説明

携帯機器用ホルダおよび携帯装置

【課題】携帯機器の携帯性を損なわせることなく、携帯機器が保有する画像等を容易に拡大投写させることができるようにする。
【解決手段】充電ホルダ2は、携帯機器1を保持するためにキャビネット100の上面に設けられた凹部102と、凹部102によって保持された携帯機器1に電力を供給する電力供給ユニット200と、携帯機器1から入力された映像信号に基づく画像を生成し、被投写面に投写する投写表示ユニット300とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電の際に携帯機器が装着される携帯機器用ホルダに関する。また、本発明は、携帯機器と前記携帯機器用ホルダとを備える携帯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機やデジタルカメラ等の携帯機器には、文字や画像を表示するため、液晶パネル等からなる表示部が配されている。近年、かかる携帯機器において、機器本体の表示部とは別に、プロジェクタを内蔵し、文字や画像をスクリーン等に拡大投写できるようにした構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−298819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる携帯機器にプロジェクタを内蔵すると、その分、機器自身の体積や重量が増加するため、携帯性が損なわれてしまう惧れがある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、携帯機器の携帯性を損なわせることなく、携帯機器が保有する画像等を容易に拡大投写させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る携帯機器用ホルダは、携帯機器を保持する保持部と、前記保持部に保持された携帯機器に電力を供給する電力供給部と、前記携帯機器から入力された映像信号に基づく画像を生成し、被投写面に投写する投写表示部とを備える。
【0007】
第1の態様に係る携帯機器用ホルダの構成によれば、携帯機器の充電に用いる携帯機器用ホルダを利用して、携帯機器が保有する画像等を容易に拡大投写させることができる。
【0008】
第1の態様に係る携帯機器用ホルダは、前記投写表示部への電源ラインを接続または遮断するためのスイッチ部を備えるような構成とされ得る。
【0009】
このような構成とすれば、被運転時に投写表示部への電力供給を停止できるので、携帯機器用ホルダの消費電力を抑制することができる。
【0010】
ここで、前記スイッチ部は、前記携帯機器からの映像信号が入力可能な状態となったときに前記電源ラインを接続するような構成とされ得る。
【0011】
このような構成とすれば、電力供給のための操作を行うことなく、投写表示部へ電力供給を行うことができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0012】
第1の態様に係る携帯機器用ホルダにおいて、前記投写表示部は、前記映像信号の入力が予め設定された時間だけ途切れると、投写動作を停止するような構成とされ得る。
【0013】
このような構成とすれば、映像信号が正常に入力されない状態で投写動作が継続されることがないので、携帯機器用ホルダの無駄な電力消費を回避できる。
【0014】
本発明の第2の態様は、携帯装置に関する。本態様に係る携帯装置は、携帯機器と、携帯機器を保持するホルダとを備える。ここで、前記携帯機器は、映像信号を出力するための出力部を有する。一方、前記ホルダは、携帯機器を保持する保持部と、前記保持部に保持された携帯機器に電力を供給する電力供給部と、前記携帯機器から入力された映像信号に基づく画像を生成し、被投写面に投写する投写表示部とを有する。
【0015】
第2の態様に係る携帯装置の構成によれば、第1の態様と同様、携帯機器の充電に用いるホルダを利用して、携帯機器が保有する画像等を容易に拡大投写させることができる。
【0016】
第2の態様に係る携帯装置において、前記携帯機器は、前記投写表示部に対する操作を行うための操作部を備えるような構成とされ得る。この場合、前記投写表示部は、前記操作部による操作に応じて投写動作を行う。
【0017】
このような構成とすれば、携帯機器の操作部を用いて、投写表示部の運転操作を行うことができるので、運転操作のための操作部をホルダに設ける必要がなく、ホルダを簡素化できる。
【発明の効果】
【0018】
