説明

携帯情報端末

【課題】 データ交換や機能の共有などの様々な機能を実現する際に、複数の携帯情報端末を接続するための利便性に優れた携帯情報端末を提供する。
【解決手段】 上部筐体2及び下部筐体3が回動ヒンジ部41によって連結されている携帯情報端末1において、上部筐体の両側面に、所定の形状を有するとともに電気的な接点を有する側面コネクタ24を設ける。この側面コネクタは、他の携帯情報端末に設けられている側面コネクタと嵌合可能であり、嵌合状態において、2つの携帯情報端末を電気的に接続することが可能である。また、上部筐体の上面及び回動ヒンジ部にも、所定の形状を有するとともに電気的な接点を有する凸状コネクタ25及び凹状コネクタ43が設けられており、これらの凸状コネクタ及び凹状コネクタも相互に嵌合可能な形状を有し、嵌合状態において、2つの携帯情報端末を電気的に接続することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PDA(Personal Digital Assistance)、PHS(Personal Handyphone System)端末、ノート型PC(Personal Computer)、携帯電話機などの持ち運び可能な携帯情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯情報端末は、その機能性や利便性、携帯性などを向上させるために、様々なデザインにおける工夫が施されている。例えば、上部筐体と下部筐体とにより構成されており、上部筐体が下部筐体に対して所定の回動軸を中心として回動可能なように構成されている携帯情報端末が存在する。こうしたデザインの携帯情報端末は、例えば、収納時には、上部筐体と下部筐体とを重ね合わせることによってコンパクトに折り畳まれる一方、使用時には、上記の下部筐体に対する上部筐体の回動に係る動作によって、上部筐体や下部筐体の所定の面が外部に露出されるように構成されており、特に、携帯性において優れたデザインを有していると言える。
【0003】
一方、データ交換や機能の共有などの様々な機能を実現するため、携帯情報端末同士を接続するための技術も近年存在している。こうした携帯情報端末同士の接続は、例えば、ブルートゥース通信や赤外線通信などの無線通信を介して、あるいは、所定の有線ケーブルを介して行われることが可能である。
【0004】
例えば、下記の特許文献1には、それぞれ単独で動作可能な2つの携帯情報端末同士を無線又は有線によって接続することで、単独では不可能であった機能を実現することが可能となる携帯情報端末の相互間の接続制御方法や携帯情報端末が記載されている。
【特許文献1】特開2002−314647号公報(図3、7、段落0041〜0044、0055、0056)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、無線又は有線によって2つの携帯情報端末を接続することによって、携帯情報端末の機能を拡張しようという発想は従来から存在するものの、このような機能の拡張と携帯情報端末のデザインとの両方が十分に考慮された技術は存在しないのが現状である。すなわち、2つの携帯情報端末の接続をどのように行えば、接続した場合において拡張される機能の利便性が向上されるかという点に関しては、全く考慮されていないのが現状である。
【0006】
また、無線によって2つの携帯情報端末を接続する場合には、携帯情報端末が、ブルートゥース通信や赤外線通信などを実現するための無線通信手段を有していなければならないが、この無線通信手段は、コスト面や無線通信におけるセキュリティ面などにおいて問題があり、必ずしも、2つの携帯情報端末同士のデータ交換や機能の共有などに好適な手段ではないという問題点がある。一方、2つの携帯情報端末同士を有線ケーブルで接続する場合には、例えば、有線ケーブルを持っていないなどの状況下では、2つの携帯情報端末同士を接続することは不可能であるという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、データ交換や機能の共有などの様々な機能を実現するために、複数の携帯情報端末を接続するための利便性に優れた携帯情報端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の携帯情報端末は、持ち運び可能な携帯情報端末であって、
所定の形状により形成されており、電気的な接点を有する嵌合接続手段が筐体に設けられており、
前記嵌合接続手段が、他の携帯情報端末の前記嵌合接続手段と相互に嵌合することによって、前記他の携帯情報端末との配置が固定されるとともに、前記他の携帯情報端末と電気的に接続可能なように構成されている。
