説明

換気ガス管理システムおよびプロセス

流体供給容器を含むように構成され、流体供給容器に換気ガスが流され、容器から流体が漏れた場合の安全操作を提供する、筐体の換気ガス管理システムおよびプロセス。換気ガス流は、流体供給容器を含むそのような筐体、例えば、半導体製造施設においてはガスボックスまたはガスキャビネットの配置および操作に付随する種々の危険レベルに適応するように調整される。それによって、別の場合においてはそのような配置および操作に必要であった換気ガス要件の軽減を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年1月14日にW. Karl Olander and Paul J. Marganskiにより「Ventilation Gas Management Systems and Processes」という名称で出願された米国仮特許出願第61/295,150号の優先権を主張するものである。前記米国仮特許出願第61/295,150号による開示はその全体が引用によってあらゆる目的のために本願明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、換気ガス管理システムおよびプロセスに関する。種々の実施形態において、本発明は、特に、流体供給容器を含むガスボックスおよびガスキャビネットの排気に使用される排気システム、並びに、半導体製造設備およびこれを使用するプロセス、に関する。
【背景技術】
【0003】
ATMI, Inc.(Danbury, CT, USA)により商標「SDS」で市販されているタイプの吸着剤式の流体貯蔵および分配容器の使用においては、流体が、閉鎖容器内の物理的な吸着性媒質に貯蔵され、分配条件下において脱着され、使用のための流体を供給する。分配条件には、容器の内部容積、容器のバルブヘッドに接続される分配ライン間の圧力差、容器内の吸着剤への熱の入力、または容器を通るキャリアガスの流れ、または流体が脱着され容器から排出される2以上のそのような分配モードを含んでもよい。流体を吸着状態で貯蔵するため、貯蔵および分配容器内の流体圧力を非常に低圧、例えば準大気圧に維持することができる。
【0004】
そのような低圧貯蔵の結果、吸着剤式の容器では、高い超大気圧、例えば、約800〜2000psigの圧力の流体を含みうる従来の高圧流体供給シリンダについての安全特性が大幅に向上した。そのような高圧シリンダは、シリンダ漏れの場合に重大な危険源となる。高圧シリンダ内の流体はシリンダの周囲環境よりも非常に高圧なため、そのような破裂または漏れ事象によって、流体残量の全てがシリンダの周囲環境に急激に拡散するおそれがある。
【0005】
対照的に、漏れ事象が吸着剤式の流体貯蔵および分配容器内で生じる場合、低い貯蔵流体圧力によって周囲環境へのそのような拡散が最小になる。さらに、貯蔵圧力が大気中より低い場合、容器内への周囲ガスの正味の流入がある。そのような正味の流入が容器の内容物を希釈するように機能し、さらに容器の近傍における事故のおそれを低下させ、それによって高圧流体供給シリンダに伴う漏れ事象の特徴を示す、限界値よりも高いレベルの有毒なまたは有害な流体の急激な排出が回避される。
【0006】
それら大幅に強化された安全特性に鑑み、吸着剤式の流体貯蔵および分配容器は、半導体製造業界のように、有毒なまたは有害な流体を流体利用プロセスおよび機器に分配しなければならない用途において幅広く使用されるようになってきた。
【0007】
半導体製造においては、そのような吸着剤式の流体貯蔵および分配容器を、化学蒸着、エッチング、イオン注入、原子層堆積、清浄等を含む様々な製造作業において使用してもよい。
【0008】
イオン注入においては、吸着剤式の流体貯蔵および分配容器が特に広く用いられている。この容器においては、注入用ドーパントガスが容器内に準大気圧で貯蔵され、注入用のイオンビームを形成するために分離されるイオン種生成のためイオン源に分配される。
【0009】
半導体製造業界においては、従来の高圧ガスボンベのより安全な代替物として内部圧力を調整した流体供給容器も広く使用されるようになっている。そのような内部圧力を調整した流体供給容器はATMI, Inc.(Danbury, Connecticut, USA)から商標VACで市販されており、この容器では、流体供給容器の内部容積に1以上の調整器デバイスを使用している。そのような流体供給容器に用いられるこの調整器デバイスは、供給容器から排出される流体の所望の分配圧力、例えば、準大気圧分配圧力または低い超大気圧分配圧力を提供するために選択された圧力設定値を有する。
【0010】
上述の半導体製造作業においては、ガスキャビネットまたはガスボックスのような筐体内に流体供給容器を配置することが慣例的である。これら格納構造には、流体貯蔵および分配容器を使用のために取り付けることができる密閉式の内部容積がある。筐体内においては、分配容器が流体を特定の容器からそのようなフロー回路のフローラインに選択的に排出するためのフロー回路と結合される。筐体内のフロー回路は、流体が下流側の使用場所に送られる流体ライン、導管、マニホールド等を含む筐体外部のフロー回路に結合される。ガスキャビネット内のフロー回路とキャビネット外部のフロー回路とは特性が大きく異なっていてもよく、流量制御弁、調整器、質量流量制御部、電子圧力センサ、圧力変換器、ヒートトレース部材、制限流量口、過流防止弁、フィルタ、清浄機、過圧逃がしデバイス、マニホールド、混合デバイス、バルブマニホールドボックス、スナッバ、熱電対、側留サンプリング構造、ロータメータ、マノメータ、組成センサおよび流体を筐体内の流体貯蔵および分配容器から使用場所に案内するための特定の流れ配置において使用される他の構成要素を含む流体流路を含んでもよい。
【0011】
ガスキャビネットおよびガスボックスのような流体容器筐体は、一般に、筐体を通過して流れる換気ガス、例えば空気によって排出される。その結果、流体貯蔵および分配容器からのあらゆる流体の漏れが換気ガス流への巻込みによって掃引される。結果として生じた、漏れた流体成分を含む換気ガス排出物をスクラバまたは他の処理ユニットに案内して、換気ガス内のあらゆる有毒なまたは有害な要素を除去し、処理後の換気ガスを大気または他の配置または使用に排気することを確実としてもよい。
【0012】
半導体製造設備において、流体供給容器を含むガスボックスおよび他の筐体の換気に使用される換気ガスは、一般に、高圧ガスボンベからガスが漏れることによる最悪ケースの放出(WCR)事象を封じ込めるという考慮に基づき、そのような筐体中に毎分300〜500ft.(8.496〜14.16m)の流速で連続的に流される。
【0013】
ガスボックスは、従来、掃引空気が制御された速度で流れ込むことができる常設開口部ならびにシステム保守および/または流体分配容器の交換のために選択的に開くことができるアクセスポートまたは扉を備えて構成される。半導体製造設備において、ガスボックスを通過する換気ガスの流速は、一般に、換気ガス流をガスボックスに取り出し、ガスボックスを排気するのに使用されるダクトのダクト直径ならびに設備の屋内換気/排気システムから発生するまたは印加される静圧の関数である。排気ダクトはダンパを備えてもよい。またはガスボックスの扉にルーバを設けてもよい。ルーバは特定の空気流をガスボックス中に供給するために使用される。
【0014】
現在、ガスボックス換気の実施については、International Fire Code, Section 3704.1.2に記載されている。これによると、ガスキャビネットのアクセスポートまたは窓の面における平均面速度は毎分200フィート(60.96m)を下回ることはできず、アクセスポートまたは窓の全ての箇所において最低速度毎分150フィート(45.72m)である。類似の基準がSemiconductor Equipment Manufacturers International(SEMI)換気実施のための機関によって公布されている。
【0015】
そのような規制は、筐体の点検口が開いている場合、空気の取り入れ率が、例えば、作業員の有毒ガスへの曝露を個人曝露限界(PEL)の1/4未満に維持するため、存在しうるまたはその時間に放出されうるあらゆる有毒または有害種を捕捉するのに十分であることを確実とすることを目的とする。これらの規制の遵守は、ガスボックス内に分配される流体がシランのような発火特性を有するものである場合特に重要である。そのような場合において、発火流体のあらゆる漏れを安全な濃度に、例えば、その爆発下限界濃度(LEL)または燃焼下限界(LFL)の1/4の濃度に希釈するのに十分な換気ガスの量がガスボックス中に流されることが望ましい。
【0016】
当技術分野では、蒸着チャンバおよびイオン注入機器のような流体利用ユニットに流体を供給するために流体貯蔵および分配容器が使用される、半導体製造設備のような流体利用設備におけるガス利用に関する安全性および経済性について継続的に改良を行っている。
【発明の概要】
【0017】
本発明は、換気ガスが、流体供給容器と、流体供給容器および/またはフロー回路からの流体の漏れに関して安全に動作する関連のフロー回路と、を含む筐体中を流れる、プロセス設備における換気ガスの管理のためのシステムおよびプロセスに関する。
【0018】
一態様において、本発明は、流体供給容器と、当該流体供給容器に結合され、かつ筐体を通る換気ガスの流れに適応させたフロー回路と、を含む筐体のための換気ガス管理システムに関する。そのようなシステムは、
筐体を通る換気ガス流を制御するために配置された流れ調整器と、
(i)前記流体供給容器からの流体の漏れまたは前記筐体内の関連するフロー回路に付随する危険またはリスクのレベルに影響する、流体供給容器、筐体、または流体供給容器内の、または流体供給容器から分配される流体の特性を監視するように構成された、および(ii)監視された特性に相関する監視信号を出力するように構成された、監視アセンブリと、
監視アセンブリから前記監視信号を受信し、筐体内の流体供給容器からの流体の漏れに関連する危険またはリスクのレベルに対して流れ調整器を応答的に調整するように配置された制御部と、を備える。
【0019】
別の態様において、本発明は、換気ガスが流れる筐体内の流体源からガスを供給する方法に関する。そのような方法は、流体源からの流体の漏れまたは前記筐体内の関連するフロー回路に付随する危険またはリスクのレベルに影響する、流体源、筐体、または流体源内にある、または流体源から分配される流体の特性を監視するステップと、監視するステップに応じて筐体内の流体源からの流体の漏れに付随する危険またはリスクのレベルに対して筐体を通る換気ガスの流れを調整するステップと、を含む。
【0020】
本発明のさらなる態様は、プロセスユニット中を流れる排気の動作を管理する方法に関する。この方法は、リスクまたは危険レベルを決定するプロセスユニットの少なくとも1つの状態または動作変数を監視するステップと、監視された状態または動作変数から決定したリスクまたは危険レベルに応じて排気を複数の代替的な排気配置の1つに経路指示するステップと、を含む。
【0021】
本発明の他の態様、特徴および実施形態は開示および添付の特許請求の範囲からより詳細に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】吸着剤式の流体供給容器を含み、流体供給容器の流体残量に応じて換気ガス流を調整するように適応させたガスキャビネットの概略図である。
【図2】ガスボックスおよび注入装置筐体の換気が施設内のプロセス条件に従い調整される、操作に空気排気の使用を必要とする半導体製造プロセス施設の概略図である。
【図3】換気ガスの通過に適応させた複数の吸着剤式の流体供給容器を含むガスキャビネットの概略図である。
【図4】複数の吸着剤式の流体供給容器を含むガスキャビネットを含む流体供給システムの概略図である。ガスキャビネットには各流体供給容器内に副筐体を設けるために仕切りが設けられる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、換気ガス管理システムおよびプロセスに関し、特に、流体貯蔵および分配容器を含む筐体のための換気ガス管理システム、およびそのような換気ガス管理のためのプロセスに関する。
【0024】
一実施形態において、本発明は、流体供給容器と、当該液体供給容器に結合され、筐体を通る換気ガスの流れに適応させたフロー回路と、を含む筐体のための換気ガス管理システムに関する。当該システムは、
(a)筐体を通る換気ガス流を制御するために配置された流れ調整器と、
(b)(i)流体供給容器または前記筐体内の関連するフロー回路からの流体の漏れに付随する危険またはリスクのレベルに影響する、流体供給容器、筐体、または流体供給容器内の、または流体供給容器から分配される流体の特性を監視するように構成された、および(ii)監視された特性に相関する監視信号を出力するように構成された監視アセンブリと、
(c)前記監視アセンブリから前記監視信号を受信し、前記筐体内の前記流体供給容器からの流体の漏れに関連する危険またはリスクのレベルに対して流れ調整器を応答的に調整するように配置された制御部と、を備える。
【0025】
そのようなシステムにおいて監視された特性は、任意の適切なタイプのものとすることができ、例えば、流体供給容器の流体残量と、流体供給容器の流体圧力と、流体供給容器の下流側のガス送達マニホールドの流体圧力と、流体供給容器の壁の歪度と、前記流体を含む流体供給容器の重量と、流体供給容器の内部容積に配置された物理吸着剤の物理吸着特性と、流体供給容器の温度と、筐体の温度と、流体供給容器から分配される流体の累積量と、前記流体供給容器からの流体分配の継続時間と、流体供給容器から分配される流体の流速と、前記筐体の環境条件と、流体供給容器内の流体条件と、筐体のアクセス構造の開または閉特性と、流体供給容器、フロー回路、筐体および/または分配された流体を消費するプロセスに関連する警報条件と、から構成される群から選択される少なくとも1つの特性を含むことができる。
