搬送システム、搬送装置、物品、検査システム、および検査装置
【課題】物品の向きを簡易な構成で変更する。
【解決手段】装着部材20は、外周面(外周縁)に周方向における位置が互いに異なる第1領域R1と第2領域R2とを有している。ここで、第1領域R1および第2領域R2は、表面状態が異なるように形成されている。第2領域R2には、装着部材本体50の表面にインキ層51が設けられ、インキ層51の表面にクレーター状の凹凸を有したトップコート層(最外層)52が設けられている。また、第1領域R1には、容器本体50の表面にインキ層51が設けられ、インキ層51の表面に上記第2領域R2におけるトップコート層52よりも表面が平滑に形成されたトップコート層(最外層)52が設けられている。また、装着部材20の上面に設けられた装着部21を境にした一方の領域側に第1領域R1が形成され、他方の領域側に第2領域R2が形成されている。
【解決手段】装着部材20は、外周面(外周縁)に周方向における位置が互いに異なる第1領域R1と第2領域R2とを有している。ここで、第1領域R1および第2領域R2は、表面状態が異なるように形成されている。第2領域R2には、装着部材本体50の表面にインキ層51が設けられ、インキ層51の表面にクレーター状の凹凸を有したトップコート層(最外層)52が設けられている。また、第1領域R1には、容器本体50の表面にインキ層51が設けられ、インキ層51の表面に上記第2領域R2におけるトップコート層52よりも表面が平滑に形成されたトップコート層(最外層)52が設けられている。また、装着部材20の上面に設けられた装着部21を境にした一方の領域側に第1領域R1が形成され、他方の領域側に第2領域R2が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の搬送を行う搬送システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
物品は、ベルトコンベヤ等の搬送装置を用い流れ作業により生産されることが多い。ここで、物品の出荷時などに、物品の表面に傷等が形成されていないかどうかの検査が行われることがあるが、検査を行う毎に物品の搬送を停止させると、生産効率の低下を招いてしまう。このため、物品が搬送されている際に検査を行うことが望ましくなる。
【0003】
ここで、びんをベルトコンベヤで搬送する際、搬送方向の両側に設けられたコンベヤガイドとびんとの摩擦力によってびんに回転を与え、びんの全周に亘ってスリキズ検査を行う回転機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−88259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、センサ等を用いて物品における複数の箇所を検査する場合、この複数の箇所の各々をセンサに対向させるために物品を回転させる必要が生じる場合がある。かかる場合、モータなどを用いることで物品の回転が可能となるが、この場合、コスト高となったり構造が複雑化したりするおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明に適用される搬送システムは、物品と、物品を搬送する搬送装置と、を備え、搬送装置は、予め定められた搬送経路に沿って物品を搬送する搬送手段と、搬送経路の側方に配置され、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触し物品に対し抗力を付与する上流側抗力付与部と、搬送経路の側方に配置されるとともに物品の搬送方向において上流側抗力付与部よりも下流側に配置され、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触し物品に対し抗力を付与する下流側抗力付与部と、を備え、物品は、物品本体部と、上流側抗力付与部に接触した際に上流側抗力付与部から付与される抗力を用いて物品本体部を周方向に回転させる第1の領域と、物品本体部の周方向への回転に伴い上流側抗力付与部に接触し物品本体部を上流側抗力付与部に対し滑らせるとともに、物品本体部の搬送に伴い下流側抗力付与部に接触した際に下流側抗力付与部から付与される抗力を用いて物品本体部を周方向に回転させる第2の領域と、を備えることを特徴とする搬送システムである。
【0007】
ここで、物品は、物品本体部の周方向への回転に伴い下流側抗力付与部に接触し物品本体部を下流側抗力付与部に対し滑らせる第3の領域を更に備えることを特徴とすることができる。また、物品の第1の領域は、物品本体部の周方向への回転に伴い下流側抗力付与部に接触した際に物品本体部を下流側抗力付与部に対し滑らせることを特徴とすることができる。また、物品は、所定の検査が行われる検査対象物と、検査対象物に装着された装着部材とからから構成され、第1の領域および第2の領域は、装着部材の外周面に形成されていることを特徴とすることができる。
【0008】
また、本発明を搬送装置として捉えると、本発明に適用される搬送装置は、表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる第1の領域および第2の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する上流側接触部を有し、物品の第1の領域が上流側接触部に接触した場合に上流側接触部から第1の領域に抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の第2の領域が上流側接触部に接触した際に第2の領域を上流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、上流側接触部よりも物品の搬送方向下流側に配置され搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する下流側接触部を有し、第1の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の第2の領域に対し下流側接触部から抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の第1の領域が下流側接触部に接触した際に第1の領域を下流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、を備えることを特徴とする搬送装置である。
【0009】
また、本発明に適用される搬送装置は、表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる複数の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する上流側接触部を有し、物品の外周面に形成された第1の領域が上流側接触部に接触した場合に上流側接触部から第1の領域に抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の外周面に形成された第2の領域が上流側接触部に接触した際に第2の領域を上流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、上流側接触部よりも物品の搬送方向下流側に配置され搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する下流側接触部を有し、第1の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の第2の領域に対し下流側接触部から抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の外周面に形成された第3の領域が下流側接触部に接触した際に第3の領域を下流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、を備えることを特徴とする搬送装置である。
【0010】
ここで、上流側接触部および下流側接触部は、搬送経路の側方に設けられるとともに搬送経路が設けられた側と対峙する対峙面を有し、対峙面を物品の外周面に接触させ、対峙面は、曲率を有し搬送経路が設けられた側に向かって膨らむように形成されていることを特徴とすることができる。また、搬送手段は、傾斜して配置され物品を下方から支持する支持面を有し、上流側接触部と物品との接触、および、下流側接触部と物品との接触は、傾斜して配置された支持面により物品が誘導されることで行われることを特徴とすることができる。また、上流側接触部および下流側接触部は、搬送経路の一方側および他方側のうちの当該一方側に設けられ、搬送手段は、物品を下方から支持する支持面上に、回転軸を中心に回転可能に設けられ且つ回転軸と直交する仮想線が一方側に向かうように配置された回転ローラを複数有し、上流側接触部と物品との接触、および、下流側接触部と物品との接触は、回転ローラにより物品が誘導されることで行われることを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明を物品として捉えると、本発明に適用される物品は、搬送経路を搬送される搬送物の外周面に接触する上流側接触部と上流側接触部よりも搬送物の搬送方向下流側に配置され搬送物の外周面に接触する下流側接触部とを有する搬送装置にて搬送可能な物品であって、外周面を有した物品本体部と、物品本体部の外周面に形成された第1の領域と、物品本体部の外周面に形成されるとともに物品本体部の周方向において第1の領域とは異なる位置に配置され、第1の領域とは表面性状が異なる第2の領域と、を有し、第1の領域は、上流側接触部に接触した際に上流側接触部から付与される抗力を用いて物品本体部を周方向に回転させ、第2の領域は、物品本体部の周方向への回転に伴い上流側接触部に接触し物品本体部を上流側接触部に対し滑らせるとともに、物品本体部の移動に伴い下流側接触部に接触した際に下流側接触部から付与される抗力を用いて物品本体部を周方向に回転させることを特徴とする物品である。
【0012】
ここで、物品は、物品本体部の周方向への回転に伴い下流側接触部に接触し物品本体部を下流側接触部に対し滑らせる第3の領域を更に備えることを特徴とすることができる。また、第1の領域は、物品本体部の周方向への回転に伴い下流側接触部に接触し物品本体部を下流側接触部に対し滑らせることを特徴とすることができる。
【0013】
また、本発明を検査システムとして捉えると、本発明に適用される検査システムは、物品と、物品を搬送する搬送装置と、搬送装置により搬送される物品を検査する検査部と、を備え、搬送装置は、予め定められた搬送経路に沿って物品を搬送する搬送手段と、搬送経路の側方に配置され、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触し物品に対し抗力を付与する上流側抗力付与部と、搬送経路の側方に配置されるとともに物品の搬送方向において上流側抗力付与部よりも下流側に配置され、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触し物品に対し抗力を付与する下流側抗力付与部と、を備え、物品は、物品本体部と、上流側抗力付与部に接触した際に上流側抗力付与部から付与される抗力を用いて物品本体部を周方向に回転させる第1の領域と、物品本体部の周方向への回転に伴い上流側抗力付与部に接触し物品本体部を上流側抗力付与部に対し滑らせるとともに、物品本体部の搬送に伴い下流側抗力付与部に接触した際に下流側抗力付与部から付与される抗力を用いて物品本体部を周方向に回転させる第2の領域と、を備えることを特徴とする検査システムである。
【0014】
また、物品は、検査部による検査が行われる検査対象物と、検査対象物に装着された装着部材とから構成され、第1の領域および第2の領域は、装着部材の外周面に形成されていることを特徴とすることができる。
【0015】
また、本発明を検査装置として捉えると、本発明に適用される検査装置は、表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる第1の領域および第2の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する上流側接触部を有し、物品の第1の領域が上流側接触部に接触した場合に上流側接触部から第1の領域に抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の第2の領域が上流側接触部に接触した際に第2の領域を上流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、上流側接触部よりも物品の搬送方向下流側に配置され搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する下流側接触部を有し、第1の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の第2の領域に対し下流側接触部から抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の第1の領域が下流側接触部に接触した際に第1の領域を下流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、第1の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の検査を行う第1の検査部と、第2の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の検査を行う第2の検査部と、を備える検査装置である。
【0016】
また、本発明を検査装置として捉えると、本発明に適用される検査装置は、表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる複数の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する上流側接触部を有し、物品の外周面に形成された第1の領域が上流側接触部に接触した場合に上流側接触部から第1の領域に抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の外周面に形成された第2の領域が上流側接触部に接触した際に第2の領域を上流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、上流側接触部よりも物品の搬送方向下流側に配置され搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する下流側接触部を有し、第1の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の第2の領域に対し下流側接触部から抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の外周面に形成された第3の領域が下流側接触部に接触した際に第3の領域を下流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、第1の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の検査を行う第1の検査部と、第2の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の検査を行う第2の検査部と、を備える検査装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、物品の向きを簡易な構成で変更することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】検査システムの概略構成を示した図である。
