説明

携帯機器

【課題】 携帯機器において、360度全方向への高い操作性を維持したままスティック部分の突出を抑えてスティック型ポインティングデバイスを実装すること。
【解決手段】 表面に操作面1aを有するハウジング1と、ハウジング1内の操作面1a側に固定されたプリント基板2と、スティック部3とスティック部3を傾斜可能に支持すると共にスティック部3の傾斜方向及び傾斜角度を電気信号として検出する本体部4とを有するポインティングデバイス5と、を備え、本体部4が、ハウジング1内の操作面1aと反対側に固定され、スティック部3の先端が、プリント基板2及びハウジング1に形成された基板貫通孔2a及びハウジング貫通孔6aを介してハウジング1の表面側に配されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、360度全方向への操作が可能なポインティングデバイスを搭載し、携帯電話等に好適な携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話やPDA等の携帯情報端末、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、カーナビゲーション等のナビゲーション機器、デジタルカメラ、デジタルビデオ等、多くの小型携帯機器には、機器の操作(多方向スイッチ操作や2次元の座標位置入力等)を行うためのポインティングデバイスが搭載されている。代表的なポインティングデバイスとしては、例えば、4方向スイッチ、マウス、トラックボール、タッチパネル、ジョイスティック等のスティック型ポインティングデバイス等が特に広く知られている。
【0003】
小型携帯機器の中でも特に携帯電話においては、搭載されるポインティングデバイスとして、例えば、特許文献1に記載されている4方向スイッチが主流となっている。
また、デスクトップ型のパーソナルコンピュータでは、操作性が良いマウスが一般に採用されているが、ノート型パーソナルコンピュータでは、携帯性が必要なためマウスは不向きであり、静電容量式タッチパッド等が採用されている。
【0004】
また、近年、携帯電話のポインティングデバイスとして、360度全方向の操作が可能なホール素子式ポインティングデバイスが、一部の機種に採用されている(例えば、日本電気製携帯電話N900iに搭載されている旭化成電子製ホールセンサHQ-8220を用いたポインティングデバイス)。このホール素子式ポインティングデバイスは、操作者が指で操作する操作部を操作面に対してスライド移動可能とし、この操作部背面に取り付けられた検出部としての磁石の移動方向と移動量とを装置内部であって磁石近傍に配置されたホール素子にて検出し、2次元方向のポインティング操作を行うものである。
【0005】
【特許文献1】特開2000−224280号公報(第3頁、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、近年、携帯電話に代表される小型携帯機器においては、ナビゲーション、インターネット接続、ゲーム、メール等の多機能化が進んでおり、従来、主流である4方向スイッチでは、ナビゲーションやゲーム等の操作を行うときの360度方向に対する複雑な指の動きに対応することができず、十分な操作性を得ることができないため不向きであった。
また、他のポインティングデバイスとして、タッチパッドは広い操作面が必要であり、表面積が小さく限られている携帯電話等には不向きであった。また、スティック型ポインティングデバイスは操作力や操作感を得るために操作ストロークを要求されるため、操作部と検出部とを所定距離離した状態で配置することが必要となる。このため、実装領域に十分なスペースが必要となり、小型化が要求される携帯電話には不向きであった。特に折り畳み式携帯電話ではサイズ的に折り畳み時に液晶画面にスティック部分が当たってしまうことから搭載が困難であった。
このため、多くの携帯電話メーカー等では、360度全方向に対する操作性に優れた入力デバイスの要求が高まっている。しかしながら、上述したホール素子式の360度ポインティングデバイスでは、操作部をスライドさせて操作するためにスティック型ポインティングデバイスのようなストローク感がなく、スティック型に比べると操作性や操作感に劣るという不都合があった。このため、実際は、4方向スイッチと同時搭載されてこれと併用しなければならなかった。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、360度全方向への高い操作性を維持したままスティック部分の突出を抑えてスティック型ポインティングデバイスを実装した携帯機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の携帯機器は、表面に操作面を有する筐体と、筐体内の操作面側に固定された回路基板と、操作軸部と該操作軸部を傾斜可能に支持すると共に操作軸部の傾斜方向及び傾斜角度を電気信号として検出する本体部とを有するポインティングデバイスと、を備え、本体部が、筐体内の操作面と反対側に固定され、操作軸部の先端が、回路基板及び筐体に形成された貫通孔を介して筐体の操作面に配されていることを特徴とする。
