説明

換気手段を有する減圧ポンプ

【課題】減圧ポンプを提供すること。
【解決手段】機械アセンブリに負圧を供給する減圧ポンプであって、a)送達チャンバを囲むハウジングおよびハウジングカバーであって、b)送達チャンバは、アセンブリに接続され得る作業吸気口を含む低圧領域と、空気に対する作業排気口を含む高圧領域とを含む、ハウジングおよびハウジングカバーと、c)送達チャンバ内で動かされ得、動かされたとき、空気を作業吸気口を通して送達チャンバに吸引し得、空気を増加した圧力で排気口を通して排出し得る送達部材と、d)作業排気口または作業排気口の下流に配列され、少なくとも空気が送達チャンバに流れ戻ることを困難にする排気口バルブと、e)流体フィードであって、該流体フィードを通して潤滑または密閉流体が送達チャンバにフィードされ得る、流体フィードとを含む、減圧ポンプ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願データ)
本願は、2010年9月9日に出願された独国特許出願第102010044898.2−15号の優先権を主張し、これにより、その全てが参照することにより組み込まれている。
【0002】
(発明の分野)
発明は、機械アセンブリに負圧を供給する減圧ポンプに関する。アセンブリは機械、好ましくはエンジン、特に好ましくは内燃エンジンに割り当てられる。アセンブリは、機械上に直接か、または機械内にすら配列され得るか、または、機械から引っ込められ得、好ましくは機械に従って、機械と一緒に動作させられ得る。減圧ポンプは、設置されるとき、好ましくは機械、例えば内燃エンジンのクランク軸またはバルブ制御軸により駆動される。発明は、自動車に設置されるか、または自動車に設置されるようにデザインされる減圧ポンプに特に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
例えばブレーキブースターを動作させる自動車の減圧ポンプは、流体、通常は潤滑油(密閉するため、そして減圧ポンプ自体の潤滑のために内燃エンジンを潤滑する機能も果たす)を供給される。減圧ポンプが停止されたとき、最初はまだ送達チャンバにおいて優位である負圧に起因して、流体は吸引され得る。減圧ポンプが再び動作させられるとき、吸引された流体は、取り除かれなければならない。関連する負荷は莫大であり、減圧ポンプの送達部材が壊れる原因になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(発明の概要)
説明される流体を吸引することの効果を特に考慮することにより、減圧ポンプをより動作的に安定させることが発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明は、送達チャンバを有するハウジングおよびハウジングカバーを含み、送達部材(送達チャンバ内で動かされ得、動かされたときに、空気を送達チャンバに作業吸気口を通して吸引し得、空気を増加された圧力で送達チャンバの作業排気口を通して排出し得る)を含む機械に割り当てられたアセンブリを供給する減圧ポンプに由来する。作業吸気口は、送達チャンバの低圧側面上に配列され、作業排気口は、送達チャンバの高圧側面上に配列される。空気が送達チャンバに流れ戻ることを防ぐ、または少なくとも、空気が送達チャンバに流れ戻ることを困難にするために、減圧ポンプは、作業排気口または作業排気口の下流(後者のケースでは、作業排気口の近くが好ましい)に配列される排気口バルブも含む。減圧ポンプは、流体フィードも含み、そこを通して、潤滑または密閉流体が送達チャンバにフィードされ得る。流体は、特に潤滑油であり得、その主要な機能として、機械を潤滑させる役割を果たす。既に言及したように、機械は、例えば車のための駆動モーターのような内燃エンジンであり得る。
【0006】
発明に従って、減圧ポンプは、送達チャンバを減圧ポンプの外部環境(つまり周囲空気)へ接続する換気接続部を含む。換気接続部は、送達部材が停止された直後に、先の吐出行動により、まだ送達チャンバにおいて優位である負圧を換気接続部を介して放圧し、外部環境との圧力均一化がなされることを保証する。これは、流体の吸引を中和し、したがって、送達チャンバが流体で満たされるのを中和し、減圧ポンプが再び起動されたときの関連する負の結果を中和する。
【0007】
換気接続部は、全体として、送達チャンバと解放された環境との間の全流れのパスに渡り、空気が換気接続部を通して送達チャンバに流れ抵抗を伴なって流れるのを中和するように、有利に構成されている。流れ抵抗は、一方では、流体が認識できる程度吸引されることを防ぐのに十分な少なくとも実質的に短い時間内での圧力均一化を可能にするが、もう一方では、動作中、実際的に適切な程度、減圧ポンプの有効性を損なわない大きさでまだある。排気口バルブの機能(つまり、特定の最小正圧が達成されるまで作業排気口を閉じる機能および最小正圧が達成されたとき、作業排気口を開ける機能)は保持される。換気接続部は、最小正圧がポンプの吐出速度のより低い範囲でまだ到達されるようにデザインされる。言及したように、もう一方で、換気接続部は、減圧ポンプが動作しているとき、短い時間以内で送達チャンバで上昇する負圧を、送達部材が停止されたとき、環境から流れ込む空気を用いて、流体が有意な量吸引されないように均一化するようにデザインされている。
【0008】
減圧ポンプが停止されたとき、圧力均一化は、数秒の期間内、好ましくは1秒以内に少なくとも90%完了しているべきである。換気接続部の流れ抵抗は、作業排気口の流れ抵抗より有利に大きく、アセンブリを送達チャンバに作業吸気口を介して接続する空気フィードが、空気が吸引されるのを中和する流れ抵抗よりも好ましくは大きい。換気接続部の流れ抵抗は、好ましくは作業排気口の流れ抵抗よりも少なくとも10倍大きい。好ましい実施形態において、作業排気口の流れの断面は、換気接続部の流れの断面よりも少なくとも10倍大きい。開いているとき、作業排気口の流れの断面が送達チャンバにポートする場所からバルブの流れの断面まで変わる場合、次いで、比較は、この流れのパス上の作業排気口の最も小さい流れの断面に基づく。換気接続部の流れの断面が送達チャンバに対面する換気接続部の端と換気接続部が解放された環境にポートする場所との間で変わる場合、次いで、換気接続部に対する比較も、この流れのパス上の最も狭い流れの断面に基づく。換気接続部の流れの断面(流れの断面を変えるケースにおいて、換気接続部の最も狭い流れの断面)は、好ましくは少なくとも0.5mmおよび好ましくは多くとも2mmの直径を有する円状エリアに対応するエリアである。0.7mmと1.6mmとの間の直径を有する円状エリアに対応する流れの断面が有利である。有利な実施形態において、換気接続部は短い。換気接続部は、特にその全長さに渡って直線であり得る。換気接続部の断面は、円として形作られ得るが、原則的には他の形状、例えば、正方形、長方形、三角形または溝として形作られ得る。
