携帯機器のための姿勢支持装置
【課題】携帯機器の姿勢の安定状態を継続して支持することができ、大型化を抑止しかつコンパクトな形態に収納し得る構造を備え、携帯性に優れた姿勢支持装置を提供する。
【解決手段】携帯機器2を保持し支持する支持手段10と、支持手段から繋がる長尺状の可撓性の軸部であって支持手段から繋がる可撓性の第1の軸部21aと、該第1の軸部の端部と繋がり該第1の軸部と比較して柔らかい可撓性を有した第2の軸部21cとを有している可撓性の軸部20とを具備する。
【解決手段】携帯機器2を保持し支持する支持手段10と、支持手段から繋がる長尺状の可撓性の軸部であって支持手段から繋がる可撓性の第1の軸部21aと、該第1の軸部の端部と繋がり該第1の軸部と比較して柔らかい可撓性を有した第2の軸部21cとを有している可撓性の軸部20とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯機器のための姿勢支持装置、詳しくは携帯機器の姿勢を安定した状態で支持する姿勢支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影機能や録音機能等を備え、小型かつ軽量に構成され、携帯するのに適した形態の種々の電子機器等(以下、携帯機器という)が一般に実用化され、また広く普及している。この種の携帯機器の代表例としては、例えば静止画像や動画像を取得するカメラ,ビデオカメラ等の撮影機器,音声を取得するテープレコーダ,ICレコーダ等の録音機器等、種々の形態のものがある。また、携帯電話や電子手帳等においても、撮影機能や録音機能を備えたものがある。
【0003】
従来の携帯機器においては、通常の場合、使用者が手に保持した状態で使用されるものであるが、機器の使用形態としては、例えば携帯機器を固定された台上等に直接載置して使用する場合もある。しかしながら、このような使用形態の場合、携帯機器を載置する載置面が凹凸のある面や曲面である非平面であったり、傾いていたりすると、携帯機器の姿勢を安定状態に維持することが困難である。
【0004】
そこで、非平面や傾斜のある台上で機器の姿勢を安定状態に支持するための手段として、例えば特開2002−350953号公報等によって、種々のものが提案されている。
【0005】
上記特開2002−350953号公報等においては、機器の底部に粘土質の材料を設けたカメラや、袋状の外皮の内部に粒体や粘性流体等を充填したストラップや、変形自在で変形後の形状を保持する材料で形成したストラップ等、種々の形態の姿勢支持装置が提案されている。
【0006】
また、従来においては、携帯機器の使用時に機器の姿勢を安定状態で継続して確保するための手段としては、例えば三脚等の架台と雲台等の機器固定部とからなる姿勢支持装置を用いることが一般に行われる。
【0007】
しかしながら、従来のこの種の姿勢支持装置は、それ自体が比較的大きなものであり携帯性に難がある上に、携帯機器の一般的な使用形態においては必須のものであるとは限らないので、頻繁に使用されるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−350953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、上記特開2002−350953号公報等によって開示されている手段では、脚部を変形し易いように形成した場合には機器を支えきれない場合があり得る。一方、このことを考慮して脚部の硬さが確保されるように設定すると、脚部の変形の自由度が損なわれてしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、携帯機器の姿勢の安定状態を継続して支持することができると共に、大型化を抑止しかつコンパクトな形態に収納し得る構造を備え、よって携帯性にも優れた姿勢支持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明による姿勢支持装置は、携帯機器を保持し支持する支持手段と、上記支持手段から繋がる長尺状の可撓性の軸部であって、上記支持手段から繋がる可撓性の第1の軸部と、該第1の軸部の端部と繋がり該第1の軸部と比較して柔らかい可撓性を有した第2の軸部とを有している可撓性の軸部と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯機器の姿勢の安定状態を継続して支持することができると共に、大型化を抑止しかつコンパクトな形態に収納し得る構造を備え、よって携帯性にも優れた姿勢支持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の姿勢支持装置を示す外観斜視図
【図2】図1の姿勢支持装置の要部における内部構成を示す図
【図3】図1の姿勢支持装置に携帯機器を装着した状態を示す図
【図4】図1の姿勢支持装置に携帯機器を装着して使用する際の一形態を示す図
【図5】図1の姿勢支持装置に携帯機器を装着して使用する際の他の形態を示す図
【図6】図4,図5に示す使用状態において脚部における支持部と巻付き部との位置関係を示す図
【図7】図1の姿勢支持装置の非使用時における収納状態を示す図
【図8】図1の姿勢支持装置の内部構成についての第1変形例を示す要部拡大断面図
【図9】図1の姿勢支持装置の内部構成についての第2変形例を示す要部拡大断面図
【図10】図1の姿勢支持装置の内部構成についての第3変形例を示す要部拡大断面図
【図11】図1の姿勢支持装置の内部構成についての第4変形例を示す要部拡大断面図
【図12】図1の姿勢支持装置の内部構成についての第5変形例を示す要部拡大断面図
【図13】図1の姿勢支持装置の機器固定手段についての一変形例を示す要部拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
【0015】
図1〜図13は、本発明の一実施形態を示す図である。このうち、図1は本発明の一実施形態の姿勢支持装置を示す外観斜視図である。図2は、図1の姿勢支持装置の要部における内部構成を示す図である。図3は、図1の姿勢支持装置に携帯機器を装着した状態を示す図である。図4,図5は、図1の姿勢支持装置に携帯機器を装着して使用する際の具体的な使用形態を示す図である。このうち、図4は、木の枝等の略水平方向に延びる棒状部に巻き付けて使用する状態を示している。図5は、木の幹等の略垂直方向に延びる棒状部に巻き付けて使用する状態を示している。図6は、図4,図5に示す姿勢支持装置の使用状態において脚部の支持部と巻付き部との位置関係を示す要部拡大図である。図7は、図1の姿勢支持装置の非使用時における収納状態を示す図である。
【0016】
なお、以下の説明に用いる各図面においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、これらの図面に記載された構成要素の数量,構成要素の形状,構成要素の大きさの比率及び各構成要素の相対的な位置関係は、図示の形態のみに限定されるものではない。
【0017】
まず、本実施形態の姿勢支持装置1の構成について、主に図1,図2を用いて以下に詳述する。
【0018】
図1,図2に示すように、本実施形態の姿勢支持装置1は、機器固定手段であり支持手段であり雲台部である雲台ユニット10と、長尺状の可撓性軸部である脚部20とによって主に構成される。
【0019】
雲台ユニット10は、携帯機器2(後述する)と長尺状可撓性軸部(脚部20)との間に配置され、携帯機器2を保持し支持する中間ユニットである。雲台ユニット10は、機器取付用雄ねじ、即ち三脚ネジを有し、この機器取付用雄ねじを用いて携帯機器2を固定した状態で、該携帯機器2の向く方向を上下左右の自由な方向に向けることができ、かつ所望の方向に向けた状態で固定支持することができるように構成されているものである。本実施形態の姿勢支持装置1に適用される雲台ユニット10の形態としては、例えば自由雲台(ball head),2ウェイ雲台,3ウェイ雲台等、各種の形態のものが適用し得る。本実施形態においては、自由雲台からなる雲台ユニット10を適用した例について説明している。
【0020】
雲台ユニット10の基本的な構成は、主に図1に示されるように、従来一般に普及している自由雲台と略同様のものが適用される。即ち、雲台ユニット10は、締付ホイール11と、機器取付用雄ねじ12と、支柱部13と、ボール部14と、締付ツマミ15と、雲台本体部16等によって構成される。
