説明

携帯端末、承認システム、承認方法及びプログラム

【課題】施設又は設備を利用するに際し、効率的に承認者の承認を得る。
【解決手段】検出部15は、使用者の状況に関する情報を取得する調整部17は、検出部15で取得された使用者の状況に関する情報に基づいて、承認条件を調整する。選出部18は、ドアの解錠に応じて承認者を選出する。送信部19は、ドアの解錠についての承認要求情報を選出された承認者の端末に送信する。情報取得部20は、承認要求に対する承認者の承認結果に関する情報を取得する。判定部21は、情報取得部20によって取得された承認者の承認結果に関する情報に基づいて、調整部17によって調整された承認条件が満たされたか否かを判定する。実行部22は、判定部21によって承認条件が満たされたと判定された場合に、使用者による施設又は設備の利用を可能とする処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、承認システム、承認方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化が進み、日常生活における支援が必要な人が増加している。このような人に対する支援として、例えば、承認者が承認することによって、使用者が貯金口座から出金できる出入金システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−186329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に開示された出入金システムでは、使用者や承認者の状況に関わらず画一的に承認を要求する。このため、例えば、使用者が承認を得るのを急いでいたとしても、承認者が迅速に承認操作を行わなければ、早急に承認を得るのは困難になる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、施設又は設備を利用するに際し、効率的に承認者の承認を得ることができる携帯端末、承認システム、承認方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る携帯端末は、
使用者による施設又は設備の利用の承認を承認者から得るために用いられる携帯端末であって、
前記使用者の状況に関する情報を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記使用者の状況に関する情報に基づいて、承認条件を調整する調整部と、
前記複数の承認者候補の中から、前記施設又は設備に関連する承認者を優先的に選出する選出部と、
承認要求に関する情報を、前記選出部で選出された承認者の端末に送信する送信部と、
前記承認要求に対する前記承認者の承認結果に関する情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得された前記承認者の承認結果に関する情報に基づいて、前記調整部によって調整された承認条件が満たされたか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記承認条件が満たされたと判定された場合に、前記使用者による前記施設又は設備の利用を可能とする処理を実行する実行部と、
を備える。
【0007】
本発明の第2の観点に係る承認システムは、
本発明の携帯端末と、
前記携帯端末から送信される承認要求に関する情報に応答して、ユーザ操作により、承認結果に関する情報を送信可能な端末と、
前記携帯端末で前記施設又は設備の利用を可能とする処理が実行されると、施設又は設備の状態を利用可能な状態に変更する変更装置と、
を備える。
【0008】
また、本発明の第3の観点に係る承認方法は、
使用者による施設又は設備の利用の承認を承認者から得る承認方法であって、
前記使用者の携帯端末を用いて、前記使用者の状況に関する情報を検出する検出工程と、
前記検出工程において検出された前記使用者の状況に関する情報に基づいて、前記携帯端末を用いて、承認条件を調整する調整工程と、
前記携帯端末を用いて、前記複数の承認者候補の中から、前記施設又は設備に関連する承認者を優先的に選出する選出工程と、
前記携帯端末を用いて、承認要求に関する情報を、前記選出部で選出された承認者の端末に送信する送信工程と、
前記携帯端末を用いて、前記承認要求に対する前記承認者の承認結果に関する情報を取得する情報取得工程と、
前記携帯端末を用いて、前記情報取得工程において取得された前記承認者の承認結果に関する情報に基づいて、前記調整工程において調整された承認条件が満たされたか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記承認条件が満たされたと判定された場合に、前記使用者による前記施設又は設備の利用を可能とする処理を実行する実行工程と、
を含む。
【0009】
また、本発明の第4の観点に係るプログラムは、
使用者による施設又は設備の利用の承認を承認者から得るために用いられる携帯端末を制御するコンピュータを、
前記使用者の状況に関する情報を検出する検出部、
前記検出部によって検出された前記使用者の状況に関する情報に基づいて、承認条件を調整する調整部、
前記複数の承認者候補の中から、前記施設又は設備に関連する承認者を優先的に選出する選出部、
承認要求に関する情報を、前記選出部で選出された承認者の端末に送信する送信部、
前記承認要求に対する前記承認者の承認結果に関する情報を取得する情報取得部、
前記情報取得部によって取得された前記承認者の承認結果に関する情報に基づいて、前記調整部によって調整された承認条件が満たされたか否かを判定する判定部、
前記判定部によって前記承認条件が満たされたと判定された場合に、前記使用者による前記施設又は設備の利用を可能とする処理を実行する実行部、
して機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、使用者の状況に関する情報に基づいて施設又は設備を利用するための承認条件が調整される。これにより、施設又は設備を利用するに際し、効率的に承認者の承認を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1に係る承認システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示す携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は、承認条件テーブルの内容を例示する図(その1)である。図3(B)は、承認条件テーブルの内容を例示する図(その2)である。図3(C)は、承認条件テーブルの内容を例示する図(その3)である。
【図4】承認要求関連テーブルの内容を例示する図である。
【図5】図1に示す端末の構成を示すブロック図である。
【図6】実施形態1に係る端末に表示される選択画面の一例を示す図である。
【図7】実施形態1に係る承認要求処理のフローチャートである。
【図8】実施形態1に係る調整条件の調整のフローチャートである。
【図9】実施形態1に係る承認者の選出のフローチャートである。
【図10】図10(A)は、実施形態1に係る承認要求関連テーブルの内容を例示する図(その1)である。図10(B)は、実施形態1に係る承認要求関連テーブルの内容を例示する図(その2)である。
【図11】実施形態2に係る端末に表示される選択画面の一例を示す図である。
【図12】実施形態2に係る承認要求処理のフローチャートである。
【図13】実施形態2に係る承認条件テーブルの内容を例示する図である。