【0009】
換気接続部は、送達チャンバに延び、作業吸気口または特に作業排気口と比較して小さな流れの断面を示す通路を含み得る。通路は、特に直線であり得、例えば、シンプルな流通穴であり得る。直線通路は、既に全体として換気接続部を形成し得る。直線通路はシンプルであり、所望の圧力均一化のスピードについて、正確に計算および製造され得る。しかし、特に口径を測定された穴の種類の直線通路は、換気接続部の一部に過ぎないこともあり得る。換気接続部は、例えば、溝形状でもあり得るか、または溝形状の部分を含み得る。
【0010】
換気接続部は、送達チャンバの低圧領域に周囲空気に対する吸気口を含み得る。より好ましくは、換気接続部は、送達チャンバの高圧領域に周囲空気に対する吸気口を含み、これは、そのような環境への接続により、減圧ポンプの有効性が損なわれないか、または少なくとも実際的に適切な程度に損なわれないためである。排気口バルブを開けるために要求される最小正圧が送達チャンバで達成されるか、超えた場合、ポンプの吐出速度は、高圧領域に延びる換気接続部によっては、もはや全く損なわれない。換気接続部は、空気を直接環境から高圧領域のみにガイドするように好ましくは構成されている。
【0011】
換気接続部は、送達チャンバを環境に作業排気口を通して接続し得るか、または送達チャンバにハウジングまたはハウジングカバーまたはハウジングとカバーとの間の接合領域をも通して延び得る。「または」という用語は、ここでは、他の場所と同じように、発明により、「非排他的or(または)」(つまり、「〜または〜どちらか一方」の意味または「および」の意味も、これらの意味のうちの1つのみがそれぞれの具体的文脈から排他的に導かれ得ない場合、含む)を意味するものとして理解される。好ましい代替案に関して、例として言及されたに過ぎないが、これは、第一の変形において、換気接続部は、好ましくはハウジングの一部である作業排気口を通して排他的に延びるが、あるいはハウジングカバーの一部でもあり得るか、またはハウジングおよびハウジングカバーを組み立てることによってのみ形成され得ることを意味する。第二の変形において、換気接続部は、ハウジングを通してのみ延び、好ましくは、作業排気口がハウジングに形成された場合は、作業排気口は通さずに延びる。第三の変形において、換気接続部は、カバーを通して排他的に延び得、同様に、例えばカバーにより形成されるか、カバーと一緒に形成される作業排気口は通さずに延び得る。第四の変形において、換気接続部は、作業排気口を通して延びる1つの分岐および作業排気口をバイパスする1つ以上の他の分岐(例えば、ハウジングを通して延びるさらなる1つだけの分岐またはハウジングカバーを通して延びる1つだけの分岐、またはハウジングを通した1つのさらなる分岐およびハウジングカバーを通したさらに別の分岐)を含み得る。さらに別の変形において、換気接続部は、ハウジングカバーを通した1つの分岐およびハウジングを通した別の分岐を含み得るが、作業排気口を通した分岐は含まない可能性がある。換気接続部は、また、送達チャンバを囲むハウジングの周囲壁の周囲端における例えば凹部によるようなハウジングとハウジングカバーとの間の協働(例えば、ハウジングとハウジングカバーとの間の、ハウジングカバーが密閉される接合領域における協働)により形成され得る。換気接続部がハウジングに形成される場合、例えば、換気接続部は、送達チャンバを囲む周囲壁またはハウジングの前面壁の流通穴であり得るか、またはそのような流通穴または異なる方法で形成される通路を含み得る。換気接続部が全体としてか、または換気接続部の複数の分岐のうちの1つとしてカバーに形成される場合、換気接続部または分岐は、それぞれ、同様にシンプルな流通穴または別の方法でカバーに形成される通路であり得る。「流通穴」という用語は、広い意味で理解される。最も狭い意味では、流通穴は、元々ハウジングまたはカバーをモールディングし続いてハウジングまたはカバーを適用できるように機械加工した後に、ドリルすることにより発生させられる通路であり得る。しかし、シンプルな流通穴は、原則的には、狭い意味で理解される流通穴に類似し、例えば、ハウジングまたは特にカバーが元々モールディングされるときにすら形成され得る任意の通路を意味するものとして理解される。
【0012】
作業排気口を通して延びる換気接続部は、排気口バルブに対するバイパスとして形成され得る。しかし、好ましい実施形態において、換気接続部または適用可能な換気接続部のうちの分岐のみが排気口バルブを通して延びる。排気口バルブがバルブ台座と、バルブ台座に対して弾性的に張っており、弾性復元力に対してバルブ台座から持ち上げ外され得るバルブ本体とを含む実施形態において、換気接続部は、バルブ本体またはバルブ台座を通して有利に延び得る。これは、上記で述べ、また、換気接続部がバルブ本体とバルブ台座の両方を通して延びるシナリオを含む。
【0013】
排気口バルブは、例えば、バルブ本体を形成するリーフスプリングを含むリーフスプリングバルブであり得、バルブ台座に対してばね弾性的に張っており、例えば、シンプルなスプリングレイヤー板ばねであり得る。換気接続部は、特に、リーフスプリングを通して延び得る。換気接続部は、リーフスプリングに直線通路として形成され得る。通路は、特に、そのようなリーフスプリングに、費用効果高く、パンチされ得る。通路は、リーフスプリングの厚さ方向に延在する。あるいは、または加えて、換気接続部は、例えば、1つ以上の局所凹部の形態としてバルブ台座を通して延び得る。局所凹部は、むき出しでバルブ本体に対面し、発明に従って、圧力均一化の目的で、局所凹部を通して空気がバルブ本体を通過し送達チャンバに流れ得る。
【0014】
高圧領域の作業排気口に加えて、減圧ポンプは、通常のポンプ動作中、低圧領域を形成する送達チャンバの領域に第二の排気口を含み得、これは、吐出方向が逆になった場合、空気および流体をこの第二の排気口を通して排出し得るためである。提供される場合、別の排気口バルブは、また、第二の排気口または第二の排気口の下流に配列される。
【0015】