以上のとおり、本発明によれば、携帯機器の携帯性を損なわせることなく、携帯機器が保有する画像等を容易に拡大投写させることができる。
【0019】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態に係る携帯装置の構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る光学エンジンおよび投写レンズの構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る携帯装置の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る投写表示ユニットの運転制御について説明するための図である。
【図5】変更例1に係る携帯装置の構成を示すブロック図である。
【図6】変更例2に係る携帯装置の構成を示すブロック図である。
【図7】変更例3に係る携帯装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、実施の形態に係る携帯装置について説明する。
【0022】
図1は、携帯装置の構成を示す図である。図1(a)は、携帯機器1が充電ホルダ2にセットされている状態を示す側面図である。図1(b)および(c)は、それぞれ、充電ホルダ2の構成を示す上面図および側面透視図である。
【0023】
図1(a)に示すように、携帯装置は、携帯機器1と、充電ホルダ2とを備えている。携帯機器1は、たとえば、携帯電話機であり、二次電池からの電力供給により通話等、所定の動作を行う。携帯機器1は、携帯電話機に限らず、デジタルカメラやPDAであってもよい。携帯機器1は、充電される際、たとえば、卓上に配された充電ホルダ2にセットされる。
【0024】
充電ホルダ2は、携帯機器1がセットされた状態において、携帯機器1の二次電池を充電するための電力供給を行う。充電ホルダ2は、携帯機器1への電力供給機能に加えて、プロジェクタ機能を有する。携帯機器1が保有する画像データは、通信ケーブル3を介して充電ホルダ2に入力され、充電ホルダ2によって、被投写面(部屋の壁面やスクリーン)に拡大投写される。
【0025】
図1(b)、(c)に示すように、充電ホルダ2は、キャビネット100と、電力供給ユニット200と、投写表示ユニット300と、ACアダプタ400とを備えている。
【0026】
キャビネット100は、後部が低くなるよう上面が緩く傾斜している。キャビネット100の上面には、携帯機器1の背面部の形状に対応する凹部101が形成されている。携帯機器1の背面側が凹部101に収容されることにより、携帯機器1が充電ホルダ2に保持される。(図1(a)参照)。
【0027】
電力供給ユニット200には、ACアダプタ400のケーブル401が接続されている。ACアダプタ400は、商用電源の交流電圧を直流電圧に変換し、電力供給ユニット200へ出力する。電力供給ユニット200は、ACアダプタ400から入力された直流電圧を、携帯機器1の二次電池の充電に適する直流電圧に変換する。
【0028】
凹部101の後端部には、電力供給ユニット200の出力端子部200aが配されており、携帯機器1が凹部101に収容されると、出力端子部200aが携帯機器1の入力端子部(図示せず)に接触する。また、凹部101の底面には、作動ボタン102が配されている。携帯機器1が凹部101に収容され、作動ボタン102が携帯機器1によってホルダ内部に押し込まれると、電力供給ユニット200で変換された直流電圧が、出力端子部200aを介して携帯機器1へ供給される。
【0029】
また、電力供給ユニット200は、ACアダプタ400から入力された直流電圧を、投写表示ユニット300へ供給する。
【0030】
投写表示ユニット300は、光学エンジン310と、投写レンズ320と、駆動回路部330とを備えている。携帯機器1から映像信号が入力されると、駆動回路部330による駆動制御の下、光学エンジン310により当該映像信号に基づく画像が生成され、生成された画像が投写レンズ320によって被投写面へ拡大投写される。
【0031】
図2(a)は、光学エンジン310および投写レンズ320の構成を示す図である。
【0032】
光学エンジン310は、光源部311と、自由曲面レンズ312と、PBSアレイ313と、PBS314と、光変調部315とを備えている。
【0033】
