説明

搬送ローラーの製造方法、搬送ローラー、搬送装置及び印刷装置

【課題】高い搬送精度が得られる搬送ローラーの製造方法、搬送ローラー、搬送装置及び印刷装置を提供する。
【解決手段】コイルを巻き戻した金属板(60)の一対の端面(61a,61b)を対向させ、コイルの外周側の面(C1)が内周面となる円筒状に形成する曲げ工程を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ローラーの製造方法、搬送ローラー、搬送装置及び印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、印刷装置として種々のプリンターが提供されている。このようなプリンターでは、媒体を各種ローラーにより搬送する。具体的には、印刷用紙等の記録媒体を搬送ローラー及び従動ローラーにより印刷部に搬送する。そして、印刷部において記録媒体に画像や文字を印刷した後、印刷された記録媒体を排紙ローラー及び従動ローラーにより排出する。
【0003】
搬送ローラーは、従動ローラーとの間に記録媒体を挟持し、その状態で回転駆動することにより、記録媒体をキャリッジの移動方向と直交する副走査方向に移動させるようになっている。したがって、記録媒体を記録位置まで精度良く搬送し、さらに印刷速度に合わせて順次送り込むことから、高い搬送力と高い搬送精度が要求されている。
【0004】
特許文献1には、このような搬送ローラーに高い摩擦力を保持させるため、金属製丸棒の周面に目打ち加工によって多数の突起を形成する技術が開示されている。しかし、特許文献1では、搬送ローラーとして中実の金属製丸棒材を用いるため、重量の削減が困難であり、例えば搬送ローラーを用いるプリンターの総重量が増大するという課題がある。また中実の金属製丸棒材を用いる場合、例えばセンターレス加工などの研削を伴う工程における切削性を向上させるため、鉛などの有害物質を含有する材料が用いられる。そのため、環境負荷が増大するという課題がある。
【0005】
特許文献2には、中実軸のコストダウンを目的として、金属板を曲げ加工して中空円筒状の軸に成形することが記載されている。このような円筒軸では、金属板を曲げ加工して円筒状に形成する際に、金属板の端面同士を突き合せている。そのため、円筒軸の全長に亘って金属板の一対の端面間に継ぎ目が形成される。
また、円筒軸の材料としては、一般的に鋼板が圧延方向に巻回された鋼板コイル等が用いられる。すなわち、コイルを巻き戻した金属板を曲げ加工して中空の円筒軸を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3271048号公報
【特許文献2】特開2006−289496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2では、コイルを巻き戻した金属板を用いる場合には、コイルを巻き戻していくにしたがって、コイルの径が小さくなっていく。コイルを巻き戻した金属板には巻きぐせが残るが、この巻きぐせはコイルの外径に依存する。すなわち、コイルの外径が大きければ金属板の曲率半径は比較的大きく、巻きぐせによる金属板の反りは比較的小さくなる。しかし、コイルの外径が小さくなると金属板の曲率半径が比較的小さくなり、巻きぐせによる金属板の反りが比較的大きくなる。そのため、コイルの外径によって形成される円筒軸の品質にばらつきが発生し、搬送精度が低下するという課題がある。
通常、コイルを巻き戻した金属板はレベリング工程により平坦化される。しかし、例えばインクジェットプリンター等の微細な液滴を吐出して画像を形成する装置では、非常に高い紙送り精度(例えば数μm〜数十μm)が要求される。レベリング工程では、金属板をこのような高精度な装置に要求される高精度な円筒軸を形成可能な水準まで均一に平坦化することは困難である。
【0008】
そこで、本発明は、高い搬送精度が得られる搬送ローラーの製造方法、搬送ローラー、搬送装置及び印刷装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、媒体を搬送する搬送ローラーの製造方法であって、コイルを巻き戻した金属板の一対の端面を対向させ、前記コイルの内周側の面が外周面となる円筒状に形成する曲げ工程を有することを特徴とする。
【0010】
このように製造することで、曲げ工程において金属板にコイルの巻きぐせが残っていた場合であっても、金属板を巻きぐせによる反りと反対に塑性変形させ、巻きぐせを除去することができる。
すなわち、コイルは、圧延により製造された帯状の金属板が、圧延方向に巻回されたロール状になっている。そのため、コイルを巻き戻して金属板を引き出した状態では、金属板にはコイルの円筒状の形状による反り(巻きぐせ)が残っている。この巻きぐせは、金属板のコイルの内周側であった面が凹面となり、外周側であった面が凸面となる円弧状の反りである。このような巻きぐせが残った金属板を曲げ加工して円筒状に形成する際に、本発明ではコイルの外周側の面が円筒の内周面となるようにする。すると、金属板は巻きぐせとは逆に金属板のコイルの内周側であった面が凸面となり、外周側であった面が凹面となる円弧状に曲げられる。これにより、金属板に残っていた巻きぐせが完全に除去される。