【0021】
締付ホイール11は、例えば円板形状の板部材からなり、外周面上に滑り止めとなるローレット部11aが形成されている。締付ホイール11は、図1に示す軸Pを中心として、当該軸P周りに正逆回転し得るように設けられる。
【0022】
締付ホイール11の一方の面上には、その中心部の軸Pに沿う方向(当該面に対して直交する方向)に面上から外部に向けて突出するように、かつ一体に機器取付用雄ねじ12が植設されている。
【0023】
また、締付ホイール11の他方の面上には、その略中心部の軸Pに沿う方向(当該面に対して直交する方向)に面上から外部に向けて突出するように、かつ一体に支柱部13の一端が植設されている。この構成により、締付ホイール11が図1の矢印R1方向(軸Pを中心とする軸周り)に回動すると、機器取付用雄ねじ12及び支柱部13も一体として同方向(軸周り)に回動するようになっている。
【0024】
支柱部13の他端にはボール部14が一体に連設されている。支柱部13とボール部14とが連設した状態においては、支柱部13の軸中心線がボール部14の中心点を通るようになっている。
【0025】
雲台本体部16は、一方の面が閉じられ、他方の面に開口16bを有し、内部に空間が形成された略円筒形状からなる筐体である。この雲台本体部16の内部空間には、ボール部14が収納されるようになっている。このボール部14に一体に連設される支柱部13は、当該雲台本体部16の上記開口16bから外部に向けて突出するように配置されている。また、上記開口16bの直径は、ボール部14の直径よりも小となるように、かつ支柱部13の軸直径よりも大となるように形成されている。したがって、ボール部14は、開口16aから外部に抜け出ないようになっており、かつ雲台本体部16の内部空間で転動自在となっている。
【0026】
開口16bの一部には、上記筐体の外周に到達する部位まで切り欠かれた切欠部16aが形成されている。この切欠部16aは、上記支柱部13の軸直径よりも若干大となるように形成されている。
【0027】
雲台本体部16の内部空間でボール部14が転動すると、これに伴って、開口16bから突出している支柱部13が図1の矢印R2,R3方向を含む球面に沿う任意の方向に傾倒し得るようになっている。このとき、支柱部13の傾倒し得る範囲(例えば軸Pに対する最大傾倒角度でも示される)は、上記開口16bと支柱部13とが当接する部位で規制されるようになっている。ただし、支柱部13が切欠部16a内に入り込んだ場合には、支柱部13は、上記規制の範囲を越えて傾倒し得るようになっている。この状態となった時には、支柱部13は、例えば軸Pに対して軸中心線が略直交する位置となるまで、つまり傾倒角度が略90度となるまで傾倒し得るようになっている。
【0028】
さらに、雲台本体部16の上記筐体側面には、締付ツマミ15が配設されている。この締付ツマミ15は、ツマミ部15aとねじ部15bとによって形成されている。ツマミ部15aは、締付ツマミ15の操作部位である。ねじ部15bは、雲台本体部16の筐体側面から内部空間に至る貫通ねじ孔16cに螺合している。したがって、ツマミ部15aをつまんで回動操作させることにより、貫通ねじ孔16cに螺合するねじ部15bが進退するようになっている。そして、ねじ部15bが内部空間に向けて前進する方向(締付方向という)に操作した時、ねじ部15bの先端部(不図示)が雲台本体部16の内部空間に至り、当該先端部がボール部14の表面を押圧するようになっている。これにより、締付ツマミ15は、雲台本体部16の内部空間でボール部14が転動するのを規制するようになっている。
【0029】
このような構成からなる雲台ユニット10には、脚部20が連設されている。当該脚部20は、フレキシブルシャフト部21と、エンドキャップ部22とによって主に構成されている。エンドキャップ部22は、フレキシブルシャフト部21の一端部(先端部)に取付られるいわゆる石突部である。エンドキャップ部22は、硬性の部材、例えば樹脂製部材や金属製部材等が適用される。また、比較的硬性のゴム部材等を適用してもよい。
【0030】
なお、以下の説明において、フレキシブルシャフト部21の各部位を説明するのに際しては、雲台ユニット10と脚部20との連設部位におけるフレキシブルシャフト部21の端部を基端部というものとする。また、フレキシブルシャフト部21の基端部とは反対側の端部、即ちエンドキャップ部22が配設される側の端部を先端部というものとする。
【0031】
そして、雲台ユニット10と脚部20とは、それぞれの各中心軸が軸Pで一致するように連設されている(図1参照)。
【0032】
フレキシブルシャフト部21は、図2の各部(A,B)拡大図に示すように、外皮23と、複数のフレキシブルパイプ(24,25)とによって構成されている。
【0033】
外皮23は、フレキシブルシャフト部21の基端部から先端部までの外面を覆うように配設されるチューブ状部材である。外皮23の素材としては、例えばゴム等の弾性を有する軟質な部材等によって形成される。また、この外皮23は、当該姿勢支持装置1の使用時に、外皮23の表面が接触する固定物の表面との間で高い摩擦力を得られるような素材を適用するのが望ましい。さらに、外皮23の表面は、固定物表面の形状に倣うような塑性的な材質を有していてもよい。
【0034】
外皮23の内部空間には、変形自在に形成される複数のフレキシブルパイプ、即ち第1フレキシブルパイプ24と、第2フレキシブルパイプ25とが配設されている。
【0035】
第1フレキシブルパイプ24は、図2のA部拡大図に示すように、外皮23の内径と略同径の外径を有し、例えば金属製素材等の管状部材により形成される。第1フレキシブルパイプ24は、基端部寄りの所定の領域、例えばフレキシブルシャフト部21の全長の4分の1程度の領域に配置されている。
【0036】
第2フレキシブルパイプ25は、図2のA部拡大図に示すように、第1フレキシブルパイプ24の内径と略同径の外径を有し、例えば金属製素材等の管状部材により形成される。第2フレキシブルパイプ25は、第1フレキシブルパイプ24の先端内側に嵌合することにより、当該第1フレキシブルパイプ24と一体となるように、かつ両者(24,25)の軸中心が軸P(図1参照)と一致するように連結されている。
【0037】
なお、第1フレキシブルパイプ24と第2フレキシブルパイプ25とを連結している連設部位、即ち第1フレキシブルパイプ24と第2フレキシブルパイプ25とが重複して配置されている部位を、ジョイント部21bというものとする。
【0038】
第1フレキシブルパイプ24と第2フレキシブルパイプ25とは、いずれも変形自在に形成されるものであるが、第1フレキシブルパイプ24は、第2フレキシブルパイプ25に比べて、例えば太径のパイプを採用している(図2のA部拡大図参照)。これにより、第1フレキシブルパイプ24と第2フレキシブルパイプ25とを比べると、第2フレキシブルパイプ25(細径)は、第1フレキシブルパイプ24(太径)に比べて、より変形し易いように形成されている。
【0039】
また、第2フレキシブルパイプ25の先端寄りの部位は、図2のB部拡大図に示すように、第2フレキシブルパイプ25の先端部にエンドキャップ部22が固設された形態となっている。
【0040】
このように構成される本実施形態の姿勢支持装置1の使用形態を、以下に説明する。
【0041】
本実施形態の姿勢支持装置1の雲台ユニット10に携帯機器2を取り付けた状態を、図3に示している。この図3に示す例では、本姿勢支持装置1に取付られる携帯機器2の例として、薄型筐体を有するデジタルカメラを示している。この携帯機器としてのデジタルカメラは、例えば薄型筐体2aを有し、この薄型筐体2aの前面(被写体に対向する面)に撮影レンズ2b,閃光発光部2cが設けられ、また薄型筐体2aの上面には、シャッターリリースボタン2d等の操作部材が設けられている。そして、薄型筐体2aの背面側(不図示)には、表示部のほか複数の操作部材等が配設されている。
【0042】
なお、本発明の一実施形態の姿勢支持装置1を用いて使用する場合の携帯機器2としては、例えば撮影機能や録音機能等を備え、小型かつ軽量に構成され、携帯するのに適した形態の種々の電子機器等の携帯機器が挙げられる。例えば静止画像や動画像を取得するカメラ,ビデオカメラ等の撮影機器,音声を取得するテープレコーダ,ICレコーダ等の録音機器等、種々の形態のものがある。また、携帯電話や電子手帳等においても、撮影機能や録音機能を備えたものがある。本実施形態の姿勢支持装置1は、 上記デジタルカメラ等の撮影機器のほかにも、これら各種の携帯機器2に対応し得る。