【0009】
この携帯機器では、本体部が筐体内の操作面と反対側に固定され、操作軸部の先端が回路基板及び筐体に形成された貫通孔を介して筐体の操作面に配されているので、回路基板上にポインティングデバイスを実装する場合に比べて、操作の安定性や精度を向上し、また操作性を維持したまま操作軸部の突出を抑えることができると共に、回路基板上の実装スペースを増大させることが可能となる。
【0010】
また、本発明の携帯機器は、筐体が、操作面側の上側筐体と操作面と反対側の下側筐体とから構成され、回路基板が、上側筐体に固定され、本体部が、下側筐体に固定されていることを特徴とする。
すなわち、この携帯機器では、回路基板が上側筐体に固定され、本体部が下側筐体に固定されているので、薄い筐体でも下側筐体と上側筐体との間で操作軸部のストロークを確保することができる。
【0011】
また、本発明の携帯機器は、操作軸部の先端を覆って配された弾性キャップ部材を備え、弾性キャップ部材が、その縁部を筐体と回路基板とに挟持されて取り付けられていることを特徴とする。すなわち、この携帯機器では、弾性キャップ部材がその縁部を筐体と回路基板とに挟持されて取り付けられているので、操作軸部の先端が保護されると共に、操作軸部の先端と筐体との隙間を無くすことで防塵、防水対応が可能になる。
【0012】
また、本発明の携帯機器は、ポインティングデバイスが、操作軸部の基端に固定された可動電極板と、可動電極板に対向して本体部に設けられた固定電極板とを有し、可動電極板と固定電極板との間の静電容量の変化を検出する静電容量型ポインティングデバイスであることを特徴とする。すなわち、この携帯機器では、静電容量型ポインティングデバイスを採用することにより、360度全方向に高精度な操作が可能になる。
【0013】
また、本発明の携帯機器は、可動電極板が、回路基板に当接することで移動範囲が制限されていることを特徴とする。すなわち、この携帯機器では、回路基板を流用して回路基板に可動電極板の規制機能を持たせ、回路基板で可動電極板の移動範囲(すなわち、操作軸部の傾斜範囲)を一定に制限することにより、本体部に規制部材を別途設ける場合よりもスペースが確保でき、可動電極板の移動範囲及び操作軸部の傾斜範囲が増大して、さらに操作感を向上させることができる。このように、限られたスペースの中で最大限の操作性(操作軸部の移動量)を確保することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る携帯機器によれば、本体部が筐体内の操作面と反対側に固定され、操作軸部の先端が回路基板及び筐体に形成された貫通孔を介して筐体の操作面に配されているので、操作性を維持したまま操作軸部の突出を抑えることができると共に、回路基板の実装面積を増大させることが可能になる。したがって、薄い携帯機器においても操作のストローク感を稼ぐことができ、移動量を確保した良好な操作感を得ることができる。これにより、サイズ的な問題で搭載が困難であった携帯電話等の小型の携帯機器にも、360度全方向に対応可能なスティック型ポインティングデバイスを搭載することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る携帯機器の第1実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態の携帯機器は、液晶画面(図示略)を搭載した表示部と操作ボタン(図示略)やポインティングデバイスを搭載した操作部とをヒンジによって連結し、このヒンジ部分から表示部と操作部とを対向させるように折り畳み可能な携帯電話である。図1はこの携帯電話の操作部の断面図であり、表面に操作面1aを有するハウジング(筐体)1と、ハウジング1内の操作面1a側に固定されたプリント基板(回路基板)2と、スティック部(操作軸部)3とスティック部3を傾斜可能に支持すると共にスティック部3の傾斜方向及び傾斜角度を電気信号として検出する本体部4とを有するポインティングデバイス5と、を備えている。
【0017】
上記ハウジング1は、折り畳んだ際に液晶画面に対向する操作面1aを有する上側ハウジング(上側筐体)6と、バッテリー7をバッテリー収納部8に収納した下側ハウジング(下側筐体)9とで構成されている。なお、バッテリー収納部8は、バッテリー7を収納した状態で蓋部材10で閉塞される。また、バッテリー7は、プリント基板2上の図示しない回路及びポインティングデバイス5の本体部4に電気的に接続され、電力を供給する。
【0018】