したがって、本発明によれば、金属板に巻きぐせが残っていた場合であっても、形成される円筒軸の品質を均一化することができ、高い搬送精度が得られる搬送ローラーを製造することができる。
【0011】
また、本発明の搬送ローラーの製造方法は、前記曲げ工程では、前記金属板の曲げ方向が前記コイルの巻回方向と同一であることを特徴とする。
【0012】
このように製造することで、金属板の曲げ方向と金属板の反りの方向を真逆にすることができる。そのため、金属板の巻きぐせをより効果的に除去することができる。したがって、円筒状に形成した金属板の品質をより均一化することができる。
【0013】
また、本発明の搬送ローラーの製造方法は、前記金属板を平坦化する工程を有することを特徴とする。
【0014】
このように製造することで、金属板をプレス加工等の機械加工により加工可能な程度まで平坦化することができる。また、金属板の巻きぐせを減少させ、曲げ工程によってより効果的に巻きぐせを除去することができる。
【0015】
また、本発明の搬送ローラーの製造方法は、前記金属板を一方向に送りながら順次加工することを特徴とする。
【0016】
このように製造することで、搬送ローラーを効率的かつ連続的に製造することができ、生産性を向上させ、生産コストを低減することができる。
【0017】
また、本発明の搬送ローラーは、コイルを巻き戻した金属板をその一対の端面が対向しかつ前記コイルの内周側の面が外周面となる円筒状に形成した円筒軸を有し、前記円筒軸の長手方向の一部に媒体を支持する媒体支持領域を有することを特徴とする。
【0018】
このように構成することで、金属板にコイルの巻きぐせが残っていた場合であっても、金属板を巻きぐせによる反りと反対に塑性変形させ、巻きぐせを除去することができる。
そのため、金属板に不均一な巻きぐせが残っていた場合であっても、円筒軸の品質を均一化することができる。したがって、本発明によれば、高い搬送精度が得られる搬送ローラーを提供することができる。
また、搬送ローラーに中空の円筒軸を採用することで、中実軸を用いる場合と比較して重量を大幅に減少させることができる。また、搬送ローラーに中実軸を用いる場合と比較して材料の切削性に対する要求が低くなる。したがって、搬送ローラーの材料として鉛等の有害物質を含まない材料を用いることが可能になり、環境負荷を低減することができる。
【0019】
また、本発明の搬送装置は、上記の搬送ローラーと、前記搬送ローラーの前記媒体支持領域以外の領域を軸支する軸受と、を備えている。
【0020】
このように構成することで、上述のように高い搬送精度が得られる搬送ローラーを軸受により支持して回転させ、媒体支持領域により媒体を支持して高精度に搬送することができる。また、搬送ローラーに中空の円筒軸を採用することで、中実軸を用いる場合と比較して装置全体の重量を大幅に減少させることができる。また、搬送ローラーに中実軸を用いる場合と比較して材料の切削性に対する要求が低くなる。したがって、搬送ローラーの材料として鉛等の有害物質を含まない材料を用いることが可能になり、環境負荷を低減することができる。
【0021】
また、本発明の印刷装置は、上記の搬送装置を搬送部として用い、前記搬送部により搬送される前記媒体に対して印刷処理を行う印刷部を備えている。
【0022】
このように構成することで、搬送部によって媒体を高精度に搬送することができ、媒体に高い印刷精度で印刷処理を行うことが可能になる。また、搬送ローラーに中空の円筒軸を採用することで、中実軸を用いる場合と比較して装置全体の重量を大幅に減少させることができる。また、搬送ローラーに中実軸を用いる場合と比較して材料の切削性に対する要求が低くなる。したがって、搬送ローラーの材料として鉛等の有害物質を含まない材料を用いることが可能になり、環境負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェットプリンターの側断面図である。
【図2】(a)は搬送部の平面図、(b)は駆動系の側面図である。
【図3】(a)は搬送部の概略構成図、(b)は軸受けの概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る搬送ローラーの製造装置の概略構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係る抜き工程後の金属板の平面図である。
【図6】(a)〜(c)は本発明の実施形態に係る曲げ工程の工程図である。
【図7】(a)〜(c)は本発明の実施形態に係る曲げ工程の工程図である。
【図8】本発明の実施形態に係る曲げ工程における金属板の平面図である。