【0026】
一実施形態において、監視アセンブリは、流体供給容器の外壁に取り付けられ、容器壁の歪度を示す対応の信号を監視信号として出力するひずみゲージを備える。別の実施形態において、監視アセンブリは、流体供給容器から分配される流体の圧力を監視する圧力変換器を備える。
【0027】
流れ調整器は、任意の適切なタイプとすることができ、例えば、流量制御弁と、ダンパと、可変サイズ制限流量口デバイスと、質量流量制御部と、可変速度ポンプと、可変速度送風機と、から構成される群から選択される流量制御デバイスを含むことができる。
【0028】
監視アセンブリは様々な特定の装置構成要素の全てを含むことができ、例えば、筐体の外部に配置され、かつ筐体内の少なくとも1つのセンサと作動的に結合したデータ収集モジュールを含んでもよい。
【0029】
一実施形態において、監視に使用される、流体供給容器、筐体、または流体供給容器内にあるまたは流体供給容器から分配される流体の特性には、筐体のアクセス構造の開または閉特性が含まれる。他の実施形態において、そのような特性には、流体供給容器、フロー回路および/または筐体に付随する警報条件を含むことができる。
【0030】
コントローラが、筐体のアクセス構造が開くと筐体を通る換気ガスの流れが増加するように流れ調整器を応答的に調整し得る。代替的に、コントローラは、流体供給容器からの流体の分配時に筐体を通る換気ガスの流れを非警報条件下および筐体のアクセス構造の閉特性下において低「通常レベル」に低減するように、および流体供給容器、フロー回路および/または筐体に付随する警報条件の発生時、または筐体のアクセス構造の開口時に筐体を通る換気ガスの流れを増加するように流れ調整器を応答的に調整し得る。
【0031】
別の実施において、コントローラは、流体供給容器からの流体の分配中に筐体を通る換気ガスの流れを生成するよう流れ調整器を、警報または緊急状態でなくとも、例えば、毎分25〜80ft.(0.7079〜2.265m)の範囲で応答的に調整することができる。
【0032】
さらに別の構成において、コントローラは、流体の分配中に流体残量が減少するにつれて筐体を通る換気ガス流が継続的に減少するように、流体供給容器からの流体の分配中に筐体を通る換気ガスの流れを低減するよう流れ調整器を応答的に調整することができる。
【0033】
コントローラはそれ自体、マイクロプロセッサと、プログラマブルロジックコントローラと、監視信号に応じて流れ調整器をプログラム可能に調整するコンピュータと、から構成される群から選択される計算装置とすることができる、または、含むことができる。
【0034】
半導体製造施設において、上記の換気ガス管理システムは、ガスキャビネットを通る換気ガスの流れを調整するためにガスキャビネットと作用的に配置することができる。例えば、ガスキャビネットは、吸着剤式の流体供給容器、内部圧力調整された流体供給容器、そのような容器の組み合わせ、またはそのようなタイプまたは他のタイプの流体供給容器のいずれか1つまたはそれ以上の多種多様な流体供給容器を含む。代替的に、半導体製造設備において、上記に開示されたガス管理システムは、ガスボックスを通る換気ガスの流れを調整するためにガスボックスと作用的に配置することができる。
【0035】
流体供給容器が吸着剤式の流体供給容器を含む例において、そのような容器はその中に吸着性媒質として活性炭素吸着剤を含んでもよい。
【0036】
流体は、任意の適切な圧力、例えば準大気圧またはほぼ大気圧または低い超大気圧で流体供給容器内に貯蔵され、かつ流体供給容器から分配されてもよい。
【0037】
流体は、任意の適切なタイプのものであってもよく、例えば、半導体製造流体を含んでもよい。この流体には、水素化物ガス、ハロゲン化物ガス、気体有機金属化合物、シラン、ジボラン、ゲルマン、アンモニア、ホスフィン、アルシン、スチビン、硫化水素、セレン化水素、テルル化水素、三フッ化ホウ素、B24、六フッ化タングステン、塩素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素およびフッ化水素からなる群から選択される流体が含まれてもよいが、これに限定されるものではない。
【0038】
したがって、本発明は、換気ガスが流れる筐体内の流体源からガスを供給する方法に関する。前記方法は、前記流体源からの流体の漏れまたは前記筐体内の関連するフロー回路に付随する危険またはリスクのレベルに影響する、前記流体源、筐体もしくは前記流体源内にある、または前記流体源から分配される流体の特性を監視するステップと、前記監視に応じて、前記筐体内の前記流体源からの流体の漏れに関連する危険またはリスクのレベルに対して筐体を通る換気ガスの流れを調整するステップと、を含む。
【0039】
そのような方法は、そのさらなるかつ特定の実施において、本明細書中において上に様々に説明した種々の特徴、構成要素、実施形態および配置によって実施してもよい。
【0040】
したがって、本発明は、流体供給容器を含むように構成され、可変排気によって効果的かつ経済的な手法で筐体が動作することを可能にする換気システムおよび関連する制御部を備えた、ガスボックスのような「利口な」筐体を提供する。
【0041】
一実施形態において、筐体は、半導体製造設備における格納構造の換気のために排気システムを使用する格納構造を備える。この排気システムは、緊急時、または筐体が保守、点検等のために開いている場合、保守時の格納構造の操作を特徴付ける、高流速、例えば、毎分300〜400ft.(8.496〜11.33m)の換気ガス流速を供給する。また、この排気システムは、筐体が動作しており、動作問題が検出されない場合、低流速、例えば、毎分20〜100ft.(0.5663〜2.832m)の換気ガス流速を供給する。したがって、低流速操作範囲は筐体のデフォルト状態として効率モードを構成する。筐体は、ガスボックス、ガスキャビネットまたは流体供給容器を含む他の筐体とすることができる。低流速操作範囲は、例えば、高流速操作範囲に対する既定の比率に設定されてもよい。例えば、低流速操作範囲は、高流速操作範囲における流速の15%〜25%の流速を含む流速範囲における操作を含んでもよい。
【0042】
半導体製造施設では、排気システムに可変速度ファンを使用することができる。そのようなファンは、施設内の圧力の変化に応じて容易に調整されて、高流速操作範囲と低流速操作範囲との間を移行することができる。それによって全体排気速度の低下を達成することができる。
【0043】
換気ガス管理システムの種々の実施形態において、筐体は、内部圧力調整された流体供給容器をように構成されている。そのような容器は、1つのまたは複数の圧力調整器デバイスをその内部容積に含んでもよい。複数のそのようなデバイスが使用される場合、デバイスは直列で配置され、所望の分配操作における圧力調整器の設定値は特定の圧力レベルの分配された流体を得るように設定される。そのような特定の圧力レベルには、準大気圧の分配された流体、または、代替的に、特徴的に比較的低い、例えば100kPa未満の流体圧力レベルを含んでもよい。
【0044】
したがって、通常動作時、半導体製造施設におけるガスボックスの排気速度は、例えば、ガスボックス上方のダクト内に可変位置ダンパを使用することによって低下させられる。また、システムに保守が必要な場合、そのような場合にはより高い、より安全な排気速度が使用される。この変更は、プログラム可能に配置された制御装置および相互接続または他の適切な手法の使用により達成することが可能である。
【0045】
一実施形態において、流体供給容器の排出ガス配管内の圧力が監視され、予め設定されたしきい値を超える圧力が検出されると、警報が作動し、流体供給容器が分配操作から切り離され、流体利用ツールに分配されるガスの流れが遮断される。換気速度は、例えば、毎分300〜400ft.(8.496〜11.33m)の範囲の速度に増加する。換気速度の増加は圧力偏差の大きさの関数とすることができる。そのためより大きな偏差は流体供給容器を含む筐体内におけるより高い換気速度に整合する。流体供給容器の切り離しは、例えば、容器上の空気圧バルブ動作部の作動による、または配管または配管を含むマニホールド内のバルブの作動による容器分配バルブの閉鎖によって実施されてもよい。
【0046】
別の実施形態において、流体供給容器を含む筐体は、筐体の内部環境を、流体供給容器からの、または配管または流体供給容器と、容器がバルブ式マニホールドのような分配フロー回路と相互連結されるいわゆるピグテールとの間の構成要素からの有毒ガスの漏れについて監視する有毒ガス警報を備える。ガス検出およびバルブ閉鎖アセンブリは、特定の実施形態において、International Fire Code,Section 3704.2.2.7または他の安全基準および制度に準拠するように構成および配置されてもよい。
【0047】
本発明の種々の実施形態において、ツールの特定の状態およびそのようなリスク/危険レベルを決定するプロセス変数に関して製造ツールのリスク/危険レベルを監視することができ、製造ツールおよびこれを含むプロセス設備に適した既定のリスク/危険レベルを得るためにツールの排気速度を変えることができる。排気速度を変えることに加えて、本発明は、監視された状態に応じて、高危険状態が検出された場合、例えば、一般排気から洗浄された排気に、または排気の再利用から一般排気に、排気の経路変更を企図する。したがって、危険状態を検出すると、監視および制御システムは、ガスボックス中を流れる排気の、例えば、一般排気から洗浄ユニットへの経路変更を作動してもよい、または筐体中を流れ、その後、再利用される排気をその代わりに一般排気ラインに送ってもよい。
【0048】
したがって、別の実施形態において、本発明は、プロセスユニット中を流れる排気の動作を管理する方法に関する。方法には、リスクまたは危険レベルを決定するプロセスユニットの少なくとも1つの状態または動作変数を監視するステップと、監視された状態または動作変数から決定したリスクまたは危険レベルに応じて排気を複数の代替的な排気配置の1つに経路指示するステップと、を含む。そのような方法においては、排気速度を、監視された状態または動作変数から決定したリスクまたは危険レベルに従って調整することができる。
【0049】
排気速度は、例えば、流体供給容器およびその流体内容の加温の原因となる温度増加環境条件から生じる予定圧力を超える容器流体圧力の監視に応じて増加することができる。また、その後の分配操作および/または温度変化(低下)によって容器流体圧力がそのような予定圧力未満まで低下した場合、排気速度を後の操作のために低いレベルまで低下させることができる。この配置は、流体供給容器が連結されるマニホールドからの圧力信号を使用して、例えば、容器内の流体圧力を示す、分配されるガスの圧力を監視するための、マニホールド内の圧力変換器を使用することによって実施され得る。
【0050】
したがって、種々の実施形態において、本発明は、空気流路および/または流体容器において検出した漏れ、圧力、温度等のような条件に基づき所望のレベルの安全な流体貯蔵および分配操作を維持するために、ガスボックス/キャビネット/筐体/フィードバック制御を含む換気アセンブリを含むプロセスシステムにおける排気流速の監視および制御のためのシステムおよび方法に関する。
【0051】
排気/空気/流体フロー制御要素は、種々の特定の実施形態において、ルーバ付き流入開口部および/またはスラット付き長穴開口部を含む流出開口部を含むことができる。例えば、このスラットはフローメータおよび圧力変換器のような監視デバイスと合わせて完全な開位置と完全な閉位置との間で移動可能である。
【0052】
吸着剤式の流体貯蔵および分配容器では、種々の実施形態において、本発明のシステムおよびプロセスにおいて監視、制御およびフィードバックを行うための種々のサブシステム、アセンブリ、装置およびデバイスを使用することができる。例えば、吸着剤式の流体貯蔵および分配容器では、流体が分配されている、または分配されるであろう容器内の流体残量を判断するための動的流体監視アセンブリを使用することができる。動的流体監視アセンブリは、制御およびフィードバックに使用されている監視信号を生成することができる。
【0053】
一実施形態において、監視システムは、(i)流体供給容器またはそこから分配される流体の特性を監視するための1以上のセンサと、(ii)1以上のセンサに作動的に結合され、そこから監視データを受信し、1以上のセンサによって監視した特性に相関的な出力を応答的に発生させるデータ収集モジュールと、(iii)データ収集モジュールに作動的に結合され、データ収集モジュールからの出力を処理し、流体供給容器内の流体の図表示を応答的に出力するように配置されたプロセッサおよびディスプレイと、を含む。
【0054】
この1以上のセンサは、容器内に収容される流体の量を示す容器の構造要素の歪度のような流体供給容器の特性を監視してもよい。例えば、1以上のセンサは、容器の壁と歪度検出関係において固定されるひずみゲージを含んでもよい。このひずみゲージは、例えば、流体供給容器が内部圧力を調整した容器である場合に有用に用いてもよい。他の実施形態において、監視センサは、流体圧力、流体温度、流体の1以上の成分の濃度、流体の流速、流体供給容器と結合されたフロー回路の圧力降下および/または流体供給容器から分配された流体の累積流量のような、流体供給容器から分配される流体の特性を監視するために配置してもよい。
【0055】