【図2】装着部材を説明するための図である。
【図3】搬送装置を説明するための図である。
【図4】搬送装置を説明するための図である。
【図5】搬送装置における装着部材の動作を説明するための図である。
【図6】搬送装置における装着部材の動作を説明するための図である。
【図7】搬送装置の他の一形態を示した図である。
【図8】装着部材の他の一形態について説明するための図である。
【図9】装着部材の他の一形態について説明するための図である。
【図10】装着部材を説明するための図である。
【図11】搬送装置を説明するための図である。
【図12】搬送装置における装着部材の動作を説明するための図である。
【図13】搬送装置における装着部材の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
−第1の実施形態−
図1は、本実施形態に係る検査システム100の概略構成を示した図である。
検査システム100は、電子部品などの検査品10(検査対象物の一例)と、検査品10に装着される装着部材20と、装着部材20を搬送する搬送装置30と、検査品10を検査する検査部40とを有している。
【0020】
搬送装置30は、装着部材20が載せられるとともにこの装着部材20を搬送する載置部31(搬送手段の一例)と、装着部材20の搬送を案内するガイド部32と、ガイド部32に設けられるとともに装着部材20の外周面に接触しこの外周面に摺動抵抗(摩擦抵抗)を付与する抵抗付与部33とを備えている。検査部40は、検査品10の表面状態を画像データとして出力するCCDカメラSを備えている。また、検査部40は、処理部41を備えている。この処理部41は、CCDカメラSから出力された画像データから検査品10における傷の有無を判断するとともに、傷が存在する場合に、検査品10の移動経路上に設けられた搬送路切り替え部材(不図示)を駆動する。これにより、傷を有する検査品10は、メインの搬送路から外れ所定の集積箇所(不図示)に集積される。なお本実施形態では、検査品10における傷の有無を判断したが、これは一例であり、文字、図柄などの印字位置が適正であるか否かなどの判断を行うこともできる。
【0021】
ここで、検査システム100は、例えば、図1に示すように、温度調節装置A1によって室内の温度が一定になるように温度管理が行われた検査室Ro1において設置される。また、装着部材20の搬送方向の上流側には、装着部材20が搬送装置30の載置部31へ投入される投入部(不図示)が設けられている。そして、投入部より投入された装着部材20は、載置部31上を上流側から下流側へと移動する。また、本実施形態では、上記のとおり、CCDカメラSが設けられており、このCCDカメラSは、装着部材20の搬送方向に沿って設けられている。付言すると、装着部材20の搬送方向における異なる位置に複数のCCDカメラSが設けられている。ここで検査品10の表面状態は、上記のとおり、画像データとしてCCDカメラSから処理部41へ出力され、処理部41にて検査品10における傷の有無が判断される。尚、本明細書では、装着部材20の搬送方向の上流側を奥側(後方側)と称し、下流側を手前側(前方側)と称する場合がある。また、搬送方向(装着部材20が移動する方向)に直交する方向を左右方向、幅方向と称する場合がある。
【0022】
次に、装着部材20について説明する。
図2は、装着部材20を説明するための図である。尚、同図(A)は装着部材20を一方側から図示したものであり、同図(B)は、装着部材20を他方側から図示したものである。また、同図(C)は同図(A)のS部における断面を示し、同図(D)は同図(A)のT部における断面を示している。
【0023】
同図に示す装着部材20は、円柱状部材により構成され、上面に検査品10に装着される装着部21が設けられている。また、本実施形態における装着部材20は、同図(A)および(B)に示すように、外周面(外周縁)に、周方向における位置が互いに異なる第1領域R1および第2領域R2を有している。ここで、第1領域R1および第2領域R2は、表面状態が異なるように形成されている。また、装着部材20の周方向において、第1領域R1および第2領域R2の各々の長さは、装着部材20の周長の約1/2となっている。
【0024】
また本実施形態における装着部材20は、上面に、上述した装着部21を備える。ここで装着部21は、装着部材20の内方側に凹む穴として形成されている。また、装着部21は、検査品10の断面形状に倣った形状を有しており、装着部材20を上面から眺めた場合の形状が略長方形となっている。なお本実施形態では、この装着部21を境にした一方の領域側に上記第1領域R1が形成され、他方の領域側に上記第2領域R2が形成されている。
【0025】
ここで、同図(C)を参照し、第1領域R1の表面状態について詳細に説明する。
同図(C)に示すように、第1領域R1には、装着部材本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面にクレーター状の凹凸を有したトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0026】
ここで、インキ層51には、色材としての顔料が含まれている。この顔料としては、各種の有機顔料や無機顔料が用いることができる。また、インキのビヒクルは、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分としている。ここで熱硬化性樹脂としては、アルキッド型又はポリエステル型の樹脂等が用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としては、紫外線ラジカル重合型、紫外線カチオン重合型の樹脂等が用いられる。さらに、インキには添加剤が含有されていても良い。添加剤としては、艶消し剤、ワックス類(天然系、石油系、合成系)、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、消泡剤、光重合開始剤等が用いられる。
【0027】
また、インキ層51は、いわゆるはじきインキにより形成されている。即ち、インキ層51は、このインキ層51の表面にトップコート層52を形成する塗料が塗られた場合にこの塗料をはじくインキにより形成されている。ここでトップコート層52における上記凹凸は、トップコート層52を形成する塗料がこのインキ層51によりはじかれることにより形成されたものである。ここで本実施形態では、色材を用い第1領域R1に着色したが、色材を用いず無着色とすることも当然できる。
【0028】
尚、トップコート層52を形成する塗料をインキ層51によりはじくためには(上記凹凸を形成するためには)、インキ層51の形成に用いるインキの表面張力を、トップコート層52の形成に用いる塗料の表面張力よりも5mN/m以上低く設定することが望ましい。換言すると、インキの表面張力が塗料の表面張力よりも低く、且つ、インキと塗料との間の表面張力の差が5mN/m以上であることが望ましい。ここでインキの表面張力の低下は、例えば、通常のインキにシリコーンを添加することにより行うことができる。
【0029】
一方、トップコート層52に用いる塗料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分とするものであり、必要に応じてワックス成分を含有している。熱硬化性樹脂としては、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂(例:ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂等が用いられる。
【0030】
さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との組成物を用いても良い。この場合、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。また、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の公知の酸触媒が添加されていても良い。酸触媒を用いる場合は、酸触媒は樹脂に対して0.5〜1質量%添加するのが望ましい。また、これらの樹脂のうち、特に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と飽和ポリエステル樹脂との組成物や、熱硬化性アクリル樹脂とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂との組成物を用いることが塗膜性能面で望ましい。
【0031】
一方、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン硬化型樹脂、ラジカル硬化型樹脂等が用いられる。カチオン硬化型樹脂としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒との組成物等が用いられる。
【0032】
また、トップコート層52に用いる塗料において、上記の樹脂に架橋剤や増感剤を必要に応じて添加しても良い。架橋剤としては、種々のポリオール類(例:ε−カプロラクトントリオール)等が用いられる。増感剤としては、チオキサントン誘導体等が用いられる。さらに、トップコート層52に用いる塗料に、滑りを補うために、ワックス成分として天然系、石油系、合成系のワックス剤を単独で又は複合して添加しても良い。さらに、トップコート層52の表面のレベリング剤として、あるいは/更に、塗料状態での安定性を高めるためや初期滑り性をトップコート層52に付与するために、各種のシリコーンオイルを添加しても良い。
【0033】
尚、インキ層51およびトップコート層52の組成等の一例を挙げると以下のようになる。
[トップコート層52]
樹脂成分:ポリエステル30%、アクリル13%、アミノ55%、エポキシ2%
ワックス:石油系0.3%、天然系1%、合成系0.2%(樹脂成分に対し)
シリコーンオイル(混合):0.15%(樹脂成分に対し)
表面張力:33mN/m
厚さ:5μm
[インキ層51](はじきインキ)
主樹脂:アルキッド樹脂
顔料:TiO2
表面張力:28mN/m
厚さ:2μm
【0034】
尚、上記は、第1領域R1の形成方法の一例を説明したものであり、例えば特開2002−361172号公報に開示されている技術を用いて第1領域R1を形成してもよい。即ち、トップコート層52を形成する塗料をインキ層51の表面で斑状に凝集させることで凹凸を形成し第1領域R1を形成してもよい。また第1領域R1のクレーター状の凹凸は、発泡剤を含有したいわゆる発泡インキを用いてインキ層51を形成することにより形成することができる。なお、本実施形態にて塗布材料により生じさせる上記第1領域R1の凹凸は、最大深さで3〜10μm程度のオーダーであり、通常のコーティング塗料では、深さ1μm程度或いはそれ未満の程度の平滑面を第2領域R2と言っている。
【0035】
次いで、同図(D)を参照し第2領域R2の表面状態について説明する。
同図(D)に示すように第2領域R2には、上記と同様、容器本体50の表面に、インキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面に、上記第1領域R1におけるトップコート層52よりも表面が平滑に形成されたトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0036】
ここで第2領域R2におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料をはじかないインキ(通常インキ)を用いて形成している。付言すれば、インキ層51を形成するインキは、表面張力がトップコート層52を形成する塗料の表面張力と等しいか又はそれよりも高いインキが用いられている。このため第2領域R2では、トップコート層52を形成する塗料がはじかれず、トップコート層52の表面は、第1領域R1におけるトップコート層52に比べ平滑となる。ここで、インキ層51を形成するインキの基本的な組成等は上記と同様である。トップコート層52を形成する塗料の基本的な組成等は上記と同様である。尚、本実施形態では、第2領域R2における表面粗さRa(算術平均粗さRa)は0.17μmとなっている。また、上記第1領域R1における表面粗さRaは1.42μmとなっている。
【0037】
次に、搬送装置30について詳細に説明する。
図3および図4は、搬送装置30を説明するための図である。尚、図3(A)は搬送装置30の上面図である。また、図3(B)は搬送装置30の側面図である。また、図3(C)は搬送装置30の正面図である。また、図4(A)は、図3(A)のA−A線における搬送装置30の断面図である。また、図4(B)は、図3(A)のB−B線における搬送装置30の断面図である。
【0038】
本実施形態における搬送装置30のガイド部32は、装着部材20の搬送経路の両側に沿って設けられている。このガイド部32は、装着部材20の搬送経路の一方の側(図3(A)の左側)に左ガイド32Aを有し、装着部材20の搬送経路の他方の側(同図(A)の右側)に右ガイド32Bを有している。ここで、ガイド部32は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料などにより形成される。また、本実施形態では、左ガイド32Aに後述する抵抗付与部33が設けられている。尚、本実施形態では、左ガイド32Aおよび右ガイド32Bが設けられ装着部材20の搬送経路の両側にガイド部32が設けられた構成となっているが、右ガイド32Bは省略することもできる。
【0039】
載置部31は、搬送装置30の左右方向(幅方向)において傾斜して配置されている。詳細には、左ガイド32A側の方が右ガイド32B側よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。さらに説明すると、載置部31(載置面31A)と左右方向の水平面とが角度θBをなすように、左ガイド32A側の方が右ガイド32B側よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。
【0040】
載置部31は、装着部材20が置かれる側の面である載置面31A(支持面の一例)に、搬送装置30の幅方向に並列配置された第1ローラ列311、第2ローラ列312を有している。ここで、第1ローラ列311は左ガイド32A側に設けられ、第2ローラ列312は右ガイド32B側に設けられている。なお、各ローラ列は、装着部材20の投入部から前方にかけて並んで配置された複数のロール状部材314を有している。ここで、第1ローラ列311および第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、モータMにより回転され、装着部材20を円滑に移動させる。
【0041】
次に、抵抗付与部33について説明する。