【0043】
図3に示す状態は、雲台ユニット10の機器取付用雄ねじ12と、携帯機器2の例えば底面部に設けられる三脚ネジ穴(図示せず)とを螺合させて、締付ホイール11を図1の矢印R1方向に沿う方向であって、所定の締付方向に回動させることによって、雲台ユニット10上に携帯機器2を固設した状態を示している。なお、図3に示す状態では、脚部20は一直線状に伸ばした状態としている。
【0044】
この状態にある脚部20を変形させて、図4に示すように略水平方向に延びる棒状固定物100(例えば建物や大地等に附属する柵,手摺り,支柱等や樹木の枝,幹等)に巻き付けたり、若しくは図5に示すように略垂直方向に延びる棒状固定物100に巻き付ける、といった形態とすることによって、当該棒状固定物100に対し姿勢支持装置1を介して携帯機器2の姿勢を安定した状態で支持することができるようになっている。
【0045】
上述したように、本実施形態における姿勢支持装置1の脚部20におけるフレキシブルシャフト部21は、基端部寄りの部位に配置される第1フレキシブルパイプ24と、この第1フレキシブルパイプ24にジョイント部21bを介して連結され、先端部側の部位に配置される第2フレキシブルパイプ25とによって主に構成される(図2参照)。
【0046】
そして、第2フレキシブルパイプ25は、第1フレキシブルパイプ24に比べて、より変形し易いように形成されている。換言すると、第1フレキシブルパイプ24は、第2フレキシブルパイプ25に比べて可撓性(柔軟性)が若干規制されるように硬めに形成されている。したがって、第1フレキシブルパイプ24は、第2フレキシブルパイプ25に比べて変形し難くなっており、これにより、第1フレキシブルパイプ24は、その形態が維持され易いようになっている。
【0047】
このように、携帯機器2が固設される雲台ユニット10に近い側(基端部側)の部位を硬めに形成することで、携帯機器2及び雲台ユニット10を確実に支持することができるようになっている。つまり、第1フレキシブルパイプ24の配置される部分は、主に携帯機器2及び雲台ユニット10の重量を支持し、携帯機器2の姿勢を保持する役目を担う部位となる。そこで、フレキシブルシャフト部21における基端部寄りの部位、即ち雲台ユニット10から繋がる可撓性の軸部であって第1フレキシブルパイプ24が配置される部位を第1の軸部である支持部21aというものとする(図2,図4,図5等参照)。
【0048】
これに対し、第2フレキシブルパイプ25は、第1フレキシブルパイプ24(第1の軸部,支持部21a)の端部と繋がり、この第1フレキシブルパイプ24(第1の軸部)と比較して柔らかい可撓性を有して形成されている。したがって、第2フレキシブルパイプ25は、第1フレキシブルパイプ24に比べて変形し易くなっている。これにより、第2フレキシブルパイプ25は、そのフレキシブル性によって棒状固定物100に対して巻き付き易い形態となっていると言える。つまり、第2フレキシブルパイプ25の配置される部分は、主に変形することにより支持部21aを含む部分及び棒状固定物100に対して巻き付くことで、本姿勢支持装置1を固定する役目を担う部位となる。そこで、フレキシブルシャフト部21において、支持部21aとの連設部位(ジョイント部21b)から先端部までの部位であって、第2フレキシブルパイプ24が配置される部位を第2の軸部である巻付き部21cというものとする(図2,図4,図5等参照)。
【0049】
本実施形態の姿勢支持装置1は、雲台ユニット10に携帯機器2を固定した状態とし、所望の棒状固定物100に対して巻付き部21cを巻き付けることで、当該姿勢支持装置1を安定支持させることにより、携帯機器2を安定した状態で使用できるようにするものである。この場合において、姿勢支持装置1を固定物に安定支持させるのに際しては、次のような手順により行なう。
【0050】
即ち、まず、図4〜図6の符号C部に示すように、棒状固定物100の一表面に対して支持部21aを当接させた状態とする。次いで、巻付き部21cを棒状固定物100に対して巻き付け配置する。このとき、支持部21aが棒状固定物100と巻付き部21cとの間に挟持した形態となるようにする。この状態においては、支持部21aは、図4〜図6の符号Cの部位に示されるように、巻付き部21cから支持部21aを挟んで棒状固定物100に向かう所定の力量により挟持される。
【0051】
この巻付き部21cから支持部21aに対して加わる力量の方向としては、支持部21aの軸中心に対して略直交する方向であって、互いに異なる二方向X1,X2からとするのが望ましい。これにより、巻付き部21cは、支持部21aを棒状固定物100の表面に向けて所定の力量で押圧する(図6参照;なお、図6では雲台ユニット10の詳細な図示は省略している)。また、このとき、巻付き部21cの先端部近傍は、さらに棒状固定物100に巻き付くように配置される。なお、脚部20の外表面は、支持部21a,ジョイント部21b,巻付き部21cの全ての領域に渡って高い摩擦力を発生させ、弾性のある素材で構成されていることから、所定の力量で支持部21aが巻付き部21cにより押圧されることで、例えば図5に示すように、略垂直方向に延びる棒状固定物100に巻き付けた場合にも、携帯機器2を固定した雲台ユニット10を含む当該姿勢支持装置1自体の重量を固定支持し得るようになっている。
【0052】
一方、本実施形態の姿勢支持装置1を使用しないときには、図7に示すように、脚部20を複数回、折り畳むことによってコンパクトに収納することができるような形態とすることができるようになっている。この場合においても、支持部21a以外の部分では、大きくフレキシブル性を有して形成されているので、無理なく複数回の折り畳みを可能としている。したがって、通常一般的な三脚等に比べて不使用時の形態もコンパクトなものとすることができるようになっている。
【0053】
以上説明したように上記一実施形態によれば、携帯機器2の姿勢を安定した一定の状態で支持する一脚状の姿勢支持装置1において、脚部20の一部であって基端部寄りの所定の領域(長さ領域)をフレキシブル性が低めでやや硬めに設定した支持部21aとする一方、該支持部21aに連接するジョイント部21bから先端部寄りの所定の領域を可撓性を高めて柔軟に設定した巻付き部21cとし、姿勢支持装置1の使用時に巻付き部21cと固定物との間に支持部21aを挟み込むような形態で、巻付き部21cを配置することによって、携帯機器2を固定した姿勢支持装置1を固定物に対して確実にかつ容易に安定状態を確保することができる。
【0054】
また、不使用時には、巻付き部21cの柔らかい可撓性によって、よりコンパクトに折り畳み収納状態とすることが容易にできる。
【0055】
上述の一実施形態においては、図2の各部拡大図に示すように、硬めの支持部21aを太径の第1フレキシブルパイプ24によって形成し、柔らかい可撓性を有する巻付き部21cを細径の第2フレキシブルパイプ25によって形成し、両者をジョイント部21bにて連結するように構成した。そして、両フレキシブルパイプ24,25の外面を外皮23で覆うように構成した。
【0056】
そして、上記一実施形態においては、図2に示すように、外皮23と第1フレキシブルパイプ24(太径)との間は密着した形態となっている。その一方で、外皮23と第2フレキシブルパイプ25(細径)との間には隙間Dが形成された形態となっている。
【0057】
本発明の姿勢支持装置の内部構成については、上記一実施形態で示される構成に限られることはなく、他の形態も種々考えられる。上記一実施形態の姿勢支持装置の種々の変形例について、以下に説明する。
【0058】
図8は、上記一実施形態の姿勢支持装置の第1変形例を示す要部拡大断面図である。
【0059】
この第1変形例では、第1フレキシブルパイプ24の内部に第2フレキシブルパイプ25Aを挿通させて、第1フレキシブルパイプ24を基端部から先端部までの全領域に渡って配置している。これにより、支持部21aには、第1フレキシブルパイプ24が配置されると共に、第2フレキシブルパイプ25Aの一部が重ねて配置されている。
【0060】