【図14】図14(A)は、実施形態2に係る承認要求関連テーブルの内容を例示する図(その1)である。図14(B)は、実施形態2に係る承認要求関連テーブルの内容を例示する図(その2)である。図14(C)は、実施形態2に係る承認要求関連テーブルの内容を例示する図(その3)である。
【図15】実施形態3に係る承認条件テーブルの内容を例示する図である。
【図16】実施形態3に係る端末の構成を示すブロック図である。
【図17】実施形態3に係る端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図18】実施形態3に係る承認要求処理のフローチャートである。
【図19】図19(A)は、実施形態4に係る承認条件テーブルの内容を例示する図である。図19(B)は、実施形態5に係る承認条件テーブルの内容を例示する図である。
【図20】図20(A)は、実施形態4に係る承認要求関連テーブルの内容を例示する図(その1)である。図20(B)は、実施形態4に係る承認要求関連テーブルの内容を例示する図(その2)である。図20(C)は、実施形態4に係る承認要求関連テーブルの内容を例示する図(その3)である。図20(D)は、実施形態4に係る承認要求関連テーブルの内容を例示する図(その4)である。
【図21】実施形態4に係る承認要求処理のフローチャートである。
【図22】実施形態5に係る承認要求処理のフローチャートである。
【図23】図23(A)は、実施形態5に係る承認要求関連テーブルの内容を例示する図(その1)である。図23(B)は、実施形態5に係る承認要求関連テーブルの内容を例示する図(その2)である。図23(C)は、実施形態5に係る承認要求関連テーブルの内容を例示する図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
(実施形態1)
図1を参照して、本実施形態に係る承認システム100の構成について説明する。承認システム100は、携帯端末1、端末2、3、公衆基地局4、通信回線網5、ドア6及び施錠装置7を備える。
【0014】
携帯端末1は、使用者によって携帯される。携帯端末1は、使用者による施設又は設備の利用の承認を承認者から得るために用いられる。端末2、3は、それぞれ承認者A、Bによって所持されている。携帯端末1、端末2及び端末3は、通話機能、通信機能等を備える。
【0015】
各公衆基地局4は、通信回線網5の基地局である。携帯端末1、端末2、3は、それぞれ通信圏内に存在する公衆基地局4と無線で接続することによって、通信回線網5を介して互いに通話や通信が可能である。
【0016】
ドア6は、所定の施設(不図示)に出入りするために設けられている。ドア6は、施錠装置7と接続される。施錠装置7は、ドア6の施錠及び解錠を制御する。通常、ドア6は、施錠装置7によって施錠されている。使用者がドア6を解錠するには、承認者A、Bによる承認を得る必要がある。
【0017】
施錠装置7は、無線通信機能を備え、携帯端末1との間でデータの送受信が可能である。携帯端末1から解錠指令情報を受信すると、施錠装置7は、ドア6を解錠する。すなわち、施錠装置7は、携帯端末1においてドア6が設けられた施設の利用を可能とする処理が実行されると、ドア6を解除して、その施設を利用可能な状態に変更する変更装置として機能する。
【0018】
図2を参照して、携帯端末1のシステム構成について説明する。携帯端末1は、操作入力部11、表示部12、通信部13、記憶部14、検出部15及び制御部16を備える。
【0019】
操作入力部11は、キーボタン、スイッチボタン等(いずれも不図示)を備える。操作入力部11は使用者によって入力された操作に対応する操作入力信号を制御部16に出力する。例えば、操作入力信号には、携帯端末1の電源オンオフ、ドア6の解錠操作等に対応するものがある。
【0020】
表示部12は、使用者が携帯端末1の機能を利用するために必要な各種の情報を表示する。例えば、各種の情報には、電源状態、電波強度、未読の電子メールの有無、インターネット上のサイトのデータ等がある。
【0021】
通信部13は、アンテナ(不図示)を備える。通信部13は、アンテナを介して公衆基地局4から受信した無線信号の周波数の変換、復調等を行う。また、通信部13は、アンテナを介して公衆基地局4に送信される無線信号を生成するためにベースバンド信号の周波数の変換、変調等を行う。
【0022】
通信部13は、例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)、EV−DO(Evolution Data Only)等の所定の通信方式にて、公衆基地局4の中継により、通信回線網5を介して、端末2、3との間でデータの送受信を行う通信インターフェイスとして機能する。例えば、通信部13を介して、ドア6の解錠についての承認を要求するための承認要求に関する情報(承認要求情報)が、端末2、3に送信される。これに対し、承認者A、Bは、端末2、3を用いて承認操作を行う。この結果、端末2、3から承認結果に関する情報(承認結果情報)が携帯端末1に送信され、通信部13を介して受信される。承認者A、Bがドア6の解錠を承認する場合は、端末2、3は、承認の旨を含む承認結果情報を携帯端末1に送信する。承認者A、Bがドア6の解錠を承認しない場合は、端末2、3は、非承認の旨を含む承認結果情報を携帯端末1に送信する。
【0023】
さらに、通信部13は、例えば、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、赤外線、Felica(登録商標)等を用いて、施錠装置7との間で通信を行う通信インターフェイスとして機能する。例えば、施錠装置7への解錠指令情報は、通信部13を介して送信される。
【0024】
記憶部14は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の読み書き可能なメモリ(不図示)を備える。記憶部14は、各種プログラム、データ等を記憶する。記憶部14は、承認条件テーブル141、承認要求関連テーブル142及び画像データベース143を記憶する。
【0025】
承認条件テーブル141には、承認条件等が登録される。例えば、承認条件テーブル141には、図3(A)に示すように、「ID」と、「承認内容」と、「承認者リスト」と、「承認条件」と、「設定日時」とが対応付けられて格納される。「ID」には、識別情報であり、固有の番号が格納される。「承認内容」には、承認の対象となる施設又は設備と、承認時に行われる動作とが格納される。「承認者リスト」には、承認者の名前が格納される。「承認条件」には、施設又は設備を利用するために満たされるべき条件が格納される。「設定日時」には、承認内容、承認者リスト、承認条件が全て設定されたときの日時が格納される。
【0026】
例えば、ドア6を解錠するのに承認者A、Bの承認が必要である場合は、例えば承認条件テーブル141のID「51」の欄に、承認内容として「ドア6の解錠」、承認者リストとして「A、B」、承認条件として「承認者の人数:2人以上」が格納される。なお、図3(A)では、この欄の設定日時には、「2010年10月21日10時33分33秒」が格納されている。
【0027】
承認要求関連テーブル142には、図4に示すように、「ID」と、「承認者」と、「電子メールアドレス」と、「承認結果」と、「送信日時」とが対応付けられて格納される。
【0028】
「ID」には、識別情報であり、固有の番号が格納される。この番号は、承認条件テーブル141のIDに対応する。例えば、承認条件テーブル141において、承認内容「ドア6の解錠」についての承認要求に関連する情報は、承認要求関連テーブル142のID「51」に対応付けて格納される。