本実施形態では、上述したように、左ガイド32Aに、接触する装着部材20の外周面に対して摺動抵抗(摩擦抵抗、抗力)を付与する抵抗付与部33が設けられている。この抵抗付与部33は、図1および図3に示すように、装着部材20の搬送経路に沿って設けられている。また、抵抗付与部33は、図3および図4に示すように、装着部材20の搬送経路に沿って設けられるとともに左ガイド32Aに形成された溝に埋め込まれた円柱状の基材33Aと、この基材33Aの外表面に貼付された貼付部材33Bとから構成されている。尚、抵抗付与部33の断面は円形である方が好ましい。付言すると、抵抗付与部33のうち装着部材20と接触する部位(対峙面)は、曲率を有し搬送経路が設けられた側に向かって膨らむように形成されていることが望ましい。搬送経路を搬送される装着部材20が上下方向や左右方向に動いたとしても、抵抗付与部33と装着部材20との接触面積が一定となりやすいためである。
【0042】
なお本実施形態における基材33Aは、アルミニウムにより形成されている。また本実施形態における基材33Aには、粗面化処理の一例としてのブラスト処理が施され、基材33Aの表面には微細な凹凸が形成されている。ここで本実施形態における基材33Aの表面粗さRa(算術平均粗さRa)は、1.08μmとなっている。なお、基材33Aは、Cu(銅)、Fe(鉄)などの他の金属材料や、HIS(ハイインパクトポリスチレン)、ABS(アクリルニトリルブタジェンスチレン)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)などの樹脂材料により構成することもできる。また本実施形態における貼付部材33Bには、基材33Aの表面よりも表面が平滑に形成された市販のビニールテープ(より具体的は塩化ビニルにより構成されたテープ)を使用している。なお、塩化ビニル以外の材料により構成されたビニールテープや、EPDMなどのゴム部材を貼付することもできる。
【0043】
また本実施形態では、基材33Aの長手方向における全域に対し貼付部材33Bが貼付されておらず、基材33Aの一部の領域に対し貼付部材33Bが貼付されている。より具体的は、図3および図4に示すように、基材33Aのうち装着部材20の搬送方向における下流側における部位に対し貼付部材33Bが貼付されている。このため、本実施形態における抵抗付与部33には、装着部材20の搬送方向上流側から搬送方向下流側に向かって順に、基材33Aが露出した第1領域L1(上流側抗力付与部および上流側接触部の一例)、貼付部材33Bが貼付された第2領域L2(下流側抗力付与部および下流側接触部の一例)が形成されている。ここで、第1領域L1、第2領域L2の各々の長さはほぼ等しくなっている。なお上記では、円柱状の基材33Aを左ガイド32Aの溝に埋め込んだ例を説明したが、半円状の基材33Aを左ガイド32Aの表面に貼付することもできる。
【0044】
また本実施形態では、上記のとおり、検査品10の表面状態を画像データとして出力するCCDカメラSが設けられている(図1参照)。より具体的に説明すると、本実施形態では、図3に示すように、第1CCDカメラS1(第1の検査部の一例)および第2CCDカメラS2(第2の検査部の一例)の2つのカメラが設けられている。ここで本実施形態では、第1領域L1の下流側近傍に第1CCDカメラS1が配置され、第2領域L2の下流側近傍に第2CCDカメラS2が配置されている。
【0045】
次に、搬送装置30における装着部材20の動作について説明する。
図5および図6は、搬送装置30における装着部材20の動作を説明するための図である。尚、図5および図6では、第1ローラ列311、第2ローラ列312(図3参照)の図示を省略している。
【0046】
搬送装置30の投入部(不図示)より検査品10が装着された装着部材20が投入されると、傾斜が付与された載置面31Aにより誘導され、装着部材20は左ガイド32A側且つ前方に向かって移動する。これにより装着部材20は左ガイド32Aに接触するようになる。そしてこの装着部材20は左ガイド32A(抵抗付与部33)によって案内されながら前方に向かって移動する(符号5A参照)。そしてこの際、検査品10の一方の面11bが左ガイド32A側を向き、装着部材20の第1領域R1が抵抗付与部33の第1領域L1に接触する状態にあると、第1領域R1と第1領域L1との間における滑りが抑制される(第1領域R1に抗力が付与される)。これにより装着部材20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号5A参照)。
【0047】
そして符号5Bに示すように、第2領域R2が第1領域L1に接触する状態となると、第2領域R2と第1領域L1との間で滑りが生じ、装着部材20は回転を停止する。これにより、検査品10の他方の面11aが、左ガイド32A側を向く。その後、装着部材20は、抵抗付与部33により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。そして、第1領域L1の下流側にて、検査品10の他方の面11aが第1CCDカメラS1により撮影される。
【0048】
そして、符号5Cに示すように、装着部材20が第2領域L2に接触すると、装着部材20の第2領域R2と第2領域L2との間における滑りが抑制され(第2領域R2に抗力が付与され)、装着部材20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号5C参照)。その後、符号5Dに示すように、第1領域R1が第2領域L2に接触する状態となると、第1領域R1と第2領域L2との間で滑りが生じ、装着部材20は回転を停止する。
【0049】
これにより、検査品10の上記一方の面11bが、左ガイド32A側を向く。その後、装着部材20は抵抗付与部33により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。そして、第2領域L2の下流側にて、検査品10の上記一方の面11bが第2CCDカメラS2により撮影される。その後、装着部材20は、更に前方に向かって移動し、次の検査工程(不図示)に搬送される。
【0050】
なお上記では、一方の面11bが左ガイド32A側を向いた状態で装着部材20が投入された場合(図5の符号5A参照)の動作について説明した。ところで、図6(搬送装置30における装着部材20の他の動作例を示した図)の符号6Aに示すように、上記他方の面11aが左ガイド32A側を向いた状態で装着部材20が投入される場合がある。この場合には、装着部材20の第2領域R2と抵抗付与部33の第1領域L1とが接触することとなり、装着部材20は回転をせずに第2領域L2まで移動していく(符号6A、6B参照)。そして、第1領域L1の下流側にて、他方の面11aが第1CCDカメラS1により撮影される。なおその後は、上記と同様の動作が行われる。即ち、装着部材20の回転がまず行われ(符号6C参照)、次いで装着部材20の回転が停止される(符号6D参照)。そして、第2領域L2の下流側にて、上記一方の面11bが第2CCDカメラS2により撮影される。
【0051】
ここで、凹凸が形成された第1領域R1が、貼付部材33Bが貼付された第2領域L2に接触した場合(例えば、図5の符号5Dの状態を参照)、第1領域R1と貼付部材33Bとは点接触に近い状態で接触する。詳細には、貼付部材33Bの表面が平滑に形成され、第1領域R1には凹凸が形成されているため、第1領域R1と貼付部材33Bとは点接触に近い状態で接触する。さらに説明すると、第1領域R1には凹凸が形成されているために、第1領域R1と貼付部材33Bとの接触面積が小さい状態となる。このため、第1領域R1と貼付部材33B(第2領域L2)とが接触した際には、上記のような滑りが生じやすくなる。
【0052】
また、凹凸が形成された第1領域R1が、基材33Aのみで形成された第1領域L1に接触した場合(例えば、図5の符号5Aの状態を参照)、第1領域R1と基材33Aとの間で噛み合いが生じる。詳細には、第1領域R1には凹凸が形成され、ブラスト処理により基材33Aにも凹凸が形成されているため、第1領域R1と基材33Aとの間で噛み合いが生じる。このため、第1領域R1と基材33A(第1領域L1)とが接触した際には、上記のような回転が生じやすくなる。
【0053】
また表面が平滑に形成された第2領域R2が、貼付部材33Bが貼付された第2領域L2に接触した場合(例えば、図5の符号5Cの状態を参照)、第2領域R2と貼付部材33Bとは面接触に近い状態で接触する。詳細には、貼付部材33Bの表面が平滑に形成され、第2領域R2も表面が平滑に形成されているため、第2領域R2と貼付部材33Bとは面接触に近い状態で接触する。さらに説明すると、貼付部材33Bの表面が平滑に形成され、第2領域R2も表面が平滑に形成されているため、第2領域R2と貼付部材33Bとの接触面積が大きい状態となる。このため、第2領域R2と貼付部材33B(第2領域L2)とが接触した際には、上記のような回転が生じやすくなる。
【0054】
また表面が平滑に形成された第2領域R2が、基材33Aのみで形成された第1領域L1に接触した場合(例えば、図5の符号5Bの状態を参照)、第2領域R2と基材33Aとは点接触に近い状態で接触する。詳細には、第2領域R2の表面が平滑に形成され、基材33Aには凹凸が形成されているため、第2領域R2と基材33Aとは点接触に近い状態で接触する。さらに説明すると、基材33Aには凹凸が形成されているために、第2領域R2と基材33Aとの接触面積が小さい状態となる。このため、第2領域R2と基材33A(第1領域L1)とが接触した際には、上記のような滑りが生じやすくなる。
【0055】
ところで、上記搬送装置30では、載置部31に対し搬送装置30の幅方向(左右方向)における傾斜を付与することで、装着部材20を抵抗付与部33に接触させたが、ロール状部材314を利用して装着部材20を抵抗付与部33に接触させることができる。
【0056】
図7は、搬送装置30の他の一形態を示した図である。
本図における搬送装置30では、搬送装置30の幅方向における傾斜は付与されていない。また本実施形態における搬送装置30では、載置面31Aに設けられた複数のロール状部材314が、搬送装置30の前後方向に対し傾斜して配置されている。
【0057】
より詳細に説明すると、ロール状部材314の回転軸と直交する仮想線(符号7A参照)を想定した場合に、ロール状部材314の各々は、この仮想線が搬送装置30の前後方向と交差するように傾斜して配置されている。付言するとロール状部材314の各々は、上記仮想線が搬送装置30の前後方向に対して傾斜するように配置されている。さらに説明すると、ロール状部材314の各々は、上記仮想線が向かう方向が左ガイド32A側(抵抗付与部33が設けられた側)となるように傾斜して配置されている。このため、図7に示した搬送装置30では、装着部材20は、搬送装置30の前方に向かって移動しようとするものの傾斜して配置されたロール状部材314によって抵抗付与部33へ向かうこととなる。付言すれば、図7で示す搬送装置30では、抵抗付与部33と装着部材20との接触は、ロール状部材314により装着部材20が誘導されることで行われる。
【0058】
また上記では、装着部材20の外周面に塗布される塗布材料により第1領域R1および第2領域R2を形成したが、装着部材20の外周面にシール部材またはテープ部材を貼付することにより、第1領域R1および第2領域R2を形成することができる。
【0059】
図8および図9は、装着部材20の他の一形態について説明するための図である。尚、図8(A)はシール部材が貼付された装着部材20を一方側から図示したものであり、同図(B)は、装着部材20を他方側から図示したものである。また、図9(A)はテープ部材が貼付された装着部材20を一方側から図示したものであり、同図(B)は、装着部材20を他方側から図示したものである。
【0060】
図8に示す装着部材20は、外周面が全て上記第2領域R2により形成されている。また、本実施形態では、装着部材20の外周面に、上記第1領域R1が印刷等により形成されたシール部材22を貼付している。ここで、装着部材20の周方向におけるシール部材22の長さは装着部材20の周長の約1/2である。
【0061】
また、図9のように、上記第1領域R1および第2領域R2が印刷等により形成されたテープ部材23を装着部材20に貼り付けることで、装着部材20の塗装状況に関係無く、第1領域R1および第2領域R2を装着部材20の外周面に付与可能となる。ここで、第1領域R1および第2領域R2の各々の長さ(テープ部材23の長手方向における長さ)は、テープ部材23の全長の約1/2となっている。
【0062】
−第2の実施形態−
第1の実施形態では、検査品10に設けられた複数の面のうちの2つの面を検査する場合を説明したが、本実施形態では、4つの面を検査する場合について説明する。
【0063】
図10は、装着部材20を説明するための図である。尚、同図(A)は装着部材20を一方側から図示したものであり、同図(B)は、装着部材20を他方側から図示したものである。本実施形態における装着部材20は、同図(A)および(B)に示すように、外周面に、第1の実施形態にて説明した第1領域R1、第2領域R2を有している。また、本実施形態における装着部材20は、さらに、第3領域R3、第4領域R4を有している。ここでこれらの領域は、装着部材20の周方向において、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4の順に設けられている。なお、第1領域R1の表面状態および第3領域R3の表面状態は同様に構成されている。また、第2領域R2の表面状態および第4領域R4の表面状態は同様に構成されている。また、装着部材20の周方向における各領域の長さは装着部材20の周長の約1/4である。
【0064】
また、本実施形態では、装着部21を境にした一方の領域側に第1領域R1が形成され、他方の領域側に第3領域R3が形成されている。また第1領域R1と第3領域R3との間に第2領域R2が形成されている。また、この第2領域R2とは反対側に位置する箇所に第4領域R4が形成されている。
【0065】
次に、搬送装置30について説明する。
図11は、本実施形態における搬送装置30を説明するための図であり、搬送装置30の上面図である。尚、本実施形態の搬送装置30は、抵抗付与部33を除いて第1の実施形態における搬送装置30と同様の構成を有している。このため、以下では、抵抗付与部33の説明を中心に行い、抵抗付与部33以外の構成についての説明は省略する。
【0066】
本実施形態における抵抗付与部33は、上記と同様、装着部材20の搬送経路に沿って設けられるとともに左ガイド32Aに形成された溝に埋め込まれた円柱状の基材33Aと、この基材33Aの外表面に貼付された貼付部材33Bとから構成されている。ここで、本実施形態における抵抗付与部33は、装着部材20の搬送方向上流側から搬送方向下流側に向かって順に、上記基材33Aが露出した第1領域L1、上記貼付部材33Bが貼付された第2領域L2、上記基材33Aが露出した第3領域L3、上記貼付部材33Bが貼付された第4領域L4を有している。ここで、第1領域L1〜第4領域L4の各々の長さはほぼ等しくなっている。また、本実施形態では、第1領域L1の下流側近傍に第1CCDカメラS1、第2領域L2の下流側近傍に第2CCDカメラS2、第3領域L3の下流側近傍に第3CCDカメラS3、第4領域L4の下流側近傍に第4CCDカメラS4、がそれぞれ設置されている。
【0067】
次に、搬送装置30における装着部材20の動作について説明する。
図12および図13は、搬送装置30における装着部材20の動作を説明するための図である。尚、図12および図13では、第1ローラ列311、第2ローラ列312等の図示を省略している。
【0068】
