説明

携帯無線装置用キーパッド

【課題】複数回押下することなく、より多くのキャラクタに対応する。
【解決手段】オーバレイキーパッドは、キーパッド620上に取り付けられる。そのキーパッドは、携帯無線装置600に入力されるキャラクタに相当する電気信号を生成するためにプリント回路基板に選択的に電気的接続することができるキー625を含む。各キーは、複数の接点をさらに含み、各接点は、該接点に関連する文字を入力するために、プリント回路基板に個別に電気的接続することができる。キーパッドは、所与のキーのすべての接点が同じ入力キャラクタを参照する単一モードと、所与のキーの各接点が異なる入力キャラクタを参照するマルチモードとの間で切り替えることができる。更に、各キーの接点の少なくともいくつかは、特定の接点に所望のキャラクタを割り当てるために、ユーザによりプログラム可能である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
携帯電話などの携帯無線装置は、音声情報だけでなくデータも送受信する装置に進化し
ている。携帯無線装置の主要なユーザーインターフェースはキーパッドである。あいにく
、標準的な携帯無線装置のキーパッドは約12個のキーを収納することができるだけであ
る。
【0002】
キーパッドは、電話番号をダイヤルすることができるように番号数字の入力手段を提供
する役割を主に担う。しかしながら、増大するデータおよびナビゲーション能力により、
標準的なキーパッドは追加の役割を強いられている。現在のキーパッド設計は、キャラク
タのいずれかを入力することができるということを示すために、各キーに複数の英数字キ
ャラクタを貼りつける。各キーの主な入力は依然として数値である。他のキャラクタの一
つを入力するために、ユーザは短期間にキーパッドを複数回押す必要がある。これは、特
定キーのキャラクタリスト内における切り替えという影響を与える。一般的には、キーが
押されたときにユーザに視覚的なフィードバックを与えるために、携帯無線装置の表示装
置が使用される。これにより、ユーザは、所望のキャラクタに達したときに、キー押しを
やめてよいときを知ることができる。
【0003】
各キーに印刷されたキャラクタに加えて、携帯無線装置は、表示装置とソフトウェアア
ルゴリズムを使用することにより、キー毎に多くの追加のキャラクタ入力を提供すること
ができる。追加のキャラクタとしては、テキストメッセージ通信およびその他のメッセー
ジ通信アプリケーションで使用される、句読点、小アイコン等が挙げられる。
【0004】
現在、数字およびテキスト入力の全般的なユーザ経験は、煩わしく満足できないもので
ある。ユーザがアドレスおよびテキストメッセージの内容を「タイプ入力」するためには
、使用するキャラクタよりはるかに多いキーストロークを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
必要とされるのは、同じキーを複数回キー押しする手段を取ることなく、より多くのキ
ャラクタに対応することができるキーパッドである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
要約
本発明は携帯無線装置用のキーパッドを含む。本キーパッドは、携帯無線装置に入力さ
れるキャラクタに相当する電気信号を生成するプリント回路基板に、選択的に電気的接続
することができる複数のキーを含む。各キーは、複数の接点をさらに含み、各接点は、該
接点に関連するキャラクタを入力するために、プリント回路基板に個別に電気的接続する
ことができる。別の実施態様では、既存の複数のキー上にまたは既存の複数のキーの代わ
りに取り付けられる(fit over)ように適合されたオーバーレイまたは代替キーパッドが
含まれる。オーバーレイまたは代替キーパッドは、前記複数の接点に対応する追加のキャ
ラクタを含む。
【0007】
キーパッドは、所与のキーのすべての接点が同じ入力キャラクタを参照する単一モード
と、所与のキーの各接点がオーバーレイキーパッド上に規定された異なる入力キャラクタ
を参照するマルチモードとの間で、切り替えることができる。オーバーレイキーパッドが
実装された場合、複数のキー上にオーバーレイキーパッドを取り付ける行為により、キー
パッドを単一モードからマルチモードへ切り替える。
【0008】
なお、特定の接点に所望のキャラクタを割り当てるために、各キーの接点の少なくとも
いくつかは、ユーザによりプログラム可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面の簡単な説明
【図1】無線携帯装置と標準的なキーパッドの図解である。
【図2】標準キーパッドと、追加のキャラクタに対応するために分割されたオーバーレイキーパッドの図解である。