上側ハウジング6には、スティック部3の先端が挿通されるハウジング貫通孔6aが形成されている。また、プリント基板2には、スティック部3が挿通されるハウジング貫通孔6aと同一軸の基板貫通孔2aが形成されている。すなわち、スティック部3の先端は、ハウジング貫通孔6a及び基板貫通孔2aを介して上側ハウジング6の操作面1aに配される。なお、ハウジング貫通孔6a及び基板貫通孔2aは、いずれもスティック部3が操作上必要な所定角度の傾斜が可能にスティック部3の外径よりも大きい内径とされている。
【0019】
上記ポインティングデバイス5の本体部4は、下側ハウジング9のバッテリー収納部8の隔壁に形成された保持部31に接着固定されている。この保持部31は操作面1aに対し略平行な面として形成されており、またスティック部3の操作時における外力を受けるため、堅固な部分に設けられている。なお、この本体部4とプリント基板2の回路とは、フレキシブル基板11を介して電気的に接続されている。
ハウジング貫通孔6aには、スティック部3先端を覆うゴムキャップ(弾性キャップ部材)12が配されている。このゴムキャップ12は、中央部底面に凹部12aが形成された支持硬部12bを備え、凹部12a内にスティック部3の先端が嵌め込まれて支持される。また、ゴムキャップ12は、その縁部を上側ハウジング6とプリント基板2とに挟持されて取り付けられている。
【0020】
ポインティングデバイス5は、図2に示すように、スティック部3の基端に固定された可動電極板13と、該可動電極板13に対向して設けられた固定電極板14とを有し、可動電極板13と固定電極板14との間の静電容量の変化を検出する静電容量型ポインティングデバイスである。
上記可動電極板13は、スティック部3の基端に固定される樹脂製のキートップ部15と、該キートップ部15の下面に接着固定された導電シリコンゴム部16とで構成されている。キートップ部15及び導電シリコンゴム部16は、スティック部3の基端を中心にした略円板状とされている。なお、導電シリコンゴム部16の外径は、キートップ部15よりも大きく設定されている。
【0021】
上記固定電極板14は、表面に導電シリコンゴム部16に対向する電極膜14a、14bが設けられたプリント基板である。電極膜14aは、スティック部3を中心にして四方に配されている。このように電極膜14aを四方に配置することで、スティック部3の傾斜方向及び傾斜角度(導電シリコンゴム部16−電極膜14a間の距離)に対応した静電容量の変化、をX方向成分及びY方向成分に分けて検出可能となっている。なお、各電極膜14aは所定電位となっており、その表面には、電極膜14aが導電シリコンゴム部16に直接接触して短絡しないように絶縁膜(図示略)が施されている。一方、電極膜14bは、スティック部3を中心にして電極膜14aを取り囲むように円環状に形成されている。この電極膜14bはグランドに接続されており、後述する導電シリコンゴム部16に設けられた凸部16bと当接することにより、操作時に導電シリコンゴム部16をグランド接続する。
上記導電シリコンゴム部16には、電極膜14a直上を避けて外縁部と半径方向中間部とに下方に向けて突出した支持凸部16aが形成されており、これら支持凸部16aが固定電極板14に当接して導電シリコンゴム部16と電極膜14aとが非操作時に一定距離だけ離間するように設定されている。また、各支持凸部16a間であって電極膜14b直上には、下方に向けて突出した凸部16bが形成されている。この凸部16bの突出長は支持凸部16aより小さく設定されており、非操作時には電極膜14bと離間し、操作時には電極膜14bに当接するようになっている。
【0022】
固定電極板14及び可動電極板13とは、外縁部分で金属製のケース部材17で挟持状態に支持され、該ケース部材17により可動電極板13の傾き範囲が規制されている。すなわち、スティック部3の操作により傾いたキートップ部15の外縁部がケース部材17の上板部17a内側に当接することで、所定角度以上に傾かないように設定されている。
また、固定電極板14上には、スティック部3の直下に極薄板皿バネスイッチであるクリックドーム18が固定されている。すなわち、スティック部3を垂直に押すことで、変形した導電シリコンゴム部16を介してクリックドーム18が押され、スイッチがONとなって決定操作等の信号が送信される。
また、ポインティングデバイス5には、図3に示すように、信号処理回路として内部にCV変換IC19が設けられており、該CV変換IC19において、上記静電容量値が電圧値に変換されて出力される。
【0023】
次に、上記携帯機器の操作方法を、図2及び図4を参照して以下に説明する。
【0024】