本発明の換気ガス管理システムおよびプロセスにおいて使用される流体貯蔵および分配容器は、任意の適切なタイプ、例えば、ATMI, Inc.(Danbury, Connecticut, USA)により商標SDSで市販されているタイプの吸着剤式の流体貯蔵および分配容器、またはATMI, Inc.(Danbury, Connecticut, USA)から商標VACで市販されているタイプの容器の内部流体保持容積の内部に配置したガス圧力調整器を備えた流体貯蔵および分配容器とすることができる。そのような調整器で制御された容器は、内部容積に1つのまたは複数の調整器を使用することができる。それぞれの調整器は、用いられる特定の配置における安全な分配操作のために選択した設定値を有する。例えば、調整器には、容器から流体を分配するために中程度から低い圧力、例えば準大気圧で予め設定した設定値を設けてもよい。
【0056】
排気管理システムおよびプロセスにおいて監視された流体特性は、流体貯蔵および分配容器から分配される流体の圧力とすることができる、または流体貯蔵および分配容器から分配される流体の圧力を含むことができる。流体は、任意の適切な化学タイプのものとすることができ、例えば、アルシン、ホスフィン、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、シラン、ゲルマン、四フッ化ゲルマニウムまたは四フッ化ケイ素のような半導体製造流体とすることができる。
【0057】
流体監視システムは、流体供給容器内の流体の適切な図表示、例えば、この範囲における二次元領域の上部境界線の位置が容器内の流体残量を示す、矩形の範囲に配置された上部境界線を備える二次元領域を含むガス計器型表示を提供するように配置することができる。
【0058】
流体供給容器に関連する分配フロー回路は、その中に組み込まれる様々な流体監視要素、計測要素および制御要素を有することができる。例えば、フロー回路は、容器から分配された流体の排出速度を制御するのに有効な制限流量口(RFO)のような減圧デバイスを含んでもよい。
【0059】
流体供給容器の操作において、容器または分配された流体の特性を監視することができ、監視から取得したデータは監視特性に相関的な出力を応答的に発生させる際に使用され、データ収集からの出力または流体残量を示す他の出力は流体供給容器内の流体の図表示を得るために処理される。
【0060】
一実施形態において、流体供給容器は、活性炭素吸着剤を含むガス貯蔵および分配容器を含む。この容器はイオン注入装置のガスボックス装置内に取り付けられている。流体供給容器から分配されるガスの圧力を監視し、ガスボックス内のデータ収集モジュールに送信される監視された圧力を示す出力を応答的に発生させるために、1つ以上の圧力変換器をガスボックス内に配置することができる。データ収集モジュールは、さらに、監視から得られるデータをガスボックスの外側に配置されたプロセッサおよびディスプレイに、データ収集モジュールと外部プロセッサとを相互に連結する光ファイバケーブルを介して送信するように配置してもよい。プロセッサは、流体供給容器内に残った流体の量を判断するように、およびガスボックス内の供給容器に残った流体を示す視覚表示および/または出力データをディスプレイに出力するようにプログラム可能に配置することができる。
【0061】
別の実施形態において、プロセッサは、流体貯蔵および分配容器から分配されるガスの既定の終点圧力の温度係数を決定し、前記圧力変換器によって検出した圧力をガスボックスの既定の温度に正規化し、終点圧力を前記既定の温度に正規化し、そのような既定温度に等温式を適用し、ガス貯蔵および分配容器内に残ったガスの量を求め、それがその後ディスプレイに出力されるように構成することができる。
【0062】
本発明の換気ガス管理システムを含む別の実施形態において、流体供給容器は、マニホールドと流体供給容器に関連するピグテールとの間に隔離弁を備えた、マニホールドを含むフロー回路と結合してもよい。分配されるガスの圧力を監視するためにマニホールド内に圧力モニタを配置してもよい。圧力モニタは、マニホールドにおいて監視された圧力が既定値または設定値を超える場合、制御部が応答的に作動して隔離弁を閉じ、それによってマニホールドを流体供給容器から切り離すように配置された圧力変換器および制御部を含んでもよい。流体供給容器を含む筐体を通る換気ガスの流れを増加させるため、このマニホールドバルブ閉鎖動作は換気ガス管理システムの動作と連係してもよい。
【0063】
マニホールドは質量流量制御部または他の流れ調整デバイスをその中に含んでもよく、真空ポンプ、パージガス供給部および他の適切な構成要素に連結することによって排気およびパージングするように構成されている。
【0064】
一実施形態において、マニホールドは、マニホールドが容器を含む筐体または容器およびマニホールドを通る換気ガス流に応じて切り離されるか、流体供給容器からの流体の流れを増加または減少するように動作するように配置される。換気ガスは、筐体内またはその外部において処理し、これを所望の程度浄化することができる。そのため、浄化されたガスを、その後、例えば、半導体製造施設のグレイルームに、そのような施設のクリーンルームに、または所望であればそのような施設の他の領域に再循環させることができる。流体供給配置は、例えば、換気ガスの補償ガス要件を低減することによって経済性および効率性ならびに施設の運営を達するための換気ガスの特徴に基づき調整することができる。
【0065】
他の実施形態において、換気ガス、例えば空気の再利用および再使用が、プロセス設備の所有コストを削減するために利用される。このようなプロセス施設では、本発明の排気管理システムおよびプロセスが利用される。吸着剤式の流体貯蔵および分配容器または内部圧力を調整した容器を使用すると、運営の安全が強化され、ガスボックス、ガスキャビネットおよび流体供給容器を含む他の筐体中の換気および循環に用いられる空気を少なくすることができる。また、貯蔵され、分配される、または利用される流体に関連する監視システム構成要素またはプロセス条件によって、換気ガスを特に効率的な手法で動的に調整することができる。
【0066】
したがって、換気速度を低減することによって必要な排気を低減することができる。付帯的な利点には、そのような排気をスクラバまたは処理システムで処理する必要がなくなること、他の場合では必要であった独立したダクト部が不要になること、屋上スクラバのサイズが低減されること、ガスボックス排気が清浄な場合、「洗浄された排気」から一般排気または熱排気に有効に再分類され、他の類似の排気流と組み合わされて、設備から直接屋上排気されることを含む。
【0067】
種々の実施形態において、本発明は、吸着剤式のおよび/または内部圧力を調整したドーパント流体供給容器およびガスボックスがシステムとみなされるイオン注入装置を企図する。このガスボックスは吸着剤式のおよび/または内部圧力を調整したドーパント流体供給容器において許容される圧力定格が低下するように構成される。そのような手法では、同時に、フロー回路のバルブ、配管、変換器、質量流量制御部をより安価に構成することができる。例えば、フロー回路に、一般に、高圧有毒または有害ガスの封じ込めのために用いられる厚肉金属配管の代わりに高保全性の非金属配管を使用することができる。したがって、このような高保全性非金属配管では、種々の長さおよび直径の、容易に市場で入手可能な可撓性のある細管を使用することができる。これによってさらには費用と、別の場合ではフロー回路に関連していたであろう溶接部、コネクタ等の必要性が低下する。
【0068】
別の実施形態では、ガスボックスのダクト上方に可変位置ダンパまたは可変速度ファンを使用する。そのため、通常動作条件時、ガスボックスを通る換気ガスの流れを最適化および最小化することができる。先行技術では、半導体製造のイオン注入作業においてガスボックスを通過する換気ガスの流速は固定レベルで維持されており、毎分400ft.(CFM)(11.33m)またはさらにそれよりも高い場合がある。吸着剤式の流体供給容器の使用によって動作の安全が強化され、毎分25ft.(0.7079m)のように低い換気ガス流速を使用することが可能となる。そのような配置において、ダンパの位置および/またはファンの位置および動作速度をガスボックスおよびガスボックス内の流体供給容器の動作特性に基づき設定することができる。例えば、換気ガスの流速が分配される流体の圧力に応じて調整されるように、ダンパの位置を、分配される流体の圧力および/またはそのような圧力レベルによって調整してもよいファンの速度に基づき調整してもよい。代替的に、選択的な調整のため、ガスボックスの扉に可変領域ルーバを設けることによって換気ガスの流速を調整することができる。例えば、流れを減少し、換気ガスの面速度を増加させるためにルーバの領域が削減される。
【0069】
さらなる実施形態において、例えば、新しい流体供給容器の設置および流体使用済み容器の除去のために、または別の場合においては保守作業のためにガスキャビネットへの扉が開いている場合、ガスキャビネットの排気のためガスキャビネット中を流れる換気ガスの排気速度は、高速、例えば、200〜300CFM(毎分5.663〜8.495m)の範囲で動作するように設定することができる。ガスキャビネットの扉が閉じている場合、ガスキャビネット中を流れる換気ガスの排気速度は低速、例えば、15〜120CFM(毎分0.4248〜3.398m)の範囲に低減することができる。
【0070】
流体送達マニホールドからの圧力監視信号は、ガスキャビネット中を流れる換気ガスの排気速度を調整するために使用することができる。または、そのような換気ガスの排気速度は、任意の適切な監視配置によって決定される、流体を分配する容器内の流体残量に応じて制御することができる。例えば、上述のように、出力がプロセッサとディスプレイユニットとに同時に送信されるように、ならびにガスキャビネット中を流れるガスの換気速度を流体残量と換気ガス流速との間の所定の関係にしたがって調整するために使用されるように、流体保持容器の容器壁の歪度を監視し、流体残量に相関する出力を生成することができる。
【0071】
容器内のガスの残量が減少すると、容器から生じるおそれのあるそのようなガスの漏れを排除するためにガスキャビネットの内部容積を「掃引」するのに必要な換気ガスの量が減少する。このようにして、容器内のガス残量にしたがい換気ガス流速を調整することによって、高圧ガスボンベに適応するように設定された換気速度で動作するガスキャビネットに関して、さらには、低圧の吸着剤式の流体供給容器によって可能とされる低い一定換気ガス流速で動作するガスキャビネットに関して、かなりの節減を実施することができる。
【0072】
換気ガス流速を特定の流体残量または他の特定の流体容器、プロセスシステムまたは動作条件特性に「一致させる」ことによって、換気ガス流速がそのようなパラメータに応じて変化し、換気ガスのかなりの低減を生じさせ、さらには、換気ガスポンプ、送風機、浄化装置等のような関連機器においてもかなりの節減が可能になる。このため、必要な保守ならびにガスキャビネットを通過する換気ガス流に関連する運転コストが大幅に削減される。
【0073】
上に記載したものはガスキャビネットに関するものであるが、そのような説明は、同様に、吸着剤式の流体供給容器が用いられ、その容器中に筐体から任意の漏れ要素を掃引するための換気ガスが流される他の筐体にも適用可能である。
【0074】
流体供給容器を含むガス筐体は容器の圧力または流体残量に適応させるために任意の適切な手法で配置することができる。例えば、一実施において、システムは、流体供給容器内の圧力が大気中より低い、またはそうでなければ既定レベル未満の場合、低換気流速が可能となるように配置してもよいが、圧力がそのようなレベルを超えた場合、または他の警報条件が発生した場合、高排気速度の換気ガスを発生する。このようにして、高圧ガスボンベが用いられた筐体構造にさえも本発明の広範な手法を適用することができる。その理由は、ガスが分配されるにつれて高圧ガスの圧力が低下するため、高換気ガス流速でさえも、同様に、ガスの継続的な分配に伴いガス圧力が低下するにつれて継続的に減少させることができるからである。
【0075】
本発明は、したがって、放出の最悪ケースのシナリオのために流体供給容器筐体を過剰設計するという先行手法の大きな短所が回避され、そのような最悪ケースの放出事象に継続的に適応する換気流速を維持する換気ガスの使用における総合的な手法を企図する。
【0076】
吸着剤式の流体供給容器を含むガスキャビネット筐体の温度、圧力または任意の他の条件を監視し、本発明の種々の特定の実施形態において換気ガス流速を調整するための基準として使用することができる。
【0077】
したがって、本発明は、中にある容器から流体の分配を行う筐体の動作に関連する現行のリスク条件に応じて換気ガス流速を適合する、または作動する「利口な」筐体の提供を企図する。
【0078】
また、筐体内の流体供給容器は、分配されたガスの圧力が既定の上限を超えた場合、分配操作を終了するために、容器と分配マニホールドとの間の隔離弁を閉じるか、容器のバルブヘッドアセンブリ内の流量制御弁を閉じることができ、また、筐体およびその中にある容器の動作のさらなる安全レベルを提供するために、例えば、状態が正常に戻る時間まで換気ガスダンパを自動的に開くことによって筐体を通過する排気速度を増加させることができるように配置されうる。
【0079】