このような構成とすれば、第1変形例においても、支持部21aの可撓性と巻付き部21cの可撓性との間に差を設けることができる。なお、この場合において、支持部21aと巻付き部21cの可撓性の差(硬軟差)は、上記一実施形態と比べて大きくすることができる。
【0061】
また、上記第1変形例においては、巻付き部21cに対応する領域において、第2フレキシブルパイプ25と外皮23との間の領域(上記一実施形態における隙間Dに対応する領域)をも外皮23で覆うように形成している。これにより、フレキシブルシャフト部21の全領域に渡って、外皮23の内側領域の空間を排除して形成している。
【0062】
したがって、このような構成の第1変形例によれば、上記一実施形態(隙間Dを有する形態)と比べて、当該巻付き部21cを使用者が握ったり触ったりする際に違和感を与えることがなく、操作感の向上に寄与することができる。
【0063】
なお、隙間D領域を設けずに外皮23で覆うようにする構成は、上述の一実施形態にも全く同様に適用し得る。
【0064】
図9は、上記一実施形態の姿勢支持装置の第2変形例を示す要部拡大断面図である。
【0065】
この第2変形例では、フレキシブルシャフト部21の全領域に渡って一つのフレキシブルパイプ24Aを設け、支持部21aに対応する位置、即ち基端部から所定長さの領域に芯材26を配置して構成している。この芯材26は、フレキシブルパイプ24Aの内部に挿通させて配置している。芯材26は、可撓性を有する線材、例えば銅線材,鉛線材等が適用される。
【0066】
このような構成としても、上述の一実施形態及び第1変形例と同様に、支持部21aの領域を硬く、巻付き部21cの領域を柔軟にするように、両者(21a,21c)間に可撓性の差を設定することができる。
【0067】
図10は、上記一実施形態の姿勢支持装置の第3変形例を示す要部拡大断面図である。
【0068】
この第3変形例では、フレキシブルシャフト部21の全領域に渡って一つのフレキシブルパイプ24Aを設け、支持部21aに対応する位置、即ち基端部から所定長さの領域に、曲げ方向の動きを抑制する曲げ抑制部材27を配置して構成している。この曲げ抑制部材27としては、フレキシブルパイプ24Aの外面に巻回される補強テープ材(例えば金属製テープ等)等が適用される。
【0069】
このような構成としても、上述の一実施形態及び第1,第2変形例と同様に、支持部21aの領域を硬く、巻付き部21cの領域を柔軟にするように、両者(21a,21c)間に可撓性の差を設定することができる。
【0070】
図11は、上記一実施形態の姿勢支持装置の第4変形例を示す要部拡大断面図である。
【0071】
この第4変形例では、フレキシブルシャフト部21の全領域に渡って一つのフレキシブルパイプ24Aを設け、支持部21aに対応する位置、即ち基端部から所定長さの領域に、長さの異なる複数の芯材26A,26B,26Cを配置して構成している。これらの芯材26A,26B,26Cは、フレキシブルパイプ24Aの内部に挿通させて配置している。なお、芯材26A,26B,26Cは、上記第2変形例の芯材26と同様に、可撓性を有する線材、例えば銅線材,鉛線材等が適用される。
【0072】
そして、本変形例において、支持部21aの領域に配置される各芯材26A,26B,26Cのそれぞれの長さ設定は、例えば26A<26B<26Cの関係としている。これにより、本変形例においては、支持部21aの領域内において、芯材26Aの配置されている領域21aaと、芯材26A及び芯材26Bの配置されている領域21abと、芯材26A,26B,26Cの配置されている領域21acとが形成されることになる。
【0073】
このような構成とすれば、支持部21aの領域内においても、可撓性の差をつけた複数領域を形成することができる。この場合において、支持部21a内における各領域の可撓性は、基端側の領域21aaから先端に向けて徐々に可撓性が増すように設定される。本変形例では、支持部21a内において三段階の可撓性の差が形成されるように、三本の芯材26A,26B,26Cを設けて構成している。
【0074】
図12は、上記一実施形態の姿勢支持装置の第5変形例を示す要部拡大断面図である。
【0075】
この第5変形例では、フレキシブルシャフト部21の全領域に渡って配置される一つの芯材26Cと、支持部21aに対応する位置、即ち基端部から所定長さの領域に、長さの異なる複数の芯材26A,26Bを配置して構成している。これらの芯材26A,26B,26Cは、上記第2,第4変形例の芯材26と同様に、可撓性を有する線材、例えば銅線材,鉛線材等が適用される。
【0076】
そして、本変形例において、支持部21aの領域に配置される各芯材26A,26Bの長さ設定は、例えば26A<26Bの関係としている。これにより、本変形例においては、支持部21aの領域内において、芯材26Aの配置されている領域21aaと、芯材26A及び芯材26Bの配置されている領域21abとが形成されることになる。
【0077】
このような構成とすれば、上記第4変形例と同様に、支持部21aの領域内において柔軟差をつけた複数領域を形成することができる。本変形例においては、支持部21a内において二段階の柔軟差が形成されるように構成されている。
【0078】
一方、上記一実施形態の姿勢支持装置1においては、適用される雲台部である雲台ユニット10の形態として、自由雲台からなる雲台ユニット10を適用した例を説明した。
【0079】
雲台部(雲台ユニット10)の形態はこの形態に限られることはなく、例えば図13に示すような形態のものも適用し得る。
【0080】
図13は、上記一実施形態の姿勢支持装置1における機器固定手段についての一変形例を示す要部拡大断面図である。
【0081】
本変形例では、上述の一実施形態の姿勢支持装置1における機器固定手段であり雲台部として、自由雲台からなる雲台ユニット10に代えて、クリップ形状の支持手段である支持ユニット10Aを適用している。
【0082】
このような構成とすれば、例えば三脚ネジ穴を有していない携帯機器2Aにも容易に対応することができる。図13に示す例では、姿勢支持装置1における雲台部としてクリップ形状の支持ユニット10Aを適用している。これにより、例えば携帯電話のような薄型形状の携帯機器2Aに対しても、機器の任意の部位をクリップ形状部で挟み込むことによって、容易にかつ確実に携帯機器2Aを固定支持することができる。
【0083】
また、本願一実施形態に示す発明は、以下のように表現することができる。即ち、携帯機器を保持し支持する支持手段と、上記支持手段から繋がる長尺状の可撓性の軸部であって、該軸部外周はゴム部材からなる筒状の被覆部材で覆われている可撓性の軸部と、を具備している姿勢支持装置であると表現できる。この被覆部材はゴムに限らず、接触する相手の表面になじむ形状に変化できるものならなんでもよい。例えば、皮革材料,ゲル材料等などで、接触する相手の表面にたいし摩擦力を発生させ、軸部を巻き付けた時にグリップ力を発生させる。
【0084】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0085】
1……姿勢支持装置
2,2A……携帯機器
10……雲台ユニット
10A……支持ユニット
20……脚部
21……フレキシブルシャフト部
21a……支持部
21b……ジョイント部
21c……巻付き部
22……エンドキャップ部
23……外皮
24……第1フレキシブルパイプ
24A……フレキシブルパイプ
25,25A……第2フレキシブルパイプ
26,26A,26B,26C……芯材
27……曲げ抑制部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯機器のための姿勢支持装置、詳しくは携帯機器の姿勢を安定した状態で支持する姿勢支持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影機能や録音機能等を備え、小型かつ軽量に構成され、携帯するのに適した形態の種々の電子機器等(以下、携帯機器という)が一般に実用化され、また広く普及している。この種の携帯機器の代表例としては、例えば静止画像や動画像を取得するカメラ,ビデオカメラ等の撮影機器,音声を取得するテープレコーダ,ICレコーダ等の録音機器等、種々の形態のものがある。また、携帯電話や電子手帳等においても、撮影機能や録音機能を備えたものがある。
【0003】