【図9】(a)はローラ本体の斜視図であり、(b)は拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンターの側断面図である。
図2(a)はインクジェットプリンターの搬送ユニットを示す平面図、図2(b)は搬送ユニットの駆動系を示す側面図である。
【0025】
図1に示すように、インクジェットプリンター(印刷装置)1は、プリンター本体3と、プリンター本体3の後側上部に設けられた給紙部5と、プリンター本体3の前側に設けられた排紙部7と、を備えている。
【0026】
給紙部5には給紙トレイ11が設けられており、給紙トレイ11には複数枚の用紙(媒体、記録媒体、搬送媒体)Pが積載されるようになっている。ここで、用紙Pとしては、普通紙、コート紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用シート、光沢紙、光沢フィルム等が用いられる。以下、用紙Pの搬送経路において、給紙トレイ11側を上流側、排紙部7側を下流側という。給紙トレイ11の下流側には、給紙ローラー13が設けられている。
【0027】
給紙ローラー13は、対向する分離パッド(図示せず)との間で給紙トレイ11の最上部に位置する用紙Pを挟圧し、下流側へ送り出すように構成されている。給紙ローラー13の下流側には、搬送ローラー機構19が設けられている。
搬送ローラー機構19は、下側に配置された搬送ローラー15と、上側に配置された従動ローラー17とを備えている。
【0028】
搬送ローラー15は、従動ローラー17との間に用紙Pを挟圧し、図2に示す駆動部30により回転駆動するように設けられている。これにより、搬送ローラー15は、用紙Pを下流側に配置された印字ヘッド(印刷部)21へ、搬送印刷処理に伴う精密で正確な搬送(紙送り)動作により搬送することができるようになっている。
【0029】
印字ヘッド21はキャリッジ23に保持されており、キャリッジ23は給紙方向(用紙Pの搬送方向)と直交する方向に往復移動するよう構成されている。印字ヘッド21による印字処理(印刷処理)は、制御部CONTによって制御されるようになっている。印字ヘッド21と対向する位置には、プラテン24が配設されている。
プラテン24は、キャリッジ23の移動方向に沿って間隔をあけて配置された、複数のダイヤモンドリブ25によって構成されている。
【0030】
ダイヤモンドリブ25は、印字ヘッド21によって用紙Pに印刷を行う際に用紙Pを下側から支持するものであり、頂面が支持面として機能するようになっている。ダイヤモンドリブ25と印字ヘッド21との距離は、用紙Pの厚さに応じて調節可能になっている。これにより、用紙Pはダイヤモンドリブ25の頂面上を滑らかに通過することが可能となっている。ダイヤモンドリブ25及び印字ヘッド21の下流側には、排紙ローラー機構29が設けられている。
【0031】
排紙ローラー機構29は、下側に配置された排紙ローラー27と上側に配置された排紙ギザローラー28とを備え、排紙ローラー27の回転駆動によって用紙Pを引き出し、排出するようになっている。
【0032】
ここで、搬送ローラー機構19及び排紙ローラー機構29の駆動部30及び搬送ローラー15、排紙ローラー27の駆動速度の関係について説明する。
プリンター本体3には、図2(a)及び図2(b)に示すように、制御部CONTの制御下で駆動される搬送モーター32が設けられている。この搬送モーター32の駆動軸にはピニオン33が設けられており、ピニオン33には搬送駆動ギア35が歯合しており、搬送駆動ギア35には搬送ローラー15が内挿されて連結されている。
このような構成のもとに搬送モーター32等は、搬送ローラー15を回転駆動する駆動部30となっている。
【0033】
また、搬送ローラー15には、搬送駆動ギア35と同軸にインナーギア39が設けられており、このインナーギア39には中間ギア41が歯合しており、中間ギア41には排紙駆動ギア43が歯合している。排紙駆動ギア43の回転軸は、図2(a)に示すように排紙ローラー27の軸体45となっている。
このような構成のもとに、搬送ローラー機構19の搬送ローラー15と排紙ローラー機構29の排紙ローラー27とは、同一の駆動源である搬送モーター32からの回転駆動力を受け、駆動されるようになっている。
【0034】
なお、排紙ローラー27の回転速度は、各ギアのギア比を調整することにより、搬送ローラー15の回転速度より速くなるように設定されている。したがって、排紙ローラー機構29の排紙速度は、搬送ローラー機構19の搬送速度より増速率だけ速くなっている。
また、搬送ローラー機構19による用紙Pの挟持力(押圧力)は、排紙ローラー機構29による挟持力(押圧力)よりも大きく設定されている。したがって、搬送ローラー機構19と排紙ローラー機構29とが共に用紙Pを挟持しているとき、その用紙搬送速度は、排紙ローラー機構29の排紙速度とは関係なく、搬送ローラー機構19の搬送速度で規定されるようになっている。