【0029】
「承認者」には、承認者の名前が格納される。「電子メールアドレス」には、承認要求情報の送信先として承認者の電子メールアドレスが格納される。「承認結果」には、携帯端末1が承認の旨を受信した場合には「OK」が格納され、非承認の旨を受信した場合には「NG」が格納される。「送信日時」には、承認要求情報を送信した日時が格納される。
【0030】
例えば、承認条件テーブル141のID「51」の承認内容「ドア6の解錠」の承認条件に対応付けられた承認者リストには、「A、B」が登録されているため、承認要求関連テーブル142では、ID「51」に対応する承認者として、「承認者A」、「承認者B」がそれぞれ格納される。承認者A、Bに対応する各電子メールアドレスには、端末2の電子メールアドレスである「aa@bb.ne.jp」、端末3の電子メールアドレスである「zz@yy.ne.jp」が格納される。携帯端末1が端末2から承認結果情報として承認の旨を受信した場合、承認者Aに対応する承認結果には「OK」が格納される。携帯端末1が端末3から承認結果情報として非承認の旨を受信した場合、承認者Bに対応する承認結果には「NG」が格納される。各送信日時には、携帯端末1が端末2、3に承認要求情報を送信した日時「2010年10月21日10時33分35秒」が格納される。
【0031】
画像データベース143には、ドア6が設けられた施設内の画像データが格納される。画像データベース143に格納される画像データには、その画像が撮影された施設又は設備の位置座標(経度、緯度)が関連付けられている。
【0032】
検出部15は、使用者の状況に関する情報を検出する。使用者の状況に関する情報には、様々なものがある。例えば、使用者が空腹であるといったことも、使用者の状況に関する情報に含まれる。この場合、検出部15は、空腹を知らせるボタン(不図示)を備え、使用者によってボタンが押下されることによって、使用者の状況に関する情報として空腹であり緊急度が高いと判定するようにしてもよい。
【0033】
制御部16は、CPU(Central Processing Unit)等を備える。制御部16は、調整部17、選出部18、送信部19、情報取得部20、判定部21及び実行部22を備える。制御部16が記憶部14に記憶された各種プログラムを実行制御することにより、調整部17、選出部18、送信部19、情報取得部20、判定部21及び実行部22の機能を実現して、携帯端末1を統括的に制御するとともに、下記の各処理を実行する。
【0034】
調整部17は、検出部15によって検出された使用者の状況に関する情報に基づいて、承認条件を調整する。例えば、調整部17は、検出部15によって取得された使用者の状況に関する情報に応じて、承認条件に含まれる承認に必要な承認者の人数を増減させる。
より具体的には、調整部17は、検出部15によって取得された使用者の状況に関する情報に基づいて、施設又は設備の利用の緊急度が高いと判定された場合、承認者の人数を「2人以上」から「1人以上」に減らす。
【0035】
調整部17は、調整した承認条件を、記憶部14に記憶された承認条件テーブル141の承認条件として格納する。
【0036】
選出部18は、複数の承認者候補の中から、承認者を選出する。より具体的には、選出部18は、施設又は設備に関連する承認者を優先的に選出する。例えば、使用者がドア6の解錠の承認を要求した場合、選出部18は、記憶部14に記憶されているドア6が設けられた施設に対応する位置情報(以下、単に「施設の位置情報」とする)と、画像データベース143に格納された各画像データに関連付けられた位置情報とを比較する。これにより、選出部18は、位置情報が最も合致する画像データを特定する。選出部18は、特定された画像データに対して顔解析を実行し、画像データに含まれる顔画像を抽出する。
【0037】
記憶部14に格納された電話帳データ(不図示)には、承認者の候補となる人の名前、その承認者の候補の電子メールアドレス、電話番号、その人の顔画像等を含むエントリが記憶されている。選出部18は、抽出された顔画像と、電話帳データに記憶された顔画像とを比較し、抽出された顔画像と合致する顔画像を含むエントリを検索する。選出部18は、検索されたエントリの人を承認者として優先的に選出する。
【0038】
選出部18は、記憶部14に記憶された承認条件テーブル141に、選出された承認者及び設定日時を格納する。また、選出部18は、選出された承認者とその電子メールアドレスとを、記憶部14に記憶された承認要求関連テーブル142に格納する。
【0039】
送信部19は、通信部13を介して、承認要求情報を、選出部18によって選出された承認者の端末に送信する。
【0040】
情報取得部20は、例えば、通信部13を介して、承認要求に対する承認者の承認結果情報を取得する。情報取得部20は、取得した承認結果情報に基づいて、承認要求関連テーブル142を更新する。より詳細には、情報取得部20は、承認結果情報と、送信日時とを承認要求関連テーブル142に格納する。
【0041】
判定部21は、情報取得部20によって取得された承認者の承認結果情報に基づいて、調整部17によって調整された承認条件が満たされたか否かを判定する。より具体的には、判定部21は、記憶部14に記憶された承認条件テーブル141を参照し、承認条件が満たされたか否かを判定する。例えば、図3(A)のID「51」の承認条件「承認者の人数:2人以上」において、承認者A、Bともに承認結果が「OK」の場合、承認条件が満たされたものと判定される。
【0042】
実行部22は、判定部21によって承認条件が満たされたと判定された場合に、使用者による施設又は設備の利用を可能とする処理を実行する。より具体的には、承認条件が満たされると、実行部22は、ドア6の解錠指令情報を生成し、通信部13を介して施錠装置7に送信する。解除指令情報を受信すると、施錠装置7は、ドア6を解錠する。
【0043】
次に、端末2、3のシステム構成について説明する。端末3は、端末2と同じ構成のため、以下、端末2について詳細に説明する。端末2、3は、携帯端末1から送信される承認要求情報に応答して、ユーザ操作により、承認結果情報を送信可能である。
【0044】
図5に示すように、端末2は、通信部201、表示部202、操作入力部203、記憶部204及び制御部205を備える。
【0045】
通信部201は、アンテナ(不図示)を備える。通信部201は、例えば、CDMA、EV−DO等所定の通信方式にて、公衆基地局4の中継により、通信回線網5を介して、携帯端末1との間でデータの送受信を行う。例えば、通信部201は、携帯端末1から送信されたドア6の解錠についての承認要求情報を受信して、制御部205に出力する。
【0046】
表示部202は、使用者が端末2の機能を利用するために必要な各種の情報を表示する。例えば、表示部202は、携帯端末1から送信されたドア6の解錠についての承認要求情報に基づいて、図6に示すように、ドア6の解錠について「承認する」か「承認しない」を選択する画面(以下、単に「選択画面」とする)を表示する。承認者Aが「承認する」を選択すると、承認の旨を含む承認結果情報が携帯端末1に送信される。また、承認者Aが「承認しない」を選択すると、承認しない旨を含む承認結果情報が携帯端末1に送信される。
【0047】