減圧ポンプは、好ましくはロータリーポンプである。そのような実施形態において、送達部材は、送達チャンバで回転され得るフィードホイールである。ロータリータイプ減圧ポンプは、例えば内部歯車ポンプまたは外部歯車ポンプのような歯車ポンプで例えばあり得るか、またはレシプロピストンバルブポンプであり得る。減圧ポンプは、好ましくは、ロータおよび少なくとも1つのベーンを含むベーンセルポンプとして具現化される。減圧ポンプは、特に、シングルベーン減圧ポンプであり得、送達部材は、それに応じて、1つのみベーンを含むベーンホイールであり得る。しかし、減圧ポンプは、また、マルチベーン減圧ポンプであり得、送達部材は、それに応じて、ロータおよび複数のベーンを含み得る。減圧ポンプは、シングルフローまたはマルチフローポンプであり得る。それは、複数の送達部材を含み得る。シンプルであり、特にこの理由で好ましい実施形態においては、減圧ポンプは、1つのみ送達部材を含み、好ましくは、また、シングルフローポンプとしてのみ具現化される。
【0016】
減圧ポンプが停止された直後に流体が吸引されることの問題は、最初に説明したように、設置の状況により、さらに悪化させられ得る。したがって、例えば、減圧ポンプは、部分的または原則的には完全にすら潤滑流体または密閉流体のレザバーに浸され得る。自動車の減圧ポンプとして好ましい実施形態において、減圧ポンプは、例えば、駆動モーターの潤滑油だめに部分的または完全に浸され得る。減圧ポンプが部分的にのみ浸される場合、さらなる取り付けなしに、換気接続部をシンプルにハウジング、ハウジングカバー、接合領域または作業排気口のみを通してガイドすると十分である。減圧ポンプが完全に浸される場合、換気接続部は、内燃エンジンの全ての動作状況に関し、流体レザバーの最高位レベルから十分な距離を確保するため、便宜上一種のシュノーケルを含む。
【0017】
作業排気口は、複数の開口部を含み得、複数の開口部は、高圧領域の送達チャンバにポートする。減圧ポンプがロータリーポンプとして具現化される場合、開口部は、互いに周囲方向(つまり、送達部材の回転方向)に対してオフセットされ得る。代わりに、または周囲オフセットに加えて、開口部は、互いに送達部材の軸方向に対してオフセットされ得る。
【0018】
シンプルな実施形態において、減圧ポンプは、1つのみ排気口バルブを含む。しかし、さらに発展させて、互いに分離した複数の排気口バルブも作業排気口または作業排気口の下流に配列され得る。複数の排気口バルブは、互いに機能的に平行に配列される。作業排気口は、排気口バルブの各々が閉鎖状態になるとき初めて閉じられる。高圧領域に複数の排気口開口部を含む実施形態において、複数の排気口バルブの各々1つは、特に、複数の排気口開口部のうちの1つにそれぞれ割り当てられ得る(つまり、各それぞれの排気口開口部に対して1つの排気口)。複数の排気口バルブをポンプの高圧側面上に配列することは、排気口バルブの応答時間に関して有利である。それは、複数の比較的より小さな排気口バルブは、それに応じて、より小さなバルブ本体を含み、より大きなバルブ本体を含む1つのバルブよりも、送達チャンバの圧力変化に、より素早くより小さな質量応答を示すためである。この方法で改変される減圧ポンプは、圧力変化に対して特に感度の良い応答動作を示す。作業排気口を複数の排気口バルブに分割することは、これらのバルブがリーフスプリングバルブとして具現化されるとき、特に有利である。なぜなら、このタイプのバルブデザインにおいて、より小さなエリアのリーフスプリングは、より大きなエリアのリーフスプリングより、より確実に閉まるからである。リーフスプリングによるばたつきは、より確実に避けられ得る。換気接続部の特徴が排気口バルブに関する場合、説明は、また、複数の排気口バルブを含む改変および複数の排気口開口部と1つのみの共通排気口バルブを含む改変にも適用される。したがって、例えば、換気接続部は、排気口開口部のうちの1つのみ、複数の排気口開口部または複数の排気口開口部の各々に延び得る。複数の排気口バルブがある場合、換気接続部は、また、排気口バルブのうちの1つのみまたは複数の排気口バルブを通して延び得、また、換気接続部がそれぞれ、複数の排気口バルブの各々を通して延びるシナリオを含む。出願人は、1つ以上の排気口開口部、特にそれぞれ割り当てられた排気口開口部と組み合わせて、複数の排気口バルブを含む減圧ポンプに特許請求の範囲を向ける権利も保持し、ここで、主張される発明に従って、そのような減圧ポンプは、好ましくは換気接続部を含むが、含む必要はない。出願人は、また、発明に従って、換気接続部の問題に関わりなく、複数の排気口開口部を高圧領域に含む減圧ポンプに特許請求の範囲を向ける権利を保持し、ここで、複数の排気口開口部がある場合、これら排気口開口部の各々は、特に、各自の排気口バルブにそれぞれ割り当てられ得るか、または1つの共通排気口バルブにも割り当てられ得る。
【0019】
有利な特徴は、また、サブクレームおよびそれらの組み合わせにおいて説明される。
【0020】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1) 機械アセンブリに負圧を供給する減圧ポンプであって、該減圧ポンプは、
a)送達チャンバ(3)を囲むハウジング(1)およびハウジングカバー(2)であって、
b)該送達チャンバ(3)は、該アセンブリに接続され得る作業吸気口(5)を含む低圧領域(4)と、空気に対する作業排気口(7)を含む高圧領域(6)とを含む、ハウジング(1)およびハウジングカバー(2)と、
c)該送達チャンバ(3)内で動かされ得、動かされたとき、空気を、該作業吸気口(5)を通して該送達チャンバ(3)に吸引し得、空気を増加した圧力で該排気口(7)を通して排出し得る送達部材(8、9)と、
d)該作業排気口(7)または該作業排気口(7)の下流に配列され、少なくとも空気が該送達チャンバ(3)に戻るように流れることを困難にする排気口バルブ(10)と、
e)流体フィードであって、該流体フィードを通して潤滑流体または密閉流体が該送達チャンバ(3)にフィードされ得る、流体フィードと
を含み、
f)該送達チャンバ(3)は、該送達部材(8、9)が停止され、負圧が該送達チャンバ(3)に優位になるとき、外部環境と少なくとも部分的な圧力均一化を確立するために、該減圧ポンプの外部環境に換気接続部(15;16;17;18;19)を介して接続される、減圧ポンプ。