まず、図4に示すように、ゴムキャップ12を介してスティック部3の先端を操作したい方向(例えば、図4における右方向)に指で押すと、スティック部3が基端を支点として傾く。この際、図2に示すように、スティック部3の傾きに伴って、キートップ部15を介して図中の矢印方向に力が加わり、導電シリコンゴム部16が変形する。これにより、傾斜方向及び傾斜角度に応じて、まず、導電シリコンゴム部16の凸部16aと電極膜14bとが接触し、導電シリコンゴム部16がグランド接続され、そして、四方における導電シリコンゴム部16と固定電極板14の電極膜14aとの電極間距離がそれぞれ変わり、静電容量が変化する。この静電容量の変化を、X方向成分とY方向成分とに分けてCV変換IC19で電圧値に変換して信号を2軸出力することにより、スティック部3の傾斜方向及び傾斜角度を検出することができる。
【0025】
このように本実施形態では、プリント基板2が上側ハウジング6に固定されていると共に本体部4が下側ハウジング9に固定され、スティック部3の先端がプリント基板2及びハウジング1に形成された基板貫通孔2a及びハウジング貫通孔6aを介してハウジング1の操作面1aに配されているので、プリント基板2上にポインティングデバイス5を実装する場合に比べて、操作時のスティック部3に加わる力によって本体部4が移動等することなく、また、薄いハウジング1でも、上側ハウジング6と下側ハウジング9との間でスティック部3のストロークを確保することができる。したがって、操作性を維持したままスティック部3の突出を抑えることができる。
【0026】
また、ゴムキャップ12が、その縁部を上側ハウジング6とプリント基板2とに挟持されて取り付けられているので、スティック部3の先端が保護されると共に、スティック部3の先端と上側ハウジング6との隙間を無くすことで防塵、防水対応が可能になる。
さらに、静電容量型のポインティングデバイス5を採用したことにより、360度全方向に高精度な操作が可能になり、従来のスイッチ方式では困難であった指先の複雑な動きに対応することができる。すなわち、指の加圧力による出力の大小や360度全方向に対応するXY出力成分をアナログ出力として取り出すことができるため、複雑な、また微妙な指先によるコントロールが可能になる。これにより、携帯電話において、複雑なコンテンツをストレス無く簡単に、かつ快適に操作することができる。
【0027】
次に、本発明に係る携帯機器の第2実施形態及び第3実施形態を、図5及び図6を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0028】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、キートップ部15がケース部材17に当接することによりスティック部3の傾斜範囲が規制されているのに対し、第2実施形態では、図5に示すように、キートップ部15がプリント基板2に当接することによりスティック部3の傾斜範囲が規制されている点である。
すなわち、第2実施形態では、ケース部材27の上板部27aがキートップ部15直上まで達しておらず、スティック部3の傾斜によりキートップ部15の外縁部が上方に持ち上がった際に、キートップ部15が上板部27aに当接せずにプリント基板2の内側に当接するようになっている。
【0029】
したがって、本実施形態では、プリント基板2を流用してプリント基板2に可動電極板13の規制機能を持たせ、プリント基板2で可動電極板13の移動範囲(すなわち、スティック部3の傾斜範囲)を一定に制限することにより、ケース部材27の上板部27aで規制する場合よりもスペースが確保でき、スティック部3の傾斜範囲が増大して、さらに操作感を向上させることができる。このように、限られたスペースの中で、スティック部3の最大限の操作性を確保することができる。また、ポインティングデバイス5をプリント基板2に密着させて配置することができ、配置のためのスペースをさらに少なくすることもできる。
なお、キートップ部15の外縁部がプリント基板2の内側に当接するのではなく、キートップ部15の中央凸部が、スティック部3の所定の傾斜角度で基板貫通孔2aの内周縁に当接して移動範囲が規制されるようにしても、同様の効果が得られる。
【0030】
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、プリント基板2におけるポインティングデバイス5近傍に実装部品が搭載されていないのに対し、第3実施形態では、図6に示すように、プリント基板2におけるポインティングデバイス5近傍の上下面に複数の実装部品20を実装している点である。
すなわち、第3実施形態では、プリント基板2と離間した下側ハウジング9にポインティングデバイス5が固定されているので、下側ハウジング9とプリント基板2との間、特にポインティングデバイス5とプリント基板2との間にも実装スペースを確保することができ、プリント基板2上の実装領域の増大を図って多数の実装部品20を搭載することが可能になる。
【0031】