操作入力部203は、キーボタン、スイッチボタン等(いずれも不図示)を備える。操作入力部203は、使用者によって入力された操作に対応する操作入力信号を制御部205に出力する。例えば、図6の選択画面において、承認者Aが「承認する」を選択した場合、操作入力部203は、「承認する」に対応する操作入力信号を制御部205に出力する。一方、承認者Aが「承認しない」を選択した場合、操作入力部203は、「承認しない」に対応する操作入力信号を制御部205に出力する。
【0048】
記憶部204は、例えば、ROM、RAM等の読み書き可能なメモリを備える。記憶部204は、各種プログラム、データ等を記憶する。
【0049】
制御部205は、CPU等を備える。制御部205が記憶部204に記憶された各種プログラムを実行制御することにより、携帯端末1を統括的に制御するとともに、下記の各処理を実行する。
【0050】
制御部205は、通信部201を介して承認要求情報が入力されると、表示部202を介して選択画面を表示する。
【0051】
制御部205は、操作入力部203により「承認する」又は「承認しない」に対応する操作入力信号が入力されると、承認の旨又は非承認の旨を含む承認結果情報を生成する。制御部205は、通信部201を介して携帯端末1に生成した承認の旨又は非承認の旨を含む承認結果情報を送信する。
【0052】
次に、図7を参照しながら、携帯端末1による承認要求処理について詳細に説明する。前提として、記憶部14には、図3(A)に示す承認条件テーブル141が記憶されているものとする。
【0053】
承認要求処理は、使用者によってドア6の解錠要求に対応する操作が操作入力部11を介して入力されることによって開始される。実行部22は、調整部17に承認条件の調整を指示し、選出部18に承認者の選出を指示する(ステップS1)。
【0054】
調整部17は、実行部22による指示に従って、承認条件を調整するサブルーチンを実行する(ステップS2)。図8に、承認条件を調整するサブルーチンが示されている。調整部17は、検出部15によって検出された使用者の状況に関する情報(端末2、3で承認者A、Bが操作入力した情報等)に基づいて、緊急度が高いか否かを判定する(ステップS21)。緊急度が高くない場合(ステップS21;No)、調整部17は、承認条件の調整を終了する。一方、緊急度が高い場合(ステップS21;Yes)、調整部17は、記憶部14に記憶されている承認条件テーブル141を参照し、実行部22から承認条件の調整の指示とともに送信されたID「51」に対応する承認条件「承認者の人数:2人以上」を取得する(ステップS22)。調整部17は、承認条件「承認者の人数:2人以上」を「承認者の人数:1人以上」に調整する(ステップS23)。次に、調整部17は、承認条件テーブル141を更新する(ステップS24)。より具体的には、調整部17は、図3(B)に示すように、調整された承認条件「承認者の人数:1人以上」を承認条件テーブル141に格納する。また、選出部18によって選出される承認者リスト及び選出者の選出によって確定する設定日時に「Null」を格納する。
【0055】
図7に戻り、選出部18は、実行部22による指示(ステップS1)に従って、承認者を選出する(ステップS3)。
【0056】
図9には、承認者を選出するサブルーチンが示されている。選出部18は、記憶部14に記憶されている承認条件テーブル141を参照し、実行部22から承認者の選出の指示とともに送信されたID「51」に対応する承認内容「ドア6の解錠」を取得する(ステップS31)。情報取得部20は、記憶部14を参照し、「ドア6の解錠」に関連付けられた施設の位置情報をGPS(Global Positioning System)等を用いて取得する(ステップS32)。
【0057】
選出部18は、GPS等により得られた施設の位置情報と、画像データベース143に格納された各画像データに関連付けられた位置情報とを比較し、ドア6が設けられた施設内で撮影された画像データを特定する(ステップS33)。
【0058】
選出部18は、特定された画像データに含まれる顔に関するデータを抽出する(ステップS34)。選出部18は、抽出された顔画像に基づいて電話帳データに登録された承認者候補の中から承認者のエントリを検索する(ステップS35)。ここでは、承認者A、Bに対応するエントリが検索されるものとする。
【0059】
選出部18は、検索された人数が承認条件で設定された承認が必要な人数を超えたか否かを判定する(ステップS36)。必要な人数を超えていなければ(ステップS36;No)、選出部18は、電話帳データから無作為に承認者を選出する(ステップS38)。必要な人数を超えている場合(ステップS36;Yes)、又はステップS38実行後、選出部18は、検索された承認者の名前と設定日時とを記憶部14に記憶された承認条件テーブル141に格納し、承認条件テーブル141を更新する(ステップS37)。
【0060】
例えば、選出部18は、記憶部14に記憶された承認条件テーブル141を参照して、承認条件「承認者の人数:1人以上」を取得する。そして、選出部18は、検索された人数が1以上であるか否かを判定する。検索された人数が2であるため、図3(C)に示すように、選出部18は、検索された承認者A、Bの名前と設定日時とを記憶部14に記憶された承認条件テーブル141に格納し、承認条件テーブル141を更新する(ステップS38)。続いて、図10(A)に示すように、選出部18は、検索された承認者A、Bの名前と電子メールアドレスとを記憶部14に記憶された承認要求関連テーブル142に格納し、承認要求関連テーブル142を更新する(ステップS39)。なお、承認結果及び送信日時は未定なので、承認要求関連テーブル142における承認結果及び送信日時には「Null」が格納される。
【0061】
図7に戻り、送信部19は、記憶部14に記憶された承認要求関連テーブル142を参照し、承認要求情報を端末2、3の電子メールアドレス宛に送信する(ステップS4)。これに対し、端末2、3各々は、承認結果情報を携帯端末1に送信する(ステップS5、6)。
【0062】
情報取得部20は、承認結果情報を取得し、承認要求関連テーブル142を更新する(ステップS7)。より詳細には、通信部13を介して承認結果情報を受信すると、情報取得部20は、受信した承認結果情報に基づいて承認要求関連テーブル142を更新する。図10(B)に示すように、情報取得部20は、承認結果情報に応じて、記憶部14に記憶された承認要求関連テーブル142における承認者A、Bに対応する各承認結果に「OK」を、各送信日時に「2011年3月21日10時33分35秒」を格納する。
【0063】
判定部21は、記憶部14に記憶された承認要求関連テーブル142を参照して、承認条件が満たされたか否かを判定する(ステップS8)。承認条件が満たされると(ステップS8;Yes)、実行部22は、解錠指令情報を生成する(ステップS9)。通信部13を介して解錠指令情報が施錠装置7に送信されると、ドア6が解錠される。
【0064】
一方、承認条件が満たされない場合(ステップS8;No)、制御部16は、承認要求処理を終了する。
【0065】
(実施形態2)
本実施形態に係る携帯端末1のシステム構成は、上記実施形態1と同じである。本実施形態では、例えば、承認者が事情により承認結果情報の送信が困難な場合に、その承認者は、承認結果情報を送信する権利(以下、単に「承認権」とする)を他の承認者に移譲することができる。情報取得部20が承認者の端末2、3から承認権の移譲に関する情報(移譲情報)を受信した場合に、選出部18は、承認要求情報が送信されてない承認者候補の中から、承認者を再選出する。送信部19は、承認要求情報を、選出部18で選出された承認者の端末に送信する。
【0066】