【0035】
次に、搬送ローラー15及びこれを備える搬送ローラー機構19について説明する。
図3(a)は搬送ローラー機構19の概略構成を示す図、図3(b)は軸受けの概略構成を示す図である。
搬送ローラー15は、中空円筒状のローラー本体(円筒軸)16と、ローラー本体16の表面の長手方向(軸方向)の一部に形成された高摩擦層(媒体支持領域)50とを有している。
【0036】
ローラー本体16は、例えば亜鉛メッキ鋼板やステンレス鋼板等の金属板が巻回された鋼板コイルを母材として形成されている。ローラー本体16は、コイルを巻き戻した金属板の一対の端面が対向するように曲げ加工され、コイルの外周面側であった面が内周面となる円筒状に形成された円筒軸である。すなわち、ローラー本体16を形成する金属板は、巻きぐせによる反りとは逆に曲げ加工され、巻きぐせによる影響が除去された状態で円筒状に形成されている。
【0037】
また、ローラー本体16は、図9(a)及び図9(b)に示すように曲げ加工されて突き合わされた金属板の一対の端面61a,61b間に形成された継ぎ目80を有している。なお、本実施形態のローラー本体16は、周方向(曲げ方向)とコイルの巻回方向(金属板の圧延方向)とが同一となっており、継ぎ目80はローラー本体16の軸方向と略平行に形成されている。
【0038】
高摩擦層50は、図3(a)に示すようにローラー本体16の両端部を除く中央部に選択的に形成されている。高摩擦層50の表面には、無機粒子の鋭く尖った部分が露出した状態で固定され、高い摩擦力を発揮するようになっている。
高摩擦層50は、ローラー本体16の表面の高摩擦層の形成領域に樹脂粒子を例えば10μm〜30μm程度の均一な膜厚で選択的に塗布して樹脂膜を形成し、その樹脂膜の上に無機粒子を均一に散布した後、焼成することにより形成されている。樹脂粒子としては、例えばエポキシ系樹脂やポリエステル系樹脂等からなる、直径10〜20μm程度の微粒子が好適に用いられる。また、無機粒子としては、破砕処理によって所定の粒径分布に調整された酸化アルミニウム(アルミナ;Al)や炭化珪素(SiC)、二酸化珪素(SiO)等のセラミックス粒子が好適に用いられる。
【0039】
搬送ローラー15は、図3(a)に示すように、その両端部がプラテン24(図1参照)に一体成形された軸受26に回転可能に保持されている。図3(b)に示すように、軸受26は、上方に開口するU字形に形成され、このU字形部位に搬送ローラー15を嵌め込むことで、搬送ローラー15を前後側及び下側の3方向から軸支する。そして、軸受26と搬送ローラー15との接触面(搬送ローラー15の表面)には、グリス等の潤滑油(潤滑液)が供給(塗布)される。また、搬送ローラー15の一端又は両端には、インナーギア39や搬送駆動ギア35が回転不能に係合し連結するための係合部(図示せず)が形成されている。搬送ローラー15には、種々の連結部品に連結するため、種々の形態の係合部が形成可能になっている。
【0040】
従動ローラー17は、複数(例えば6個)のローラー17aが同軸に配列されて構成されたもので、搬送ローラー15の高摩擦層50に対向しかつ当接する位置に配置されたものである。これらローラー17aからなる従動ローラー17には、付勢バネ(図示せず)が取り付けられており、これによって従動ローラー17は、搬送ローラー15側に付勢されている。
【0041】
したがって、従動ローラー17は、搬送ローラー15の高摩擦層50に所定の押圧力(用紙Pに対する挟持力)で接し、搬送ローラー15の回転動作に従動して回転するようになっている。また、搬送ローラー15と従動ローラー17との間で用紙Pを挟持する力が大きくなり、用紙Pの搬送性がより良好になっている。
なお、この従動ローラー17の各ローラー17aの表面には、高摩擦層50との摺接による損傷を緩和するため、例えばフッ素樹脂塗装等の低摩耗処理が施されている。
【0042】
以上の搬送ローラー15、軸受26、駆動部30及び従動ローラー17等により、インクジェットプリンター1の搬送部(搬送装置)20が構成されている。
【0043】
次に、インクジェットプリンター1の動作について、図1、図2を参照して説明する。
インクジェットプリンター1は、給紙トレイ11の最上部に位置する用紙Pを給紙ローラー13によって挟圧して下流側へ送り出す。送り出された用紙Pは搬送ローラー機構19に至る。搬送ローラー機構19は、用紙Pを搬送ローラー15と従動ローラー17との間で挟圧し、搬送ローラー15の回転駆動による紙送り動作で印字ヘッド21の下方に向けて定速で搬送する。印字ヘッド21の下方に搬送された用紙Pは、ダイヤモンドリブ25の頂面上を滑らかに通過しつつ、印字ヘッド21によって高品質に印刷される。印字ヘッド21で印刷された用紙Pは、排紙部7の排紙ローラー27によって順次排出される。
【0044】