従来の携帯機器においては、通常の場合、使用者が手に保持した状態で使用されるものであるが、機器の使用形態としては、例えば携帯機器を固定された台上等に直接載置して使用する場合もある。しかしながら、このような使用形態の場合、携帯機器を載置する載置面が凹凸のある面や曲面である非平面であったり、傾いていたりすると、携帯機器の姿勢を安定状態に維持することが困難である。
【0004】
そこで、非平面や傾斜のある台上で機器の姿勢を安定状態に支持するための手段として、例えば特開2002−350953号公報等によって、種々のものが提案されている。
【0005】
上記特開2002−350953号公報等においては、機器の底部に粘土質の材料を設けたカメラや、袋状の外皮の内部に粒体や粘性流体等を充填したストラップや、変形自在で変形後の形状を保持する材料で形成したストラップ等、種々の形態の姿勢支持装置が提案されている。
【0006】
また、従来においては、携帯機器の使用時に機器の姿勢を安定状態で継続して確保するための手段としては、例えば三脚等の架台と雲台等の機器固定部とからなる姿勢支持装置を用いることが一般に行われる。
【0007】
しかしながら、従来のこの種の姿勢支持装置は、それ自体が比較的大きなものであり携帯性に難がある上に、携帯機器の一般的な使用形態においては必須のものであるとは限らないので、頻繁に使用されるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−350953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、上記特開2002−350953号公報等によって開示されている手段では、脚部を変形し易いように形成した場合には機器を支えきれない場合があり得る。一方、このことを考慮して脚部の硬さが確保されるように設定すると、脚部の変形の自由度が損なわれてしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、携帯機器の姿勢の安定状態を継続して支持することができると共に、大型化を抑止しかつコンパクトな形態に収納し得る構造を備え、よって携帯性にも優れた姿勢支持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明による姿勢支持装置は、携帯機器を保持し支持する支持手段と、上記支持手段から繋がる長尺状の可撓性の軸部であって、上記支持手段から繋がる可撓性の第1の軸部と、該第1の軸部の端部と繋がり該第1の軸部と比較して柔らかい可撓性を有した第2の軸部とを有している可撓性の軸部と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯機器の姿勢の安定状態を継続して支持することができると共に、大型化を抑止しかつコンパクトな形態に収納し得る構造を備え、よって携帯性にも優れた姿勢支持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の姿勢支持装置を示す外観斜視図
【図2】図1の姿勢支持装置の要部における内部構成を示す図
【図3】図1の姿勢支持装置に携帯機器を装着した状態を示す図
【図4】図1の姿勢支持装置に携帯機器を装着して使用する際の一形態を示す図
【図5】図1の姿勢支持装置に携帯機器を装着して使用する際の他の形態を示す図
【図6】図4,図5に示す使用状態において脚部における支持部と巻付き部との位置関係を示す図
【図7】図1の姿勢支持装置の非使用時における収納状態を示す図
【図8】図1の姿勢支持装置の内部構成についての第1変形例を示す要部拡大断面図
【図9】図1の姿勢支持装置の内部構成についての第2変形例を示す要部拡大断面図
【図10】図1の姿勢支持装置の内部構成についての第3変形例を示す要部拡大断面図
【図11】図1の姿勢支持装置の内部構成についての第4変形例を示す要部拡大断面図
【図12】図1の姿勢支持装置の内部構成についての第5変形例を示す要部拡大断面図
【図13】図1の姿勢支持装置の機器固定手段についての一変形例を示す要部拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
【0015】
図1〜図13は、本発明の一実施形態を示す図である。このうち、図1は本発明の一実施形態の姿勢支持装置を示す外観斜視図である。図2は、図1の姿勢支持装置の要部における内部構成を示す図である。図3は、図1の姿勢支持装置に携帯機器を装着した状態を示す図である。図4,図5は、図1の姿勢支持装置に携帯機器を装着して使用する際の具体的な使用形態を示す図である。このうち、図4は、木の枝等の略水平方向に延びる棒状部に巻き付けて使用する状態を示している。図5は、木の幹等の略垂直方向に延びる棒状部に巻き付けて使用する状態を示している。図6は、図4,図5に示す姿勢支持装置の使用状態において脚部の支持部と巻付き部との位置関係を示す要部拡大図である。図7は、図1の姿勢支持装置の非使用時における収納状態を示す図である。
【0016】
なお、以下の説明に用いる各図面においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、これらの図面に記載された構成要素の数量,構成要素の形状,構成要素の大きさの比率及び各構成要素の相対的な位置関係は、図示の形態のみに限定されるものではない。
【0017】
まず、本実施形態の姿勢支持装置1の構成について、主に図1,図2を用いて以下に詳述する。
【0018】
図1,図2に示すように、本実施形態の姿勢支持装置1は、機器固定手段であり支持手段であり雲台部である雲台ユニット10と、長尺状の可撓性軸部である脚部20とによって主に構成される。
【0019】
雲台ユニット10は、携帯機器2(後述する)と長尺状可撓性軸部(脚部20)との間に配置され、携帯機器2を保持し支持する中間ユニットである。雲台ユニット10は、機器取付用雄ねじ、即ち三脚ネジを有し、この機器取付用雄ねじを用いて携帯機器2を固定した状態で、該携帯機器2の向く方向を上下左右の自由な方向に向けることができ、かつ所望の方向に向けた状態で固定支持することができるように構成されているものである。本実施形態の姿勢支持装置1に適用される雲台ユニット10の形態としては、例えば自由雲台(ball head),2ウェイ雲台,3ウェイ雲台等、各種の形態のものが適用し得る。本実施形態においては、自由雲台からなる雲台ユニット10を適用した例について説明している。
【0020】
雲台ユニット10の基本的な構成は、主に図1に示されるように、従来一般に普及している自由雲台と略同様のものが適用される。即ち、雲台ユニット10は、締付ホイール11と、機器取付用雄ねじ12と、支柱部13と、ボール部14と、締付ツマミ15と、雲台本体部16等によって構成される。
【0021】
締付ホイール11は、例えば円板形状の板部材からなり、外周面上に滑り止めとなるローレット部11aが形成されている。締付ホイール11は、図1に示す軸Pを中心として、当該軸P周りに正逆回転し得るように設けられる。
【0022】
締付ホイール11の一方の面上には、その中心部の軸Pに沿う方向(当該面に対して直交する方向)に面上から外部に向けて突出するように、かつ一体に機器取付用雄ねじ12が植設されている。
【0023】
また、締付ホイール11の他方の面上には、その略中心部の軸Pに沿う方向(当該面に対して直交する方向)に面上から外部に向けて突出するように、かつ一体に支柱部13の一端が植設されている。この構成により、締付ホイール11が図1の矢印R1方向(軸Pを中心とする軸周り)に回動すると、機器取付用雄ねじ12及び支柱部13も一体として同方向(軸周り)に回動するようになっている。
【0024】
支柱部13の他端にはボール部14が一体に連設されている。支柱部13とボール部14とが連設した状態においては、支柱部13の軸中心線がボール部14の中心点を通るようになっている。
【0025】
雲台本体部16は、一方の面が閉じられ、他方の面に開口16bを有し、内部に空間が形成された略円筒形状からなる筐体である。この雲台本体部16の内部空間には、ボール部14が収納されるようになっている。このボール部14に一体に連設される支柱部13は、当該雲台本体部16の上記開口16bから外部に向けて突出するように配置されている。また、上記開口16bの直径は、ボール部14の直径よりも小となるように、かつ支柱部13の軸直径よりも大となるように形成されている。したがって、ボール部14は、開口16aから外部に抜け出ないようになっており、かつ雲台本体部16の内部空間で転動自在となっている。