端末2の制御部205は、通信部201によりドア6の解錠についての承認要求情報が入力されると、図11に示すように、表示部202を介して、ドア6の解錠について「承認する」か「承認しない」に加えて、承認権を「移譲する」を選択画面に表示する。
【0067】
承認者Aが「移譲する」を選択すると、制御部205は、移譲情報を生成し、通信部201を介して、携帯端末1に移譲情報を送信する。
【0068】
図12を参照しながら、本実施形態に係る承認要求処理について詳細に説明する。なお、以下では、主に、上記実施形態1に係る承認要求処理と異なる処理について説明する。前提として、選出部18及び調整部17によって更新された承認条件テーブル141には、図13に示すように、ID「52」に対応付けて、承認内容に「ドア6の解錠」、承認者リストに「A」、承認条件に「承認者の人数:1人以上」、設定日時に「2010年10月15日12時22分10秒」が格納されている。
【0069】
ステップS4では、携帯端末1から端末2に承認要求情報が送信される(図12のa)。これに対して、端末2から移譲情報が携帯端末1に送信される(ステップS10)。情報取得部20は、移譲情報を取得して、承認要求関連テーブル142を更新する(ステップS7)。具体的には、端末2から移譲情報を受信したため、図14(A)に示すように、承認要求関連テーブル142の承認者Aに対応する承認結果は、「Null」のままである。送信日時には、承認要求情報が送信された「2010年10月15日12時25分10秒」が格納される。
【0070】
続いて、端末2から移譲情報を受信したか否かを判定する(ステップS11)。移譲情報を受信している場合(ステップS11;Yes)、制御部16は、ステップS3に戻る。選出部18は、承認権の移譲先となる承認者を選出する(ステップS3)。選出部18は、承認条件テーブル141と承認要求関連テーブル142とを更新する(図9のステップS37、S39)。この結果、承認要求関連テーブル142は、図14(B)に示すように、項目に「移譲先電子メールアドレス」が追加され、承認者に「承認者B」が追加される。承認者Bに対応する「電子メールアドレス」及び承認者Aに対応する「移譲先電子メールアドレス」には、承認者Bの電子メールアドレスである「zz@yy.ne.jp」が格納される。
【0071】
ステップS4では、送信部19は、承認要求情報を端末3に送信する(図12のb)。これに対して、端末3から承認結果情報が携帯端末1に送信されると(ステップS6)、情報取得部20は、承認結果情報を取得して、記憶部14に記憶された承認要求関連テーブル142に承認結果を更新する(ステップS7)。この結果、承認要求関連テーブル142は、図14(C)に示すように、承認者Bに対応する承認結果に「OK」が格納され、承認者Bに対応する送信日時に承認要求情報を端末3に送信した日時「2010年10月15日12時30分15秒」が格納される。
【0072】
判定部21は、記憶部14に記憶された承認要求関連テーブル142を参照して、承認条件が満たされたか否かを判定する(ステップS8)。端末3が承認結果情報を送信したことにより、承認条件「承認者の人数:1人以上」が満たされるため(ステップS8;Yes)、実行部22は、解錠指令情報を生成する(ステップS9)。通信部13を介して解錠指令情報は、通信部13を介して、施錠装置7に送信される。これにより、ドア6が解錠される。
【0073】
(実施形態3)
本実施形態に係る携帯端末1のシステム構成は、上記実施形態1と同じである。本実施形態では、例えば、承認者が使用者を安全に支援できるように、承認者が使用者に近づいた行動をもって、承認者が使用者による施設又は設備の利用を承認したものとみなす。情報取得部20は、承認者の端末2、3の位置と、施設又は設備の位置との距離が所定距離以内となったときに、承認要求に対して承認者が承認したものとみなして、承認結果情報を取得する。
【0074】
図15に示すように、選出部18及び調整部17によって更新された承認条件テーブル141には、ID「53」に対応付けて、承認内容に「ドア6の解錠」、承認者リストに「A」、承認条件に「承認者の人数:1人以上/位置」が格納されている。この承認条件は、1人以上の承認者が使用者に近い位置に移動することによって満たされる。
【0075】
検出部15は、通信部13を介して、GPS衛星から送信される携帯端末1の位置座標を検出する。検出部15は、検出した携帯端末1の位置座標を実行部22に出力する。
【0076】
図16に示すように、端末2は、上記実施形態1におけるシステム構成に加えて、さらに検出部206を備える。検出部206は、通信部201を介して、GPS衛星から端末2の位置座標を取得する。制御部205は、検出部206で検出された端末2の位置座標を携帯端末1に送信する。制御部205は、通信部201を介して承認要求情報が入力されると、例えば、図17に示すように、表示部202を介してドア6の解錠について「承認する場合は、ドア6に近づいてください。」といったメッセージを表示する。
【0077】
通信部13を介して端末2の位置座標を受信すると、判定部21は、端末2の位置座標と検出部15から入力される携帯端末1の位置座標とを比較し、端末2が携帯端末1から所定距離内にあるか否かを判定する。判定が肯定された場合、情報取得部20は、承認者により承認されたものとみなし、記憶部14に記憶された承認要求関連テーブル142の承認結果等を更新する。
【0078】
図18を参照しながら、本実施形態に係る承認要求処理について詳細に説明する。なお、主に、上記実施形態1に係る承認要求処理と異なる部分について説明する。
【0079】
送信部19が承認要求情報を端末2、3に送信すると(ステップS4)、制御部16は所定時間が経過するまで待つ(ステップS12;No)。この間に、端末2の制御部205は、所定時間毎に検出部206によって検出された位置座標を携帯端末1に送信する(ステップS13)。所定時間が経過すると(ステップS12;Yes)、情報取得部20は、端末2が携帯端末1から所定距離内にあるか否かを判定する(ステップS14)。判定結果に基づいて、情報取得部20は、承認要求関連テーブル142の承認者Aに対応する承認結果に「OK」を格納することにより、更新する(ステップS7)。
【0080】
判定部21は、記憶部14に記憶された承認要求関連テーブル142を参照して、承認条件が満たされたか否かを判定する(ステップS8)。承認者Aが承認し、承認条件「承認者の人数:1人以上/位置」が満たされるため(ステップS8;Yes)、実行部22は、解錠指令情報を生成する(ステップS9)。実行部22は、通信部13を介して解錠指令情報を施錠装置7に送信する。これにより、ドア6が解錠される。
【0081】
(実施形態4)
本実施形態に係る携帯端末1のシステム構成は、上記実施形態1と同じである。ただし、実行部22は、承認要求情報を端末2に送信してから待ち時間が経過するまでに、承認者による承認結果情報の送信がない場合、端末2にアラームを出力させる。
【0082】
より具体的には、待ち時間が経過するまでに承認結果情報の送信がない場合、実行部22は、端末2にアラームの出力指示を含む報知動作情報を送信する。
【0083】
通信部201を介して報知動作情報を受信した制御部205は、スピーカ(不図示)を介して、アラームを出力する。
【0084】
例えば、図19(A)に示すように、選出部18及び調整部17によって更新された承認条件テーブル141には、上記実施形態1での項目に加えて、「待ち時間」が格納される。承認条件テーブル141では、ID「54」に対応付けて、承認内容に「ドア6の解錠」、承認者リストに「A」、承認条件に「承認者に人数:1人以上」、待ち時間に「30分」、設定時間に「2011年3月21日10時33分33秒」が格納される。