光源部311は、白色光を発するLEDからなる。光源部311から出射された光は、自由曲面レンズ312に入射される。自由曲面レンズ312は、入射された光が光変調部315に適正に照射されるよう、レンズ作用を付与する。自由曲面レンズ312から出射された光は、PBSアレイ313を通過することにより、PBS314に対してS偏光となるよう偏光方向が揃えられる。PBSアレイ313を通過したS偏光の光は、PBS314で反射され、光変調部315に照射される。
【0034】
光変調部315は、RGBのカラーフィルタを有する反射型液晶パネルからなる。光変調部315は、RGB各色のカラーフィルタを通過した赤色波長帯の光(以下、R光という)、緑色波長帯の光(以下、G光という)および青波長帯の光(以下、B光という)を、映像信号に基づいて変調し反射する。
【0035】
光変調部315から出射されたR光、G光およびB光は、その偏光方向に応じてPBS314を透過し、映像光として投写レンズ320に入射される。
【0036】
投写レンズ320は、光学エンジン310から出射された映像光を、被投写面へ拡大投写する。投写レンズ320は、その光軸方向に移動可能なフォーカスレンズ(図示せず)を含む。フォーカスレンズを前後に移動させることにより、フォーカス調整が行われる。
【0037】
図3は、携帯装置の構成を示すブロック図である。なお、図3において、実線矢印は信号ラインを示し、破線矢印は電源ラインを示す。
【0038】
まず、図3を参照して、充電ホルダ2における電力供給ユニット200および投写表示ユニット300の更なる詳細な構成について説明する。
【0039】
電力供給ユニット200は、電源入力部201と、電圧変換部202と、充電スイッチ203と、電源出力部204とを備えている。
【0040】
電源入力部201には、ACアダプタ400から直流電圧が入力される。電源入力部201は、電源入力用の端子を有するコネクタにより構成され、このコネクタにACアダプタ400から延びるケーブル401の電源出力用端子が接続される。
【0041】
電源入力部201に入力された直流電圧は、電圧変換部202へ出力される。電圧変換部202は、入力された直流電圧を携帯機器1の充電に適する大きさの直流電圧(以下、「充電電圧」という)に変換し、充電スイッチ203を介して電源出力部204へ出力する。
【0042】
充電スイッチ203は、電源出力部204への電源ラインを接続または遮断する。前述のように携帯機器1が充電ホルダ2にセットされると、作動ボタン102に押されて充電スイッチ203がオンし、電源ラインが接続される。一方、携帯機器1が充電ホルダ2から外されると、作動ボタン102が元に戻って充電スイッチ203がオフし、電源ラインが遮断される。即ち、充電スイッチ203がオンしている間、電源出力部204に充電電圧が入力される。
【0043】
電源出力部204は、前述した出力端子部200aを含み、出力端子部200aを通じて、携帯機器1へ充電電圧を供給する。
【0044】
投写表示ユニット300において、駆動回路部330は、制御部331と、記憶部332と、映像信号処理部333と、制御信号入力部334と、映像信号入力部335と、電源部336と、待機スイッチ337とを備えている。
【0045】
映像信号処理部333は、映像信号入力部334を介して入力された映像信号に各種処理を施して光変調部315に適する映像信号を生成し、光変調部315へ出力する。
【0046】
記憶部332は、RAM、ROM等で構成されている。記憶部332には、制御部331に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。
【0047】
制御部331は、CPUを備える。制御部331には、制御信号入力部334を介して、携帯機器1から投写表示ユニット300の運転操作に係る制御信号が入力される。制御部331は、携帯機器1から入力された制御信号に基づき、記憶部332に記憶された制御プログラムに従って、光源部311や映像信号処理部333を制御する。
【0048】
なお、制御信号入力部334および映像信号入力部335は、制御信号入力用端子と映像信号入力用端子とを有するコネクタにより構成され、このコネクタに通信ケーブル3の充電ホルダ2側の端子が接続される。
【0049】
電源部336には、電力供給ユニット200から待機スイッチ337を介して直流電圧が入力される。電源部336は、入力された直流電圧を、制御部331等、投写表示ユニット300の各部に適する大きさの直流電圧に変換し、各部へ供給する。
【0050】