上記の構成により、データ交換や機能の共有などの様々な機能を実現する際に、複数の携帯情報端末を接続するための利便性を向上させることが可能となる。
【0009】
また、本発明の携帯情報端末は、上記の構成に加えて、前記筐体の1対の側面のそれぞれに前記嵌合接続手段が設けられている。
上記の構成により、携帯情報端末が、筐体の1対の側面のそれぞれに少なくとも1つずつの嵌合接続手段を有することによって、多数の携帯情報端末を連結することが可能となる。
【0010】
また、本発明の携帯情報端末は、上記の構成に加えて、前記筐体が、上部筐体及び下部筐体を有し、前記上部筐体と前記下部筐体とが所定の回動軸を形成する回動ヒンジ部により連結されており、前記所定の回動軸を中心として、前記下部筐体に対して前記上部筐体が回動可能なように構成されている。
上記の構成により、携帯情報端末は、上部筐体と下部筐体とが回動軸を中心として相対的に回動するように構成され、筐体の構成部材の配置を容易に変更することが可能となる。
【0011】
また、本発明の携帯情報端末は、上記の構成に加えて、前記上部筐体又は前記下部筐体と前記回動ヒンジ部とに、前記嵌合接続手段が設けられている。
上記の構成により、携帯情報端末が、上部筐体又は下部筐体と回動ヒンジ部とに少なくとも1つずつの嵌合接続手段を有することによって、多数の携帯情報端末を連結することが可能となる。
【0012】
また、本発明の携帯情報端末は、上記の構成に加えて、前記携帯情報端末に設けられている前記嵌合接続手段と、他の携帯情報端末に同様に設けられている前記嵌合接続手段とが嵌合された場合には、前記携帯情報端末及び前記他の携帯情報端末のそれぞれの筐体の所定の側面が、略同一面を形成するように構成されている。
上記の構成により、ある携帯情報端末の嵌合接続手段と、他の携帯情報端末の嵌合接続手段とを嵌合することによって、所定の側面が同一方向を向いた複数の携帯情報端末の配列を実現することが可能となる。
【0013】
また、本発明の携帯情報端末は、上記の構成に加えて、前記所定の側面に、視覚的に情報を報知するための表示手段が設けられている。
上記の構成により、嵌合接続手段によって連結された複数の携帯情報端末の表示画面を同一方向に向けた状態で、携帯情報端末を配列することが可能となる。
【0014】
また、本発明の携帯情報端末は、上記の構成に加えて、前記嵌合接続手段を介して、前記携帯情報端末と前記他の携帯情報端末とが電気的に接続された場合、前記携帯情報端末が有する前記表示手段における前記情報の表示処理と、前記他の携帯情報端末が有する前記表示手段における前記情報の表示処理との同期制御を行うための同期制御手段を有している。
上記の構成により、同一方向に向けた状態で配列された複数の携帯情報端末の表示画面に係る表示処理の同期制御を行うことが可能となる。
【0015】
また、本発明の携帯情報端末は、上記の構成に加えて、前記所定の側面に、外部の被写体を撮像するための撮像手段が設けられている。
上記の構成により、嵌合接続手段によって連結された複数の携帯情報端末の撮像手段(カメラ部)を同一方向に向けた状態で、携帯情報端末を配列することが可能となる。
【0016】
また、本発明の携帯情報端末は、上記の構成に加えて、前記嵌合接続手段を介して、前記携帯情報端末と前記他の携帯情報端末とが電気的に接続された場合、前記携帯情報端末が有する前記撮像手段における撮像処理と、前記他の携帯情報端末が有する前記撮像手段における撮像処理との同期制御を行うための同期制御手段を有している。
上記の構成により、同一方向に向けた状態で配列された複数の携帯情報端末の撮像手段(カメラ部)に係る撮像処理の同期制御を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の携帯情報端末は、上記構成を有しており、データ交換や機能の共有などの様々な機能を実現する際に、複数の携帯情報端末を接続するための利便性に優れた携帯情報端末を提供することができるという効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態における携帯情報端末について説明する。図1は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の外観を示す模式図であり、図1(a)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の180°固定状態を示す正面図、図1(b)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の180°固定状態を示す背面図である。
【0019】