【0026】
開口16bの一部には、上記筐体の外周に到達する部位まで切り欠かれた切欠部16aが形成されている。この切欠部16aは、上記支柱部13の軸直径よりも若干大となるように形成されている。
【0027】
雲台本体部16の内部空間でボール部14が転動すると、これに伴って、開口16bから突出している支柱部13が図1の矢印R2,R3方向を含む球面に沿う任意の方向に傾倒し得るようになっている。このとき、支柱部13の傾倒し得る範囲(例えば軸Pに対する最大傾倒角度でも示される)は、上記開口16bと支柱部13とが当接する部位で規制されるようになっている。ただし、支柱部13が切欠部16a内に入り込んだ場合には、支柱部13は、上記規制の範囲を越えて傾倒し得るようになっている。この状態となった時には、支柱部13は、例えば軸Pに対して軸中心線が略直交する位置となるまで、つまり傾倒角度が略90度となるまで傾倒し得るようになっている。
【0028】
さらに、雲台本体部16の上記筐体側面には、締付ツマミ15が配設されている。この締付ツマミ15は、ツマミ部15aとねじ部15bとによって形成されている。ツマミ部15aは、締付ツマミ15の操作部位である。ねじ部15bは、雲台本体部16の筐体側面から内部空間に至る貫通ねじ孔16cに螺合している。したがって、ツマミ部15aをつまんで回動操作させることにより、貫通ねじ孔16cに螺合するねじ部15bが進退するようになっている。そして、ねじ部15bが内部空間に向けて前進する方向(締付方向という)に操作した時、ねじ部15bの先端部(不図示)が雲台本体部16の内部空間に至り、当該先端部がボール部14の表面を押圧するようになっている。これにより、締付ツマミ15は、雲台本体部16の内部空間でボール部14が転動するのを規制するようになっている。
【0029】
このような構成からなる雲台ユニット10には、脚部20が連設されている。当該脚部20は、フレキシブルシャフト部21と、エンドキャップ部22とによって主に構成されている。エンドキャップ部22は、フレキシブルシャフト部21の一端部(先端部)に取付られるいわゆる石突部である。エンドキャップ部22は、硬性の部材、例えば樹脂製部材や金属製部材等が適用される。また、比較的硬性のゴム部材等を適用してもよい。
【0030】
なお、以下の説明において、フレキシブルシャフト部21の各部位を説明するのに際しては、雲台ユニット10と脚部20との連設部位におけるフレキシブルシャフト部21の端部を基端部というものとする。また、フレキシブルシャフト部21の基端部とは反対側の端部、即ちエンドキャップ部22が配設される側の端部を先端部というものとする。
【0031】
そして、雲台ユニット10と脚部20とは、それぞれの各中心軸が軸Pで一致するように連設されている(図1参照)。
【0032】
フレキシブルシャフト部21は、図2の各部(A,B)拡大図に示すように、外皮23と、複数のフレキシブルパイプ(24,25)とによって構成されている。
【0033】
外皮23は、フレキシブルシャフト部21の基端部から先端部までの外面を覆うように配設されるチューブ状部材である。外皮23の素材としては、例えばゴム等の弾性を有する軟質な部材等によって形成される。また、この外皮23は、当該姿勢支持装置1の使用時に、外皮23の表面が接触する固定物の表面との間で高い摩擦力を得られるような素材を適用するのが望ましい。さらに、外皮23の表面は、固定物表面の形状に倣うような塑性的な材質を有していてもよい。
【0034】
外皮23の内部空間には、変形自在に形成される複数のフレキシブルパイプ、即ち第1フレキシブルパイプ24と、第2フレキシブルパイプ25とが配設されている。
【0035】
第1フレキシブルパイプ24は、図2のA部拡大図に示すように、外皮23の内径と略同径の外径を有し、例えば金属製素材等の管状部材により形成される。第1フレキシブルパイプ24は、基端部寄りの所定の領域、例えばフレキシブルシャフト部21の全長の4分の1程度の領域に配置されている。
【0036】
第2フレキシブルパイプ25は、図2のA部拡大図に示すように、第1フレキシブルパイプ24の内径と略同径の外径を有し、例えば金属製素材等の管状部材により形成される。第2フレキシブルパイプ25は、第1フレキシブルパイプ24の先端内側に嵌合することにより、当該第1フレキシブルパイプ24と一体となるように、かつ両者(24,25)の軸中心が軸P(図1参照)と一致するように連結されている。
【0037】
なお、第1フレキシブルパイプ24と第2フレキシブルパイプ25とを連結している連設部位、即ち第1フレキシブルパイプ24と第2フレキシブルパイプ25とが重複して配置されている部位を、ジョイント部21bというものとする。
【0038】
第1フレキシブルパイプ24と第2フレキシブルパイプ25とは、いずれも変形自在に形成されるものであるが、第1フレキシブルパイプ24は、第2フレキシブルパイプ25に比べて、例えば太径のパイプを採用している(図2のA部拡大図参照)。これにより、第1フレキシブルパイプ24と第2フレキシブルパイプ25とを比べると、第2フレキシブルパイプ25(細径)は、第1フレキシブルパイプ24(太径)に比べて、より変形し易いように形成されている。
【0039】
また、第2フレキシブルパイプ25の先端寄りの部位は、図2のB部拡大図に示すように、第2フレキシブルパイプ25の先端部にエンドキャップ部22が固設された形態となっている。
【0040】
このように構成される本実施形態の姿勢支持装置1の使用形態を、以下に説明する。
【0041】
本実施形態の姿勢支持装置1の雲台ユニット10に携帯機器2を取り付けた状態を、図3に示している。この図3に示す例では、本姿勢支持装置1に取付られる携帯機器2の例として、薄型筐体を有するデジタルカメラを示している。この携帯機器としてのデジタルカメラは、例えば薄型筐体2aを有し、この薄型筐体2aの前面(被写体に対向する面)に撮影レンズ2b,閃光発光部2cが設けられ、また薄型筐体2aの上面には、シャッターリリースボタン2d等の操作部材が設けられている。そして、薄型筐体2aの背面側(不図示)には、表示部のほか複数の操作部材等が配設されている。
【0042】
なお、本発明の一実施形態の姿勢支持装置1を用いて使用する場合の携帯機器2としては、例えば撮影機能や録音機能等を備え、小型かつ軽量に構成され、携帯するのに適した形態の種々の電子機器等の携帯機器が挙げられる。例えば静止画像や動画像を取得するカメラ,ビデオカメラ等の撮影機器,音声を取得するテープレコーダ,ICレコーダ等の録音機器等、種々の形態のものがある。また、携帯電話や電子手帳等においても、撮影機能や録音機能を備えたものがある。本実施形態の姿勢支持装置1は、 上記デジタルカメラ等の撮影機器のほかにも、これら各種の携帯機器2に対応し得る。
【0043】
図3に示す状態は、雲台ユニット10の機器取付用雄ねじ12と、携帯機器2の例えば底面部に設けられる三脚ネジ穴(図示せず)とを螺合させて、締付ホイール11を図1の矢印R1方向に沿う方向であって、所定の締付方向に回動させることによって、雲台ユニット10上に携帯機器2を固設した状態を示している。なお、図3に示す状態では、脚部20は一直線状に伸ばした状態としている。
【0044】
この状態にある脚部20を変形させて、図4に示すように略水平方向に延びる棒状固定物100(例えば建物や大地等に附属する柵,手摺り,支柱等や樹木の枝,幹等)に巻き付けたり、若しくは図5に示すように略垂直方向に延びる棒状固定物100に巻き付ける、といった形態とすることによって、当該棒状固定物100に対し姿勢支持装置1を介して携帯機器2の姿勢を安定した状態で支持することができるようになっている。
【0045】
上述したように、本実施形態における姿勢支持装置1の脚部20におけるフレキシブルシャフト部21は、基端部寄りの部位に配置される第1フレキシブルパイプ24と、この第1フレキシブルパイプ24にジョイント部21bを介して連結され、先端部側の部位に配置される第2フレキシブルパイプ25とによって主に構成される(図2参照)。
【0046】
そして、第2フレキシブルパイプ25は、第1フレキシブルパイプ24に比べて、より変形し易いように形成されている。換言すると、第1フレキシブルパイプ24は、第2フレキシブルパイプ25に比べて可撓性(柔軟性)が若干規制されるように硬めに形成されている。したがって、第1フレキシブルパイプ24は、第2フレキシブルパイプ25に比べて変形し難くなっており、これにより、第1フレキシブルパイプ24は、その形態が維持され易いようになっている。