待機スイッチ337は、ユーザにより操作される操作スイッチ部337aを有し、電源部336への電源ラインを接続または遮断する。ユーザによって電源をオンする操作がなされると、待機スイッチ337がオンする。これにより、電源ラインが接続され、電源部336へ直流電圧が供給される。一方、ユーザによって電源をオフする操作がなされると、待機スイッチ337がオフする。これにより、電源ラインが遮断され、電源部336への直流電圧の供給が停止される。待機スイッチ337には、たとえば、トグルスイッチやレバースイッチ、ロッカースイッチ(シーソースイッチ)等が用いられる。
【0051】
次に、同じく図3を参照し、携帯機器1の詳細な構成について説明する。
【0052】
携帯機器1は、制御部501と、記憶部502と、操作部503と、映像信号処理部504と、表示部505と、制御信号出力部506と、映像信号出力部507とを備えている。
【0053】
操作部503は、各種操作キーを備え、ユーザのキー操作に応じた操作信号を制御部501へ出力する。操作部503は、携帯機器1の本来の機能(たとえば、携帯電話機であれば、通話やメール送受信等)を実行するための操作キーの他、充電ホルダ2の投写表示ユニット300の運転操作を行うための操作キーを備えている。
【0054】
記憶部502は、RAM、ROM等で構成されている。記憶部502には、制御部501に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。また、記憶部502には、携帯機器1の各種操作画面の画像データや、写真、ビデオ等の画像データが記憶されている。
【0055】
映像信号処理部504は、記憶部502から出力された画像データを処理して、表示部505に適する映像信号を生成し、表示部505へ出力する。表示部505は、例えば、液晶ディスプレイであり、入力された映像信号に応じた画像を表示する。
【0056】
また、映像信号処理部504は、生成した映像信号を、映像信号出力部507を介して充電ホルダ2(投写表示ユニット300)へ出力する。
【0057】
制御部501は、CPUを備える。制御部501は、操作部503からの操作信号に基づき、記憶部502に記憶された制御プログラムに従って、映像信号処理部504等の各部を制御する。また、制御部501は、操作部503から投写表示ユニット300の運転操作に係る操作信号が入力されると、運転操作に係る制御信号を、制御信号出力部506を介して充電ホルダ2(投写表示ユニット300)へ出力する。
【0058】
なお、制御信号出力部506および映像信号出力部507は、制御信号出力用端子と映像信号出力用端子とを有するコネクタにより構成され、このコネクタに通信ケーブル3の携帯機器1側の端子が接続される。制御信号出力部506からの制御信号および映像信号出力部507からの映像信号は、通信ケーブル3を通じて、それぞれ、制御信号入力部334および映像信号入力部335へ送信される。
【0059】
携帯機器1は、さらに、電源入力部508と、電池充電部509と、二次電池510と、電源部511とを備えている。
【0060】
電源入力部508には、携帯機器1が充電ホルダ2にセットされた状態において、充電ホルダ2から充電電圧が入力される。入力された充電電圧は、電池充電部509へ出力される。
【0061】
電池充電部509は、二次電池510を充電する。このとき、二次電池510が過充電とならないよう、電池充電部509により充電制御が行われる。また、電池充電部509からは、充電状況等が制御部501に出力される。
【0062】
二次電池510は、電源部511へ直流電圧を出力する。電源部511は、入力された直流電圧を、制御部501等、携帯機器1の各部に適する大きさの直流電圧に変換し、各部へ供給する。なお、携帯機器1が充電ホルダ2にセットされているときには、電源入力部508から電源部511へ直流電圧が直接供給される。
【0063】
図4は、投写表示ユニット300の運転制御について説明するための図である。図4(a)は、投写表示ユニット300の制御部331により実行される処理フローを示し、図4(b)は、携帯機器1の制御部501により実行される処理フローを示す。
【0064】
なお、以下の運転制御に関する説明においては、便宜上、携帯機器1の制御部501を携帯制御部501と称し、投写表示ユニット300の制御部331を投写制御部331と称する。
【0065】
充電ホルダ2が商用電源に接続されている状態において、投写表示ユニット300が使用されないときには、通常、待機スイッチ337がオフされている。これにより、投写表示ユニット300へは電力が供給されず、投写表示ユニット300の消費電力はゼロとなっている。このとき、電力供給ユニット200へは電力供給がなされているため、携帯機器1が充電ホルダ2にセットされれば、携帯機器1への充電が行われる。