なお、ここでは、本発明に係る携帯情報端末1の一例として、上部筐体2と下部筐体3とにより構成されており、上部筐体2の所定の側面(表示部21が設けられている側面)と下部筐体3の所定の側面(操作部31が設けられている側面)とが略同一方向を向いたまま、所定の回動軸を中心として回動するよう構成されており、上部筐体2と下部筐体3とが重なり合って下部筐体の操作部31が隠れる収納状態と、上部筐体2を下部筐体3に対して回動させることによって下部筐体3の操作部31が外部に露出する使用状態とに、上部筐体2及び下部筐体3の配置が変化する携帯電話機について説明する。ただし、本発明の携帯情報端末1は、携帯電話機に限定されるものではなく、また、その形状も上部筐体2及び下部筐体3を有する折り畳み形状に限定されるものではない。
【0020】
また、後述の図2(a)に示す上部筐体2と下部筐体3とが重なり合った状態を収納状態(0°固定状態)と呼び、この状態における上部筐体2の所定の面内の直線と下部筐体3の所定の面内の直線とのなす角度を0°と設定することにする。また、この角度設定によれば、図1(a)に示す携帯情報端末1は、回動ヒンジ部41によって形成される回動軸を中心として、上部筐体2を下部筐体3に対して略180°回動させた配置を固定した状態であり、この図1(a)に示す状態を180°固定状態と呼ぶことにする。
【0021】
また、同様に、図2(b)に示す携帯情報端末1は、回動ヒンジ部41によって形成される回動軸を中心として、上部筐体2を下部筐体3に対して略90°回動させた配置を固定した状態であり、この図2(b)に示す状態を90°固定状態と呼び、さらに、図2(c)に示す携帯情報端末1は、回動ヒンジ部41によって形成される回動軸を中心として、上部筐体2を下部筐体3に対して略270°(−90°)回動させた配置を固定した状態であり、この図2(c)に示す状態を270°固定状態と呼ぶことにする。なお、上述の90°固定状態、180°固定状態、270°固定状態以外にも、携帯情報端末1は、上部筐体2と下部筐体3とがなす角度が0°〜360°の任意の角度において、上部筐体2と下部筐体3との配置が固定されるように構成することが可能である。
【0022】
図1に示す携帯情報端末1は、上部筐体2と下部筐体3とによって構成されている。上部筐体2は、液晶ディスプレイなどの情報を視覚的に表示するための表示部21、携帯情報端末1による通話の際の通話音声の出力を行うためのレシーバ部22、内部に存在する凸状コネクタ25(後述の図3(c)を参照)を保護するためのコネクタキャップ23を有している。なお、コネクタキャップ23は、上部筐体2に対して着脱可能なように構成されている。また、下部筐体3は、操作ボタンなどに構成されている操作部31、携帯情報端末1による通話の際の通話音声の入力を行うためのマイクロホン部32を有している。
【0023】
さらに、携帯情報端末1は、回動ヒンジ部41を有している。この回動ヒンジ部41は、上部筐体2と下部筐体3とを相互に電気的に接続するとともに、上部筐体2と下部筐体3とを相互に回動するための回動軸を形成している。なお、ここでは、この回動ヒンジ部41が形成する回動軸を中心として、上部筐体2の所定の側面(表示部21が設けられている側面)と下部筐体3の所定の側面(操作部31が設けられている側面)とが略同一方向を向いたまま、下部筐体3に対して上部筐体2が回動するように構成されている。また、回動ヒンジ部41の背面側には、外部の被写体を撮像するためのカメラ部(撮像手段)42が設けられている。
【0024】
次に、本発明の実施の形態における携帯情報端末の回動ヒンジ部41が形成する回動軸を中心とした回動に係る動作について説明する。図2は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の回動に係る動作を説明するための模式図であり、図2(a)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の収納状態を示す正面図、図2(b)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の90°固定状態を示す正面図、図2(c)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の270°固定状態を示す正面図である。
【0025】
上述のように、回動ヒンジ部41が形成する回動軸を中心として、上部筐体2は、下部筐体3に対して0°〜360°回動するよう構成されている。ユーザは、携帯情報端末1の使用目的や好みに応じて、下部筐体3に対して上部筐体2を回動させることによって、上部筐体2及び下部筐体3の配置を、図1に示す180°固定状態、図2(a)に示す収納状態、図2(b)に示す90°固定状態、図2(c)に示す270°固定状態にすることが可能である。
【0026】