【0047】
このように、携帯機器2が固設される雲台ユニット10に近い側(基端部側)の部位を硬めに形成することで、携帯機器2及び雲台ユニット10を確実に支持することができるようになっている。つまり、第1フレキシブルパイプ24の配置される部分は、主に携帯機器2及び雲台ユニット10の重量を支持し、携帯機器2の姿勢を保持する役目を担う部位となる。そこで、フレキシブルシャフト部21における基端部寄りの部位、即ち雲台ユニット10から繋がる可撓性の軸部であって第1フレキシブルパイプ24が配置される部位を第1の軸部である支持部21aというものとする(図2,図4,図5等参照)。
【0048】
これに対し、第2フレキシブルパイプ25は、第1フレキシブルパイプ24(第1の軸部,支持部21a)の端部と繋がり、この第1フレキシブルパイプ24(第1の軸部)と比較して柔らかい可撓性を有して形成されている。したがって、第2フレキシブルパイプ25は、第1フレキシブルパイプ24に比べて変形し易くなっている。これにより、第2フレキシブルパイプ25は、そのフレキシブル性によって棒状固定物100に対して巻き付き易い形態となっていると言える。つまり、第2フレキシブルパイプ25の配置される部分は、主に変形することにより支持部21aを含む部分及び棒状固定物100に対して巻き付くことで、本姿勢支持装置1を固定する役目を担う部位となる。そこで、フレキシブルシャフト部21において、支持部21aとの連設部位(ジョイント部21b)から先端部までの部位であって、第2フレキシブルパイプ24が配置される部位を第2の軸部である巻付き部21cというものとする(図2,図4,図5等参照)。
【0049】
本実施形態の姿勢支持装置1は、雲台ユニット10に携帯機器2を固定した状態とし、所望の棒状固定物100に対して巻付き部21cを巻き付けることで、当該姿勢支持装置1を安定支持させることにより、携帯機器2を安定した状態で使用できるようにするものである。この場合において、姿勢支持装置1を固定物に安定支持させるのに際しては、次のような手順により行なう。
【0050】
即ち、まず、図4〜図6の符号C部に示すように、棒状固定物100の一表面に対して支持部21aを当接させた状態とする。次いで、巻付き部21cを棒状固定物100に対して巻き付け配置する。このとき、支持部21aが棒状固定物100と巻付き部21cとの間に挟持した形態となるようにする。この状態においては、支持部21aは、図4〜図6の符号Cの部位に示されるように、巻付き部21cから支持部21aを挟んで棒状固定物100に向かう所定の力量により挟持される。
【0051】
この巻付き部21cから支持部21aに対して加わる力量の方向としては、支持部21aの軸中心に対して略直交する方向であって、互いに異なる二方向X1,X2からとするのが望ましい。これにより、巻付き部21cは、支持部21aを棒状固定物100の表面に向けて所定の力量で押圧する(図6参照;なお、図6では雲台ユニット10の詳細な図示は省略している)。また、このとき、巻付き部21cの先端部近傍は、さらに棒状固定物100に巻き付くように配置される。なお、脚部20の外表面は、支持部21a,ジョイント部21b,巻付き部21cの全ての領域に渡って高い摩擦力を発生させ、弾性のある素材で構成されていることから、所定の力量で支持部21aが巻付き部21cにより押圧されることで、例えば図5に示すように、略垂直方向に延びる棒状固定物100に巻き付けた場合にも、携帯機器2を固定した雲台ユニット10を含む当該姿勢支持装置1自体の重量を固定支持し得るようになっている。
【0052】
一方、本実施形態の姿勢支持装置1を使用しないときには、図7に示すように、脚部20を複数回、折り畳むことによってコンパクトに収納することができるような形態とすることができるようになっている。この場合においても、支持部21a以外の部分では、大きくフレキシブル性を有して形成されているので、無理なく複数回の折り畳みを可能としている。したがって、通常一般的な三脚等に比べて不使用時の形態もコンパクトなものとすることができるようになっている。
【0053】
以上説明したように上記一実施形態によれば、携帯機器2の姿勢を安定した一定の状態で支持する一脚状の姿勢支持装置1において、脚部20の一部であって基端部寄りの所定の領域(長さ領域)をフレキシブル性が低めでやや硬めに設定した支持部21aとする一方、該支持部21aに連接するジョイント部21bから先端部寄りの所定の領域を可撓性を高めて柔軟に設定した巻付き部21cとし、姿勢支持装置1の使用時に巻付き部21cと固定物との間に支持部21aを挟み込むような形態で、巻付き部21cを配置することによって、携帯機器2を固定した姿勢支持装置1を固定物に対して確実にかつ容易に安定状態を確保することができる。
【0054】
また、不使用時には、巻付き部21cの柔らかい可撓性によって、よりコンパクトに折り畳み収納状態とすることが容易にできる。
【0055】
上述の一実施形態においては、図2の各部拡大図に示すように、硬めの支持部21aを太径の第1フレキシブルパイプ24によって形成し、柔らかい可撓性を有する巻付き部21cを細径の第2フレキシブルパイプ25によって形成し、両者をジョイント部21bにて連結するように構成した。そして、両フレキシブルパイプ24,25の外面を外皮23で覆うように構成した。
【0056】
そして、上記一実施形態においては、図2に示すように、外皮23と第1フレキシブルパイプ24(太径)との間は密着した形態となっている。その一方で、外皮23と第2フレキシブルパイプ25(細径)との間には隙間Dが形成された形態となっている。
【0057】
本発明の姿勢支持装置の内部構成については、上記一実施形態で示される構成に限られることはなく、他の形態も種々考えられる。上記一実施形態の姿勢支持装置の種々の変形例について、以下に説明する。
【0058】
図8は、上記一実施形態の姿勢支持装置の第1変形例を示す要部拡大断面図である。
【0059】
この第1変形例では、第1フレキシブルパイプ24の内部に第2フレキシブルパイプ25Aを挿通させて、第1フレキシブルパイプ24を基端部から先端部までの全領域に渡って配置している。これにより、支持部21aには、第1フレキシブルパイプ24が配置されると共に、第2フレキシブルパイプ25Aの一部が重ねて配置されている。
【0060】
このような構成とすれば、第1変形例においても、支持部21aの可撓性と巻付き部21cの可撓性との間に差を設けることができる。なお、この場合において、支持部21aと巻付き部21cの可撓性の差(硬軟差)は、上記一実施形態と比べて大きくすることができる。
【0061】
また、上記第1変形例においては、巻付き部21cに対応する領域において、第2フレキシブルパイプ25と外皮23との間の領域(上記一実施形態における隙間Dに対応する領域)をも外皮23で覆うように形成している。これにより、フレキシブルシャフト部21の全領域に渡って、外皮23の内側領域の空間を排除して形成している。
【0062】
したがって、このような構成の第1変形例によれば、上記一実施形態(隙間Dを有する形態)と比べて、当該巻付き部21cを使用者が握ったり触ったりする際に違和感を与えることがなく、操作感の向上に寄与することができる。
【0063】
なお、隙間D領域を設けずに外皮23で覆うようにする構成は、上述の一実施形態にも全く同様に適用し得る。
【0064】
図9は、上記一実施形態の姿勢支持装置の第2変形例を示す要部拡大断面図である。
【0065】
この第2変形例では、フレキシブルシャフト部21の全領域に渡って一つのフレキシブルパイプ24Aを設け、支持部21aに対応する位置、即ち基端部から所定長さの領域に芯材26を配置して構成している。この芯材26は、フレキシブルパイプ24Aの内部に挿通させて配置している。芯材26は、可撓性を有する線材、例えば銅線材,鉛線材等が適用される。
【0066】
このような構成としても、上述の一実施形態及び第1変形例と同様に、支持部21aの領域を硬く、巻付き部21cの領域を柔軟にするように、両者(21a,21c)間に可撓性の差を設定することができる。
【0067】
図10は、上記一実施形態の姿勢支持装置の第3変形例を示す要部拡大断面図である。
【0068】