排紙ローラー機構29の搬送速度は搬送ローラー機構19の搬送速度より速く設定されているため、用紙Pはバックテンションが掛かった状態で搬送される。ただし、搬送ローラー機構19と排紙ローラー機構29とが共に用紙Pを挟持しているときには、その用紙搬送速度は搬送ローラー機構19の搬送速度で規定されている。したがって、このように排紙ローラー機構29と搬送ローラー機構19とによって排紙と搬送とを同時に行う際にも、その用紙の搬送速度は搬送ローラー機構19の搬送速度で規定されている。そのため、搬送ムラのない正確で安定した紙送り(搬送)がなされるようになる。
【0045】
本実施形態では、搬送ローラー15のローラー本体16は、鋼板コイルによる巻きぐせとは逆に曲げ加工され、コイルの外周側であった面が内周面となる円筒状に形成された金属板により形成されている。鋼板コイルによる金属板の巻きぐせは、鋼板コイルの内周面であった面が凹面となるような反りである。すなわち、ローラー本体16を形成する金属板は、巻きぐせによる反りとは逆に曲げ加工されることで、巻きぐせが略完全に除去されている。
【0046】
そのため、金属板MにコイルCの外径の変化による不均一な巻きぐせが残っていた場合であっても、ローラー本体16の外径、真円度、継ぎ目80の幅や段差などの品質を均一化することができる。したがって、本実施形態によれば、金属板MにコイルCの外径の変化による金属板Mのばらつきによらず、高い搬送精度が得られる搬送ローラー15を提供することができる。
【0047】
また、ローラー本体16の周方向(曲げ方向)と鋼板コイルの巻回方向(金属板の圧延方向)とが同一となっている。そのため、金属板の曲げ方向を巻きぐせによる反りと真逆にすることができ、金属板の巻きぐせをより効果的に除去することができる。したがって、ローラー本体16品質をより均一化することができる。
【0048】
また、ローラー本体16に中空の円筒軸を採用することで、中実軸を用いる場合と比較して重量を大幅に減少させることができる。また、ローラー本体16に中実軸を用いる場合と比較して材料の切削性に対する要求が低くなる。したがって、ローラー本体16の材料として鉛等の有害物質を含まない材料を用いることが可能になり、環境負荷を低減することができる。
【0049】
また、搬送ローラー15には高摩擦層50が形成されており、従動ローラー17がこの高摩擦層50に当接する位置に配置されている。そのため、これら搬送ローラー15と従動ローラー17との間で用紙Pを挟持する力が大きくなり、用紙Pの搬送性がより良好になっている。
【0050】
また、本実施形態の搬送部20は、搬送ローラー15とこれを支持する軸受26とを備えている。そのため、上述のように高い搬送精度が得られる搬送ローラー15を軸受26により支持して回転させ、高摩擦層50により用紙Pを支持して高精度に搬送することができる。また、搬送ローラー15に中空のローラー本体16を採用することで、中実軸を用いる場合と比較して搬送部20の重量を大幅に減少させ、環境負荷を低減することができる。
【0051】
また、本実施形態のインクジェットプリンター1は、搬送部20によって用紙Pを高精度に搬送することができ、用紙Pに高い印刷精度で印刷処理を行うことできる。また、搬送ローラー15に中空のローラー本体16を採用することで、中実軸を用いる場合と比較して装置全体の重量を大幅に減少させることができ、環境負荷を低減することができる。
【0052】
次に、搬送ローラー15の製造装置について説明する。
図4は、本実施形態の搬送ローラー15の製造装置の模式図である。
図4に示すように、製造装置100は、アンコイラー110と、レベラー120と、第1プレス機130と、第2プレス機140とが、一方向に配置された構成となっている。また、製造装置100は、コイルCから巻き戻された金属板Mを一方向に送る不図示の搬送部と、加工された円筒軸を金属板Mから切り離す不図示の切断部とを備えている。
【0053】
アンコイラー110は、金属板Mが圧延方向に巻回された円筒状のコイル(鋼板コイル)Cを軸回りに回転可能に支持し、コイルCを巻き戻すためのものである。
レベラー120は、上下に交互に配置された複数のワークロール121を備え、これら上下のワークロール121の間に金属板Mを通すことで、金属板Mを平坦化するように構成されている。
【0054】
第1プレス機130は雄型(パンチ)131と雌型(ダイ)132とを備え、プレスにより金属板Mを所定の形状に抜き加工するように構成されている。
第2プレス機140は、一方向に配置された複数の雌型(曲げダイ)141,143及び雄型(曲げパンチ)142,144、並びに、上型145及び下型146を備え、プレスにより金属板Mを曲げ加工をするように構成されている。そして、不図示の搬送部により金属板Mを一方向に間欠的に送りながら、順次、異なる型により曲げ加工を行うこと(順送)で、金属板Mを徐々に円筒に近づけるように構成されている。
【0055】
次に、搬送ローラー15の製造方法について説明する。