【0066】
携帯機器1が保有する画像を投写ユニット300によって投写する場合、ユーザは、携帯機器1を充電ホルダ2にセットし、あるいは、携帯機器1を充電ホルダ2の近くに置き、携帯機器1と充電ホルダ2とを通信ケーブル3により接続する。そして、操作スイッチ部337aを操作し、待機スイッチ337をオンする。
【0067】
待機スイッチ337がオンし、電源部336へ電力供給がなされると、投写制御部331が起動する。これにより、投写表示ユニット300は待機状態となる。
【0068】
図4(a)に示すように、投写制御部331は、携帯機器1からの起動信号を監視する(S101)。
【0069】
図4(b)に示すように、携帯機器1では、携帯制御部501が投写表示ユニット300を起動するための操作を監視する(S201)。
【0070】
ユーザが操作部503により投写表示ユニット300の起動操作を行うと(S201:YES)、携帯制御部501は、投写表示ユニット300へ起動信号を送信する(S202)。
【0071】
起動信号が投写制御部331に送信されると(S101:YES)、投写制御部331は、光源部311を点灯する等、投写表示ユニット300を運転状態とするためのセットアップ処理を行う(S102)。そして、セットアップ処理が完了すると、携帯機器1へ起動が完了したことを知らせる起動完了信号を送信する(S103)。
【0072】
携帯制御部501は、起動完了信号を受信すると(S203:YES)、ユーザの送信操作に基づいて、投写する画像の映像信号を投写表示ユニット300へ送信する(S204)。
【0073】
投写制御部331は、映像信号を受信すると(S104:YES)、投写を開始する(S105)。前述のように、映像信号処理部333から映像信号が光変調部315に出力され、映像信号に基づく画像が投写レンズ320を通じて被投写面に投写される。
【0074】
次に、携帯機器1において、ユーザにより運転を終了する操作がなされと(S205:YES)、携帯制御部501は、映像信号の送信を停止し(S206)、運転を停止するための停止信号を投写表示ユニット300へ送信する(S207)。
【0075】
投写制御部331は、停止信号を受信すると(S106:YES)、投写表示ユニット300を待機状態に移行させるべく、光源部311を消灯する等、所定のシャットダウン処理を行う(S107)。そして、シャットダウン処理が完了すると、携帯機器1へ運転が停止したことを知らせる停止完了信号を送信する(S108)。
【0076】
その後、投写制御部331は、待機状態において、ユーザの操作に基づいて待機スイッチ337がオフしなければ(S109:NO)、再び起動信号を監視する(S101)。この間に、待機スイッチ337がオフすれば(S109:YES)、運転制御が終了する。
【0077】
一方、携帯制御部501は、停止信号を受信した後(S208:YES)、携帯機器1の電源がオフされなければ(S209:NO)、投写表示ユニット300の起動操作を再び監視する(S201)。この間に、ユーザの操作によって携帯機器1の電源がオフされれば(S209:YES)、運転制御が終了する。
【0078】
なお、通信ケーブル3が外される等の原因により、携帯機器1からの映像信号の送信中に、投写表示ユニット300との通信が遮断されると(S210:YES)、携帯制御部501は、映像信号の送信を停止する(S211)。
【0079】
たとえば、通信ケーブル3を介して制御信号入力部334と制御信号出力部506とが接続されると、制御信号出力部506を構成するコネクタの所定の端子の入力信号が一定の電圧レベルに立ち上がるよう、制御信号入力部334および制御信号出力部506と、携帯制御部501とが構成されている。携帯制御部501は、通信ケーブル3が外されることにより、前記入力信号が前記電圧レベルから立ち下がると、通信が遮断されたと判断する。
【0080】
一方、投写制御部331は、通信が遮断されることにより、予め設定された一定時間、映像信号が受信されなくなると(S110:YES)、シャットダウン処理を実行し(S111)、運転を停止する。これにより、投写表示ユニット300は待機状態となる。
【0081】
以上、説明したとおり、本実施の形態によれば、充電ホルダ2を利用して、携帯機器1が保有する画像を拡大投写することができる。よって、携帯機器1の携帯性を損なうことなしに、携帯機器1に保存された画像を、容易に大きな画面で見ることが可能となる。