この第3変形例では、フレキシブルシャフト部21の全領域に渡って一つのフレキシブルパイプ24Aを設け、支持部21aに対応する位置、即ち基端部から所定長さの領域に、曲げ方向の動きを抑制する曲げ抑制部材27を配置して構成している。この曲げ抑制部材27としては、フレキシブルパイプ24Aの外面に巻回される補強テープ材(例えば金属製テープ等)等が適用される。
【0069】
このような構成としても、上述の一実施形態及び第1,第2変形例と同様に、支持部21aの領域を硬く、巻付き部21cの領域を柔軟にするように、両者(21a,21c)間に可撓性の差を設定することができる。
【0070】
図11は、上記一実施形態の姿勢支持装置の第4変形例を示す要部拡大断面図である。
【0071】
この第4変形例では、フレキシブルシャフト部21の全領域に渡って一つのフレキシブルパイプ24Aを設け、支持部21aに対応する位置、即ち基端部から所定長さの領域に、長さの異なる複数の芯材26A,26B,26Cを配置して構成している。これらの芯材26A,26B,26Cは、フレキシブルパイプ24Aの内部に挿通させて配置している。なお、芯材26A,26B,26Cは、上記第2変形例の芯材26と同様に、可撓性を有する線材、例えば銅線材,鉛線材等が適用される。
【0072】
そして、本変形例において、支持部21aの領域に配置される各芯材26A,26B,26Cのそれぞれの長さ設定は、例えば26A<26B<26Cの関係としている。これにより、本変形例においては、支持部21aの領域内において、芯材26Aの配置されている領域21aaと、芯材26A及び芯材26Bの配置されている領域21abと、芯材26A,26B,26Cの配置されている領域21acとが形成されることになる。
【0073】
このような構成とすれば、支持部21aの領域内においても、可撓性の差をつけた複数領域を形成することができる。この場合において、支持部21a内における各領域の可撓性は、基端側の領域21aaから先端に向けて徐々に可撓性が増すように設定される。本変形例では、支持部21a内において三段階の可撓性の差が形成されるように、三本の芯材26A,26B,26Cを設けて構成している。
【0074】
図12は、上記一実施形態の姿勢支持装置の第5変形例を示す要部拡大断面図である。
【0075】
この第5変形例では、フレキシブルシャフト部21の全領域に渡って配置される一つの芯材26Cと、支持部21aに対応する位置、即ち基端部から所定長さの領域に、長さの異なる複数の芯材26A,26Bを配置して構成している。これらの芯材26A,26B,26Cは、上記第2,第4変形例の芯材26と同様に、可撓性を有する線材、例えば銅線材,鉛線材等が適用される。
【0076】
そして、本変形例において、支持部21aの領域に配置される各芯材26A,26Bの長さ設定は、例えば26A<26Bの関係としている。これにより、本変形例においては、支持部21aの領域内において、芯材26Aの配置されている領域21aaと、芯材26A及び芯材26Bの配置されている領域21abとが形成されることになる。
【0077】
このような構成とすれば、上記第4変形例と同様に、支持部21aの領域内において柔軟差をつけた複数領域を形成することができる。本変形例においては、支持部21a内において二段階の柔軟差が形成されるように構成されている。
【0078】
一方、上記一実施形態の姿勢支持装置1においては、適用される雲台部である雲台ユニット10の形態として、自由雲台からなる雲台ユニット10を適用した例を説明した。
【0079】
雲台部(雲台ユニット10)の形態はこの形態に限られることはなく、例えば図13に示すような形態のものも適用し得る。
【0080】
図13は、上記一実施形態の姿勢支持装置1における機器固定手段についての一変形例を示す要部拡大断面図である。
【0081】
本変形例では、上述の一実施形態の姿勢支持装置1における機器固定手段であり雲台部として、自由雲台からなる雲台ユニット10に代えて、クリップ形状の支持手段である支持ユニット10Aを適用している。
【0082】
このような構成とすれば、例えば三脚ネジ穴を有していない携帯機器2Aにも容易に対応することができる。図13に示す例では、姿勢支持装置1における雲台部としてクリップ形状の支持ユニット10Aを適用している。これにより、例えば携帯電話のような薄型形状の携帯機器2Aに対しても、機器の任意の部位をクリップ形状部で挟み込むことによって、容易にかつ確実に携帯機器2Aを固定支持することができる。
【0083】
また、本願一実施形態に示す発明は、以下のように表現することができる。即ち、携帯機器を保持し支持する支持手段と、上記支持手段から繋がる長尺状の可撓性の軸部であって、該軸部外周はゴム部材からなる筒状の被覆部材で覆われている可撓性の軸部と、を具備している姿勢支持装置であると表現できる。この被覆部材はゴムに限らず、接触する相手の表面になじむ形状に変化できるものならなんでもよい。例えば、皮革材料,ゲル材料等などで、接触する相手の表面にたいし摩擦力を発生させ、軸部を巻き付けた時にグリップ力を発生させる。
【0084】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0085】
1……姿勢支持装置
2,2A……携帯機器
10……雲台ユニット
10A……支持ユニット
20……脚部
21……フレキシブルシャフト部
21a……支持部
21b……ジョイント部
21c……巻付き部
22……エンドキャップ部
23……外皮
24……第1フレキシブルパイプ
24A……フレキシブルパイプ
25,25A……第2フレキシブルパイプ
26,26A,26B,26C……芯材
27……曲げ抑制部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯機器を保持し支持する支持手段と、
上記支持手段から繋がる長尺状の可撓性の軸部であって、上記支持手段から繋がる可撓性の第1の軸部と、該第1の軸部の端部と繋がり該第1の軸部と比較して柔らかい可撓性を有した第2の軸部とを有している可撓性の軸部と、
を具備したことを特徴とする携帯機器のための姿勢支持装置。
【請求項2】
上記支持手段はクリップであることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器のための姿勢支持装置。
【請求項3】
上記支持手段は、機器取付用雄ねじを有していることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器のための姿勢支持装置。
【請求項4】
上記支持手段は、カメラを支持するための機器取付用雄ねじを有している自由雲台であることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器のための姿勢支持装置。
【請求項1】
携帯機器を保持し支持する支持手段と、
上記支持手段から繋がる長尺状の可撓性の軸部であって、上記支持手段から繋がる可撓性の第1の軸部と、該第1の軸部の端部と繋がり該第1の軸部と比較して柔らかい可撓性を有した第2の軸部とを有している可撓性の軸部と、
を具備したことを特徴とする携帯機器のための姿勢支持装置。
【請求項2】
上記支持手段はクリップであることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器のための姿勢支持装置。
【請求項3】
上記支持手段は、機器取付用雄ねじを有していることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器のための姿勢支持装置。
【請求項4】
上記支持手段は、カメラを支持するための機器取付用雄ねじを有している自由雲台であることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器のための姿勢支持装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−221357(P2011−221357A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91673(P2010−91673)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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