搬送装置30の投入部より検査品10が装着された装着部材20が投入されると、この装着部材20は左ガイド32A(抵抗付与部33)によって案内されながら前方に向かって移動する(符号12A参照)。そしてこの際、例えば第1領域R1が抵抗付与部33の第1領域L1に接触する状態にあると、装着部材20は時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号12A参照)。そして、第4領域R4が第1領域L1に接触する状態となると、装着部材20は回転を停止する(符号12B参照)。これにより、検査品10に形成された4つの面のうちの第1面11eが左ガイド32A側を向く。そして、第1領域L1の下流側にて、この第1面11eが第1CCDカメラS1により撮影される。
【0069】
そして、第4領域R4が第2領域L2に接触すると、装着部材20は時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号12C参照)。その後、第3領域R3が第2領域L2に接触する状態となると、装着部材20は回転を停止する(符号12D参照)。これにより、上記4つの面のうちの第2面11fが、左ガイド32A側を向く。そして、第2領域L2の下流側にて、この第2面11fが第2CCDカメラS2により撮影される。
【0070】
その後、第3領域R3が抵抗付与部33の第3領域L3に接触すると、装着部材20は時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号12E参照)。そして、第2領域R2が第3領域L3に接触する状態となると、装着部材20は回転を停止する(符号12F参照)。これにより、上記4つの面のうちの第3面11gが左ガイド32A側を向く。そして、第3領域L3の下流側にて、この第3面11gが第3CCDカメラS3により撮影される。
【0071】
また、第2領域R2が第4領域L4に接触すると、装着部材20は時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号12G参照)。その後、第1領域R1が第4領域L4に接触する状態となると、装着部材20は回転を停止する(符号12H参照)。これにより、上記4つの面のうちの第4面11hが左ガイド32A側を向く。そして、第4領域L4の下流側にて、この第4面11hが第4CCDカメラS4により撮影される。その後、装着部材20は、更に前方に向かって移動し、次の検査工程(不図示)に搬送される。
【0072】
尚、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、モータM(図3参照)により回転駆動されるロール状部材314を用いて検査品10および装着部材20の搬送を行ったが、装着部材20の搬送方向下流側に向かうに従い下る傾斜を載置部31に付与し、この傾斜を利用して検査品10および装着部材20を搬送することもできる。また、第2ローラ列312(図3参照)に含まれるロール状部材314を回転できないように固定することができる。このような固定をした場合、装着部材20に対し回転を抑える抗力が付与され、装着部材20の過度の回転が抑制される。また、上記実施形態において、第1ローラ列311と第2ローラ列312とを同速度で回転させるのではなく、第1ローラ列311より第2ローラ列312を若干遅く回転させることにより、装着部材20の過度の回転を抑制することができる。
【0073】
尚、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、装着部材20を用いて検査品10を回転させる場合を説明したが、検査品10の外周面に上記第1領域R1や上記第2領域R2を形成することにより、装着部材20を用いずに検査品10を回転させることができる。
【符号の説明】
【0074】
100…検査システム、10…検査品、20…装着部材、30…搬送装置、31…載置部、33…抵抗付与部、40…検査部、50…装着部材本体、R1…第1領域、R2…第2領域、R3…第3領域、R4…第4領域、L1…第1領域、L2…第2領域、L3…第3領域、L4…第4領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の搬送を行う搬送システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
物品は、ベルトコンベヤ等の搬送装置を用い流れ作業により生産されることが多い。ここで、物品の出荷時などに、物品の表面に傷等が形成されていないかどうかの検査が行われることがあるが、検査を行う毎に物品の搬送を停止させると、生産効率の低下を招いてしまう。このため、物品が搬送されている際に検査を行うことが望ましくなる。
【0003】
ここで、びんをベルトコンベヤで搬送する際、搬送方向の両側に設けられたコンベヤガイドとびんとの摩擦力によってびんに回転を与え、びんの全周に亘ってスリキズ検査を行う回転機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−88259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、センサ等を用いて物品における複数の箇所を検査する場合、この複数の箇所の各々をセンサに対向させるために物品を回転させる必要が生じる場合がある。かかる場合、モータなどを用いることで物品の回転が可能となるが、この場合、コスト高となったり構造が複雑化したりするおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明に適用される搬送システムは、物品と、物品を搬送する搬送装置と、を備え、搬送装置は、予め定められた搬送経路に沿って物品を搬送する搬送手段と、搬送経路の側方に配置され、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触し物品に対し抗力を付与する上流側抗力付与部と、搬送経路の側方に配置されるとともに物品の搬送方向において上流側抗力付与部よりも下流側に配置され、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触し物品に対し抗力を付与する下流側抗力付与部と、を備え、物品は、物品本体部と、上流側抗力付与部に接触した際に上流側抗力付与部から付与される抗力を用いて物品本体部を周方向に回転させる第1の領域と、物品本体部の周方向への回転に伴い上流側抗力付与部に接触し物品本体部を上流側抗力付与部に対し滑らせるとともに、物品本体部の搬送に伴い下流側抗力付与部に接触した際に下流側抗力付与部から付与される抗力を用いて物品本体部を周方向に回転させる第2の領域と、を備えることを特徴とする搬送システムである。
【0007】
ここで、物品は、物品本体部の周方向への回転に伴い下流側抗力付与部に接触し物品本体部を下流側抗力付与部に対し滑らせる第3の領域を更に備えることを特徴とすることができる。また、物品の第1の領域は、物品本体部の周方向への回転に伴い下流側抗力付与部に接触した際に物品本体部を下流側抗力付与部に対し滑らせることを特徴とすることができる。また、物品は、所定の検査が行われる検査対象物と、検査対象物に装着された装着部材とからから構成され、第1の領域および第2の領域は、装着部材の外周面に形成されていることを特徴とすることができる。
【0008】
また、本発明を搬送装置として捉えると、本発明に適用される搬送装置は、表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる第1の領域および第2の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する上流側接触部を有し、物品の第1の領域が上流側接触部に接触した場合に上流側接触部から第1の領域に抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の第2の領域が上流側接触部に接触した際に第2の領域を上流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、上流側接触部よりも物品の搬送方向下流側に配置され搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する下流側接触部を有し、第1の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の第2の領域に対し下流側接触部から抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の第1の領域が下流側接触部に接触した際に第1の領域を下流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、を備えることを特徴とする搬送装置である。
【0009】
また、本発明に適用される搬送装置は、表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる複数の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する上流側接触部を有し、物品の外周面に形成された第1の領域が上流側接触部に接触した場合に上流側接触部から第1の領域に抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の外周面に形成された第2の領域が上流側接触部に接触した際に第2の領域を上流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、上流側接触部よりも物品の搬送方向下流側に配置され搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する下流側接触部を有し、第1の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の第2の領域に対し下流側接触部から抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の外周面に形成された第3の領域が下流側接触部に接触した際に第3の領域を下流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、を備えることを特徴とする搬送装置である。
【0010】
ここで、上流側接触部および下流側接触部は、搬送経路の側方に設けられるとともに搬送経路が設けられた側と対峙する対峙面を有し、対峙面を物品の外周面に接触させ、対峙面は、曲率を有し搬送経路が設けられた側に向かって膨らむように形成されていることを特徴とすることができる。また、搬送手段は、傾斜して配置され物品を下方から支持する支持面を有し、上流側接触部と物品との接触、および、下流側接触部と物品との接触は、傾斜して配置された支持面により物品が誘導されることで行われることを特徴とすることができる。また、上流側接触部および下流側接触部は、搬送経路の一方側および他方側のうちの当該一方側に設けられ、搬送手段は、物品を下方から支持する支持面上に、回転軸を中心に回転可能に設けられ且つ回転軸と直交する仮想線が一方側に向かうように配置された回転ローラを複数有し、上流側接触部と物品との接触、および、下流側接触部と物品との接触は、回転ローラにより物品が誘導されることで行われることを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明を物品として捉えると、本発明に適用される物品は、搬送経路を搬送される搬送物の外周面に接触する上流側接触部と上流側接触部よりも搬送物の搬送方向下流側に配置され搬送物の外周面に接触する下流側接触部とを有する搬送装置にて搬送可能な物品であって、外周面を有した物品本体部と、物品本体部の外周面に形成された第1の領域と、物品本体部の外周面に形成されるとともに物品本体部の周方向において第1の領域とは異なる位置に配置され、第1の領域とは表面性状が異なる第2の領域と、を有し、第1の領域は、上流側接触部に接触した際に上流側接触部から付与される抗力を用いて物品本体部を周方向に回転させ、第2の領域は、物品本体部の周方向への回転に伴い上流側接触部に接触し物品本体部を上流側接触部に対し滑らせるとともに、物品本体部の移動に伴い下流側接触部に接触した際に下流側接触部から付与される抗力を用いて物品本体部を周方向に回転させることを特徴とする物品である。
【0012】
ここで、物品は、物品本体部の周方向への回転に伴い下流側接触部に接触し物品本体部を下流側接触部に対し滑らせる第3の領域を更に備えることを特徴とすることができる。また、第1の領域は、物品本体部の周方向への回転に伴い下流側接触部に接触し物品本体部を下流側接触部に対し滑らせることを特徴とすることができる。
【0013】
また、本発明を検査システムとして捉えると、本発明に適用される検査システムは、物品と、物品を搬送する搬送装置と、搬送装置により搬送される物品を検査する検査部と、を備え、搬送装置は、予め定められた搬送経路に沿って物品を搬送する搬送手段と、搬送経路の側方に配置され、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触し物品に対し抗力を付与する上流側抗力付与部と、搬送経路の側方に配置されるとともに物品の搬送方向において上流側抗力付与部よりも下流側に配置され、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触し物品に対し抗力を付与する下流側抗力付与部と、を備え、物品は、物品本体部と、上流側抗力付与部に接触した際に上流側抗力付与部から付与される抗力を用いて物品本体部を周方向に回転させる第1の領域と、物品本体部の周方向への回転に伴い上流側抗力付与部に接触し物品本体部を上流側抗力付与部に対し滑らせるとともに、物品本体部の搬送に伴い下流側抗力付与部に接触した際に下流側抗力付与部から付与される抗力を用いて物品本体部を周方向に回転させる第2の領域と、を備えることを特徴とする検査システムである。
【0014】
また、物品は、検査部による検査が行われる検査対象物と、検査対象物に装着された装着部材とから構成され、第1の領域および第2の領域は、装着部材の外周面に形成されていることを特徴とすることができる。
【0015】
また、本発明を検査装置として捉えると、本発明に適用される検査装置は、表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる第1の領域および第2の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する上流側接触部を有し、物品の第1の領域が上流側接触部に接触した場合に上流側接触部から第1の領域に抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の第2の領域が上流側接触部に接触した際に第2の領域を上流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、上流側接触部よりも物品の搬送方向下流側に配置され搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する下流側接触部を有し、第1の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の第2の領域に対し下流側接触部から抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の第1の領域が下流側接触部に接触した際に第1の領域を下流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、第1の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の検査を行う第1の検査部と、第2の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の検査を行う第2の検査部と、を備える検査装置である。