【図3】取り外し可能な標準キーパッドの代わりに使用することができる代替キーパッドの図解である。
【図4】別の配向を示す代替キーパッドの図解である。
【図5】各部分の接点を示す、キーパッド上のキーの図解である。
【図6】無線携帯装置と、キー毎に複数のキャラクタに対応するように分割されたキーパッドの図解である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
図1に、標準的な携帯無線装置(この例では携帯電話)100を例示する。この例は表
示装置110と標準キーパッド120を示す。キーパッド120は、標準的な英数字電話
キーパッドのようにラベル付けされた12個の個別キーを含む。例えば、中央上部キーは
主に「2」とラベル付けされ、かつ、その下に文字「abc」を有し、特定の一組のキー
操作がなされるとこれらの文字を入力することができるということを示す。この例では、
各キーは、プリント回路基板(等)に対し、ただ一つの下層電気接点を有する。したがっ
て、文字「c」を入力するためには、所望の「c」に達する前に、他の選択肢を循環させ
るためにキーを4回押す必要がある。このシステムの下では、単語「h−e−l−l−o
」を入力するために、ユーザは5回ではなく18回のキー押しを必要とするであろう。
【0011】
本発明は、キーパッドのキーを、各部分が個別のキャラクタに対応することができる複
数の部分に分割することを提案する。本発明には少なくとも2つの実施方法がある。一つ
は、追加のキャラクタが求められるときに、ユーザにより、携帯無線装置のもとのキーパ
ッド上にあるいはもとのキーパッドの代わりに貼り付けることができるオーバーレイ(取
り外し可能)キーパッドを提供することである。
【0012】
別の実施方法では、主要キーパッドにキャラクタを一体化する。いずれにせよ、ユーザ
入力(キー押し)を電気信号に変換するのを助けるキーパッドを含む部品は、下層のプリ
ント回路基板(PCB)に対する個別の接点を提供しなければならない。これにより、当
該回路は、キー押しの際にユーザの意図を識別することができる。
【0013】
図2に、標準キーパッド210と、標準キーパッド210と比較して追加のキャラクタ
に対応するように分割されたオーバーレイキーパッド220とを例示する。ここに示すオ
ーバーレイキーパッド220は、標準キーパッドより20個多い32個のキーに分割され
る。
【0014】
オーバーレイ又は代替キーパッド上の各キーは、携帯無線装置内のPCBに対しそれぞ
れの電気接点を有する。1つのキーが押されると、該キーはPCB等に電気的に接続され
、該キーに関連するキャラクタに相当する電気信号を生成する。一実施形態は、キー押し
に対応する領域の各キー上に数字、文字、またはキャラクタを印刷した半剛性材を含むオ
ーバーレイキーパッドを有する。ユーザは、標準キーパッド上の適所にオーバーレイキー
パッドをはめ込む。キーパッドを適所にはめ込むという行為はまた、各接点が今やオーバ
ーレイキーパッド上に印刷されたキャラクタと関連付けられるように、各キーの個々の接
点(the alternate contact points)を起動するトリガーとして役立つことができる。す
なわち、オーバーレイキーパッドが標準キーパッド上に取り付けられると、オーバーレイ
キーパッドに関連する接点がアクティブ化され、一方、標準キーパッドの接点が非アクテ
ィブ化される。
【0015】
図3は、取り外し可能な標準キーパッドの代わりに使用できる代替キーパッド300の
図解である。この実施形態では、標準キーパッド210は取り外し可能である。取り外さ
れると、多くの追加のキャラクタに対応する代替キーパッド300が適所に設定される。
代替キーパッドは、標準キーパッドと同じ全体寸法を有するが、表面スペースのすべてま
たはほぼすべてを上手く利用して、追加のキャラクタを提供する。代替キーパッドを適所
にはめ込んだ後、ユーザはメニュー機能を使用し、携帯無線装置を、新しいキーパッドを
携帯無線装置に格納された接点マッピングに関連付けるように、導くことができる。携帯
無線装置は、複数の代替キーパッドに対応するために、複数の接点マッピングを格納する
ことができる。
【0016】
図4は、別の配向を示す代替キーパッドの図解である。代替キーパッド400はまた、
標準キーパッドとは異なって配向させることができる。例えば、ユーザにとっては、8×
4ではなく4×8のテーブル(すなわち、ポートレイトというよりはむしろランドスケー
プ効果)を有するように編成されたアルファベットキーパッドを使用するほうがより直感
的でわかりやすい場合がある。さらに、別の実施形態では追加のキャラクタを主要キーパ
ッドに一体化する。
【0017】
図5と図6に、個々のキーを長方形として例示する。各キーは、5個の個別領域、すな
わち4つのコーナと中心とに分割される。中心部分は標準的な数値のために予約されてい