【0082】
また、本実施の形態では、充電ホルダ2のみを携帯機器とともに持ち運びするだけで投写が可能となるので、ユーザの利便性が高くなる。充電ホルダは、携帯機器とともに持ち運ばれることが多い。よって、ユーザは、充電のために同時に持ち運ばれ易い充電ホルダをもって、手軽に投写を行うことができる。
【0083】
また、たとえば、携帯電話機にプロジェクタを内蔵した場合、投写中に電話がかかってくると、机等に固定した携帯電話機が、通話のために一旦動かされることとなる。この場合、通話が終わった後に、再び、フォーカス調整等のセッティング作業を行わなければならず、煩わしいという問題がある。この点、本実施の形態では、携帯機器1が携帯電話機である場合、電話がかかってくれば、携帯電話機を充電ホルダ2から外せばよく、充電ホルダ2自身を動かす必要がない。よって、上記のようにセッティング作業をやり直す必要がない。
【0084】
さらに、本実施の形態によれば、携帯機器1の操作部503を用いて、投写表示ユニット300の運転操作を行うようにしているので、充電ホルダ2側に設ける操作部を少なくすることができる。よって、充電ホルダ2を簡素化できる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、投写表示ユニット300への電源ラインに待機スイッチ337を配し、電力供給ユニット200による携帯機器1の充電は可能としたまま、投写表示ユニット300への電力供給を遮断できるようにしたので、充電ホルダ2の消費電力を抑制することができる。
【0086】
さらに、本実施の形態によれば、映像信号が正常に受信されなくなれば、自動的に投写表示ユニット300の運転が停止されるので、無駄な電力消費を回避できる。
【0087】
<変更例1>
図5は、変更例1に係る携帯装置の構成を示すブロック図である。なお、図5において、実線矢印は信号ラインを示し、破線矢印は電源ラインを示す。
【0088】
本変更例では、上記実施の形態に対し、投写表示ユニット300の待機スイッチ337が、図5に示す待機スイッチ338に変更されている。その他の構成は、上記実施の形態と同様である。
【0089】
待機スイッチ338は、ケーブル接続検出部338aを有する。待機スイッチ338は、ケーブル接続検出部338aによって、通信ケーブル3が充電ホルダ2に接続されたか否かを検出する。通信ケーブル3が充電ホルダ2に接続され、映像信号が入力可能になると、待機スイッチ338がオンし、電源部336へ直流電圧が供給される。また、通信ケーブル3が充電ホルダ2から外され、映像信号が入力できなくなると、待機スイッチ338がオフし、電源部336への直流電圧の供給が停止される。
【0090】
ケーブル接続検出部338aは、たとえば、図1(a)に示す作動ボタン102と同様なボタン部を備え、通信ケーブル3の充電ホルダ2側の端子が、充電ホルダ2のコネクタに接続されると、ボタン部が端子によって、ホルダ内部に押し込まれるような構成とすることができる。この場合、押し込まれたボタン部が待機スイッチ338のスイッチ部を押すことにより、待機スイッチ338がオンする。
【0091】
本変更例の構成によれば、ユーザは、映像信号を送信するため作業の一環として通信ケーブル3の充電ホルダ2への接続を行うだけで、投写表示ユニット300への電源投入を行えるので、別途、電源投入操作が不要となり、ユーザの利便性が向上する。
【0092】
<変更例2>
図6は、変更例2に係る携帯装置の構成を示すブロック図である。なお、図6において、実線矢印は信号ラインを示し、破線矢印は電源ラインを示す。
【0093】
上記実施の形態では、通信ケーブル3によって制御信号および映像信号を送信するようにしているが、本変更例のように、無線通信によって制御信号および映像信号を送信するような構成とすることもできる。
【0094】
携帯機器1および投写表示ユニット300には、それぞれ、無線通信部512、339が配されている。その他の構成は、上記実施の形態と同様である。
【0095】
携帯機器1において、ユーザによって無線通信の設定がなされると、制御部501は、投写表示ユニット300の運転操作に係る制御信号を無線通信部512に出力する。また、映像信号処理部504は、映像信号を無線通信部512に出力する。無線通信部512は、制御信号および映像信号を無線信号に変換して、投写表示ユニット300の無線通信部339へ送信する。無線通信部339は、受信した無線信号を制御信号および映像信号に変換し、それぞれ、制御部331および映像信号処理部333へ出力する。