【0016】
また、本発明を検査装置として捉えると、本発明に適用される検査装置は、表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる複数の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する上流側接触部を有し、物品の外周面に形成された第1の領域が上流側接触部に接触した場合に上流側接触部から第1の領域に抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の外周面に形成された第2の領域が上流側接触部に接触した際に第2の領域を上流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、上流側接触部よりも物品の搬送方向下流側に配置され搬送経路を搬送される物品の外周面に接触する下流側接触部を有し、第1の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の第2の領域に対し下流側接触部から抗力を与え物品を周方向に回転させ、回転に伴い物品の外周面に形成された第3の領域が下流側接触部に接触した際に第3の領域を下流側接触部に対して滑らせ回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、第1の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の検査を行う第1の検査部と、第2の回転/回転停止手段により回転が停止された物品の検査を行う第2の検査部と、を備える検査装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、物品の向きを簡易な構成で変更することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】検査システムの概略構成を示した図である。
【図2】装着部材を説明するための図である。
【図3】搬送装置を説明するための図である。
【図4】搬送装置を説明するための図である。
【図5】搬送装置における装着部材の動作を説明するための図である。
【図6】搬送装置における装着部材の動作を説明するための図である。
【図7】搬送装置の他の一形態を示した図である。
【図8】装着部材の他の一形態について説明するための図である。
【図9】装着部材の他の一形態について説明するための図である。
【図10】装着部材を説明するための図である。
【図11】搬送装置を説明するための図である。
【図12】搬送装置における装着部材の動作を説明するための図である。
【図13】搬送装置における装着部材の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
−第1の実施形態−
図1は、本実施形態に係る検査システム100の概略構成を示した図である。
検査システム100は、電子部品などの検査品10(検査対象物の一例)と、検査品10に装着される装着部材20と、装着部材20を搬送する搬送装置30と、検査品10を検査する検査部40とを有している。
【0020】
搬送装置30は、装着部材20が載せられるとともにこの装着部材20を搬送する載置部31(搬送手段の一例)と、装着部材20の搬送を案内するガイド部32と、ガイド部32に設けられるとともに装着部材20の外周面に接触しこの外周面に摺動抵抗(摩擦抵抗)を付与する抵抗付与部33とを備えている。検査部40は、検査品10の表面状態を画像データとして出力するCCDカメラSを備えている。また、検査部40は、処理部41を備えている。この処理部41は、CCDカメラSから出力された画像データから検査品10における傷の有無を判断するとともに、傷が存在する場合に、検査品10の移動経路上に設けられた搬送路切り替え部材(不図示)を駆動する。これにより、傷を有する検査品10は、メインの搬送路から外れ所定の集積箇所(不図示)に集積される。なお本実施形態では、検査品10における傷の有無を判断したが、これは一例であり、文字、図柄などの印字位置が適正であるか否かなどの判断を行うこともできる。
【0021】
ここで、検査システム100は、例えば、図1に示すように、温度調節装置A1によって室内の温度が一定になるように温度管理が行われた検査室Ro1において設置される。また、装着部材20の搬送方向の上流側には、装着部材20が搬送装置30の載置部31へ投入される投入部(不図示)が設けられている。そして、投入部より投入された装着部材20は、載置部31上を上流側から下流側へと移動する。また、本実施形態では、上記のとおり、CCDカメラSが設けられており、このCCDカメラSは、装着部材20の搬送方向に沿って設けられている。付言すると、装着部材20の搬送方向における異なる位置に複数のCCDカメラSが設けられている。ここで検査品10の表面状態は、上記のとおり、画像データとしてCCDカメラSから処理部41へ出力され、処理部41にて検査品10における傷の有無が判断される。尚、本明細書では、装着部材20の搬送方向の上流側を奥側(後方側)と称し、下流側を手前側(前方側)と称する場合がある。また、搬送方向(装着部材20が移動する方向)に直交する方向を左右方向、幅方向と称する場合がある。
【0022】
次に、装着部材20について説明する。
図2は、装着部材20を説明するための図である。尚、同図(A)は装着部材20を一方側から図示したものであり、同図(B)は、装着部材20を他方側から図示したものである。また、同図(C)は同図(A)のS部における断面を示し、同図(D)は同図(A)のT部における断面を示している。
【0023】
同図に示す装着部材20は、円柱状部材により構成され、上面に検査品10に装着される装着部21が設けられている。また、本実施形態における装着部材20は、同図(A)および(B)に示すように、外周面(外周縁)に、周方向における位置が互いに異なる第1領域R1および第2領域R2を有している。ここで、第1領域R1および第2領域R2は、表面状態が異なるように形成されている。また、装着部材20の周方向において、第1領域R1および第2領域R2の各々の長さは、装着部材20の周長の約1/2となっている。
【0024】
また本実施形態における装着部材20は、上面に、上述した装着部21を備える。ここで装着部21は、装着部材20の内方側に凹む穴として形成されている。また、装着部21は、検査品10の断面形状に倣った形状を有しており、装着部材20を上面から眺めた場合の形状が略長方形となっている。なお本実施形態では、この装着部21を境にした一方の領域側に上記第1領域R1が形成され、他方の領域側に上記第2領域R2が形成されている。
【0025】
ここで、同図(C)を参照し、第1領域R1の表面状態について詳細に説明する。
同図(C)に示すように、第1領域R1には、装着部材本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面にクレーター状の凹凸を有したトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0026】
ここで、インキ層51には、色材としての顔料が含まれている。この顔料としては、各種の有機顔料や無機顔料が用いることができる。また、インキのビヒクルは、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分としている。ここで熱硬化性樹脂としては、アルキッド型又はポリエステル型の樹脂等が用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としては、紫外線ラジカル重合型、紫外線カチオン重合型の樹脂等が用いられる。さらに、インキには添加剤が含有されていても良い。添加剤としては、艶消し剤、ワックス類(天然系、石油系、合成系)、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、消泡剤、光重合開始剤等が用いられる。
【0027】
また、インキ層51は、いわゆるはじきインキにより形成されている。即ち、インキ層51は、このインキ層51の表面にトップコート層52を形成する塗料が塗られた場合にこの塗料をはじくインキにより形成されている。ここでトップコート層52における上記凹凸は、トップコート層52を形成する塗料がこのインキ層51によりはじかれることにより形成されたものである。ここで本実施形態では、色材を用い第1領域R1に着色したが、色材を用いず無着色とすることも当然できる。
【0028】
尚、トップコート層52を形成する塗料をインキ層51によりはじくためには(上記凹凸を形成するためには)、インキ層51の形成に用いるインキの表面張力を、トップコート層52の形成に用いる塗料の表面張力よりも5mN/m以上低く設定することが望ましい。換言すると、インキの表面張力が塗料の表面張力よりも低く、且つ、インキと塗料との間の表面張力の差が5mN/m以上であることが望ましい。ここでインキの表面張力の低下は、例えば、通常のインキにシリコーンを添加することにより行うことができる。
【0029】
一方、トップコート層52に用いる塗料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分とするものであり、必要に応じてワックス成分を含有している。熱硬化性樹脂としては、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂(例:ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂等が用いられる。
【0030】
さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との組成物を用いても良い。この場合、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。また、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の公知の酸触媒が添加されていても良い。酸触媒を用いる場合は、酸触媒は樹脂に対して0.5〜1質量%添加するのが望ましい。また、これらの樹脂のうち、特に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と飽和ポリエステル樹脂との組成物や、熱硬化性アクリル樹脂とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂との組成物を用いることが塗膜性能面で望ましい。
【0031】
一方、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン硬化型樹脂、ラジカル硬化型樹脂等が用いられる。カチオン硬化型樹脂としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒との組成物等が用いられる。
【0032】
また、トップコート層52に用いる塗料において、上記の樹脂に架橋剤や増感剤を必要に応じて添加しても良い。架橋剤としては、種々のポリオール類(例:ε−カプロラクトントリオール)等が用いられる。増感剤としては、チオキサントン誘導体等が用いられる。さらに、トップコート層52に用いる塗料に、滑りを補うために、ワックス成分として天然系、石油系、合成系のワックス剤を単独で又は複合して添加しても良い。さらに、トップコート層52の表面のレベリング剤として、あるいは/更に、塗料状態での安定性を高めるためや初期滑り性をトップコート層52に付与するために、各種のシリコーンオイルを添加しても良い。
【0033】
尚、インキ層51およびトップコート層52の組成等の一例を挙げると以下のようになる。
[トップコート層52]
樹脂成分:ポリエステル30%、アクリル13%、アミノ55%、エポキシ2%
ワックス:石油系0.3%、天然系1%、合成系0.2%(樹脂成分に対し)
シリコーンオイル(混合):0.15%(樹脂成分に対し)
表面張力:33mN/m
厚さ:5μm
[インキ層51](はじきインキ)
主樹脂:アルキッド樹脂
顔料:TiO2
表面張力:28mN/m
厚さ:2μm
【0034】
尚、上記は、第1領域R1の形成方法の一例を説明したものであり、例えば特開2002−361172号公報に開示されている技術を用いて第1領域R1を形成してもよい。即ち、トップコート層52を形成する塗料をインキ層51の表面で斑状に凝集させることで凹凸を形成し第1領域R1を形成してもよい。また第1領域R1のクレーター状の凹凸は、発泡剤を含有したいわゆる発泡インキを用いてインキ層51を形成することにより形成することができる。なお、本実施形態にて塗布材料により生じさせる上記第1領域R1の凹凸は、最大深さで3〜10μm程度のオーダーであり、通常のコーティング塗料では、深さ1μm程度或いはそれ未満の程度の平滑面を第2領域R2と言っている。
【0035】
次いで、同図(D)を参照し第2領域R2の表面状態について説明する。
同図(D)に示すように第2領域R2には、上記と同様、容器本体50の表面に、インキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面に、上記第1領域R1におけるトップコート層52よりも表面が平滑に形成されたトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0036】
ここで第2領域R2におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料をはじかないインキ(通常インキ)を用いて形成している。付言すれば、インキ層51を形成するインキは、表面張力がトップコート層52を形成する塗料の表面張力と等しいか又はそれよりも高いインキが用いられている。このため第2領域R2では、トップコート層52を形成する塗料がはじかれず、トップコート層52の表面は、第1領域R1におけるトップコート層52に比べ平滑となる。ここで、インキ層51を形成するインキの基本的な組成等は上記と同様である。トップコート層52を形成する塗料の基本的な組成等は上記と同様である。尚、本実施形態では、第2領域R2における表面粗さRa(算術平均粗さRa)は0.17μmとなっている。また、上記第1領域R1における表面粗さRaは1.42μmとなっている。
【0037】
次に、搬送装置30について詳細に説明する。
図3および図4は、搬送装置30を説明するための図である。尚、図3(A)は搬送装置30の上面図である。また、図3(B)は搬送装置30の側面図である。また、図3(C)は搬送装置30の正面図である。また、図4(A)は、図3(A)のA−A線における搬送装置30の断面図である。また、図4(B)は、図3(A)のB−B線における搬送装置30の断面図である。
【0038】
本実施形態における搬送装置30のガイド部32は、装着部材20の搬送経路の両側に沿って設けられている。このガイド部32は、装着部材20の搬送経路の一方の側(図3(A)の左側)に左ガイド32Aを有し、装着部材20の搬送経路の他方の側(同図(A)の右側)に右ガイド32Bを有している。ここで、ガイド部32は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料などにより形成される。また、本実施形態では、左ガイド32Aに後述する抵抗付与部33が設けられている。尚、本実施形態では、左ガイド32Aおよび右ガイド32Bが設けられ装着部材20の搬送経路の両側にガイド部32が設けられた構成となっているが、右ガイド32Bは省略することもできる。