なお、図1に示す180°固定状態、図2(a)に示す収納状態、図2(b)に示す90°固定状態、図2(c)に示す270°固定状態のそれぞれにおいて、表示部21における表示方向(表示画面内における表示コンテンツの上下方向)は、ユーザが閲覧しやすい方向に適宜変更されることが望ましい。また、少なくとも、図1に示す180°固定状態、図2(a)に示す収納状態、図2(b)に示す90°固定状態、図2(c)に示す270°固定状態のそれぞれにおいて、上部筐体2と下部筐体3との相対的な配置が固定され、ユーザが所定の応力以上の力を加えなければ動かないように構成されることが望ましい。
【0027】
次に、本発明の実施の形態における複数の携帯情報端末が連結可能となる連結構造について説明する。図3は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の連結構造を説明するための模式図であり、図3(a)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の使用状態を示す上面図、図3(b)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の使用状態を示す右側面図、図3(c)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の右側面から見た場合の断面図である。なお、図3(c)は、図1(a)のA−B断面図である。
【0028】
例えば、図3(a)や図3(b)に図示されているように、上部筐体2の両側面には、側面コネクタ24が設けられている。この側面コネクタ24は、例えば、図示されているような溝状の形状を有し、本発明の携帯情報端末1と同一形状を有する別の携帯情報端末1に設けられた側面コネクタ24と相互に嵌合可能なように構成されている。また、さらに、側面コネクタ24には、別の携帯情報端末1に設けられた側面コネクタ24と嵌合された状態において、相互に電気的に接続可能とする電気的な接点が設けられている。なお、側面コネクタ24同士による嵌合状態及び接続状態に関しては、図4及び図5を用いて後述する。
【0029】
また、例えば、図3(c)に図示されているように、上部筐体2の上面には凸状コネクタ25が設けられており、また、回動ヒンジ部41の背面側には凹状コネクタ43が設けられている。なお、上述のように、凸状コネクタ25は、着脱可能なコネクタキャップ23により保護されており、コネクタキャップ23を上部筐体2から離脱させることによって、凸状コネクタ25が外部に露出するように構成されている。
【0030】
また、上記の側面コネクタ24と同様に、本発明の携帯情報端末1の凸状コネクタ25と、同一形状を有する別の携帯情報端末1に設けられた凹状コネクタ43とは相互に嵌合可能なように構成されている。また、さらに、凸状コネクタ25及び凹状コネクタ43は、相互に嵌合された状態において、相互に電気的に接続可能とする電気的な接点が設けられている。なお、凸状コネクタ25及び凹状コネクタ43による嵌合状態及び接続状態に関しては、図6及び図7を用いて後述する。
【0031】
このように、側面コネクタ24同士の嵌合、又は、凸状コネクタ25と凹状コネクタ43との嵌合によって、2つの携帯情報端末1同士の相対的な配置位置が固定されるとともに、互いに電気的に接続することが可能となる。
【0032】
次に、複数の携帯情報端末を側面コネクタ24を用いて連結した場合について説明する。図4は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を側面コネクタを用いて連結した場合の第1の例を示す図であり、図4(a)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を180°固定状態で側面コネクタを用いて連結した場合の一例を示す図、図4(b)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を収納状態で側面コネクタを用いて連結した場合の一例を示す図である。また、図5は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を側面コネクタを用いて連結した場合の第2の例を示す図であり、図5(a)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を収納状態で側面コネクタを用いて上下を逆にして連結した場合の一例を示す図、図5(b)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を収納状態で側面コネクタを用いて上下を逆にして連結した場合の一例を示す図である。
【0033】
