒体にユーザ管理情報を記録しておくと、簡単にログインできると共に、簡易的な物理キーとしても利用できる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−126908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の関連技術は、ユーザーが能動的に目的を持ってネットワークへ接続する際、個人所有の携帯電話機やネットワーク接続されたパソコン、双方向通信可能なテレビやゲーム機、ネットカフェなどの店舗設置型パソコンなどに限られていた。
【0006】
しかしユーザーが屋外にいる時は、携帯電話機のような個人所有モバイル端末を除けば、ユーザーが能動的に目的の情報に接触する手段が非常に少なく、逆に興味の有無に関係なく街頭広告などの受動的な情報との接触しかないという問題があった。
【0007】
また、屋外における限られたネットワーク接続環境であるモバイル端末では、端末サイズなどの制約により、必要とする情報を最適な条件で入手できないという問題があった。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、ユーザー毎の端末設定環境や個別情報などを保護しつつ、場所や目的によって最適な端末環境を共有することができる接続環境提供システムおよび接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の接続環境提供システムは、ネットワーク接続端末群と情報提供装置がネットワーク接続され、鍵デバイスをネットワーク接続端末に接続することにより、該ネットワーク接続端末はネットワークへのアクセスが可能となり、該ネットワーク接続端末は前記情報提供装置から情報提供などのサービスを受ける接続環境提供システムであって、
鍵デバイスには認証IDやパスワードを設定し、
ネットワーク接続端末は、鍵デバイスの内容やネットワーク接続端末の内容からユーザーに最適な情報を入手することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の接続方法は、ネットワーク接続端末群と情報提供装置がネットワーク接続され、鍵デバイスをネットワーク接続端末に接続することにより、前記情報提供装置から情報提供などのサービスを受けるために該ネットワーク接続端末はネットワークへのアクセスが可能となる接続方法であって、
鍵デバイスには認証IDやパスワードが設定され、
ネットワーク接続端末が、鍵デバイスの内容やネットワーク接続端末の内容からユーザーに最適な情報を入手することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザー毎の端末設定環境や個別情報などを保護しつつ、場所や目的によって最適な端末環境を共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係るシステムの全体の動作を示す図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係るシステム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の第一の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1に示す本実施の形態における接続環境提供システムは、鍵デバイス10と、ネットワーク接続端末群20と、一般公開情報30と、会員用情報群40と、特定客層用広告群50とから構成されている。ネットワーク接続端末群20は鍵デバイス10と接続されることにより、一般公開情報30、会員用情報群40および特定客層用広告群50と、インターネット等のネットワーク100を介して接続することができる。
【0014】
鍵デバイス10は、ネットワーク接続端末群20のうち、例としてネットワーク接続端末A21と接続することにより、そのネットワーク接続端末A21が、インターネット等のネットワーク100と接続し、ネットワーク100経由で一般公開情報30などを閲覧・入手または更新することを可能とする。また、鍵デバイス10に入っているネットワーク接続認証IDを元に、インターネット等のネットワーク100を介して、会員用情報群40や特定客層用広告群50と相互に接続され、閲覧・入手または更新することを可能とする。
【0015】
ネットワーク接続端末群20は、有線または無線でネットワーク100と接続待機状態となっている。また、ネットワーク接続端末群20は、画面の大きさや入力方法などのハード仕様が、目的や用途により様々な形態となっている。例えば、街頭広告用途では、タッチパネル付きの大型画面を搭載した屋外据え置き環境に耐えうる端末が考えられる。
【0016】
ネットワーク100は、一般的なインターネットの他、サービスの内容によっては企業内LANであってもよく、また、複数のネットワークの融合であってもよい。
【0017】
一般公開情報30は、例えばインターネットでアクセス制限なく閲覧等が可能な情報である。
【0018】
会員用情報群40および特定客層用広告群50は、アクセス制限などのセキュリティ保護が施されている情報等であり、例えば、インターネットからアクセスする際に認証IDやパスワードが必要となるようなアクセス制限のかかった情報等である。なお、例えば、企業内LANなどのようにネットワーク自体にアクセス制限がかかった場合は、そのネットワークにつながっている情報は、会員用情報群40および特定客層用広告群50に該当する。
【0019】
次に、ネットワーク100が一般的なインターネット110の場合として、図2を参照して本実施の形態の動作について詳細に説明する。
【0020】
まず、ユーザーは、例えばインターネットプロバイダ等と契約して、認証ID111とパスワード112が設定されることにより、インターネット110への接続資格を得る。認証ID111とパスワード112は、鍵デバイス10に格納される(ステップA1)。
【0021】
ユーザーはこの鍵デバイス10を、例えばネットワーク接続端末A21と接続する(ステップA2)ことにより、ネットワーク接続端末A21をインターネット110に接続することができる(ステップA3)。その結果、ユーザーはネットワーク接続端末A21を操作して、一般公開情報30を閲覧や更新などをすることができる。
【0022】
また、アクセス制限などのセキュリティ保護が施されている情報等である会員用情報群40および特定客層用広告群50のうち、ユーザーが、例えば会員用情報ア41の会員登録をしていた場合は、ネットワーク接続端末A21から会員用情報ア41にアクセスすることが可能となる。
なお、アクセスする際の認証IDやパスワードは、インターネット接続資格である認証ID111とパスワード112でもよいし、個別のものでもよい。