【0096】
本変更例の構成によれば、通信ケーブル3を接続する作業が不要となるため、ユーザの利便性が向上する。
【0097】
なお、本変更例は、上記変更例1の携帯装置にも適用可能である。
【0098】
<変更例3>
図7は、変更例3に係る携帯装置の構成を示すブロック図である。なお、図7において、実線矢印は信号ラインを示し、破線矢印は電源ラインを示す。また白ぬき矢印は、信号と電源の混合ラインを示す。
【0099】
上記実施の形態のように、通信ケーブル3によって制御信号および映像信号を送信するような構成や、変更例2のように、無線通信によって制御信号および映像信号を送信するような構成に替えて、本変更例のように、電源ラインを利用して制御信号および映像信号を送信するような構成とすることもできる。
【0100】
携帯機器1には、電源入力部508に替えて、重畳・分離部513および電源・信号入出力部514が配されている。また、電力供給ユニット200には、電源出力部204に替えて、重畳・分離部205および電源・信号入出力部206が配されている。電源・信号入出力部206は、電源出力部204と同様、出力端子部200aを備えている。
【0101】
電圧変換部202で生成された充電電圧は、重畳・分離部205、電源・信号入出力部206、電源・信号入出力部514、重畳・分離部513を通じて電池充電部508や電源部511へ供給される。
【0102】
一方、制御部501は、投写表示ユニット300の運転操作に係る制御信号を重畳・分離部513に出力する。また、映像信号処理部504は、映像信号を重畳・分離部513に出力する。重畳・分離部513は、入力された制御信号および映像信号を変調して電源ラインに重畳させ、電源・信号入出力部514、電源・信号入出力部206を通じて、重畳・分離部205へ送信する。重畳・分離部205は、電源ラインに重畳された制御信号および映像信号を分離し、さらに復調して、それぞれ、制御部331および映像信号処理部333へ出力する。
【0103】
本変更例の構成によれば、変更例2の構成と同様、通信ケーブル3を接続する作業が不要となるため、ユーザの利便性が向上する。
【0104】
なお、本変更例は、上記変更例1の携帯装置にも適用可能である。
【0105】
<その他>
本発明の実施形態は、上記以外にさらに種々の変更が可能である。
【0106】
たとえば、図2(a)に示す光学エンジン310に替えて、図2(b)に示す光学エンジン340を充電ホルダ2に搭載することもできる。
【0107】
図2(b)に示すように、光学エンジン340は、3つの光源部341R、341G、341Bを備えている。光源部341Rは、R光を発するLEDからなる。また、光源部341Gは、G光を発するLEDからなり、光源部341Bは、B光を発するLEDからなる。各光源部341R、341G、341Bからは、時分割で光が出射される。
【0108】
光源部341Rから出射されたR光は、レンズ342Rを通ってダイクロイックミラー343に入射する。ダイクロイックミラー343は、B光およびG光を反射し、R光を透過する。R光は、ダイクロイックミラー343を透過して、フライアイレンズアレイ346に入射する。
【0109】
光源部341Gから出射されたG光は、レンズ342Gを通ってダイクロイックミラー344に入射する。ダイクロイックミラー344は、G光を反射し、B光を透過する。G光は、ダイクロイックミラー344で反射され、さらにダイクロイックミラー343で反射されて、フライアイレンズアレイ346に入射する。
【0110】
光源部341Bから出射されたB光は、レンズ342Bを通ってミラー345で反射される。そして、ダイクロイックミラー344を透過し、さらにダイクロイックミラー343で反射されて、フライアイレンズアレイ346に入射する。
【0111】
フライアイレンズアレイ346は、一対のレンズからなり、各レンズは、蠅の目状に配された多数のセルから構成されている。これらセルによって入射された光(R光、B光、G光)が分割される。分割された各光は、コンデンサレンズ347のレンズ作用およびミラー348での反射により、DMD349に重畳される。これにより、DMD349に照射される光の光量分布が均一化される。
【0112】
DMD349は、個々に独立駆動するマイクロミラーを含み、時分割で照射されるR光、G光およびB光を、映像信号に基づいて変調する。変調されたR光、G光およびB光は、順次、投写レンズ320によって被投写面に拡大投写される。
【0113】