まず、例えば板厚が0.8mm〜1.2mm程度の冷間圧延鋼板や電気亜鉛めっき鋼板等の金属板Mが圧延方向に巻回されたコイルCを用意する。そして、製造装置100のアンコイラー110によってコイルCを支持し、コイルCを軸回りに回転させて金属板Mを巻き戻す。コイルCから巻き戻された金属板Mは、コイルCの外周側の面C1が凸面、内周面側の面C2が凹面となる側面視で円弧状の巻きぐせが残った状態になっている。巻き戻された金属板Mは不図示の搬送部によって一方向(圧延方向)に搬送され、レベラー120に到達する。
【0056】
レベラー120に到達した金属板Mは、上下に配置された複数のワークロール121によって平坦化される。これにより、金属板Mは第1プレス機130による加工が可能な程度まで平坦化されるが、コイルCの内周側の面C2が凹面となる巻きぐせは、ある程度残されている。レベラー120によって平坦化された金属板Mは、不図示の搬送部によって一方向に搬送され、第1プレス機130に到達する。
第1プレス機130に到達した金属板Mは、雄型131と雌型132を用いたプレスにより抜き加工される。
【0057】
図5は、第1プレス機130によって抜き加工された金属板Mの平面図である。
図5に示すように、金属板Mには、抜き加工により、搬送方向(圧延方向)に連続する枠部71と、搬送方向と交差する方向に延びる帯状の平板部60と、枠部71と平板部60とを連結する連結部72とが形成される。本実施形態では、平板部60は略長方形であり、短辺60aが圧延方向に平行で長辺60bが圧延方向と直交するように型抜きされている。金属板Mを不図示の搬送部によって間欠的に搬送しながら繰り返しプレスを行うことで、平板部60と連結部72は金属板Mの搬送方向に等間隔に複数形成される。
第1プレス機130によって抜き加工された金属板Mは、不図示の搬送部によって搬送され、図4に示す第2プレス機140に到達する。
【0058】
図6(a)〜図6(c)、図7(a)〜図7(c)は、第2プレス機140による曲げ工程を示す側面図である。
第2プレス機140に到達した金属板Mの平板部60は、プレスによって図5に示す短辺60aに平行な方向(圧延方向)に曲げ加工される。すなわち、平板部60の両側の長辺60b,60bに沿う一対の端面を近接させるように曲げ加工する。そして、図6(a)〜図6(c)、図7(a)〜図7(c)に示すように、これら一対の端面を対向させて突き合わせるように円筒状に形成する。
【0059】
具体的には、まず、図6(a)に示す雌型(曲げダイ)141と雄型(曲げパンチ)142とで金属板Mの平板部60をプレスし、平板部60の両側部62a,62bを円弧状(望ましくは略1/4円弧)に曲げる。なお、図6(a)においては、各部材を分かりやすくするため、平板部60と雌型141と雄型142との間にそれぞれ間隔を開けてこれらの部材を記しているが、この間隔は実際には存在せず、平板部60と雌型141、雄型142とはそれぞれの接触部においてほぼ密着している。これは、後述する図6(b)、図6(c)、図7(a)〜図7(c)においても同様である。
【0060】
ここで、雄型142は、図4に示すコイルCにおいて外周側であった面C1(図6において平板部60の下側の面)に対向するように配置されている。また、雌型141は、図4に示すコイルCにおいて内周側であった面C2(図6において平板部60の上側の面)に対向するように配置されている。これにより、平板部60の両側部62a,62bはコイルCの外周面であった面C1側に曲げ加工される。
【0061】
次に、金属板Mを一方向に送った後、図6(b)に示す第2の雌型(曲げダイ)143と第2の雄型(曲げパンチ)144とで、平板部60の短辺方向(曲げ方向)における中央部をプレスする。そして、図4に示すコイルCにおいて内周側であった面C1側に、平板部60を円弧状(望ましくは略1/4円弧)に曲げる。
次に、金属板Mを一方向に送った後、図6(c)に示すように、平板部60の内側に芯型147を配置する。そして、図6(c)に示す上型145と下型146とを用いて、図7(a)〜図7(c)に示すように、平板部60の両側部62a,62bの各端面61a,61bを近接させる。
【0062】
ここで、図6(c)および図7(a)〜図7(c)に示す芯型147の外径は、形成する中空円筒状のローラー本体16の内径と等しくしてある。また、図6(c)に示すように、下型146のプレス面146cの半径と上型145のプレス面145aの半径は、それぞれ、研磨しろを考慮したローラー本体16の外径の半径と等しくしてある。また、図7(a)〜図7(c)に示すように下型146は左右一対の割型であり、これら割型146a,146bは、それぞれ独立して昇降可能に構成されている。
【0063】
すなわち、図6(c)に示す状態から、図7(a)に示すように左側の割型146aを上型145に近接させ、平板部60の一方の側をプレス加工し、略半円形状に曲げる。なお、上型145も下型146と同様左右一対の割型とし(割面145b参照)、この図7(a)に示す工程の際に、同じ側の上型を割型146aに近接させてもよい。