監視した流体分配パラメータ、例えば、流体供給容器の流体圧力、容器内の流体の残量、容器から排出された分配された流体の総量、流体供給容器内の吸着流体の重量、筐体内の圧力、筐体の温度、または他の適切な変動要素、または変動要素の組み合わせに応じた、流体供給容器筐体を通過する換気ガス流速の調整は、センサまたはモニタを、センサまたはモニタから出力を受信するように配置したプロセッサに適切に接続し、筐体を通過する換気ガスの容積流速を調整するために使用される相関的な制御信号を生成することによって実施することができる。プロセッサは、マイクロプロセッサ、プログラマブルロジックデバイス、監視および制御オペレーションを実施するように特別に構成した汎用コンピュータ、またはそのような目的に有効な他の処理装置とすることができる。代替的に、センサからの信号によって、ガスボンベをシステムから切り離す、警報を鳴らすおよび/またはダンパの位置を調整してより多くの換気流を許容する等の軽減動作を直接的に、直接起動することができる。
【0080】
プロセッサによって発生する出力制御信号は調整に有効な任意の適切な形態のものとすることができる。例えば、出力信号を、空気圧バルブアクチュエータを励磁し、流量制御弁、ダンパまたは他の流量決定デバイスを所望の程度開閉し、筐体を通る換気ガスの適切な流れを提供するため、または換気ガスの動力ドライバとして使用されるポンプまたは送風機のポンピング速度を増加するために送信してもよい。
【0081】
本発明では、準大気圧流体供給容器の使用に関して、換気ガス要件を低減することによって、そのような容器の使用に伴う以下の利点に加えてさらにかなりの利点が達成される。(i)中央屋上非常スクラバ、例えば、水スクラバ、吸着剤スクラバ、または化学吸着剤スクラバによるイオン注入ガスボックスの排出という手法を排除するため、屋内非常放出スクラバのサイズを削減することができる、(ii)流体容器領域からの人員を部分退避させる要件を緩和することによって、またはそのような変更箇所の近傍に最も少数の人員が存在する際に流体供給容器の交換を実施することによって半導体製造施設においてドーパント源ガスを搬送するためのプロトコルが緩和される、および(iii)イオン注入装置を含む最も頻繁に使用する機器を施設の中央に配置するため、注入装置を施設の遠隔領域に閉じ込める必要がなく、作業の流れおよびロジスティクスを結果的に改善することができる構成によって、半導体製造施設における機器のレイアウトの柔軟性が向上する。
【0082】
施設の遠隔領域に閉じ込める換気ガスシステムおよびプロセスを使用するガス筐体においては、漏れを制御するために、ガス筐体に、筐体を通る換気ガスの掃引を最適化するための内部邪魔板および筐体を通る換気ガスの掃引を最適化するための扉およびアクセスポートのシールのようなさらなる増強物を使用してもよい。特定の筐体の用途では、システム条件にしたがって調整される換気ガス流速を使用して、様々な条件の筐体内における様々な数の換気または、様々な条件の筐体内における様々な圧力、または他の変動する応答結果を得てもよい。
【0083】
換気ガス流速を調整することによって、換気ガスを使用する設備において、より少ない「調整した空気」を生成して、ガス監視を減らし、準大気圧の分配流体供給容器を含む筐体の操作において生成される排気空気を低減することができる。一般的な半導体製造システム操作では、施設において、(1)外気のフィルタリング、(2)ろ過後の空気を冷却してこれを脱湿すること、(3)脱湿した空気を一般に68℃〜70℃に加熱すること、および(4)蒸気を添加して空気を再加湿し、一般に38℃〜40℃の相対湿度に戻すことを含む連続する工程によって清浄な空気が生成される。排出速度を低減することによって、補償空気要件、冷却、脱湿、加熱、監視、検出および建設費においてかなりの節減を達成することができる。
【0084】
したがって、流体分配システムおよびプロセスパラメータに応じた換気ガス流速の動的調整によって、システムおよびプロセスの大幅かつ予期せぬ向上がもたらされる。その理由は、それによって、筐体に入った吸着剤式のおよび/または内部調整器式の流体供給容器を利用する施設のエネルギ消費量および資本および運転費を大幅に削減することが可能となり、換気および排気ガス機器の平均故障間隔(MBT)が延びるため、屋内排気および換気システムに付随する保守および修理負担が大幅に削減されるためである。流体利用施設は、その結果、極めてより効率的になり、密閉された流体供給容器に付随する換気および排気要件を緩和および補償することができ、監視および制御要件が低減されるため、施設内のガス資源をより有効に利用することができる。
【0085】
半導体製造施設への適用においては、換気ガス流のそのような動的調整が低コスト化およびエネルギ効率に大きく貢献する。半導体製造施設においては、施設の種々の領域では、Class M1(ISO Class 3)からClass M6(ISO Class 9)まで清浄度が異なるため、クリーンルームでは、再循環空気ハンドラを使用して数百万立方フィートの空気を移動し、清浄状態を維持している。半導体施設では、施設内で加工される200mmウェーハ1つ毎に450kWhを超えるエネルギを利用してもよい。名目上、施設におけるエネルギ消費量の60%が、チラー、空気再循環および補償ファン、排気システム、現場の窒素プラントを含む施設のシステムに起因する。エネルギ消費量の残り40%はプロセスポンプが主にエネルギを消費するプロセス機器に起因する。
【0086】
半導体製造施設における換気ガス流のそのような動的調整によって達成可能な節減の説明的な例として、排気ガス要件を毎分200ft.(5.663m)削減することによって電気需要を2.2kWを削減することができ、年間12,000〜18,000kWhを超える、補償空気調和に必要なファンおよびチラーのエネルギを節約することができる。これによって、さらに施設における年間平均エネルギコストを毎分6〜8ドル/立方フィートに削減することができる。
【0087】
換気ガス流の動的調整を単一容器の流体供給容器筐体に適用可能であることは理解されよう。この筐体においては、単一容器の流体供給容器筐体内に貯蔵された、および単一容器の流体供給容器筐体から分配される流体の圧力および/または容積特性、ならびに複数容器の流体供給容器筐体内に貯蔵された、および複数容器の流体供給容器筐体から分配される流体の圧力および/または容積特性に応じて換気ガス流を調整することができる。個々の容器は条件が異なるものであってもよい。すなわち、1つ以上のそのような容器は完全に充填されている一方、他の1つ以上のそのような容器は空またはほぼ空であってもよく、他の1つ以上のそのような容器はその中の圧力および流体量がほぼ中間の状態であってもよい。
【0088】
したがって、そのような複数容器の流体供給容器筐体においては、筐体内の各々の容器のそれぞれがその流体の残量、流体圧力、そこから分配された流体の圧力等について個々に監視され、得られた監視データが処理され、筐体を通る換気ガス流の全体的な制御レベルが提供される一体型の監視システムを利用する必要がある可能性がある。そのような一体型の流れには、例えば、筐体内の複数の容器のそれぞれにひずみゲージを含んでもよい。ひずみゲージは、それぞれが容器内の流体内の残量および圧力に相関する出力を発生させ、かつデータ収集モジュールおよびプロセッサモジュールに連結される。データ収集モジュールおよびプロセッサモジュールは、データを統合、合計、またはそうでなければ蓄積および処理し、筐体を通る換気ガス流を調整するために利用される出力制御信号を提供する。
【0089】
筐体を通過する換気ガス流の調整は、さらには、任意の適切な手法で検出してもよい。この手法には、上述のダンパ、ルーバ等の位置の調整、換気ガスを流体供給容器を含む筐体に運ぶ換気ガス供給ライン内の流量制御弁の調整、換気ガスを筐体に押し出すため、および/またはそのような換気ガスの筐体を排気するために使用されるポンプ速度の調整、または換気ガスの容積流速または量または速度を、流体供給動作に関連する監視した機器または状態に基づき所望の程度に調整する任意の他の適切な手法を含む。
【0090】
一実施形態において、複数の流体供給容器を含む筐体が仕切られ、筐体内の複数の容器のそれぞれについて独立した副筐体が設けられる。そのため、複数の容器のうちの独立した1つを含む副筐体のそれぞれについて簡単かつ準備の整った状態で換気ガス調整を実施することができる。
【0091】
そのような配置において、説明的な例として、流体の全残量が、最高充填圧力、例えば、2.2リットルのアルシンを700トル(=93.3kPa)の圧力でそのような容器のみを保持する副筐体内に収容されている流体供給容器を、そのような副筐体を毎分75ft.(2.214m)の速度で通過する換気ガスの流れによって換気してもよい。そのような容器がその後能動分配に利用される場合、容器が空になるまでアルシンが継続的に排出され、アルシンの「わずかな」残渣のみが残ると容器内のアルシンの圧力が低下する。連続的にまたは代替的に段階的な手法で、副筐体の換気速度を容器内のアルシンの監視圧力に一致させることにより、容器内のアルシンの圧力が500トル(=66.7kPa)に減少した場合、換気ガス流速は、例えば、毎分60ft.(1.699m)に低下してもよい。容器内のアルシンの圧力が350トル(=46.7kPa)等に低下した場合、換気ガス流速は、例えば、毎分45ft.(1.274m)に低下してもよい。
【0092】
したがって、複数容器のガス供給容器筐体を専用の副筐体部に分割すると、そのような副筐体部のそれぞれを通過する換気ガス流の独立制御に適応させることができる。これは、換気ガス流を、流体供給容器またはその筐体内の関連するフロー回路からの漏れ事象に適応する最高レベルの安全操作に一致するような態様でさらに最適化するためである。
【0093】
換気ガスの調整は、流体利用施設内のプロセス機器から熱を除去するために、いわゆる熱排気のような、排気ガスを使用する、流体利用施設の排気ガス処理と統合してもよい。プロセス機器から熱を対流的に除去するため、ならびに漏れているガスをそのような機器から流れに乗せて運び、それによって有毒または有害要素の濃度レベルを最小にするため、熱排気のような空気を使用してもよい。半導体製造施設においては、熱排気は一般に外部の一般排気処理に送られ、ガスボックスの空気排気は一般に洗浄された排気に送られる。一般排気処理では、一般排気を処理し、これを大気に排出するために屋上または他の場所を使用してもよい。洗浄された排気は、一般に、液体/ガス洗浄作業を経てそのような排気ガスからあらゆる有毒または有害種を除去する。
【0094】
一実施形態において、イオン注入装置のガスボックスに、そのようなプロセスシステムのイオン源にドーパントガスを供給するため吸着剤式または内部圧力を調整した流体供給容器が用いられる場合、半導体製造施設における使用のため再生される前に、熱排気は再度経路を定められ、あらゆる有害または有毒種を検出するための人命保護用監視機器を通過する。そのような実施形態においては、イオン注入装置のガスボックスからのガスボックス排気は、一般排気に再度経路を定められ、あらゆる有害または有毒種の検出のために人命保護用監視機器を通過し、その後、一般排気処理ユニット、例えば、ルーフに取り付けられた排気処理ユニットに送られる。そのような変更は、吸着剤式の流体供給容器または内部圧力を調整した流体供給容器の使用および流体供給容器から分配されたガスの低い排出圧力によって容易になる。
【0095】
半導体製造施設においては、施設の排気要件はいくつかの分類、すなわち、熱/一般排気、酸排気、任意のアンモニア排気および揮発性有機化合物(VOC)排気に由来する。プロセス排出物の大半は製造の容積速度が小さく、例えば、毎分約2〜10ft.(0.05663〜0.2832m)であるため、使用場所の低減システムを使用して、有毒および有害材料を施設内のダクトの中に入れないようにするとともに、作業員の曝露を制限する。プロセス排出物は集中酸排気中を流れ、ルーフスクラバから出る。湿式ベンチのプロセス排気は高流速を伴うためルーフに取り付けられたスクラバに直接流れる。熱排気は未処理状態で排出されるか、場合によっては半導体施設に再度送られる。
【0096】
一般に、プロセスツールおよびガス/化学領域では安全のため封じ込め筐体を使用する。そのようなプロセス筐体は、作業領域における有毒および有害材料の可能性を一層制限するために製造施設全体に対して負圧で運転される場合が多い。自燃性および可燃性の材料にはより高い排気レベルが要求される。イオン注入装置では、一般に、毎分1500〜3500ft.(42.48〜99.11m)の範囲の排気流速を使用し、これはプロセス排気(毎分1〜2ft.)、ガスボックス排気(毎分300〜400ft.(8.495〜11.33m))、残りが熱排気に配分される。施設の空気は筐体内のルーバ中に引き込まれ、電源およびその中の高エネルギ構成要素を冷却してもよい。このようなガスは通気口を通過して排気されるとプロセスツールの上に溜まる。排気温度は約75〜85°Fの範囲でもよい。プロセス排気の配管における障害またはガスボックス内の流体の大幅な放出は熱排気を汚染する可能性があるため、半導体製造施設の大半では熱排気を、熱排気または酸排気のいずれにおいても、毎分1000〜2000ft.(28.32〜56.63m)の流速で屋内中央排気システムに排気する。
【0097】
この開示において論じられた換気ガス調整は、そのような換気ガス調整のない、対応するプロセスシステムに対して50〜75%の排気削減を達成することができる。
【0098】