【0085】
情報取得部20は、例えば、図20(A)に示すような承認要求関連テーブル142を作成する。承認要求関連テーブル142には、上記実施形態1での項目に加えて、「報知動作」が格納される。
【0086】
図21を参照しながら、本実施形態に係る承認要求処理について詳細に説明する。なお、上記実施形態1に係る承認要求処理と同じ部分については説明を省略する。前提として、選出部18及び調整部17によって更新された承認条件テーブル141の内容は、図19(A)に示すものとする。
【0087】
送信部19は、端末2に承認要求情報を送信する(ステップS4)。制御部16は、承認条件テーブル141を参照し、送信してから待ち時間の30分が経過するまで待つ(ステップS15;No)。送信してから30分が経過すると(ステップS15;Yes)、図20(B)に示すように、情報取得部20は、送信日時に「2011年3月21日10時33分35秒」を格納して、承認要求関連テーブル142を更新する(ステップS7)。
【0088】
承認条件「承認者の人数:1人以上」が満たされないため(ステップS8;No)、図20(C)に示すように、送信部19は、承認要求関連テーブル142の報知動作内容に「アラーム」を格納し、端末2に報知動作情報を送信する(ステップS16)。この結果、端末2からアラームが出力され(ステップS17)、アラームに気付いた承認者Aが端末2を操作すると、承認結果情報が携帯端末1に送信される(ステップS5)。承認結果情報を受信した情報取得部20は、図20(D)に示すように、承認結果「OK」を格納し、承認要求関連テーブル142を更新する(ステップS18)。この結果、承認条件が満たされたと肯定される(ステップS19;Yes)。ステップS9を経て、使用者は、解錠指令情報を施錠装置7に送信することによって、ドア6を解錠することができる。一方、承認条件が満たされなかった場合(ステップS19;No)、制御部16は、承認要求処理を終了する。
【0089】
(実施形態5)
本実施形態に係る携帯端末1のシステム構成は、上記実施形態4と同じである。ただし、本実施形態では、送信部19が承認要求情報を承認者の端末2、3に送信してから所定の時間が経過するまでに、情報取得部20が承認者の承認結果情報を取得していない場合には、まず、送信部19は、承認者の端末2、3の動作状況に関する情報(動作状況情報)を取得すべく、動作状況の送信要求を、承認者の端末2、3に送信する。
【0090】
制御部205は、自機で実行されているアプリケーションを監視している。制御部205は、電話アプリケーションが実行されている場合、携帯端末1から送信される動作状況の送信要求に応じて、端末2の動作状況情報として電話アプリケーションが動作していることを示す情報を携帯端末1に送信する。
【0091】
実行部22は、情報取得部20によって取得された承認者の端末の動作状況情報に基づいて、承認者の端末を強制操作する情報を生成する。承認者の端末を強制操作する情報は、その端末で実行されている処理の強制停止命令を含む。送信部19は、強制操作する情報を、承認者の端末2、3に送信する。
【0092】
承認者の端末2の制御部205は、電話アプリケーションを強制終了し、表示部202を介して、選択画面を表示する。
【0093】
図21を参照しながら、本実施形態に係る承認要求処理について詳細に説明する。なお、上記実施形態4に係る承認要求処理と同じ部分については説明を省略する。前提として、選出部18及び調整部17によって更新された承認条件テーブル141の内容は、図19(B)に示すものとする。
【0094】
送信部19が端末2に承認要求情報を送信する(ステップS4)。情報取得部20は、承認条件テーブル141を参照し、送信してから待ち時間の5分が経過するまで待つ(ステップS15;No)。送信してから5分が経過すると(ステップS15;Yes)、図23(A)に示すように、実行部22は、送信日時に「2011年3月21日10時33分35秒」を格納して、承認要求関連テーブル142を更新する(ステップS7)。
【0095】
承認条件「承認者の人数:1人以上」が満たされないため(ステップS8;No)、送信部19は、端末2に動作状況の送信要求を送信する(ステップS41)。これに対し、端末2から動作状況情報が携帯端末1に送信される(ステップS42)。
【0096】
動作状況情報を受信した実行部22は、端末2に電話アプリケーションの強制終了を指示する(ステップS43)。より詳細には、実行部22は、図23(B)に示すように、承認要求関連テーブル142の報知動作内容に「電話アプリケーションの強制終了」を格納し、端末2に電話アプリケーションの強制終了の指示を含む報知動作情報を送信する。端末2は、報知動作情報を受信すると、端末2の電話アプリケーションを終了させ、表示部202に選択画面が表示される。
【0097】
この選択画面の操作により、端末2は承認結果情報を送信する(ステップS5)。承認結果情報を受信した情報取得部20は、図23(C)に示すように、承認結果に「OK」を格納して、承認要求関連テーブル142を更新する(ステップS18)。この結果、承認条件が満たされると(ステップS19;Yes)、実行部22は、解錠指令情報を生成する。この解錠指令情報は、施錠装置7に送信され、ドア6が解錠される。
【0098】
以上説明したように、上記各実施形態によれば、使用者の状況に基づいて施設又は設備を利用するための承認者の承認条件が調整される。これにより、施設又は設備を利用するに際し、効率的に承認者の承認を得ることができる。
【0099】
また、上記実施形態2では、承認者間で承認権の移譲が可能となるので、承認をしない承認者に起因する遅れを極力防止して、効率的に承認者の承認を得ることができる。
【0100】
また、上記実施形態3では、承認条件は、承認者と施設又は設備との距離が所定距離以内になった場合に、承認者が承認したものとみなした。このようにすれば、さらに効率的に承認を得ることができる。
【0101】
上記実施形態4では、実行部22は、承認要求情報を承認者が所持する端末2、3に送信し、承認要求情報を送信してから待ち時間が経過するまでに、承認者の応答がない場合、端末2にアラームを出力させることとした。これにより、例えば、承認者が端末2から離れていても、承認者が承認を要求されていることに気付くことができ、より効率的に承認を得ることができる。
【0102】
上記実施形態5では、承認者が、他のアプリケーションを実行しているため、承認を要求されていることに気づかない場合に、他のアプリケーションを強制停止させる。これにより、承認者が承認を要求されていることに気付くことができるので、効率的な承認が可能となる。
【0103】
なお、携帯端末1は、通信回線網5上に設けられたサーバ等(不図示)を介して、端末2、3との間でデータ通信を行うようにしてもよい。この場合、施錠装置7がサーバで管理されており、携帯端末1からサーバに解錠指令情報を送信することで、ドア6が解錠するようにしてもよい。
【0104】
なお、承認条件の承認者の人数は、3人以上であってもよい。また、選出部18は、承認条件の承認者の人数以上の承認者を選出してもよい。
【0105】
なお、検出部15は、温度センサ、血圧センサを備え、使用者の身体に関する情報として使用者の体温、血圧等を取得してもよい。また、取得部は、加速度センサを備え、使用者の行動に関する情報として加速度を取得してもよい。
【0106】