(項目2) 上記アセンブリが上記減圧ポンプに接続された場合、該アセンブリを上記送達チャンバ(3)に上記作業吸気口(5)を介して接続する空気フィードは、全体として、上記換気接続部(15;16;17;18;19)よりも低い流れ抵抗を示す、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目3) 上記作業排気口(7)の流れの断面は、上記換気接続部(15;16;17;18;19)の流れの断面の少なくとも10倍の大きさである、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目4) 上記換気接続部(15;16;17;18;19)は、上記送達部材(8、9)が停止されたとき、圧力均一化が数秒以内に少なくとも実質的には完了するように寸法が合わせられている、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目5) 圧力均一化は、長くても1秒(1s)で少なくとも実質的には完了する、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目6) 上記換気接続部(15;16;17;18;19)は、例えば流通穴(15;16;17)のような該送達チャンバ(3)に延びる通路を含み、該通路は、上記送達チャンバ(3)にポートし、上記作業吸気口(5)と比較して、また、作業排気口(7)と比較して小さい流れの断面を示す、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目7) 上記通路は、直線通路である、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目8) 上記換気接続部(15;16;17;18;19)は、上記送達チャンバ(3)の上記高圧領域(6)の周囲空気に対する吸気口を含む、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目9) 周囲空気に対する上記吸気口は、上記作業排気口(7)の近くにある、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目10) 上記換気接続部(18;19)は、上記送達チャンバ(3)を環境に上記作業排気口(7)を通して接続する、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目11) 上記換気接続部(18;19)は、環境から見られるように、上記作業排気口(7)にポートする、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目12) 上記換気接続部(18;19)は、上記排気口バルブ(10)を通して延びる、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目13) 上記排気口バルブ(10)は、バルブ台座(12)と、該バルブ台座(12)に対して弾性的に張っており、弾性復元力に対して該バルブ台座(12)から持ち上げ外され得るバルブ本体(11)とを含み、上記換気接続部(18;19)は、該バルブ本体(11)または該バルブ台座(12)を通して延びる、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目14) 上記排気口バルブ(10)は、リーフスプリングバルブであり、上記バルブ本体(11)は、上記バルブ台座(12)に対してばね弾性的に張っているリーフスプリング(11)であり、上記換気接続部(18;19)は、該バルブ本体(11)または該バルブ台座(12)を通して延びる、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目15) 上記換気接続部(18)は、上記リーフスプリング(11)を通して、その厚さ方向に延在する通路(18)を含む、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目16) 上記換気接続部(19)は、上記バルブ台座(12)に凹部(19)を含み、該バルブ台座(12)を通して空気が外部環境から上記バルブ本体(11)を通過して上記送達チャンバ(3)に流れ得、該凹部(19)は、該バルブ本体(11)に対面する、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目17) 上記換気接続部(15;16;17)は、上記ハウジング(1)または上記ハウジングカバー(2)または該ハウジング(1)と該ハウジングカバー(2)との間の接合領域(14)を通して延びる、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目18) 上記減圧ポンプは、エンジンにより駆動される車の中または車上に配列され、上記アセンブリは、上記作業吸気口(5)に接続されるか、または該減圧ポンプは、そのように設置されるようにデザインされる、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目19) 上記アセンブリは、ブレーキブースターである、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目20) 上記減圧ポンプは、ロータリーポンプであり、上記送達部材(8、9)は、上記送達チャンバ(3)内で回転され得るフィードホイール(8、9)である、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目21) 上記減圧ポンプは、ベーンセルポンプである、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目22) 上記送達部材(8、9)は、ロータ(8)と、該ロータ(8)に対して動かされ得る少なくとも1つのベーン(9)とを含むベーンホイールである、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
(項目23) 上記減圧ポンプは、潤滑または密閉するように機能する潤滑流体または密閉流体のレザバー(20)に少なくとも部分的に配列され、該ポンプの少なくとも下部領域は、該流体に浸され、上記換気接続部(15;16;17;18;19)は、該流体の上部レベルの上の上記送達チャンバ(3)に延びるか、または該上部レベルを越えて延在させられる、上記項目のいずれかに記載の減圧ポンプ。
【0021】
(摘要)
機械アセンブリに負圧を供給する減圧ポンプであって、該減圧ポンプは、