次いで、図7(b)に示すように、芯型147を少し(一方の側の端面61aと他方の側の端面61bとを近接させることができる程度に)上型145側へ移動させるとともに、他方の側の割型146bを上型145に近接させ、平板部60の他方の側をプレス加工し、略半円形状に曲げる。
【0064】
その後、図7(c)に示すように、芯型147および一対の割型146a,146bを共に上型145に近接させ、円筒状のローラー本体(中空パイプ)16を形成する。この状態で、左右両側の端面61a,61bは互いに対向して突き合わされた状態となる。すなわち、この円筒状のローラー本体16にあっては、基材である金属板Mの平板部60の両側の端面61a,61bが互いに近接して、これらの端面61a,61b間に継ぎ目が形成されている。ここで、図4に示すコイルCの外周側であった面C1はローラー本体16の内周面となり、コイルCの内周側の面であったC2はローラー本体16の外周面となっている。
【0065】
図8は、図6(a)〜図6(c)、図7(a)〜図7(c)に示す工程を経て平板部60が段階的に円筒状に形成された金属板Mを示す平面図である。
図5に示すように型抜きされた金属板Mは、図4に示す第2プレス機140に到達し、一方向に間欠的に送られながら、図6(a)〜図6(c)、図7(a)〜図7(c)に示す工程により平板部60がプレスにより順次曲げ加工される(順送プレス)。そのため、図8に示すように、第2プレス機140に到達した平板部60は、金属板Mの搬送方向の前方ほど円筒に近くなっていく。平板部60が円筒状に形成された後は、不図示の切断部により連結部72が切断されて中空円筒状のローラー本体16となる。
【0066】
次いで、本実施形態では、形成したローラー本体16の真円度を高め、振れを少なくするべく、従来公知のセンターレス研磨加工を行い、ローラー本体16の外周面を研磨する。すると、ローラー本体16は、センターレス研磨加工前に比べその真円度がより良好になり、また、振れ量も小さくなる。また、このローラー本体16にあっては、対向する端面61a,61bの間隔がより狭まることで、図9(a)に示すように、これら対向する端面61a,61b間の隙間がより狭くされた継ぎ目80が形成される。
【0067】
なお、本実施形態のセンターレス研磨加工では、従来の中実軸に対する研削加工を伴う場合と比較して、材料の快削性を低下させることが可能になる。
また、プレス加工やセンターレス研磨加工では、図9(b)に示すように、平板部60の端面61a,61b間の隙間が無くなるように、すなわち、対向する端面61a,61bが互いに当接するようにするのが好ましい。
【0068】
このようにしてローラー本体16を形成したら、このローラー本体16の表面に図3に示す高摩擦層50を形成する。
この高摩擦層50の形成方法としては、乾式法及び湿式法(またはこれらを併用した方法)が採用可能であるが、本実施形態では乾式法が好適に採用される。乾式法では、まず、ローラー本体16の表面の高摩擦層の形成領域に樹脂粒子を例えば10μm〜30μm程度の均一な膜厚で選択的に塗布して樹脂膜を形成する。そして、その樹脂膜の上に無機粒子を均一に散布した後、焼成する。
高摩擦層50の形成材料としては、樹脂粒子と無機粒子を用いる。樹脂粒子としては、エポキシ系樹脂やポリエステル系樹脂等からなる、直径10〜20μm程度の微粒子が好適に用いられる。
【0069】
また、無機粒子としては、酸化アルミニウム(アルミナ;Al2O)や炭化珪素(SiC)、二酸化珪素(SiO)等のセラミックス粒子が好適に用いられる。中でもアルミナは、比較的硬度が高く摩擦抵抗を高める機能が良好に発揮され、また、比較的安価であってコストダウンを妨げることもないため、より好適に用いられる。したがって、本実施形態では無機粒子としてアルミナ粒子を用いるものとする。このアルミナ粒子としては、破砕処理によって所定の粒径分布に調整されたものが用いられる。破砕処理によって製造されることにより、このアルミナ粒子は端部が比較的鋭く尖ったものとなり、この鋭く尖った端部によって高い摩擦力を発揮するようになる。
以上により、図3(a)に示すように樹脂膜中にアルミナ粒子が分散し露出してなる高摩擦層50が形成され、搬送ローラー15が得られる。
【0070】
本実施形態では、コイルCを巻き戻した金属板Mの平板部60一対の端面61a,61bを対向させ、コイルCの外周側の面C1が内周面となる中空円筒状のローラー本体16を形成している。そのため、第2プレス機140による曲げ工程において金属板MにコイルCの巻きぐせが残っていた場合であっても、金属板Mを巻きぐせによる反りと反対に塑性変形させ、巻きぐせを除去することができる。
【0071】