R光、G光およびB光の出射の切り替えは、非常に高速で行われため、投写されたR光、G光およびB光は、被投写面上で合成され、ユーザの目には1つのカラー画像として映る。
【0114】
また、上記実施の形態では、投写表示ユニット300の運転操作を行うための操作部が充電ホルダ2に設けられていないが、このような操作部を充電ホルダ2に設けるようにしてもよい。
【0115】
このようにすれば、携帯機器1との間で通信ができなくても、投写表示ユニット300の運転が可能となる。これにより、携帯機器1がないときでも、充電ホルダ2をプロジェクタとして単独で活用でき、パソコン等、他の機器からの画像を投写することができる。よって、充電ホルダ2の付加価値を高めることができる。
【0116】
さらに、上記実施の形態のように通信ケーブル3を用いるのではなく、携帯機器1に、映像信号等の出端子部を設けるとともに、充電ホルダ2にコネクタ部を設け、携帯機器1が充電ホルダ2にセットされたときに、出力端子部がコネクタ部に直接接続されるような構成としてもよい。さらに、このような構成とした場合、出力端子部がコネクタ部に接続されたときに、変更例1の待機スイッチ338がオンするような構成としてもよい。
【0117】
さらに、上記実施の形態では、キャビネット100に設けた凹部101によって、携帯機器1の背面を収容することにより、携帯機器1を保持するようにしている。しかしながら、これに限らず、携帯機器1が保持されるのであれば、どのような保持機構がキャビネット100に設けられてもよい。また、上記実施の形態のように、携帯機器1を寝かせるように保持するのではなく、立てて保持するような保持機構がキャビネット100に設けられてもよい。
【0118】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 携帯機器
2 充電ホルダ(携帯機器用ホルダ、ホルダ)
101 凹部(保持部)
200 電力供給ユニット(電力供給部)
300 投写表示ユニット(投写表示部)
337、338 待機スイッチ(スイッチ部)
503 操作部
507 映像信号出力部(出力部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯機器用ホルダにおいて、
携帯機器を保持する保持部と、
前記保持部に保持された携帯機器に電力を供給する電力供給部と、
前記携帯機器から入力された映像信号に基づく画像を生成し、被投写面に投写する投写表示部と、
を備えたことを特徴とする携帯機器用ホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯機器用ホルダにおいて、
前記投写表示部への電源ラインを接続または遮断するためのスイッチ部を備える、
ことを特徴とする携帯機器用ホルダ。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯機器用ホルダにおいて、
前記スイッチ部は、前記携帯機器からの映像信号が入力可能な状態となったときに前記電源ラインを接続する、
ことを特徴とする携帯機器用ホルダ。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の携帯機器用ホルダにおいて、
前記投写表示部は、前記映像信号の入力が予め設定された時間だけ途切れると、投写動作を停止する、
ことを特徴とする携帯機器用ホルダ。
【請求項5】
携帯機器と、携帯機器を保持するホルダとを備えた携帯装置において、
前記携帯機器は、映像信号を出力するための出力部を有し、
前記ホルダは、
携帯機器を保持する保持部と、
前記保持部に保持された携帯機器に電力を供給する電力供給部と、
前記携帯機器から入力された映像信号に基づく画像を生成し、被投写面に投写する投写表示部と、を有する、
ことを特徴とする携帯装置。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯装置において、
前記携帯機器は、前記投写表示部に対する操作を行うための操作部を備え、
前記投写表示部は、前記操作部による操作に応じて投写動作を行う。
ことを特徴とする携帯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−123148(P2011−123148A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279190(P2009−279190)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】