るが、各コーナは、アルファベット文字または他のシンボルまたはアイコンなどの2次的
なキャラクタに対応する。
【0018】
図5は、各部分の接点515を示す、パッド上のキー510の断面斜視図である。キー
(オーバーレイまたは一体化されたもの)の上部には、各コーナに4個以下のキャラクタ
520と、中心に数値525とが印刷される。ユーザがこれらの領域のいずれか一つに圧
力をかけると、キーの当該部分は、さほど直接圧力を受けない領域にまさってPCB53
0に向かって降下するように設計されている。これにより、当該部分に関連する接点51
5をPCB530に電気的に接続させる。この接点515は、携帯無線装置の表示装置に
示される特定のキャラクタと関連するように「プログラム」されている。
【0019】
図6は、無線携帯装置600、及び、キー毎に複数のキャラクタに対応するように分割
された一体化キーパッド620の図解である。キーパッド620は、従来の場所に数字が
印刷されて示されている。更に、英語アルファベットが、キー625の様々なコーナに印
刷されている。アルファベットは利用可能なスペースより少ない数の文字を含むので、空
白の場所が多く残されている。これらの残りの場所は、句読点、アイコン、記号、または
、さらにはショートカットファンクションキーと関連付けられるようにプログラム可能で
ある。キーパッド620の表面自体は、ユーザが、選択した記号を描くか書き込むことが
できる材料で構成することができる。これは、何のキャラクタが各空白スペース630に
プログラムされているかをユーザが記憶する必要がないように、視覚的なヒントを与える

【0020】
数値の電話番号をダイヤルするときのようにユーザが追加のキャラクタを必要としない
場合がしばしばあり得る。ユーザに別の柔軟度を与えるために、キーパッドは、単一モー
ドまたはマルチモードに設定することができる。単一モードは、キーのどの部分が押され
たかにかわらず、キー押しにより、キー上の数値(すなわち中心部の値)を示す電気信号
を起こさせる。単一モードは、当該キーに関連するすべての接点を、当該キーに関連付け
られた数値(中央のラベル数値)にデフォルト設定する。これにより、数字のみが必要な
場合、迅速で正確なユーザ入力を保証する。
【0021】
しかしながら、マルチモードは、当該キーの定義に基づいて、各キーに関する各接点に
、異なる電気信号を起こさせる。ユーザ入力が数字の入力以外にテキストまたは他のキャ
ラクタを必要とする場合、マルチモードは最も有用である。
【0022】
単一モードとマルチモード間の切り換えは、メニュー選択、あるいは携帯無線装置60
0のどこかに設置されたハードワイヤード「ホット」キー635によって、実現すること
ができる。
【0023】
かかる図面が示すように、各キーは、単一キー押しにより入力することができる4個以
内の追加のキャラクタに対応することができる。標準的な数字キーは、0〜9のそれぞれ
、及び、「*」及び「#」キャラクタの個別キーの、12個のキーから構成される。した
がって、48個の追加のキャラクタ用のスペースがある。英語のアルファベットは、26
キャラクタから成り、したがって句読点、記号またはアイコンなどの追加のキャラクタで
埋めることができる22個の潜在的なプログラム可能場所を残す。他の言語は26キャラ
クタより多いか又は少ないかもしれないが、潜在的に多少の空白場所を残すであろう。こ
れらの場所を埋めるために、ユーザは、好みのキャラクタ(またはショートカット機能で
もよい)で特定の場所をプログラムすることができる。しばしば、キーパッドを構成する
標準的な12個を越えるキーが存在する。これらの追加のキー(時には、ファンクション
キーとも呼ばれる)はまた、単一キー押しに利用できる入力の数を増やすように分割する
こともできる。
【0024】
キーパッド上のキーまたはキー上のキャラクタの設計、レイアウト、順序、または配列
は、設計上の選択と考えられる。したがって、標準電話キーパッドに類似するキーパッド
の図解と、各キーの4つのコーナと一つの中央領域への分割は、単に例示的なものである

【0025】
更に、代替キーパッド上の設計、レイアウト、順序または配列もまた融通性がある。異
なる文字配置を有する複数の代替キーパッドがあってもよい。複数の代替キーパッドによ
り、ユーザは、様々な言語またはキャラクタセットを含む、特定の目的のためにキーパッ
ドを選択することができる。
【0026】
当業者は、容易に、本発明の教示を、その他のキーパッド設計と個々のキー設計に対応
するように適合させることができる。
【0027】
本発明の特定の実施例がここに開示された。本発明は他の環境において他のアプリケー
ションを有してもよいということを当業者は容易に認識するであろう。実際、多くの実施
形態と実装が可能である。本願の特許請求の範囲は、本発明の範囲を上述の特定の実施形