上部筐体2の両側面には、側面コネクタ24が設けられており、上述のように、2つの携帯情報端末1のそれぞれに設けられている側面コネクタ24同士を嵌合することによって、2つの携帯情報端末1は電気的に接続される。この側面コネクタ24による連結方法としては、図4(a)、図4(b)に図示されているように、2つの携帯情報端末1における反対の側面(例えば、一方の携帯情報端末1の右側面と他方の携帯情報端末1の左側面)同士を連結する方法や、図5(a)、図5(b)に図示されているように、2つの携帯情報端末1における同一の側面(例えば、一方の携帯情報端末1の右側面と他方の携帯情報端末1の右側面)同士を連結する方法などが挙げられる。なお、2つの携帯情報端末1における反対の側面同士を連結した場合には、2つの携帯情報端末1は同一の上下方向を有し、2つの携帯情報端末1における同一の側面同士を連結した場合には、2つの携帯情報端末1の上下方向はそれぞれ反対方向を向くことになる。
【0034】
また、図4及び図5では、連結された2つの携帯情報端末1のそれぞれの表示部21の表示画面が同一方向から閲覧可能となるように同一方向を向くよう連結されているが、連結された2つの携帯情報端末1のそれぞれの表示部21の表示画面が反対の方向から閲覧可能となるように反対方向を向くよう連結されてもよい。また、図4及び図5では、2つの携帯情報端末1が連結されている様子が図示されているが、同様にして、3つ以上の携帯情報端末1を連結することも可能である。
【0035】
次に、複数の携帯情報端末を凸状コネクタ25及び凹状コネクタ43を用いて連結した場合について説明する。図6は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を凸状コネクタ及び凹状コネクタを用いて連結した場合の第1の例を示す図であり、図6(a)は、本発明の実施の形態における2つの携帯情報端末を90°固定状態にして、一方の携帯情報端末のコネクタキャップを取り外した様子を示す図、図6(b)は、本発明の実施の形態における2つの携帯情報端末を90°固定状態にして、凸状コネクタ及び凹状コネクタを用いて連結した場合の一例を示す図である。また、図7は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を凸状コネクタ及び凹状コネクタを用いて連結した場合の第2の例を示す図であり、図7(a)は、本発明の実施の形態における2つの携帯情報端末を270°固定状態にして、一方の携帯情報端末のコネクタキャップを取り外した様子を示す図、図7(b)は、本発明の実施の形態における2つの携帯情報端末を270°固定状態にして、凸状コネクタ及び凹状コネクタを用いて連結した場合の一例を示す図である。
【0036】
上部筐体2の上面には、上述のように、回動ヒンジ部41の凹状コネクタ43に嵌合可能な凸状コネクタ25が設けられており、この凸状コネクタ25は、コネクタキャップ23を取り外すことによって外部に露出される。そして、2つの携帯情報端末1のそれぞれに設けられている凸状コネクタ25と凹状コネクタ43とを嵌合することによって、2つの携帯情報端末1を電気的に接続することが可能となる。これらの凸状コネクタ25及び凹状コネクタ43による連結方法としては、図6(a)、図6(b)に図示されているように、2つの携帯情報端末1を90°固定状態にして連結する方法や、図7(a)、図7(b)に図示されているように、2つの携帯情報端末1を270°固定状態にして連結する方法などが挙げられる。
【0037】
なお、図6及び図7では、連結された2つの携帯情報端末1のそれぞれの表示部21の表示画面が同一方向から閲覧可能となるように同一方向を向くよう連結されているが、連結された2つの携帯情報端末1のそれぞれの表示部21の表示画面が反対の方向から閲覧可能となるように反対方向を向くよう連結されてもよい。また、図6及び図7では、2つの携帯情報端末1が連結されている様子が図示されているが、他の携帯情報端末1の凸状コネクタ25が凹状コネクタ43に接続されている携帯情報端末1のコネクタキャップ23を取り外して凸状コネクタ25を外部に露出させ、同様にして他の携帯情報端末1の凹状コネクタ43に嵌合させることによって、3つ以上の携帯情報端末1を連結することも可能である。
【0038】
また、図8は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を側面コネクタ、凸状コネクタ及び凹状コネクタを用いて連結した場合の一例を示す図である。なお、図8では、1つの180°固定状態の携帯情報端末1及び7つの収納状態の携帯情報端末1が、側面コネクタ24、凸状コネクタ25及び凹状コネクタ43によって連結されている様子が図示されている。このように、上述の図4〜図7で説明した連結方法やその他の連結方法を組み合わせて、多数の携帯情報端末1を接続させることも可能である。