また、会員用情報ア41へのアクセス権は、インターネット接続状態で申請してもよいし、別申請でもよいが、前者の場合は鍵デバイス10と認証ID111およびパスワード112でのアクセス情報が登録されることにより、ネットワーク接続端末群20のどの端末からでも会員用情報ア41へのアクセスのための処理を行う必要はないが、後者の場合も含めて、アクセスの都度、ネットワーク接続端末から入力してもよい。
【0023】
さらに、特定客層用広告群50のうち、ユーザーが、例えば特定客層用広告ウ51の会員登録をしていた場合は、ユーザーからその広告へアクセスしてもよいし、その広告主の店舗や地域などネットワーク接続端末の設置場所やネットワーク接続端末の形態などの条件が合うときに自動配信されてもよい。
【0024】
ネットワーク接続端末群20は、有線または無線でインターネット110と接続できる端末であればよく、例えば、ユーザーが普段持ち歩く用途では携帯電話機やPDAのような端末が適しているし、駅や店舗に設置する用途であれば地図や広告の表示をするインフォメーション端末が適している。さらに、インターネットカフェのパソコンやレンタカーの車載ナビゲーションシステムなどのような端末であれば、貸与する側はインターネットへの接続契約をせずに端末だけを用意すればよい。
【0025】
以上のように、本実施の形態によれば、これまでユーザーがネットワークへの接続用途毎に、携帯電話機事業者やインターネットプロバイダなどと契約し、さらに、アクセス制限などのセキュリティ保護が施されている情報に対するアクセス権は個別に契約を行っていたため、認証IDやパスワードの管理が大変になっていたものが、一元管理しやすくなるという効果がある。
【0026】
また、ユーザーが簡単にネットワークへ接続できる環境を、街中や公共施設などに提供しやすくなる効果がある。これは、端末の設置環境や使用目的に対して、例えば、大画面やタッチパネル、覗き見防止や複数人数使用対応、撮影や印刷機能など、最適な端末設計をすることができ、ユーザーの利便性の向上が得られるという効果がある。
【0027】
さらに、端末の製造や端末提供業務などが増え、プロバイダなどのネットワーク運営会社のサービス範囲の拡大ができ、広告などの効率の向上が期待できるという効果もある。
【0028】
次に、本発明の他の実施の形態について図3を参照して説明する。
本実施の形態は、鍵デバイス10を接続したネットワーク接続端末E25が、そのままインターネット110に接続できる他に、ネットワーク接続端末群20の別の端末経由でもインターネットに接続できる点で前述した実施の形態と異なる。これはユーザーが電話やPDAなど必要最低限の性能のネットワーク接続端末を普段持ち歩くとき、別のネットワーク接続端末を使う際に鍵デバイスを抜き差しする手間を省けるという違いがある。
【0029】
次に、本発明のさらに他の実施の形態について図3を参照して説明する。
本実施の形態は、アドレス帳やおきにいり情報などのユーザー個別のデータの格納方法であり、鍵デバイス10内のメモリ11に格納してもよいし、会員用情報イ42に格納してもよい。さらに前述の実施の形態のように、普段、鍵デバイス10をネットワーク接続端末E25に格納している場合は、このネットワーク接続端末E25のメモリ11にデータを格納してもよい。
【0030】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、各装置の機能が他の装置によりまとめて実現されたり、追加の装置により機能が分散されて実現される形態も本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0031】
10 鍵デバイス
20 ネットワーク接続端末群
30 一般公開情報
40 会員用情報群
50 特定客層用広告群
100 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク接続端末群と情報提供装置がネットワーク接続され、鍵デバイスをネットワーク接続端末に接続することにより、該ネットワーク接続端末はネットワークへのアクセスが可能となり、該ネットワーク接続端末は前記情報提供装置から情報提供などのサービスを受ける接続環境提供システムであって、
鍵デバイスには認証IDやパスワードを設定し、
ネットワーク接続端末は、鍵デバイスの内容やネットワーク接続端末の内容からユーザーに最適な情報を入手することを特徴とする接続環境提供システム。
【請求項2】
アクセス制限などのセキュリティ保護が施されている情報等である会員用情報群のうち、ユーザーが、一の会員用情報の会員登録をしていた場合は、ネットワーク接続端末から該会員用情報に、鍵デバイスと認証IDおよびパスワードでのアクセス情報を用いてアクセスすることを特徴とする請求項1記載の接続環境提供システム。
【請求項3】
アクセス制限などのセキュリティ保護が施されている情報等である特定客層用広告群のうち、ユーザーが、一の特定客層用広告の会員登録をしていた場合は、その広告主の店舗や地域などネットワーク接続端末の設置場所やネットワーク接続端末の形態などの条件が合うときにネットワーク接続端末に自動配信されることを特徴とする請求項1または2記載の接続環境提供システム。
【請求項4】
ネットワーク接続端末群と情報提供装置がネットワーク接続され、鍵デバイスをネットワーク接続端末に接続することにより、前記情報提供装置から情報提供などのサービスを受けるために該ネットワーク接続端末はネットワークへのアクセスが可能となる接続方法であって、
鍵デバイスには認証IDやパスワードが設定され、
ネットワーク接続端末が、鍵デバイスの内容やネットワーク接続端末の内容からユーザーに最適な情報を入手することを特徴とする接続方法。
【請求項5】
アクセス制限などのセキュリティ保護が施されている情報等である会員用情報群のうち、ユーザーが、一の会員用情報の会員登録をしていた場合は、ネットワーク接続端末から該会員用情報に、鍵デバイスと認証IDおよびパスワードでのアクセス情報を用いてアクセスすることを特徴とする請求項4記載の接続方法。
【請求項6】
アクセス制限などのセキュリティ保護が施されている情報等である特定客層用広告群のうち、ユーザーが、一の特定客層用広告の会員登録をしていた場合は、その広告主の店舗や地域などネットワーク接続端末の設置場所やネットワーク接続端末の形態などの条件が合うときにネットワーク接続端末に自動配信されることを特徴とする請求項4または5記載の接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−181952(P2010−181952A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22689(P2009−22689)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】