なお、上記各実施形態では、ドア6が施錠された施設を利用する場合の承認を得る方法について説明したが、例えば、使用者が、PC(Personal Computer)等の設備を利用する場合にも本発明を適用することができる。
【0107】
なお、上記各実施形態では、携帯端末1と端末2、3との間における承認要求情報等のデータの送受信に電子メールを用いたが、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、赤外線、Felica(登録商標)等を用いて、端末間で、直接データを送受信するようにしてもよい。
【0108】
なお、上記各実施形態における携帯端末1、端末2、3は、携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant又はPersonal Data Assistance)、PC、デジタルカメラ等であってもよい。
【0109】
なお、上記各実施形態における携帯端末1、端末2、3、施錠装置7は、データの送受信に無線通信を用いたが、有線通信でもよい。
【0110】
なお、上記実施形態において、実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto-Optical disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するシステムを構成することとしてもよい。
【0111】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
【0112】
また、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
【0113】
なお、本発明は、上記実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態及び図面に変更を加えることができるのはもちろんである。
【0114】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0115】
(付記1)
使用者による施設又は設備の利用の承認を承認者から得るために用いられる携帯端末であって、
前記使用者の状況に関する情報を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記使用者の状況に関する情報に基づいて、承認条件を調整する調整部と、
前記複数の承認者候補の中から、前記施設又は設備に関連する承認者を優先的に選出する選出部と、
承認要求に関する情報を、前記選出部で選出された承認者の端末に送信する送信部と、
前記承認要求に対する前記承認者の承認結果に関する情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得された前記承認者の承認結果に関する情報に基づいて、前記調整部によって調整された承認条件が満たされたか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記承認条件が満たされたと判定された場合に、前記使用者による前記施設又は設備の利用を可能とする処理を実行する実行部と、
を備える携帯端末。
【0116】
(付記2)
前記施設又は設備の位置情報が関連付けられた前記施設又は設備の画像と、前記複数の承認者各々の顔画像とを記憶する記憶部をさらに備え、
前記選出部は、
現在の位置情報に対応する前記施設又は設備の画像データに含まれる顔画像を抽出し、
抽出した顔画像と顔画像とが合致する承認者を優先的に選出する、
ことを特徴とする付記1に記載の携帯端末。
【0117】
(付記3)
前記調整部は、
前記検出部によって検出された前記使用者の状況に関する情報に応じて、前記承認条件に含まれる承認に必要な前記承認者の人数を増減させる、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の携帯端末。
【0118】
(付記4)
前記情報取得部が、
前記承認者の端末から承認権の移譲に関する情報を受信した場合に、
前記選出部は、
前記承認要求に関する情報が送信されてない承認者候補の中から、承認者を再選出し、
前記送信部は、
承認要求に関する情報を、前記選出部で選出された承認者の端末に送信する、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の携帯端末。
【0119】
(付記5)
前記情報取得部は、
前記承認者の端末と前記施設又は設備との距離が所定距離以内となったときに、前記承認要求に対して前記承認者が承認したものとみなして、承認結果に関する情報を取得する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の携帯端末。
【0120】
(付記6)
前記送信部が前記承認要求に関する情報を前記承認者の端末に送信してから所定の時間が経過するまでに、前記情報取得部が前記承認者の承認結果に関する情報を取得していない場合には、
前記実行部は、
前記承認者の端末を強制操作する情報を生成し、
前記送信部は、
前記強制操作する情報を、前記承認者の端末に送信する、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の携帯端末。
【0121】
(付記7)
前記情報取得部は、
前記承認者の端末の動作状況に関する情報を取得し、
前記実行部は、
前記情報取得部によって取得された前記端末の動作状況に関する情報に基づいて、前記承認者の端末を強制操作する情報を生成する、
ことを特徴とする付記6に記載の携帯端末。
【0122】
(付記8)
前記承認者の端末を強制操作する情報は、
その端末で実行されている処理の強制停止命令を含む、
ことを特徴とする付記6又は7に記載の携帯端末。
【0123】
(付記9)
付記1乃至8のいずれかに記載の携帯端末と、
前記携帯端末から送信される承認要求に関する情報に応答して、ユーザ操作により、承認結果に関する情報を送信可能な端末と、
前記携帯端末で前記施設又は設備の利用を可能とする処理が実行されると、施設又は設備の状態を利用可能な状態に変更する変更装置と、
を備える承認システム。
【0124】
(付記10)
使用者による施設又は設備の利用の承認を承認者から得る承認方法であって、
前記使用者の携帯端末を用いて、前記使用者の状況に関する情報を検出する検出工程と、
前記検出工程において検出された前記使用者の状況に関する情報に基づいて、前記携帯端末を用いて、承認条件を調整する調整工程と、
前記携帯端末を用いて、前記複数の承認者候補の中から、前記施設又は設備に関連する承認者を優先的に選出する選出工程と、
前記携帯端末を用いて、承認要求に関する情報を、前記選出部で選出された承認者の端末に送信する送信工程と、
前記携帯端末を用いて、前記承認要求に対する前記承認者の承認結果に関する情報を取得する情報取得工程と、
前記携帯端末を用いて、前記情報取得工程において取得された前記承認者の承認結果に関する情報に基づいて、前記調整工程において調整された承認条件が満たされたか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記承認条件が満たされたと判定された場合に、前記使用者による前記施設又は設備の利用を可能とする処理を実行する実行工程と、
を含む承認方法。
【0125】
(付記11)
使用者による施設又は設備の利用の承認を承認者から得るために用いられる携帯端末を制御するコンピュータを、
前記使用者の状況に関する情報を検出する検出部、
前記検出部によって検出された前記使用者の状況に関する情報に基づいて、承認条件を調整する調整部、