a)送達チャンバ(3)を囲むハウジング(1)およびハウジングカバー(2)であって、
b)該送達チャンバ(3)は、該アセンブリに接続され得る作業吸気口(5)を含む低圧領域(4)と、空気に対する作業排気口(7)を含む高圧領域(6)とを含む、ハウジング(1)およびハウジングカバー(2)と、
c)該送達チャンバ(3)内で動かされ得、動かされたとき、空気を該作業吸気口(5)を通して該送達チャンバ(3)に吸引し得、空気を増加した圧力で該排気口(7)を通して排出し得る送達部材(8、9)と、
d)該作業排気口(7)または該作業排気口(7)の下流に配列され、少なくとも空気が該送達チャンバ(3)に流れ戻ることを困難にする排気口バルブ(10)と、
e)流体フィードであって、該流体フィードを通して潤滑または密閉流体が該送達チャンバ(3)にフィードされ得る、流体フィードと
を含み、
f)該送達チャンバ(3)は、該送達部材(8、9)が停止され、負圧が該送達チャンバ(3)に優位になるとき、外部環境と少なくとも部分的な圧力均一化をするために、該減圧ポンプの外部環境に換気接続部(15;16;17;18;19)を介して接続される、減圧ポンプ。
【0022】
発明の例示的実施形態が下記に図を基にして説明される。例示的実施形態により開示される特徴は、各々個別および特徴の任意の組み合わせで、特許請求の範囲および上記で説明される実施形態の主題を展開する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、ハウジングを含み、ハウジングを通して換気接続部が延びる、第一の例示的実施形態の減圧ポンプを示す。
【図2】図2は、後ろ側面が見える、第一の例示的実施形態の減圧ポンプを示す。
【図3】図3は、ハウジングカバーを含み、ハウジングカバーを通して換気接続部が延びる、第二の例示的実施形態の減圧ポンプを示す。
【図4】図4は、ハウジングを通して延びる換気接続部を含む、第三の例示的実施形態の減圧ポンプを示す。
【図5】図5は、作業排気口を通して延びる換気接続部を含む、第四の例示的実施形態の減圧ポンプを示す。
【図6】図6は、作業排気口を通して延びる換気接続部を含む、第五の例示的実施形態の減圧ポンプを示す。
【図7】図7は、第五の例示的実施形態の換気接続部を含む作業排気口の領域を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(詳細な説明)
図1は、減圧ポンプのハウジング1の透視図によって第一の例示的実施形態である減圧ポンプを示す。組み立てられたときに、ハウジング1およびハウジングカバーにより囲まれている送達チャンバ3が露出するように、ハウジングカバーが取り外される。ロータ8およびベーン9を含む送達部材が送達チャンバ3に可動するように配列される。減圧ポンプは、例えば、ベーンセルポンプとして具現化され、ここで、シングルベーン減圧ポンプが例として機能する。送達部材8、9が反時計回りでロータリー駆動させられるとき、作業吸気口5を含む低圧領域4および作業排気口7を含む高圧領域6が送達チャンバ3内に形成される。減圧ポンプは、アセンブリ(例えば、自動車のブレーキブースター)に負圧を供給するために作業吸気口5を介してアセンブリに接続される。送達部材8、9がロータリー駆動されるとき、空気は、低圧領域4に作業吸気口5を通して吸引され、増加された圧力で作業排気口7を通して高圧領域6に排出される。作業排気口7は、解放された環境に直接接続される。つまり、送達チャンバ3で圧縮された空気は、解放された環境に排出される。
【0025】
排気口バルブ10は、作業排気口7の領域内、例えば、作業排気口7に直接配列される。排気口バルブ10は、少なくとも減圧ポンプが停止したとき、作業排気口7を密閉し、環境に対する特定の最小正圧が高圧領域6に到達したとき、作業排気口7を開く。排気口バルブ10は、最小正圧が到達されるまで閉鎖状態にあり、最小正圧が到達されたとき、素早く開き、この圧力に感度良く応答するように有利にデザインされる。
【0026】
ハウジング1、部分的にはポンプ動作中互いに対して動かされるコンポーネント(例えば、特にロータ8およびベーン9)を潤滑し、同時にまた、高圧領域6と低圧領域4との間に十分な密閉を確保するために、減圧ポンプは、潤滑および密閉流体を供給される。潤滑および密閉流体は、流体フィードを介してフィードされる。流体を送達チャンバ3および特に、相対的動きが起きるギャップ内(例えば、ロータ8とハウジング1およびハウジングカバーの対向する正面との間のギャップ)およびロータ8とロータ8に対して前後に直線に動かされ得るベーン9との間のギャップ内にガイドするために、流体フィードは、例えば、ロータ8のシャフトを通してか、またはそのシャフトの外側の周囲上に延在し得る。そこから潤滑および密閉流体は、拡散され、またギャップに到達し、さらに外側(送達部材8、9とハウジング1との間)に密閉され、ハウジングカバーに到達する。
【0027】
減圧ポンプが停止された場合、先のポンプ動作に起因して、負圧は、まだ一時的に送達チャンバ3において優位である。負圧に起因して、潤滑および密閉流体が流体フィードを介して送達チャンバ3内に吸引され、もはや続けて引き出されず、送達チャンバ3が部分的に流体で満たされる危険がある。送達部材8、9は、最初にこの流体を引き出す(ここで、ベーン9は、破壊の原因となり得る巨大な動作を受け入れるか、逆に送達部材8、9に、この特別な負荷シナリオのために寸法が合わせられることを要求する)ので、これは、減圧ポンプを再び起動したときに問題を作り得る。
【0028】
この問題に取り組むために(つまり、第一に、この問題を生じることを許さないために)、減圧ポンプは、換気接続部15を含む。換気接続部15は、送達チャンバ3を解放された環境に接続する。換気接続部15は、図1の表示においては、ロータ8により隠されるポイントで送達チャンバ3にポートされるので、破線レイアウトで示される。したがって、ポンプが停止された直後、空気が環境から送達チャンバ3へ換気接続部15を通って流れ、環境と送達チャンバ3との間の圧力均一化を確保する。送達部材8、9が停止されたとき、排気口バルブ10が閉鎖状態であるにも関わらず、圧力均一化が数秒以内、好ましくは1秒より短い時間で少なくとも実質的に完了するように、換気接続部15は、特に寸法が合わせられ得る。有利に、完全な周囲圧力または少なくとも周囲圧力から多くとも10%まだ逸脱している圧力は、遅くとも1秒後には、既に送達チャンバ3において優位である。
【0029】