【0039】
次に、上述のように、携帯情報端末1を連結した場合において拡張される様々な機能について説明する。例えば、複数の携帯情報端末1が連結された状態において、ある携帯情報端末1に格納されているデータを、他の任意の、又は特定の携帯情報端末1に対して送出することが可能であり、すなわち、携帯情報端末1の連結によって、データ交換やデータ共有が実現可能である。なお、このとき、ある携帯情報端末1に直接接続されていない携帯情報端末1(すなわち、複数の携帯情報端末1を介して間接的に接続されている携帯情報端末1)との間においても、データ交換やデータ共有が可能なように構成されていることが望ましい。
【0040】
また、例えば、複数の携帯情報端末1が連結された状態において、ある携帯情報端末1の蓄電手段(不図示)に蓄積されている電力を、他の任意の、又は特定の携帯情報端末1に対して供給することが可能であり、すなわち、携帯情報端末1の連結によって、電源の共有が実現可能である。この場合、例えば、電源が切れて使用不可能な状態となった携帯情報端末1が、連結されている他の携帯情報端末1から電力を受けて起動可能状態となるだけではなく、他の携帯情報端末1から供給された電力を自らの蓄電手段に蓄えることにより、連結状態が解除されても(すなわち、単体となった場合でも)、自らの蓄電手段に蓄えられた電力によって起動可能状態となるようにすることも可能である。
【0041】
また、例えば、複数の携帯情報端末1が連結された状態において、ある携帯情報端末1が、他の携帯情報端末1に搭載されている機能を使用できるようにすることも可能である。例えば、所定の携帯情報端末1が特別な無線インタフェースを有していたり、インターネットなどの外部ネットワークに接続しているような場合に、所定の携帯情報端末1以外の携帯情報端末1が、この所定の携帯情報端末1の特別な無線インタフェースを利用したり、この所定の携帯情報端末1によって形成されるインターネットへの接続ポイントを利用したりすることによって、外部機器や外部ネットワークに接続することも可能である。
【0042】
また、例えば、連結された複数の携帯情報端末1の表示部21における情報の表示を同期させることも可能である。図9は、図8に示す連結状態において、複数の携帯情報端末の表示部における情報の表示を同期させた場合の第1の例を示す図であり、図10は、図8に示す連結状態において、複数の携帯情報端末の表示部における情報の表示を同期させた場合の第2の例を示す図である。例えば、図9に示すように、複数の携帯情報端末1のそれぞれの表示部21において表示されるコンテンツが同一コンテンツとなるように同期付けを行うことが可能である。この場合には、例えば、各携帯情報端末1に設けられているCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)、又は、後述のマスターに設定された携帯情報端末1のCPUにおいて同期制御手段が実現可能であり、各携帯情報端末1の表示部21において、同一コンテンツが表示されるようになる。なお、図10上では、各表示部21間に回動ヒンジ部41や上部筐体2の一部が存在しているため、複数の表示部21を1つの表示画面とみなした場合には、表示されるコンテンツに隙間が生じてしまっているが、連結状態においてこうした隙間が生じないように表示部21の大きさを大きくしたり、回動ヒンジ部41の大きさを小さくしたりするなどの工夫を施すことが望ましい。
【0043】
また、例えば、図10に示すように、複数の携帯情報端末1のそれぞれの表示部21を組み合わせて、複数の表示部21全体を1つの表示画面とみなす同期付けを行うことも可能である。なお、この場合には、例えば、各携帯情報端末1の表示部21の大きさが、縦320ピクセル、横240ピクセルの場合には、図10に示すように、2×4に配列された複数の表示部21を縦640(320×2)ピクセル、横960(240×4)ピクセルの表示画面とみなすことが可能である。また、特に、本発明の携帯情報端末1を用いれば、複数の携帯情報端末1の連結方法や連結の個数などに応じて、様々な形状の表示画面(縦長や横長の表示画面)を自在に構成することが可能となる。
【0044】
なお、複数の携帯情報端末1のそれぞれの表示部21においてコンテンツの表示を行う場合も、また、複数の携帯情報端末1のそれぞれの表示部21全体を1つの表示画面として利用する場合も、コンテンツの表示方向は、ユーザが閲覧しやすい方向に自動的に設定されるようにするか、あるいは、ユーザによって設定の変更が行えるように構成されることが望ましい。
【0045】