低レベルの有毒成分を半導体製造施設に再度導入することについての懸念が表されているが、熱排気内に存在しうる材料を化学吸着するためのケミカルフィルタの使用によって解決される。ケミカルフィルタは、有利なことに、動力学的に速い動作および低圧力降下を特徴とする。ケミカルフィルタの性能を確認するために有毒ガスモニタを使用してもよい。注入装置ガスボックスではルーフスクラバに排出することができ、本発明による準大気圧の吸着剤式の流体供給容器を使用することにより、ガスボックス排気を、例えば、毎分100ft.(2.832m)未満に大幅に削減することが可能となる。プロセス排出物は使用場所のスクラバで処理することができる、またはプロセスシステムの中央酸スクラバを通して排出することができる。そのようなシステムにおいて、任意の熱交換器を用いて熱負荷を除去することができる、または施設の既存の再循環/チラー機能を使用して熱負荷を除去することができる。
【0099】
熱排気が実用性領域に戻ると、注入装置の排気要件を大幅に、例えば、場合においては毎分約1500ft.(42.48m)削減することができ、かなりの付加的なエネルギ節約となる。既存のプロセス施設を注入装置の熱排気を実用性領域に送るように変更した場合においては、この経路変更が既存の排気システムの性能を効果的に拡大し、他のプロセス機器のために容積が開放される。
【0100】
したがって、プロセスシステムの動作条件および機器構成要素に基づく換気ガス流の動的調整によって、大幅な費用改善および効率の向上を達成することが可能になる。従来、ガスキャビネットの排気速度は、流体供給容器の始動圧力と、ガス分配フロー回路に用いられる制限流量口(RFO)直径において求められる放出の最悪ケースのシナリオに基づいている。
【0101】
流体供給容器からの最悪ケースの放出速度はガスが流体供給容器から分配される場所における圧力の効果的な削減によって大幅に削減することができる。これは特に、吸着ガスを準大気圧で貯蔵する吸着剤式の流体供給容器が利用される場合特に当てはまる。内部調整器式の流体供給容器の場合、内部調整器の設定値は、所望の圧力で、例えば、準大気圧〜100psig(=689.5kPa)の範囲の圧力で流体の分配を可能にするように設定される。
【0102】
両方の例において、分配されるガスの送達速度は流体供給容器に関連するフロー回路のRFOを使用することによって決定することができる。そのようにして、最悪ケースの放出速度を従来の高圧ガスボンベの使用に対して約4〜10分の1に低下することによって、ガス流速を実際のプロセスニーズにより厳密に一致させることができる。結果として、キャビネットの換気速度を同様に削減することができる。
【0103】
分配された流体を利用するプロセスツールのより近くに流体供給容器を位置決めすることによってさらなる節減を達成することができ、それによって施設内に設置される長い配管の費用が防止される。準大気圧操作の使用によって高圧シリンダに付随するリスクを1000分の1に削減することができるため、流体供給容器を使用場所に数百メートル近く再配置することができ、全体的な施設配置の効率を著しく向上させることができる。
【0104】
換気ガスの動的調整を、換気されるハウジングまたは施設の密閉領域内にある湿式ベンチおよび化学タンクのような機器とともに使用することもできる。
【0105】
ここで図面を参照すると、図1は、流体利用プロセスシステム10の一部として、吸着剤式の流体供給容器12を含み、流体供給容器の流体残量に応じて換気ガス流を調整するように適応させたガスキャビネット40の概略図である。
【0106】
図示されるように、ガスキャビネット40には、流体供給容器12が取り付けられる内部容積42を画定する筐体が設けられる。流体供給容器12はベース部材74上に配置され、キャビネット40の壁に固定されたブラケット76、78によって垂直方向に直立姿勢で保持される。
【0107】
流体供給容器12は、物理吸着材料14が配置された容器の内部容積を画定するケーシングを含む。物理吸着材料14は、本発明の一実施形態においては、吸着剤に貯蔵され、分配条件下において容器から分配される流体に対する収着親和性を有するモノリシック構造の活性炭素物品を含んでもよい。流体は、例えば、アルシン、ホスフィン、三フッ化ホウ素、シランまたは他の流体のような半導体製造ガスを備えてもよい。
【0108】
容器ケーシングはその上部ネック部16において、ケーシングの内部容積と、バルブヘッドアセンブリ18の出力ポートに接合される分配ライン34を含む外部フロー回路との間に圧力差を伴う分配条件下において、流体を容器から分配するように開放可能な流量制御弁を含むバルブヘッドアセンブリ18に接合される。バルブヘッドアセンブリ18は、さらには、バルブヘッドアセンブリ18内のバルブを開閉するように作動可能なバルブアクチュエータ20と結合される。
【0109】
容器内の流体残量を監視し、収容された流体の量を示す相関的な信号を信号送信ライン64に出力するために作動的に配置された流体残量モニタ26が容器ケーシングの外部表面に取り付けられている。流体残量モニタ26は、任意の適切なタイプとすることができ、分配のため、容器内に残った流体の量を示す出力を供給するため、容器内の圧力および/またはその中の吸着剤の温度を監視するために、容器の内部容積に配置された圧力および/または温度センサに作動的に連結してもよい。
【0110】
図1に示す容器は吸着剤式タイプのものであるが、代替的に、容器は、容器の内部容積に1以上の圧力調整器を備えたタイプとすることもできる。この圧力調整器は、容器と結合される流体フロー回路の状態によって決定される既定の分配圧力で容器からガスを分配するために配置される。そのような圧力調整された容器は、同じまたは類似のタイプの流体残量モニタを使用してもよい。または代替的に、そのような容器内の流体貯蔵圧力においてひずみゲージを有効に使用することができることに鑑み、ひずみゲージのような異なるタイプのモニタを使用してもよい。
【0111】
再び図1を参照すると、分配ライン34はその中に制限流量口30を含んでもよい。この制限流量口30は分配ライン内において所望の流量の分配流体の維持を補助するように機能する。分配ライン34は、分配ラインの圧力を監視し、信号送信ライン66において検出した圧力を示す信号を応答的に出力するように機能する圧力変換器32をさらに含んでもよい。
【0112】
分配された流体は、ガスキャビネット40内の容器と結合されるフロー回路の分配ライン34から供給ライン36に流れ、流体利用ユニット38に到達する。流体利用ユニットは、薄膜材料の半導体基板上への化学蒸着または原子層堆積のための蒸着チャンバ、または容器12から分配される流体から得たドーパント種のイオン注入のための注入装置、または他の流体利用プロセスユニットを含んでもよい。
【0113】
プロセスシステム10は、出力信号送信ライン56によってディスプレイ58に作動的に連結される中央処理装置(CPU)24をさらに含む。
【0114】
換気ガス供給部46が、流量制御弁50を含む換気ガス供給ライン48によって、ガスキャビネット40の内部容積42と流れ連通関係で結合される。ガスキャビネット40の内部容積42は、排気ポンプ70を含む換気ガス排出ライン72とも流れ連通関係で結合される。図1に示すシステムは簡略化した概略図であり、従来のガスキャビネットにおいては、換気ガスは一般に筐体の底部または基部から流され、ボックスの上部または上後部のダクト中に案内されることは理解されよう。
【0115】
CPU24は信号送信ライン62を介してデータ収集モジュール60に信号受信関係で連結される。データ収集モジュール60は、さらには上述の流体残量モニタ26および圧力変換器32にそれぞれ信号送信ライン64および66を介して結合される。
【0116】
また、CPU24は、信号送信ライン52によって換気ガス供給ライン48内の流量制御弁50に連結される。また、信号送信ライン68によって換気ガス排出ライン72内の排気ポンプ70の速度制御ユニットに連結される。
【0117】
最後に、CPU24は、信号送信ライン22によってバルブヘッドアセンブリ18内のバルブと結合されたバルブアクチュエータ20に連結される。
【0118】
動作時、流体の分配は、CPU24によって実行されるサイクル時間プログラムによって開始されてもよい。このプログラムは、信号送信ライン22において作動信号をアクチュエータ20に送信し、流体供給容器12のバルブヘッドアセンブリ18内のバルブを開く。そのような動作によって、流体供給容器の内部容積と分配ライン34との間に圧力差が設けられるため、流体が容器内の物理吸着剤14から脱着され、容器からの流体の排出が容易になる。
【0119】
同時に、CPU24は、制御信号を、信号送信ライン52において換気ガス流量制御弁50に、および信号送信ライン68において排気ポンプ70の速度制御ユニットに送信する。このようにして、換気ガスが、例えば、毎分25〜80ft.(0.7079〜2.265m)の範囲であってもよい低流速でガスキャビネット40の内部容積42中に流される。そのような低流速は、流体供給容器12内の流体が低い準大気圧であるということを示す。流体は、流体供給容器12から、例えば、700トル(=93.3kPa)の圧力で分配され、分配ライン34および供給ライン36内に流され、流体利用ユニット38に達してもよい。
【0120】
そのような分配操作中、流体残量モニタ26によって容器内の流体残量に相関する特性が検出され、流体供給容器12の流体残量に相関する出力信号を発生するために使用される。この出力信号は信号送信ライン64においてデータ収集モジュール60に送信される。分配ライン34の圧力変換器32は排出される流体の圧力を監視し、対応する信号を信号送信ライン66においてデータ収集モジュール60に送信する。データ収集モジュールによって受信したデータ信号は、その後、信号送信ライン62においてCPU24に送信される出力信号を発生させるために使用される。
【0121】
CPU24は、データ収集モジュールからの出力信号を処理し、信号送信ライン56を介してディスプレイ58に図表示として送信される出力を生成してもよい。一実施形態において、図表示には、容器内に残った流体の量を示す表示バーまたは流体レベルを有する流体容器の図形シミュレーションを含んでもよい。代替的に、ディスプレイ58は、所望の特性の特定フォーマットでデータを出力するようにプログラム可能に配置されてもよい。
【0122】
流体分配操作が進行するにつれて、流体供給容器12内の流体の残量が継続的に減少し、流体残量のそのような漸進的な減少はひずみゲージ26によって監視される。対応する信号がデータ収集モジュールに出力され、そこからCPUに出力され、容器内の流体量または容器内の圧力の対応する実時間値が提供される。同時に、圧力変換器32からの信号がデータ収集モジュールに送信され、そこからCPU24に送信され、分配された流体を監視する圧力読み取り値が提供される。
【0123】
これらの入力に基づき、CPUは適切なレベルの換気ガス流を決定する。これに応じて、信号送信ライン52内の制御信号によって流量制御弁50を調整し、信号送信ライン68において送信される制御信号によって排気ポンプ70の速度制御を調整する。そのため、換気ガス流が監視された流体残量および圧力条件に一致する。
【0124】
CPUは、流体の分配の進行を有するデータ収集モジュールを通じて監視デバイスから信号入力を受信し続け、ガスキャビネットを通過する換気ガスの流速を調整し、あらゆる漏れ条件への適応に必要なレベルの安全を維持する。したがって、容器12内の流体の残量が減少するにつれて、CPU24は、同様に、ガスキャビネット40の内部容積42を通過した換気ガスの流速を下方調整する。そのため換気ガス流速は監視された流体残量および圧力に対しておよびそれに応じて減少する。そのような換気ガス流の制御された削減はプロセスシステムの特定の用途において必要とされるまたは望まれるような連続的または段階的な特性であってもよい。
【0125】
また、流体残量および分配された流体圧力の監視配置を空検知システムとして用いてもよい。空検知システムにおいては、流体残量の生成および/または特定の下限界値への流体圧力によってCPUが流体供給容器のバルブヘッドアセンブリ内のバルブを閉じる。同時に、ガスキャビネットを通過する換気ガスの流れを遮断する。そのため流体供給容器をガスキャビネットから取り外し、取り外した容器を新しい流体供給容器と取り替えることによって交換することができる。また、CPU24は、流体供給容器から流体がなくなりかけており、流体使用済み容器を交換する必要があることを操作者に通知するために、警報または他の出力デバイスと出力連通して配置してもよい。
【0126】
したがって、CPU24は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたは流体分配操作および流体供給容器を含む筐体の換気の監視および制御を実施するための他の物に組み込まれる計算命令セットによってプログラム可能に配置されてもよい。
【0127】
図2は、その中におけるその作業に空気排気の使用が必要な半導体製造プロセス設備110の概略図である。ガスボックス114および注入装置筐体112の換気はその中のプロセス条件に従い調整される。
【0128】
半導体製造施設10またはファブは、構造設備、例えば、建物またはクリーンルーム、グレイルームおよび施設の他の設備領域を含む他の構造物を含んでもよい。ファブは、補助機器とともに中に取り付けられたガスボックス114を有する注入装置筐体112内に収容されるイオン注入装置ツールを含む。補助機器は当技術分野において公知であり、本明細書中に詳述は必要ない。
【0129】
注入装置筐体は、空気を筐体の内部容積に進入させ、その中を流し、熱を除去するため、およびガスボックスまたは筐体内の関連するフロー回路からの汚染物質種のあらゆる漏れを掃引するため、ルーバ付きのまたはそうでなければその中に開口部(図示せず)が設けられるハウジングまたは封じ込め容器によって構成してもよい。生じた熱排気は、注入装置筐体から、それぞれが中にフロー制御ダンパ130、132、134、136および138を有する排出ダクト120、122、124、126および128内に排出される。排出ダクトは、注入装置筐体の上壁に、各々のダクトに熱排気の効果的な流体力学的流れを提供する位置(例えば、図2において「排気領域#1」、「排気領域#1」、「排気領域#2」、「排気領域#3」、「排気領域#4」および「排気領域#5」として示される排気領域に)に選択的に配置してもよい。この排出ダクトは、示された例証的な実施形態において、約9インチの直径を有してもよい。