減圧ポンプの有効性が損なわれないように、または少なくとも認識できる程損なわれないように、換気接続部15は、高圧領域6にポートされる。換気接続部15は、作業排気口7の近くへポートするように、有利に配列される。第一の例示的実施形態において、換気接続部15は、ハウジング1に形成される。換気接続部15は、ハウジング1により形成され、送達チャンバ3を2つの軸側面のうちの1つの上に限定する正面上にポートする。換気接続部15は、特に直線通路であり得、好ましくは短い通路であり得、例えば軸通路であり得る。送達チャンバ3は、永続的に解放された環境に換気接続部15を介して接続される。換気接続部15は、作業排気口7へのバイパスである。換気接続部15は、エリアの観点から少なくとも0.5mm、多くて2mmの直径を有する円状エリアに対応する流れの断面を特に示し得る。流れの断面は、換気接続部15の全長さに渡って不変であり得る。流れの断面が変わった場合、好ましい計測が最も小さい流れの断面に適用される。
【0030】
図2は、換気接続部15が外部環境に後ろ側面上でポートする部分を含む、第一の例示的実施形態の減圧ポンプの後ろ側面上の図を示す。ハウジングカバー2が図2において搭載されている。後ろ側面は、ハウジングカバー2の軸方向に反対にある。ハウジング1およびハウジングカバー2は、送達チャンバ3を囲む接合領域14で密閉して互いに接続される。接合領域14において、送達チャンバ3を囲むガスケットは、そのガスケット(例えば、エラストマーガスケットあるいは金属ガスケット)に渡って互いに対面するハウジング1およびハウジングカバー2の接合表面間に配列され得る。
【0031】
減圧ポンプは、互いから別個に送達チャンバ3にポートする2つの排気口開口部を含む作業排気口7と、割り当てられた排気口バルブ10とを含む。2つの排気口開口部および2つの排気口バルブ10は、同一であり得る。あるいは、作業排気口7は、また、一部分に形成され得、それに応じて1つだけのより大きい排気口開口部および1つだけの排気口バルブ10を含み得る。しかし、排気口開口部を複数の排気口開口部(例えば、2つの排気口開口部)に分割することは、それぞれの排気口バルブ10のデザインサイズの観点から有利である。2つのより小さい排気口バルブ10は、1つの排気口バルブ(それに応じて、動かされ得るより大きなバルブ本体11を含む)よりも、確実に最小正圧が達成されるまで密閉を確保する。これは、また、リーフスプリングバルブとして具現化される1つ以上の排気口バルブ10の好ましいタイプのデザインにおいて、特に事実である。バルブ本体11は、それに応じたリーフスプリング(個別の板ばねまたは互いに積みかねられた複数の板ばねにより形成され得る)である。より大きな排気口開口部のそれに応じたより大きなエリアリーフスプリングは、より小さなエリアリーフスプリングよりも、圧力変動時により大きな不安定性への傾向を有する。
【0032】
減圧ポンプは、また、低圧領域4の排気口を密閉し、送達部材8、9が後方へ回転したときのみ開くオプションの安全バルブ13を備える。減圧ポンプが自動車に設置された場合、自動車がギアをバックに入れたとき、送達部材8、9は、後方へ回転し得る。そのようなシナリオにおいて、空気および特に潤滑および密閉流体は、送達チャンバ3から安全バルブ13により排出され得る。安全バルブ13は、通常のポンプ動作に対して、排気口バルブ10に対応する。例示的実施形態において、複数の類似する安全バルブ13(例えば2つ)および低圧領域4(図1)の排気口の対応する排気口開口部も提供される。安全バルブ13は、例えば排気口バルブ10と同一である。つまり、ポンプは、互いに同一である4つのバルブ10およびバルブ13を含む。しかし、改変すると、安全バルブ13は、また、排気口バルブ10とは異なり得、特により小さくあり得る。ポンプは、また、複数の排気口バルブ10および1つのみの安全バルブ13を含み得るか、または安全バルブがない場合ですらも適用可能である。
【0033】
図3は、第二の例示的実施形態の減圧ポンプの図を示す。減圧ポンプは、第一の例示的実施形態の減圧ポンプと換気接続部(第二の例示的実施形態において、参照サイン16が提供される)に関してのみ異なる。第一の例示的実施形態と異なり、換気接続部16は、ハウジングカバー2の一部である。ハウジングカバー2は、図3において、ハウジング1に搭載される。解放された環境にポートする換気接続部16の端部が見られ得る。換気接続部16は、直線通路(例えば、軸通路が好ましい)としてハウジングカバー2に形成され、高圧領域の送達チャンバ3へ作業排気口7に近づいて延びるように、第一の例示的実施形態におけるように配列される。これの他に、換気接続部15に関して述べた意見も換気接続部16に適用される。
【0034】
図4は、第三の例示的実施形態の減圧ポンプの透視図である。第三の例示的実施形態において、換気接続部17は、再びハウジング1に形成されるが、第一の例示的実施形態と異なり、正面の領域ではなく、むしろ送達チャンバ3を囲むハウジング1の周囲表面の領域である。換気接続部17は、ハウジング1の周囲壁を通して、例えば放射方向に延びる。好ましいが、例に過ぎないのは、可能な限り排気口7の近くに配列することである。2つの隣接して配列される排気口開口部および/または排気口バルブ10を含む例示的実施形態において、換気接続部17は、作業排気口7の周囲端部の排気口バルブ10の間に配列され、軸方向に見られるように、短いパスを介して送達チャンバ3に延びる。これの他に、換気接続部15に関して述べた意見も換気接続部17に適用される。
【0035】
図5は、第四の例示的実施形態の減圧ポンプの排気口領域を示す。減圧ポンプは、排気口バルブ10で形成される換気接続部18を特徴づける。減圧ポンプが複数の排気口バルブ10(例えば、例示的実施形態におけるように2つの排気口バルブ10)を含む場合、次いで、換気接続部18は、排気口バルブ10の各々、または、例えば排気口バルブ10のうちの1つのみに提供され得る。そうでなければ、排気口バルブ10は、他の例示的実施形態の単数または複数の排気口バルブ10に対応する。排気口バルブ10は、可動バルブ本体11(例えば、シングルレイヤー板ばねであるリーフスプリングの形態)と、バルブ本体11が閉鎖状態で密閉して隣接するバルブ台座12とを含む。排気口バルブ10は、また、完全に開いているとき、バルブ本体11が隣接するバルブ本体11に対する後部隣接部13を含む。バルブ本体11は、バルブ台座12と隣接部13との間を前後に動かされ得る(例示的実施形態において、弾性的に前後に伸縮される)。排気口バルブ10は、差異が説明される場合を除いて、互いに同一である。