また、例えば、連結された複数の携帯情報端末1のカメラ部42による撮像を同期させることも可能である。この場合にも、例えば、各携帯情報端末1に設けられているCPU、又は、後述のマスターに設定された携帯情報端末1のCPUにおいて同期制御手段が実現可能であり、連結された複数の携帯情報端末1のそれぞれに搭載されているカメラ部42の撮像動作を同時に行うように制御することによって、異なる視点からの同時撮像が可能となる。また、連結された複数の携帯情報端末1のそれぞれに搭載されているカメラ部42の撮像動作を少しずつずらすことによって、連写動作を行うことも可能となる。
【0046】
また、上述のように、複数の携帯情報端末1を連結して機能の拡張を行う場合には、例えば、連結された複数の携帯情報端末1のうちの1つをマスターとし、残りの携帯情報端末1をスレーブに設定できるようにしてもよい。これにより、例えば、複数の携帯情報端末1の連結状態において、マスターに設定された携帯情報端末1の操作部31のみを利用可能とし、残りの携帯情報端末1の操作部31を利用不可能にすることなどが可能となり、連結状態における動作の利便性が向上される。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係る携帯情報端末は、データ交換や機能の共有などの様々な機能を実現する際に、複数の携帯情報端末を接続するための利便性に優れた携帯情報端末を提供することができるという効果を有しており、PDA、PHS端末、ノート型PC、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどの持ち運び可能な携帯情報端末に係る技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態における携帯情報端末の外観を示す模式図であり、(a)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の180°固定状態を示す正面図、(b)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の180°固定状態を示す背面図
【図2】本発明の実施の形態における携帯情報端末の回動に係る動作を説明するための模式図であり、(a)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の収納状態を示す正面図、(b)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の90°固定状態を示す正面図、(c)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の270°固定状態を示す正面図
【図3】本発明の実施の形態における携帯情報端末の連結構造を説明するための模式図であり、(a)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の使用状態を示す上面図、(b)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の使用状態を示す右側面図、(c)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末の右側面から見た場合の断面図
【図4】本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を側面コネクタを用いて連結した場合の第1の例を示す図であり、(a)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を180°固定状態で側面コネクタを用いて連結した場合の一例を示す図、(b)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を収納状態で側面コネクタを用いて連結した場合の一例を示す図
【図5】本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を側面コネクタを用いて連結した場合の第2の例を示す図であり、(a)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を収納状態で側面コネクタを用いて上下を逆にして連結した場合の一例を示す図、(b)は、本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を収納状態で側面コネクタを用いて上下を逆にして連結した場合の一例を示す図
【図6】本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を凸状コネクタ及び凹状コネクタを用いて連結した場合の第1の例を示す図であり、(a)は、本発明の実施の形態における2つの携帯情報端末を90°固定状態にして、一方の携帯情報端末のコネクタキャップを取り外した様子を示す図、(b)は、本発明の実施の形態における2つの携帯情報端末を90°固定状態にして、凸状コネクタ及び凹状コネクタを用いて連結した場合の一例を示す図