【0130】
注入装置筐体112は、その中にイオン注入ツールの動作および空気排気作業に必要なまたは望ましい任意の適切な監視および制御手段を有してもよい。例えば、筐体は、筐体内に、プログラム可能に配置された中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)システム、または他の注入装置を効果的に動作するための手段のような集中制御ユニットと適切に統合された、熱電対116または他の温度検出デバイスを有してもよい。例えば、熱電対116は、制御部と作動的に結合してもよい。制御部は、注入装置筐体112において発生した熱に応じて熱排気の流れを調整するためにフロー制御ダンパ130、132、134、136および138の設定を応答的に調整する。概略的に示すが、フロー回路は、処理施設において用いられる特定の空気排気に適した任意の適切な配管、導管、流路、マニホールド等を含むことができる。図示されるような注入装置のガスボックスは、排出ライン118内にガスボックス排気を排出する。特定の実施形態におけるガスボックス排気は毎分300〜400立方フィート(CFM)(毎分8.495〜11.33m)の流速で排出されてもよい。
【0131】
概略的に示すが、イオン注入装置は、イオン注入作業を実施するための構成要素として、イオン注入プロセスチャンバ、注入作業用の源ガスを含むガスキャビネット、真空ポンプ、ビーム発射部、制御キャビネット、エンドステーション、スタッカ、小型環境等を含むことができ、また一般に含む。イオン注入作業のための源ガスは、Tomらによる米国特許第5,518,828号に記載されているタイプの低圧ドーパント源から分配することによって供給することができる。このタイプの低圧ドーパント源は、ガス貯蔵および送達ユニットが約50〜100CFM(毎分1.416〜2.832m)の流速で排出されることを可能とする。代替的に、任意の他の適切なイオン注入種源を用いることもできる。
【0132】
説明を簡潔にするため図示しないが、イオン注入装置ツールはイオン注入プロセス排出物を生成する。この排出物は、イオンフラグメント、再結合種、キャリアガス等を含有するプロセス排出物を処理するために、ツールから排出物ラインに排出され、ファブのルーフに取り付けられた低減システムに流れるか、代替的に使用場所の低減ユニットに流れてもよい。その後、局所的に処理されたプロセス排出物の流れは最終処理および排出のため屋内排気装置に到達する。そのような使用場所の低減ユニットは、例えば、触媒酸化ユニット、スクラバユニット(湿式および/または乾式)等、任意の適切なタイプとすることができる。
【0133】
注入装置筐体からの空気排気(熱排気)は、排出ダクト120、122、124、126および128からヘッダ140に流れる。特定の実施形態におけるヘッダ140は、約2000CFM(毎分56.63m)であってもよい流れの組み合わせ空気排気を受ける12インチヘッダである。組み合わせ空気排気は、ヘッダから空気排気の温度を監視するための熱電対144を含む排出通路142に流れ、空気排気処理ユニット146に入る。空気排気処理ユニット146は、ケミカルフィルタ154と、エアフィルタ156と、(バルブ式水供給ライン164および適切な冷却水の源(図示せず)への水戻りライン166を含むフロー回路162によって結合される)熱交換器158および160とを含む。空気排気処理ユニットの内部容積の下流側端部において、空気排気は排気送風機170に入り、最後にファブの周囲空気環境、例えば、ファブのグレイルームへの再循環のため排出導管172に排出される。そのため、再循環された空気排気はファブ建物内の大気容積に再結合される。
【0134】
図示されるように、排気処理ユニット146には、上流側配管脚150と下流側配管脚152とに結合される、圧力検出出力を提供するための差圧計148を設けてもよい。圧力検出出力は、さらに排気送風機170の速度を調整するために用いてもよい、またはそうでなければ、排気処理システムの動作要素を、調整、監視または制御するために使用してもよい。
【0135】
同様に、熱排気の所望の冷却を確実に達成し、ファブに再循環するのに適したものとするため、熱電対144によって検出された熱排気の温度を用いてフロー回路162内の冷却液の流れを応答的に調整してもよい。
【0136】
この実施形態における熱排気処理ユニット146は、ハウジング内に一体型モジュールとして設けられる。ケミカルフィルタ154は、熱排気ガス流内に存在するおそれのある望ましくない汚染物質成分に対して収着親和性がある任意の適切な材料を含んでもよい。吸着剤材料は、2つ以上の吸着剤種を含んでもよい、または代替的に、その望ましくない成分の熱排気を浄化するのに効果的な単一の材料を含んでもよい。スクラバ材料は、化学吸着剤媒体または物理吸着剤媒体またはこの2つの組み合わせを含んでもよい。
【0137】
吸着剤材料は、任意の適切な形態、例えば、熱排気から望ましくない汚染物質を洗浄する接触操作において熱排気に適切な表面積を提供するために、規則的または不規則な幾何学的形状の、および適切なサイズおよび粒度分布の微粒子形態または他の不連続な形態で提供してもよい。したがって、洗浄材料を熱排気ガス流が流される固定層に提供してもよい。そのような層は基本的な固定層吸着剤容器の設計条件に合致する適切な圧力降下および流れ通過特性を提供するような大きさおよび形状にしてもよい。
【0138】
本発明の実施に有用に用いられる好適なスクラバ材料は、S520樹脂(ATMI, Inc., Danbury, Conn., USAから市販されている)であり、この樹脂は、水素化物ならびに酸性ガス汚染物質(例えば、三フッ化ホウ素)を熱排気から除去する効果がある。スクラバ材料は、処理ユニットのケミカルフィルタの低圧力降下を維持する一方で、汚染物質種の優れた捕捉を達成するためにハニカム形態で設けてもよい。
【0139】
エアフィルタ156は、熱排気を形成する微粒子を除去する効果がある任意の適切なタイプのものであってもよい。例証的にケミカルフィルタの下流側に示されるが、エアフィルタは、代替的にまたは付加的に、ケミカルフィルタの上流側に設けてもよいことが理解されるであろう。
【0140】
スクラバ材料との接触によって汚染物質が浄化され、かつエアフィルタ156との接触によって微粒子が濾過された熱排気は、その後、熱交換器158および160中に流れる。熱交換器は、示されるように、冷却液媒体が、中の熱交換路にある熱交換器に流れ込む冷却液供給ラインに連通し、冷却液排出ライン166内の熱交換器から冷却液媒体を排出することによって熱排気を冷却してもよい。ライン166に排出された冷却液はこのように熱排気から熱を除去する。代替的に、熱交換器構成要素は、熱排気の膨張冷却を実施してもよい。または熱排気から熱の除去を行うために他の様式および手段を用いてもよい。
【0141】
熱交換器は、空気排気処理ユニットの任意の構成要素であり、ファブのHVACシステムに十分な冷却能力が備えられている場合は、ファブの空気がファブ環境内のチラーおよびフィルタ中に連続的に再循環されるため省略してもよい。
【0142】
空気排気処理ユニットは、さらに有毒ガスモニタを含んでもよい。このモニタによって、熱排気がその中のあらゆる汚染物質種の存在について監視される。有毒ガスモニタは、ケミカルフィルタの上流側に配置され、(空気排気処理ユニットに排気される流入空気が漏れまたは他の汚染によって汚染されている場合)いつ漏れ事象が発生したか、および進行中であるかを操作者に通知してもよい。
【0143】
代替的に、汚染された空気排気がケミカルフィルタを通り抜けていることを示す警報または他の出力を提供するために、ケミカルフィルタの下流側に有毒ガスモニタを配置することができる。
【0144】
さらなる代替案として、空気排気処理ユニットは、有毒ガスモニタをケミカルフィルタの上流側および下流側に含んでもよい。そのような例における有毒ガスモニタは、(汚染が掃引され、熱排気と混合しないように)その中の負圧を維持する等の一方で、注入装置の停止、ドーパントの流れの遮断、注入送風機の停止、ガスボックス排気流の増加を実施するように配置することができる。
【0145】
代替的に、有毒ガスモニタを、操作者に、ケミカルフィルタを交換し、洗浄媒体を新しい材料と交換するように通知するため警報を作動するように配置してもよい。
【0146】
処理後の熱排気をファブの周囲環境に流すことによって、熱排気が屋内排気システムに流れていた場合に存在していたであろうガスの追加負担が回避される。このため、ファブからの排気の最終処理のために、屋内排気システムを小さくし、より効率的に設計してもよい。
【0147】
空気排気処理ユニットは、有利なことには、熱排気がファブに戻ることができる高処理能力、高運動効率の空気清浄機/フィルタ設備として構成されている。そのような空気清浄機/フィルタ設備は、空気清浄機/フィルタユニットを通過する熱排気の流れにおいて適切なベクトルの大きさの線速度、例えば、約0.1〜約2メートル/秒を達成することができるような大きさにしてもよい、および構成してもよい。
【0148】
そのような専用の空気排気処理ユニットを設けることによって、図2に概略的に示すタイプの一般的な半導体製造施設において、ファブ内のイオン注入装置1台毎に、先行技術においてルーフの低減ユニットに流れていたであろう1000〜2000CFMの熱排気を再使用することができる。この再循環された熱排気は、ツールにおける使用のために補償空気が引き出され、熱が除去されるファブ内の気体環境に再結合するため、大幅な節減が達成される。全体的な屋内排気要件が低減されるため、新しいファブ構造の屋内排気装置では約100米ドル/CFMの資本費の削減を達成することが可能である。
【0149】
図2に示す半導体製造プロセスシステムのさらなる変更態様において、再循環のため排出導管172において再生および排出される排気は、このための追加の排気として再利用ライン226に流れ、注入装置筐体に達してもよい。
【0150】
別の変形形態として、圧力変換器、熱電対または他のセンサ素子212を、注入装置筐体112の内部容積に配置して、そのような筐体内の内部環境を監視し、対応する検出信号を信号送信ライン218においてプロセッサ220に送信してもよい。プロセッサ220は、対応する出力信号を信号送信ライン222において排気源214に送信し、排気の流れをライン216において発生させ注入装置筐体に送るようにプログラム可能に配置される。そのためセンサ素子212によって検出した監視状態または機器に応じて排気の流れが調整される。
【0151】
さらに、別の変形形態として、換気ガスが供給ライン202からガスボックス114に流れる、そこを通る流れのために換気ガスの専用供給部200を配置してもよい。ガスボックス排気は、排気設備に流される代わりに、処理および注入装置筐体への再循環のため再循環ライン224において再生されヘッダ140に送ることができる。
【0152】
ガスボックスの状態を、信号送信ライン204において制御部206に送信される出力信号を発生させる適切なセンサ(図示せず)によって監視してもよい。制御部206はそのような検出に応答して信号送信ライン208において供給部200に送信され、供給部200の動作を調整する制御信号を発生させる。そのため換気ガス流は、例えば、ガスボックスにおいて検出された条件に比例して、または何らかの他の相関的な状態で連係している。
【0153】
作成されたガスボックスにおいて検出した条件は、例えば、ガスボックス内の流体供給容器に残った流体の残量および/またはそのような流体供給容器から分配された流体の圧力である。
【0154】
さらなる変形形態として、ライン226の再生ガスは、注入装置筐体に流される代わりに、そのための換気ガスとしてガスボックス114に流されることができる。
【0155】
第1の例における様々な源から換気ガスを得てもよく、換気ガスは、筐体内の流体供給容器の流体の残量が減少すると減少するように効果的に調整されることができ、それによってプロセス設備における換気ガス要件が最小限になることが前述から理解されよう。
【0156】
図3は、換気ガスを通過させるように構成された、複数の吸着剤式の流体供給容器を含むガスキャビネット400の概略正面斜視図である。
【0157】
ガスキャビネットアセンブリ400はガスキャビネット402を含む。ガスキャビネット402は、前扉414および420を有するハウジングを画定する側壁404および406と、床408と、後壁410と、天井411と、を有する。ハウジング及び各々の扉は内部容積412を囲む。
【0158】
扉は、特徴的に自動閉鎖式および自動ラッチ式になるように配置してもよい。そのような目的のため、扉414は、扉420のロック要素424と協同的に係合するラッチ要素418を有してもよい。扉414および420は、扉が閉鎖されるとガス密シールを生成するような態様で面取りされるおよび/またはガスケットが付されてもよい。
【0159】
図示されるような扉414および420には、それぞれ窓416および422を備えてもよい。窓は、破損に対し耐性を有するためにワイヤ強化ガラスおよび/または強化ガラスによってもよい。一方で、同時に、遮るものなく内部容積412およびマニホールド426を視認できるのに十分な面積のものであってもよい。
【0160】