前記複数の承認者候補の中から、前記施設又は設備に関連する承認者を優先的に選出する選出部、
承認要求に関する情報を、前記選出部で選出された承認者の端末に送信する送信部、
前記承認要求に対する前記承認者の承認結果に関する情報を取得する情報取得部、
前記情報取得部によって取得された前記承認者の承認結果に関する情報に基づいて、前記調整部によって調整された承認条件が満たされたか否かを判定する判定部、
前記判定部によって前記承認条件が満たされたと判定された場合に、前記使用者による前記施設又は設備の利用を可能とする処理を実行する実行部、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0126】
1 携帯端末
2、3 端末
4 公衆基地局
5 通信回線網
6 ドア
7 施錠装置
11、203 操作入力部
12、202 表示部
13、201 通信部
14、204 記憶部
15、206 検出部
16、205 制御部
17 調整部
18 選出部
19 送信部
20 情報取得部
21 判定部
22 実行部
100 承認システム
141 承認条件テーブル
142 承認要求関連テーブル
143 画像データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者による施設又は設備の利用の承認を承認者から得るために用いられる携帯端末であって、
前記使用者の状況に関する情報を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記使用者の状況に関する情報に基づいて、承認条件を調整する調整部と、
前記複数の承認者候補の中から、前記施設又は設備に関連する承認者を優先的に選出する選出部と、
承認要求に関する情報を、前記選出部で選出された承認者の端末に送信する送信部と、
前記承認要求に対する前記承認者の承認結果に関する情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得された前記承認者の承認結果に関する情報に基づいて、前記調整部によって調整された承認条件が満たされたか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記承認条件が満たされたと判定された場合に、前記使用者による前記施設又は設備の利用を可能とする処理を実行する実行部と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記施設又は設備の位置情報が関連付けられた前記施設又は設備の画像と、前記複数の承認者各々の顔画像とを記憶する記憶部をさらに備え、
前記選出部は、
現在の位置情報に対応する前記施設又は設備の画像データに含まれる顔画像を抽出し、
抽出した顔画像と顔画像とが合致する承認者を優先的に選出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記調整部は、
前記検出部によって検出された前記使用者の状況に関する情報に応じて、前記承認条件に含まれる承認に必要な前記承認者の人数を増減させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記情報取得部が、
前記承認者の端末から承認権の移譲に関する情報を受信した場合に、
前記選出部は、
前記承認要求に関する情報が送信されてない承認者候補の中から、承認者を再選出し、
前記送信部は、
承認要求に関する情報を、前記選出部で選出された承認者の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記情報取得部は、
前記承認者の端末と前記施設又は設備との距離が所定距離以内となったときに、前記承認要求に対して前記承認者が承認したものとみなして、承認結果に関する情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記送信部が前記承認要求に関する情報を前記承認者の端末に送信してから所定の時間が経過するまでに、前記情報取得部が前記承認者の承認結果に関する情報を取得していない場合には、
前記実行部は、
前記承認者の端末を強制操作する情報を生成し、
前記送信部は、
前記強制操作する情報を、前記承認者の端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記情報取得部は、
前記承認者の端末の動作状況に関する情報を取得し、
前記実行部は、
前記情報取得部によって取得された前記端末の動作状況に関する情報に基づいて、前記承認者の端末を強制操作する情報を生成する、
ことを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の携帯端末と、
前記携帯端末から送信される承認要求に関する情報に応答して、ユーザ操作により、承認結果に関する情報を送信可能な端末と、
前記携帯端末で前記施設又は設備の利用を可能とする処理が実行されると、施設又は設備の状態を利用可能な状態に変更する変更装置と、
を備える承認システム。
【請求項9】
使用者による施設又は設備の利用の承認を承認者から得る承認方法であって、
前記使用者の携帯端末を用いて、前記使用者の状況に関する情報を検出する検出工程と、
前記検出工程において検出された前記使用者の状況に関する情報に基づいて、前記携帯端末を用いて、承認条件を調整する調整工程と、
前記携帯端末を用いて、前記複数の承認者候補の中から、前記施設又は設備に関連する承認者を優先的に選出する選出工程と、
前記携帯端末を用いて、承認要求に関する情報を、前記選出部で選出された承認者の端末に送信する送信工程と、
前記携帯端末を用いて、前記承認要求に対する前記承認者の承認結果に関する情報を取得する情報取得工程と、
前記携帯端末を用いて、前記情報取得工程において取得された前記承認者の承認結果に関する情報に基づいて、前記調整工程において調整された承認条件が満たされたか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において前記承認条件が満たされたと判定された場合に、前記使用者による前記施設又は設備の利用を可能とする処理を実行する実行工程と、
を含む承認方法。
【請求項10】
使用者による施設又は設備の利用の承認を承認者から得るために用いられる携帯端末を制御するコンピュータを、
前記使用者の状況に関する情報を検出する検出部、
前記検出部によって検出された前記使用者の状況に関する情報に基づいて、承認条件を調整する調整部、
前記複数の承認者候補の中から、前記施設又は設備に関連する承認者を優先的に選出する選出部、
承認要求に関する情報を、前記選出部で選出された承認者の端末に送信する送信部、
前記承認要求に対する前記承認者の承認結果に関する情報を取得する情報取得部、
前記情報取得部によって取得された前記承認者の承認結果に関する情報に基づいて、前記調整部によって調整された承認条件が満たされたか否かを判定する判定部、
前記判定部によって前記承認条件が満たされたと判定された場合に、前記使用者による前記施設又は設備の利用を可能とする処理を実行する実行部、
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−208582(P2012−208582A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72047(P2011−72047)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】