【図7】本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を凸状コネクタ及び凹状コネクタを用いて連結した場合の第2の例を示す図であり、(a)は、本発明の実施の形態における2つの携帯情報端末を270°固定状態にして、一方の携帯情報端末のコネクタキャップを取り外した様子を示す図、(b)は、本発明の実施の形態における2つの携帯情報端末を270°固定状態にして、凸状コネクタ及び凹状コネクタを用いて連結した場合の一例を示す図
【図8】本発明の実施の形態における携帯情報端末同士を側面コネクタ、凸状コネクタ及び凹状コネクタを用いて連結した場合の一例を示す図
【図9】図8に示す連結状態において、複数の携帯情報端末の表示部における情報の表示を同期させた場合の第1の例を示す図
【図10】図8に示す連結状態において、複数の携帯情報端末の表示部における情報の表示を同期させた場合の第2の例を示す図
【符号の説明】
【0049】
1 携帯情報端末
2 上部筐体
3 下部筐体
21 表示部
22 レシーバ部
23 コネクタキャップ
24 側面コネクタ
25 凸状コネクタ
31 操作部
32 マイクロホン部
41 回動ヒンジ部
42 カメラ部(撮像手段)
43 凹状コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち運び可能な携帯情報端末であって、
所定の形状により形成されており、電気的な接点を有する嵌合接続手段が筐体に設けられており、
前記嵌合接続手段が、他の携帯情報端末の前記嵌合接続手段と相互に嵌合することによって、前記他の携帯情報端末との配置が固定されるとともに、前記他の携帯情報端末と電気的に接続可能なように構成されている携帯情報端末。
【請求項2】
前記筐体の1対の側面のそれぞれに前記嵌合接続手段が設けられている請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
前記筐体が、上部筐体及び下部筐体を有し、前記上部筐体と前記下部筐体とが所定の回動軸を形成する回動ヒンジ部により連結されており、前記所定の回動軸を中心として、前記下部筐体に対して前記上部筐体が回動可能なように構成されている請求項1又は2に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
前記上部筐体又は前記下部筐体と前記回動ヒンジ部とに、前記嵌合接続手段が設けられている請求項3に記載の携帯情報端末。
【請求項5】
前記携帯情報端末に設けられている前記嵌合接続手段と、他の携帯情報端末に同様に設けられている前記嵌合接続手段とが嵌合された場合には、前記携帯情報端末及び前記他の携帯情報端末のそれぞれの筐体の所定の側面が、略同一面を形成するように構成されている請求項1から4のいずれか1つに記載の携帯情報端末。
【請求項6】
前記所定の側面に、視覚的に情報を報知するための表示手段が設けられている請求項5に記載の携帯情報端末。
【請求項7】
前記嵌合接続手段を介して、前記携帯情報端末と前記他の携帯情報端末とが電気的に接続された場合、前記携帯情報端末が有する前記表示手段における前記情報の表示処理と、前記他の携帯情報端末が有する前記表示手段における前記情報の表示処理との同期制御を行うための同期制御手段を有する請求項6に記載の携帯情報端末。
【請求項8】
前記所定の側面に、外部の被写体を撮像するための撮像手段が設けられている請求項5から7のいずれか1つに記載の携帯情報端末。
【請求項9】
前記嵌合接続手段を介して、前記携帯情報端末と前記他の携帯情報端末とが電気的に接続された場合、前記携帯情報端末が有する前記撮像手段における撮像処理と、前記他の携帯情報端末が有する前記撮像手段における撮像処理との同期制御を行うための同期制御手段を有する請求項8に記載の携帯情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−18365(P2006−18365A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192738(P2004−192738)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000187725)パナソニック モバイルコミュニケーションズ株式会社 (38)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】