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、ポインティングデバイス5がCV変換IC19を内蔵しているが、CV変換IC19を別途プリント基板2に実装しても構わない。また、上記各実施形態では、ポインティングデバイス5を下側ハウジング9のバッテリー収納部8における隔壁に配置したが、操作時の外力に対して本体部4を堅固に固定できるようであれば、他の壁に配置しても構わない。
また、ポインティングデバイスとして他の方式、例えば導電シリコンゴム部の抵抗変化(又は電圧変化)に基づいてスティック部の傾斜方向及び傾斜角度を検出する方式等を採用しても構わないが、上述したように、静電容量式を採用することにより、より高精度な検出を行うことが可能である。
【0032】
また、上記各実施形態では、携帯機器として携帯電話に適用したが、他の携帯機器に本発明を採用しても構わない。例えば、PDA等の携帯情報端末、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、カーナビゲーション等のナビゲーション機器、デジタルカメラ、デジタルビデオ、携帯用オーディオプレーヤー、小型の電子楽器、各種機器(例えば、テレビジョン等の家電機器)の有線又は無線のリモートコントローラー等に本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る第1実施形態の携帯機器を示す断面図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態の携帯機器において、ポインティングデバイスを示す断面図である。
【図3】本発明に係る第1実施形態の携帯機器において、ポインティングデバイスを示す平面図である。
【図4】本発明に係る第1実施形態の携帯機器において、スティック部を傾斜させた際の断面図である。
【図5】本発明に係る第2実施形態の携帯機器において、スティック部を傾斜させた際の断面図である。
【図6】本発明に係る第3実施形態の携帯機器を示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1…ハウジング(筐体)、2a…基板貫通孔、2…プリント基板(回路基板)、3…スティック部(操作軸部)、4…本体部、5…ポインティングデバイス、6…上側ハウジング(上側筐体)、6a…ハウジング貫通孔、9…下側ハウジング(下側筐体)、12…ゴムキャップ(弾性キャップ部材)、13…可動電極板、14…固定電極板、20…実装部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に操作面を有する筐体と、
前記筐体内の前記操作面側に固定された回路基板と、
操作軸部と前記操作軸部を傾斜可能に支持すると共に前記操作軸部の傾斜方向及び傾斜角度を電気信号として検出する本体部とを有するポインティングデバイスと、を備え、
前記本体部が、前記筐体内の前記操作面と反対側に固定され、前記操作軸部の先端が、前記回路基板及び前記筐体に形成された貫通孔を介して前記筐体の前記操作面に配されていることを特徴とする携帯機器。
【請求項2】
前記筐体が、前記操作面側の上側筐体と前記操作面と反対側の下側筐体とから構成され、
前記回路基板が、前記上側筐体に固定され、
前記本体部が、前記下側筐体に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器。
【請求項3】
前記操作軸部の先端を覆って配された弾性キャップ部材を備え、
前記弾性キャップ部材が、その縁部を前記筐体と前記回路基板とに挟持されて取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器。
【請求項4】
前記ポインティングデバイスが、前記操作軸部の基端に固定された可動電極板と、前記可動電極板に対向して前記本体部に設けられた固定電極板とを有し、前記可動電極板と前記固定電極板との間の静電容量の変化を検出する静電容量型ポインティングデバイスであることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器。
【請求項5】
前記可動電極板が、前記回路基板に当接することで移動範囲が制限されていることを特徴とする請求項4に記載の携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−73249(P2006−73249A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252701(P2004−252701)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000107642)スター精密株式会社 (253)
【Fターム(参考)】