図示されるようなマニホールド426は、ガス供給容器433と閉鎖流連通して結合可能な入口連結ライン430とともに配置されてもよい。
【0161】
マニホールド426は、例えば、流量制御弁と、質量流量制御部と、圧力、温度、流速、濃度等のような、供給容器から分配されるガスのプロセス条件を監視するためのプロセスガス監視計測器と、このような容器が複数のガスキャビネット内に設置されている場合はガス供給容器を交換するための自動切換アセンブリを含むマニホールド制御部と、漏れ検出デバイスと、自動パージ機器および1つ以上の供給容器から漏れが検出された場合はガスキャビネットの内部容積をパージングするための関連アクチュエータと、を含む任意の適切な構成要素を含んでもよい。
【0162】
マニホールド426はキャビネットの壁404の流出口428に連結され、流出口428は、さらには供給容器から分配されるガスをガスキャビネットと結合された下流側ガス消費ユニットに運ぶための配管に連結されてもよい。ガス消費ユニットは、例えば、イオン注入装置、化学蒸着反応器、フォトリソグラフィトラック、拡散チャンバ、プラズマ発生器、酸化チャンバ等を含んでもよい。マニホールド426は、供給容器およびガスキャビネットからガス消費ユニットに分配されるガスの既定の流速を提供するために構成および配置してもよい。
【0163】
ガスキャビネットは、キャビネットの内部容積内のガス供給容器からガスを分配するプロセスを監視するために、キャビネットの内部容積内のマニホールド要素と、補助要素とに結合される、ルーフに取り付けられたディスプレイ472を有する。
【0164】
ガスキャビネット402は、キャビネットの側壁にある換気ガス入口ポート449によって換気ガスを通過させるように構成されている。これによって、キャビネットに換気ガスを導入するための供給ラインをキャビネットに結合することができる。このようにして、換気ガスがガスキャビネットの内部容積に導入され、このような内部容積を通って流れ、ルーフに取り付けられた排気ファン474に到達し、キャビネットから排出される。
【0165】
この配置において、ルーフに取り付けられた排気ファン474は、キャビネットの内部容積から矢印Eによって示される方向にガスを排出するために結合継手476によって排出導管478に結合される。排気ファン474は、ガスキャビネットからのガス漏れの望ましくない流出に対するさらなる防護策としてキャビネットの内部容積内に既定の真空または負圧をかけるために適切な回転速度で操作してもよい。したがって、排出導管は、スクラバまたは排気流からあらゆる漏洩ガスを除去するための抽出ユニットのような下流側ガス処理ユニット(図示せず)に連結してもよい。
【0166】
このような目的のために流入空気を供給するため、キャビネットには、例えば、扉を、内部容積ガスをキャビネットから除去するための掃引またはパージ流として周囲空気の正味の流入を許容するように構成してもよい。したがって、扉は、ガスキャビネットの外部周囲環境からの空気がガスキャビネットの内部容積を通過して流れることを可能にするために、ルーバ付きで、またはそうでなければ周囲ガスの進入させるために、例えば、ルーバ付き開口部300および302を備えて構成してもよい。
【0167】
ガス供給容器433は、例えば、容器の内部容積を封入する壁432を含む円筒状のコンテナのような漏れのないガスコンテナを適切に含んでもよい。コンテナの内部容積に配置されているのは、固体吸着性媒質の微粒子、例えば、炭素、分子ふるい、シリカ、アルミナ等のような物理吸着材料である。吸着剤は、分配されるべきガスの高い収着親和性および吸収力を有するタイプのものであってもよい。
【0168】
分配される試薬ガスが、好ましくは、超高純度、例えば、「99.99999の」純度、より好ましくは「99.9999999の」純度、およびさらに高い、半導体製造のような用途においては、吸着剤材料は、容器内に貯蔵されたガスの分解を引き起こすおそれのある、また容器内部圧力を所望の設定貯蔵圧力を大幅に超えるレベルまで上昇させるおそれのあるいかなる汚染物質種も実質的に含んではならない、好ましくは実質的に全く含んではならない。
【0169】
例えば、一般に、ガスを、例えば、約25〜約800トルの範囲のほぼ大気圧以下の圧力で貯蔵した状態で保持するために、吸着剤式の貯蔵および分配容器を使用することが望ましい。そのような大気圧レベルまたは大気圧未満のレベルが高レベルの安全性および信頼性を提供する。
【0170】
吸着剤式の貯蔵および分配容器からのこのような高純度ガスの分配操作のため、このような供給容器のそれぞれにおいて、容器の焼出しおよび/またはパージングのような適切な準備操作を実施し、容器それ自体に、吸着剤式の貯蔵および分配システムの後の使用において脱ガスする、またはそうでなければガスの分配操作にマイナスに影響するおそれがある汚染物質を含まないようにすることが望ましい。さらに、吸着剤それ自体に前処理のような適切な準備操作を実施し、供給容器に装填する前に、全ての異質種を吸着剤材料から確実に脱着する。または、代替的に、吸着剤が容器に充填された後、焼出しおよび/またはパージングを実施する。
【0171】
図3に示すように、供給容器433は細長く垂直方向に直立した形態であり、キャビネットの床408に配置される下端部を有し、容器を漏れのないように密閉するためのバルブヘッド438に固定される上部ネック部436を備える。その製造において、供給容器433には吸着剤を充填し、その後、吸着ガスが吸着剤に吸着する前または後に、バルブヘッド438を、例えば、溶接、ろう付け、はんだ付け、適切なシーラント材等を用いた圧縮接合固定によって容器首部に固定してもよい。そのため、その後の容器は、ネックとバルブヘッドとの接合部において特徴的に漏れがなくなる。
【0172】
バルブヘッド438には、容器を、適切な配管または容器からガスを選択的に分配することを可能にする他の流れ手段に接合するための継手442が設けられる。バルブヘッドには、バルブヘッド内のバルブを手動で開閉するためのハンドル車439を設け、連結配管にガスの流れを流すまたは遮断してもよい。代替的に、バルブヘッドに、適切なフロー制御手段に連結される自動バルブアクチュエータを設け、それによって分配操作中ガスの流れを所望のレベルで維持してもよい。
【0173】
動作時、ガスを吸着剤材料から脱着させ、容器からガスフローマニホールド426に流すために供給容器433の内部容積とマニホールドの外部配管/フロー回路との間の圧力差が設定される。物質移動の濃度推進力がそれによって生成される。これによって、ガスが吸着剤から脱着し、容器の自由ガス容積に入り、バルブヘッド内のバルブが開いている間、容器から流れ出る。
【0174】
代替的に、分配されるべきガスは容器内433の吸着剤から少なくとも部分的に熱的に脱着されてもよい。そのような目的のため、キャビネットの床408は、床の抵抗加熱領域の電気作動によって容器およびその中の吸着剤材料に熱が伝達されるように、容器が配置される電気的に作動可能な抵抗加熱領域を有してもよい。そのような加熱の結果、貯蔵されたガスが容器内の吸着剤から脱着され、その後分配されてもよい。
【0175】
代替的に、そのような目的のため、容器は、貯蔵されたガスの脱着が生じ、その後それが分配されるまで容器およびその内容が適切に加熱されるように、容器ケーシングを包むまたは囲む加熱ジャケットまたは加熱ブランケットを配置することによって加熱してもよい。
【0176】
さらなる手法として、容器内に貯蔵されたガスの脱着は圧力差動媒介脱着(pressure-differential-mediated desorption)および熱媒介脱着の両方による勢いの下実施してもよい。
【0177】
さらに代替的に、供給容器にキャリアガス入口ポート(図示せず)を設けてもよい。キャリアガス入口ポートは、キャビネットの内部または外部のいずれかにあるキャリアガス(図示せず)の源に連結してもよい。そのようなガス源が適切なガスの流れ、例えば、不活性ガスまたは下流側ガス消費ユニットにおけるプロセスにとって非有害な他のガスを提供してもよい。そのようにして、ガスが容器中を流れ、容器内の吸着剤から吸着ガスを脱着させる濃度勾配を発生させてもよい。したがって、キャリアガスは、窒素、アルゴン、クリプトン、キセノン、ヘリウム等のようなガスであってもよい。
【0178】
図3に示すように、供給容器433は従来タイプのストラップ締結具446および448によってガスキャビネット内の所定の位置に保持される。ネックリングのような他の締結具を使用することもできる。またはガスキャビネットの床の受容くぼみまたはキャビティのような、中に容器の下端部を係合可能に受容する他の固定構造、ガスキャビネットの内部容積内の所望の位置に容器を固定的に保持する案内部材または仕切り構造を用いてもよい。
【0179】
図3のガスキャビネットには1つの容器433のみを示すが、そのようなガスキャビネットは、その中に1つ、2つまたは3つの容器を保持するように構成かつ配置されるものとして示される。容器433に加えて、各々の(任意の容器460の)ストラップ締結具464および466および(任意の容器462の)ストラップ締結具468および470に関連する任意の第2の容器460および任意の第3の容器462を図3に破線表示で示す。
【0180】
ガスキャビネットは、その中に1つまたは1つより多い容器を含むように大幅に変更してもよいことは明らかであろう。そのようにして、単一の一体型筐体内に任意の個数のガス供給容器を保持することができる。それによって、従来の高圧で圧縮したガスボンベの使用に対して安全性およびプロセスの信頼性が強化される。
【0181】
そのような態様で、下流側ガス消費ユニットにおいて必要な種々のガス成分を供給するために、またはそれぞれ同じガスを含む複数の容器を提供するために、複数の吸着剤含有ガス供給容器を設けてもよい。したがって、ガスキャビネット内の複数の容器のガスは、互いに同じ、または互いに異なってもよい。各々の容器は、そこからガスを下流側ガス消費ユニットのために抽出するため同時に動作してもよい。または各々の容器は、サイクルタイマプログラムおよび自動バルブ/マニホールド操作手段によって操作し、容器を連続的に開き、順に動作の連続性を設けてもよい、またはそうでなければ下流側ガス消費ユニットの処理要件に適応してもよい。
【0182】
ディスプレイ472は、プロセス操作の状態、下流側に流れた分配されるガスの量、分配操作における残り時間またはガス量等を示す視覚出力を提供するために関連するコンピュータ/マイクロプロセッサ手段とプログラム的に配置してもよい。ディスプレイは、キャビネットの保守事象の時間または頻度、またはガスキャビネットアセンブリの操作、使用および保守に適した任意の他の適切な情報を示す出力を提供するために配置してもよい。
【0183】
ディスプレイは、ガスキャビネット内の容器を交換する必要があること、漏れ事象、サイクルの終了に近づいていること、またはあらゆる事象、操作に有用な状態またはプロセス条件、ガスキャビネットの使用および保守について知らせる聴覚警報出力手段も含んでもよい。
【0184】
したがって、本発明のガスキャビネットアセンブリは、半導体製造施設におけるプロセスユニットのような、下流側ガス消費ユニットに試薬ガスを供給するための柔軟な手段を提供するために、形態および機能が様々であってもよいと解釈される。
【0185】
図3に示すガスキャビネット配置は半導体材料およびデバイスの製造において、および信頼性の高い「オンデマンド式の」ガス源、例えば、水素化物ガス、ハロゲン化物ガス、および例えば、シラン、ジボラン、ゲルマン、アンモニア、ホスフィン、アルシン、スチビン、硫化水素、セレン化水素、テルル化水素、三フッ化ホウ素、B24、六フッ化タングステン、塩素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素およびフッ化水素を含む気体有機金属V族化合物を供給する他のガス消費プロセス操作において有用性がある。
【0186】
ガスが比較的低圧で吸着性媒質に吸着された状態で安全に保持され、その後、ガスの使用場所に容易に分配される、そのようなガスの経済的かつ信頼性の高い源を提供することによって、図3の配置において、従来の高圧ガスボンベの使用に付随する危険およびガス処理問題が回避される。
【0187】
図3の装置において、ガスキャビネットを通過する換気ガス流は流体供給容器内の流体の残量に応じて調整される。そのため、容器が分配プロセスの終了に到達するまで流体供給容器内の流体の残量が継続的に減少するにつれて換気ガス流速が継続的に減少する。
【0188】
図4は、複数の吸着剤式の流体供給容器522、524、526、528および530を含むガスキャビネット502を含む流体供給システム500の概略図である。このシステムにおいて、ガスキャビネットは隔壁504、506、508および510によって仕切られ、その中の各流体供給容器のための副筐体512、514、516、518および520を設ける。隔室は、通気管路594、596、598、600および602によって個々に排出される。ガスが副筐体内の容器から分配され、関連する副筐体内の容器それぞれに結合されたマニホールドライン592に分配されてもよい。そのため、各流体供給容器が順に空になると、そのような容器のバルブヘッドアセンブリのバルブを適切に閉鎖することによって、閉鎖され、マニホールドと流れ連通する。次の容器が開口し、マニホールドライン592等と流れ連通する。
【0189】
代替的に、各々の容器が異なる流体を含む場合、図に示される共通のマニホールドライン592の代わりにそれぞれが独立した分配ラインを有してもよい。
【0190】