【0039】
載置部31は、搬送装置30の左右方向(幅方向)において傾斜して配置されている。詳細には、左ガイド32A側の方が右ガイド32B側よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。さらに説明すると、載置部31(載置面31A)と左右方向の水平面とが角度θBをなすように、左ガイド32A側の方が右ガイド32B側よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。
【0040】
載置部31は、装着部材20が置かれる側の面である載置面31A(支持面の一例)に、搬送装置30の幅方向に並列配置された第1ローラ列311、第2ローラ列312を有している。ここで、第1ローラ列311は左ガイド32A側に設けられ、第2ローラ列312は右ガイド32B側に設けられている。なお、各ローラ列は、装着部材20の投入部から前方にかけて並んで配置された複数のロール状部材314を有している。ここで、第1ローラ列311および第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、モータMにより回転され、装着部材20を円滑に移動させる。
【0041】
次に、抵抗付与部33について説明する。
本実施形態では、上述したように、左ガイド32Aに、接触する装着部材20の外周面に対して摺動抵抗(摩擦抵抗、抗力)を付与する抵抗付与部33が設けられている。この抵抗付与部33は、図1および図3に示すように、装着部材20の搬送経路に沿って設けられている。また、抵抗付与部33は、図3および図4に示すように、装着部材20の搬送経路に沿って設けられるとともに左ガイド32Aに形成された溝に埋め込まれた円柱状の基材33Aと、この基材33Aの外表面に貼付された貼付部材33Bとから構成されている。尚、抵抗付与部33の断面は円形である方が好ましい。付言すると、抵抗付与部33のうち装着部材20と接触する部位(対峙面)は、曲率を有し搬送経路が設けられた側に向かって膨らむように形成されていることが望ましい。搬送経路を搬送される装着部材20が上下方向や左右方向に動いたとしても、抵抗付与部33と装着部材20との接触面積が一定となりやすいためである。
【0042】
なお本実施形態における基材33Aは、アルミニウムにより形成されている。また本実施形態における基材33Aには、粗面化処理の一例としてのブラスト処理が施され、基材33Aの表面には微細な凹凸が形成されている。ここで本実施形態における基材33Aの表面粗さRa(算術平均粗さRa)は、1.08μmとなっている。なお、基材33Aは、Cu(銅)、Fe(鉄)などの他の金属材料や、HIS(ハイインパクトポリスチレン)、ABS(アクリルニトリルブタジェンスチレン)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)などの樹脂材料により構成することもできる。また本実施形態における貼付部材33Bには、基材33Aの表面よりも表面が平滑に形成された市販のビニールテープ(より具体的は塩化ビニルにより構成されたテープ)を使用している。なお、塩化ビニル以外の材料により構成されたビニールテープや、EPDMなどのゴム部材を貼付することもできる。
【0043】
また本実施形態では、基材33Aの長手方向における全域に対し貼付部材33Bが貼付されておらず、基材33Aの一部の領域に対し貼付部材33Bが貼付されている。より具体的は、図3および図4に示すように、基材33Aのうち装着部材20の搬送方向における下流側における部位に対し貼付部材33Bが貼付されている。このため、本実施形態における抵抗付与部33には、装着部材20の搬送方向上流側から搬送方向下流側に向かって順に、基材33Aが露出した第1領域L1(上流側抗力付与部および上流側接触部の一例)、貼付部材33Bが貼付された第2領域L2(下流側抗力付与部および下流側接触部の一例)が形成されている。ここで、第1領域L1、第2領域L2の各々の長さはほぼ等しくなっている。なお上記では、円柱状の基材33Aを左ガイド32Aの溝に埋め込んだ例を説明したが、半円状の基材33Aを左ガイド32Aの表面に貼付することもできる。
【0044】
また本実施形態では、上記のとおり、検査品10の表面状態を画像データとして出力するCCDカメラSが設けられている(図1参照)。より具体的に説明すると、本実施形態では、図3に示すように、第1CCDカメラS1(第1の検査部の一例)および第2CCDカメラS2(第2の検査部の一例)の2つのカメラが設けられている。ここで本実施形態では、第1領域L1の下流側近傍に第1CCDカメラS1が配置され、第2領域L2の下流側近傍に第2CCDカメラS2が配置されている。
【0045】
次に、搬送装置30における装着部材20の動作について説明する。
図5および図6は、搬送装置30における装着部材20の動作を説明するための図である。尚、図5および図6では、第1ローラ列311、第2ローラ列312(図3参照)の図示を省略している。
【0046】
搬送装置30の投入部(不図示)より検査品10が装着された装着部材20が投入されると、傾斜が付与された載置面31Aにより誘導され、装着部材20は左ガイド32A側且つ前方に向かって移動する。これにより装着部材20は左ガイド32Aに接触するようになる。そしてこの装着部材20は左ガイド32A(抵抗付与部33)によって案内されながら前方に向かって移動する(符号5A参照)。そしてこの際、検査品10の一方の面11bが左ガイド32A側を向き、装着部材20の第1領域R1が抵抗付与部33の第1領域L1に接触する状態にあると、第1領域R1と第1領域L1との間における滑りが抑制される(第1領域R1に抗力が付与される)。これにより装着部材20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号5A参照)。
【0047】
そして符号5Bに示すように、第2領域R2が第1領域L1に接触する状態となると、第2領域R2と第1領域L1との間で滑りが生じ、装着部材20は回転を停止する。これにより、検査品10の他方の面11aが、左ガイド32A側を向く。その後、装着部材20は、抵抗付与部33により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。そして、第1領域L1の下流側にて、検査品10の他方の面11aが第1CCDカメラS1により撮影される。
【0048】
そして、符号5Cに示すように、装着部材20が第2領域L2に接触すると、装着部材20の第2領域R2と第2領域L2との間における滑りが抑制され(第2領域R2に抗力が付与され)、装着部材20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号5C参照)。その後、符号5Dに示すように、第1領域R1が第2領域L2に接触する状態となると、第1領域R1と第2領域L2との間で滑りが生じ、装着部材20は回転を停止する。
【0049】
これにより、検査品10の上記一方の面11bが、左ガイド32A側を向く。その後、装着部材20は抵抗付与部33により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。そして、第2領域L2の下流側にて、検査品10の上記一方の面11bが第2CCDカメラS2により撮影される。その後、装着部材20は、更に前方に向かって移動し、次の検査工程(不図示)に搬送される。
【0050】
なお上記では、一方の面11bが左ガイド32A側を向いた状態で装着部材20が投入された場合(図5の符号5A参照)の動作について説明した。ところで、図6(搬送装置30における装着部材20の他の動作例を示した図)の符号6Aに示すように、上記他方の面11aが左ガイド32A側を向いた状態で装着部材20が投入される場合がある。この場合には、装着部材20の第2領域R2と抵抗付与部33の第1領域L1とが接触することとなり、装着部材20は回転をせずに第2領域L2まで移動していく(符号6A、6B参照)。そして、第1領域L1の下流側にて、他方の面11aが第1CCDカメラS1により撮影される。なおその後は、上記と同様の動作が行われる。即ち、装着部材20の回転がまず行われ(符号6C参照)、次いで装着部材20の回転が停止される(符号6D参照)。そして、第2領域L2の下流側にて、上記一方の面11bが第2CCDカメラS2により撮影される。
【0051】
ここで、凹凸が形成された第1領域R1が、貼付部材33Bが貼付された第2領域L2に接触した場合(例えば、図5の符号5Dの状態を参照)、第1領域R1と貼付部材33Bとは点接触に近い状態で接触する。詳細には、貼付部材33Bの表面が平滑に形成され、第1領域R1には凹凸が形成されているため、第1領域R1と貼付部材33Bとは点接触に近い状態で接触する。さらに説明すると、第1領域R1には凹凸が形成されているために、第1領域R1と貼付部材33Bとの接触面積が小さい状態となる。このため、第1領域R1と貼付部材33B(第2領域L2)とが接触した際には、上記のような滑りが生じやすくなる。
【0052】
また、凹凸が形成された第1領域R1が、基材33Aのみで形成された第1領域L1に接触した場合(例えば、図5の符号5Aの状態を参照)、第1領域R1と基材33Aとの間で噛み合いが生じる。詳細には、第1領域R1には凹凸が形成され、ブラスト処理により基材33Aにも凹凸が形成されているため、第1領域R1と基材33Aとの間で噛み合いが生じる。このため、第1領域R1と基材33A(第1領域L1)とが接触した際には、上記のような回転が生じやすくなる。
【0053】
また表面が平滑に形成された第2領域R2が、貼付部材33Bが貼付された第2領域L2に接触した場合(例えば、図5の符号5Cの状態を参照)、第2領域R2と貼付部材33Bとは面接触に近い状態で接触する。詳細には、貼付部材33Bの表面が平滑に形成され、第2領域R2も表面が平滑に形成されているため、第2領域R2と貼付部材33Bとは面接触に近い状態で接触する。さらに説明すると、貼付部材33Bの表面が平滑に形成され、第2領域R2も表面が平滑に形成されているため、第2領域R2と貼付部材33Bとの接触面積が大きい状態となる。このため、第2領域R2と貼付部材33B(第2領域L2)とが接触した際には、上記のような回転が生じやすくなる。
【0054】
また表面が平滑に形成された第2領域R2が、基材33Aのみで形成された第1領域L1に接触した場合(例えば、図5の符号5Bの状態を参照)、第2領域R2と基材33Aとは点接触に近い状態で接触する。詳細には、第2領域R2の表面が平滑に形成され、基材33Aには凹凸が形成されているため、第2領域R2と基材33Aとは点接触に近い状態で接触する。さらに説明すると、基材33Aには凹凸が形成されているために、第2領域R2と基材33Aとの接触面積が小さい状態となる。このため、第2領域R2と基材33A(第1領域L1)とが接触した際には、上記のような滑りが生じやすくなる。
【0055】
ところで、上記搬送装置30では、載置部31に対し搬送装置30の幅方向(左右方向)における傾斜を付与することで、装着部材20を抵抗付与部33に接触させたが、ロール状部材314を利用して装着部材20を抵抗付与部33に接触させることができる。
【0056】
図7は、搬送装置30の他の一形態を示した図である。
本図における搬送装置30では、搬送装置30の幅方向における傾斜は付与されていない。また本実施形態における搬送装置30では、載置面31Aに設けられた複数のロール状部材314が、搬送装置30の前後方向に対し傾斜して配置されている。
【0057】
より詳細に説明すると、ロール状部材314の回転軸と直交する仮想線(符号7A参照)を想定した場合に、ロール状部材314の各々は、この仮想線が搬送装置30の前後方向と交差するように傾斜して配置されている。付言するとロール状部材314の各々は、上記仮想線が搬送装置30の前後方向に対して傾斜するように配置されている。さらに説明すると、ロール状部材314の各々は、上記仮想線が向かう方向が左ガイド32A側(抵抗付与部33が設けられた側)となるように傾斜して配置されている。このため、図7に示した搬送装置30では、装着部材20は、搬送装置30の前方に向かって移動しようとするものの傾斜して配置されたロール状部材314によって抵抗付与部33へ向かうこととなる。付言すれば、図7で示す搬送装置30では、抵抗付与部33と装着部材20との接触は、ロール状部材314により装着部材20が誘導されることで行われる。
【0058】
また上記では、装着部材20の外周面に塗布される塗布材料により第1領域R1および第2領域R2を形成したが、装着部材20の外周面にシール部材またはテープ部材を貼付することにより、第1領域R1および第2領域R2を形成することができる。
【0059】
図8および図9は、装着部材20の他の一形態について説明するための図である。尚、図8(A)はシール部材が貼付された装着部材20を一方側から図示したものであり、同図(B)は、装着部材20を他方側から図示したものである。また、図9(A)はテープ部材が貼付された装着部材20を一方側から図示したものであり、同図(B)は、装着部材20を他方側から図示したものである。
【0060】
図8に示す装着部材20は、外周面が全て上記第2領域R2により形成されている。また、本実施形態では、装着部材20の外周面に、上記第1領域R1が印刷等により形成されたシール部材22を貼付している。ここで、装着部材20の周方向におけるシール部材22の長さは装着部材20の周長の約1/2である。
【0061】
また、図9のように、上記第1領域R1および第2領域R2が印刷等により形成されたテープ部材23を装着部材20に貼り付けることで、装着部材20の塗装状況に関係無く、第1領域R1および第2領域R2を装着部材20の外周面に付与可能となる。ここで、第1領域R1および第2領域R2の各々の長さ(テープ部材23の長手方向における長さ)は、テープ部材23の全長の約1/2となっている。
【0062】
−第2の実施形態−
第1の実施形態では、検査品10に設けられた複数の面のうちの2つの面を検査する場合を説明したが、本実施形態では、4つの面を検査する場合について説明する。
【0063】
図10は、装着部材20を説明するための図である。尚、同図(A)は装着部材20を一方側から図示したものであり、同図(B)は、装着部材20を他方側から図示したものである。本実施形態における装着部材20は、同図(A)および(B)に示すように、外周面に、第1の実施形態にて説明した第1領域R1、第2領域R2を有している。また、本実施形態における装着部材20は、さらに、第3領域R3、第4領域R4を有している。ここでこれらの領域は、装着部材20の周方向において、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4の順に設けられている。なお、第1領域R1の表面状態および第3領域R3の表面状態は同様に構成されている。また、第2領域R2の表面状態および第4領域R4の表面状態は同様に構成されている。また、装着部材20の周方向における各領域の長さは装着部材20の周長の約1/4である。
【0064】
また、本実施形態では、装着部21を境にした一方の領域側に第1領域R1が形成され、他方の領域側に第3領域R3が形成されている。また第1領域R1と第3領域R3との間に第2領域R2が形成されている。また、この第2領域R2とは反対側に位置する箇所に第4領域R4が形成されている。