【0036】
換気接続部18は、バルブ本体11を通って(例えば、バルブ本体11を排他的に通って)延びる。換気接続部18は、バルブ本体11および/またはリーフスプリング11の厚さ方向に直線に延在する通路として形成される。バルブ本体11が伸縮する弾性リーフスプリングとして具現化される場合、換気接続部18は、例えば、ドリルすることにより非常にシンプルに提供され得る。そのようなバルブ本体11は、多くのケースでばね素材(例えば、ばね鋼)からパンチすることにより形成されるので、換気接続部18も、代わりに、バルブ本体11がパンチされるのと同時に、特に有利にパンチされ得る。原則として、換気接続部18を独自の別個の作業ステップでパンチすることも考えられる。バルブ台座12に関して、バルブ台座12は、作業排気口7の下流端部または複数の排気口バルブ10を含む例示的実施形態においては、作業排気口7の複数の端部のうちの1つを囲むことも付け加えられるべきである。最初に言及した最小正圧が高圧領域6で達成される限り、バルブ本体11は、バルブ台座12に密閉して隣接し、換気接続部18を除いて、領域の作業排気口7を密閉する。減圧ポンプが停止されるとき、排気口バルブ10は、ばねで跳ね返るバルブ本体11に起因して閉じるが、圧力は、換気接続部18を通して解放された環境と均一化される。これの他に、第一の例示的実施形態に関して説明した寸法合わせルールが換気接続部18に関して適用される。
【0037】
図6は、ハウジングカバー2が見える第五の例示的実施形態の減圧ポンプを示す。図7は、この減圧ポンプの排気口領域の詳細Xを示す。第五の例示的実施形態において、換気接続部19は、再び排気口バルブ10のうちの1つに形成される。第四の例示的実施形態とは異なり、当該の排気口バルブ10は、バルブ台座12に換気接続部19を含む。バルブ本体11は、閉鎖されたばね表面を示すリーフスプリングとして形成される。つまり、バルブ本体11は、換気接続部18を含まない。換気接続部19は、バルブ本体11が閉鎖状態のときですら、バルブ台座12により取り囲まれる流れの断面と外部環境との間に通路が作られるように、バルブ本体11の方へ開いており、バルブ台座12を通って延在する凹部である。これは、停止中、圧力均一化のためのバイパスを作り、バイパスは、バルブ本体11を通過して延びる。換気接続部19は、例えば直線溝として形成される。
【0038】
示されていないさらに別の例示的実施形態において、換気接続部は、また、ハウジング1とハウジングカバー2との間の接合領域14で形成され得る。特に金属ガスケットとして具現化された場合、送達チャンバ3を周囲を密閉するガスケットは、次いで、例えば換気接続部を例えば残りのガスケット領域よりも小さい厚さで局所的に具現化され、したがって、局所的により小さい厚さを示す単数または複数の領域で換気接続部を形成することにより提供し得る。ハウジング1またはハウジングカバー2は、また、接合領域14の第五の例示的実施形態の換気接続部19の様態で小さな換気溝を例えば含み得る。説明されるタイプの換気接続部は、また、互いに組み合わせて(例えば、ハウジング1の換気接続部15または換気接続部17をハウジングカバー2の換気接続部16と組み合わせて)実現され得る。3つ以上の異なる換気接続部を互いと組み合わせることも可能である。
【0039】
説明した差異を除いて、全ての例示的実施形態における減圧ポンプは、同一であり得る。しかし、それらは、また、互いに逸脱し得る。減圧ポンプは、それぞれの送達チャンバで回転して動かされ得る少なくとも1つの送達部材を含むロータリーポンプとして好ましくは具現化される。シングルベーン減圧ポンプは、そのシンプルなデザイン、低重量および強健性に起因して、有利なタイプのポンプである。ベーンセルポンプとして具現化される減圧ポンプは、例示的実施形態におけるように、ロータに対して動かされ得る1つ、2つ、3つ、または原則としてそれ以上のベーンすらも含む。ベーンセルポンプの代わりに、レシプロピストンバルブポンプまたは歯車ポンプも発明に従って用いられ得、換気され得る。
【0040】
例示的実施形態の減圧ポンプは、特に自動車に設置され得る。減圧ポンプは、図3のレザバーゲージレベルインジケーターにより示されるように、潤滑および密閉流体のためのレザバー20に少なくとも部分的には浸され得る。そのような設置状況において、作業排気口7およびそれぞれの換気接続部(例えば、換気接続部16)は、レザバー20のレベルの十分上に離して特に配列されることにより車の全ての動作状態において、レザバー20の流体から十分な距離を確保する。潤滑および密閉流体は、車の内燃エンジンまたはトランスミッションまたは他のサブアセンブリを潤滑するために用いられる特に潤滑油であり得る。流体レザバー20は、それに応じて油だめであり得る。減圧ポンプが「乾いて」配列された場合(つまり、任意の流体レザバー20の外側)、次いで、作業排気口7およびそれぞれの換気接続部を減圧ポンプの上部領域に配列することがそのような設置状況に対して、また好ましいが、それらの配置は、恣意的である。
【0041】
上述の説明において、発明の好ましい実施形態は、例示の目的および説明の目的のために示される。網羅的であるか、または発明を開示される正確な形態に限定する意図ではない。上記教示を照らして、明確な改変およびバリエーションが可能である。実施形態は、発明およびその実施用途の原理の最も良い例示を提供し、さまざまな実施形態の、予期される特定の使用に適したさまざまな改変を有する発明を当業者が使用することを可能にするために選ばれた。それら全ての改変およびバリエーションは、公正、法的、公平に権利が与えられた幅に従って解釈されたとき、添付の特許請求の範囲により決定される発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0042】
1 ハウジング
2 ハウジングカバー
3 送達チャンバ
4 低圧領域
5 作業吸気口
6 高圧領域
7 作業排気口
8 ロータ
9 ベーン
10 排気口バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械アセンブリに負圧を供給する減圧ポンプであって、該減圧ポンプは、
a)送達チャンバ(3)を囲むハウジング(1)およびハウジングカバー(2)であって、