各々の副筐体512、514、516、518および520の換気は、清浄な乾き空気(CDA)、アルゴン、ヘリウム、窒素等のような換気ガスの源554を設けることによって実施される。換気ガス源554は、換気ガス供給ライン556によってペナライジングガスマニホールド(penalizing gas manifold)552に結合される。ペナライジングガスマニホールド552は、それぞれ流量制御弁560、564、568、572および576を有する分岐ライン558、562、566、570および574に結合される。分岐ライン550 8、562、566、570および574のそれぞれは副筐体512、514、516、518および520それぞれの対応する1つと流れ連通して結合される。
【0191】
流量制御弁560、564、568、572および576は、そのような流量制御弁のそれぞれに接合される制御部580によって、さらにはそれぞれ信号送信ライン582、584、586、588および590によって、所望のように選択的に調整することができる。図示されないが、制御部580は、流体残量、分配された流体圧力、流体供給容器の重量(それによって流体残量を間接的に監視する)、(分配操作中、流体供給容器内の物理吸着剤からのガスの脱着に伴う)脱着の熱、副筐体内の温度、分配された流体の累積量、または任意の他の動作条件、機器設定、時間経過、プロセスパラメータ、または筐体502の特定の副筐体内の換気ガス流を調整するための基準を設ける他の変数を監視するための検出素子に適切に連結される。
【0192】
一般に、流体供給容器内の流体に関連する危険レベルまたは既定のリスクに応じた換気ガス流の調整は、任意の適切な関係、比率、パラメータまたは相関を基にすることができる。本明細書中における開示は主として流体供給容器内または流体供給容器からの流体の圧力または残量によってそのような調整のための基準が設けられる実施形態の説明に関するが、流体供給容器内の流体に関連する危険レベルまたは既定のリスクを、任意の適切な手法で、特定の用途で定量化することができる、または利用することができると解釈される。
【0193】
本発明について、本発明の特定の態様、特徴、および例示的実施形態を参照して本明細書で説明してきたが、当然のことながら、本発明の有用性はそのように限定されるものではなく、多くの他の変形形態、変更形態、および他の代替的な実施形態に適用され、それらを包含するものとする。このことは、本発明の分野の当業者であれば、本明細書の開示に基づき自明であろう。したがって、これ以降で特許請求される本発明は、広義に解釈され、その趣旨および範囲内にそのような変形形態、変更形態、および他の代替的な実施形態をすべて包含すると解釈されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体供給容器と、前記流体供給容器に結合されたフロー回路と、を含む、筐体を通る換気ガスの流れに適応した前記筐体のための換気ガス管理システムであって、
前記筐体を通る換気ガス流を制御するために配置された流れ調整器と、
(i)前記流体供給容器からの流体の漏れまたは前記筐体内の関連するフロー回路に付随する危険またはリスクのレベルに影響する、前記流体供給容器の特性、筐体の特性、または前記流体供給容器内にある若しくは前記流体供給容器から分配される流体の特性を監視して、(ii)前記監視された特性に相関する監視信号を出力するように構成された監視アセンブリと、
前記監視アセンブリから前記監視信号を受信し、前記筐体内の前記流体供給容器からの流体の漏れに関連する危険またはリスクのレベルに関して前記流れ調整器を応答的に調整するように配置されたコントローラと、を備えるシステム。
【請求項2】
前記監視された特性が、前記流体供給容器の流体残量、前記流体供給容器の流体圧力、前記流体供給容器の下流側のガス送達マニホールドの流体圧力、前記流体供給容器の壁の歪度、前記流体を含む前記流体供給容器の重量、前記流体供給容器の内部容積に配置された物理吸着剤の物理吸着特性、前記流体供給容器の温度、前記筐体内の温度、前記流体供給容器から分配される流体の累積量、前記流体供給容器からの流体分配の継続時間、前記流体供給容器から分配される流体の流速、前記筐体の環境条件、前記流体供給容器内の流体条件、前記筐体のアクセス構造の開または閉特性、前記流体供給容器、フロー回路、筐体および/または前記分配された流体を消費するプロセスに関連する警報条件とから構成された群から選択される少なくとも1つの特性を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記流体供給容器からの流体の分配中に前記筐体を通る換気ガスの流れを低減するように前記流れ調整器を応答的に調整するように配置される結果、前記流体の分配中、流体残量が減少するにつれて前記筐体を通過する換気ガス流が次第に減少する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
換気ガス流を管理するように構成される場合に、前記筐体が、複数の流体供給容器のそれぞれに対して独立した副筐体を提供するために仕切られ、前記換気ガス管理システムが、各副筐体を通過する換気ガス流を管理するように配置される、請求項1に記載の換気ガス管理システム。
【請求項5】
半導体製造設備内のイオン注入装置のガスボックスとともに作用的に配置される場合に、前記ガスボックスを通過する換気ガスの流れを調整する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ガスボックスが吸着剤式の流体供給容器を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記吸着剤式の流体供給容器が、水素化物ガス、ハロゲン化物ガス、気体有機金属化合物、シラン、ジボラン、ゲルマン、アンモニア、ホスフィン、アルシン、スチビン、硫化水素、セレン化水素、テルル化水素、三フッ化ホウ素、B24、六フッ化タングステン、塩素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、およびフッ化水素から構成された群から選択される流体を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
流体が前記流体供給容器内に準大気圧で貯蔵される、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記ガスボックスが、内部圧力を調整した流体供給容器を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記内部圧力を調整した流体供給容器が、水素化物ガス、ハロゲン化物ガス、気体有機金属化合物、シラン、ジボラン、ゲルマン、アンモニア、ホスフィン、アルシン、スチビン、硫化水素、セレン化水素、テルル化水素、三フッ化ホウ素、B24、六フッ化タングステン、塩素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、およびフッ化水素から構成された群から選択される流体を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
換気ガスが通って流れる筐体内の流体源からガスを供給する方法であって、
前記流体源からの流体の漏れまたは前記筐体内の関連するフロー回路に付随する危険またはリスクのレベルに影響する、前記流体源の特性、筐体の特性、または前記流体源内にある若しくは前記流体源から分配される流体の特性を監視するステップと、
前記監視に応じて、前記筐体内の前記流体源からの流体の漏れに関連する危険またはリスクの前記レベルに関して前記筐体を通過する換気ガスの流れを調整するステップと、を含む方法。
【請求項12】
前記監視された特性が、前記流体源の流体残量、前記流体源の流体圧力、前記流体供給容器の下流側のガス送達マニホールドの流体圧力、前記流体源の壁の歪度、前記流体を含む前記流体源の重量、前記流体源の内部容積に配置された物理吸着剤の物理吸着特性、前記流体源の温度、前記筐体の温度、前記流体源から分配される流体の累積量、前記流体源からの流体分配の継続時間、前記流体源から分配される流体の流速、前記筐体の環境条件、前記流体源の流体条件、前記筐体のアクセス構造の開または閉特性、および前記流体源、フロー回路および/または筐体に付随する警報条件から構成された群から選択される少なくとも1つの特性を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記監視された特性が、前記流体源から分配される圧力流体を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記調整するステップが、流量制御弁と、ダンパと、可変サイズ制限流量口デバイスと、質量流量コントローラと、可変速度ポンプと、可変速度送風機と、から構成された群から選択される流量制御デバイスを調整するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記調整するステップが、前記筐体の外部に配置されて前記監視のために前記筐体内の少なくとも1つのセンサと作動的に結合されたデータ収集モジュール内のデータを取得するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記調整するステップによって、非警報条件および前記筐体のアクセス構造の閉特性の下における前記流体源からの流体の分配時、前記筐体を通る換気ガスの流れが減少し、前記流体供給容器、前記フロー回路、前記筐体および/または前記分配された流体を消費するプロセスに関連する警報条件の発生時、または前記筐体の前記アクセス構造の開放時、前記筐体を通る換気ガスの流れが増加する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記調整するステップによって、前記流体源からの流体の分配中、前記筐体を通る換気ガスの流れが減少する結果、前記流体の分配中、流体残量が減少するにつれて前記筐体を通過する換気ガス流が次第に減少する、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記筐体が、複数の流体源のそれぞれに対して独立した副筐体を提供するために仕切られ、前記方法が、各副筐体の換気ガスの流れを前記監視および調整するステップを実施するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記筐体としてイオン注入装置のガスボックスを備える半導体製造設備において実施される場合に、前記ガスボックスを通過する換気ガスの流れを調整する、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記ガスボックスが前記流体源として吸着剤式の流体供給容器を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記吸着剤式の流体供給容器が活性炭素吸着剤を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記吸着剤式の流体供給容器が、水素化物ガス、ハロゲン化物ガス、気体有機金属化合物、シラン、ジボラン、ゲルマン、アンモニア、ホスフィン、アルシン、スチビン、硫化水素、セレン化水素、テルル化水素、三フッ化ホウ素、B24、六フッ化タングステン、塩素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、およびフッ化水素から構成された群から選択される流体を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
流体が前記流体供給容器内に準大気圧で貯蔵される、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記ガスボックスが、内部圧力を調整した流体供給容器を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記内部圧力を調整した流体供給容器が、水素化物ガス、ハロゲン化物ガス、気体有機金属化合物、シラン、ジボラン、ゲルマン、アンモニア、ホスフィン、アルシン、スチビン、硫化水素、セレン化水素、テルル化水素、三フッ化ホウ素、B24、六フッ化タングステン、塩素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素およびフッ化水素から構成された群から選択される流体を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
プロセスユニットを通って流れる排気の動作を管理する方法であって、
前記プロセスユニットのリスクまたは危険レベルを決定する少なくとも1つの状態または動作変数を監視するステップと、
前記監視された状態または前記動作変数から決定した前記リスクまたは危険レベルに応じて前記排気を複数の代替的な排気配置の1つに経路指示するステップと、を含む方法。
【請求項27】
前記排気の速度が、前記監視された状態または前記動作変数から決定された前記リスクまたは危険レベルにしたがって調整される、請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−517431(P2013−517431A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549014(P2012−549014)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2011/020899
【国際公開番号】WO2011/088061
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】