態に限定するように意図するものでは決してない。また、「するための手段」というすべ
ての記述は、要素と請求項の「ミーンズプラスファンクション」解釈を喚起することを意
図しており、一方、具体的に「するための手段」という記述を使用しないすべての要素は
、請求項がそれ以外に「手段」という言葉を含んでも、「ミーンズプラスファンクション
」として解釈されることを意図するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯無線装置用のキーパッド620であって、
前記携帯無線装置に入力されるキャラクタに相当する電気信号を生成するために、プリ
ント回路基板530に、選択的に電気的接続することができる複数のキー625と、
各キーに関する複数の接点515であって、各接点515が、該接点515に関連する
キャラクタを入力するために、前記プリント回路基板530に個別に電気的に接続するこ
とができる、複数の接点515と、
を含むキーパッド。
【請求項2】
前記キーパッドは、所与のキーのすべての接点515が同じ入力キャラクタを参照する
単一モード、または所与のキーの各接点515が異なる入力キャラクタを参照するマルチ
モードとの間で選択的に切り替えることができる、請求項1に記載のキーパッド。
【請求項3】
各キーの前記接点515の少なくともいくつかはプログラム可能である、請求項1に記
載のキーパッド。
【請求項4】
携帯無線装置の標準キーパッド210上に取り付けられるオーバーレイキーパッド22
0であって、前記オーバーレイキーパッドは、
前記オーバーレイキーパッド220が前記標準キーパッド210上に取り付けられると
、前記オーバーレイキーパッド220に関連する接点515がアクティブ化され、一方、
前記標準キーパッド210の接点515が非アクティブ化されるように、接点/キーのペ
アと関連したキャラクタを入力するために前記携帯無線装置内のプリント回路基板530
上の複数の接点515に選択的に接続することができる複数のキー510を含む、オーバ
ーレイキーパッド。
【請求項5】
各キーの前記接点515の少なくともいくつかはプログラム可能である、請求項4に記
載のオーバーレイキーパッド220。
【請求項6】
携帯無線装置の取り外し可能な標準キーパッド210と交換可能な代替キーパッド30
0、400であって、前記代替キーパッドは、
前記代替キーパッド300、400が前記標準キーパッドに代わって使用されると、前
記代替キーパッド300、400に関連する接点がアクティブ化され、一方、前記標準キ
ーパッドの接点515が非アクティブ化されるように、接点/キーのペアと関連したキャ
ラクタを入力するために前記携帯無線装置内のプリント回路基板530上の複数の接点5
15に選択的に接続することができる複数のキーを含む、代替キーパッド。
【請求項7】
各キーの前記接点515の少なくともいくつかはプログラム可能である、請求項6に記
載のキーパッド。
【請求項8】
第1の複数のキーを有する取り外し可能な標準キーパッド210と、
第2の複数のキーを有する取り外し可能な代替キーパッド220と、
前記第1または第2の複数のキーのいずれかのキーと接触させられると電気信号を形成
することができる複数の接点515を有するプリント回路基板530と、を含み、
前記代替キーパッド220が前記標準キーパッド210の代わりに使用されると、前記
代替キーパッド220に関連する接点がアクティブ化され、一方、前記標準キーパッド2
10の接点515が非アクティブ化される、携帯無線装置。
【請求項9】
それぞれが異なるキャラクタマッピングを有する複数の代替キーパッド300、400
が存在する、請求項8に記載の携帯無線装置。
【請求項10】
特定の代替キーパッド300、400用のキャラクタマッピングは、前記携帯無線装置
内の記憶装置内に存在し、前記特定の代替キーパッド300、400が前記携帯無線装置
に取り付けられると起動される、請求項9に記載の携帯無線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−230679(P2012−230679A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−107968(P2012−107968)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【分割の表示】特願2010−293702(P2010−293702)の分割
【原出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(502087507)ソニーモバイルコミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】