【0065】
次に、搬送装置30について説明する。
図11は、本実施形態における搬送装置30を説明するための図であり、搬送装置30の上面図である。尚、本実施形態の搬送装置30は、抵抗付与部33を除いて第1の実施形態における搬送装置30と同様の構成を有している。このため、以下では、抵抗付与部33の説明を中心に行い、抵抗付与部33以外の構成についての説明は省略する。
【0066】
本実施形態における抵抗付与部33は、上記と同様、装着部材20の搬送経路に沿って設けられるとともに左ガイド32Aに形成された溝に埋め込まれた円柱状の基材33Aと、この基材33Aの外表面に貼付された貼付部材33Bとから構成されている。ここで、本実施形態における抵抗付与部33は、装着部材20の搬送方向上流側から搬送方向下流側に向かって順に、上記基材33Aが露出した第1領域L1、上記貼付部材33Bが貼付された第2領域L2、上記基材33Aが露出した第3領域L3、上記貼付部材33Bが貼付された第4領域L4を有している。ここで、第1領域L1〜第4領域L4の各々の長さはほぼ等しくなっている。また、本実施形態では、第1領域L1の下流側近傍に第1CCDカメラS1、第2領域L2の下流側近傍に第2CCDカメラS2、第3領域L3の下流側近傍に第3CCDカメラS3、第4領域L4の下流側近傍に第4CCDカメラS4、がそれぞれ設置されている。
【0067】
次に、搬送装置30における装着部材20の動作について説明する。
図12および図13は、搬送装置30における装着部材20の動作を説明するための図である。尚、図12および図13では、第1ローラ列311、第2ローラ列312等の図示を省略している。
【0068】
搬送装置30の投入部より検査品10が装着された装着部材20が投入されると、この装着部材20は左ガイド32A(抵抗付与部33)によって案内されながら前方に向かって移動する(符号12A参照)。そしてこの際、例えば第1領域R1が抵抗付与部33の第1領域L1に接触する状態にあると、装着部材20は時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号12A参照)。そして、第4領域R4が第1領域L1に接触する状態となると、装着部材20は回転を停止する(符号12B参照)。これにより、検査品10に形成された4つの面のうちの第1面11eが左ガイド32A側を向く。そして、第1領域L1の下流側にて、この第1面11eが第1CCDカメラS1により撮影される。
【0069】
そして、第4領域R4が第2領域L2に接触すると、装着部材20は時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号12C参照)。その後、第3領域R3が第2領域L2に接触する状態となると、装着部材20は回転を停止する(符号12D参照)。これにより、上記4つの面のうちの第2面11fが、左ガイド32A側を向く。そして、第2領域L2の下流側にて、この第2面11fが第2CCDカメラS2により撮影される。
【0070】
その後、第3領域R3が抵抗付与部33の第3領域L3に接触すると、装着部材20は時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号12E参照)。そして、第2領域R2が第3領域L3に接触する状態となると、装着部材20は回転を停止する(符号12F参照)。これにより、上記4つの面のうちの第3面11gが左ガイド32A側を向く。そして、第3領域L3の下流側にて、この第3面11gが第3CCDカメラS3により撮影される。
【0071】
また、第2領域R2が第4領域L4に接触すると、装着部材20は時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号12G参照)。その後、第1領域R1が第4領域L4に接触する状態となると、装着部材20は回転を停止する(符号12H参照)。これにより、上記4つの面のうちの第4面11hが左ガイド32A側を向く。そして、第4領域L4の下流側にて、この第4面11hが第4CCDカメラS4により撮影される。その後、装着部材20は、更に前方に向かって移動し、次の検査工程(不図示)に搬送される。
【0072】
尚、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、モータM(図3参照)により回転駆動されるロール状部材314を用いて検査品10および装着部材20の搬送を行ったが、装着部材20の搬送方向下流側に向かうに従い下る傾斜を載置部31に付与し、この傾斜を利用して検査品10および装着部材20を搬送することもできる。また、第2ローラ列312(図3参照)に含まれるロール状部材314を回転できないように固定することができる。このような固定をした場合、装着部材20に対し回転を抑える抗力が付与され、装着部材20の過度の回転が抑制される。また、上記実施形態において、第1ローラ列311と第2ローラ列312とを同速度で回転させるのではなく、第1ローラ列311より第2ローラ列312を若干遅く回転させることにより、装着部材20の過度の回転を抑制することができる。
【0073】
尚、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、装着部材20を用いて検査品10を回転させる場合を説明したが、検査品10の外周面に上記第1領域R1や上記第2領域R2を形成することにより、装着部材20を用いずに検査品10を回転させることができる。
【符号の説明】
【0074】
100…検査システム、10…検査品、20…装着部材、30…搬送装置、31…載置部、33…抵抗付与部、40…検査部、50…装着部材本体、R1…第1領域、R2…第2領域、R3…第3領域、R4…第4領域、L1…第1領域、L2…第2領域、L3…第3領域、L4…第4領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品と、
前記物品を搬送する搬送装置と、
を備え、
前記搬送装置は、
予め定められた搬送経路に沿って前記物品を搬送する搬送手段と、
前記搬送経路の側方に配置され、当該搬送経路を搬送される前記物品の外周面に接触し当該物品に対し抗力を付与する上流側抗力付与部と、
前記搬送経路の側方に配置されるとともに前記物品の搬送方向において前記上流側抗力付与部よりも下流側に配置され、当該搬送経路を搬送される当該物品の外周面に接触し当該物品に対し抗力を付与する下流側抗力付与部と、
を備え、
前記物品は、
物品本体部と、
前記上流側抗力付与部に接触した際に当該上流側抗力付与部から付与される前記抗力を用いて前記物品本体部を周方向に回転させる第1の領域と、
前記物品本体部の前記周方向への回転に伴い前記上流側抗力付与部に接触し当該物品本体部を当該上流側抗力付与部に対し滑らせるとともに、当該物品本体部の搬送に伴い前記下流側抗力付与部に接触した際に当該下流側抗力付与部から付与される前記抗力を用いて当該物品本体部を周方向に回転させる第2の領域と、
を備えることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記物品は、前記物品本体部の前記周方向への前記回転に伴い前記下流側抗力付与部に接触し当該物品本体部を当該下流側抗力付与部に対し滑らせる第3の領域を更に備えることを特徴とする請求項1記載の搬送システム。
【請求項3】
前記物品の前記第1の領域は、前記物品本体部の前記周方向への前記回転に伴い前記下流側抗力付与部に接触した際に当該物品本体部を当該下流側抗力付与部に対し滑らせることを特徴とする請求項1記載の搬送システム。
【請求項4】
前記物品は、所定の検査が行われる検査対象物と、当該検査対象物に装着された装着部材とからから構成され、
前記第1の領域および前記第2の領域は、前記装着部材の外周面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の搬送システム。
【請求項5】
表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる第1の領域および第2の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送経路を搬送される前記物品の前記外周面に接触する上流側接触部を有し、当該物品の前記第1の領域が当該上流側接触部に接触した場合に当該上流側接触部から当該第1の領域に抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の前記第2の領域が当該上流側接触部に接触した際に当該第2の領域を当該上流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、
前記上流側接触部よりも前記物品の搬送方向下流側に配置され前記搬送経路を搬送される当該物品の前記外周面に接触する下流側接触部を有し、前記第1の回転/回転停止手段により回転が停止された当該物品の前記第2の領域に対し当該下流側接触部から抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の前記第1の領域が当該下流側接触部に接触した際に当該第1の領域を当該下流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる複数の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送経路を搬送される前記物品の前記外周面に接触する上流側接触部を有し、当該物品の当該外周面に形成された第1の領域が当該上流側接触部に接触した場合に当該上流側接触部から当該第1の領域に抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の当該外周面に形成された第2の領域が当該上流側接触部に接触した際に当該第2の領域を当該上流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、
前記上流側接触部よりも前記物品の搬送方向下流側に配置され前記搬送経路を搬送される当該物品の前記外周面に接触する下流側接触部を有し、前記第1の回転/回転停止手段により回転が停止された当該物品の前記第2の領域に対し当該下流側接触部から抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の当該外周面に形成された第3の領域が当該下流側接触部に接触した際に当該第3の領域を当該下流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
前記上流側接触部および前記下流側接触部は、前記搬送経路の側方に設けられるとともに当該搬送経路が設けられた側と対峙する対峙面を有し、当該対峙面を前記物品の前記外周面に接触させ、
前記対峙面は、曲率を有し前記搬送経路が設けられた側に向かって膨らむように形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記搬送手段は、傾斜して配置され前記物品を下方から支持する支持面を有し、
前記上流側接触部と前記物品との接触、および、前記下流側接触部と当該物品との接触は、傾斜して配置された前記支持面により当該物品が誘導されることで行われることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の搬送装置。
【請求項9】
前記上流側接触部および前記下流側接触部は、前記搬送経路の一方側および他方側のうちの当該一方側に設けられ、
前記搬送手段は、前記物品を下方から支持する支持面上に、回転軸を中心に回転可能に設けられ且つ当該回転軸と直交する仮想線が前記一方側に向かうように配置された回転ローラを複数有し、
前記上流側接触部と前記物品との接触、および、前記下流側接触部と当該物品との接触は、前記回転ローラにより当該物品が誘導されることで行われることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の搬送装置。
【請求項10】
搬送経路を搬送される搬送物の外周面に接触する上流側接触部と当該上流側接触部よりも当該搬送物の搬送方向下流側に配置され当該搬送物の当該外周面に接触する下流側接触部とを有する搬送装置にて搬送可能な物品であって、
外周面を有した物品本体部と、
前記物品本体部の前記外周面に形成された第1の領域と、
前記物品本体部の前記外周面に形成されるとともに当該物品本体部の周方向において前記第1の領域とは異なる位置に配置され、当該第1の領域とは表面性状が異なる第2の領域と、
を有し、
前記第1の領域は、前記上流側接触部に接触した際に当該上流側接触部から付与される抗力を用いて前記物品本体部を周方向に回転させ、
前記第2の領域は、前記物品本体部の前記周方向への回転に伴い前記上流側接触部に接触し当該物品本体部を当該上流側接触部に対し滑らせるとともに、当該物品本体部の移動に伴い前記下流側接触部に接触した際に当該下流側接触部から付与される抗力を用いて当該物品本体部を周方向に回転させることを特徴とする物品。
【請求項11】
前記物品本体部の前記周方向への前記回転に伴い前記下流側接触部に接触し当該物品本体部を当該下流側接触部に対し滑らせる第3の領域を更に備えることを特徴とする請求項10記載の物品。
【請求項12】
前記第1の領域は、前記物品本体部の前記周方向への前記回転に伴い前記下流側接触部に接触し当該物品本体部を当該下流側接触部に対し滑らせることを特徴とする請求項10記載の物品。
【請求項13】
物品と、
前記物品を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置により搬送される前記物品を検査する検査部と、
を備え、
前記搬送装置は、
予め定められた搬送経路に沿って前記物品を搬送する搬送手段と、
前記搬送経路の側方に配置され、当該搬送経路を搬送される前記物品の外周面に接触し当該物品に対し抗力を付与する上流側抗力付与部と、
前記搬送経路の側方に配置されるとともに前記物品の搬送方向において前記上流側抗力付与部よりも下流側に配置され、当該搬送経路を搬送される当該物品の前記外周面に接触し当該物品に対し抗力を付与する下流側抗力付与部と、
を備え、
前記物品は、
物品本体部と、
前記上流側抗力付与部に接触した際に当該上流側抗力付与部から付与される前記抗力を用いて前記物品本体部を周方向に回転させる第1の領域と、
前記物品本体部の前記周方向への回転に伴い前記上流側抗力付与部に接触し当該物品本体部を当該上流側抗力付与部に対し滑らせるとともに、当該物品本体部の搬送に伴い前記下流側抗力付与部に接触した際に当該下流側抗力付与部から付与される前記抗力を用いて当該物品本体部を周方向に回転させる第2の領域と、
を備えることを特徴とする検査システム。
【請求項14】
前記物品は、前記検査部による検査が行われる検査対象物と、当該検査対象物に装着された装着部材とから構成され、
前記第1の領域および前記第2の領域は、前記装着部材の外周面に形成されていることを特徴とする請求項13記載の検査システム。
【請求項15】
表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる第1の領域および第2の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送経路を搬送される前記物品の前記外周面に接触する上流側接触部を有し、当該物品の前記第1の領域が当該上流側接触部に接触した場合に当該上流側接触部から当該第1の領域に抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の前記第2の領域が当該上流側接触部に接触した際に当該第2の領域を当該上流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、