b)該送達チャンバ(3)は、該アセンブリに接続され得る作業吸気口(5)を含む低圧領域(4)と、空気に対する作業排気口(7)を含む高圧領域(6)とを含む、ハウジング(1)およびハウジングカバー(2)と、
c)該送達チャンバ(3)内で動かされ得、動かされたとき、空気を、該作業吸気口(5)を通して該送達チャンバ(3)に吸引し得、空気を増加した圧力で該排気口(7)を通して排出し得る送達部材(8、9)と、
d)該作業排気口(7)または該作業排気口(7)の下流に配列され、少なくとも空気が該送達チャンバ(3)に戻るように流れることを困難にする排気口バルブ(10)と、
e)流体フィードであって、該流体フィードを通して潤滑流体または密閉流体が該送達チャンバ(3)にフィードされ得る、流体フィードと
を含み、
f)該送達チャンバ(3)は、該送達部材(8、9)が停止され、負圧が該送達チャンバ(3)に優位になるとき、外部環境と少なくとも部分的な圧力均一化を確立するために、該減圧ポンプの外部環境に換気接続部(15;16;17;18;19)を介して接続される、減圧ポンプ。
【請求項2】
前記アセンブリが前記減圧ポンプに接続された場合、該アセンブリを前記送達チャンバ(3)に前記作業吸気口(5)を介して接続する空気フィードは、全体として、前記換気接続部(15;16;17;18;19)よりも低い流れ抵抗を示す、請求項1に記載の減圧ポンプ。
【請求項3】
前記作業排気口(7)の流れの断面は、前記換気接続部(15;16;17;18;19)の流れの断面の少なくとも10倍の大きさである、請求項1に記載の減圧ポンプ。
【請求項4】
前記換気接続部(15;16;17;18;19)は、前記送達部材(8、9)が停止されたとき、圧力均一化が数秒以内に少なくとも実質的には完了するように寸法が合わせられている、請求項1に記載の減圧ポンプ。
【請求項5】
圧力均一化は、長くても1秒(1s)で少なくとも実質的には完了する、請求項4に記載の減圧ポンプ。
【請求項6】
前記換気接続部(15;16;17;18;19)は、例えば流通穴(15;16;17)のような該送達チャンバ(3)に延びる通路を含み、該通路は、前記送達チャンバ(3)にポートし、前記作業吸気口(5)と比較して、また、作業排気口(7)と比較して小さい流れの断面を示す、請求項1に記載の減圧ポンプ。
【請求項7】
前記通路は、直線通路である、請求項6に記載の減圧ポンプ。
【請求項8】
前記換気接続部(15;16;17;18;19)は、前記送達チャンバ(3)の前記高圧領域(6)の周囲空気に対する吸気口を含む、請求項1に記載の減圧ポンプ。
【請求項9】
周囲空気に対する前記吸気口は、前記作業排気口(7)の近くにある、請求項1に記載の減圧ポンプ。
【請求項10】
前記換気接続部(18;19)は、前記送達チャンバ(3)を環境に前記作業排気口(7)を通して接続する、請求項1に記載の減圧ポンプ。
【請求項11】
前記換気接続部(18;19)は、環境から見られるように、前記作業排気口(7)にポートする、請求項10に記載の減圧ポンプ。
【請求項12】
前記換気接続部(18;19)は、前記排気口バルブ(10)を通して延びる、請求項1に記載の減圧ポンプ。
【請求項13】
前記排気口バルブ(10)は、バルブ台座(12)と、該バルブ台座(12)に対して弾性的に張っており、弾性復元力に対して該バルブ台座(12)から持ち上げ外され得るバルブ本体(11)とを含み、前記換気接続部(18;19)は、該バルブ本体(11)または該バルブ台座(12)を通して延びる、請求項1に記載の減圧ポンプ。
【請求項14】
前記排気口バルブ(10)は、リーフスプリングバルブであり、前記バルブ本体(11)は、前記バルブ台座(12)に対してばね弾性的に張っているリーフスプリング(11)であり、前記換気接続部(18;19)は、該バルブ本体(11)または該バルブ台座(12)を通して延びる、請求項13に記載の減圧ポンプ。
【請求項15】
前記換気接続部(18)は、前記リーフスプリング(11)を通して、その厚さ方向に延在する通路(18)を含む、請求項14に記載の減圧ポンプ。
【請求項16】
前記換気接続部(19)は、前記バルブ台座(12)に凹部(19)を含み、該バルブ台座(12)を通して空気が外部環境から前記バルブ本体(11)を通過して前記送達チャンバ(3)に流れ得、該凹部(19)は、該バルブ本体(11)に対面する、請求項13に記載の減圧ポンプ。
【請求項17】
前記換気接続部(15;16;17)は、前記ハウジング(1)または前記ハウジングカバー(2)または該ハウジング(1)と該ハウジングカバー(2)との間の接合領域(14)を通して延びる、請求項1に記載の減圧ポンプ。
【請求項18】
前記減圧ポンプは、エンジンにより駆動される車の中または車上に配列され、前記アセンブリは、前記作業吸気口(5)に接続されるか、または該減圧ポンプは、そのように設置されるようにデザインされる、請求項1に記載の減圧ポンプ。
【請求項19】
前記アセンブリは、ブレーキブースターである、請求項18に記載の減圧ポンプ。
【請求項20】
前記減圧ポンプは、ロータリーポンプであり、前記送達部材(8、9)は、前記送達チャンバ(3)内で回転され得るフィードホイール(8、9)である、請求項1に記載の減圧ポンプ。
【請求項21】
前記減圧ポンプは、ベーンセルポンプである、請求項20に記載の減圧ポンプ。
【請求項22】
前記送達部材(8、9)は、ロータ(8)と、該ロータ(8)に対して動かされ得る少なくとも1つのベーン(9)とを含むベーンホイールである、請求項20に記載の減圧ポンプ。
【請求項23】
前記減圧ポンプは、潤滑または密閉するように機能する潤滑流体または密閉流体のレザバー(20)に少なくとも部分的に配列され、該ポンプの少なくとも下部領域は、該流体に浸され、前記換気接続部(15;16;17;18;19)は、該流体の上部レベルの上の前記送達チャンバ(3)に延びるか、または該上部レベルを越えて延在させられる、請求項1に記載の減圧ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−57622(P2012−57622A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196572(P2011−196572)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(592130529)シュヴァビッシェ ヒュッテンヴェルケ オートモーティフ ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】