すなわち、ローラー本体16の母材であるコイルCは、圧延により製造された帯状の金属板Mが、圧延方向に巻回されたロール状になっている。そのため、コイルCを巻き戻して金属板Mを引き出した状態では、金属板MにはコイルCの円筒状の形状による巻きぐせが残っている。この巻きぐせは、金属板MのコイルCの外周側であった面C1が凸面となり、内周側であった面C2が凹面となる円弧状の反りである。
本実施形態では、このような巻きぐせが残った金属板Mを曲げ加工して円筒状のローラー本体16を形成する際に、コイルCの外周側の面C1が円筒の内周面となるようにしている。そのため、金属板は巻きぐせとは逆の、金属板MのコイルCの内周側であった面C2が凸面となり、外周側であった面C1が凹面となる円弧状に曲げられる。これにより、金属板Mに残っていた不均一な巻きぐせが完全に除去され、ローラー本体16の品質を均一化することができる。
【0072】
また、本実施形態では、第2プレス機140による曲げ工程の前に金属板Mを第1プレス機130によって型抜きする抜き工程を有している。そして、第2プレス機140による曲げ工程では、型抜きした金属板Mの平板部60の曲げ方向が、コイルCの巻回方向と同一の金属板Mの圧延方向となっている。これにより、金属板Mの曲げ方向と金属板Mの巻きぐせによる反りの方向を真逆にすることができる。そのため、金属板Mの巻きぐせをより効果的に除去することができる。したがって、円筒状に形成したローラー本体16の品質をより均一化することができる。
【0073】
また、本実施形態は、レベラー120によって金属板Mの巻きぐせを平坦化する工程を有している。そのため、金属板Mを第1プレス機130及び第2プレス機140により加工可能な程度まで平坦化することができる。また、金属板Mの巻きぐせを減少させ、曲げ工程によってより効果的に巻きぐせを除去することができる。
【0074】
また、本実施形態では、コイルCを巻き戻して金属板Mを一方向に送りながら順次加工する順送方式を採用している。そのため、搬送ローラー15を効率的かつ連続的に製造することができ、生産性を向上させ、生産コストを低減することができる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態の搬送ローラー15の製造方法によれば、ローラー本体16の継ぎ目80が開くことを防止することができ、高い搬送精度が得られる搬送ローラー15を製造することができる。
【0076】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上述した実施形態では本発明に係る搬送ローラーを、搬送ローラー機構における搬送ローラーに適用したが、排紙ローラー機構における排紙ローラーや排紙ギザローラーに適用することもでき、さらには、搬送ローラー機構における従動ローラーに適用することもできる。
【符号の説明】
【0077】
1 インクジェットプリンター(印刷装置)、15 搬送ローラー、16 ローラー本体(円筒軸)、20 搬送部(搬送装置)、21 印字ヘッド(印刷部)、26 軸受、50 高摩擦層(媒体支持領域)、60 平板部(金属板)、61a 端面、61b 端面、C コイル、C1 外周側の面、M 金属板、P 用紙(媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する搬送ローラーの製造方法であって、
コイルを巻き戻した金属板の一対の端面を対向させ、前記コイルの内周側の面が外周面となる円筒状に形成する曲げ工程を有することを特徴とする搬送ローラーの製造方法。
【請求項2】
前記曲げ工程では、前記金属板の曲げ方向が前記コイルの巻回方向と同一であることを特徴とする請求項1に記載の搬送ローラーの製造方法。
【請求項3】
前記金属板を平坦化する工程を有することを特徴とする請求項2に記載の搬送ローラーの製造方法。
【請求項4】
前記金属板を一方向に送りながら順次加工することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の搬送ローラーの製造方法。
【請求項5】
コイルを巻き戻した金属板をその一対の端面が対向しかつ前記コイルの内周側の面が外周面となる円筒状に形成した円筒軸を有し、
前記円筒軸の長手方向の一部に媒体を支持する媒体支持領域を有する搬送ローラー。
【請求項6】
請求項5に記載の搬送ローラーと、
前記搬送ローラーの前記媒体支持領域以外の領域を軸支する軸受と、
を備えた搬送装置。
【請求項7】
請求項6に記載の搬送装置を搬送部として用い、
前記搬送部により搬送される前記媒体に対して印刷処理を行う印刷部を備えた印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−36868(P2011−36868A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184232(P2009−184232)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】