前記上流側接触部よりも前記物品の搬送方向下流側に配置され前記搬送経路を搬送される当該物品の前記外周面に接触する下流側接触部を有し、前記第1の回転/回転停止手段により回転が停止された当該物品の前記第2の領域に対し当該下流側接触部から抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の前記第1の領域が当該下流側接触部に接触した際に当該第1の領域を当該下流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、
前記第1の回転/回転停止手段により回転が停止された前記物品の検査を行う第1の検査部と、
前記第2の回転/回転停止手段により回転が停止された前記物品の検査を行う第2の検査部と、
を備える検査装置。
【請求項16】
表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる複数の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送経路を搬送される前記物品の前記外周面に接触する上流側接触部を有し、当該物品の当該外周面に形成された第1の領域が当該上流側接触部に接触した場合に当該上流側接触部から当該第1の領域に抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の当該外周面に形成された第2の領域が当該上流側接触部に接触した際に当該第2の領域を当該上流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、
前記上流側接触部よりも前記物品の搬送方向下流側に配置され前記搬送経路を搬送される当該物品の前記外周面に接触する下流側接触部を有し、前記第1の回転/回転停止手段により回転が停止された当該物品の前記第2の領域に対し当該下流側接触部から抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の当該外周面に形成された第3の領域が当該下流側接触部に接触した際に当該第3の領域を当該下流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、
前記第1の回転/回転停止手段により回転が停止された前記物品の検査を行う第1の検査部と、
前記第2の回転/回転停止手段により回転が停止された前記物品の検査を行う第2の検査部と、
を備える検査装置。
【請求項1】
物品と、
前記物品を搬送する搬送装置と、
を備え、
前記搬送装置は、
予め定められた搬送経路に沿って前記物品を搬送する搬送手段と、
前記搬送経路の側方に配置され、当該搬送経路を搬送される前記物品の外周面に接触し当該物品に対し抗力を付与する上流側抗力付与部と、
前記搬送経路の側方に配置されるとともに前記物品の搬送方向において前記上流側抗力付与部よりも下流側に配置され、当該搬送経路を搬送される当該物品の外周面に接触し当該物品に対し抗力を付与する下流側抗力付与部と、
を備え、
前記物品は、
物品本体部と、
前記上流側抗力付与部に接触した際に当該上流側抗力付与部から付与される前記抗力を用いて前記物品本体部を周方向に回転させる第1の領域と、
前記物品本体部の前記周方向への回転に伴い前記上流側抗力付与部に接触し当該物品本体部を当該上流側抗力付与部に対し滑らせるとともに、当該物品本体部の搬送に伴い前記下流側抗力付与部に接触した際に当該下流側抗力付与部から付与される前記抗力を用いて当該物品本体部を周方向に回転させる第2の領域と、
を備えることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記物品は、前記物品本体部の前記周方向への前記回転に伴い前記下流側抗力付与部に接触し当該物品本体部を当該下流側抗力付与部に対し滑らせる第3の領域を更に備えることを特徴とする請求項1記載の搬送システム。
【請求項3】
前記物品の前記第1の領域は、前記物品本体部の前記周方向への前記回転に伴い前記下流側抗力付与部に接触した際に当該物品本体部を当該下流側抗力付与部に対し滑らせることを特徴とする請求項1記載の搬送システム。
【請求項4】
前記物品は、所定の検査が行われる検査対象物と、当該検査対象物に装着された装着部材とからから構成され、
前記第1の領域および前記第2の領域は、前記装着部材の外周面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の搬送システム。
【請求項5】
表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる第1の領域および第2の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送経路を搬送される前記物品の前記外周面に接触する上流側接触部を有し、当該物品の前記第1の領域が当該上流側接触部に接触した場合に当該上流側接触部から当該第1の領域に抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の前記第2の領域が当該上流側接触部に接触した際に当該第2の領域を当該上流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、
前記上流側接触部よりも前記物品の搬送方向下流側に配置され前記搬送経路を搬送される当該物品の前記外周面に接触する下流側接触部を有し、前記第1の回転/回転停止手段により回転が停止された当該物品の前記第2の領域に対し当該下流側接触部から抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の前記第1の領域が当該下流側接触部に接触した際に当該第1の領域を当該下流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる複数の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送経路を搬送される前記物品の前記外周面に接触する上流側接触部を有し、当該物品の当該外周面に形成された第1の領域が当該上流側接触部に接触した場合に当該上流側接触部から当該第1の領域に抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の当該外周面に形成された第2の領域が当該上流側接触部に接触した際に当該第2の領域を当該上流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、
前記上流側接触部よりも前記物品の搬送方向下流側に配置され前記搬送経路を搬送される当該物品の前記外周面に接触する下流側接触部を有し、前記第1の回転/回転停止手段により回転が停止された当該物品の前記第2の領域に対し当該下流側接触部から抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の当該外周面に形成された第3の領域が当該下流側接触部に接触した際に当該第3の領域を当該下流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
前記上流側接触部および前記下流側接触部は、前記搬送経路の側方に設けられるとともに当該搬送経路が設けられた側と対峙する対峙面を有し、当該対峙面を前記物品の前記外周面に接触させ、
前記対峙面は、曲率を有し前記搬送経路が設けられた側に向かって膨らむように形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記搬送手段は、傾斜して配置され前記物品を下方から支持する支持面を有し、
前記上流側接触部と前記物品との接触、および、前記下流側接触部と当該物品との接触は、傾斜して配置された前記支持面により当該物品が誘導されることで行われることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の搬送装置。
【請求項9】
前記上流側接触部および前記下流側接触部は、前記搬送経路の一方側および他方側のうちの当該一方側に設けられ、
前記搬送手段は、前記物品を下方から支持する支持面上に、回転軸を中心に回転可能に設けられ且つ当該回転軸と直交する仮想線が前記一方側に向かうように配置された回転ローラを複数有し、
前記上流側接触部と前記物品との接触、および、前記下流側接触部と当該物品との接触は、前記回転ローラにより当該物品が誘導されることで行われることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の搬送装置。
【請求項10】
搬送経路を搬送される搬送物の外周面に接触する上流側接触部と当該上流側接触部よりも当該搬送物の搬送方向下流側に配置され当該搬送物の当該外周面に接触する下流側接触部とを有する搬送装置にて搬送可能な物品であって、
外周面を有した物品本体部と、
前記物品本体部の前記外周面に形成された第1の領域と、
前記物品本体部の前記外周面に形成されるとともに当該物品本体部の周方向において前記第1の領域とは異なる位置に配置され、当該第1の領域とは表面性状が異なる第2の領域と、
を有し、
前記第1の領域は、前記上流側接触部に接触した際に当該上流側接触部から付与される抗力を用いて前記物品本体部を周方向に回転させ、
前記第2の領域は、前記物品本体部の前記周方向への回転に伴い前記上流側接触部に接触し当該物品本体部を当該上流側接触部に対し滑らせるとともに、当該物品本体部の移動に伴い前記下流側接触部に接触した際に当該下流側接触部から付与される抗力を用いて当該物品本体部を周方向に回転させることを特徴とする物品。
【請求項11】
前記物品本体部の前記周方向への前記回転に伴い前記下流側接触部に接触し当該物品本体部を当該下流側接触部に対し滑らせる第3の領域を更に備えることを特徴とする請求項10記載の物品。
【請求項12】
前記第1の領域は、前記物品本体部の前記周方向への前記回転に伴い前記下流側接触部に接触し当該物品本体部を当該下流側接触部に対し滑らせることを特徴とする請求項10記載の物品。
【請求項13】
物品と、
前記物品を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置により搬送される前記物品を検査する検査部と、
を備え、
前記搬送装置は、
予め定められた搬送経路に沿って前記物品を搬送する搬送手段と、
前記搬送経路の側方に配置され、当該搬送経路を搬送される前記物品の外周面に接触し当該物品に対し抗力を付与する上流側抗力付与部と、
前記搬送経路の側方に配置されるとともに前記物品の搬送方向において前記上流側抗力付与部よりも下流側に配置され、当該搬送経路を搬送される当該物品の前記外周面に接触し当該物品に対し抗力を付与する下流側抗力付与部と、
を備え、
前記物品は、
物品本体部と、
前記上流側抗力付与部に接触した際に当該上流側抗力付与部から付与される前記抗力を用いて前記物品本体部を周方向に回転させる第1の領域と、
前記物品本体部の前記周方向への回転に伴い前記上流側抗力付与部に接触し当該物品本体部を当該上流側抗力付与部に対し滑らせるとともに、当該物品本体部の搬送に伴い前記下流側抗力付与部に接触した際に当該下流側抗力付与部から付与される前記抗力を用いて当該物品本体部を周方向に回転させる第2の領域と、
を備えることを特徴とする検査システム。
【請求項14】
前記物品は、前記検査部による検査が行われる検査対象物と、当該検査対象物に装着された装着部材とから構成され、
前記第1の領域および前記第2の領域は、前記装着部材の外周面に形成されていることを特徴とする請求項13記載の検査システム。
【請求項15】
表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる第1の領域および第2の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送経路を搬送される前記物品の前記外周面に接触する上流側接触部を有し、当該物品の前記第1の領域が当該上流側接触部に接触した場合に当該上流側接触部から当該第1の領域に抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の前記第2の領域が当該上流側接触部に接触した際に当該第2の領域を当該上流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、
前記上流側接触部よりも前記物品の搬送方向下流側に配置され前記搬送経路を搬送される当該物品の前記外周面に接触する下流側接触部を有し、前記第1の回転/回転停止手段により回転が停止された当該物品の前記第2の領域に対し当該下流側接触部から抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の前記第1の領域が当該下流側接触部に接触した際に当該第1の領域を当該下流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、
前記第1の回転/回転停止手段により回転が停止された前記物品の検査を行う第1の検査部と、
前記第2の回転/回転停止手段により回転が停止された前記物品の検査を行う第2の検査部と、
を備える検査装置。
【請求項16】
表面性状が互いに異なり且つ周方向における位置が互いに異なる複数の領域が外周面に形成された物品を予め定められた搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送経路を搬送される前記物品の前記外周面に接触する上流側接触部を有し、当該物品の当該外周面に形成された第1の領域が当該上流側接触部に接触した場合に当該上流側接触部から当該第1の領域に抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の当該外周面に形成された第2の領域が当該上流側接触部に接触した際に当該第2の領域を当該上流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第1の回転/回転停止手段と、
前記上流側接触部よりも前記物品の搬送方向下流側に配置され前記搬送経路を搬送される当該物品の前記外周面に接触する下流側接触部を有し、前記第1の回転/回転停止手段により回転が停止された当該物品の前記第2の領域に対し当該下流側接触部から抗力を与え当該物品を周方向に回転させ、当該回転に伴い当該物品の当該外周面に形成された第3の領域が当該下流側接触部に接触した際に当該第3の領域を当該下流側接触部に対して滑らせ当該回転を停止させる第2の回転/回転停止手段と、
前記第1の回転/回転停止手段により回転が停止された前記物品の検査を行う第1の検査部と、
前記第2の回転/回転停止手段により回転が停止された前記物品の検査を行う第2の検査部と、
を備える検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−168378(P2011−168378A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35310(P2010−35310)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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